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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129414
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/02 20060101AFI20240919BHJP
【FI】
D06F39/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038612
(22)【出願日】2023-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】黒田 恵
(72)【発明者】
【氏名】加藤 貴代美
【テーマコード(参考)】
3B166
【Fターム(参考)】
3B166AA12
3B166AA15
3B166AE02
3B166AE07
3B166BA52
3B166BA82
3B166CA01
3B166CA02
3B166CA05
3B166CA11
3B166CB01
3B166CB11
3B166CD05
3B166CD15
3B166DC03
3B166DC12
3B166DC14
3B166DC22
3B166DC40
3B166DC45
3B166DC47
3B166DE02
3B166DE04
3B166DE06
3B166EB01
3B166FA01
3B166FA06
3B166FA12
3B166FA14
3B166FB01
3B166FB02
3B166GA02
3B166GA04
3B166GA12
(57)【要約】
【課題】洗濯処理剤が早期に流出することを抑制できる洗濯機を提供する。
【解決手段】洗濯機は、洗濯物収容槽と、注水ケースと、ユーザから洗濯処理剤の投入を受ける処理剤投入部を有し、注水ケースに対して所定の方向から出し入れ可能な処理剤ケースと、を備える。注水ケースは、処理剤ケースが注水ケースに収容された状態で注水ケースの底面に対向する位置に形成され注水ケース内に水を流入する注水部と、注水部と処理剤ケースとの間に位置し注水ケースの上部から底面に向かって延びる誘導リブと、を有し、誘導リブは、処理剤ケースの上端よりも下方に延びている。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯物を収容する洗濯物収容槽と、
外部の水源から供給された水を受けて前記洗濯物収容槽内に注水する注水ケースと、
ユーザから洗濯処理剤の投入を受ける処理剤投入部を有し、前記注水ケースに対して所定の方向から出し入れ可能な処理剤ケースと、を備え、
前記注水ケースは、前記処理剤ケースが前記注水ケースに収容された状態で前記注水ケースの底面に対向する位置に形成され前記注水ケース内に水を流入する注水部と、前記注水部と前記処理剤ケースとの間に位置し前記注水ケースの上部から前記底面に向かって延びる誘導リブと、を有し、
前記誘導リブは、前記処理剤ケースの上端よりも下方に延びている、
洗濯機。
【請求項2】
前記注水部は、複数設けられており、
前記誘導リブは、複数の前記注水部の間に位置している、
請求項1に記載の洗濯機。
【請求項3】
前記注水ケースは、前記誘導リブを含んで構成されるリブ群を有し、
前記注水部は、前記リブ群によって周囲が囲まれている、
請求項2に記載の洗濯機。
【請求項4】
前記注水部は、前記処理剤ケースが前記注水ケースに収容された状態で、前記処理剤ケースの出し入れ方向において、前記処理剤投入部よりも奥側に位置し、
前記注水ケースは、前記注水ケースの上部から下方に延びて形成され、前記処理剤ケースが前記注水ケースに収容された状態で前記処理剤投入部と前記注水部の間の空間に位置し、前記空間を前記処理剤ケースの出し入れ方向に仕切る仕切部を更に有する、
請求項1に記載の洗濯機。
【請求項5】
前記注水ケースは、互いに対向している第1側面部及び第2側面部を更に有し、
前記第1側面部は、前記注水ケース内に水が流入する流入口が設けられており、
前記注水ケースは、前記第1側面部と前記第2側面部との間であって前記誘導リブの下方に重なる位置に配置され、前記流入口から前記注水ケース内に流入した水に接触する接触体を更に有し、
前記接触体の上端は、前記誘導リブの下端よりも上方に位置している、
請求項1に記載の洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、柔軟剤等の洗濯処理剤を収容するための収容室つまり処理剤ケースを注水ケースに対して出し入れ可能な洗濯機が知られている。注水ケースは、内部の空間が横断壁によって上空間と下空間に分けられている。下空間には、処理剤ケースが配置される。そして、注水ケースの上空間を流れる水は、横断壁に形成された複数の孔部を通って下空間に供給される。
【0003】
複数の孔部は、処理剤ケースが注水ケース内に収容されたときに処理剤ケースの上方に位置しない第1孔部と、処理剤ケースの上方に位置する第2孔部と、が含まれる。処理剤ケース内に予め収容されていた洗濯処理剤は、所定の時期に第2孔部を通過した水が処理剤ケース内に供給されることで、注水ケース内から回転槽内に供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-104150号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、第1孔部から下空間に水が流れる際に流量が多いと、第1孔部から注水ケースの底面に流れる水の一部が処理剤ケース内に侵入してしまう場合がある。処理剤ケース内に水が侵入すると、洗濯処理剤を回転槽内に供給する予定よりも早い時期に、回転槽内に洗濯処理剤が流出してしまうおそれがある。そのため、従来構成では、処理剤ケースから洗濯処理剤の早期流出を抑制する点において改善の余地があった。
【0006】
そこで、本実施形態は、洗濯処理剤が早期に流出することを抑制できる洗濯機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施形態に係る洗濯機は、洗濯物を収容する洗濯物収容槽と、外部の水源から供給された水を受けて前記洗濯物収容槽内に注水する注水ケースと、ユーザから洗濯処理剤の投入を受ける処理剤投入部を有し、前記注水ケースに対して所定の方向から出し入れ可能な処理剤ケースと、を備え、前記注水ケースは、前記処理剤ケースが前記注水ケースに収容された状態で前記注水ケースの底面に対向する位置に形成され前記注水ケース内に水を流入する注水部と、前記注水部と前記処理剤ケースとの間に位置し前記注水ケースの上部から前記底面に向かって延びる誘導リブと、を有し、前記誘導リブは、前記処理剤ケースの上端よりも下方に延びている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態による洗濯機の内部構成を概略的に示す断面図
図2】一実施形態による洗濯機について、給水機構の構成の一例を概略的に示す平面図
図3】一実施形態による洗濯機について、注水ケースに処理剤ケースが収容された状態の一例を示す斜視図
図4】一実施形態による洗濯機について、処理剤ケースの構成の一例を概略的に示す斜視図
図5】一実施形態による洗濯機について、外部の水源から外槽に至る給水経路の一例を概略的に示す図
図6】一実施形態による洗濯機について、注水ケースの第1部材の構成の一例を概略的に示す斜視図
図7】一実施形態による洗濯機について、注水ケースの第2部材本体の構成の一例を概略的に示す平面図
図8】一実施形態による洗濯機について、注水ケースの第2部材本体の構成の一例を概略的に示す底面図
図9】一実施形態による洗濯機について、注水ケースの概略構成を図7のX9-X9線に沿って示す断面図
図10】一実施形態による洗濯機について、注水ケースの概略構成を図7のX10-X10線に沿って示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、洗濯機に係る一実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1に示す洗濯機1は、回転槽22の回転軸が鉛直方向を向いたいわゆる縦軸洗濯機である。洗濯機1は、縦軸洗濯機に限らず、回転槽の回転軸が水平に向かう横軸型又は後方へ向かって下降傾斜した斜め軸型のいわゆるドラム式洗濯機であっても良い。洗濯機1は、乾燥機能を備えた構成であっても良いし、乾燥機能を備えていない構成であっても良い。洗濯機1は、図1に示すように、洗濯機本体10、外槽21、回転槽22、モータ23、撹拌翼24、排水装置25、及び給水機構30を備えている。なお、図1の左側を洗濯機1の前側とし、図1の右側を洗濯機1の後側とする。また、洗濯機1の設置面側つまり鉛直下側を洗濯機1の下側とし、設置面と反対側つまり鉛直上側を洗濯機1の上側とする。そして、洗濯機1の前後方向及び上下方向に対して直交する方向を左右方向とする。
【0010】
洗濯機本体10は、洗濯機1の外郭を構成している。洗濯機本体10は、箱体11、トップカバー12、バックカバー13、及び蓋14を有している。箱体11は、例えば鋼板等によって略矩形の箱状に形成されており、上側が開口している。トップカバー12は、箱体11の上部に設けられている。図1に示すように、トップカバー12は、その内側に上部開口121を有している。上部開口121は、洗濯機1の内部と外部とを連通している。
【0011】
バックカバー13は、トップカバー12の後端部及び上部の一部に設けられている。バックカバー13は、全体として洗濯機1の左右方向に長い矩形の箱状に構成されている。バックカバー13の内部には、例えば給水機構30の一部が収容されている。また、洗濯機1が乾燥機能を備える場合、バックカバー13の内部には、温風を生成するための図示しない乾燥ユニットが収容される。蓋14は、トップカバー12の上部に回動可能に設けられており、トップカバー12の上部開口121を開閉する。蓋14は、例えば全体として略矩形板状に形成された1つの蓋体で構成されている。蓋14は、蓋14の前後方向の途中部分で折れ曲がるように構成されたいわゆる2つ折式で構成しても良い。
【0012】
外槽21及び回転槽22は、いずれも円筒形状の軸方向の一方側つまり上方側が開口し、他方側つまり下方側に底部を有する、いわゆる有底円筒状に形成されている。外槽21及び回転槽22は、洗濯物を収容する洗濯物収容槽として機能する。外槽21は、箱体11の内部に配置されて図示しないサスペンションによって弾性的に支持されている。回転槽22は、外槽21の内部に回転可能に設けられている。回転槽22は、洗濯物を収容可能であって、モータ23によって回転駆動される。ユーザは、蓋14を開いた状態で、上部開口121を通して洗濯物を回転槽22に出し入れできる。
【0013】
モータ23は、外槽21の底部の外側に設けられており、回転槽22を回転させる。モータ23は、例えばアウトロータ型の三相ブラシレスDCモータで構成されている。撹拌翼24は、回転槽22の内底部に鉛直軸まわりに回転可能に設けられている。撹拌翼24は、モータ23と接続されておりモータ23によって回転駆動される。また、撹拌翼24は、裏側に水をかき上げる羽根部材を有しており、回転槽22と外槽21との間に設けられた図示しない循環水路を通して外槽21内の水を循環させる機能を有する。
【0014】
排水装置25は、外槽21内に貯留されている水を洗濯機1の機外へ排出する機能を有する。排水装置25は、排水弁251及び排水管252を有している。排水弁251は、電磁的に開閉動作が可能な液体用の開閉弁である。排水管252は、例えば可撓性を有するホースで構成されており、一方の端部が排水弁251に接続され、他方の端部が洗濯機1の機外に引き出されている。排水弁251が開放されると、外槽21内に貯留されていた水は、排水管252を通して洗濯機1の機外へ排出される。
【0015】
給水機構30は、例えば水道や浴槽等の外部の水源に接続されて、外部の水源から供給された水を外槽21及び回転槽22内へ注水する機能を有する。給水機構30は、洗濯機本体10内の上部後側に設けられている。給水機構30は、図2に示すように、注水ケース40、処理剤ケース50、自動投入装置60、風呂水ポンプ70、及び給水弁ユニット80を有している。
【0016】
注水ケース40は、例えば合成樹脂製で洗濯機1の前後方向に沿って長い矩形の箱状に形成されている。注水ケース40は、風呂水ポンプ70、及び給水弁ユニット80の下流側に位置している。注水ケース40は、外部の水源から供給される水を受けて、外槽21及び回転槽22内に注水する機能を有する。
【0017】
注水ケース40は、図3等に示すように、開口部401及び注水口402を有している。開口部401は、注水ケース40の前部に設けられ、例えば矩形状に開放している。開口部401は、注水ケース40の内部と外部とを連通している。注水口402は、注水ケース40の前部に設けられており、注水ケース40の底部を前方側から後方側に切り欠いたような形状に形成されている。注水口402は、注水ケース40内に供給された水を外槽21内に注ぎ入れるためのものである。
【0018】
処理剤ケース50は、例えば合成樹脂製で、注水ケース40に対して所定の方向例えば洗濯機1の前後方向から出し入れ可能に構成されている。処理剤ケース50は、図3に示すように、注水ケース40の開口部401を介して注水ケース40内を前後方向に沿って移動可能である。処理剤ケース50は、ユーザが洗濯処理剤を手動で投入する際に用いられ、例えば1回の洗濯運転に必要な洗濯処理剤の投入を受ける。洗濯処理剤とは、例えば粉末洗剤や液体洗剤等の洗剤、及び柔軟剤や香り付け剤等の仕上げ剤を含む。
【0019】
処理剤ケース50は、処理剤ケース本体51及び前面部52を有している。処理剤ケース本体51は、処理剤ケース50の主体を構成しており、処理剤ケース50の出し入れ方向つまり前後方向に沿って延びている。処理剤ケース本体51は、処理剤投入部511、延伸壁部512、橋渡し部513、及び孔部514を有している。処理剤投入部511は、処理剤ケース本体51の前部に位置しており、上方が開口した略容器状に構成されている。処理剤投入部511は、ユーザからの洗濯処理剤の投入を受ける。
【0020】
処理剤投入部511は、周知のサイフォン機構部511aを有して構成できる。サイフォン機構部511aは、処理剤投入部511の底部に設けられている。処理剤投入部511に収容された洗濯処理剤は、外部の水源から処理剤ケース50内に供給された水と処理剤投入部511内で混合されて、サイフォン機構部511aを介して処理剤ケース50外へ流出する。処理剤ケース50から流出した混合水は、注水ケース40の底面に沿って流れた後に、注水口402から外槽21内に供給される。なお、処理剤ケース50に収容する対象の洗濯処理剤を粉末状の洗剤や仕上げ剤等にした場合、サイフォン機構部511aを省略しても良い。
【0021】
延伸壁部512は、処理剤投入部511の後部から延びており、左右一対に構成されている。延伸壁部512は、規制部512aを有している。規制部512aは、例えば延伸壁部512の後端部に設けられ、上方に突出して形成されている。規制部512aは、処理剤ケース50が注水ケース40内からの引き出し量を規制するためのものである。規制部512aは、処理剤ケース50が注水ケース40内から前方に引き出された際に、注水ケース40の開口部401の周辺に設けられた図示しない被規制部に接触する。規制部512aが被規制部に接触した状態で、処理剤投入部511が外部に露出するように、処理剤ケース50の引き出し量は設定されている。
【0022】
橋渡し部513は、例えば断面が略T字状に形成されており、一対の延伸壁部512の間を橋渡すように設けられている。橋渡し部513は、処理剤投入部511の後端から所定の間隔をあけて配置されている。孔部514は、図4に示すように、処理剤投入部511、一対の延伸壁部512、及び橋渡し部513に囲まれた部分によって、略矩形状に開口して形成される。
【0023】
前面部52は、処理剤ケース50の前面を構成しており、処理剤ケース本体51に接続される。前面部52と処理剤ケース本体51とは、一体に構成できる。前面部52は、例えば略矩形状に形成されており、処理剤ケース50を前後方向へ移動させるための操作を受ける。ユーザは、前面部52を操作することで、注水ケース40に対して処理剤ケース50を前後方向に沿って移動させることができる。
【0024】
自動投入装置60は、複数回分の洗濯運転に必要な洗濯処理剤を貯留しておき、洗濯運転の進行に伴い所定量の洗濯処理剤を自動で外槽21に投入する機能を有する。ユーザは、洗濯運転の開始前に、図示しない操作パネルを操作することによって、処理剤ケース50を用いた手動投入又は自動投入装置60を用いた自動投入のいずれの投入方法とするかを適宜選択できる。
【0025】
自動投入装置60は、図2に示すように、注水ケース40と左右方向に並んで配置されている。自動投入装置60は、例えば注水ケース40の左側に配置される。自動投入装置60は、収容部61、複数例えば2つのタンク62、63、投入ポンプ64、及び混合部65等を含んで構成されている。収容部61は、前面が開口した略矩形箱状に形成されている。
【0026】
タンク62、63は、例えば合成樹脂製で、複数回の洗濯運転に必要な液体の洗濯処理剤を貯留できる。タンク62、63は、図示しないタンクケースに着脱可能に構成されており、タンクケースに取り付けられた状態で収容部61に対して前後方向に引き出し可能に構成されている。2つのタンクのうち一方のタンク62は液体洗剤を貯留するためのものであり、他方のタンク63は、柔軟剤を貯留するためのものである。
【0027】
投入ポンプ64は、例えばピストンポンプで構成されており、タンク62、63に貯留された洗濯処理剤を吸引する。投入ポンプ64の吐出側は、混合部65に接続されており、投入ポンプ64によってタンク62、63から吸引された洗濯処理剤は、混合部65内に投入される。混合部65は、例えば内部に所定量の洗濯処理剤を貯留可能な容器状に構成されている。混合部65内に投入された洗濯処理剤は、外部の水源から供給された水と混合部65内で混合されて、その後注水ケース40内を通って注水口402から外槽21内に供給される。洗濯運転では、タンク62、63に貯留された洗濯処理剤のうち1回分の洗濯運転に必要な所定量が投入ポンプ64によって吸引されて外槽21内に自動で供給される。
【0028】
自動投入装置60は、上流側接続管66及び下流側接続管67を有している。上流側接続管66及び下流側接続管67は、例えば合成樹脂製で略円筒状に形成されており、それぞれ注水ケース40と自動投入装置60との間を液体が通過可能に連通している。上流側接続管66は、自動投入装置60の混合部65の上流側に設けられ、一方下流側接続管67は、混合部65の下流側に設けられている。
【0029】
風呂水ポンプ70及び給水弁ユニット80は、図2及び図3に示すように、注水ケース40と左右方向に並んで配置されている。風呂水ポンプ70及び給水弁ユニット80は、例えば注水ケース40の右側に配置される。風呂水ポンプ70と給水弁ユニット80とは、前後方向に並んで設けられている。風呂水ポンプ70は、例えば給水弁ユニット80の前方に設けられている。風呂水ポンプ70は、周知の構成であるため詳細な説明は省略するが、洗濯機1の外部に設けられた例えば浴室等のように水が貯留された水源の水をくみ上げて、注水ケース40内に供給する機能を有する。
【0030】
給水弁ユニット80は、注水ケース40の後方側に設けられており、注水ケース40に接続されている。給水弁ユニット80は、例えば水道等の外部の水源から注水ケース40を介して外槽21内に至る複数の給水経路を個別に開閉する機能を有する。給水弁ユニット80は、図3及び図5にも示すように、複数の給水弁例えばメイン給水弁81、手動投入用給水弁82、及び自動投入用給水弁83を有している。各給水弁81、82、83は、電磁的に開閉可能な液体用の開閉弁で構成されている。
【0031】
洗濯機1は、例えばメイン給水経路R1、手動投入用給水経路R2、及び自動投入用給水経路R3を備えている。メイン給水経路R1、手動投入用給水経路R2、及び自動投入用給水経路R3は、給水弁ユニット80からそれぞれ異なる経路を辿って、注水ケース40を介して外槽21に至る経路である。メイン給水弁81、手動投入用給水弁82、及び自動投入用給水弁83は、それぞれメイン給水経路R1、手動投入用給水経路R2、及び自動投入用給水経路R3を開閉する。
【0032】
メイン給水経路R1は、給水弁ユニット80から注水ケース40内の処理剤ケース50及び自動投入装置60を通らずに外槽21に至る経路である。手動投入用給水経路R2は、給水弁ユニット80から注水ケース40内の処理剤ケース50を通って外槽21に至る経路である。手動投入用給水経路R2は、処理剤投入部511に収容された洗濯処理剤を外槽21内に供給する機能を有する。つまり、処理剤投入部511内に洗濯処理剤が投入された状態で手動投入用給水弁82が開放されて外部の水源からの水が供給されると、処理剤投入部511内に投入された洗濯処理剤は、外部の水源から供給された水と混合されて外槽21内に供給される。
【0033】
自動投入用給水経路R3は、給水弁ユニット80から注水ケース40内を通って混合部65を通った後に再び注水ケース40内を通って外槽21内に至る経路である。自動投入用給水経路R3は、投入ポンプ64によって混合部65に投入された洗濯処理剤を外槽21内に供給する機能を有する。なお、各給水経路R1、R2、R3は、注水ケース40内で例えば注水ケース40の底面で合流した後に、1つの給水経路として外槽21に至る構成としても良い。
【0034】
また、洗濯機1は、風呂水用給水経路R4を備えている。風呂水用給水経路R4は、風呂水ポンプ70から注水ケース40内を通って外槽21内に至る経路である。本実施形態では、風呂水用給水経路R4は、処理剤ケース50を通らずに外槽21に至る経路で構成されている。
【0035】
次に、注水ケース40の構成の一例を詳細に説明する。注水ケース40は、図3等に示すように、注水ケース40は、第1部材41及び第2部材42を有している。第1部材41と第2部材42とは、互いに別体で構成されている。第1部材41は、注水ケース40の下側部分を構成し、第2部材42は、注水ケース40の上側部分を構成している。注水ケース40は、2つの部材41、42を上下方向に組み合わせて注水ケース40の内部に空間が形成されるように構成されている。
【0036】
第1部材41と第2部材42とを突き合せた接合部分は、各部材41、42同士を例えば振動溶着や超音波溶着等の溶着によって接合されている。本実施形態では、第1部材41の容積は、第2部材42の容積よりも小さく設定されている。
【0037】
第1部材41は、図6に示すように、第1側面部411、第2側面部412、底面部413、第1支持部414、第2支持部415、流入口416、及び接触体417を有している。第1側面部411及び第2側面部412は、第1部材41の側面つまり左右方向の壁部を構成している。第1側面部411は、第1部材41の左側の壁部を構成し、第2側面部412は、第1部材41の右側の壁部を構成する。第1側面部411及び第2側面部412は、左右方向において互いに対向している。
【0038】
底面部413は、第1部材41の底面つまり注水ケース40の底面を構成している。底面部413の前部には、上述した注水口402が形成されている。底面部413は、後方から前方へ向かって下降する方向に傾斜して形成されている。底面部413は、第1底面部413aと第2底面部413bとを有している。第1底面部413aは、底面部413の大部分を占めており、第1部材41の前側に位置している。第2底面部413bは、第1部材41の後側であって、第1部材41の後面付近に位置している。第1底面部413aの水平に対する傾斜角度は、第2底面部413bの水平に対する傾斜角度よりも緩やかに設定されている。
【0039】
第1支持部414及び第2支持部415は、第1底面部413aに設けられ、前後方向に沿って延びている。第1支持部414及び第2支持部415は、左右方向に所定の間隔をあけて互いに対向している。第1支持部414と第2支持部415との前後方向の長さは、略同一に設定されている。第1支持部414は、第1側面部411付近に設けられている。第1支持部414は、水平面部414aを有している。水平面部414aは、第1支持部414の上端部に設けられ、前後方向に沿って連続して略水平に延びる面部である。
【0040】
第2支持部415は、第1部材41の左右方向の中央より右側寄りに設けられており、第2側面部412とは所定の間隔をあけて互いに対向している。第2支持部415は、水平面部415a及び垂直面部415bを有している。水平面部415aは、第2支持部415の上端部に設けられ、前後方向に沿って連続して略水平に延びる面部である。水平面部415aの底面部413からの高さは、第1支持部414の水平面部414aの高さと略同一に設定されている。垂直面部415bは、水平面部414aの右端部から略垂直に立ち上がって形成されている。
【0041】
処理剤ケース50は、処理剤ケース50が注水ケース40に収容された状態で、第1支持部414の水平面部414aと第2支持部415の水平面部415aとによって、下方から支持される。このため、処理剤ケース50は、注水ケース40の底面から上下方向に離れた状態で、注水ケース40に収容される。処理剤ケース50は、第1側面部411及び第2支持部415の垂直面部415bによって左右方向つまり処理剤ケース50の出し入れ方向と交差する方向の移動が規制される。そして、注水ケース40から処理剤ケース50を出し入れする際には、第1側面部411及び第2支持部415の垂直面部415bによって処理剤ケース50が前後方向に案内される。つまり、第1側面部411及び第2支持部415の垂直面部415bは、処理剤ケース50を注水ケース40に出し入れ方向に沿って移動させる案内部として機能する。
【0042】
流入口416は、第1側面部411の後部に設けられている。流入口416は、注水ケース40この場合第1部材41の外部から内部に水を流入するためのものである。流入口416は、例えば略円筒状に形成されており、下流側接続管67に接続されている。このため、外部の水源から自動投入装置60を通った水は、流入口416を介して注水ケース40内に供給される。流入口416は、自動投入用給水経路R3の一部を構成している。また、流入口416を第1側面部411の後部に設けることで、流入口416から注水ケース40内に流入した水を、注水ケース40の底面に沿って後方から前方に円滑に流すことができる。
【0043】
接触体417は、左右方向において、第1側面部411と第2側面部412との間に位置している。接触体417は、例えば第2底面部413bから略垂直に立ち上がって形成されており、後方から前方に向けて第1側面部411側から第2側面部412側つまり第1側面部411から離れるように右側に傾斜して延びている。接触体417は、流入口416と互いに対向している。接触体417は、流入口416から注水ケース40内に流入した水の流れを接触体417の延伸方向に変換する機能を有する。また、接触体417は、流入口416から注水ケース40内に流入した水と接触することで、当該水の勢いを減らす機能を有する。接触体417は、第1部材41と一体又は別体で構成されている。接触体417を第1部材41と別体で構成する場合、接触体417は、第1部材41に例えば接着剤等によって固定される。
【0044】
第2部材42は、図3に示すように、カバー43及び第2部材本体44を有している。カバー43は、第2部材42の上面を構成しており、後方から前方に向かって下降する方向に形成して構成されている。カバー43は、第2部材本体44に取り付けられている。第2部材本体44の上端は、カバー43の前後方向の傾斜に対応した形状に形成されている。第2部材本体44は、第2部材42の主体を構成している。第2部材本体44は、図7及び図8に示すように、隔壁45、区画壁46、及びリブ群47を有して構成できる。
【0045】
隔壁45は、第2部材本体44の内部空間を上下方向に分ける壁部である。つまり、第2部材本体44の内部空間は、隔壁45によって上空間と下空間とに区画される。隔壁45は、第2部材の上部つまり注水ケース40の上部に位置している。隔壁45は、ケース用注水部451、風呂水注水部452、及びメイン注水部453、を有している。各注水部451、452、453は、第2部材本体44の内部空間の上空間と下空間とを連通しており、外部の水源から第2部材本体44の上空間に供給された水を下空間に供給するためのものである。
【0046】
ケース用注水部451は、隔壁45の前後方向の中央より前側に設けられている。ケース用注水部451は、図9図10にも示すように、処理剤ケース50が注水ケース40に収容された状態で、処理剤ケース50の上方に位置する。複数のケース用注水部451のうち少なくとも一部は、処理剤投入部511の上方に配置される。ケース用注水部451は、複数設けられており、例えば円形状の貫通孔や円筒状の筒状体を含んで構成できる。なお、図7等において、図面を見やすくするために、ケース用注水部451の符号は一部のみ付しており、その他のケース用注水部451の符号は省略している。
【0047】
風呂水注水部452及びメイン注水部453は、隔壁45の前後方向の中央より後側に設けられている。また、風呂水注水部452及びメイン注水部453は、隔壁45の左右方向の中央付近に設けられている。風呂水注水部452及びメイン注水部453は、注水部として機能する。風呂水注水部452及びメイン注水部453は、図9図10にも示すように、処理剤ケース50が注水ケース40に収容された状態で、処理剤ケース50の上方には位置しないように配置されている。つまり、風呂水注水部452及びメイン注水部453は、処理剤ケース50が注水ケース40に収容された状態で、前後方向において処理剤投入部511よりも後側つまり奥側に位置しており、注水ケース40の底面に対向する位置に形成されている。
【0048】
風呂水注水部452及びメイン注水部453は、それぞれ複数設けられており、例えば円形状又は矩形状の貫通孔や円筒状の筒状体を含んで構成できる。本実施形態では、風呂水注水部452は、矩形状の貫通孔で構成されている。図7に示すように、風呂水注水部452は、メイン注水部453の前方に位置している。換言すれば、メイン注水部453は、風呂水注水部452の後方に位置している。
【0049】
区画壁46は、隔壁45から上方に立ち上がって形成されている。区画壁46は、第2部材本体44の上空間を複数の空間に区画するためのものである。区画壁46は、第1区画壁461、第2区画壁462、及び第3区画壁463を有している。第1区画壁461は、平面視で例えば逆L字状に形成されており、第2部材本体44の左側の壁部から右側の壁部に向かって延びた後に、後方に屈曲し第2部材本体44の後側の壁部に接続している。
【0050】
第2区画壁462は、第2部材本体44の左側の壁部と右側の壁部との間に位置し、第1区画壁461と第2部材本体44の後側の壁部との間に前後方向に沿って延びている。第2区画壁462は、一方の端部が第1区画壁461に接続され、他方の端部が第2部材本体44の後側の壁部に接続されている。第3区画壁463は、前後方向において第2部材本体44の後側の壁部から所定の間隔をあけて設けられており、第1区画壁461と第2区画壁462との間に接続されている。第3区画壁463は、風呂水注水部452とメイン注水部453との間に位置している。
【0051】
このような構成において、第2部材本体44の上部空間には、空間S1及び空間S2が形成されている。空間S1及び空間S2は、前後方向に並んでいる。空間S1は、第1区画壁461、第2区画壁462、及び第3区画壁463によって区画された空間である。空間S2は、第1区画壁461、第2区画壁462、第3区画壁463、及び第2部材本体44の後側の壁部によって区画された空間である。本実施形態では、空間S1には、風呂水ポンプ70から吐出された水が流入する。空間S2には、メイン給水弁81から吐出された水が流入する。そして、空間S1に流入した水は、風呂水注水部452を通って、第2部材本体44の下空間に流れる。一方、空間S2に流入した水は、メイン注水部453を通って、第2部材本体44の下空間に流れる。
【0052】
リブ群47は、例えば板状に形成され、隔壁45から下方に向かって、例えば略垂直に延びて構成されている。リブ群47は、図8に示すように、ケース用注水部451の後方に位置している。リブ群47は、処理剤ケース50が注水ケース40に収容された状態で、処理剤ケース50の後方に位置するように設けられている。リブ群47は、風呂水注水部452及びメイン注水部453から下方に流出した水を注水ケース40の底面に向かって導くためのものである。
【0053】
リブ群47は、図8に示すように、仕切リブ471、誘導リブ472、及び連結リブ473を有している。仕切リブ471は、上下方向に断面略J字状で延びている。仕切リブ471の後端部は、第2部材本体44の後側の壁部に接続している。仕切リブ471で囲われた領域内には、風呂水注水部452が配置されている。仕切リブ471は、前壁部471aを有している。前壁部471aは、左右方向に延びており、仕切リブ471の前面であってかつリブ群47の前面を構成している。前壁部471aは、風呂水注水部452及びメイン注水部453の前方に位置している。
【0054】
前壁部471aは、図9及び図10にも示すように、処理剤ケース50が注水ケース40に収容された状態で、処理剤投入部511と風呂水注水部452及びメイン注水部453との間の空間に位置し、当該空間を前後方向に仕切る。前壁部471aは、仕切部として機能する。前壁部471aの下端は、処理剤ケース50の上端よりも下方に位置している。
【0055】
図8に示すように、仕切リブ471の左右方向において対向する面部471b、471cの間には、リブ群47に含まれる中間リブ474が設けられている。面部471bは、仕切リブ471の右側の側面を構成する。面部471cは、仕切リブ471の左側の側面を構成する。中間リブ474は、左右方向に略直線状に延びている。中間リブ474は、前後方向に並ぶ複数の風呂水注水部452の間に複数例えば2つ設けられている。複数の風呂水注水部452のうち一部の風呂水注水部452は、仕切リブ471と中間リブ474とによって周囲が囲まれている。中間リブ474の数は、複数に限られず、1つであっても良い。図9に示すように、中間リブ474の上下方向の長さは、仕切リブ471の前壁部471aの上下方向の長さよりも短く設定されている。
【0056】
誘導リブ472は、注水ケース40の底面に向かって上下方向に延びる略板状に形成されている。誘導リブ472の長手方向は、注水ケース40の前後方向と一致している。誘導リブ472は、左右方向において複数のメイン注水部453の間であってかつ複数の風呂水注水部452の間に位置している。誘導リブ472の前端部は、前後方向においてメイン注水部453よりも前側であって、仕切リブ471の前壁部471aと所定の間隔をあけて位置している。図9及び図10にも示すように、誘導リブ472の前端部つまり一方の端部は、前後方向においてメイン注水部453と処理剤ケース50との間に位置している。誘導リブ472の後端部つまり他方の端部は、第2部材本体44の後側の壁部に接続している。
【0057】
誘導リブ472は、上下方向において、リブ群47に含まれるリブ471~475の中で最も注水ケース40の底面に近い位置まで延びている。誘導リブ472は、処理剤ケース50が注水ケース40に収容された状態で、処理剤ケース50の上端よりも下方に延びている。
【0058】
誘導リブ472は、切り欠き部472aを有している。切り欠き部472aは、誘導リブ472の下端部に設けられている。切り欠き部472aは、誘導リブ472の下端部のうち後方側を上方に向かって切り欠いた形状に形成されている。図9等に示すように、切り欠き部472aは、接触体417に対応した位置に設けられている。つまり、接触体417は、誘導リブ472の下方に重なる位置に配置されている。接触体417の上端は、切り欠き部472a内に位置している。したがって、接触体417の上端は、誘導リブ472の下端よりも上方に位置している。
【0059】
連結リブ473は、仕切リブ471と誘導リブ472とに繋がっている。連結リブ473は、複数の連結リブ例えば第1連結リブ473a、第2連結リブ473b、及び第3連結リブ473cを有している。第1連結リブ473a及び第2連結リブ473bは、誘導リブ472の右方に位置し、仕切リブ471の面部471bと誘導リブ472とを繋いでいる。第1連結リブ473aと第2連結リブ473bとは、前後方向に並んで配置されている。第1連結リブ473aは、第2部材本体44の後側の壁部に対向しており、第1連結リブ473aの後方には、複数のメイン注水部453のうち一部のメイン注水部453が位置している。
【0060】
第2連結リブ473bは、風呂水注水部452とメイン注水部453との間に位置している。第2連結リブ473bは、図9及び図10にも示すように、第3区画壁463と前後方向において重なるように配置されている。第2連結リブ473bと第1連結リブ473aとの間には、複数のメイン注水部453のうち一部のメイン注水部453が位置している。複数のメイン注水部453のうち一部のメイン注水部453は、仕切リブ471、誘導リブ472、及び連結リブ473a、473bによって周囲が囲まれている。
【0061】
第3連結リブ473cは、図8に示すように、誘導リブ472の左方に位置し、誘導リブ472と仕切リブ471の面部471cとを繋いでいる。誘導リブ472は、第2連結リブ473bと第3連結リブ473cとの間に位置している。第3連結リブ473cは、風呂水注水部452とメイン注水部453との間に位置している。複数の風呂水注水部452のうち一部の風呂水注水部452は、仕切リブ471、誘導リブ472、中間リブ474、及び第2連結リブ473b又は第3連結リブ473cによって周囲が囲まれている。
【0062】
本実施形態では、誘導リブ472と中間リブ474との間には、前後リブ475が設けられている。前後リブ475は、左右方向に並ぶ複数の風呂水注水部452の間に位置して、前後方向に延びている。前後リブ475によって、複数の風呂水注水部452からそれぞれ吐出される水が左右方向で合流して、水流に勢いが生じることが抑制される。
【0063】
メイン給水弁81から注水ケース40内に供給されるメイン給水経路R1を流れる水は、図9及び図10に破線矢印Aで示すように、メイン注水部453から下方へ向かった後に、注水ケース40の底面に沿って流れて、注水口402から流出して外槽21内に供給される。このとき、メイン注水部453から吐出された水は、仕切リブ471、誘導リブ472、及び連結リブ473によって、前後又は左右方向に発散することが抑制されて下方に案内される。
【0064】
また、風呂水ポンプ70から注水ケース40内に供給される風呂水用給水経路R4を流れる水は、破線矢印Bで示すように、風呂水注水部452から下方へ向かった後に、注水ケース40の底面に沿って流れて、注水口402から流出して外槽21内に供給される。このとき、風呂水注水部452から吐出された水は、仕切リブ471及び連結リブ473によって、前後又は左右方向に発散することが抑制されて下方に案内される。
【0065】
手動投入用給水弁82から注水ケース40内に供給される手動投入用給水経路R2を流れる水は、破線矢印Cで示すように、ケース用注水部451から下方へ向かった後に、処理剤投入部511に収容された洗濯処理剤と処理剤投入部511内で混合する。その後、洗濯処理剤と混合した混合水は、サイフォン機構部511a及び孔部514から注水ケース40の底面に沿って流れて、注水口402から流出して外槽21内に供給される。
【0066】
以上説明した実施形態によれば、洗濯機1は、外槽21及び回転槽22と、注水ケース40と、処理剤ケース50と、を備える。外槽21及び回転槽22は、洗濯物を収容する。注水ケース40は、外部の水源から供給された水を受けて外槽21及び回転槽22内に注水する。処理剤ケース50は、ユーザから洗濯処理剤の投入を受ける処理剤投入部511を有し、注水ケース40に対して所定の方向から出し入れ可能である。注水ケース40は、メイン注水部453及び誘導リブ472を有する。メイン注水部453は、処理剤ケース50が注水ケース40に収容された状態で注水ケース40の底面部413に対向する位置に形成され、注水ケース40内に水を流入する。誘導リブ472は、メイン注水部453と処理剤ケース50との間に位置し、注水ケース40の上部から底面部413に向かって延びる。そして、誘導リブ472は、処理剤ケース50の上端よりも下方に延びている。
【0067】
これによれば、外部の水源からメイン注水部453を通して注水ケース40内に供給された水を、誘導リブ472に沿って処理剤ケース50の上端よりも下方まで誘導できる。これにより、処理剤ケース50に対する水の供給部位として本来想定していない箇所であるメイン注水部453から処理剤ケース50内に水が流入してしまうことを抑制できる。よって、処理剤ケース50内に貯留された洗濯処理剤が意図していない時期に処理剤ケース50から早出してしまうことを抑制できる。したがって、洗濯処理剤が早期に流出することを抑制できる。
【0068】
メイン注水部453は、複数設けられている。誘導リブ472は、複数のメイン注水部453の間に位置している。これによれば、複数のメイン注水部453の間に誘導リブ472を配置することで、各メイン注水部453から流出した水が、注水ケース40の底面部413に到達する途中で合流することを抑制できる。これにより、各メイン注水部453から流出した水が下流側で合流することによって、その水流に勢いが生じることに起因した処理剤ケース内への水の侵入を抑制できる。
【0069】
また、注水ケース40は、誘導リブ472を含んで構成されるリブ群47を有している。メイン注水部453は、リブ群47によって周囲が囲まれている。これによれば、メイン注水部453から流出した水を精度よく注水ケース40の底面部413に誘導できる。これにより、処理剤ケース50内への水の侵入をより一層抑制できる。
【0070】
メイン注水部453は、処理剤ケース50が注水ケース40に収容された状態で、処理剤ケース50の出し入れ方向において、処理剤投入部511よりも奥側に位置している。注水ケース40は、前壁部471aを更に有している。前壁部471aは、注水ケース40の上部から下方に延びて形成され、処理剤ケース50が注水ケース40に収容された状態で処理剤投入部511とメイン注水部453の間の空間に位置し、当該空間を処理剤ケース50の出し入れ方向に仕切る。これによれば、前壁部471aによって、メイン注水部453から処理剤投入部511への水の侵入を抑制できる。結果として、洗濯処理剤が早期に流出することを抑制できる。
【0071】
また、注水ケース40は、互いに対向している第1側面部411及び第2側面部412と、接触体417を更に有する。第1側面部411は、注水ケース40内に水が流入する流入口416が設けられている。接触体417は、第1側面部411と第2側面部412との間であって誘導リブ472の下方に重なる位置に配置され、流入口416から注水ケース40内に流入した水に接触する。そして、接触体417の上端は、誘導リブ472の下端よりも上方に位置している。
【0072】
これによれば、接触体417の上端の位置が誘導リブ472の下端よりも低い位置にあると、接触体417の上端と誘導リブ472の下端との隙間から例えば接触体417に接触して上方に跳ね上がった水が流出してしまい、注水ケース40に収容された処理剤ケース50内に水が浸入してしまうおそれがある。そこで、接触体417の上端を誘導リブ472の下端よりも上方に位置させて、接触体417の上端と誘導リブ472の下端との間の隙間をなくすことで、処理剤ケース50内への水の侵入を抑制できる。
【0073】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0074】
1…洗濯機、10…洗濯機本体、21…外槽(洗濯物収容槽)、22…回転槽(洗濯物収容槽)、40…注水ケース、411…第1側面部、412…第2側面部、413…底面部(底面)、416…流入口、417…接触体、453…メイン注水部(注水部)、47…リブ群、471a…前壁部(仕切部)、472…誘導リブ、50…処理剤ケース、511…処理剤投入部
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
図8
図9
図10