(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129453
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】情報処理システム及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20240919BHJP
【FI】
G06Q30/0601
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038673
(22)【出願日】2023-03-13
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り https://apps.apple.com/jp/app/choosebase-shibuya/id1605733073(2022年6月30日) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001266.000031382.html(2022年8月29日)
(71)【出願人】
【識別番号】397030628
【氏名又は名称】株式会社そごう・西武
(74)【代理人】
【識別番号】100108947
【弁理士】
【氏名又は名称】涌井 謙一
(74)【代理人】
【識別番号】100117086
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 典弘
(74)【代理人】
【識別番号】100124383
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 一永
(74)【代理人】
【識別番号】100173392
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 貴宏
(74)【代理人】
【識別番号】100189290
【弁理士】
【氏名又は名称】三井 直人
(72)【発明者】
【氏名】海老沢 聡
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB47
5L030BB58
5L030BB72
5L049BB47
5L049BB58
5L049BB72
(57)【要約】 (修正有)
【課題】商業施設あるいはECサイトにおける顧客の商品購入の利便性を向上させ、さらに商業施設に入居する事業者に有用性の高い顧客の購買行動分析データを生成する情報処理システムを提供する。
【解決手段】顧客端末が有する撮像手段によって取得されたリアル店舗に陳列されている商品に関する情報に基づいて、対応する商品情報を検索して顧客端末の画面に表示し、商品情報に係る商品の代金の決済処理を行い、商品在庫管理処理部から取得した決済処理に係る商品の在庫情報に基づいて、決済処理に係る商品がリアル店舗で受取可能であることを顧客端末に通知する。さらに、顧客端末から、リアル店舗が入居している商業施設を中心とした所定のエリア内およびリアル店舗内に位置する顧客端末の位置情報、を取得し、取得した位置情報、顧客端末のユーザアカウントに紐づく商品情報の検索履歴等を分析して、リアル店舗に提供するファネル分析データを算出する。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客が使用する顧客端末が有する撮像手段によって取得されたリアル店舗に陳列されている陳列商品に関する情報に基づいて、前記陳列商品に対応する商品についての商品情報を検索し、前記商品情報を前記顧客端末の画面に表示する第一の商品情報検索処理部と、
前記顧客端末から前記商品情報に係る商品の購入要求を受け付けて、商品代金の決済処理を行う決済処理部と、
商品在庫管理処理部から取得した前記決済処理に係る商品の在庫に関する情報に基づいて、前記決済処理に係る商品が前記リアル店舗で受取可能であることを前記顧客端末に通知する購入済商品ステータス通知処理部と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記陳列商品に関する情報は、前記陳列商品の画像情報又は前記陳列商品に対応する商品の商品情報へのリンク先が含まれている一次元コードあるいは二次元コードである
請求項1記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記顧客端末から商品情報の検索要求をWeb上で受け付けて、前記商品情報を前記顧客端末に送信する第二の商品情報検索処理部と、
前記第一の商品情報検索処理部又は前記第二の商品情報検索処理部の検索処理による商品情報に係る商品の購入要求を前記顧客端末から受け付けて、商品代金の決済方法の選択を前記顧客端末に促す決済方法管理部と、をさらに備え、
前記決済処理部は、前記顧客端末によって選択された決済方法にしたがって前記商品代金の決済処理を行う
請求項1又は請求項2記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記決済処理に係る商品を前記リアル店舗又は配送で受け取るか何れかの購入商品受取方法の選択を前記顧客端末に促す購入商品受取方法管理部をさらに備える
請求項3記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記顧客端末から以下の位置情報の少なくとも一方を取得する顧客端末位置情報取得処理部と、
(1)前記リアル店舗が入居している商業施設を中心とした所定のエリア内に位置する前記顧客端末の位置情報
(2)前記リアル店舗内に位置する前記顧客端末の位置情報
取得した前記顧客端末の位置情報、前記顧客端末のユーザアカウントに紐づく商品情報の検索・閲覧履歴及び前記検索・閲覧履歴に係る商品の購入履歴を分析して、前記リアル店舗に提供するファネル分析データを算出するデータ分析処理部と、
をさらに備える請求項1又は請求項2記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記リアル店舗内に位置する前記顧客端末の位置情報は、前記顧客端末が備える顧客端末測位処理部によって推定された前記顧客端末の現在位置の情報である
請求項5記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記リアル店舗内の顧客の画像情報を取得する顧客画像情報取得部をさらに備え、
前記データ分析処理部は、取得した前記顧客端末の位置情報、前記顧客の画像情報、前記顧客端末のユーザアカウントに紐づく商品情報の検索・閲覧履歴及び前記検索・閲覧履歴に係る商品の購入履歴を分析して、前記リアル店舗に提供するファネル分析データを算出する
請求項5記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記顧客端末から以下の位置情報の少なくとも一方を取得する顧客端末位置情報取得処理部と、
(1)前記リアル店舗が入居している商業施設を中心とした所定のエリア内に位置する前記顧客端末の位置情報
(2)前記リアル店舗内に位置する前記顧客端末の位置情報
取得した前記顧客端末の位置情報、前記顧客端末のユーザアカウントに紐づく商品情報の検索・閲覧履歴及び前記検索・閲覧履歴に係る商品の購入履歴を分析して、前記リアル店舗に提供するファネル分析データを算出するデータ分析処理部と、
をさらに備える請求項3記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記顧客端末から以下の位置情報の少なくとも一方を取得する顧客端末位置情報取得処理部と、
(1)前記リアル店舗が入居している商業施設を中心とした所定のエリア内に位置する前記顧客端末の位置情報
(2)前記リアル店舗内に位置する前記顧客端末の位置情報
取得した前記顧客端末の位置情報、前記顧客端末のユーザアカウントに紐づく商品情報の検索・閲覧履歴及び前記検索・閲覧履歴に係る商品の購入履歴を分析して、前記リアル店舗に提供するファネル分析データを算出するデータ分析処理部と、
をさらに備える請求項4記載の情報処理システム。
【請求項10】
請求項1記載の情報処理システムとしてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラム。
【請求項11】
請求項5記載の情報処理システムとしてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラム。
【請求項12】
顧客が使用する顧客端末から以下の位置情報の少なくとも一方を取得する顧客端末位置情報取得処理部と、
(1)リアル店舗が入居している商業施設を中心とした所定のエリア内に位置する前記顧客端末の位置情報
(2)前記リアル店舗内に位置する前記顧客端末の位置情報
以下の情報
(1)取得した前記顧客端末の位置情報
(2)前記顧客端末のユーザアカウントに紐づく商品情報の検索・閲覧履歴
(2a)前記商品情報の検索・閲覧履歴は、前記顧客端末が有する撮像手段によって取得された前記リアル店舗に陳列されている陳列商品に基づく前記陳列商品に対応する商品についての商品情報の検索履歴及び閲覧履歴
(3)前記検索・閲覧履歴に係る商品の購入履歴
(3a)前記商品の購入履歴は、前記陳列商品に対応する商品の購入履歴
を分析して前記リアル店舗に提供する第一のファネル分析データを算出するデータ分析処理部と、
を備える情報処理システム。
【請求項13】
前記データ分析処理部は、さらに以下の情報
(2)前記顧客端末のユーザアカウントに紐づく商品情報の検索・閲覧履歴
(2b)前記商品情報の検索・閲覧履歴は、前記顧客端末からのWeb上での商品の検索要求に対応する商品情報の検索履歴及び閲覧履歴
(3)前記検索・閲覧履歴に係る商品の購入履歴
(3b)前記商品の購入履歴は、前記Web上での商品の検索要求に対応する商品情報の検索・閲覧履歴に係る商品の購入履歴
を分析して前記リアル店舗に提供する第二のファネル分析データを算出する
請求項12記載の情報処理システム。
【請求項14】
顧客が使用する顧客端末から以下の位置情報の少なくとも一方を取得する顧客端末位置情報取得処理部と、
(1)リアル店舗が入居している商業施設を中心とした所定のエリア内に位置する前記顧客端末の位置情報
(2)前記リアル店舗内に位置する前記顧客端末の位置情報
以下の情報
(1)取得した前記顧客端末の位置情報
(2)前記顧客端末のユーザアカウントに紐づく商品情報の検索・閲覧履歴
(2a)前記商品情報の検索・閲覧履歴は、前記顧客端末が有する撮像手段によって取得された前記リアル店舗に陳列されている陳列商品に基づく前記陳列商品に対応する商品についての商品情報の検索履歴及び閲覧履歴
(2b)前記商品情報の検索・閲覧履歴は、前記顧客端末からのWeb上での商品の検索要求に対応する商品情報の検索履歴及び閲覧履歴
(3)前記検索・閲覧履歴に係る商品の購入履歴
(3a)前記商品の購入履歴は、前記陳列商品に対応する商品の購入履歴
(3b)前記商品の購入履歴は、前記Web上での商品の検索要求に対応する商品情報の検索・閲覧履歴に係る商品の購入履歴
を分析して前記リアル店舗に提供する第三のファネル分析データを算出するデータ分析処理部と、
を備える情報処理システム。
【請求項15】
前記リアル店舗内に位置する前記顧客端末の位置情報は、前記顧客端末が備える顧客端末測位処理部によって推定された前記顧客端末の現在位置の情報である
請求項12から請求項14の何れか一項に記載の情報処理システム。
【請求項16】
前記リアル店舗内の顧客の画像情報を取得する顧客画像情報取得部をさらに備え、
前記データ分析処理部は、以下の情報
(1)取得した前記顧客端末の位置情報
(2)前記顧客端末のユーザアカウントに紐づく商品情報の検索・閲覧履歴
(2a)前記商品情報の検索・閲覧履歴は、前記顧客端末が有する撮像手段によって取得された前記リアル店舗に陳列されている陳列商品に基づく前記陳列商品に対応する商品についての商品情報の検索履歴及び閲覧履歴
(3)前記検索・閲覧履歴に係る商品の購入履歴
(3a)前記商品の購入履歴は、前記陳列商品に対応する商品の購入履歴
(4)取得した前記顧客の画像情報
を分析して前記リアル店舗に提供する第一のファネル分析データを算出する
請求項12記載の情報処理システム。
【請求項17】
前記リアル店舗内の顧客の画像情報を取得する顧客画像情報取得部をさらに備え、
前記データ分析処理部は、以下の情報
(1)取得した前記顧客端末の位置情報
(2)前記顧客端末のユーザアカウントに紐づく商品情報の検索・閲覧履歴
(2a)前記商品情報の検索・閲覧履歴は、前記顧客端末が有する撮像手段によって取得された前記リアル店舗に陳列されている陳列商品に基づく前記陳列商品に対応する商品についての商品情報の検索履歴及び閲覧履歴
(2b)前記商品情報の検索・閲覧履歴は、前記顧客端末からのWeb上での商品の検索要求に対応する商品情報の検索履歴及び閲覧履歴
(3)前記検索・閲覧履歴に係る商品の購入履歴
(3a)前記商品の購入履歴は、前記陳列商品に対応する商品の購入履歴
(3b)前記商品の購入履歴は、前記Web上での商品の検索要求に対応する商品情報の検索・閲覧履歴に係る商品の購入履歴
(4)取得した前記顧客の画像情報
を分析して前記リアル店舗に提供する第三のファネル分析データを算出する
請求項14記載の情報処理システム。
【請求項18】
請求項12から請求項14の何れか一項に記載の情報処理システムとしてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は情報処理システム及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
商業施設での顧客の買物において、顧客が所有するスマートフォンを利用して決済処理やポイントを利用した割引処理、等が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
商業施設におけるリアル店舗で商品を購入する場合、混雑状況によって決済処理までに時間を要するといった課題がある。一方、ECサイトを利用すればリアル店舗に足を運ぶ必要がないという利点はあるが、実際の商品との比較ができない、リアル店舗とECサイトにおけるポイントの付与や利用といったユーザビリティが統合されていない、等の課題がある。
【0005】
また、商業施設に入居する事業者にとってリアル店舗における顧客の購買行動の詳細な分析データを得ることが難しいといった課題がある。
【0006】
この発明は、商業施設あるいはECサイトにおける顧客の商品購入の利便性を向上させることを第一の目的とする。
【0007】
また、商業施設に入居する事業者に有用性の高い顧客の購買行動分析データを提供することを第二の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[1]
顧客が使用する顧客端末が有する撮像手段によって取得されたリアル店舗に陳列されている陳列商品に関する情報に基づいて、前記陳列商品に対応する商品についての商品情報を検索し、前記商品情報を前記顧客端末の画面に表示する第一の商品情報検索処理部と、
前記顧客端末から前記商品情報に係る商品の購入要求を受け付けて、商品代金の決済処理を行う決済処理部と、
商品在庫管理処理部から取得した前記決済処理に係る商品の在庫に関する情報に基づいて、前記決済処理に係る商品が前記リアル店舗で受取可能であることを前記顧客端末に通知する購入済商品ステータス通知処理部と、
を備える情報処理システム。
【0009】
[2]
顧客が使用する顧客端末から以下の位置情報の少なくとも一方を取得する顧客端末位置情報取得処理部と、
(1)リアル店舗が入居している商業施設を中心とした所定のエリア内に位置する前記顧客端末の位置情報
(2)前記リアル店舗内に位置する前記顧客端末の位置情報
以下の情報
(1)取得した前記顧客端末の位置情報
(2)前記顧客端末のユーザアカウントに紐づく商品情報の検索・閲覧履歴
(2a)前記商品情報の検索・閲覧履歴は、前記顧客端末が有する撮像手段によって取得された前記リアル店舗に陳列されている陳列商品に基づく前記陳列商品に対応する商品についての商品情報の検索履歴及び閲覧履歴
(3)前記検索・閲覧履歴に係る商品の購入履歴
(3a)前記商品の購入履歴は、前記陳列商品に対応する商品の購入履歴
を分析して前記リアル店舗に提供する第一のファネル分析データを算出するデータ分析処理部と、
を備える情報処理システム。
【0010】
[3]
顧客が使用する顧客端末から以下の位置情報の少なくとも一方を取得する顧客端末位置情報取得処理部と、
(1)リアル店舗が入居している商業施設を中心とした所定のエリア内に位置する前記顧客端末の位置情報
(2)前記リアル店舗内に位置する前記顧客端末の位置情報
以下の情報
(1)取得した前記顧客端末の位置情報
(2)前記顧客端末のユーザアカウントに紐づく商品情報の検索・閲覧履歴
(2a)前記商品情報の検索・閲覧履歴は、前記顧客端末が有する撮像手段によって取得された前記リアル店舗に陳列されている陳列商品に基づく前記陳列商品に対応する商品についての商品情報の検索履歴及び閲覧履歴
(2b)前記商品情報の検索・閲覧履歴は、前記顧客端末からのWeb上での商品の検索要求に対応する商品情報の検索履歴及び閲覧履歴
(3)前記検索・閲覧履歴に係る商品の購入履歴
(3a)前記商品の購入履歴は、前記陳列商品に対応する商品の購入履歴
(3b)前記商品の購入履歴は、前記Web上での商品の検索要求に対応する商品情報の検索・閲覧履歴に係る商品の購入履歴
を分析して前記リアル店舗に提供する第三のファネル分析データを算出するデータ分析処理部と、
を備える情報処理システム。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、商業施設あるいはECサイトにおける顧客の商品購入の利便性を向上させることができる。
【0012】
また、この発明によれば、商業施設に入居する事業者に有用性の高い顧客の購買行動分析データを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本実施形態の情報処理システムの構成の一例を表す図
【
図2】本実施形態の情報処理システムが備える(a)顧客端末のソフトウェア構成の一例を表す図、(b)事業者システムのソフトウェア構成の一例を表す図
【
図3】本実施形態の情報処理システムが備える情報処理サーバのソフトウェア構成の一例を表す図
【
図4】本実施形態の情報処理システムにおける顧客端末の表示画面の一例を表す図
【
図5】(a)、(b)ともに
図4に続く本実施形態の情報処理システムにおける顧客端末の画面遷移の一例を表す図
【
図6】(a)、(b)ともに
図5(a)または
図5(b)に続く本実施形態の情報処理システムにおける顧客端末の画面遷移の一例を表す図
【
図7】(a)
図6(b)に続く本実施形態の情報処理システムにおける顧客端末の画面遷移の一例を表す図、(b)
図7(a)に続く顧客端末の画面遷移の一例を表す図
【
図8】(a)
図7(b)において店舗でお支払いを選択した場合の顧客端末の画面遷移の一例を表す図、(b)
図8(a)に続く顧客端末の画面遷移の一例を表す図
【
図9】(a)
図8(b)に続く本実施形態の情報処理システムにおける顧客端末の画面遷移の一例を表す図、(b)商品の引き渡しの準備が完了した状態の顧客端末の画面遷移の一例を表す図
【
図10】(a)
図7(b)においてWebページでお支払いを選択した場合の顧客端末の画面遷移の他の例を表す図、(b)
図10(a)に続く顧客端末の画面遷移の一例を表す図
【
図11】(a)
図10(b)において店舗受取を選択した場合の顧客端末の画面遷移の一例を表す図、(b)
図10(b)において発送を選択した場合の顧客端末の画面遷移の一例を表す図
【
図12】本実施形態の情報処理システムによる商品購入処理の一例を表すフロー図
【
図13】本実施形態の情報処理システムによるファネル分析処理の一例を表すフロー図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態の一例を説明する。本実施形態の情報処理システムは、一又は複数のコンピュータで構成され、顧客が使用する顧客端末にインストールされているサービス提供者が提供するショッピングサービスに係るアプリケーションソフトウェアの利用時に使用されるものである。また、本実施形態の情報処理システムは、商業施設に入居している事業者に対して当該事業者の店舗(以下、事業者の店舗を「リアル店舗」ということがある。)における顧客の購買行動分析データを提供する際に使用されるものである。
【0015】
一実施形態として、顧客が使用する顧客端末にインストールされている商業施設を運営する運営者が提供するショッピングサービスに係るアプリケーションソフトウェアを使用してリアル店舗で商品を購入できる商品購入システムである。
【0016】
他の実施形態として、事業者が使用する事業者端末にインストールされている商業施設を運営する運営者が提供するファネル分析サービスに係るアプリケーションソフトウェアを使用してリアル店舗における顧客の購買行動の分析データの提供を受けることができるデータ分析システムである。
【0017】
このような情報処理システムは、顧客及び事業者に対して上述したアプリケーションソフトウェアやWebサービスを提供する商業施設を運営する運営者が一又は複数のコンピュータを用いて提供、管理するシステムである。
【0018】
一実施形態として、顧客が使用する顧客端末と、事業者が管理する事業者システムと、上記運営者が管理するサーバとをネットワークを介して通信可能に接続する形態で情報処理システムを構築することができる。
【0019】
図1に示す情報処理システム1は、インターネット通信網、無線通信規格で定められている無線通信網を含む通信ネットワーク5を通じて、上記顧客が使用する顧客端末2と、上記事業者が管理する事業者システム4と、上記運営者が管理する情報処理サーバ3とが通信可能に接続されて構築されている。図面では顧客端末2及び事業者システム4をそれぞれ一つ示しているが、本実施形態では複数の顧客がそれぞれ顧客端末2を使用し、複数の事業者がそれぞれ事業者システム4を管理する形態も含まれる。
【0020】
また、本実施形態には、この実施形態で説明する情報処理システム1としてコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムを含む。
【0021】
[顧客端末]
顧客端末2は、商業施設を運営する運営者が提供するショッピングサービスを利用する顧客が使用する端末であって、スマートフォン、タブレット、等の端末である。図示していないが、顧客端末2は、ハードウェア構成として各種コンピュータプログラムの実行及び演算処理を行うCPUと、RAM、ROMといった各種データを記憶するメモリと、内蔵ストレージ等の補助記憶装置と、液晶ディスプレイ等の情報出力デバイスと、タッチパネル等の情報入力デバイスと、カメラモジュールといった撮像デバイスと、顧客端末2の位置情報を計測するためのGPS受信デバイスや、ジャイロセンサ、加速度センサ及び地磁気センサ等の各種センサ、通信ネットワーク5を介して情報処理サーバ3及び事業者システム4と各種情報の送受信を行う通信モジュールと、情報処理サーバ3へアクセスし運営者が提供するWebサービスを通じて商品を購入するためのウェブブラウザを備えている。
【0022】
顧客端末2は、ソフトウェア構成として
図2(a)に示すように、商品情報リンク先接続処理部21、購入選択商品情報読取用コード生成処理部22及び顧客端末測位処理部23を備えている。
【0023】
商品情報リンク先接続処理部21は、顧客端末2が有する上記撮像デバイスによって取得されたリアル店舗に陳列されている陳列商品に関する情報に基づいて、その陳列商品に対応する商品についての商品情報へのリンク先と顧客端末2とを接続し、上記商品情報を顧客端末2の画面に表示する処理を行う。
【0024】
商品情報リンク先接続処理部21による処理における上記リアル店舗に陳列されている陳列商品に関する情報として、本実施形態では、陳列商品の画像情報又はバーコードのような一次元コードあるいはQRコード(登録商標)のような二次元コードといった陳列商品に対応する商品の商品情報へのリンク先が含まれているコード情報を採用している。
【0025】
購入選択商品情報読取用コード生成処理部22は、顧客端末2によって購入選択された上記商品情報に係る商品を、事業者システム4を構成するPOSシステムや、事業者端末に確認させるための購入選択商品情報読取用コードを生成する処理を行う。
【0026】
本実施形態では、バーコードのような一次元コードあるいはQRコード(登録商標)のような二次元コードといった上記商品の属性や金額、の情報が含まれている購入選択商品情報読取用コードを生成し、顧客端末2の画面に表示する。
【0027】
顧客端末測位処理部23は、顧客端末2の現在位置を計測する処理を行う。本実施形態では以下の方法で顧客端末2の現在位置が計測される。
・顧客端末2が備える上記GPS受信デバイスによって顧客端末2の現在位置を測定する方法
・顧客端末2が備える上記ジャイロセンサ、加速度センサによって顧客端末2の現在位置を推定する方法
・顧客端末2が備える上記地磁気センサ又は図示していないリアル店舗内に設置されたビーコンから受信した信号のいずれか一方によって、上記推定された顧客端末2の現在位置の精度を補強する方法
【0028】
[事業者システム]
事業者システム4は、商業施設に入居する事業者がリアル店舗で管理する一又は複数の事業者端末(パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット、等の端末)、サーバ、AIカメラといった撮像機器及び従来公知の種々のPOSシステムで構成される。上記事業者端末、サーバ、撮像機器及びPOSシステムはそれぞれ、図示していないがハードウェア構成として各種コンピュータプログラムの実行及び演算処理を行うCPUと、RAM、ROMといった各種データを記憶するメモリと、内蔵ストレージ等の補助記憶装置と、通信ネットワーク5を介して顧客端末2、情報処理サーバ3と各種情報を送受信する通信モジュールと、を備えている。なお、サーバは一もしくは複数の機器から構成してもよく、又はクラウド上で実現されるサーバであってもよい。また、事業者端末は液晶ディスプレイ等の情報出力デバイスと、タッチパネル等の情報入力デバイスと、バーコードやQRコード(登録商標)を読み取るリーダ機能と、を備え、POSシステムはレジスターと、バーコードやQRコード(登録商標)を読み取るリーダ端末と、を備えている。
【0029】
事業者システム4は、ソフトウェア構成として
図2(b)に示すように第一の決済処理部41及び顧客画像情報取得部42を備えている。
【0030】
第一の決済処理部41は、後述する第一の商品情報検索処理部による検索結果に係る商品について、顧客端末2から当該商品の購入要求を受け付けて、商品代金の決済処理を行う。
【0031】
本実施形態では、顧客端末2の画面に表示された購入選択商品情報読取用コードを上記事業者端末あるいはリーダ端末が読み取った後、POSシステムにおいて従来公知のクレジット決済、電子マネー決済、コード決済、等のキャッシュレス決済が行われる。
【0032】
顧客画像情報取得部42は、上記リアル店舗内の顧客の画像情報を取得する処理を行う。本実施形態では、上記AIカメラがリアル店舗内を撮影し、撮影データの中から人間の特徴を抽出し、抽出した特徴を顧客の画像情報として取得する。
【0033】
[情報処理サーバ]
情報処理サーバ3は、商業施設を運営する運営者が管理する各種サーバで構成される。情報処理サーバ3は、図示していないがハードウェア構成として各種コンピュータプログラムの実行及び演算処理を行うCPUと、RAM、ROMといった各種データを記憶するメモリと、内蔵ストレージ等の補助記憶装置と、通信ネットワーク5を介して顧客端末2及び事業者システム4と各種情報を送受信する通信モジュールと、を備えている。なお、情報処理サーバ3は一もしくは複数の機器から構成してもよく、又はクラウド上で実現されるサーバであってもよい。
【0034】
情報処理サーバ3は、ソフトウェア構成として
図3に示すように、事業者用商品情報管理部301、商品情報抽出処理部302、第二の商品情報検索処理部303、決済方法管理部304、購入商品受取方法管理部305、第二の決済処理部306、購入済商品ステータス通知処理部307、顧客端末位置情報取得処理部308、データ分析処理部309及び記憶部310を備えている。
【0035】
事業者用商品情報管理部301は、後述する事業者データベース(以下、本明細書及び図面においてデータベースを「DB」という。)310aに格納されている事業者情報及び商品DB310cに格納されている商品情報に基づいて、アクセスしている事業者システム4の事業者端末に、リアル店舗に陳列されている陳列商品に対応する商品についての管理情報を送信する処理を行う。
【0036】
本実施形態では、事業者端末の表示画面にブランド管理画面が表示され、事業者は事業者端末を操作して、自己のブランドに係る商品の在庫数や、受注状況、配送の状況、等の情報を確認することができるようになっている。
【0037】
商品情報抽出処理部302は、顧客端末2が有する上記撮像デバイスによって取得されたリアル店舗に陳列されている陳列商品に関する情報に基づいて、その陳列商品に対応する商品についての商品情報を検索し、当該商品情報を顧客端末2の画面に表示する処理を行う。
【0038】
商品情報抽出処理部302による処理における上記リアル店舗に陳列されている陳列商品に関する情報として、本実施形態では、顧客端末2が有する上記撮像デバイスが撮影した陳列商品の画像情報としている。商品情報抽出処理部302は、顧客端末2から上記陳列商品の画像情報を取得して当該画像情報中の陳列商品の特徴を抽出し、その特徴を有する商品、すなわち陳列商品に対応する商品の商品情報を商品DB310cから抽出して顧客端末2の画面に表示する。
【0039】
なお、本実施形態では、上述した商品情報リンク先接続処理部21と商品情報抽出処理部302を総称して第一の商品情報検索処理部とし、商品情報リンク先接続処理部21及び商品情報抽出処理部302による処理を総称して第一の商品情報検索処理とする。
【0040】
第二の商品情報検索処理部303は、顧客端末2から商品の検索要求をWeb上で受け付けて、検索結果を顧客端末2に送信する処理を行う。この処理は、従来公知のWebサイトでの検索処理で、顧客端末2が情報処理サーバ3にアクセスすると所定のショッピングWebサイトが表示され、当該Webサイト上で顧客端末2から商品の検索要求を受け付け、その検索結果が顧客端末2の画面に表示される。なお、第二の商品情報検索処理部303による商品情報の検索処理を第二の商品情報検索処理とする。
【0041】
決済方法管理部304は、上記第一の商品情報検索処理部又は第二の商品情報検索処理部303の検索処理による商品情報に係る商品の購入要求を顧客端末2から受け付けて、商品代金の決済方法の選択を顧客端末2に促す処理を行う。本実施形態では、決済方法管理部304は、商品代金を上記リアル店舗で支払うか、又はWebサイトで支払うかを顧客に選択させる支払方法選択画面を顧客端末2に表示させる。
【0042】
購入商品受取方法管理部305は、後述する第二の決済処理部306の決済処理に係る商品をリアル店舗又は配送で受け取るか何れかの購入商品受取方法の選択を顧客端末2に促す処理を行う。本実施形態では、購入商品受取方法管理部305は、第二の決済処理部306による決済処理が完了した商品をリアル店舗で受け取るか、又は配送で受け取るかを顧客に選択させる購入商品受取方法選択画面を顧客端末2に表示させる。
【0043】
第二の決済処理部306は、第二の商品情報検索処理部303の検索処理による商品情報に係る商品の購入要求を顧客端末2から受け付けて、商品代金の決済処理を行う。この処理は従来公知のWebサイトでの決済処理で、上記ショッピングWebサイト上で顧客端末2からの商品の購入要求を受け付け、決済方法の指示にしたがって従来公知のクレジット決済、各種のオンライン決済サービス等の商品代金の決済処理が行われる。
【0044】
購入済商品ステータス通知処理部307は、情報処理サーバ3が提供する上記ショッピングWebサイトにおいて決済処理が行われた、あるいは、顧客端末2と事業者システム4のPOSシステムとの間で決済処理が行われた上記陳列商品に対応する商品について、その在庫に関する情報を、図示していない商品在庫管理処理部から逐次取得して当該決済処理に係る商品のステータスを顧客端末2に通知する処理を行う。
【0045】
本実施形態では、上記商品の梱包等、引き渡し又は発送の準備が完了した時点で、従来公知の在庫管理システムにおいて上記商品の在庫等、商品情報が更新され、当該更新情報が情報処理サーバ3へ送信される。購入済商品ステータス通知処理部307は、当該更新情報に基づいてバーコードのような一次元コードあるいはQRコード(登録商標)のような二次元コードといった引き渡しに係る商品情報が含まれている購入商品受取用コードを生成し、顧客端末2の画面に表示する、又は引き渡しもしくは発送の準備が完了した旨のメッセージを顧客端末2に送信する。
【0046】
顧客端末位置情報取得処理部308は、顧客端末2から当該顧客端末2の位置情報を取得する処理を行う。
【0047】
本実施形態では、以下の位置情報の少なくとも一方を取得する。
・上記リアル店舗が入居している商業施設を中心とした所定のエリア内に位置する顧客端末2の位置情報
例えば、上記商業施設を中心として半径5kmの範囲内において、上記ショッピングサービスに係るアプリケーションソフトウェアが起動している顧客端末2の位置情報を取得する。この顧客端末2の位置情報は、上記GPS受信デバイスによって測定された顧客端末2の現在位置である。
・上記リアル店舗内に位置する顧客端末2の位置情報
【0048】
上記リアル店舗内において、上記ショッピングサービスに係るアプリケーションソフトウェアが起動している顧客端末2の位置情報を取得する。この顧客端末2の位置情報は、上記ジャイロセンサ、加速度センサによって推定された顧客端末2の現在位置や、上記地磁気センサ又はリアル店舗内に設置されたビーコンから受信した信号のいずれか一方によって精度が補強された顧客端末2の現在位置である。
【0049】
データ分析処理部309は、顧客端末2の位置情報、事業者システム4の顧客画像情報取得部42が取得した顧客画像情報、顧客端末2のユーザアカウントに紐づく商品情報の検索・閲覧履歴及び当該検索・閲覧履歴に係る商品の購入履歴を分析して、上記リアル店舗に提供するファネル分析データを算出する処理を行う。
【0050】
本実施形態では、顧客端末2のユーザアカウントに紐づく商品情報の検索・閲覧履歴として以下の情報がファネル分析データの算出に使用される。
・上記第一の商品情報検索処理部の第一の商品情報検索処理による商品情報の検索履歴及び顧客端末2での当該商品情報の閲覧時間等の閲覧履歴
【0051】
なお、第二の商品情報検索処理部303の第二の商品情報検索処理によるWeb上での商品情報の検索履歴及び当該商品情報の閲覧時間等の閲覧履歴をファネル分析データの算出に使用することもできる。
【0052】
また、本実施形態では、上記検索・閲覧履歴に係る商品の購入履歴として以下の情報がファネル分析データの算出に使用される。
・上記リアル店舗に陳列されている陳列商品に対応する商品の購入履歴
上記購入履歴には、商品の代金の決済要求と決済処理の完了が含まれる。
【0053】
なお、第二の商品情報検索処理部303が顧客端末2からWeb上での商品の検索要求を受け付けて、当該検索要求に対応する商品情報の検索・閲覧履歴に係る商品の購入履歴をファネル分析データの算出に使用することもできる。
【0054】
データ分析処理部309は、本実施形態では一例として以下のファネル分析データを算出する。
(第一のファネル分析データ)
・上記リアル店舗が入居している商業施設を中心とした所定のエリア内に位置する顧客端末2の位置情報に基づく、上記エリア内の顧客数(通行者数)
・上記リアル店舗内に位置する顧客端末2の位置情報又は事業者システム4の顧客画像情報取得部42が取得した顧客画像情報の何れか一方に基づく、上記通行者数に対する上記リアル店舗内の顧客数(入店者数)
・上記第一の商品情報検索処理部の第一の商品情報検索処理による商品情報の検索履歴に基づく、上記入店者数に対する陳列商品に対応する商品の商品情報の検索操作及び閲覧操作を行った顧客数(検索・閲覧者数)
・上記リアル店舗に陳列されている陳列商品に対応する商品の購入履歴のうち、商品の代金の決済要求に基づく、上記検索・閲覧者数に対する商品の購入要求操作を行った顧客数(購入要求者数)
・上記リアル店舗に陳列されている陳列商品に対応する商品の購入履歴のうち、決済処理の完了に基づく、上記購入要求者数に対する商品を購入した顧客数(購入者数)
・入店者数/通行者数(入店率)
・検索・閲覧者数/入店者数(検索・閲覧率)
・購入要求者数/検索・閲覧者数(カート追加率)
・購入者数/購入要求者数(カート購入率)
・購入者数/入店者数(買上率)
【0055】
なお、上記リアル店舗内に位置する顧客端末2の位置情報のみを使用する場合において、上記ジャイロセンサ、加速度センサによって推定された顧客端末2の現在位置や、上記地磁気センサ又はリアル店舗内に設置されたビーコンから受信した信号のいずれか一方によって精度が補強された顧客端末2の現在位置に基づいて、リアル店舗内の顧客の滞在時間、移動経路といった顧客の行動を分析し、その結果を第一のファネル分析データに含めることで、事業者は商品ごとの顧客の閲覧傾向や販売傾向をより詳細に把握することができるとともに、顧客端末2にインストールされているアプリケーションソフトウェアのみでデータ分析に必要な情報の生成を完結することができる。
【0056】
(第二のファネル分析データ)
・情報処理サーバ3の上記ショッピングWebサイトへアクセスした顧客数(Webアクセス者数)
・第二の商品情報検索処理部51の第二の商品情報検索処理によるWeb上での商品情報の検索履歴に基づく、上記Webアクセス者数に対する商品情報の検索操作及び閲覧操作を行った顧客数(検索・閲覧者数)
・上記商品の購入履歴のうち商品の代金の決済要求に基づく、上記検索・閲覧者数に対する商品の購入要求操作を行った顧客数(購入要求者数)
・商品の購入履歴のうち決済処理の完了に基づく、上記購入要求者数に対する商品を購入した顧客数(購入者数)
・検索・閲覧者数/Webアクセス者数(検索・閲覧率)
・購入要求者数/検索・閲覧者数(カート追加率)
・購入者数/購入要求者数(カート購入率)
・購入者数/Webアクセス者数(CVR)
【0057】
(第三のファネル分析データ)
・情報処理サーバ3の上記ショッピングWebサイトへアクセスした顧客数に対する上記リアル店舗に来店した顧客数の割合(ECサイトからリアル店舗への来店顧客数率)
・上記リアル店舗に来店した顧客数に対する情報処理サーバ3の上記ショッピングWebサイトへアクセスした顧客数の割合(リアル店舗からECサイトへの来店顧客数率)
・上記リアル店舗-ECサイト相互間における商品の検索・閲覧履歴、購入履歴及び顧客属性
【0058】
なお、上記リアル店舗に来店した顧客について、リアル店舗内に位置する顧客端末2の位置情報のうち、上記ジャイロセンサ、加速度センサによって推定された顧客端末2の現在位置や、上記地磁気センサ又はリアル店舗内に設置されたビーコンから受信した信号のいずれか一方によって精度が補強された顧客端末2の現在位置に基づいて、リアル店舗内の顧客の滞在時間、移動経路といった顧客の行動を分析し、その結果も第三のファネル分析データに含めることができる。
【0059】
記憶部310は以下のDBを構築する処理を行う。
・商業施設に入居する事業者のID、当該IDに紐づく事業者の名称、属性等を含む事業者情報を蓄積した事業者DB310a
・顧客の上記アプリケーションソフトウェアのアカウント情報、等の顧客情報を蓄積した顧客DB310b
・上記事業者が提供する商品のブランド名、商品の種類、販売価格、特徴、在庫数、リンク先、等を含む商品情報を上記事業者のIDに紐づけて蓄積した商品DB310c
・顧客端末位置情報取得部308が取得した顧客端末2の位置情報を上記顧客のアカウント情報に紐づけて蓄積した顧客端末位置情報DB310d
・上記第一の商品情報検索処理部及び上記第二の商品情報検索処理部51による商品情報の検索履歴及び顧客端末2での閲覧履歴を上記顧客のアカウント情報及び上記商品情報に紐づけて蓄積した商品情報検索・閲覧履歴DB310e
・上記商品情報の検索・閲覧履歴に係る商品の購入履歴を上記顧客のアカウント情報及び上記商品情報に紐づけて蓄積した商品購入履歴DB310f
・事業者システム4の顧客画像情報取得部42が取得した顧客画像情報を蓄積した顧客画像DB310g
【0060】
以下、
図4から
図13を参照して本実施形態の情報処理システム1の処理フローの一例を説明する。
【0061】
[リアル店舗での商品購入処理フロー(
図4―
図12)]
(S101)
顧客が顧客端末2を操作してサービス提供者が提供するショッピングサービスに係るアプリケーションソフトウェアを起動すると、
図4に示すような所定のホーム画面が表示される。
【0062】
(S102)
リアル店舗に陳列されている陳列商品に対応する商品を検索するため、上記ホーム画面から
図5(a)に示す陳列商品に付随しているQRコード(登録商標)を読み込む画面に遷移させる。上記QRコード(登録商標)を顧客端末2が備えるカメラで読み込むと、商品情報リンク先接続処理部21は、陳列商品に対応する商品の商品情報へのリンク先と顧客端末2とを接続し、
図6(a)に示すような上記陳列商品に対応する商品の商品情報を画面に表示する。
あるいは、上記ホーム画面から
図5(b)に示す陳列商品を撮影する画面に遷移させる。上記陳列商品を顧客端末2が備えるカメラで撮影すると、陳列商品の画像情報が情報処理サーバ3へ送信される。情報処理サーバ3の商品情報抽出処理部302は、上記画像情報中の陳列商品の特徴を抽出し、その特徴を有する商品、すなわち陳列商品に対応する商品の商品情報を商品DB310cから抽出して
図6(a)に示すように顧客端末2の画面に表示する。
顧客は
図6(a)及び
図6(b)に示すように商品情報を閲覧する。
【0063】
(S103)
顧客が
図6(a)及び
図6(b)に示す商品情報に係る商品の購入を希望する場合、顧客端末2を操作して商品の購入要求を選択する。
図6に示す例では、「バッグに入れる」の選択が商品の購入要求となる。
【0064】
(S104)
商品の購入要求が選択されると、決済方法管理部304によって、
図7(a)及び
図7(b)に示すような商品代金の支払方法の選択画面に遷移する。顧客が商品代金をリアル店舗で支払うことを希望する場合、
図7(b)に示す支払方法の選択画面において「店舗でお支払い」を選択する。
【0065】
(S105)
上記「店舗でお支払い」が選択されると、
図8(a)に示すような購入選択商品情報読取用コード生成の確認画面に遷移する。顧客が当該コード生成の発行を選択すると、購入選択商品情報読取用コード生成処理部22は、
図8(b)に示すような上記商品の属性や金額等の情報が含まれている購入選択商品情報読取用コードを生成し、顧客端末2の画面に表示する。
顧客は
図8(b)に示す購入選択商品情報読取用コードの表示画面をリアル店舗の支払カウンターで提示する。リアル店舗の店員は事業者システム4を構成する事業者端末あるいはリーダ端末を使用して購入選択商品情報読取用コードを読み込む。事業者システム4の第一の決済処理部41は、上記購入選択商品情報読取用コードが読み込まれることで顧客端末2から当該商品の購入要求を受け付けて、従来公知のクレジット決済、電子マネー決済、コード決済、等のキャッシュレスによる決済処理を行う。決済処理が完了すると、
図9(a)に示すような購入商品の引き渡しを準備している旨が画面に表示される。
【0066】
(S106)
第一の決済処理部41による決済処理が完了すると、事業者システム4から図示していない従来公知の在庫管理システムへ商品の注文情報が送信される。上記商品の梱包等、引き渡しの準備が完了した時点で、上記在庫管理システムにおいて上記商品の在庫等、商品情報が更新され、当該更新情報が情報処理サーバ3へ送信される。
情報処理サーバ3の購入済商品ステータス通知処理部307は、当該更新情報に基づいて
図9(b)に示すような引き渡しに係る商品情報が含まれている購入商品受取用コードを生成し、顧客端末2の画面に表示する。
顧客は
図9(b)に示す購入商品受取用コードの表示画面をリアル店舗の受取カウンターで提示する。リアル店舗の店員は事業者システム4を構成する事業者端末あるいはリーダ端末を使用して商品受取用コードを読み込み、商品を顧客に引き渡す。
上記商品の引き渡しが完了した時点で、上記在庫管理システムにおいて上記商品の在庫等、商品情報が更新され、当該更新情報が情報処理サーバ3へ送信される。
【0067】
(S107)
図7(b)において「Webページでお支払い」が選択されると、
図10(a)に示すような購入を選択した商品の確認画面に遷移する。顧客が「お支払い手続きへ進む」を選択すると、購入商品受取方法管理部305によって、
図10(b)に示すような購入商品の受取方法の選択画面に遷移する。当該選択画面において購入商品の受取方法が選択されると、図示していない所定の支払画面へと遷移する。
【0068】
(S108)
顧客は当該支払画面で従来公知のクレジット決済、各種のオンライン決済サービス、等の商品代金の決済方法を選択する。
第二の決済処理部306は、上記決済方法の指示にしたがって商品代金の決済処理を行う。
【0069】
(S109)
図10(b)に示す購入商品の受取方法の選択画面において「店舗受取」を選択していた場合、第二の決済処理部306による決済処理が完了すると、事業者システム4から図示していない従来公知の在庫管理システムへ商品の注文情報が送信される。上記商品の梱包等、引き渡しの準備が完了した時点で、上記在庫管理システムにおいて上記商品の在庫等、商品情報が更新され、当該更新情報が情報処理サーバ3へ送信される。
情報処理サーバ3の購入済商品ステータス通知処理部307は、当該更新情報に基づいて
図11(a)に示すような注文情報に係る商品の引き渡しの準備が完了した旨のメッセージを顧客端末2に送信する。
顧客は
図11(a)に示すメッセージの表示画面をリアル店舗の受取カウンターで提示する。リアル店舗の店員はメッセージ中の注文情報を確認し、商品を顧客に引き渡す。
上記商品の引き渡しが完了した時点で、上記在庫管理システムにおいて上記商品の在庫等、商品情報が更新され、当該更新情報が情報処理サーバ3へ送信される。
【0070】
(S110)
図10(b)に示す購入商品の受取方法の選択画面において「発送」を選択していた場合、第二の決済処理部306による決済処理が完了すると、事業者システム4から図示していない従来公知の在庫管理システムへ商品の注文情報が送信される。上記商品の梱包等、発送の準備が完了した時点で、上記在庫管理システムにおいて上記商品の在庫等、商品情報が更新され、当該更新情報が情報処理サーバ3へ送信される。
情報処理サーバ3の購入済商品ステータス通知処理部307は、当該更新情報に基づいて
図11(b)に示すような注文情報に係る商品の発送の準備が完了した旨のメッセージを顧客端末2に送信する。
顧客は所定の流通業者より注文情報に係る商品を受領する。上記商品の発送が完了した時点で、上記在庫管理システムにおいて上記商品の在庫等、商品情報が更新され、当該更新情報が情報処理サーバ3へ送信される。
【0071】
[ファネル分析処理フロー(
図13)]
(S201A)
顧客端末測位処理部23は、以下の方法で顧客端末2の現在位置を計測する処理を行う。
・リアル店舗が入居している商業施設を中心とした所定のエリア内に位置し、ショッピングサービスに係るアプリケーションソフトウェアが起動している顧客端末2が備えるGPS受信デバイスによって顧客端末2の現在位置を測定する方法
・上記リアル店舗内に位置し、ショッピングサービスに係るアプリケーションソフトウェアが起動している顧客端末2が備える上記ジャイロセンサ、加速度センサによって顧客端末2の現在位置を推定する方法
・上記推定された顧客端末2の現在位置の精度を、当該顧客端末2が備える上記地磁気センサ又は上記リアル店舗内に設置されたビーコンから受信した信号のいずれか一方によって補強する方法
情報処理サーバ3の顧客端末位置情報取得処理部308は、顧客端末2から上記顧客端末2の現在位置についての位置情報を取得する処理を行う。
取得した顧客端末2の位置情報は顧客端末位置情報DB310dに格納される。
データ分析処理部309は顧客端末の位置情報を顧客端末位置情報DB310dから取得する。
【0072】
(S201B)
事業者システム4の顧客画像情報取得部42は、リアル店舗内の顧客の画像情報を取得する処理を行う。取得した顧客の画像情報は顧客画像DB310gに格納される。
データ分析処理部309はリアル店舗内の顧客の画像情報を顧客画像DB310gから取得する。
【0073】
(S201C)
記憶部310は、第一の商品情報検索処理部の第一の商品情報検索処理による商品情報についての顧客端末2における検索履歴及び顧客端末2での閲覧履歴を商品情報検索・閲覧履歴DB310eに格納する。
また、記憶部310は、第二の商品情報検索処理部303の第二の商品情報検索処理によるWeb上での商品情報についての顧客端末2における検索履歴及び閲覧履歴を商品情報検索・閲覧履歴DB310eに格納する。
データ分析処理部309は上記商品情報の検索・閲覧履歴を商品情報検索・閲覧履歴DB310eから取得する。
【0074】
(S201D)
記憶部310は、リアル店舗に陳列されている陳列商品に対応する商品の顧客ごとの購入履歴を商品購入履歴DB310fに格納する。
また、記憶部310は、Webサイトで提供されている商品の顧客ごとの購入履歴を商品購入履歴DB310fに格納する。
データ分析処理部309は上記商品の顧客ごとの購入履歴を商品購入履歴DB310fから取得する。
【0075】
(S201E)
データ分析処理部309は、顧客端末2の位置情報、事業者システム4の顧客画像情報取得部42が取得した顧客画像情報、顧客端末2のユーザアカウントに紐づく商品情報の検索・閲覧履歴及び当該検索・閲覧履歴に係る商品の購入履歴を分析して、リアル店舗に提供する上述したファネル分析データを算出する処理を行う。
【0076】
以上、本実施形態の情報処理システムでは、リアル店舗で買い物をする場合、陳列商品に関する情報を顧客端末のカメラで読み込み、あるいは陳列商品をカメラで撮影することで、陳列商品に対応する商品の情報が顧客端末に表示され、顧客端末で決済処理の指示を行う仕組みを採用している。そのため、顧客にとって会計待ちといった混雑状況を避け、ECサイトで閲覧した商品をリアル店舗で実際に確認しながら複数の店舗を回遊してキャッシュレスで買い物をし、リアル店舗あるいは配送で商品を受け取ることができるといった利便性が高く、ECサイトとリアル店舗間でシームレスに行き来可能なシステムとなっている。
【0077】
また、本実施形態では、商業施設を中心とした所定の範囲内あるいはリアル店舗内の顧客端末の位置情報と、リアル店舗及びECサイトでの商品検索・閲覧履歴と、リアル店舗及びECサイトでの商品の購入履歴に基づいて、リアル店舗ごとにファネル分析を行う仕組みを採用している。そのため、事業者にとってはリアル店舗における顧客の購買行動の詳細な分析データを得ることができるシステムとなっている。
【0078】
以上、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載から把握される技術的範囲において種々の形態に変更可能である。
【0079】
例えば、情報処理サーバ3が顧客端末2ごとの商品の購入金額に応じた特典(割引ポイントなど)を顧客のアカウントに付与し、第一の決済処理部41又は第二の決済処理部306が商品代金の決済処理を行う際に当該特典を使用する構成を備えてもよい。
【0080】
また、例えば、情報処理サーバが上記各ファネル分析データに基づいて、顧客属性等に対応した商品の販促情報(おすすめ商品情報やクーポンなど)を顧客のアカウントに付与する構成を備えてもよい。
【符号の説明】
【0081】
1 情報処理システム
5 通信ネットワーク