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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024012948
(43)【公開日】2024-01-31
(54)【発明の名称】駆動装置
(51)【国際特許分類】
   H02K 7/06 20060101AFI20240124BHJP
【FI】
H02K7/06 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022114796
(22)【出願日】2022-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095452
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 博樹
(74)【代理人】
【識別番号】100130535
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 明
(74)【代理人】
【識別番号】100183025
【弁理士】
【氏名又は名称】大角 孝一
(72)【発明者】
【氏名】古林 一美
【テーマコード(参考)】
5H607
【Fターム(参考)】
5H607BB01
5H607CC01
5H607CC03
5H607CC09
5H607DD02
5H607DD03
5H607DD19
5H607EE52
(57)【要約】
【課題】リードスクリューを押圧する板バネを有する駆動装置の収納性及び板バネの固定性を向上する。
【解決手段】対向する第1壁2bと第2壁2cとを有するフレーム2と、フレーム2の第1壁2b側に設けられた駆動部3と、駆動部3に駆動力によって回転するリードスクリュー4と、第2壁2cの第1壁2bと対向する対向面2eに少なくとも一部が設けられリードスクリュー4を回転可能に支持する軸受8と、駆動部3の駆動力によってリードスクリュー4に沿って移動する可動部材6と、固定部7aと力付与部7bとを有する板バネ7と、を備え、板バネ7は、固定部7aが第2壁2cと軸受8の少なくとも一部とに挟まれることより第2壁2cに固定され、力付与部7bがリードスクリュー4の第2壁2c側端部を第1壁2b側に向けて押圧するよう構成されている駆動装置1。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する第1壁と第2壁とを有するフレームと、
前記フレームの前記第1壁側に設けられた駆動部と、
前記第1壁から前記第2壁に延設され、前記駆動部に駆動力によって回転するリードスクリューと、
前記第2壁の前記第1壁と対向する対向面に少なくとも一部が設けられ前記リードスクリューを回転可能に支持する軸受と、
前記駆動部の駆動力によって前記リードスクリューに沿って移動する可動部材と、
固定部と、前記固定部と対向し前記固定部に対して接近する方向及び離間する方向に力を付与する力付与部と、を有する板バネと、
を備え、
前記板バネは、前記固定部が前記第2壁と前記軸受の少なくとも一部とに挟まれることより前記第2壁に固定され、前記力付与部が前記リードスクリューの前記第2壁側の端部を前記第1壁側に向けて押圧するよう構成されていることを特徴とする駆動装置。
【請求項2】
請求項1に記載の駆動装置において、
前記軸受は、前記第2壁側に前記リードスクリュー側に凹む凹部を有し、
前記板バネは、前記固定部に切欠き部を有し、前記切欠き部が前記凹部に嵌ることで前記第2壁と前記凹部の前記第1壁側の面とに挟まれるよう構成されていることを特徴とする駆動装置。
【請求項3】
請求項2に記載の駆動装置において、
前記板バネは、前記固定部における前記切欠き部の開放側とは反対側に前記固定部に対して折り曲げられた折り曲げ部を有することを特徴とする駆動装置。
【請求項4】
請求項3に記載の駆動装置において、
前記折り曲げ部は、前記切欠き部が前記凹部に嵌ることで前記第2壁の少なくとも一部と当接することを特徴とする駆動装置。
【請求項5】
請求項2または3に記載の駆動装置において、
前記板バネは、前記切欠き部が前記凹部に嵌った際に前記凹部に当接する突起部を有することを特徴とする駆動装置。
【請求項6】
請求項1から3のいずれか1項に記載の駆動装置において、
前記第1壁と前記第2壁とに接続するシャフトを備え、
前記板バネは、前記リードスクリューの回転に伴って回転した場合に前記シャフトと当接する当接部を前記固定部に有することを特徴とする駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、駆動部の駆動力によってリードスクリューに沿って可動部材を移動させる様々な構成の駆動装置が使用されている。このうち、リードスクリューを押圧する板バネを有する駆動装置がある。例えば、特許文献1には、駆動部の駆動力によってリードスクリューに沿って連結部を移動させることが可能であるとともに、リードスクリューをスラストバネで押圧するステッピングモータが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6-98522号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、リードスクリューを押圧する板バネを有する従来の駆動装置においては板バネの固定性が不十分となる場合があった。例えば、特許文献1のスラストバネは、板バネのクリップ部をフレームに引っ掛けるだけの構成であるため、固定性が十分であるとは言えない。また、従来の駆動装置においては、板バネの固定性を向上させるために板バネ及びその固定部の構造が複雑化するとともに大型化するために、また、板バネ全体がフレームの外側に配置されるなど板バネの配置が良くないために、駆動装置の収納性が低下する場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の駆動装置は、対向する第1壁と第2壁とを有するフレームと、前記フレームの前記第1壁側に設けられた駆動部と、前記第1壁から前記第2壁に延設され、前記駆動部に駆動力によって回転するリードスクリューと、前記第2壁の前記第1壁と対向する対向面に少なくとも一部が設けられ前記リードスクリューを回転可能に支持する軸受と、前記駆動部の駆動力によって前記リードスクリューに沿って移動する可動部材と、固定部と、前記固定部と対向し前記固定部に対して接近する方向及び離間する方向に力を付与する力付与部と、を有する板バネと、を備え、前記板バネは、前記固定部が前記第2壁と前記軸受の少なくとも一部とに挟まれることより前記第2壁に固定され、前記力付与部が前記リードスクリューの前記第2壁側の端部を前記第1壁側に向けて押圧するよう構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、リードスクリューを押圧する板バネを有する駆動装置の収納性及び板バネの固定性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態の駆動装置を示す斜視図である。
図2図1の駆動装置を図1とは異なる角度から見た斜視図である。
図3図1の駆動装置の軸受と板バネとの接合部分を表す斜視図である。
図4図1の駆動装置の軸受を表す斜視図である。
図5図1の駆動装置の板バネを表す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。まず、図1及び図2を参照して、本発明の一実施例である駆動装置1について説明する。図1及び図2は、本実施例の駆動装置1を示す斜視図である。なお、以下の説明では、リードスクリュー4の軸線方向をX方向とし、X方向と直交するとともに互いに直交する方向をY方向及びZ方向とする。本実施例の駆動装置1は、例えば、車両用のヘッドアップディスプレイ装置などに適用することができる。ただし、本発明は、車両用のヘッドアップディスプレイ装置に適用可能な駆動装置に限定されない。
【0009】
駆動装置1は、外周面に螺旋溝が形成されたリードスクリュー4と、リードスクリュー4を軸線周りに回転駆動するための駆動部3と、螺旋溝に係合して軸線A方向に移動する可動部材6と、駆動部3等を支持するフレーム2を備えている。フレーム2は、板状のフレーム本体2aと、フレーム本体2aの長手方向の両端が折り曲げられてたがいに対向するように形成された一対の壁である第1壁2b及び第2壁2cと、を有している。
【0010】
フレーム2の第1壁2b及び第2壁2cには、リードスクリュー4に対してX方向に沿って平行に配置されたガイドシャフト5としてガイドシャフト5A及びガイドシャフト5Bが固定されている。ガイドシャフト5は、可動部材6に取り付けられるミラーホルダなどと係合し、可動部材6がリードスクリュー4の回転に伴って回転することを抑制しつつ可動部材6をリードスクリュー4に沿って移動させることを可能にする。
【0011】
駆動部3は、ステッピングモータ等のモータであり、モータケースを構成するステータ14とステータ14の内部に配置されたロータ(図示せず)から概ね構成されている。ロータは、リードスクリュー4とリードスクリュー4に固定された永久磁石(図示せず)を備えている。
【0012】
ステータ14は、フレーム2の第1壁2bに溶接などにより固定されている。この第1壁2bには、給電基板10が例えばボルトなどによって固定されている。なお、ステータ14の側面には給電部となる端子ピンが設けられており、給電基板10と電気的に接続されている。端子ピンには、ステータ14の駆動コイル(図示せず)の端末部分が巻き付けられており、端子ピンと給電基板10をはんだ付けすることで、給電基板10と駆動コイルとの電気的な接続を行うことができる。
【0013】
また、給電基板10にはスイッチユニットを取り付けることができる。スイッチユニットとして、例えば、可動部材6の移動方向の原点位置を検出する押圧式のスイッチなどを取り付けることができる。スイッチユニットと給電基板10との電気的な接続は、スイッチユニットの端子ピンと給電基板10とをはんだ付けすることなどで行われる。
【0014】
リードスクリュー4は、駆動部3によって回転駆動されるものである。リードスクリュー4は、フレーム本体2aと略平行に配置され、X方向のうちの矢印先端方向である+X方向の端部が、ワッシャー9を介し、フレーム2の第2壁2cの孔部2dに取り付けられた軸受8によって回転可能に支持されている。X方向における第2壁2cと軸受8との間には、板バネ7が取り付けられている。板バネ7は、リードスクリュー4の+X方向の端部をX方向のうちの矢印後端方向である-X方向側に向けて付勢している。なお、板バネ7の詳細な構成及び板バネ7がフレーム2に対してどのように取り付けられているかについては後述する。
【0015】
ここで、リードスクリュー4の-X方向側端部は、半球状に突出する構造をしており、リードスクリュー4の-X方向側端部を受ける駆動部側軸受部3aは半球状に凹む構造を有している。このため、リードスクリュー4を-X方向側に向けて付勢することで、リードスクリュー4のX方向の位置が決まるだけでなくX方向と交差する方向の位置も決まり、リードスクリュー4を回転した際のリードスクリュー4の回転ブレを低減することができる。
【0016】
なお、本実施例の駆動装置1は、駆動部3が設けられる側とは反対側からリードスクリュー4を駆動部3が設けられる側に付勢する構成である。このような構成とは逆に、駆動部3が設けられる側からリードスクリュー4を駆動部3が設けられる側とは反対側に付勢する構成とすることも可能である。しかしながら、本実施例の駆動装置1のように駆動部3が設けられる側とは反対側からリードスクリュー4を駆動部3が設けられる側に付勢する構成とすることで、リードスクリュー4の付勢機構を駆動部3から遠い位置に配置することが可能になる。リードスクリュー4付勢機構を駆動部3から遠い位置に配置することで、リードスクリュー4の回転に伴って振動しやすい位置である板バネ7の距離を遠ざけることができる。
【0017】
ここで、板バネ7は径方向において、リードスクリュー4を一方側に押し付ける役割もしている。リードスクリュー4を押し付ける際に、駆動部3側に配置する場合は、駆動部3とは逆側に配信する場合と比較し、より強い付勢力が必要になる。すなわち、駆動部3とは逆側に配置したほうが小さな付勢力でよくなる。なお、径方向側への付勢は下記に記載の衝撃音を防ぐためであり、軸方向(X軸方向)への付勢はマグネットの軸方向への動き(移動)を抑制しているためである。
【0018】
リードスクリュー4はX軸方向における両端の軸受7によって保持(挿通)されているが、リードスクリュー4が回転するためにリードスクリュー4の外周面と、軸受7の内周面にはわずかに隙間がある。リードスクリュー4が正常に回転する際には、常にリードスクリュー4の外周は、軸受7の内周面に沿うように回転しているが、回転している最中に一時的にリードスクリュー4が軸受7から離れることが起こり得る。そして、再度、リードスクリュー4と軸受7が接触する際に衝撃音が発生する。このため、板バネ7の付勢力によって、リードスクリュー4が軸受7の内周面から離れることを抑制するために、リードスクリュー4を一方側に押し付けている。
【0019】
可動部材6には、例えば、車両用のヘッドアップディスプレイ装置などで使用されるミラーを保持するミラーホルダなどを取り付けることができる。可動部材6にミラーを保持するミラーホルダを取り付けることで、駆動部3を駆動してリードスクリュー4を回転させて可動部材6とともにミラーホルダ及び該ミラーホルダに保持されたミラーをX方向に沿って移動させることができる。
【0020】
次に、主に図3から図5を参照して、板バネ7及び軸受8の詳細な構成、板バネ7が軸受8によってどのように第2壁2cに取り付けられているか、について説明する。ここで、図3は駆動装置1の軸受8と板バネ7との接合部分を表す斜視図であり、図4は駆動装置1の軸受8を表す斜視図であり、図5は駆動装置1の板バネ7を表す斜視図である。なお、図3から図5はほぼ同じ方向から見た斜視図である。
【0021】
図3及び図4で表されるように、軸受8は、第1円筒部8aと、第2円筒部8bとを有している。そして、図2で表されるように、第1円筒部8aが第2壁2cの円形の孔部2dに取り付けられる。第1円筒部8aが第2壁2cの孔部2dに取り付けられることで、第1円筒部8aの+X方向側の面8eは第2壁2cと接触した状態で面することとなる。
【0022】
また、図3及び図4で表されるように、軸受8は、第2円筒部8bの+X方向側(面8e側)の端部に内側(リードスクリュー4側)に凹む凹部8cが設けられている。軸受8の第1円筒部8aが第2壁2cの孔部2dに取り付けられることで、凹部8cは、凹部8cの-X方向側の面8dと第2壁2cの表面とで側面をなす溝、すなわち、内側に凹んだ円周状の溝を形成する。板バネ7は、該溝に取り付けられる。
【0023】
さらに詳細には、板バネ7は、図3及び図5で表されるように、いずれも平板状の部材である、固定部7aと、固定部7aと対向し固定部7aに対して接近する方向及び離間する方向に力を付与する力付与部7bと、固定部7a及び力付与部7bを接続する接続部7cと、を有している。固定部7aは、外側(リードスクリュー4とは反対側)の同じ方向に向かって延びる突出部7d及び突出部7eが形成されている。別の表現をすると、固定部7aは、内側(リードスクリュー4側)に切り欠かれた切欠き部7iを有する。そして、図3で表されるように切欠き部7i、突出部7d及び突出部7eが凹部8cに対応する内側に凹んだ円周状の溝に配置されるように、板バネ7は該溝に取り付けられる。なお、本実施例の板バネ7は、固定部7aと力付与部7bと接続部7cとが一枚の平板状部材を折り曲げて構成しているが、力付与部7bが固定部7aと対向し固定部7aに対して接近する方向及び離間する方向に力を付与する構成である限り、本実施例のような構成に限定されない。
【0024】
上記のように、本実施例の駆動装置1は、対向する第1壁2bと第2壁2cとを有するフレーム2と、フレーム2の第1壁2b側に設けられた駆動部3と、第1壁2bから第2壁2cに延設され、駆動部3に駆動力によって回転するリードスクリュー4と、駆動部3の駆動力によってリードスクリュー4に沿って移動する可動部材6と、を備えている。そして、図1で表されるように第2壁2cの第1壁2bと対向する対向面2eに少なくとも一部が設けられリードスクリュー4を回転可能に支持する軸受8と、固定部7aと力付与部7bとを有する板バネ7と、を備えている。そして、本実施例の駆動装置1においては、板バネ7は、固定部7aが第2壁2cと軸受8の一部である凹部8cの面8dとに挟まれることより第2壁2cに固定され、力付与部7bがリードスクリュー4の第2壁2c側端部を第1壁2b側に向けて押圧するよう構成されている。
【0025】
本実施例のように、板バネ7の固定部7aが第2壁2cと軸受8の少なくとも一部とに挟まれることより第2壁2cに固定される構成とすることで、板バネ7をフレーム2に確りと固定することができ、板バネ7のフレーム2に対する固定性を向上させることができる。また、本実施例のように、板バネ7の固定部7aが第2壁2cの対向面2eに固定されることで第2壁2cの厚み(X方向における厚み)の分だけ駆動装置1を小型化することができ、駆動装置1の収納性を向上させることができる。
【0026】
なお、本実施例においては、図3などで表されるように、板バネ7は、軸受8の面8dにより、円周状に沿って半円分第2壁2cに挟まれることより該第2壁2cに固定されている。このように、円周状に沿って挟まれることより固定されることで位置ずれしにくくなるとともに、半円分以上挟まれることより固定されることで固定力が特に向上する。なお、本実施例においては、略真円の円周状に沿って固定されているが、真円ではなく楕円の円周状に沿って固定されていてもよい。
【0027】
また、上記のように、本実施例の駆動装置1においては、軸受8は、第2壁2c側に内側(リードスクリュー4側)に凹む凹部8cを有している。また、板バネ7は、固定部7aに切欠き部7iを有している。そして、切欠き部7iが凹部8cに嵌ることで、第2壁2cと凹部8cの第1壁2b側の面8dとに板バネ7の固定部7aが挟まれるよう構成されている。このような構成とすることで、切欠き部7iを凹部8cに挿入することで簡単に板バネ7をフレーム2に取り付けることができるとともに、板バネ7の固定部7aを第2壁2cと凹部8cの第1壁2b側の面8dとで確りと固定することができる。さらに、切欠き部7iを凹部8cに挿入する構成とするとともに切欠き部7iを凹部8cに当接させて位置決め可能な構成とすることで、板バネ7のフレーム2に対する位置決め精度を高くすることができる。
【0028】
また、本実施例の駆動装置1においては、図1から図3、並びに、図5で表されるように、板バネ7は、固定部7aにおける切欠き部7iの開放側とは反対側に固定部7aに対して略90°折り曲げられた折り曲げ部7jを有する。このような折り曲げ部7jを有することで、例えばユーザーが折り曲げ部7jを手で押すことで、切欠き部7iを凹部8cに挿入することができる。すなわち、固定部7aと力付与部7bとの接続部7cに触れることなく、切欠き部7iを凹部8cに挿入することができる。特に、本実施例の駆動装置1においては、切欠き部7iを凹部8cに挿入する際、ユーザーが折り曲げ部7jとショルダー部7hとを同時に押すことで切欠き部7iを凹部8cに簡単に挿入することができる。固定部7aと力付与部7bとの接続部7cに力が加わり固定部7aと力付与部7bとのなす角度が変化すると板バネ7の性能が低下する虞があるが、このような虞を抑制することができる。なお、本実施例では折り曲げ部7jを1か所のみ設けているが、例えば、ショルダー部7hの位置に折り曲げ部をさらに設けてもよい。
【0029】
また、板バネ7が折り曲げ部7jを有することで、板バネ7をフレーム2から取り外した際に、ユーザーが折り曲げ部7jを手で持つことができ、板バネ7の持ち運びが容易となる。なお、本実施例の板バネ7においては、折り曲げ部7jは固定部7aに対して略90°折り曲げられているが、折り曲げ角度に特に限定は無い。なお、本実施例の板バネ7は、フレーム2にリードスクリュー4や軸受8など板バネ7以外の上記のすべての構成部材を組み付けてから最後に嵌めることができるが、このような構成に限定されない。フレーム2に板バネ7を組み付けてから軸受8で板バネ7の固定部7aを第2壁2cとともに挟み込むようにしてもよい。
【0030】
また、本実施例の駆動装置1においては、折り曲げ部7jは、切欠き部7iが凹部8cに嵌ることで第2壁2cの端部における一部と当接している。このように、折り曲げ部7jは、切欠き部7iが凹部8cに嵌ることで第2壁2cの少なくとも一部と当接して位置決めされることが好ましい。簡単な構造で板バネ7をフレーム2に対して精度よく位置決めすることができるためである。
【0031】
また、図3及び図5で表されるように、本実施例の駆動装置1においては、板バネ7は、切欠き部7iが凹部8cに嵌った際に凹部8cに当接する突起部7g及び突起部7kを有する。本実施例の駆動装置1の板バネ7は、切欠き部7iが凹部8cに嵌ることに伴い突出部7d及び突出部7eが撓って一旦外側に広がり再び内側に狭まる。そして、図3及び図5で表されるように、突起部7gは突出部7dに設けられ、突起部7kは突出部7eに設けられる。このように、突起部7gを突出部7dに有し突起部7kを突出部7eに有することで、ユーザーが意図せず凹部8cに嵌った板バネ7が凹部8cから抜け出てしまうことを抑制することができる。
【0032】
また、図1及び図2で表されるように、本実施例の駆動装置1においては、第1壁2bと第2壁2cとに接続するシャフトであるガイドシャフト5A及びガイドシャフト5Bを備えている。そして、図1図3及び図5で表されるように、板バネ7は、リードスクリュー4の回転に伴って回転した場合にガイドシャフト5Aと当接する当接部7fを固定部7aに有している。このため、リードスクリュー4の回転に伴って板バネ7が回転することを抑制することができる。
【0033】
本発明は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0034】
最後に、本発明について包括的に以下に記載する。
【0035】
(1)
対向する第1壁と第2壁とを有するフレームと、前記フレームの前記第1壁側に設けられた駆動部と、前記第1壁から前記第2壁に延設され、前記駆動部に駆動力によって回転するリードスクリューと、前記第2壁の前記第1壁と対向する対向面に少なくとも一部が設けられ前記リードスクリューを回転可能に支持する軸受と、前記駆動部の駆動力によって前記リードスクリューに沿って移動する可動部材と、固定部と、前記固定部と対向し前記固定部に対して接近する方向及び離間する方向に力を付与する力付与部と、を有する板バネと、を備え、前記板バネは、前記固定部が前記第2壁と前記軸受の少なくとも一部とに挟まれることより前記第2壁に固定され、前記力付与部が前記リードスクリューの前記第2壁端部を前記第1壁側に向けて押圧するよう構成されていることを特徴とする駆動装置。
【0036】
(2)
上記(1)に記載の駆動装置において、前記軸受は、前記第2壁側に前記リードスクリュー側に凹む凹部を有し、前記板バネは、前記固定部に切欠き部を有し、前記切欠き部が前記凹部に嵌ることで前記第2壁と前記凹部の前記第1壁側の面とに挟まれるよう構成されていることを特徴とする駆動装置。
【0037】
(3)
上記(2)に記載の駆動装置において、前記板バネは、前記固定部における前記切欠き部の開放側とは反対側に前記固定部に対して折り曲げられた折り曲げ部を有することを特徴とする駆動装置。
【0038】
(4)
上記(3)に記載の駆動装置において、前記折り曲げ部は、前記切欠き部が前記凹部に嵌ることで前記第2壁の少なくとも一部と当接することを特徴とする駆動装置。
【0039】
(5)
上記(2)から(4)のいずれか1つに記載の駆動装置において、前記板バネは、前記切欠き部が前記凹部に嵌った際に前記凹部に当接する突起部を有することを特徴とする駆動装置。
【0040】
(6)
上記(1)から(5)のいずれか1つに記載の駆動装置において、前記第1壁と前記第2壁とに接続するシャフトを備え、前記板バネは、前記リードスクリューの回転に伴って回転した場合に前記シャフトと当接する当接部を前記固定部に有することを特徴とする駆動装置。
【符号の説明】
【0041】
1…駆動装置、2…フレーム、2a…フレーム本体、2b…第1壁、2c…第2壁、2d…孔部、2e…対向面、3…駆動部、3a…駆動部側軸受部、4…リードスクリュー、5…ガイドシャフト、5A…ガイドシャフト(シャフト)、5B…ガイドシャフト(シャフト)、6…可動部材、7…板バネ、7a…固定部、7b…力付与部、7c…接続部、7d…突出部、7e…突出部、7f…当接部、7g…突起部、7h…ショルダー部、7i…切欠き部、7j…折り曲げ部、7k…突起部、8…軸受、8a…第1円筒部、8b…第2円筒部、8c…凹部、8d…面、8e…面、9…ワッシャー、10…給電基板、14…ステータ
図1
図2
図3
図4
図5