(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129441
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】プロジェクター
(51)【国際特許分類】
G03B 21/14 20060101AFI20240919BHJP
G03B 21/00 20060101ALI20240919BHJP
G02F 1/13 20060101ALI20240919BHJP
G02F 1/1335 20060101ALI20240919BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20240919BHJP
H04N 5/74 20060101ALI20240919BHJP
【FI】
G03B21/14 Z
G03B21/00 E
G02F1/13 505
G02F1/1335 510
G02F1/13357
H04N5/74 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038659
(22)【出願日】2023-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(74)【代理人】
【識別番号】100196058
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 彰雄
(72)【発明者】
【氏名】中村 典生
【テーマコード(参考)】
2H088
2H291
2H391
2K203
5C058
【Fターム(参考)】
2H088EA13
2H088EA15
2H088HA07
2H088HA13
2H088HA25
2H088HA28
2H088MA06
2H291FA11Z
2H291FA22Z
2H291FA29X
2H291FA37Z
2H291FA56X
2H291FA56Z
2H291FA60Z
2H291FA66Z
2H291FA81Z
2H291FA85Z
2H291FA86Z
2H291FA87Z
2H291GA18
2H291LA31
2H291LA40
2H291MA12
2H391BA01
2H391BA12
2H391BA23
2H391BA24
2H391BA29
2H391EA29
2K203FA03
2K203FA23
2K203FA32
2K203FA43
2K203FA44
2K203FA45
2K203FA62
2K203GC09
2K203HA34
2K203KA15
2K203MA31
5C058BA35
5C058EA02
5C058EA51
(57)【要約】
【課題】光源の光を効率良く利用できる、プロジェクターを提供する。
【解決手段】本発明のプロジェクターは、光を射出する光源と、光源から射出された光を画像信号に基づいて変調する1つの液晶パネルと、液晶パネルから射出された光のうち画像光を生成する第1偏光成分の第1光を反射し、液晶パネルから射出された光のうち第1偏光成分とは異なる第2偏光成分の第2光を透過する偏光素子と、偏光素子を透過した第2偏光成分の第2光が入射する第1太陽電池と、を備え、第1太陽電池は、偏光素子から入射する第2偏光成分の第2光から電気を生成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を射出する光源と、
前記光源から射出された前記光を画像信号に基づいて変調する1つの液晶パネルと、
前記液晶パネルから射出された光のうち画像光を生成する第1偏光成分の第1光を反射し、前記液晶パネルから射出された光のうち前記第1偏光成分とは異なる第2偏光成分の第2光を透過する偏光素子と、
前記偏光素子を透過した前記第2偏光成分の第2光が入射する第1太陽電池と、を備え、
前記第1太陽電池は、前記偏光素子から入射する前記第2偏光成分の第2光から電気を生成する、
ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項2】
光を射出する光源と、
前記光源から射出された前記光を画像信号に基づいて変調する1つの液晶パネルと、
前記液晶パネルから射出された光のうち画像光を生成する第1偏光成分の第1光を透過し、前記液晶パネルから射出された光のうち前記第1偏光成分とは異なる第2偏光成分の第2光を反射する偏光素子と、
前記偏光素子で反射された前記第2偏光成分の第2光が入射する第1太陽電池と、を備え、
前記第1太陽電池は、前記偏光素子から入射する前記第2偏光成分の第2光から電気を生成する、
ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項3】
前記第1偏光成分の第1光は、前記偏光素子の光入射面に対するS偏光であり、
前記第2偏光成分の第2光は、前記偏光素子の光入射面に対するP偏光である、
ことを特徴とする請求項1に記載のプロジェクター。
【請求項4】
前記第1偏光成分の第1光は、前記偏光素子の光入射面に対するP偏光であり、
前記第2偏光成分の第2光は、前記偏光素子の光入射面に対するS偏光である、
ことを特徴とする請求項2に記載のプロジェクター。
【請求項5】
前記偏光素子と前記第1太陽電池との間に配置され、前記偏光素子を透過した前記第2偏光成分の第2光を前記第1太陽電池に集光する第1集光光学系をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1に記載のプロジェクター。
【請求項6】
前記偏光素子と前記第1太陽電池との間に配置され、前記偏光素子で反射された前記第2偏光成分の第2光を前記第1太陽電池に集光する第1集光光学系をさらに備える、
ことを特徴とする請求項2に記載のプロジェクター。
【請求項7】
前記第1太陽電池は、前記偏光素子を透過した前記第2偏光成分の第2光が入射する光入射面を有し、
前記第2偏光成分の第2光は、前記第1太陽電池の前記光入射面に対するP偏光であり、
前記第1太陽電池は、前記第2偏光成分の第2光の光軸と前記光入射面とがなす角度がブリュースター角となるように配置される、
ことを特徴とする請求項1に記載のプロジェクター。
【請求項8】
前記第1太陽電池は、前記偏光素子で反射された前記第2偏光成分の第2光が入射する光入射面を有し、
前記第2偏光成分の第2光は、前記第1太陽電池の前記光入射面に対するP偏光であり、
前記第1太陽電池は、前記第2偏光成分の第2光の光軸と前記光入射面とがなす角度がブリュースター角となるように配置される、
ことを特徴とする請求項2に記載のプロジェクター。
【請求項9】
前記偏光素子を透過した前記第2偏光成分の第2光が入射する反射素子と、
前記反射素子により反射された前記第2偏光成分の第2光の一部が入射する第2太陽電池と、をさらに備え、
前記反射素子は、前記偏光素子を透過した前記第2偏光成分の第2光のうちの第1波長帯の光を前記第1太陽電池に向けて反射し、前記偏光素子を透過した前記第2偏光成分の第2光のうちの前記第1波長帯とは異なる第2波長帯の光を前記第2太陽電池に向けて反射し、
前記第1太陽電池の前記第1波長帯の光に対する第1光電変換効率は、前記第1太陽電池の前記第2波長帯の光に対する第2光電変換効率より大きく、
前記第2太陽電池の前記第2波長帯の光に対する第3光電変換効率は、前記第2太陽電池の前記第1波長帯の光に対する第4光電変換効率より大きい、
ことを特徴とする請求項1に記載のプロジェクター。
【請求項10】
前記偏光素子で反射された前記第2偏光成分の第2光が入射する反射素子と、
前記反射素子により反射された前記第2偏光成分の第2光の一部が入射する第2太陽電池と、をさらに備え、
前記反射素子は、前記偏光素子で反射された前記第2偏光成分の第2光のうちの第1波長帯の光を前記第1太陽電池に向けて反射し、前記偏光素子で反射された前記第2偏光成分の第2光のうちの前記第1波長帯とは異なる第2波長帯の光を前記第2太陽電池に向けて反射し、
前記第1太陽電池の前記第1波長帯の光に対する第1光電変換効率は、前記第1太陽電池の前記第2波長帯の光に対する第2光電変換効率より大きく、
前記第2太陽電池の前記第2波長帯の光に対する第3光電変換効率は、前記第2太陽電池の前記第1波長帯の光に対する第4光電変換効率より大きい、
ことを特徴とする請求項1に記載のプロジェクター。
【請求項11】
前記第1集光光学系と前記第1太陽電池との間に配置され、前記第1集光光学系により集光された前記第2偏光成分の第2光が通過する開口を有するアパーチャーをさらに備え、
前記アパーチャーは、前記第1太陽電池の光入射面で反射された光を遮断する、
ことを特徴とする請求項5または請求項6に記載のプロジェクター。
【請求項12】
前記液晶パネルと前記偏光素子との間に配置され、前記液晶パネルから射出された光を集光する第2集光光学系をさらに備え、
前記第2集光光学系はフレネルレンズである、
ことを特徴とする請求項1から請求項10のうちのいずれか一項に記載のプロジェクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献には、光源と、1枚の液晶パネルと、液晶パネルの光入射側に設けられた第1偏光板と、液晶パネルの光射出側に設けられた第2偏光板と、を備えた単板方式のプロジェクターが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記プロジェクターでは、液晶パネルから射出された光のうち第2偏光板で反射あるいは吸収された偏光成分の光を画像光として利用しないため、光源の光を効率良く利用することができないという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明の1つの態様によれば、光を射出する光源と、前記光源から射出された前記光を画像信号に基づいて変調する1つの液晶パネルと、前記液晶パネルから射出された光のうち画像光を生成する第1偏光成分の第1光を反射し、前記液晶パネルから射出された光のうち前記第1偏光成分とは異なる第2偏光成分の第2光を透過する偏光素子と、前記偏光素子を透過した前記第2偏光成分の第2光が入射する第1太陽電池と、を備え、前記第1太陽電池は、前記偏光素子から入射する前記第2偏光成分の第2光から電気を生成する、プロジェクターが提供される。
【0006】
また、本発明の別の態様によれば、光を射出する光源と、前記光源から射出された前記光を画像信号に基づいて変調する1つの液晶パネルと、前記液晶パネルから射出された光のうち画像光を生成する第1偏光成分の第1光を透過し、前記液晶パネルから射出された光のうち前記第1偏光成分とは異なる第2偏光成分の第2光を反射する偏光素子と、前記偏光素子で反射された前記第2偏光成分の第2光が入射する第1太陽電池と、を備え、前記第1太陽電池は、前記偏光素子から入射する前記第2偏光成分の第2光から電気を生成する、プロジェクターが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態のプロジェクターの概略構成図である。
【
図3】第2実施形態のプロジェクターの要部構成を示す図である。
【
図4】第3実施形態のプロジェクターの要部構成を示す図である。
【
図5】第4実施形態のプロジェクターの要部構成を示す図である。
【
図6】第5実施形態のプロジェクターの要部構成を示す図である。
【
図7】第6実施形態のプロジェクターの要部構成を示す図である。
【
図8】第7実施形態のプロジェクターの要部構成を示す図である。
【
図9】第8実施形態のプロジェクターの要部構成を示す図である。
【
図10】第9実施形態のプロジェクターの要部構成を示す図である。
【
図11】第10実施形態のプロジェクターの要部構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
【0009】
(第1実施形態)
図1は本実施形態のプロジェクターの概略構成図である。
図1に示すように、本実施形態のプロジェクター1は、光源10と、コリメートレンズ20と、色分離部30と、光変調装置40と、偏光素子50と、投射光学装置60と、第1太陽電池70と、集光光学系80と、を備えている。
【0010】
以下の説明において、光源10から射出される白色光WLの主光線が通る軸を第1光軸AX1、光変調装置40の中心を通ってプロジェクター1の構成部品を配置する基準となる軸を基準軸J、画像光の主光線が通る軸を第2光軸AX2と定義する。本実施形態のプロジェクター1において、第1光軸AX1と基準軸Jとは略45°の角度をなし、基準軸Jと第2光軸AX2とは直交する。
【0011】
光源10、コリメートレンズ20および色分離部30は、第1光軸AX1に沿って配置される。色分離部30、光変調装置40、集光光学系80、偏光素子50および第1太陽電池70は、基準軸Jに沿って配置される。偏光素子50および投射光学装置60は、第2光軸AX2に沿って配置される。
【0012】
光源10は、発光部11と、発光部11の背面に設けられたリフレクター12と、を有する。光源10は白色光WLを射出する。本実施形態において、発光部11は、例えば、メタルハライドランプやハロゲンランプやキセノンランプで構成される。なお、リフレクター12の中心は、発光部11の中心と一致するように配置される。本実施形態では、光源としてランプを用いたが、これに限られずLEDやレーザーダイオードおよび蛍光体を用いた光源や、外部の太陽光を取り込み光源として用いても良い。また、太陽光を用いる場合、液晶パネルに対して太陽光を射出する構造部が光源とされうる。構造部としては、例えば、太陽光を反射するミラーや太陽光を集光および射出するレンズ等や、外装筐体の開口等があげられる。
【0013】
コリメートレンズ20は、光源10から射出された白色光WLを平行化する。コリメートレンズ20により平行化された白色光WLは色分離部30に入射する。
色分離部30は、赤色ダイクロイックミラー30Rと、緑色ダイクロイックミラー30Gと、青色ダイクロイックミラー30Bと、を有し、光源10から射出される白色光WLを、赤色光LRと緑色光LGと青色光LBとに分離する。
【0014】
各ダイクロイックミラー30R,30G,30Bはそれぞれ赤色、緑色、青色の各波長帯の光を選択的に反射し他の波長帯は透過する特性を有する。各ダイクロイックミラー30R,30G,30Bは、この順に光源10の光軸上に配置されている。各ダイクロイックミラー30R,30G,30Bは誘電体多層膜で構成される。
【0015】
赤色ダイクロイックミラー30Rは、赤色波長帯の光を反射し、緑色波長帯および青色波長帯の光を透過するように誘電体多層薄膜の条件が設定される。このようにして赤色ダイクロイックミラー30Rは、白色光WLに含まれる赤色光LRを反射することで他の波長帯の光と分離する。
【0016】
緑色ダイクロイックミラー30Gは、緑色波長帯の光を反射し、青色波長帯の光を透過するように誘電体多層薄膜の条件が設定される。なお、緑色ダイクロイックミラー30Gは赤色ダイクロイックミラー30Rの後段に配置されるため、赤色光LRが入射しない。このため、緑色ダイクロイックミラー30Gは赤色波長帯の光を透過あるいは反射させるように誘電体多層薄膜の条件を設定すればよい。
このようにして緑色ダイクロイックミラー30Gは赤色ダイクロイックミラー30Rを透過した光に含まれる緑色光LGを反射することで青色波長帯の光と分離する。
なお、緑色ダイクロイックミラー30Gで分離された緑色光LGは赤色ダイクロイックミラー30Rに入射する。赤色ダイクロイックミラー30Rは上述のように緑色波長帯を透過する特性を有するため、緑色ダイクロイックミラー30Gで分離された緑色光LGは赤色ダイクロイックミラー30Rを透過する。
【0017】
青色ダイクロイックミラー30Bは、緑色ダイクロイックミラー30Gの後段に配置されるため、青色波長帯の光を反射するように誘電体多層薄膜の条件が設定される。つまり、青色ダイクロイックミラー30Bは赤色波長帯あるいは緑色波長帯の光を透過あるいは反射させるように誘電体多層薄膜の条件を設定すればよい。
このようにして青色ダイクロイックミラー30Bは緑色ダイクロイックミラー30Gを透過した青色光LBを分離する。
【0018】
青色ダイクロイックミラー30Bで分離された青色光LBは緑色ダイクロイックミラー30Gに入射するが、緑色ダイクロイックミラー30Gは上述のように青色波長帯を透過する特性を持つため、青色ダイクロイックミラー30Bで反射された青色光LBは緑色ダイクロイックミラー30Gを透過する。また、緑色ダイクロイックミラー30Gを透過した青色光LBは赤色ダイクロイックミラー30Rに入射するが、赤色ダイクロイックミラー30Rは上述のように青色波長帯を透過する特性を持つため、青色光LBは赤色ダイクロイックミラー30Rを透過する。
なお、青色ダイクロイックミラー30Bは青色光LBのみを反射すればよいため、ミラーで構成されていてもよい。
【0019】
各ダイクロイックミラー30R,30G,30Bは、光源10の第1光軸AX1上において、各ミラーへの光の入射角が45°前後となるように配置されている。緑色ダイクロイックミラー30Gは、第1光軸AX1上において、光の入射角が45°となるように配置されている。赤色ダイクロイックミラー30Rは、緑色ダイクロイックミラー30Gに対して、第1光軸AX1に直交する回転軸の時計回りに回転した位置に配置される。青色ダイクロイックミラー30Bは、緑色ダイクロイックミラー30Gに対して、第1光軸AX1に直交する回転軸の反時計回りに回転した位置に配置される。なお、各ダイクロイックミラー30R,30G,30Bにおける互いの角度は、後述する光変調装置40の画素の配置ピッチやマイクロレンズアレイの焦点距離等に基づいて算出される。
【0020】
本実施形態のプロジェクター1は、色分離部30により白色光WLを赤色光LR、緑色光LGおよび青色光LBに分離し、各色光を後述する光変調装置40の液晶パネル41に設けられているマルチレンズアレイ42に対して異なる角度で入射させることができる。このような構成に基づいて本実施形態のプロジェクター1は、光源10からの白色光WLを3つの色光に分離し、各色光をマルチレンズアレイ42に対して3方向から入射されることができる。
【0021】
光変調装置40は、1つの液晶パネル41と、液晶パネル41の光入射面に設けられたマルチレンズアレイ42と、液晶パネル41の光入射側に設けられた入射偏光板43と、を有する。入射偏光板43は、白色光WLのうち所定方向の直線偏光を透過して液晶パネル41側に入射させる。
【0022】
図2は液晶パネル41の要部構成を示す断面図である。
図2に示すように、液晶パネル41は、素子基板410と、対向基板411と、液晶層412と、マルチレンズアレイ42と、を備えている。液晶パネル41は複数の画素Pを含む。複数の画素Pは、表示画面の水平方向、すなわち横方向にあたるY方向と、表示画面の垂直方向、すなわち縦方向にあたるZ方向と、にマトリクス状に配列されている。
【0023】
各画素Pは、第1サブ画素PRと、第2サブ画素PGと、第3サブ画素PBと、から構成される。各サブ画素PR,PG,PBはZ方向に延びる縦ストライプ形状を有する。各サブ画素PR,PG,PBは遮光部材であるブラックマトリクスBMにより区画された領域である。液晶パネル41は、画像信号に基づいて各サブ画素PR,PG,PBに配置される液晶層412への印加電圧を調整することで所望の明るさの画像光を生成する。
【0024】
マルチレンズアレイ42は、対向基板411の光入射側に設けられている。
マルチレンズアレイ42は、各画素Pの横幅に対応して設けられた複数のレンズ42aで構成される。本実施形態において、各レンズ42aは例えばレンチキュラーレンズで構成される。なお、マルチレンズアレイ42は対向基板411と一体化されていてもよい。
【0025】
本実施形態において、マルチレンズアレイ42の各レンズ42aは、色分離部30から入射する赤色光LRを集光して第1サブ画素PRに入射させ、色分離部30から入射する緑色光LGを集光して第2サブ画素PGに入射させ、色分離部30から入射する青色光LBを集光して第3サブ画素PBに入射させる。
【0026】
図1に戻り、集光光学系80は、液晶パネル41と偏光素子50との間に配置される。本実施形態において、集光光学系80は「第2集光光学系」に相当する。
集光光学系80は、液晶パネル41から射出された光を集光させる。本実施形態において、集光光学系80はフレネルレンズで構成され、正のパワーを有する凸レンズとして機能する。このため、集光光学系80は基準軸Jに沿う方向の厚さが抑えられるため、プロジェクター1の基準軸Jに沿う方向の寸法を小型化できる。
なお、例えば、プロジェクター1の小型化の制約が不要な場合、集光光学系80はフレネルレンズではなく単数あるいは複数のレンズで構成してもよい。
【0027】
偏光素子50は液晶パネル41の光射出側に配置された反射型偏光板で構成される。偏光素子50は、基準軸Jおよび第2光軸AX2に対して45°の角度をなすように配置される。
偏光素子50は、液晶パネル41から射出された変調光のうち画像光を生成する第1偏光成分の第1光Lsを反射して光路を90°折り曲げる。偏光素子50は、液晶パネル41から射出された変調光のうち第1偏光成分とは異なる第2偏光成分の第2光Lpを透過する。
【0028】
一般的に偏光板はP偏光として入射する光を効率良く透過させS偏光として入射する光を効率良く反射する特性を有する。
本実施形態において、第1偏光成分の第1光Lsは偏光素子50の光入射面50aに対するS偏光であり、第2偏光成分の第2光Lpは偏光素子50の光入射面50aに対するP偏光である。このため、偏光素子50は、S偏光として入射する第1偏光成分の第1光Lsを効率良く反射するとともに、P偏光として入射する第2偏光成分の第2光Lpを効率良く透過させることができる。
【0029】
このように本実施形態のプロジェクター1では、液晶パネル41から射出された変調光を偏光素子50により偏光分離した一方の偏光成分である第1光Lsを画像光の生成に利用するとともに、偏光分離した他方の偏光成分である第2光Lpを後述のように太陽電池の発電に利用することができる。これにより、本実施形態のプロジェクター1は、光源10から射出した白色光WLを無駄なく利用することが可能となっている。
【0030】
偏光素子50を透過した第2偏光成分の第2光Lpは、第1太陽電池70に入射する。第1太陽電池70は、光エネルギーを電気エネルギーに変換可能な光電変換型の発電素子で構成される。このため、第1太陽電池70は、偏光素子50から入射する第2偏光成分の第2光Lpから電気を生成する。
本実施形態のプロジェクター1は、第1太陽電池70で生成した電気をプロジェクターの駆動電力として利用することで低消費電力化を実現している。
【0031】
本実施形態のプロジェクター1において、第2偏光成分の第2光Lpは集光光学系80を経由しているため、第1太陽電池70に対して集光された状態で入射する。本実施形態では、集光光学系80の焦点近傍に第1太陽電池70の光電変換素子面を設置するようにした。この構成によれば、第1太陽電池70の光電変換素子面上における第2光Lpの照射光密度が高まることで、第1太陽電池70の発生電圧が上昇して電力の取り出し効率を向上することができる。また、第1太陽電池70としてサイズの小さいものを採用できるので、低コスト化および装置構成の小型化を実現できる。
【0032】
なお、偏光素子50と第1太陽電池70との間における第2光Lpの光路上には、プロジェクター1に要求される製品サイズに応じて適宜ミラーやレンズを追加することで光路を折り曲げる、短縮する、あるいは延長してもよい。
【0033】
投射光学装置60は、偏光素子50から反射される第1光Lsをスクリーンなどの被投射面上に投射することで所定の画像を表示する。投射光学装置60は、単数または複数の投射レンズを有する。
【0034】
以上のように本実施形態のプロジェクター1は、白色光WLを射出する光源10と、光源10から射出された白色光WLを画像信号に基づいて変調する1つの液晶パネル41と、液晶パネル41から射出された光のうち画像光を生成する第1偏光成分の第1光Lsを反射し、液晶パネル41から射出された光のうち第2偏光成分の第2光Lpを透過する偏光素子50と、偏光素子50を透過した第2偏光成分の第2光Lpが入射する第1太陽電池70と、を備え、第1太陽電池70は、偏光素子50から入射する第2偏光成分の第2光Lpから電気を生成する。
【0035】
本実施形態のプロジェクター1によれば、液晶パネル41において変調した光のうち偏光素子50を透過することで画像光の生成に利用しない第2光Lpを第1太陽電池70に入射させることで電気の生成に利用することができる。よって、本実施形態のプロジェクター1によれば、光源10から射出した白色光WLを効率良く利用することができる。
【0036】
(第2実施形態)
続いて、第2実施形態のプロジェクターの構成について説明する。
第2実施形態のプロジェクターの基本構成は第1実施形態と同様であり、集光光学系80の代わりに集光レンズを用いた点で第1実施形態とは異なる。以下では第1実施形態と共通部分については説明を省略し、第1実施形態と共通の部材および構成については同じ符号を付して説明する。
【0037】
図3は本実施形態のプロジェクターの要部構成を示す図である。
図3に示すように、本実施形態のプロジェクター1Aは、光源10と、コリメートレンズ20と、色分離部30と、光変調装置40と、偏光素子50と、投射光学装置60と、第1太陽電池70と、集光レンズ81と、を備えている。
本実施形態のプロジェクター1Aにおいて、色分離部30、光変調装置40、偏光素子50、集光レンズ81および第1太陽電池70は、基準軸Jに沿って配置される。
【0038】
本実施形態のプロジェクター1Aでは、第1実施形態のプロジェクター1の集光光学系80に代えて、集光レンズ81を備えている。集光レンズ81は、偏光素子50と第1太陽電池70との間に配置されている。なお、集光レンズ81は単数あるいは複数のレンズで構成されていてもよい。本実施形態において、集光レンズ81は「第1集光光学系」に相当する。
【0039】
本実施形態のプロジェクター1Aにおいて、偏光素子50を透過した第2偏光成分の第2光Lpは集光レンズ81により集光された状態で第1太陽電池70に入射する。本実施形態では、集光レンズ81の焦点近傍に第1太陽電池70の光電変換素子面を設置することで、第1太陽電池70の光電変換素子面上における第2光Lpの照射光密度を高め、第1太陽電池70の発生電圧を上昇させることで電力の取り出し効率を向上することができる。また、第1太陽電池70としてサイズの小さいものを採用できるので、低コスト化および装置構成の小型化を実現できる。
【0040】
(第3実施形態)
続いて、第3実施形態のプロジェクターの構成について説明する。
第3実施形態のプロジェクターの基本構成は第2実施形態と同様であり、第1太陽電池70の前段にアパーチャーを備える点で第2実施形態とは異なる。以下では第2実施形態と共通部分については説明を省略し、第2実施形態と共通の部材および構成については同じ符号を付して説明する。
【0041】
図4は本実施形態のプロジェクターの要部構成を示す図である。
図4に示すように、本実施形態のプロジェクター1Bは、光源10と、コリメートレンズ20と、色分離部30と、光変調装置40と、偏光素子50と、投射光学装置60と、第1太陽電池70と、集光レンズ81と、アパーチャー83と、を備えている。
本実施形態において、色分離部30、光変調装置40、偏光素子50、集光レンズ81、アパーチャー83および第1太陽電池70は、基準軸Jに沿って配置される。
【0042】
アパーチャー83は、集光レンズ81と第1太陽電池70との間に配置される。アパーチャー83は、集光レンズ81により集光された第2光Lpが通過する開口83aを有する。アパーチャー83は光遮光性あるいは光吸収性を有する板状部材で構成され、第1太陽電池70の光電変換素子面をなす光入射面70aで反射された光を遮断する。なお、アパーチャー83の平面積は第1太陽電池70の光入射面70aの平面積よりも大きい。
【0043】
アパーチャー83の開口83aは集光レンズ81の焦点近傍に配置することが望ましい。このようにすれば、集光することで光束幅を抑えた第2光Lpが通過するので、開口83aの開口幅を最小限に抑えることで開口83aからの第2光Lpの反射成分の漏れを抑制できる。
【0044】
仮にアパーチャー83を設けない場合、第1太陽電池70の光入射面70aによる第2光Lpの反射光は大きい放射角で射出される。このため、第2光Lpの反射光は迷光となることで画像光のコントラストを低下させることで画質を低下させる要因となり得る。
【0045】
本実施形態のプロジェクター1Bによれば、集光レンズ81と第1太陽電池70との間に配置されたアパーチャー83を備えることで、第1太陽電池70の光入射面70aによる第2光Lpの反射光を遮断することができる。これにより、第2光Lpの反射光が迷光となって画像光のコントラストを低下させて画質を低下させるといった不具合を抑制できる。
【0046】
なお、第1実施形態のプロジェクター1においてアパーチャー83を設けることで第2光Lpの反射光による不具合を抑制してもよい。
【0047】
(第4実施形態)
続いて、第4実施形態のプロジェクターの構成について説明する。
第4実施形態のプロジェクターの基本構成は第2実施形態と同様であり、第1太陽電池70を傾けて配置する点で第2実施形態とは異なる。以下では第2実施形態と共通部分については説明を省略し、第2実施形態と共通の部材および構成については同じ符号を付して説明する。
【0048】
図5は本実施形態のプロジェクターの要部構成を示す図である。
図5に示すように、本実施形態のプロジェクター1Cでは、第1太陽電池70の光入射面70aを基準軸Jに対して所定角度だけ傾けた状態としている。
偏光素子50を透過した第2光Lpは略偏光が揃った直線偏光である。本実施形態において、第1太陽電池70は、第2光Lpが光入射面70aに対するP偏光として入射するように配置される。すなわち、第2光Lpは、第1太陽電池70の光入射面70aに対するP偏光である。
本実施形態において、第1太陽電池70は、P偏光として入射する第2光Lpの光軸Lpxと光入射面70aとがなす角度θがブリュースター角となるように配置される。
【0049】
このように本実施形態のプロジェクター1Cによれば、第1太陽電池70の光入射面70aに対して第2光LpがP偏光かつブリュースター角で入射するため、第2光Lpの多くが第1太陽電池70の光入射面70aで反射されることなく内部に取り込まれる。したがって、本実施形態のプロジェクター1Cは、第1太陽電池70が第2光Lpを効率良く取り込むことでエネルギー回生効率をより改善することができる。
【0050】
なお、第1実施形態のプロジェクター1において第1太陽電池70を傾けて配置することで光入射面70aに対して第2光LpをP偏光かつブリュースター角で入射させて第2光Lpの反射光による不具合を抑制してもよい。
【0051】
(第5実施形態)
続いて、第5実施形態のプロジェクターの構成について説明する。
第5実施形態のプロジェクターの基本構成は第4実施形態と同様であり、第1太陽電池70の光入射側にレンズを配置する点で第4実施形態とは異なる。以下では第4実施形態と共通部分については説明を省略し、第4実施形態と共通の部材および構成については同じ符号を付して説明する。
【0052】
第4実施形態のプロジェクター1Cでは、第2光Lpが所定の拡がりを持った状態で第1太陽電池70に入射している。このため、第2光Lpの一部はブリュースター角と異なる角度で第1太陽電池70の光入射面70aに入射していた。これに対して本実施形態のプロジェクターでは、第2光Lpを平行光束に変換することで第2光Lpを第1太陽電池70の光入射面70aに効率良く取り込むようにした。以下、本実施形態のプロジェクターの構成について説明する。
【0053】
図6は本実施形態のプロジェクターの要部構成を示す図である。
図6に示すように、本実施形態のプロジェクター1Dでは、
図6に示すように、第1太陽電池70の光入射側に配置したコリメートレンズ84を備え、このコリメートレンズ84により第2光Lpを平行化して第1太陽電池70の光入射面70aに入射させている。なお、第2光Lpの集光位置よりも前段に配置するコリメートレンズ84は凹レンズで構成され、第2光Lpの集光位置よりも後段に配置するコリメートレンズ84は凸レンズで構成される。
【0054】
この構成によれば、第2光Lpが平行光束に変換されるため、第2光Lpのほとんどが第1太陽電池70の光入射面70aに対してブリュースター角で入射することとなる。よって、第2光Lpは第1太陽電池70の光入射面70aで反射されずに内部に取り込まれるため、エネルギー回生効率を第4実施形態の構成に対してさらに向上できる。
【0055】
(第6実施形態)
続いて、第6実施形態のプロジェクターの構成について説明する。
第6実施形態のプロジェクターの基本構成は第5実施形態と同様であり、第2光Lpを分離して2つの太陽電池に入射させる点で第5実施形態とは異なる。以下では第5実施形態と共通部分については説明を省略し、第5実施形態と共通の部材および構成については同じ符号を付して説明する。
【0056】
本発明者は、太陽電池の光電変換効率と入射光の波長帯との関係から太陽電池に入射する波長帯域ごとに太陽電池を構成する適切な材料が異なるので、入射する光の波長帯に対して不適切な材料で構成された太陽電池は光電変換効率が著しく低下することに着目した。そこで、太陽電池に入射する前段で入射光を分光し、異なる材料で構成した複数の太陽電池に分光した各波長帯の光を入射させることで光電変換効率を高めるという本実施形態の構成を見出した。
【0057】
以下、本実施形態のプロジェクターの構成について具体的に説明する。
図7は本実施形態のプロジェクターの要部構成を示す図である。
図7に示すように、本実施形態のプロジェクター1Eは、光源10と、コリメートレンズ20と、色分離部30と、光変調装置40と、偏光素子50と、投射光学装置60と、第1太陽電池171と、第2太陽電池172と、集光レンズ81と、コリメートレンズ84と、反射素子85と、を備えている。
【0058】
偏光素子50を透過した第2光Lpは、コリメートレンズ84で平行化されて反射素子85に入射する。本実施形態の反射素子85は反射型回折素子で構成される。反射素子85は第2光Lpを分光することで2つの成分に分離する。本実施形態の場合、反射素子85は、第2光Lpのうちの長波長帯の光(第1波長帯の光)である第1分離光Lp1を第1太陽電池171に向けて反射し、第2光Lpのうちの長波長帯と異なる(よりも波長が短い)短波長帯の光(第2波長帯の光)である第2分離光Lp2を第2太陽電池172に向けて反射する。
【0059】
本実施形態において、第1太陽電池171の第1分離光Lp1に対する第1光電変換効率は、第1太陽電池171の第2分離光Lp2に対する第2光電変換効率より大きい。
すなわち、第1太陽電池171は、第1分離光Lp1の波長帯に適した材料で構成されている。長波長帯の光に適した第1太陽電池171の材料としては、例えばInGaAsを用いた。
【0060】
本実施形態において、第2太陽電池172の第2分離光Lp2に対する第3光電変換効率は、第2太陽電池172の第1分離光Lp1に対する第4光電変換効率より大きい。
すなわち、第2太陽電池172は、第2分離光Lp2の波長帯に適した材料で構成されている。短波長帯の光に適した第2太陽電池172の材料としては、光電変換効率の点で、例えばInGaPなどの化合物系を用いることが望ましいが、Siを用いてもよい。
本実施形態のプロジェクター1Eが射出する光の波長分布を鑑みれば太陽光に比べて著しく狭い範囲に限られるため、Siよりも化合物系の材料を使った方が著しく光電変換効率を高めることが可能である。なお、化合物系材料の接合型でなく単一材料を用いることができれば接合時の効率低下や材料として必要な厚みの選択に自由度が増えるため、光電変換効率の向上に特性を振り易くなる。
【0061】
本実施形態のプロジェクター1Eによれば、第2光Lpを分光した第1分離光Lp1および第2分離光Lp2を各々に適した材料からなる第1太陽電池171および第2太陽電池172に入射させることができる。このため、第1太陽電池171および第2太陽電池172の光電変換効率を高めることで、プロジェクターにおけるエネルギー回生効率を第5実施形態の構成に比べてより向上できる。
【0062】
なお、本実施形態のプロジェクター1Eでは、第2光Lpを分光する反射素子85として反射型回折格子を用いたが、ダイクロイックミラー等によって第2光Lpを分光してもよい。
また、本実施形態の構成を第1実施形態のプロジェクター1に組み合わせることで、太陽電池の光電変換効率を高めることで電力の取り出し効率を向上させてもよい。
【0063】
(第7実施形態)
続いて、第7実施形態のプロジェクターの構成について説明する。
第7実施形態のプロジェクターの基本構成は第1実施形態と同様であり、偏光素子に対する第1太陽電池と投射光学装置との位置関係が第1実施形態とは異なる。以下では第1実施形態と共通部分については説明を省略し、第1実施形態と共通の部材および構成については同じ符号を付して説明する。
【0064】
本実施形態のプロジェクター1Fにおいて、光源10から射出される白色光WLの主光線が通る軸を第1光軸AX1、光変調装置40の中心を通ってプロジェクター1の構成部品の一部を配置する基準となる軸を第1基準軸J1、画像光の主光線が通る軸を第2光軸AX2、第1基準軸J1に直交しプロジェクター1の構成部品の他の一部を配置する基準となる軸を第2基準軸J2と定義する。本実施形態のプロジェクター1において、第1光軸AX1と第1基準軸J1とは略45°の角度をなし、第1基準軸J1と第2光軸AX2とは一致する。
【0065】
図8は本実施形態のプロジェクターの要部構成を示す図である。
図8に示すように、本実施形態のプロジェクター1Fにおいて、色分離部30、光変調装置40、集光光学系80、偏光素子51および投射光学装置60は第1基準軸J1および第2光軸AX2に沿って配置される。偏光素子51および第1太陽電池70は、第2基準軸J2に沿って配置される。
【0066】
偏光素子51は、第1基準軸J1に対して45°の角度をなすように配置される。
偏光素子51は、液晶パネル41から射出された光のうち画像光を生成する第1偏光成分の第1光LLpを透過する。偏光素子51は、液晶パネル41から射出された光のうち第1偏光成分とは異なる第2偏光成分の第2光LLsを反射する。
【0067】
本実施形態において、第1偏光成分の第1光LLpは偏光素子51の光入射面51aに対するP偏光であり、第2偏光成分の第2光LLsは偏光素子51の光入射面51aに対するS偏光である。このため、偏光素子51は、P偏光として入射する第1偏光成分の第1光LLpを効率良く透過させるとともに、S偏光として入射する第2偏光成分の第2光LLsを効率良く反射することができる。
【0068】
本実施形態において、偏光素子51で反射された第2偏光成分の第2光LLsは、第1太陽電池70に入射する。第1太陽電池70は、偏光素子51から入射する第2偏光成分の第2光LLsから電気を生成する。
【0069】
このように本実施形態のプロジェクター1Fでは、液晶パネル41から射出された変調光を偏光分離した一方の偏光成分である第1光LLpを画像光の生成に利用し、変調光を偏光分離した他方の偏光成分である第2光LLsを第1太陽電池70の発電に利用している。これにより、本実施形態のプロジェクター1Fは、光源10から射出した白色光WLを無駄なく利用することが可能である。
【0070】
以上のように本実施形態のプロジェクター1Fは、白色光WLを射出する光源10と、光源10から射出された白色光WLを画像信号に基づいて変調する1つの液晶パネル41と、液晶パネル41から射出された光のうち画像光を生成する第1偏光成分の第1光LLpを透過し、液晶パネル41から射出された光のうち第2偏光成分の第2光LLsを反射する偏光素子50と、偏光素子50で反射された第2偏光成分の第2光LLsが入射する第1太陽電池70と、を備え、第1太陽電池70は、偏光素子50から入射する第2偏光成分の第2光LLsから電気を生成する。
【0071】
本実施形態のプロジェクター1Fによれば、液晶パネル41において変調した光のうち偏光素子50で反射されることで画像光の生成に利用しない第2光LLsを第1太陽電池70に入射させることで電気の生成に利用することができる。よって、本実施形態のプロジェクター1Fによれば、光源10から射出した白色光WLを効率良く利用することができる。
【0072】
(第8実施形態)
続いて、第8実施形態のプロジェクターの構成について説明する。
第8実施形態のプロジェクターの基本構成は第7実施形態と同様であり、集光光学系80の代わりに集光レンズを用いた点で第7実施形態とは異なる。以下では第7実施形態と共通部分については説明を省略し、第7実施形態と共通の部材および構成については同じ符号を付して説明する。
【0073】
図9は本実施形態のプロジェクターの要部構成を示す図である。
図9に示すように、本実施形態のプロジェクター1Gは、光源10と、コリメートレンズ20と、色分離部30と、光変調装置40と、偏光素子51と、投射光学装置60と、第1太陽電池70と、集光レンズ81と、を備えている。
本実施形態のプロジェクター1Gにおいて、偏光素子51、集光レンズ81および第1太陽電池70は、第2基準軸J2に沿って配置される。すなわち、集光レンズ81は、偏光素子51と第1太陽電池70との間に配置されている。
【0074】
本実施形態のプロジェクター1Gにおいて、偏光素子51で反射された第2偏光成分の第2光LLsは集光レンズ81により集光された状態で第1太陽電池70に入射する。本実施形態では、集光レンズ81の焦点近傍に第1太陽電池70の光電変換素子面を設置することで、第1太陽電池70の光電変換素子面上における第2光LLsの照射光密度を高め、第1太陽電池70の発生電圧を上昇させて電力の取り出し効率を向上できる。また、第1太陽電池70としてサイズの小さいものを採用できるので、低コスト化および装置構成の小型化を実現できる。
【0075】
(第9実施形態)
続いて、第9実施形態のプロジェクターの構成について説明する。
第9実施形態のプロジェクターの基本構成は第8実施形態と同様であり、第1太陽電池70を傾けて配置する点で第8実施形態とは異なる。すなわち、本実施形態のプロジェクターは第7実施形態の構成に第4実施形態の構成を組み合わせた構成を有している。以下では第8実施形態と共通部分については説明を省略し、第8実施形態と共通の部材および構成については同じ符号を付して説明する。
【0076】
図10は本実施形態のプロジェクターの要部構成を示す図である。
図10に示すように、本実施形態のプロジェクター1Hでは、第1太陽電池70の光入射面70aを第2基準軸J2に対して所定角度だけ傾けた状態としている。
【0077】
偏光素子51で反射された第2偏光成分の第2光LLsは略偏光が揃った直線偏光である。本実施形態において、第1太陽電池70は、第2光LLsが光入射面70aに対するP偏光として入射するように配置される。すなわち、第2光LLsは、第1太陽電池70の光入射面70aに対するP偏光である。
本実施形態において、第1太陽電池70は、P偏光として入射する第2光LLsの光軸LLsxと光入射面70aとがなす角度がブリュースター角となるように配置される。
【0078】
このように本実施形態のプロジェクター1Hによれば、第1太陽電池70の光入射面70aに対して第2光LLsがP偏光かつブリュースター角で入射するため、第2光LLsの多くが第1太陽電池70の光入射面70aで反射されることなく内部に取り込まれる。したがって、本実施形態のプロジェクター1Hは、第1太陽電池70が第2光LLsを効率良く取り込むことでエネルギー回生効率をより改善することができる。
【0079】
なお、第8実施形態のプロジェクター1Gにおいて第1太陽電池70を傾けて配置することで光入射面70aに対して第2光LLsをP偏光かつブリュースター角で入射させて第2光Lpの反射光による不具合を抑制してもよい。
【0080】
(第10実施形態)
続いて、第10実施形態のプロジェクターの構成について説明する。
第10実施形態のプロジェクターの基本構成は第9実施形態と同様であり、第2光LLsを分離して2つの太陽電池に入射させる点で第9実施形態とは異なる。すなわち、本実施形態のプロジェクターは第9実施形態の構成に第6実施形態の構成を組み合わせた構成を有している。以下では第9実施形態と共通部分については説明を省略し、第9実施形態と共通の部材および構成については同じ符号を付して説明する。
【0081】
図11は本実施形態のプロジェクターの要部構成を示す図である。
図11に示すように、本実施形態のプロジェクター1Jは、光源10と、コリメートレンズ20と、色分離部30と、光変調装置40と、偏光素子51と、投射光学装置60と、第1太陽電池171と、第2太陽電池172と、集光レンズ81と、コリメートレンズ84と、反射素子85と、を備えている。
【0082】
偏光素子50で反射された第2光LLsは反射素子85に入射する。反射素子85は第2光LLsを分光することで2つの成分に分離する。本実施形態の場合、反射素子85は、偏光素子50で反射された第2光LLsのうちの長波長帯の光である第1分離光LLs1を第1太陽電池171に向けて反射し、偏光素子50で反射された第2光LLsのうちの長波長帯よりも波長が短い短波長帯の光である第2分離光LLs2を第2太陽電池172に向けて反射する。
【0083】
本実施形態において、第1太陽電池171の第1分離光LLs1に対する第1光電変換効率は、第1太陽電池171の第2分離光LLs2に対する第2光電変換効率より大きい。また、第2太陽電池172の第2分離光LLs2に対する第3光電変換効率は、第2太陽電池172の第1分離光LLs1に対する第4光電変換効率より大きい。
【0084】
本実施形態のプロジェクター1Jによれば、第2光LLsを分光した第1分離光LLs1および第2分離光LLs2を各々に適した材料からなる第1太陽電池171および第2太陽電池172に入射させることができる。このため、第1太陽電池171および第2太陽電池172の光電変換効率を高めることで、プロジェクターにおけるエネルギー回生効率を第5実施形態の構成に比べてより向上できる。
【0085】
また、本実施形態のプロジェクター1Jの構成を第7実施形態のプロジェクター1Fに組み合わせることで、太陽電池の光電変換効率を高めることで電力の取り出し効率を向上させてもよい。
【0086】
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
その他、プロジェクターを構成する各種構成要素の数、配置、形状および材料等の具体的な構成は、上記実施形態に限らず、適宜変更が可能である。
【0087】
例えば、第7実施形態から第10実施形態の構成において、第3実施形態で用いたアパーチャー83を集光レンズ81と第1太陽電池70との間に配置することで第1太陽電池70の光入射面70aによる第2光Lpの反射光を遮断してもよい。これにより、第2光Lpの反射光が迷光となって画像光のコントラストの低下による画質低下を抑制することができる。
【0088】
以下、本開示のまとめを付記する。
(付記1)
光を射出する光源と、
前記光源から射出された前記光を画像信号に基づいて変調する1つの液晶パネルと、
前記液晶パネルから射出された光のうち画像光を生成する第1偏光成分の第1光を反射し、前記液晶パネルから射出された光のうち前記第1偏光成分とは異なる第2偏光成分の第2光を透過する偏光素子と、
前記偏光素子を透過した前記第2偏光成分の第2光が入射する第1太陽電池と、を備え、
前記第1太陽電池は、前記偏光素子から入射する前記第2偏光成分の第2光から電気を生成する、
ことを特徴とするプロジェクター。
【0089】
この構成のプロジェクターによれば、液晶パネルにおいて変調した光のうち偏光素子を透過することで画像光の生成に利用しない第2光を第1太陽電池に入射させることで電気の生成に利用することができる。よって、この構成のプロジェクターによれば、光源から射出した光を効率良く利用することができる。
【0090】
(付記2)
光を射出する光源と、
前記光源から射出された前記光を画像信号に基づいて変調する1つの液晶パネルと、
前記液晶パネルから射出された光のうち画像光を生成する第1偏光成分の第1光を透過し、前記液晶パネルから射出された光のうち前記第1偏光成分とは異なる第2偏光成分の第2光を反射する偏光素子と、
前記偏光素子で反射された前記第2偏光成分の第2光が入射する第1太陽電池と、を備え、
前記第1太陽電池は、前記偏光素子から入射する前記第2偏光成分の第2光から電気を生成する、
ことを特徴とするプロジェクター。
【0091】
この構成によれば、液晶パネルにおいて変調した光のうち偏光素子で反射されて画像光の生成に利用しない第2光を第1太陽電池に入射させることで電気の生成に利用することができる。よって、この構成のプロジェクターによれば、光源から射出した光を効率良く利用することができる。
【0092】
(付記3)
前記第1偏光成分の第1光は、前記偏光素子の光入射面に対するS偏光であり、
前記第2偏光成分の第2光は、前記偏光素子の光入射面に対するP偏光である、
ことを特徴とする付記1に記載のプロジェクター。
【0093】
この構成によれば、偏光素子において第1偏光成分の光を反射させつつ第2偏光成分の光を効率良く透過できるので、偏光素子による光分離時のロスを低減することができる。
【0094】
(付記4)
前記第1偏光成分の第1光は、前記偏光素子の光入射面に対するP偏光であり、
前記第2偏光成分の第2光は、前記偏光素子の光入射面に対するS偏光である、
ことを特徴とする付記2に記載のプロジェクター。
【0095】
この構成によれば、偏光素子において第1偏光成分の光を透過させつつ第2偏光成分の光を効率良く反射できるので、偏光素子による光分離時のロスを低減することができる。
【0096】
(付記5)
前記偏光素子と前記第1太陽電池との間に配置され、前記偏光素子を透過した前記第2偏光成分の第2光を前記第1太陽電池に集光する第1集光光学系をさらに備える、
ことを特徴とする付記1に記載のプロジェクター。
【0097】
この構成によれば、偏光素子を透過した第2偏光成分の光は第1集光光学系により集光された状態で第1太陽電池に入射する。これにより、第1太陽電池の発生電圧を上昇させて電力の取り出し効率を向上できる。また、第1太陽電池としてサイズの小さいものを採用できるので、低コスト化および装置構成の小型化を実現できる。
【0098】
(付記6)
前記偏光素子と前記第1太陽電池との間に配置され、前記偏光素子で反射された前記第2偏光成分の第2光を前記第1太陽電池に集光する第1集光光学系をさらに備える、
ことを特徴とする付記2に記載のプロジェクター。
【0099】
この構成によれば、偏光素子で反射された第2偏光成分の光は第1集光光学系により集光された状態で第1太陽電池に入射する。これにより、第1太陽電池の発生電圧を上昇させて電力の取り出し効率を向上できる。また、第1太陽電池としてサイズの小さいものを採用できるので、低コスト化および装置構成の小型化を実現できる。
【0100】
(付記7)
前記第1太陽電池は、前記偏光素子を透過した前記第2偏光成分の第2光が入射する光入射面を有し、
前記第2偏光成分の第2光は、前記第1太陽電池の前記光入射面に対するP偏光であり、
前記第1太陽電池は、前記第2偏光成分の第2光の光軸と前記光入射面とがなす角度がブリュースター角となるように配置される、
ことを特徴とする付記1に記載のプロジェクター。
【0101】
この構成によれば、第1太陽電池の光入射面に対して偏光素子を透過した第2偏光成分の光がP偏光かつブリュースター角で入射するため、第2偏光成分の光の多くが第1太陽電池の光入射面で反射されることなく内部に取り込まれる。したがって、この構成のプロジェクターによれば、第1太陽電池が第2偏光成分の光を効率良く取り込むことでエネルギー回生効率をより改善することができる。
【0102】
(付記8)
前記第1太陽電池は、前記偏光素子で反射された前記第2偏光成分の第2光が入射する光入射面を有し、
前記第2偏光成分の第2光は、前記第1太陽電池の前記光入射面に対するP偏光であり、
前記第1太陽電池は、前記第2偏光成分の第2光の光軸と前記光入射面とがなす角度がブリュースター角となるように配置される、
ことを特徴とする付記2に記載のプロジェクター。
【0103】
この構成によれば、第1太陽電池の光入射面に対して偏光素子で反射された第2偏光成分の光がP偏光かつブリュースター角で入射するため、第2偏光成分の光の多くが第1太陽電池の光入射面で反射されることなく内部に取り込まれる。したがって、この構成のプロジェクターによれば、第1太陽電池が第2偏光成分の光を効率良く取り込むことでエネルギー回生効率をより改善することができる。
【0104】
(付記9)
前記偏光素子を透過した前記第2偏光成分の第2光が入射する反射素子と、
前記反射素子により反射された前記第2偏光成分の第2光の一部が入射する第2太陽電池と、をさらに備え、
前記反射素子は、前記偏光素子を透過した前記第2偏光成分の第2光のうちの第1波長帯の光を前記第1太陽電池に向けて反射し、前記偏光素子を透過した前記第2偏光成分の第2光のうちの前記第1波長帯とは異なる第2波長帯の光を前記第2太陽電池に向けて反射し、
前記第1太陽電池の前記第1波長帯の光に対する第1光電変換効率は、前記第1太陽電池の前記第2波長帯の光に対する第2光電変換効率より大きく、
前記第2太陽電池の前記第2波長帯の光に対する第3光電変換効率は、前記第2太陽電池の前記第1波長帯の光に対する第4光電変換効率より大きい、
ことを特徴とする付記1に記載のプロジェクター。
【0105】
この構成によれば、偏光素子で反射された第2偏光成分の光を反射素子で分離した第1波長帯の光および第2波長帯の光を各々に適した材料からなる第1太陽電池および第2太陽電池に入射させることができる。このため、第1太陽電池および第2太陽電池の光電変換効率を高めることで、プロジェクターにおけるエネルギー回生効率をより向上することができる。
【0106】
(付記10)
前記偏光素子で反射された前記第2偏光成分の第2光が入射する反射素子と、
前記反射素子により反射された前記第2偏光成分の第2光の一部が入射する第2太陽電池と、をさらに備え、
前記反射素子は、前記偏光素子で反射された前記第2偏光成分の第2光のうちの第1波長帯の光を前記第1太陽電池に向けて反射し、前記偏光素子で反射された前記第2偏光成分の第2光のうちの前記第1波長帯とは異なる第2波長帯の光を前記第2太陽電池に向けて反射し、
前記第1太陽電池の前記第1波長帯の光に対する第1光電変換効率は、前記第1太陽電池の前記第2波長帯の光に対する第2光電変換効率より大きく、
前記第2太陽電池の前記第2波長帯の光に対する第3光電変換効率は、前記第2太陽電池の前記第1波長帯の光に対する第4光電変換効率より大きい、
ことを特徴とする付記1に記載のプロジェクター。
【0107】
この構成によれば、偏光素子で反射された第2偏光成分の光を反射素子で分離した第1波長帯の光および第2波長帯の光を各々に適した材料からなる第1太陽電池および第2太陽電池に入射させることができる。このため、第1太陽電池および第2太陽電池の光電変換効率を高めることで、プロジェクターにおけるエネルギー回生効率をより向上することができる。
【0108】
(付記11)
前記第1集光光学系と前記第1太陽電池との間に配置され、前記第1集光光学系により集光された前記第2偏光成分の第2光が通過する開口を有するアパーチャーをさらに備え、
前記アパーチャーは、前記第1太陽電池の光入射面で反射された光を遮断する、
ことを特徴とする付記5または付記6に記載のプロジェクター。
【0109】
この構成によれば、アパーチャーを備えることで、第1太陽電池の光入射面による第2偏光成分の光の反射光を遮断することができる。これにより、第2偏光成分の光の反射光が迷光となって画像光のコントラストを低下させて画質を低下させるといった不具合を抑制できる。
【0110】
(付記12)
前記液晶パネルと前記偏光素子との間に配置され、前記液晶パネルから射出された光を集光する第2集光光学系をさらに備え、
前記第2集光光学系はフレネルレンズである、
ことを特徴とする付記1から付記10のうちのいずれか一項に記載のプロジェクター。
【0111】
この構成によれば、第2集光光学系の光軸に沿う方向の厚さが抑えられるため、プロジェクターの寸法を小型化できる。
【符号の説明】
【0112】
1,1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1H,1J…プロジェクター、10…光源、41…液晶パネル、50,51…偏光素子、50a,51a…(偏光素子の)光入射面、70,171…第1太陽電池、70a…(第1太陽電池の)光入射面、80…集光光学系(第2集光光学系)、81…集光レンズ(第1集光光学系)、83…アパーチャー、83a…開口、85…反射素子、172…第2太陽電池、LLsx,Lpx…第2光の光軸、LLp,Ls…第1光、LLs,Lp…第2光、θ…角度。