IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社野村総合研究所の特許一覧

<>
  • 特開-販売計画データ生成システム 図1
  • 特開-販売計画データ生成システム 図2
  • 特開-販売計画データ生成システム 図3
  • 特開-販売計画データ生成システム 図4
  • 特開-販売計画データ生成システム 図5
  • 特開-販売計画データ生成システム 図6
  • 特開-販売計画データ生成システム 図7
  • 特開-販売計画データ生成システム 図8
  • 特開-販売計画データ生成システム 図9
  • 特開-販売計画データ生成システム 図10
  • 特開-販売計画データ生成システム 図11
  • 特開-販売計画データ生成システム 図12
  • 特開-販売計画データ生成システム 図13
  • 特開-販売計画データ生成システム 図14
  • 特開-販売計画データ生成システム 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129475
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】販売計画データ生成システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0202 20230101AFI20240919BHJP
【FI】
G06Q30/0202
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038705
(22)【出願日】2023-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】000155469
【氏名又は名称】株式会社野村総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 一郎
(72)【発明者】
【氏名】大内田 義勝
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 澄人
(72)【発明者】
【氏名】飯田 信子
(72)【発明者】
【氏名】今井 恒
(72)【発明者】
【氏名】山崎 崇生
(72)【発明者】
【氏名】吉田 圭吾
(72)【発明者】
【氏名】村田 龍俊
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB04
5L049BB04
(57)【要約】
【課題】過去の販売実績データに対して、将来的に起こり得る事象や変動要素などを、販売計画に影響を与えるルールとして設定し、保持・修正・更新する。
【解決手段】過去の販売実績に基づく将来の販売計画データの作成を支援するためのシステムであって、過去の販売実績データから、将来の所定期間における販売数を示す回帰予想データを生成する回帰予想データ生成部12と、回帰予想データを、所定の予測ルールに基づいて修正し、当該回帰予想データに対応する販売数の予測値データを生成する予測値データ生成部13と、回帰予想データと予測値データを、販売計画データとして同一画面上に重ねて生成する販売計画データ生成部14を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
過去の販売実績に基づく将来の販売計画データの作成を支援するためのシステムであって、
過去の販売実績データを予想データとして、当該予想データを、所定の予測ルールに基づいて修正し、当該回帰予想データに対応する販売数の予測値データを生成する予測値データ生成部と、
前記回帰予想データと前記予測値データを、前記販売計画データとして同一画面上に重ねて生成する販売計画データ生成部と、を備える
ことを特徴とする販売計画データ生成システム。
【請求項2】
過去の販売実績データから、将来の所定期間における販売数を示す回帰予想データを、前記予想データとして生成する回帰予想データ生成部を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の販売計画データ生成システム。
【請求項3】
前記予測ルールは、
前記回帰予想データが示す販売数を上方又は下方に修正する、1又は2以上の可変率からなる
ことを特徴とする請求項1に記載の販売計画データ生成システム。
【請求項4】
前記販売計画データ生成部は、
前記回帰予想データを、前記所定期間における販売数を示す折れ線グラフとして生成する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の販売計画データ生成システム。
【請求項5】
前記販売計画データ生成部は、
前記予測値データを、前記回帰予想データに対応する販売数の上限値及び下限値を示す帯グラフとして生成する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の販売計画データ生成システム。
【請求項6】
前記販売計画データ生成部は、
前記回帰予想データに対応する販売数の計画データ及び/又は実績データを、前記販売計画データとして、前記回帰予想データ及び前記予測値データに重ねて、同一画面上に生成する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の販売計画データ生成システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば飲料メーカーや家電メーカー,アパレルメーカーなど、製品を製造・販売する各種の企業や団体,組織等における、過去の販売実績に基づく将来の販売計画の作成を支援するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、例えば飲料メーカーや家電メーカー,アパレルメーカーなど、製品を製造・販売する各種の企業や団体,組織等では、過去の販売実績に基づく将来の販売計画が作成・策定され、製品の増産や減産、在庫調整や出荷調整などが行われている。
ここで、この種の販売計画の作成は、例えば企業の販売部や管理部といった製品の販売を担当・管理する部門の担当者等が、過去の販売実績データに基づきつつ、更に長年の経験と勘によって計画が作成されることが少なくない。
【0003】
このため、そのようなベテランの担当者でないと適切な販売計画が作成できず、例えば担当者の移動や退職などがあると、ベテラン担当者の経験知やノウハウ等の継承や蓄積が困難となり、企業運営に関する貴重な情報資源の損失につながる可能性があった。
また、このようなベテラン経験者に頼った属人的な販売計画の策定は、担当者自身の負担も大きく、また、適切な販売計画が正しく作成されているとは言い難い場合も少なくなかった。
【0004】
ここで、近年は、所謂BI(Business Intelligence:ビジネスインテリジェンス)ツールと呼ばれる、各種データの取り込みと分析・解析を容易かつ迅速に行うことができるシステム・ソフトウェアが提供され、より短い間隔で、製品販売の実績データ等を自動的に収集し、それらの分析をより早く細かく行えるシステム環境が実現されてきている。
【0005】
また、例えば特許文献1には、製品の需要を予測して販売計画を立案するに際して、場合に、「最適モデル式」を用いて要素及び要素間関係の度合いを予測することで、過去の実績データ値と状況判断を反映する「要素間関係分析方法および該方法を利用したコンピュータ」が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003-168064号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示されている技術を含めて、これまでの販売計画データ生成の支援技術には、更なる改良の余地があった。
まず、BIツールは、過去のデータ、特に直近の過去データを正確に把握することができるのみであり、将来的な販売計画を策定できるものではない。
また、特許文献1の「要素間関係分析方法」は、過去の販売実績データから、予め用意された「最適モデル式」によって予測値を算出するというものであり、例えば将来起こり得る事象等を考慮した販売予測を行ったり販売計画を修正したりすることは不可能であった。
【0008】
すなわち、これまで将来的な今後の販売予想に関しては、例えば景気判断や天候,イベント開催の有無等々、販売動向に影響を与えると考えられる各種のデータを、担当者各人が漠然と判断・収集して、それらのデータを経験と勘で用いることでしか対応できなかった。
そこで、BIツールのような過去データの取り込みや分析等を迅速に行えるシステムを利用しつつ、入力された過去データに対して、将来的な事象や変動要素などを考慮した修正・変更等を加えて、客観的な将来の販売計画データを生成することができるシステム等が望まれたが、そのような支援技術等の提案はなされていない。
【0009】
本発明は、上記のような課題を解決するために提案されたものであり、ベテラン担当者等の経験や勘という個人的・属人的な情報・能力のみに依拠することなく、過去の販売実績データに対して、将来的に起こり得る事象や変動要素などを、販売計画に影響を与えるルールとして設定し、それらのルールを継続的に保持・修正・更新することで、適切かつ客観的な販売計画データを生成することができる、特に製品の継続的な製造・販売が行われる各種製品メーカーの販売計画策定に好適な販売計画データ生成システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明は、過去の販売実績に基づく将来の販売計画データの作成を支援するためのシステムであって、過去の販売実績データを予想データとして、当該予想データを、所定の予測ルールに基づいて修正し、当該予想データに対応する販売数の予測値データを生成する予測値データ生成部と、前記予想データと前記予測値データを、前記販売計画データとして同一画面上に重ねて生成する販売計画データ生成部と、を備える構成としてある。
【0011】
また、本発明は、上記のような本発明に係る販売計画データ生成システムを構成する装置として、また、当該装置において実行されるプログラムとして構成することができる。
さらに、本発明は、上記のような本発明に係る販売計画データ生成システムや装置,プログラムによって実施可能な方法として実施することもできる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ベテラン担当者等の経験や勘といった個人的・属人的な情報・能力のみに依拠することなく、過去の販売実績データに対して、将来的に起こり得る事象や変動要素などを、販売計画に影響を与えるルールとして設定し、それらのルールを継続的に保持・修正・更新することができる。
これによって、適切かつ客観的な販売計画データを生成することができる、特に製品の継続的な製造・販売が行われる各種製品メーカーの販売計画策定に好適な販売計画データ生成システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係る販売計画データ生成システムの全体構成を示す機能ブロック図である。
図2】販売計画データ生成システムで処理される販売計画データのイメージを模式的に示す説明図であり、飲料(ビール)の販売実績値を示すデータである。
図3】販売計画データ生成システムで使用される予測ルールのイメージを模式的に示す説明図である。
図4図3から引き続いて、販売計画データ生成システムで使用される予測ルールのイメージを模式的に示す説明図である。
図5】販売計画データ生成システムで処理される販売計画データのイメージを模式的に示す説明図であり、(a)は飲料(ビール)の販売計画の計画値を示すデータ、(b)は同じく修正計画値を示すデータである。である。
図6】販売計画データ生成システムで生成・出力される販売計画データの一例を示す説明図であり、回帰予想データを示す折れ線グラフに、予測値データを示す帯グラフを重ねて表示した場合である。
図7図6に示す販売計画データに、計画値及び修正計画値を示す棒グラフを重ねて表示した場合である。
図8図7に示す販売計画データに、更に販売実績値を示す棒グラフを重ねて表示した場合である。
図9】販売計画データ生成システムにおける処理工程のイメージを模式的に示す説明図であり、(a)は予測データを示す帯グラフの生成・変更工程を、(b)は販売実績と販売計画を示す棒グラフの生成・変更工程を示している。
図10】販売計画データ生成システムにおける予測処理の工程のイメージを模式的に示す説明図である。
図11】販売計画データ生成システムにおける自動予測更新処理の工程のイメージを模式的に示す説明図である。
図12】販売計画データ生成システムにおいて生成・出力されるアラート通知の一例を示す説明図である。
図13図11と同様に、販売計画データ生成システムにおいて生成・出力されるアラート通知の一例を示す説明図である。
図14図11図12と同様に、販売計画データ生成システムにおいて生成・出力されるアラート通知の一例を示す説明図である。
図15】販売計画データ生成システムを構成するサーバ・装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る販売計画データ生成システムの実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
ここで、以下に示す本発明の販売計画データ生成システム(本システム)は、プログラム(ソフトウェア)の命令によりコンピュータで実行される処理,手段,機能によって実現される。プログラムは、コンピュータの各構成要素に指令を送り、以下に示す本発明に係る所定の処理や機能等を行わせることができる。すなわち、本発明における各処理や手段,機能は、プログラムとコンピュータとが協働した具体的手段によって実現される。
【0015】
なお、プログラムの全部又は一部は、例えば、磁気ディスク,光ディスク,半導体メモリ,その他任意のコンピュータで読取り可能な記録媒体により提供され、記録媒体から読み出されたプログラムがコンピュータにインストールされて実行される。また、プログラムは、記録媒体を介さず、通信回線を通じて直接にコンピュータにロードし実行することもできる。
また、本システムは、単一の情報処理装置(例えば一台のパーソナルコンピュータ等)で構成することもでき、複数の情報処理装置(例えば複数台のサーバコンピュータ群等)で構成することもできる。
【0016】
また、本システムを構成する装置群に含まれる各情報処理装置は、例えば図15に示すように、CPU301、RAM302、ROM303、HDD304、入力装置305、表示装置(ディスプレイ)306、通信IF307等を含むハードウェアによって構成される。これらの構成要素はシステムバスで接続され、システムバスを介してデータのやり取りが行われる。CPU(Central Processing Unit)301は、中央処理装置とも呼ばれ、コンピュータの中心的な処理を行う部位であり、各装置の制御やデータの計算や加工を行う。RAM(Random Access Memory)302は、メモリ装置の一種で、データの消去や書き換えが可能なものである。ROM(Read Only Memory)303は、半導体などを用いたメモリ装置の一種で、データ書き込みは製造時1回のみで、利用時には記録されたデータの読み出しのみできるものである。HDD(Hard Disk Drive)304は、磁性体の性質を利用し、情報を記録し読み出す補助記憶装置である。入力装置305は、ユーザがコンピュータに対して操作指示を行うため、あるいは、文字等を入力するために使用され、具体的には、キーボード、マウス等で構成される。表示装置306は、例えば液晶ディスプレイ等で構成される。本システムにおける各装置は、入力装置305及び表示装置306が一体となったタッチパネル機能を有する装置を備えていてもよい。また、他の端末や情報処理装置等との通信が可能となる通信機能(通信IF307)を備えることもできる。通信IF(Inter Face)は、所定の通信規格に従って他の装置と通信するための装置であり、例えばNIC(Network Interface Card)を含む。
【0017】
[システム構成]
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る販売計画データ生成システム1(以下「本システム1」という)は、販売計画データ生成サーバ10と、販売実績管理者装置30と、ユーザ端末40とを備えて構成されている。
これら販売計画データ生成サーバ10・販売実績管理者装置30・ユーザ端末40は、LAN・WAN・インターネット等の所定のネットワークを介して接続され、それぞれ相互にデータ通信が可能となっている。
これによって、販売実績管理者装置30で収集・蓄積された対象製品等の販売実績データが、販売計画データ生成サーバ10に入力され、本発明に係る所定の販売計画データが生成され、販売実績管理者装置30やユーザ端末40において閲覧可能に出力・表示されるようになる。
【0018】
ここで、販売計画データ生成サーバ10は、販売実績管理者装置30やユーザ端末40と、例えば同一の組織・企業等に設置される情報処理装置・システムによって構成することができる。この場合には、本システム1は販売計画データ生成サーバ10及び販売実績管理者装置30・ユーザ端末40によって構成されることになり、本システム1を、例えば同一の組織・企業単位で運用される社内システムとして機能させることができる。
【0019】
また、販売計画データ生成サーバ10は、販売実績管理者装置30・ユーザ端末40とは、異なる組織・企業等に設置される情報処理装置によって構成することができる。この場合には、例えば、販売計画データ生成サーバ10は、本システム1をサービスとして顧客に提供する企業が運用する情報処理装置、販売実績管理者装置30・ユーザ端末40は、本システム1を介して販売計画データ生成のサービス提供を受ける一又は二以の各企業や組織・団体等に備えられる情報処理装置によって構成することもできる。この場合には、販売実績管理者装置30及びユーザ端末40は、本システム1にネットワークを介して接続される外部装置・外部システムとして機能することになり、本システム1は販売計画データ生成サーバ10のみによって構成されることになる。
【0020】
さらに、販売計画データ生成サーバ10と、販売実績管理者装置30及びユーザ端末40とは、本実施形態では、それぞれ独立した別々の構成としてあるが(図1参照)、本発明の機能を果たす限り、特にそのような構成に限定されることはない。
例えば、販売実績管理者装置30は、販売計画データ生成サーバ10に含まれる構成とすることができ、また、ユーザ端末40を、販売計画データ生成サーバ10の端末やモニタに含まれる構成とすることも可能である。
【0021】
[販売計画データ生成サーバ]
販売計画データ生成サーバ10は、例えば飲料メーカーや家電メーカー,アパレルメーカーなど、製品を製造・販売する各種の企業や団体,組織等における、過去の販売実績に基づく将来の販売計画データの作成を支援するためのシステムを構成するサーバ装置であり、本システム1の中核となる情報処理装置であり、本発明の販売計画データ生成システムを構成している。
この販売計画データ生成サーバ10は、例えば、1又は2以上のサーバコンピュータやパーソナルコンピュータ、クラウドコンピューティングサービス上に構築された1又は2以上の仮想サーバからなるサーバシステム等、所定のプログラム(ソフトウェア)が実装された情報処理装置によって構成することができる。
【0022】
また、販売計画データ生成サーバ10には、図示しないOS(Operating System)やDBMS(DataBase Management System)などが備えられ、サーバコンピュータとして運用されるようになっている。
なお、ここでは、サーバコンピュータでの構成にて説明するが、クラウドサービスを組み合わせた所謂サーバレス構成で同一機能を実装することも可能である。
そして、販売計画データ生成サーバ10には、Webサーバプログラムなどのミドルウェア上で稼働するソフトウェアが実装されるようになっている。
【0023】
このソフトウェアは、1又は2以上の販売実績管理者装置30やユーザ端末40に対して、インターネット等のネットワークを介して、例えばAPI(Application Programming Interface)という形で利用可能なアプリケーションを公開、提供する。
これにより、本システム1に接続された販売実績管理者装置30やユーザ端末40において、販売計画データ生成サーバ10から生成・出力される、後述する「帯グラフ」を含む販売計画データを受信・表示させるなど、本システム1で提供・実行される販売計画データ生成のために運用される専用のアプリケーションプログラムやウェブブラウザ等を呼び出して、本発明に係る販売計画データ生成システムの機能を実行させ使用することができるようになる。なお、APIを利用することなく、Webアプリケーションの構成にて実装することも可能である。
【0024】
また、販売計画データ生成サーバ10には、データベース等として実装される後述する所定の販売計画データ生成DB(データベース)20を備えるとともに、本発明に係る販売計画データ生成システムの運用に必要となる所定の情報を取得・蓄積する記憶手段が備えられる。
記憶手段には、各種の情報リソースとして、本システム1において販売計画データの生成に使用される販売実績データ・販売計画データ・予測ルールデータ・その他の外部情報データなどが記憶されるとともに、販売実績管理者装置30から任意のタイミングで送信・入力される販売実績データや販売計画データを、所定の記憶領域(販売計画データ生成DB20)に蓄積・記憶し、本システム1の運用に伴って随時必要な情報が読み出されて、記憶され更新されるようになっている。
【0025】
そして、本実施形態に係る販売計画データ生成サーバ10は、図1に示すように、販売実績データ受信部11,回帰予想データ生成部12,予測値データ生成部13,販売計画データ生成部14の各部として機能するように構成される。
また、販売計画データ生成サーバ10には、上述した記憶手段によって構成される、本発明に係る販売計画データを生成するための所定の情報が蓄積・管理される販売計画データ生成DB20が構築されている。
【0026】
[販売実績データ受信部]
販売実績データ受信部11は、本システム1において生成される販売計画データのベースとなる販売実績データを受信・入力する処理を実行する。
具体的には、販売実績データ受信部11は、本システム1を利用して自社の製品、例えば「ビール系飲料」についての過去の販売実績に基づく販売計画を策定する販売の管理者・担当者等が操作する販売実績管理者装置30から、販売計画の策定・管理の対象となる製品の販売実績データが随時送信され、本システム1の処理データとして受信される。
受信された販売実績データは、本システム1の基礎データとして、販売計画データ生成DB20(販売実績DB21)に蓄積され管理される。
【0027】
また、販売実績管理者装置30からは、対象となる製品の将来的な販売計画数を示す計画値・修正計画値も送信され、その場合には、当該計画値/修正計画値に係るデータも、販売実績データ受信部11により、本システム1の処理データとして受信される。
そして、受信された計画値/修正計画値データも、本システム1の基礎データとして、販売計画データ生成DB20(販売計画DB24)に蓄積され管理される。
【0028】
[回帰予想データ生成部]
回帰予想データ生成部12は、過去の販売実績データから、将来の所定期間における販売数を示す回帰予想データを生成する処理を実行する。
具体的には、回帰予想データ生成部12は、販売実績DB21に記憶されている販売実績データに基づいて、将来の所定期間として、例えば次年度1年間(3月~2月:図6図8参照)の販売数(販売数量・売上金額等)の予想値を示す回帰予想データを生成する。
【0029】
この回帰予想データを生成する所定期間としては、対象となる製品の例えば販売期間,需要期間,耐久期間などに応じて、任意の期間とすることができ、例えば1年単位,数か月単位,数年単位などに設定することができる。
例えば、耐久製品の場合には、製品寿命(又は保証期間や製品の性能保証や修理打ち切り期間など)に応じて、数年~20年程度の回帰曲線が求められる。
また、例えば、季節商品などは、製品寿命等に加えて、月別の回帰曲線が求められるようになる。
【0030】
なお、回帰予想データは、公知の回帰分析方法によって求めることができる。
例えば、過去の一定期間の販売実績の平均値を、回帰予想データとすることができる。
また、当該製品についての所定の目的変数・説明変数を用いた単回帰分析や重回帰分析によって回帰予想データを算出することができる。
生成・算出された回帰予想データは、本システム1の基礎データとして、販売計画データ生成DB20(販売計画DB24)に蓄積され管理される。
【0031】
そして、そのようにして生成・管理された回帰予想データは、販売計画データ生成部14によって、所定期間における販売予測値を示す販売計画データとして生成・出力されるようになる。
本システム1では、後述するように、回帰予想データが、所定期間における販売数(販売数量・売上金額等)を示す折れ線グラフとして生成・出力されるようになっている(図6図8参照)。
【0032】
[予測値データ生成部]
予測値データ生成部13は、回帰予想データ生成部12で生成された回帰予想データを、所定の予測ルールに基づいて修正し、当該回帰予想データに対応する販売数の予測値データを生成する処理を実行する。なお、本実施形態では予測値データ生成部13は回帰予想データを所定の予測ルールに基づいて修正して予測値データを生成する例を説明しているが、予測値データ生成部13は過去実績データを予想データとして用い(例:本年度の同じ月のデータを来年度の同じ月の予想データとして用いる)、所定の予測ルールに基づいて予想データを修正して予測値データを生成する構成であってもよい。その場合には、上述した回帰予想データ生成部12の構成・処理動作は省略することができる。
具体的には、予測値データ生成部13は、販売計画DB24に記憶されている回帰予想データに対して、予測ルールDB22に記憶される予測ルール(図3図4参照)に従って、回帰予想データが示す販売数(販売数量・売上金額等)を修正・補正した予測値データを生成する。
【0033】
一般に、上述した回帰予想データを利用して、実績値の予想を人的に実施したり、生産計画等を立案したりすることは可能である。しかしながら、そのような回帰予想データのみに基づく実績値の予想は、様々な要因によって、期待を裏切る(予想が外れる)ものが少なくない。
そこで、本システム1では、そのような回帰予想データに基づく予想を、より正確に、より精度の高い、修正された予測値として生成・算出できるようにするものである。
【0034】
ここで、予測ルールは、回帰予想データが示す販売数を上方又は下方に修正する、1又は2以上の可変率からなる。
具体的には、図3図4に示すように、本システム1に係る予測ルールは、対象となる製品毎に、回帰予想データに対する可変率、例えば100%,65%,120%,150%,300%などが、その内容(理由・根拠等)やカテゴリー,可変率の確度(適用確度)などとともに、任意のルール・パラメータとして設定され、該当する製品の回帰予想データが示す販売数を補正・修正できるようになっている。
【0035】
この予測ルールは、例えばベテラン経験者の長年の経験や勘によって設定されることもあるが、それ以外にも、将来的に販売数に影響を与える可能性のある事象、例えば天候,製品寿命,イベントの有無,流行の変化(予想)などを、予測ルールとして設定・変更・更新等することができるようになっている。
具体的には、本システム1の予測ルールとしては、例えば以下のように設定することができる。
【0036】
<標準ルール(年補正・月補正)>
標準ルールは、製品の種類・内容に関わらず、全ての製品に対してデフォルトで設定することができる。
その上で、上述した可変率やブレについてだけ、本システム1のユーザが追加で設定することができる。
この標準ルールとしては、例えば以下のように設定することができる(図3図4参照)。
【0037】
・2022年以降4年に一回のワールドカップで、年間通して2割増し(可変率:120%)。ワールドカップ開催月は5割り増し(可変率:150%)。
・コロナ渦で、本年は、店直売が7割減(可変率:30%)、個人向け販売は3割増(可変率:130%)。
・耐久消費財(TV)は、耐用年数10年として、10年毎の1次回帰が発生し、その前後の年は平均値の15%増し(可変率:115%)、当年は30%増し(可変率:130%)。
・税制イベントがある場合には50%増し(可変率:150%)。
【0038】
<ユーザ追加ルール>
上記のような標準ルールに対して、ユーザが個別に設定・変更するユーザ追加ルールとしては、例えば以下のように設定することができる(図3図4参照)。
・ターゲット先(販売先)の新規開拓で、本年より販路拡大でXXX国に3か月毎に1000ロット販売。
・提携販売契約が終了で、本年より提携販売数500ロット分が減少。
・アニメ・映画等作品キャラクターXとコラボキャンペーン。販促品・特典を期間中は付与して販売、過去実績より、当アニメ作品ファン等の支持層をターゲットに2000ロット分増加。コラボキャンペーン作品は、アニメ・映画等は一律でなくYの場合は、500ロットのみなど作品ごとに異なる。X、Yのロット分析は、過去の同作品または類似作品のキャンペーンのロット数ベースに数値化しておき、過去や類似作品と直近の当作品の年間グッズ販売の市場規模の変化で増減させる。
【0039】
以上のような予測ルール(標準ルール/ユーザ追加ルール)に基づいて、過去の販売実績データに基づく回帰予想データについて、予想される販売数を修正したり追加したりすることができる。
ここで、上記のような予測ルールが示す修正値(可変率)は変更可能であり、ゼロ(可変率:0%)なら未適用とする。また、予測ルール(可変率)の確度は、%で管理し、確度に応じて元の修正値を変更することができる(図3図4参照)。
なお、上記に示した予測ルール(標準ルール/ユーザ追加ルール)は、図3及び図4に示すものも含めて、あくまでも本システム1に係る予測ルールの一例であり、それら以外のルールを設定できることは言うまでもない。
【0040】
このようにして設定された予測ルールは、本システム1の基礎データとして、販売計画データ生成DB20(予測ルールDB22)に蓄積され管理される。
また、予測ルールに基づいて生成・修正された回帰予想データの予測値データについても、本システム1の基礎データとして、販売計画データ生成DB20(販売計画DB24)に蓄積され管理される。
【0041】
そして、そのようにして生成・管理された予測値データは、販売計画データ生成部14によって、販売計画データとして生成・出力されるようになる。
本システム1では、後述するように、予測値データは、回帰予想データに対応する販売数の上限値及び下限値を示す帯グラフとして生成・出力されるようになっている(図6図8参照)。
【0042】
[販売計画データ生成部]
販売計画データ生成部14は、回帰予想データ生成部12で生成された回帰予想データと、予測値データ生成部13で生成された予測値データを、販売計画データとして同一画面上に重ねて生成する処理を実行する。
具体的には、販売計画データ生成部14は、回帰予想データ生成部12で生成された回帰予想データを、所定期間における販売数を示す折れ線グラフとして生成し出力する(図6図8参照)。
【0043】
また、販売計画データ生成部14は、予測値データ生成部13で生成された予測値データを、回帰予想データに対応する販売数の上限値及び下限値を示す帯グラフとして生成し出力する(図6図8参照)。
特に、販売計画データ生成部14は、予測値データを示す帯グラフは、対応する回帰予想データに重ねて、同一画面上に生成・出力するようになっている。
【0044】
図6図8に示すように、折れ線グラフとして出力される回帰予想データは、所定期間(例えば1年間)における製品の予想販売数が、一目で直感的に分かり、時間の流れや、時期的な変動や動向なども良く理解でき、販売計画データとして非常に分かり易く使い易いものとなる。
また、回帰予想データを修正・補正する予測値データを、対応する回帰予想データの販売数の上限値及び下限値を示す帯グラフとして、回帰予想データに重ねて生成・出力することで、回帰予想データのいずれが修正され、いずれが修正されなかったのかが一目で分かり、また、修正された予測値の上限及び下限が、帯の長さ(高さ・幅)によって示されるので、販売数の想定されるブレ幅なども容易に理解できるようになる。
例えば、帯の高さが高い(太い)場合には、販売数の想定されるブレ幅も一定程度あることが分かり、逆に帯の高さが低い(細い)場合には、販売数の予測値データはブレ幅の少ない、確度・信頼度の高い数値であることが一目で理解できるようになる。
【0045】
また、販売計画データ生成部14は、回帰予想データの折れ線グラフに重ねて表示される予測値の帯グラフについて、入力操作に応じて特定の帯グラフが指定・選択された場合に、当該帯グラフに対応する予測ルール(図3図4)を抽出し、視認可能に出力・表示させるようにすることも可能となっている。
例えば、特定の帯グラフについて指定・選択の入力操作が行われると、当該帯グラフに紐づけられた予測ルール(図3図4)の識別情報が読み出され、その識別情報に該当する予測ルールが予測ルールDB22から抽出され、入力操作された情報処理装置において視認可能に出力・表示させることができる。
これによって、後述する販売実績管理者装置30やユーザ端末40の管理者・ユーザ等の入力操作に応じて、任意の帯グラフが選択・指定されると、当該帯グラフの根拠となる予測ルールが抽出・表示され、その帯グラフが示す予測値の理由や根拠などを確認することができ、例えば回帰予想データと予測値との間に大きな差異や乖離がある場合に、その理由や根拠を予測ルールから確認・推定等することができるようになる。
【0046】
さらに、販売計画データ生成部14は、回帰予想データに対応する販売数の計画データ及び/又は実績データを、販売計画データとして、回帰予想データ及び予測値データに重ねて、同一画面上に生成することができる(図7図8参照)。
上述のとおり、販売数の計画データ・修正計画データ・実績データは、上述のとおり、対象製品の販売を管理・運営する管理者等が操作する販売実績管理者装置30において入力・生成され、そのから、対象となる製品についてのデータが随時送信され、本システム1で受信・蓄積される(販売計画データ生成DB20)。
【0047】
そこで、販売計画データ生成部14は、回帰予想データに対応する販売数の計画データ及び/又は実績データを、回帰予想データ及び予測値データに重ねて、同一画面上に生成することができる。
具体的には、販売計画データ生成部14は、販売実績管理者装置30で入力・生成された計画データ及び実績データを示す計画値・修正計画値・実績値を、それぞれ棒グラフとして生成し、対応する回帰予想データに重ねて出力するようになっている(図7図8参照)。
【0048】
このように、折れ線グラフとして出力される回帰予想データに重ねて、計画値・修正計画値・実績値を棒グラフに表して生成・出力することで、回帰予想データ及び予測値データに対して、当初の計画値やそれに対する修正計画値、更には最終的な実績値が、どのような関係にあるのかが一目瞭然で示されるようになる。
これによって、管理者や担当者が当初立案策定した計画値・修正計画値、及びその実績値と、回帰予想データ・予測値データとの間に、どのような異動や乖離の有無やその程度,予想のブレ幅があるかなどが、一目で把握できるようになり、内容も容易かつ直接的に理解できるようになる。
【0049】
図6図8は、販売計画データ生成部14で生成・出力される、対象製品「ビール系飲料」の1年間(20xx年3月~20xy年2月)の販売計画データの一例を示している。
これらの図中、破線折れ線グラフで示されるのが回帰予想データ生成部12で生成される回帰予想データ、横方向(水平方向)に伸びる帯グラフで示されるのが予測値データ生成部13で生成される予測値データ、縦方向(垂直方向)に伸びる3本の棒グラフで示されるのが、左から計画値・修正計画値・実績値である。
【0050】
このうち、図6では、過去の販売実績データから求められる回帰予想データを示す折れ線グラフと、この回帰予想データに対して予測ルールに基づく修正・変更を行った予測値データを示す帯グラフの2種類のデータのみが表されている。
この図からは、通年(3月~2月)のうち、「5月・6月・1月」において、回帰予想データと予測値データとの間に大きな差異(乖離)があることが一目で理解できる。
【0051】
次に、図7では、図6で示した回帰予想データ及び予測値データに加えて、販売実績管理者装置30で入力・作成された計画値及び修正計画値を示す棒グラフが、対応する回帰予想データ・予測値データに重ねて表されている。
この図からは、「4月・8月」において、計画値・修正計画値が予測値データとの差異が大きく、「10月・11月」において、予測値データとの差異が大きかった計画値が、修正計画値によって修正されていることが一目で理解できる。
【0052】
さらに、図8では、図7で示した回帰予想データ・予測値データ・計画値/修正計画値に加えて、「3月~8月」までの実績値を示す棒グラフが、対応する回帰予想データ・予測値データに重ねて表されている。
この図からは、「4月」において、実績値と予測値データとの差異が大きいものの、それ以外の「3月・5月~8月」においては、実績値が予測値データとほぼ一致していることが一目で理解できる。
【0053】
そして、以上の販売計画データから、例えば、予測値データと回帰予想データとの差異が大きい「5月・6月・1月」、予測値データと計画値・修正計画値との差異が大きい「4月・8月」、予測値データと実績値との差異が大きい「4月・8月」などについて、それぞれ予測値データを示している帯グラフを選択・指定する入力操作を行うことで、当該帯グラフの根拠となる予測ルールを抽出・表示させることができる。
これによって、ユーザは、その帯グラフが示す予測値の理由や根拠などを確認することができ、回帰予想データや実績値との間に大きな差異や乖離がある場合に、その理由や根拠を予測ルールから確認・推定等することができるようになる。
【0054】
さらに、本システム1では、上記のような予測値データと計画値・修正計画値等との差異や乖離がある場合に、その差異の程度に応じて、例えば販売計画に影響を及ぼすような外部情報の変化等の有無や内容について、販売計画データ生成サーバ10から必要に応じて、販売実績管理者装置30やユーザ端末40に対して、所定のアラート通知を送信することができる(図12図14参照)。
このようにして、本システム1によれば、販売計画の妥当性や正当性の判断や、計画の修正や今後の計画への反映や更新など、該当製品の販売計画の決定や見直し等に、非常に有用な情報が提供されることになる。
【0055】
[販売計画データ生成データベース]
販売計画データ生成DB20は、本システム1において販売計画データの生成に使用される販売実績データ・販売計画データ・予測ルールデータ・その他の外部情報データなどが記憶・管理される記憶手段である。
また、販売計画データ生成DBには、インターネット等のネットワークを介して販売実績管理者装置30から所定の情報が入力・送信されて、それらの情報に応じてデータが随時格納・更新されるようなっている。
【0056】
販売計画データ生成DB20に格納・管理される所定の情報としては、本システム1の管理対象となる、上記のような販売計画データを生成するための情報であり、具体的には、図2図4に示すように、販売実績DB21,予測ルールDB22,外部情報DB23,販売計画DB24,外部情報DB23などの各種情報・データがある。
なお、以下に示す販売計画データ生成DB20に記憶される情報は、本システム1において処理対象となる情報の一例であって、特に以下の情報のみに限定されるものではなく、本システム1として必要な情報を追加・削除・変更等することができることは言うまでもない。
【0057】
具体的には、販売計画データ生成DB20の販売実績DB21,予測ルールDB22,外部情報DB23,販売計画DB24を構成する情報・データとしては、図2図4に示すように、例えば以下のようなものがある。
なお、以下では、販売計画に係る製品として「飲料」、特に「ビール系飲料」を例にとって説明する。
【0058】
[販売実績DB]
販売実績DB21としては、販売計画に係る製品(ビール系飲料)に関する情報として、例えば以下のような「販売実績値」を示すデータが記憶・管理されるようになっている(図2参照)。
1.ブランド
2.品番
3.カラー・サイズ
4.平均単価(税抜):実績金額/(ロット×ロット内数量)の割り返し
5.年月
6.実績数量(ロット)
7.実績金額
8.その他
【0059】
[予測ルールDB]
利用者DB22としては、回帰予想データを修正して、当該回帰予想データに対応する販売数の予測値データを生成するためのルール(規則・パラメータ)として、例えば以下のような「予測ルール」を示すデータが記憶・管理されるようになっている(図3図4参照)。
1.No(ルール番号)
2.適用CHK(ルール適用の有無)
3.グループ
4.適用(自動適用の有無)
5.適用確度
6.カテゴリー
7.内容
8.管理者
9.具体的内容
10.可変(可変の範囲)
11.可変率
12.特徴
13.その他
【0060】
[外部情報DB]
外部情報DB23としては、上記のような予測ルールを補正・補完する、販売計画に影響を与えることが想定される外部情報として、例えば以下のような「外部情報」を示すデータが記憶・管理されるようになっている(図示省略)。
・天候予想:例えば、暑い夏/寒い冬の場合だと5度上がる/下がるごとにXX%変化する。
・SDG‘s関連製品が拡大期にある場合に、年率XX%程度増加する。
・他社製品との差別化による変化(増加/減少)。
・ネグり
・仮説
・回帰線
・税制
・為替
・人口増
・イベント(夏ではなく冬製品で冬のオリンピックが影響)
【0061】
[販売計画DB]
販売計画DB24としては、上述した販売実績DB21に対応して、販売計画に係る製品(ビール系飲料)に関する情報として、例えば以下のような「計画値/修正計画値」を示すデータが記憶・管理されるようになっている(図5(a)及び(b)参照)。
1.ブランド
2.品番
3.カラー・サイズ
4.平均単価(税抜):実績金額/(ロット×ロット内数量)の割り返し
5.年月
6.実績数量(ロット)
7.実績金額
8.その他
【0062】
以上のような、販売計画データ生成DB20で記憶・管理されるデータに基づいて、上述した販売実績データ受信部11,回帰予想データ生成部12,予測値データ生成部13,販売計画データ生成部14による各処理動作が実行され、本システム1に係る販売計画データ生成が実現されることになる。
本システム1における販売実績データ受信部11,回帰予想データ生成部12,予測値データ生成部13,販売計画データ生成部14の各部による具体的な処理動作については、図9図14を参照しつつ更に後述する。
【0063】
なお、以上のような販売計画データ生成サーバ10は、その一部の機能を、例えば既存のクラウドサービス(BIツール)によって構成し、当該クラウドサービスで果たし得ない本発明特有の機能を、例えばアドオン(スクリプト言語等で実装)により追加して、全体として販売計画データ生成サーバ10を構成することもできる。
例えば、販売実績データの入力・取り込み(販売実績データ受信部11)や、過去データに基づく回帰予想データの生成(回帰予想データ生成部12)、対象製品の販売計画値・修正値・実績値のグラフ化(販売計画データ生成部14)などの処理を、既存のBIツールの機能として実行させることができ、回帰予想データを修正する予測値データの生成を、既存のBIツールに対してアドオンとして実装・追加することができる。
また、販売計画データ生成DB20についても、例えば販売実績管理者装置30の記憶手段を販売計画データ生成サーバ10のデータベースとして構成することもできる。
【0064】
[販売実績管理者装置]
販売実績管理者装置30は、本システム1を利用して自社の製品、例えば「ビール系飲料」についての、過去の販売実績に基づく販売計画を策定する販売の管理者・担当者等が操作する情報処理装置である。
具体的には、販売実績管理者装置30は、本システム1を利用する例えば飲料メーカー等のオフィスなどに設置される、例えばデスクトップPCやノートPC,タブレット端末,スマートフォンなど、一又は二以上の情報処理装置によって構成することができる。
【0065】
本システム1では、販売実績管理者装置30には、販売計画の策定・管理の対象となる製品の販売実績データが随時入力され、収集・管理されるようになっている。
また、販売実績管理者装置30には、販売計画の対象となる製品の計画値や修正計画値なども入力され、管理されるようになっている。
その販売実績データが、販売実績管理者装置30から、インターネット等のネットワークを経由して販売計画データ生成サーバ10に対して、対象製品の販売実績データや計画値・修正計画値を示すデータが送信・入力されることにより、対象となっている製品の販売計画データの生成処理が実行されるようになる。
【0066】
そして、販売計画データ生成サーバ10で生成された販売計画データは、インターネット等のネットワークを介して、販売実績管理者装置30に送信され、その販売計画データを閲覧可能に出力・表示させることができるようになる(図6図8参照)。
また、販売実績管理者装置30に対しては、例えば販売計画に影響を及ぼすような外部情報の変化等の有無や内容について、販売計画データ生成サーバ10から必要に応じてアラート通知を送信することができる(図12図14参照)。
【0067】
[ユーザ端末]
ユーザ端末40は、本システム1を利用して自社の製品、例えば「ビール系飲料」についての、過去の販売実績に基づく販売計画を策定する販売の担当者・管理者等が操作する情報処理装置である。
具体的には、ユーザ端末40は、本システム1を利用する例えば飲料メーカー等の製品販売の担当者や管理者が所持する例えばスマートフォン,タブレット端末,ノートPCなど、一又は二以上の情報処理装置によって構成することができる。
【0068】
ユーザ端末40は、例えば社内のLANやWAN等のネットワークやインターネット等のネットワークを介して販売計画データ生成サーバ10・販売実績管理者装置30と通信可能に接続され、販売計画データ生成サーバ10で生成された販売計画データを閲覧可能に出力・表示させることができるようになる(図6図8参照)。
また、ユーザ端末40に対しては、上述した販売実績管理者装置30と同様に、例えば販売計画に影響を及ぼすような外部情報の変化等の有無や内容について、販売計画データ生成サーバ10から必要に応じてアラート通知を送信することができる(図12図14参照)。
【0069】
[動作]
次に、以上のような本システム1における具体的な処理・動作(販売計画データ生成方法の実施)について、図9図14を参照して説明する。
本システム1では、上述した販売計画データ生成サーバ10の販売実績データ受信部11,回帰予想データ生成部12,予測値データ生成部13,販売計画データ生成部14及び販売計画データ生成DB20の各部による一連の処理動作を自動実行することにより、対象となる製品の販売計画の策定について、一目で分かり易く、直感的に理解し易く、かつ、担当者の長年の経験や勘だけでなく、様々な事象や要因を考慮した、より正確かつ適切な現実に即した販売計画データの生成機能を実現するものである。
【0070】
[予測値データ帯グラフ生成・変更処理]
まず、図9(a)を参照しつつ、本システム1における予測値データ帯グラフ生成・変更の処理動作について説明する。
図9(a)は、本システム1における予測値データ帯グラフ生成・変更の処理動作を模式的に示すフローチャートである。
【0071】
同図に示すように、予測値データ帯グラフ生成・変更処理では、まず、本システム1の販売計画データ生成DB20の販売実績DB21・予測ルールDB22・外部情報DB23に記憶・管理されているデータに基づいて、対象製品の販売数についての予測処理が実行される。
この予測処理は、所定のタイミング(例えば年度中に数回など)で自動生成される(ステップ901)。
【0072】
予測処理では、上述した回帰予想データ(回帰予想データ生成部12)に対する修正値となる予測値データが作成される(ステップ902:予測値データ生成部13)。
このとき、例えば販売計画の責任者・担当者等の判断により、必要に応じて予測ルールが操作(修正・追加・削除等)され(ステップ903)、予測ルールDB22のデータが更新・修正される。
【0073】
予測ルールDB22のデータが更新された場合には、予測値データに対して即時に反映され、予測値データが変化(修正)される(ステップ904)。また、外部情報DB23に予測値データに対応する外部情報が記憶・更新されている場合にも、それらの情報によって、予測値データが更新・変更される(ステップ904)。
以上により、過去の販売実績データから求められた回帰予想データに対して、所定の予測ルール(図3図4参照)と、必要な外部情報に従って、回帰予想データが示す販売数(販売数量・売上金額等)を修正・補正した予測値データが生成されるようになる。
【0074】
[実績予測(&生産計画)棒グラフ生成・変更]
次に、図9(b)を参照しつつ、本システム1における実績予測(&生産計画)棒グラフ生成・変更の処理動作について説明する。
図9(b)は、本システム1における実績予測(&生産計画)棒グラフ生成・変更の処理動作を模式的に示すフローチャートである。
同図に示すように、実績予測(&生産計画)棒グラフ生成・変更処理では、まず、本システム1の販売実績DB21のデータが、販売実績管理者装置30から入力される販売実績データによって、例えば昨年までの実績値に対して本年の実績値の速報データが追加・更新されると、その更新データによって、上述した予測値データについての予測処理が、本システム1において自動生成・自動実行される。
【0075】
例えば、更新データが入力され次第、すぐに予測値が変更され、また、アラート設定されていれば、メール等で販売実績管理者装置30・ユーザ端末40等に必要な通知が行われるようになる。
そして、これらの予測値の変更・更新に基づいて、販売計画DB24に格納されている、販売実績管理者装置30で計画・策定された対象製品の本年の販売計画の計画値/修正計画値のデータについても、必要な更新・変更が行われる。
【0076】
これにより、従来は製品販売の管理者・担当者等によって前年実績のみを参考に、勘と経験により作成されていた製品販売の計画値/修正計画値が、本システム1の導入後は、精度の高い予測値データを参照しつつ、客観的かつ精度の高い販売計画値として生成・修正・更新等できるようになる。
【0077】
[予測処理]
次に、図10を参照しつつ、本システム1の予測値データ生成部13・予測ルールによる予測処理の動作について説明する。
図10は、本システム1における予測処理の動作を模式的に示すフローチャートである。
同図に示すように、まず、対象製品を含む総売上ベースの売上については、本システム1の有無に関わらず、通常は、例年通りに予測することが可能である(ステップ1001)。
【0078】
これに対して、対象製品の「単品ベース」の売上は、様々な要因や事象などの影響を受けることで、正確・適切な予想は困難となる。
そこで、本システム1において、上述した多くのルールを設定することで、客観的かつ適切・妥当な予測値を算出することで、想定の抜けなどを未然に防ぐことが可能となる(ステップ1002)。
ここで、単品ベースの売上予想に影響を与える要因としては、例えば以下のようなものがあり、これらを予測ルールとして設定・適用することで、対象製品についての適切・妥当な売上予測を行うことができるようになる。
・天候による影響
・イベントの影響:ワールドカップ・購入補助(税金)・地デジ化・コロナ渦など
・流行、競合他社の動向
【0079】
さらに、以上のような単品ベールの売上予測は、既存のBIツールを利用して、追加情報として、例えば最新の実績データや他システムの気象データなどを逐次収集して予測ルールに追加・更新することで、それらのルールに基づいて予想値を修正・更新をすることで、売上予測の精度を更に向上させることができる(ステップ1003)。
予測ルールを追加・修正・更新する情報としては、例えば以下のようなものがある。
・対象製品の直近の実績データ
・気象データ(より正確な予想データ)
・受注予約システムのデータ(確定販売の把握)
【0080】
以上により、計画値の細かい修正により適切な投入がされることにより、例えば、品切による欠品を不防ぐことができるようになる(ステップ1004)。
このようにして、本システム1によれば、生産計画の細かい期間での修正や、計画修正の間に合う時期にハイエンドビールが売れており、ローエンドがうれていない場合には、生産計画の見直しなど、臨機応変にきめ細かい対応・修正等が行えるようになる。
【0081】
[自動予測更新処理]
次に、図11を参照しつつ、本システム1における自動予測更新処理の動作について説明する。
図11は、本システム1における自動予測更新処理の動作を模式的に示すフローチャートである。
【0082】
同図に示すように、本システム1では、まず、販売計画データ生成DB20の各DB21~24に蓄積・管理されている各データについて、例えば以下のようなデータが、日々・刻々に修正の発生したデータにより、自動更新・修正されるようになる(ステップ1101)。
・自社実績データの更新
・流行,競合他社の動向
・天候による影響
・イベントの影響:ワールドカップ・購入補助(税金)・地デジ化・コロナ渦など
【0083】
そして、上記のような日々刻々に行われるデータの更新に基づいて、対象製品の販売計画に係る売上予想の販売数も、売上ベース(ステップ1102)と、数量ベース(ステップ1103)の双方について、それぞれ、以下のような項目についての管理・更新・修正が行われる。
・品番別(+カラー&サイズ別)
・ブランド別(ハイエンド/ミドル/ローエンド)
・会社合計
【0084】
これにより、まず、売上/数量を「品番別」に管理・更新することによって、製品全体の売上ベース・数量ベースで大きく数字が変わらなくても、例えば、品番別数量&売上で閾値を超えた場合には、品番別だけでアラートを出し、そうでない場合には、閾値を超えたすべての区分でアラートを出すことで、生産調整を日々刻刻変わるデータでタイムリーに変更することができるようになる。
また、「ブランド別」に管理・更新を行うことで、例えば、消費税や酒税の変更等で、売上ベースで変更がないにも関わらず、数量ベースで「ハイエンド→ローエンド」に需要が変わる場合があり、このような影響・状況変化にも機動的に対応することが可能となる。
さらに、「会社合計」で管理・更新を行うことで、売上/数量ベースの会社合計について、例えばビールブランドであれば、ハイボールなどアルコール系全体の会社合計について売上予測の対象とすることができる。
【0085】
以上のような「売上ベース」と「数量ベース」の双方について、それぞれ「品番別/ブランド別/会社合計」の3項目、合計6項目の全てのベース(分類)で、本システム1に係るパラメータ(予測ルール)を適用して、その変化が基準内であるか否かを確認することができる。
これによって、個々のベース(分類)について、基準値が本年計画値から外れたら、外れたベースについてだけアラートを出すことができるようになる。
さらに、各ベースについて、基準値を超えた場合に、生産計画の間に合う間はパラメータの見直しを行うことができる。
【0086】
例えば、メーカーにとって「生産計画=在庫」となるため、上記のような本システム1の予測処理において基準値を超えた製品については、生産計画を見直さなければ「在庫=過剰在庫」となるおそれがあり、生産計画の早期見直しは、企業の生産活動において非常に重要なものとなる。
また、上記のような本システム1の予測処理によって、新たなルールやパラメータの変更及び適用期間を設定することにより、今後も使い続けられる適切・妥当なルールを、従来のようなベテラン担当者等の更新勘・経験に頼った、主観的・属人的な需要予測を回避して、客観的かつ適正・妥当な販売予測ルールを構築し、それらを社内の知的資産として継続的に保持・継承することができるようになる。
【0087】
[アラート通知]
本システム1では、上述のとおり、予測値データと計画値・修正計画値等との差異や乖離がある場合に、その差異の程度に応じて、例えば販売計画に影響を及ぼすような外部情報の変化等の有無や内容について、販売計画データ生成サーバ10から必要に応じて、販売実績管理者装置30やユーザ端末40に対して、所定のアラート通知を送信することができるようになっている(図12図14参照)。
図12図14に、本システム1において生成・出力されるアラート通知の一例を示す。
【0088】
図12(a)は、本システム1の販売予測の対象製品である「ビール」についての「需要予測」の変化についてのアラートの一例である。
図12(b)は、本システム1の販売予測の予測ルールについての変更(新規追加)についてのアラートの一例である。
図13(a)は、本システム1の販売予測に影響を与える可能性のある外部情報として「気象データ」,「来日旅行者数」,「景気動向指数」を通知するアラートの一例である。
図13(b)は、本システム1の販売予測の予測値の変化(ブランドの予測値)についてのアラートの一例である。
図14は、本システム1の販売予測の予測ルールの変化に影響を及ぼした外部情報ついて通知するアラートの一例である。
【0089】
このように、本システム1では、対象製品の販売予測に関して通知すべき情報、注意を喚起すべき情報、参考とすべき情報など、本システム1のユーザである製品販売を行う企業の管理者・担当者等にとって有用となる様々な情報を、アラートとして通知・送信することできる。
これによって、本システム1のユーザは、時々刻々と変化する自社製品を取り巻く情勢や環境など、自社の製品の販売計画に影響を与える可能性のある様々な事象や要因などに関する有用な情報を、アラートの形で受け取ることができ、自社製品の販売計画を含む営業活動全般に活用することができるようになる。
なお、上記に示したアラートは、図12図14に示すものを含めて、あくまでも本システム1において生成・通知されるアラートの一例であり、内容・形式・送信形態等を含めて、上記以外のアラートを生成・通知できることは言うまでもない。
【0090】
以上説明したように、本発明に係る販売計画データ生成システム1によれば、販売計画策定の対象となる製品について、過去の販売実績に基づく回帰予想データを、例えばベテラン担当者の長年の経験や勘に基づく基準や、販売数に影響を与える可能性のある事象(例えば天候,製品寿命,イベントの有無,流行の変化(予想)など)を、予測ルールによって修正・変更することで、従来の主観的・属人的な経験や勘のみによって作成されていた製品の販売計画を、客観的かつ適切・妥当なルールによって修正・補正することができるようになる。
また、予想データを修正等する予測ルールは、随時変更・更新・追加等することができ、製品の販売予測について、機動的かつ柔軟に修正・変更等することができるようになる。
【0091】
具体的には、対象製品の売上・販売予想は、まず、過去の販売実績データに基づく回帰予測曲線(回帰予想データ)は、実績が入ることにより過去も未来も変化するが、それ以外に取得される、例えば気象予測データ,現在の開催イベント(オリンピック等)の支持・興味率など、様々な要因でも変化することになる。
したがって、そのような様々な要因となる指標データを予測ルールとして取得し適用させることで、回帰予想データも動的に変化させることができる。
また、実際の販売実績値が得られた場合に、指標データを反映させても、回帰予想曲線と大きく変わってきた場合には、管理者・担当者等にアラートを通知することができる。
【0092】
さらに、予測ルールに基づいて、販売計画を機動的に変更した場合には、例えばスナップショット機能(誰が,いつ,どのパラメータでシミュレート)を利用してトレース率を表示することができる。
このようにして、本システム1では、ベテラン経験者等の勘に頼らない予測値を生成・出力することができ、日々取得されるデータについてトレース(UP率・Dowun率)が変わった場合にも、大きく予測値が変わることになった場合にはアラートで注意喚起等することが可能となる。
【0093】
このように、本システム1によれば、ベテラン担当者等の経験や勘といった個人的・属人的な情報・能力のみに依拠することなく、過去の販売実績データに対して、将来的に起こり得る事象や変動要素などを、販売計画に影響を与えるルールとして設定し、それらのルールを継続的に保持・修正・更新することができる。
これにより、本システム1では、例えばベテラン担当者等が現在持っている経験や勘をデータベース化することができ、その根拠となる過去の販売実績データに関しても自動的に収集し、変化があれば予想・計画を変更し、さらに、変化等の有無や内容に応じてアラートを与えることが可能となる。
したがって、本システム1によれば、適切かつ客観的な販売計画データを生成することができる、特に製品の継続的な製造・販売が行われる各種製品メーカーの販売計画策定に好適な販売計画データ生成システムを提供することができるようになる。
【0094】
以上、本発明について好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態では、販売予測の対象となる製品について「ビール系飲料」を例にとって説明したが、本発明は特に対象製品について限定されるものではなく、売上予想・販売計画の作成が必要となる製品・対象物であれば、どのようなものであっても本発明を適用することが可能である。
【0095】
また、上述した実施形態では、図6図8に示したように、販売計画データで表示される要素として、回帰予想データ・予測値データ・計画値/修正計画値/実績値の5つのデータをグラフ化して表示してあるが、これらの一部の要素・データを省略することもできる。例えば、図6に示したように回帰予想データ・予測値データの2つの要素のみを表示させることもでき、また、図7に示したように、回帰予想データ・予測値データ・計画値/修正計画値の4つの要素を表示させることもでき、また、特に図示していないが、回帰予想データ・予測値データ・実績値の3つの要素を表示させて、計画値/修正計画値を省略することもできる。
【0096】
また、上述した実施形態では、図6図8に示したように、回帰予想データを折れ線グラフ、予測値データを帯グラフ、計画値/修正計画値/実績値を棒グラフとして表示させていたが、いずれの要素・データについて、いずれのグラフの種類・形態で表示させるかについては、任意に選択変更することができる。
例えば、計画値/修正計画値/実績値について、回帰予想データとともに折れ線グラフとして表示させ、予測値データを、それらに重なる棒グラフとして表示させるようなことも勿論可能である。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は、例えば飲料メーカーや家電メーカー,アパレルメーカーなど、製品を販売する各種の企業や団体,組織等における、過去の販売実績に基づく将来の販売計画の作成を支援するためのシステムとして好適に利用可能である。
【符号の説明】
【0098】
1 販売計画データ生成システム
10 販売計画データ生成サーバ
11 販売実績データ受信部
12 回帰予想データ生成部
13 予測値データ生成部
14 販売計画データ生成部
20 販売計画データ生成データベース
21 販売実績DB
22 予測ルールDB
23 外部情報DB
24 販売計画DB
30 販売実績管理者装置
40 ユーザ端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15