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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129637
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】車両
(51)【国際特許分類】
   B62D 21/02 20060101AFI20240919BHJP
   B60K 1/04 20190101ALI20240919BHJP
   B62D 25/20 20060101ALI20240919BHJP
【FI】
B62D21/02 A
B60K1/04 Z
B62D25/20 B
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038969
(22)【出願日】2023-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180644
【弁理士】
【氏名又は名称】▲崎▼山 博教
(72)【発明者】
【氏名】松竹 圭一朗
【テーマコード(参考)】
3D203
3D235
【Fターム(参考)】
3D203AA14
3D203AA31
3D203AA33
3D203BA06
3D203BA07
3D203BB20
3D203BB22
3D203CB03
3D203CB09
3D203CB19
3D203DA11
3D203DB05
3D203DB07
3D203DB10
3D235AA02
3D235BB03
3D235CC12
3D235CC13
3D235CC14
3D235DD13
3D235FF06
3D235FF07
3D235HH22
3D235HH26
(57)【要約】      (修正有)
【課題】駆動バッテリー等の搭載部品の搭載スペースを確保可能であると共に、クロスメンバの組み立て性の向上が可能な車両を提供する。
【解決手段】車両は、前後方向に延び、車幅方向に所定の間隔を空けて配置されたサイドメンバ5L,5Rと、サイドメンバ5L,5Rと交差する方向に配置されたクロスメンバ20と、クロスメンバ20の車幅方向両側に設けられ、サイドメンバ5L,5R及びクロスメンバ20を互いに接続する接続部材30とを有する。接続部材30は、クロスメンバ20と接続するための第一接続部31と、サイドメンバ5L,5Rと接続するための第二接続部35と、を有し、第一接続部31は、第二接続部35よりも車両における上方側に位置している。第一接続部31及びクロスメンバ20は密接し、第二接続部35及びサイドメンバ5L,5Rは密接している。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動部による回転動力を駆動輪に伝達することにより走行する車両であって、
前記車両の前後方向に延び、車幅方向に所定の間隔を空けて配置された一対のサイドメンバと、
前記サイドメンバと交差する方向に配置された少なくとも一つのクロスメンバと、
前記クロスメンバの車幅方向両側に設けられ、前記サイドメンバ及び前記クロスメンバを互いに接続する接続部材と、
を有し、
前記接続部材は、
前記クロスメンバと接続するための第一接続部と、
前記サイドメンバと接続するための第二接続部と、
を有し、
前記第一接続部は、前記第二接続部よりも前記車両における上方側に位置していること、を特徴とする車両。
【請求項2】
前記第一接続部が、前記クロスメンバと密接するように構成されており、
前記第二接続部が、前記サイドメンバと密接するように構成されていること、を特徴とする請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記接続部材が、前記クロスメンバを車幅方向から断面視した際の断面の形状に沿って、前記クロスメンバの少なくとも上面側を被覆する被覆部を有すること、を特徴とする請求項1又は2に記載の車両。
【請求項4】
前記第二接続部が、前記サイドメンバの側面に沿って、前記第一接続部から下方側に向けて延びるように形成されていること、を特徴とする請求項1又は2に記載の車両。
【請求項5】
前記接続部材が、前記第一接続部及び前記第二接続部に分割形成されており、
前記第一接続部は、前記クロスメンバを車幅方向から断面視した際の幅方向に沿って両側に突出する一対の第一接続部側フランジを有し、
前記第二接続部は、
前記クロスメンバの底面に沿って形成された底面被覆部と、
前記底面被覆部と連なり、前記第一接続部側フランジに沿って形成された第二接続部側フランジと、
を有し、
前記第一接続部及び前記第二接続部は、前記第一接続部側フランジ及び前記第二接続部側フランジを結合させることにより一体化されること、を特徴とする請求項1又は2に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に関する。さらに詳しくは、サイドメンバ間にクロスメンバが配された車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パワーコントロールユニット(PCU)等の電子機器が搭載された電気自動車等の車両が知られている(例えば、特許文献1)。上述した特許文献1に記載の車両では、車幅方向両側に配置された一対のサイドメンバの間に、クロスメンバが架け渡されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-104759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した特許文献1に記載の車両は、車幅方向に直線状のクロスメンバを車幅方向両側のサイドメンバの間に架け渡す構造とされている。しかしながら、両サイドメンバの間におけるクロスメンバの下方側に駆動バッテリーなどの部品(以下、単に搭載部品とも称する)を搭載する場合は、クロスメンバの直線状部分と前記搭載部品とが高さ方向において干渉するため、搭載スペースが確保しにくい問題があった。そのため、前記搭載部品の搭載スペースを確保するには、サイドメンバと接続するクロスメンバの直線状部分を上方側に屈曲させる必要があった。
【0005】
しかしながら、上述のようにクロスメンバを屈曲させた場合は、クロスメンバの成型性と組み付け性を確保するために、サイドメンバとクロスメンバとの接続部において、隙間が生じる問題がある。そのため、前記搭載部品の搭載スペースが減少する懸念があった。また、前記隙間が生じると、車両が側方から衝突(以下、単に側突とも称する)を受けた場合、サイドメンバ及びクロスメンバが前記隙間分移動するため、サイドメンバ及びクロスメンバが、前記搭載部品と接触し、前記搭載部品が損傷を受ける懸念がある。
【0006】
そこで、本発明は、駆動バッテリー等の搭載部品の搭載スペースを確保可能であると共に、クロスメンバの組み立て性の向上が可能な車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上述した課題を解決すべく提供される本発明の車両は、駆動部による回転動力を駆動輪に伝達することにより走行する車両であって、前記車両の前後方向に延び、車幅方向に所定の間隔を空けて配置された一対のサイドメンバと、前記サイドメンバと交差する方向に配置された少なくとも一つのクロスメンバと、前記クロスメンバの車幅方向両側に設けられ、前記サイドメンバ及び前記クロスメンバを互いに接続する接続部材と、を有し、前記接続部材は、前記クロスメンバと接続するための第一接続部と、前記サイドメンバと接続するための第二接続部と、を有し、前記第一接続部は、前記第二接続部よりも前記車両における上方側に位置していること、を特徴とするものである。
【0008】
上述した車両は、サイドメンバ及びクロスメンバが、互いに接続部材によって接続されているので、接続部材をサイドメンバに取り付けた後に、クロスメンバを接続部材に取り付けることができる。すなわち、上述した車両は、クロスメンバを後から搭載できる。そのため、上述した車両は、組み立て性を向上できる。ここで、接続部材は、サイドメンバ及びクロスメンバに対して着脱可能なものとするとよい。また、上述した車両は、接続部材が、クロスメンバと接続するための第一接続部と、サイドメンバと接続するための第二接続部と、を有しており、第一接続部が、第二接続部よりも車両における上方側に位置している。したがって、上述した車両によれば、一対のサイドメンバの間であって、クロスメンバの下方側に空間が形成される。そのため、上述した車両によれば、クロスメンバの下方側に駆動バッテリーや電子機器等を搭載するためのスペースが確保できる。
【0009】
(2)上述した本発明の車両は、前記第一接続部が、前記クロスメンバと密接するように構成されており、前記第二接続部が、前記サイドメンバと密接するように構成されていること、を特徴とするとよい。
【0010】
上述した車両は、かかる構成とすることにより、クロスメンバとサイドメンバとの間の隙間を設けることなく、クロスメンバとサイドメンバとを接続できる。すなわち、クロスメンバとサイドメンバとが直線的に交差するように接続される。そのため、上述した車両は、車両が側方から衝突(以下、単に側突とも称する)を受けた場合、クロスメンバがサイドメンバに対して突っ張りとして作用する。これにより、上述した車両は、側突の際にサイドメンバが車幅方向内側に変形することを抑制できる。また、クロスメンバとサイドメンバとの間の隙間が不要であるので、車幅方向両側に配置されたサイドメンバ間に、例えば、駆動バッテリーや電子機器等の設置スペースを確保できる。
【0011】
(3)上述した本発明の車両は、前記接続部材が、前記クロスメンバを車幅方向から断面視した際の断面の形状に沿って、前記クロスメンバの少なくとも上面側を被覆する被覆部を有すること、を特徴とするとよい。
【0012】
上述した車両は、かかる構成とすることにより、接続部材における断面形状と、クロスメンバにおける断面形状と、を合わせることができる。これにより、上述した車両は、クロスメンバの曲げ強度を維持しながらクロスメンバと接続部材とを接続できる。すなわち、上述した車両は、側突の際に受ける荷重を、接続部材を介して、クロスメンバに沿って分散させることができるので、クロスメンバの曲げ強度を維持できる。また、上述した車両は、被覆部により、クロスメンバの少なくとも上面側が被覆されるので、例えば、側突の際に荷重が掛かる部分が被覆部によって補強される。そのため、上述した車両は、クロスメンバやサイドメンバが変形することをより一層抑制できる。
【0013】
(4)上述した本発明の車両は、前記クロスメンバを車幅方向から断面視した際の断面が、矩形状であり、前記被覆部が、前記断面の形状に沿って、前記クロスメンバの少なくとも上面及び両側面を被覆するように形成されていること、を特徴とするとよい。
【0014】
上述した車両は、かかる構成とすることにより、クロスメンバの車両上下方向及び車両前後方向への曲げ強度が向上する。これにより、上述した車両は、車両前後方向からの衝突や側突時におけるクロスメンバの変形を抑制できる。また、これに伴い、上述した車両は、側突の際にサイドメンバが車幅方向内側に変形することを抑制できるので、例えば、サイドメンバ間に配置される駆動バッテリーや電子機器等の損傷を抑制できる。
【0015】
(5)上述した本発明の車両において、前記被覆部は、上下方向に突出形成されると共に、内面側が、前記クロスメンバの上面側に沿う形状に形成されていること、を特徴とするとよい。
【0016】
上述した車両は、かかる構成とすることにより、クロスメンバの上面側に沿って、被覆部を設けることができる。これにより、上述した車両は、側突時に被覆部に掛かる荷重をクロスメンバに沿って分散させることができるので、側突時のクロスメンバの変形をより一層抑制できる。
【0017】
(6)上述した本発明の車両は、前記第二接続部が、前記サイドメンバに対して反対側に突出する第一隆起部を有していること、を特徴とするとよい。
【0018】
上述した車両は、第二接続部が第一隆起部を有しているので、第二接続部の曲げ強度を高めることができる。これにより、上述した車両は、サイドメンバを確実に支持できる。そのため、上述した車両は、側突時にサイドメンバが車幅方向内側に変形することを抑制できる。
【0019】
(7)上述した本発明の車両は、前記第二接続部が、前記サイドメンバの側面に沿って、前記第一接続部から下方側に向けて延びるように形成されていること、を特徴とするとよい。
【0020】
上述した車両は、かかる構成とすることにより、クロスメンバの両端における側面と、サイドメンバの車幅方向内側面と、を近接させることができる。これにより、上述した車両は、側突時にクロスメンバにより突っ張ることができるので、サイドメンバが車幅方向内側に変形することを抑制できる。また、上述した車両は、クロスメンバとサイドメンバとの間の隙間を低減できるので、例えば、一対のサイドメンバの間に配置される駆動バッテリーや電子機器等の搭載スペースを確保できる。
【0021】
(8)上述した本発明の車両は、前記クロスメンバを車幅方向から断面視した際の断面が、前記接続部材を介して、直接的又は間接的に前記サイドメンバの側面と向き合うように、前記クロスメンバが、前記サイドメンバに対して交差する方向に配置されていること、を特徴とするとよい。
【0022】
上述した車両は、かかる構成とすることにより、側突時にクロスメンバをサイドメンバの突っ張りとして確実に機能させることができる。これにより、上述した車両は、側突時にサイドメンバが車幅方向内側に変形することを抑制できる。
【0023】
(9)上述した本発明の車両は、前記接続部材が、前記第一接続部及び前記第二接続部に分割形成されており、前記第一接続部は、前記クロスメンバを車幅方向から断面視した際の幅方向に沿って両側に突出する一対の第一接続部側フランジを有し、前記第二接続部は、前記クロスメンバの底面に沿って形成された底面被覆部と、前記底面被覆部と連なり、前記第一接続部側フランジに沿って形成された第二接続部側フランジと、を有し、前記第一接続部及び前記第二接続部は、前記第一接続部側フランジ及び前記第二接続部側フランジを結合させることにより一体化されること、を特徴とするとよい。
【0024】
上述した車両は、かかる構成とすることにより、第一接続部と第二接続部とを分割形成することができる。これにより、サイドメンバへのクロスメンバの組み付け性を向上させることができる。また、上述した車両は、第二接続部がクロスメンバの底面を被覆する底面被覆部を有しているので、当該底面被覆部により、クロスメンバの曲げ強度を高めることができる。また、第一接続部側フランジ及び第二接続部側フランジを結合させることにより、第一接続部と第二接続部とが一体化されるので、接続部材としての強度も維持できる。
【0025】
(10)上述した本発明の車両は、前記底面被覆部が、前記クロスメンバの前記底面に対して反対側に突出する第二隆起部を有していること、を特徴とするとよい。
【0026】
上述した車両は、第二隆起部を有しているので、底面被覆部の曲げ強度を高めることができる。これにより、上述した車両は、クロスメンバの曲げ強度を高めることができるので、側突の際にサイドメンバが車幅方向内側に変形することを抑制できる。そのため、上述した車両は、例えば、サイドメンバ間に配置された駆動バッテリーや各種の電子機器等の部品が損傷することを抑制できる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、駆動バッテリー等の搭載部品の搭載スペースを確保可能であると共に、クロスメンバの組立性の向上が可能な車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の一実施形態に係る車両を図解的に示す平面図である。
図2】本発明の一実施形態に係る車両を構成するサイドメンバ及びクロスメンバを車両前方側から見た一部省略斜視図である。
図3図1の要部を拡大した平面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る車両を構成する後方側クロスメンバを車両前方側から見た斜視図であり、前方側クロスメンバを省略した斜視図である。
図5図5を車幅方向左側から見た一部省略側面図である。
図6】本発明の一実施形態に係る車両を構成する前方側クロスメンバを車両前方側から見た斜視図であり、電子機器及び後方側クロスメンバを省略した斜視図である。
図7】本発明の一実施形態に係る車両を構成するクロスメンバ及びサイドメンバを車両前方側から見た概略正面図である。
図8】(a)は、本発明の一実施形態に係る車両を構成する後方側クロスメンバ及び接続部材の斜視図であり、(b)は、本発明の一実施形態に係る車両を構成する前方側クロスメンバ及び接続部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態に係る車両1の詳細を説明する。これらの図は模式図であって、必ずしも大きさを正確な比率で記したものではない。また、図中、同様の構成部品は、同様の符号を付して示す。また、本実施形態では、車両1が例えば、電気自動車である場合を例として説明する。
【0030】
図1に示すように、車両1は、電力により発生する回転動力を駆動輪2,2に伝達して走行するものである。本実施形態では、車両1は、モータ3(駆動部3とも称する)を走行用駆動源として搭載し、モータ3に電力供給することにより発生する回転動力を駆動輪2,2に伝達して走行するものとされている。ここで、車両1には、例えば、キャブオーバー型の電気自動車やハイブリッド車両などが利用できる。
【0031】
車両1は、車体4の下部に、一対のサイドメンバ5L,5Rを備えている。サイドメンバ5L,5Rは、左右対称に構成され、車幅方向(左右方向)に互いに間隔を空けてそれぞれ前後方向に延びるように設けられている。サイドメンバ5L,5Rは、それぞれ長手方向両側に略平行に配置されているが、中間部において屈曲されており、車両前方側に向かうにつれて互いに近接するものとされている。サイドメンバ5L,5Rは、例えば、鉄等の金属やCFRP等の繊維強化樹脂等を素材として形成されている。
【0032】
サイドメンバ5L,5Rの間に形成された領域は、大別して後方側領域10、中間領域11、及び前方側領域12の3つの領域に分類することができる。後方側領域10は、車両1の後方側において、サイドメンバ5L,5Rが所定の間隔を介して略平行に配置された部分に形成された領域である。後方側領域10は、略矩形の領域とされている。
【0033】
後方側領域10から中間領域11に亘って、駆動バッテリー6が配置されている。駆動バッテリー6は、多数の電池セル6aを上下方向に単段であって、水平方向(本実施形態では車幅方向及び車両前後方向)に多数並べて配置したものとされている。駆動バッテリー6は、車両後方側においてサイドメンバ5L,5Rの間に形成された略矩形状の後方側領域10から中間領域11の前端側に亘って配置されている。そのため、駆動バッテリー6についても、電池セル6aを収容できる程度の高さ(厚み)であって、略矩形の外観形状とされている。したがって、車両1に搭載されている駆動バッテリー6は、内部にデッドスペースを殆ど発生させることなく電池セル6aを配列したものであり、薄型でありながら高容量のものとされている。また、後方側領域10には、モータ3やトランスアクスル(図示せず)等が搭載されている。モータ3やトランスアクスルの詳細は、省略する。
【0034】
また、中間領域11は、サイドメンバ5L,5Rの中間部において両者の間に形成された領域である。中間領域11は、前方側に向かうにつれて後方側領域10におけるよりも間隔が狭まるようにサイドメンバ5L,5Rが傾斜した部分に形成されている。そのため、中間領域11は、後方側領域10とは異なり、略台形状の領域とされている。中間領域11には、後述する電子機器40が、搭載されている。また、中間領域11には、車両前方側に位置する前方側クロスメンバ20Fと、前方側クロスメンバ20Fと所定の間隔を空けて車両後方側に位置する後方側クロスメンバ20Rと、が設けられている。なお、前方側クロスメンバ20Fを単にクロスメンバ20Fとも称し、後方側クロスメンバ20Rを単にクロスメンバ20Rとも称することがある。また、特に区別する必要がない場合は、前方側クロスメンバ20F及び後方側クロスメンバ20Rを共にクロスメンバ20と称することがある。駆動バッテリー6は、クロスメンバ20F,20Rの下方側に配置されている。
【0035】
前方側領域12は、中間領域11よりも車両1の前方側において、サイドメンバ5R,5Lが略並行に配置された部分に形成された領域である。前方側領域12は、後方側領域10と同様に略矩形の形状とされているが、サイドメンバ5L,5Rの間隔が後方側領域10におけるよりも狭いため、後方側領域10よりも車幅方向に小さな領域とされている。
【0036】
クロスメンバ20F,20Rは、図2に示すように、それぞれ中空の角柱として形成されている。言い換えると、クロスメンバ20F,20Rは、車幅方向から断面視した際の断面が、矩形状に形成されており、内部が中空に形成されている。クロスメンバ20F,20Rは、例えば、鉄等の金属やCFRP等の繊維強化樹脂等を素材として形成されている。クロスメンバ20F,20Rは、車幅方向に延びるように形成されており、サイドメンバ5L,5Rと交差する方向に架け渡されている。また、クロスメンバ20F及びクロスメンバ20Rの間には、支持枠21,21(図3参照)が設けられている。
【0037】
クロスメンバ20F,20Rの車幅方向両側には、それぞれ接続部材30(ブラケット30とも称する)が設けられている。ブラケット30は、サイドメンバ5L,5R及びクロスメンバ20F,20Rを互いに接続するものとされている。言い換えると、クロスメンバ20F,20Rは、それぞれブラケット30を介してサイドメンバ5L,5Rに取り付けられている。また、ブラケット30は、クロスメンバ20F,20R及びサイドメンバ5L,5Rに対して着脱可能に形成されている。
【0038】
図8(a)及び図8(b)に示すように、ブラケット30は、クロスメンバ20F,20Rとそれぞれ接続するための第一接続部31F,31Rと、第一接続部31F,31Rに対して屈曲された第二接続部35F,35Rと、を有している。ブラケット30は、例えば、鉄等の金属やCFRP等の繊維強化樹脂等を素材として形成されている。本実施形態では、第一接続部31F,31Rが、第二接続部35F,35Rに対して分割形成されている。なお、説明の便宜上、前方側クロスメンバ20Fに取り付けられる第一接続部31Fと、後方側クロスメンバ20Rに取り付けられる第一接続部31Rと、について区別する必要がない場合は、第一接続部31F,31Rをそれぞれ第一接続部31として説明する。また、第二接続部35F,35Rについても、区別する必要がない場合は、それぞれ第二接続部35として説明する。
【0039】
第一接続部31は、クロスメンバ20における車幅方向両側に設けられている。第一接続部31は、クロスメンバ20F,20Rを車幅方向から断面視した際の幅方向(車両前後方向)に沿って両側に突出する第一接続部側フランジ32を有している。第一接続部31及び第二接続部35は、第一接続部側フランジ32、及び後述する第二接続部側フランジ36を結合させることにより一体化されている。また、第一接続部31は、第二接続部35よりも車両1における上方側に位置している。
【0040】
第一接続部31(ブラケット30)は、クロスメンバ20の車幅方向両側において、クロスメンバ20の少なくとも上面側を被覆する被覆部33を有している。
【0041】
被覆部33は、本実施形態では、クロスメンバ20を車幅方向から断面視した際の断面の形状に沿って、クロスメンバ20の少なくとも上面及び両側面を被覆するように形成されている。被覆部33は、クロスメンバ20の上面側に沿うように形成されている。言い換えると、被覆部33は、上下方向に突出形成されると共に、内面側が、クロスメンバ20の上面側に沿う形状に形成されている。すなわち、被覆部33は、クロスメンバ20と密接するように構成されている。被覆部33は、補強部材としても機能するものとされている。
【0042】
第一接続部31は、クロスメンバ20の両端部に被覆部33を被せた状態で、第一接続部側フランジ32をクロスメンバ20にボルト等で締結することにより、クロスメンバ20の両端部に固定することができる。なお、本実施形態では、第一接続部側フランジ32が、第二接続部側フランジ36を介してクロスメンバ20に締結されている。
【0043】
また、本実施形態では、後方側クロスメンバ20Rの一端側(左側)を被覆する被覆部33上に、電子機器40等を支持するための支持部55の一方が立設されている。支持部55は、溶接等により、被覆部33に取り付けられている。また、他方側の支持部55は、クロスメンバ20R上に立設されている。両支持部55,55上には、保持部50(図2図4参照)が設けられている。保持部50は、上下面に、例えば、電子制御ユニット(Electronic Control Unit:ECUとも称する、図示せず)等を搭載することができる。
【0044】
図6及び図8(b)に示すように、第二接続部35は、クロスメンバ20の底面に沿って形成された底面被覆部38と、底面被覆部38と連なり、第一接続部側フランジ32に沿って形成された第二接続部側フランジ36等を有している。
【0045】
また、前方側クロスメンバ20Fに接続される(取り付けられる)第二接続部35Fは、底面被覆部38から下方側に延びるように形成されている。言い換えると、第二接続部35Fは、底面被覆部38を下方側に屈曲させることにより形成されている。また、第二接続部35Fは、下端部分がL字状に屈曲されている。第二接続部35Fは、下端部分の水平面上にサイドメンバ5L,5Rを載置することができる。両側の第二接続部35F,35Fは、両側の水平面上にサイドメンバ5L,5R(図2参照)をそれぞれ載置した状態で、前記水平面の下方側からボルト等を締結することにより、サイドメンバ5L,5Rに固定することができる。これにより、サイドメンバ5L,5Rが、ブラケット30,30に支持される。また、第二接続部35Fは、サイドメンバ5L,5Rと密接するものとされている。
【0046】
図4図5、及び図8(a)に示すように、後方側クロスメンバ20Rに接続される(取り付けられる)第二接続部35Rは、サイドメンバ5L,5Rの側面に沿って、下方側に延びるように形成されている。言い換えると、第二接続部35Rは、底面被覆部38を下方側に向けて屈曲させることにより形成されている。また、第二接続部35Rは、サイドメンバ5L,5Rの側面に密接することができる。両側の第二接続部35R,35Rは、サイドメンバ5L,5Rの側面に密接した状態で、側面側からボルト等を締結することにより、サイドメンバ5L,5Rに固定されている。これにより、サイドメンバ5L,5Rが、ブラケット30,30に支持される。
【0047】
また、本実施形態では、第二接続部35Rが、サイドメンバ5L,5Rに対して反対側に突出する第一隆起部37を有している。このように、上述した車両1は、第二接続部35Rが第一隆起部37を有しているので、第二接続部35Rの曲げ強度を高めることができる。これにより、上述した車両1は、サイドメンバ5L,5Rを確実に支持できる。そのため、上述した車両1は、側面から衝突(以下、側突とも称する)を受けた際にサイドメンバ5L,5Rが車幅方向内側に変形することを抑制できる。また、上述した車両1は、例えば、サイドメンバ5L,5R間に配置された駆動バッテリー6や電子機器40等の部品が損傷することを抑制できる。
【0048】
また、本実施形態では、第二接続部35Rにおける底面被覆部38が、クロスメンバ20Rの底面に対して反対側に突出する第二隆起部39を有している。したがって、上述した車両1は、底面被覆部38の曲げ強度を高めることができる。これにより、上述した車両1は、クロスメンバ20Rの曲げ強度を高めることができるので、側突の際にサイドメンバ5L,5Rが車幅方向内側に変形することを抑制できる。そのため、上述した車両1は、例えば、サイドメンバ5L,5R間に配置された駆動バッテリー6や電子機器40等の部品が損傷することを抑制できる。
【0049】
ここで、第二接続部35は、クロスメンバ20を車幅方向から断面視した際の断面が、ブラケット30を介して、間接的にサイドメンバ5L,5Rの側面と向き合うように、クロスメンバ20が、サイドメンバ5L,5Rに対して交差する方向に配置される(図2及び図7参照)。すなわち、クロスメンバ20の両端側における断面が、サイドメンバ5L,5Rの内側面と向き合うように配置される。
【0050】
したがって、上述した車両1は、側突時にクロスメンバ20をサイドメンバ5L,5Rの突っ張りとして確実に機能させることができる。これにより、上述した車両1は、側突時にサイドメンバ5L,5Rが車幅方向内側に変形することを抑制できる。
【0051】
図3に示すように、支持枠21,21は、クロスメンバ20F及びクロスメンバ20Rと交差する方向(車両1の前後方向)に架け渡されており、クロスメンバ20F及びクロスメンバ20Rを一体的に支持している。支持枠21,21、及びクロスメンバ20R上には、電子機器40が搭載されている。
【0052】
電子機器40として、本実施形態では、例えば、エレクトリックサプライユニット40(Electricity Supply Unit:ESU40とも称する)が搭載されている。ESU40は、車両1における充電機能や電力変換機能を担うものとされている。電子機器40には、ESU40に代えて、あるいは、ESU40と共に、例えば、電子制御ユニット(Electronic Control Unit:ECU)、パワーコントロールユニット(Power Control Unit:PCU)等の各種のものが採用できる。
【0053】
以上が、本発明の一実施形態に係る車両1の構成であり、次に、本発明の車両1に係る作用効果について説明する。
【0054】
上述した車両1は、サイドメンバ5L,5R及びクロスメンバ20が、互いに接続部材30(ブラケット30)によって接続されているので、接続部材30をサイドメンバ5L,5Rに取り付けた後に、クロスメンバ20を接続部材30に取り付けることができる。具体的には、車両1へのクロスメンバ20の取り付けは、例えば、サイドメンバ5L,5R(車体4)の下方側から電子機器40が搭載されたクロスメンバ20を接続部材30に取り付けることにより行われる。すなわち、上述した車両1は、クロスメンバ20を後から搭載できる。そのため、上述した車両1は、組み立て性を向上できる。
【0055】
ここで、接続部材30は、サイドメンバ5L,5R及びクロスメンバ20に対して着脱可能なものとするとよい。また、上述した車両1は、接続部材30が、クロスメンバ20と接続するための第一接続部31と、サイドメンバ5L,5Rと接続するための第二接続部35と、を有しており、第一接続部31が、第二接続部35よりも車両1における上方側に位置している。したがって、上述した車両1によれば、一対のサイドメンバ5L,5Rの間であって、クロスメンバ20の下方側に空間が形成される。そのため、上述した車両1によれば、クロスメンバ20の下方側に駆動バッテリー6や電子機器40等を搭載するためのスペースが確保できる。
【0056】
また、上述した車両1は、第一接続部31が、クロスメンバ20と密接するように構成されており、第二接続部35が、サイドメンバ5L,5Rと密接するように構成されている。
【0057】
したがって、上述した車両1は、図7に示すように、クロスメンバ20とサイドメンバ5L,5Rとの間の隙間を設けることなく、クロスメンバ20とサイドメンバ5L,5Rとを接続できる。すなわち、クロスメンバ20とサイドメンバ5L,5Rとが直線的に交差するように接続される。そのため、上述した車両1は、車両1が側突を受けた場合、クロスメンバ20がサイドメンバ5L,5Rに対して突っ張りとして作用する。これにより、上述した車両1は、側突時にサイドメンバ5L,5Rが車幅方向内側に変形することを抑制できる。また、クロスメンバ20とサイドメンバ5L,5Rとの間の隙間が不要であるので、サイドメンバ5L,5R間に、例えば、駆動バッテリー6や電子機器40等の設置スペースを確保できる。
【0058】
また、上述した車両1は、接続部材30が、クロスメンバ20を車幅方向から断面視した際の断面の形状に沿って、クロスメンバ20の少なくとも上面側を被覆する被覆部33を有するものとされている。
【0059】
したがって、上述した車両1は、接続部材30における断面形状と、クロスメンバ20における断面形状と、を合わせることができる。これにより、上述した車両1は、クロスメンバ20の曲げ強度を維持しながらクロスメンバ20と接続部材30とを接続できる。すなわち、上述した車両1は、側突の際に受ける荷重を、接続部材30を介して、クロスメンバ20に沿って分散させることができるので、クロスメンバ20の曲げ強度を維持できる。また、上述した車両1は、被覆部33により、クロスメンバ20の少なくとも上面側が被覆されるので、例えば、側突の際に荷重が掛かる部分が被覆部33によって補強される。そのため、上述した車両1は、クロスメンバ20やサイドメンバ5L,5Rが変形することをより一層抑制できる。
【0060】
また、上述した車両1は、クロスメンバ20を車幅方向から断面視した際の断面が、矩形状であり、被覆部33が、前記断面の形状に沿って、クロスメンバ20の少なくとも上面及び両側面を被覆するように形成されている。
【0061】
したがって、上述した車両1は、クロスメンバ20の車両上下方向及び車両前後方向への曲げ強度が向上する。これにより、上述した車両1は、車両前後方向からの衝突や側突時におけるクロスメンバ20の変形を抑制できる。また、これに伴い、上述した車両1は、側突の際にサイドメンバ5L,5Rが車幅方向内側に変形することを抑制できるので、例えば、サイドメンバ5L,5R間に配置される駆動バッテリー6や電子機器40等の損傷を抑制できる。
【0062】
また、上述した車両1において、被覆部33は、上下方向に突出形成されると共に、内面側が、クロスメンバ20の上面側に沿う形状に形成されている。したがって、上述した車両1は、クロスメンバ20の上面側に沿って、被覆部33を設けることができる。これにより、上述した車両1は、側突時に被覆部33に掛かる荷重をクロスメンバ20に沿って分散させることができるので、側突時のクロスメンバ20の変形をより一層抑制できる。
【0063】
また、上述した車両1は、第二接続部35が、サイドメンバ5L,5Rの側面に沿って、第一接続部31から下方側に向けて延びるように形成されている。したがって、上述した車両1は、クロスメンバ20の両端における側面と、サイドメンバ5L,5Rの車幅方向内側面と、を近接させることができる。これにより、上述した車両1は、側突時にクロスメンバ20により突っ張ることができるので、サイドメンバ5L,5Rが車幅方向内側に変形することを抑制できる。また、上述した車両1は、クロスメンバ20とサイドメンバ5L,5Rとの間の隙間を低減できるので、例えば、一対のサイドメンバ5L,5Rの間に配置される駆動バッテリー6や電子機器40等の搭載スペースを確保できる。ここで、第二接続部35は、例えば、上述した実施形態の第二接続部35Fのように、L字形状に形成されているとよい。これにより、上述した車両1は、サイドメンバ5L,5Rを確実に支持できる。
【0064】
また、上述した車両1は、接続部材30が、第一接続部31及び第二接続部35に分割形成されており、第一接続部31は、クロスメンバ20を車幅方向から断面視した際の幅方向に沿って両側に突出する一対の第一接続部側フランジ32を有している。また、第二接続部35は、クロスメンバ20の底面に沿って形成された底面被覆部38と、底面被覆部38と連なり、第一接続部側フランジ32に沿って形成された第二接続部側フランジ36と、を有し、第一接続部31及び第二接続部35は、第一接続部側フランジ32及び第二接続部側フランジ36を結合させることにより一体化されている。
【0065】
このように、上述した車両1は、第一接続部31と第二接続部35とを分割形成することができる。これにより、サイドメンバ5L,5Rへのクロスメンバ20の組み付け性を向上させることができる。また、上述した車両1は、第二接続部35がクロスメンバ20の底面を被覆する底面被覆部38を有しているので、当該底面被覆部38により、クロスメンバ20の曲げ強度を高めることができる。また、第一接続部側フランジ32及び第二接続部側フランジ36を結合させることにより、第一接続部31と第二接続部35とが一体化されるので、接続部材30としての強度も維持できる。
【0066】
以上が、本発明の一実施形態及に係る車両1の構成及び作用効果であるが、本発明の車両1は、上述した実施形態には限定されず、各種の変形を行うことができる。
【0067】
本実施形態では、車両1として電気自動車を例示したが、本発明の車両1は、これには限定されず、各種の車両(ハイブリッド車、エンジン車等)に利用できる。また、車両1におけるサイドメンバ5L,5R、クロスメンバ20F,20Rの形状、大きさ、配置は、車両1の形態に応じて各種のものが利用できる。また、本実施形態では、前方側クロスメンバ20F及び後方側クロスメンバ20Rの2つのクロスメンバ20で構成されているが、クロスメンバ20を設ける個数は、単一のものから複数のものまで各種の個数で設けることができる。
【0068】
また、本実施形態では、接続部材30が、第一接続部31及び第二接続部35に分割形成されているが、第一接続部31及び第二接続部35は、一体的に形成されていてもよい。また、本実施形態では、前方側クロスメンバ20Fに設けられる接続部材30と、後方側クロスメンバ20Rに設けられる接続部材30との形状が異なっているが、接続部材30(第一接続部31及び第二接続部35を含む)の形状は、クロスメンバ20やサイドメンバ5L,5Rの形状に応じて、各種の形状や大きさに形成できる。例えば、複数の接続部材30の形状が同じであってもよい。また、サイドメンバ5L,5R、クロスメンバ20、及び接続部材30を形成する素材には、金属や繊維強化樹脂等の各種の素材が利用できる。
【0069】
また、本実施形態では、第一接続部31が、クロスメンバ20と密接するように構成されているが、第一接続部31は、クロスメンバ20の曲げ強度を維持できる範囲で、クロスメンバ20との間に隙間が設けられていてもよい。また、第二接続部35は、サイドメンバ5L,5Rの曲げ強度を維持できる範囲で、サイドメンバ5L,5Rとの間に隙間が設けられていてもよい。
【0070】
本実施形態では、クロスメンバ20を車幅方向から断面視した際の断面の形状が矩形状であるが、クロスメンバ20における前記断面の形状は、矩形状のものには限定されず、各種の形状のものが利用できる。例えば、クロスメンバ20における前記断面の形状が、三角形状、円形状、楕円形状、四角以上の多角形状等であってもよい。かかる場合は、被覆部33が、クロスメンバ20の前記断面における上面側の形状に沿って形成されていることが望ましい。また、接続部材30は、必要に応じて被覆部33を設ければよく、被覆部33を設けない構成とすることもできる。
【0071】
また、本実施形態では、クロスメンバ20を車幅方向から断面視した際の断面が、矩形状であり、被覆部33が、前記断面の形状に沿って、クロスメンバ20の少なくとも上面及び両側面を被覆するように形成されているが、被覆部33の被覆範囲はこれには限定されない。例えば、被覆部33は、クロスメンバ20の上面のみを覆うものやクロスメンバ20の側面の一方を覆うものなど、各種の被覆範囲のものとして各種の形状や大きさで形成することができる。
【0072】
また、本実施形態では、第二接続部35が、第一隆起部37を有するものとしたが、第一隆起部37は、必要に応じて設ければよく、第一隆起部37を有しない構成とすることもできる。また、第一隆起部37を設ける場合において、第一隆起部37は、各種の形状、大きさ、方向に形成でき、設ける個数も単一のものから複数のものまで各種の個数で設けることができる。
【0073】
また、本実施形態では、クロスメンバ20を車幅方向から断面視した際の断面が、接続部材30を介して、間接的にサイドメンバ5L,5Rの側面と向き合うように、クロスメンバ20が、サイドメンバ5L,5Rに対して交差する方向に配置されているが、これには限定されない。例えば、クロスメンバ20の前記断面が、直接的にサイドメンバ5L,5Rの側面と向き合うように構成することもできる。また、クロスメンバ20の前記断面が、サイドメンバ5L,5Rと向き合わないようにすることも可能である。
【0074】
また、本実施形態では、第二接続部35が底面被覆部38を有するものとしたが、底面被覆部38は、必要に応じて設ければよく、底面被覆部38を有しない構成とすることもできる。また、本実施形態では、後方側クロスメンバ20Rに接続される第一接続部31R上に、支持部55が立設されているが、支持部55は、必要に応じて設ければよく、支持部55を有しない構成とすることもできる。また、底面被覆部38に設けられる第二隆起部39は、必要に応じて設ければよく、第二隆起部39を設けない構成とすることもできる。また、第二隆起部39を設ける場合において、第二隆起部39は、各種の形状、大きさ、方向に形成でき、設ける個数も単一のものから複数のものまで各種の個数で設けることができる。
【0075】
以上が、本発明に係る車両の各種の実施形態や変形例であるが、本発明は上述した実施形態や変形例において例示したものに限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲でその教示及び精神から他の実施形態があり得ることは当業者に容易に理解できよう。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明の車両は、電気自動車、ハイブリッド車、エンジン車等の各種の車両に利用することができる。本発明の車両は、キャブオーバー型の電気自動車やハイブリッド車両などに好ましく利用できる。
【符号の説明】
【0077】
1 :車両
5L:サイドメンバ
5R:サイドメンバ
20 :クロスメンバ
20F:クロスメンバ
20R:クロスメンバ
30 :ブラケット(接続部材)
31 :第一接続部
31F:第一接続部
31R:第一接続部
32 :第一接続部側フランジ
33 :被覆部
35 :第二接続部
35F:第二接続部
35R:第二接続部
36 :第二接続部側フランジ
37 :第一隆起部
38 :底面被覆部
39 :第二隆起部
40 :電子機器(エレクトリックサプライユニット、ESU)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8