(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129319
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】情報コード、情報コード読取装置及び情報コード読取方法
(51)【国際特許分類】
G06K 19/06 20060101AFI20240919BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20240919BHJP
【FI】
G06K19/06 037
G06K7/10 252
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038444
(22)【出願日】2023-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100095795
【弁理士】
【氏名又は名称】田下 明人
(74)【代理人】
【識別番号】100143454
【弁理士】
【氏名又は名称】立石 克彦
(72)【発明者】
【氏名】渡部 元秋
(57)【要約】
【課題】グループとすべき各情報コードの読み取りに関して読取処理時間の短縮を図り得る構成を提供する。
【解決手段】第1のコードの読取方式に基づいて生成されるコード領域10には、読取結果となる第1の読取情報と、コード領域20とのグループであることを示すグループ情報と、コード領域20の位置を示す情報が記録され、第2のコードの読取方式に基づいて生成されるコード領域20には、読取結果となる第2の読取情報と、コード領域10とのグループであることを示すグループ情報と、コード領域10の位置を示す情報が記録される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のコードの読取方式に基づいて複数種類のセルを配列して生成されることで第1の情報が記録される第1のコード領域と、
第2のコードの読取方式に基づいて複数種類のセルを配列して生成されることで第2の情報が記録される第2のコード領域と、
を備え、
前記第1のコード領域には、前記第1の情報として、読取結果となる第1の読取情報と、前記第2のコード領域とのグループであることを示す情報と、前記第2のコード領域の位置を示す情報が記録され、
前記第2のコード領域には、前記第2の情報として、読取結果となる第2の読取情報と、前記第1のコード領域とのグループであることを示す情報と、前記第1のコード領域の位置を示す情報が記録されることを特徴とする情報コード。
【請求項2】
前記第1のコード領域には、当該第1のコード領域を構成するセルの大きさを基準にして前記第2のコード領域の位置を示す情報が記録され、
前記第2のコード領域には、当該第2のコード領域を構成するセルの大きさを基準にして前記第1のコード領域の位置を示す情報が記録されることを特徴とする請求項1に記載の情報コード。
【請求項3】
前記第1のコード領域には、当該第1のコード領域の大きさを基準にして前記第2のコード領域の位置を示す情報が記録され、
前記第2のコード領域には、当該第2のコード領域の大きさを基準にして前記第1のコード領域の位置を示す情報が記録されることを特徴とする請求項1に記載の情報コード。
【請求項4】
第1のコードの読取方式に基づいて複数種類のセルを配列して生成されることで第1の情報が記録される第1のコード領域と、第2のコードの読取方式に基づいて複数種類のセルを配列して生成されることで第2の情報が記録される第2のコード領域と、を備える情報コードを、光学的に読み取る情報コード読取装置であって、
前記第1のコード領域には、前記第1の情報として、読取結果となる第1の読取情報と、前記第2のコード領域とのグループであることを示す情報と、前記第2のコード領域の位置を示す情報が記録され、
前記第2のコード領域には、前記第2の情報として、読取結果となる第2の読取情報と、前記第1のコード領域とのグループであることを示す情報と、前記第1のコード領域の位置を示す情報が記録され、
前記第1のコード領域及び前記第2のコード領域のうち一方のコード領域に記録される情報が読み取れた場合に、当該一方のコード領域に記録される情報を利用して他方のコード領域に記録される情報を読み取ることを特徴とする情報コード読取装置。
【請求項5】
第1のコードの読取方式に基づいて複数種類のセルを配列して生成されることで第1の情報が記録される第1のコード領域と、第2のコードの読取方式に基づいて複数種類のセルを配列して生成されることで第2の情報が記録される第2のコード領域と、を備える情報コードを、情報コード読取装置を用いて光学的に読み取る情報コード読取方法であって、
前記第1のコード領域には、前記第1の情報として、読取結果となる第1の読取情報と、前記第2のコード領域とのグループであることを示す情報と、前記第2のコード領域の位置を示す情報が記録され、
前記第2のコード領域には、前記第2の情報として、読取結果となる第2の読取情報と、前記第1のコード領域とのグループであることを示す情報と、前記第1のコード領域の位置を示す情報が記録され、
前記第1のコード領域及び前記第2のコード領域のうち一方のコード領域に記録される情報が読み取れた場合に、当該一方のコード領域に記録される情報を利用して他方のコード領域に記録される情報を読み取ることを特徴とする情報コード読取方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報コード、情報コード読取装置及び情報コード読取方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、大容量化や省スペース化、高速読み取り、高読取精度等、利便性の向上を目的として、様々な読取方式の情報コードが開発されている。例えば、下記特許文献1に開示される情報コードは、第1のコードの読取方式に基づいて複数種類のセルを配列して生成されて所定の情報が記録される第1のコード領域と、第2のコードの読取方式に基づいて複数種類のセルを配列して生成されて上記第1のコードの読取方式に関する読取方式情報が記録される第2のコード領域と、を備えるように生成されている。これにより、第1のコードの読取方式に対応するプログラムがインストールされていない読取装置であっても、第2のコード領域を読み取ることで取得した上記読取方式情報を利用して第1のコードの読取方式に対応するプログラムがインストール等されることで、第1のコードの読取方式の情報コードを読み取ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、一般の読取装置は、1つの情報コードの読み取りが成功するとその読取結果を上位機器等に出力するように制御されている。その一方で、複数の情報コードを一括で読み取り、それらの読取結果をまとめて上位機器等に出力するように制御される場合もある。
【0005】
しかしながら、例えば、まとめてグループとすべき2つの情報コードを一括で読み取る場合、一方の情報コードの読み取りに成功しても、情報コードを構成するセルの大きさや情報コード自身の大きさ等が異なるために、他方の情報コードの読み取りに失敗してしまう場合がある。そうすると、他方の情報コードの読み取りが成功するまで、複数回の撮像及びデコードがなされるために、読取処理時間が長くなってしまう可能性がある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、グループとすべき各情報コードの読み取りに関して読取処理時間の短縮を図り得る構成を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明の情報コード(1,1a)は、
第1のコードの読取方式に基づいて複数種類のセルを配列して生成されることで第1の情報が記録される第1のコード領域(10,10a)と、
第2のコードの読取方式に基づいて複数種類のセルを配列して生成されることで第2の情報が記録される第2のコード領域(20,20a)と、
を備え、
前記第1のコード領域には、前記第1の情報として、読取結果となる第1の読取情報と、前記第2のコード領域とのグループであることを示す情報と、前記第2のコード領域の位置を示す情報が記録され、
前記第2のコード領域には、前記第2の情報として、読取結果となる第2の読取情報と、前記第1のコード領域とのグループであることを示す情報と、前記第1のコード領域の位置を示す情報が記録されることを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、
第1のコードの読取方式に基づいて複数種類のセルを配列して生成されることで第1の情報が記録される第1のコード領域(10,10a)と、第2のコードの読取方式に基づいて複数種類のセルを配列して生成されることで第2の情報が記録される第2のコード領域(20,20a)と、を備える情報コード(1,1a)を、光学的に読み取る情報コード読取装置(30)であって、
前記第1のコード領域には、前記第1の情報として、読取結果となる第1の読取情報と、前記第2のコード領域とのグループであることを示す情報と、前記第2のコード領域の位置を示す情報が記録され、
前記第2のコード領域には、前記第2の情報として、読取結果となる第2の読取情報と、前記第1のコード領域とのグループであることを示す情報と、前記第1のコード領域の位置を示す情報が記録され、
前記第1のコード領域及び前記第2のコード領域のうち一方のコード領域に記録される情報が読み取れた場合に、当該一方のコード領域に記録される情報を利用して他方のコード領域に記録される情報を読み取ることを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、
第1のコードの読取方式に基づいて複数種類のセルを配列して生成されることで第1の情報が記録される第1のコード領域(10,10a)と、第2のコードの読取方式に基づいて複数種類のセルを配列して生成されることで第2の情報が記録される第2のコード領域(20,20a)と、を備える情報コード(1,1a)を、情報コード読取装置(30)を用いて光学的に読み取る情報コード読取方法であって、
前記第1のコード領域には、前記第1の情報として、読取結果となる第1の読取情報と、前記第2のコード領域とのグループであることを示す情報と、前記第2のコード領域の位置を示す情報が記録され、
前記第2のコード領域には、前記第2の情報として、読取結果となる第2の読取情報と、前記第1のコード領域とのグループであることを示す情報と、前記第1のコード領域の位置を示す情報が記録され、
前記第1のコード領域及び前記第2のコード領域のうち一方のコード領域に記録される情報が読み取れた場合に、当該一方のコード領域に記録される情報を利用して他方のコード領域に記録される情報が読み取ることを特徴とする。
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明では、第1のコードの読取方式に基づいて生成される第1のコード領域には、読取結果となる第1の読取情報と、第2のコード領域とのグループであることを示す情報と、第2のコード領域の位置を示す情報が記録され、第2のコードの読取方式に基づいて生成される第2のコード領域には、読取結果となる第2の読取情報と、第1のコード領域とのグループであることを示す情報と、第1のコード領域の位置を示す情報が記録される。
【0011】
これにより、第1のコード領域及び第2のコード領域を撮像した情報コード読取装置は、グループとすべき情報を読み取っていることを把握できるだけでなく、一方のコード領域から読み取った位置情報を利用して次に読み取るべき他方のコード領域の位置を正確に把握することができる。このため、例えば、第2のコード領域が、第1のコード領域に対してセル及びコード領域がともに小さいために読み取り難い場合であっても、第1のコード領域から読み取った第2のコード領域の位置情報を利用することで、第2のコード領域の読取成功率を高めることができる。したがって、グループとすべき各情報コードの読み取りに関して読取処理時間の短縮を図ることができる。
【0012】
請求項2の発明では、第1のコード領域には、当該第1のコード領域を構成するセルの大きさを基準にして第2のコード領域の位置を示す情報が記録され、第2のコード領域には、当該第2のコード領域を構成するセルの大きさを基準にして第1のコード領域の位置を示す情報が記録される。
【0013】
このように、読み取れた一方のコード領域のセルの大きさを基準にして次に読み取るべき他方のコード領域の位置を把握することで、撮像画像から容易に取得できるセルの大きさを判断基準にできるので、他方のコード領域の位置を正確かつ容易に把握することができる。
【0014】
請求項3の発明では、第1のコード領域には、当該第1のコード領域の大きさを基準にして第2のコード領域の位置を示す情報が記録され、第2のコード領域には、当該第2のコード領域の大きさを基準にして第1のコード領域の位置を示す情報が記録される。
【0015】
このように、読み取れた一方のコード領域の大きさを基準にして次に読み取るべき他方のコード領域の位置を把握することで、撮像画像から容易に取得できるコード領域の大きさを判断基準にできるので、他方のコード領域の位置を正確かつ容易に把握することができる。
【0016】
請求項4の発明では、請求項1と同様の効果を奏する情報コード読取装置を実現できる。
請求項5の発明では、請求項1と同様の効果を奏する情報コード読取方法を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第1実施形態に係る情報コードを示す説明図である。
【
図2】第2位置情報を利用してコード領域20の位置を取得する処理を説明する説明図である。
【
図3】第1位置情報を利用してコード領域10の位置を取得する処理を説明する説明図である。
【
図4】情報コード読取装置の電気的構成を例示するブロック図である。
【
図5】第1実施形態において情報コード読取装置の制御部にてなされる情報コード読取処理の流れを例示するフローチャートである。
【
図6】第1実施形態の変形例に係る情報コードを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[第1実施形態]
以下、本発明の情報コード、情報コード読取装置及び情報コード読取方法を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る情報コード1は、
図1に示すように、予め決められた位置関係のコード領域10およびコード領域20の2つのコード領域を備えるグループコードとして構成されるもので、両コード領域10,20は、それぞれ複数の情報表示単位セル(以下、単にセルとも称する)が記録すべき情報に応じて配列されてセル集合体として構成されている。情報コード1は、例えば、表示媒体Rの平面にてコード領域10とコード領域20とが同一平面上に配置されるようにして表示される。なお、コード領域10は、「第1のコード領域」の一例に相当し、コード領域20は、「第2のコード領域」の一例に相当し得る。
【0019】
コード領域10は、第1のコードの読取方式に基づいて生成されることで所定の情報(第1の情報)が記録されるコード領域である。本実施形態におけるコード領域10は、
図1に示すように、特開2014-139771号公報や特開2019-128677号公報等にて開示されるように、予め定められた形状の特定パターンが配置される特定パターン領域11a~11cと、複数種類のセルによってデータを記録するデータ記録領域と、複数種類のセルによって誤り訂正符号を記録する誤り訂正符号記録領域と、複数種類のセルによってデータが記録されない空き領域12等とが設けられるように生成される。
【0020】
コード領域20は、第2のコードの読取方式に基づいて生成されることで所定の情報(第2の情報)が記録されるコード領域である。本実施形態におけるコード領域20は、
図1に示すように、コード領域10に対してコード領域及びセルサイズが小さいQRコード(登録商標)として生成されている。
【0021】
本実施形態に係る情報コード1は、コード領域10に読取結果として記録される第1の読取情報とコード領域20に読取結果として記録される第2の読取情報とをグループ化して出力されるように生成される。このため、コード領域10には、第1の読取情報と、コード領域20とのグループであることを示す情報が記録される。同様に、コード領域20には、第2の読取情報と、コード領域10とのグループであることを示す情報が記録される。本実施形態では、コード領域10に記録されるコード領域20とのグループであることを示すグループ情報として、例えば、第2の読取情報からチェックサム等の公知の手法を用いて算出される値が採用されている。同様に、コード領域20に記録されるコード領域10とのグループであることを示すグループ情報として、例えば、第1の読取情報からチェックサム等の公知の手法を用いて算出される値が採用されている。なお、グループであることを示す情報は、例えば、予め決められた共通の値などであってもよい。
【0022】
特に、本実施形態では、コード領域10には、さらに、コード領域20の位置を示す情報(以下、第2位置情報ともいう)が記録され、コード領域20には、さらに、コード領域10の位置を示す情報(以下、第1位置情報ともいう)が記録される。具体的には、第2位置情報は、コード領域10を構成するセルの大きさを基準に、例えば、
図2からわかるように、把握したいコード領域20の四隅と基準となるコード領域10の四隅とで何セル分離れているか等の情報として生成される。同様に、第1位置情報は、コード領域20を構成するセルの大きさを基準に、例えば、
図3からわかるように、把握したいコード領域10の四隅と基準となるコード領域20の四隅とで何セル分離れているか等の情報として生成される。
【0023】
このように生成されるコード領域10およびコード領域20は、それぞれ単独でも情報コードとして読み取り可能であり、コード領域10は、「第1のコード」の一例に相当し、コード領域20は、「第2のコード」の一例に相当し得る。
【0024】
次に、上述のように生成される情報コード1を光学的に読み取り可能な情報コード読取装置30の概略構成について、
図4を参照して説明する。
情報コード読取装置30は、例えば、カメラ機能を有するスマートフォン等の携帯端末であって、撮像した情報コード1から読み取った情報(第1の読取情報及び第2の読取情報)をグループ化(連結)して出力するための所定のアプリケーションプログラム(以下、読取アプリともいう)をインストールして構成される。
【0025】
図4に示すように、情報コード読取装置30は、主に、CPU等からなる制御部31、ROM,RAM、不揮発性メモリなどからなる記憶部32、受光センサ(例えば、C-MOSエリアセンサ、CCDエリアセンサ等)を備えたカメラとして構成される撮像部33、タッチパネル式の表示部34、タッチパネルに対するタッチ操作や各種操作キーに対する操作に応じた信号を制御部31に出力する操作部35、図略の上位端末などの外部機器とインターネット等の所定のネットワークを介して通信可能な通信インタフェースとして構成される通信部36などを備えている。
【0026】
このように構成される情報コード読取装置30は、上記読取アプリが起動されることで制御部31にてなされる情報コード読取処理によって、撮像部33にて撮像した情報コード1等を光学的に読み取るように機能する。
【0027】
以下、上述のように生成される情報コード1を読み取る場合に情報コード読取装置30の制御部31にてなされる情報コード読取処理について、
図5に示すフローチャートを参照して詳述する。
ユーザによって操作部35に対して上記読取アプリを起動するための操作等がなされることで制御部31にて情報コード読取処理が開始されると、
図5のステップS101の撮像処理がなされる。この処理では、撮像部33により撮像される情報コード等の撮像画像が取り込まれて取得される。続いて、ステップS103に示すデコード処理にて、撮像画像に含まれる情報コードをデコードして読み取るための処理がなされ、そのデコードが成功するまで、ステップS105の判定処理にてNoと判定されて、上記ステップS101からの処理が繰り返される。
【0028】
撮像画像に含まれる情報コードのデコードが成功すると(S105でYes)、ステップS107の判定処理にて、そのデコード結果に基づいて、デコードに成功した情報コードがグループコードの一部であるか否かについて判定される。ここで、デコード結果に上記グループ情報が含まれていない場合には、デコードに成功した情報コードがグループコードの一部でないと判定される(S107でNo)。この場合には、ステップS117に示す出力処理がなされ、デコード結果が通信部36を介して上位端末等に出力される。
【0029】
一方、デコード結果に上記グループ情報が含まれている場合には、デコードに成功した情報コードがグループコードの一部であると判定される(S107でYes)。この場合には、ステップS109に示すコード領域位置情報取得処理がなされる。
【0030】
例えば、情報コード1を撮像した際に先にコード領域10のデコードに成功していると、そのコード領域10から読み取った第2位置情報に基づいて、コード領域10のデコードに成功した撮像画像において当該コード領域10の位置を基準にコード領域20の位置(四隅の位置等)情報が取得される。
【0031】
また、例えば、情報コード1を撮像した際に先にコード領域20のデコードに成功していると、そのコード領域20から読み取った第1位置情報に基づいて、コード領域20のデコードに成功した撮像画像において当該コード領域20の位置を基準にコード領域10の位置(四隅の位置等)情報が取得される。
【0032】
上述のようにコード領域10及びコード領域20のうちデコードに成功した一方のコード領域から他方のコード領域の位置情報が読み取られて取得されると、ステップS111に示す再デコード処理がなされる。この処理では、上述のように一方のコード領域のデコードに成功した撮像画像のうち上述のように取得された位置情報から特定される他方のコード領域が占める範囲について、その他方のコード領域をデコードするための処理がなされる。このように、再デコードする領域が特定されるため、他の近くの情報コードから読み取られる情報が誤ってグループ化されることもない。
【0033】
グループ情報を記録した他方のコード領域のデコードが成功すると(S113でYes)、ステップS115に示すグループ出力処理がなされる。この処理では、上記ステップS103のデコード処理にて得られたデコード結果と上記ステップS111の再デコード処理にて得られたデコード結果とのうち、第1位置情報及び第2位置情報やグループ情報を除いた第1の読取情報及び第2の読取情報がグループ化されて通信部36を介して上位端末等に出力される。
【0034】
これに対して、例えば、情報コード1の一部が撮像されているために、一方のコード領域のデコードに成功した撮像画像に他方のコード領域の一部が含まれていないことから、再デコードが失敗すると(S113でNo)、上記ステップS101からの処理がなされる。また、再デコード時にグループ情報が含まれないデコード結果が得られた場合でも、再デコードが失敗として(S113でNo)、上記ステップS101からの処理がなされる。なお、上述のように再デコードが失敗している場合には、その旨を報知部として機能する表示部34による表示等を利用してユーザに報知してもよい。
【0035】
以上説明したように、本実施形態に係る情報コード1では、第1のコードの読取方式に基づいて生成されるコード領域10には、読取結果となる第1の読取情報と、コード領域20とのグループであることを示すグループ情報と、コード領域20の位置を示す情報が記録され、第2のコードの読取方式に基づいて生成されるコード領域20には、読取結果となる第2の読取情報と、コード領域10とのグループであることを示すグループ情報と、コード領域10の位置を示す情報が記録される。
【0036】
これにより、コード領域10及びコード領域20を撮像した情報コード読取装置30は、グループとすべき情報を読み取っていることを把握できるだけでなく、一方のコード領域から読み取った位置情報を利用して次に読み取るべき他方のコード領域の位置を正確に把握することができる。このため、例えば、コード領域20が、コード領域10に対してセル及びコード領域がともに小さいために読み取り難い場合であっても、コード領域10から読み取ったコード領域20の位置情報を利用することで、コード領域20の読取成功率を高めることができる。したがって、グループとすべき各情報コードの読み取りに関して読取処理時間の短縮を図ることができる。
【0037】
特に、コード領域10には、当該コード領域10を構成するセルの大きさを基準にしてコード領域20の位置を示す情報が記録され、コード領域20には、当該コード領域20を構成するセルの大きさを基準にしてコード領域10の位置を示す情報が記録される。
【0038】
このように、読み取れた一方のコード領域のセルの大きさを基準にして次に読み取るべき他方のコード領域の位置を把握することで、撮像画像から容易に取得できるセルの大きさを判断基準にできるので、他方のコード領域の位置を正確かつ容易に把握することができる。
【0039】
なお、コード領域10には、当該コード領域10の大きさを基準にしてコード領域20の位置を示す情報が記録され、コード領域20には、当該コード領域20の大きさを基準にしてコード領域10の位置を示す情報が記録されてもよい。
【0040】
このようにしても、読み取れた一方のコード領域の大きさを基準にして次に読み取るべき他方のコード領域の位置を把握することで、撮像画像から容易に取得できるコード領域の大きさを判断基準にできるので、他方のコード領域の位置を正確かつ容易に把握することができる。
【0041】
なお、本発明は上記実施形態等に限定されるものではなく、例えば、以下のように具体化してもよい。
(1)コード領域10を生成・読み取りするための第1のコードの読取方式は、上述した読取方式が採用されることに限らず、QRコードやデータマトリックスコード、マキシコード、バーコードなどの他のコード種別の読取方式が採用されてもよい。同様に、コード領域20を生成・読み取りするための第2のコードの読取方式は、QRコードの読取方式が採用されることに限らず、データマトリックスコード、マキシコード、バーコードなどの他のコード種別の読取方式が採用されてもよい。
【0042】
また、例えば、第1のコードの読取方式と第2のコードの読取方式とで同じ読取方式が採用されてもよい。具体的には、例えば、
図6に第1変形例として例示する情報コード1aのように、2つのコード領域(第1のコード領域)10a及びコード領域(第2のコード領域)20aが、コード領域の大きさ及びセルの大きさが異なりつつも、ともにQRコードとして生成されてもよい。
【0043】
(2)コード領域10は、復号鍵を要しない情報が記録される公開領域と復号鍵を要する暗号化された情報が記録される非公開領域とを備える一部非公開コードとして生成されて、非公開領域に第1位置情報及びグループ情報を記録し、公開領域に第1の読取情報を記録するようにしてもよい。同様に、コード領域20は、一部非公開コードとして生成されて、非公開領域に第2位置情報及びグループ情報を記録し、公開領域に第2の読取情報を記録するようにしてもよい。これにより、グループ化すべき情報が明確になるだけでなく、復号鍵を有していない一般の読取装置にて、不要に位置情報及びグループ情報が出力されてしまうことを防止することができる。このような一部非公開コードの生成方法や生成される一部非公開コードの具体的構成としては、例えば、特開2009-9547公報、特開2008-299422公報などに開示された技術を好適に用いることができる。
【0044】
(3)コード領域10(10a)及びコード領域20(20a)は、誤り訂正機能を有する一方のコード領域に対して当該一方のコード領域にて誤り訂正可能な範囲内にて他方のコード領域が覆うように配置されてもよい。
【符号の説明】
【0045】
1,1a…情報コード
10,10a…コード領域(第1のコード領域)
20,20a…コード領域(第2のコード領域)
30…情報コード読取装置
31…制御部
33…撮像部