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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129405
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】ステアリングホイール
(51)【国際特許分類】
   B62D 1/06 20060101AFI20240919BHJP
【FI】
B62D1/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038592
(22)【出願日】2023-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】000229955
【氏名又は名称】日本プラスト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【弁理士】
【氏名又は名称】森 太士
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 秀明
(72)【発明者】
【氏名】植松 展隆
(72)【発明者】
【氏名】浅野 巌
【テーマコード(参考)】
3D030
【Fターム(参考)】
3D030DA26
3D030DA34
3D030DA45
3D030DB02
3D030DB81
(57)【要約】
【課題】製造工程での複雑さを解消しながら外観性を向上することができるステアリングホイールを提供する。
【解決手段】円弧状の柱状に形成された本体部と、本体部の表面に配置され、シート状に形成された表面シートと、本体部と表面シートとの間に配置され、配線25を有するシート状に形成された配線シート13とを備えたステアリングホイールにおいて、本体部の外周面に、本体部の柱状の周方向に連続する溝部を設け、表面シート11に、溝部に向けて屈曲されて溝部に収容される収容部19を設け、配線シート13に、収容部19を覆い、溝部に収容される被覆部23を設け、被覆部23に、本体部の円弧状の外径側に配置される禁止領域27を設定し、配線25を、禁止領域27を回避するように、被覆部23を跨いで配置した。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円弧状の柱状に形成された本体部と、
前記本体部の表面に配置され、シート状に形成された表面シートと、
前記本体部と前記表面シートとの間に配置され、配線を有するシート状に形成された配線シートと、
を備え、
前記本体部の外周面には、前記本体部の柱状の周方向に連続する溝部が設けられ、
前記表面シートには、前記溝部に向けて屈曲されて前記溝部に収容される収容部が設けられ、
前記配線シートには、前記収容部を覆い、前記溝部に収容される被覆部が設けられ、
前記被覆部には、前記本体部の円弧状の外径側に配置される禁止領域が設定され、
前記配線は、前記禁止領域を回避するように、前記被覆部を跨いで配置されているステアリングホイール。
【請求項2】
前記溝部は、前記本体部の柱状の径方向に対して傾斜されている請求項1に記載のステアリングホイール。
【請求項3】
前記禁止領域は、前記本体部の柱状の周方向の半分の範囲にわたって設定されている請求項1又は2に記載のステアリングホイール。
【請求項4】
前記収容部は、前記表面シートの幅方向に対して、湾曲して形成されている請求項1又は2に記載のステアリングホイール。
【請求項5】
前記表面シートの幅方向の両側には、前記表面シートが前記本体部の表面を覆った状態で接合される接合部が設けられ、
前記配線の前記禁止領域を回避した部分のうち前記接合部に近接する部分は、前記接合部と平行に配置されている請求項1又は2に記載のステアリングホイール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステアリングホイールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ステアリングホイールとしては、円弧状の柱状に形成された本体部と、本体部の表面に配置され、シート状に形成された表面シートとしての表皮部とを備えている。また、本体部と表皮部との間に配置され、シート状に形成された配線シートとしてのシート部材を備えている。さらに、シート部材は、配線としての被保持体を有したものが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
このステアリングホイールでは、本体部の外周面に、本体部の柱状の周方向に連続する溝部が設けられている。表皮部には、溝部に向けて屈曲されて溝部に収容される収容部が設けられている。シート部材には、収容部を覆い、溝部に収容される被覆部としての中間落とし込み部が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-152632号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1のステアリングホイールでは、被覆部の全域に、配線が被覆部を跨いで配置されている。このため、配線シートの被覆部は、配線によって、剛性が高められ、柔軟性が低下した状態となる。被覆部に柔軟性がないと、溝部に対して、被覆部を完全に収容することが難しく、被覆部が溝部から浮き出た部分が発生してしまう。被覆部が溝部から浮き出ると、最も外側に位置する表面シートに、本体部の表面から浮き出た部分が突出してしまい、外観性が悪化してしまうことから、これを防ぐために製造工程での工夫が必要である。
【0006】
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして本発明の目的は、製造工程での複雑さを解消しながら外観性を向上することができるステアリングホイールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施形態に係るステアリングホイールは、円弧状の柱状に形成された本体部と、前記本体部の表面に配置され、シート状に形成された表面シートと、前記本体部と前記表面シートとの間に配置され、配線を有するシート状に形成された配線シートとを備え、前記本体部の外周面には、前記本体部の柱状の周方向に連続する溝部が設けられ、前記表面シートには、前記溝部に向けて屈曲されて前記溝部に収容される収容部が設けられ、前記配線シートには、前記収容部を覆い、前記溝部に収容される被覆部が設けられ、前記被覆部には、前記本体部の円弧状の外径側に配置される禁止領域が設定され、前記配線は、前記禁止領域を回避するように、前記被覆部を跨いで配置されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、製造工程での複雑さを解消しながら外観性を向上することができるステアリングホイールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係るステアリングホイールの正面図である。
図2】本実施形態に係るステアリングホイールの把持部の断面図である。
図3】本実施形態に係るステアリングホイールの要部拡大断面図である。
図4】本実施形態に係るステアリングホイールの表面シートの要部拡大斜視図である。
図5】本実施形態に係るステアリングホイールの配線シートの要部拡大斜視図である。
図6】本実施形態に係るステアリングホイールの配線シートの要部拡大正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて本実施形態に係るステアリングホイールについて詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率と異なる場合がある。
【0011】
図1に示すように、本実施形態に係るステアリングホイール1は、例えば、運転者が車両の走行方向に対する車両の向きを操作する操作部品として適用される。ステアリングホイール1は、機能部3と、連結部5と、把持部7とを備えている。
【0012】
機能部3は、例えば、クラクションやエアバッグ装置などが配置されている。機能部3の裏面側には、車輪の向きを変更するステアリング軸(不図示)に一体回転可能に接続される接続部(不図示)が設けられている。機能部3は、配線(不図示)を介して車両に搭載された各機構の作動を制御するコントローラ(不図示)と電気的に接続されている。
【0013】
連結部5は、機能部3と連続する一部材で形成され、一対設けられている。一対の連結部5,5は、機能部3と把持部7とを連結している。一対の連結部5,5のうち一方には、コントローラと把持部7とを電気的に接続する配線(不図示)が配置されている。
【0014】
把持部7は、環状に形成され、運転者が把持して回転させ、車両の走行方向に対する車両の向きを操作する操作部となっている。なお、把持部7は、環状に限らず、例えば、上方部分がなく、左右両側に、一対の円弧状に形成された把持部7,7などであってもよい。図1図6に示すように、把持部7は、本体部9と、表面シート11と、配線シート13とを備えている。
【0015】
図1図3に示すように、本体部9は、断面が円形の柱状に形成され、外形が円弧状の部分を有するように環状に形成されている。本体部9は、例えば、合成樹脂などによって、内部に金属製の心材15を有するように、インサート成形される。本体部9の外周面には、本体部9の柱状の周方向に連続する溝部17が設けられている。図1に示すように、溝部17は、本体部9の柱状の径方向(図2示す断面形状の径方向)に対して傾斜されている。溝部17は、本体部9の環状(円弧状)の周方向に沿って所定の間隔で離間して複数(ここでは4つ)設けられている。
【0016】
図1図4に示すように、表面シート11は、例えば、天然皮革、合成皮革、合成樹脂などからなる。表面シート11は、本体部9に配置される前の状態で、例えば、長方形のシート状に形成される。表面シート11は、複数(ここでは5つ)設けられている。なお、本実施形態においては、把持部7の下方に配置される2つの表面シート11がほぼ同一の形状に形成され、その他の3つの表面シート11がほぼ同一の形状に形成されている。
【0017】
隣り合う表面シート11,11の長さ方向(長手方向)の端部は、それぞれ溝部17に収容可能なように、溝部17に向けて屈曲されている。屈曲された端部同士は、互いに当接された収容部19となっている。収容部19は、例えば、縫製、接着、溶着などによって接合され、隣り合う表面シート11,11が連結される。このため、複数(ここでは5つ)の表面シート11は、収容部19を介して1つのシート状に形成される。収容部19は、表面シート11が本体部9に配置された状態で、本体部9の溝部17に収容される。なお、把持部7の下方に配置される2つの表面シート11の端部には、収容部19が設けられていない。この2つの端部は、表面シート11が本体部9に配置された状態で、僅かに離間して配置されているが、端部同士を当接させ、本体部9の露出を避けるようにしてもよい。
【0018】
表面シート11の幅方向(短手方向)の両端部には、一対の接合部21,21が設けられている。一対の接合部21,21は、表面シート11を本体部9の表面に巻き付けたときに、例えば、縫製、接着、溶着などによって接合される。一対の接合部21,21は、本体部9に対して、本体部9(把持部7)の環状(円弧状)の内径35側に配置される。このため、一対の接合部21,21が目立つことがなく、外観性を向上することができる。一対の接合部21,21の間には、一対の接合部21,21にわたって、収容部19が表面シート11の幅方向(短手方向)に連続して配置されている。
【0019】
収容部19は、表面シート11の幅方向に、表面シート11の長さ方向に向けて湾曲して配置されている。収容部19の湾曲の曲率は、本体部9の柱状の径、本体部9の柱状の径方向に対する溝部17の傾斜に合わせて設定されている。
【0020】
図1図3図5図6に示すように、配線シート13は、例えば、耐熱性と絶縁性を有する合成樹脂などからなる。配線シート13は、本体部9に配置される前の状態で、例えば、接合された状態の複数の表面シート11とほぼ同等の大きさや形状となるように、長方形のシート状に形成される。配線シート13は、本体部9に配置される前の状態で、接合された状態の複数の表面シート11の本体部9側の面に対して、接着剤などによって一体に貼り付けられる。表面シート11と一体にされた配線シート13は、本体部9の表面に対して、接着剤などによって一体に貼り付けられる。なお、配線シート13は、表面シート11と一体にしなくてもよく、配線シート13と表面シート11とを別々に、本体部9に配置してもよい。配線シート13は、本体部9に配置された状態で、本体部9と表面シート11との間に配置される。
【0021】
配線シート13には、接合された状態の複数の表面シート11の収容部19を覆う被覆部23が設けられている。被覆部23は、複数(ここでは4つ)の収容部19に対応して、複数(ここでは4つ)設けられている。被覆部23は、収容部19を覆うので、配線シート13と表面シート11とを合わせた状態で、配線シート13の長さ方向に向けて湾曲した状態となる。被覆部23は、配線シート13が本体部9に配置された状態で、溝部17に収容される。このため、溝部17において、被覆部23は、溝部17の内面と収容部19の外面との間に配置された状態となる。配線シート13には、配線25が設けられている。
【0022】
配線25は、導電性材料からなる導体を有する。配線25は、例えば、把持部7を温める電熱線、或いは運転者が把持部7に触れたか否かを検出するセンサなどを構成する。配線25は、一対の接合部21,21(図4参照)が位置する部分以外の配線シート13のほぼ全域に、互いに交差しない一筆書きのように、配置されている。なお、配線25を配置する面は、配線シート13のどちらの面であってもよい。加えて、配線シート13を、複数重ね合わせて構成し、隣り合う配線シート13,13の間に、配線25を配置してもよい。配線25の両端は、配線シート13の一方の連結部5に配置される部分から連結部5側に向けて引き出され、コントローラと電気的に接続される。
【0023】
表面シート11及び配線シート13は、本体部9に巻き付けたとき、幅方向(短手方向)の中央部の方が一対の接合部21,21が位置する端部よりも、変形(屈曲)が大きい。このため、表面シート11及び配線シート13は、本体部9(把持部7)の環状(円弧状)の部分において、一対の接合部21,21が位置する内径35側よりも、外径37側の方が変形(屈曲)が大きい。変形(屈曲)の大きさの違いは、収容部19及び被覆部23でも同様である。加えて、溝部17は、本体部9の柱状の径方向(図2示す断面形状の径方向)に対して傾斜されている。このため、被覆部23において、本体部9(把持部7)の環状(円弧状)の内径35側に位置する端部よりも、外径37側に位置する中央部の方がより変形(屈曲)が大きくなる。被覆部23の本体部9の環状(円弧状)の外径37側に配置される部分に、配線25が配置されていると、被覆部23が変形(屈曲)し難くなり、被覆部23が溝部17から浮き出ることを促進してしまう。
【0024】
そこで、配線シート13の被覆部23には、配線25を配置しない禁止領域27が設定されている。禁止領域27は、被覆部23において、表面シート11及び配線シート13を本体部9に巻き付けた状態で、本体部9の環状(円弧状)の外径37側に配置される部分に設定されている。禁止領域27の被覆部23の幅方向(配線シート13の長さ方向)の範囲は、被覆部23の幅方向の全域にわたるように、被覆部23の幅と同一に設定されている。禁止領域27の被覆部23の長さ方向(配線シート13の幅方向)の範囲は、本体部9の柱状の周方向において、本体部9の環状(円弧状)の外径37側が位置する半分の範囲29(図2参照)にわたって設定されている。
【0025】
禁止領域27が設定された被覆部23に対して、配線25は、回避部31を備えている。回避部31は、被覆部23に対して、導体が禁止領域27を回避するように配置されている。例えば、回避部31において、配線シート13の長さ方向に沿って禁止領域27に向けて延出された導体は、禁止領域27の位置で、反対側に向けて折り返される。或いは、配線シート13の長さ方向に沿って禁止領域27に向けて延出された導体は、禁止領域27に対して、配線シート13の幅方向の両側に位置するように、被覆部23を跨いで配置される。回避部31が被覆部23を跨ぐ部分を有することにより、被覆部23の幅方向(配線シート13の長さ方向)の両側で、配線25が電気的に分断されることがない。なお、被覆部23の幅方向の両側で、配線25が電気的に分断されてしまうと、配線シート13の他の部分に電気的に分断された配線25を電気的に接続する構造を設ける必要があり、配線25の電気的な接続構造が複雑化してしまう。このため、配線25が、被覆部23を跨ぐ部分を有することにより、配線25の電気的な接続構造を簡易化することができる。
【0026】
配線25が、禁止領域27を回避するように、被覆部23を跨いで配置されることにより、禁止領域27に配線25が配置されることがなく、被覆部23の剛性の高まりを低減して柔軟性を保持することができる。また、一対の接合部21,21を接合したときに、被覆部23における変形(屈曲)が大きい禁止領域27に配線25を配置しないことにより、配線25が禁止領域27の変形(屈曲)を阻害することがない。このため、被覆部23を溝部17に安定して収容することができ、表面シート11に突出した部分が発生することを防止でき、外観性を向上することができる。加えて、禁止領域27は、本体部9の周方向の半分の範囲29に設定されているので、表面シート11の目立つ部分に突出した部分が発生することがない。また、配線25が、変形(屈曲)の大きい禁止領域27を回避することにより、禁止領域27の変形(屈曲)による配線25へのダメージを抑制することができる。
【0027】
ここで、配線25の回避部31において、一対の接合部21,21に近接する部分の導体は、接合部21と平行となるように配置された平行部33となっている。本実施形態の平行部33においては、接合部21が、表面シート11の長さ方向に沿った直線状に形成されているので、配線シート13の長さ方向に沿った直線状に形成されている。配線25に接合部21と平行な平行部33を設けることにより、平行部33によって接合部21近傍の剛性が高まり、接合部21の形状を保持することができる。このため、一対の接合部21,21が接合した状態で、接合部21に変形が生じることを抑制でき、表面シート11を本体部9に安定して保持することができる。
【0028】
このようなステアリングホイール1では、円弧状の柱状に形成された本体部9と、本体部9の表面に配置され、シート状に形成された表面シート11とを備えている。また、本体部9と表面シート11との間に配置され、配線25を有するシート状に形成された配線シート13を備えている。さらに、本体部9の外周面には、本体部9の柱状の周方向に連続する溝部17が設けられている。また、表面シート11には、溝部17に向けて屈曲されて溝部17に収容される収容部19が設けられている。さらに、配線シート13には、収容部19を覆い、溝部17に収容される被覆部23が設けられている。また、被覆部23には、本体部9の円弧状の外径37側に配置される禁止領域27が設定されている。そして、配線25は、禁止領域27を回避するように、被覆部23を跨いで配置されている。
【0029】
配線25が、禁止領域27を回避するように、被覆部23を跨いで配置されることにより、禁止領域27に配線25が配置されることがなく、被覆部23の剛性の高まりを低減して柔軟性を保持することができる。また、被覆部23における変形(屈曲)が大きい禁止領域27に配線25を配置しないことにより、配線25が禁止領域27の変形(屈曲)を阻害することがない。このため、被覆部23を溝部17に安定して収容することができ、表面シート11に突出した部分が発生することを防止でき、外観性を向上することができる。
【0030】
従って、このようなステアリングホイール1では、製造工程での複雑さを解消しながら外観性を向上することができる。
【0031】
また、溝部17は、本体部9の柱状の径方向に対して傾斜されている。
【0032】
このため、被覆部23において、本体部9の円弧状の外径37側に位置する禁止領域27の変形(屈曲)がより大きくなる。禁止領域27には、配線25が配置されていないので、被覆部23を溝部17に安定して収容することができる。加えて、禁止領域27の変形(屈曲)による配線25へのダメージを抑制することができる。
【0033】
また、禁止領域27は、本体部9の柱状の周方向の半分の範囲29にわたって設定されている。
【0034】
このため、表面シート11の目立つ部分に突出した部分が発生することがなく、外観性を向上することができる。
【0035】
また、収容部19は、表面シート11の幅方向に対して、湾曲して形成されている。
【0036】
収容部19を湾曲させることにより、本体部9に表面シート11を巻き付けたときに、収容部19を溝部17に容易に収容することができる。このため、本体部9に対する表面シート11の組付性を向上することができる。
【0037】
また、表面シート11の幅方向の両側には、表面シート11が本体部9の表面を覆った状態で接合される接合部21,21が設けられている。そして、配線25の禁止領域27を回避した部分のうち接合部21に近接する部分は、接合部21と平行に配置されている。
【0038】
配線25の接合部21に近接する部分を、接合部21と平行に配置することにより、配線25によって接合部21近傍の剛性が高まり、接合部21の形状を保持することができる。このため、接合部21,21が接合した状態で、接合部21に変形が生じることを抑制でき、表面シート11を本体部9に安定して保持することができる。
【0039】
以上、本実施形態を説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
【0040】
例えば、本実施形態に係るステアリングホイールは、溝部が、4つ設けられているが、これに限らず、溝部を、3つ以下、或いは5つ以上設けてもよい。加えて、表面シートは、溝部の数に対応して、複数設ければよい。
【符号の説明】
【0041】
1 ステアリングホイール
9 本体部
11 表面シート
13 配線シート
17 溝部
19 収容部
21 接合部
23 被覆部
25 配線
27 禁止領域
29 範囲
37 外径
図1
図2
図3
図4
図5
図6