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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129373
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】画像処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06T 1/00 20060101AFI20240919BHJP
   G01N 21/956 20060101ALI20240919BHJP
   G06T 5/30 20060101ALI20240919BHJP
【FI】
G06T1/00 305A
G01N21/956 A
G06T5/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038536
(22)【出願日】2023-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】000219314
【氏名又は名称】東レエンジニアリング株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】301014904
【氏名又は名称】東レエンジニアリング先端半導体MIテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】卜部 直輝
(72)【発明者】
【氏名】杉谷 篤志
【テーマコード(参考)】
2G051
5B057
【Fターム(参考)】
2G051AA51
2G051AB01
2G051AB02
2G051EA08
2G051EA11
2G051ED01
2G051ED05
5B057AA01
5B057BA02
5B057CA12
5B057CB12
5B057CE05
5B057CE12
5B057DA03
5B057DB02
5B057DC14
(57)【要約】
【課題】配線がある半導体チップ等に対し画像検査を行う際に、画像に存在する欠陥を、配線の影響を排除して検出する画像処理方法を提供する。
【解決手段】一方向に伸びる直線が表示された撮影画面に画像処理を行って不定形な画像の検出を行う画像処理方法であって、一方向に沿って並ぶ画素の第1の数aと、一方向とは異なる別方向に沿って並ぶ画素の第2の数bとにより規定されるセグメントで撮影画面に平滑化フィルタ処理を行った第1処理画像を得るステップと、一方向に沿って並ぶ画素の第3の数cと、別方向に沿って並ぶ画素の第4の数dとにより規定されるセグメントで撮影画面に平滑化フィルタ処理を行った第2処理画像を得るステップと、第2処理画像から第1処理画像を差し引いた画像である第3処理画像を得るステップと、第3処理画像を用いて不定形な画像の検出を行う検出ステップとを備え、aは、b、c、dのいずれよりも大きい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に伸びる少なくとも1つの直線が表示された撮影画面を対象に画像処理を行って当該撮影画面に表示された不定形な画像の検出を行う画像処理方法であって、
前記撮影画面に対して、前記一方向に沿って並ぶ画素の第1の所定の数aと、前記一方向とは異なる別方向に沿って並ぶ画素の第2の所定の数bとにより規定されるセグメントによって平滑化フィルタを用いてフィルタ処理を行った第1処理画像を得るステップと、
前記撮影画面に対して、前記一方向に沿って並ぶ画素の第3の所定の数cと、前記別方向に沿って並ぶ画素の第4の所定の数dとにより規定されるセグメントによって平滑化フィルタを用いてフィルタ処理を行った第2処理画像を得るステップと、
前記第2処理画像から前記第1処理画像を差し引いて差分の画像である第3処理画像を得るステップと、
前記第3処理画像を用いて前記不定形な画像の検出を行う検出ステップと
を備え、
前記数aは、前記数b、前記数c、前記数dのいずれよりも大きい、画像処理方法。
【請求項2】
前記検出ステップでは、2値化処理を行う、請求項1に記載の画像処理方法。
【請求項3】
前記検出ステップでは、2値化処理の後にクロージング処理を行って前記直線により分断された複数の前記不定型な画像を結合させる、請求項2に記載の画像処理方法。
【請求項4】
前記検出ステップでは、クロージング処理の後にラベリング処理を行う、請求項3に記載の画像処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
様々な製品の製造工程において画像を用いて欠陥を検出することが行われている。
【0003】
例えば特許文献1には、半導体ウエハのメモリマット部、周辺回路の欠陥を検出する高感度な被検査パターンの欠陥検査方法が開示されている。半導体の製造を行う際には様々な工程が存在しており、それぞれの工程で種々の欠陥が発生している。中でも洗浄工程は頻繁に行われており、洗浄液が残存することにより生じる欠陥は多くの洗浄工程で発生するため、検出して不良品を除外したり、工程の製造条件へのフィードバックを行ったりする必要がある。
【0004】
半導体チップには配線パターンが存在するため、欠陥の検出を行うためには配線パターンと欠陥とを区別して検出する必要がある。配線パターンと欠陥とを区別するために配線パターンのみの画像を用意して、欠陥検出を行う画像と比較して画像処理を行って欠陥を検出することが行われている。
【0005】
従来は欠陥の無い配線パターンのみのサンプル(良品)の画像を複数用意して、それらを画像処理により重畳させて統計的な良品画像を作成し、この統計的良品画像と検査画像とを比較・画像処理を行って欠陥の検出を行っていた。配線のみのパターンとして設計図(CAD図面)を用いることも考えられるが、現実の生産品では製造装置のデバイスのばらつきやアライメント誤差等によって配線の幅や位置などにばらつきが出る。そのため、配線のみのパターンとして設計図を用いると、欠陥がないのに配線パターンのばらつきのために不良と判断されてしまうことが生じてしまう。このような理由で従来は統計的良品画像を用いて検査を行っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3625236号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、欠陥のない画像として統計的良品画像を用いると製造時のばらつきに由来する配線の幅が広幅になることによりその配線の輝度値が下がり、検査対象の配線幅が狭い(輝度が高い)とその周囲が欠陥と判定されてしまう疑似欠陥の問題が生じてしまう。また、配線をまたいで存在する1つの欠陥を、配線の両側に存在する別々の欠陥として検出してしまって、欠陥の数や大きさなどの実態が把握出来ないという事態も生じていた。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、配線パターンが存在する半導体チップ等の仕掛品・製品に対して画像を用いた検査を行う際に画像に存在する欠陥像を、配線パターンの影響を排除して検出する画像処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の画像処理方法は、一方向に伸びる少なくとも1つの直線が表示された撮影画面を対象に画像処理を行って当該撮影画面に表示された不定形な画像の検出を行う画像処理方法であって、前記撮影画面に対して、前記一方向に沿って並ぶ画素の第1の所定の数aと、前記一方向とは異なる別方向に沿って並ぶ画素の第2の所定の数bとにより規定されるセグメントによって平滑化フィルタを用いてフィルタ処理を行った第1処理画像を得るステップと、前記撮影画面に対して、前記一方向に沿って並ぶ画素の第3の所定の数cと、前記別方向に沿って並ぶ画素の第4の所定の数dとにより規定されるセグメントによって平滑化フィルタを用いてフィルタ処理を行った第2処理画像を得るステップと、前記第2処理画像から前記第1処理画像を差し引いて差分の画像である第3処理画像を得るステップと、前記第3処理画像を用いて前記不定形な画像の検出を行う検出ステップとを備え、前記数aは、前記数b、前記数c、前記数dのいずれよりも大きいという特徴を備えている。第1の所定の数aは一方向に沿って並ぶ画素の全数以下であり、且つb、c、dよりも大きい任意の数であればよい。第2の所定の数b、第3の所定の数c、第4の所定の数dは一方向に沿って並ぶ画素の全数の1/5以下が好ましく、1/10以下がより好ましい。
【0010】
前記検出ステップでは、2値化処理を行うことが好ましい。
【0011】
前記検出ステップでは、2値化処理の後にクロージング処理を行って前記直線により分断された複数の前記不定型な画像を結合させることが好ましい。
【0012】
前記検出ステップでは、クロージング処理の後にラベリング処理を行うことが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
1つの検査画像(撮影画像)に対して上述のように異なる平滑化フィルタを用いて画像処理を行って2つの処理画像を生成させて、これらの2つの処理画像の差分の画像を生成させることにより、簡単な方法で配線パターンの影響を排除して欠陥を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施形態に係る検査用の撮影画像を示す図面である。
図2】検査用の撮影画像に対して平均化フィルタ処理1を行った結果である第1処理画像を示す図である。
図3】検査用の撮影画像に対して平均化フィルタ処理2を行った結果である第2処理画像を示す図である。
図4】第2処理画像から第1処理画像を差し引いた差分の画像である第3処理画像に2値化及びクロージング処理を行った画像を示す図である。
図5】実施形態に係るフロー図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物あるいはその用途を制限することを意図するものではない。
【0016】
(実施形態1)
実施形態1は半導体装置(半導体チップ)の製造の途中段階あるいは完成段階のウェハ上あるいは個別のチップの検査を行うための撮影画像を対象として行う画像処理に関するものである。
【0017】
半導体装置の製造における所定の工程完了後のウェハの撮影画像を図1に示す。ウェハ上には5本の配線パターン10,12,14,16,18と、洗浄液がすべて除去されなることなく一部残存したことに由来する欠陥20,22,24,26,28が存在しており、さらに撮影画像には撮影時のノイズに起因する微細な点30,31が存在している。それぞれの配線パターン10,12,14,16,18は撮影画像において横方向に伸びている。
【0018】
欠陥20,22,24,26,28は洗浄液の残存に由来して生じるものであるので形状は不定形であり、縁の部分20a,22a,24a,26a,28aが中央部分20b,22b,24b,2b6,28bよりも盛り上がっている。
【0019】
このような撮影画像から配線パターンを除いて欠陥のみを検出して、良品か否かの判定を行ったり、製造工程の修正や改善することが必要になる。検出した結果を利用して良否判定を行ったり、工程修正の判定を行う際には、検出結果を判定に適切に利用できるように画像処理を行ったり、判定方法を工夫する必要がある。以下に画像処理や判定方法について説明する。
【0020】
図1では欠陥や配線等が明確な線で表されているが、実際の撮影画像では境界がぼやけていたり明暗に変化があったりしてそのままでは判定することが困難な場合が多々生じる。そこで例えば図5に示すようなフローに従って画像処理を行って行く。
【0021】
図5に示すフローでは、まず撮影画像のデータに対してルックアップテーブル変換を行っている。ルックアップテーブル変換では、入力されたデータ(ここでは輝度値)に対してテーブル(割り当て表)を用いて出力値を割り当てるという操作を行う。これによりコントラストを強調することができる。なお、ルックアップテーブル変換に代えて、コントラストを強調することが可能な別の変換(フィルター処理)を行っても構わない。
【0022】
ルックアップテーブル変換を行ったデータに対して、平滑化フィルタ処理1および平滑化フィルタ処理2をそれぞれ別々に行う。平滑化フィルタ処理はローパスフィルタ処理であって、近隣の画素間において輝度値の変化を低減させてなめらかにする処理のことである。具体的にはセグメントと呼ばれる隣り合う複数の画素のかたまり(例えば縦4画素×横4画素の正方形の区画)に対して画像処理を行う。平滑化フィルタ処理はノイズを軽減したりエッジなどの特徴を強調する目的で行われる。平均化フィルタ処理には様々なフィルタを用いたやり方があるが、判定の目的に従って適切なフィルタ処理を選択すればよい。
【0023】
平均化フィルタ処理1では、配線パターンの伸びる方向(図では横方向)に沿って並ぶ画素の数を第1の所定の数a、配線パターンの伸びる方向に直行する方向(図では縦方向)に沿って並ぶ画素の数を第2の所定の数bとして、a×bのセグメントに対して平滑化フィルタ処理を行う。このセグメントは、a>bであり横長の長方形のセグメントである。撮影画像の横方向に並ぶ画素数がXであるとき、aはX、X/2、X/4、X/8等を選択することができるが、他の任意の数であってもよい。bはaよりも小さければ特に限定されないが、aの1/4以下が好ましく、1/10以下がより好ましい。また、bは1以上30以下であってもよい。あるいは、bは配線パターンの画像の幅の1/2以下にあたる画素数が好ましい。
【0024】
なお、1つのセグメントの画素数が多くなればなるほど平均化フィルタ処理1に費やされる時間が大きくなるので、目的に応じて1つのセグメントの画素数を選択すればよい。また、1つのセグメントを平均化フィルタ処理して隣のセグメントに移ってそれを平均化フィルタ処理する際に、例えば隣のセグメントへの移動を横方向にa/m画素分だけ移動していく(mは任意の整数)場合は、mが大きくなると1つの画像全体を処理する時間が大きくなるので、このときも目的に応じてセグメントの移動量を選択すればよい。
【0025】
平均化フィルタ処理1を行って得られた第1処理画像を図2に示す。平均化フィルタ処理1によりノイズに起因する微細な点30,31及び欠陥20,22,24,26,28は消滅して配線パターン10,12,14,16,18のみが残る。すなわち、セグメントが横方向に長い長方形であるので、横方向に端から端まで伸びる配線パターン10,12,14,16,18は残るが、それ以外の画像は消滅してしまう。特にbが配線パターンの画像の幅の1/2以下に当たる画素数である時に配線パターン10,12,14,16,18の画像は元の幅とほぼ同等の画像として出力される。
【0026】
次に平均化フィルタ処理2について説明する。平均化フィルタ処理2では、配線パターンの伸びる方向(図では横方向)に沿って並ぶ画素の数を第3の所定の数c、配線パターンの伸びる方向に直行する方向(図では縦方向)に沿って並ぶ画素の数を第4の所定の数dとして、c×dのセグメントに対して平滑化フィルタ処理を行う。このセグメントは、a>c、a>dである。c、dはaよりも小さければ特に限定されないが、aの1/4以下が好ましく、1/10以下がより好ましい。また、c、dは1以上30以下であってもよい。dはbと同じであることが好ましい。
【0027】
1つのセグメントの画素数が多くなればなるほど、平均化フィルタ処理1と同様に、平均化フィルタ処理2に費やされる時間が大きくなるので、目的に応じて1つのセグメントの画素数を選択すればよい。また、1つのセグメントを平均化フィルタ処理して隣のセグメントに移ってそれを平均化フィルタ処理する際に、例えば隣のセグメントとして横方向にc/n画素分だけ移動していく(nは任意の整数)場合は、nが大きくなると1つの画像全体を処理する時間が大きくなるので、このときも目的に応じてセグメントの移動量を選択すればよい。
【0028】
平均化フィルタ処理2を行って得られた第2処理画像を図3に示す。平均化フィルタ処理2によりノイズに起因する微細な点30,31は消滅して、配線パターン10,12,14,16,18及び欠陥20,22,24,26,28が残る。
【0029】
それから、第2処理画像から第1処理画像を差し引く差分処理(画像間減算の処理)を行って差分の画像である第3処理画像を得る。第3処理画像では配線パターン10,12,14,16,18が消滅して欠陥20,22,24,26,28のみが残るため、疑似欠陥が生じてしまうという問題はなくなる。この第3処理画像をそのまま用いて不定形な欠陥を検出する検出ステップを行ってもよい。
【0030】
ただ、第3処理画像においては、欠陥20,22,24,26,28と配線パターンが重なった部分は消滅するので、第3処理画像は配線パターン部分で分断された欠陥20,22,24,26,28の画像となる。また、欠陥20,22,24,26,28の縁の部分20a,22a,24a,26a,28aが中央部分20b,22b,24b,2b6,28bとは異なる輝度で表されたままとなる。このような状態の第3処理画像でも検査目的によっては問題なく使用できる場合があるが、欠陥の正確な個数や大きさ(面積)等を知りたい場合は第3処理画像を用いた検出ステップにおいて更なる画像処理を行って、それから欠陥検査を行ってもよい。
【0031】
更なる画像処理としては、図5に示すように、まず2値化が挙げられる。2値化はそれぞれの画素の輝度値に対して所定の閾値を用いてそれぞれの画素の表示を白または黒に変換する処理である。例えば欠陥部分を白にして、他の部分を黒にする処理である。第3処理画像に対して2値化を行うと欠陥20,22,24,26,28の縁の部分20a,22a,24a,26a,28aが中央部分20b,22b,24b,2b6,28bとの輝度差が無くなって、欠陥20,22,24,26,28とそれ以外の部分との違いのみが表示されるようになる。
【0032】
それから、クロージング処理を行ってもよい。クロージング処理とは2値化処理を行った画像に対して行う処理であって、例えば隣り合う欠陥(白の部分)同士において配線パターンで分断された隙間を補完して分断された部分を結合する処理となる。第3処理画像において1つのかたまりの欠陥が配線パターン部分によって複数に分断された場合、この処理により元の1つの欠陥に戻る。なお、同じ結果が得られる別の画像処理を採用しても構わない。2値化後にクロージング処理を行って得られた画像を図4に示す。この画像は検出した欠陥画像のみをほぼ正確に表していると考えられる。
【0033】
クロージング処理を行った後は、どのような欠陥検出・処理を行うのかという目的に応じた画像処理を適用してもよい。例えば、図5に示されているラベリング処理を行ってもよい。ラベリング処理とは、2値化した画像から白の画素を探し、見つかった白画素の周囲に他の白画素が隣接して存在している場合に、双方の白画素を同一の物体とみなして同じラベル番号を割り付ける処理である。ラベリング処理によって互いに離れている欠陥が別々の欠陥であることをラベル番号によって認識する処理を行うことが可能となり、欠陥の個数や位置を把握することができる。
【0034】
さらにサイズフィルター処理を行ってもよい。サイズフィルター処理とは、指定したサイズ(所定の長さ範囲)の画像のみをピックアップする処理である。図5には3つのサイズフィルター処理が示されているが、例えば横方向の長さが所定の範囲内にある画素の塊(欠陥)をピックアップする処理、縦方向の長さが所定の範囲内にある画素の塊(欠陥)をピックアップする処理及び面積が所定の範囲内にある画素の塊(欠陥)をピックアップする処理の3つの処理を挙げることができる。これにより、例えば所定のサイズよりも大きい欠陥に対しては不良品として処理する必要があるが、それより小さいサイズの欠陥は後工程で消えてしまって問題がない、という判断を下すことが可能になる。
【0035】
本実施形態の画像処理により、一方向に伸びる少なくとも1つの直線となっている配線パターンが表示された撮影画面を対象にした欠陥検出・判定を行う際に、配線パターンが存在することで生じる虞のある疑似欠陥、および存在している欠陥の画像に配線パターンによる分断や変形が生じてしまうことを簡単な方法で回避・回復することができる。また、1つの撮影画像に対して2つの異なる平均化フィルタ処理を行うという方法で画像処理を行うものであるため、短時間に画像処理を行うことができる。2つの異なる平均化フィルタ処理を行って、それらの差分の画像を得た後は、従来の画像処理手法を適用して、欠陥の検出・判定を正確に行うことができる。
【0036】
なお、本実施形態では横方向に伸びる配線が表示されている撮影画像に対して画像処理を行うことを説明したが、配線が縦方向に伸びている撮影画像に対して同様の手法で画像処理を行ってもよい。そのときには、平均化フィルタ処理1において用いるセグメントは縦長の長方形とすればよい。
【0037】
(その他の実施形態)
上述の実施形態は本願発明の例示であって、本願発明はこれらの例に限定されず、これらの例に周知技術や慣用技術、公知技術を組み合わせたり、一部置き換えたりしてもよい。また当業者であれば容易に思いつく改変発明も本願発明に含まれる。
【0038】
本発明の対象となる画像は一方向に伸びる少なくとも1つの直線が表示された撮影画面であればよく、半導体装置の撮影画像に限定されない。例えば配線基板の撮影画像なども本発明の対象となる。また、画像処理対象は、一方向にのみ伸びる直線のみが表示された撮影画像に限定されず、二方向以上に伸びる複数の直線が表示されていても構わない。
【符号の説明】
【0039】
10,12,14,16,18 配線パターン(直線)
20,22,24,26,28 欠陥
図1
図2
図3
図4
図5