(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129625
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 20/00 20180101AFI20240919BHJP
A61B 5/372 20210101ALI20240919BHJP
A61B 5/375 20210101ALI20240919BHJP
【FI】
G16H20/00
A61B5/372
A61B5/375
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038953
(22)【出願日】2023-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】島倉 孝満
【テーマコード(参考)】
4C127
5L099
【Fターム(参考)】
4C127AA03
4C127DD03
4C127EE05
4C127KK05
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】複雑な伝達関数を用いることなく脳活動を制御可能とする。
【解決手段】対象者の脳情報を取得する脳情報取得部と、対象者に対して脳情報取得部が取得した脳情報を出力する出力部と、出力部が対象者に対して脳情報を出力する時期を予め設定された所定期間だけ遅延させる遅延部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者の脳情報を取得する脳情報取得部と、
対象者に対して前記脳情報取得部が取得した脳情報を出力する出力部と、
前記出力部が前記対象者に対して脳情報を出力する時期を予め設定された所定期間だけ遅延させる遅延部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記遅延部は、脳情報を遅延させて出力する前記所定期間を200msec~500msecとする、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記脳情報取得部が取得した脳情報を記憶する記憶部を有し、前記遅延部は、前記記憶部に記憶された脳情報を前記所定期間だけ遅延させて出力する、
請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
対象者の脳情報を取得するステップと、
取得した脳情報を記憶するステップと、
記憶した脳情報を前記対象者に対して所定期間だけ遅延させて出力するステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項5】
対象者の脳情報を取得するステップと、
取得した脳情報を記憶するステップと、
記憶した脳情報を前記対象者に対して所定期間だけ遅延させて出力するステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、脳内活性化情報を計測する技術が発達し、脳と外部のインターフェースであるブレインマシンインターフェースの技術が現実的となりつつある。下記特許文献1には、脳状態に対応する目標周波数を決定し、ユーザに結合されたセンサから受信されるユーザの脳の電気出力を測定し、その電気出力に基づいてユーザの脳に関連付けられる現在の周波数を決定し、現在の周波数と目標周波数との差を決定することについて記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記特許文献1には、ユーザの大脳内状態を特異的に判定することができるが、複雑な伝達関数を用いることなく脳波信号を制御する方法までは開示されていない。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、複雑な伝達関数を用いることなく脳活動を制御可能とする情報処理装置、情報処理方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る情報処理装置は、対象者の脳情報を取得する脳情報取得部と、対象者に対して前記脳情報取得部が取得した脳情報を出力する出力部と、前記出力部が前記対象者に対して脳情報を出力する時期を予め設定された所定期間だけ遅延させる遅延部と、を備える。
【0007】
本発明に係る情報処理方法は、対象者の脳情報を取得するステップと、取得した脳情報を記憶するステップと、記憶した脳情報を前記対象者に対して所定期間だけ遅延させて出力するステップと、を含む。
【0008】
本発明に係るプログラムは、対象者の脳情報を取得するステップと、取得した脳情報を記憶するステップと、記憶した脳情報を前記対象者に対して所定期間だけ遅延させて出力するステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複雑な伝達関数を用いることなく脳活動を制御することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る情報処理装置を表すブロック構成図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係る情報処理方法を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る情報処理装置、情報処理方法およびプログラムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0012】
<情報処理装置>
図1は、本実施形態に係る情報処理装置を表すブロック構成図である。
【0013】
図1に示すように、情報処理装置10は、対象者から取得した脳情報である脳波の電気信号を遅延させてフィードバック(出力)することで、対象者の脳活動を抑制するものである。
【0014】
人の脳は、体内の自律神経系統と外界の運動制御系統との予測誤差を常に監視しながら、自らも期待される状態へとフィードバックし、内部モデルにて、予測を立てる作業をしていると考えられている。脳へのフィードバック(特に、感覚器と運動制御)は、かなり重要である。そのため、脳へのフィードバックに誤差が生じると、運動系や自律神経系において複雑な処理が必要であると考えられている。
【0015】
また、言葉を喋っている人に対してフィードバックを作用させることで、強制的に発話を阻害する方法がある。この方法は、発話に対して数百ミリ秒程度の遅延を加えて話者の聴覚に音声をフィードバックするものであり、話者は正常な発話が阻害される。この遅延時間は、感覚器官と脳との現象が反応する時間に相当し、この働きにより、話すことが阻害されてしまう。また、歌唱している人にその遅延をさせた自分の声をフィードバックした場合、歌の音程がずれることで脳へ与える影響が大きい。
【0016】
情報処理装置10は、前述したように、ユーザ(対象者)から取得した脳波の電気信号を遅延させてフィードバックすることで、ユーザの脳活動を抑制するものである。情報処理装置10は、入力部11と、計測部12と、制御部13と、出力部14とを備える。
【0017】
入力部11は、制御部13に接続される。入力部11は、ユーザが操作可能であり、各種の信号を制御部13入力可能である。入力部11は、例えば、ユーザへの脳波のフィードバック処理を開始する開始信号やユーザへの脳波のフィードバック処理を終了するための終了信号を制御部13に入力する。入力部11は、例えば、タッチパネル、ボタン、スイッチ、キーボードなどにより実現することができる。
【0018】
計測部12は、制御部13に接続される。制御部13は、プログラムに基づいて計測部12に計測信号を付与する。計測部12は、制御部13から入力された計測信号に基づいてユーザの脳情報を計測する。
【0019】
計測部12は、ユーザの脳情報を検出するセンサである。計測部12は、脳情報として、例えば、脳波の電気信号を取得する。計測部12は、例えば、侵襲式の電極を用いた計測装置を用いることができる。
【0020】
制御部13は、脳情報取得部21と、判定部22と、遅延部23と、記憶部24とを有する。なお、制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などの演算回路によって構成される。
【0021】
脳情報取得部21は、計測部12に接続される。脳情報取得部21は、計測部12を制御し、計測部12にユーザの脳情報を検出させる。脳情報取得部21は、計測部12が計測したユーザの脳情報を取得する。
【0022】
脳情報取得部21は、判定部22に接続される。判定部22は、脳情報取得部21が取得したユーザの脳波の電気信号に基づいて、このユーザの脳波の電気信号をユーザに対してフィードバックさせるか否かを判定する。判定部22は、例えば、ユーザの脳状態である活性度(不活性度)や快適度(不快度)などに基づいてフィードバック処理の実行の不可を判定する。具体的に、判定部22は、ユーザの脳の活性度(不活性度)や快適度(不快度)が予め設定されたしきい値より低いと判定すると、フィードバック処理の実行を指示する。一方、判定部22は、ユーザの脳の活性度(不活性度)や快適度(不快度)が予め設定されたしきい値より高いと判定すると、フィードバック処理の実行を指示しない。
【0023】
なお、ユーザの脳状態である活性度(不活性度)や快適度(不快度)の判定には種々の技術を用いればよい。例えば、判定部22は、脳情報取得部21が取得したユーザの脳波の電気信号のうち、脳の関心領域のθ帯域の反応(EEGの電気信号)を測定し快適度(不快度)を算出すればよい。また、判定部22は、脳情報取得部21が取得したユーザの脳波の電気信号のうち、脳の関心領域のβ帯域の反応(EEGの電気信号)を測定し活性度(不活性度)を算出すればよい。
【0024】
活性度(不活性度)や快適度(不快度)などのしきい値は、ユーザごとに設定することが好ましい。この場合、事前に、ユーザにおける感情と活性度(不活性度)や快適度(不快度)との関係を複数取得しておく。そして、複数取得したユーザにおける感情と活性度(不活性度)や快適度(不快度)との関係において、ユーザが活性している、または、快適であると感じる感情に応じてしきい値を設定することが好ましい。
【0025】
判定部22は、遅延部23に接続される。遅延部23は、判定部22の判定結果に応じて、出力部14がユーザに対して脳波の電気信号(脳情報)を出力する時期を遅延させる。すなわち、遅延部23は、判定部22により、ユーザの脳状態である活性度や快適度が低いとき、つまり、ユーザの脳が活性していなかったり、ユーザが不快であると感じていたりするとき、出力部14に対してユーザに対して脳波の電気信号(脳情報)を出力する時期を予め設定された所定期間だけ遅延させる指示を出力する。このとき、遅延部23は、出力部14が脳波の電気信号を遅延させる所定期間を200msec~500msecの範囲とする。一方、遅延部23は、判定部22により、ユーザの脳状態である活性度や快適度が高いとき、つまり、ユーザの脳が活性していたり、ユーザが不快であると感じていなかったりするとき、出力部14に対して遅延させる指示を出力しない。
【0026】
記憶部24は、脳情報取得部21に接続される。記憶部24は、脳情報取得部21が取得したユーザの脳波の電気信号(脳情報)を記憶する。また、記憶部24は、制御部13が情報処理を実行するときに使用する各種のしきい値を記憶する。さらに、記憶部24は、制御部13が情報処理を行うためのプログラムが格納される。なお、記憶部24は、HDD(Hard Disk Drive)などの外部記憶装置やメモリなどである。
【0027】
制御部13は、出力部14に接続される。出力部14は、制御部13の制御結果をユーザに対して出力する。すなわち、出力部14は、脳情報取得部21が取得して記憶部24に記憶されたユーザの脳波の電気信号を、ユーザの脳にフィードバックすることができる。このとき、出力部14は、判定部22の判定結果に基づいて脳波の電気信号(脳情報)をユーザに出力する。また、出力部は、脳波の電気信号(脳情報)をユーザに出力するとき、遅延部23の指令信号に基づいてユーザへの脳波の電気信号(脳情報)の出力を遅延させる。
【0028】
つまり、判定部22は、ユーザの脳状態である活性度や快適度が低いと判定したとき、その判定結果を遅延部23に出力する。遅延部23は、判定部22からユーザの脳状態である活性度や快適度が低いとき判定結果が入力すると、記憶部24に記憶されたユーザの脳波の電気信号を所定期間だけ遅延させてユーザの脳にフィードバック処理を実行することを出力部14に指令する。
【0029】
出力部14は、脳情報として、例えば、脳波の電気信号をユーザの脳に出力して刺激する。出力部14は、遅延部23からの指令を受けて、記憶部24に記憶されたユーザの脳波の電気信号を所定期間だけ遅延させてユーザの脳にフィードバックする。出力部14は、例えば、侵襲式の電極を用いた出力装置を用いることができる。なお、出力部14は、計測部12と一体に構成されていてもよい。
【0030】
<情報処理方法>
図2は、本実施形態に係る情報処理方法を表すフローチャートである。なお、本情報処理方法はエンドへ進んだ後、所定のサンプリング周期で繰り返す。
【0031】
図1および
図2に示すように、ステップS11にて、脳情報取得部21は、計測部12から遅延時間である所定時間より短い脳波読み出し時間においてユーザの脳細胞から脳情報としての脳波の電気信号を取得する。ステップS12にて、記憶部24は、脳情報取得部21が取得した脳波の電気信号を記憶する。ステップS13にて、判定部22は、ユーザの脳状態である快適度(不快度)が予め設定されたしきい値より低いか否か、つまり、ユーザが不快であると感じているか否かを判定する。ここで、判定部22は、ユーザの脳状態である快適度(不快度)が予め設定されたしきい値より低くない、つまり、ユーザが不快ではないと感じていると判定(No)すると、このルーチンを抜ける。
【0032】
一方、判定部22は、ユーザの脳状態である快適度(不快度)が予め設定されたしきい値より低い、つまり、ユーザが不快であると感じていると判定(Yes)すると、ステップS14に移行する。ステップS14にて、遅延部23は、判定部22からユーザの快適度が低い、つまり、ユーザが不快であると感じている判定結果が入力すると、脳情報取得部21が脳波の電気信号を取得したから所定時間が経過したか否かを判定する。所定時間は、ユーザの脳波の電気信号をユーザの脳に遅延させてフィードバックするための遅延時間である。
【0033】
遅延部23は、所定時間が経過していないと判定(No)すると、この状態を維持する。一方、遅延部23は、所定時間が経過したと判定(Yes)すると、ステップS15に移行する。ステップ15にて、遅延部23は、所定時間が経過すると、記憶部24に記憶されたユーザの脳波の電気信号を所定期間だけ遅延させてユーザの脳にフィードバック処理を実行することを出力部14に指令する。出力部14は、遅延部23からの指令を受けて、記憶部24に記憶されたユーザの脳波の電気信号を所定期間だけ遅延させてユーザの脳にフィードバックする。すると、ユーザは、脳波信号が制御されて思考が停止する。
【0034】
人の感覚器官の反応平均速度は、20歳代で68ミリ秒、40歳で86ミリ秒、60歳代で106ミリ秒とされている。また、人は、感覚器から信号を受け、脳が様々なことを想定して一つの決断をする、その途中のコマンド連続処理をする時間が150ミリ秒から300ミリ秒と言われており、20歳から60歳代の成人を対象とするのであれば、所定時間を約200ミリ秒~500ミリ秒とすることが望ましい。
【0035】
上述した本実施形態に係る情報処理装置10による情報処理方法について具体的に説明する。まず、ユーザに対して、特定の行動に対する体性感覚野における対応するニューロン活動の電気信号を記録する。次に、侵襲型の電気入力装置を用いて同じ電気信号をユーザに出力することで触覚の再現が可能となる。この理論を応用して、脳情報取得部21がユーザの脳波の電気信号(ニューロン活動の電気信号)を取得し、記憶部24が脳波の電気信号を記憶し、遅延部23が所定の遅延時間を確保し、出力部14が脳波の電気信号を所定期間だけ遅延させてユーザの脳にフィードバックする。すると、ユーザは、触覚に対する感覚器の認識が阻害され、うまく感じ取ることができなくなる。
【0036】
さらに、この具体例の応用例を説明する。脳情報取得部21は、計測部12によりユーザの脳波の電気信号を取得する。このとき、脳情報取得部21は、脳波の電気信号に対して特定の分類を行う。脳波の電気信号を「脳波で感性や認知力をリアルタイム評価」のように快適、不快で評価する。ここで、ユーザが不快と感じるときの触覚に対するニューロン活動の電気信号に分類されたとき、脳波の電気信号を所定期間だけ遅延させてユーザの脳にフィードバックする。これにより、ユーザは、不快な触覚について感覚器の認識は阻害される。
【0037】
なお、上述した説明にて、情報処理装置10は、リアルタイムでユーザの脳波の快適、不快を判定しているが、この方法に限定されず、事前に特定の触覚によるニューロン活動の電気信号と、快適と不快の判定結果を記録しておき、触覚によるニューロン活動の電気信号のみで判定するようにしてもよい。
【0038】
また、情報処理装置10は、ユーザの脳波の快適および不快と、ユーザの脳波の活性および不活性の2軸で判定してもよい。なお、判定に用いるユーザの触覚器は、聴覚を筆頭に他に感覚器を適用してもよい。
【0039】
具体的には、
図2のフローチャートのステップS13を変更して説明し、その変更したステップ以外は
図2の通りである。ステップS13にて、判定部22は、ユーザの脳状態である快適度(不快度)が予め設定された第1のしきい値より低く、かつ、ユーザの脳状態である活性(不活性)が予め定めたしきい値より高いか否か、つまり、ユーザが不快であり、かつ、ユーザの脳が活性しているか否かを判定する。ここで、判定部22は、ユーザの脳状態である快適度(不快度)が予め設定されたしきい値より低くない、または、ユーザの脳状態である活性(不活性)が予め定めたしきい値より高くない場合、つまり、ユーザが不快ではないと感じているか、または、ユーザの脳が活性していないと判定(No)すると、このルーチンを抜ける。ステップS13にて、判定部22は、ユーザの脳状態である快適度(不快度)が予め設定された第1のしきい値より低く、かつ、ユーザの脳状態である活性(不活性)が予め定めたしきい値より高い場合には、ステップS14に移行する。つまり、ユーザが不快と感じており、かつ、ユーザの脳が活性していると判定(Yes)すると、ステップS14に移行する。
【0040】
なお、上述した
図2の変更点であるステップS13のYesの判定では、ユーザが不快と感じており、かつ、ユーザの脳が活性していると判定した場合としたがこれに限定されない。判定部22は、ステップS13でのYesの判定において、ユーザが快適又は不快と感じているとき、ユーザの脳が活性又は不活性であるときをどのように組み合わせてもよい。
【0041】
また、
図2のステップS14の所定時間経過の判定を行っている間、別に本情報処理方法を実行させてもよい。これにより、所定時間経過を待つ間、本情報処理方法の実行の停止を防ぐことができる。さらに、
図2の情報処理方法はエンドへ進んだ後、所定のサンプリング周期で繰り返すとしたがこれに限定されない。
図2の情報処理方法は、エンドへ進む前であっても、所定のサンプリング周期で繰り返してもよい。すなわち、本情報処理方法は、別にスレッドでシーケンスを起動してもよい。
【0042】
また、上述の説明では、記憶部24を用いたが、計測部12による脳細胞からの脳波読み出し時間を遅延時間である所定時間の奇数分の1倍することで、出力部14は、記憶部24を経由することなく、遅延部23から指令信号を受けて直接脳波の電気信号をユーザにフィードバックすることができる。また、脳情報取得部21は、脳細胞から脳波を取得して脳細胞にフィードバックしたが、頭皮から脳波を取得し、頭皮に脳波をフィードバックしてもよい。
【0043】
[本実施形態の作用効果]
本実施形態の情報処理装置は、ユーザ(対象者)の脳情報を取得する脳情報取得部21と、ユーザに対して脳情報取得部21が取得した脳情報を出力する出力部14と、出力部14がユーザに対して脳情報を出力する時期を予め設定された所定期間だけ遅延させる遅延部23とを備える。
【0044】
そのため、対象者は、現在の思考が所定期間だけ遅延して入力されるこことなり、複雑な伝達関数を用いることなく脳活動を制御することができる。
【0045】
本実施形態の情報処理装置は、遅延部23が脳情報を遅延させて出力する所定期間を200msec~500msecとする。そのため、対象者は適切な所定期間だけ遅延して思考が入力されるこことなり、脳活動を効果的に制御することができる。
【0046】
本実施形態の情報処理装置は、脳情報取得部21が取得した脳情報を記憶する記憶部24を有し、遅延部23は、記憶部24に記憶された脳情報を所定期間だけ遅延させて出力する。そのため、脳情報取得部21が取得した脳情報を正確にユーザの脳に出力することができる。
【0047】
これまで本発明に係る情報処理装置について説明したが、上述した実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。
【0048】
図示した情報処理装置の各構成要素は、機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていなくてもよい。すなわち、各装置の具体的形態は、図示のものに限られず、各装置の処理負担や使用状況などに応じて、その全部または一部を任意の単位で機能的または物理的に分散または統合してもよい。
【0049】
情報処理装置の構成は、例えば、ソフトウェアとして、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。上記実施形態では、これらのハードウェアまたはソフトウェアの連携によって実現される機能ブロックとして説明した。すなわち、これらの機能ブロックについては、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、または、それらの組み合わせによって種々の形で実現できる。
【0050】
上記した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものを含む。さらに、上記した構成は適宜組み合わせが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において構成の種々の省略、置換または変更が可能である。
【符号の説明】
【0051】
10 情報処理装置
11 入力部
12 計測部
13 制御部
14 出力部
21 脳情報取得部
22 判定部
23 遅延部
24 記憶部