(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129631
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G05B 23/02 20060101AFI20240919BHJP
【ＦＩ】
G05B23/02 302Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2023038960
(22)【出願日】2023-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂下 将太
【テーマコード（参考）】
3C223
【Ｆターム（参考）】
3C223AA12
3C223BA03
3C223BB08
3C223CC02
3C223DD03
3C223EB05
3C223FF13
3C223FF35
3C223GG01
3C223HH02
3C223HH03
3C223HH07
3C223HH08
3C223HH15
(57)【要約】
【課題】評価対象動画に写る生産設備の動作が正常範囲内であるか否かを容易に判断できる情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置は、対象動作を繰り返し実行する生産設備が写る、対象動作ごとの複数の動画の中から、対象動作が正常であるときの２以上の動画を２以上の正常動画として選択する選択部と、２以上の正常動画に対して半透明化処理を含む第１画像処理を行なうことにより２以上の第１処理済動画を生成し、２以上の第１処理済動画を重ね合わせることにより合成動画を生成する第１処理部と、合成動画と評価対象動画とが重ね合わされて再生される画面を示す画面データを出力する出力部とを備える。
【選択図】図１
【解決手段】情報処理装置は、対象動作を繰り返し実行する生産設備が写る、対象動作ごとの複数の動画の中から、対象動作が正常であるときの２以上の動画を２以上の正常動画として選択する選択部と、２以上の正常動画に対して半透明化処理を含む第１画像処理を行なうことにより２以上の第１処理済動画を生成し、２以上の第１処理済動画を重ね合わせることにより合成動画を生成する第１処理部と、合成動画と評価対象動画とが重ね合わされて再生される画面を示す画面データを出力する出力部とを備える。
【選択図】図１
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、
対象動作を繰り返し実行する生産設備が写る、前記対象動作ごとの複数の動画の中から、前記対象動作が正常であるときの２以上の動画を２以上の正常動画として選択する選択部と、
前記２以上の正常動画に対して半透明化処理を含む第１画像処理を行なうことにより２以上の第１処理済動画を生成し、前記２以上の第１処理済動画を重ね合わせることにより合成動画を生成する第１処理部と、
前記合成動画と評価対象動画とが重ね合わされて再生される画面を示す画面データを出力する出力部とを備える、情報処理装置。
対象動作を繰り返し実行する生産設備が写る、前記対象動作ごとの複数の動画の中から、前記対象動作が正常であるときの２以上の動画を２以上の正常動画として選択する選択部と、
前記２以上の正常動画に対して半透明化処理を含む第１画像処理を行なうことにより２以上の第１処理済動画を生成し、前記２以上の第１処理済動画を重ね合わせることにより合成動画を生成する第１処理部と、
前記合成動画と評価対象動画とが重ね合わされて再生される画面を示す画面データを出力する出力部とを備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記選択部は、前記複数の動画の中から、前記対象動作が異常であるときの動画を異常動画として選択し、
前記評価対象動画は、前記異常動画、または、前記異常動画に対して第２画像処理が行われた動画を含む、請求項１に記載の情報処理装置。
前記評価対象動画は、前記異常動画、または、前記異常動画に対して第２画像処理が行われた動画を含む、請求項１に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記選択部は、前記複数の動画の中から、前記対象動作が異常であるときの２以上の動画を２以上の異常動画として選択し、
前記情報処理装置は、さらに、
前記２以上の異常動画に対して半透明化処理を含む第２画像処理を行なうことにより２以上の第２処理済動画を生成し、前記２以上の第２処理済動画を重ね合わせることにより前記評価対象動画を生成する第２処理部を備える、請求項１に記載の情報処理装置。
前記情報処理装置は、さらに、
前記２以上の異常動画に対して半透明化処理を含む第２画像処理を行なうことにより２以上の第２処理済動画を生成し、前記２以上の第２処理済動画を重ね合わせることにより前記評価対象動画を生成する第２処理部を備える、請求項１に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記画面において、前記合成動画の表示態様は、前記評価対象動画の表示態様と異なる、請求項１から３のいずれか１項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第１画像処理および前記第２画像処理は、エッジ強調処理および前記生産設備以外の背景部分を除去する処理の少なくとも一方を含む、請求項１または２に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第１処理部は、前記２以上の正常動画の各々に対応する第１時系列データセットにおいて、指定された条件が満たされる第１タイミングを特定し、
前記第１時系列データセットは、前記２以上の正常動画のうちの対応する正常動画の撮影期間の前記生産設備の状態を示し、
前記第１処理部は、前記第１タイミングが互いに一致するように前記２以上の第１処理済動画を重ね合わせることにより前記合成動画を生成する、請求項１から３のいずれか１項に記載の情報処理装置。
前記第１時系列データセットは、前記２以上の正常動画のうちの対応する正常動画の撮影期間の前記生産設備の状態を示し、
前記第１処理部は、前記第１タイミングが互いに一致するように前記２以上の第１処理済動画を重ね合わせることにより前記合成動画を生成する、請求項１から３のいずれか１項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記画面において、前記第１タイミングと、前記評価対象動画の撮影期間の前記生産設備の状態を示す第２時系列データセットにおいて前記指定された条件が満たされる第２タイミングとが一致するように、前記合成動画と前記評価対象動画とが再生される、請求項６に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記画面データは、前記第１時系列データセットと前記第２時系列データセットとを前記画面上に可視化するための情報を含む、請求項７に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記画面上には、前記合成動画と前記評価対象動画との一致度が表示される、請求項１から３のいずれか１項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
情報処理方法であって、
対象動作を繰り返し実行する生産設備が写る、前記対象動作ごとの複数の動画の中から、前記対象動作が正常であるときの２以上の動画を２以上の正常動画として選択することと、
前記２以上の正常動画に対して半透明化処理を含む第１画像処理を行なうことにより２以上の第１処理済動画を生成し、前記２以上の第１処理済動画を重ね合わせることにより合成動画を生成することと、
前記合成動画と評価対象動画とが重ね合わされて再生される画面を示す画面データを出力することとを備える、情報処理方法。
対象動作を繰り返し実行する生産設備が写る、前記対象動作ごとの複数の動画の中から、前記対象動作が正常であるときの２以上の動画を２以上の正常動画として選択することと、
前記２以上の正常動画に対して半透明化処理を含む第１画像処理を行なうことにより２以上の第１処理済動画を生成し、前記２以上の第１処理済動画を重ね合わせることにより合成動画を生成することと、
前記合成動画と評価対象動画とが重ね合わされて再生される画面を示す画面データを出力することとを備える、情報処理方法。
【請求項11】
情報処理方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記情報処理方法は、
対象動作を繰り返し実行する生産設備が写る、前記対象動作ごとの複数の動画の中から、前記対象動作が正常であるときの２以上の動画を２以上の正常動画として選択することと、
前記２以上の正常動画に対して半透明化処理を含む第１画像処理を行なうことにより２以上の第１処理済動画を生成し、前記２以上の第１処理済動画を重ね合わせることにより合成動画を生成することと、
前記合成動画と評価対象動画とが重ね合わされて再生される画面を示す画面データを出力することとを含む、プログラム。
前記情報処理方法は、
対象動作を繰り返し実行する生産設備が写る、前記対象動作ごとの複数の動画の中から、前記対象動作が正常であるときの２以上の動画を２以上の正常動画として選択することと、
前記２以上の正常動画に対して半透明化処理を含む第１画像処理を行なうことにより２以上の第１処理済動画を生成し、前記２以上の第１処理済動画を重ね合わせることにより合成動画を生成することと、
前記合成動画と評価対象動画とが重ね合わされて再生される画面を示す画面データを出力することとを含む、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
製造業において、生産設備の異常な動作の確認のために、生産設備の動画を再生する情報処理装置が利用される（特開２０２０－１３５２８号公報（特許文献１）参照）。情報処理装置のユーザは、正常に動作しているときの生産設備の動画と、評価対象動画とを比較することにより、評価対象動画に写る生産設備の異常な動作を確認しやすくなる。特開２００４－１３４８９１号公報（特許文献２）は、複数の異なる動画を容易に比較できるように、当該複数の異なる動画を重ねて表示する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開２０２０－１３５２８号公報
【特許文献2】特開２００４－１３４８９１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
生産設備が正常に動作しているときであっても、動作ごとに生産設備の状態が異なり得る。そのため、正常に動作しているときの１つの動画と評価対象動画とが重ねて表示されたとしても、ユーザは、評価対象動画に写る生産設備の動作が正常範囲内であるのか否かを判断できない。
【0005】
本開示は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、評価対象動画に写る生産設備の動作が正常範囲内であるか否かをユーザが容易に判断できる情報処理装置、情報処理方法およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一例によれば、情報処理装置は、選択部と、第１処理部と、出力部とを備える。選択部は、対象動作を繰り返し実行する生産設備が写る、対象動作ごとの複数の動画の中から、対象動作が正常であるときの２以上の動画を２以上の正常動画として選択する。第１処理部は、２以上の正常動画に対して半透明化処理を含む第１画像処理を行なうことにより２以上の第１処理済動画を生成し、２以上の第１処理済動画を重ね合わせることにより合成動画を生成する。出力部は、合成動画と評価対象動画とが重ね合わされて再生される画面を示す画面データを出力する。
【0007】
この開示によれば、画面において、２以上の正常動画を半透明化したうえで重ね合わせることにより得られる合成動画が再生される。そのため、ユーザは、合成動画を確認することにより、正常に動作しているときの生産設備のぶれを把握できる。当該ぶれは、生産設備の動作の正常範囲を表している。その結果、ユーザは、画面を確認することにより、評価対象動画内の生産設備の動作が正常範囲内であるか否かを容易に判断できる。
【0008】
上述の開示において、選択部は、複数の動画の中から、対象動作が異常であるときの動画を異常動画として選択する。評価対象動画は、異常動画、または、異常動画に対して第２画像処理が行われた動画を含む。
【0009】
この開示によれば、ユーザは、画面を確認することにより、異常な対象動作のうち正常範囲から外れる動作部分を容易に把握できる。
【0010】
上述の開示において、選択部は、複数の動画の中から、対象動作が異常であるときの２以上の動画を２以上の異常動画として選択する。情報処理装置は、さらに、２以上の異常動画に対して半透明化処理を含む第２画像処理を行なうことにより２以上の第２処理済動画を生成し、２以上の第２処理済動画を重ね合わせることにより評価対象動画を生成する第２処理部を備える。
【0011】
この開示によれば、ユーザは、２以上の異常動画の各々の生産設備の動作が正常範囲内であるか否かを判断できる。
【0012】
上述の開示において、画面において、合成動画の表示態様は、評価対象動画の表示態様と異なる。
【0013】
この開示によれば、ユーザは、合成動画に写る生産設備の動作と、評価対象動画に写る生産設備の動作とを容易に区別できる。
【0014】
上述の開示において、第１画像処理および第２画像処理は、エッジ強調処理および生産設備以外の背景部分を除去する処理のすくなくとも一方を含む。
【0015】
この開示によれば、エッジ強調処理が行なわれる場合、生産設備の輪郭が強調される。これにより、撮影時の照明環境（例えば、明るさまたは光の当たり方を含む）に起因する、動画に写る生産設備の輪郭のぶれが軽減される。また、生産設備以外の背景部分を除去する処理が行なわれる場合、ユーザは、動画に写る生産設備の動作を把握しやすくなる。
【0016】
上述の開示において、第１処理部は、２以上の正常動画の各々に対応する第１時系列データセットにおいて、指定された条件が満たされる第１タイミングを特定する。第１時系列データセットは、２以上の正常動画のうちの対応する正常動画の撮影期間の生産設備の状態を示す。第１処理部は、第１タイミングが互いに一致するように２以上の第１処理済動画を重ね合わせることにより合成動画を生成する。
【0017】
この開示によれば、２以上の第１処理済動画の時刻合わせが自動的に行なわれる。その結果、ユーザは、２以上の第１処理済動画の時刻合わせの手間を省くことができる。
【0018】
上述の開示において、画面において、第１タイミングと、評価対象動画の撮影期間の生産設備の状態を示す第２時系列データセットにおいて指定された条件が満たされる第２タイミングとが一致するように、合成動画と評価対象動画とが再生される。
【0019】
この開示によれば、合成動画と評価対象動画との時刻合わせが自動的に行なわれる。その結果、ユーザは、合成動画と評価対象動画との時刻合わせの手間を省くことができる。
【0020】
上述の開示において、画面データは、第１時系列データセットと第２時系列データセットとを画面上に可視化するための情報を含む。この開示によれば、ユーザは、動画の撮影期間における生産設備の状態の推移を把握できる。
【0021】
上述の開示において、画面上には、合成動画と評価対象動画との一致度が表示される。この開示によれば、ユーザは、評価対象動画に写る生産設備の動作が正常時の動作からのずれ具合を把握できる。
【0022】
本開示の別の例によれば、情報処理方法は、対象動作を繰り返し実行する生産設備が写る、対象動作ごとの複数の動画の中から、対象動作が正常であるときの２以上の動画を２以上の正常動画として選択することと、２以上の正常動画に対して半透明化処理を含む第１画像処理を行なうことにより２以上の第１処理済動画を生成し、２以上の第１処理済動画を重ね合わせることにより合成動画を生成することと、合成動画と評価対象動画とが重ね合わされて再生される画面を示す画面データを出力することとを備える。
【0023】
本開示のさらに別の例によれば、プログラムは、情報処理方法をコンピュータに実行させる。情報処理方法は、対象動作を繰り返し実行する生産設備が写る、対象動作ごとの複数の動画の中から、対象動作が正常であるときの２以上の動画を２以上の正常動画として選択することと、２以上の正常動画に対して半透明化処理を含む第１画像処理を行なうことにより２以上の第１処理済動画を生成し、２以上の第１処理済動画を重ね合わせることにより合成動画を生成することと、合成動画と評価対象動画とが重ね合わされて再生される画面を示す画面データを出力することとを含む。
【0024】
これらの開示によっても、ユーザは、評価対象の動画に写る生産設備の動作が正常範囲内であるか否かを容易に判断できる。
【発明の効果】
【0025】
本開示によれば、ユーザは、評価対象の動画に写る生産設備の動作が正常範囲内であるか否かを容易に判断できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】実施の形態に係る情報処理装置を含む製造システムの一例を模式的に例示する図である。
【図2】実施の形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す模式図である。
【図3】実施の形態に従うＰＬＣのハードウェア構成の一例を示す模式図である。
【図4】ログデータの一例を示す図である。
【図5】時系列データセットの一例を示す図である。
【図6】実施の形態に係る情報処理装置およびＰＬＣのモジュール構成の一例を示す模式図である。
【図7】動画処理部の処理を説明する図である。
【図8】第１の処理例の流れを示すフローチャートである。
【図9】第２の処理例の流れを示すフローチャートである。
【図10】第３の処理例の流れを示すフローチャートである。
【図11】情報処理装置から出力される画面に含まれるウィンドウの一例を示す図である。
【図12】情報処理装置から出力される画面に含まれる別のウィンドウの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。本明細書において、特に示さない限り、「または」の用語は、「または」の意味に加えて、「および」の意味を包含する。
【0028】
§１ 適用例
図１は、実施の形態に係る情報処理装置を含む製造システムの一例を模式的に例示する図である。図１に示すように、実施の形態に係る製造システム１は、情報処理装置１００と、ＰＬＣ（Programmable Logic Controller）２００と、カメラ３００と、生産設備４００とを備える。
図１は、実施の形態に係る情報処理装置を含む製造システムの一例を模式的に例示する図である。図１に示すように、実施の形態に係る製造システム１は、情報処理装置１００と、ＰＬＣ（Programmable Logic Controller）２００と、カメラ３００と、生産設備４００とを備える。
【0029】
生産設備４００は、物の製造に関する設備であり、加工、検査、搬送、または組み立てなどの処理を行う。生産設備４００は、複数の機器で構成されてもよいし、１つの機器で構成されてもよい。生産設備４００は、製造に関する対象動作を繰り返し実行する。例えば、図１に示す生産設備４００は、ハンドを有する多関節ロボットを含み、対象物のピックアンドプレース動作を繰り返し実行する。なお、生産設備４００は、多関節ロボットに限定されず、各種の動作を行なう機構を含み得る。
【0030】
ＰＬＣ２００は、予め作成された制御プログラムに従って、対象動作（例えば、対象物のピックアンドプレース動作）を繰り返し実行するように生産設備４００を制御する。ＰＬＣ２００は、生産設備４００を制御するために、予め定められた制御周期毎に入出力データ（以下、「ＩＯデータ」と称する）を取得（収集）する。ＩＯデータは、生産設備４００からＰＬＣ２００へ転送される入力データと、生産設備４００へ出力される出力データとを含む。さらに、ＩＯデータは、制御演算によって算出される各種のデータを含み得る。
【0031】
さらに、ＰＬＣ２００は、生産設備４００の対象動作の開始タイミングにおいて、カメラ３００に撮影開始指示を出力し、対象動作の終了タイミングにおいて、カメラ３００に撮影終了指示を出力する。
【0032】
カメラ３００は、生産設備を撮影することにより得られる動画データ（以下、単に「動画５０」と称する）を情報処理装置１００に出力する。カメラ３００は、ＰＬＣ２００から撮影開始指示を受けると撮影を開始し、撮影終了指示を受けると撮影を終了し、撮影により得られる動画５０を出力する。上述したように、撮影開始指示は、生産設備４００の対象動作の開始タイミングにおいて出力され、撮影終了指示は、対象動作の終了タイミングにおいて出力される。そのため、カメラ３００は、対象動作ごとに動画５０を生成する。
【0033】
情報処理装置１００は、カメラ３００から受けた動画５０を蓄積する記憶部１０を備え、以下の処理（１）～（３）を行なう。
【0034】
処理（１）において、情報処理装置１００は、記憶部１０に蓄積された複数の動画５０の中から、対象動作が正常であるときの２以上の動画５０を２以上の正常動画５２として選択する。さらに、情報処理装置１００は、対象動作が異常であるときの動画５０（以下、「異常動画５４」と称する）を評価対象動画として選択する。
【0035】
処理（２）において、情報処理装置１００は、２以上の正常動画５２に対して半透明化処理を含む第１画像処理を行なうことにより２以上の第１処理済動画を生成し、２以上の第１処理済動画を重ね合わせることにより合成動画５２ｂを生成する。
【0036】
処理（３）において、情報処理装置１００は、合成動画５２ｂと評価対象動画（図１に示す例では異常動画５４）とが重ね合わされて再生される画面６０を示す画面データを出力する。図１に示す例では、画面６０において、合成動画５２ｂの生産設備４００が破線で示され、評価対象動画である異常動画５４の生産設備４００が実線で示されている。
【0037】
本実施の形態によれば、画面６０において、合成動画５２ｂが再生される。合成動画５２ｂは、２以上の正常動画５２を半透明化したうえで重ね合わせることにより得られる。そのため、合成動画５２ｂを確認することにより、生産設備４００が正常に動作しているときの生産設備４００のぶれを把握できる。当該ぶれは、生産設備４００の動作の正常範囲を表している。その結果、ユーザは、画面６０を確認することにより、評価対象動画内の生産設備４００の動作が正常範囲内であるか否かを容易に判断できる。
【0038】
例えば、図１に示す画面６０では、異常動画５４に写るハンド４１の位置は、合成動画５２ｂにおいてハンド４１が写る範囲から外れている。そのため、ユーザは、ハンド４１の開き幅が正常範囲外であったために、対象物２が落下したことを認識できる。
【0039】
§２ 具体例
＜情報処理装置のハードウェア構成＞
図２は、実施の形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す模式図である。図２に示されるように、情報処理装置１００は、ＣＰＵ（Central Processing Unit）１１０と、ＤＲＡＭ（Dynamic Random Access Memory）などの揮発性の記憶装置で構成されるメモリ１１２と、不揮発性の記憶装置で構成されるハードディスク１１４と、入力インターフェイス１１８と、表示コントローラ１２０と、通信インターフェイス１２４と、データリーダ／ライタ１２６とを含む。これらの各部は、バス１２８を介して互いにデータ通信が可能なように接続されている。
＜情報処理装置のハードウェア構成＞
図２は、実施の形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す模式図である。図２に示されるように、情報処理装置１００は、ＣＰＵ（Central Processing Unit）１１０と、ＤＲＡＭ（Dynamic Random Access Memory）などの揮発性の記憶装置で構成されるメモリ１１２と、不揮発性の記憶装置で構成されるハードディスク１１４と、入力インターフェイス１１８と、表示コントローラ１２０と、通信インターフェイス１２４と、データリーダ／ライタ１２６とを含む。これらの各部は、バス１２８を介して互いにデータ通信が可能なように接続されている。
【0040】
ＣＰＵ１１０は、ハードディスク１１４に格納された解析プログラム１１６を読出して、メモリ１１２に展開する。ＣＰＵ１１０は、展開されたプログラムを実行する。ＣＰＵ１１０は、例えばマルチコアプロセッサであり、並列して複数の処理を実行可能である。なお、ハードディスク１１４の代わり、他の不揮発性の記憶装置（例えばＳＳＤ（Solid State Drive）など）が使用されてもよい。
【0041】
入力インターフェイス１１８は、ＣＰＵ１１０と、キーボード、マウスまたはタッチパネルなどの入力装置１３２との間のデータ伝送を仲介する。すなわち、入力インターフェイス１１８は、後述する各種のユーザ入力を示すデータを入力装置１３２から受け付け、受け付けたデータをＣＰＵ１１０に伝送する。表示コントローラ１２０は、ディスプレイ１２２と接続され、ＣＰＵ１１０における処理の結果などをディスプレイ１２２に表示する。通信インターフェイス１２４は、ＰＬＣ２００およびカメラ３００と通信する。データリーダ／ライタ１２６は、ＣＰＵ１１０と外部の記憶媒体１３０との間のデータ伝送を仲介する。記憶媒体１３０は、揮発性記憶媒体、不揮発性記憶媒体、ＣＦ（Compact Flash）もしくはＳＤ（Secure Digital）などの汎用的な半導体記憶デバイス、フレキシブルディスク（Flexible Disk）などの磁気記憶媒体、またはＣＤ－ＲＯＭ（Compact Disk Read Only Memory）などの光学記憶媒体を含む。
【0042】
解析プログラム１１６は、単体のプログラムとしてではなく、任意のプログラムの一部に組み込まれて提供されてもよい。この場合、任意のプログラムと協働して本実施の形態に従う処理が実現される。また、解析プログラム１１６によって提供される機能の一部または全部は、専用のハードウェア回路（例えば、ＡＳＩＣ（Application Specific Integrated Circuit）、またはＦＰＧＡ（Field-Programmable Gate Array））によって実現されてもよい。
【0043】
＜ＰＬＣのハードウェア構成＞
図３は、実施の形態に従うＰＬＣのハードウェア構成の一例を示す模式図である。図３を参照して、ＰＬＣ２００は、主たるコンポーネントとして、ＰＬＣ２００の各部に電力ＰＷを供給する電源回路２０１と、ＣＰＵ２０２と、チップセット２０４と、主に揮発性記憶媒体を含むメモリ２０６と、主に不揮発性記憶媒体からなるストレージ２０８と、ＵＳＢコントローラ２５０と、フィールドネットワークコントローラ２５２と、ネットワークコントローラ２５４と、タイマ２６０とを含む。
図３は、実施の形態に従うＰＬＣのハードウェア構成の一例を示す模式図である。図３を参照して、ＰＬＣ２００は、主たるコンポーネントとして、ＰＬＣ２００の各部に電力ＰＷを供給する電源回路２０１と、ＣＰＵ２０２と、チップセット２０４と、主に揮発性記憶媒体を含むメモリ２０６と、主に不揮発性記憶媒体からなるストレージ２０８と、ＵＳＢコントローラ２５０と、フィールドネットワークコントローラ２５２と、ネットワークコントローラ２５４と、タイマ２６０とを含む。
【0044】
ＣＰＵ２０２は、ストレージ２０８に格納された制御プログラム２１４を読出して、メモリ２０６に展開する。ＣＰＵ２０２は、予め定められた制御周期で展開されたプログラムを繰り返し実行することで、生産設備４００を制御するための制御演算処理を実現する。
【0045】
ＣＰＵ２０２は、ストレージ２０８に格納されたＩＯリフレッシュプログラム２１５を読出して、メモリ２０６に展開する。ＣＰＵ２０２は、予め定められた制御周期で展開されたプログラムを実行することでＩＯデータ２２０の収集処理とログデータ２２４の生成処理とを実現する。ＩＯデータ２２０は、生産設備４００から受ける入力データと、生産設備４００への出力データとを含む。ＩＯデータ２２０は、上記の制御演算処理に利用され得る。
【0046】
図４は、ログデータの一例を示す図である。図４に示されるように、ログデータ２２４は、生産設備４００において発生したイベントごとに、発生日時と、ステータスと、発生箇所と、内容とを示す。ＣＰＵ２０２は、ＩＯデータ２２０および制御演算結果に基づいてログデータ２２４を更新する。
【0047】
図３に示すＣＰＵ２０２は、ストレージ２０８に格納されたデータ収集プログラム２１６を読出して、メモリ２０６に展開する。ＣＰＵ２０２は、展開されたプログラムを解釈および実行することで、時系列データセット２２２の収集処理と、カメラ３００への撮影指示の出力処理とを実現する。撮影指示の出力処理は、撮影開始指示を出力する処理と、撮影終了指示を出力する処理とを含む。
【0048】
図５は、時系列データセットの一例を示す図である。図５に示されるように、時系列データセット２２２は、予め定められた制御周期ごとに、当該周期に対応する時刻（例えば周期の開始時刻）と、生産設備４００の状態を示す１以上の変数の値とを示す。当該１以上の変数は、設定情報２３０によって指定される。
【0049】
図３に示すメモリ２０６は、ＤＲＡＭまたはＳＲＡＭ（Static Random Access Memory)などの揮発性記憶装置で構成される。ストレージ２０８は、例えば、ＨＤＤ（Hard Disc Drive）、ＳＳＤ（Solid State Drive）、またはフラッシュメモリの不揮発性記憶装置で構成されるが、一部は、揮発性ストレージで構成されてもよい。
【0050】
チップセット２０４は、ＣＰＵ２０２と各コンポーネントとの間のデータの遣り取りを仲介することで、ＰＬＣ２００全体としての処理を実現する。
【0051】
ストレージ２０８には、ＰＬＣ２００の基本的な機能を実現するためのＯＳ（Operating System）２１２およびスケジューラプログラム２１３を有するシステムプログラム２１１に加えて、制御対象に応じて作成される制御プログラム２１４と、ＩＯリフレッシュプログラム２１５とが格納される。ストレージ２０８には、さらに、データ収集プログラム２１６が格納される。さらに、ストレージ１０８は、ＩＯデータ２２０と、時系列データセット２２２と、ログデータ２２４と、設定情報２３０とが格納される領域を有する。設定情報２３０は、情報処理装置１００によって生成される。
【0052】
ＵＳＢコントローラ２５０は、ＵＳＢ接続を介して外部の装置（情報処理装置１００およびカメラ３００を含む）との間のデータの遣り取りを担当する。なお、カメラ３００とＰＬＣ２００との間のデータの遣り取りは、フィールドネットワークコントローラ２５２またはネットワークコントローラ２５４を介して行なわれてもよい。
【0053】
フィールドネットワークコントローラ２５２は、生産設備４００が属するフィールドネットワークを接続するコネクタ２５２ａを有し、ＰＬＣ２００とフィールドネットワークを介した生産設備４００との間のデータの遣り取りを制御する。フィールドネットワークコントローラ２５２は、フィールドネットワークから受信する入力データおよびＰＬＣ２００からフィールドネットワークに出力される出力データを格納する内部バッファを有する。当該入力データおよび出力データは、ＩＯデータ２２０に含まれる。
【0054】
ネットワークコントローラ２５４は、上位ネットワークを接続するコネクタ２５４ａを有し、ＰＬＣ２００と外部の装置（例えば、製造実行システム（Manufacturing Execution System（ＭＥＳ））との間のデータの遣り取りを制御する。
【0055】
タイマ２６０は、時間を計測するクロック回路またはカウンタ回路を含んで構成されるが、このような回路に限定されず、ＣＰＵ２０２が実行するソフトウェアモジュールにより構成されてもよい。
【0056】
図３には、ＣＰＵ２０２がプログラムを実行することで必要な機能が提供される構成例を示したが、これらの提供される機能の一部または全部を、専用のハードウェア回路（例えば、ＡＳＩＣまたはＦＰＧＡ）を用いて実装してもよい。あるいは、ＰＬＣ２００の主要部を、汎用的なアーキテクチャに従うハードウェア（例えば、汎用パソコンをベースとした産業用パソコン）を用いて実現してもよい。この場合には、マルチコア技術を適用して処理を並列に実行してもよい。または、仮想化技術を用いて、用途の異なる複数のＯＳを並列的に実行させるとともに、各ＯＳ上で必要なアプリケーションを実行させるようにしてもよい。
【0057】
＜モジュール構成＞
図６は、実施の形態に係る情報処理装置およびＰＬＣのモジュール構成の一例を示す模式図である。図６に示されるように、ＰＬＣ２００は、制御部２０と、データ収集部２２とを含む。制御部２０は、図３に示すＣＰＵ２０２が制御プログラム２１４およびＩＯリフレッシュプログラム２１５を実行することにより実現される。データ収集部２２は、ＣＰＵ２０２がデータ収集プログラム２１６を実行することにより実現される。
図６は、実施の形態に係る情報処理装置およびＰＬＣのモジュール構成の一例を示す模式図である。図６に示されるように、ＰＬＣ２００は、制御部２０と、データ収集部２２とを含む。制御部２０は、図３に示すＣＰＵ２０２が制御プログラム２１４およびＩＯリフレッシュプログラム２１５を実行することにより実現される。データ収集部２２は、ＣＰＵ２０２がデータ収集プログラム２１６を実行することにより実現される。
【0058】
制御部２０は、予め定められた制御周期ごとに、生産設備４００から各種の変数の値（例えばセンサの計測値など）を示す入力データを受け、生産設備４００を制御するための制御演算を行なう。さらに、制御部２０は、制御演算により得られる各種の変数の値（例えば指令値など）を示す出力データを生産設備４００に出力する。このようにして、制御部２０は、制御周期ごとに、入力データと出力データとを含むＩＯデータ２２０を収集する。
【0059】
さらに、制御部２０は、収集されたＩＯデータ２２０に基づいて、ログデータ２２４を更新する。具体的には、制御部２０は、各イベントに関する変数の値に基づいて異常発生の有無を判断し、判断結果に応じてログデータ２２４を更新する。制御部２０は、更新されたログデータ２２４を情報処理装置１００に出力する。
【0060】
データ収集部２２は、情報処理装置１００によって設定された設定情報２３０（図３参照）に基づいて、生産設備４００が繰り返し実行する対象動作ごとの時系列データセット２２２を生成する。データ収集部２２は、生成した時系列データセット２２２を情報処理装置１００に出力する。
【0061】
さらに、データ収集部２２は、生産設備４００が繰り返し実行する対象動作ごとの動画の撮影をカメラ３００に指示する。すなわち、データ収集部２２は、生産設備４００が対象動作を開始するタイミングに撮影開始指示をカメラ３００に出力し、生産設備４００が対象動作を終了するタイミングに撮影終了指示をカメラ３００に出力する。さらに、データ収集部２２は、動画の出力をカメラ３００に指示する。データ収集部２２は、設定情報２３０に従って、動画の出力先として情報処理装置１００を指定する。これにより、カメラ３００は、対象動作ごとに動画５０を生成し、生成した動画５０を情報処理装置１００に出力する。
【0062】
図６に示されるように、情報処理装置１００は、記憶部１０と、設定部１１と、処理部１２と、出力部１３とを含む。記憶部１０は、図２に示すメモリ１１２およびハードディスク１１４によって実現される。設定部１１、処理部１２および出力部１３は、図２に示すＣＰＵ１１０が解析プログラム１１６を実行することにより実現される。
【0063】
記憶部１０は、対象動作ごとの時系列データセット２２２と、ログデータ２２４と、対象動作ごとの動画５０とを記憶する。時系列データセット２２２およびログデータ２２４は、ＰＬＣ２００から伝送される。動画５０は、カメラ３００から伝送される。
【0064】
設定部１１は、時系列データセット２２２および動画５０の収集に関する設定、および、処理部１２の処理対象に関する設定を行なう。設定部１１は、選択部１１ａと、収集データ設定部１１ｂと、カメラ設定部１１ｃとを含む。
【0065】
収集データ設定部１１ｂは、時系列データセット２２２の収集に関する設定を行なう。具体的には、収集データ設定部１１ｂは、ユーザ入力に応じて、対象動作の開始タイミングおよび終了タイミングを指定する情報を含む設定情報２３０を生成し、生成した設定情報２３０をＰＬＣ２００に出力する。これにより、ＰＬＣ２００のデータ収集部２２は、設定情報２３０に従って、対象動作ごとの時系列データセット２２２を収集する。
【0066】
例えば、ＰＬＣ２００が図示しない製造実行システムから対象動作の開始信号および終了信号を受けて対象動作に関する制御を行なう場合、ユーザは、当該開始信号および終了信号を受けるタイミングを対象動作の開始タイミングおよび終了タイミングとして入力すればよい。あるいは、ユーザは、対象動作の開始のときに値が変化する変数と当該変数の変化の特徴とを開始タイミングに関する情報として入力し、対象動作の終了のときに値が変化する変数と当該変数の変化の特徴とを終了タイミングに関する情報として入力してもよい。
【0067】
さらに、収集データ設定部１１ｂは、ユーザ入力に応じて、ＩＯデータ２２０によって示される複数の変数のうち、時系列データセット２２２によって値が示される１以上の変数を指定する情報を設定情報２３０に含める。これにより、ＰＬＣ２００のデータ収集部２２は、設定情報２３０に従って、生産設備４００が対象動作を行なっている期間内に収集されたＩＯデータ２２０によって示される複数の変数の値のうち、指定された１以上の変数の値の推移を示す時系列データセット２２２を生成する。
【0068】
カメラ設定部１１ｃは、ユーザ入力に応じて、カメラ３００の撮影条件を設定する。設定された撮影条件は、ＰＬＣ２００に出力される。ＰＬＣ２００は、指定された撮影条件に従った撮影指示をカメラ３００に出力する。これにより、カメラ３００は、指定された撮影条件で撮影を行なう。
【0069】
さらに、カメラ設定部１１ｃは、製造システム１（図１参照）が複数のカメラを備える場合、ユーザ入力に応じて、当該複数のカメラの中からカメラ３００を指定し、指定したカメラ３００のＩＤをＰＬＣ２００に出力する。ＰＬＣ２００は、設定情報２３０に従って、対象動作ごとの動画を撮影する指示を当該ＩＤのカメラ３００に出力する。
【0070】
選択部１１ａは、ユーザ入力に応じて、表示対象となる動画５０および時系列データセット２２２を選択する。
【0071】
具体的には、選択部１１ａは、ユーザ入力に応じて、記憶部１０に格納された複数の動画５０の中から、生産設備４００の対象動作が正常であるときの２以上の正常動画５２を表示対象として選択する。例えば、選択部１１ａは、各動画５０の撮影期間とログデータ２２４とに基づいて、内容が異常を示すイベントが発生していない撮影期間の第１リストを生成し、ユーザ入力に応じて、第１リストから複数の撮影期間（以下、「正常動作期間」と称する）を選択する。選択部１１ａは、複数の正常動作期間の各々に対応する動画５０を正常動画５２として選択する。
【0072】
選択部１１ａは、ユーザ入力に応じて、記憶部１０に格納された複数の動画５０の中から、生産設備４００の対象動作が異常であるときの１以上の異常動画５４を表示対象として選択する。例えば、選択部１１ａは、各動画５０の撮影期間とログデータ２２４とに基づいて、内容が異常を示すイベントが発生した撮影期間の第２リストを生成し、ユーザ入力に応じて、第２リストから１以上の撮影期間（以下、「異常動作期間」と称する）を選択する。選択部１１ａは、１以上の異常動作期間の各々に対応する動画５０を異常動画５４として選択する。
【0073】
さらに、選択部１１ａは、選択した２以上の正常動画５２および１以上の異常動画５４の各々に対応する時系列データセット２２２を表示対象として選択する。すなわち、選択部１１ａは、複数の正常動作期間および１以上の異常動画５４の各々に対応する時系列データセット２２２を選択する。以下、各正常動作期間の時系列データセット２２２を第１時系列データセット２２２ａと称し、各異常動作期間の時系列データセット２２２を第２時系列データセット２２２ｂと称する。
【0074】
選択部１１ａは、２以上の正常動画５２、１以上の異常動画５４、２以上の第１時系列データセット２２２ａ、および１以上の第２時系列データセット２２２ｂを記憶部１０から読み出し、処理部１２に出力する。
【0075】
処理部１２は、選択部１１ａによって選択された、２以上の正常動画５２、１以上の異常動画５４、２以上の第１時系列データセット２２２ａ、および１以上の第２時系列データセット２２２ｂに対する処理を行なう。処理部１２は、時刻調整部１２ａと、動画処理部１２ｂとを含む。
【0076】
時刻調整部１２ａは、２以上の第１時系列データセット２２２ａおよび１以上の第２時系列データセット２２２ｂの時刻を調整する。
【0077】
例えば、時刻調整部１２ａは、２以上の第１時系列データセット２２２ａおよび１以上の第２時系列データセット２２２ｂの各々について、開始時刻が基準時刻（例えば００：００）となるように時刻を調整する。
【0078】
あるいは、時刻調整部１２ａは、２以上の第１時系列データセット２２２ａおよび１以上の第２時系列データセット２２２ｂの各々について、指定された条件（以下、「時刻合わせ条件」と称する）が満たされるタイミングを特定する。時刻合わせ条件は、ユーザ入力に従って指定される。例えば、時刻合わせ条件は、指定された変数（例えば、生産設備４００に含まれる多関節ロボットの第１関節の位置）の値が第１指定値から第２指定値に変化するという条件である。時刻調整部１２ａは、特定したタイミングが基準時刻となるように、２以上の第１時系列データセット２２２ａおよび１以上の第２時系列データセット２２２ｂの時刻を調整する。
【0079】
動画処理部１２ｂは、２以上の正常動画５２に対する処理を行なう第１処理部１２ｂ１と、１以上の異常動画５４に対する処理を行なう第２処理部１２ｂ２とを含む。
【0080】
図７は、動画処理部の処理を説明する図である。図７に示されるように、第１処理部１２ｂ１は、正常動画５２＿１～５２＿ｎに対して半透明化処理を含む第１画像処理を行なうことにより第１処理済動画５２ａ＿１～５２ａ＿ｎを生成する。ｎは、正常動画５２の個数であり、２以上の整数である。半透明化処理において、透明度α１は、例えば１／ｎに設定されるが、これに限られない。透明度α１は、異常動画５４の撮像時刻と正常動画５２の撮像時刻との差に応じて、段階的または連続的に設定可能であってもよい。例えば、透明度α１は、上記差が小さいほど小さく設定されてもよい。
【0081】
次に、第１処理部１２ｂ１は、第１処理済動画５２ａ＿１～５２ａ＿ｎを重ね合わせることにより合成動画５２ｂを生成する。
【0082】
例えば、第１処理部１２ｂ１は、第１処理済動画５２ａ＿１～５２ａ＿ｎの各々について、１番目のフレームの時刻が基準時刻（例えば００：００）となるように各フレームの時刻を調整する。その後、第１処理部１２ｂ１は、第１処理済動画５２ａ＿１～５２ａ＿ｎの同一時刻のフレームを重ね合わせることにより、合成動画５２ｂを生成する。
【0083】
あるいは、時刻合わせ条件が指定された場合、第１処理部１２ｂ１は、正常動画５２＿１～５２＿ｎの各々について、撮影期間の生産設備の状態を示す第１時系列データセット２２２ａにおいて時刻合わせ条件が満たされる第１タイミングを特定する。第１処理部１２ｂ１は、特定された第１タイミングが互いに一致するように第１処理済動画５２ａ＿１～５２ａ＿ｎを重ね合わせることにより合成動画５２ｂを生成する。具体的には、第１処理部１２ｂ１は、特定された第１タイミングに対応するフレームの時刻が基準時刻となるように第１処理済動画５２ａ＿１～５２ａ＿ｎの各フレームの時刻を調整する。その後、第１処理部１２ｂ１は、第１処理済動画５２ａ＿１～５２ａ＿ｎの同一時刻のフレームを重ね合わせることにより、合成動画５２ｂを生成する。
【0084】
第１画像処理は、エッジ強調処理および生産設備４００以外の背景部分を除去する処理の少なくとも一方を含んでもよい。
【0085】
第１画像処理がエッジ強調処理を含むことにより、正常動画５２＿１～５２＿ｎに写る生産設備４００の輪郭が強調される。その結果、撮影時の照明環境（例えば、明るさまたは光の当たり方を含む）に起因する、正常動画５２内の生産設備４００の輪郭のぶれが軽減される。なお、エッジ強調処理として公知の技術が用いられる。第１画像処理がエッジ強調処理を含む場合、エッジ強調処理は、半透明化処理の前に行なわれることが好ましい。なぜなら、明暗の差を低下させる半透明化処理の後にエッジ強調処理が行なわれると、エッジ強調処理におけるエッジ検出の精度が低下するためである。
【0086】
生産設備４００以外の背景部分を除去する処理は、正常動画５２＿１～５２＿ｎの各々について、生産設備４００の写る画素を特定する処理と、特定された画素以外の画素の濃度を０とする処理とを含む。生産設備４００の写る画素を特定する処理は、例えば生産設備４００のテンプレート画像を用いた公知の物体認識技術を用いて行なわれる。生産設備４００以外の背景部分を除去する処理が行なわれることにより、合成動画５２ｂにおいて背景部分が写らない。その結果、ユーザは、合成動画５２ｂを確認することにより、対象動作を行なうときの生産設備４００の正常範囲を把握しやすくなる。
【0087】
図６に示す第２処理部１２ｂ２は、１以上の異常動画５４から評価対象動画を生成する。
【0088】
選択部１１ａによって１つの異常動画５４が選択された場合、第２処理部１２ｂ２は、選択された異常動画５４を評価対象動画として生成してもよい。あるいは、第２処理部１２ｂ２は、選択された異常動画５４に対して第２画像処理を行ない、第２画像処理が行なわれた異常動画５４を評価対象動画として生成してもよい。
【0089】
第２画像処理は、例えば半透明化処理、エッジ強調処理および生産設備４００以外の背景部分を除去する処理の少なくとも１つを含む。
【0090】
第２画像処理がエッジ強調処理を含むことにより、異常動画５４に写る生産設備４００の輪郭が強調される。その結果、撮影時の照明環境（例えば、明るさまたは光の当たり方を含む）に起因する、異常動画５４内の生産設備４００の輪郭のぶれが軽減される。なお、第２画像処理が半透明化処理およびエッジ強調処理を含む場合、エッジ強調処理は、半透明化処理の前に行なわれることが好ましい。
【0091】
さらに、第２処理部１２ｂ２は、評価対象動画において、１番目のフレームの時刻が基準時刻（例えば００：００）となるように各フレームの時刻を調整する。あるいは、時刻合わせ条件が指定された場合、第２処理部１２ｂ２は、異常動画５４に対応する第２時系列データセット２２２ｂにおいて時刻合わせ条件が満たされる第２タイミングを特定する。そして、第２処理部１２ｂ２は、合成動画５２ｂにおける上記の第１タイミングと、特定した第２タイミングとが一致するように、異常動画５４の各フレームの時刻と調整する。具体的には、第２処理部１２ｂ２は、特定された第２タイミングに対応するフレームの時刻が基準時刻となるように異常動画５４の各フレームの時刻を調整する。
【0092】
選択部１１ａによって２以上の異常動画５４が選択された場合、第２処理部１２ｂ２は、第１処理部１２ｂ１と同様の処理に従って、２以上の異常動画５４から評価対象動画を生成してもよい。すなわち、図７に示されるように、第２処理部１２ｂ２は、異常動画５４＿１～５４＿ｍに対して半透明化処理を含む第２画像処理を行なうことにより第２処理済動画５４ａ＿１～５４ａ＿ｍを生成する。ｍは、異常動画５４の個数であり、２以上の整数である。半透明化処理において、透明度α２は、例えば１／ｍに設定されるが、これに限られない。透明度α２は、異常動画５４の撮像時刻と正常動画５２の撮像時刻との差に応じて、段階的または連続的に設定可能であってもよい。例えば、透明度α２は、上記差が小さいほど小さく設定されてもよい。さらに、第２画像処理は、エッジ強調処理および生産設備４００以外の背景部分を除去する処理の少なくとも一方を含んでもよい。
【0093】
次に、第２処理部１２ｂ２は、第２処理済動画５４ａ＿１～５４ａ＿ｍを重ね合わせることにより得られる合成動画５４ｂを評価対象動画として生成する。
【0094】
例えば、第２処理部１２ｂ２は、第２処理済動画５４ａ＿１～５４ａ＿ｍの各々について、１番目のフレームの時刻が基準時刻（例えば００：００）となるように各フレームの時刻を調整する。その後、第２処理部１２ｂ２は、第２処理済動画５４ａ＿１～５４ａ＿ｎの同一時刻のフレームを重ね合わせることにより、合成動画５４ｂを生成する。
【0095】
あるいは、時刻合わせ条件が指定された場合、第２処理部１２ｂ２は、異常動画５４＿１～５４＿ｍの各々について、対応する第２時系列データセット２２２ｂにおいて時刻合わせ条件が満たされる第２タイミングを特定する。第２処理部１２ｂ２は、特定された第２タイミングが互いに一致するように第２処理済動画５４ａ＿１～５４ａ＿ｍを重ね合わせることにより合成動画５４ｂを生成する。具体的には、第２処理部１２ｂ２は、特定された第２タイミングに対応するフレームの時刻が基準時刻となるように第２処理済動画５４ａ＿１～５４ａ＿ｍの各フレームの時刻を調整する。その後、第２処理部１２ｂ２は、第２処理済動画５４ａ＿１～５４ａ＿ｍの同一時刻のフレームを重ね合わせることにより、合成動画５４ｂを生成する。
【0096】
図６に示す出力部１３は、合成動画５２ｂと評価対象動画とが重ね合わされて再生される画面を示す画面データを出力する。出力部１３は、動画出力部１３ａと、時系列データ出力部１３ｂとを含む。
【0097】
動画出力部１３ａは、再生の指示を受けると、画面において合成動画５２ｂと評価対象動画とを重ね合わせて再生させる。デフォルトとして、動画出力部１３ａは、画面において、合成動画５２ｂおよび評価対象動画を１番目のフレームから再生させる。さらに、動画出力部１３ａは、合成動画５２ｂと評価対象動画との一方について、表示されるフレームの変更指示を受け付けてもよい。動画出力部１３ａは、フレームの変更指示を受け付けた場合、合成動画５２ｂおよび評価対象動画のうち指示された動画について表示されるフレームを変更する。フレームの変更指示を受けた後に再生指示を受けると、動画出力部１３ａは、変更されたフレームから動画を再生させる。
【0098】
動画出力部１３ａは、画面において、合成動画５２ｂの表示態様を評価対象動画の表示態様と異ならせる。例えば、動画出力部１３ａは、合成動画５２ｂを第１色（例えば青）で表示し、評価対象動画を第１色とは異なる第２色（例えば赤）で表示する。具体的には、動画出力部１３ａは、合成動画５２ｂに対して第１色のフィルタをかけ、評価対象動画に対して第２色のフィルタをかける。
【0099】
時系列データ出力部１３ｂは、２以上の第１時系列データセット２２２ａと１以上の第２時系列データセット２２２ｂとを画面上に可視化するための情報を画面データに含める。当該情報は、例えば、画面上に時系列データセット２２２によって示される１以上の変数の値の推移を示すグラフを表示するために用いられる。例えば、時系列データ出力部１３ｂは、２以上の第１時系列データセット２２２ａによって示される１以上の変数の値の平均値の推移を示すグラフと、１以上の第２時系列データセット２２２ｂによって示される１以上の変数の値の平均値の推移とを示すグラフとが画面上に表示されるように画面データを生成する。あるいは、時系列データ出力部１３ｂは、２以上の第１時系列データセット２２２ａのうちの１つによって示される１以上の変数の値の推移と、１以上の第２時系列データセット２２２ｂのうちの１つによって示される１以上の変数の値の推移とを示すグラフが画面上に表示されるように画面データを生成する。あるいは、時系列データ出力部１３ｂは、２以上の第１時系列データセット２２２ａの各々によって示される１以上の変数の値の推移を示すグラフが画面上に表示されるように画面データを生成する。この場合、時系列データ出力部１３ｂは、各変数のグラフにおいて、２以上の第１時系列データセット２２２ａによって示される複数の推移の線を重ね合わせてもよい。複数の推移の線は、互いに異なる表示形態（例えば色）を有してもよい。さらに、複数の推移の線は、半透明化されてもよい。
【0100】
＜情報処理装置の処理の流れ＞
情報処理装置１００における動画に対する処理の流れの例について以下に説明する。第１，第２の処理例は、選択部１１ａが１つの異常動画５４を選択した場合に対応する。第３の処理例は、選択部１１ａが２以上の異常動画５４を選択した場合に対応する。
情報処理装置１００における動画に対する処理の流れの例について以下に説明する。第１，第２の処理例は、選択部１１ａが１つの異常動画５４を選択した場合に対応する。第３の処理例は、選択部１１ａが２以上の異常動画５４を選択した場合に対応する。
【0101】
（第１の処理例）
図８は、第１の処理例の流れを示すフローチャートである。図８に示されるように、情報処理装置１００のＣＰＵ１１０は、ユーザ入力に応じて、１番目の正常動画５２を選択する（ステップＳ１＿１）。
図８は、第１の処理例の流れを示すフローチャートである。図８に示されるように、情報処理装置１００のＣＰＵ１１０は、ユーザ入力に応じて、１番目の正常動画５２を選択する（ステップＳ１＿１）。
【0102】
次に、ＣＰＵ１１０は、正常動画５２の各フレームの時刻を調整する（ステップＳ２＿１）。例えば、ＣＰＵ１１０は、１番目のフレームの時刻が基準時刻（例えば００：００）となるように、各フレームの時刻を調整する。あるいは、時刻合わせ条件が指定された場合、ＣＰＵ１１０は、対応する第１時系列データセット２２２ａにおいて時刻合わせ条件が満たされるタイミングのフレームの時刻が基準時刻となるように、各フレームの時刻を調整する。
【0103】
次に、ＣＰＵ１１０は、１番目の正常動画５２に対して、半透明化処理を含む第１画像処理を行ない、第１処理済動画５２ａ＿１を生成する（ステップＳ３＿１）。
【0104】
ＣＰＵ１１０は、ステップＳ１＿１～Ｓ３＿１と並行して、ｋ番目（ｋは２～ｎの整数）の正常動画５２に対するステップＳ１＿ｋ～Ｓ３＿ｋを行なう。ステップＳ１＿ｋ～Ｓ３＿ｋの処理内容は、処理対象となる正常動画５２が異なる点を除いて、ステップＳ１＿１～Ｓ３＿１の処理内容とそれぞれ同じである。
【0105】
ステップＳ３＿１～Ｓ３＿ｎが終了すると、ＣＰＵ１１０は、第１処理済動画５２ａ＿１～５２ａ＿ｎを重ね合わせることにより合成動画５２ｂを生成する（ステップＳ４）。次に、ＣＰＵ１１０は、合成動画５２ｂに第１色のフィルタをかける（ステップＳ５）。
【0106】
ＣＰＵ１１０は、ステップＳ１＿１～Ｓ３＿ｎ，Ｓ４，Ｓ５と並行して、ステップＳ６，Ｓ７，Ｓ１０を実行する。
【0107】
ステップＳ６において、ＣＰＵ１１０は、ユーザ入力に応じて、１つの異常動画５４を評価対象動画として選択する。
【0108】
次のステップＳ７において、ＣＰＵ１１０は、評価対象動画の各フレームの時刻を調整する（ステップＳ８）。例えば、ＣＰＵ１１０は、１番目のフレームの時刻が基準時刻（例えば００：００）となるように、各フレームの時刻を調整する。あるいは、時刻合わせ条件が指定された場合、ＣＰＵ１１０は、対応する第２時系列データセット２２２ｂにおいて時刻合わせ条件が満たされるタイミングのフレームの時刻が基準時刻となるように、各フレームの時刻を調整する。
【0109】
次のステップＳ１０において、ＣＰＵ１１０は、評価対象動画に第２色のフィルタをかける。
【0110】
ステップＳ５，Ｓ１０が終了すると、ＣＰＵ１１０は、合成動画５２ｂと評価対象動画とが重ね合わされて再生される画面を示す画面データを出力する（ステップＳ１１）。なお、評価対象動画（つまり、異常動画５４）は、半透明化処理が行なわれていない。そのため、ＣＰＵ１１０は、評価対象動画を下のレイヤーとし、評価対象動画の上に合成動画５２ｂを重ねる。ステップＳ１１の後、処理は終了する。
【0111】
（第２の処理例）
図９は、第２の処理例の流れを示すフローチャートである。図９に示されるように、第２の処理例は、図８に示す第１の処理例と比較して、ステップＳ６の代わりにステップＳ６ａを含み、かつ、ステップＳ７の後にステップＳ８を含む点で相違する。そのため、ステップＳ６ａ，Ｓ８について説明する。
図９は、第２の処理例の流れを示すフローチャートである。図９に示されるように、第２の処理例は、図８に示す第１の処理例と比較して、ステップＳ６の代わりにステップＳ６ａを含み、かつ、ステップＳ７の後にステップＳ８を含む点で相違する。そのため、ステップＳ６ａ，Ｓ８について説明する。
【0112】
ステップＳ６ａにおいて、ＣＰＵ１１０は、ユーザ入力に応じて、１つの異常動画５４を選択する。その後のステップＳ７において、異常動画５４の各フレームの時刻が調整される。
【0113】
ステップＳ８において、ＣＰＵ１１０は、異常動画５４に対して第２画像処理を行なうことにより評価対象動画を生成する。すなわち、評価対象動画は、第２画像処理が行なわれた異常動画５４である。
【0114】
なお、第２画像処理が半透明化処理を含まない場合、ステップＳ１１において、ＣＰＵ１１０は、評価対象動画を下のレイヤーとし、評価対象動画の上に合成動画５２ｂを重ねる。一方、第２画像処理が半透明化処理を含む場合、ステップＳ１１において、ＣＰＵ１１０は、評価対象動画の上に合成動画５２ｂを重ねてもよいし、合成動画５４ｂの上に評価対象動画を重ねてもよい。
【0115】
（第３の処理例）
図１０は、第３の処理例の流れを示すフローチャートである。図１０に示されるように、第３の処理例は、図９に示す第２の処理例と比較して、ステップＳ６ａ，Ｓ７，Ｓ８の代わりにステップＳ６ａ＿１～Ｓ６ａ＿ｍ，Ｓ７＿１～Ｓ７＿ｍ，Ｓ８＿１～Ｓ８＿ｍを含み、かつ、ステップＳ９を含む点で相違する。そのため、ステップＳ６ａ＿１～Ｓ６ａ＿ｍ，Ｓ７＿１～Ｓ７＿ｍ，Ｓ８＿１～Ｓ８＿ｍ，Ｓ９について説明する。
図１０は、第３の処理例の流れを示すフローチャートである。図１０に示されるように、第３の処理例は、図９に示す第２の処理例と比較して、ステップＳ６ａ，Ｓ７，Ｓ８の代わりにステップＳ６ａ＿１～Ｓ６ａ＿ｍ，Ｓ７＿１～Ｓ７＿ｍ，Ｓ８＿１～Ｓ８＿ｍを含み、かつ、ステップＳ９を含む点で相違する。そのため、ステップＳ６ａ＿１～Ｓ６ａ＿ｍ，Ｓ７＿１～Ｓ７＿ｍ，Ｓ８＿１～Ｓ８＿ｍ，Ｓ９について説明する。
【0116】
ステップＳ６ａ＿１において、ＣＰＵ１１０は、ユーザ入力に応じて、１番目の異常動画５４を選択する。
【0117】
次のステップＳ７＿１に、ＣＰＵ１１０は、１番目の異常動画５４の各フレームの時刻を調整する。例えば、ＣＰＵ１１０は、１番目のフレームの時刻が基準時刻（例えば００：００）となるように、各フレームの時刻を調整する。あるいは、時刻合わせ条件が指定された場合、ＣＰＵ１１０は、対応する第２時系列データセット２２２ｂにおいて時刻合わせ条件が満たされるタイミングのフレームの時刻が基準時刻となるように、各フレームの時刻を調整する。
【0118】
次のステップＳ８＿１において、ＣＰＵ１１０は、１番目の異常動画５４に対して、半透明化処理を含む第２画像処理を行ない、第２処理済動画５４ａ＿１を生成する。
【0119】
ＣＰＵ１１０は、ステップＳ６ａ＿１，Ｓ７＿１，Ｓ８＿１と並行して、ｋ番目（ｋは２～ｍの整数）の異常動画５４に対するステップＳ６ａ＿ｋ，Ｓ７＿ｋ，Ｓ８＿ｋを行なう。ステップＳ６ａ＿ｋ，Ｓ７＿ｋ，Ｓ８＿ｋの処理内容は、処理対象となる異常動画５４が異なる点を除いて、ステップＳ６ａ＿１，Ｓ７＿１，Ｓ８＿１の処理内容とそれぞれ同じである。
【0120】
ステップＳ８＿１～Ｓ８＿ｍが終了すると、ステップＳ９において、ＣＰＵ１１０は、第２処理済動画５４ａ＿１～５４ａ＿ｍを重ね合わせて評価対象動画を生成する。すなわち、評価対象動画は、第２処理済動画５４ａ＿１～５４ａ＿ｍを重ね合わせた合成動画５４ｂである。
【0121】
＜画面例＞
図１１は、情報処理装置から出力される画面に含まれるウィンドウの一例を示す図である。図１２は、情報処理装置から出力される画面に含まれる別のウィンドウの一例を示す図である。図１１に示すウィンドウ６０ａと図１２に示すウィンドウ６０ｂとは互いに連携しながら表示される。
図１１は、情報処理装置から出力される画面に含まれるウィンドウの一例を示す図である。図１２は、情報処理装置から出力される画面に含まれる別のウィンドウの一例を示す図である。図１１に示すウィンドウ６０ａと図１２に示すウィンドウ６０ｂとは互いに連携しながら表示される。
【0122】
図１１に示すウィンドウ６０ａは、動画を確認するために利用される。ウィンドウ６０ａは、ボタン６１～６３と、領域６４と、ボタン群６５と、スライダー６６，６７と、表示欄６８とを含む。
【0123】
ボタン６１は、２以上の正常動画５２を選択するために使用される。選択部１１ａとして動作するＣＰＵ１１０は、ボタン６１がクリックされると、内容が異常を示すイベントが発生していない撮影期間の第１リストを生成し、ユーザ入力に応じて、第１リストから複数の撮影期間を複数の正常動作期間として選択する。ＣＰＵ１１０は、複数の正常動作期間の各々に対応する動画５０を正常動画５２として選択する。
【0124】
ボタン６２は、１以上の異常動画５４を選択するために使用される。ＣＰＵ１１０は、ボタン６２がクリックされると、内容が異常を示すイベントが発生した撮影期間の第２リストを生成し、ユーザ入力に応じて、第２リストから１以上の撮影期間を１以上の異常動作期間として選択する。ＣＰＵ１１０は、１以上の異常動作期間の各々に対応する動画５０を異常動画５４として選択する。
【0125】
ボタン６３は、動画に対する処理の開始を指示するために使用される。処理部１２として動作するＣＰＵ１１０は、ボタン６３がクリックされると、２以上の正常動画５２から合成動画５２ｂを生成するとともに、１以上の異常動画５４から評価対象動画を生成する。
【0126】
領域６４には、合成動画５４ｂと評価対象動画とが重ね合わされて再生される。ボタン群６５は、動画の再生に関する複数のボタンとして、再生ボタン、停止ボタン、早送りボタン、または早戻しボタンなどを含む。ＣＰＵ１１０は、ボタン群６５に対する操作に応じて、領域６４に表示されるフレームを更新する。
【0127】
スライダー６６は、領域６４に表示される、合成動画５２ｂのフレームを変更するために使用される。スライダー６７は、領域６４に表示される、評価対象動画のフレームを変更するために使用される。ユーザは、スライダー６６，６７を操作することにより、合成動画５２ｂと評価対象動画とのうちの一方のみを先のフレームに進めたり、前のフレームに遅らせたりできる。その結果、ユーザは、合成動画５２ｂに写る生産設備４００の動作と、評価対象動画に写る生産設備４００の動作との間の時間的なずれを最小限にしたうえで、両動画を比較できる。
【0128】
表示欄６８には、領域６４に表示される合成動画５２ｂおよび評価対象動画のフレーム間の一致度が表示される。動画出力部１３ａとして動作するＣＰＵ１１０は、例えば２つのフレームの画素毎の濃度の類似度の合計を規格化した値を一致度として算出し、算出した一致度を表示欄６８に表示する。
【0129】
図１２に示すウィンドウ６０ｂは、時系列データセット２２２によって示される１以上の変数の各々の値の推移を確認するために利用される。ウィンドウ６０ｂは、ボタン７１～７４と、表示欄７１ａ，７２ａ，７５とを含む。
【0130】
ボタン７１は、２以上の第１時系列データセット２２２ａを選択するために使用される。ＣＰＵ１１０は、ボタン７１がクリックされると、内容が異常を示すイベントが発生していない撮影期間の第１リストを生成し、ユーザ入力に応じて、第１リストから複数の撮影期間を複数の正常動作期間として選択する。ＣＰＵ１１０は、複数の正常動作期間の各々に対応する第１時系列データセット２２２ａを選択する。表示欄７１ａには、選択された２以上の第１時系列データセット２２２ａのファイル名が表示される。
【0131】
なお、図１１に示すウィンドウ６０ａのボタン６１の操作により複数の正常動作期間が選択済みである場合、ＣＰＵ１１０は、当該複数の正常動作期間の各々に対応する第１時系列データセット２２２ａを選択し、２以上の第１時系列データセット２２２ａのファイル名を表示欄７１ａに表示すればよい。
【0132】
ボタン６１の操作により複数の正常動作期間が選択済みである状態においてボタン７１がクリックされた場合、ＣＰＵ１１０は、ユーザ入力に応じて、複数の正常動作期間を更新する。そして、ＣＰＵ１１０は、更新後の複数の正常動作期間の各々に対応する第１時系列データセット２２２ａおよび正常動画５２を選択する。これにより、図１１に示す領域６４において再生される合成動画５２ｂも更新される。
【0133】
ボタン７２は、２以上の第２時系列データセット２２２ｂを選択するために使用される。ＣＰＵ１１０は、ボタン７２がクリックされると、内容が異常を示すイベントが発生した撮影期間の第２リストを生成し、ユーザ入力に応じて、第２リストのうちの１以上の撮影期間を１以上の異常動作期間として選択する。ＣＰＵ１１０は、１以上の異常動作期間の各々に対応する第２時系列データセット２２２ｂを選択する。表示欄７２ａには、選択された１以上の第２時系列データセット２２２ｂのファイル名が表示される。
【0134】
なお、図９に示すウィンドウ６０ａのボタン６２の操作により１以上の異常動作期間が選択済みである場合、ＣＰＵ１１０は、選択済みの１以上の異常動作期間の各々に対応する第２時系列データセット２２２ｂを選択し、１以上の第２時系列データセット２２２ｂのファイル名を表示欄７２ａに表示する。
【0135】
ボタン６２の操作により１以上の異常動作期間が選択済みである状態においてボタン７２がクリックされた場合、ＣＰＵ１１０は、ユーザ入力に応じて、１以上の異常動作期間を更新する。そして、ＣＰＵ１１０は、更新後の１以上の異常動作期間の各々に対応する第２時系列データセット２２２ｂおよび異常動画５４を選択する。これにより、図１１に示す領域６４において再生される評価対象動画も更新される。
【0136】
ボタン７３は、時刻合わせ条件の設定に利用される。ボタン７３がクリックされると、時刻調整部１２ａとして動作するＣＰＵ１１０は、時刻合わせ条件を入力するためのウィンドウを表示し、ユーザ入力に応じて時刻合わせ条件を設定する。図１２に示す例では、時刻合わせ条件として、変数「第１関節の位置」の値が第１指定値から第２指定値に変化するという条件が設定される。そのため、ボタン７３に、時刻合わせ条件として設定された変数の名称「第１関節の位置」が表示される。
【0137】
ボタン７４は、時刻合わせ条件に従った時刻合わせの実行を開始するために使用される。ボタン７４がクリックされると、ＣＰＵ１１０は、時刻合わせ条件が満たされるタイミングが同一時刻となるように２以上の第１時系列データセット２２２ａおよび１以上の第２時系列データセット２２２ｂの時刻を調整する。
【0138】
さらに、ボタン７４がクリックされると、動画処理部１２ｂとして動作するＣＰＵ１１０は、時刻合わせ条件が満たされるタイミングが互いに一致するように第１処理済動画５２ａ＿１～５２ａ＿ｎを重ね合わせることにより合成動画５２ｂを生成する。さらに、ＣＰＵ１１０は、時刻合わせ条件が満たされるタイミングに対応するフレームの時刻が互いに一致するように、合成動画５２ｂおよび評価対象動画の各フレームの時刻を調整する。これにより、図１１の領域６４において、時刻合わせ条件が満たされるタイミングが一致するように、合成動画５２ｂおよび評価対象動画が再生される。
【0139】
なお、ボタン７４がクリックされない場合、ＣＰＵ１１０は、２以上の第１時系列データセット２２２ａおよび１以上の第２時系列データセット２２２ｂの各々について、開始時刻が基準時刻（例えば００：００）となるように時刻を調整する。
【0140】
表示欄７５には、時系列データセット２２２によって示される１以上の変数の各々の値の推移を示すグラフ７６が表示される。各グラフ７６において、横軸は調整後の時刻を表し、縦軸は変数の値を表す。各グラフ７６において、第１時系列データセット２２２ａによって示される変数の値の推移が破線７６ａによって表され、第２時系列データセット２２２ｂによって示される変数の値の推移が実線７６ｂによって表される。
【0141】
なお、破線７６ａは、２以上の第１時系列データセット２２２ａによって示される１以上の変数の値の平均値の推移を示してもよいし、選択された１つの第１時系列データセット２２２ａによって示される１以上の変数の値の推移を示してもよい。あるいは、２以上の第１時系列データセット２２２ａにそれぞれ対応する２以上の破線７６ａが重ねて表示されてもよい。同様に、２以上の第２時系列データセット２２２ｂが選択された場合、実線７６ｂは、２以上の第２時系列データセット２２２ｂによって示される値の平均値の推移を示してもよいし、選択された１つの第２時系列データセット２２２ｂによって示される１以上の変数の値の推移を示してもよい。あるいは、２以上の第２時系列データセット２２２ｂにそれぞれ対応する２以上の実線７６ｂが重ねて表示されてもよい。
【0142】
さらに、表示欄７５には、図１１に示すウィンドウ６０ａの領域６４に表示されるフレームの時刻に対応するライン７７ａ，７７ｂが表示される。ライン７７ａは、合成動画５２ｂのフレームの時刻に対応する。ライン７７ｂは、評価対象動画のフレームの時刻に対応する。ライン７７ａ，７７ｂは、領域６４に表示されるフレームが変化するたびに移動する。なお、ウィンドウ６０ａにおいてスライダー６６，６７が操作されない限り、ライン７７ａ，７７ｂは重なり合う。スライダー６６，６７のうちの一方が操作された場合、ライン７７ａ，７７ｂは、互いに異なる位置に表示される。
【0143】
＜変形例１＞
上記の説明では、対象動作が行なわれるたびに、動画５０および時系列データセット２２２が情報処理装置１００に蓄積されるものとした。しかしながら、情報処理装置１００への動画５０および時系列データセット２２２の蓄積方法はこれに限定されない。
上記の説明では、対象動作が行なわれるたびに、動画５０および時系列データセット２２２が情報処理装置１００に蓄積されるものとした。しかしながら、情報処理装置１００への動画５０および時系列データセット２２２の蓄積方法はこれに限定されない。
【0144】
例えば、生産設備４００の導入直後の初期運転期間において、対象動作が行なわれるたびに、動画５０および時系列データセット２２２が情報処理装置１００に蓄積される。初期運転期間において蓄積された動画５０および時系列データセット２２２は、正常動画５２および第１時系列データセット２２２ａとして選択される。
【0145】
初期運転期間の後の運用期間において、ＰＬＣ２００は、ステータスが「異常」であるイベントが発生した対象動作についてのみ時系列データセット２２２を情報処理装置１００に出力するとともに、動画５０を出力するようにカメラ３００に指示してもよい。これにより、運用期間において、情報処理装置１００には何らかの異常が発生したときの動画５０および時系列データセット２２２が蓄積される。そのため、運用期間において蓄積された動画５０および時系列データセット２２２は、異常動画５４および第２時系列データセット２２２ｂとして選択される。
【0146】
＜変形例２＞
上記の説明では、情報処理装置１００に内蔵される記憶部１０に動画５０および時系列データセット２２２が蓄積されるものとした。しかしながら、情報処理装置１００の外部のデータベースまたはサーバに動画５０および時系列データセット２２２が蓄積されてもよい。この場合、情報処理装置１００のＣＰＵ１１０は、データベースまたはサーバにアクセスして、表示対象となる正常動画５２，異常動画５４，第１時系列データセット２２２ａ，および第２時系列データセット２２２ｂを取得すればよい。
上記の説明では、情報処理装置１００に内蔵される記憶部１０に動画５０および時系列データセット２２２が蓄積されるものとした。しかしながら、情報処理装置１００の外部のデータベースまたはサーバに動画５０および時系列データセット２２２が蓄積されてもよい。この場合、情報処理装置１００のＣＰＵ１１０は、データベースまたはサーバにアクセスして、表示対象となる正常動画５２，異常動画５４，第１時系列データセット２２２ａ，および第２時系列データセット２２２ｂを取得すればよい。
【0147】
＜変形例３＞
上記の説明では、２以上の異常動画５４が選択された場合、２以上の異常動画５４に対して第２画像処理を行なうことにより得られる２以上の第２処理済動画５４ａを重ね合わせた合成動画５４ｂが評価対象動画として生成されるものとした。しかしながら、２以上の第２処理済動画５４ａの各々が評価対象動画として生成されてもよい。この場合、画面６０において、２以上の第２処理済動画５４ａの各々が合成動画５２ｂに重ね合わされて再生される。
上記の説明では、２以上の異常動画５４が選択された場合、２以上の異常動画５４に対して第２画像処理を行なうことにより得られる２以上の第２処理済動画５４ａを重ね合わせた合成動画５４ｂが評価対象動画として生成されるものとした。しかしながら、２以上の第２処理済動画５４ａの各々が評価対象動画として生成されてもよい。この場合、画面６０において、２以上の第２処理済動画５４ａの各々が合成動画５２ｂに重ね合わされて再生される。
【0148】
＜変形例４＞
上記の説明では、選択部１１ａは、ログデータ２２４に基づいて、内容が異常を示すイベントが発生していない撮影期間の第１リストを生成し、ユーザ入力に応じて、第１リストから２以上の正常動作期間を選択する。さらに、選択部１１ａは、ログデータ２２４に基づいて、内容が異常を示すイベントが発生した撮影期間の第２リストを生成し、ユーザ入力に応じて、第２リストから１以上の異常動作期間を選択する。しかしながら、第１リストおよび第２リストの生成は、上記の方法に限定されない。
上記の説明では、選択部１１ａは、ログデータ２２４に基づいて、内容が異常を示すイベントが発生していない撮影期間の第１リストを生成し、ユーザ入力に応じて、第１リストから２以上の正常動作期間を選択する。さらに、選択部１１ａは、ログデータ２２４に基づいて、内容が異常を示すイベントが発生した撮影期間の第２リストを生成し、ユーザ入力に応じて、第２リストから１以上の異常動作期間を選択する。しかしながら、第１リストおよび第２リストの生成は、上記の方法に限定されない。
【0149】
例えば、選択部１１ａは、生産設備４００が設置される工程よりも後の検査工程により得られる検査結果に基づいて、第１リストおよび第２リストを生成してもよい。具体的には、ＰＬＣ２００および検査工程を管理する上位システム（例えば、製造実行システム）は、製品ごとに付与された製品ＩＤと紐付けて、生産設備４００による対象動作の開始信号および終了信号をＰＬＣ２００に出力するとともに、検査指示を検査工程に出力する。上位システムは、製品ＩＤに基づいて、検査結果が品質異常である製品に対して対象動作が実施された期間（以下、「品質異常期間」と称する）を特定し、品質異常期間を示す情報を情報処理装置１００に出力する。情報処理装置１００の選択部１１ａは、品質異常期間と重なる撮影期間を第１リストから除外し、第２リストに含める。
【0150】
変形例４によれば、ユーザは、品質異常である製品に対して行なわれた対象動作に対応する動画５０を異常動画５４として選択できる。
【0151】
＜変形例５＞
画面６０における合成動画５２ｂと評価対象動画との表示態様を互いに異ならせる方法は、両動画の色を互いに異ならせる方法に限定されない。例えば、動画出力部１３ａは、画面６０において、合成動画５２ｂと評価対象動画とのシャープネスを互いに異ならせてもよい。具体的には、動画出力部１３ａは、評価対象動画のシャープネスを合成動画５２ｂのシャープネスよりも高める。これによっても、ユーザは、合成動画５２ｂと評価対象動画とを区別しやすくなる。
画面６０における合成動画５２ｂと評価対象動画との表示態様を互いに異ならせる方法は、両動画の色を互いに異ならせる方法に限定されない。例えば、動画出力部１３ａは、画面６０において、合成動画５２ｂと評価対象動画とのシャープネスを互いに異ならせてもよい。具体的には、動画出力部１３ａは、評価対象動画のシャープネスを合成動画５２ｂのシャープネスよりも高める。これによっても、ユーザは、合成動画５２ｂと評価対象動画とを区別しやすくなる。
【0152】
あるいは、動画出力部１３ａは、画面において、合成動画５２ｂおよび評価対象動画の一方を常時表示させ、他方を定期的に非表示にしてもよい。例えば、動画出力部１３ａは、画面６０上の評価対象動画について、表示と非表示とを一定時間（例えば０．５秒であるが、これに限られない）ごとに切り替える。
【0153】
＜変形例６＞
上記の説明では、情報処理装置１００は、ＰＬＣ２００とは異なる装置とした。しかしながら、情報処理装置１００は、ＰＬＣ２００と一体化されてもよい。具体的には、情報処理装置１００は、ＰＬＣ２００の機能を含む産業用パーソナルコンピュータ（Industrial Personal Computer（ＩＰＣ））によって実現されてもよい。
上記の説明では、情報処理装置１００は、ＰＬＣ２００とは異なる装置とした。しかしながら、情報処理装置１００は、ＰＬＣ２００と一体化されてもよい。具体的には、情報処理装置１００は、ＰＬＣ２００の機能を含む産業用パーソナルコンピュータ（Industrial Personal Computer（ＩＰＣ））によって実現されてもよい。
【0154】
一変形例として、情報処理装置１００の構成および動作を、互いに通信可能な複数のコンピュータに分散させた形態も可能である。
【0155】
例えば、情報処理装置１００の一部の構成要素を、クラウドコンピューティングシステムまたはその他のコンピューティングシステムに属するサーバ等のコンピュータに設けた形態も可能である。
【0156】
別の例として、情報処理装置１００の一部の構成要素を、制御対象を制御するＰＬＣ等のコンピュータに設けた形態も可能である。この場合、情報処理装置１００は、制御対象に対する制御演算に影響を与えることなく、上述した処理を実行可能なように構成される。
【0157】
＜変形例７＞
汎用のコンピュータを、上述した実施の形態に係る情報処理装置１００として機能させる実施の形態も可能である。具体的には、上述した実施の形態に係る情報処理装置１００の各機能を実現する処理内容を記述した解析プログラム１１６を、汎用のコンピュータのメモリに格納し、プロセッサによって解析プログラム１１６を読み出して実行させる。したがって、本実施の形態に係る発明は、プロセッサが実行可能な解析プログラム１１６、又は解析プログラム１１６を記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体としても実現可能である。
汎用のコンピュータを、上述した実施の形態に係る情報処理装置１００として機能させる実施の形態も可能である。具体的には、上述した実施の形態に係る情報処理装置１００の各機能を実現する処理内容を記述した解析プログラム１１６を、汎用のコンピュータのメモリに格納し、プロセッサによって解析プログラム１１６を読み出して実行させる。したがって、本実施の形態に係る発明は、プロセッサが実行可能な解析プログラム１１６、又は解析プログラム１１６を記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体としても実現可能である。
【0158】
§３ 付記
以上のように、本実施の形態は以下のような開示を含む。
以上のように、本実施の形態は以下のような開示を含む。
【0159】
（構成１）
情報処理装置（１００）であって、
対象動作を繰り返し実行する生産設備（４００）が写る、前記対象動作ごとの複数の動画（５０）の中から、前記対象動作が正常であるときの２以上の動画（５０）を２以上の正常動画（５２）として選択する選択部（１１ａ，１１０）と、
前記２以上の正常動画（５２，５２＿１～５２＿ｎ）に対して半透明化処理を含む第１画像処理を行なうことにより２以上の第１処理済動画（５２ａ＿１～５２ａ＿ｎ）を生成し、前記２以上の第１処理済動画（５２ａ＿１～５２ａ＿ｎ）を重ね合わせることにより合成動画（５２ｂ）を生成する第１処理部（１２ｂ１，１１０）と、
前記合成動画（５２ｂ）と評価対象動画（５４，５４ｂ）とが重ね合わされて再生される画面（６０）を示す画面データを出力する出力部（１３，１１０）とを備える、情報処理装置（１００）。
情報処理装置（１００）であって、
対象動作を繰り返し実行する生産設備（４００）が写る、前記対象動作ごとの複数の動画（５０）の中から、前記対象動作が正常であるときの２以上の動画（５０）を２以上の正常動画（５２）として選択する選択部（１１ａ，１１０）と、
前記２以上の正常動画（５２，５２＿１～５２＿ｎ）に対して半透明化処理を含む第１画像処理を行なうことにより２以上の第１処理済動画（５２ａ＿１～５２ａ＿ｎ）を生成し、前記２以上の第１処理済動画（５２ａ＿１～５２ａ＿ｎ）を重ね合わせることにより合成動画（５２ｂ）を生成する第１処理部（１２ｂ１，１１０）と、
前記合成動画（５２ｂ）と評価対象動画（５４，５４ｂ）とが重ね合わされて再生される画面（６０）を示す画面データを出力する出力部（１３，１１０）とを備える、情報処理装置（１００）。
【0160】
（構成２）
前記選択部（１１ａ，１１０）は、前記複数の動画（５０）の中から、前記対象動作が異常であるときの動画（５０）を異常動画（５４）として選択し、
前記評価対象動画は、前記異常動画（５４）、または、前記異常動画（５４）に対して第２画像処理が行われた動画を含む、構成１に記載の情報処理装置（１００）。
前記選択部（１１ａ，１１０）は、前記複数の動画（５０）の中から、前記対象動作が異常であるときの動画（５０）を異常動画（５４）として選択し、
前記評価対象動画は、前記異常動画（５４）、または、前記異常動画（５４）に対して第２画像処理が行われた動画を含む、構成１に記載の情報処理装置（１００）。
【0161】
（構成３）
前記選択部（１１ａ，１１０）は、前記複数の動画（５０）の中から、前記対象動作が異常であるときの２以上の動画（５０）を２以上の異常動画（５４，５４＿１～５４＿ｍ）として選択し、
前記情報処理装置（１００）は、さらに、
前記２以上の異常動画（５４，５４＿１～５４＿ｍ）に対して半透明化処理を含む第２画像処理を行なうことにより２以上の第２処理済動画（５４ａ＿１～５４ａ＿ｍ）を生成し、前記２以上の第２処理済動画（５４ａ＿１～５４ａ＿ｍ）を重ね合わせることにより前記評価対象動画を生成する第２処理部（１２ｂ２，１１０）を備える、構成１に記載の情報処理装置（１００）。
前記選択部（１１ａ，１１０）は、前記複数の動画（５０）の中から、前記対象動作が異常であるときの２以上の動画（５０）を２以上の異常動画（５４，５４＿１～５４＿ｍ）として選択し、
前記情報処理装置（１００）は、さらに、
前記２以上の異常動画（５４，５４＿１～５４＿ｍ）に対して半透明化処理を含む第２画像処理を行なうことにより２以上の第２処理済動画（５４ａ＿１～５４ａ＿ｍ）を生成し、前記２以上の第２処理済動画（５４ａ＿１～５４ａ＿ｍ）を重ね合わせることにより前記評価対象動画を生成する第２処理部（１２ｂ２，１１０）を備える、構成１に記載の情報処理装置（１００）。
【0162】
（構成４）
前記画面（６０）において、前記合成動画（５２ｂ）の表示態様は、前記評価対象動画（５４，５４ｂ）の表示態様と異なる、構成１から３のいずれかに記載の情報処理装置（１００）。
前記画面（６０）において、前記合成動画（５２ｂ）の表示態様は、前記評価対象動画（５４，５４ｂ）の表示態様と異なる、構成１から３のいずれかに記載の情報処理装置（１００）。
【0163】
（構成５）
前記第１画像処理および前記第２画像処理は、エッジ強調処理および前記生産設備以外の背景部分を除去する処理の少なくとも一方を含む、構成１から４のいずれかに記載の情報処理装置（１００）。
前記第１画像処理および前記第２画像処理は、エッジ強調処理および前記生産設備以外の背景部分を除去する処理の少なくとも一方を含む、構成１から４のいずれかに記載の情報処理装置（１００）。
【0164】
（構成６）
前記第１処理部（１２ｂ１，１１０）は、前記２以上の正常動画（５２，５２＿１～５２＿ｎ）の各々に対応する第１時系列データセット（２２２ａ）において、指定された条件が満たされる第１タイミングを特定し、
前記第１時系列データセット）２２２ａ）は、前記２以上の正常動画（５２，５２＿１～５２＿ｎ）のうちの対応する正常動画の撮影期間の前記生産設備（４００）の状態を示し、
前記第１処理部（１２ｂ１，１１０）は、前記第１タイミングが互いに一致するように前記２以上の第１処理済動画（５２ａ＿１～５２ａ＿ｎ）を重ね合わせることにより前記合成動画（５２ｂ）を生成する、構成１から５のいずれかに記載の情報処理装置（１００）。
前記第１処理部（１２ｂ１，１１０）は、前記２以上の正常動画（５２，５２＿１～５２＿ｎ）の各々に対応する第１時系列データセット（２２２ａ）において、指定された条件が満たされる第１タイミングを特定し、
前記第１時系列データセット）２２２ａ）は、前記２以上の正常動画（５２，５２＿１～５２＿ｎ）のうちの対応する正常動画の撮影期間の前記生産設備（４００）の状態を示し、
前記第１処理部（１２ｂ１，１１０）は、前記第１タイミングが互いに一致するように前記２以上の第１処理済動画（５２ａ＿１～５２ａ＿ｎ）を重ね合わせることにより前記合成動画（５２ｂ）を生成する、構成１から５のいずれかに記載の情報処理装置（１００）。
【0165】
（構成７）
前記画面（６０）において、前記第１タイミングと、前記評価対象動画の撮影期間の前記生産設備（４００）の状態を示す第２時系列データセット（２２２ｂ）において前記指定された条件が満たされる第２タイミングとが一致するように、前記合成動画（５２ｂ）と前記評価対象動画（５４，５４ｂ）とが再生される、構成６に記載の情報処理装置（１００）。
前記画面（６０）において、前記第１タイミングと、前記評価対象動画の撮影期間の前記生産設備（４００）の状態を示す第２時系列データセット（２２２ｂ）において前記指定された条件が満たされる第２タイミングとが一致するように、前記合成動画（５２ｂ）と前記評価対象動画（５４，５４ｂ）とが再生される、構成６に記載の情報処理装置（１００）。
【0166】
（構成８）
前記画面データは、前記第１時系列データセット（２２２ａ）と前記第２時系列データセット（２２２ｂ）とを前記画面（６０）上に可視化するための情報を含む、構成７に記載の情報処理装置（１００）。
前記画面データは、前記第１時系列データセット（２２２ａ）と前記第２時系列データセット（２２２ｂ）とを前記画面（６０）上に可視化するための情報を含む、構成７に記載の情報処理装置（１００）。
【0167】
（構成９）
前記画面（６０）上には、前記合成動画（５２ｂ）と前記評価対象動画（５４，５４ｂ）との一致度が表示される、構成１から８のいずれかに記載の情報処理装置（１００）。
前記画面（６０）上には、前記合成動画（５２ｂ）と前記評価対象動画（５４，５４ｂ）との一致度が表示される、構成１から８のいずれかに記載の情報処理装置（１００）。
【0168】
（構成１０）
情報処理方法であって、
対象動作を繰り返し実行する生産設備（４００）が写る、前記対象動作ごとの複数の動画（５０）の中から、前記対象動作が正常であるときの２以上の動画（５０）を２以上の正常動画（５２，５２＿１～５２＿ｎ）として選択すること（Ｓ１＿１～Ｓ１＿ｎ）と、
前記２以上の正常動画（５２，５２＿１～５２＿ｎ）に対して半透明化処理を含む第１画像処理を行なうことにより２以上の第１処理済動画（５２ａ＿１～５２ａ＿ｎ）を生成し、前記２以上の第１処理済動画（５２ａ＿１～５２ａ＿ｎ）を重ね合わせることにより合成動画（５２ｂ）を生成すること（Ｓ３＿１～Ｓ３＿ｎ，Ｓ４）と、
前記合成動画（５２ｂ）と評価対象動画（５４，５４ｂ）とが重ね合わされて再生される画面（６０）を示す画面データを出力すること（Ｓ１１）とを備える、情報処理方法。
情報処理方法であって、
対象動作を繰り返し実行する生産設備（４００）が写る、前記対象動作ごとの複数の動画（５０）の中から、前記対象動作が正常であるときの２以上の動画（５０）を２以上の正常動画（５２，５２＿１～５２＿ｎ）として選択すること（Ｓ１＿１～Ｓ１＿ｎ）と、
前記２以上の正常動画（５２，５２＿１～５２＿ｎ）に対して半透明化処理を含む第１画像処理を行なうことにより２以上の第１処理済動画（５２ａ＿１～５２ａ＿ｎ）を生成し、前記２以上の第１処理済動画（５２ａ＿１～５２ａ＿ｎ）を重ね合わせることにより合成動画（５２ｂ）を生成すること（Ｓ３＿１～Ｓ３＿ｎ，Ｓ４）と、
前記合成動画（５２ｂ）と評価対象動画（５４，５４ｂ）とが重ね合わされて再生される画面（６０）を示す画面データを出力すること（Ｓ１１）とを備える、情報処理方法。
【0169】
（構成１１）
情報処理方法をコンピュータ（１１０）に実行させるプログラム（１１６）であって、
前記情報処理方法は、
対象動作を繰り返し実行する生産設備（４００）が写る、前記対象動作ごとの複数の動画（５０）の中から、前記対象動作が正常であるときの２以上の動画（５０）を２以上の正常動画（５２，５２＿１～５２＿ｎ）として選択すること（Ｓ１＿１～Ｓ１＿ｎ）と、
前記２以上の正常動画（５２，５２＿１～５２＿ｎ）に対して半透明化処理を含む第１画像処理を行なうことにより２以上の第１処理済動画（５２ａ＿１～５２ａ＿ｎ）を生成し、前記２以上の第１処理済動画（５２ａ＿１～５２ａ＿ｎ）を重ね合わせることにより合成動画（５２ｂ）を生成すること（Ｓ３＿１～Ｓ３＿ｎ，Ｓ４）と、
前記合成動画（５２ｂ）と評価対象動画（５４，５４ｂ）とが重ね合わされて再生される画面（６０）を示す画面データを出力すること（Ｓ１１）とを含む、プログラム（１１６）。
情報処理方法をコンピュータ（１１０）に実行させるプログラム（１１６）であって、
前記情報処理方法は、
対象動作を繰り返し実行する生産設備（４００）が写る、前記対象動作ごとの複数の動画（５０）の中から、前記対象動作が正常であるときの２以上の動画（５０）を２以上の正常動画（５２，５２＿１～５２＿ｎ）として選択すること（Ｓ１＿１～Ｓ１＿ｎ）と、
前記２以上の正常動画（５２，５２＿１～５２＿ｎ）に対して半透明化処理を含む第１画像処理を行なうことにより２以上の第１処理済動画（５２ａ＿１～５２ａ＿ｎ）を生成し、前記２以上の第１処理済動画（５２ａ＿１～５２ａ＿ｎ）を重ね合わせることにより合成動画（５２ｂ）を生成すること（Ｓ３＿１～Ｓ３＿ｎ，Ｓ４）と、
前記合成動画（５２ｂ）と評価対象動画（５４，５４ｂ）とが重ね合わされて再生される画面（６０）を示す画面データを出力すること（Ｓ１１）とを含む、プログラム（１１６）。
【0170】
本発明の実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0171】
１ 製造システム、２ 対象物、１０ 記憶部、１１ 設定部、１１ａ 選択部、１１ｂ 収集データ設定部、１１ｃ カメラ設定部、１２ 処理部、１２ａ 時刻調整部、１２ｂ 動画処理部、１２ｂ１ 第１処理部、１２ｂ２ 第２処理部、１３ 出力部、１３ａ 動画出力部、１３ｂ 時系列データ出力部、２０ 制御部、２２ データ収集部、４１ ハンド、５０ 動画、５２ 正常動画、５２ａ 第１処理済動画、５２ｂ，５４ｂ 合成動画、５４ 異常動画、５４ａ 第２処理済動画、６０ 画面、６０ａ，６０ｂ ウィンドウ、６１～６３，７１～７４ ボタン、６４ 領域、６５ ボタン群、６６，６７ スライダー、６８，７１ａ，７２ａ，７５ 表示欄、７６ グラフ、７７ａ，７７ｂ ライン、１００ 情報処理装置、１０８，２０８ ストレージ、１１０，２０２ ＣＰＵ、１１２，２０６ メモリ、１１４ ハードディスク、１１６ 解析プログラム、１１８ 入力インターフェイス、１２０ 表示コントローラ、１２２ ディスプレイ、１２４ 通信インターフェイス、１２６ データリーダ／ライタ、１２８ バス、１３０ 記憶媒体、１３２ 入力装置、２００ ＰＬＣ、２０１ 電源回路、２０４ チップセット、２１１ システムプログラム、２１３ スケジューラプログラム、２１４ 制御プログラム、２１５ リフレッシュプログラム、２１６ データ収集プログラム、２２０ ＩＯデータ、２２２ 時系列データセット、２２２ａ 第１時系列データセット、２２２ｂ 第２時系列データセット、２２４ ログデータ、２３０ 設定情報、２５０ ＵＳＢコントローラ、２５２ フィールドネットワークコントローラ、２５２ａ，２５４ａ コネクタ、２５４ ネットワークコントローラ、２６０ タイマ、３００ カメラ、４００ 生産設備。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】