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特開2024-129493受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定装置、受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定方法、プログラム及び記録媒体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129493
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定装置、受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定方法、プログラム及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
G06F 9/54 20060101AFI20240919BHJP
【ＦＩ】
G06F9/54 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2023038731
(22)【出願日】2023-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】ＮＥＣソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【弁理士】
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201732
【弁理士】
【氏名又は名称】松縄 正登
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【弁理士】
【氏名又は名称】伊佐治 創
(74)【代理人】
【識別番号】100227019
【弁理士】
【氏名又は名称】安 修央
(72)【発明者】
【氏名】石原 諒大
(57)【要約】 （修正有）
【課題】本発明は、ＭＰＩ通信において最適な受信側のスリープ時間を決定できるスリープ時間決定装置の提供を目的とする。
【解決手段】本発明の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定装置１０は、情報取得部１１、記録実行部１２、及び、スリープ時間決定部１３を含み、前記情報取得部１１は、送信側プロセスがＭＰＩ手続きを実行して送信する送信データを取得し、前記送信データは、１データを分割した複数の分割データであり、各前記分割データは、分割情報を含み、前記記録実行部１２は、前記分割情報、及び、前記分割データの受信時間を、ＭＰＩ通信履歴記録部に記録し、前記スリープ時間決定部１３は、前記分割データが複数受信され、かつ、前記分割データが全部受信する前において、前記１データにおける未受信データの全部が到着する全データ到着予想時間を算出し、受信側プロセスにおける前記未受信データ到着までのスリープ時間を決定する。
【選択図】図１
【解決手段】本発明の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定装置１０は、情報取得部１１、記録実行部１２、及び、スリープ時間決定部１３を含み、前記情報取得部１１は、送信側プロセスがＭＰＩ手続きを実行して送信する送信データを取得し、前記送信データは、１データを分割した複数の分割データであり、各前記分割データは、分割情報を含み、前記記録実行部１２は、前記分割情報、及び、前記分割データの受信時間を、ＭＰＩ通信履歴記録部に記録し、前記スリープ時間決定部１３は、前記分割データが複数受信され、かつ、前記分割データが全部受信する前において、前記１データにおける未受信データの全部が到着する全データ到着予想時間を算出し、受信側プロセスにおける前記未受信データ到着までのスリープ時間を決定する。
【選択図】図１
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報取得部、記録実行部、及び、スリープ時間決定部を含み、
前記情報取得部は、送信側プロセスがＭＰＩ手続きを実行して送信する送信データを取得し、
前記送信データは、１データを分割した複数の分割データであり、
前記複数の分割データは、時系列で順番に送信され、
各前記分割データは、分割情報を含み、
前記分割情報は、前記１データの分割であることを示す共通識別コード、送信の順番を示す順番情報、及び、前記分割データが前記１データに対する累積割合を示す進捗度情報を含み、
前記記録実行部は、前記分割情報、及び、前記分割データの受信時間を、ＭＰＩ通信履歴記録部に記録し、
前記スリープ時間決定部は、前記分割データが複数受信され、かつ、前記分割データが全部受信する前において、前記複数受信の各前記分割データの前記分割情報及び前記受信時間に基づき、前記１データにおける未受信データの全部が到着する全データ到着予想時間を算出し、前記全データ到着予想時間に基づき、受信側プロセスにおける前記未受信データ到着までのスリープ時間を決定する、
受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定装置。
前記情報取得部は、送信側プロセスがＭＰＩ手続きを実行して送信する送信データを取得し、
前記送信データは、１データを分割した複数の分割データであり、
前記複数の分割データは、時系列で順番に送信され、
各前記分割データは、分割情報を含み、
前記分割情報は、前記１データの分割であることを示す共通識別コード、送信の順番を示す順番情報、及び、前記分割データが前記１データに対する累積割合を示す進捗度情報を含み、
前記記録実行部は、前記分割情報、及び、前記分割データの受信時間を、ＭＰＩ通信履歴記録部に記録し、
前記スリープ時間決定部は、前記分割データが複数受信され、かつ、前記分割データが全部受信する前において、前記複数受信の各前記分割データの前記分割情報及び前記受信時間に基づき、前記１データにおける未受信データの全部が到着する全データ到着予想時間を算出し、前記全データ到着予想時間に基づき、受信側プロセスにおける前記未受信データ到着までのスリープ時間を決定する、
受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定装置。
【請求項2】
前記スリープ時間決定部は、前記複数受信の各前記分割データの前記分割情報及び前記受信時間に基づき、単位データ量当たりの平均送信時間を算出し、前記平均送信時間に基づき、前記全データ到着予想時間を算出し、前記全データ到着予想時間に基づき、前記スリープ時間を決定する、
請求項１記載の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定装置。
請求項１記載の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定装置。
【請求項3】
前記スリープ時間決定部は、前記平均送信時間に対し補正係数を使用して前記スリープ時間を決定する、
請求項２記載の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定装置。
請求項２記載の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定装置。
【請求項4】
前記送信データは、前記送信側プロセスによるＭＰＩ手続きにおけるＭＰＩ手続き情報を含み、
前記記録実行部は、前記１データ毎に、一つのレコードとして、前記分割情報及び前記ＭＰＩ手続き情報を前記ＭＰＩ通信履歴記録部に記録し、
前記スリープ時間決定部は、前記送信側プロセスの新規ＭＰＩ手続きの開始の際に、過去の前記ＭＰＩ通信履歴記録部を参照し、前記新規ＭＰＩ手続きにおける前記ＭＰＩ手続き情報が過去の前記ＭＰＩ手続き情報と一部又は全部で一致する否かを判定し、一致する場合、前記過去の前記ＭＰＩ手続き情報における受信時間に基づき、受信側プロセスが、前記スリープ時間を予測する前の受信途中段階における途中段階スリープ時間を決定する、
請求項１記載の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定装置。
前記記録実行部は、前記１データ毎に、一つのレコードとして、前記分割情報及び前記ＭＰＩ手続き情報を前記ＭＰＩ通信履歴記録部に記録し、
前記スリープ時間決定部は、前記送信側プロセスの新規ＭＰＩ手続きの開始の際に、過去の前記ＭＰＩ通信履歴記録部を参照し、前記新規ＭＰＩ手続きにおける前記ＭＰＩ手続き情報が過去の前記ＭＰＩ手続き情報と一部又は全部で一致する否かを判定し、一致する場合、前記過去の前記ＭＰＩ手続き情報における受信時間に基づき、受信側プロセスが、前記スリープ時間を予測する前の受信途中段階における途中段階スリープ時間を決定する、
請求項１記載の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定装置。
【請求項5】
前記途中段階スリープ時間は、前記受信側プロセスが前記受信途中段階においてスリープを繰り返す場合の各スリープ時間である、
請求項４記載の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定装置。
請求項４記載の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定装置。
【請求項6】
前記記録実行部は、前記途中段階スリープ時間終了後に前記１データの全部が受信された場合、前記一致した前記過去のＭＰＩ手続きデータを前記１データの前記ＭＰＩ手続き情報に置き換える、
請求項４記載の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定装置。
請求項４記載の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定装置。
【請求項7】
前記記録実行部は、前記途中段階スリープ時間終了前に前記１データの全部が受信された場合、前記一致した前記過去のＭＰＩ手続きデータを削除する、
請求項４記載の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定装置。
請求項４記載の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定装置。
【請求項8】
情報取得工程、記録実行工程、及び、スリープ時間決定工程を含み、
前記情報取得工程は、送信側プロセスがＭＰＩ手続きを実行して送信する送信データを取得し、
前記送信データは、１データを分割した複数の分割データであり、
前記複数の分割データは、時系列で順番に送信され、
各前記分割データは、分割情報を含み、
前記分割情報は、前記１データの分割であることを示す共通識別コード、送信の順番を示す順番情報、及び、前記分割データが前記１データに対する累積割合を示す進捗度情報を含み、
前記記録実行工程は、前記分割情報、及び、前記分割データの受信時間を、ＭＰＩ通信履歴記録部に記録し、
前記スリープ時間決定工程は、前記分割データが複数受信され、かつ、前記分割データが全部受信する前において、前記複数受信の各前記分割データの前記分割情報及び前記受信時間に基づき、前記１データにおける未受信データの全部が到着する全データ到着予想時間を算出し、前記全データ到着予想時間に基づき、受信側プロセスにおける前記未受信データ到着までのスリープ時間を決定し、
前記各工程が、コンピュータにより実行される、
受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定方法。
前記情報取得工程は、送信側プロセスがＭＰＩ手続きを実行して送信する送信データを取得し、
前記送信データは、１データを分割した複数の分割データであり、
前記複数の分割データは、時系列で順番に送信され、
各前記分割データは、分割情報を含み、
前記分割情報は、前記１データの分割であることを示す共通識別コード、送信の順番を示す順番情報、及び、前記分割データが前記１データに対する累積割合を示す進捗度情報を含み、
前記記録実行工程は、前記分割情報、及び、前記分割データの受信時間を、ＭＰＩ通信履歴記録部に記録し、
前記スリープ時間決定工程は、前記分割データが複数受信され、かつ、前記分割データが全部受信する前において、前記複数受信の各前記分割データの前記分割情報及び前記受信時間に基づき、前記１データにおける未受信データの全部が到着する全データ到着予想時間を算出し、前記全データ到着予想時間に基づき、受信側プロセスにおける前記未受信データ到着までのスリープ時間を決定し、
前記各工程が、コンピュータにより実行される、
受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定方法。
【請求項9】
前記スリープ時間決定工程は、前記複数受信の各前記分割データの前記分割情報及び前記受信時間に基づき、単位データ量当たりの平均送信時間を算出し、前記平均送信時間に基づき、前記全データ到着予想時間を算出し、前記全データ到着予想時間に基づき、前記スリープ時間を決定し、
前記各工程が、コンピュータにより実行される、
請求項８記載の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定方法。
前記各工程が、コンピュータにより実行される、
請求項８記載の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定方法。
【請求項10】
前記スリープ時間決定工程は、前記平均送信時間に対し補正係数を使用して前記スリープ時間を決定し、
前記各工程が、コンピュータにより実行される、
請求項９記載の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定方法。
前記各工程が、コンピュータにより実行される、
請求項９記載の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定装置、受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定方法、プログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータを複数台繋げて処理を行う場合、コンピュータ間のデータのやり取りに、ＭＰＩ通信が利用されている。ＭＰＩ通信によるデータ送信中、ビジーウェイト状態となり、送信処理のためにＣＰＵが占有されるという問題がある。この問題の解決方法として、スリープ状態にすることによってＣＰＵを開放する方法があるが、データ送信が完了した後までスリープ状態が続くと、結果的にコンピュータの効率が悪くなるという問題がある。そこで、過去の通信時間の実績に基づきビジーウェイト状態とスリープ状態とを選択するシステムが公開されている（特許文献１）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開２００１－１１７７８７号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献１のシステムにおいては、スリープ状態にした方が有利な場合には、スリープ状態を選択すること可能である。しかし、前記システムは、適切なスリープ時間を算出するものではない。
【0005】
そこで、本発明は、ＭＰＩ通信において最適な受信側のスリープ時間を決定できるスリープ時間決定装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定装置は、
情報取得部、記録実行部、及び、スリープ時間決定部を含み、
前記情報取得部は、送信側プロセスがＭＰＩ手続きを実行して送信する送信データを取得し、
前記送信データは、１データを分割した複数の分割データであり、
前記複数の分割データは、時系列で順番に送信され、
各前記分割データは、分割情報を含み、
前記分割情報は、前記１データの分割であることを示す共通識別コード、送信の順番を示す順番情報、及び、前記分割データが前記１データに対する累積割合を示す進捗度情報を含み、
前記記録実行部は、前記分割情報、及び、前記分割データの受信時間を、ＭＰＩ通信履歴記録部に記録し、
前記スリープ時間決定部は、前記分割データが複数受信され、かつ、前記分割データが全部受信する前において、前記複数受信の各前記分割データの前記分割情報及び前記受信時間に基づき、前記１データにおける未受信データの全部が到着する全データ到着予想時間を算出し、前記全データ到着予想時間に基づき、受信側プロセスにおける前記未受信データ到着までのスリープ時間を決定する。
情報取得部、記録実行部、及び、スリープ時間決定部を含み、
前記情報取得部は、送信側プロセスがＭＰＩ手続きを実行して送信する送信データを取得し、
前記送信データは、１データを分割した複数の分割データであり、
前記複数の分割データは、時系列で順番に送信され、
各前記分割データは、分割情報を含み、
前記分割情報は、前記１データの分割であることを示す共通識別コード、送信の順番を示す順番情報、及び、前記分割データが前記１データに対する累積割合を示す進捗度情報を含み、
前記記録実行部は、前記分割情報、及び、前記分割データの受信時間を、ＭＰＩ通信履歴記録部に記録し、
前記スリープ時間決定部は、前記分割データが複数受信され、かつ、前記分割データが全部受信する前において、前記複数受信の各前記分割データの前記分割情報及び前記受信時間に基づき、前記１データにおける未受信データの全部が到着する全データ到着予想時間を算出し、前記全データ到着予想時間に基づき、受信側プロセスにおける前記未受信データ到着までのスリープ時間を決定する。
【0007】
本発明の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定方法は、
情報取得工程、記録実行工程、及び、スリープ時間決定工程を含み、
前記情報取得工程は、送信側プロセスがＭＰＩ手続きを実行して送信する送信データを取得し、
前記送信データは、１データを分割した複数の分割データであり、
前記複数の分割データは、時系列で順番に送信され、
各前記分割データは、分割情報を含み、
前記分割情報は、前記１データの分割であることを示す共通識別コード、送信の順番を示す順番情報、及び、前記分割データが前記１データに対する累積割合を示す進捗度情報を含み、
前記記録実行工程は、前記分割情報、及び、前記分割データの受信時間を、ＭＰＩ通信履歴記録部に記録し、
前記スリープ時間決定工程は、前記分割データが複数受信され、かつ、前記分割データが全部受信する前において、前記複数受信の各前記分割データの前記分割情報及び前記受信時間に基づき、前記１データにおける未受信データの全部が到着する全データ到着予想時間を算出し、前記全データ到着予想時間に基づき、受信側プロセスにおける前記未受信データ到着までのスリープ時間を決定し、
前記各工程が、コンピュータにより実行される。
情報取得工程、記録実行工程、及び、スリープ時間決定工程を含み、
前記情報取得工程は、送信側プロセスがＭＰＩ手続きを実行して送信する送信データを取得し、
前記送信データは、１データを分割した複数の分割データであり、
前記複数の分割データは、時系列で順番に送信され、
各前記分割データは、分割情報を含み、
前記分割情報は、前記１データの分割であることを示す共通識別コード、送信の順番を示す順番情報、及び、前記分割データが前記１データに対する累積割合を示す進捗度情報を含み、
前記記録実行工程は、前記分割情報、及び、前記分割データの受信時間を、ＭＰＩ通信履歴記録部に記録し、
前記スリープ時間決定工程は、前記分割データが複数受信され、かつ、前記分割データが全部受信する前において、前記複数受信の各前記分割データの前記分割情報及び前記受信時間に基づき、前記１データにおける未受信データの全部が到着する全データ到着予想時間を算出し、前記全データ到着予想時間に基づき、受信側プロセスにおける前記未受信データ到着までのスリープ時間を決定し、
前記各工程が、コンピュータにより実行される。
【0008】
本発明のプログラムは、
情報取得手順、記録実行手順、及び、スリープ時間決定手順を含み、
前記情報取得手順は、送信側プロセスがＭＰＩ手続きを実行して送信する送信データを取得し、
前記送信データは、１データを分割した複数の分割データであり、
前記複数の分割データは、時系列で順番に送信され、
各前記分割データは、分割情報を含み、
前記分割情報は、前記１データの分割であることを示す共通識別コード、送信の順番を示す順番情報、及び、前記分割データが前記１データに対する累積割合を示す進捗度情報を含み、
前記記録実行手順は、前記分割情報、及び、前記分割データの受信時間を、ＭＰＩ通信履歴記録部に記録し、
前記スリープ時間決定手順は、前記分割データが複数受信され、かつ、前記分割データが全部受信する前において、前記複数受信の各前記分割データの前記分割情報及び前記受信時間に基づき、前記１データにおける未受信データの全部が到着する全データ到着予想時間を算出し、前記全データ到着予想時間に基づき、受信側プロセスにおける前記未受信データ到着までのスリープ時間を決定し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムである。
情報取得手順、記録実行手順、及び、スリープ時間決定手順を含み、
前記情報取得手順は、送信側プロセスがＭＰＩ手続きを実行して送信する送信データを取得し、
前記送信データは、１データを分割した複数の分割データであり、
前記複数の分割データは、時系列で順番に送信され、
各前記分割データは、分割情報を含み、
前記分割情報は、前記１データの分割であることを示す共通識別コード、送信の順番を示す順番情報、及び、前記分割データが前記１データに対する累積割合を示す進捗度情報を含み、
前記記録実行手順は、前記分割情報、及び、前記分割データの受信時間を、ＭＰＩ通信履歴記録部に記録し、
前記スリープ時間決定手順は、前記分割データが複数受信され、かつ、前記分割データが全部受信する前において、前記複数受信の各前記分割データの前記分割情報及び前記受信時間に基づき、前記１データにおける未受信データの全部が到着する全データ到着予想時間を算出し、前記全データ到着予想時間に基づき、受信側プロセスにおける前記未受信データ到着までのスリープ時間を決定し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0009】
本発明の記録媒体は、
情報取得手順、記録実行手順、及び、スリープ時間決定手順を含み、
前記情報取得手順は、送信側プロセスがＭＰＩ手続きを実行して送信する送信データを取得し、
前記送信データは、１データを分割した複数の分割データであり、
前記複数の分割データは、時系列で順番に送信され、
各前記分割データは、分割情報を含み、
前記分割情報は、前記１データの分割であることを示す共通識別コード、送信の順番を示す順番情報、及び、前記分割データが前記１データに対する累積割合を示す進捗度情報を含み、
前記記録実行手順は、前記分割情報、及び、前記分割データの受信時間を、ＭＰＩ通信履歴記録部に記録し、
前記スリープ時間決定手順は、前記分割データが複数受信され、かつ、前記分割データが全部受信する前において、前記複数受信の各前記分割データの前記分割情報及び前記受信時間に基づき、前記１データにおける未受信データの全部が到着する全データ到着予想時間を算出し、前記全データ到着予想時間に基づき、受信側プロセスにおける前記未受信データ到着までのスリープ時間を決定し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
情報取得手順、記録実行手順、及び、スリープ時間決定手順を含み、
前記情報取得手順は、送信側プロセスがＭＰＩ手続きを実行して送信する送信データを取得し、
前記送信データは、１データを分割した複数の分割データであり、
前記複数の分割データは、時系列で順番に送信され、
各前記分割データは、分割情報を含み、
前記分割情報は、前記１データの分割であることを示す共通識別コード、送信の順番を示す順番情報、及び、前記分割データが前記１データに対する累積割合を示す進捗度情報を含み、
前記記録実行手順は、前記分割情報、及び、前記分割データの受信時間を、ＭＰＩ通信履歴記録部に記録し、
前記スリープ時間決定手順は、前記分割データが複数受信され、かつ、前記分割データが全部受信する前において、前記複数受信の各前記分割データの前記分割情報及び前記受信時間に基づき、前記１データにおける未受信データの全部が到着する全データ到着予想時間を算出し、前記全データ到着予想時間に基づき、受信側プロセスにおける前記未受信データ到着までのスリープ時間を決定し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、効率的なＭＰＩ通信が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態について図を用いて説明する。本発明は、以下の実施形態には限定されない。以下の各図において、同一部分には、同一符号を付している。また、各実施形態の説明は、特に言及がない限り、互いの説明を援用でき、各実施形態の構成は、特に言及がない限り、組合せ可能である。
【0013】
［実施形態１］
図１は、本実施形態の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定装置１０（以下「本装置」ともいう。）の一例の構成を示すブロック図である。図１に示すように、本装置１０は、情報取得部１１、記録実行部１２、及び、スリープ時間決定部１３を含む。また、本装置１０は、図示していないが、例えば、入力部、出力部、表示部及び／又は記憶部を含んでもよい。なお、前記記憶部は、後述のＭＰＩ通信履歴記録部として機能してもよい。
図１は、本実施形態の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定装置１０（以下「本装置」ともいう。）の一例の構成を示すブロック図である。図１に示すように、本装置１０は、情報取得部１１、記録実行部１２、及び、スリープ時間決定部１３を含む。また、本装置１０は、図示していないが、例えば、入力部、出力部、表示部及び／又は記憶部を含んでもよい。なお、前記記憶部は、後述のＭＰＩ通信履歴記録部として機能してもよい。
【0014】
本装置１０は、例えば、前記各部を含む１つの装置でもよいし、前記各部が、通信回線網を介して接続可能な装置でもよい。また、本装置１０は、前記通信回線網を介して、後述する外部装置と接続可能である。前記通信回線網は、特に制限されず、公知のネットワークを使用でき、例えば、有線でも無線でもよい。前記通信回線網は、例えば、インターネット回線、ＷＷＷ（Ｗｏｒｌｄ Ｗｉｄｅ Ｗｅｂ）、電話回線、ＬＡＮ（Ｌｏｃａｌ Ａｒｅａ Ｎｅｔｗｏｒｋ）、ＳＡＮ（Ｓｔｏｒａｇｅ Ａｒｅａ Ｎｅｔｗｏｒｋ）、ＤＴＮ（Ｄｅｌａｙ Ｔｏｌｅｒａｎｔ Ｎｅｔｗｏｒｋｉｎｇ）、ＬＰＷＡ（Ｌｏｗ Ｐｏｗｅｒ Ｗｉｄｅ Ａｒｅａ）、Ｌ５Ｇ（ローカル５Ｇ）、等が挙げられる。無線通信としては、例えば、Ｗｉ－Ｆｉ（登録商標）、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）、ローカル５Ｇ、ＬＰＷＡ等が挙げられる。前記無線通信としては、各装置が直接通信する形態（Ａｄ Ｈｏｃ通信）、インフラストラクチャ（infrastructure通信）、アクセスポイントを介した間接通信等であってもよい。本装置１０は、例えば、システムのサーバに組み込まれていてもよい。また、本装置１０は、例えば、本発明のプログラムがインストールされたパーソナルコンピュータ（ＰＣ、例えば、デスクトップ型、ノート型）、スマートフォン、タブレット端末等であってもよい。さらに、本装置１０は、例えば、前記各部のうち少なくとも一つがサーバ上にあり、その他の前記各部が端末上にあるような、クラウドコンピューティングやエッジコンピューティング等の形態であってもよい。
【0015】
図２に、本装置１０のハードウェア構成のブロック図を例示する。本装置１０は、例えば、中央処理装置（ＣＰＵ、ＧＰＵ等）１０１、メモリ１０２、バス１０３、記憶装置１０４、入力装置１０５、出力装置１０６、通信デバイス１０７等を含む。本装置１０の各部は、それぞれのインタフェース（Ｉ／Ｆ）により、バス１０３を介して相互に接続されている。
【0016】
中央処理装置１０１は、コントローラ（システムコントローラ、Ｉ／Ｏコントローラ等）等により、他の構成と連携動作し、本装置１０の全体の制御を担う。本装置１０において、中央処理装置１０１により、例えば、本発明のプログラムやその他のプログラムが実行され、また、各種情報の読み込みや書き込みが行われる。具体的には、例えば、中央処理装置１０１が、情報取得部１１、記録実行部１２、及び、スリープ時間決定部１３として機能する。本装置１０が、前記出力部を含む場合、中央処理装置１０１は、前記出力部として機能してもよい。また、後述のＭＰＩ通信履歴記録部として機能してもよい。本装置１０は、演算装置として、ＣＰＵ、ＧＰＵ（Graphics Processing Unit）、ＡＰＵ（Accelerated Processing Unit）等の他の演算装置を備えてもよいし、ＣＰＵとこれらとの組合せを備えてもよい。
【0017】
バス１０３は、例えば、外部装置とも接続できる。前記外部装置は、例えば、ユーザの端末、外部記憶装置（外部データベース等）、プリンタ、外部入力装置、外部表示装置、外部撮像装置等が挙げられる。本装置１０は、例えば、バス１０３に接続された通信デバイス１０７により、外部ネットワーク（前記通信回線網）に接続でき、外部ネットワークを介して、他の装置と接続することもできる。
【0018】
メモリ１０２は、例えば、メインメモリ（主記憶装置）が挙げられる。中央処理装置１０１が処理を行う際には、例えば、後述する記憶装置１０４に記憶されている本発明のプログラム等の種々の動作プログラムを、メモリ１０２が読み込み、中央処理装置１０１は、メモリ１０２からデータを受け取って、プログラムを実行する。前記メインメモリは、例えば、ＲＡＭ（ランダムアクセスメモリ）である。また、メモリ１０２は、例えば、ＲＯＭ（読み出し専用メモリ）であってもよい。
【0019】
記憶装置１０４は、例えば、前記メインメモリ（主記憶装置）に対して、いわゆる補助記憶装置ともいう。前述のように、記憶装置１０４には、本発明のプログラムを含む動作プログラムが格納されている。記憶装置１０４は、例えば、記録媒体と、記録媒体に読み書きするドライブとの組合せであってもよい。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、内蔵型でも外付け型でもよく、ＨＤ（ハードディスク）、ＣＤ－ＲＯＭ、ＣＤ－Ｒ、ＣＤ－ＲＷ、ＭＯ、ＤＶＤ、フラッシュメモリー、メモリーカード等が挙げられる。記憶装置１０４は、例えば、記録媒体とドライブとが一体化されたハードディスクドライブ（ＨＤＤ）、及びソリッドステートドライブ（ＳＳＤ）であってもよい。本装置１０が前記記憶部を含む場合、例えば、記憶装置１０４は、前記記憶部として機能する。前記記憶部は、例えば、後述する分割情報、分割データの受信時間、及びＭＰＩ手続き情報等を記憶できる。
【0020】
本装置１０において、メモリ１０２及び記憶装置１０４は、ログ情報、外部データベース（図示せず）や外部の装置から取得した情報、本装置１０によって生成した情報、本装置１０が処理を実行する際に用いる情報等の種々の情報を記憶することも可能である。この場合、メモリ１０２及び記憶装置１０４は、例えば、前記分割情報等を記憶していてもよい。なお、少なくとも一部の情報は、例えば、メモリ１０２及び記憶装置１０４以外の外部サーバに記憶されていてもよいし、複数の端末にブロックチェーン技術等を用いて分散して記憶されていてもよい。
【0021】
本装置１０は、例えば、さらに、入力装置１０５、出力装置１０６を備える。入力装置１０５は、例えば、タッチパネル、トラックパッド、マウス等のポインティングデバイス；キーボード；カメラ、スキャナ等の撮像手段；ＩＣカードリーダ、磁気カードリーダ等のカードリーダ；マイク等の音声入力手段；等が挙げられる。出力装置１０６は、例えば、ＬＥＤディスプレー、液晶ディスプレー等の表示装置；スピーカ等の音声出力装置；プリンタ；等が挙げられる。本実施形態１において、入力装置１０５と出力装置１０６とは、別個に構成されているが、入力装置１０５と出力装置１０６とは、タッチパネルディスプレーのように、一体として構成されてもよい。
【0022】
つぎに、本実施形態の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定方法の一例を、図３のフローチャートに基づき説明する。本実施形態の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定方法は、例えば、図１又は図２の本装置１０を用いて、次のように実施する。なお、本実施形態の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定方法は、図１又は図２の本装置１０の使用には限定されない。
【0023】
ＭＰＩ（Message Passing Interface）は、並列コンピューティングを利用するための標準規格である。ＭＰＩは、複数のコンピュータ間で通信をするために利用される。ＭＰＩによって通信をすると、通信中、ビジーウェイト状態として、通信処理にＣＰＵが占有される。通信中にＣＰＵを開放して、ＣＰＵを有効活用するためには、スリープ状態にするという方法がある。ただし、スリープ中は、データ送信に係るデータ到着後の処理等が行えないため、データ受信後にスリープ状態になっている場合、結果として、ＭＰＩプログラムの性能に悪影響を与えることになる。そこで、効率的に通信処理を行うためには、スリープ状態の時間を適切な長さに調整する必要がある。なお、以下、本発明を利用した受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定方法について説明するが、その前提として、送信側と受信側は、通信処理を行う前にハンドシェイクを行って、同期をとっていることが好ましい。このようにすることで、全く同じ内容の通信にも関わらず、通信待ちの時間が大きく変化するということはなくなる。また、ＭＰＩ手続き実行後のデータ転送そのものは、専用のハードウェアが実行することが好ましい。さらに、ＭＰＩ手続きは、同時に複数実行しないことが好ましい。つまり、実行したＭＰＩ手続きの送信処理あるいは受信処理が完了するまで、他のＭＰＩ手続きを実行しないことが好ましい。また、本発明における受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定方法における前提として、ＭＰＩ送信は、送信データを分割して行う。また、送信側と受信側は、通信処理を行う前にハンドシェイクを行っているが、その時点で送信側も送信データのデータサイズが把握できず、受信側が送信データの全体サイズが分からない場合があることを前提とする。
【0024】
まず、情報取得部１１は、送信側プロセスがＭＰＩ手続きを実行して送信する送信データを取得する（Ｓ１、情報取得工程）。前記プロセスは、処理を実行しているプログラムであり、前記送信側プロセスは、送信側が、処理を実行しているプログラムである。前記送信データは、前述のとおり、１データを分割した複数の分割データである。前記複数の分割データは、時系列で順番に送信される。各前記分割データは、分割情報を含む。前記分割情報は、前記１データの分割であることを示す共通識別コード、送信の順番を示す順番情報、及び、前記分割データが前記１データに対する累積割合を示す進捗度情報を含む情報である。また、前記送信データは、前記送信側プロセスによるＭＰＩ手続きにおけるＭＰＩ手続き情報を含むものでもよい。
【0025】
つぎに、記録実行部１２は、前記分割情報、及び、前記分割データの受信時間を、ＭＰＩ通信履歴記録部に記録する（Ｓ２、記録実行工程）。なお、前記ＭＰＩ通信履歴記録部は、例えば、本装置１０の中央処理装置に設けられるが、これに限定されず、例えば、本装置１０の記憶部に設けられてもよく、外部記憶装置に設けられてもよい。なお、前記記録実行部１２は、前記送信データの１データ毎に、一つのレコードとして、前記分割情報及び前記ＭＰＩ手続き情報を前記ＭＰＩ通信履歴記録部に記録してもよい。
【0026】
つぎに、スリープ時間決定部１３は、前記分割データが複数受信され、かつ、前記分割データが全部受信する前において、前記複数受信の各前記分割データの前記分割情報及び前記受信時間に基づき、前記１データにおける未受信データの全部が到着する全データ到着予想時間を算出し、前記全データ到着予想時間に基づき、受信側プロセスにおける前記未受信データ到着までのスリープ時間を決定する（Ｓ３、スリープ時間決定工程）。なお、前記スリープ時間決定部は、前記複数受信の各前記分割データの前記分割情報及び前記受信時間に基づき、単位データ量当たりの平均送信時間を算出し、前記平均送信時間に基づき、前記全データ到着予想時間を算出し、前記全データ到着予想時間に基づき、前記スリープ時間を決定してもよい。また、前記スリープ時間決定部１３は、前記平均送信時間に対し補正係数を使用して前記スリープ時間を決定してもよい。前記補正係数は、例えば、スリープ時間が受信時間を超えないようにするための係数である。また、スリープ時間の決定にあたって、前記補正係数は、例えば、加算、除算、乗算及び割算又はこれらの組み合わせで使用してもよい。また、前記補正係数は、スリープ時間がＭＰＩ通信待ち時間を超過しないようにするために任意に設定した係数であり、例えば、０．８として、前述の計算に基づき算出されたスリープ時間にこれを乗算してスリープ時間を決定するものとしてもよい。なお、前記補正係数は、０．８に限定されず、例えば、０．７でもよく、０．９でもよく、任意に設定できる。
【0027】
前記スリープ時間決定部１３は、前記送信側プロセスの新規ＭＰＩ手続きの開始の際に、過去の前記ＭＰＩ通信履歴記録部を参照し、前記新規ＭＰＩ手続きにおける前記ＭＰＩ手続き情報が過去の前記ＭＰＩ手続き情報と一部又は全部で一致する否かを判定し、一致する場合、前記過去の前記ＭＰＩ手続き情報における受信時間に基づき、受信側プロセスが、前記スリープ時間を予測する前の受信途中段階における途中段階スリープ時間を決定してもよい。また、前記途中段階スリープ時間は、前記受信側プロセスが前記受信途中段階においてスリープを繰り返す場合の各スリープ時間であってもよい。前記新規ＭＰＩ手続きにおける前記ＭＰＩ送信が、例えば、１データを５パーセントずつに２０分割して送信する場合、前記スリープ時間決定部１３は、一致する過去の前記ＭＰＩ手続きの送信に要した時間の２０分の１の時間を途中段階スリープ時間と決定し、短いスリープ時間を繰り返してもよい。また、受信途中段階において、前記分割データが複数受信された場合に、前記スリープ時間決定部１３は、残りのＭＰＩ送信について、前記複数受信の各前記分割データの前記分割情報及び前記受信時間に基づき、前記１データにおける未受信データの全部が到着する全データ到着予想時間を算出し、前記全データ到着予想時間に基づき、受信側プロセスにおける前記未受信データ到着までのスリープ時間を決定してもよい。
【0028】
なお、前記記録実行部１２は、前記途中段階スリープ時間終了後に前記１データの全部が受信された場合、前記一致した前記過去のＭＰＩ手続きデータを前記１データの前記ＭＰＩ手続き情報に置き換えてもよい。また、前記記録実行部は、前記途中段階スリープ時間終了前に前記１データの全部が受信された場合、前記一致した前記過去のＭＰＩ手続きデータを削除してもよい。
【0029】
以下、本装置１０を用いた受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定方法の具体的な処理の一例を示す。なお、以下の説明は、具体的な流れの一例であり、前述のとおり、本実施形態の本装置１０及び受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定方法は、以下の説明に限定されず、本実施形態の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定方法は、本装置１０の使用に限定されない。
【0030】
まず、前記情報取得部１１は、送信側プロセスがＭＰＩ手続きを実行して送信する送信データを取得する。この送信データは、１データを２０分割したものである。送信の際に、送信側から受信側に、図４の（Ａ）のとおり、ＭＰＩ送信の進捗に関する情報が送信される。なお、図４では、３つの進捗情報が一括して記載されているが、各進捗情報は、分割された送信データとともに、それぞれ送信されるものである。つぎに、前記記録実行部１２は、図４の（Ａ）の進捗情報に基づき、分割情報及び前記分割データの受信時間を、ＭＰＩ通信履歴記録部に記録する。なお、前記記録の結果は、図４の（Ｂ）のとおりである。そして、スリープ時間決定部１３は、図４の（Ｂ）の情報に基づき、以下のとおり、スリープ時間を決定する。まず、１番目と２番目に到着した到着時間と進捗度から計算した全体の推定送信時間を計算する（送信に要した時間（２２．５４２秒－２１．０１２秒）／進捗度（１０パーセント－５パーセント）＝３０．６秒）。同様に２番目と３番目から、全体の推定送信時間を計算する（送信に要した時間（２４．６１４秒－２２．５４２秒）／進捗度（１５パーセント－１０パーセント）＝４１．４４秒）。これらの平均に残りのデータの全体に対する割合に５パーセントを加えたものを乗ずる（（３０．６秒＋４１．４４秒）／２×（１００パーセント－１５パーセント＋５パーセント）＝３２．４１８秒）。この計算の結果、スリープ時間決定部１３は、スリープ時間を３２．４１８秒と決定する。なお、上記計算は一例であり、これに限定されない。また、例えば、前記３回目までの受信までの間、短いスリープを繰り返し、前記決定後は、一括して前記スリープ時間をスリープ状態にさせることであってもよい。
【0031】
本実施形態の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定装置は、ＭＰＩ通信において最適な受信側のスリープ時間を決定できる。このため、効率的なＭＰＩ通信が可能となる。
【0032】
［実施形態２］
本実施形態のプログラムは、前述の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定方法の各工程を、コンピュータに実行させるためのプログラムである。具体的に、本実施形態のプログラムは、コンピュータに、例えば、情報取得手順、記録実行手順及びスリープ時間決定手順を実行させるためのプログラムである。
本実施形態のプログラムは、前述の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定方法の各工程を、コンピュータに実行させるためのプログラムである。具体的に、本実施形態のプログラムは、コンピュータに、例えば、情報取得手順、記録実行手順及びスリープ時間決定手順を実行させるためのプログラムである。
【0033】
前記情報取得手順は、送信側プロセスがＭＰＩ手続きを実行して送信する送信データを取得し、
前記送信データは、１データを分割した複数の分割データであり、
前記複数の分割データは、時系列で順番に送信され、
各前記分割データは、分割情報を含み、
前記分割情報は、前記１データの分割であることを示す共通識別コード、送信の順番を示す順番情報、及び、前記分割データが前記１データに対する累積割合を示す進捗度情報を含み、
前記記録実行手順は、前記分割情報、及び、前記分割データの受信時間を、ＭＰＩ通信履歴記録部に記録し、
前記スリープ時間決定手順は、前記分割データが複数受信され、かつ、前記分割データが全部受信する前において、前記複数受信の各前記分割データの前記分割情報及び前記受信時間に基づき、前記１データにおける未受信データの全部が到着する全データ到着予想時間を算出し、前記全データ到着予想時間に基づき、受信側プロセスにおける前記未受信データ到着までのスリープ時間を決定する。
前記送信データは、１データを分割した複数の分割データであり、
前記複数の分割データは、時系列で順番に送信され、
各前記分割データは、分割情報を含み、
前記分割情報は、前記１データの分割であることを示す共通識別コード、送信の順番を示す順番情報、及び、前記分割データが前記１データに対する累積割合を示す進捗度情報を含み、
前記記録実行手順は、前記分割情報、及び、前記分割データの受信時間を、ＭＰＩ通信履歴記録部に記録し、
前記スリープ時間決定手順は、前記分割データが複数受信され、かつ、前記分割データが全部受信する前において、前記複数受信の各前記分割データの前記分割情報及び前記受信時間に基づき、前記１データにおける未受信データの全部が到着する全データ到着予想時間を算出し、前記全データ到着予想時間に基づき、受信側プロセスにおける前記未受信データ到着までのスリープ時間を決定する。
【0034】
また、本実施形態のプログラムは、コンピュータを、例えば、情報取得手順、記録実行手順及びスリープ時間決定手順として機能させるプログラムということもできる。
【0035】
本実施形態のプログラムは、前記本発明の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定装置及び受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定方法における記載を援用できる。前記各手順は、例えば、「手順」を「処理」と読み替え可能である。また、本実施形態のプログラムは、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。前記記録媒体は、例えば、非一時的なコンピュータ可読記録媒体（non-transitory computer-readable storage medium）である。前記記録媒体は、特に制限されず、例えば、ランダムアクセスメモリ（ＲＡＭ）、読み出し専用メモリ（ＲＯＭ）、ハードディスク（ＨＤ）、フラッシュメモリ（例えば、ＳＳＤ（Ｓｏｌｉｄ Ｓｔａｔｅ Ｄｒｉｖｅ）、ＵＳＢフラッシュメモリ、ＳＤ／ＳＤＨＣカード等）、光ディスク（例えば、ＣＤ‐Ｒ／ＣＤ‐ＲＷ、ＤＶＤ‐Ｒ／ＤＶＤ‐ＲＷ、ＢＤ‐Ｒ／ＢＤ‐ＲＥ等）、光磁気ディスク（ＭＯ）、フロッピー（登録商標）ディスク（ＦＤ）等があげられる。また、本実施形態のプログラム（例えば、プログラミング製品、又はプログラム製品ともいう）は、例えば、外部のコンピュータから配信される形態であってもよい。前記「配信」は、例えば、通信回線網を介した配信でもよいし、有線で接続された装置を介した配信であってもよい。本実施形態のプログラムは、配信された装置にインストールされて実行されてもよいし、インストールされずに実行されてもよい。
【0036】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をできる。
【0037】
＜付記＞
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のように記載されうるが、以下には限られない。
（付記１）
情報取得部、記録実行部、及び、スリープ時間決定部を含み、
前記情報取得部は、送信側プロセスがＭＰＩ手続きを実行して送信する送信データを取得し、
前記送信データは、１データを分割した複数の分割データであり、
前記複数の分割データは、時系列で順番に送信され、
各前記分割データは、分割情報を含み、
前記分割情報は、前記１データの分割であることを示す共通識別コード、送信の順番を示す順番情報、及び、前記分割データが前記１データに対する累積割合を示す進捗度情報を含み、
前記記録実行部は、前記分割情報、及び、前記分割データの受信時間を、ＭＰＩ通信履歴記録部に記録し、
前記スリープ時間決定部は、前記分割データが複数受信され、かつ、前記分割データが全部受信する前において、前記複数受信の各前記分割データの前記分割情報及び前記受信時間に基づき、前記１データにおける未受信データの全部が到着する全データ到着予想時間を算出し、前記全データ到着予想時間に基づき、受信側プロセスにおける前記未受信データ到着までのスリープ時間を決定する、
受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定装置。
（付記２）
前記スリープ時間決定部は、前記複数受信の各前記分割データの前記分割情報及び前記受信時間に基づき、単位データ量当たりの平均送信時間を算出し、前記平均送信時間に基づき、前記全データ到着予想時間を算出し、前記全データ到着予想時間に基づき、前記スリープ時間を決定する、
付記１記載の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定装置。
（付記３）
前記スリープ時間決定部は、前記平均送信時間に対し補正係数を使用して前記スリープ時間を決定する、
付記２記載の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定装置。
（付記４）
前記送信データは、前記送信側プロセスによるＭＰＩ手続きにおけるＭＰＩ手続き情報を含み、
前記記録実行部は、前記１データ毎に、一つのレコードとして、前記分割情報及び前記ＭＰＩ手続き情報を前記ＭＰＩ通信履歴記録部に記録し、
前記スリープ時間決定部は、前記送信側プロセスの新規ＭＰＩ手続きの開始の際に、過去の前記ＭＰＩ通信履歴記録部を参照し、前記新規ＭＰＩ手続きにおける前記ＭＰＩ手続き情報が過去の前記ＭＰＩ手続き情報と一部又は全部で一致する否かを判定し、一致する場合、前記過去の前記ＭＰＩ手続き情報における受信時間に基づき、受信側プロセスが、前記スリープ時間を予測する前の受信途中段階における途中段階スリープ時間を決定する、
付記１記載の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定装置。
（付記５）
前記途中段階スリープ時間は、前記受信側プロセスが前記受信途中段階においてスリープを繰り返す場合の各スリープ時間である、
付記４記載の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定装置。
（付記６）
前記記録実行部は、前記途中段階スリープ時間終了後に前記１データの全部が受信された場合、前記一致した前記過去のＭＰＩ手続きデータを前記１データの前記ＭＰＩ手続き情報に置き換える、
付記４又は５記載の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定装置。
（付記７）
前記記録実行部は、前記途中段階スリープ時間終了前に前記１データの全部が受信された場合、前記一致した前記過去のＭＰＩ手続きデータを削除する、
付記４から６のいずれか一項に記載の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定装置。
（付記８）
情報取得工程、記録実行工程、及び、スリープ時間決定工程を含み、
前記情報取得工程は、送信側プロセスがＭＰＩ手続きを実行して送信する送信データを取得し、
前記送信データは、１データを分割した複数の分割データであり、
前記複数の分割データは、時系列で順番に送信され、
各前記分割データは、分割情報を含み、
前記分割情報は、前記１データの分割であることを示す共通識別コード、送信の順番を示す順番情報、及び、前記分割データが前記１データに対する累積割合を示す進捗度情報を含み、
前記記録実行工程は、前記分割情報、及び、前記分割データの受信時間を、ＭＰＩ通信履歴記録部に記録し、
前記スリープ時間決定工程は、前記分割データが複数受信され、かつ、前記分割データが全部受信する前において、前記複数受信の各前記分割データの前記分割情報及び前記受信時間に基づき、前記１データにおける未受信データの全部が到着する全データ到着予想時間を算出し、前記全データ到着予想時間に基づき、受信側プロセスにおける前記未受信データ到着までのスリープ時間を決定し、
前記各工程が、コンピュータにより実行される、
受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定方法。
（付記９）
前記スリープ時間決定工程は、前記複数受信の各前記分割データの前記分割情報及び前記受信時間に基づき、単位データ量当たりの平均送信時間を算出し、前記平均送信時間に基づき、前記全データ到着予想時間を算出し、前記全データ到着予想時間に基づき、前記スリープ時間を決定し、
前記各工程が、コンピュータにより実行される、
付記８記載の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定方法。
（付記１０）
前記スリープ時間決定工程は、前記平均送信時間に対し補正係数を使用して前記スリープ時間を決定し、
前記各工程が、コンピュータにより実行される、
付記９記載の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定方法。
（付記１１）
前記送信データは、前記送信側プロセスによるＭＰＩ手続きにおけるＭＰＩ手続き情報を含み、
前記記録実行工程は、前記１データ毎に、一つのレコードとして、前記分割情報及び前記ＭＰＩ手続き情報を前記ＭＰＩ通信履歴記録部に記録し、
前記スリープ時間決定工程は、前記送信側プロセスの新規ＭＰＩ手続きの開始の際に、過去の前記ＭＰＩ通信履歴記録部を参照し、前記新規ＭＰＩ手続きにおける前記ＭＰＩ手続き情報が過去の前記ＭＰＩ手続き情報と一部又は全部で一致する否かを判定し、一致する場合、前記過去の前記ＭＰＩ手続き情報における受信時間に基づき、受信側プロセスが、前記スリープ時間を予測する前の受信途中段階における途中段階スリープ時間を決定し、
前記各工程が、コンピュータにより実行される、
付記８記載の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定方法。
（付記１２）
前記途中段階スリープ時間は、前記受信側プロセスが前記受信途中段階においてスリープを繰り返す場合の各スリープ時間である、
付記１１記載の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定方法。
（付記１３）
前記記録実行工程は、前記途中段階スリープ時間終了後に前記１データの全部が受信された場合、前記一致した前記過去のＭＰＩ手続きデータを前記１データの前記ＭＰＩ手続き情報に置き換え、
前記各工程が、コンピュータにより実行される、
付記１１又は１２記載の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定方法。
（付記１４）
前記記録実行工程は、前記途中段階スリープ時間終了前に前記１データの全部が受信された場合、前記一致した前記過去のＭＰＩ手続きデータを削除し、
前記各工程が、コンピュータにより実行される、
付記１１から１３のいずれか一項に記載の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定方法。
（付記１５）
情報取得手順、記録実行手順、及び、スリープ時間決定手順を含み、
前記情報取得手順は、送信側プロセスがＭＰＩ手続きを実行して送信する送信データを取得し、
前記送信データは、１データを分割した複数の分割データであり、
前記複数の分割データは、時系列で順番に送信され、
各前記分割データは、分割情報を含み、
前記分割情報は、前記１データの分割であることを示す共通識別コード、送信の順番を示す順番情報、及び、前記分割データが前記１データに対する累積割合を示す進捗度情報を含み、
前記記録実行手順は、前記分割情報、及び、前記分割データの受信時間を、ＭＰＩ通信履歴記録部に記録し、
前記スリープ時間決定手順は、前記分割データが複数受信され、かつ、前記分割データが全部受信する前において、前記複数受信の各前記分割データの前記分割情報及び前記受信時間に基づき、前記１データにおける未受信データの全部が到着する全データ到着予想時間を算出し、前記全データ到着予想時間に基づき、受信側プロセスにおける前記未受信データ到着までのスリープ時間を決定し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
（付記１６）
前記スリープ時間決定手順は、前記複数受信の各前記分割データの前記分割情報及び前記受信時間に基づき、単位データ量当たりの平均送信時間を算出し、前記平均送信時間に基づき、前記全データ到着予想時間を算出し、前記全データ到着予想時間に基づき、前記スリープ時間を決定し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるための付記１５記載のプログラム。
（付記１７）
前記スリープ時間決定手順は、前記平均送信時間に対し補正係数を使用して前記スリープ時間を決定し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるための付記１６記載のプログラム。
（付記１８）
前記送信データは、前記送信側プロセスによるＭＰＩ手続きにおけるＭＰＩ手続き情報を含み、
前記記録実行手順は、前記１データ毎に、一つのレコードとして、前記分割情報及び前記ＭＰＩ手続き情報を前記ＭＰＩ通信履歴記録部に記録し、
前記スリープ時間決定工程は、前記送信側プロセスの新規ＭＰＩ手続きの開始の際に、過去の前記ＭＰＩ通信履歴記録部を参照し、前記新規ＭＰＩ手続きにおける前記ＭＰＩ手続き情報が過去の前記ＭＰＩ手続き情報と一部又は全部で一致する否かを判定し、一致する場合、前記過去の前記ＭＰＩ手続き情報における受信時間に基づき、受信側プロセスが、前記スリープ時間を予測する前の受信途中段階における途中段階スリープ時間を決定し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるための付記１５記載のプログラム。
（付記１９）
前記途中段階スリープ時間は、前記受信側プロセスが前記受信途中段階においてスリープを繰り返す場合の各スリープ時間である、
付記１８記載のプログラム。
（付記２０）
前記記録実行手順は、前記途中段階スリープ時間終了後に前記１データの全部が受信された場合、前記一致した前記過去のＭＰＩ手続きデータを前記１データの前記ＭＰＩ手続き情報に置き換え、
前記各手順を、コンピュータに実行させるための付記１８又は１９記載のプログラム。
（付記２１）
前記記録実行手順は、前記途中段階スリープ時間終了前に前記１データの全部が受信された場合、前記一致した前記過去のＭＰＩ手続きデータを削除し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるための付記１８から２０のいずれか一項に記載のプログラム。
（付記２２）
情報取得手順、記録実行手順、及び、スリープ時間決定手順を含み、
前記情報取得手順は、送信側プロセスがＭＰＩ手続きを実行して送信する送信データを取得し、
前記送信データは、１データを分割した複数の分割データであり、
前記複数の分割データは、時系列で順番に送信され、
各前記分割データは、分割情報を含み、
前記分割情報は、前記１データの分割であることを示す共通識別コード、送信の順番を示す順番情報、及び、前記分割データが前記１データに対する累積割合を示す進捗度情報を含み、
前記記録実行手順は、前記分割情報、及び、前記分割データの受信時間を、ＭＰＩ通信履歴記録部に記録し、
前記スリープ時間決定手順は、前記分割データが複数受信され、かつ、前記分割データが全部受信する前において、前記複数受信の各前記分割データの前記分割情報及び前記受信時間に基づき、前記１データにおける未受信データの全部が到着する全データ到着予想時間を算出し、前記全データ到着予想時間に基づき、受信側プロセスにおける前記未受信データ到着までのスリープ時間を決定し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
（付記２３）
前記スリープ時間決定手順は、前記複数受信の各前記分割データの前記分割情報及び前記受信時間に基づき、単位データ量当たりの平均送信時間を算出し、前記平均送信時間に基づき、前記全データ到着予想時間を算出し、前記全データ到着予想時間に基づき、前記スリープ時間を決定し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な付記２２記載の記録媒体。
（付記２４）
前記スリープ時間決定手順は、前記平均送信時間に対し補正係数を使用して前記スリープ時間を決定し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な付記２３記載の記録媒体。
（付記２５）
前記送信データは、前記送信側プロセスによるＭＰＩ手続きにおけるＭＰＩ手続き情報を含み、
前記記録実行手順は、前記１データ毎に、一つのレコードとして、前記分割情報及び前記ＭＰＩ手続き情報を前記ＭＰＩ通信履歴記録部に記録し、
前記スリープ時間決定工程は、前記送信側プロセスの新規ＭＰＩ手続きの開始の際に、過去の前記ＭＰＩ通信履歴記録部を参照し、前記新規ＭＰＩ手続きにおける前記ＭＰＩ手続き情報が過去の前記ＭＰＩ手続き情報と一部又は全部で一致する否かを判定し、一致する場合、前記過去の前記ＭＰＩ手続き情報における受信時間に基づき、受信側プロセスが、前記スリープ時間を予測する前の受信途中段階における途中段階スリープ時間を決定し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な付記２２記載の記録媒体。
（付記２６）
前記途中段階スリープ時間は、前記受信側プロセスが前記受信途中段階においてスリープを繰り返す場合の各スリープ時間である、
付記２５記載の記録媒体。
（付記２７）
前記記録実行手順は、前記途中段階スリープ時間終了後に前記１データの全部が受信された場合、前記一致した前記過去のＭＰＩ手続きデータを前記１データの前記ＭＰＩ手続き情報に置き換え、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な付記２５又は２６記載の記録媒体。
（付記２８）
前記記録実行手順は、前記途中段階スリープ時間終了前に前記１データの全部が受信された場合、前記一致した前記過去のＭＰＩ手続きデータを削除し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な付記２５から２７のいずれか一項に記載の記録媒体。
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のように記載されうるが、以下には限られない。
（付記１）
情報取得部、記録実行部、及び、スリープ時間決定部を含み、
前記情報取得部は、送信側プロセスがＭＰＩ手続きを実行して送信する送信データを取得し、
前記送信データは、１データを分割した複数の分割データであり、
前記複数の分割データは、時系列で順番に送信され、
各前記分割データは、分割情報を含み、
前記分割情報は、前記１データの分割であることを示す共通識別コード、送信の順番を示す順番情報、及び、前記分割データが前記１データに対する累積割合を示す進捗度情報を含み、
前記記録実行部は、前記分割情報、及び、前記分割データの受信時間を、ＭＰＩ通信履歴記録部に記録し、
前記スリープ時間決定部は、前記分割データが複数受信され、かつ、前記分割データが全部受信する前において、前記複数受信の各前記分割データの前記分割情報及び前記受信時間に基づき、前記１データにおける未受信データの全部が到着する全データ到着予想時間を算出し、前記全データ到着予想時間に基づき、受信側プロセスにおける前記未受信データ到着までのスリープ時間を決定する、
受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定装置。
（付記２）
前記スリープ時間決定部は、前記複数受信の各前記分割データの前記分割情報及び前記受信時間に基づき、単位データ量当たりの平均送信時間を算出し、前記平均送信時間に基づき、前記全データ到着予想時間を算出し、前記全データ到着予想時間に基づき、前記スリープ時間を決定する、
付記１記載の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定装置。
（付記３）
前記スリープ時間決定部は、前記平均送信時間に対し補正係数を使用して前記スリープ時間を決定する、
付記２記載の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定装置。
（付記４）
前記送信データは、前記送信側プロセスによるＭＰＩ手続きにおけるＭＰＩ手続き情報を含み、
前記記録実行部は、前記１データ毎に、一つのレコードとして、前記分割情報及び前記ＭＰＩ手続き情報を前記ＭＰＩ通信履歴記録部に記録し、
前記スリープ時間決定部は、前記送信側プロセスの新規ＭＰＩ手続きの開始の際に、過去の前記ＭＰＩ通信履歴記録部を参照し、前記新規ＭＰＩ手続きにおける前記ＭＰＩ手続き情報が過去の前記ＭＰＩ手続き情報と一部又は全部で一致する否かを判定し、一致する場合、前記過去の前記ＭＰＩ手続き情報における受信時間に基づき、受信側プロセスが、前記スリープ時間を予測する前の受信途中段階における途中段階スリープ時間を決定する、
付記１記載の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定装置。
（付記５）
前記途中段階スリープ時間は、前記受信側プロセスが前記受信途中段階においてスリープを繰り返す場合の各スリープ時間である、
付記４記載の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定装置。
（付記６）
前記記録実行部は、前記途中段階スリープ時間終了後に前記１データの全部が受信された場合、前記一致した前記過去のＭＰＩ手続きデータを前記１データの前記ＭＰＩ手続き情報に置き換える、
付記４又は５記載の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定装置。
（付記７）
前記記録実行部は、前記途中段階スリープ時間終了前に前記１データの全部が受信された場合、前記一致した前記過去のＭＰＩ手続きデータを削除する、
付記４から６のいずれか一項に記載の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定装置。
（付記８）
情報取得工程、記録実行工程、及び、スリープ時間決定工程を含み、
前記情報取得工程は、送信側プロセスがＭＰＩ手続きを実行して送信する送信データを取得し、
前記送信データは、１データを分割した複数の分割データであり、
前記複数の分割データは、時系列で順番に送信され、
各前記分割データは、分割情報を含み、
前記分割情報は、前記１データの分割であることを示す共通識別コード、送信の順番を示す順番情報、及び、前記分割データが前記１データに対する累積割合を示す進捗度情報を含み、
前記記録実行工程は、前記分割情報、及び、前記分割データの受信時間を、ＭＰＩ通信履歴記録部に記録し、
前記スリープ時間決定工程は、前記分割データが複数受信され、かつ、前記分割データが全部受信する前において、前記複数受信の各前記分割データの前記分割情報及び前記受信時間に基づき、前記１データにおける未受信データの全部が到着する全データ到着予想時間を算出し、前記全データ到着予想時間に基づき、受信側プロセスにおける前記未受信データ到着までのスリープ時間を決定し、
前記各工程が、コンピュータにより実行される、
受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定方法。
（付記９）
前記スリープ時間決定工程は、前記複数受信の各前記分割データの前記分割情報及び前記受信時間に基づき、単位データ量当たりの平均送信時間を算出し、前記平均送信時間に基づき、前記全データ到着予想時間を算出し、前記全データ到着予想時間に基づき、前記スリープ時間を決定し、
前記各工程が、コンピュータにより実行される、
付記８記載の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定方法。
（付記１０）
前記スリープ時間決定工程は、前記平均送信時間に対し補正係数を使用して前記スリープ時間を決定し、
前記各工程が、コンピュータにより実行される、
付記９記載の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定方法。
（付記１１）
前記送信データは、前記送信側プロセスによるＭＰＩ手続きにおけるＭＰＩ手続き情報を含み、
前記記録実行工程は、前記１データ毎に、一つのレコードとして、前記分割情報及び前記ＭＰＩ手続き情報を前記ＭＰＩ通信履歴記録部に記録し、
前記スリープ時間決定工程は、前記送信側プロセスの新規ＭＰＩ手続きの開始の際に、過去の前記ＭＰＩ通信履歴記録部を参照し、前記新規ＭＰＩ手続きにおける前記ＭＰＩ手続き情報が過去の前記ＭＰＩ手続き情報と一部又は全部で一致する否かを判定し、一致する場合、前記過去の前記ＭＰＩ手続き情報における受信時間に基づき、受信側プロセスが、前記スリープ時間を予測する前の受信途中段階における途中段階スリープ時間を決定し、
前記各工程が、コンピュータにより実行される、
付記８記載の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定方法。
（付記１２）
前記途中段階スリープ時間は、前記受信側プロセスが前記受信途中段階においてスリープを繰り返す場合の各スリープ時間である、
付記１１記載の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定方法。
（付記１３）
前記記録実行工程は、前記途中段階スリープ時間終了後に前記１データの全部が受信された場合、前記一致した前記過去のＭＰＩ手続きデータを前記１データの前記ＭＰＩ手続き情報に置き換え、
前記各工程が、コンピュータにより実行される、
付記１１又は１２記載の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定方法。
（付記１４）
前記記録実行工程は、前記途中段階スリープ時間終了前に前記１データの全部が受信された場合、前記一致した前記過去のＭＰＩ手続きデータを削除し、
前記各工程が、コンピュータにより実行される、
付記１１から１３のいずれか一項に記載の受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定方法。
（付記１５）
情報取得手順、記録実行手順、及び、スリープ時間決定手順を含み、
前記情報取得手順は、送信側プロセスがＭＰＩ手続きを実行して送信する送信データを取得し、
前記送信データは、１データを分割した複数の分割データであり、
前記複数の分割データは、時系列で順番に送信され、
各前記分割データは、分割情報を含み、
前記分割情報は、前記１データの分割であることを示す共通識別コード、送信の順番を示す順番情報、及び、前記分割データが前記１データに対する累積割合を示す進捗度情報を含み、
前記記録実行手順は、前記分割情報、及び、前記分割データの受信時間を、ＭＰＩ通信履歴記録部に記録し、
前記スリープ時間決定手順は、前記分割データが複数受信され、かつ、前記分割データが全部受信する前において、前記複数受信の各前記分割データの前記分割情報及び前記受信時間に基づき、前記１データにおける未受信データの全部が到着する全データ到着予想時間を算出し、前記全データ到着予想時間に基づき、受信側プロセスにおける前記未受信データ到着までのスリープ時間を決定し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
（付記１６）
前記スリープ時間決定手順は、前記複数受信の各前記分割データの前記分割情報及び前記受信時間に基づき、単位データ量当たりの平均送信時間を算出し、前記平均送信時間に基づき、前記全データ到着予想時間を算出し、前記全データ到着予想時間に基づき、前記スリープ時間を決定し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるための付記１５記載のプログラム。
（付記１７）
前記スリープ時間決定手順は、前記平均送信時間に対し補正係数を使用して前記スリープ時間を決定し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるための付記１６記載のプログラム。
（付記１８）
前記送信データは、前記送信側プロセスによるＭＰＩ手続きにおけるＭＰＩ手続き情報を含み、
前記記録実行手順は、前記１データ毎に、一つのレコードとして、前記分割情報及び前記ＭＰＩ手続き情報を前記ＭＰＩ通信履歴記録部に記録し、
前記スリープ時間決定工程は、前記送信側プロセスの新規ＭＰＩ手続きの開始の際に、過去の前記ＭＰＩ通信履歴記録部を参照し、前記新規ＭＰＩ手続きにおける前記ＭＰＩ手続き情報が過去の前記ＭＰＩ手続き情報と一部又は全部で一致する否かを判定し、一致する場合、前記過去の前記ＭＰＩ手続き情報における受信時間に基づき、受信側プロセスが、前記スリープ時間を予測する前の受信途中段階における途中段階スリープ時間を決定し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるための付記１５記載のプログラム。
（付記１９）
前記途中段階スリープ時間は、前記受信側プロセスが前記受信途中段階においてスリープを繰り返す場合の各スリープ時間である、
付記１８記載のプログラム。
（付記２０）
前記記録実行手順は、前記途中段階スリープ時間終了後に前記１データの全部が受信された場合、前記一致した前記過去のＭＰＩ手続きデータを前記１データの前記ＭＰＩ手続き情報に置き換え、
前記各手順を、コンピュータに実行させるための付記１８又は１９記載のプログラム。
（付記２１）
前記記録実行手順は、前記途中段階スリープ時間終了前に前記１データの全部が受信された場合、前記一致した前記過去のＭＰＩ手続きデータを削除し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるための付記１８から２０のいずれか一項に記載のプログラム。
（付記２２）
情報取得手順、記録実行手順、及び、スリープ時間決定手順を含み、
前記情報取得手順は、送信側プロセスがＭＰＩ手続きを実行して送信する送信データを取得し、
前記送信データは、１データを分割した複数の分割データであり、
前記複数の分割データは、時系列で順番に送信され、
各前記分割データは、分割情報を含み、
前記分割情報は、前記１データの分割であることを示す共通識別コード、送信の順番を示す順番情報、及び、前記分割データが前記１データに対する累積割合を示す進捗度情報を含み、
前記記録実行手順は、前記分割情報、及び、前記分割データの受信時間を、ＭＰＩ通信履歴記録部に記録し、
前記スリープ時間決定手順は、前記分割データが複数受信され、かつ、前記分割データが全部受信する前において、前記複数受信の各前記分割データの前記分割情報及び前記受信時間に基づき、前記１データにおける未受信データの全部が到着する全データ到着予想時間を算出し、前記全データ到着予想時間に基づき、受信側プロセスにおける前記未受信データ到着までのスリープ時間を決定し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
（付記２３）
前記スリープ時間決定手順は、前記複数受信の各前記分割データの前記分割情報及び前記受信時間に基づき、単位データ量当たりの平均送信時間を算出し、前記平均送信時間に基づき、前記全データ到着予想時間を算出し、前記全データ到着予想時間に基づき、前記スリープ時間を決定し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な付記２２記載の記録媒体。
（付記２４）
前記スリープ時間決定手順は、前記平均送信時間に対し補正係数を使用して前記スリープ時間を決定し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な付記２３記載の記録媒体。
（付記２５）
前記送信データは、前記送信側プロセスによるＭＰＩ手続きにおけるＭＰＩ手続き情報を含み、
前記記録実行手順は、前記１データ毎に、一つのレコードとして、前記分割情報及び前記ＭＰＩ手続き情報を前記ＭＰＩ通信履歴記録部に記録し、
前記スリープ時間決定工程は、前記送信側プロセスの新規ＭＰＩ手続きの開始の際に、過去の前記ＭＰＩ通信履歴記録部を参照し、前記新規ＭＰＩ手続きにおける前記ＭＰＩ手続き情報が過去の前記ＭＰＩ手続き情報と一部又は全部で一致する否かを判定し、一致する場合、前記過去の前記ＭＰＩ手続き情報における受信時間に基づき、受信側プロセスが、前記スリープ時間を予測する前の受信途中段階における途中段階スリープ時間を決定し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な付記２２記載の記録媒体。
（付記２６）
前記途中段階スリープ時間は、前記受信側プロセスが前記受信途中段階においてスリープを繰り返す場合の各スリープ時間である、
付記２５記載の記録媒体。
（付記２７）
前記記録実行手順は、前記途中段階スリープ時間終了後に前記１データの全部が受信された場合、前記一致した前記過去のＭＰＩ手続きデータを前記１データの前記ＭＰＩ手続き情報に置き換え、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な付記２５又は２６記載の記録媒体。
（付記２８）
前記記録実行手順は、前記途中段階スリープ時間終了前に前記１データの全部が受信された場合、前記一致した前記過去のＭＰＩ手続きデータを削除し、
前記各手順を、コンピュータに実行させるためのプログラムを記録しているコンピュータ読み取り可能な付記２５から２７のいずれか一項に記載の記録媒体。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明によれば、ＭＰＩ通信において最適な受信側のスリープ時間を決定できる。このため、効率的なＭＰＩ通信が可能となる。
【符号の説明】
【0039】
１０ 受信側ＭＰＩ通信スリープ時間決定装置
１１ 情報取得部
１２ 記録実行部
１３ スリープ時間決定部
１０１ 中央処理装置
１０２ メモリ
１０３ バス
１０４ 記憶装置
１０５ 入力装置
１０６ 出力装置
１０７ 通信デバイス
１１ 情報取得部
１２ 記録実行部
１３ スリープ時間決定部
１０１ 中央処理装置
１０２ メモリ
１０３ バス
１０４ 記憶装置
１０５ 入力装置
１０６ 出力装置
１０７ 通信デバイス
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】