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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129459
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】スイッチ装置
(51)【国際特許分類】
   H01H 23/28 20060101AFI20240919BHJP
【FI】
H01H23/28
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038680
(22)【出願日】2023-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】000222934
【氏名又は名称】東洋電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【弁理士】
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】永田 一希
(72)【発明者】
【氏名】山本 一嘉
【テーマコード(参考)】
5G035
【Fターム(参考)】
5G035CA03
5G035CB04
5G035KA02
5G035KA06
(57)【要約】
【課題】微電流負荷に対応することができるスイッチ装置を提供すること。
【解決手段】本発明のスイッチ装置は、第一スイッチ20と、第一スイッチと接点構造の異なる第二スイッチ40と、操作により中立位置から第一方向Y1あるいは第一方向とは反対方向である第二方向Y2に揺動する操作部10と、操作部の揺動に応じて回転し第二スイッチ40のオンオフ状態を切り替える回転部材30と、を備え、操作部10が第一方向Y1に揺動したときに第一スイッチ20がオン状態となり、操作部10が第二方向Y2に揺動したときに回転部材30が回転してオン状態である第二スイッチ40がオフ状態となるよう構成されている。
【選択図】図2


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一スイッチと、
前記第一スイッチと接点構造の異なる第二スイッチと、
操作により中立位置から第一方向あるいは当該第一方向とは反対方向である第二方向に揺動する操作部と、
前記操作部の揺動に応じて回転し、前記第二スイッチのオンオフ状態を切り替える回転部材と、
を備え、
前記操作部が前記第一方向に揺動したときに前記第一スイッチがオン状態となり、前記操作部が前記第二方向に揺動したときに前記回転部材が回転してオン状態である前記第二スイッチがオフ状態となるよう構成されている、
スイッチ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のスイッチ装置であって、
前記操作部は、操作により前記第一方向に揺動した後に操作が解除された場合に、前記中立位置に復帰するよう構成されており、
前記操作部が操作により前記第二方向に揺動して前記回転部材が回転することにより前記第二スイッチがオフ状態となった後に操作が解除された場合、当該第二スイッチはオフ状態のままとなるよう構成されている、
スイッチ装置。
【請求項3】
請求項2に記載のスイッチ装置であって、
前記操作部が操作により前記中立位置から前記第一方向に揺動したときに、前記第一スイッチがオン状態となると共に前記第二スイッチがオン状態となるよう構成されており、その後、前記操作部の操作が解除されることで当該操作部が中立位置に復帰したときに前記第二スイッチはオン状態のままとなるよう構成されている、
スイッチ装置。
【請求項4】
請求項3に記載のスイッチ装置であって、
前記操作部は、操作面とは反対面側で揺動する揺動部材と、前記揺動部材が前記回転部材に当接するよう当該回転部材に対して付勢する弾性部材と、を備えた、
スイッチ装置。
【請求項5】
請求項4に記載のスイッチ装置であって、
前記回転部材の前記揺動部材が当接する当接面に、前記操作部が中立位置、前記第一方向への揺動位置、及び、前記第二方向への揺動位置、にそれぞれ位置する際に、前記揺動部材がそれぞれ当接する当接箇所が形成されている、
スイッチ装置。
【請求項6】
請求項5に記載のスイッチ装置であって、
前記操作部が中立位置に位置する際に前記揺動部材が前記回転部材に当接する当接箇所は、前記揺動部材の揺動が係止されるよう構成されている、
スイッチ装置。
【請求項7】
請求項5に記載のスイッチ装置であって、
前記操作部が前記第一方向への揺動位置に位置する際に前記揺動部材が前記回転部材に当接する当接箇所は、前記操作部が中立位置に復帰するように前記揺動部材を揺動させるよう構成されている、
スイッチ装置。
【請求項8】
請求項5に記載のスイッチ装置であって、
前記操作部が前記第二方向への揺動位置に位置する際に前記揺動部材が前記回転部材に当接する当接箇所は、前記揺動部材の揺動が係止されるよう構成されている、
スイッチ装置。
【請求項9】
請求項1に記載のスイッチ装置であって、
前記回転部材に、前記第二スイッチの可動接点が設けられている、
スイッチ装置。
【請求項10】
請求項1に記載のスイッチ装置であって、
前記第一スイッチは、ラバーコンタクト接点構造で構成されており、
前記第二スイッチは、金属接点構造で構成されている、
スイッチ装置。
【請求項11】
請求項1に記載のスイッチ装置であって、
前記第一スイッチは、オン状態で車両の原動機の始動指令を発するスイッチであり、
前記第二スイッチは、オン状態で車両の原動機が走行可動である信号を発するスイッチである、
スイッチ装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの装置を操作可能なスイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動二輪車などの車両においては、原動機を始動させるときにオン状態となる始動スイッチと、走行可能である場合にオン状態となる走行スイッチと、がある。そして、これら2つの操作対象となる装置であるスイッチは、原動機の始動とその後の走行に関連するため、1つのスイッチ装置で操作可能なよう構成されることが望ましい。
【0003】
ここで、2つの装置を操作するスイッチ装置が、特許文献1に開示されている。特許文献1では、車両に設けられた前照灯をハイビームとするスイッチと、前照灯をロービームとするスイッチとからなる装置が、1つの揺動するスイッチノブで操作可能であることが開示されている。具体的に、特許文献1では、スイッチノブの揺動に応じて金属端子である可動接点が揺動し、各揺動位置において可動接点がハイビーム用とロービーム用との固定接点にそれぞれ摺動接触するよう構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許5824234号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に記載の構成では、防水構造となっていないため、大電流負荷には対応可能であるが、微電流負荷に対応することが困難であった。
【0006】
このため、本発明の目的は、上述した課題である、微電流負荷に対応することができるスイッチ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一形態であるスイッチ装置は、
第一スイッチと、
前記第一スイッチと接点構造の異なる第二スイッチと、
操作により中立位置から第一方向あるいは当該第一方向とは反対方向である第二方向に揺動する操作部と、
前記操作部の揺動に応じて回転し、前記第二スイッチのオンオフ状態を切り替える回転部材と、
を備え、
前記操作部が前記第一方向に揺動したときに前記第一スイッチがオン状態となり、前記操作部が前記第二方向に揺動したときに前記回転部材が回転してオン状態である前記第二スイッチがオフ状態となるよう構成されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、以上のように構成されることにより、上述した課題である、微電流負荷に対応することができるスイッチ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1の実施形態におけるスイッチ装置の要部を示す図である。
図2図1に開示したスイッチ装置の内部構成を示す図である。
図3図1に開示したスイッチ装置の内部構成を示す図である。
図4図1に開示したスイッチ装置の動作の様子を示す図である。
図5図1に開示したスイッチ装置の動作の様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施形態1>
本発明の第1の実施形態を、図1乃至図5を参照して説明する。図1乃至図3は、スイッチ装置の構成を説明するための図であり、図4乃至図5は、スイッチ装置の動作を説明するための図である。
【0011】
[構成]
本発明におけるスイッチ装置は、自動二輪車などの車両において原動機を始動させるときにオン状態となる始動スイッチと、走行可能である場合にオン状態となる走行スイッチと、を備えたものである。そして、これら2つの操作対象となる装置であるスイッチは、原動機の始動とその後の走行に関連するため、図1に示すように、1つのスイッチ装置で操作可能なよう構成されており、自動二輪車のハンドルバーに搭載される。但し、本発明におけるスイッチ装置は、自動二輪車のハンドルバーに搭載されることに限定されず、車両のいかなる場所に装備されていてもよい。なお、図2は、スイッチ装置を側方から見た内部構造の断面図を示しており、図3は、スイッチ装置を上方から内部構造を示している。また、図4乃至図5は、スイッチ装置を操作したときの様子を示している。
【0012】
図1及び図2に示すように、スイッチ装置は、自動二輪車の運転者による操作部10を備えている。操作部10は、自動二輪車の前後方向に延びる操作面が上面に形成されており、操作者から見て前後方向に揺動するよう装備されている。具体的に、操作部10の操作面には、自動二輪車の後方側つまり運転者が位置する側に、上述した始動スイッチ及び走行スイッチをオンにし原動機を始動させる際に操作するスタート操作面11が形成されており、図1及び図2の矢印Y1方向である第一方向に押圧操作可能である。これにより、操作部10は、図2に示す中立位置においてスタート操作面11が第一方向Y1に押圧操作されることで、時計回りに回転揺動するよう構成されている。また、操作部10の操作面には、自動二輪車の前方側に、上述した走行スイッチをオフにし原動機を停止させる際に操作するキル操作面12が形成されており、図1及び図2の矢印Y2方向である第一方向とは反対方向の第二方向に押圧操作可能である。これにより、操作部10は、図2に示す中立位置から第二方向Y2に押圧操作されることで、反時計回りに回転揺動するよう構成されている。
【0013】
また、操作部10の操作面とは反対面側である下面側には、下方に向かって延びる揺動ピン13(揺動部材)が設けられている。揺動ピン13は、操作部10の前後方向における中心位置に設けられており、操作部10の回転揺動に伴い、揺動するよう構成されている。つまり、揺動ピン13の先端は、図4に示すように操作部10が第一方向Y1に押圧操作されると、同様に第一方向Y1つまり時計回りに揺動回転し、図5に示すように操作部10が第二方向Y2に押圧操作されると、同様に第二方向Y2つまり反時計回りに揺動回転することとなる。
【0014】
なお、揺動ピン13は、操作部10に対して圧縮バネ14(弾性部材)を介して取り付けられている。つまり、揺動ピン13は、下方つまり先端方向に向かって圧縮バネ14による押圧力が付勢された状態となる。なお、圧縮バネ14の代わりにいかなる弾性部材が設けられていてもよい。
【0015】
そして、揺動ピン13の下方つまり先端側には、揺動ピン13の先端が当接する回転部材30が装備されている。回転部材30は、自動二輪車の前後方向に沿って延びる部材であり、前後方向の中心に回転軸30aが位置し、かかる回転軸30aを中心に回転するよう構成されている。そして、回転部材30の上面側つまり操作部10側は、揺動ピン13の先端が当接する当接面を形成している。回転部材30の当接面は、上述した圧縮バネ14により揺動ピン13の先端が当接して、当該揺動ピン13の先端にて常に押圧された状態となっている。
【0016】
回転部材30の当接面には、揺動ピン13の回転揺動の位置に応じて当該揺動ピン13がそれぞれ当接する各当接箇所が形成されている。まず、回転部材30の回転軸30aよりやや前方側における当接面には、凹状の当接面である中立当接面が形成されている。かかる中立当接面は、操作部10が中立位置に位置している際に揺動ピン13の先端が当接する箇所となる。そして、中立当接面は凹状に形成されているため、揺動ピン13が凹状部位内に嵌った状態となり、揺動ピン13の揺動動作が係止されることとなる。
【0017】
また、回転部材30の回転軸30aより前方側であり、さらに中立当接面よりも前方側の端部付近の当接面には、中立当接面である凹状部位に向かって傾斜した傾斜面を有する第一当接面が形成されている。かかる第一当接面は、図4に示すように操作部10が第一方向Y1に押圧操作された際に揺動ピン13の先端が当接することとなる。このとき、揺動ピン13は、圧縮バネ14により押圧された状態であり、揺動ピン13の先端は第一当接面を押圧した状態となる。このため、操作部10に対する第一方向Y1への押圧操作が解除されると、揺動ピン13の先端は第一当接面における傾斜面に沿って凹状部位である中立当接面に移動することとなる。つまり、回転部材30の第一当接面が傾斜面で形成され、凹状部位である中立当接面に連続していることにより、操作部10は第一方向Y1への押圧操作が解除されると、図4に示す状態から図2に示すように中立位置に復帰することとなる。
【0018】
また、回転部材30の回転軸30aよりやや後方側の当接面には、平坦あるいはやや凹状の第二当接面が形成されている。かかる第二当接面は、図5に示すように操作部10が第二方向Y2に押圧操作された際に揺動ピン13の先端が当接することとなる。これにより、回転部材30は、揺動ピン13の先端にて後方側が押圧された状態となり、時計回りに回転する回転力が付勢されることとなる。なお、このとき、揺動ピン13は、圧縮バネ14により押圧された状態であり、揺動ピン13の先端は第二当接面を押圧した状態となる。このため、操作部10に対する第二方向Y2への押圧操作が解除された場合であっても、第二当接面が平坦あるいはやや凹状に形成されていることで、揺動ピン13の先端が第二当接面の位置に留まり、揺動ピン13の揺動動作が係止されることとなる。
【0019】
また、スイッチ装置は、その内部に、始動スイッチ20と走行スイッチ40といった2つの操作対象となる装置を備えている。始動スイッチ20は、図2及び図3に示すように、操作部10のスタート操作面11の下方に配置されている。本実施形態では、始動スイッチ20は、ラバーコンタクト接点構造にて構成されており、防水性を有し、微電流負荷となっている。そして、始動スイッチ20は、操作部10のスタート操作面11が第一方向Y1に押圧操作されることで、スタート操作面11の裏面側に位置する突起にて押圧されて接点がオン状態となる。なお、始動スイッチ20は、スタート操作面11に対する第一方向Y1への押圧操作が解除されると、接点がオフ状態となる。
【0020】
走行スイッチ40は、図2及び図3に示すように、操作部10のキル操作面12の下方に配置されている。本実施形態では、走行スイッチ40は、金属接点構造で構成されており、大電流負荷となっている。具体的に、走行スイッチ40は、図2及び図3に示すように、回転部材30に連結して回転部材30の前方側の端部から突出する可動接点41と、回転部材30の前方側の端部に隣接して位置する固定接点42と、により構成されている。これにより、走行スイッチ40は、操作部10のスタート操作面11が第一方向Y1に押圧操作されることで、図4に示すように回転部材30の前方側の端部が押圧されている状態であり、回転部材30に連結された可動接点41が固定接点42に接触してオン状態となる。また、走行スイッチ40は、その後に操作部10のスタート操作面11に対する第一方向Y1への押圧操作が解除されて図2に示すように操作部10が中立位置に復帰した場合であっても、回転部材30の前方側の押圧は維持された状態となり、走行スイッチ40はオン状態のままとなる。一方で、走行スイッチ40は、操作部10のキル操作面12が第二方向Y2に押圧操作されることで、図5に示すように回転部材30が時計回りに回転し、回転部材30に連結された可動接点41が固定接点42から離間して非接触となり、オフ状態となる。
【0021】
[動作]
次に、上述したスイッチ装置が操作されたときの動作を、主に図2図4図5を参照して説明する。まずはじめに、自動二輪車の原動機を始動するときの動作を説明する。
【0022】
運転者は原動機を始動するときには、図4に示すように、操作部10のスタート操作面11を第一方向Y1に押圧操作する。これにより、操作部10のスタート操作面11の裏面側に位置する突起等の部材を介して、始動スイッチ20が矢印Y3に示すように下方に押圧されてオン状態となる。このとき、操作部10の第一方向Y1への回転揺動に応じて、図4に示すように揺動ピン13の先端が回転部材30の前方側の端部付近である第一当接面に当接して押圧したままの状態であり、回転部材30に連結された可動接点41が固定接点42に接触してオン状態となる。このように、運転者がスタート操作面11を第一方向Y1に押圧操作することで、始動スイッチ20と走行スイッチ40とが同時にオン状態となり、原動機が始動することとなる。
【0023】
原動機の始動後に、運転者は操作部10のスタート操作面11の第一方向Y1への押圧操作を解除する。すると、圧縮バネ14により押圧された状態の揺動ピン13は、回転部材30の当接面上において、先端が当接している第一当接面の傾斜面に沿って凹状部位である中立当接面に移動することとなる。つまり、図2に示すように、揺動ピン13の先端が回転部材30の凹状部位に移動し、操作部10が中立位置に復帰する。このとき、回転部材30の回転は維持された状態となり、走行スイッチ40はオン状態のままとなる。一方で、始動スイッチ20は操作部10のスタート操作面11の裏面側による押圧が解除されるため、オフ状態となる。このように、運転者がスタート操作面11を第一方向Y1に押圧操作してかかる操作を解除した場合には、始動スイッチ20はオフ状態となるが、走行スイッチ40はオン状態のまま維持されることとなり、原動機が走行可能な状態で維持される。
【0024】
その後、運転者が走行状態を停止するときには、図5に示すように、操作部10のキル操作面12を第二方向Y2に押圧操作する。これにより、操作部10の第二方向Y2への回転揺動に応じて、図5に示すように揺動ピン13の先端が回転部材30の回転軸30aよりも後方側である第二当接面に当接して押圧することとなり、回転部材30が矢印Y4に示すように時計回りに回転する。これにより、走行スイッチ40は、回転部材30に連結された可動接点41が固定接点42から離間して非接触となり、オフ状態となる。このように、運転者がキル操作面12を第二方向Y2に押圧操作することで、走行スイッチ40がオフ状態となり、走行状態が停止されることとなる。
【0025】
以上のように、本発明のスイッチ装置は、2つの接点構造が異なる始動スイッチ20と走行スイッチ40といった2つの操作対象となる装置を装備することができる。このため、1つのスイッチを防水構造として微電流負荷に対応しつつ、もう1つを金属接点にて大電流に対応することができる。また、本発明のスイッチ装置は、操作部10の揺動位置に応じて揺動ピン13が当接する回転部材30を設けることで、運転者による操作性の向上を図り、操作部10の中立位置への復帰やかかる位置での維持を実現でき、さらには、走行スイッチ40の接点構造を実現している。その結果、部品点数を削減して小型化や低コスト化を図ることができる。
【0026】
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうる。以下、本発明における操作装置の概略を説明する。但し、本発明は、以下の構成に限定されない。
(付記1)
第一スイッチと、
前記第一スイッチと接点構造の異なる第二スイッチと、
操作により中立位置から第一方向あるいは当該第一方向とは反対方向である第二方向に揺動する操作部と、
前記操作部の揺動に応じて回転し、前記第二スイッチのオンオフ状態を切り替える回転部材と、
を備え、
前記操作部が前記第一方向に揺動したときに前記第一スイッチがオン状態となり、前記操作部が前記第二方向に揺動したときに前記回転部材が回転してオン状態である前記第二スイッチがオフ状態となるよう構成されている、
スイッチ装置。
(付記2)
付記1に記載のスイッチ装置であって、
前記操作部は、操作により前記第一方向に揺動した後に操作が解除された場合に、前記中立位置に復帰するよう構成されており、
前記操作部が操作により前記第二方向に揺動して前記回転部材が回転することにより前記第二スイッチがオフ状態となった後に操作が解除された場合、当該第二スイッチはオフ状態のままとなるよう構成されている、
スイッチ装置。
(付記3)
付記2に記載のスイッチ装置であって、
前記操作部が操作により中立位置から前記第一方向に揺動したときに、前記第一スイッチがオン状態となると共に前記第二スイッチがオン状態となるよう構成されており、その後、前記操作部の操作が解除されることで当該操作部が中立位置に復帰したときに前記第二スイッチはオン状態のままとなるよう構成されている、
スイッチ装置。
(付記4)
付記3に記載のスイッチ装置であって、
前記操作部は、操作面とは反対面側で揺動する揺動部材と、前記揺動部材が前記回転部材に当接するよう当該回転部材に対して付勢する弾性部材と、を備えた、
スイッチ装置。
(付記5)
付記4に記載のスイッチ装置であって、
前記回転部材の前記揺動部材が当接する当接面に、前記操作部が中立位置、前記第一方向への揺動位置、及び、前記第二方向への揺動位置、にそれぞれ位置する際に、前記揺動部材がそれぞれ当接する当接箇所が形成されている、
スイッチ装置。
(付記6)
付記5に記載のスイッチ装置であって、
前記操作部が中立位置に位置する際に前記揺動部材が前記回転部材に当接する当接箇所は、前記揺動部材の揺動が係止されるよう構成されている、
スイッチ装置。
(付記7)
付記5に記載のスイッチ装置であって、
前記操作部が前記第一方向への揺動位置に位置する際に前記揺動部材が前記回転部材に当接する当接箇所は、前記操作部が中立位置に復帰するように前記揺動部材を揺動させるよう構成されている、
スイッチ装置。
(付記8)
付記5に記載のスイッチ装置であって、
前記操作部が前記第二方向への揺動位置に位置する際に前記揺動部材が前記回転部材に当接する当接箇所は、前記揺動部材の揺動が係止されるよう構成されている、
スイッチ装置。
(付記9)
付記1に記載のスイッチ装置であって、
前記回転部材に、前記第二スイッチの可動接点が設けられている、
スイッチ装置。
(付記10)
付記1に記載のスイッチ装置であって、
前記第一スイッチは、ラバーコンタクト接点構造で構成されており、
前記第二スイッチは、金属接点構造で構成されている、
スイッチ装置。
(付記11)
付記1に記載のスイッチ装置であって、
前記第一スイッチは、オン状態で車両の原動機の始動指令を発するスイッチであり、
前記第二スイッチは、オン状態で車両の原動機が走行可動である信号を発するスイッチである、
スイッチ装置。
【0027】
以上、上記実施形態等を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の範囲内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0028】
10 操作部
11 スタート操作面
12 キル操作面
13 揺動ピン
14 圧縮バネ
20 始動スイッチ
30 回転部材
30a 回転軸
40 走行スイッチ
41 可動接点
42 固定接点


図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-09-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一スイッチと、
前記第一スイッチと接点構造の異なる第二スイッチと、
操作により中立位置から第一方向あるいは当該第一方向とは反対方向である第二方向に揺動する操作部と、
前記操作部の揺動に応じて回転し、前記第二スイッチのオンオフ状態を切り替える回転部材と、
を備え、
前記操作部が前記第一方向に揺動したときに前記第一スイッチがオン状態となり、前記操作部が前記第二方向に揺動したときに前記回転部材が回転してオン状態である前記第二スイッチがオフ状態となるよう構成され、
前記操作部は、操作により前記第一方向に揺動した後に操作が解除された場合に、前記中立位置に復帰するよう構成され、
前記操作部が操作により前記第二方向に揺動して前記回転部材が回転することにより前記第二スイッチがオフ状態となった後に操作が解除された場合、当該第二スイッチはオフ状態のままとなるよう構成され、
前記操作部が操作により前記中立位置から前記第一方向に揺動したときに、前記第一スイッチがオン状態となると共に前記第二スイッチがオン状態となるよう構成されており、その後、前記操作部の操作が解除されることで当該操作部が中立位置に復帰したときに前記第二スイッチはオン状態のままとなるよう構成されている、
スイッチ装置。
【請求項2】
請求項に記載のスイッチ装置であって、
前記操作部は、操作面とは反対面側で揺動する揺動部材と、前記揺動部材が前記回転部材に当接するよう当該回転部材に対して付勢する弾性部材と、を備えた、
スイッチ装置。
【請求項3】
請求項に記載のスイッチ装置であって、
前記回転部材の前記揺動部材が当接する当接面に、前記操作部が中立位置、前記第一方向への揺動位置、及び、前記第二方向への揺動位置、にそれぞれ位置する際に、前記揺動部材がそれぞれ当接する当接箇所が形成されている、
スイッチ装置。
【請求項4】
請求項に記載のスイッチ装置であって、
前記操作部が中立位置に位置する際に前記揺動部材が前記回転部材に当接する当接箇所は、前記揺動部材の揺動が係止されるよう構成されている、
スイッチ装置。
【請求項5】
請求項に記載のスイッチ装置であって、
前記操作部が前記第一方向への揺動位置に位置する際に前記揺動部材が前記回転部材に当接する当接箇所は、前記操作部が中立位置に復帰するように前記揺動部材を揺動させるよう構成されている、
スイッチ装置。
【請求項6】
請求項に記載のスイッチ装置であって、
前記操作部が前記第二方向への揺動位置に位置する際に前記揺動部材が前記回転部材に当接する当接箇所は、前記揺動部材の揺動が係止されるよう構成されている、
スイッチ装置。
【請求項7】
請求項1に記載のスイッチ装置であって、
前記回転部材に、前記第二スイッチの可動接点が設けられている、
スイッチ装置。
【請求項8】
請求項1に記載のスイッチ装置であって、
前記第一スイッチは、ラバーコンタクト接点構造で構成されており、
前記第二スイッチは、金属接点構造で構成されている、
スイッチ装置。
【請求項9】
請求項1に記載のスイッチ装置であって、
前記第一スイッチは、オン状態で車両の原動機の始動指令を発するスイッチであり、
前記第二スイッチは、オン状態で車両の原動機が走行可動である信号を発するスイッチである、
スイッチ装置。
【請求項10】
第一スイッチと、
前記第一スイッチと接点構造の異なる第二スイッチと、
操作により中立位置から第一方向あるいは当該第一方向とは反対方向である第二方向に揺動する操作部と、
前記操作部の揺動に応じて回転し、前記第二スイッチのオンオフ状態を切り替える回転部材と、
を備え、
前記操作部が前記第一方向に揺動したときに前記第一スイッチがオン状態となり、前記操作部が前記第二方向に揺動したときに前記回転部材が回転してオン状態である前記第二スイッチがオフ状態となるよう構成され、
前記第一スイッチは、ラバーコンタクト接点構造で構成されており、
前記第二スイッチは、金属接点構造で構成されている、
スイッチ装置。
【請求項11】
第一スイッチと、
前記第一スイッチと接点構造の異なる第二スイッチと、
操作により中立位置から第一方向あるいは当該第一方向とは反対方向である第二方向に揺動する操作部と、
前記操作部の揺動に応じて回転し、前記第二スイッチのオンオフ状態を切り替える回転部材と、
を備え、
前記操作部が前記第一方向に揺動したときに前記第一スイッチがオン状態となり、前記操作部が前記第二方向に揺動したときに前記回転部材が回転してオン状態である前記第二スイッチがオフ状態となるよう構成され、
前記第一スイッチは、オン状態で車両の原動機の始動指令を発するスイッチであり、
前記第二スイッチは、オン状態で車両の原動機が走行可動である信号を発するスイッチである、
スイッチ装置。