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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129482
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】掃除機管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/28 20060101AFI20240919BHJP
   A47L 9/00 20060101ALI20240919BHJP
【FI】
A47L9/28 M
A47L9/28 E
A47L9/00 104
A47L9/28 N
A47L9/28 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038712
(22)【出願日】2023-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】上野 真司
(72)【発明者】
【氏名】黒田 隆
(72)【発明者】
【氏名】河田 宏史
(72)【発明者】
【氏名】上甲 康之
(72)【発明者】
【氏名】白井 晃平
【テーマコード(参考)】
3B006
3B057
【Fターム(参考)】
3B006MA03
3B057DE02
3B057DE06
(57)【要約】
【課題】
掃除機の動作状態に応じて適切な掃除機の制御やサービスの提供することを課題とする。
【解決手段】
掃除機と接続する端末装置10をコンピュータとして機能させるための掃除機管理プログラム105において、前記掃除機と接続する通信部11と、端末装置10で出力する画面を作成するI/F作成部と、前記画面を切り替える画面切替部として機能させ、前記掃除機は、自身の動作状態を学習する学習モードを有し、前記I/F作成部は、前記学習モードを実行する際に、前記学習モードでの学習の対象となる稼働領域の入力画面、動作状態収集開始指示画面および動作状態収集終了指示画面を作成し、前記画面切替部は、前記入力画面、前記動作状態収集開始指示画面および前記動作状態収集終了指示画面を出力部へ連続的に出力する掃除機管理プログラム105。
【選択図】 図40
【特許請求の範囲】
【請求項1】
掃除機と接続する端末装置をコンピュータとして機能させるための掃除機管理プログラムにおいて、
前記掃除機と接続する通信部と、
前記端末装置で出力する画面を作成するI/F作成部と、
前記画面を切り替える画面切替部として機能させ、
前記掃除機は、自身の動作状態を学習する学習モードを有し、
前記I/F作成部は、前記学習モードを実行する際に、前記学習モードでの学習の対象となる稼働領域の入力画面、動作状態収集開始指示画面および動作状態収集終了指示画面を作成し、
前記画面切替部は、前記入力画面、前記動作状態収集開始指示画面および前記動作状態収集終了指示画面を出力部へ連続的に出力する掃除機管理プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載の掃除機管理プログラムにおいて、
前記画面切替部は、
記入力画面に対する稼働領域の入力を受け付けると、前記動作状態収集開始指示画面に切り替え、
前記動作状態収集開始指示画面に対する動作状態の収集開始指示を受け付けると、
前記学習モードを開始する制御指示を作成し、前記動作状態収集終了指示画面に切り替え、
前記動作状態収集終了指示画面に対する動作状態の収集終了指示を受け付けると、前記学習モードを終了する制御指示を作成する掃除機管理プログラム。
【請求項3】
請求項1に記載の掃除機管理プログラムにおいて、
前記学習モードの際に収集された動作状態を用いて、前記稼働領域が対応付けられた学習データが作成される掃除機管理プログラム。
【請求項4】
請求項3に記載の掃除機管理プログラムにおいて、
前記掃除機は、充電台と接続して充電され、
前記動作状態として、前記掃除機と前記充電台の間の電波強度を用いられる掃除機管理プログラム。
【請求項5】
請求項4に記載の掃除機管理プログラムにおいて、
前記掃除機は、当該掃除機が前記充電台から離脱することが検知されたことを条件に、前記学習モードについて、スタンバイ状態に遷移する掃除機管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掃除機およびこれを管理するための情報処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、家庭内などの掃除では、掃除機が用いられている。また、掃除機の稼働については、掃除における掃除状態を利用することが考えられる。例えば、常時状態を利用した掃除機の制御やこれを用いたサービスが想定される。
【0003】
ここで、掃除対象の場所によって特性が変わるため、場所ないしその特性に応じて掃除を行うことで、より適切な掃除が実行される。また、掃除済の場所を把握することで、同じ場所に対する掃除の重複や掃除漏れを確認することが可能となる。このために、掃除機での掃除場所を検知することが必要になる。
【0004】
例えば、特許文献1においては、「レーザ測距計40、カメラ70等を用いて所定の空間(より具体的には、所定の空間内)を撮像しながら走り回ることで、所定の空間の地図を示す地図情報210(データ)を生成」し、「生成した地図情報210に基づいて、所定の空間を掃除する際に走行する走行経路を算出」し、「算出した走行経路で、所定の空間を走行して掃除」する自律走行型掃除機100が開示されている。さらに、特許文献1においては、走行経路を含む領域に関する認識について学習部に機械学習されることも記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2022-21145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、図9A図9Fに示される登録画面を介して、認識対象となる各稼働領域の登録作業が行われる。そして、特許文献1では、各領域に対する認識が実行される。また、特許文献1では、登録された認識対象に対する学習が行われている。
【0007】
ここで、特許文献1では、ペットボトルなど物体についての学習が行われており、同時期の動作や稼働領域を対象とする学習については開示されていない。そして、学習についてのインタフェースについては特に考慮されていない。
【0008】
これに対して、本発明では、掃除機の動作状態を利用した掃除機の制御やサービスの提供のための情報処理を実現することを課題とする。特に、本発明では、掃除機の動作状態や稼働領域に対する学習を行うために、利便性を向上するインタフェースを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明では、掃除機の動作状態を検知し、これらを解析し、この結果から稼働領域を推定する。ためのインタフェースを提供する。そして、望ましくは、推定された稼働領域に応じた表示、制御やサービス提供といった処理を実行する。
【0010】
例えば、本発明では、利用者が操作して掃除する掃除機において、学習モードおよび掃除モードを設け、学習モードを実行する際に、「稼働領域の入力画面」「動作状態収集開始指示画面」「動作状態収集終了指示画面」を、連続的に出力する。
【0011】
より具体的には、掃除機と接続する端末装置をコンピュータとして機能させるための掃除機管理プログラムにおいて、前記掃除機と接続する通信部と、前記端末装置で出力する画面を作成するI/F作成部と、前記画面を切り替える画面切替部として機能させ、
前記掃除機は、自身の動作状態を学習する学習モードを有し、前記I/F作成部は、前記学習モードを実行する際に、前記学習モードでの学習の対象となる稼働領域の入力画面、動作状態収集開始指示画面および動作状態収集終了指示画面を作成し、前記画面切替部は、前記入力画面、前記動作状態収集開始指示画面および前記動作状態収集終了指示画面を出力部へ連続的に出力する掃除機管理プログラムである。
【0012】
また、本発明には、掃除機管理プログラムにより機能する装置(特に、端末装置)やこれら各装置で構成される掃除機管理システムやそのサブシステム。また、これら各装置やサブシステムで実行される掃除機管理方法も本発明に含まれる。さらに、上述の掃除機管理プログラムを格納する記憶媒体も本発明に含まれる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、掃除機の動作状態に応じて適切な掃除機の制御やサービスの提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態の概要を説明する図である。
図2】本発明の一実施形態における掃除機をスティック状態で充電台に収納した状態を示す斜視図である。
図3】本発明の一実施形態における掃除機管理システムのシステム構成図である。
図4】本発明の一実施形態におけるスティック型掃除機31の機能ブロック図である。
図5】本発明の一実施形態における端末装置10の機能ブロック図である。
図6】本発明の一実施形態におけるスティック型掃除機31の動作、稼働を示すフローチャートである。
図7】実施例1における掃除機管理システムのシステム構成図である。
図8】実施例1におけるスティック型掃除機31の機能ブロック図である。
図9】実施例1における充電台32の機能ブロック図である。
図10】実施例1におけるスティック型掃除機31の内部構造および充電台32との関係を示す図である。
図11】実施例1における端末装置10の機能ブロック図である。
図12】実施例1における掃除機管理装置20のハードウエア構成図である。
図13】実施例1における端末装置10のハードウエア構成図である。
図14】実施例1で用いられるレイアウト情報261を示す図である。
図15】実施例1で用いられる掃除データ262を示す図である。
図16】実施例1で用いられる教師データ263を示す図である。
図17】実施例1における動作状態の検知、収集処理を示すフローチャートである。
図18】実施例1における稼働領域推定処理を示すフローチャートである。
図19】実施例1における稼働領域の推定の詳細を説明するための図である。
図20】実施例2における掃除機管理システムのシステム構成図である。
図21】実施例2におけるスティック型掃除機31の機能ブロック図である。
図22】実施例2における端末装置10の機能ブロック図である。
図23】実施例2における掃除機管理装置20のハードウエア構成図である。
図24】実施例2における端末装置10のハードウエア構成図である。
図25】実施例2で用いられる見守りデータ264を示す図である。
図26】実施例2における見守り機能処理を示すフローチャートである。
図27】実施例3における掃除機管理システムのシステム構成図である。
図28】実施例3におけるスティック型掃除機31の機能ブロック図である。
図29】実施例3における端末装置10の機能ブロック図である。
図30】実施例3における掃除機管理装置20のハードウエア構成図である。
図31】実施例3における端末装置10のハードウエア構成図である。
図32】実施例3で用いられる掃除実績データ265を示す図である。
図33】実施例3における学習処理を示すフローチャートである。
図34】実施例3における掃除実績の特定処理を説明するための図である。
図35A】実施例3における掃除実績情報を出力の様子を示す図である。
図35B】実施例3における掃除提案情報を出力の様子を示す図である。
図36】実施例4における掃除機管理システムのシステム構成図である。
図37】実施例4におけるスティック型掃除機31の機能ブロック図である。
図38】実施例4における端末装置10の機能ブロック図である。
図39】実施例4における掃除機管理装置20のハードウエア構成図である。
図40】実施例4における端末装置10のハードウエア構成図である。
図41】実施例4における部屋遷移図を示す図である。
図42A】実施例4における部屋遷移図の作成における出力画面(その1)を示す図である。
図42B】実施例4における部屋遷移図の作成における出力画面(その2)を示す図である。
図42C】実施例4における部屋遷移図の作成における出力画面(その3)を示す図である。
図42D】実施例4における部屋遷移図の作成における出力画面(その4)を示す図である。
図42E】実施例4における部屋遷移図の作成における出力画面(その5)を示す図である。
図43A】実施例4における「稼働領域の入力画面」「動作状態収集開始指示画面」「動作状態収集終了指示画面」を連続的な出力画面を示す図(その1)である。
図43B】実施例4における「稼働領域の入力画面」「動作状態収集開始指示画面」「動作状態収集終了指示画面」を連続的な出力画面を示す図(その2)である。
図43C】実施例4における「稼働領域の入力画面」「動作状態収集開始指示画面」「動作状態収集終了指示画面」を連続的な出力画面を示す図(その3)である。
図43D】実施例4における「稼働領域の入力画面」「動作状態収集開始指示画面」「動作状態収集終了指示画面」を連続的な出力画面を示す図(その4)である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態について説明する。まず、本実施形態の概要について説明する。図1は、本実施形態の概要を説明する図である。本実施形態では、まず、掃除機の動作状態を検知、収集する。この動作状態には、掃除機の移動状況(例えば加速度)やモータ等の運転状況を示す物理データ(例えば電流値)や通信情報(例えば電波強度)などが含まれる。
【0016】
次に、収集された動作状態について、解析を行う。この解析には、分析、いわゆる機械学習(以下、単に学習)や統計処理などが含まれる。次に、解析結果を用いて、掃除機の稼働領域を推定する。この稼働領域は、掃除機が稼働、例えば、掃除が実行された領域を示す。この稼働領域には、平面上の領域を示す平面領域や高さを示す高度が含まれる。このため、稼働領域として、二次元の稼働領域の他、三次元(立体的)な稼働領域を推定することができる。また、稼働領域には、家屋の部屋やその一部が含まれる。また、稼働領域には、掃除機が移動ないし稼働した経路も含まれる。
【0017】
ここで、図1では、稼働領域の推定は、解析から連続的に実行してもよいし、解析で一旦処理を終了し、追って稼働領域推定が実行されてもよい。後者の場合、解析結果を記憶しておき、以降に動作状態を検知、収集された場合、これと記憶された解析結果に基づいて、稼働領域の推定を実行する。この場合、スティック型掃除機31の稼働について、それぞれ解析モードおよび掃除モードを設けることが望ましい。なお、後述の実施例では、解析モードの一例として、学習モードが用いられる。
【0018】
そして、推定された稼働領域に基づいて、掃除機に関する応用機能を実行することになる。この応用機能には、推定された稼働領域の出力、掃除機に対する制御、各種サービスのための処理が含まれる。
【0019】
次に、本実施形態の構成について説明する。本実施形態では、利用者が操作する手動式掃除機として、スティック型掃除機を例に説明する。つまり、本実施形態では、スティック型掃除機31の動作状態を用いて、その稼働領域を推定する。
【0020】
図2は、本実施形態におけるスティック型掃除機31をスティック状態で、充電台32に収納した状態を示す斜視図である。図2において、スティック型掃除機31は、掃除機本体3100、延長管3101および掃除機ヘッド3102を備えて構成されている。そして、掃除機本体3100と掃除機ヘッド3102は、延長管3101を介して接続される。延長管3101は、略筒部が変形可能な柔軟管311と変形しない直管312を備え、利用者は掃除対象や使い勝手に応じていずれかを選択し、接続する。掃除機ヘッド3102は、平面を効率的に清掃可能な平面ヘッド313と凹凸面を効率的に清掃可能な凹凸ヘッド314と布団を効率的に清掃可能な布団ヘッド315を備え、利用者は掃除対象や使い勝手に応じていずれかを選択し、接続する。このように利用者は効率的に掃除をするために延長管3101と掃除機ヘッド3102を組み合わせて使用することができる構成となっている。
【0021】
また、スティック型掃除機31は、ハンディ状態、スティック状態など各種の使用状態に変更して掃除を行うことができるものである。スティック型掃除機31が収納される充電台32は、スティック型掃除機31をスティック状態で収納するものであり、ベース部材321、3つのスタンド部材322およびホルダ部材323を備えて構成されている。この充電台32は、スティック型掃除機31に対して充電を行うことができる。そして、本実施形態では、スティック型掃除機31と充電台32間の電波強度を、動作状態として利用できる。
【0022】
次に、本実施形態におけるシステム構成について説明する。図3は、本実施形態における掃除機管理システムのシステム構成図である。図3において、家屋1で、スティック型掃除機31や充電台32が用いられる。また、当該家屋1では、自走式掃除機の一例であるロボット型掃除機33も利用できる。また、ロボット型掃除機33には、充電装置34と接続される。
【0023】
また、家屋1においては、スティック型掃除機31の利用者が端末装置10を利用される。端末装置10は、スティック型掃除機31やロボット型掃除機33の管理などに用いられる。さらに、スティック型掃除機31、充電台32、ロボット型掃除機33や端末装置10は、ルータ40を介して、もしくは直接互いに接続可能である。またさらに、ルータ40は、ネットワーク50を介して、後述の外部の各種装置と接続される。なお、端末装置10は、ルータ40を介さず、ネットワーク50と接続できる。
【0024】
次に、掃除機管理装置20は、稼働領域の推定など本実施形態における主たる処理を実行する。このために、掃除機管理装置20は、通信部21、動作状態収集部22、解析部23、稼働領域推定部24、応用機能部25および記憶部26を有する。
【0025】
ここで、通信部21は、ネットワーク50を介して、端末装置10やスティック型掃除機31等と接続する。また、動作状態収集部22は、ネットワーク50を介して、スティック型掃除機31、充電台32、端末装置10の少なくとも1つからスティック型掃除機31の動作状態を収集する。この動作状態は、後述するスティック型掃除機31の動作状態検知部305で検知される。なお、動作状態の収集は、いわゆるPUSH型、PULL型のいずれで実行されてもよい。
【0026】
また、解析部23は、収集された動作状態に対して、解析処理を施す。この解析処理には、学習が含まれる。そして、教師データといった解析結果が作成されることになる。また、稼働領域推定部24は、解析結果を用いて、スティック型掃除機31の稼働領域を推定する。また、応用機能部25は、推定された稼働領域に基づいて、スティック型掃除機31に関する応用機能を実行する。
【0027】
また、記憶部26は、当該掃除機管理装置20で扱う各種情報を記憶する。具体的には、記憶部26は、レイアウト情報261、掃除データ262および教師データ263を記憶する。レイアウト情報261は、家屋1など掃除の対象領域の配置等を示す情報である。掃除データ262は、収集された動作状態に基づき作成される掃除に関する情報である。なお、掃除データ262として、収集された動作状態を用いてもよい。また、教師データ263は、解析部23での解析結果の一例である。これらの各情報の詳細には、後述の実施例1などで説明する。なお、記憶部26は、掃除機管理装置20とは別装置で実現してもよい。
【0028】
次に、スティック型掃除機31の情報処理上の構成について説明する。図4は、本実施形態におけるスティック型掃除機31の機能ブロック図である。図4において、スティック型掃除機31は、情報処理に関する構成として、制御部301、掃除機通信部302、表示操作部303、稼働部304および動作状態検知部305を有する。そして、これらは通信路を介して互いに接続されている。以下、各構成について説明する。
【0029】
まず、制御部301は、制御信号作成部3011、動作状態収集部3012、解析部3013および稼働領域推定部3014を有する。制御部301は、制御信号作成部3011より、スティック型掃除機31の機能を実現するための制御信号を作成、出力し、スティック型掃除機31の稼働を制御する。また、動作状態収集部3012~稼働領域推定部3014は、掃除機管理装置20の動作状態収集部22~稼働領域推定部24と同様の機能を有する。なお、動作状態収集部3012~稼働領域推定部3014と動作状態収集部22~稼働領域推定部24については、少なくとも一方が存在すればよい。
【0030】
なお、制御部301は、MPU(Micro-Processing Unit)で実現可能であり、制御信号作成部3011~稼働領域推定部3014の各部は、専用ハードウエアやプログラムといったソフトウエアで実現できる。また、制御部301は、レイアウト情報261、掃除データ262および教師データ263のうち少なくとも1つと同様の情報を記憶してもよい。但し、これらの各情報については、該当のスティック型掃除機31ないしその利用者に関する情報であることが望ましい。
制御部301に記憶された情報については、記憶部26への記憶を省略できる。
【0031】
また、掃除機通信部302は、ルータ40やネットワーク50を介した通信や近距離無線通信機能を有する。そして、掃除機通信部302は、動作状態、稼働領域や制御に関する情報を出力したり、端末装置10や掃除機管理装置20などから制御指示を受け付けたりする。また、表示操作部303は、利用者からスティック型掃除機31に対する操作を受け付けたり、スティック型掃除機31の稼働状況を出力したりする。なお、表示操作部303は、操作を受け付ける操作部(例えばボタン)と、表示を行う表示部に分けて構成してもよい。
【0032】
また、稼働部304は、制御部301からの制御に従って、掃除機能を実行する。このために、例えば、制御信号作成部3011で作成された制御信号が用いられる。また、動作状態検知部305は、スティック型掃除機31の動作状態を検知する。このため、各種センサ、計測器などで実現できる。
【0033】
次に、端末装置10について、説明する。図5は、本実施形態における端末装置10の機能ブロック図である。端末装置10は、スティック型掃除機31やロボット型掃除機33の管理などに用いられる。そして、端末装置10は、通信部11、動作状態収集部12、解析部13、稼働領域推定部14、応用機能部15、入力部16および出力部17および記憶部18を有する。
【0034】
まず、通信部11は、スティック型掃除機31やロボット型掃除機33ないしこれらの充電台と通信する。また、掃除機管理装置20とネットワーク50を介して通信する。これらの通信では、ルータ40を介して実現してもよいし、直接ないし他の機器を介して実現してもよい。動作状態収集部12~応用機能部15については、動作状態収集部3012~稼働領域推定部3014ないし掃除機管理装置20の動作状態収集部22~稼働領域推定部24と同様の機能を有する。なお、動作状態収集部12~稼働領域推定部14、動作状態収集部3012~稼働領域推定部3014および動作状態収集部22~稼働領域推定部24については、少なくとも1つが存在すればよい。
【0035】
また、入力部16は、利用者からの各種操作を受け付ける。また、出力部17は、推定された稼働領域や応用機能の結果などを出力する。なお、入力部16および出力部17は、タッチパネルのように一体で構成できる。
【0036】
また、記憶部18は、レイアウト情報181、掃除データ182および教師データ183を記憶する。これらは、レイアウト情報261、掃除データ262および教師データ263と同様の情報であるが、該当のスティック型掃除機31ないしその利用者に関する情報であることが望ましい。また、レイアウト情報181、掃除データ182および教師データ183の少なくとも1つを省略してもよい。
【0037】
以上で、本実施形態の構成の説明を終わり、続いて、本実施形態におけるスティック型掃除機31の動作や稼働について説明する。本実施形態では、これらの動作や稼働に沿って、図1に示す各種処理が実行される。
【0038】
図6は、本実施形態におけるスティック型掃除機31の動作、稼働を示すフローチャートである。本フローチャートの前提として、スティック型掃除機31は、充電台32に設置されているものとする。まず、ステップS1において、掃除をする際、もしくは、学習などの解析を行う際に、利用者の操作により、充電台32からスティック型掃除機31が離脱する。この際、スティック型掃除機31の動作状態検知部305が、離脱したことを検知する。この検知をトリガとして、動作状態検知、収集~応用機能を開始するように制御してもよい。例えば、スティック型掃除機31は、学習モードのような解析モードもしくは掃除モードを起動する。例えば、動作状態として、スティック型掃除機31と充電台32等の他の機器との屋内測位における電波強度が含まれる。
【0039】
また、ステップS2において、利用者の操作により、スティック型掃除機31が、稼働する場所まで移動する。この際、動作状態検知部305が、スティック型掃除機31の移動状況等を含む動作状態を検知し続ける。そして、ステップS3において、利用者の電源ON操作により、スティック型掃除機31が起動する。この際、動作状態検知部305が、動作状態の検知を続け、また、起動した時間を掃除開始時間として掃除時間の計測を開始する。さらに、ステップS3以降、検知する動作状態を追加してもよい。例えば、スティック型掃除機31、特に、掃除機ヘッド3102の空間上の動作を示す動作状態の検知が追加される。このような動作状態には、掃除機ヘッド3102の加速度や回転ブラシ用の回転ブラシモータの電流値などを用いることができる。さらに、動作状態として、畳用運転といった運転モードを用いてもよい。
【0040】
ステップS3での起動の結果、ステップS4において、スティック型掃除機31は、利用者の操作に従って、稼働し掃除を実行する。この際も、動作状態検知部305が、動作状態の検知および掃除時間の計測を続ける。
【0041】
また、ステップS5において、利用者の電源OFF操作により、スティック型掃除機31の稼働が停止する。そして、動作状態検知部305が、掃除時間の計測を停止し、掃除停止時間を特定する。また、動作状態検知部305は、ステップS3で追加された動作状態の検知を停止する。
【0042】
また、ステップS6において、利用者の操作により、スティック型掃除機31が、充電台32まで移動する。そして、ステップS7において、利用者の操作により、スティック型掃除機31が、充電台32に設置される。この際、ステップS1で開始した動作状態の検知や掃除モード等のモードを終了する。
【0043】
ここで、上述のステップS1~ステップS7においては、解析や稼働領域の推定を実行してもよい。さらに、上述した動作状態の開始、停止、終了については、動作状態の収集についての開始、停止、終了としてもよい。
【0044】
以上で図6の説明を終わり、以下では、本実施形態の具体例である実施例1~4について説明する。
【実施例0045】
実施例1では、稼働領域として、立体的な稼働領域を推定する。以下、その詳細を説明するが、他の実施例も含め、上述の実施形態で説明した内容との相違を中心に説明を行う。
図7は、実施例1における掃除機管理システムのシステム構成図である。図7においても、家屋1で端末装置10、スティック型掃除機31、充電台32、ロボット型掃除機33、充電装置34およびルータ40が用いられる。これらは、ネットワーク50を介して掃除機管理装置20と接続する。
【0046】
また、掃除機管理装置20は、通信部21、動作状態収集部22、解析部23、稼働領域推定部24および記憶部26を有する。ここで、実施例1では、動作状態収集部22および稼働領域推定部24が、上述の実施形態とは相違する。以下、これらについて説明する。
【0047】
まず、動作状態収集部22は、電波強度収集部22aおよび物理データ収集部22bを有する。ここで、電波強度収集部22aは、スティック型掃除機31と充電台32の間の電波強度を収集する。なお、本実施例では、電波強度として、スティック型掃除機31と充電台32の間の電波強度を用いるが、スティック型掃除機31とルータ40など他の機器との間の電波強度を用いてもよい。また、物理データ収集部22bは、スティック型掃除機31、特に、掃除機ヘッド3102もしくは延長管3101先端の動作を示す物理データを収集する。この物理データには、掃除機ヘッド3102の加速度や回転ブラシ用の回転ブラシモータの電流値などが含まれる。なお、電波強度収集部22aおよび物理データ収集部22bは、それぞれ独立した構成としてもよい。
【0048】
またさらに、稼働領域推定部24は、平面領域推定部24aおよび高度推定部24bを有する。平面領域推定部24aは、家屋1の部屋や部屋内の領域といった平面上ないし床面上の領域を推定する。また、高度推定部24bは、床面からの高さないし机上といった高さ方向の領域を推定する。またさらに、平面領域推定部24aおよび高度推定部24bそれぞれ独立した構成としてもよい。なお、掃除機管理装置20の他の構成は、図3と同様である。
【0049】
なお、図7においては、図3と比較して、応用機能部25が省略されている。但し、図3と同様にこれを設けてもよい。
【0050】
次に、実施例1におけるスティック型掃除機31の情報処理上の構成について説明する。図8は、実施例1におけるスティック型掃除機31の機能ブロック図である。図8において、スティック型掃除機31は、情報処理に関する構成として、制御部301、掃除機通信部302、表示操作部303、稼働部304および動作状態検知部305を有する。そして、これらは通信路を介して互いに接続されている。
【0051】
ここで、実施例1におけるスティック型掃除機31の構成は、上述の実施形態と比較して、制御部301と動作状態検知部305が相違する。このため、以下では、これらについて説明し、他の構成の説明は省略する。
【0052】
まず、制御部301は、制御信号作成部3011、動作状態収集部3012、解析部3013および稼働領域推定部3014を有する。ここで、実施例1では、動作状態収集部3012および稼働領域推定部3014が、上述の実施形態とは相違する。以下、これらについて説明する。
【0053】
まず、動作状態収集部3012は、電波強度収集部3012aおよび物理データ収集部3012bを有する。これらは、電波強度収集部22aおよび物理データ収集部22bと同様の機能を有する。このため、電波強度収集部22aおよび物理データ収集部22bと、電波強度収集部3012aおよび物理データ収集部3012bは、少なくとも一方が存在すればよい。また、電波強度収集部22aおよび物理データ収集部22bは、それぞれ独立した構成としてもよい。
【0054】
また、稼働領域推定部3014は、平面領域推定部3014aおよび高度推定部3014bを有する。これらは、平面領域推定部24aおよび高度推定部24bを有する。このため、平面領域推定部24aおよび高度推定部24bと平面領域推定部3014aおよび高度推定部3014b、少なくとも一方が存在すればよい。また、平面領域推定部3014aおよび高度推定部3014bは、それぞれ独立した構成としてもよい。
【0055】
また、動作状態検知部305は、電波強度検知部305aおよび物理データ検知部305bを有する。電波強度検知部305aは、当該スティック型掃除機31と充電台32の間の電波強度を検知する。この電波強度は、上述のように、スティック型掃除機31とルータ40など他の機器との間の電波強度を用いてもよい。
【0056】
また、物理データ検知部305bは、スティック型掃除機31の動作を示す物理データ検知する。上述のように、この物理データには、スティック型掃除機31の加速度やスティック型掃除機31動作時の電流値などが含まれる。なお、電波強度検知部305aおよび物理データ検知部305bは、それぞれ独立した構成としてもよい。またさらに、電波強度検知部305aは、掃除機通信部302と共通化して、その機能を設けてもよい。
【0057】
次に、実施例1における充電台32の情報処理上の構成について説明する。図9は、実施例1における充電台32の機能ブロック図である。充電台32は、スティック型掃除機31が設置、格納され、充電等各種処理が実行される。図9において、充電台32は、情報処理に関する構成として、制御部325、充電台通信部326、表示操作部327、充電部328および発信部329を有する。そして、これらは通信路を介して互いに接続されている。以下、各構成について説明する。
【0058】
まず、制御部325は、スティック型掃除機31に対する充電やビーコン信号の発信を制御する。このために、制御部325は、制御信号を作成し、充電部328や発信部329に出力する。なお、制御部325も、MPU(Micro-Processing Unit)で実現可能であり、この機能は、専用ハードウエアやプログラムといったソフトウエアで実現できる。また、制御部325の機能は、スティック型掃除機31の制御部301に設けてもよい。
【0059】
また、充電台通信部326は、ルータ40やネットワーク50を介した通信や近距離無線通信機能を有する。そして、充電台通信部326は、移動状況やトラッキング情報、移動履歴などを出力したり、端末装置10や掃除機管理装置20などから制御指示を受け付けたりする。なお、充電台通信部326は、発信部329と共通化してもよいし、掃除機通信部302にその機能を設けてもよい。
【0060】
また、表示操作部327は、利用者から充電台32に対する操作を受け付けたり、充電台32の稼働状況を出力したりする。なお、表示操作部327も、操作を受け付ける操作部(例えばボタン)と、表示を行う表示部に分けて構成してもよい。さらに、表示操作部327の機能は、表示操作部303に設けてもよい。また、充電部328は、スティック型掃除機31と接続し、そのバッテリに充電を行う。また、発信部329は、ビーコン信号などの電波を発信する。なお、発信部329は、充電台32そのものに設けなくともよい。例えば、発信部329を、充電台32の近傍に配置した別装置で実現してもよいし、充電台32と着脱可能な構成としてもよい。そして、発信部329で発信されるビーコン信号といった電波の電波強度を、電波強度検知部305aが検知する。
【0061】
ここで、実施例1におけるスティック型掃除機31および充電台32の構造について説明する。図10は、実施例1におけるスティック型掃除機31の内部構造および充電台32との関係を示す図である。図10において、スティック型掃除機31は、掃除機本体3100、延長管3101および掃除機ヘッド3102を有し、掃除機本体3100と掃除機ヘッド3102が、延長管3101を介して接続される。
【0062】
また、掃除機本体3100には、電動送風機3105、制御基板3106および集塵室3107が設けられている。そして、制御基板3106の制御に応じた吸引がされるように、電動送風機3105が稼働する。この結果、床面の塵埃が、掃除機ヘッド3102から延長管3101を介して、集塵室3107に集積される。ここで、制御基板3106は、後述の図8の制御部301に相当する。また、電動送風機3105やこの動力源となるモータが、吸引力を発生する吸引力発生部として機能し、図8の稼働部304に相当する。
【0063】
また、掃除機本体3100には、物理データを検知するセンサ3103が設けられる。この物理データの例としては、加速度、気圧、角速度などが挙げられる。このため、センサ3103は、加速度センサ、気圧センサ、ジャイロセンサなどで実現できる。なお、センサ3103を掃除機本体3100に設けることで、掃除機本体3100の物理データが検知できる。この結果、掃除機本体3100の高度といった稼働領域を推定できることになる。
【0064】
なお、センサ3103は延長管3101や掃除機ヘッド3102に設置しても良い。センサ3103はスティック型掃除機31の内、静電気の影響を受けないように、利用者が触れない場所に設置することが望ましい。
【0065】
またさらに、掃除機ヘッド3102には、回転ブラシ3108が設けられる。そして、回転ブラシ3108は、延長管3101等に設けられた回転ブラシモータ3109の駆動力に従って回転し、床面等の塵埃を掃除機ヘッド3102に取り込む。また、掃除機本体3100等に設けられた電流計3110は、スティック型掃除機31動作時の電流を計測する。これらセンサ3103および電流計3110が、図8の物理データ検知部305bに相当する。
【0066】
また、センサ3103および電流計3110は、通信路3104を介して、制御基板316と接続されている。そして、センサ3103および電流計3110は、検知された物理データを、制御基板3106に通信路3104を介して通知する。
【0067】
さらに、実施例1では、スティック型掃除機31と充電台32の間の電波強度を検知する。以下では、このための構成を説明する。充電台32には、ビーコン発信器320を設けている。そして、ビーコン発信器320で発信されるビーコン信号を、通信基板3111が受信する。この結果、通信基板3111が、ビーコン信号における電波強度を検知できる。この電波強度により、充電台32とスティック型掃除機31の相対位置を特定でき、スティック型掃除機31の稼働領域を推定することが可能となる。
【0068】
なお、ビーコン発信器320が図9の発信部329に相当する。また、通信基板3111が、図8の電波強度検知部305aに相当する。以上で、スティック型掃除機31およびこれに付随する充電台32の説明を終わる。
【0069】
次に、端末装置10について説明する。図11は、実施例1における端末装置10の機能ブロック図である。端末装置10は、通信部11、動作状態収集部12、解析部13、稼働領域推定部14、応用機能部15、入力部16および出力部17および記憶部18を有する。
【0070】
ここで、実施例1の端末装置10の構成は、上述の実施形態と比較して、動作状態収集部12および稼働領域推定部14が相違する。このため、以下では、これらについて説明し、他の構成の説明は省略する。
【0071】
まず、動作状態収集部12は、電波強度収集部12aおよび物理データ収集部12bを有する。ここで、電波強度収集部12aは、電波強度収集部22aと同様の機能を有する。また、物理データ収集部12bは、物理データ収集部22bと同様の機能を有する。このため、電波強度収集部12aおよび物理データ収集部12bと、電波強度収集部22aおよび物理データ収集部22bはいずれか一方が存在すればよい。なお、電波強度収集部12aおよび物理データ収集部12bも、それぞれ独立した構成としてもよい。
【0072】
またさらに、稼働領域推定部14は、平面領域推定部14aおよび高度推定部14bを有する。ここで、平面領域推定部14aは、平面領域推定部24aと同様の機能を有する。また、高度推定部14bは、高度推定部24bと同様の機能を有する。このため、平面領域推定部14aおよび高度推定部14bと、平面領域推定部24aおよび高度推定部24bはいずれか一方が存在すればよい。なお、平面領域推定部14aおよび高度推定部14bも、それぞれ独立した構成としてもよい。
【0073】
以上で、実施例1の機能ブロック図の説明を終わり、続いて、掃除機管理装置20と端末装置10の実装例であるハードウエア構成について説明する
図12は、実施例1における掃除機管理装置20のハードウエア構成図である。図12において、掃除機管理装置20は、処理装置201、通信装置202、メモリ203および副記憶装置204を有し、これらは通信路を介して互いに接続されている。
【0074】
まず、処理装置201は、CPUなどのプロセッサで実現でき、後述する副記憶装置204に記憶されている掃除機管理プログラム205に従って演算を実行する。
【0075】
また、通信装置202は、図7の通信部21に該当し、ネットワーク50と接続し、他の装置との通信を行う。
【0076】
また、メモリ203および副記憶装置204が、図7の記憶部26に該当する。そして、メモリ203は、副記憶装置204に記憶されている掃除機管理プログラム205や処理装置201での処理に用いられる情報が展開される。また、副記憶装置204は、いわゆるストレージで実現できる。そして、副記憶装置204は、掃除機管理プログラム205、レイアウト情報261、掃除データ262および教師データ263を記憶する。また、副記憶装置204は、外付けのHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカードなどの各種記憶媒体で実現してもよいし、ファイルサーバのように掃除機管理装置20とは別装置で実現してもよい。
【0077】
ここで、掃除機管理プログラム205は、その機能ごとに、電波強度収集モジュール206a、物理データ収集モジュール206b、解析モジュール207、平面領域推定モジュール208aおよび高度推定モジュール208bで構成される。なお、これら各モジュールは、個別のプログラムや一部の組合せで実現してもよい。
【0078】
ここで、各モジュールと同一の機能を実行する図7に示す構成は、以下のとおりである。
電波強度収集モジュール206a:電波強度収集部22a
物理データ収集モジュール206b:物理データ収集部22b
解析モジュール207:解析部23
平面領域推定モジュール208a:平面領域推定部24a
高度推定モジュール208b:高度推定部24b
このため、処理装置201は、掃除機管理プログラム205に従って、上述の電波強度収集部22a~高度推定部24bの処理を実行することになる。副記憶装置204は、ロボット型掃除機33を管理するためのロボット型掃除機管理プログラムを記憶してもよい。
【0079】
ここで、掃除機管理プログラム205は、後述する端末装置10の掃除機管理プログラム105と同様の処理を実行する。このため、これらはいずれか一方のみ設けてもよい。また、これらプログラムは、記憶媒体に格納されることが可能である。
【0080】
次に、実施例1の端末装置10の一実装例であるハードウエア構成について説明する。図13は、実施例1における端末装置10のハードウエア構成図である。図13において、端末装置10は、タッチパネル101、処理装置102、通信装置103および記憶装置104を有し、これらは通信路を介して互いに接続されている。
【0081】
まず、タッチパネル101は、図11の入力部16および出力部17を兼ねた構成であり、利用者の操作を受け付けたり、各種情報を表示したりする。なお、タッチパネル101は、入力デバイスと出力デバイスに分けて構成してもよい。また、処理装置102は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサで実現でき、後述する記憶装置104に記憶されている掃除機管理プログラム105に従って演算を実行する。
【0082】
そして、掃除機管理プログラム105は、その機能ごとに、電波強度収集モジュール106a、物理データ収集モジュール106b、解析モジュール107、平面領域推定モジュール108a、高度推定モジュール108bおよび応用機能モジュール109で構成される。なお、これら各モジュールは、個別のプログラムや一部の組合せで実現してもよい。
【0083】
ここで、各モジュールと同一の機能を実行する図11に示す構成は、以下のとおりである。
電波強度収集モジュール106a:電波強度収集部12a
物理データ収集モジュール106b:物理データ収集部12b
解析モジュール107:解析部13
平面領域推定モジュール108a:平面領域推定部14a
高度推定モジュール108b:高度推定部14b
このため、処理装置102は、掃除機管理プログラム105に従って、電波強度収集部12a~高度推定部14bといった各部の処理を実行することになる。
【0084】
また、記憶装置104は、ロボット型掃除機33を管理するロボット型掃除機管理プログラムを記憶してもよい。なお、掃除機管理プログラム105とロボット型掃除機管理プログラムは、1つのプログラムで実現してもよい。また、掃除機管理プログラム105やロボット型掃除機管理プログラムは、電子レンジなど他の家電機器も管理する統合管理プログラムとして実現してもよい。また、これらプログラムは、記憶媒体に格納されることが可能である。
【0085】
また、通信装置103は、図11の通信部11に該当し、ルータ40やネットワーク50を介した通信や近距離無線通信機能を有する。また、通信装置103は、ビーコン発信器320からのビーコン信号を受信する構成としてもよい。ビーコン信号の受信は、通信装置103の近距離無線通信機能を動作状態にしておくことで実現できる。そして、通信装置103により、ビーコン信号の電波強度を検知して、この結果に基づいて、スティック型掃除機31の稼働領域を推定してもよい。この場合、平面領域推定モジュール108aに従って処理装置102が、稼働領域を推定することになる。
【0086】
また、記憶装置104は、図11の記憶部18に該当し、上述のプログラムやレイアウト情報181、掃除データ182および教師データ183を記憶する。このため、記憶装置104は、メモリのような主記憶装置と、いわゆるストレージである副記憶装置(記憶媒体)で実現してもよい。なお、副記憶装置は、外付けのHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカードなどで実現してもよい。
【0087】
さらに、上述のプログラムや情報の少なくとも一部は省略できる。これは、掃除機管理装置20でのプログラムや情報で代用できる。またさらに、掃除機管理プログラム105の少なくとも一部のモジュール(機能)を、掃除機管理装置20に設けてもよい。
【0088】
以上で、実施例1の構成の説明を終わり、続いて、実施例1で用いられる情報について説明する。まず、図14は、実施例1で用いられるレイアウト情報261を示す図である。
レイアウト情報261は、スティック型掃除機等の掃除機の利用場所における、その間取りといった領域の配置、レイアウトを示す情報である。このために、図14に示すように、レイアウト情報261は、例えば、利用場所ごとに、利用者、掃除機およびレイアウトの各項目を有する。ここで、利用場所は、複数の領域で構成され、該当の掃除機が利用される場所を示す。利用者は、スティック型掃除機31ないし端末装置10を利用する利用者を示す。
【0089】
また、掃除機は、該当の利用場所で利用される掃除機を示す。また、レイアウトは、該当の利用場所を構成する複数の領域を含み、利用場所のレイアウト、間取りを示す。図14の例では、レイアウトの領域として、利用場所を構成する各部屋を用いる。なお、掃除機管理装置20では、複数の掃除機を管理するため、複数の利用場所、利用者および掃除機からなるレイアウト情報261を用いているが、端末装置10のレイアウト情報181やスティック型掃除機31のレイアウト情報は、該当の利用場所、利用者ないし掃除機分の情報となる。
【0090】
次に、図15は、実施例1で用いられる掃除データ262を示す図である。掃除データ262は、スティック型掃除機31などの掃除機の掃除の状況を示す情報であり、収集された動作状態である電波強度や物理データに基づき生成される。また、実施例1の掃除データ262は、推定された稼働領域を含んでいる。但し、稼働領域は、別情報として扱ってもよい。
【0091】
図15に示すように、掃除データ262は、例えば、掃除機ごとに、日時、電波強度(dBm)、部屋、物理データおよび高度の各項目を有する。ここで、日時は、該当の掃除機が稼働した日時を示し、図6のフローチャートにおけるステップS3~ステップS5で特定される掃除開始時間および掃除停止時間により特定される。
【0092】
また、電波強度(dBm)は、電波強度収集部22aなどで収集される電波強度を示す。なお、電波強度(dBm)については、電波強度検知部305aで検知された電波強度そのものおよびこれに対して変換したデータを含む。この変換したデータには、複数検知された電波強度の確率分布が含まれる。但し、これらのデータのうち、一方のみを記憶する構成としてもよい。
【0093】
また、部屋は、電波強度(dBm)に基づき推定される平面領域の一例である部屋を示す。また、物理データは、物理データ収集部22bなどで収集される加速度などの物理データを示す。なお、物理データについては、物理データ検知部305bで検知された物理データそのものおよびこれに対して変換したデータを含む。この変換したデータには、複数検知された物理データの積算値が含まれる。但し、これらのデータのうち、一方のみを記憶する構成としてもよい。
【0094】
また、高度は、物理データに基づき推定される高度領域の例である床面等の基準面からの高さや棚上といった高さ方向を示す場所を示す。なお、上述のように、部屋や高度については、掃除データ262から省略してもよい。
【0095】
次に、図16は、実施例1で用いられる教師データ263を示す図である。教師データ263は、解析結果の一例であり、稼働領域を推定するための基準となるデータである。また、教師データ263は、解析処理の一例である学習により生成される。そして、図16に示すように、教師データ263は、例えば、部屋/高度ごとに、電波強度(dBm)および物理データの各項目を有する。
【0096】
部屋/高度は、推定の対象である稼働領域の例である。また、電波強度(dBm)および物理データは、それぞれ該当の部屋/高度における基準となるデータを示す。本例では、これらは、電波強度(dBm)および物理データに対して、学習された結果が示される。なお、教師データ263は、上述の学習モードを実行した場合に作成されることがより望ましい。但し、本実施例では、教師データ263以外の解析結果を用いてもよい。以上で、実施例1で用いられる情報の説明を終わり、続いて、実施例1における処理フローについて説明する。
【0097】
以下では、実施例1における特徴的な処理である動作状態の検知、収集および稼働領域推定を中心に説明する。
【0098】
図17は、実施例1における動作状態の検知、詳細処理を示すフローチャートである。図17では、動作状態として、スティック型掃除機31と充電台32の間の電波強度および物理データを用いる。まず、ステップS11において、スティック型掃除機31および充電台32は、充電台32からスティック型掃除機31が離脱したかを判定する。利用者が、スティック型掃除機31を充電台32から取り出したか、つまり、図6のステップS1が実行されたかを判定する。この処理は、それぞれ制御部301および制御部325で判定される。この結果、離脱した場合(Y)、ステップS12に遷移する。離脱していない場合(N)、そのまま判定処理を続ける。
【0099】
また、ステップS12において、表示操作部303は、電源ONの操作を受け付ける。そして、スティック型掃除機31の制御信号作成部3011が、解析モードもしくは掃除モードのいずれでスティック型掃除機31が稼働するかを判定する。ここで、解析モードとは、学習モードを含み、学習等の解析を実行する稼働である。また、掃除モードとは、解析結果を用いて、稼働領域の推定を実行する稼働である。
【0100】
また、解析モードと掃除モードについては、表示操作部303に対する利用者からの操作に応じて判定される。但し、ステップS11で、離脱した場合(Y)と判定された場合、制御信号作成部3011が自身で稼働モードを判定してもよい。この場合、制御信号作成部3011は、判定された稼働モードを起動してもよいし、スタンバイ状態としてもよい。なお、離脱を条件とする稼働モードは、解析モードであることがより望ましい。
【0101】
またさらに、解析モードの場合、表示操作部303に、スティック型掃除機31が稼働する領域(含む平面領域、高度)、すなわち、学習対象の領域を受け付けることが望ましい。また、スティック型掃除機31の移動に伴い、学習対象の領域(領域名)を受け付けることが望ましい。
【0102】
以降、制御信号作成部3011は、利用者の表示操作部303に対する操作に従って、制御信号を作成し、稼働部304が制御信号に従って稼働することになる。
【0103】
また、ステップS13において、スティック型掃除機31と充電台32で、ビーコン信号での通信が行われる。つまり、充電台32の発信部329からビーコン信号が発信され、スティック型掃除機31の電波強度検知部305aがこれを受け付ける。ステップS13は、スティック型掃除機31が稼働している間、継続的、特に周期的に実行される。
【0104】
また、ステップS14において、動作状態検知部305が、スティック型掃除機31の動作状態を検知する。すなわち、電波強度検知部305aが、ビーコン信号の電波強度を検知する。また、物理データ検知部305bが、物理データを検知する。これらの動作状態の検知は、スティック型掃除機31が稼働している間、継続的、特に周期的に実行される。なお、動作状態検知部305は、掃除時間を計測する時間計測部を有し、ステップS14(電源ON)~電源OFFまでの間、掃除時間を計測することになる。
【0105】
以上のように、検知された電波強度により、部屋等の平面領域が推定され、検知された物理データにより、高度が推定される。この推定は、後述のステップS30で実行される。電波強度によれば、上述のように充電台32との相対位置を確定でき、これとレイアウト情報261を用いることにより、稼働領域が推定される。
【0106】
次に、物理データによる高度の推定の考え方について、その具体例ごとに説明する。この前提として、物理データの検知の詳細について説明する。実施例1では、物理データとして、スティック型掃除機31動作時の電流値、スティック型掃除機31の加速度、気圧、角速度などを用いることができる。このため、物理データ検知部305bとして、図10に示す電流計3110およびセンサ3103が用いられる。特に、センサ3103については、加速度センサ、気圧センサ、ジャイロセンサを用いることができる。さらに、動作状態検知部305として、電流計や加速度センサ、気圧センサ、ジャイロセンサといった複数のセンサを用いてもよい。
【0107】
まず、スティック型掃除機31動作時の電流値について説明する。棚上や机上等の高所を掃除する場合、掃除機ヘッド3102をノズル等に交換することが多い。このように掃除機ヘッド3102が交換されると、回転ブラシ3108が使われなくなり、回転ブラシモータ3109分の電流値が変化する。このため、電流計3110で計測される電流値を用いて、稼働領域として高度を推定することが可能となる。
【0108】
また、高所を掃除する場合、掃除機ヘッド3102および掃除機本体3100が高所に向けて移動し、特有の挙動を示す。このため、その際の加速度や角速度は、床面を掃除する場合とは異なる特有の値、変化を示す。このため、加速度や角速度から稼働領域として高度を推定することが可能となる。さらに、気圧は高さによって変動するため、やはり高度を推定することが可能となる。以上により、高度の推定の考え方の説明を終わる。
【0109】
次に、ステップS15において、動作状態収集部3012が、検知された動作状態を収集し、掃除機通信部302を介して、掃除機管理装置20に通知する。より具体的には、電波強度収集部3012aが電波強度を収集しこれを通知し、物理データ収集部3012bが、物理データを収集し、これを通知する。ここで、この通知は、スティック型掃除機31が稼働している間、検知したタイミングに合わせて継続的、特に周期的に実行してもよいし、電源OFFの際など所定タイミングでまとめて行ってもよい。この所定タイミングが、複数であってもよい。さらに、この通知には、上述した計測された掃除時間を含めることが望ましい。
【0110】
また、ステップS16において、スティック型掃除機31および充電台32は、充電台32にスティック型掃除機31が設置したかを判定する。利用者が、スティック型掃除機31を充電台32に戻したか、つまり、図6のステップS6が実行されたかを判定する。この処理は、それぞれ制御部301および制御部325で判定される。この結果、設置されした場合(Y)、ステップS17に遷移する。設置されていない場合(N)、ステップS13以降の処理を継続する。
【0111】
また、ステップS17において、制御部301および制御部325が、終了処理を行い、ビーコン信号の発信および掃除時間の計測を停止する。
【0112】
また、ステップS18において、掃除機管理装置20の動作状態収集部22が、通知された動作状態を収集し、記憶部26に記憶する。より具体的には、電波強度収集部22aが電波強度を収集しこれを記憶し、物理データ収集部22bが、物理データを収集しこれを記憶する。ここで、電波強度収集部22aは、収集された電波強度を掃除データ262の電波強度(dBm)に記憶し、物理データ収集部22bは、収集された物理データを掃除データ262の物理データに記憶する。この際、動作状態収集部22は、計測された掃除時間を、掃除データ262の日時に記憶する。
【0113】
また、ステップS19において、解析部23および稼働領域推定部24は、自身が処理を行うかを判定する。つまり、ステップS12で判定された稼働モードが、解析モードである場合(解析)、解析部23が処理を開始するように、ステップS20に遷移する。また、稼働モードが、掃除モードである場合(掃除)、稼働領域推定部24が処理を開始するように、ステップS30に遷移する。なお、この判定が可能となるように、スティック型掃除機31から掃除機管理装置20には、稼働モードを示す情報が通知されることになる。この通知は、ステップS15において実行されてもよいし、これとは別に行われてもよい。以上で、動作状態の検知、収集の処理を終わり、以下、解析等が実行されることになる。
【0114】
また、ステップS20において、解析部23が、掃除データ262、特に、収集された動作状態を用いて、スティック型掃除機31の稼働についての解析を実行し、解析結果を作成する。なお、実施例1では、本ステップを省略してもよい。この場合、上述した稼働モードの指定や判定についても省略できる。
【0115】
また、ステップS30において、稼働領域推定部24が、掃除データ262、特に、収集された動作状態を用いて、スティック型掃除機31の立体的な稼働領域を推定する。実施例1では、平面領域推定部24aが稼働した平面領域を推定し、高度推定部24bが稼働した高度を推定することになる。この稼働領域推定処理の詳細については、図18を用いて後述する。
【0116】
そして、ステップS40において、解析結果や推定された稼働領域を用いて、スティック型掃除機31についての各種処理、サービスといった応用機能を実現することが可能となる。例えば、推定された稼働領域に応じた制御を実行できる。なお、本ステップも省略できる。また、図17で示す各ステップの処理主体は、あくまでも一例であり、端末装置10と連携して実行してもよいし、スティック型掃除機31ないし充電台32単独で実行してもよい。さらに、各ステップの一部と他の装置で実行させてもよい。この際、上述した各装置の同様の機能を実行する構成を用いることができる。このことは、他のフローチャートで示す処理でも同様である。
【0117】
ここで、ステップS30の稼働領域の推定の詳細を説明する。図18は、実施例1における稼働領域推定処理を示すフローチャートである。本フローチャートでは、ステップS31~ステップS36を推定し、ステップS37以降で高度を推定するが、実施例1はこの順序に限定されず、順序を逆転してもよいし、並行処理してもよい。
【0118】
まず、ステップS31において、平面領域推定部24aが、新たに電波強度が収集、記憶されたか、つまり、ステップS18が実行されたかを判定する。この結果、実行された場合(Y)、ステップS32に遷移する。また、実行されていない場合(N)、本ステップを繰り返す。
【0119】
また、ステップS32において、平面領域推定部24aが、収集済み、つまり、掃除データ262の電波強度(dBm)のデータ数が予め定められたNより多いかを判定する。この結果、Nより多い場合(Y)、ステップS32に遷移する。また、N未満の場合(N)、ステップS31に戻り、電波強度の収集、記憶を待つ。なお、ステップS2について、所定周期に実行し、ステップS31を省略してもよい。さらに、ステップS31とステップS32の順序は逆でもよい。
【0120】
また、ステップS32において、平面領域推定部24aが、掃除データ262から対象の電波強度を読出し、その確率分布を作成する。この結果、当該確率分布を示す掃除データが作成されることになる。
【0121】
ここで、対象の電波強度とは、ステップS14以降に収集された電波強度であり、掃除データ262の日時を用いて特定できる。より具体的には、スティック型掃除機31が本処理の際に稼働中の電波強度を用いる。なお、本ステップでは、確率分布を用いたが、他の変換が実行されたデータや電波強度そのものを用いてもよい。
【0122】
また、ステップS34において、平面領域推定部24aが、作成された確率分布(掃除データ)および教師データ263を用いて、その際、スティック型掃除機31が稼働している場所を示す稼働領域を推定する。なお、実施例1では、教師データ263の作成方法は問わず、また、学習の結果を示す教師データ以外の解析結果を用いてもよい。
【0123】
ここで、ステップS33およびステップS34における稼働領域における推定について説明する。図19は、実施例1における稼働領域の推定の詳細を説明するための図である。
【0124】
図19において、収集された電波強度(値)がグラフ191に示される。これは所定期間ごとに、収集されN個ずつのデータとして管理できる。また、平面領域推定部24aは、N個の電波強度192ごとに、その確率分布193を生成する。
【0125】
そして、平面領域推定部24aは、この確率分布193(掃除データ)と各教師データA~Nを比較し、この結果を用いて、スティック型掃除機31の稼働領域を推定する。例えば、平面領域推定部24aは、掃除データの確率分布193と教師データ263を構成する各教師データA~Nその類似性を評価する。そして、平面領域推定部24aは、確率分布193に最も類似する教師データの示す部屋を稼働領域とする。なお、各教師データA~Nは、図16に示す教師データ263の各レコードに対応する。
【0126】
そして、ステップS35において、平面領域推定部24aが、推定された平面領域、つまり、部屋を、掃除データ262に記憶する。この結果、スティック型掃除機31の稼働している日時と、平面領域が対応付けられて掃除データ262に記憶されることになる。
【0127】
また、ステップS36において、電波強度収集部22aが、電波強度の収集を終了するかを判定する。例えば、スティック型掃除機31ないし充電台32から終了通知を受信したかで判定してもよいし、通信部21が一定期間以上電波強度を含む動作状態を受信しているかで判定してもよい。この結果、電波強度の収集が終了する場合(Y)、ステップS37に遷移する。また、終了しない場合(N)、ステップS31に戻る。
【0128】
また、ステップS37において、高度推定部24bが、掃除データ262から対象の物理データを読出し、これが示す高さデータを算出する。そして、高度推定部24bが、高さデータと予め定められた第1の閾値(A1)と比較する。この結果、高さデータがA1以上である場合(Y)、高度推定部24bは、高度としてA1と推定し、これを掃除データ262に記憶する。また、高さデータがA1未満である場合(N)、ステップS38に遷移する。
【0129】
そして、ステップS38において、高度推定部24bが、高さデータと予め定められた第2の閾値(A2)と比較する。この結果、高さデータがA2以上である場合(Y)、高度推定部24bは、高度としてA2と推定し、これを掃除データ262に記憶する。また、高さデータがA2未満である場合(N)、ステップS39に遷移する。
【0130】
ここで、高さに関する閾値については、A1、A2・・・Anの順に低くなる閾値を用意する。そして、高い順(A1、A2・・・An)の順に、ステップS37から順に比較を行う。この結果、稼働領域における高度が推定されることができる。なお、Anは、床面であること示すことが望ましい。
【0131】
また、実施例1においては、高度推定部24bは、推定された高度が所定条件を満たすかを判定し、この結果に応じて出力処理を行うことが望ましい。例えば、高度推定部24bは、高度がA1~An-1(床面以外)であることを、通信部21を介して出力する。つまり、スティック型掃除機31が床面以外を掃除していることが出力される。この出力先は、端末装置10およびスティック型掃除機31の少なくとも一方であればよい。そして、端末装置10の出力部17やスティック型掃除機31の表示操作部303が、床面以外を掃除していることを出力する。
【0132】
以上で、実施例1についての説明を終わるが、端末装置10、掃除機管理装置20およびスティック型掃除機31において、互いに重複する機能を有する構成については省略可能である。このことは、上述の実施形態および後述の各実施例でも同様である。また、実施例1では、立体的な稼働領域を推定でき、該当の稼働領域に応じた制御などを実現できる。
【実施例0133】
実施例2では、応用機能の一例として対象者に対する体調を監視し、見守り機能、サービスを実現する。このため、実施例2では、掃除機管理システムを、体調監視システムとして機能する。以下、その詳細を説明するが、他の実施例も含め、上述の実施形態で説明した内容との相違を中心に説明を行う。図20は、実施例2における掃除機管理システムのシステム構成図である。図7においても、家屋1で端末装置10、スティック型掃除機31、充電台32、ロボット型掃除機33、充電装置34およびルータ40が用いられる。
【0134】
そして、実施例2では、掃除機管理装置20の動作状態収集部22として、電波強度収集部22aが用いられ、解析部23として、学習部23aが用いられる。また、稼働領域推定部24として、平面領域推定部24aが用いられ、応用機能部25として、健康状態判定部25aが用いられる。さらに、記憶部26は、さらに見守りデータ264を記憶する。
【0135】
ここで、電波強度収集部22aおよび平面領域推定部24aについては、実施例1で説明済であるためこれらの説明は省略する。
【0136】
また、学習部23aは、動作状態について学習を行い、教師データ263を作成する。また、健康状態判定部25aは、スティック型掃除機31の利用者の健康状態を判定し、必要に応じてアラートの通知を行う。まお、見守りデータ264は、健康状態判定部25aの処理に用いられる情報である。この詳細については、図25を用いて後述する。
【0137】
次に、実施例2におけるスティック型掃除機31の情報処理上の構成について説明する。図21は、実施例2におけるスティック型掃除機31の機能ブロック図である。図21において、スティック型掃除機31は、情報処理に関する構成として、制御部301、掃除機通信部302、表示操作部303、稼働部304および電波強度検知部305aを有する。そして、これらは通信路を介して互いに接続されている。
【0138】
ここで、実施例2におけるスティック型掃除機31の構成は、上述の実施形態や実施例1と比較して、動作状態収集部3012として、電波強度収集部3012aが用いられ、解析部3013として、学習部3013aが用いられる。また、稼働領域推定部3014として、平面領域推定部3014aが用いられる。さらに、動作状態検知部305として、電波強度検知部305aが用いられる。
【0139】
ここで、電波強度収集部3012a、平面領域推定部3014aおよび電波強度検知部305aについては、実施例1で説明済であるためこれらの説明は省略する。また、学習部3013aは、学習部23aと同様の機能を有する。なお、充電台32については、実施例1と同様の構成である。また、スティック型掃除機31の構造も実施例1と同様の構成である。
【0140】
次に、端末装置10について説明する。図22は、実施例2における端末装置10の機能ブロック図である。実施例2の端末装置10では、動作状態収集部12として、電波強度収集部12aが用いられ、解析部13として、学習部13aが用いられる。また、稼働領域推定部14として、平面領域推定部14aが用いられ、応用機能部15として、健康状態判定部15aが用いられる。さらに、記憶部18は、さらに見守りデータ184を記憶する。
【0141】
ここで、電波強度収集部12aおよび平面領域推定部14aについては、実施例1で説明済であるためこれらの説明は省略する。
【0142】
また、学習部13aは、動作状態について学習を行い、教師データ183を作成する。また、健康状態判定部15aは、スティック型掃除機31の利用者の健康状態を判定し、必要に応じてアラートの通知を行う。なお、見守りデータ184は、見守りデータ264と同種の情報であり、健康状態判定部15aの処理に用いられる情報である。この詳細については、見守りデータ264と一緒に後述する。
【0143】
以上で、実施例2の機能ブロック図の説明を終わり、続いて、掃除機管理装置20と端末装置10の実装例であるハードウエア構成について説明する。
【0144】
図23は、実施例2における掃除機管理装置20のハードウエア構成図である。図23においても実施例1と同様に、掃除機管理装置20は、処理装置201、通信装置202、メモリ203および副記憶装置204を有し、これらは通信路を介して互いに接続されている。
【0145】
ここで、実施例2の掃除機管理装置20は、実施形態や実施例1とは掃除機管理プログラム205および副記憶装置204に見守りデータ264が記憶されている点が異なる。実施例2の掃除機管理プログラム205では、動作状態収集モジュール206として、電波強度収集モジュール206aが用いられ、解析モジュール207として、学習モジュール207aが用いられる。また、稼働領域推定モジュール208として、平面領域推定モジュール208aが用いられる。そして、応用機能モジュール209の一例である健康状態判定モジュール209aが用いられる。
【0146】
ここで、電波強度収集モジュール206aおよび平面領域推定モジュール208aについては、実施例1で説明済であるためこれらの説明は省略する。また、学習モジュール207aは、学習部23aとの機能を処理装置201に実行させる。また、健康状態判定モジュール209aは、健康状態判定部25aの機能を処理装置201に実行させる。また、見守りデータ264については、図25を用いて後述する。
【0147】
次に、実施例2の端末装置10の一実装例であるハードウエア構成について説明する。図24は、実施例2における端末装置10のハードウエア構成図である。図24においても実施例1と同様に、端末装置10は、タッチパネル101、処理装置102、通信装置103および記憶装置104を有し、これらは通信路を介して互いに接続されている。
【0148】
ここで、実施例2は、実施例1とは掃除機管理プログラム105および見守りデータ184が記憶されている点が異なる。実施例2の掃除機管理プログラム105では、動作状態収集モジュール106として、電波強度収集モジュール106aが用いられ、解析モジュール107として、学習モジュール107aが用いられる。また、稼働領域推定モジュール108として、平面領域推定モジュール108aが用いられる。そして、応用機能モジュール109の一例である健康状態判定モジュール109aが用いられる。
【0149】
ここで、電波強度収集モジュール106aおよび平面領域推定モジュール108aについては、実施例1で説明済であるためこれらの説明は省略する。また、学習モジュール107aは、学習部13aとの機能を処理装置102に実行させる。また、健康状態判定モジュール109aは、健康状態判定部15aの機能を処理装置102に実行させる。なお、見守りデータ184については、追って説明する。以上で、実施例2の構成の説明を終わり、続いて、実施例2で用いられる見守りデータ264について説明する。
【0150】
図25は、実施例2で用いられる見守りデータ264を示す図である。見守りデータ264は、対象者毎の健康状態の判定結果を示す情報である。このため、図25に示すように、利用場所、対象者、通知先および健康状態の各項目を有する。利用場所は、上述のとおりである。また、対象者は、健康状態を判定される対象者であり、実施例2ではスティック型掃除機31の利用者が該当する。また、通知先は、所定条件を満たす場合にアラートを通知する通知先を示す。この通知先には、対象者の親族や知り合いといった個人(Dなど)の他、各種サービス会社、病院、消防などを各種組織、機関とすることができる。さらに、健康状態は、実施例2で判定された健康状態やこれに伴う対処(通知等)を示す。なお、見守りデータ184は、見守りデータ264のうち、当該端末装置10の利用者が対象者分の情報である。以上で、実施例2で用いられる情報の説明を終わり、続いて、実施例2における処理フローについて説明する。
【0151】
以下では、実施例2における特徴的な処理である応用機能処理(ステップS40)の一例である見守り機能処理について説明する。他の処理は、他の実施例や実施形態と同様に実現できる。図26は、実施例2における見守り機能処理を示すフローチャートである。
【0152】
まず、ステップS41において、健康状態判定部25aが、掃除データ262における最新の掃除データと履歴を比較する。この結果、その差分が大きい場合(差:大)、ステップS42に遷移する。また、差分が小さい場合(差:小)、ステップS43に遷移する。そして、差分がない場合(差:無)、ステップS45に遷移する。ここで、差分の大、小、無について説明する。予め第1の差分閾値および第2の差分閾値(第1の差分閾値>第2の差分閾値)を用意しておく。そして、比較結果が第1の差分閾値より大きい場合、差分が大きいと判定される。また、比較結果が第1の差分閾値と第2の差分閾値の間である場合、差分が小さいと判定される。さらに、比較結果が第2の差分閾値より小さい場合、差分がないと判定される。またさらに、健康状態判定部25aは、ステップS34において、所定条件を満たす(例えば、掃除データに対応する)教師データが特定されない場合、利用者に体調異変が発生したと判定し、ステップS41ないしステップS43に遷移してもよい。
【0153】
また、ステップS42において、健康状態判定部25aが、通信部21を介して、通知先に対して、異変が発生したことを示すアラートを通知する。また、ステップS43において、健康状態判定部25aが、対象者本人宛のアラートとして、通信部21を介して端末装置10に対して、安否確認アラートを通知する。
【0154】
そして、ステップS44において、健康状態判定部25aが、対象者からの反応、つまり、端末装置10からの返信を受け付けたかを判定する。この結果、反応を受け付けない場合(無)、ステップS42に遷移する。また、反応を受け付けた場合(有)、ステップS45に遷移する。なお、本ステップでは、所定時間内に反応があるか、所定回数ステップS43に対する反応があるかにより判定を行ってもよい。
【0155】
また、ステップS45において、健康状態判定部25aが、通知先に対して、通常通知、つまり、異変が確認できないことを示す通知を行う。そして、健康状態判定部25aは、見守りデータ264に、実行した通知を健康状態に記憶する。実施例2では、専用の機器を設けなくとも、スティック型掃除機31といった通常家事で利用される装置を用いて利用者の健康状態を把握でき、見守りサービスを提供できる。以上で実施例2の説明を終わる。
【実施例0156】
実施例3では、スティック型掃除機31に学習モードおよび掃除モードを設け、学習モードでの掃除状態の学習結果や掃除モードにおけるスティック型掃除機31の稼働領域の推定結果を用いて、掃除実績を把握する。以下、その詳細を説明するが、他の実施例も含め、上述の実施形態で説明した内容との相違を中心に説明を行う。図27は、実施例3における掃除機管理システムのシステム構成図である。図27においても、家屋1で端末装置10、スティック型掃除機31、充電台32、ロボット型掃除機33、充電装置34およびルータ40が用いられる。
【0157】
そして、実施例3では、掃除機管理装置20の解析部23として、学習部23aが用いられる。また、稼働領域推定部24として、位置推定部24cおよび掃除領域推定部24dが用いられ、応用機能部25として、掃除提案部25bが用いられる。さらに、記憶部26は、さらに掃除実績データ265を記憶する。なお、学習部23aについては、実施例2で説明済のため、その説明は省略する。
【0158】
まず、位置推定部24cは、収集された動作状態に基づいて、スティック型掃除機31の位置を推定する。この際、実施例1や2の稼働領域推定部24と同様の手法でその位置を推定する。例えば、位置推定部24cは、掃除データ262および教師データ263を用いて、位置を推定する。さらに、位置推定部24cは、位置として平面領域や高度を推定できる。
【0159】
また、掃除領域推定部24dは、スティック型掃除機31で掃除が済んでいる掃除領域を推定する。これらにより、掃除の実績が把握できる。また、掃除提案部25bは、掃除が実行された領域に基づいて、スティック型掃除機31での掃除実績情報や掃除を推奨する領域を含む提案情報を作成する。なお、掃除実績データ265は、掃除領域推定部24dで推定された掃除領域を示す情報であるが、その詳細は図32を用いて後述する。
【0160】
次に、実施例3におけるスティック型掃除機31の情報処理上の構成について説明する。図28は、実施例3におけるスティック型掃除機31の機能ブロック図である。図28において、スティック型掃除機31は、情報処理に関する構成として、制御部301、掃除機通信部302、表示操作部303、稼働部304および動作状態検知部305を有する。そして、これらは通信路を介して互いに接続されている。
【0161】
ここで、実施例3におけるスティック型掃除機31の構成は、上述の実施形態や実施例1や実施例2と比較して、解析部3013として、学習部3013aが用いられ、稼働領域推定部3014が、位置推定部3014cおよび掃除領域推定部3014dを有する。
【0162】
ここで、学習部3013aについては、実施例2で説明済であるためこれらの説明は省略する。また、位置推定部3014cおよび掃除領域推定部3014dは、位置推定部24cおよび掃除領域推定部24dと同様の機能を有する。なお、充電台32については、実施例1や2と同様の構成である。また、スティック型掃除機31の構造も実施例1や2と同様である。
【0163】
次に、端末装置10について説明する。図29は、実施例3における端末装置10の機能ブロック図である。実施例3の端末装置10では、解析部13として、学習部13aが用いられる。また、稼働領域推定部14が、位置推定部14cおよび掃除領域推定部14dを有する。また、応用機能部15として、掃除提案部15bが用いられる。さらに、記憶部18は、さらに掃除実績データ185を記憶する。ここで、学習部13aについては説明済であるためその説明は省略する。
【0164】
また、位置推定部14cおよび掃除領域推定部14dは、それぞれ位置推定部24cおよび掃除領域推定部24dと同様の機能を有する。なお、掃除実績データ185は、掃除実績データ265と同種の情報であり、掃除提案部15bの処理に用いられる情報である。この詳細については、掃除実績データ265と一緒に後述する。
【0165】
以上で、実施例3の機能ブロック図の説明を終わり、続いて、掃除機管理装置20と端末装置10の実装例であるハードウエア構成について説明する。
【0166】
図30は、実施例3における掃除機管理装置20のハードウエア構成図である。図30においても実施例1や実施例2と同様に、掃除機管理装置20は、処理装置201、通信装置202、メモリ203および副記憶装置204を有し、これらは通信路を介して互いに接続されている。
【0167】
ここで、実施例3の掃除機管理装置20は、実施形態、実施例1や実施例2とは掃除機管理プログラム205および副記憶装置204に掃除実績データ265が記憶されている点が異なる。実施例3の掃除機管理プログラム205では、解析モジュール207として、学習モジュール207aが用いられる。また、掃除機管理プログラム205は、さらに、位置推定モジュール208cおよび掃除領域推定モジュール208dを有する。また、応用機能モジュール209として、掃除提案モジュール209bが用いられる。
【0168】
ここで、学習モジュール207aについては、実施例2で説明済のため、その説明は省略する。位置推定モジュール208cおよび掃除領域推定モジュール208dは、それぞれ位置推定部24cおよび掃除領域推定部24dの機能を処理装置201に実行させる。また、掃除実績データ265については、図32を用いて後述する。
【0169】
次に、実施例3の端末装置10の一実装例であるハードウエア構成について説明する。図31は、実施例3における端末装置10のハードウエア構成図である。図31においても実施例1や実施例2と同様に、端末装置10は、タッチパネル101、処理装置102、通信装置103および記憶装置104を有し、これらは通信路を介して互いに接続されている。
【0170】
ここで、実施例3は、実施例1や実施例2とは掃除機管理プログラム105および掃除実績データ185が記憶されている点が異なる。実施例3の掃除機管理プログラム105では、解析モジュール107として、学習モジュール107aが用いられる。また、掃除機管理プログラム105は、さらに、位置推定モジュール108cおよび掃除領域推定モジュール108dを有する。また、応用機能モジュール109として、掃除提案モジュール109bが用いられる。
【0171】
ここで、学習モジュール107aについては、実施例2で説明済のため、その説明は省略する。位置推定モジュール108cおよび掃除領域推定モジュール108dは、それぞれ位置推定部14cおよび掃除領域推定部14dの機能を処理装置102に実行させる。また、掃除実績データ185については、掃除実績データ265と一緒に説明する。以上で、実施例3の構成の説明を終わり、続いて、実施例3で用いられる掃除実績データ265について説明する。
【0172】
図32は、実施例3で用いられる掃除実績データ265を示す図である。掃除実績データ265は、スティック型掃除機31で掃除された領域を示す情報である。このため、図32に示すように、掃除実績データ265は、部屋、掃除実績および頻度の各項目を有する。部屋は、領域の一例である。また、掃除実績は、該当の部屋の掃除された実績を示す。具体的には、掃除が実行された日時を示す。さらに、頻度は、掃除実績に基づき特定される該当の部屋における掃除の頻度を示す。以上で、実施例3で用いられる情報の説明を終わり、続いて、実施例3における処理フローについて説明する。
【0173】
まず、実施例3における特徴的な処理である解析処理(ステップS20)の一例である学習処理および稼働領域推定処理(ステップS30)を用いた掃除実績の特定処理について説明する。他の処理は、他の実施例や実施形態と同様に実現できる。図33は、実施例3における学習処理を示すフローチャートである。
【0174】
ステップS21において、学習部23aが、解析モードとして学習モードの開始指示があるかを判定する。これは、図17のステップS12での稼働モードの判定結果が用いてもよいし、表示操作部303に対する開始指示の有無を用いてもよい。この結果、学習モードの開始指示がある場合(Y)、ステップS22に遷移する。また、ない場合(N)、ステップS21を繰り返す。
【0175】
また、ステップS22において、学習部23aが、教師データ用として用いられる動作状態、例えば、電波強度の収集、記憶を開始させる。これは、学習部23aが、動作状態収集部22などを制御し、図17のステップS13~ステップS18を実行させることで実現できる。但し、ステップS13~ステップS18については、動作状態収集部22などがこれらを自律的に実行してもよい。また、ステップS23において、学習部23aが、学習モードの終了指示があるかを判定する。この判定は、図17のステップS17での終了処理結果を用いてもよいし、表示操作部303に対する終了指示の有無を用いてもよい。この結果、終了指示がある場合(Y)、ステップS24に遷移する。また、これがない場合(N)、ステップS23を繰り返す。
【0176】
また、ステップS24において、学習部23aが、教師データ用として用いられる動作状態(電波強度)の収集、記憶を終了させる。なお、この終了も動作状態収集部22などがこれらを自律的に実行してもよい。
【0177】
また、ステップS25において、学習部23aが、利用者から入力される学習対象の領域(領域名)を受け付ける。これは、ステップS12での学習対象の領域の受付結果を用いてもよいし、表示操作部303に対する入力を用いてもよい。また、本ステップは、ステップS21の前後などそのタイミングは、図33に示す順序に限定されない。なお、ステップS22、ステップS23およびステップS25における表示操作部303に対する入力は、端末装置10の入力部16に対する入力を用いてもよい。なお、この領域名として、本実施例では、図32に示すような部屋を用いることができる。但し、他にも棚上など高度を用いてもよいし、廊下の端など部屋を構成する領域を用いてもよい。
【0178】
また、ステップS26において、学習部23aが、ステップS25で受け付けた領域名を、収集、記憶された教師データ用の動作状態に対応付ける。そして、ステップS27において、学習部23aが、領域名として部屋や高度とその動作状態(電波強度)が対応付けられたデータを、教師データ263として記憶部26に記憶する。
【0179】
以上で、図33の説明を終わる。次に、稼働領域推定処理(ステップS30)を用いた掃除実績の特定処理について説明する。図34は、実施例3における掃除実績の特定処理を説明するための図である。図34において、稼働モードで収集された電波強度(値)がグラフ341に示される。そして、位置推定部24cが、実施例1の図18で説明する処理に応じて、図34の「位置推定結果342」のように、スティック型掃除機31の位置、つまり、領域が推定される。
【0180】
そして、掃除領域推定部24dが、スティック型掃除機31の電源ONから電源OFFの間を示す図34の電源ON区間343を特定する。これは実施例1で記載したように、時間計測部により計測されるステップS14(電源ON)~電源OFFまでの区間を用いることができる。これを受けて、掃除領域推定部24dが、位置推定結果342と電源ON区間343を組み合わせて、掃除実績344を特定する。この結果、掃除領域推定部24dは、各部屋(領域)の掃除時間を特定できる。例えば、図34の例では、寝室が2秒、リビングが7秒、和室が1秒と把握できる。なお、これらの掃除時間は、開始時刻および終了時刻で管理してもよい。さらに、掃除領域推定部24dが、掃除実績344を、掃除実績データ265として記憶する。この掃除実績データ265が、掃除領域を示すことになる。
【0181】
次に、上述の掃除実績の利用方法について説明する。実施例3では、掃除実績やこれに伴う掃除の提案を行う。掃除提案部25bは、図34で説明したように記憶された掃除実績を掃除実績データ265から読み出す。また、掃除提案部25bは、読み出した掃除実績を含む掃除実績情報を作成する。そして、掃除提案部25bは、通信部21を介して端末装置10に、掃除実績情報を送信する。
【0182】
これを受けて、端末装置10の出力部17が、送信された掃除実績情報を出力する。ここで、図35Aは、実施例3における掃除実績情報を出力の様子を示す図である。図35Aに示すように、出力部17は、作成された掃除実績情報として、「今日の掃除履歴」が、部屋ごとに、その掃除時間を対応付けて出力する。この結果、利用者は、掃除の実績を把握することができる。なお、この出力は、スティック型掃除機31の表示操作部303で行ってもよい。この場合、掃除提案部25bは、通信部21を介してスティック型掃除機31に、掃除実績情報を送信する。
【0183】
次に、掃除の提案について説明する。掃除提案部25bは、作成された掃除実績情報に基づいて、掃除を推奨する領域、例えば、部屋を含む掃除提案情報を作成する。このために、掃除実績データ265の掃除実績や頻度を用いる。つまり、掃除提案部25bは、掃除実績や頻度の多少に応じて、各部屋の提案レベルを特定し、これを含む掃除提案情報を作成する。そして、掃除提案部25bは、通信部21を介して端末装置10に、掃除提案情報を送信する。
【0184】
これを受けて、端末装置10の出力部17が、送信された掃除提案情報を出力する。ここで、図35Bは、実施例3における掃除提案情報を出力の様子を示す図である。図35Bに示すように、出力部17は、作成された掃除提案情報として、「明日の掃除提案」が、部屋ごとに、その提案レベルを対応付けて出力する。この結果、利用者は、優先的に掃除する部屋(和室)を把握することができる。なお、この出力は、スティック型掃除機31の表示操作部303で行ってもよい。この場合、掃除提案部25bは、通信部21を介してスティック型掃除機31に、掃除提案情報を送信する。以上で実施例3の説明を終わる。
【実施例0185】
実施例4では、スティック型掃除機31において、学習モードおよび掃除モードを設け、学習モードを実行する際に、「稼働領域の入力画面」「動作状態収集開始指示画面」「動作状態収集終了指示画面」を連続的に出力する。以下、その詳細を説明するが、他の実施例も含め、上述の実施形態で説明した内容との相違を中心に説明を行う。図36は、実施例4における掃除機管理システムのシステム構成図である。図36においても、家屋1で端末装置10、スティック型掃除機31、充電台32、ロボット型掃除機33、充電装置34およびルータ40が用いられる。
【0186】
そして、実施例4では、掃除機管理装置20の動作状態収集部22として、電波強度収集部22aが用いられ、解析部23として、学習部23aが用いられる。また、稼働領域推定部24として、平面領域推定部24aが用いられ、応用機能部25として、I/F作成部25cおよび画面切替部25dが用いられる。
【0187】
なお、電波強度収集部22a、学習部23aおよび平面領域推定部24aについては、実施例1~3で説明済のため、その説明は省略する。
【0188】
まず、I/F作成部25cは、学習モードにおける各種画面を作成する。そして、画面切替部25dは、I/F作成部25cで作成された画面の出力を切り替える。
【0189】
次に、実施例4におけるスティック型掃除機31の情報処理上の構成について説明する。図37は、実施例4におけるスティック型掃除機31の機能ブロック図である。図37において、スティック型掃除機31は、情報処理に関する構成として、制御部301、掃除機通信部302、表示操作部303、稼働部304および動作状態検知部305を有する。そして、これらは通信路を介して互いに接続されている。
【0190】
ここで、実施例4におけるスティック型掃除機31の構成は、上述の実施形態や実施例1~3と比較して、動作状態収集部3012として、電波強度収集部3012aが用いられ、解析部3013として、学習部3013aが用いられる。また、稼働領域推定部3014として、平面領域推定部3014aが用いられる。なお、これらについては、実施例1~3で説明済のため、その説明は省略する。またさらに、充電台32については、実施例1~3と同様の構成である。また、スティック型掃除機31の構造も実施例1~3と同様である。
【0191】
次に、端末装置10について説明する。図38は、実施例4における端末装置10の機能ブロック図である。実施例4の端末装置10では、実施例4では、動作状態収集部12として、電波強度収集部12aが用いられ、解析部13として、学習部13aが用いられる。また、稼働領域推定部14として、平面領域推定部14aが用いられ、応用機能部15として、I/F作成部15cおよび画面切替部15dが用いられる。
【0192】
なお、電波強度収集部12a、学習部13aおよび平面領域推定部14aについては、実施例1~3で説明済のため、その説明は省略する。また、I/F作成部15cおよび画面切替部15dは、それぞれI/F作成部25cおよび画面切替部25dと同様の機能を実行する。
【0193】
以上で、実施例4の機能ブロック図の説明を終わり、続いて、掃除機管理装置20と端末装置10の実装例であるハードウエア構成について説明する。
【0194】
図39は、実施例4における掃除機管理装置20のハードウエア構成図である。図39においても実施例1~実施例3と同様に、掃除機管理装置20は、処理装置201、通信装置202、メモリ203および副記憶装置204を有し、これらは通信路を介して互いに接続されている。
【0195】
ここで、実施例4の掃除機管理装置20は、実施例1~実施例3とは掃除機管理プログラム205が異なる。実施例4の掃除機管理プログラム205では、動作状態収集モジュール206として、電波強度収集モジュール206aが用いられ、解析モジュール207として、学習モジュール207aが用いられる。また、稼働領域推定モジュール208として、平面領域推定モジュール208aが用いられる。さらに、掃除機管理プログラム205は、さらに、I/F作成モジュール209cおよび画面切替モジュール209dを有する。
【0196】
ここで、電波強度収集モジュール206a、学習モジュール207aおよび平面領域推定モジュール208aについては、実施例1~3で説明済のため、その説明は省略する。また、I/F作成モジュール209cおよび画面切替モジュール209dについては、I/F作成部25cおよび画面切替部25dの機能を処理装置201に実行させる。
【0197】
次に、実施例4の端末装置10の一実装例であるハードウエア構成について説明する。図40は、実施例3における端末装置10のハードウエア構成図である。図40においても実施例1~実施例3と同様に、端末装置10は、タッチパネル101、処理装置102、通信装置103および記憶装置104を有し、これらは通信路を介して互いに接続されている。
【0198】
ここで、実施例4は、実施例1~3とは、掃除機管理プログラム105が異なる。実施例4の掃除機管理プログラム105では、動作状態収集モジュール106として、電波強度収集モジュール106aが用いられ、解析モジュール107として、学習モジュール107aが用いられる。また、稼働領域推定モジュール108として、平面領域推定モジュール108aが用いられる。さらに、掃除機管理プログラム105は、さらに、I/F作成モジュール109cおよび画面切替モジュール109dを有する。
【0199】
ここで、電波強度収集モジュール106a、学習モジュール107aおよび平面領域推定モジュール108aについては、実施例1~3で説明済のため、その説明は省略する。また、I/F作成モジュール109cおよび画面切替モジュール109dについては、I/F作成部15cおよび画面切替部15dの機能を処理装置102に実行させる。以上で、実施例4の構成の説明を終わり、続いて、「稼働領域の入力画面」「動作状態収集開始指示画面」「動作状態収集終了指示画面」を連続的な出力処理について説明する。
【0200】
まず、この処理についての前提となる初期設定について説明する。この初期設定では、家屋1を構成する部屋の接続関係を示す部屋遷移図を基本情報として作成する。図41は、実施例4における部屋遷移図を示す図である。図41において、各部屋が円形で示される。そして、繋がっている部屋については、図41上において線分で接続される。この線分が、各部屋の接続関係を示すリンクとなっている。このため、各部屋を示す円形がノードとなっている。このような部屋遷移図を、レイアウト情報261ないしレイアウト情報181として管理し、掃除モードにおける稼働領域推定で利用する。つまり、図19で示す類似性の評価において、同程度の類似性を有する教師データが複数のあった場合に、平面領域推定部24aはこれを用いる。より具体的には、平面領域推定部24aは、直前の稼働領域(部屋)と接続関係がある部屋の教師データを選択し、この教師データの部屋を稼働領域して推定する。
【0201】
以下、部屋遷移図の作成について、その出力画面の遷移を用いて説明する。図42A図42Eは、実施例4における部屋遷移図の作成における出力画面を示す図である。なお、これらは、いずれも端末装置10の出力部17の出力画面であるが、スティック型掃除機31の表示操作部303に出力してもよい。
【0202】
まず、平面領域推定部24aは、通信部11を介して端末装置10に、図42Aに示す「階数の選択」画面用のデータを通知する。そして、端末装置10のI/F作成部15cが、「階数の選択」画面を作成し、画面切替部15dがこれを出力部17に出力する。ここでは、家屋1の階数を設定できるようにしている。図42Aでは、1フロア=家屋1が1階建てであることが、利用者により選択されている。そして、利用者により「次に」が選択されると、画面切替部15dが、出力画面を図42Bに遷移させる。また、この選択結果を、平面領域推定部24aが受け付けることになる。
【0203】
次に、平面領域推定部24aは、通信部11を介して端末装置10に、図42Bに示す「部屋リストの作成」画面用のデータを通知する。そして、端末装置10のI/F作成部15cが、「部屋リストの作成」画面を作成し、画面切替部15dがこれを出力部17に出力する。この画面は、家屋1(自宅)の間取りを特定するための画面である。具体的には、「部屋数」および「間取り構成」に対して利用者が入力を行うと、平面領域推定部24aは「2LDK」といった間取りを特定し、これを出力部17に出力する。また、平面領域推定部24aは、上述の間取りの他、「部屋数」および「間取り構成」(部屋)を取得することになる。そして、利用者により「次に」が選択されると、画面切替部15dが、出力画面を図42Cに遷移させる。
【0204】
次に、平面領域推定部24aは、通信部11を介して端末装置10に、図42Cに示す「部屋リストの作成」画面用のデータを通知する。そして、端末装置10のI/F作成部15cが、「部屋リストの作成」画面を作成し、画面切替部15dがこれを出力部17に出力する。この画面は、図42Bで入力された間取り構成である部屋の名称、広さの入力のために用いられる。ここで、平面領域推定部24aは、図42Cに示す部屋をリスト形式で出力し、利用者からの入力を受け付ける。この結果、平面領域推定部24aは、各部屋の名称および広さを取得できる。そして、利用者により「次に」が選択されると、画面切替部15dが、出力画面を図42Dに遷移させる。
【0205】
次に、平面領域推定部24aは、通信部11を介して端末装置10に、図42Dに示す「部屋遷移図の作成」画面用のデータを通知する。そして、端末装置10のI/F作成部15cが、「部屋遷移図の作成」画面を作成し、画面切替部15dがこれを出力部17に出力する。この画面は、図42Cまでに入力された部屋を円形、つまり、ノードとして示している。そして、ノード内に部屋の名称が示され、各ノードの大きさが部屋の広さに対応している。また、利用者から接続関係のある部屋について、そのリンクの指定を受け付ける。つまり、隣接する部屋が指定されると、その間にリンクを示す線分が記載される。以上の出力を、平面領域推定部24aが行う。そして、利用者により「次に」が選択されると、画面切替部15dが、出力画面を図42Eに遷移させる。
【0206】
最後に、平面領域推定部24aは、通信部11を介して端末装置10に、図42Eに示す「入力完了」画面用のデータを通知する。そして、端末装置10のI/F作成部15cが、「入力完了」画面を作成し、画面切替部15dがこれを出力部17に出力する。この結果、部屋遷移図の作成を終了する。
【0207】
次に、「稼働領域の入力画面」「動作状態収集開始指示画面」「動作状態収集終了指示画面」を連続的な出力処理を、その出力画面の遷移を用いて説明する。図43A図43Dは、実施例4における「稼働領域の入力画面」「動作状態収集開始指示画面」「動作状態収集終了指示画面」を連続的な出力画面を示す図である。なお、これらは、いずれも端末装置10の出力部17の出力画面であるが、スティック型掃除機31の表示操作部303に出力してもよい。
【0208】
まず、学習モードを開始する際に、学習部23aは、通信部11を介して端末装置10に、図43Aに示す「部屋名の入力」画面用のデータを通知する。そして、端末装置10のI/F作成部15cが「部屋名の入力」画面を作成し、画面切替部15dがこれを出力部17に出力する。これは、学習対象となる部屋である「稼働領域の入力画面」の一例である。そして、実施例4では、図43Aに示すように、部屋遷移図が出力され、対象となる部屋(ノード)が選択可能となっている。ここでは、玄関/廊下」が選択されている。そして、利用者により「次に」が選択されると、画面切替部15dが、出力画面を図43Bに遷移させる。
【0209】
次に、学習部23aは、通信部11を介して端末装置10に、図43Bに示す「電波強度の収集」画面用のデータを通知する。そして、端末装置10のI/F作成部15cが、図43Bに示す「電波強度の収集」画面を作成し、画面切替部15dがこれを出力部17に出力する。これは、教師データ用の「動作状態収集開始指示画面」を示す。そして、利用者から「YES」ボタンの選択といった開始の指示を受け付けると、画面切替部15dが、出力画面を図43Cに遷移させる。なお、この遷移は、「次に」の選択を条件としてもよい。
【0210】
そして、学習部23aは、通信部11を介して端末装置10に、図43Cに示す「電波強度の収集」画面用のデータを通知する。そして、端末装置10のI/F作成部15cが、「電波強度の収集」画面を作成し、画面切替部15dがこれを出力部17に出力する。この図43Cは、教師データ用の電波強度を収集中であることを示す。また、本画面では、「収集中止」も指定できる。そして、電波強度の収集が終了すると、図43Dに出力画面が遷移する。
【0211】
最後に、学習部23aは、通信部11を介して端末装置10に、図43Dに示す「電波強度の収集終了」画面用のデータを通知する。そして、端末装置10のI/F作成部15cが、「電波強度の収集終了」画面を出力し、画面切替部15dがこれを出力部17に出力する。図43Dでは、このまま学習を「終了する」、さらに該当の部屋(玄関/廊下)について「さらに学習する」か、「次の部屋(LDK)を学習」かの選択を、利用者から受付可能となっている。本例では、「終了する」が選択されたため、学習部23aは学習を終了する。この際、学習部23aは、電波強度収集部22a等に指示し、その動作を終了させる。なお、学習部23aは、部屋遷移図の接続関係を用いて、「次の部屋(LDK)を学習」における部屋の名称を特定することできる。上記の図43Cおよび/または図43Dが、「動作状態収集終了指示画面」に該当する。以上のようにして、実施例4では、学習モードを実行する際に、「稼働領域の入力画面」「動作状態収集開始指示画面」「動作状態収集終了指示画面」を連続的に出力することになる。
【0212】
さらに、「稼働領域の入力画面」「動作状態収集開始指示画面」「動作状態収集終了指示画面」への指示に応じて、画面切替部15dが指示に応じた制御指示を作成し、通信部11がスティック型掃除機31に対して制御指示を通知してもよい。まず、端末装置10が動作状態収集開始指示画面に対する動作状態の収集開始指示(図43BのYESボタン)を受け付けると、画面切替部15dは学習モードを開始する制御指示を作成する。また、端末装置10が動作状態収集開始指示画面に対する動作状態の収集終了指示(図43Cの収集中止ボタンもしくは図43Dの終了するボタン)を受け付けると、学習モードを終了する制御指示を作成する。
【0213】
そして、通信部11が、スティック型掃除機31や掃除機管理装置20にこれら制御指示を通知する。そして、スティック型掃除機31や掃除機管理装置20での動作状態の収集を制御される。この結果、学習モードの動作が制御される。
【実施例0214】
実施例4では、あらかじめ学習した電波分布と最も似た場所を現在の自己の掃除位置と推定することによって屋内の位置を測位する方法について記述した。この方法は通信デバイスの数を少なくできる一方で、掃除する前に事前のマップ作業が必要であること、屋内構造、通信状況、誘電体である人体の環境影響が生じることがある。そこで、本実施例5では、認識させたい領域(例えば部屋)にビーコン発信機を設定し、最も近いと判断したビーコン発信機の設定位置を掃除機自身の自己位置と推定するチェックイン方式について記載する。本実施例では認識させたい領域を部屋として説明するが、廊下の端など部屋を構成する領域としても良い。
【0215】
この方式は、ビーコン発信機が発信するビーコン信号を、掃除機に備えた通信基板が受信する構成となっている。本実施例で述べるビーコン発信機はビーコン発信器320の機能に相当し、通信基板は通信基板3111の機能に相当する。通信基板は掃除機に組み込まれたものに限るものではなく、例えば無線通信可能な端末を通信基板として使用しても良い。その場合は、利用者が端末を把持して使用する方法や、ポケットに端末を入れた状態で使用しても良いが、人体は電波を減衰させる性質があるので、端末を掃除機に固定し利用者が直接触れない状態で使用する形態が望ましい。本構成により、ビーコン発信機と掃除機間の電波強度を検知する。
【0216】
ビーコン発信機と通信基板間の通信距離と電波強度には相関があり、距離が近ければ電波強度が大きく、距離が遠ければ電波強度が小さくなる。ビーコン発信機は、宅内の各部屋に少なくとも一つ以上設置する。複数設置されたビーコン発信機と掃除機間の電波強度を比較することで、どのビーコン位置の近くに掃除機がいるか認識し、その位置を認識する。
【0217】
ビーコン発信機の電源は、ビーコン発信機に内蔵される電池を利用する方法と、外部電源を利用する方法がある。外部電源としては家庭用コンセントから直接電源供給する方式や無線給電による方式などがあるが、本実施例ではコンセントを使用する。ビーコン発信機は、コンセントに接続するためのブレード部(図示せず)と、一対の略矩形孔から成るコンセント部(図示せず)と、ビーコン信号を発する通信部(図示せず)と、を有する。ブレード部はコンセントに挿入可能なプラグ形状をしており、コンセントに差し込むことでビーコン発信機に電力を供給する。供給された電力はコンセント部と通信部に分配供給される。コンセント部にはブレード部を介して電力が供給されている。これによりビーコン発信機によって宅内のコンセントを使用していても、コンセント部に他電気機器のプラグを差し込むことで他電気機器を使用することができる。また通信部はブレード部を介して供給された電力によってビーコン信号を発する。
【0218】
本実施例ではビーコン信号を発する機器としてビーコン発信機を例に説明したが、これに限るものではなく、ルータや他電気製品が発する信号を使用しても良い。例えば無線通信機能を搭載した冷蔵庫や洗濯機、照明器具などの電気機器が発するビーコン信号を使用しても良い。
【0219】
上述のビーコン発信機の設定位置は、端末装置を用いて設定する。ビーコン発信機の設定位置を名称(例えば、部屋名)としてタグ付けする。名称は端末装置の入力機能を用いて利用者が入力するか、リスト化された選択可能な既定値から選択することができる。ビーコン発信機の固有IDと利用者が設定した名称を紐づけることで、利用者は掃除機の自己位置を認識する。名称の入力には端末装置を使用したが、これに限るものではない。例えば、掃除機に組み込まれた入力装置を用いても良い。
【0220】
以上で、本発明の一実施形態および実施例1~5の説明を終わるが、本発明は様々な応用、変形が可能である。例えば、本発明の対象は、スティック型掃除機31に限らず、ロボット型掃除機33を対象としてもよい。さらに、各処理の少なくとも一部は、いずれの装置(掃除機、端末装置10、掃除機管理装置20)で実行してもよい。さらに、各実施例については、実施例全体もしくはその一部の機能を組合せもよい。
【符号の説明】
【0221】
1…家屋、10…端末装置、11…通信部、12…動作状態収集部、13…解析部、14…稼働領域推定部、15…応用機能部、16…入力部、17…出力部、18…記憶部、181…レイアウト情報、182…掃除データ、183…教師データ、20…掃除機管理装置、21…通信部、22…動作状態収集部、23…解析部、24…稼働領域推定部、25…応用機能部、26…記憶部、261…レイアウト情報、262…掃除データ、263…教師データ、31…スティック型掃除機、301…制御部、302…掃除機通信部、303…表示操作部、304…稼働部、305…動作状態検知部、32…充電台、33…ロボット型掃除機、40…ルータ、50…ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
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図30
図31
図32
図33
図34
図35A
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図37
図38
図39
図40
図41
図42A
図42B
図42C
図42D
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図43A
図43B
図43C
図43D