(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129360
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】照明装置、半導体製造装置の照明装置、及びファンフィルタユニット
(51)【国際特許分類】
H05B 47/20 20200101AFI20240919BHJP
H05B 47/11 20200101ALI20240919BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20240919BHJP
F21V 23/04 20060101ALI20240919BHJP
F21V 29/67 20150101ALI20240919BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240919BHJP
【FI】
H05B47/20
H05B47/11
F21V23/00 113
F21V23/04 100
F21V23/00 110
F21V23/00 140
F21V29/67 100
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038511
(22)【出願日】2023-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】502129933
【氏名又は名称】株式会社日立産機システム
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】安達 東彦
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 真人
【テーマコード(参考)】
3K014
3K273
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K273PA02
3K273QA34
3K273QA37
3K273RA02
3K273SA04
3K273SA38
3K273SA50
3K273SA60
3K273TA03
3K273TA15
3K273TA17
3K273TA51
3K273TA70
3K273UA12
3K273UA14
3K273UA22
(57)【要約】
【課題】
本発明は、照明の照度低下を検知することができる技術を提供することを目的とする。
【解決手段】
光を照射するLED照明11を備えるLED照明装置10において、LED照明11の電源をON/OFFするLED照明スイッチ14と、LED照明スイッチ14のON/OFFを検出するON/OFF検出部15と、LED照明11の照度を検知する照度センサ12と、LED照明スイッチ14のONが検出された場合において、照度が予め定められた閾値以下であるときはアラーム信号を上位機器20に出力する制御機器13とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を照射する照明を備える照明装置において、
前記照明の電源をON/OFFするスイッチと、
前記スイッチのON/OFFを検出する検出部と、
前記照明の照度を検知する照度センサと、
前記スイッチのONが検出された場合において、前記照度が予め定められた閾値以下であるときはアラーム信号を上位機器に出力する制御部とを備える照明装置。
【請求項2】
請求項1記載の照明装置において、
前記閾値は、前記照明の製造時の照度より低い値に設定される照明装置。
【請求項3】
請求項2記載の照明装置において、
前記閾値は、前記照明を使用可能な照度の下限値より高い値に設定される照明装置。
【請求項4】
半導体製造装置の照明装置において、
光を照射する照明と、
前記照明の電源をON/OFFするスイッチと、
前記スイッチのON/OFFを検出する検出部と、
前記照明の照度を検知する照度センサと、
前記スイッチのONが検出された場合において、前記照度が予め定められた閾値以下であるときはアラーム信号を上位機器に出力する制御部とを備える半導体製造装置の照明装置。
【請求項5】
請求項4記載の半導体製造装置の照明装置において、
前記閾値は、前記半導体製造装置において前記照明を使用可能な照度の下限値より高い値に設定される半導体製造装置の照明装置。
【請求項6】
吸込面から空気を吸い込み吹出面から吹き出すファンと、
前記ファンが吸い込んだ空気を濾過するフィルタとを備えるファンフィルタユニットにおいて、
光を照射する照明と、
前記照明の電源をON/OFFするスイッチと、
前記スイッチのON/OFFを検出する検出部と、
前記照明の照度を検知する照度センサと、
前記スイッチのONが検出された場合において、前記照度が予め定められた閾値以下であるときはアラーム信号を上位機器に出力する制御部とを、さらに備えるファンフィルタユニット。
【請求項7】
請求項6記載のファンフィルタユニットにおいて、
前記照明が照射した光を拡散する光拡散板を、さらに備えるファンフィルタユニット。
【請求項8】
請求項7記載のファンフィルタユニットにおいて、
前記光拡散板は前記吹出面の全面に配置され、前記吹出面から吹き出される空気を通す開口部を有するファンフィルタユニット。
【請求項9】
請求項7記載のファンフィルタユニットにおいて、
前記光拡散板は、前記吹出面の一部に配置されたファンフィルタユニット。
【請求項10】
請求項7記載のファンフィルタユニットにおいて、
半導体製造装置に使用されるファンフィルタユニット。
【請求項11】
請求項10記載のファンフィルタユニットにおいて、
前記照度センサは、前記半導体製造装置内に配置されたファンフィルタユニット。
【請求項12】
請求項11に記載のファンフィルタユニットにおいて、
前記光拡散板は前記半導体製造装置内に配置されたファンフィルタユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置、半導体製造装置の照明装置、及びファンフィルタユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造装置では、半導体の素材であるシリコンウエハに感光材を塗布し、露光することにより回路のパターンを転写する。この露光工程以前に露光現象が起きないように、半導体製造装置の照明には、波長が長く感光材に影響しない黄色の蛍光灯が使用されてきた。しかし、蛍光灯は寿命が約1年と短く、毎年交換する必要があり、交換のたびに半導体製造装置の運転を停止する必要がある。また、蛍光灯は微量の水銀を含むため、将来的に利用できなくなる可能性がある。
【0003】
そのため、近年は半導体製造装置にLED(Light Emitting Diode)照明が使用されているが、LED照明は寿命により照度が低下するため交換が必要となる。LED照明の使用状況により寿命は異なるので、交換時期を予測するのは困難である。
【0004】
また、半導体製造装置にLED照明が使用される場合、常に人が見ている訳ではないので、照度の低下や故障に気づかない場合がある。
【0005】
特許文献1には、照度センサにより測定されるLED照明装置の測定照度が設定値以下に低下したとき、点灯スイッチのON時にLED素子の点灯状態を変化させ寿命であることを告知するLED照明装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
半導体製造装置では、LED照明の光量の変化によりシリコンウエハに塗布された感光剤が不均一に固化する等、製品に不良を生じさせることが懸念される。そのため、半導体製造装置に用いるLED照明に、特許文献1に記載されたLED素子の点灯状態を変化させ寿命であることを告知する技術を適用することはできない。
【0008】
本発明は、照明の照度低下を検知する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、代表的な本発明の照明装置の一つは、光を照射する照明を備える照明装置において、照明の電源をON/OFFするスイッチと、スイッチのON/OFFを検出する検出部と、照明の照度を検知する照度センサと、スイッチのONが検出された場合において、照度が予め定められた閾値以下であるときはアラーム信号を上位機器に出力する制御部とを備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、照明の照度低下を検知することができる。
【0011】
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施例1のLED照明装置の構成の一例を示す図である。
【
図2】実施例1のLED照明装置の制御機器のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】実施例1のLED照明装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図4】実施例2のLED照明装置を設けたファンフィルタユニットの構成の一例を示す断面図である。
【
図5】実施例3のLED照明装置を設けたファンフィルタユニットの構成の一例を示す断面図である。
【
図6】実施例4のLED照明装置を設けたファンフィルタユニットの構成の一例を示す断面図である。
【
図7】実施例5のLED照明装置を設けたファンフィルタユニットの構成の一例を示す断面図である。
【
図8】実施例6のLED照明装置を設けたファンフィルタユニットの構成の一例を示す断面図である。
【
図9】実施例7のLED照明装置の構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施例を図面を用いて説明する。
【0014】
なお、実施例を説明するための各図において、同一の構成要素には同一の符号を付し、その繰り返しの説明を省略する場合がある。
【実施例0015】
図1は、実施例1のLED照明装置の構成の一例を示す図である。
【0016】
図1に示すように、実施例1のLED照明装置10は、複数のLED素子により光を照射するLED照明11と、LED照明11の照度を検知する照度センサ12と、LED照明装置10を制御する制御機器13と、ユーザがLED照明11の電源をON/OFFするためのLED照明スイッチ14と、LED照明11のON/OFFを検出するON/OFF検出部15とを備える。制御機器13は、照度センサ12及びON/OFF検出部15にそれぞれ接続されている。
【0017】
照度センサ12はLED照明11の照度を検知しやすいように、LED照明11の照射面に設けることが望ましいが、照度を検知できれば、特に設ける場所に制限はない。照度センサ12が検知した照度は制御機器13に出力される。
【0018】
ON/OFF検出部15は、リレーにより構成され、LED照明11のON/OFFを検出して、制御機器13にON/OFF信号を出力する。
【0019】
制御機器13は、上位機器20に接続されている。上位機器20は、例えば、LED照明11が設置された施設の制御室などに設けられ、施設内の機器の状態を監視するために用いられる。
【0020】
図2は、実施例1のLED照明装置の制御機器のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
図2に示すように、制御機器13は、入力部131と、演算部132と、出力部133とを備える。
【0022】
入力部131は、照度センサ12から出力されたLED照明11の照度や、ON/OFF検出部15から出力されたON/OFF信号を受付ける。演算部132は、後述する
図3の処理を実行し、LED照明11の照度が予め定められた閾値以下であるときは、出力部133からアラーム信号を上位機器20に出力する。
【0023】
上位機器20は、LED照明装置10の制御機器13が出力したアラーム信号を受付けると、表示部への表示や、ランプの点灯、音声などにより、アラームを発してLED照明11の照度低下をユーザに知らせる。照度低下を知らされたユーザは、LED照明11を交換する。
【0024】
図3は、実施例1のLED照明装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【0025】
図3において、制御機器13は、LED照明スイッチ14がONであるか否かを判別する(ステップS101)。
【0026】
ユーザによりLED照明スイッチ14がONにされると、LED照明11が点灯し、ON/OFF検出部15がLED照明スイッチ14のONを検出する。LED照明スイッチ14のONを検出したON/OFF検出部15は、制御機器13にON信号を出力する。
【0027】
一方、ユーザによりLED照明スイッチ14がOFFにされると、LED照明11が消灯し、ON/OFF検出部15がLED照明スイッチ14のOFFを検出する。LED照明スイッチ14のOFFを検出したON/OFF検出部15は、制御機器13にOFF信号を出力する。
【0028】
制御機器13は、ON/OFF検出部15が出力したON/OFF信号に基づいて、LED照明スイッチ14がONであるか判断する。
【0029】
LED照明スイッチ14がONであるときは(ステップS101でYES)、制御機器13は、LED照明11の照度が予め定められた閾値以下であるか否かを判別する(ステップS102)。照度センサ12がLED照明11の照度を検知して制御機器13に出力し、制御機器13は、照度センサ12が出力した照度が予め定められた閾値以下であるか判断する。
【0030】
LED照明11の照度が予め定められた閾値以下であるときは(ステップS102でYES)、制御機器13は、上位機器20にアラーム信号を出力し、処理を終了する。
【0031】
上位機器20は、LED照明装置10の制御機器13が出力したアラーム信号を受付けると、表示部への表示や、ランプの点灯、音声などにより、アラームを発してLED照明11の照度低下をユーザに知らせる。照度低下を知らされたユーザは、LED照明11を交換する。
【0032】
閾値は、LED照明11の製造時の照度より低い値で設定されるが、LED照明11の用途に応じて、LED照明11を使用可能な照度の下限値より高い値に設定される。これにより、LED照明11が完全に使用できなくなる前に照度低下を検知して、LED照明11を交換することができる。
【0033】
LED照明11が半導体製造装置に使用される場合には、閾値は、半導体製造装置において、LED照明11を使用可能な照度の下限値より高い値に設定される。例えば、閾値は、半導体製造に使用される感光剤に影響を与えない照度の下限値より高い値に設定されることが好ましい。
【0034】
本実施例によれば、制御機器13は、LED照明11の照度が閾値以下であるときは、上位機器20にアラーム信号を出力するので、LED照明の照度低下を検知することができる。
【0035】
また、制御室に設置された上位機器20によりアラームを発するので、多数のLED照明を有する施設においてもLED照明の照度低下を容易に監視することができる。さらに、半導体製造装置に使用される場合には、半導体の製造に影響を与えることなく、LED照明11の照度低下をユーザに知らせることができる。
【0036】
本実施例を適用することにより、半導体製造工場においては、LED照明の点検のために半導体製造装置を停止させる必要がなく、生産性を向上させることができる。また、LED照明を定期的に交換していた場合には、本実施例を適用することにより、照度の低下していないLED照明を廃棄してしまうことを防止することができ、環境負荷を低減することができる。
実施例2では、LED照明装置10がファンフィルタユニット30(Fan Filter Unit:以下、本明細書では「FFU」と称する)に設けられた例について説明する。FFU30は、半導体製造装置等に搭載され、装置内に清浄な空気を供給する。
モータ32により駆動されたファン31は、吸込面36から空気を吸い込む。吸い込まれた空気は、フィルタ33により濾過され、チャンバ34を通過し、吹出面37から装置内へと吹き出される。
チャンバ34には、FFU30が搭載された装置内を照明するために、LED照明11が設けられている。また、チャンバ34には、LED照明11の照度を検知可能な位置に、照度センサ12が設けられている。
本実施例によれば、制御機器13は、LED照明11の照度が閾値以下であるときは、上位機器20にアラーム信号を出力するので、LED照明の照度低下を検知することができる。
また、制御室に設置された上位機器20によりアラームを発するので、多数のLED照明を有する施設においてもLED照明の照度低下を容易に監視することができる。さらに、半導体製造装置に使用される場合には、半導体の製造に影響を与えることなく、LED照明11の照度低下をユーザに知らせることができる。