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特開2024-129311屋根における太陽電池モジュールの設置装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129311
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】屋根における太陽電池モジュールの設置装置
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/18 20180101AFI20240919BHJP
   H02S 20/23 20140101ALI20240919BHJP
【FI】
E04D13/18 ETD
H02S20/23 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038432
(22)【出願日】2023-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】504232974
【氏名又は名称】株式会社ダイドーハント
(74)【代理人】
【識別番号】100077791
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 収二
(72)【発明者】
【氏名】岡室 勝幸
(72)【発明者】
【氏名】藤野 聡史
【テーマコード(参考)】
2E108
【Fターム(参考)】
2E108KK01
2E108LL01
2E108MM00
2E108NN07
(57)【要約】
【課題】立平葺き屋根において太陽電池モジュールの端部を固定支持するための設置装置を提供する。
【解決手段】屋根の上面に固定されるベース金具と、前記ベース金具に搭載され、前記太陽電池モジュールの端部を下方から支持する台座金具と、前記台座金具に搭載され、前記太陽電池モジュールの端部を上方から保持する保持部を設けた押さえ金具により構成されており、前記屋根の上面からハゼの頂部までの高さH1と、前記屋根の上面から前記台座金具の支持面までの高さH2と、前記高さの差K=H2-H1と、前記太陽電池モジュールの端部の厚さTは、H2≧H1、かつ、0<K<T・2/3に形成されている。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
棟側と軒側に向かうX方向に延びるハゼを備えた板材をX方向に直交するY方向に連設して成る立平葺き屋根において、縦横に敷設される太陽電池モジュールのX方向の端部を固定支持するための設置装置であり、
前記太陽電池モジュールの端部に臨んで屋根の上面に固定されるベース金具と、
前記ベース金具に搭載され、前記太陽電池モジュールの端部を下方から支持する支持面を有する支持部を備えた台座金具と、
前記台座金具に搭載され、前記太陽電池モジュールの端部を上方から保持する保持部を設けた押さえ金具により構成されており、
前記屋根の上面からハゼの頂部までの高さH1と、前記屋根の上面から前記台座金具の支持面までの高さH2と、前記高さの差K=H2-H1と、前記太陽電池モジュールの端部の厚さTは、H2≧H1、かつ、0<K<T・2/3に形成されており、
前記太陽電池モジュールの端部を前記ハゼの頂部に載置した状態で前記支持部の近傍まで摺動させることにより前記支持面と前記保持部の間に嵌挿し、太陽電池モジュールを前記ハゼの頂部に近接した状態で設置するように構成して成ることを特徴とする屋根における太陽電池モジュールの設置装置。
【請求項2】
前記高さの差K=H2-H1と、前記太陽電池モジュールの端部の厚さTは、0<K<T・1/2に形成されて成ることを特徴とする請求項1に記載の屋根における太陽電池モジュールの設置装置。
【請求項3】
前記ベース金具は、X方向の両端を開放したほぼ溝形の部材により形成されており、固着用ビスを介して屋根に固着される底壁と、前記底壁の両側縁から立設されてX方向に延びる両側壁と、前記両側壁の間でX方向に延びるガイド部を備え、締結ボルトの頭部を前記ガイド部に摺動自在に保持すると共に該締結ボルトのねじ軸部を上向きに突出させており、
前記台座金具は、前記ベース金具の両側壁の上にX方向に摺動自在に搭載された状態で前記両側壁の間を閉鎖する閉鎖板部と、前記閉鎖板部の両側縁から起立する支持壁を備え、前記支持壁の頂部にX方向に延びるレール部を設けることにより前記支持部を形成し、前記締結ボルトのねじ軸部を閉鎖板部に挿通させており、
前記押さえ金具は、前記台座金具の閉鎖板部に載置して固定される基部と、前記基部から上向きに延びる起立部を備え、前記起立部の上端部に前記保持部を設けており、前記閉鎖板部を挿通した締結ボルトのねじ軸部を前記基部に挿通させた状態でナットを締結することにより前記閉鎖板部と共締め固定され、
前記太陽電池モジュールの端部に向けて流下する雨水を前記保持部により押さえ金具の両側に向かうように案内すると共に、前記端部に沿って落下する雨水を前記レール部によりベース金具の両側壁の外側に向けて案内するように構成して成ることを特徴とする請求項1に記載の屋根における太陽電池モジュールの設置装置。
【請求項4】
前記台座金具の支持面の上に重ねられ、前記太陽電池モジュールの端部の下面に接触する導電部を備えた金属薄板から成るアース金具が設けられており、
前記アース金具は、前記台座金具の閉鎖板部と前記押さえ金具の基部の間に挟持された状態で前記締結ボルトのねじ軸部を挿通させる平板部を備えており、
前記閉鎖板部と前記平板部と前記基部を重ねた重合体に前記締結ボルトのねじ軸部を挿通自在とすることにより、前記台座金具と前記アース金具と前記押さえ金具を1組とするユニットを構成し、
前記締結ボルトのねじ軸部を前記重合体に挿通した状態で該締結ボルトの頭部を前記ベース金具のガイド部に沿って摺動させることにより、前記ユニットの位置をX方向に調節すると共に、前記ナットを締結することにより、前記ユニットを所定位置で前記ベース金具に固定するように構成して成ることを特徴とする請求項3に記載の屋根における太陽電池モジュールの設置装置。
【請求項5】
前記アース金具の導電部は、薄板部に下向き突起と上向き突起を設け、下向き突起と上向き突起を上下に重ならないように位置ずれ状態として形成しており、
前記下向き突起を前記台座金具の支持面に載置することにより前記薄板部を前記支持面から浮かせた状態で保持し、
前記上向き突起の上に前記太陽電池モジュールの端部の下面を載せたとき、前記薄板部が下向きに弾性変形することにより前記上向き突起を下降させると共に、前記薄板部の弾発力により前記上向き突起を前記太陽電池モジュールの端部の下面に食い込ませるように構成して成ることを特徴とする請求項4に記載の屋根における太陽電池モジュールの設置装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立平葺き屋根に太陽電池モジュールを設置して縦横に敷設する際、太陽電池モジュールの端部を屋根に固定支持するための設置装置に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池モジュールを屋根に設置するための装置は、屋根に長尺レール部材から成る架台を固設し、架台の上に太陽電池モジュールを搭載するように構成したものが一般的である。
【0003】
ところで、近年、棟側と軒側に向かうX方向に延びるハゼを備えた金属板材をX方向に直交するY方向に連設して成る立平葺き屋根を採用した住宅が増加している。この場合、前記のような長尺の架台は使用されず、ハゼを掴持することにより固着される固定金具が使用され、この固定金具の上に太陽電池モジュールを搭載するように構成されている(特許文献1及び特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6316129号公報
【特許文献2】実用新案登録願第3189426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ハゼの上から固定金具を掴持することにより固着し、その上に太陽電池モジュールを搭載する装置は、次のような問題がある。
(1)敷設された太陽電池モジュールと屋根の上面の間に大きな空間(隙間)が形成される。即ち、太陽電池モジュールの下面は、ハゼの高さに固定金具の高さを加えた位置に設置される。このため、一見して、屋根の上面から大きく離れた状態として視認され、屋根との一体感がなく、見栄えが良くない。
(2)しかも、上記の大きな空間は、暴風の進入や通過が容易であり、太陽電池モジュールの下面に負圧が生じるので、これに耐える強度や構造が必要となる。
(3)更に、固定金具は、ハゼを掴持することにより固着する構成であるから、屋根における取付個所が限定され、施工の自由度が制約を受けることになる。
(4)その他、金具の構成に関しても、解決すべき多くの問題がある。
【0006】
本発明は、上記問題を解決した立平葺き屋根における太陽電池モジュールの設置装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明が手段として構成したところは、棟側と軒側に向かうX方向に延びるハゼを備えた板材をX方向に直交するY方向に連設して成る立平葺き屋根において、縦横に敷設される太陽電池モジュールのX方向の端部を固定支持するための設置装置であり、前記太陽電池モジュールの端部に臨んで屋根の上面に固定されるベース金具と、前記ベース金具に搭載され、前記太陽電池モジュールの端部を下方から支持する支持面を有する支持部を備えた台座金具と、前記台座金具に搭載され、前記太陽電池モジュールの端部を上方から保持する保持部を設けた押さえ金具により構成されており、前記屋根の上面からハゼの頂部までの高さH1と、前記屋根の上面から前記台座金具の支持面までの高さH2と、前記高さの差K=H2-H1と、前記太陽電池モジュールの端部の厚さTは、H2≧H1、かつ、0<K<T・2/3に形成されており、前記太陽電池モジュールの端部を前記ハゼの頂部に載置した状態で前記支持部の近傍まで摺動させることにより前記支持面と前記保持部の間に嵌挿し、太陽電池モジュールを前記ハゼの頂部に近接した状態で設置するように構成して成る点にある。
【0008】
この際、前記高さの差K=H2-H1と、前記太陽電池モジュールの端部の厚さTは、0<K<T・1/2に形成することが好ましい。
【0009】
本発明の好ましい実施形態において、前記ベース金具は、X方向の両端を開放したほぼ溝形の部材により形成されており、固着用ビスを介して屋根に固着される底壁と、前記底壁の両側縁から立設されてX方向に延びる両側壁と、前記両側壁の間でX方向に延びるガイド部を備え、締結ボルトの頭部を前記ガイド部に摺動自在に保持すると共に該締結ボルトのねじ軸部を上向きに突出させている。前記台座金具は、前記ベース金具の両側壁の上にX方向に摺動自在に搭載された状態で前記両側壁の間を閉鎖する閉鎖板部と、前記閉鎖板部の両側縁から起立する支持壁を備え、前記支持壁の頂部にX方向に延びるレール部を設けることにより前記支持部を形成し、前記締結ボルトのねじ軸部を閉鎖板部に挿通させている。前記押さえ金具は、前記台座金具の閉鎖板部に載置して固定される基部と、前記基部から上向きに延びる起立部を備え、前記起立部の上端部に前記保持部を設けており、前記閉鎖板部を挿通した締結ボルトのねじ軸部を前記基部に挿通させた状態でナットを締結することにより前記閉鎖板部と共締め固定されている。これにより、前記太陽電池モジュールの端部に向けて流下する雨水を前記保持部により押さえ金具の両側に向かうように案内すると共に、前記端部に沿って落下する雨水を前記レール部によりベース金具の両側壁の外側に向けて案内するように構成している。
【0010】
好ましくは、前記台座金具の支持面の上に重ねられ、前記太陽電池モジュールの端部の下面に接触する導電部を備えた金属薄板から成るアース金具が設けられている。前記アース金具は、前記台座金具の閉鎖板部と前記押さえ金具の基部の間に挟持された状態で前記締結ボルトのねじ軸部を挿通させる平板部を備えており、前記閉鎖板部と前記平板部と前記基部を重ねた重合体に前記締結ボルトのねじ軸部を挿通自在とすることにより、前記台座金具と前記アース金具と前記押さえ金具を1組とするユニットを構成し、前記締結ボルトのねじ軸部を前記重合体に挿通した状態で該締結ボルトの頭部を前記ベース金具のガイド部に沿って摺動させることにより、前記ユニットの位置をX方向に調節すると共に、前記ナットを締結することにより、前記ユニットを所定位置で前記ベース金具に固定するように構成している。
【0011】
この際、前記アース金具の導電部は、薄板部に下向き突起と上向き突起を設け、下向き突起と上向き突起を上下に重ならないように位置ずれ状態として形成している。これにより、前記下向き突起を前記台座金具の支持面に載置することにより前記薄板部を前記支持面から浮かせた状態で保持し、前記上向き突起の上に前記太陽電池モジュールの端部の下面を載せたとき、前記薄板部が下向きに弾性変形することにより前記上向き突起を下降させると共に、前記薄板部の弾発力により前記上向き突起を前記太陽電池モジュールの端部の下面に食い込ませるように構成している。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、屋根1に設置された太陽電池モジュールMは、ハゼ1aを上方から近接して被うように設置されるので、屋根に一体化された外観を呈することができ、見栄えが良く、意匠性に優れる。しかも、これにより、太陽電池モジュールMの下側に暴風の進入や通過を容易とする空間が形成されることを防止することができる。
【0013】
そして、設置装置2は、屋根における取付個所が限定されず、施工の自由度が高い利点があり、特に、太陽電池モジュールMの端部をハゼ1aに仮置きした状態から、ハゼ1aに沿ってスライド移動することにより設置装置2に嵌挿させる構成であるから、作業が簡単容易であり、施工性に優れている。
【0014】
更に、ベース金具3の固着用ビス7を太陽電池モジュールMの端部で流下する雨水から保護できるように構成しているので、固着用ビス7の防錆効果にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係る設置装置を立平葺き屋根の平坦部に取付固定し、太陽電池モジュールを設置する作業中の状態を示す斜視図である。
図2図1の1部を拡大して示す斜視図である。
図3図2の斜視図に対応しており、軒側にカバー部材を取付けた状態を示す斜視図である。
図4】屋根の棟側と軒側の間における中間部に取付固定される中間部用設置装置に関して、設置装置を構成する金具を分解状態で示す斜視図である。
図5】設置装置を構成する金具に関して、(A)は台座金具とアース金具と押さえ金具の関係を示す斜視図、(B)はアース金具の導電部を示す拡大図である。
図6】屋根の軒側に取付固定される軒側用設置装置に関して、設置装置を構成する金具を分解状態で示す斜視図である。
図7】中間部用設置装置に関して、屋根に固着した状態のベース金具と、台座金具とアース金具と押さえ金具を1組としたユニットを示す斜視図である。
図8】台座金具とアース金具と押さえ金具を1組とするユニットに関して、(A)はユニットを形成するための方法を示す斜視図、(B)は形成されたユニットを示す斜視図、(C)はユニットを軒側から見た断面図、(D)はA-A線断面図である。
図9】屋根に固着されたベース金具にユニットを搭載する方法に関して、(A)は軒側から見た断面図、(B)(C)(D)はベース金具と台座金具の相互に形成された搭載案内機構の作用を示す断面図である。
図10】中間部用設置装置に関して、屋根に固着したベース金具にユニットを搭載した状態を示す斜視図である。
図11】中間部用設置装置に関して、屋根に固着したベース金具にユニットを搭載した状態を軒側から見た断面図である。
図12図11のB-B線断面図であり、太陽電池モジュールの端部をハゼの上で摺動させ、台座金具の支持部に向けて移動させている状態を示す断面図である。
図13】太陽電池モジュールの端部を台座金具の支持部と押さえ金具の保持部の間に嵌挿させた状態を示す断面図である。
図14】アース金具に関して、(A)はアース金具の導電部及び押さえ金具の保持部と、太陽電池モジュールの端部との関係を示す断面図、(B)は導電部を拡大して示す断面図、(D)は導電部の作用を示す断面図である。
図15】軒側用設置装置に関して、屋根の軒側に太陽電池モジュールの端部が設置された状態を示す断面図である。
図16】棟側用設置装置に関して、屋根の棟側に太陽電池モジュールの端部が設置された状態を示す断面図である。
図17】屋根に設置された状態で、太陽電池モジュールの端部に向けて流下する雨水の流路を説明する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下図面に基づいて本発明の好ましい実施形態を詳述する。
【0017】
図1ないし図3に示すように、立平葺き屋根1(以下、単に「屋根1」という場合がある。)は、軒側X1と棟側X2に向かうX方向と、該X方向に直交するY方向に関して、X方向に延びるハゼ1aを備えた金属製の板材をY方向に連設することにより構成されている。
【0018】
屋根1において縦横に敷設される太陽電池モジュールMは、そのX方向の端部が本発明に係る設置装置2により固定支持され、これにより屋根1に設置される。尚、太陽電池モジュールMは、矩形とされたパネルの周囲に額縁状の金属製フレームを装着しており、X方向のうち軒側X1の端部m1と棟側X2端部m2は、このフレームを含んで構成されている。
【0019】
設置装置2は、屋根1の軒側X1と棟側X2の間における中間部に取付固定される中間部用設置装置2Aと、軒側に取付固定される軒側用設置装置2Bと、棟側に取付固定される棟側用設置装置2Cにより構成されている。
【0020】
図2及び図3に示すように、中間部用設置装置2Aは、X方向に隣り合う軒側の太陽電池モジュールM1と棟側の太陽電池モジュールM2の相互に近接する端部m1、m2を固定支持する。
【0021】
これに対して、軒側用設置装置2Bは、屋根1の軒先に臨む太陽電池モジュールMの軒側の端部m1を固定支持する。また、図1ないし図3には図示省略しているが、棟側用設置装置2Cは、屋根1の棟に臨む太陽電池モジュールMの棟側の端部m2を固定支持する(図16参照)。
【0022】
(中間部用設置装置の構成)
図4は、中間部用設置装置2Aを示しており、装置2Aは、ベース金具3と、台座金具4と、アース金具5と、押さえ金具6により構成されている。
【0023】
(ベース金具)
ベース金具3は、X方向の両端を開放したほぼ溝形の部材により形成され、固着用ビス7を介して屋根に固着される底壁8と、前記底壁8の両側縁から立設されてX方向に延びる両側壁9、9と、前記両側壁9、9の間でX方向に延びるガイド部10を備えており、例えば、アルミニウム等の金属により押出成形された型材を所定長さに切断することにより提供することができる。
【0024】
前記側壁9は、上端部をガイド部10に向けて折曲形成した支持受部11を備え、前記底壁8は、前記ガイド部10と側壁9の間に位置して、前記固着用ビス7を挿通させるビス孔8aを貫設している。
【0025】
前記ガイド部10は、締結ボルト12の頭部12aをX方向に摺動自在に保持すると共に該締結ボルトのねじ軸部12bを上向きに突出させるように構成されている。図示実施形態の場合、前記ガイド部10は、上部開口幅を狭窄するように開口の両側縁から内向きに突出するリップ10aを備えた樋を構成し、上部開口からねじ軸部12bを突出させた状態で、六角形の頭部12aを回動不能な状態で収容する。
【0026】
(台座金具)
前記台座金具4は、前記ベース金具3の両側壁9、9の支持受部11にX方向に摺動自在に搭載された状態で、該両側壁9、9の間を閉鎖する閉鎖板部13と、前記閉鎖板部13の両側縁から起立する支持壁14、14を備えており、前記支持壁14の頂部にX方向に延びるレール状の支持部15を形成しており、例えば、アルミニウム等の金属により押出成形された型材を所定長さに切断することにより提供することができる。
【0027】
前記支持部15は、支持壁14の外側に張り出す外フランジ16aと、内側に張り出す内フランジ16bを備えており、内フランジ16bに切欠き部17を設けている。
【0028】
この際、前記支持部15の上面は、前記切欠き部17の両側に、軒側の太陽電池モジュールM1の端部m2の下面を支持する軒側の支持面15aと、棟側の軒側の太陽電池モジュールM2の端部m1の下面を支持する棟側の支持面15bを構成している。
【0029】
前記閉鎖板部13は、前記締結ボルト12のねじ軸部12b挿通させるための挿通孔13aを貫設しており、前記ベース金具3に搭載されたとき前記支持受部11の内側に沿って挿入される規制レール部13bを垂設している。
【0030】
(押さえ金具)
前記押さえ金具6は、前記台座金具4の閉鎖板部13の上に重ねた状態で固定される板状の基部18と、前記基部18から上向きに延びると共にX方向に交差する板面を有する板状の起立部19を備え、前記起立部19の上端部に保持部20を設けており、例えば、アルミニウム等の金属により押出成形された型材を所定長さに切断することにより提供することができる。
【0031】
前記基部18は、前記台座金具4の挿通孔13aを挿通した締結ボルト12のねじ軸部12bを挿通させる挿通孔18aを貫設している。
【0032】
前記保持部20は、前記起立部19の上部を断面T字形に形成することにより、起立部19から軒側に向けて突出する軒側の保持部20aと、棟側に突出する棟側の保持部20bを備えている。
【0033】
(アース金具)
前記アース金具5は、導電性を有する薄い金属板により形成されており、前記台座金具4の閉鎖板部13と前記押さえ金具6の基部18の間に挟持される平板部21を備えており、該平板部21に前記締結ボルト12のねじ軸部12bを挿通させる挿通孔21aを貫設している。
【0034】
前記平板部21は、両側から上向きに折曲された起立部の上端を外向きに折曲した翼片を設けており、該翼片により導電部22、22を形成している。
【0035】
前記導電部22、22は、前記台座金具4の支持部15、15の上に重ねられ、後述するように太陽電池モジュールMの端部mの下面が載置されて接触するように構成されており、前記支持部15の切欠き部17に連通する切欠き部23を設けている。
【0036】
この際、前記導電部22は、前記切欠き部23を挟んで、軒側の太陽電池モジュールM1の端部m2の下面が載置される軒側の導電部22aと、棟側の軒側の太陽電池モジュールM2の端部m1の下面が載置される棟側の導電部22bを構成している。
【0037】
(ユニット)
後述するように、前記台座金具4と前記アース金具5と前記押さえ金具6は、台座金具4の閉鎖板部13の上に押さえ金具6の基部18を重ね、該基部18の上にアース金具5の平板部21を重ねた重合体とすることにより、挿通孔13a、18a、21aに前記締結ボルト12のねじ軸部12bを挿通自在としたユニットUを構成することができるように形成されている。このため、ユニットUを組立てる際は、台座金具4の閉鎖板部13とアース金具5の平板部21の間に、押さえ金具6の基部18を介装する必要がある。
【0038】
そこで、図5(A)に示すように、台座金具4の支持壁14、14の間に押さえ金具6を収容するため、支持壁14、14の間の内法寸法Eと、押さえ金具6の幅寸法Fは、E≧Fとされている。しかしながら、押さえ金具6の幅寸法Fは、できるだけ幅広に形成することが好ましい。このため、上述のように台座金具4の内フランジ16bとアース金具5の導電部22に切欠き部17、23を設けることにより、それぞれ幅寸法G1、G2とした挿入通路を形成している。即ち、G1>F、G2>Fとすることにより、押さえ金具6は、アース金具5の切欠き部23を介して、基部18を平板部21の下面に重ねられ、更に、台座金具4の切欠き部17を介して、基部18を閉鎖板部13の上に重ねることができ、これによりユニットUを形成するように構成されている。
【0039】
図5(B)は、アース金具5の棟側の導電部22bを拡大して示しており、導電部22bは、平板状の薄板部30に下向き突起31と上向き突起32を設け、下向き突起31と上向き突起32を上下に重ならないように位置ずれ状態として形成している。図示実施形態の場合、一対の下向き突起31、31がX方向に離間して配置され、その中間部に上向き突起32が配置されている。
【0040】
これに対して、軒側の導電部22aは、図5(A)に示すように、下向き突起31と上向き突起32を1個ずつ配置している。しかしながら、これら突起の個数は、特に限定されるものではない。
【0041】
(軒側用設置装置の構成)
図6は、軒側用設置装置2Bを示しており、装置2Bは、ベース金具3Bと、台座金具4と、アース金具5と、端部用押さえ金具6Bにより構成されている。
【0042】
台座金具4とアース金具5は、中間部用設置装置2Aについて説明した金具4、5と同一構成のものが使用される。
【0043】
ベース金具3Bは、中間部用設置装置2Aについて説明したベース金具3よりも長尺に形成されている点で相違するが、その他の構成は、ベース金具3と同様である。
【0044】
端部用押さえ金具6Bは、挿通孔18aを貫設した基部18から起立部19を立設し、起立部19の上端に保持部20を設けており、この点においては、中間部用設置装置2Aについて説明した押さえ金具6と同様である。
【0045】
上述の押さえ金具6と相違する点として、端部用押さえ金具6Bは、起立部19を含む保持部20の断面をL字形に形成することによりX方向の一方にだけ保持部20を設けており、保該持部20の反対側で、起立部19に上下一対のカバー保持レール33a、33bを設けている。
【0046】
前記カバー保持レール33a、33bにより、図3及び図15に示すように、端部カバー34を取付けることができるように構成されている。
【0047】
(棟側用設置装置の構成)
棟側用設置装置2Cは、上述した金具を組み合わせることにより構成されているので、分解斜視図は図示省略し、断面図を図16に示している。
【0048】
図16に示すように、棟側用設置装置2Cは、中間部用設置装置2Aにおけるベース金具3と、台座金具4と、アース金具5と、軒側用設置装置2Bにおける端部用押さえ金具6Bにより構成されている。尚、端部用押さえ金具6Bには、上述と同様に、端部カバー34が取付けられる。
【0049】
(施工方法その他の説明)
以下、本発明の設置装置2により太陽電池モジュールMを屋根の上に設置する施工方法を説明する。その際、設置装置2に含まれる特徴的構成と作用についても合わせて説明する。
【0050】
図7ないし図14は、中間部用設置装置2Aにより太陽電池モジュールMの端部を固定支持するための施工法と作用を示している。尚、中間部用設置装置2Aの施工方法を説明することにより、軒側用設置装置2B及び棟側用設置装置2Cの施工法は自明となるので、説明を省略する。
【0051】
図7に示すように、屋根1の所定個所、つまり、ハゼ1aから外れた平面部にベース金具3を設置し、屋根1を構成する金属板材から野地板1bに向けて固着用ビス7をねじ込むことにより固着し、ベース金具3のガイド部10を介して締結ボルト12を摺動自在に立設する。
【0052】
この際、上述のような台座金具4とアース金具5と押さえ金具6を1組とするユニットUが形成される。図8(A)に示すように、台座金具4とアース金具5を上下に離間させた状態で、傾斜姿勢とした押さえ金具6の基部18を先端から、アース金具5の切欠き部23と台座金具4の切欠き部17に挿入し、台座金具4の閉鎖板部13に臨ませた状態で起立させると、図8(B)(C)(D)に示すように、閉鎖板部13と平板部21の間に基部18が挟まれた状態で重ね合わせられ、ユニットUが形成される。
【0053】
ユニットUは、挿通孔13a、18a、21aを合致させ、切欠き部17、23を合致させることにより、台座金具4の軒側の支持面15aと棟側の支持面15bの上に、アース金具5の軒側の導電部22aと棟側の導電部22bを重ねた状態とされる。
【0054】
その後、ユニットUは、前記ベース金具3の支持受部11に搭載され、前記締結ボルト12のねじ軸部12bを挿通孔13a、18a、21aに挿通させた状態で、ベース金具3に対してX方向に摺動することにより位置を調整される。そこで、前記ねじ軸部12bに締結ナット35(図7及び図11参照)を締結することにより、ユニットUは、ベース金具3に固定される。
【0055】
ユニットUをベース金具3に搭載するときの作用を図9に示している。ベース金具3の一対の支持受部11、11の間の内法寸法W1と、台座金具4の一対の規制レール部13b、13bの間の外法寸法W2は、W1>W2とされ、図9(B)に示すように、規制レール部13b、13bを支持受部11、11に挿入するとき、隙間Sが形成されており、これにより容易に挿入することができるように構成されている。
【0056】
この点に関して、ベース金具3と台座金具4の間には、規制レール部13b、13bを支持受部11、11に挿入したとき、前記隙間Sに起因して台座金具4が偏位しないように制御、つまり、センタリングするための搭載案内機構36が設けられている。
【0057】
図示実施形態の場合、搭載案内機構36は、ベース金具3の支持受部11の上面に形成されたガイドテーパ面36aと、台座金具4の規制レール部13bと支持壁14の間に位置する底面に形成されたガイドテーパ面36bにより構成されており、ガイドテーパ面36a、36bは、それぞれθ1とθ2で示すように、ベース金具3と台座金具4の幅方向(W1及びW2の矢印方向)の中央に向けて下向きに傾斜させられている。
【0058】
従って、図9(C)に示すように、規制レール部13bを支持受部11の内側に挿入したとき、相互に幅方向に偏位して当接するようなときでも、台座金具4を下降させたとき、図9(D)に示すように、ガイドテーパ面36a、36bが重なることにより、ベース金具3に対して台座金具4が自動的にセンタリングされる。
【0059】
図10及び図11は、上述のようにしてベース金具3にユニットUが搭載され、中間部用設置装置2Aが屋根1に取付け固定された状態を示している。
【0060】
この状態において、中間部用設置装置2A(軒側用設置装置2B及び棟側用設置装置2Cも同様である)は、屋根1の上面からハゼ1aの頂部までの高さH1と、屋根1の上面から台座金具4の支持部15の支持面までの高さH2(図示実施形態の場合は支持面に重ねられた導電部22を含む高さ)をH2≧H1に形成している。そして、前記高さの差K=H2-H1は、前記太陽電池モジュールの端部の厚さT(図12及び図14参照)に対し、0<K<T・2/3に形成されている。
【0061】
そこで、中間部用設置装置2Aに対して、太陽電池モジュールMは、図12及び図13に示すような方法で装着される。
【0062】
図12に示すように、太陽電池モジュールM2は、軒側の端部m1をハゼ1aの頂部に載置した状態で前記台座金具4に向けて摺動させられ、前記支持部15の近傍まで摺動した後、図13に示すように、前記支持部15の支持面(図示実施形態の場合は導電部22)と押さえ金具6の棟側の保持部20bの間に嵌挿される。
【0063】
上述の高さの差K=H2-H1を0(ゼロ)に近い0<Kに構成している場合は、太陽電池モジュールM2の軒側の端部m1をハゼ1aの頂部に沿って摺動するだけで、前記支持面と保持部の間に容易に嵌挿することができる。
【0064】
上述の高さの差K=H2-H1をK<T・2/3に構成している場合は、太陽電池モジュールM2の軒側の端部m1は、支持部15の近傍で、厚さTの2/3程度だけ持ち上げてやれば、前記支持面と保持部の間に簡単に嵌挿させることができる。
【0065】
このような持ち上げの労力を最小限に抑えるためには、K<T・2/3よりも更にKの値を小さくすることにより、K<T・1/2に形成することが好ましく、更にはK<T・1/3まで小さく形成することが好ましい。これにより、端部m1の嵌挿を迅速容易に行うことが可能となり、しかも、設置された太陽電池モジュールMの下面と屋根面の間の隙間を小さくすることができる。
【0066】
施工方法の説明が前後するが、設置装置2による太陽電池モジュールMの設置作業は、軒側から開始し、順次、棟側に向けて実施される。このため、図12及び図13に示す中間部用設置装置2Aには、先に設置された軒側の太陽電池モジュールM1の棟側の端部m2が固定されている。即ち、棟側の太陽電池モジュールM1の棟側の端部m2は、中間部用設置装置2Aの締結ナット35を緩めた状態で、ユニットUをベース金具3の上でX方向に摺動することにより、支持部15の軒側の支持面15a(軒側の導電部22a)と軒側の保持部20aに嵌挿状態で保持されている。
【0067】
図14は、台座金具4の棟側の支持面15bにアース金具5の棟側の導電部22bを重ねた図示実施形態において、太陽電池モジュールM2の軒側の端部m1が嵌挿されるときの作用を示している。
【0068】
図14において、上述した下向き突起31と上向き突起32に関して、軒側の導電部22aの下向き突起と上向き突起を符号31a、32aで示し、棟側の導電部22bの下向き突起と上向き突起を符号31b、32bで示している。尚、上述のとおり、棟側の導電部22bは、一対の下向き突起31b、31bをX方向に離間して配置し、その中間部に上向き突起32bを配置している。
【0069】
図示実施形態の場合、棟側の構成に関して、導電部22bの薄板部30と保持部20bの間の距離L1は、太陽電池モジュールM2の端部m1の厚さTよりも大きく、L1>Tに形成されている。この際、図14(B)に示すように、薄板部30は、下向き突起31bを介して、支持面15bから符号Dで示す空間を介して浮き上がっている。
【0070】
そして、支持面15b及び導電部22bは、保持部20bの下方空間よりも棟側に向けて長く延設されており、前記下方空間の外側で、薄肉部30から上向き突起32bを突設している。そこで、上向き突起32bの上端と保持部20bの間の距離L2は、太陽電池モジュールM2の端部m1の厚さTよりも小さく、L2<Tに形成されている。この際、図14(B)に示すように、上向き突起32bは、薄肉部30から符号Pで示す高さだけ突出しており、P>Dに形成されている。
【0071】
このため、保持部20bの下方空間に至る前に、太陽電池モジュールM2の端部m1が上向き突起32bに載せられると、図14(C)に示すように、上向き突起32bが受ける荷重により、下向き突起31b、31bの間で薄肉部30が下向きに撓み、上向き突起32bを下降させる。
【0072】
これにより、太陽電池モジュールM2の端部m1は、下面に上向き突起32bの上端を食い込ませた状態で、保持部20bの下方空間に向けて押し込まれ、押込み後は、撓まされた薄肉部30の復元力を介して上向き突起32bの食い込み状態を保持することにより、太陽電池モジュールM2のアースを確保する。
【0073】
図15は、屋根の軒先において、軒側用設置装置2Bにより太陽電池モジュールMの軒側の端部m1が設置された状態を示している。
【0074】
ベース金具3Bは、長尺に形成されているので、屋根の軒側において、野地板1bから垂木1cに向けて固着用ビス7をねじ込むことにより固着されている。ベース金具3Bは、鼻隠し1dから突出する野地板1bの先端部の上まで延び、その部分に位置して、台座金具4とアース金具5と端部用押さえ金具6Bを1組としたユニットUを搭載しており、端部用押さえ金具6Bには、端部カバー34が取付けられている。
【0075】
図16は、屋根の棟側において、棟側用設置装置2Cにより太陽電池モジュールMの棟側の端部m2が設置された状態を示している。
【0076】
図12及び図13に示した中間部用設置装置2Aに対して、ベース金具3は、X方向に関して反対向きに取付けられており、屋根の棟側において、野地板1bから垂木1cや鼻隠し1dに向けて固着用ビス7をねじ込むことにより固着されている。
【0077】
ベース金具3には、台座金具4とアース金具5と端部用押さえ金具6Bを1組としたユニットUが搭載されている。この際、台座金具4及びアース金具5は、中間部用設置装置2Aの場合に対して、X方向に関して反対向きに取付けられている。従って、上述した棟側の支持面15bと棟側の導電部22bは、軒側に向けて配置され、太陽電池モジュールMの棟側の端部m2を支持している。
【0078】
そして、端部用押さえ金具6Bは、保持部20により太陽電池モジュールMの棟側の端部m2を保持し、棟側に向けられたカバー保持レール33a、33bに端部カバー34を取付けている。
【0079】
以上のようにして、本発明の設置装置2により屋根1に設置された太陽電池モジュールMは、ハゼ1aを上方から近接して被うように設置されるので、屋根に一体化された外観を呈することができ、見栄えが良く、意匠性に優れている。
【0080】
そして、これにより、太陽電池モジュールMの下側に形成される空間は、ハゼ1aの高さH1と同程度のものに抑えられるので、ハゼ1aの存在と相まって、暴風の進入や通過を好適に妨げることができ、太陽電池モジュールの下面に負圧が生じることを防止することができる。
【0081】
しかも、設置装置2は、固着用ビス7によりベース金具3(3B)を屋根に固着し、その上に、台座金具4とアース金具5と押さえ金具6(6B)をユニットUとして摺動自在に搭載すると共に締結固定する構成とされているので、屋根における取付個所が限定されることはなく、施工の自由度が高い利点がある。
【0082】
特に、設置装置2により太陽電池モジュールMの端部を固定保持する際に、太陽電池モジュールMの端部をハゼ1aに仮置きした状態から、ハゼ1aに沿ってスライド移動することにより設置装置2に嵌挿させる構成としているので、作業が簡単容易であり、施工性に優れている。
【0083】
更に、図17に示すように、太陽電池モジュールMの端部mに向けて流下する雨水は、保持部20bにより押さえ金具6の両側に向かうように案内され、端部m1、m2の間を落下する雨水は、台座金具4のレールを構成する支持部15によりベース金具3の両側壁9の外側に向けて案内されるので、ベース金具3の固着用ビス7が雨水から保護され、発錆を防止できる効果がある。
【0084】
しかも、端部m1、m2の間を落下する雨水は、その一部が台座金具4の支持部15、15の内側に浸入した場合でも、台座金具4の閉鎖板部13に沿って軒側X1に向けて流されるので、ベース金具3の固着用ビス7に向けて流下することはない。
【符号の説明】
【0085】
M、M1、M2 太陽電池モジュール
m1 軒側の端部
m2 棟側の端部
1 立平葺き屋根
1a ハゼ
1b 野地板
1c 垂木
1d 鼻隠し
2 設置装置
2A 中間部用設置装置
2B 軒側用設置装置
2C 棟側用設置装置
3、3B ベース金具
4 台座金具
5 アース金具
6 押さえ金具
6B 端部用押さえ金具
U ユニット
7 固着用ビス
8 底壁
8a ビス孔
9 側壁
10 ガイド部
10a リップ
11 支持受部
12 締結ボルト
12a 頭部
12b ねじ軸部
13 閉鎖板部
13a 挿通孔
13b 規制レール部
14 支持壁
15 支持部
15a 軒側の支持面
15b 棟側の支持面
16a 外フランジ
16b 内フランジ
17 切欠き部
18 基部
18a 挿通孔
19 起立部
20 保持部
20a 軒側の保持部
20b 棟側の保持部
21 平板部
21a 挿通孔
22 導電部
22a 軒側の導電部
22b 棟側の導電部
23 切欠き部
30 薄板部
31 下向き突起
31a 軒側の導電部における下向き突起
31b 棟側の導電部における下向き突起
32 上向き突起
32a 軒側の導電部における上向き突起
32b 棟側の導電部における上向き突起
33a、33b カバー保持レール
34 端部カバー
35 締結ナット
36 搭載案内機構
36a、36b ガイドテーパ面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17