(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129346
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】情報処理システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20240919BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240919BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240919BHJP
G06F 3/0482 20130101ALI20240919BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20240919BHJP
【FI】
H04N1/00 127Z
B41J29/38
G03G21/00 386
G06F3/0482
G06F3/12 325
G06F3/12 303
G06F3/12 388
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038488
(22)【出願日】2023-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】野上 和磨
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
5E555
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061BB10
2C061CG02
2C061CQ04
2C061CQ24
2C061HH03
2C061HJ10
2H270KA53
2H270KA59
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2H270ZC03
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5C062AB42
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5C062AC51
5E555AA16
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5E555BA02
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5E555DC84
5E555DD06
5E555EA07
5E555EA09
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】ユーザがモバイル端末を用いて操作する画像処理装置に新たな機能が追加された場合に、対応する更新データをウェブサイト等から入手することなく、その機能を利用する操作をモバイル端末側から行えるようにする。
【解決手段】管理サーバ10の制御部11では、表示制御部104が、画像処理装置を操作する端末に、画像処理装置が備える1以上の機能を選択可能な態様で表示させる制御を行い、取得部101が、端末に表示された1以上の機能のうちユーザにより選択された機能を利用する操作を端末側から行うための構成に関する構成情報を画像処理装置から取得し、生成部103が、取得した構成情報に基づいて、端末に表示されるユーザインターフェースの要素を生成する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または複数のプロセッサを備え、
前記1または複数のプロセッサは、
画像処理装置を操作する端末に、当該画像処理装置が備える1以上の機能を選択可能な態様で表示させ、
表示された前記1以上の機能のうち、ユーザにより選択された機能を利用する操作を前記端末側から行うための構成に関する構成情報を、前記画像処理装置から取得し、
取得した前記構成情報に基づいて、当該端末に表示されるユーザインターフェースの要素を生成することを特徴とする、
情報処理システム。
【請求項2】
前記1または複数のプロセッサは、
1以上の前記画像処理装置の各々が備える1以上の機能に関する情報を管理し、
前記1以上の画像処理装置のうち前記ユーザにより指定された画像処理装置が備える1以上の機能を、選択可能な態様で前記端末に表示することを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記1または複数のプロセッサは、前記ユーザが前記画像処理装置を指定する操作として、当該画像処理装置を一意に特定可能な識別情報を入力する操作を受け付けることを特徴とする、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記1または複数のプロセッサは、
取得した前記構成情報に基づいて、前記ユーザインターフェースの要素の態様を定義するためのテーブルを生成し、
生成した前記テーブルにより、前記ユーザインターフェースの要素の態様を管理することを特徴とする、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記テーブルには、前記ユーザインターフェースの要素ごとの種類、表記、配置、および動作の各々に関する情報のうち少なくとも1の情報が含まれることを特徴とする、
請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記1または複数のプロセッサは、
前記ユーザにより指定された前記画像処理装置と、生成した前記ユーザインターフェースの要素とを対応付けて管理し、
前記ユーザにより前記画像処理装置が再度指定されると、当該画像処理装置に対応付けられている前記ユーザインターフェースの要素を前記端末に表示させることを特徴とする、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記1または複数のプロセッサは、前記ユーザにより指定された前記画像処理装置と、当該ユーザにより選択された前記機能とを対応付けたテーブルを生成し、当該テーブルを前記端末に記憶させることを特徴とする、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記1または複数のプロセッサは、
前記ユーザにより指定された前記画像処理装置に対応付けられている1以上の前記機能を前記テーブルから抽出し、
抽出した前記1以上の機能の各々を示す前記ユーザインターフェースの要素を、前記端末に表示させることを特徴とする、
請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
コンピュータに、
画像処理装置を操作する端末に、当該画像処理装置が備える1以上の機能を選択可能な態様で表示させる機能と、
表示された前記1以上の機能のうち、ユーザにより選択された機能を利用する操作を前記端末側から行うための構成に関する構成情報を、前記画像処理装置から取得する機能と、
取得した前記構成情報に基づいて、当該端末に表示されるユーザインターフェースの要素を生成する機能と、
を実現させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
文書の印刷や読み取り等を可能にするいわゆる複合機等の画像処理装置の操作を、専用のアプリケーションソフトウェアがインストールされたモバイル端末側から行うことを支援する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような技術では、画像処理装置に新たな機能が追加された場合、専用のアプリケーションソフトウェアを提供する者は、新たに追加された機能に対応できるようにするための更新データの配信が求められ、また、ユーザは、配信された更新データを取得し、モバイル端末にインストールされている専用のアプリケーションソフトウェアを更新する操作が求められる。このため、更新データの配信が開始されるタイミングや、ユーザによる更新の操作のタイミングによっては、画像処理装置に新たな機能が追加されているにもかかわらず、その機能を利用する操作をモバイル端末側から行うことが困難になることがある。
【0005】
本発明の目的は、ユーザがモバイル端末を用いて操作する画像処理装置に新たな機能が追加された場合に、対応する更新データをウェブサイト等から入手することなく、その機能を利用する操作をモバイル端末側から行えるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載された発明は、1または複数のプロセッサを備え、前記1または複数のプロセッサは、画像処理装置を操作する端末に、当該画像処理装置が備える1以上の機能を選択可能な態様で表示させ、表示された前記1以上の機能のうち、ユーザにより選択された機能を利用する操作を前記端末側から行うための構成に関する構成情報を、前記画像処理装置から取得し、取得した前記構成情報に基づいて、当該端末に表示されるユーザインターフェースの要素を生成することを特徴とする、情報処理システムである。
請求項2に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、1以上の前記画像処理装置の各々が備える1以上の機能に関する情報を管理し、前記1以上の画像処理装置のうち前記ユーザにより指定された画像処理装置が備える1以上の機能を、選択可能な態様で前記端末に表示することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項3に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記ユーザが前記画像処理装置を指定する操作として、当該画像処理装置を一意に特定可能な識別情報を入力する操作を受け付けることを特徴とする、請求項2に記載の情報処理システムである。
請求項4に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、取得した前記構成情報に基づいて、前記ユーザインターフェースの要素の態様を定義するためのテーブルを生成し、生成した前記テーブルにより、前記ユーザインターフェースの要素の態様を管理することを特徴とする、請求項2に記載の情報処理システムである。
請求項5に記載された発明は、前記テーブルには、前記ユーザインターフェースの要素ごとの種類、表記、配置、および動作の各々に関する情報のうち少なくとも1の情報が含まれることを特徴とする、請求項4に記載の情報処理システムである。
請求項6に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記ユーザにより指定された前記画像処理装置と、生成した前記ユーザインターフェースの要素とを対応付けて管理し、前記ユーザにより前記画像処理装置が再度指定されると、当該画像処理装置に対応付けられている前記ユーザインターフェースの要素を前記端末に表示させることを特徴とする、請求項2に記載の情報処理システムである。
請求項7に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記ユーザにより指定された前記画像処理装置と、当該ユーザにより選択された前記機能とを対応付けたテーブルを生成し、当該テーブルを前記端末に記憶させることを特徴とする、請求項2に記載の情報処理システムである。
請求項8に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記ユーザにより指定された前記画像処理装置に対応付けられている1以上の前記機能を前記テーブルから抽出し、抽出した前記1以上の機能の各々を示す前記ユーザインターフェースの要素を、前記端末に表示させることを特徴とする、請求項7に記載の情報処理システムである。
請求項9に記載された発明は、コンピュータに、画像処理装置を操作する端末に、当該画像処理装置が備える1以上の機能を選択可能な態様で表示させる機能と、表示された前記1以上の機能のうち、ユーザにより選択された機能を利用する操作を前記端末側から行うための構成に関する構成情報を、前記画像処理装置から取得する機能と、取得した前記構成情報に基づいて、当該端末に表示されるユーザインターフェースの要素を生成する機能と、を実現させるプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の本発明によれば、画像処理装置を操作する端末に表示された、その画像処理装置が備える1以上の機能のうち1の機能が選択されると、画像処理装置から提供される、その機能の構成情報に基づくユーザインターフェースの要素が生成される。これにより、ユーザは、端末を用いて操作する画像処理装置に新たな機能が追加されたとしても、対応する更新データをウェブサイト等から入手することなく、その機能を利用する操作を端末から行える。
請求項2の本発明によれば、1以上の画像処理装置の各々が備える1以上の機能に関する情報が管理され、そのうちユーザにより指定された画像処理装置が備える1以上の機能が選択可能な態様で端末に表示される。これにより、ユーザは、自身が利用したい機能を備える画像処理装置を選択できる。
請求項3の本発明によれば、ユーザは、画像処理装置の識別情報を入力することで、その画像処理装置の機能を確認できる。
請求項4の本発明によれば、ユーザインターフェースの要素の態様を定義するテーブルが生成され、そのテーブルにてユーザインターフェースの要素が管理される。これにより、テーブルに格納されている情報を編集することで、ユーザインターフェースの要素を修正できる。
請求項5の本発明によれば、ユーザインターフェースの要素の種類、表記、配置、および動作などに関する情報が格納されたテーブルにてユーザインターフェースの要素が管理されるので、テーブルに格納されているこれらの情報を編集することで、ユーザインターフェースの要素を修正できる。
請求項6の本発明によれば、ユーザにより指定された画像処理装置と、生成したユーザインターフェースの要素とが対応付けられて管理され、ユーザにより画像処理装置が再度指定されると、その画像処理装置に対応付けられているユーザインターフェースの要素が端末に表示される。これにより、一度ユーザインターフェースの要素が生成されると、以降、構成情報を再度取得することなく、継続的にそのユーザインターフェースの要素が表示されるので、処理の負担を軽減化できる。
請求項7の本発明によれば、ユーザにより指定された画像処理装置と、そのユーザにより選択された機能とを対応付けたテーブルが生成され、そのテーブルが端末に記憶される。これにより、画像処理装置と、その画像処理装置の機能との関係を端末側で特定できる。
請求項8の本発明によれば、ユーザにより指定された画像処理装置に対応付けられている1以上の機能がテーブルから抽出され、その1以上の機能の各々を示すユーザインターフェースの要素が、端末に表示される。これにより、ユーザにより選択された画像処理装置の機能のみを端末に表示できる。
請求項9の本発明によれば、画像処理装置を操作する端末に表示された、その画像処理装置が備える1以上の機能のうち1の機能が選択されると、画像処理装置から提供される、その機能の構成情報に基づくユーザインターフェースの要素が生成される。これにより、ユーザは、端末を用いて操作する画像処理装置に新たな機能が追加されたとしても、対応する更新データをウェブサイト等から入手することなく、その機能を利用する操作を端末から行える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施の形態が適用される情報処理システムの全体構成の一例を示す図である。
【
図2】管理サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】画像処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】管理サーバの制御部の機能構成の一例を示す図である。
【
図5】ユーザ端末の制御部の機能構成の一例を示す図である。
【
図6】画像処理装置の制御部の機能構成の一例を示す図である。
【
図7】管理サーバの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】ユーザ端末に表示されるユーザインターフェースの具体例を示す図である。(A)は、画像処理装置の操作を可能にするアプリケーションソフトウェアを起動させたときに表示されるトップ画面の具体例を示す図である。(B)および(C)は、(A)の画面に表示された追加機能ボタンが押下されたときに表示される画面の具体例を示す図である。
【
図9】生成されたUI要素テーブルおよびユーザインターフェースの具体例を示す図である。(A)は、UI要素テーブルに格納されている情報の具体例を示す図である。(B)は、UI要素テーブルに格納された情報を反映させたユーザインターフェースの具体例を示す図である。(C)は、トップ画面にカスタムボタンが追加された後の状態を示す図である。
【
図10】機能テーブルの具体例を示す図である。(A)は、機能テーブルに格納されている情報の具体例を示す図である。(B)乃至(D)は、選択された画像処理装置の種別ごとに異なるトップ画面が表示されることを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<情報処理システムの全体構成>
図1は、本実施の形態が適用される情報処理システム1の全体構成の一例を示す図である。
情報処理システム1は、管理サーバ10と、ユーザ端末30と、画像処理装置50-1乃至50-n(nは1以上の整数値)との各々とがネットワーク90を介して接続されることにより構成されている。ネットワーク90は、例えば、LAN(Local Area Network)、インターネット等である。なお、画像処理装置50-1乃至50-nの各々を個別に説明する必要がない場合、これらをまとめて画像処理装置50と呼ぶ。
【0010】
(管理サーバ)
情報処理システム1を構成する管理サーバ10は、情報処理システム1の全体の管理をするサーバとしての情報処理装置である。管理サーバ10は、ユーザ端末30、画像処理装置50、および外部から送信されてくる各種の情報の取得する処理と、取得した各種の情報に対する各種の処理と、各種の情報をユーザ端末30、画像処理装置50、および外部に向けて送信する処理とを行う。
【0011】
例えば、管理サーバ10は、画像処理装置50-1乃至50-nの各々が備える1以上の機能に関する情報(以下、「機能情報」と呼ぶ。)を取得可能とし、取得した機能情報をデータベースに記憶して管理する。管理サーバ10は、画像処理装置50-1乃至50-nのうちユーザにより指定された画像処理装置50の機能情報をデータベースから抽出し、その画像処理装置50が備える1以上の機能を選択可能な態様でユーザ端末30に表示させる。
【0012】
また、管理サーバ10は、ユーザ端末30に表示された、画像処理装置50が備える1以上の機能のうち、追加機能となる1の機能が選択されると、その機能を利用する操作をユーザ端末30側から行うための構成に関する情報(以下、「構成情報」と呼ぶ。)を取得する。構成情報は、画像処理装置50-1乃至50-nの各々で個々に管理されているため、画像処理装置50から取得される。
【0013】
「追加機能」とは、画像処理装置50が基本的に備えている、印刷、複写、読み取りといった機能に追加する機能のことをいう。例えば、用紙に形成された画像を読み取った後に直ちに特定の宛先にFAX(ファクシミリ)送信する機能などは、追加機能の一例である。「構成情報」には、追加機能を利用する操作をユーザ端末30側から行うための構成として、例えば、ユーザインターフェースの配置、動作、指示書などが含まれる。
【0014】
また、管理サーバ10は、画像処理装置50から取得した構成情報に基づいて、ユーザ端末30に表示されるユーザインターフェースの要素を生成する。また、管理サーバ10は、取得した構成情報に基づいて、ユーザ端末30に表示されるユーザインターフェースの要素を定義するためのテーブル(以下、「UI要素テーブル」と呼ぶ。)を生成する。管理サーバ10は、生成したUI要素テーブルを用いて、ユーザ端末30に表示されるユーザインターフェースの要素の態様を管理する。なお、UI要素テーブルの具体例については、
図9(A)を参照して後述する。
【0015】
また、管理サーバ10は、ユーザにより指定された画像処理装置50と、生成したユーザインターフェースの要素とを対応付けて管理する。そして、管理サーバ10は、ユーザによりその画像処理装置50が再度指定されると、その画像処理装置50に対応付けられているユーザインターフェースの要素をユーザ端末30に表示させる。
【0016】
また、管理サーバ10は、ユーザにより指定された画像処理装置50と、ユーザにより選択された追加機能とを対応付けたテーブル(以下、「機能テーブル」と呼ぶ。)を生成する。そして、管理サーバ10は、生成した機能テーブルをユーザ端末30に記憶させる。なお、機能テーブルの具体例については、
図10(A)を参照して後述する。また、管理サーバ10の処理の詳細については後述する。
【0017】
(ユーザ端末)
ユーザ端末30は、情報処理システム1を利用するユーザが操作するスマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置である。ユーザ端末30には、画像処理装置50の操作を可能にするアプリケーションソフトウェアがインストールされている。ユーザ端末30は、管理サーバ10から送信されてくる各種の情報を取得し、各種の処理を行う。また、ユーザ端末30は、管理サーバ10に向けて各種の情報を送信する。
【0018】
例えば、ユーザ端末30は、画像処理装置50を指定するための入力操作を受け付ける。例えば、画像処理装置50を指定するための入力操作として、画像処理装置50を一意に特定可能な識別情報を入力する操作を受け付ける。ここで、「識別情報」とは、例えば、IPアドレスおよびポート番号などである。
【0019】
また、ユーザ端末30は、画像処理装置50が備える1以上の機能のうち、1の機能を選択するための入力操作を受け付ける。例えば、ユーザ端末30は、画像処理装置50が備える1以上の機能のうち、新たに追加された機能を選択するための入力操作を受け付ける。
【0020】
また、ユーザ端末30は、ユーザにより指定された画像処理装置50と、ユーザにより選択された機能とが対応付けられた、上述の機能テーブルを記憶する。そして、ユーザ端末30は、ユーザにより指定された画像処理装置50に対応付けられている1以上の機能を機能テーブルから抽出し、抽出した1以上の機能の各々を示すユーザインターフェースの要素を表示する。なお、ユーザ端末30の処理の詳細については後述する。
【0021】
(画像処理装置)
画像処理装置50は、情報処理システム1を利用するユーザの入力操作に応じて各種の処理を行う情報処理装置である。例えば、画像処理装置50は、用紙等の媒体に画像を形成する処理、画像が形成された記録媒体を出力する処理、用紙等に形成された画像を読み取る処理などを行う。画像処理装置50としては、例えば、トナー像を用紙の印刷面に形成するいわゆる電子写真方式の複合機や、インクを用紙の印刷面に吐出するいわゆるインクジェット方式のプリンタ等が挙げられる。
【0022】
また、画像処理装置50は、管理サーバ10およびユーザ端末30から送信されてくる各種の情報を取得し、各種の処理を行う。また、画像処理装置50は、管理サーバ10およびユーザ端末30に向けて各種の情報を送信する。例えば、画像処理装置50は、自機の機能情報を記憶して管理する。また、画像処理装置50は、自機に追加された機能の構成情報を管理する。
【0023】
画像処理装置50は、自機の機能情報の提供に関する管理サーバ10からの問い合わせに対し、自機の機能情報を提供する。また、画像処理装置50は、自機に追加された機能の構成情報の提供に関する管理サーバ10からの問い合わせに対し、その構成情報を提供する。なお、画像処理装置50の処理の詳細については後述する。
【0024】
上述の情報処理システム1の構成は一例であり、情報処理システム1全体として上述の処理を実現させる機能を備えていればよい。このため、上述の処理を実現させる機能のうち、一部または全部を情報処理システム1内で分担してもよいし協働してもよい。すなわち、管理サーバ10の機能の一部または全部をユーザ端末30や画像処理装置50の機能としてもよいし、また、ユーザ端末30の機能の一部または全部を管理サーバ10や画像処理装置50の機能としてもよい。また、画像処理装置50の機能の一部または全部を管理サーバ10やユーザ端末30の機能としてもよい。さらに、情報処理システム1を構成する管理サーバ10、ユーザ端末30、および画像処理装置50の各々の機能の一部または全部を、図示せぬ他のサーバ等に移譲してもよい。これにより、情報処理システム1全体としての処理が促進され、また、処理を補完し合うことも可能となる。
【0025】
(管理サーバのハードウェア構成)
図2は、管理サーバ10のハードウェア構成の一例を示す図である。
管理サーバ10は、制御部11と、メモリ12と、記憶部13と、通信部14と、操作部15と、表示部16とを有している。これらの各部は、データバス、アドレスバス、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス等で接続されている。
【0026】
制御部11は、OS(基本ソフトウェア)やアプリケーションソフトウェア(応用ソフトウェア)等の各種ソフトウェアの実行を通じて管理サーバ10の機能の制御を行うプロセッサである。制御部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)で構成される。メモリ12は、各種ソフトウェアやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、演算に際して作業エリアとして用いられる。メモリ12は、例えばRAM(Random Access Memory)等で構成される。
【0027】
記憶部13は、各種ソフトウェアに対する入力データや各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶する記憶領域である。記憶部13は、例えばプログラムや各種設定データなどの記憶に用いられるHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、半導体メモリ等で構成される。記憶部13には、各種情報を記憶するデータベースとして、例えば、機能情報が記憶された機能DB131、構成情報が記憶された構成DB132等が格納されている。
【0028】
通信部14は、ネットワーク90を介してユーザ端末30および外部との間でデータの送受信を行う。操作部15は、例えばキーボード、マウス、機械式のボタン、スイッチで構成され、入力操作を受け付ける。操作部15には、表示部16と一体的にタッチパネルを構成するタッチセンサも含まれる。表示部16は、例えば情報の表示に用いられる液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイで構成され、画像やテキストのデータなどを表示する。
【0029】
(ユーザ端末のハードウェア構成)
ユーザ端末30のハードウェア構成は、
図2に示す管理サーバ10のハードウェア構成と同様の構成を備えている。すなわち、ユーザ端末30は、
図2の制御部11、メモリ12、記憶部13、通信部14、操作部15、および表示部16の各々と同様の機能を有する、制御部、メモリ、記憶部、通信部、操作部、および表示部の各々を備えており、図示および説明を省略する。
【0030】
(画像処理装置のハードウェア構成)
図3は、画像処理装置50のハードウェア構成の一例を示す図である。
画像処理装置50は、
図2の管理サーバ10のハードウェア構成のうち、制御部11、メモリ12、記憶部13、通信部14、操作部15、および表示部16の各々に対応するハードウェア構成を有している。
【0031】
すなわち、画像処理装置50は、CPU等のプロセッサで構成される制御部51と、RAM等の記憶領域で構成されるメモリ52と、HDDやSDD、半導体メモリ等の記憶領域で構成される記憶部53とを有している。記憶部53には、各種の情報を記憶するデータベースが格納されている。また、画像処理装置50は、ネットワーク90を介して、管理サーバ10、ユーザ端末30、および外部との間でデータの送受信を行う通信部54を有している。また、画像処理装置50は、タッチパネル等で構成される操作部55と、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等で構成される表示部56を有している。
【0032】
さらに、画像処理装置50は、これらの構成に加えて、読取部57と、画像形成部58とを有している。読取部57は、記録媒体としての用紙等の媒体(例えば、紙媒体の文書等)に記録された画像を読み取る。読取部57は、例えば光源から原稿に照射した光に対する反射光をレンズで縮小してCCD(Charge Coupled Devices)で受光するCCD方式のスキャナや、LED光源から原稿に順に照射した光に対する反射光をCIS(Contact Image Sensor)で受光するCIS方式のスキャナ等で構成される。画像形成部58は、例えば、電子写真方式やインクジェット方式等により、記録媒体としての用紙の印刷面に、印刷対象の画像を形成する。そして、これらの各部は、データバス、アドレスバス、PCIバス等で接続されている。
【0033】
(管理サーバの制御部の機能構成)
図4は、管理サーバ10の制御部11の機能構成の一例を示す図である。
管理サーバ10の制御部11では、取得部101と、管理部102と、生成部103と、表示制御部104と、送信制御部105とが機能する。
【0034】
取得部101は、各種の情報を取得する。具体的には、取得部101は、ユーザ端末30、画像処理装置50、および外部の各々から送信されてきた各種の情報を取得する。取得部101により取得される情報のうち、ユーザ端末30から送信されてくる情報としては、例えば、ユーザの操作により入力された入力情報などが挙げられる。また、取得部101により取得される情報のうち、画像処理装置50から送信されてくる情報としては、例えば、機能情報、構成情報などが挙げられる。
【0035】
管理部102は、記憶部13(
図2参照)のデータベースに各種の情報を格納して管理する。例えば、管理部102は、画像処理装置50-1乃至50-nの各々の機能情報を機能DB131に格納して管理する。また、管理部102は、構成情報を構成DB132に格納して管理する。機能情報と構成情報とは対応付けられている。
【0036】
例えば、管理部102は、ユーザにより指定された画像処理装置50の機能情報をデータベースから抽出する。具体的には、管理部102は、取得部101により取得された、画像処理装置50を指定するために入力された入力情報から画像処理装置50を特定し、その画像処理装置50の機能情報を機能DB131から抽出する。
【0037】
また、管理部102は、後述する生成部103により生成されるUI要素テーブルを用いて、ユーザ端末30に表示されるユーザインターフェースの要素の態様を管理する。また、管理部102は、ユーザにより指定された画像処理装置50と、後述する生成部103により生成されるユーザインターフェースの要素とを対応付けて管理する。
【0038】
生成部103は、画像処理装置50から取得した構成情報に基づいて、ユーザ端末30に表示されるユーザインターフェースの要素を生成する。「ユーザインターフェースの要素」には、画像処理装置50の機能を利用するユーザの操作対象となる機能アイコン、機能アイコンに対する操作の結果として表示されるユーザインターフェース、およびユーザインターフェースを構成するテキストデータ、スピナー、ボタン等などが含まれる。
【0039】
また、生成部103は、画像処理装置50から取得した構成情報に基づいて、UI要素テーブルを生成する。UI要素テーブルには、例えば、ユーザ端末30に表示されるユーザインターフェースの要素ごとの種類、表記、配置、および動作の各々に関する情報が含まれる。また、生成部103は、ユーザにより指定された画像処理装置50と、ユーザにより選択された追加機能とを対応付けた機能テーブルを生成する。
【0040】
表示制御部104は、ユーザ端末30の表示部56に各種の情報を表示させるための制御を行う。具体的には、表示制御部104は、各種の情報を表示させるための制御情報をユーザ端末30に向けて送信させる。例えば、表示制御部104は、ユーザの入力情報に基づいて抽出された機能情報から特定される画像処理装置50の1以上の機能を、選択可能な態様で表示させるための制御情報をユーザ端末30に向けて送信させる。
【0041】
送信制御部105は、各種の情報を送信する制御を行う。具体的には、送信制御部105は、ユーザ端末30、画像処理装置50、および外部の各々に向けて各種の情報を送信する制御を行う。送信制御部105により送信が制御される情報のうち、ユーザ端末30に向けて送信される情報としては、例えば、機能テーブル、画像処理装置50の1以上の機能を選択可能な態様で表示させるための制御情報などである。また、送信制御部105により送信が制御される情報のうち、画像処理装置50に向けて送信される情報としては、例えば、機能情報の提供の問い合わせに関する情報、追加された機能の構成情報の提供の問い合わせに関する情報、画像処理装置50の処理を実行させるために入力された情報などである。
【0042】
(ユーザ端末)
図5は、ユーザ端末30の制御部の機能構成の一例を示す図である。
ユーザ端末30の制御部では、取得部301と、管理部302と、送信制御部303と、表示制御部304とが機能する。
【0043】
取得部301は、各種の情報を取得する。具体的には、取得部301は、操作部により入力が受け付けられた入力情報を取得する。例えば、取得部301は、画像処理装置50を指定するために入力された入力情報を取得する。また、取得部301は、画像処理装置50が備える1以上の機能のうち、追加機能となる1の機能を指定するために入力された入力情報を取得する。
【0044】
また、取得部301は、管理サーバ10、画像処理装置50、および外部から送信されてきた各種の情報を取得する。取得部301により取得される情報のうち、管理サーバ10から送信されてくる情報としては、例えば、機能テーブル、表示部に各種の情報を表示させるための制御情報などである。
管理部302は、記憶部に各種の情報を記憶して管理する。例えば、管理部302は、機能テーブルを記憶して管理する。
【0045】
送信制御部303は、通信部を介して各種の情報を送信する制御を行う。具体的には、送信制御部303は、管理サーバ10、画像処理装置50、および外部に向けて各種の情報を送信する制御を行う。送信制御部303により送信が制御される情報のうち、管理サーバ10に向けて送信される情報としては、例えば、ユーザの操作により入力された入力情報などである。
【0046】
表示制御部304は、各種の情報を表示部に表示させるための制御を行う。例えば、表示制御部304は、ユーザ端末30から操作可能な1以上の画像処理装置50を示す情報を、選択可能な態様で表示させるための制御を行う。また、表示制御部304は、ユーザにより指定された画像処理装置50が備える1以上の機能を示す情報を選択可能な態様で表示させるための制御を行う。また、表示制御部304は、ユーザにより指定された画像処理装置50に対応付けられているユーザインターフェースの要素をユーザ端末30に表示させるための制御を行う。
【0047】
(画像処理装置の制御部の機能構成)
図6は、画像処理装置50の制御部51の機能構成の一例を示す図である。
画像処理装置50の制御部51では、取得部501と、送信制御部502と、処理制御部503とが機能する。
【0048】
取得部501は、各種の情報を取得する。具体的には、取得部501は、操作部55(
図3参照)により入力が受け付けられた入力情報を取得する。例えば、取得部501は、各種の処理を実行するために入力された入力情報を取得する。また、取得部501は、管理サーバ10、ユーザ端末30、および外部から送信されてきた各種の情報を取得する。取得部501により取得される情報のうち、管理サーバ10から送信されてくる情報としては、例えば、機能情報の提供の問い合わせに関する情報、追加された機能の構成情報の提供の問い合わせに関する情報、画像処理装置50の処理を実行させるために入力された情報などである。
【0049】
送信制御部502は、通信部54(
図3参照)を介して各種の情報を送信する制御を行う。具体的には、送信制御部502は、管理サーバ10、ユーザ端末30、および外部に向けて各種の情報を送信する制御を行う。送信制御部502により送信が制御される情報のうち、管理サーバ10に向けて送信される情報としては、例えば、自機の機能情報、自機に追加された機能の構成情報などである。
【0050】
処理制御部503は、管理サーバ10から送信されてきた、画像処理装置50の処理を実行させるために入力された情報に基づいて、通信部54、読取部57、および画像形成部58(
図3参照)等に、画像処理装置50の機能にかかる各種の処理を実行させる制御を行う。
【0051】
<処理の流れ>
(管理サーバの処理の流れ)
図7は、管理サーバ10の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
管理サーバ10は、ユーザ端末30から、画像処理装置50を指定するための入力情報が送信されてくると(ステップ701でYES)、送信されてきた入力情報を取得する(ステップ702)。これに対して、1の画像処理装置50を指定するための入力情報が送信されてきていない場合(ステップ701でNO)、管理サーバ10は、1の画像処理装置50を指定するための入力情報が送信されてくるまでステップ701の判断処理を繰り返す。
【0052】
管理サーバ10は、ユーザにより指定された画像処理装置50の機能情報が記憶されている場合には(ステップ703でYES)、その画像処理装置50の機能情報を抽出し(ステップ704)、その画像処理装置50が備える1以上の機能を示す情報をユーザ端末30に表示させる(ステップ707)。これに対して、指定された画像処理装置50の機能情報が機能DB131に記憶されていない場合には(ステップ703でNO)、ステップ702で取得した入力情報に基づいて、指定された画像処理装置50にアクセスし(ステップ705)、機能情報を取得して(ステップ706)、その画像処理装置50が備える機能を示す情報をユーザ端末30に表示させる(ステップ707)。
【0053】
管理サーバ10は、ユーザ端末30に表示された、画像処理装置50が備える1以上の機能のうち、追加機能となる1機能が選択されると(ステップ708でYES)、画像処理装置50にアクセスし(ステップ709)、選択された機能の構成情報を取得する(ステップ710)。そして、管理サーバ10は、取得した構成情報に基づいて、ユーザ端末30に表示されるユーザインターフェースの要素を生成し(ステップ711)、生成したユーザインターフェースの要素をユーザ端末30に表示させる(ステップ712)。これに対して、追加機能となる1の機能が選択されない場合(ステップ708でNO)、管理サーバ10の処理は終了する(END)。
【0054】
<具体例>
(ユーザ端末に表示されるユーザインターフェースの具体例)
図8は、ユーザ端末30に表示されるユーザインターフェースの具体例を示す図である。
図8(A)は、画像処理装置50の操作を可能にするアプリケーションソフトウェアを起動させたときに表示されるトップ画面の具体例を示す図である。
図8(B)および
図8(C)は、
図8(A)の画面に表示された追加機能ボタン204が押下されたときに表示される画面の具体例を示す図である。
【0055】
ユーザ端末30から画像処理装置50の操作を可能にするアプリケーションソフトウェアが起動されると、
図8(A)に示すトップ画面200が表示される。トップ画面200には、「プリント」と表記されたボタン201と、「スキャン」と表記されたボタン202と、「コピー」と表記されたボタン203とが表示されている。これらのボタン201乃至203は、いずれも画像処理装置50の基本的な機能を利用する際に押下されるボタンである。トップ画面200には、これらのボタンに加えて、「追加機能」と表記された追加機能ボタン204が表示されている。
【0056】
追加機能ボタン204は、ボタン201乃至203に示す機能以外の機能を利用するためのボタン(以下、「カスタムボタン」と呼ぶ。)をトップ画面200に追加する場合に押下されるボタンである。また、「MFP登録済」という表記は、画像処理装置50としてのMFP(複合機)が登録済みであることを示す表記である。MFP(複合機)が登録済みであるときに追加機能ボタン204が押下されると、トップ画面200から
図8(C)に示す画面220に遷移する。これに対して、MFP(複合機)が登録済みでないときに追加機能ボタン204が押下されると、トップ画面200から
図8(B)に示す画面210に遷移する。
【0057】
MFP(複合機)が登録済みでない場合、ユーザは、追加機能の構成情報の取得に必要となるIPアドレスおよびポート番号を画面210に入力し、「取得」と表記されたボタン211を押下する。これにより、登録に必要となる情報が取得されてMFP(複合機)が登録される。MFP(複合機)が登録されると、画面210から画面220に遷移する。なお、登録に必要となる情報として取得された情報には、MFP(複合機)の機能情報が含まれているものとする。
【0058】
画面220には、登録済みのMFP(複合機)が備える1以上の機能のうち、ユーザ端末30から操作可能な機能の一覧が表示される。
図8(C)の例では、「カスタム1」、「カスタム2」といった機能が一覧表示されている。ここで、例えば、ユーザが、「カスタム1」と表記された追加機能221を選択したとする。すると、追加機能である「カスタム1」の構成情報が取得され、その構成情報に基づくUI要素テーブルが生成される。
【0059】
(UI要素テーブルおよびユーザインターフェースの具体例)
図9は、生成されたUI要素テーブルおよびユーザインターフェースの具体例を示す図である。
図9(A)は、UI要素テーブルに格納されている情報の具体例を示す図である。
図9(B)は、UI要素テーブルに格納された情報を反映させたユーザインターフェースの具体例を示す図である。
図9(C)は、トップ画面200にカスタムボタンが追加された後の状態を示す図である。
【0060】
UI要素テーブルは、上述のように、構成情報に基づいて生成されるテーブルであり、ユーザインターフェースの要素を定義する各種の情報が格納されたテーブルである。UI要素テーブルには、例えば、
図9(A)に示すように、「機能NO」、「UI部品」、「表示名」、「x座標」、「y座標」、および「タップ時の動作」の各項目についての情報が格納されている。
【0061】
UI要素テーブルの項目のうち、「機能NO」は、ユーザインターフェースの要素の識別情報であり、1乃至m(mは1以上の整数値)の値で示されている。また、「UI部品」は、ユーザインターフェースの要素の種類を示す情報である。例えば、「Text」、「Spinner」、および「Button」の各々は、テキストデータ、スピナー、およびボタンをそれぞれ示している。また、「表示名」は、画面に表示される表記の内容を示す情報であり、「x座標」および「y座標」は、画面上の配置を定義する情報である。また、「タップ時の動作」は、操作時の挙動の内容を示す情報である。
【0062】
図9(B)には、UI要素テーブルに格納された情報に基づいて生成されたユーザインターフェースとしてのカスタム画面230が示されている。カスタム画面230が生成されると、カスタム画面230は、対応するMFP(複合機)に対応付けられて記憶され、トップ画面にカスタムボタン205が追加される。
図9(C)には、カスタムボタン205が追加された後のトップ画面200の具体例が示されている。以後、MFP(複合機)が選択された状態でカスタムボタン205が押下されると、構成情報が再度取得されることなく、
図9(B)のカスタム画面230が表示されるようになる。
【0063】
(機能テーブルの具体例)
図10は、機能テーブルの具体例を示す図である。
図10(A)は、機能テーブルに格納されている情報の具体例を示す図である。
図10(B)乃至(D)は、選択された画像処理装置50の種別ごとに異なるトップ画面が表示されることを示す図である。
ユーザ端末30のユーザインターフェースとして表示されるトップ画面は、複数の画像処理装置50が登録されている場合であっても共通の1つの画面として表示させてもよい。しかしながら、カスタムボタンに表記される名称は同一であるが、画像処理装置50の種別ごとに構成が異なる追加機能が存在する場合がある。このような場合、表記される名称が同一である複数のカスタムボタンが、共通のトップ画面に配置されるため、どのカスタムボタンがどの画像処理装置50に対応しているのかをユーザが識別できないことがある。
【0064】
これに対して、本実施の形態では、機能テーブルを生成し、画像処理装置50と追加機能とを対応付けることで、ユーザにより選択された画像処理装置50に対応するトップ画面が表示されるようにしている。
図10(A)には、生成された機能テーブルの具体例が示されている。例えば、画像処理装置50としての「MFP1」には、追加機能としての「カスタム1」と、「カスタム2」と、「カスタム4」とが対応付けられている。また、「MFP2」には、追加機能としての「カスタム1」と、「カスタム3」とが対応付けられている。また、「MFP3」には、追加機能としての「カスタム1」が対応付けられている。
【0065】
このため、ユーザ端末30にて「MFP1」が選択されると、
図10(B)に示すように、「カスタム1」と表記されたカスタムボタン251と、「カスタム2」と表記されたカスタムボタン252と、「カスタム4」と表記されたカスタムボタン253とがトップ画面に表示される。また、ユーザ端末30にて「MFP2」が選択されると、
図10(C)に示すように、「カスタム1」と表記されたカスタムボタン254と、「カスタム3」と表記されたカスタムボタン255とがトップ画面に表示される。また、ユーザ端末30にて「MFP3」が選択されると、
図10(D)に示すように、「カスタム1」と表記されたカスタムボタン256がトップ画面に表示される。すなわち、ユーザにより選択された画像処理装置50で使用できる機能のみが表示されることになる。
【0066】
<他の実施の形態>
以上、本実施の形態について説明したが、本発明は上述した実施の形態に限るものではない。また、本発明による効果も、上述した実施の形態に記載されたものに限定されない。例えば、
図1に示す情報処理システム1の構成、
図2に示す管理サーバ10のハードウェア構成、および
図3に示す画像処理装置50のハードウェア構成は、いずれも本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。また、
図4に示す管理サーバ10の機能構成、
図5に示すユーザ端末30の機能構成、および
図6に示す画像処理装置50の機能構成も例示に過ぎず、特に限定されない。上述した処理を全体として実行できる機能が
図1の情報処理システム1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能構成を用いるかは
図4乃至
図6の例に限定されない。
【0067】
また、
図7に示す管理サーバ10の処理のステップの順序も例示に過ぎず、特に限定されない。図示されたステップの順序に沿って時系列的に行われる処理だけではなく、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別的に行われてもよい。また、
図8乃至
図10に示す具体例も一例に過ぎず、特に限定されない。
【0068】
例えば、上述の
図8に示す具体例では、登録に必要となる情報として取得された情報にMFP(複合機)の機能情報が含まれていることが前提となっているが、これに限定されない。登録に必要となる情報として取得された情報にMFP(複合機)の機能情報が含まれていない場合には、例えば、
図8(A)に示す「追加機能」と表記された追加機能ボタン204が押下されると、「使用できる追加機能を取得するためにタップしてください」といったメッセージと、追加機能を含む機能情報の追加を指示するためのボタンとを含む画面が表示されて、機能情報が追加された後に
図8(C)の画面に遷移するようにしてもよい。
【0069】
(付記)
(((1)))
1または複数のプロセッサを備え、
前記1または複数のプロセッサは、
画像処理装置を操作する端末に、当該画像処理装置が備える1以上の機能を選択可能な態様で表示させ、
表示された前記1以上の機能のうち、ユーザにより選択された機能を利用する操作を前記端末側から行うための構成に関する構成情報を、前記画像処理装置から取得し、
取得した前記構成情報に基づいて、当該端末に表示されるユーザインターフェースの要素を生成することを特徴とする、
情報処理システム。
(((2)))
前記1または複数のプロセッサは、
1以上の前記画像処理装置の各々が備える1以上の機能に関する情報を管理し、
前記1以上の画像処理装置のうち前記ユーザにより指定された画像処理装置が備える1以上の機能を、選択可能な態様で前記端末に表示することを特徴とする、
(((1)))に記載の情報処理システム。
(((3)))
前記1または複数のプロセッサは、前記ユーザが前記画像処理装置を指定する操作として、当該画像処理装置を一意に特定可能な識別情報を入力する操作を受け付けることを特徴とする、
(((2)))に記載の情報処理システム。
(((4)))
前記1または複数のプロセッサは、
取得した前記構成情報に基づいて、前記ユーザインターフェースの要素の態様を定義するためのテーブルを生成し、
生成した前記テーブルにより、前記ユーザインターフェースの要素の態様を管理することを特徴とする、
(((2)))または(((3)))に記載の情報処理システム。
(((5)))
前記テーブルには、前記ユーザインターフェースの要素ごとの種類、表記、配置、および動作の各々に関する情報のうち少なくとも1の情報が含まれることを特徴とする、
(((4)))に記載の情報処理システム。
(((6)))
前記1または複数のプロセッサは、
前記ユーザにより指定された前記画像処理装置と、生成した前記ユーザインターフェースの要素とを対応付けて管理し、
前記ユーザにより前記画像処理装置が再度指定されると、当該画像処理装置に対応付けられている前記ユーザインターフェースの要素を前記端末に表示させることを特徴とする、
(((2)))乃至(((5)))のうちいずれかに記載の情報処理システム。
(((7)))
前記1または複数のプロセッサは、前記ユーザにより指定された前記画像処理装置と、当該ユーザにより選択された前記機能とを対応付けたテーブルを生成し、当該テーブルを前記端末に記憶させることを特徴とする、
(((2)))乃至(((6)))のうちいずれかに記載の情報処理システム。
(((8)))
前記1または複数のプロセッサは、
前記ユーザにより指定された前記画像処理装置に対応付けられている1以上の前記機能を前記テーブルから抽出し、
抽出した前記1以上の機能の各々を示す前記ユーザインターフェースの要素を、前記端末に表示させることを特徴とする、
(((7)))に記載の情報処理システム。
(((9)))
コンピュータに、
画像処理装置を操作する端末に、当該画像処理装置が備える1以上の機能を選択可能な態様で表示させる機能と、
表示された前記1以上の機能のうち、ユーザにより選択された機能を利用する操作を前記端末側から行うための構成に関する構成情報を、前記画像処理装置から取得する機能と、
取得した前記構成情報に基づいて、当該端末に表示されるユーザインターフェースの要素を生成する機能と、
を実現させるプログラム。
【0070】
(((1)))の本発明によれば、画像処理装置を操作する端末に表示された、その画像処理装置が備える1以上の機能のうち1の機能が選択されると、画像処理装置から提供される、その機能の構成情報に基づくユーザインターフェースの要素が生成される。これにより、ユーザは、端末を用いて操作する画像処理装置に新たな機能が追加されたとしても、対応する更新データをウェブサイト等から入手することなく、その機能を利用する操作を端末から行える。
(((2)))の本発明によれば、1以上の画像処理装置の各々が備える1以上の機能に関する情報が管理され、そのうちユーザにより指定された画像処理装置が備える1以上の機能が選択可能な態様で端末に表示される。これにより、ユーザは、自身が利用したい機能を備える画像処理装置を選択できる。
(((3)))の本発明によれば、ユーザは、画像処理装置の識別情報を入力することで、その画像処理装置の機能を確認できる。
(((4)))の本発明によれば、ユーザインターフェースの要素の態様を定義するテーブルが生成され、そのテーブルにてユーザインターフェースの要素が管理される。これにより、テーブルに格納されている情報を編集することで、ユーザインターフェースの要素を修正できる。
(((5)))の本発明によれば、ユーザインターフェースの要素の種類、表記、配置、および動作などに関する情報が格納されたテーブルにてユーザインターフェースの要素が管理されるので、テーブルに格納されているこれらの情報を編集することで、ユーザインターフェースの要素を修正できる。
(((6)))の本発明によれば、ユーザにより指定された画像処理装置と、生成したユーザインターフェースの要素とが対応付けられて管理され、ユーザにより画像処理装置が再度指定されると、その画像処理装置に対応付けられているユーザインターフェースの要素が端末に表示される。これにより、一度ユーザインターフェースの要素が生成されると、以降、構成情報を再度取得することなく、継続的にそのユーザインターフェースの要素が表示されるので、処理の負担を軽減化できる。
(((7)))の本発明によれば、ユーザにより指定された画像処理装置と、そのユーザにより選択された機能とを対応付けたテーブルが生成され、そのテーブルが端末に記憶される。これにより、画像処理装置と、その画像処理装置の機能との関係を端末側で特定できる。
(((8)))の本発明によれば、ユーザにより指定された画像処理装置に対応付けられている1以上の機能がテーブルから抽出され、その1以上の機能の各々を示すユーザインターフェースの要素が、端末に表示される。これにより、ユーザにより選択された画像処理装置の機能のみを端末に表示できる。
(((9)))の本発明によれば、画像処理装置を操作する端末に表示された、その画像処理装置が備える1以上の機能のうち1の機能が選択されると、画像処理装置から提供される、その機能の構成情報に基づくユーザインターフェースの要素が生成される。これにより、ユーザは、端末を用いて操作する画像処理装置に新たな機能が追加されたとしても、対応する更新データをウェブサイト等から入手することなく、その機能を利用する操作を端末から行える。
【符号の説明】
【0071】
1…情報処理システム、10…管理サーバ、11…制御部、30…ユーザ端末、51…制御部、90…ネットワーク、101…取得部、102…管理部、103…生成部、104…表示制御部、105…送信制御部、301…取得部、302…管理部、303…送信制御部、304…表示制御部、501…取得部、502…送信制御部、503…処理制御部