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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129469
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】建築物
(51)【国際特許分類】
   E04H 1/02 20060101AFI20240919BHJP
   E04B 1/18 20060101ALI20240919BHJP
【FI】
E04H1/02
E04B1/18 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038699
(22)【出願日】2023-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】木暮 優斗
【テーマコード(参考)】
2E025
【Fターム(参考)】
2E025AA01
2E025AA13
2E025AA22
(57)【要約】
【課題】外から室内が見え難い建築物を提供する。
【解決手段】複数階を有する建築物1は、1階10から2階20にかけて延びる第1外壁31Aと、第1外壁31Aに設けられる採光部40と、を備える。建築物1は、1階10の空間と2階20の空間とを連通させる連通部21を有する2階床22を備える。連通部21は、連通部21を通る吹き抜け部3が第1外壁31Aに沿って設けられるように構成される。採光部40は、吹き抜け部3に沿って1階10と2階20とにわたるように設けられる。採光部40の下端41は、1階10の高さLAの1/3よりも高いところに位置する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数階を有する建築物であって、
1階から2階にかけて延びる外壁と、前記外壁に設けられる採光部と、前記1階の空間と前記2階の空間とを連通させる連通部を有する2階床と、を備え、
前記連通部は、前記連通部を通る吹き抜け部が前記外壁に沿って設けられるように構成され、
前記採光部は、前記吹き抜け部に沿って前記1階と前記2階とにわたるように設けられ、
前記採光部の下端は、前記1階の高さの1/3よりも高いところに位置する、
建築物。
【請求項2】
前記採光部の下端は、前記1階の高さの4/5よりも低いところに位置する、
請求項1に記載の建築物。
【請求項3】
前記1階は、中間床を備え、
前記中間床は、前記外壁において前記採光部よりも下側の部分に配置され、かつ、前記外壁から水平に突出するように構成される、
請求項1に記載の建築物。
【請求項4】
前記1階には、前記中間床の付近において、スキップフロアが設けられる、
請求項3に記載の建築物。
【請求項5】
前記1階と前記2階とを繋ぐ階段をさらに備え、
前記階段は、前記外壁に沿うように前記採光部付近に設けられ、かつ、1階床から前記2階床の前記連通部に向かって延びる、
請求項1に記載の建築物。
【請求項6】
前記階段は、複数の踏板を備え、
前記踏板は、前記外壁によって片持ちで支持される、
請求項5に記載の建築物。
【請求項7】
前記1階から前記2階にわたる複数の通し柱をさらに備え、
複数の前記通し柱は、前記採光部以外の部分に設けられ、
前記採光部は、複数の前記通し柱のうちの第1通し柱と第2通し柱との間に配置され、
前記第1通し柱と前記第2通し柱とは、前記採光部の上に配置される第1横架材と、前記採光部の下に配置される第2横架材とによって連結される、
請求項1~6のいずれか一項に記載の建築物。
【請求項8】
複数階を有する建築物であって、
基礎と、前記基礎に設けられる外壁と、1階から2階にわたる複数の通し柱と、を備え、
複数の前記通し柱は、採光部以外の部分に設けられ、
前記採光部は、複数の前記通し柱のうちの第1通し柱と第2通し柱との間に配置され、
前記第1通し柱と前記第2通し柱とは、前記採光部の上に配置される第1横架材と、前記採光部の下に配置される第2横架材とによって連結される、
建築物。
【請求項9】
上梁と、前記第1横架材を支持する第1支持部材と、前記第2横架材を支持する第2支持部材と、をさらに備え、
複数の前記通し柱は、前記上梁と前記基礎との間に配置されて、前記上梁と前記基礎または前記基礎に設けられる土台とに繋がり、
前記第1支持部材は、前記第1横架材を支持し、
前記第2支持部材は、前記基礎または前記土台と前記第2横架材とに繋がる、
請求項8に記載の建築物。
【請求項10】
前記外壁としての第1外壁と異なる第2外壁を備え、
前記第2外壁は胴差を備える、
請求項8または9に記載の建築物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、建築物に関する。
【背景技術】
【0002】
建築物には、各階に採光部としての窓が設けられている。窓は、外壁に設けられる。各階の室内には、窓から光が採り入れられる。
【0003】
特許文献1に示される例では、光を採り入れる採光部として、1階から2階に吹き抜ける吹き抜け空間に面した開口部が設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-002592号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
1階に採光部が設けられた建築物、または、1階から2階にかけて延びる採光部が設けられた建築物では、外から室内が見える場合がある。例えば、採光部の周りに、塀または植栽などの外部の人の視線を遮る物が設けられていない場合、外から室内が見える。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上記課題を解決する建築物は、複数階を有する建築物であって、1階から2階にかけて延びる外壁と、前記外壁に設けられる採光部と、前記1階の空間と前記2階の空間とを連通させる連通部を有する2階床と、を備え、前記連通部は、前記連通部を通る吹き抜け部が前記外壁に沿って設けられるように構成され、前記採光部は、前記吹き抜け部に沿って前記1階と前記2階とにわたるように設けられ、前記採光部の下端は、前記1階の高さの1/3よりも高いところに位置する。この構成によれば、採光部が吹き抜け部に沿うように設けられる。そして、採光部の下端は、1階の高さの1/3よりも高いところに位置する。このため、室内の明るさを確保しながら外から室内が見え難くできる。
【0007】
(2)上記(1)の建築物において、前記採光部の下端は、前記1階の高さの4/5よりも低いところに位置する。この構成によれば、1階に入る自然光の量が少なくなることを抑制できる。
【0008】
(3)上記(1)または(2)の建築物において、前記1階は、中間床を備え、前記中間床は、前記外壁において前記採光部よりも下側の部分に配置され、かつ、前記外壁から水平に突出するように構成される。この構成によれば、1階において採光部が高い位置に設けられるため、採光部の近くが暗くなる。採光部に中間床を設けることによって、採光部の近くの空間を利用し易くできる。
【0009】
(4)上記(3)の建築物において、前記1階には、前記中間床の付近において、スキップフロアが設けられる。この構成によれば、スキップフロアが中間床の近くに配置されているため、居住者にとって中間床の利用の幅が広がる。
【0010】
(5)上記(1)~(4)のいずれか一つに記載の建築物において、前記1階と前記2階とを繋ぐ階段をさらに備え、前記階段は、前記外壁に沿うように前記採光部付近に設けられ、かつ、1階床から前記2階床の前記連通部に向かって延びる。この構成によれば、居住者は、階段を利用する際に採光部の近くを通る。このため、居住者は、採光部から外の景色を眺めることができる。
【0011】
(6)上記(5)の建築物において、前記階段は、複数の踏板を備え、前記踏板は、前記外壁によって片持ちで支持される。一般的な階段では、踏板は側板または側桁によって支持される。この点、上記構成によれば、外壁によって踏板が支持されている。これによって、室内空間を広く見せることができる。
【0012】
(7)上記(1)~(6)のいずれか一つの建築物において、前記1階から前記2階にわたる複数の通し柱をさらに備え、複数の前記通し柱は、前記採光部以外の部分に設けられ、前記採光部は、複数の前記通し柱のうちの第1通し柱と第2通し柱との間に配置され、前記第1通し柱と前記第2通し柱とは、前記採光部の上に配置される第1横架材と、前記採光部の下に配置される第2横架材とによって連結される。この構成によれば、1階と2階とにわたるように配置される採光部を有する外壁を構成できる。
【0013】
(8)上記課題を解決する建築物は、複数階を有する建築物であって、基礎と、前記基礎に設けられる外壁と、1階から2階にわたる複数の通し柱と、を備え、複数の前記通し柱は、採光部以外の部分に設けられ、前記採光部は、複数の前記通し柱のうちの第1通し柱と第2通し柱との間に配置され、前記第1通し柱と前記第2通し柱とは、前記採光部の上に配置される第1横架材と、前記採光部の下に配置される第2横架材とによって連結される。この構成によれば、1階と2階とにわたるように配置される採光部を備える建築物を提供できる。
【0014】
(9)上記(8)の建築物において、上梁と、前記第1横架材を支持する第1支持部材と、前記第2横架材を支持する第2支持部材と、をさらに備え、複数の前記通し柱は、前記上梁と前記基礎との間に配置されて、前記上梁と前記基礎または前記基礎に設けられる土台とに繋がり、前記第1支持部材は、前記第1横架材を支持し、前記第2支持部材は、前記基礎または前記土台と前記第2横架材とに繋がる。この構成によれば、第1横架材の周辺部分および第2横架材の周辺部分を補強できる。
【0015】
上記(10)上記(8)または(9)の建築物において、前記外壁としての第1外壁と異なる第2外壁を備え、前記第2外壁は胴差を備える。この構成によれば、第2外壁には胴差が設けられる。このため、第2外壁に設けられる柱の長さを第1外壁の通し柱よりも短くできる。短い柱は、鉛直方向に沿うように位置調整を行い易い。これによって、第2外壁を精度よく作ることができる。また、第2外壁が精度よく作ることができるため、第2外壁に直接または間接的に繋がる第1外壁も精度よく作ることができる。したがって、この構成によれば、第1外壁および第2外壁を通し柱によって構成する場合に比べて、第1外壁および第2外壁を精度良く作ることができる。
【発明の効果】
【0016】
本開示の建築物は、外から室内を見え難くできる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】複数の建築物の斜視図である。
図2】建築物の正面図である。
図3図2の3-3線に沿う建築物の断面図である。
図4図2の4-4線に沿う建築物の断面図である。
図5】実施形態について、建築物の室内の斜視図である。
図6】実施形態について、建築物の室内の斜視図である。
図7図2の7-7線に沿う建築物の断面図である。
図8図7の8-8線に沿う建築物の断面図である。
図9】実施形態について、建築物の構造の斜視図である。
図10】実施形態について、外壁の構造の正面図である。
図11】第1変形例について、建築物の構造の斜視図である。
図12】第2変形例について、建築物の構造の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1図10を参照して、建築物1について説明する。建築物1の一例は、戸建ての住宅、ホテル、レストラン、および公共施設である。本実施形態における建築物1は、戸建ての住宅である。
【0019】
図1を参照して、住宅街における1個の建築物1について説明する。建築物1は、隣の建築物2の近くに建てられる。この例では、建築物1と、建築物1の隣の建築物2との間には、高い塀または垣根が設けられていない。建築物1は、オープンな外構を含んでもよい。建築物1は、開放的に建てられる。
【0020】
建築物1は、複数階を有する。本実施形態においては、建築物1は2階建ての住宅である。隣の建築物2は2階建ての住宅である。
【0021】
図2図4に示されるように、建築物1は、少なくとも1つの外壁30を備える。建築物1は、外壁30として、第1外壁31Aを備える。第1外壁31Aは、1階10から2階20にかけて延びる。一例では、第1外壁31Aは、1階10から2階20にかけて鉛直方向に沿って真っ直ぐに延びる。
【0022】
建築物1は、光を採り入れる採光部40を備える。採光部40は、第1外壁31Aに設けられる。
【0023】
建築物1は、1階10の1階床11と、2階20の2階床22と、備える。2階床22は、吹き抜け部3を構成する連通部21を有する。
【0024】
建築物1は、さらに、第1外壁31Aとは別に、第1外壁31Aと異なる第2外壁31Bを備える。第2外壁31Bは、建築物1において室内空間を介して第1外壁31Aと反対側に設けられる。
【0025】
建築物1は、さらに、1階10の玄関扉15が設けられる第3外壁31Cと、第4外壁31Dとを備える。
第3外壁31Cおよび第4外壁31Dは、第1外壁31Aに直交するように設けられる。第4外壁31Dは、建築物1において室内空間を介して第3外壁31Cと反対側に設けられる。
第1外壁31Aは、1階10の第1部屋12に沿うよう設けられる。
【0026】
建築物1は、通常採光部45を備えてもよい。通常採光部45の例として、各階に通常の位置に設けられる窓が挙げられる。本実施形態では、第1外壁31Aの2階部分には、第1通常採光部45A、第2通常採光部45B、および、第4通常採光部45Dが設けられる。第3外壁31Cの2階部分には、第3通常採光部45Cが設けられる。さらに、第2外壁31Bにおいて2階部分には、第5通常採光部45E、第6通常採光部45F、および、第7通常採光部45Gが設けられる。
【0027】
<1階>
図3に示されるように、1階10には、第1外壁31Aに対向する第1内壁70が設けられる。1階10において、第1外壁31Aと第1内壁70との間に第1部屋12が設けられる。
【0028】
1階10の第1部屋12には、中間床13が設けられる。中間床13は、1階床11よりも高い位置に設けられる。中間床13は、第1外壁31Aにおいて採光部40よりも下側の部分に配置される。中間床13は、第1外壁31Aから水平に突出するように構成される。一例として、中間床13は、第1外壁31A、第3外壁31C、および、第1内壁70に沿うように構成される。中間床13は、複数の機能を有する。例えば、中間床13は、通路として機能する。中間床13は、棚として使用される。中間床13は、腰掛けようの椅子として使用される。中間床13は、テーブルとして使用されてもよい。また、中間床13において第1外壁31Aに沿う部分に、テーブル13Aを繋げてもよい。テーブル13Aは、中間床13と一体に構成されてもよい。一例では、テーブル13Aは、中間床13と同じ高さに構成されるとともに、中間床13に連続するように構成される。テーブル13Aは、中間床13の第1外壁31Aに沿う部分に直交する。テーブル13Aの周囲には、椅子13Bが配置される。
【0029】
本実施形態では、1階10には、中間床13の付近において、スキップフロア14が設けられる。本実施形態において、スキップフロア14は第3外壁31Cの近くに設けられる。スキップフロア14の端には、1階床11とスキップフロア14とを繋ぐ第1ステップ14Aが設けられている。第1ステップ14Aは、第3外壁31Cに向かってスキップフロア14に上るように配置されている。スキップフロア14の上には、第2ステップ14Bが設けられている。第2ステップ14Bは、スキップフロア14から第1外壁31Aに向かって中間床13に上るように配置されている。第2ステップ14Bの上面は、スキップフロア14から中間床13までの間に位置する。中間床13は、居住者が1階床11に足を付けた状態で中間床13に腰を掛けることができる高さに設けられる。
【0030】
第1部屋12において、洗い場18は、テーブル13Aに対してスキップフロア14と反対側に位置する。洗い場18は、第1外壁31Aに対向する第2内壁71に沿って設けられる。第1部屋12は、リビングダイニングキッチンとして構成される。
【0031】
図3および図4に示されるように、建築物1は、1階10と2階20とを繋ぐ階段16をさらに備える。階段16は、第1外壁31Aに沿うように採光部40付近に設けられる。階段16は、1階床11から2階床22の第1連通部21Aに向かって延びる。本実施形態において、階段16は、複数の踏板17を備える。踏板17は、第1外壁31Aによって片持ちで支持される。踏板17は、第1外壁31Aから水平に突出するように構成されている。踏板17の最も低い段は、中間床13から上に離れたところに配置されている。
【0032】
<2階>
図4に示されるように、2階床22の連通部21は、1階10の空間と2階20の空間とを連通させる。2階床22の連通部21は、吹き抜け部3が通るように構成される。
【0033】
本実施形態では、2階床22には、連通部21として、第1連通部21A、第2連通部21B、および、第3連通部21Cが設けられる。第1連通部21Aおよび第2連通部21Bは第1外壁31Aに沿うように設けられる。第3連通部21Cは第3外壁31Cに沿うように設けられる。
【0034】
第1連通部21Aには、階段16が繋げられる。第1連通部21Aは、第2連通部21Bよりも第3外壁31Cの近くに配置される。2階床22において第1連通部21Aの周囲および第2連通部21Bの周囲には、吹き抜け手摺23が設けられる。
【0035】
<採光部>
図5または図6に示されるように、採光部40は、第1外壁31Aにおいて、吹き抜け部3に沿って1階10と2階20とにわたるように設けられる。また、採光部40は、第3外壁31Cにおいて、吹き抜け部3に沿って1階10と2階20とにわたるように設けられる。具体的には、採光部40は、第1外壁31Aにおいて連通部21に面する階境界部分の上側から下側にわたるように構成される。階境界部分は、1階10と2階20との境界の部分を示す。採光部40の例として、窓、格子が設けられる開口部、および、ルーバが設けられる開口部、が挙げられる。本実施形態において、採光部40は窓である。
【0036】
本実施形態では、建築物1は、第1採光部40A、第2採光部40B、第3採光部40C、および、第4採光部40Dを備える。第1採光部40Aは、第1外壁31Aにおいて、第1連通部21Aを通る吹き抜け部3に沿うように設けられる。第2採光部40Bは、第1外壁31Aにおいて、第2連通部21Bを通る吹き抜け部3に沿うように設けられる。第3採光部40Cおよび第4採光部40Dは、室内からみて入隅にある第3連通部21Cを通る吹き抜け部3に沿うように設けられる。第3採光部40Cは、入隅を構成する一方の壁である第3外壁31Cに設けられる。第4採光部40Dは、入隅を構成する他方の壁である第1外壁31Aに設けられる。
【0037】
図5または図6に示されるように、第1部屋12は、採光部40から光を採り入れる。具体的には、第1部屋12は、第1部屋12のスキップフロア14付近において、第1採光部40A、第3採光部40C、および第4採光部40Dから光を採り入れる。第1部屋12は、第1部屋12のテーブル13A付近においては、第1採光部40Aおよび第2採光部40Bから光を採り入れる。洗い場18付近においては、第2採光部40Bから光を採り入れる。
【0038】
図7に示されるように、採光部40の下端41は、1階10の高さLAの1/3よりも高いところに位置する。1階10の高さLAとは、1階床11の上面から2階床22の下面までの高さを示す。また、採光部40の下端41は、1階10の高さLAの4/5よりも低いところに位置する。
【0039】
<採光部の作用>
図7に示されるように、採光部40は、第1外壁31Aに沿う吹き抜け部3に面するように、かつ、1階10から2階20にわたるように設けられている。このため、採光部40から入る光は、第1部屋12の奥まで採り入り易い。また、採光部40は、通常の住宅に比べて高い位置に設けられている。このため、建築物1の外部から室内を覗かれ難い。また、建築物1の近くに駐車場が設けられる場合、室内から駐車場の自動車4を見え難くできる。なお、図7において、連通部21付近の吹き抜け手摺23は省略されている。
【0040】
図8に示されるように、建築物1と隣の建築物2との間に視線を遮る物が無い場合、または、建築物1と隣の建築物2との間の視線を遮る物の高さが低い場合、隣の建築物2の1階にいる居住者から建築物1の1階10が見える虞がある。本実施形態では、採光部40は、通常の住宅に比べて高い位置に設けられている。このため、隣の建築物2の1階にいる居住者から、建築物1の1階10の室内を見え難く出来る。また、建築物1の1階10の室内にいる居住者から、隣の建築物2の1階を見え難く出来る。
【0041】
<建築物の躯体構造>
図9に示されるように、建築物1は、基礎33と、少なくとも1つの外壁30と、複数の通し柱34と、備える。建築物1は、上梁50をさらに備える。複数の通し柱34は、1階10から2階20にわたって第1外壁31Aに設けられる。複数の通し柱34は、上梁50と基礎33との間に配置される。そして、複数の通し柱34は、上梁50と基礎33とに繋がる。外壁30は、基礎33に設けられる。建築物1は、外壁30として、第1外壁31Aと、第1外壁31Aと異なる第2外壁31Bと、を備える。建築物1は、さらに、第3外壁31Cと、第4外壁31Dとを備える。本実施形態では、第1外壁31Aは胴差54を有しない。第3外壁31Cは、採光部40に関して、第1外壁31Aに準じた構造を有する。
【0042】
第2外壁31Bは胴差54を備える。胴差54は、第2外壁31Bにおいて2階床22と同じ高さ、または、2階床22と略同じ高さに設けられる。胴差54は、水平方向における第2外壁31Bの一方端から他方端まで延びる。第2外壁31Bにおいて、第2外壁31Bの1階部分において、1階部分の両端それぞれには柱55が設けられる。第2外壁31Bの2階部分において、2階部分の両端それぞれには柱55が設けられる。1階部分の柱55は、基礎33と胴差54とに繋がる。2階部分の柱55は、胴差54と上梁58とに繋がる。第4外壁31Dは第2外壁31Bに準じた構造を有する。
【0043】
図9に示されるように、第1外壁31Aは、採光部40を有する。一例では、第1外壁31Aは複数の通し柱34を備える。複数の通し柱34は、第1外壁31Aにおいて採光部40以外の部分に設けられる。具体的には、採光部40は、複数の通し柱34のうちの第1通し柱35と第2通し柱36との間に配置される。第1通し柱35と第2通し柱36とは、採光部40の上に配置される第1横架材42と、採光部40の下に配置される第2横架材43とによって連結される。
【0044】
建築物1は、第1横架材42を支持する第1支持部材52と、第2横架材43を支持する第2支持部材53とを備えてもよい。第1支持部材52は、第1外壁31Aにおいて第1横架材42に直交するように第1横架材42に繋がる。第1支持部材52は、第1横架材42を支持する。第2支持部材53は、第1外壁31Aにおいて第2横架材43に直交するように第2横架材43に繋がる。第2支持部材53は、基礎33と第2横架材43とに繋がる。
【0045】
通し柱34は、例えば、H形鋼、C形鋼、リップ溝形鋼、および角材によって構成される。第1横架材42および第2横架材43は、H形鋼、C形鋼、リップ溝形鋼、および角材によって構成される。第1支持部材52および第2支持部材53は、通し柱34と同じ部材によって構成されてもよい。
【0046】
上述の例では、第1外壁31Aにおいて採光部40以外の部分に複数の通し柱34が設けられているが、次のように、採光部40を構成してもよい。複数の通し柱34は、水平方向に等間隔に配置される。通し柱34はつなぎ材39で連結される。そして、複数の通し柱34において、採光部40を設ける位置にある通し柱34を特定する。特定された通し柱34において、採光部40に対応する部分を切除する。特定された通し柱34において切除後に残された部分は、上述の第1支持部材52および第2支持部材53として使用される。通し柱34から構成される第1支持部材52には、上述と同様に第1横架材42が接続される。第1横架材42は、隣接の通し柱34に接続される。通し柱34から構成される第2支持部材53には、上述と同様に第2横架材43が接続される。第2横架材43は、隣接の通し柱34に接続される。そして、第1横架材42と第2横架材43との間に採光部40が設けられる。このような施工方法によれば、採光部40を設けるために、複数の通し柱34のうちの幾つかの通し柱34が部分的に切除される。切除された部分は、第1支持部材52、第2支持部材53、第1横架材42および第2横架材43によって補強されているため、複数の通し柱34から構成された開口部を有する構造体の強度は、実質的に保たれる。
【0047】
本実施形態において、第1外壁31Aの上梁50は、軒桁50Aおよび小屋梁50Bを含む。複数の通し柱34のうちの幾つかは、軒桁50Aと基礎33とに繋がる。具体的には、第1外壁31Aを支持する複数の通し柱34は、軒桁50Aと基礎33とに繋がる。第3外壁31Cを支持する複数の通し柱34は、小屋梁50Bと基礎33とに繋がる。
【0048】
図9および図10を参照して、第2採光部40Bおよび第3採光部40Cの周辺構造を説明する。第1外壁31Aにおいて第2採光部40Bは、第1通し柱35Bおよび第2通し柱36Bの間に配置される。第2採光部40Bの上には、第1横架材42Bが設けられる。第2採光部40Bの下には、第2横架材43Bが設けられる。そして、第2採光部40Bは、第1通し柱35B、第2通し柱36B、第1横架材42B、および、第2横架材43Bによって囲まれる。
【0049】
第1支持部材52Bは、第1横架材42Bを支持する。第1支持部材52Bは、第1横架材42Bと、第3横架材42Xとに繋がる。第3横架材42Xは、第2通常採光部45Bの下に配置される部材である。第2支持部材53Bは、第2横架材43Bを支持する。第2支持部材53Bは、第2横架材43Bと基礎33とに繋がる。
【0050】
図10に示されるように、採光部40を介さずに隣り合う通し柱34は、つなぎ材39によって互いに補強される。つなぎ材の例として、H形鋼、C形鋼、リップ溝形鋼、および角材が挙げられる。本実施形態において、つなぎ材39は、リップ溝形鋼である。
【0051】
採光部40を介さずに隣り合う通し柱34同士の間隔は、1m以下に設定されてもよい。通し柱34と第1支持部材52との間の間隔は、1m以下に設定されてもよい。また、同様に、通し柱34と第2支持部材53との間の間隔は、1m以下に設定されてもよい。
【0052】
<作用>
本実施形態の作用を説明する。
第1外壁31Aは、1階10から2階20かけて延びている。1階10の空間と2階20の空間とを連通させる連通部21は、第1外壁31Aに沿うように設けられる吹き抜け部3を通すように構成される。第1外壁31Aに設けられた採光部40は、吹き抜け部3に沿って1階10と2階20とをわたるように設けられる。採光部40の下端41は、1階10の高さLAの1/3よりも高いところに位置する。
【0053】
従来の建築物では、建築物の外から、1階に設けられる採光部を通して室内が見える場合がある。例えば、垣根および外構がない、または、垣根および外構が低いオープンな建築物では、外から室内が見える場合がある。例えば、都市部の狭小地では、建築物と建築物との間の距離が狭いうえに、両建築物の間には遮蔽物も設けられない。この場合、隣の建築物の居住者から室内が見える虞がある。また、道路の近くまで広がっている建築物の場合、道路側の部屋の室内は、通行人から見え易くなる。
【0054】
この点、本実施形態によれば、上述のように、採光部40が吹き抜け部3に沿うように設けられ、かつ、採光部40の下端41は、1階10の高さLAの1/3よりも高いところに位置する。このため、室内の明るさを確保しながら外から室内が見え難くできる。
【0055】
本実施形態の効果を説明する。
(1)建築物1は、複数階を有する建築物である。1階10から2階20にかけて延びる第1外壁31Aと、第1外壁31Aに設けられる採光部40と、1階10の空間と2階20の空間とを連通させる連通部21を有する2階床22と、を備える。連通部21は、連通部21を通る吹き抜け部3が第1外壁31Aに沿って設けられるように構成される。採光部40は、吹き抜け部3に沿って1階10と2階20とにわたるように設けられる。採光部40の下端41は、1階10の高さLAの1/3よりも高いところに位置する。この構成によれば、採光部40が吹き抜け部3に沿うように設けられ、かつ、採光部40の下端41は1階10の高さLAの1/3よりも高いところに位置する。このため、室内の明るさを確保しながら外から室内が見え難くできる。
【0056】
(2)採光部40の下端41は、1階10の高さLAの4/5よりも低いところに位置する。この構成によれば、1階10に入る自然光の量が少なくなることを抑制できる。
【0057】
(3)1階10は、中間床13を備える。中間床13は、第1外壁31Aにおいて採光部40よりも下側の部分に配置される。中間床13は、第1外壁31Aから水平に突出するように構成される。この構成によれば、1階10において採光部40が高い位置に設けられるため、採光部40の近くが暗くなる。部屋において日影の部分は利用され難くなる。この点、上記構成では、採光部40に中間床13が設けられるため、採光部40の近くの空間を利用し易くできる。
【0058】
(4)1階10には、中間床13の付近において、スキップフロア14が設けられる。この構成によれば、スキップフロア14が中間床13の近くに配置されているため、居住者にとって中間床13の利用の幅が広がる。例えば、スキップフロア14が設けられない場合、中間床13は物を置く棚として利用できる。さらに、スキップフロア14が設けられることによって、中間床13は、腰掛けようの椅子として利用することが可能になる。また、階段16が中間床13から延びるように構成される場合には、スキップフロア14および中間床13は、階段16へのアプローチとして機能するように構成できる。このように、スキップフロア14によって、中間床13の利用方法が広がる。
【0059】
(5)建築物1は、1階10と2階20とを繋ぐ階段16をさらに備える。階段16は、第1外壁31Aに沿うように採光部40付近に設けられる。階段16は、1階床11から2階床22の第1連通部21Aに向かって延びる。この構成によれば、居住者は、階段16を利用する際に採光部40の近くを通る。このため、居住者は、採光部40から外の景色を眺めることができる。
【0060】
(6)階段16は、複数の踏板17を備える。踏板17は、第1外壁31Aによって片持ちで支持される。一般的な階段では、踏板は側板または側桁によって支持される。この点、上記構成によれば、第1外壁31Aによって踏板17が支持されている。これによって、室内空間を広く見せることができる。
【0061】
(7)建築物1は、1階10から2階20にわたる複数の通し柱34をさらに備える。複数の通し柱34は、第1外壁31Aにおいて採光部40以外の部分に設けられる。採光部40は、複数の通し柱34のうちの第1通し柱35と第2通し柱36との間に配置される。第1通し柱35と第2通し柱36とは、採光部40の上に配置される第1横架材42と、採光部40の下に配置される第2横架材43とによって連結される。この構成によれば、1階10と2階20とにわたるように配置される採光部40を有する第1外壁31Aを構成できる。
【0062】
(8)建築物1であって、基礎33と、第1外壁31Aと、1階10から2階20にわたる複数の通し柱34と、を備える。複数の通し柱34は、第1外壁31Aにおいて採光部40以外の部分に設けられる。採光部40は、複数の通し柱34のうちの第1通し柱35と第2通し柱36との間に配置される。第1通し柱35と第2通し柱36とは、採光部40の上に配置される第1横架材42と、採光部40の下に配置される第2横架材43とによって連結される。この構成によれば、1階10と2階20とにわたるように配置される採光部40を備える建築物1を提供できる。また、第1横架材42および第2横架材43によって、第1外壁31Aにおいて採光部40付近の強度を増強できる。
【0063】
(9)建築物1は、第1外壁31Aに設けられる上梁50と、第1横架材42を支持する第1支持部材52と、第2横架材43を支持する第2支持部材53と、を備える。複数の通し柱34は、上梁50と基礎33との間に配置されて、上梁50と基礎33とに繋がる。第1支持部材52は、第1外壁31Aにおいて第1横架材42を支持する。第2支持部材53は、第1外壁31Aにおいて基礎33と第2横架材43とに繋がる。この構成によれば、第1横架材42の周辺部分および第2横架材43の周辺部分を補強できる。第1横架材42の周辺部分は、第1外壁31Aにおいて第1横架材42の周辺部分である。例えば、第1横架材42の周辺部分は、第1外壁31Aを構成する下地材のうちで第1横架材42に接続されている下地材である。第2横架材43の周辺部分は、第1外壁31Aにおいて第2横架材43の周辺部分である。例えば、第2横架材43の周辺部分は、第1外壁31Aを構成する下地材のうちで第2横架材43に接続されている下地材である。
【0064】
(10)建築物1は、第1外壁31Aと、第1外壁31Aと異なる第2外壁31Bを備える。第2外壁31Bは胴差54を備える。この構成によれば、第2外壁31Bには胴差54が設けられる。このため、第2外壁31Bに設けられる柱55の長さを第1外壁31Aの通し柱34よりも短くできる。短い柱は、鉛直方向に沿うように位置調整を行い易い。これによって、第2外壁31Bを精度よく作ることができる。また、第2外壁31Bが精度よく作ることができるため、第2外壁31Bに直接または間接的に繋がる第1外壁31Aも精度よく作ることができる。したがって、この構成によれば、第1外壁31Aおよび第2外壁31Bを通し柱34によって構成する場合に比べて、第1外壁31Aおよび第2外壁31Bを精度良く作ることができる。
【0065】
一例では、第2外壁31Bは、胴差54を有するため、第2外壁31Bを構成する部材の傾きを調整し易い。例えば、第2外壁31Bの1階部分において、間柱(図示は省略)は、一方の端面を基礎33に連結され、他方の端面を胴差54に連結される。間柱は通し柱34よりも短くできるため、通し柱34と比べて鉛直方向に沿って施工し易い。このように、第2外壁31Bを構成する部材は、通し柱34と比べて短くできる。これにより、第2外壁31Bを構成する部材の傾きを調整し易い。このため、胴差54が設けられる第2外壁31Bは、鉛直方向に傾きが少ないように施工できる。このように精度よく作られた第2外壁31Bに直接または間接的に繋がる第1外壁31Aは、同じく鉛直方向に傾きが少ないように精度よく作ることができる。
【0066】
<変形例>
上記実施形態は、建築物1が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。建築物1は、上記実施形態に例示された形態とは異なる形態を取り得る。その一例は、実施形態の構成の一部を置換、変更、もしくは、省略した形態、または、実施形態に新たな構成を付加した形態である。以下に実施形態の変形例の一例を示す。
【0067】
<第1変形例>
図11を参照して、建築物1の第1変形例を説明する。図11に示されるように、第1外壁31Aには、複数の採光部40が設けられてもよい。この例では、第1外壁31Aには、採光部40として、第5採光部40E、第6採光部40F、および第7採光部40Gの3つが配置されている。第5採光部40E、第6採光部40F、および第7採光部40Gの間には、それぞれ通し柱34が設けられている。第5採光部40Eの上には第1横架材42Eが配置される。第5採光部40Eの下には第2横架材43Eが配置される。第6採光部40Fの上には第1横架材42Fが配置される。第6採光部40Fの下には第2横架材43Fが配置される。第7採光部40Gの上には第1横架材42Gが配置される。第7採光部40Gの下には第2横架材43Gが配置される。第1横架材42E、第1横架材42F、および第1横架材42Gは、通し柱34と連結される。第2横架材43E、第2横架材43F、および第2横架材43Gは、通し柱34と連結される。
【0068】
<第2変形例>
図12を参照して、第1外壁31Aの変形例を説明する。この例では、第1外壁31Aを第5外壁100と呼ぶ。第5外壁100は、水平方向に2つの部分に区分される。第5外壁100の一方の第1部分は、実施形態に準じた構造の採光部40を備える。第5外壁100の他方の第2部分は、通常採光部45および胴差54を備える。第5外壁100の第1部分と第2部分との境界には、境界通し柱101が設けられる。第5外壁100の第1部分は、採光部40以外の部分において通し柱34を備える。この構成によれば、建築物1において、通常採光部45と、実施形態に準じた構造の採光部40とを設けることができる。
【0069】
<その他の変形例>
・建築物1において、第1外壁31A、および、第1外壁31Aに対向する位置にある第2外壁31Bそれぞれに、実施形態に記載の構造を有する採光部40を設けてもよい。このような場合、第1外壁31A側の部屋、および、第2外壁31Bの部屋それぞれにおいて、外から室内を見られることを抑制できる。
【0070】
・本実施形態では、第1外壁31Aと第3外壁31Cとに採光部40が設けられている。これに対して、採光部40は、建築物1の全ての外壁30に採光部40が設けられてもよい。また、採光部40は、建築物1の1つの外壁30だけに採光部40が設けられてもよい。また、採光部40は、建築物1において3つ以上の外壁30それぞれに採光部40が設けられてもよい。
【0071】
・上記実施形態の建築物1は土台を備えない。これに対して、建築物1は土台を備えてもよい。この場合、第1外壁31Aに設けられる通し柱34は、上梁50と土台とを繋ぐように構成される。
【0072】
・上記実施形態では、第1外壁31Aは、1階10と2階20とにわたるように設けられる採光部40を有する。そして、第1外壁31Aは、通し柱34によって支持される。このような採光部40を備える第1外壁31Aの構造は、実施形態の例に限定されない。例えば、第1外壁31Aは、上記第2変形例のように胴差54を備えてもよい。第1外壁31Aは、筋交いを備えてもよい。
【0073】
・上記実施形態では、複数の通し柱34は第1外壁31Aに設けられるが、複数の通し柱34は、第1外壁31A以外のところに設けられてもよい。例えば、複数の通し柱34は内壁に設けられてもよい。また、複数の通し柱34を設けた内壁には開口部が設けられてもよい。このような開口部の構造は、第1外壁31Aにおいて採光部40を設けられる開口部の構造に準ずる。
【0074】
本明細書には以下の技術を開示する。
[付記1]
複数階を有する建築物であって、1階から2階にかけて延びる外壁と、前記外壁に設けられる採光部と、前記1階の空間と前記2階の空間とを連通させる連通部を有する2階床と、を備え、前記連通部は、前記連通部を通る吹き抜け部が前記外壁に沿って設けられるように構成され、前記採光部は、前記吹き抜け部に沿って前記1階と前記2階とにわたるように設けられ、前記採光部の下端は、前記1階の高さの1/3よりも高いところに位置する、建築物。
【0075】
[付記2]
前記採光部の下端は、前記1階の高さの4/5よりも低いところに位置する、付記1に記載の建築物。
【0076】
[付記3]
前記1階は、中間床を備え、前記中間床は、前記外壁において前記採光部よりも下側の部分に配置され、かつ、前記外壁から水平に突出するように構成される、付記1に記載の建築物。
【0077】
[付記4]
前記1階には、前記中間床の付近において、スキップフロアが設けられる、付記3に記載の建築物。
【0078】
[付記5]
前記1階と前記2階とを繋ぐ階段をさらに備え、前記階段は、前記外壁に沿うように前記採光部付近に設けられ、かつ、1階床から前記2階床の前記連通部に向かって延びる、付記1に記載の建築物。
【0079】
[付記6]
前記階段は、複数の踏板を備え、前記踏板は、前記外壁によって片持ちで支持される、付記5に記載の建築物。
【0080】
[付記7]
前記1階から前記2階にわたる複数の通し柱をさらに備え、複数の前記通し柱は、前記採光部以外の部分に設けられ、前記採光部は、複数の前記通し柱のうちの第1通し柱と第2通し柱との間に配置され、前記第1通し柱と前記第2通し柱とは、前記採光部の上に配置される第1横架材と、前記採光部の下に配置される第2横架材とによって連結される、付記1~6のいずれか一項に記載の建築物。
【0081】
[付記8]
複数階を有する建築物であって、基礎と、前記基礎に設けられる外壁と、1階から2階にわたる複数の通し柱と、を備え、複数の前記通し柱は、採光部以外の部分に設けられ、前記採光部は、複数の前記通し柱のうちの第1通し柱と第2通し柱との間に配置され、前記第1通し柱と前記第2通し柱とは、前記採光部の上に配置される第1横架材と、前記採光部の下に配置される第2横架材とによって連結される、建築物。
【0082】
[付記9]
上梁と、前記第1横架材を支持する第1支持部材と、前記第2横架材を支持する第2支持部材と、をさらに備え、複数の前記通し柱は、前記上梁と前記基礎との間に配置されて、前記上梁と前記基礎または前記基礎に設けられる土台とに繋がり、前記第1支持部材は、前記第1横架材を支持し、前記第2支持部材は、前記基礎または前記土台と前記第2横架材とに繋がる、付記8に記載の建築物。
【0083】
[付記10]
前記外壁としての第1外壁と異なる第2外壁を備え、前記第2外壁は胴差を備える、付記8または9に記載の建築物。
【符号の説明】
【0084】
LA…1階の高さ、1…建築物、3…吹き抜け部、10…1階、11…1階床、13…中間床、14…スキップフロア、16…階段、17…踏板、20…2階、21…連通部、22…2階床、30…外壁、33…基礎、34…通し柱、35…第1通し柱、36…第2通し柱、40…採光部、41…下端、42…第1横架材、43…第2横架材、50…上梁、52…第1支持部材、53…第2支持部材、54…胴差。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12