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特開2024-129352端末装置、端末装置のためのコンピュータプログラム、及び、端末装置によって実行される方法
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  • 特開-端末装置、端末装置のためのコンピュータプログラム、及び、端末装置によって実行される方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129352
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】端末装置、端末装置のためのコンピュータプログラム、及び、端末装置によって実行される方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/10 20180101AFI20240919BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20240919BHJP
   H04W 88/06 20090101ALI20240919BHJP
【FI】
H04W76/10
H04W84/12
H04W88/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038498
(22)【出願日】2023-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】辻 亮弥
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA34
5K067DD17
5K067DD24
5K067EE02
5K067EE10
(57)【要約】
【課題】ユーザの利便性を向上させ得る技術を提供する。
【解決手段】端末装置は、第1のインターフェースを介して、通信装置を識別するための識別情報を受信し、第2のインターフェースを介して、識別情報が利用される第1の送信先情報を含む第1の要求信号を送信する。端末装置は、第1の要求信号を通信装置に送信することに応じて、第2のインターフェースを介して、通信装置から第1の応答信号を受信する場合に、第2のインターフェースを介して、端末装置と通信装置との間に第1の無線接続を確立する。端末装置は、第1の要求信号を通信装置に送信することに応じて、第2のインターフェースを介して、通信装置から1の応答信号を受信しない場合に、所定操作を通信装置に実行することを示す所定情報を出力する。所定操作は、通信装置を無線ネットワークの親局として動作させるための操作である。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置であって、
第1のインターフェースと、
前記第1のインターフェースとは異なる第2のインターフェースであって、無線通信を実行するための前記第2のインターフェースと、
出力部と、
前記第1のインターフェースを介して、通信装置を識別するための識別情報を受信する受信部と、
前記識別情報を受信する場合に、前記第2のインターフェースを介して、前記識別情報が利用される第1の送信先情報を含む第1の要求信号を前記通信装置に送信する第1の要求信号送信部と、
前記第1の要求信号を前記通信装置に送信することに応じて、前記第2のインターフェースを介して、前記通信装置から第1の応答信号を受信する場合に、前記第2のインターフェースを介して、前記端末装置と前記通信装置との間に第1の無線接続を確立する確立部と、
前記第1の要求信号を前記通信装置に送信することに応じて、前記第2のインターフェースを介して、前記通信装置から前記第1の応答信号を受信しない場合に、所定操作を前記通信装置に実行することを示す所定情報を前記出力部に出力させる出力制御部であって、前記所定操作は、前記通信装置を無線ネットワークの親局として動作させるための操作である、前記出力制御部と、
を備える、端末装置。
【請求項2】
前記端末装置は、さらに、
前記所定情報が前記出力部に出力された後に、前記第2のインターフェースを介して、前記第1の送信先情報とは異なる第2の送信先情報を含む第2の要求信号を送信する第2の要求信号送信部を備え、
前記確立部は、前記第2の要求信号を送信することに応じて、前記第2のインターフェースを介して、前記通信装置から第2の応答信号を受信する場合に、前記第2のインターフェースを介して、前記端末装置と前記通信装置との間に第2の無線接続を確立する、請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記第2の要求信号送信部は、前記所定情報が前記出力部に出力された後に、ユーザによる前記端末装置への送信操作を検知する場合に、前記第2の要求信号を送信する、請求項2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記第1の送信先情報は、第1のSSIDを含み、
前記第2の送信先情報は、前記第1のSSIDとは異なる第2のSSIDを含む、請求項2に記載の端末装置。
【請求項5】
前記第1のSSIDは、前記通信装置が第1の親局として動作する第1の無線ネットワークを識別する情報であり、
前記第2のSSIDは、前記通信装置が第2の親局として動作する第2の無線ネットワークを識別する情報である、請求項4に記載の端末装置。
【請求項6】
前記通信装置は、前記第1の親局として動作する状態において、前記第1のSSIDを含む要求信号を受信する場合に応答信号を送信し、SSIDを含まない要求信号を受信する場合に応答信号を送信しない、請求項5に記載の端末装置。
【請求項7】
前記端末装置は、さらに、
前記端末装置がアクセスポイントとの第3の無線接続を確立している状態において、前記通信装置から前記第1の応答信号を受信する場合に、前記アクセスポイントとの前記第3の無線接続を切断する切断部を備え、
前記確立部は、前記アクセスポイントとの前記第3の無線接続を切断する場合に、前記第2のインターフェースを介して、前記端末装置と前記通信装置との間に前記第2の無線接続を確立する、請求項2に記載の端末装置。
【請求項8】
前記端末装置は、さらに、
前記端末装置と前記通信装置との間に前記第2の無線接続を確立する場合に、前記第2のインターフェースを介して、前記第2の無線接続を利用して、前記通信装置と前記アクセスポイントとの間に無線接続を確立するための確立情報を前記通信装置に送信する確立情報送信部を備える、請求項7に記載の端末装置。
【請求項9】
前記所定操作は、
前記通信装置が第1種の通信装置である場合に、第1の操作を含み、
前記通信装置が前記第1種の通信装置とは異なる第2種の通信装置である場合に、前記第1の操作とは異なる第2の操作を含む、請求項1に記載の端末装置。
【請求項10】
前記第1のインターフェースは、無線通信を実行するためのインターフェースである、請求項1に記載の端末装置。
【請求項11】
前記識別情報は、前記通信装置のMACアドレスを含む、請求項1に記載の端末装置。
【請求項12】
端末装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記端末装置は、
第1のインターフェースと、
前記第1のインターフェースとは異なる第2のインターフェースであって、無線通信を実行するための前記第2のインターフェースと、
出力部と、
コンピュータと、
を備え、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、
前記第1のインターフェースを介して、通信装置を識別するための識別情報を受信する受信部と、
前記識別情報を受信する場合に、前記第2のインターフェースを介して、前記識別情報が利用される第1の送信先情報を含む第1の要求信号を前記通信装置に送信する第1の要求信号送信部と、
前記第1の要求信号を前記通信装置に送信することに応じて、前記第2のインターフェースを介して、前記通信装置から第1の応答信号を受信する場合に、前記第2のインターフェースを介して、前記端末装置と前記通信装置との間に第1の無線接続を確立する確立部と、
前記第1の要求信号を前記通信装置に送信することに応じて、前記第2のインターフェースを介して、前記通信装置から前記1の応答信号を受信しない場合に、所定操作を前記通信装置に実行することを示す所定情報を前記出力部に出力させる出力制御部であって、前記所定操作は、前記通信装置を無線ネットワークの親局として動作させるための操作である、前記出力制御部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。
【請求項13】
端末装置によって実行される方法であって、
前記端末装置は、
第1のインターフェースと、
前記第1のインターフェースとは異なる第2のインターフェースであって、無線通信を実行するための前記第2のインターフェースと、
出力部と、
を備え、
前記方法は、
前記第1のインターフェースを介して、通信装置を識別するための識別情報を受信する受信ステップと、
前記識別情報を受信する場合に、前記第2のインターフェースを介して、前記識別情報が利用される第1の送信先情報を含む第1の要求信号を前記通信装置に送信する第1の要求信号送信ステップと、
前記第1の要求信号を前記通信装置に送信することに応じて、前記第2のインターフェースを介して、前記通信装置から第1の応答信号を受信する場合に、前記第2のインターフェースを介して、前記端末装置と前記通信装置との間に第1の無線接続を確立する確立ステップと、
前記第1の要求信号を前記通信装置に送信することに応じて、前記第2のインターフェースを介して、前記通信装置から前記1の応答信号を受信しない場合に、所定操作を前記通信装置に実行することを示す所定情報を前記出力部に出力させる出力制御ステップであって、前記所定操作は、前記通信装置を無線ネットワークの親局として動作させるための操作である、前記出力制御ステップと、
を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、通信装置との無線接続を確立する端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、プリンタと端末機器とを備える通信システムが開示されている。端末機器は、Probe Request信号をプリンタに送信することに応じてプリンタからProbe Response信号を受信する場合に、プリンタとのSoft AP接続を確立する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-17601号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、端末機器がプリンタからProbe Response信号を受信しない場合について何ら考慮されていない。
【0005】
本明細書では、端末装置が通信装置から第1の応答信号を受信しない場合においても、端末装置と通信装置との間に無線接続を確立させ得る技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書によって開示される端末装置は、第1のインターフェースと、前記第1のインターフェースとは異なる第2のインターフェースであって、無線通信を実行するための前記第2のインターフェースと、出力部と、前記第1のインターフェースを介して、通信装置を識別するための識別情報を受信する受信部と、前記識別情報を受信する場合に、前記第2のインターフェースを介して、前記識別情報が利用される第1の送信先情報を含む第1の要求信号を前記通信装置に送信する第1の要求信号送信部と、前記第1の要求信号を前記通信装置に送信することに応じて、前記第2のインターフェースを介して、前記通信装置から第1の応答信号を受信する場合に、前記第2のインターフェースを介して、前記端末装置と前記通信装置との間に第1の無線接続を確立する確立部と、前記第1の要求信号を前記通信装置に送信することに応じて、前記第2のインターフェースを介して、前記通信装置から前記第1の応答信号を受信しない場合に、所定操作を前記通信装置に実行することを示す所定情報を前記出力部に出力させる出力制御部であって、前記所定操作は、前記通信装置を無線ネットワークの親局として動作させるための操作である、前記出力制御部と、を備えてもよい。
【0007】
上記の構成によると、端末装置は、第1の要求信号を通信装置に送信することに応じて、通信装置から第1の応答信号を受信しない場合に、所定情報を出力部に出力させる。これにより、ユーザは、所定情報に従い所定操作を通信装置に実行して、通信装置を無線ネットワークの親局として動作させることができる。通信装置が親局として動作している場合、端末装置と通信装置との間に無線接続が確立され得る。即ち、端末装置が通信装置から第1の応答信号を受信しない場合においても、端末装置と通信装置との間に無線接続を確立させ得る。
【0008】
上記の端末装置のためのコンピュータプログラム、当該コンピュータプログラムを記憶するコンピュータ可読記録媒体、及び、上記の端末装置によって実行される方法も、新規で有用である。また、上記の端末装置と通信装置とを備える通信システムも、新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、通信システムの構成である。
図2図2は、ステルスSoftAPを利用して、プリンタとAPとの間にWi-Fi接続が確立されるケースAのシーケンス図である。
図3図3は、図2の続きのシーケンス図である。
図4図4は、図3の続きのシーケンス図である。
図5図5は、通常SoftAPを利用して、プリンタとAPとの間にWi-Fi接続が確立されるケースBのシーケンス図である。
図6図6は、通常SoftAPを利用して、プリンタとAPとの間のWi-Fi接続が確立されるケースCのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
通信システム2の構成;図1
図1に示されるように、通信システム2は、端末装置10と、プリンタ100Aと、プリンタ100Bと、アクセスポイント200と、を備える。以下では、アクセスポイントのことを「AP」と記載する。
【0011】
端末装置10の構成
端末装置10は、可搬型の端末装置であり、例えば、携帯電話、スマートフォン、PDA、タブレットPC、又は、ラップトップPCである。変形例では、端末装置10は、据置型のPCであってもよい。端末装置10は、操作部12と、表示部14と、NFCインターフェース16と、Wi-Fiインターフェース18と、制御部30と、を備える。以下では、インターフェースのことを「I/F」と記載する。
【0012】
操作部12は、ユーザが様々な情報を端末装置10に対して入力することを可能とするI/Fであり、例えばタッチスクリーン、ボタン、又は、両方を備える。表示部14は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。
【0013】
NFCI/F16は、Near Field Communication(NFC)方式に従ったNFC通信を実行するように構成される。NFC方式は、国際標準規格、例えば、ISO/IEC14443、15693、18092に基づく無線通信方式である。
【0014】
Wi-FiI/F18は、Wi-Fi方式に従ったWi-Fi通信を実行するように構成される。Wi-Fi方式は、例えば、The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.(IEEE)802.11規格、及び、それに準ずる規格に基づく無線通信方式である。IEEE802.11に準ずる規格とは、例えば、IEEE802.11a、11b、11g、11n、11acである。
【0015】
NFCI/F16とWi-FiI/F18との相違点を説明する。Wi-FiI/F18を介したWi-Fi通信の通信速度は、NFCI/F16を介したNFC通信の通信速度よりも速い。具体的には、Wi-Fi通信の通信速度は、例えば最大の通信速度が600Mbpsである。NFC通信の通信速度は、例えば最大の通信速度が424Kbpsである。Wi-Fi通信における搬送波の周波数は、NFC通信における搬送波の周波数とは異なる。具体的には、Wi-Fi通信における搬送波の周波数は、例えば1.0GHz帯、2.4GHz帯、5.0GHz帯、又は、6.0GHz帯である。NFC通信における搬送波の周波数は、例えば13.56MHz帯である。Wi-Fi通信を実行可能な最大の距離は、NFC通信を実行可能な最大の距離よりも大きい。具体的には、Wi-Fi通信を実行可能な最大の距離は、例えば最大で約100mである。NFC通信を実行可能な最大の距離は、例えば最大で約10cmである。
【0016】
制御部30は、CPU32とメモリ34とを備える。メモリ34は、operating system(OS)プログラム36とアプリケーションプログラム38とを記憶している。CPU32は、メモリ34に記憶されているOSプログラム36、及び、アプリケーションプログラム38に従って、様々な処理を実行する。メモリ34は、例えば、read-only memory(ROM)、又は、random-access memory(RAM)である。OSプログラム36は、端末装置10の基本的な動作を制御する。アプリケーションプログラム38は、端末装置10とプリンタ100Aとの間、又は、端末装置10とプリンタ100Bとの間にWi-Fi方式に従った無線接続を確立させる。そして、アプリケーションプログラム38は、プリンタ100AとAP200との間、又は、プリンタ100BとAP200との間にWi-Fi方式に従った無線接続を確立させる。そして、アプリケーションプログラム38は、プリンタ100A又はプリンタ100Bに印刷を実行させる。以下では、Wi-Fi方式に従った無線接続のことを「Wi-Fi接続」と記載する。OSプログラム36のことを「OS36」と記載する。アプリケーションプログラム38のことを「アプリ38」と記載する。アプリ38は、インターネット上のサーバからダウンロードされ、端末装置10にインストールされる。当該サーバは、OS36のベンダによって提供される。変形例では、当該サーバは、プリンタ100A、又は、プリンタ100Bのベンダによって提供されてもよい。
【0017】
プリンタ100A、及び、プリンタ100Bの構成
プリンタ100Aは、印刷機能を実行可能であり、例えば端末装置10の周辺装置である。変形例では、プリンタ100Aは、印刷機能に加えて、一つ以上の他の機能、例えば、スキャン機能、又は、ファクシミリ機能を実行可能な多機能機であってもよい。プリンタ100Aは、モデル名MN1を有する。プリンタ100Aは、操作部112と、表示部114と、印刷エンジン116と、NFCI/F118と、第1のWi-FiI/F120と、第2のWi-FiI/F122と、制御部130と、を備える。
【0018】
操作部112は、ユーザが様々な情報をプリンタ100Aに対して入力することを可能にするI/Fであり、例えば、タッチスクリーン、ボタン、又は、両方を備える。操作部112は、プリンタ100Aを通常Software Access Point(SoftAP)として動作させるためのWi-Fiボタンを含む。表示部114は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。印刷エンジン116は、例えば、インクジェット方式、又は、レーザ方式の印刷機構を備える。
【0019】
NFCI/F118は、端末装置10のNFCI/F16と同じ構成を有する。第1のWi-FiI/F120、及び、第2のWi-FiI/F122は、端末装置10のWi-FiI/F18と同じ構成を有する。第1のWi-FiI/F120にはMACアドレスMACpr1が割り当てられている。
【0020】
プリンタ100Aは、特に、IEEE802.11のうちのSoftAP機能をサポートしている。プリンタ100AのSoftAP機能が起動されると、プリンタ100Aは、無線ネットワークのAPとして動作する。即ち、プリンタ100Aは、無線ネットワークの親局として動作する。この状態において、プリンタ100Aは、他の機器との間で無線接続を確立することができる。即ち、当該他の機器は、プリンタ100Aが親局として動作する無線ネットワークに子局として参加することができる。
【0021】
本実施例では、2種類のSoftAPを開示する。具体的には、公開されているSSIDで識別される無線ネットワークのAPとして動作する通常SoftAPと、ステルスSSIDで識別される無線ネットワークのAPとして動作するステルスSoftAPと、を開示する。プリンタ100Aが通常SoftAPとして動作している状態において、第1のWi-FiI/F120は、通常SoftAP用のSSIDが指定されているProbe Requestを外部装置から受信することに応じて、Probe Responseを外部装置に送信する。プリンタ100Aが通常SoftAPとして動作している状態において、第1のWi-FiI/F120は、SSIDが指定されないProbe Requestを外部装置から受信しても、Probe Responseを外部装置に送信する。即ち、プリンタ100Aが通常SoftAPとして動作している場合、第1のWi-FiI/F120は、外部装置から受信したProbe Requestの中でSSIDが指定されているのかに関わらず、Probe Requestの受信に応じてProbe Responseを外部装置に送信する。プリンタ100AがステルスSoftAPとして動作している状態において、第1のWi-FiI/F120は、外部装置からステルスSoftAP用のSSIDが指定されているProbe Requestを受信することに応じて、Probe Responseを外部装置に送信する。プリンタ100AがステルスSoftAPとして動作している状態において、第1のWi-FiI/F120は、外部装置からSSIDが指定されないProbe Requestを受信する場合に、Probe Responseを外部装置に送信しない。通常SoftAP用のSSIDとステルスSoftAP用のSSIDとは異なる。通常SoftAP用のSSIDとステルスSoftAP用のSSIDとは、プリンタ100Aの出荷前に予め決められている。プリンタ100Aは、プリンタ100Aが出荷されてからプリンタ100Aの電源が初めてONされる場合に、ステルスSoftAPとして起動するように構成されている。プリンタ100Bを識別する通常SoftAP用のSSIDとステルスSoftAP用のSSIDとは異なる。通常SoftAP用のSSIDとステルスSoftAP用のSSIDとは、プリンタ100Bの出荷前に予め決められている。プリンタ100Bは、プリンタ100Bが出荷されてからプリンタ100Bの電源が初めてONされる場合に、ステルスSoftAPとして起動するように構成されている。
【0022】
制御部130は、CPU132とメモリ134とを備える。メモリ134は、プログラム136を記憶している。CPU132は、プログラム136に従って、様々な処理を実行する。メモリ134は、さらに、モデル名MN1とMACアドレス「MACpr1」とを記憶している。なお、NFCI/F118がCPU132と通信できない独立したI/Fである場合、モデル名MN1とMACアドレス「MACpr1」とがNFCI/F118に記憶されている。メモリ134は、さらに、電源フラグを記憶している。電源フラグは、「ON」と「OFF」とのいずれかを示す。電源フラグが「ON」であることは、プリンタ100Aが出荷後に1回も電源ONされていないことを示す。電源フラグが「OFF」であることは、プリンタ100Aが出荷後に1回以上電源ONされたことを示す。プリンタ100Aの出荷前において、電源フラグには「ON」が設定されている。
【0023】
プリンタ100Bは、モデル名MN2を有する。プリンタ100Bは、Wi-Fiボタンを有さない点を除いて、プリンタ100Aの操作部112と同様の操作部を有する。プリンタ100Bは、Wi-Fiアイコンを表示可能な点を除いて、プリンタ100Aの表示部114と同様の表示部を有する。Wi-Fiアイコンは、プリンタ100Bを通常SoftAPとして動作させるためにユーザによって選択される。プリンタ100Bは、操作部及び表示部を除いて、プリンタ100Aと同様の構成を有する。プリンタ100Bの第1のWi-FiI/F120Bには、MACアドレス「MACpr2」が割り当てられている。プリンタ100Bのメモリは、モデル名MN2とMACアドレス「MACpr2」と電源フラグとを記憶している。プリンタ100Bの出荷前において、電源フラグには「ON」が設定されている。
【0024】
AP200の構成
AP200は、無線ネットワークの親局として動作する。AP200は、AP200が親局として動作する無線ネットワークの情報として、SSID「AP1」とパスワード「PW1」とを記憶している。
【0025】
具体的なケース
図2図6を参照して、本実施例の通信システム2によって実現される具体的なケースA、ケースB、及び、ケースCについて説明する。図2図6の処理の説明では、端末装置10のCPU32によって実行される処理を、CPU32を主体として記載するのではなく、端末装置10、アプリ38、NFCI/F16、又は、Wi-FiI/F18を主体として記載する。プリンタ100AのCPU132によって実行される処理を、CPU132を主体として記載するのではなく、プリンタ100A、NFCI/F118、第1のWi-FiI/F120、又は、第2のWi-FiI/F122を主体として記載する。
【0026】
ケースA;図2図4
図2図4を参照して、ケースAについて説明する。ケースAでは、プリンタ100AがステルスSoftAPとして起動することに応じて、プリンタ100AとAP200との間にWi-Fi接続が確立される。ケースAの初期状態、即ち、T10が実行される前において、端末装置10のWi-FiI/F18とAP200との間にはWi-Fi接続が確立されている。プリンタ100Aは、プリンタ100Aが出荷された後であって、T10が実行される前に電源がONされていない。即ち、メモリ134内の電源フラグは「ON」に設定されている。
【0027】
プリンタ100Aは、ユーザによる電源ON操作を検知すると、T10においてプリンタ100Aの電源をONする。プリンタ100Aの電源がONされたことに応じて、プリンタ100AのNFCI/F118は、Card Emulationモード(CEモード)で動作する。CEモードは、NFCI/F118がNFCフォーラムによって定められた形式である「カード」として動作するためのモードである。プリンタ100Aは、メモリ134内の電源フラグが「ON」であるために、プリンタ100Aの電源が出荷後に初めてONされたと判断する。これにより、T12において、プリンタ100AはステルスSoftAPとして起動する。ステルスSoftAPとして動作するプリンタ100Aは、第1のWi-FiI/F120を介して外部装置と通信する。プリンタ100AがステルスSoftAPとして起動することによって、プリンタ100Aが無線ネットワークの親局として動作する。SoftAPとして動作するプリンタ100AのSSIDは、プリンタ100AのMACアドレス「MACpr1」を含み、例えば、SSID「SETUP-NFC-MACpr1」である。プリンタ100Aは、メモリ134内の電源フラグを「ON」から「OFF」に変更する。
【0028】
端末装置10は、T20において、ユーザによるアプリ起動操作を検知すると、アプリ38を起動する。アプリ38は、表示部14にホーム画面を表示する。アプリ38は、T20において、さらに、ユーザによる第1セットアップ操作を検知する。第1セットアップ操作は、NFC接続を利用して、プリンタとAPとの間にWi-Fi接続を確立する第1セットアップを実行させるための操作である。アプリ38は、T22において、Reader移行指示をNFCI/F16に供給する。Reader移行指示は、NFCI/F16をNFC方式のReaderモードに移行させるための信号である。Readerモードは、CEモードで動作しているNFC機器からデータを読み出すためのモードである。本実施例では、Readerモードで動作するNFCI/F16は、CEモードで動作するプリンタ100AのNFCI/F118からデータを読み出す。
【0029】
端末装置10のNFCI/F16は、T22において、アプリ38からReader移行指示を受信すると、T24において、Readerモードに移行する。次いで、NFCI/F16は、T26において、操作情報をアプリ38に供給する。
【0030】
アプリ38は、T26において、NFCI/F16から操作情報を受信すると、T28において、操作画面を表示部14に表示させる。操作画面は、端末装置10をプリンタに近づけることをユーザに促すためのメッセージを含む。
【0031】
T30において、ユーザは、端末装置10をプリンタ100Aに近づける。端末装置10のNFCI/F16とプリンタ100AのNFCI/F118との間の距離が所定の距離以下となると、端末装置10のNFCI/F16とプリンタ100AのNFCI/F118との間において、NFC接続を確立するための通信が実行される。これにより、T32において、端末装置10とプリンタ100Aとの間にNFC接続が確立される。プリンタ100AのNFCI/F118は、プリンタ100Aと端末装置10との間にNFC接続が確立されると、メモリ134からプリンタ100Aのモデル名MN1とMACアドレス「MACpr1」とを受信する。端末装置10のNFCI/F16は、プリンタ100AのNFCI/F118が受信したモデル名MN1とMACアドレス「MACpr1」とを読み出すための処理を実行する。これにより、アプリ38は、T34において、端末装置10のNFCI/F16を介して、プリンタ100AのNFCI/F118から、モデル名MN1とMACアドレス「MACpr1」とを受信する。次いで、アプリ38は、予め定められている文字列「SETUP」及び「NFC」と、受信済みのMACアドレス「MACpr1」と、を含むSSID「SETUP-NFC-MACpr1」を生成する。アプリ38は、T40において、生成済みのSSID「SETUP-NFC-MACpr1」を含む接続指示をWi-FiI/F18に供給する。接続指示は、端末装置10とプリンタ100Aとの間にWi-Fi接続を確立させることをWi-FiI/F18に指示するための信号である。
【0032】
端末装置10のWi-FiI/F18は、T40において、アプリ38から接続指示を受信すると、T42において、接続指示内のSSID「SETUP-NFC-MACpr1」を含むProbe Requestをブロードキャストする。
【0033】
ケースAでは、プリンタ100Aが、SSID「SETUP-NFC-MACpr1」で識別される無線ネットワークにおいてステルスSoftAPとして動作している。このため、第1のWi-FiI/F120は、T44において、Probe Requestに対する応答であるProbe Responseを端末装置10に送信する。
【0034】
端末装置10のWi-FiI/F18は、T44において、プリンタ100AからProbe Responseを受信すると、T46において、Probe Responseが受信されたことを示す確認信号をアプリ38に供給する。
【0035】
アプリ38は、T46において、Wi-FiI/F18から確認信号を受信すると、T48において、SSID「SETUP-NFC-MACpr1」を含む第1の確認画面を表示部14に表示させる。第1の確認画面は、SSID「SETUP-NFC-MACpr1」が利用される無線ネットワークに端末装置10を参加させることを許可するのかをユーザに問い合わせる。アプリ38は、図5のT50において、SSID「SETUP-NFC-MACpr1」が利用される無線ネットワークに端末装置10を参加させることを許可することを示すユーザによる操作を検知すると、T52において、OK信号をWi-FiI/F18に供給する。
【0036】
端末装置10のWi-FiI/F18は、T52において、アプリ38からOK信号を受信すると、T54において、端末装置10とAP200との間のWi-Fi接続を切断する切断処理を実行する。これにより、端末装置10とAP200との間のWi-Fi接続が切断される。次いで、Wi-FiI/F18は、T56において、端末装置10とプリンタ100Aとの間にWi-Fi接続を確立するための第1のWi-Fi接続処理を実行する。第1のWi-Fi接続処理では、4 way-handshake等の各種通信が端末装置10とプリンタ100Aとの間で実行される。これにより、T58において、端末装置10のWi-FiI/F18と、ステルスSoftAPとして動作するプリンタ100Aの第1のWi-FiI/F120と、の間にWi-Fi接続が確立される。具体的には、端末装置10が、プリンタ100Aが親局として動作する無線ネットワークに子局として参加する。Wi-FiI/F18は、T60において、Wi-Fi接続が確立されたことを示す確立信号をアプリ38に供給する。
【0037】
上述のように、端末装置10は、端末装置10とAP200との間のWi-Fi接続を切断した後に、端末装置10とプリンタ100Aとの間にWi-Fi接続を確立する。端末装置10が、端末装置10とAP200との間のWi-Fi接続を切断する理由について説明する。本実施例の端末装置10のWi-FiI/F18は、2つの無線接続を同時に確立することができない。即ち、端末装置10がAP200との間にWi-Fi接続を確立している状態では、端末装置10は、端末装置10とプリンタ100Aとの間にWi-Fi接続を確立することができない。このため、端末装置10は、端末装置10とプリンタ100Aとの間にWi-Fi接続を確立するためには、端末装置10とAP200との間に確立されているWi-Fi接続を切断する必要がある。
【0038】
アプリ38は、T60において、Wi-FiI/F18から確立信号を受信すると、T62において、Wi-FiI/F18を介して、検索要求をプリンタ100Aに送信する。検索要求は、プリンタ100Aの周囲、即ち、プリンタ100AとのWi-Fi通信を実行可能な範囲内に存在するAPの検索をプリンタ100Aに要求する信号である。
【0039】
プリンタ100Aの第1のWi-FiI/F120が、T62において、端末装置10から検索要求を受信すると、プリンタ100Aの第2のWi-FiI/F122は、SSIDが指定されていないProbe Requestをブロードキャストする。当該Probe Requestは、プリンタ100Aの周囲に存在するAPを検索するための信号である。本実施形態では、第2のWi-FiI/F122は、T66において、AP200から、SSID「AP1」を含むProbe Responseを受信する。この場合、第1のWi-FiI/F120は、T70において、SSID「AP1」を含む検索結果を端末装置10に送信する。
【0040】
アプリ38は、T70において、Wi-FiI/F18を介して、プリンタ100Aから検索結果を受信すると、T72において、検索結果内のSSID「AP1」を含む検索結果画面を表示部14に表示させる。アプリ38は、T74において、ユーザによるSSID「AP1」の選択を検知すると、T76において、パスワード入力画面を表示部14に表示させる。アプリ38は、T78において、ユーザによるパスワード「PW1」の入力を検知すると、図4のT80において、Wi-FiI/F18を介して、SSID「AP1」及びパスワード「PW1」を含む接続要求をプリンタ100Aに送信する。アプリ38は、T80で接続要求をプリンタ100Aに送信した後に、当該接続要求に基づくWi-Fi接続が確立されたのかを問い合わせるための問合信号をプリンタ100Aに定期的に送信する。
【0041】
プリンタ100Aの第1のWi-FiI/F120が、T80において、端末装置10から接続要求を受信すると、T82において、プリンタ100Aの第2のWi-FiI/F122とAP200との間で第2のWi-Fi接続処理が実行される。第2のWi-Fi接続処理では、4 way-handshake等の各種通信がプリンタ100AとAP200との間で実行される。当該各種通信の過程において、SSID「AP1」とパスワード「PW1」とを利用した通信が実行され、SSID「AP1」とパスワード「PW1」との認証がAP200によって実行される。この認証が成功すると、T84において、プリンタ100Aの第2のWi-FiI/F122とAP200との間にWi-Fi接続が確立される。プリンタ100Aの第2のWi-FiI/F122とAP200との間にWi-Fi接続が確立されると、親局として動作するAP200は、子局として動作するプリンタ100Aの第2のWi-FiI/F122にIPアドレスを割り当てる。プリンタ100Aは、割り当てられたIPアドレスをメモリ134に記憶する。第1のWi-FiI/F120は、IPアドレスをメモリ134に記憶した後に、端末装置10から、問合信号を受信すると、T90において、Wi-Fi接続完了通知を端末装置10に送信する。Wi-Fi接続完了通知は、プリンタ100AとAP200との間にWi-Fi接続が確立されたことを示す。
【0042】
アプリ38は、T90において、Wi-FiI/F18を介して、プリンタ100AからWi-Fi接続完了通知を受信すると、T92において、Wi-FiI/F18を介して、IPアドレス要求をプリンタ100Aに送信する。IPアドレス要求は、AP200とのWi-Fi接続が確立されたWi-FiI/F122のIPアドレスの送信をプリンタ100Aに要求する信号である。
【0043】
プリンタ100Aの第1のWi-FiI/F120は、T92において、端末装置10からIPアドレス要求を受信すると、プリンタ100Aのメモリ134から第2のWi-FiI/F122に割り当てられたIPアドレスを受信する。第1のWi-FiI/F120は、T94において、受信済みのIPアドレスを端末装置10に送信する。
【0044】
アプリ38は、T94において、Wi-FiI/F18を介して、プリンタ100AからIPアドレスを受信すると、T96において、Wi-FiI/F18を介して、セットアップ完了通知をプリンタ100Aに送信する。セットアップ完了通知は、プリンタ100AがステルスSoftAPとして動作することを終了させるための信号である。
【0045】
プリンタ100Aの第1のWi-FiI/F120は、T96において、端末装置10からセットアップ完了通知を受信すると、プリンタ100Aは、T98において、ステルスSoftAPとして動作することを終了する。これにより、端末装置10のWi-FiI/F18とプリンタ100Aの第1のWi-FiI/F120との間のWi-Fi接続が切断される。
【0046】
アプリ38は、T110において、SSID「AP1」及びパスワード「PW1」を含むWi-Fi接続指示をWi-FiI/F18に供給する。
【0047】
端末装置10のWi-FiI/F18は、T110において、アプリ38からWi-Fi接続指示を受信すると、T112において、SSID「AP1」及びパスワード「PW1」を利用して、端末装置10とAP200との間にWi-Fi接続を確立するための第3のWi-Fi接続処理を実行する。これにより、T114において、端末装置10のWi-FiI/F18とAP200との間にWi-Fi接続が確立される。第3のWi-Fi接続処理は、AP200の通信対象がプリンタ100Aに代えて端末装置10である点を除いて、T82の第2のWi-Fi接続処理と同様である。Wi-FiI/F18は、T116において、SSID「AP1」を含むWi-Fi接続完了通知をアプリ38に供給する。
【0048】
アプリ38は、T116において、Wi-FiI/F18からWi-Fi接続完了通知を受信すると、T120において、Wi-FiI/F18及びAP200を介して、能力情報要求をプリンタ100Aに送信する。能力情報要求は、T94で受信したIPアドレスを送信先IPアドレスとして含む。能力情報要求は、当該要求の送信先のデバイスに対して能力情報の送信を要求するための信号である。能力情報は、能力情報要求を受信したデバイスが実行可能な機能を示す。
【0049】
プリンタ100Aの第2のWi-FiI/F122は、T120において、AP200を介して、端末装置10から能力情報要求を受信すると、T122において、AP200を介して、能力情報を端末装置10に送信する。能力情報は、印刷機能情報を含む。本実施例では、印刷機能情報は、プリンタ100Aにおいて指定可能な1つ以上の印刷設定を示す。印刷機能情報は、例えば、プリンタ100Aにおいて利用可能な用紙サイズを含む。
【0050】
アプリ38は、T122において、Wi-FiI/F18、及び、AP200を介して、プリンタ100Aから能力情報を受信すると、能力情報をメモリ34に記憶する。これにより、アプリ38は、印刷機能情報に含まれる印刷設定の中からユーザによって指定される印刷設定に基づいて、Wi-FiI/F18及びAP200を介して、印刷データをプリンタ100Aに送信することができる。このため、ユーザは、アプリ38を利用して、プリンタ100Aに印刷を実行させることができる。
【0051】
上述のように、端末装置10は、プリンタ100AとのWi-Fi接続が確立される場合(T58)に、Wi-FiI/F18を介して、SSID「AP1」及びパスワード「PW1」をプリンタ100Aに送信する。これにより、プリンタ100Aは、SSID「AP1」及びパスワード「PW1」を利用して、AP200とのWi-Fi接続を確立することができる。
【0052】
ケースB;図5
図5を参照して、ケースBについて説明する。ケースBでは、プリンタ100Aが通常SoftAPとして起動することに応じて、プリンタ100AとAP200との間にWi-Fi接続が確立される。ケースBの初期状態は、ケースAのT122の処理が実行された後にプリンタ100Aの電源がOFFされた状態である。このため、プリンタ100AとAP200との間にWi-Fi接続は確立されていない。ケースBの初期状態では、端末装置10のWi-FiI/F18とAP200との間にはWi-Fi接続が確立されている。
【0053】
プリンタ100Aは、ユーザによる電源ON操作を検知すると、T210においてプリンタ100Aの電源をONする。ケースBでは、プリンタ100Aは、メモリ134内の電源フラグが「OFF」であるために、ユーザによる電源ON操作に応じた電源ONが出荷後の2回目以降の電源ONであると判断し、プリンタ100AをステルスSoftAPとして起動しない。即ち、T210においてプリンタ100Aの電源がONされても、プリンタ100AのSoftAP機能は無効のままである。
【0054】
その後、端末装置10とプリンタ100Aとの間で、図2のT20~T40と同様の処理が実行される。端末装置10のWi-FiI/F18は、T242において、SSID「SETUP-NFC-MACpr1」を含むProbe Requestをブロードキャストする。
【0055】
ケースBでは、プリンタ100Aが、SSID「SETUP-NFC-MACpr1」で識別される無線ネットワークにおいてSoftAPとして動作していない。このため、第1のWi-FiI/F120は、T242において、端末装置10から、SSID「SETUP-NFC-MACpr1」を含むProbe Requestを受信しても、Probe Responseを端末装置10に送信しない。
【0056】
端末装置10は、Wi-FiI/F18がProbe Requestをプリンタ100Aに送信してから所定時間を経過しても、プリンタ100AからProbe Responseを受信しない場合に、SSID「SETUP-NFC-MACpr1」で識別される無線ネットワークにおいてSoftAPとして動作しているプリンタが端末装置10の周囲に存在しないと判断する。この場合、Wi-FiI/F18は、T250において、失敗通知をアプリ38に供給する。失敗通知は、端末装置10が、プリンタとの間のWi-Fi接続の確立に失敗したことを示す。
【0057】
端末装置10のアプリ38は、T250において、Wi-FiI/F18から失敗通知を受信すると、図2のT34においてNFC接続を通じて受信したプリンタ100Aのモデル名MN1を特定する。次いで、アプリ38は、T252において、モデル名MN1のための第1の指示画面を表示部14に表示させる。第1の指示画面は、プリンタ100Aの操作部112に含まれるWi-Fiボタンを操作することをユーザに促すメッセージを含む。第1の指示画面は、プリンタ100Aを無線ネットワークの親局として動作させるための操作をユーザに促す。
【0058】
プリンタ100Aは、T260において、ユーザによるWi-Fiボタンの操作を検知すると、T262において、プリンタ100Aを通常SoftAPとして起動する。通常SoftAPとして動作しているプリンタ100Aが形成する無線ネットワークは、プリンタ100Aのモデル名MN1を含むSSID「SETUP-MN1-pr1」によって識別される。当該SSID内の文字列「SETUP」は、予め定められている情報である。文字列「MN1」は、プリンタ100Aのモデル名である。文字列「pr1」は、プリンタ100AのMACアドレス「MACpr1」から特定される情報である。
【0059】
アプリ38は、T270において、ユーザによる第2セットアップ操作を検知する。第2セットアップ操作は、NFC接続を利用することなくプリンタとAPとの間にWi-Fi接続を確立する第2セットアップを実行させるための操作である。アプリ38は、予め定められている文字列「SETUP」を含むSSID「SETUP-*-*」を生成する。当該SSID内の「*」は、任意の桁数の任意の文字列を示すワイルドカードである。アプリ38は、T272において、生成済みのSSID「SETUP-*-*」を含む接続指示をWi-FiI/F18に供給する。
【0060】
端末装置10のWi-FiI/F18は、T272において、アプリ38から接続指示を受信すると、T274において、接続指示内のSSID「SETUP-*-*」を含むProbe Requestをブロードキャストする。
【0061】
ケースBでは、プリンタ100Aが、SSID「SETUP-MN1-pr1」で識別される無線ネットワークにおいてSoftAPとして動作している。このため、第1のWi-FiI/F120は、T276において、Probe Requestに対する応答であるProbe Responseを端末装置10に送信する。当該Probe Responseは、SSID「SETUP-MN1-pr1」を含む。
【0062】
端末装置10のWi-FiI/F18は、T276において、プリンタ100AからProbe Responseを受信すると、T278において、SSID「SETUP-MN1-pr1」を含む確認信号をアプリ38に供給する。確認信号は、Wi-FiI/F18によってProbe Responseが受信されたことを示す。
【0063】
アプリ38は、T278において、Wi-FiI/F18から確認信号を受信すると、T280において、SSID「SETUP-MN1-pr1」を含む第2の確認画面を表示部14に表示させる。第2の確認画面は、SSID「SETUP-MN1-pr1」が利用される無線ネットワークに端末装置10が参加することを許可するのかをユーザに問い合わせる。T280に続いて、端末装置10、プリンタ100A、及び、AP200の間で、図3のT50~T78と同様の処理、及び、図4のT80~T96と同様の処理が実行される。ケースBでは、図3のT58と同様の処理において、端末装置10のWi-FiI/F18と、通常SoftAPとして動作するプリンタ100Aの第1のWi-FiI/F120と、の間にWi-Fi接続が確立される。また、図4のT84と同様の処理において、プリンタ100Aの第2のWi-FiI/F122と、AP200と、の間にWi-Fi接続が確立される。次いで、プリンタ100Aは、T298において、通常SoftAPとしての動作を終了する。これにより、端末装置10のWi-FiI/F18とプリンタ100Aの第1のWi-FiI/F120との間のWi-Fi接続が切断される。その後、端末装置10、プリンタ100A、及び、AP200の間で、図4のT110~T122と同様の処理が実行される。これにより、アプリ38は、Wi-FiI/F18、及び、AP200を介して、印刷データをプリンタ100Aに送信することができる。このため、ユーザは、アプリ38を利用して、プリンタ100Aに印刷を実行させることができる。
【0064】
ケースBの効果
上述のように、端末装置10は、第1の指示画面を表示部14に表示した後に、ユーザによる第2セットアップ操作を検知する場合(図5のT270)に、SSID「SETUP-*-*」を含むProbe Requestを送信する(T274)。そして、端末装置10は、プリンタ100AからProbe Responseを受信する場合(T276)に、プリンタ100AとのWi-Fi接続を確立する(図3のT58と同様の処理)。このように、端末装置10は、プリンタ100AからSSID「SETUP-NFC-MACpr1」を含むProbe Requestに対するProbe Responseを受信しない場合であっても、プリンタ100AとのWi-Fi接続を確立することができる。
【0065】
ケースC;図6
図6を参照して、ケースCについて説明する。ケースCでは、プリンタ100Bが通常SoftAPとして起動することに応じて、プリンタ100BとAP200との間にWi-Fi接続が確立される。ケースCの初期状態、即ち、T310が実行される前の状態は、プリンタ100BとAP200との間にWi-Fi接続が確立された後にプリンタ100Bの電源がOFFされた状態である。このため、ケースCの初期状態では、プリンタ100BとAP200との間にWi-Fi接続は確立されていない。ケースCの初期状態では、端末装置10のWi-FiI/F18とAP200との間にはWi-Fi接続が確立されている。また、プリンタ100Bのメモリ内の電源フラグは「OFF」に設定されている。
【0066】
プリンタ100Bは、ユーザによる電源ON操作を検知すると、T310においてプリンタ100Bの電源をONする。ケースCでは、プリンタ100Bは、プリンタ100Bのメモリ内の電源フラグが「OFF」であるために、ユーザによる電源ON操作に応じた電源ONが出荷後の2回目以降の電源ONであると判断する。このため、プリンタ100Bはプリンタ100BをステルスSoftAPとして起動しない。
【0067】
その後、端末装置10とプリンタ100Bとの間で、図2のT20~T40と同様の処理が実行される。ケースCでは、T34と同様の処理において、アプリ38は、プリンタ100BのNFCI/F118Bから、NFCI/F16を介して、モデル名MN2とMACアドレス「MACpr2」とを受信する。T40で送信される接続指示は、SSID「SETUP-NFC-MACpr2」を含む。この場合、端末装置10のWi-FiI/F18は、T342において、接続指示内のSSID「SETUP-NFC-MACpr2」を含むProbe Requestをブロードキャストする。
【0068】
ケースCでは、プリンタ100Bが、SSID「SETUP-NFC-MACpr2」で識別される無線ネットワークにおいてSoftAPとして動作していない。このため、第1のWi-FiI/F120Bは、T342において、端末装置10から、SSID「SETUP-NFC-MACpr2」を含むProbe Requestを受信しても、Probe Responseを端末装置10に送信しない。
【0069】
T350は、図5のT250と同様である。アプリ38は、T350において、Wi-FiI/F18から失敗通知を受信すると、プリンタ100Bのモデル名MN2を特定する。次いで、アプリ38は、T352において、モデル名MN2のための第2の指示画面を表示部14に表示させる。第2の指示画面は、プリンタ100Bの表示部に表示されるWi-Fiアイコンを選択することで、プリンタ100Bを無線ネットワークの親局として動作させるための設定を行うことをユーザに促すメッセージを含む。第2の指示画面は、プリンタ100Bを無線ネットワークの親局として動作させるための操作をユーザに促す。プリンタ100Aのモデル名MN1とプリンタ100Bのモデル名MN2とが異なるために、第1の指示画面と第2の指示画面とは異なる。
【0070】
プリンタ100Bは、T360において、ユーザによるWi-Fiアイコンの操作を検知すると、T362において、プリンタ100Bを通常SoftAPとして起動する。通常SoftAPとして動作しているプリンタ100Bが形成する無線ネットワークは、プリンタ100Bのモデル名MN2を含むSSID「SETUP-MN2-pr2」によって識別される。当該SSID内の文字列「SETUP」は、予め定められている情報である。文字列「MN2」は、プリンタ100Bのモデル名である。文字列「pr2」は、プリンタ100BのMACアドレス「MACpr2」から特定される情報である。
【0071】
T370~T374は、図5のT270~T274と同様である。
【0072】
ケースCでは、プリンタ100Bが、SSID「SETUP-MN2-pr2」で識別される無線ネットワークにおいて通常SoftAPとして動作している。このため、第1のWi-FiI/F120Bは、T376において、Probe Requestに対する応答であるProbe Responseを端末装置10に送信する。当該Probe Responseは、SSID「SETUP-MN2-pr2」を含む。T378は、図5のT278と同様である。
【0073】
アプリ38は、T378において、Wi-FiI/F18から確認信号を受信すると、T380において、SSID「SETUP-MN2-pr2」を含む第2の確認画面を表示部14に表示させる。その後、端末装置10、プリンタ100B、及び、AP200の間で、図3のT50~T78と同様の処理、及び、図4のT80~T96と同様の処理が実行される。ケースCでは、図3のT58と同様の処理において、端末装置10のWi-FiI/F18と、通常SoftAPとして動作しているプリンタ100Bの第1のWi-FiI/F120Bと、の間にWi-Fi接続が確立される。また、図4のT84と同様の処理において、プリンタ100Bの第2のWi-FiI/F122Bと、AP200と、の間にWi-Fi接続が確立される。次いで、プリンタ100Bは、T398において、通常SoftAPとしての動作を終了する。これにより、端末装置10のWi-FiI/F18とプリンタ100Bの第1のWi-FiI/F120Bとの間のWi-Fi接続が切断される。その後、端末装置10、プリンタ100B、及び、AP200の間で、図4のT110~T122と同様の処理が実行される。これにより、アプリ38は、Wi-FiI/F18、及び、AP200を介して、印刷データをプリンタ100Bに送信することができる。このため、ユーザは、アプリ38を利用して、プリンタ100Bに印刷を実行させることができる。
【0074】
ケースB及びケースCの効果
上述のように、端末装置10は、プリンタのモデル名に応じて、異なる操作をユーザに促す指示画面を表示する。これにより、端末装置10は、ユーザが利用しているプリンタに応じたメッセージを表示することができる。この場合、ユーザは、プリンタのモデル名に応じた操作を実行することで、当該プリンタを無線ネットワークの親局として動作させることができる。これにより、端末装置10とプリンタ100Aまたはプリンタ100Bとの間にWi-Fi接続を確立させることができる。
【0075】
実施例の効果
上記の構成によると、端末装置10は、Probe Requestをプリンタ100Aに送信することに応じて、Wi-FiI/F18を介して、プリンタ100AからProbe Responseを受信する場合(図2のT44)に、Wi-FiI/F18を介して、対象プリンタとのWi-Fi接続を確立する(T58)。一方、端末装置10は、Probe Requestをプリンタ100Aに送信することに応じて、Wi-FiI/F18を介して、プリンタ100AからProbe Responseを受信しない場合(図5)に、第1の指示画面を表示する(図5のT252)。これにより、ユーザは、第1の指示画面に示される操作をプリンタ100Aに実行して、プリンタ100Aを無線ネットワークの親局として動作させることができる。この場合、端末装置10とプリンタ100Aとの間にWi-Fi接続が確立され得る。即ち、端末装置10が、プリンタ100AからProbe Responseを受信しない場合においても、端末装置10とプリンタ100Aとの間にWi-Fiを確立させ得る。
【0076】
また、端末装置10は、Probe Requestをプリンタ100Bに送信することに応じて、Wi-FiI/F18を介して、プリンタ100BからProbe Responseを受信しない場合(図6)に、第2の指示画面を表示する(図6のT352)。これにより、ユーザは、第2の指示画面に示される操作をプリンタ100Bに実行して、プリンタ100Bを無線ネットワークの親局として動作させることができる。この場合、端末装置10とプリンタ100Bとの間にWi-Fi接続が確立され得る。即ち、端末装置10が、プリンタ100BからProbe Responseを受信しない場合においても、端末装置10とプリンタ100Bとの間にWi-Fiを確立させ得る。
【0077】
対応関係
NFCI/F16が、「第1のインターフェース」の一例である。Wi-FiI/F18が、「第2のインターフェース」の一例である。表示部14が、「出力部」の一例である。プリンタ100A及びプリンタ100Bが、「通信装置」の一例である。MACアドレスが、「識別情報」の一例である。SSID「SETUP-NFC-MACpr1」及びSSID「SETUP-NFC-MACpr2」が、「第1の送信先情報」の一例である。図2のT42、図5のT242、及び、図6のT342のProbe Requestが、「第1の要求信号」の一例である。図2のT44のProbe Responseが、「第1の応答信号」の一例である。図3のT58のWi-Fi接続が、「第1の無線接続」の一例である。図5のT260のWi-Fiボタン操作、及び、図6のT360のWi-Fiアイコン操作が、「所定操作」の一例である。図5のT252の第1の指示画面に含まれるメッセージ、及び、図6のT352の第2の指示画面に含まれるメッセージが、「所定情報」の一例である。SSID「SETUP-*-*」が、「第2の送信先情報」の一例である。図5のT274、及び、図6のT374のProbe Requestが、「第2の要求信号」の一例である。図5のT276、及び、図6のT376のProbe Responseが、「第2の応答信号」の一例である。図5で引用する図3のT58のWi-Fi接続、及び、図6で引用する図3のT58のWi-Fi接続が、「第2の無線接続」の一例である。図5のT270、及び、図6のT370の第2セットアップ操作が、「送信操作」の一例である。SSID「SETUP-NFC-MACpr1」、及び、SSID「SETUP-NFC-MACpr2」が、「第1のSSID」の一例である。SSID「SETUP-*-*」が、「第2のSSID」の一例である。プリンタ100AがステルスSoftAPとして動作している場合の親局が、「第1の親局」の一例である。プリンタ100Aが通常SoftAPとして動作している場合の親局が、「第2の親局」の一例である。端末装置10とアクセスポイント200との間に確立されるWi-Fi接続が、「第3の無線接続」の一例である。図4のT80のSSID「AP1」及び「PW1」が、「確立情報」の一例である。図5のT260のWi-Fiボタン操作が、「第1の操作」の一例である。図6のT360のWi-Fiアイコン操作が、「第2の操作」の一例である。
【0078】
図2のT42、図5のT242、及び、図6のT342が、「第1の要求信号送信部」によって実行される処理の一例である。図3のT58が、「確立部」によって実行される処理の一例である。図5のT252、及び、図6のT352が、「出力制御部」によって実行される処理の一例である。
【0079】
以上、本明細書が開示する技術の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に説明する。
【0080】
第1変形例
図5のケースBにおいて、端末装置10は、ユーザによる第2セットアップ操作を検知することなく、T272以降の処理を実行してもよい。例えば、端末装置10は、第1の指示画面を表示部14に表示してから所定時間が経過する場合に、T272以降の処理を実行してもよい。所定時間は、例えば1分である。
【0081】
第2変形例
「第1の送信先情報」及び「第2の送信先情報」は、SSIDに限定されず、例えばMACアドレスであってもよい。
【0082】
第3変形例
端末装置10のWi-FiI/F18が2つの無線接続を同時に確立することができる場合、図3のT54、及び、図4のT110~T116を省略してもよい。本変形例では、「切断部」を省略してもよい。
【0083】
第4変形例
図4のT80を省略してもよい。本変形例では、「確立情報送信部」を省略してもよい。
【0084】
第5変形例
プリンタのモデル名に関わらず、指示画面に表示される情報が同じであってもよい。本変形例では、指示画面は、プリンタを無線ネットワークの親局として動作させるための操作を実行することをユーザに促すメッセージを含むとよい。
【0085】
第6変形例
端末装置10は、図2のT34において、プリンタ100Aのモデル名MN1に代えて、例えば、プリンタ100Aのシリーズ名、又は、プリンタ100AにおけるWi-Fiボタンの有無を示す情報を受信してもよい。一例では、端末装置10は、プリンタ100Aのシリーズ名に応じて、ユーザに異なる操作を促す内容を含む指示画面を表示部14に表示してもよい。他の例では、端末装置10は、プリンタ100AにおけるWi-Fiボタンの有無に応じて、異なる操作をユーザに促す内容を含む指示画面を表示部14に表示してもよい。
【0086】
第7変形例
「第1のインターフェース」は、NFCI/F16に限定されず、例えば、BluetoothI/F、カメラ、タッチスクリーンであってもよい。Bluetoothは、Bluetooth SIGの登録商標である。
【0087】
第8変形例
「識別情報」は、MACアドレスに限定されず、例えば、プリンタの識別番号、又は、プリンタ名であってもよい。
【0088】
第9変形例
「出力部」は、表示部14に限定されず、例えばスピーカであってもよい。
【0089】
第10変形例
端末装置10は、図2のT34において、プリンタ100Aが第1セットアップを実行可能なのかを示す機能情報をプリンタ100Aから受信してもよい。図2のケースAでは、機能情報がプリンタ100Aが第1セットアップを実行可能であることを示すので、端末装置10はS40以降の処理を実行する。一方、仮に、機能情報がプリンタ100Aが第1セットアップを実行可能でないことを示す場合、端末装置10は、S40以降の処理に代えて、第2のセットアップ操作をユーザに促すメッセージを含む画面を表示する。
【0090】
第11変形例
上記の実施例では、図2図6の各ステップの処理がソフトウェア(例えば、OSプログラム36、アプリ38、プログラム136)によって実現されるが、これらの各処理の少なくとも一つが、論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0091】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独で、あるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【0092】
本特許出願時の特許請求の範囲において、各請求項が一部の請求項のみに従属している場合であっても、各請求項が当該一部の請求項のみに従属可能であることに限定されない。技術的に矛盾しない範囲において、各請求項は、出願時に従属していない他の請求項にも従属可能である。即ち、各請求項の技術は以下のように様々に組み合わせることができる。
項目1
端末装置であって、
第1のインターフェースと、
前記第1のインターフェースとは異なる第2のインターフェースであって、無線通信を実行するための前記第2のインターフェースと、
出力部と、
前記第1のインターフェースを介して、通信装置を識別するための識別情報を受信する受信部と、
前記識別情報を受信する場合に、前記第2のインターフェースを介して、前記識別情報が利用される第1の送信先情報を含む第1の要求信号を前記通信装置に送信する第1の要求信号送信部と、
前記第1の要求信号を前記通信装置に送信することに応じて、前記第2のインターフェースを介して、前記通信装置から第1の応答信号を受信する場合に、前記第2のインターフェースを介して、前記端末装置と前記通信装置との間に第1の無線接続を確立する確立部と、
前記第1の要求信号を前記通信装置に送信することに応じて、前記第2のインターフェースを介して、前記通信装置から前記第1の応答信号を受信しない場合に、所定操作を前記通信装置に実行することを示す所定情報を前記出力部に出力させる出力制御部であって、前記所定操作は、前記通信装置を無線ネットワークの親局として動作させるための操作である、前記出力制御部と、
を備える、端末装置。
項目2
前記端末装置は、さらに、
前記所定情報が前記出力部に出力された後に、前記第2のインターフェースを介して、前記第1の送信先情報とは異なる第2の送信先情報を含む第2の要求信号を送信する第2の要求信号送信部を備え、
前記確立部は、前記第2の要求信号を送信することに応じて、前記第2のインターフェースを介して、前記通信装置から第2の応答信号を受信する場合に、前記第2のインターフェースを介して、前記端末装置と前記通信装置との間に第2の無線接続を確立する、項目1に記載の端末装置。
項目3
前記第2の要求信号送信部は、前記所定情報が前記出力部に出力された後に、ユーザによる前記端末装置への送信操作を検知する場合に、前記第2の要求信号を送信する、項目2に記載の端末装置。
項目4
前記第1の送信先情報は、第1のSSIDを含み、
前記第2の送信先情報は、前記第1のSSIDとは異なる第2のSSIDを含む、項目2又は3に記載の端末装置。
項目5
前記第1のSSIDは、前記通信装置が第1の親局として動作する第1の無線ネットワークを識別する情報であり、
前記第2のSSIDは、前記通信装置が第2の親局として動作する第2の無線ネットワークを識別する情報である、項目4に記載の端末装置。
項目6
前記通信装置は、前記第1の親局として動作する状態において、前記第1のSSIDを含む要求信号を受信する場合に応答信号を送信し、SSIDを含まない要求信号を受信する場合に応答信号を送信しない、項目5に記載の端末装置。
項目7
前記端末装置は、さらに、
前記端末装置がアクセスポイントとの第3の無線接続を確立している状態において、前記通信装置から前記第1の応答信号を受信する場合に、前記アクセスポイントとの前記第3の無線接続を切断する切断部を備え、
前記確立部は、前記アクセスポイントとの前記第3の無線接続を切断する場合に、前記第2のインターフェースを介して、前記端末装置と前記通信装置との間に前記第2の無線接続を確立する、項目2から6のいずれか一項に記載の端末装置。
項目8
前記端末装置は、さらに、
前記端末装置と前記通信装置との間に前記第2の無線接続を確立する場合に、前記第2のインターフェースを介して、前記第2の無線接続を利用して、前記通信装置と前記アクセスポイントとの間に無線接続を確立するための確立情報を前記通信装置に送信する確立情報送信部を備える、項目7に記載の端末装置。
項目9
前記所定操作は、
前記通信装置が第1種の通信装置である場合に、第1の操作を含み、
前記通信装置が前記第1種の通信装置とは異なる第2種の通信装置である場合に、前記第1の操作とは異なる第2の操作を含む、項目1から8のいずれか一項に記載の端末装置。
項目10
前記第1のインターフェースは、無線通信を実行するためのインターフェースである、項目1から9のいずれか一項に記載の端末装置。
項目11
前記識別情報は、前記通信装置のMACアドレスを含む、項目1から10のいずれか一項に記載の端末装置。
項目12
端末装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記端末装置は、
第1のインターフェースと、
前記第1のインターフェースとは異なる第2のインターフェースであって、無線通信を実行するための前記第2のインターフェースと、
出力部と、
コンピュータと、
を備え、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、
前記第1のインターフェースを介して、通信装置を識別するための識別情報を受信する受信部と、
前記識別情報を受信する場合に、前記第2のインターフェースを介して、前記識別情報が利用される第1の送信先情報を含む第1の要求信号を前記通信装置に送信する第1の要求信号送信部と、
前記第1の要求信号を前記通信装置に送信することに応じて、前記第2のインターフェースを介して、前記通信装置から第1の応答信号を受信する場合に、前記第2のインターフェースを介して、前記端末装置と前記通信装置との間に第1の無線接続を確立する確立部と、
前記第1の要求信号を前記通信装置に送信することに応じて、前記第2のインターフェースを介して、前記通信装置から前記1の応答信号を受信しない場合に、所定操作を前記通信装置に実行することを示す所定情報を前記出力部に出力させる出力制御部であって、前記所定操作は、前記通信装置を無線ネットワークの親局として動作させるための操作である、前記出力制御部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。
項目13
端末装置によって実行される方法であって、
前記端末装置は、
第1のインターフェースと、
前記第1のインターフェースとは異なる第2のインターフェースであって、無線通信を実行するための前記第2のインターフェースと、
出力部と、
を備え、
前記方法は、
前記第1のインターフェースを介して、通信装置を識別するための識別情報を受信する受信ステップと、
前記識別情報を受信する場合に、前記第2のインターフェースを介して、前記識別情報が利用される第1の送信先情報を含む第1の要求信号を前記通信装置に送信する第1の要求信号送信ステップと、
前記第1の要求信号を前記通信装置に送信することに応じて、前記第2のインターフェースを介して、前記通信装置から第1の応答信号を受信する場合に、前記第2のインターフェースを介して、前記端末装置と前記通信装置との間に第1の無線接続を確立する確立ステップと、
前記第1の要求信号を前記通信装置に送信することに応じて、前記第2のインターフェースを介して、前記通信装置から前記1の応答信号を受信しない場合に、所定操作を前記通信装置に実行することを示す所定情報を前記出力部に出力させる出力制御ステップであって、前記所定操作は、前記通信装置を無線ネットワークの親局として動作させるための操作である、前記出力制御ステップと、
を備える、方法。
【符号の説明】
【0093】
2:通信システム、10:端末装置、12:操作部、14:表示部、16:NFCI/F、18:Wi-FiI/F、30:制御部、32:CPU、34:メモリ、36:OSプログラム、38:アプリ、100A:プリンタ、100B:プリンタ、112:操作部、114:表示部、116:印刷エンジン、118、118B:NFCI/F、120、120B:第1のWi-FiI/F、122、122B:第2のWi-FiI/F、130:制御部、132:CPU、134:メモリ、136:プログラム、200:アクセスポイント
図1
図2
図3
図4
図5
図6