(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129560
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】情報処理システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20240919BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240919BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240919BHJP
G06F 3/0484 20220101ALI20240919BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20240919BHJP
【FI】
H04N1/00 127B
B41J29/38 205
G03G21/00 388
G06F3/0484
G06F3/12 336
G06F3/12 303
G06F3/12 339
G06F3/12 385
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038856
(22)【出願日】2023-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】野上 和磨
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
5E555
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061BB10
2C061CG02
2C061CQ04
2C061CQ24
2C061HJ10
2C061HK19
2H270KA59
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5C062AE15
5E555AA16
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5E555BA27
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5E555BB06
5E555BB27
5E555BC03
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5E555DD08
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5E555FA00
(57)【要約】
【課題】画像処理装置を遠隔操作するモバイル端末側から接続が解除されない場合であっても、状況に応じて画像処理装置に対する直接の操作を行えるようにする。
【解決手段】画像処理装置10の制御部11では、端末からの遠隔操作が行われているために直接の操作が制限されている自機の操作画面に対し、制限の解除を求めるための操作が行われると、解除制御部103が、制限を解除する条件として予め定められているタイムアウト時間を短縮させる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または複数のプロセッサを備え、
前記1または複数のプロセッサは、
端末からの遠隔操作が行われているために直接の操作が制限されている画像処理装置の操作画面に対し、当該制限の解除を求めるための操作が行われると、当該制限を解除する条件として予め定められているタイムアウト時間を短縮させることを特徴とする、
情報処理システム。
【請求項2】
前記1または複数のプロセッサは、前記解除を求めるための操作が行われた後、前記解除に同意するための操作が前記端末に対して行われると、前記タイムアウト時間を短縮させることを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記解除に同意するための操作が、短縮後の前記タイムアウト時間を指定する操作であることを特徴とする、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記1または複数のプロセッサは、前記短縮後の前記タイムアウト時間を指定する操作を支援する情報として、前記タイムアウト時間に基づく情報を前記操作画面に表示させることを特徴とする、
請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記1または複数のプロセッサは、前記解除を求めるための操作が行われると、短縮後の前記タイムアウト時間を前記端末に表示させることを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記1または複数のプロセッサは、予め定められた権限を有するユーザによる前記解除を求めるための操作が前記画像処理装置に対して行われると、前記タイムアウト時間を短縮させることを特徴とする、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記1または複数のプロセッサは、ユーザごとに付与された、当該ユーザを一意に特定可能な識別情報に基づいて、前記予め定められた権限の有無を判定することを特徴とする、
請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記1または複数のプロセッサは、前記解除を求めるための操作を行ったユーザが、前記予め定められた権限を有しないユーザである場合、当該操作の対象の前記画像処理装置の前記タイムアウト時間を短縮させることなく、当該ユーザが当該予め定められた権限を有する他の画像処理装置に関する情報を前記操作画面に表示させることを特徴とする、
請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
1または複数のプロセッサを備え、
前記1または複数のプロセッサは、
無線通信により接続されている端末からの操作が行われているために直接の操作が制限されている画像処理装置と、当該端末との距離が予め定められた距離を超えると、当該制限を解除させることを特徴とする、
情報処理システム。
【請求項10】
前記予め定められた距離が、前記無線通信を維持可能な距離であることを特徴とする、
請求項9に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記予め定められた距離が、前記端末を操作するユーザが前記画像処理装置を使用していることが推定される距離として予め定められた距離であることを特徴とする、
請求項10に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記1または複数のプロセッサは、前記画像処理装置と前記端末との距離が前記予め定められた距離を超えた場合、当該画像処理装置の状態に応じて、前記制限の解除の有無を決定することを特徴とする、
請求項11に記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記1または複数のプロセッサは、前記画像処理装置の状態として、前記画像処理装置と前記端末との距離が前記予め定められた距離を超えている場合、予め定められた時間が経過すると、前記制限を解除させることを特徴とする、
請求項11に記載の情報処理システム。
【請求項14】
前記1または複数のプロセッサは、前記画像処理装置と前記端末との距離が予め定められた距離を超えた場合に前記制限を解除させるかどうかを、ユーザからの指定に基づいて決定することを特徴とする、
請求項11に記載の情報処理システム。
【請求項15】
コンピュータに、
端末からの遠隔操作が行われているために直接の操作が制限されている画像処理装置の操作画面に対し、当該制限の解除を求めるための解除を求めるための操作が行われると、当該制限を解除する条件として予め定められているタイムアウト時間を短縮させる機能
を実現させるプログラム。
【請求項16】
コンピュータに、
無線通信により接続されている端末からの操作が行われているために直接の操作が制限されている画像処理装置と、当該端末との距離が予め定められた距離を超えると、当該制限を解除させる機能
を実現させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
文書の印刷や読み取り等を可能にするいわゆる複合機等の画像処理装置をモバイル端末側から遠隔操作できるようにする技術が知られている(例えば、特許文献1)。このような技術では、画像処理装置とモバイル端末とが接続されると、モバイル端末側からの遠隔操作のみを受け付け、画像処理装置に対する直接の操作を受け付けないようにする場合がある。このような場合、モバイル端末側から接続を解除する操作がなされると、接続が解除され、画像処理装置に対する直接の操作が可能になる。これに対して、モバイル端末側から接続を解除する操作がなされていない場合には、遠隔操作が最後に行われてから予め定められたタイムアウトの時間が経過すると、自動的に接続が解除される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、モバイル端末側から接続が解除されない限りタイムアウトするまで接続が解除されない場合、例えば、モバイル端末側で接続を解除する操作を失念すると、タイムアウトするまで画像処理装置に対する直接の操作を行えない状態が継続し、画像処理装置のユーザの利便性が低下する。
【0005】
本発明の目的は、画像処理装置を遠隔操作するモバイル端末側から接続が解除されない場合であっても、状況に応じて画像処理装置に対する直接の操作を行えるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載された発明は、1または複数のプロセッサを備え、前記1または複数のプロセッサは、端末からの遠隔操作が行われているために直接の操作が制限されている画像処理装置の操作画面に対し、当該制限の解除を求めるための操作が行われると、当該制限を解除する条件として予め定められているタイムアウト時間を短縮させることを特徴とする、情報処理システムである。
請求項2に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記解除を求めるための操作が行われた後、前記解除に同意するための操作が前記端末に対して行われると、前記タイムアウト時間を短縮させることを特徴とする、請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項3に記載された発明は、前記解除に同意するための操作が、短縮後の前記タイムアウト時間を指定する操作であることを特徴とする、請求項2に記載の情報処理システムである。
請求項4に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記短縮後の前記タイムアウト時間を指定する操作を支援する情報として、前記タイムアウト時間に基づく情報を前記操作画面に表示させることを特徴とする、請求項3に記載の情報処理システムである。
請求項5に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記解除を求めるための操作が行われると、短縮後の前記タイムアウト時間を前記端末に表示させることを特徴とする、請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項6に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、予め定められた権限を有するユーザによる前記解除を求めるための操作が前記画像処理装置に対して行われると、前記タイムアウト時間を短縮させることを特徴とする、請求項2に記載の情報処理システムである。
請求項7に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、ユーザごとに付与された、当該ユーザを一意に特定可能な識別情報に基づいて、前記予め定められた権限の有無を判定することを特徴とする、請求項6に記載の情報処理システムである。
請求項8に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記解除を求めるための操作を行ったユーザが、前記予め定められた権限を有しないユーザである場合、当該操作の対象の前記画像処理装置の前記タイムアウト時間を短縮させることなく、当該ユーザが当該予め定められた権限を有する他の画像処理装置に関する情報を前記操作画面に表示させることを特徴とする、請求項7に記載の情報処理システムである。
請求項9に記載された発明は、1または複数のプロセッサを備え、前記1または複数のプロセッサは、無線通信により接続されている端末からの操作が行われているために直接の操作が制限されている画像処理装置と、当該端末との距離が予め定められた距離を超えると、当該制限を解除させることを特徴とする、情報処理システムである。
請求項10に記載された発明は、前記予め定められた距離が、前記無線通信を維持可能な距離であることを特徴とする、請求項9に記載の情報処理システムである。
請求項11に記載された発明は、前記予め定められた距離が、前記端末を操作するユーザが前記画像処理装置を使用していることが推定される距離として予め定められた距離であることを特徴とする、請求項10に記載の情報処理システムである。
請求項12に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記画像処理装置と前記端末との距離が前記予め定められた距離を超えた場合、当該画像処理装置の状態に応じて、前記制限の解除の有無を決定することを特徴とする、請求項11に記載の情報処理システムである。
請求項13に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記画像処理装置の状態として、前記画像処理装置と前記端末との距離が前記予め定められた距離を超えている場合、予め定められた時間が経過すると、前記制限を解除させることを特徴とする、請求項11に記載の情報処理システムである。
請求項14に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記画像処理装置と前記端末との距離が予め定められた距離を超えた場合に前記制限を解除させるかどうかを、ユーザからの指定に基づいて決定することを特徴とする、請求項11に記載の情報処理システムである。
請求項15に記載された発明は、コンピュータに、端末からの遠隔操作が行われているために直接の操作が制限されている画像処理装置の操作画面に対し、当該制限の解除を求めるための解除を求めるための操作が行われると、当該制限を解除する条件として予め定められているタイムアウト時間を短縮させる機能を実現させるプログラムである。
請求項16に記載された発明は、コンピュータに、無線通信により接続されている端末からの操作が行われているために直接の操作が制限されている画像処理装置と、当該端末との距離が予め定められた距離を超えると、当該制限を解除させる機能を実現させるプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の本発明によれば、端末による遠隔操作が行われているために直接の操作が制限されている画像処理装置の操作画面に対し、その制限の解除を求めるための操作が行われると、その制限を解除する条件として予め定められているタイムアウト時間が短縮される。これにより、タイムアウト時間の経過を待つことなく画像処理装置に対する直接の操作を行える。
請求項2の本発明によれば、画像処理装置に対する直接の操作の制限の解除を求めるための操作が行われた後、制限の解除に同意するための操作が端末に対して行われると、タイムアウト時間が短縮されるので、端末側の事情が考慮された運用が可能となる。
請求項3の本発明によれば、短縮後のタイムアウト時間を端末側から指定できるので、端末側の事情が考慮された運用が可能となる。
請求項4の本発明によれば、短縮後のタイムアウト時間を指定する操作を支援する情報が端末側に表示されるので、端末を操作するユーザの利便性が向上する。
請求項5の本発明によれば、画像処理装置に対する直接の操作の制限の解除を求めるための操作が画像処理装置の操作画面に対して行われると、短縮後のタイムアウト時間が端末に表示される。これにより、端末を操作するユーザは、タイムアウト時間を一見して把握できるので利便性が向上する。
請求項6の本発明によれば、予め定められた権限を有するユーザでないとタイムアウト時間を短縮させることができないので、タイムアウト時間を短縮させる機能の乱用や悪用を抑制できる。
請求項7の本発明によれば、ユーザごとに付与された識別情報に基づいて、予め定められた権限の有無が判定される。これにより、画像処理装置を端末側から遠隔操作するユーザと、画像処理装置に対する直接の操作を行うユーザとの立場の違いや、それぞれの作業の重要性が考慮された運用が可能となる。
請求項8の本発明によれば、画像処理装置に対する直接の操作の制限の解除を求めるための操作を行ったユーザが、予め定められた権限を有しないユーザである場合、その操作の対象の画像処理装置のタイムアウト時間を短縮させることなく、そのユーザが予め定められた権限を有する他の画像処理装置に関する情報が操作画面に表示される。これにより、画像処理装置が複数ある場合におけるユーザの作業を効率化できる。
請求項9の本発明によれば、端末による操作が行われているために直接の操作が制限されている画像処理装置と、その端末との距離が、予め定められた距離を超えると、画像処理装置に対する直接の操作の制限が解除される。これにより、例えば、近くにある画像処理装置を自身の端末から操作するユーザが、画像処理装置の使用を終え、画像処理装置から離れると、他のユーザは、タイムアウト時間の経過を待つことなく画像処理装置に対する直接の操作を行えるようになる。
請求項10の本発明によれば、端末による操作が行われているために直接の操作が制限されている画像処理装置と、その端末との距離が、無線通信を維持可能な距離を超えると、画像処理装置に対する直接の操作の制限が解除される。これにより、通信の遮断により端末側から画像処理装置の操作を行えない状態であるにもかかわらず、他のユーザがタイムアウト時間の経過を待たなければならない事態が生じることを防ぐことができる。
請求項11の本発明によれば、端末による操作が行われているために直接の操作が制限されている画像処理装置と、端末との距離が、端末を操作するユーザが画像処理装置を使用していることが推定される距離を超えると、画像処理装置に対する直接の操作の制限が解除される。これにより、通信の遮断により端末側から画像処理装置の操作を行えない状態であるにもかかわらず、他のユーザがタイムアウト時間の経過を待たなければならない事態が生じることを防ぐことができる。
請求項12の本発明によれば、画像処理装置と端末との距離が予め定められた距離を超えた場合、画像処理装置に生じている事象に応じて、画像処理装置に対する直接の操作の制限の解除の有無が決定される。これにより、画像処理装置と端末との距離が予め定められた距離を超えたとしても、画像処理装置に生じている事象に応じて画像処理装置に対する直接の操作の制限を継続させることができる。
請求項13の本発明によれば、画像処理装置と端末との距離が予め定められた距離を超えている場合、予め定められた時間が経過すると、画像処理装置に対する直接の操作の制限が解除される。これにより、例えば、用紙やトナー交換等を理由に画像処理装置から一時的に離れなければならない場合であっても、予め定められた時間が経過するまでは画像処理装置に対する直接の操作の制限が解除されないので、ユーザの利便性が向上する。
請求項14の本発明によれば、画像処理装置と端末との距離が予め定められた距離を超えた場合に、画像処理装置に対する直接の操作の制限を解除させるかどうかがユーザからの指定に基づいて決定される。これにより、ユーザの業務の態様に合わせた柔軟な運用が可能となる。
請求項15の本発明によれば、端末による遠隔操作が行われているために直接の操作が制限されている画像処理装置の操作画面に対し、その制限の解除を求めるための操作が行われると、その制限を解除する条件として予め定められているタイムアウト時間が短縮される。これにより、タイムアウト時間の経過を待つことなく画像処理装置に対する直接の操作を行える。
請求項16の本発明によれば、端末による操作が行われているために直接の操作が制限されている画像処理装置と、その端末との距離が、予め定められた距離を超えると、画像処理装置に対する直接の操作の制限が解除される。これにより、例えば、近くにある画像処理装置を自身の端末から操作するユーザが、画像処理装置の使用を終え、画像処理装置から離れると、他のユーザは、タイムアウト時間の経過を待つことなく画像処理装置に対する直接の操作を行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施の形態が適用される情報処理システムの全体構成の一例を示す図である。
【
図2】画像処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】画像処理装置の制御部の機能構成の一例を示す図である。
【
図4】遠隔端末の制御部の機能構成の一例を示す図である。
【
図5】画像処理装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図6】遠隔端末の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】遠隔操作中における、画像処理装置および遠隔端末の各々に表示される画面の具体例を示す図である。
【
図8】遠隔操作中における、画像処理装置および遠隔端末の各々に表示される画面の具体例を示す図である。
【
図9】第2の実施の形態にかかる画像処理装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図10】画像処理装置の操作の制限の解除の有無が、画像処理装置と遠隔端末との距離が予め定められた距離を超えたかどうかにより制御される場合の具体例を示す図である。
【
図11】画像処理装置ごとに優先的に使用できるユーザが定められている場合に、画像処理装置側の操作画面に表示される情報の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
<情報処理システムの構成>
図1は、本実施の形態が適用される情報処理システム1の全体構成の一例を示す図である。
情報処理システム1は、画像処理装置10と、遠隔端末30とがネットワーク90を介して接続されることにより構成されている。ネットワーク90は、例えば、LAN(Local Area Network)、インターネット等である。
【0010】
(画像処理装置)
画像処理装置10は、情報処理システム1を利用するユーザの入力操作に応じて各種の処理を行う情報処理装置である。例えば、画像処理装置10は、用紙等の媒体に画像を形成する処理、画像が形成された記録媒体を出力する処理、用紙等に形成された画像を読み取る処理などを行う。画像処理装置10としては、例えば、トナー像を用紙の印刷面に形成するいわゆる電子写真方式の複合機や、インクを用紙の印刷面に吐出するいわゆるインクジェット方式のプリンタ等が挙げられる。
【0011】
また、画像処理装置10は、遠隔端末30から送信されてくる各種の情報を取得し、各種の処理を行う。また、画像処理装置10は、遠隔端末30に向けて各種の情報を送信する。例えば、画像処理装置10は、遠隔端末30からの遠隔操作が行われているために直接の操作が制限されている自機の操作画面に対する、制限の解除を求めるための操作を受け付ける。このとき、画像処理装置10は、制限の解除を求めるための操作が、予め定められた権限を有するユーザによる操作であるかどうかを確認する。
【0012】
画像処理装置10は、制限の解除を求めるための操作が、予め定められた権限を有するユーザによる操作であることを確認すると、遠隔端末30に対して、制限の解除に同意するかどうかを問い合わせる。そして、画像処理装置10は、遠隔端末30から、制限の解除に同意することを示す入力情報が送信されてくると、制限を解除する条件として予め定められているタイムアウト時間を短縮する。なお、制限の解除を求めるための操作が、予め定められた権限を有するユーザによる操作であることを確認する手法、および予め定められた権限を有するユーザによる操作であることが確認できない場合における処理については後述する。
【0013】
画像処理装置10は、遠隔端末30から送信されてきた入力情報に、短縮後のタイムアウト時間の指定に関する情報が含まれている場合には、指定された短縮後のタイムアウト時間を設定する。これに対して、遠隔端末30から送信されてきた入力情報に、短縮後のタイムアウト時間の指定に関する情報が含まれていない場合、画像処理装置10は、タイムアウト時間を短縮する場合における短縮後のタイムアウト時間として予め定められた時間を設定する。この場合に設定されるタイムアウト時間は、当初のタイムアウト時間より短い時間となる。なお、画像処理装置10の処理の詳細については後述する。
【0014】
(遠隔端末)
遠隔端末30は、情報処理システム1を利用するユーザが操作するスマートフォン、タブレット端末等のモバイル型の情報処理装置である。遠隔端末30には、画像処理装置10の操作を可能にするアプリケーションソフトウェアがインストールされている。遠隔端末30は、画像処理装置10から送信されてくる各種の情報を取得し、各種の処理を行う。また、遠隔端末30は、画像処理装置10に向けて各種の情報を送信する。
【0015】
例えば、遠隔端末30は、画像処理装置10の操作の制限の解除に同意するかどうかの問い合わせがくると、その旨を示す情報を表示する。そして、遠隔端末30は、問い合わせに対するユーザの入力操作を受け付ける。このとき、遠隔端末30は、短縮後のタイムアウト時間を指定する操作を支援する情報として、短縮後のタイムアウト時間に基づく情報を表示する。
【0016】
遠隔端末30は、問い合わせに対するユーザの入力操作を受け付けると、その入力情報を画像処理装置10に向けて送信する。画像処理装置10に向けて送信される入力情報には、短縮後のタイムアウト時間を指定するための入力情報が含まれている場合と、含まれていない場合とがある。その後、画像処理装置10から、短縮後のタイムアウト時間を示す情報が送信されてくると、画像処理装置10は、短縮後のタイムアウト時間を表示する。なお、遠隔端末30の処理の詳細については後述する。
【0017】
上述の情報処理システム1の構成は一例であり、情報処理システム1全体として上述の処理を実現させる機能を備えていればよい。このため、上述の処理を実現させる機能のうち、一部または全部を情報処理システム1内で分担してもよいし協働してもよい。すなわち、遠隔端末30の機能の一部または全部を画像処理装置10の機能としてもよいし、また、画像処理装置10の機能の一部または全部を遠隔端末30の機能としてもよい。さらに、情報処理システム1を構成する遠隔端末30および画像処理装置10の各々の機能の一部または全部を、図示せぬ他のサーバ等に移譲してもよい。これにより、情報処理システム1全体としての処理が促進され、また、処理を補完し合うことも可能となる。
【0018】
<ハードウェア構成>
(画像処理装置のハードウェア構成)
図2は、画像処理装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。
画像処理装置10は、制御部11と、メモリ12と、記憶部13と、通信部14と、操作部15と、表示部16と、読取部17と、画像形成部18とを有している。これらの各部は、データバス、アドレスバス、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス等で接続されている。
【0019】
制御部11は、OS(基本ソフトウェア)やアプリケーションソフトウェア(応用ソフトウェア)等の各種ソフトウェアの実行を通じて遠隔端末30の機能の制御を行うプロセッサである。制御部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)で構成される。メモリ12は、各種ソフトウェアやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、演算に際して作業エリアとして用いられる。メモリ12は、例えばRAM(Random Access Memory)等で構成される。
【0020】
記憶部13は、各種ソフトウェアに対する入力データや各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶する記憶領域である。記憶部13は、例えばプログラムや各種設定データなどの記憶に用いられるHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、半導体メモリ等で構成される。記憶部13には、各種情報を記憶するデータベースとして、例えば、ユーザに関するユーザ情報が記憶されているユーザDB131等が格納されている。
【0021】
通信部14は、ネットワーク90を介して遠隔端末30および外部との間でデータの送受信を行う。操作部15は、例えばソフトウェアキーボード、機械式のボタン、スイッチ等で構成され、入力操作を受け付ける。操作部15には、表示部16と一体的にタッチパネルを構成するタッチセンサも含まれる。表示部16は、例えば情報の表示に用いられる液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイで構成され、画像やテキストのデータなどを表示する。
【0022】
読取部17は、記録媒体としての用紙等の媒体(例えば、紙媒体の文書等)に記録された画像を読み取る。読取部17は、例えば光源から原稿に照射した光に対する反射光をレンズで縮小してCCD(Charge Coupled Devices)で受光するCCD方式のスキャナや、LED光源から原稿に順に照射した光に対する反射光をCIS(Contact Image Sensor)で受光するCIS方式のスキャナ等で構成される。画像形成部18は、例えば、電子写真方式やインクジェット方式等により、記録媒体としての用紙の印刷面に、印刷対象の画像を形成する。そして、これらの各部は、データバス、アドレスバス、PCIバス等で接続されている。
【0023】
(遠隔端末のハードウェア構成)
遠隔端末30のハードウェア構成は、
図2に示す画像処理装置10のハードウェア構成のうち、読取部17および画像形成部18以外の構成と同様の構成を備えている。すなわち、遠隔端末30は、
図2の制御部11、メモリ12、記憶部13、通信部14、操作部15、および表示部16の各々と同様の機能を有する、制御部、メモリ、記憶部、通信部、操作部、および表示部の各々を備えており、図示および説明を省略する。
【0024】
<機能構成>
(画像処理装置の制御部の機能構成)
図3は、画像処理装置10の制御部11の機能構成の一例を示す図である。
画像処理装置10の制御部11では、取得部101と、管理部102と、解除制御部103と、表示制御部104と、送信制御部105とが機能する。
【0025】
取得部101は、各種の情報を取得する。例えば、取得部101は、自機の操作部15により入力が受け付けられた入力情報を取得する。取得部101により取得される入力情報には、例えば、遠隔端末30からの遠隔操作が行われているために直接の操作が制限されている自機の操作画面に対し、制限の解除を求めるために入力された情報などが含まれる。
【0026】
また、取得部101は、遠隔端末30および外部の各々から送信されてきた各種の情報を取得する。取得部101により取得される情報のうち、遠隔端末30から送信されてくる情報としては、例えば、遠隔端末30に入力された入力情報などが挙げられる。取得部101により取得される入力情報としては、例えば、制限の解除に同意するために遠隔端末30に入力された情報、短縮後のタイムアウト時間を指定するために遠隔端末30に入力された情報などである。
【0027】
管理部102は、記憶部13(
図2参照)のデータベースに各種の情報を格納して管理する。例えば、管理部102は、ユーザ情報が記憶されているユーザDB131を管理する。ユーザ情報には、ユーザを一意に特定可能な識別情報、使用できる権限を有する画像処理装置10に関する情報などが含まれる。
【0028】
管理部102は、ユーザDB131に記憶されているユーザ情報を参照して、操作部15(
図2参照)により受け付けられた、制限の解除を求めるための操作が、予め定められた権限を有するユーザによる操作であるかどうかを判定する。すなわち、管理部102は、画像処理装置10を使用する制限を有するユーザからの制限の解除を求めるための操作であるかどうかを管理する。
【0029】
解除制御部103は、遠隔端末30からの遠隔操作されているために直接の操作が制限されている自機の制限を解除するための制御を行う。具体的には、解除制御部103は、制限を解除するための制御として、制限を解除する条件として予め定められているタイムアウト時間を短縮させる。
【0030】
例えば、解除制御部103は、取得部101により、画像処理装置10に対する直接の操作の制限の解除に同意することを示す入力情報が取得されると、制限が解除されるまでのタイムアウト時間を短縮させる制御を行う。このとき、解除制御部103は、制限の解除に同意することを示す入力情報に短縮後のタイムアウト時間を指定するための情報が含まれている場合には、指定された短縮後のタイムアウト時間を設定する。
【0031】
また、解除制御部103は、制限の解除に同意することを示す入力情報に短縮後のタイムアウト時間を指定するための情報が含まれていない場合には、タイムアウト時間を短縮する場合における短縮後のタイムアウト時間として予め定められたタイムアウト時間を設定する。
【0032】
表示制御部104は、表示部16(
図2参照)に各種の情報を表示させる制御を行う。例えば、表示制御部104は、遠隔操作により直接の操作が制限されている自機の操作画面に、その制限の解除を求めるための操作ボタンを表示部16に表示させる制御を行う。また、表示制御部104は、制限が解除されるまでのタイムアウト時間を表示部16に表示させる制御を行う。
【0033】
送信制御部105は、通信部14(
図2参照)を介して各種の情報を送信する制御を行う。具体的には、送信制御部105は、遠隔端末30および外部の各々に向けて各種の情報を送信する制御を行う。例えば、送信制御部105は、制限の解除に同意するかどうかの問い合わせにかかる情報を遠隔端末30に向けて送信する制御を行う。この場合、送信制御部105は、制限の解除を求めるための操作が、予め定められた権限を有するユーザによる操作であるかどうかについての管理部102による判定の結果に基づいて、問い合わせにかかる情報を遠隔端末30に向けて送信するかどうかを決定する。
【0034】
(遠隔端末の制御部の機能構成)
図4は、遠隔端末30の制御部の機能構成の一例を示す図である。
遠隔端末30の制御部では、取得部301と、送信制御部302と、表示制御部303とが機能する。
【0035】
取得部301は、各種の情報を取得する。例えば、取得部301は、自機の操作部により入力が受け付けられた入力情報を取得する。遠隔端末30の操作部により入力が受け付けられる入力情報としては、例えば、画像処理装置10の操作の制限の解除に同意するために入力された入力情報、短縮後のタイムアウト時間を指定するために入力された入力情報などである。
【0036】
また、取得部301は、画像処理装置10および外部から送信されてきた各種の情報を取得する。取得部301により取得される情報のうち画像処理装置10から送信されてくる情報としては、例えば、画像処理装置10の操作の制限の解除に同意するかどうかの問い合わせにかかる情報、短縮後のタイムアウト時間を示す情報などである。
【0037】
送信制御部302は、通信部を介して各種の情報を送信する制御を行う。具体的には、送信制御部302は、画像処理装置10および外部の各々に向けて各種の情報を送信する制御を行う。例えば、送信制御部302は、取得部301により取得された入力情報を画像処理装置10に向けて送信する制御を行う。画像処理装置10に向けて送信される入力情報としては、例えば、画像処理装置10の操作の制限の解除に同意するために入力された入力情報、短縮後のタイムアウト時間を指定するために入力された入力情報などである。
【0038】
表示制御部303は、各種の情報を表示部に表示させる制御を行う。例えば、表示制御部303は、画像処理装置10の操作画面を表示部に共有表示させる制御を行う。また、表示制御部303は、画像処理装置10の操作の制限の解除に同意するかどうかの問い合わせがきたことを示す情報を表示部に表示させる制御を行う。
【0039】
また、表示制御部303は、短縮後のタイムアウト時間を指定する操作を支援する情報として、短縮後のタイムアウト時間に基づく情報を表示する。短縮後のタイムアウト時間に基づく情報としては、例えば、短縮後のタイムアウト時間として指定可能な時間のレンジなどである。また、表示制御部303は、短縮後のタイムアウト時間を表示部に表示させる制御を行う。
【0040】
また、表示制御部303は、画像処理装置10の操作の制限の解除を求めるための操作が予め定められた権限を有するユーザによる操作でないという管理部102の判定結果に基づいて、ユーザが権限を有する他の画像処理装置に関する情報を表示する。
【0041】
<処理の流れ>
(画像処理装置の処理の流れ)
図5は、画像処理装置10の処理の流れを示すフローチャートである。
画像処理装置10は、遠隔端末30からの遠隔操作が行われているために直接の操作が制限されている自機の操作画面に対し、制限の解除を求めるための操作が行われると(ステップ501でYES)、その操作を受け付ける(ステップ502)。これに対して、制限の解除を求めるための操作が行われていない場合(ステップ501でNO)、画像処理装置10は、制限の解除を求めるための操作が行われるまでステップ501の判断処理を繰り返す。
【0042】
画像処理装置10は、制限の解除を求めるための操作が、予め定められた権限を有するユーザによる操作である場合には(ステップ503でYES)、遠隔端末30に対し、制限の解除に同意するかどうかを問い合わせる(ステップ504)。これに対して、制限の解除を求めるための操作が、予め定められた権限を有するユーザによる操作でない場合(ステップ503でNO)、画像処理装置10は、予め定められた権限を有するユーザによる操作でない旨のメッセージを表示する(ステップ505)。
【0043】
画像処理装置10は、制限の解除を求めるための操作を行ったユーザが予め定められた権限を有する他の画像処理装置が存在する場合には(ステップ506でYES)、その画像処理装置に関する情報を表示する(ステップ507)。これに対して、そのユーザが予め定められた権限を有する他の画像処理装置がない場合(ステップ506でNO)、画像処理装置10は、処理を終了させる(END)。
【0044】
制限の解除に同意するかどうかの問い合わせに対して、遠隔端末30から、制限の解除に同意するための入力情報が送信されてくると(ステップ508でYES)、画像処理装置10は、遠隔端末30から送信されてきた入力情報を取得し(ステップ509)、ステップ510の判断処理に進む。これに対して、制限の解除に同意するための入力情報が送信されてきていない場合(ステップ508でNO)、画像処理装置10は、制限の解除に同意するための入力情報が送信されてくるまでステップ508の判断処理を繰り返す。
【0045】
画像処理装置10は、遠隔端末30から送信されてきた、制限の解除に同意するための入力情報に短縮後のタイムアウト時間を指定するための入力情報が含まれている場合には(ステップ510でYES)、遠隔端末30のユーザにより指定されたタイムアウト時間を設定する(ステップ511)。これに対して、短縮後のタイムアウト時間を指定するための入力情報が含まれていない場合(ステップ510でNO)、画像処理装置10は、タイムアウト時間を短縮する場合における短縮後のタイムアウト時間として予め定められたタイムアウト時間を設定する(ステップ512)。
【0046】
図6は、遠隔端末30の処理の流れを示すフローチャートである。
画像処理装置10を遠隔操作している遠隔端末30は、画像処理装置10から、操作の制限の解除に同意するかどうかの問い合わせがくると(ステップ601でYES)、問い合わせがきたことを示す情報を表示する(ステップ602)。これに対して、制限の解除に同意するかどうかの問い合わせがきていない場合(ステップ601でNO)、遠隔端末30は、制限の解除に同意するかどうかの問い合わせがくるまでステップ601の判断処理を繰り返す。
【0047】
遠隔端末30は、短縮後のタイムアウト時間を指定する操作を支援する情報として、短縮後のタイムアウト時間に基づく情報を表示する(ステップ603)。そして、制限の解除に同意するための入力操作が行われると(ステップ604でYES)、遠隔端末30は、画像処理装置10に向けて、その入力情報を送信する(ステップ605)。なお、制限の解除に同意するための入力情報には、短縮後のタイムアウト時間を指定するための入力情報が含まれていてもよい。これに対して、制限の解除に同意するための入力操作が行われていない場合(ステップ604でNO)、遠隔端末30は、制限の解除に同意するための入力操作が行われるまでステップ604の判断処理を繰り返す。
【0048】
遠隔端末30は、画像処理装置10から、短縮後のタイムアウト時間を示す情報が送信されてくると(ステップ606でYES)、送信されてきた情報を取得し(ステップ607)、短縮後のタイムアウト時間を表示する(ステップ608)。これに対して、短縮後のタイムアウト時間を示す情報が送信されてきていない場合(ステップ606でNO)、遠隔端末30は、短縮後のタイムアウト時間を示す情報が送信されてくるまでステップ606の判断処理を繰り返す。
【0049】
<具体例>
【0050】
図7および
図8は、遠隔操作中における、画像処理装置10および遠隔端末30の各々に表示される画面の具体例を示す図である。
図7には、遠隔操作中に画像処理装置10側の操作画面がマスクされる場合の具体例が示されている。
遠隔操作中の画像処理装置10側の操作画面20は、画像処理装置10に対する直接の操作が行われないようにするためにマスクされる。具体的には、例えば、
図7に示すように、「外部機器操作中」といったメッセージが表記された画面によって操作画面がマスクされる。ただし、本実施の形態では、マスクされた状態においても、「解除要求」と表記された操作ボタン21が押下可能な状態で表示される。
【0051】
画像処理装置10側の操作画面20の操作ボタン21が押下されると、遠隔端末30側の操作画面40に、短縮後のタイムアウト時間を指定するための画面が表示される。この画面には、
図7に示すように、短縮後のタイムアウト時間として指定可能な時間のレンジを示す「解除要求時間(5~15分)」という表記とともに、短縮後のタイムアウト時間を入力するための入力欄41と、入力内容を送信するための送信ボタン42とが表示されている。例えば、ユーザが、入力欄41に「5分」と入力し、送信ボタン42を押下すると、その入力情報が画像処理装置10に向けて送信される。その後、遠隔端末30側の操作画面40は通常の状態に戻る。
【0052】
短縮後のタイムアウト時間が指定されて、タイムアウト時間が短縮されると、短縮後のタイムアウト時間が画像処理装置10側の操作画面20に表示される。例えば、短縮後のタイムアウト時間が5分である場合には、
図7に示すように「5分後に操作可能になります」といったメッセージが表示される。
【0053】
図8には、遠隔操作中に画像処理装置10側の操作画面がマスクされない場合の具体例が示されている。
遠隔操作中の画像処理装置10側の操作画面20は、画像処理装置10に対する直接の操作が行われないようにするために入力が制限される。この場合、操作画面20に対する直接の操作は受け付けられない。ただし、本実施の形態では、入力が制限された状態においても、「解除要求」と表記された操作ボタン21が押下可能な状態で表示される。
【0054】
画像処理装置10側の操作画面20の操作ボタン21が押下されると、遠隔端末30側の操作画面40には、上述の
図7と同様に、短縮後のタイムアウト時間を指定するための画面が表示される(図示せず)。そして、短縮後のタイムアウト時間が入力されると、その入力情報が画像処理装置10に向けて送信される。その後、遠隔端末30側の操作画面40は通常の状態に戻る。
【0055】
このように、短縮後のタイムアウト時間が指定された場合には、指定された内容で短縮後のタイムアウト時間が設定される。これに対して、遠隔端末30側で短縮後のタイムアウト時間を指定しなかった場合には、タイムアウト時間を短縮する場合における短縮後のタイムアウト時間として予め定められた時間が設定される。例えば、タイムアウト時間を短縮する場合における短縮後のタイムアウト時間として予め定められた時間が5分である場合には、
図8に示すように、遠隔端末30側の操作画面40に「5分後に接続が解除されます」といったメッセージが表示される。これにより、遠隔端末30を操作するユーザに対し、短縮後のタイムアウト時間が報知される。
【0056】
[第2の実施の形態]
<情報処理システムの構成、ハードウェア構成>
第2の実施の形態にかかる情報処理システム1の全体構成、情報処理システム1を構成する画像処理装置10および遠隔端末30のハードウェア構成は、上述の第1の実施の形態にかかる構成と同様であり、図示および説明を省略する。
【0057】
<機能構成>
第2の実施の形態にかかる情報処理システム1を構成する画像処理装置10の制御部11では、上述の第1の実施の形態と同様に、
図3に示す取得部101と、管理部102と、解除制御部103と、表示制御部104と、送信制御部105とが機能する。ただし、第2の実施の形態にかかる情報処理システム1を構成する画像処理装置10および遠隔端末30の各々の機能構成のうち、取得部101および解除制御部103は、第1の実施の形態に加えて以下の構成を有する。
【0058】
すなわち、取得部101は、上述の
図3に示す構成に加えて、自機と遠隔端末30との位置関係を示す情報を取得する。例えば、取得部101は、自機と遠隔端末30との各々のGPS(Global Positioning System)位置情報に基づく両者の位置関係を示す情報を取得する。
【0059】
また、解除制御部103は、上述の
図3に示す構成に加えて、取得部101により取得された、自機と遠隔端末30との位置関係を示す情報に基づいて、自機と遠隔端末30との距離が予め定められた距離を超えると、自機の操作の制限を解除させる制御を行う。ここで、「予め定められた距離」とは、例えば、遠隔端末30を操作するユーザが画像処理装置10を使用していることが推定される距離として予め定められた距離、自機と遠隔端末30との間の無線通信を維持可能な距離などである。
【0060】
解除制御部103は、自機と遠隔端末30との距離が予め定められた距離を超えた場合、自機の状態に応じて操作の制限の解除の有無を決定してもよい。この場合、例えば、解除制御部103は、自機と遠隔端末30との距離が予め定められた距離を超えている状態が継続し、その継続時間が予め定められた時間を超えると、操作の制限が解除されるように制御してもよい。また、解除制御部103は、遠隔端末30側から指定された時間内は操作の制限が解除されないように制御してもよい。
【0061】
また、解除制御部103は、自機と遠隔端末30との距離が予め定められた距離を超えた場合に制限を解除するかどうかについて、ユーザからの指定に応じた制御を行ってもよい。この場合、解除制御部103は、例えば、管理者権限を有するユーザからの指示に応じて、予め定められた距離を超えた場合に制限を解除するかどうかを設定してもよい。
【0062】
また、解除制御部103は、遠隔端末30を操作するユーザに付与されている権限と、画像処理装置10を操作するユーザに付与されている権限とを比較した結果に基づいて、操作の制限の解除の有無を決定してもよい。例えば、画像処理装置10を操作するユーザに付与されている権限よりも、遠隔端末30を操作するユーザに付与されている権限の方が強いと定められている場合には、操作の制限が解除されないようにしてもよい。
【0063】
また、解除制御部103は、画像処理装置10ごとに優先的に使用できるユーザが定められている場合には、その定めに応じて、操作の制限の解除の有無を決定してもよい。例えば、操作の制限を解除して画像処理装置10を操作しようとするユーザよりも、遠隔端末30を操作するユーザの方が優先的に画像処理装置10を操作できるユーザであると定められている場合には、遠隔端末30を操作するユーザからの解除の指示があるまで画像処理装置10の操作の制限が解除されないようにしてもよい。また、例えば、複数のフロアからなる建物の各フロアに設置された画像処理装置10について、設置フロアのユーザが優先的に使用できるように定められている場合には、ユーザ情報から特定されるユーザの所属フロアに応じて、操作の制限の解除の有無を決定してもよい。
【0064】
<処理の流れ>
(画像処理装置の処理の流れ)
図9は、第2の実施の形態にかかる画像処理装置10の処理の流れを示すフローチャートである。
無線通信により接続されている遠隔端末30からの操作が行われているために直接の操作が制限されている画像処理装置10は、自機と遠隔端末30との距離を検出する(ステップ901)。画像処理装置10は、検出した距離が予め定められた距離を超えており(ステップ902でYES)、かつ、検知した距離が予め定められた距離を超えてから予め定められた時間が経過すると(ステップ903でYES)、操作の制限を解除させる(ステップ904)。
【0065】
これに対して、検知した距離が予め定められた距離を超えていない場合(ステップ902でNO)、画像処理装置10は、検知した距離が予め定められた距離を超えるまでステップ902の判断処理を繰り返す。また、検知した距離が予め定められた距離を超えてから予め定められた時間が経過してない場合(ステップ903でNO)、画像処理装置10は、検知した距離が予め定められた距離を超えてから予め定められた時間が経過するまでステップ903の判断処理を繰り返す。
【0066】
ここで、「予め定められた距離」が、自機と遠隔端末30との無線通信を維持可能な距離として設定されている場合、画像処理装置10は、自機と遠隔端末30との無線通信を維持可能な距離を超えたことを検知すると、操作の制限を解除させる。また、例えば、「予め定められた距離」が、遠隔端末30を操作するユーザが画像処理装置10を直接使用していることが推定される距離として設定されている場合、画像処理装置10は、その「推定される距離」を超えたことを検知すると、操作の制限を解除させる。
【0067】
<具体例>
図10は、画像処理装置10の操作の制限の解除の有無が、画像処理装置10と遠隔端末30との距離が予め定められた距離を超えたかどうかにより制御される場合の具体例を示す図である。なお、
図10の例では、「予め定められた距離」として、画像処理装置10と遠隔端末30との無線通信を維持可能な距離が設定されているものとする。
【0068】
画像処理装置10は、自機と遠隔端末30との距離が、無線通信を維持可能な距離を超えた場合には、操作の制限を解除する。例えば、
図10の例では、遠隔端末30が、画像処理装置10との無線通信を維持可能な距離である「接続範囲」を超えて移動しているため、操作の制限が解除される。この場合、
図10に示すように、遠隔端末30側の操作画面40には、「通信を切断しました」といったメッセージが表示されるとともに、画像処理装置10の操作の制限が解除される。
【0069】
図11は、画像処理装置10ごとに優先的に使用できるユーザが定められている場合に、画像処理装置10側の操作画面に表示される情報の具体例を示す図である。
上述のように、操作の制限を解除して画像処理装置10を操作しようとするユーザよりも、遠隔端末30を操作するユーザの方が優先的に画像処理装置10を操作できるユーザである場合には、遠隔端末30を操作するユーザからの解除の指示があるまで画像処理装置10の操作の制限が解除されないようにしてもよい。この場合、画像処理装置10側の操作画面には、例えば、
図11に示すように、「優先使用者作業中のため、しばらくお待ちください。」といったメッセージが表示される。
【0070】
<他の実施の形態>
以上、第1および第2の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施の形態に限るものではない。また、本発明による効果も、上述した実施の形態に記載されたものに限定されない。例えば、
図1に示す情報処理システム1の構成、および
図2に示す画像処理装置10のハードウェア構成は、いずれも本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。また、
図3に示す画像処理装置10の機能構成、および
図4に示す遠隔端末30の機能構成も例示に過ぎず、特に限定されない。上述した処理を全体として実行できる機能が
図1の情報処理システム1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能構成を用いるかは
図3および
図4の例に限定されない。
【0071】
また、
図5および
図9の各々に示す画像処理装置10の処理のステップ、
図6に示す遠隔端末30の処理のステップの順序も例示に過ぎず、特に限定されない。図示されたステップの順序に沿って時系列的に行われる処理だけではなく、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別的に行われてもよい。また、
図7、
図8、
図10、および
図11の各々に示す具体例も一例に過ぎず、特に限定されない。
【0072】
例えば、上述の実施の形態では、画像処理装置10の操作の制限が解除されるまでの時間を指定する操作が遠隔端末30側で行われるが、これに限定されない。例えば、画像処理装置10側の操作画面に時間を指定できるユーザインターフェースを設けて、操作の制限が解除されるまでの時間の指定を画像処理装置10側から行えるようにしてもよい。
【0073】
(付記)
(((1)))
1または複数のプロセッサを備え、
前記1または複数のプロセッサは、
端末からの遠隔操作が行われているために直接の操作が制限されている画像処理装置の操作画面に対し、当該制限の解除を求めるための操作が行われると、当該制限を解除する条件として予め定められているタイムアウト時間を短縮させることを特徴とする、
情報処理システム。
(((2)))
前記1または複数のプロセッサは、前記解除を求めるための操作が行われた後、前記解除に同意するための操作が前記端末に対して行われると、前記タイムアウト時間を短縮させることを特徴とする、
(((1)))に記載の情報処理システム。
(((3)))
前記解除に同意するための操作が、短縮後の前記タイムアウト時間を指定する操作であることを特徴とする、
(((2)))に記載の情報処理システム。
(((4)))
前記1または複数のプロセッサは、前記短縮後の前記タイムアウト時間を指定する操作を支援する情報として、前記タイムアウト時間に基づく情報を前記操作画面に表示させることを特徴とする、
(((3)))に記載の情報処理システム。
(((5)))
前記1または複数のプロセッサは、前記解除を求めるための操作が行われると、短縮後の前記タイムアウト時間を前記端末に表示させることを特徴とする、
(((1)))乃至(((4)))のいずれかに記載の情報処理システム。
(((6)))
前記1または複数のプロセッサは、予め定められた権限を有するユーザによる前記解除を求めるための操作が前記画像処理装置に対して行われると、前記タイムアウト時間を短縮させることを特徴とする、
(((2)))に記載の情報処理システム。
(((7)))
前記1または複数のプロセッサは、ユーザごとに付与された、当該ユーザを一意に特定可能な識別情報に基づいて、前記予め定められた権限の有無を判定することを特徴とする、
(((6)))に記載の情報処理システム。
(((8)))
前記1または複数のプロセッサは、前記解除を求めるための操作を行ったユーザが、前記予め定められた権限を有しないユーザである場合、当該操作の対象の前記画像処理装置の前記タイムアウト時間を短縮させることなく、当該ユーザが当該予め定められた権限を有する他の画像処理装置に関する情報を前記操作画面に表示させることを特徴とする、
(((6)))または(((7)))に記載の情報処理システム。
(((9)))
1または複数のプロセッサを備え、
前記1または複数のプロセッサは、
無線通信により接続されている端末からの操作が行われているために直接の操作が制限されている画像処理装置と、当該端末との距離が予め定められた距離を超えると、当該制限を解除させることを特徴とする、
情報処理システム。
(((10)))
前記予め定められた距離が、前記無線通信を維持可能な距離であることを特徴とする、
(((9)))に記載の情報処理システム。
(((11)))
前記予め定められた距離が、前記端末を操作するユーザが前記画像処理装置を使用していることが推定される距離として予め定められた距離であることを特徴とする、
(((10)))に記載の情報処理システム。
(((12)))
前記1または複数のプロセッサは、前記画像処理装置と前記端末との距離が前記予め定められた距離を超えた場合、当該画像処理装置の状態に応じて、前記制限の解除の有無を決定することを特徴とする、
(((9)))乃至(((11)))のうちいずれかに記載の情報処理システム。
(((13)))
前記1または複数のプロセッサは、前記画像処理装置の状態として、前記画像処理装置と前記端末との距離が前記予め定められた距離を超えている場合、予め定められた時間が経過すると、前記制限を解除させることを特徴とする、
(((9)))乃至(((12)))に記載の情報処理システム。
(((14)))
前記1または複数のプロセッサは、前記画像処理装置と前記端末との距離が予め定められた距離を超えた場合に前記制限を解除させるかどうかを、ユーザからの指定に基づいて決定することを特徴とする、
(((9)))乃至(((13)))に記載の情報処理システム。
(((15)))
コンピュータに、
端末からの遠隔操作が行われているために直接の操作が制限されている画像処理装置の操作画面に対し、当該制限の解除を求めるための解除を求めるための操作が行われると、当該制限を解除する条件として予め定められているタイムアウト時間を短縮させる機能
を実現させるプログラム。
(((16)))
コンピュータに、
無線通信により接続されている端末からの操作が行われているために直接の操作が制限されている画像処理装置と、当該端末との距離が予め定められた距離を超えると、当該制限を解除させる機能
を実現させるプログラム。
【0074】
(((1)))の本発明によれば、端末による遠隔操作が行われているために直接の操作が制限されている画像処理装置の操作画面に対し、その制限の解除を求めるための操作が行われると、その制限を解除する条件として予め定められているタイムアウト時間が短縮される。これにより、タイムアウト時間の経過を待つことなく画像処理装置に対する直接の操作を行える。
(((2)))の本発明によれば、画像処理装置に対する直接の操作の制限の解除を求めるための操作が行われた後、制限の解除に同意するための操作が端末に対して行われると、タイムアウト時間が短縮されるので、端末側の事情が考慮された運用が可能となる。
(((3)))の本発明によれば、短縮後のタイムアウト時間を端末側から指定できるので、端末側の事情が考慮された運用が可能となる。
(((4)))の本発明によれば、短縮後のタイムアウト時間を指定する操作を支援する情報が端末側に表示されるので、端末を操作するユーザの利便性が向上する。
(((5)))の本発明によれば、画像処理装置に対する直接の操作の制限の解除を求めるための操作が画像処理装置の操作画面に対して行われると、短縮後のタイムアウト時間が端末に表示される。これにより、端末を操作するユーザは、タイムアウト時間を一見して把握できるので利便性が向上する。
(((6)))の本発明によれば、予め定められた権限を有するユーザでないとタイムアウト時間を短縮させることができないので、タイムアウト時間を短縮させる機能の乱用や悪用を抑制できる。
(((7)))の本発明によれば、ユーザごとに付与された識別情報に基づいて、予め定められた権限の有無が判定される。これにより、画像処理装置を端末側から遠隔操作するユーザと、画像処理装置に対する直接の操作を行うユーザとの立場の違いや、それぞれの作業の重要性が考慮された運用が可能となる。
(((8)))の本発明によれば、画像処理装置に対する直接の操作の制限の解除を求めるための操作を行ったユーザが、予め定められた権限を有しないユーザである場合、その操作の対象の画像処理装置のタイムアウト時間を短縮させることなく、そのユーザが予め定められた権限を有する他の画像処理装置に関する情報が操作画面に表示される。これにより、画像処理装置が複数ある場合におけるユーザの作業を効率化できる。
(((9)))の本発明によれば、端末による操作が行われているために直接の操作が制限されている画像処理装置と、その端末との距離が、予め定められた距離を超えると、画像処理装置に対する直接の操作の制限が解除される。これにより、例えば、近くにある画像処理装置を自身の端末から操作するユーザが、画像処理装置の使用を終え、画像処理装置から離れると、他のユーザは、タイムアウト時間の経過を待つことなく画像処理装置に対する直接の操作を行えるようになる。
(((10)))の本発明によれば、端末による操作が行われているために直接の操作が制限されている画像処理装置と、その端末との距離が、無線通信を維持可能な距離を超えると、画像処理装置に対する直接の操作の制限が解除される。これにより、通信の遮断により端末側から画像処理装置の操作を行えない状態であるにもかかわらず、他のユーザがタイムアウト時間の経過を待たなければならない事態が生じることを防ぐことができる。
(((11)))の本発明によれば、端末による操作が行われているために直接の操作が制限されている画像処理装置と、端末との距離が、端末を操作するユーザが画像処理装置を使用していることが推定される距離を超えると、画像処理装置に対する直接の操作の制限が解除される。これにより、通信の遮断により端末側から画像処理装置の操作を行えない状態であるにもかかわらず、他のユーザがタイムアウト時間の経過を待たなければならない事態が生じることを防ぐことができる。
(((12)))の本発明によれば、画像処理装置と端末との距離が予め定められた距離を超えた場合、画像処理装置に生じている事象に応じて、画像処理装置に対する直接の操作の制限の解除の有無が決定される。これにより、画像処理装置と端末との距離が予め定められた距離を超えたとしても、画像処理装置に生じている事象に応じて画像処理装置に対する直接の操作の制限を継続させることができる。
(((13)))の本発明によれば、画像処理装置と端末との距離が予め定められた距離を超えている場合、予め定められた時間が経過すると、画像処理装置に対する直接の操作の制限が解除される。これにより、例えば、用紙やトナー交換等を理由に画像処理装置から一時的に離れなければならない場合であっても、予め定められた時間が経過するまでは画像処理装置に対する直接の操作の制限が解除されないので、ユーザの利便性が向上する。
(((14)))の本発明によれば、画像処理装置と端末との距離が予め定められた距離を超えた場合に、画像処理装置に対する直接の操作の制限を解除させるかどうかがユーザからの指定に基づいて決定される。これにより、ユーザの業務の態様に合わせた柔軟な運用が可能となる。
(((15)))の本発明によれば、端末による遠隔操作が行われているために直接の操作が制限されている画像処理装置の操作画面に対し、その制限の解除を求めるための操作が行われると、その制限を解除する条件として予め定められているタイムアウト時間が短縮される。これにより、タイムアウト時間の経過を待つことなく画像処理装置に対する直接の操作を行える。
(((16)))の本発明によれば、端末による操作が行われているために直接の操作が制限されている画像処理装置と、その端末との距離が、予め定められた距離を超えると、画像処理装置に対する直接の操作の制限が解除される。これにより、例えば、近くにある画像処理装置を自身の端末から操作するユーザが、画像処理装置の使用を終え、画像処理装置から離れると、他のユーザは、タイムアウト時間の経過を待つことなく画像処理装置に対する直接の操作を行えるようになる。
【符号の説明】
【0075】
1…情報処理システム、10…画像処理装置、11…制御部、30…遠隔端末、90…ネットワーク、101…取得部、102…管理部、103…解除制御部、104…表示制御部、105…送信制御部、301…取得部、302…送信制御部、303…表示制御部