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  • 特開-組合せ計量装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129358
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】組合せ計量装置
(51)【国際特許分類】
   G01G 19/387 20060101AFI20240919BHJP
【FI】
G01G19/387 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038508
(22)【出願日】2023-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】大林 勇次郎
(57)【要約】
【課題】搬送面に開口が設けられている場合であっても、物品から漏出した水分による機能悪化の防止及び清掃性の向上を実現すること。
【解決手段】一実施形態に係る組合せ計量装置1は、取得部7~7により取得された複数の物品の重量値に基づき組合せ計算を行い、予め設定される目標重量値となる物品の組合せをホッパ6~6から排出させる制御部51と、ホッパ6~6から排出される物品を受け取り、物品よりも小さい複数の開口9Dを有する搬送面9Bを有し、搬送面9Bを滑落させながら物品を下流に排出させる排出シュート9と、排出シュート9における開口9Dの下方に配置され、排出シュート9における開口9Dを通じ搬送面90の内部から外部に通過し、排出シュート9から落ちる水分Xを回収する水分回収機構20とを有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から投入される物品を受け取り下流に搬送する搬送部と、
第1ゲートを有し、前記第1ゲートを閉状態として前記搬送部から搬送される前記物品を一時的に受け取り、さらに前記ゲートを開状態として前記物品を下流に排出する複数のホッパと、
前記複数のホッパのそれぞれに滞留する前記物品の重量値を取得する取得部と、
前記取得部により取得された複数の前記重量値に基づき組合せ計算を行い、予め設定される目標重量値となる前記物品の組合せを前記ホッパから排出させる制御部と、
前記ホッパから排出される前記物品を受け取り、前記物品よりも小さい複数の開口を有する搬送面を有し、前記搬送面を滑落させながら前記物品を下流に排出させる排出シュートと、
前記排出シュートにおける前記開口の下方に配置され、前記排出シュートにおける前記開口を通じ前記搬送面の内部から外部に通過し、前記排出シュートから落ちる水分を回収する水分回収機構と、を有する、組合せ計量装置。
【請求項2】
前記水分回収機構は、前記排出シュートの上端の外側縁部よりも外側まで延びている、請求項1に記載の組合せ計量装置。
【請求項3】
第2ゲートを有し、前記第2ゲートを閉状態として前記排出シュートから排出される前記物品を一時的に受け取り、さらに前記第2ゲートを開状態として前記物品を下流に排出するタイミングホッパを更に有し、
前記水分回収機構は、前記第2ゲートを駆動する駆動部を保護するカバーによって構成される、請求項1に記載の組合せ計量装置。
【請求項4】
前記水分回収機構は、前記駆動部を構成するエアシリンダの内筒を保護する、請求項3に記載の組合せ計量装置。
【請求項5】
前記搬送面は、前記排出シュートの外部から内部に向けて突起する突起部を有し、
前記開口は、前記物品の搬送方向における前記突起部の下端に形成される、請求項1に記載の組合せ計量装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組合せ計量装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、分散テーブルや供給トラフやホッパや排出シュート等の搬送面において鎧戸構造が設けられている組合せ計量装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-77761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の組合せ計量装置では、上述の搬送面に開口が設けられているため、物品のドリップ(肉汁やタレ等の水分)の漏出が発生してしまうという問題点があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、搬送面に開口が設けられている場合であっても、物品から漏出した水分又はその水分が乾燥したことによる機能悪化の防止及び清掃性の向上を実現できる組合せ計量装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係る組合せ計量装置は、外部から投入される物品を受け取り下流に搬送する搬送部と、第1ゲートを有し、前記第1ゲートを閉状態として前記搬送部から搬送される前記物品を一時的に受け取り、さらに前記ゲートを開状態として前記物品を下流に排出する複数のホッパと、前記複数のホッパのそれぞれに滞留する前記物品の重量値を取得する取得部と、前記取得部により取得された複数の前記重量値に基づき組合せ計算を行い、予め設定される目標重量値となる前記物品の組合せを前記ホッパから排出させる制御部と、前記ホッパから排出される前記物品を受け取り、前記物品よりも小さい複数の開口を有する搬送面を有し、前記搬送面を滑落させながら前記物品を下流に排出させる排出シュートと、前記排出シュートにおける前記開口の下方に配置され、前記排出シュートにおける前記開口を通じ前記搬送面の内部から外部に通過し、前記排出シュートから落ちる水分を回収する水分回収機構と、を有することを要旨とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、搬送面に開口が設けられている場合であっても、物品から漏出した水分による機能悪化の防止及び清掃性を向上する組合せ計量装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係る組合せ計量装置1の全体構成の一例を説明する図である。
図2図2は、本実施形態に係る組合せ計量装置1の排出シュート9の搬送面9Bの一例について説明するための図である。
図3図3は、本実施形態に係る組合せ計量装置1の排出シュート9の搬送面9Bの一例について説明するための図である。
図4図4は、本実施形態に係る組合せ計量装置1の水分回収機構20の一例について説明するための図である。
図5図5は、変更例1に係る組合せ計量装置1の一例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0010】
(第1実施形態)
以下、図1図4を参照して、本発明の第1実施形態に係る組合せ計量装置1について説明する。図1は、本実施形態に係る組合せ計量装置1の全体構成の一例を示す図であり、図2及び図3は、本実施形態に係る組合せ計量装置1の排出シュート9の搬送面9Bの一例を説明するための図であり、図4は、本実施形態に係る組合せ計量装置1の水分回収機構20の一例について説明するための図である。
【0011】
図1に示すように、本実施形態に係る組合せ計量装置1は、分散テーブル2と、供給トラフ3~3と、プールホッパ4~4と、計量ホッパ6~6と、排出シュート9と、タイミングホッパ10と、制御部51と、水分回収機構20とを備えている。
【0012】
図1に示すように、搬送コンベア100は、被計量物である物品Mを組合せ計量装置1の分散テーブル2の中央部に落下させる。
【0013】
分散テーブル2及び各供給トラフ3~3は、それぞれ加振装置の駆動により振動することで、分散テーブル2上の物品Mを、各供給トラフ3~3を介してそれぞれの下流に設けられた多数のプールホッパ4~4に供給する。
【0014】
ここで、分散テーブル2及び供給トラフ3~3は、外部(搬送コンベア100)から投入される物品Mを受け取り下流に搬送する搬送部を構成する。
【0015】
各プールホッパ4~4には、ゲート5~5が設けられ、対応する供給トラフ3~3から供給されて受け取った物品Mを一時的に収容して貯留する。
【0016】
各プールホッパ4~4の下流に、各計量ホッパ6~6が設けられている。各計量ホッパ6~6には、プールホッパ4~4から投入された物品Mを計量する重量検出器7~7を備えた計量ヘッダ及びゲート(第1ゲート)8~8が設けられている。
【0017】
すなわち、各計量ホッパ6~6は、ゲート8~8を閉状態として各供給トラフ3~3から搬送される物品Mを一時的に受け取り、さらにゲート8~8を開状態として物品Mを下流に排出する。
【0018】
ここで、重量検出器7~7は、複数の計量ホッパ6~6のそれぞれに滞留する物品Mの重量値を取得する取得部を構成する。
【0019】
各計量ホッパ6~6のゲート8~8の下方に、排出シュート9が設けられている。排出シュート9の下方に、タイミングホッパ10が配置されている。
【0020】
制御部51は、各重量検出器7~7により取得された複数の重量値に基づき組合せ計算を行い、予め設定される目標重量値となる物品Mの組合せを計量ホッパ6~6から排出させる。
【0021】
排出シュート9は、搬送面90を有しており、各計量ホッパ6~6から排出される物品Mを受け取り、搬送面90を滑落させながら物品Mを下流(タイミングホッパ10)に排出させる。
【0022】
図2は、搬送面90を表面から裏面に向けて視認した際の構成を説明する図である。
【0023】
図2に示すように、搬送面90の内部には、鎧戸加工が施されていてもよい。かかる鎧戸加工は、ルーバー加工でも構わない。
【0024】
すなわち、かかる搬送面90は、排出シュート9の外部から内部に向けて突起する突起部9Aを有してもよい。かかる突起部9Aは、図2に示すように、平面形状を有する傾斜面であってもよい。
【0025】
具体的に、かかる突起部9Aは、3つの連続する平面で構成される。これらの平面は、台形状の平面を有する主面9B、及び、その主面9Bに連続して形成される2つの側面9Cから構成される。ここで、主面9B及び2つの側面9Cは、搬送面90と接続される。
【0026】
まとめると、図2に示すように、複数の突起部9Aは、上流方向Uから下流方向Dに向けて搬送面90Aから立ち上がるように形成されている。
【0027】
図3は、搬送面90を裏面から表面に向けて視認した際の構成を説明する図である。
【0028】
図3に示すように、かかる搬送面90には、上述の物品Mよりも小さい複数の開口9Dが設けられている。すなわち、下流方向D(物品Mの搬送方向)における各突起部9Aの下端に、搬送面90の表面から裏面に向けた開口9Dが形成されている。
【0029】
換言すると、図2及び図3に示すように、上述の主面9Bの下流方向Dの端部については、搬送面90から突出しており、主面9Bと搬送面90との間には開口9Dが形成される。
【0030】
図4に示すように、水分回収機構20は、排出シュート9における開口9Dの下方に配置され、排出シュート9における開口9Dを通じ搬送面90の内部から外部に通過し、排出シュート9から落ちる水分Xを回収する。
【0031】
上述の構成では、物品Mが、排出シュート9に落下した際の衝撃で、物品Mに含まれる水分(ドリップ)が逆流して、図4に示すように、排出シュート9の搬送面90の下流方向Dの端部に形成されている開口9Dを通じ搬送面90の内部から外部に漏出する可能性がある。しかしながら、上述の構成によれば、水分回収機構20によって、漏出した水分について回収できる。
【0032】
また、図4に示すように、水分回収機構20は、排出シュート9の上端の外側縁部9Eよりも外側まで延びていてもよい。かかる構成によれば、より確実に、排出シュート9から漏出した水分について回収できる。
【0033】
さらに、図4に示す構成に加えて、水分回収機構20における端部のうち、組合せ計量装置1の内側に位置する端部は、排出シュート9と接する構成でも構わない。排出シュート9から漏出した水分は排出シュート9から自由落下するだけでなく、排出シュート9の外表を伝って下流へ移動する。水分回収機構20における端部のうち、組合せ計量装置1の内側に位置する端部を排出シュート9と接する構成とし、これを回収する。この構成により、排出シュート9の外表を伝って下流へ移動した水分がタイミングホッパ10に落下しないようにでき、異物混入リスクを低減できる。
【0034】
(変更例1)
以下、図5を参照して、本発明の変更例1について、上述の第1実施形態との相違点に着目して説明する。
【0035】
図5に示すように、タイミングホッパ10は、ゲート(第2ゲート)10Gを有し、ゲート10Gを閉状態として排出シュート9から排出される物品Mを一時的に受け取り、さらにゲート10Gを開状態として物品Mを下流に排出する。
【0036】
図5に示すように、本変更例1における水分回収機構21は、ゲート10Gを駆動する駆動部10Dを保護するカバーによって構成される。
【0037】
かかる構成によれば、排出シュート9から漏出した水分によって機能への影響を及ぼす可能性が高い駆動部10Dを保護することで、組合せ計量装置1の性能の低下を防ぐことができる。
【0038】
ここで、図5に示すように、水分回収機構21は、駆動部10Dを構成するエアシリンダの内筒10Aを保護してもよい。
【0039】
かかる構成によれば、特に排出シュート9から漏出した水分が付着すると性能悪化に繋がるエアシリンダを保護できる。
【0040】
本実施形態によれば、排出シュート9の搬送面90に開口9Dが設けられている場合であっても、物品Mから漏出した水分による機能悪化の防止及び清掃性の向上を実現できる。
【0041】
上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施できる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0042】
1…組合せ計量装置
2…分散テーブル
~3…供給トラフ
~4…プールホッパ
~5、8~8、10G…ゲート
~6…計量ホッパ
~7…取得部
9…排出シュート
90…搬送面
9A…突起部
9B…主面
9C…側面
9D…開口
10…タイミングホッパ
10A…内筒
10D…駆動部
20、21…水分回収機構
51…制御部
100…搬送コンベア
M…物品
X…水分
図1
図2
図3
図4
図5