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特開2024-12964自動走行方法、自動走行システム、及び自動走行プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024012964
(43)【公開日】2024-01-31
(54)【発明の名称】自動走行方法、自動走行システム、及び自動走行プログラム
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/43 20240101AFI20240124BHJP
   A01B 69/00 20060101ALI20240124BHJP
【FI】
G05D1/02 H
A01B69/00 303A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022114829
(22)【出願日】2022-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100181869
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 雄一
(72)【発明者】
【氏名】西井 康人
(72)【発明者】
【氏名】村山 昌章
(72)【発明者】
【氏名】黒田 晃史
(72)【発明者】
【氏名】西別府 慎也
(72)【発明者】
【氏名】安達 雅人
【テーマコード(参考)】
2B043
5H301
【Fターム(参考)】
2B043AA04
2B043BA02
2B043BA09
2B043BB03
2B043DA17
2B043DC03
2B043EA02
2B043EA32
2B043EB05
2B043EC02
2B043EC12
2B043EC14
2B043EC16
2B043ED02
2B043ED12
2B043EE01
2B043EE02
2B043EE05
2B043EE06
5H301AA03
5H301BB01
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301DD06
5H301DD15
5H301GG07
(57)【要約】
【課題】作業車両に複数の領域間を効率良く自動走行させることが可能な自動走行方法、自動走行システム、及び自動走行プログラムを提供する。
【解決手段】自動走行システム1は、圃場F1、F2を接続する道路R0に対して予め設定された圃場間経路R12に従って作業車両10を自動走行させるシステムである。走行処理部111は、圃場間経路R12の経路開始位置Ts1において作業車両10を停止させ、作業車両10の停止位置に対応する圃場F1において作業車両10から所定距離以内にユーザーがいる場合に、作業車両10に自動走行を再開させる。
【選択図】図25
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の領域を接続する接続路に対して予め設定された領域間経路に従って作業車両を自動走行させる自動走行方法であって、
前記領域間経路の端点において前記作業車両を停止させることと、
前記作業車両の停止位置に対応する前記領域において前記作業車両から所定距離以内にユーザーがいる場合に、前記作業車両に自動走行を再開させることと、
を実行する自動走行方法。
【請求項2】
前記ユーザーが前記作業車両に搭乗したことを検知した場合に、前記作業車両に前記領域間経路の自動走行を開始させる、
請求項1に記載の自動走行方法。
【請求項3】
前記作業車両が停止してから所定時間が経過するまでの間に、前記作業車両から前記所定距離以内のユーザーを検知した場合に、前記作業車両に自動走行を再開させる、
請求項1に記載の自動走行方法。
【請求項4】
前記作業車両が停止してから所定時間が経過するまでの間に、前記作業車両から前記所定距離以内のユーザーを検知しなかった場合に、前記作業車両の駆動源を停止させる、
請求項1~3のいずれかに記載の自動走行方法。
【請求項5】
前記作業車両が停止してから所定時間が経過するまでの間に、前記作業車両から前記所定距離以内のユーザーを検知しなかった場合に、前記作業車両を前記停止位置から前記領域内の所定位置に移動させた後に前記作業車両の駆動源を停止させる、
請求項1~3のいずれかに記載の自動走行方法。
【請求項6】
前記所定位置は、前記領域の出入口付近の平坦地である、
請求項5に記載の自動走行方法。
【請求項7】
前記作業車両に設けられる作業機が前記駆動源により継続して稼働させる必要のある作業機である場合に、前記作業車両を停止させている間、前記駆動源を継続して駆動させる、
請求項4に記載の自動走行方法。
【請求項8】
前記作業車両の前記駆動源を停止させた後に、前記作業車両と通信可能な操作端末から前記駆動源の動作を再開させる操作を受け付けた場合に、前記駆動源の動作を再開させる、
請求項4に記載の自動走行方法。
【請求項9】
複数の領域を接続する接続路に対して予め設定された領域間経路に従って作業車両を自動走行させる自動走行システムであって、
前記領域間経路の端点において前記作業車両を停止させ、
前記作業車両の停止位置に対応する前記領域において前記作業車両から所定距離以内にユーザーがいる場合に、前記作業車両に自動走行を再開させる、自動走行システム。
【請求項10】
複数の領域を接続する接続路に対して予め設定された領域間経路に従って作業車両を自動走行させる自動走行プログラムであって、
前記領域間経路の端点において前記作業車両を停止させることと、
前記作業車両の停止位置に対応する前記領域において前記作業車両から所定距離以内にユーザーがいる場合に、前記作業車両に自動走行を再開させることと、
を一又は複数のプロセッサーに実行させるための自動走行プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両を自動走行させる自動走行方法、自動走行システム、及び自動走行プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、圃場内を自動走行しながら作業を行ったり、複数の圃場間を自動走行したりすることが可能な作業車両が知られている。例えば、作業車両が一の圃場から他の圃場に移動する際に圃場の出入口で作業車両を一時停止させて待機させる技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-29218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
作業車両に一の圃場と他の圃場とを接続する接続路(圃場間経路)を自動走行させる場合、圃場間経路の安全性に注意を払う必要がある。この点、従来の技術では、圃場の出入口で作業車両を一時停止させている。しかし、作業車両を一時停止させた場合、例えば遠隔地にいるオペレータが走行開始指示を行わないと、作業車両が停止したままとなり接続路の自動走行が開始されなくなる。
【0005】
本発明の目的は、作業車両に複数の領域間を効率良く自動走行させることが可能な自動走行方法、自動走行システム、及び自動走行プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る自動走行方法は、複数の領域を接続する接続路に対して予め設定された領域間経路に従って作業車両を自動走行させる自動走行方法である。前記自動走行方法は、前記領域間経路の端点において前記作業車両を停止させることと、前記作業車両の停止位置に対応する前記領域において前記作業車両から所定距離以内にユーザーがいる場合に、前記作業車両に自動走行を再開させることと、を実行する。
【0007】
本発明に係る自動走行システムは、複数の領域を接続する接続路に対して予め設定された領域間経路に従って作業車両を自動走行させる自動走行システムである。前記自動走行システムは、前記領域間経路の端点において前記作業車両を停止させ、前記作業車両の停止位置に対応する前記領域において前記作業車両から所定距離以内にユーザーがいる場合に、前記作業車両に自動走行を再開させる。
【0008】
本発明に係る自動走行プログラムは、複数の領域を接続する接続路に対して予め設定された領域間経路に従って作業車両を自動走行させる自動走行プログラムである。前記自動走行プログラムは、前記領域間経路の端点において前記作業車両を停止させることと、前記作業車両の停止位置に対応する前記領域において前記作業車両から所定距離以内にユーザーがいる場合に、前記作業車両に自動走行を再開させることと、を一又は複数のプロセッサーに実行させるための自動走行プログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、作業車両に複数の領域間を効率良く自動走行させることが可能な自動走行方法、自動走行システム、及び自動走行プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の実施形態に係る自動走行システムの構成を示すブロック図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る作業車両の一例を示す外観図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る作業車両の圃場間経路の一例を示す図である。
図4A図4Aは、本発明の実施形態に係る作業車両の目標経路の一例を示す図である。
図4B図4Bは、本発明の実施形態に係る作業車両の目標経路の一例を示す図である。
図5A図5Aは、本発明の実施形態に係る操作端末に表示される操作画面の一例を示す図である。
図5B図5Bは、本発明の実施形態に係る操作端末に表示されるティーチング操作画面の一例を示す図である。
図5C図5Cは、本発明の実施形態に係る操作端末に表示されるティーチング操作画面の一例を示す図である。
図6A図6Aは、本発明の実施形態に係る操作端末に表示されるティーチング操作画面の一例を示す図である。
図6B図6Bは、本発明の実施形態に係る操作端末に表示されるティーチング操作画面の一例を示す図である。
図6C図6Cは、本発明の実施形態に係る操作端末に表示されるティーチング操作画面の一例を示す図である。
図7図7は、本発明の実施形態に係る作業車両の圃場間経路の一例を示す図である。
図8図8は、本発明の実施形態に係る圃場間経路情報テーブルの一例を示す図である。
図9図9は、本発明の実施形態に係る操作端末に表示される操作画面の一例を示す図である。
図10図10は、本発明の実施形態に係る自動走行システムによって実行される自動走行処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図11図11は、本発明の実施形態に係る自動走行システムによって実行されるティーチング処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図12A図12Aは、本発明の実施形態に係る作業車両の補間経路の一例を示す図である。
図12B図12Bは、本発明の実施形態に係る作業車両の補間経路の一例を示す図である。
図13図13は、本発明の実施形態に係る作業車両の圃場間経路の一例を示す図である。
図14図14は、本発明の実施形態に係る作業車両の圃場間経路の一例を示す図である。
図15図15は、本発明の実施形態に係る作業車両の領域間経路の一例を示す図である。
図16図16は、本発明の実施形態に係る作業車両の報知例を示す図である。
図17図17は、本発明の実施形態に係る操作端末の走行画面の一例を示す図である。
図18図18は、本発明の実施形態に係る作業車両の報知例を示す図である。
図19図19は、本発明の実施形態に係る複数の操作端末の配置例を示す図である。
図20図20は、本発明の実施形態に係る操作端末の走行画面の一例を示す図である。
図21図21は、本発明の実施形態に係る操作端末の走行画面の一例を示す図である。
図22図22は、本発明の実施形態に係る操作端末の走行画面の一例を示す図である。
図23図23は、本発明の実施形態に係る複数の操作端末の配置例を示す図である。
図24図24は、本発明の実施形態に係る自動走行システムによって実行される自動走行処理(走行情報の報知処理)の手順の一例を示すフローチャートである。
図25図25は、本発明の実施形態に係る操作端末の走行画面の一例を示す図である。
図26図26は、本発明の実施形態に係る操作端末の走行画面の一例を示す図である。
図27図27は、本発明の実施形態に係る操作端末の走行画面の一例を示す図である。
図28図28は、本発明の実施形態に係る自動走行システムによって実行される自動走行処理(駆動源の駆動処理)の手順の一例を示すフローチャートである。
図29図29は、本発明の実施形態に係る自動走行システムの他の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0012】
図1に示されるように、本発明の実施形態に係る自動走行システム1は、作業車両10と操作端末20とを含んでいる。作業車両10及び操作端末20は、通信網N1を介して通信可能である。例えば、作業車両10及び操作端末20は、携帯電話回線網、パケット回線網、又は無線LANを介して通信可能である。
【0013】
本実施形態では、作業車両10がトラクターである場合を例に挙げて説明する。なお、他の実施形態として、作業車両10は、田植機、コンバイン、建設機械、又は除雪車などであってもよい。作業車両10は、作業領域である圃場内を予め設定された目標経路に従って自動走行(自律走行)可能な構成を備えている。また、作業車両10は、圃場内において自動走行しながら所定の作業を行うことが可能である。さらに、作業車両10は、複数の圃場間を接続する道路(接続路)を予め設定された圃場間経路に従って自動走行可能な構成を備えている。作業車両10は、測位装置16により算出される作業車両10の現在位置の位置情報に基づいて、圃場内及び圃場外(道路)において予め設定された目標経路及び圃場間経路に従って自動走行する。
【0014】
例えば、作業車両10は、図3及び図4Aに示す圃場F1において、予め設定された目標経路R1(作業経路)に従って自動走行しながら所定の作業を行う。作業車両10は、圃場F1の作業が終了すると、道路R0を予め設定された圃場間経路R12(移動経路)を自動走行して圃場F2に移動する。例えば、作業車両10は、圃場F1の出入口H1と圃場F2の出入口H2とを接続する圃場間経路R12を自動走行する。作業車両10は、圃場F2に到着すると、圃場F2(図3及び図4B参照)において、予め設定された目標経路R2(作業経路)に従って自動走行しながら所定の作業を行う。圃場F1内の目標経路R1及び圃場F2内の目標経路R2は、それぞれの作業内容に応じて適宜設定される。また、道路R0の圃場間経路R12は、オペレータ(ユーザー)による操作(ティーチング操作)に応じて設定される。本実施形態では、作業車両10が圃場F1から圃場F2まで移動する道路R0上の圃場間経路R12を例に挙げるが、圃場間経路R12は、作業車両10が圃場F2から圃場F1まで移動する道路R0上の経路であってもよい。また、作業車両10が3つ以上の圃場を順に移動する場合、圃場間経路はそれぞれの圃場間に設定されてもよい。圃場間経路R12は、本発明の領域間経路の一例である。なお、本発明の領域間経路は、圃場から圃場へと移動するための経路(圃場間経路)ではなく、単に道路R0上の第1地点から第2地点へと移動するための経路(地点間経路)であってもよい。また、前記第1地点及び前記第2地点は、地図上でユーザーが指定して位置であってもよい。
【0015】
なお、本発明の接続路は、農道、林道、公道、私道、自動車道など、作業車両専用の道路であってもよいし、一般車両(乗用車など)が通行可能な道路であってもよい。
【0016】
[作業車両10]
図1及び図2に示すように、作業車両10は、車両制御装置11、記憶部12、走行装置13、作業機14、通信部15、測位装置16などを備える。車両制御装置11は、記憶部12、走行装置13、作業機14、測位装置16などに電気的に接続されている。なお、車両制御装置11及び測位装置16は、無線通信可能であってもよい。
【0017】
通信部15は、作業車両10を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して操作端末20などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。作業車両10は、通信部15を介して操作端末20と無線通信を行うことが可能である。
【0018】
記憶部12は、各種の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)などの不揮発性の記憶部である。記憶部12には、車両制御装置11に後述の自動走行処理(図10図11図24図28参照)を実行させるための自動走行プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記自動走行プログラムは、フラッシュROM、EEPROM、CD、又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、所定の読取装置(不図示)で読み取られて記憶部12に記憶される。なお、前記自動走行プログラムは、サーバー(不図示)から通信網N1を介して作業車両10にダウンロードされて記憶部12に記憶されてもよい。また、記憶部12には、操作端末20において生成される目標経路及び圃場間経路の経路データが記憶されてもよい。
【0019】
走行装置13は、作業車両10を走行させる駆動部である。図2に示すように、走行装置13は、エンジン131(駆動源)、前輪132、後輪133、トランスミッション134、フロントアクスル135、リアアクスル136、ハンドル137などを備える。なお、前輪132及び後輪133は、作業車両10の左右にそれぞれ設けられている。また、走行装置13は、前輪132及び後輪133を備えるホイールタイプに限らず、作業車両10の左右に設けられるクローラを備えるクローラタイプであってもよい。
【0020】
エンジン131は、不図示の燃料タンクに補給される燃料を用いて駆動するディーゼルエンジン又はガソリンエンジンなどの駆動源である。走行装置13は、エンジン131とともに、又はエンジン131に代えて、電気モーターを駆動源として備えてもよい。なお、エンジン131には、不図示の発電機が接続されており、当該発電機から作業車両10に設けられた車両制御装置11等の電気部品及びバッテリー等に電力が供給される。なお、前記バッテリーは、前記発電機から供給される電力によって充電される。そして、作業車両10に設けられている車両制御装置11及び測位装置16等の電気部品は、エンジン131の停止後も前記バッテリーから供給される電力により駆動可能である。
【0021】
エンジン131の駆動力は、トランスミッション134及びフロントアクスル135を介して前輪132に伝達され、トランスミッション134及びリアアクスル136を介して後輪133に伝達される。また、エンジン131の駆動力は、PTO軸(不図示)を介して作業機14にも伝達される。作業車両10が自動走行を行う場合、走行装置13は、車両制御装置11の命令に従って走行動作を行う。
【0022】
作業機14は、例えば草刈機、耕耘機、プラウ、施肥機、播種機、散布機などであって、作業車両10に着脱可能である。これにより、作業車両10は、作業機14各々を用いて各種の作業を行うことが可能である。本実施形態では、作業機14は草刈機である場合を例に挙げて説明する。
【0023】
例えば、作業車両10は、直装型の作業機14(草刈機)を装着して圃場F1内及び圃場F2内のそれぞれを走行しながら草刈作業を行う。なお、作業機14は、作業車両10に固定される直装型の作業機に限定されず、作業車両10に牽引される牽引型の作業機であってもよい。
【0024】
また、作業車両10は、道路R0(図3参照)を走行する場合に、作業機14を装着した状態で走行してもよいし、作業機14を取り外した状態で走行してもよい。例えば、作業車両10が圃場F1及び圃場F2のそれぞれにおいて草刈作業を行う場合、作業車両10は、圃場F1の草刈作業が終了した後、草刈機を装着した状態で道路R0を走行して圃場F2に移動し、圃場F2の草刈作業を行う。なお、作業車両10は、作業機14の昇降機能を備える場合、作業機14を上げた状態で道路R0を走行する。また例えば、圃場F1及び圃場F2のそれぞれにおいて異なる作業を行う場合、作業車両10は、圃場F1の作業が終了した後、作業機14を取り外した状態で道路R0を走行して圃場F2に移動し、圃場F2において作業機14を装着して作業を行う。
【0025】
ハンドル137は、オペレータ又は車両制御装置11によって操作される操作部である。例えば走行装置13では、車両制御装置11によるハンドル137の操作に応じて、不図示の油圧式パワーステアリング機構などによって前輪132の角度が変更され、作業車両10の進行方向が変更される。オペレータがティーチング操作(詳細は後述する)を行う場合、オペレータはハンドル137を操作して作業車両10を手動走行させる。
【0026】
また、走行装置13は、ハンドル137の他に、車両制御装置11によって操作される不図示のシフトレバー、アクセル、ブレーキ等を備える。そして、走行装置13では、車両制御装置11による前記シフトレバーの操作に応じて、トランスミッション134のギアが前進ギア又はバックギアなどに切り替えられ、作業車両10の走行態様が前進又は後進などに切り替えられる。また、車両制御装置11は、前記アクセルを操作してエンジン131の回転数を制御する。また、車両制御装置11は、前記ブレーキを操作して電磁ブレーキを用いて前輪132及び後輪133の回転を制動する。
【0027】
測位装置16は、測位制御部161、記憶部162、通信部163、及び測位用アンテナ164などを備える通信機器である。例えば、測位装置16は、図2に示すように、オペレータが搭乗するキャビン138の上部に設けられている。また、測位装置16の設置場所はキャビン138に限らない。さらに、測位装置16の測位制御部161、記憶部162、通信部163、及び測位用アンテナ164は、作業車両10において異なる位置に分散して配置されていてもよい。なお、前述したように測位装置16には前記バッテリーが接続されており、測位装置16は、エンジン131の停止中も稼働可能である。また、測位装置16として、例えば携帯電話端末、スマートフォン、又はタブレット端末などが代用されてもよい。
【0028】
測位制御部161は、一又は複数のプロセッサーと、不揮発性メモリ及びRAMなどの記憶メモリとを備えるコンピュータシステムである。記憶部162は、測位制御部161に測位処理を実行させるためのプログラム、及び測位情報、移動情報などのデータを記憶する不揮発性メモリなどである。例えば、前記プログラムは、フラッシュROM、EEPROM、CD、又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、所定の読取装置(不図示)で読み取られて記憶部162に記憶される。なお、前記プログラムは、サーバー(不図示)から通信網N1を介して測位装置16にダウンロードされて記憶部162に記憶されてもよい。
【0029】
通信部163は、測位装置16を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して基地局(不図示)などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0030】
測位用アンテナ164は、衛星から発信される電波(GNSS信号)を受信するアンテナである。
【0031】
測位制御部161は、測位用アンテナ164が衛星から受信するGNSS信号に基づいて作業車両10の現在位置を算出する。例えば、作業車両10が圃場F1、圃場F2、道路R0などを自動走行する場合に、測位用アンテナ164が複数の衛星のそれぞれから発信される電波(発信時刻、軌道情報など)を受信すると、測位制御部161は、測位用アンテナ164と各衛星との距離を算出し、算出した距離に基づいて作業車両10の現在位置(緯度及び経度)を算出する。また、測位制御部161は、作業車両10に近い基地局(基準局)に対応する補正情報を利用して作業車両10の現在位置を算出する、リアルタイムキネマティック方式(RTK-GPS測位方式(RTK方式))による測位を行ってもよい。このように、作業車両10は、RTK方式による測位情報を利用して自動走行を行う。なお、作業車両10の現在位置は、測位位置(例えば測位用アンテナ164の位置)と同一位置であってもよいし、測位位置からずれた位置であってもよい。
【0032】
車両制御装置11は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、車両制御装置11は、前記ROM又は記憶部12に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより作業車両10を制御する。
【0033】
車両制御装置11は、作業車両10に対する各種のユーザー操作に応じて当該作業車両10の動作を制御する。また、車両制御装置11は、測位装置16により算出される作業車両10の現在位置と、予め設定される目標経路及び圃場間経路とに基づいて、当該作業車両10の自動走行処理を実行する。
【0034】
図1に示すように、車両制御装置11は、走行処理部111、報知処理部112、駆動処理部113などの各種の処理部を含む。なお、車両制御装置11は、前記CPUで前記自動走行プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、一部又は全部の前記処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記自動走行プログラムは、複数のプロセッサーを前記処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0035】
走行処理部111は、作業車両10の走行を制御する。具体的には、走行処理部111は、操作端末20から走行開始指示を取得すると作業車両10の自動走行を開始させる。例えば、操作端末20の操作画面においてオペレータがスタートボタンを押下すると、操作端末20は走行開始指示を作業車両10に出力する。走行処理部111は、操作端末20から走行開始指示を取得すると、作業車両10の自動走行を開始させる。これにより、作業車両10は、例えば圃場F1内において目標経路R1(図4A参照)に従って自動走行を開始し、作業機14による作業を開始する。また、作業車両10は、例えば圃場F2内において目標経路R2(図4B参照)に従って自動走行を開始し、作業機14による作業を開始する。また、作業車両10は、例えば道路R0において圃場間経路R12(図3参照)に従って自動走行を行う。すなわち、走行処理部111は、圃場外の道路R0において圃場間経路R12に従って作業車両10を自動走行させることが可能である。例えば、走行処理部111は、圃場F1と圃場F2とを接続する道路R0を、道路R0上に設定された圃場間経路R12に従って作業車両10を自動走行させる。なお、作業車両10が自動走行する目標経路及び圃場間経路は、例えば操作端末20において生成される。作業車両10は、操作端末20から目標経路及び圃場間経路に対応する経路データを取得して、目標経路及び圃場間経路に従って自動走行する。
【0036】
また、走行処理部111は、操作端末20から走行停止指示を取得すると作業車両10の自動走行を停止させる。例えば、操作端末20の操作画面においてオペレータがストップボタンを押下すると、操作端末20は走行停止指示を作業車両10に出力する。
【0037】
また、走行処理部111は、作業車両10が障害物を検出した場合に作業車両10の自動走行を停止させる。例えば、作業車両10に搭載される障害物検出装置(不図示)が作業車両10の前方3m~8mの範囲で障害物を検出した場合に、走行処理部111は、作業車両10を減速走行させる。また前記障害物検出装置が作業車両10の前方3mまでの範囲で障害物を検出した場合に、走行処理部111は、作業車両10を停止させる。
【0038】
報知処理部112は、圃場間経路の走行に関する走行情報を圃場において報知させる。また、走行処理部111は、報知処理後のオペレータの操作に応じて作業車両10の自動走行を制御する。報知処理部112による具体的な報知処理については後述する。
【0039】
駆動処理部113は、作業機14を駆動させる駆動源(例えばエンジン131)の駆動(停止、始動など)を制御する。駆動処理部113による具体的な駆動処理については後述する。
【0040】
[操作端末20]
図1に示すように、操作端末20は、操作制御部21、記憶部22、操作表示部23、及び通信部24などを備える情報処理装置である。操作端末20は、タブレット端末、スマートフォンなどの携帯端末で構成されてもよい。
【0041】
通信部24は、操作端末20を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して一又は複数の作業車両10などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0042】
操作表示部23は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるタッチパネル、マウス、又はキーボードのような操作部とを備えるユーザーインターフェースである。オペレータは、前記表示部に表示される操作画面において、前記操作部を操作して各種情報(後述の作業車両情報、圃場情報、作業情報など)を登録する操作を行うことが可能である。
【0043】
また、オペレータは、前記操作部において、作業車両10を圃場F1と圃場F2とを接続する道路R0(接続路)を自動走行させるための圃場間経路R12を設定する操作(ティーチング操作)を行う。
【0044】
また、オペレータは、前記操作部を操作して作業車両10に対する走行開始指示、走行停止指示などを行うことが可能である。さらに、オペレータは、作業車両10から離れた場所において、操作端末20に表示される走行軌跡により、圃場F1、圃場F2、道路R0を目標経路及び圃場間経路に従って自動走行する作業車両10の走行状態を把握することが可能である。
【0045】
記憶部22は、各種の情報を記憶するHDD又はSSDなどの不揮発性の記憶部である。記憶部22には、操作制御部21に後述の自動走行処理(図10図11図24図28参照)を実行させるための自動走行プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記自動走行プログラムは、フラッシュROM、EEPROM、CD、又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、所定の読取装置(不図示)で読み取られて記憶部22に記憶される。なお、前記自動走行プログラムは、サーバー(不図示)から通信網N1を介して操作端末20にダウンロードされて記憶部22に記憶されてもよい。
【0046】
また、記憶部22には、作業車両10を自動走行させるための専用アプリケーションがインストールされている。操作制御部21は、前記専用アプリケーションを起動させて、作業車両10に関する各種情報の設定処理、作業車両10の目標経路及び圃場間経路の生成処理、作業車両10に対する自動走行指示などを行う。
【0047】
また、記憶部22には、作業車両10に関する情報である作業車両情報、目標経路に関する情報である目標経路情報などのデータが記憶される。前記作業車両情報には、作業車両10ごとに、車両番号、型式などの情報が含まれる。前記車両番号は、作業車両10の識別情報である。前記型式は、作業車両10の型式である。なお、記憶部22には、1台の作業車両10に関する前記作業車両情報が記憶されてもよいし、複数台の作業車両10に関する前記作業車両情報が記憶されてもよい。例えば、特定のオペレータが複数台の作業車両10を所有する場合、各作業車両10に関する前記作業車両情報が記憶部22に記憶される。
【0048】
前記目標経路情報には、目標経路ごとに、経路名、圃場名、住所、圃場面積、作業時間などの情報が含まれる。前記経路名は、操作端末20において生成された目標経路の経路名である。前記圃場名は、前記目標経路が設定された作業対象の圃場の名称である。前記住所は、前記圃場の住所であり、前記圃場面積は、前記圃場の面積である。前記作業時間は、作業車両10により前記圃場の作業に要する時間である。
【0049】
前記目標経路が道路R0に対応する経路(圃場間経路)である場合、前記目標経路情報には、経路名、住所、走行距離、走行時間などの情報が含まれる。前記経路名は道路R0の名称であり、前記住所は道路R0の住所である。前記走行距離は、作業車両10が道路R0を走行する距離であり、例えば圃場F1から圃場F2までの距離である。前記走行時間は、作業車両10が道路R0を走行する時間であり、例えば圃場F1から圃場F2までの移動に要する時間である。
【0050】
なお、記憶部22には、一つの目標経路に関する前記目標経路情報が記憶されてもよいし、複数の目標経路に関する前記目標経路情報が記憶されてもよい。例えば、特定のオペレータが、自身が所有する一又は複数の圃場に対して複数の目標経路を生成した場合、各目標経路に関する前記目標経路情報が記憶部22に記憶される。なお、一つの圃場に対して、一つの目標経路が設定されてもよいし、複数の目標経路が設定されてもよい。また一組の圃場に対して、一つの圃場間経路が設定されてもよいし、複数の圃場間経路が設定されてもよい。本実施形態では、記憶部22に、圃場F1を走行する目標経路R1(図4A参照)に対応する目標経路情報と、圃場F2を走行する目標経路R2(図4B参照)に対応する目標経路情報と、道路R0を走行する圃場間経路R12(図3参照)に対応する目標経路情報とが記憶される。
【0051】
他の実施形態として、前記作業車両情報、前記目標経路情報などの情報の一部又は全部が、操作端末20からアクセス可能なサーバーに記憶されてもよい。オペレータは、前記サーバー(例えばパーソナルコンピュータ、クラウドサーバーなど)において前記作業車両情報及び前記目標経路情報を登録する操作を行ってもよい。この場合、操作制御部21は、前記サーバーから前記情報を取得して、後述の自動走行処理(図10図11図24図28参照)などの各処理を実行してもよい。
【0052】
操作制御部21は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリとして使用される。そして、操作制御部21は、前記ROM又は記憶部22に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより操作端末20を制御する。
【0053】
図1に示すように、操作制御部21は、設定処理部211、受付処理部212、取得処理部213、生成処理部214、出力処理部215などの各種の処理部を含む。なお、操作制御部21は、前記CPUで前記制御プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、一部又は全部の前記処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記制御プログラムは、複数のプロセッサーを前記処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0054】
設定処理部211は、作業車両10に関する情報(以下、作業車両情報という。)、圃場に関する情報(以下、圃場情報という。)、作業を具体的にどのように行うかに関する情報(以下、作業情報という。)を設定する。設定処理部211は、例えば図5Aに示す設定画面D1においてオペレータの設定操作を受け付けて各設定情報を登録する。
【0055】
具体的には、設定処理部211は、作業車両10の機種、作業車両10において測位用アンテナ164が取り付けられている位置、作業機14の種類、作業機14のサイズ及び形状、作業機14の作業車両10に対する位置、作業車両10の作業中の車速及びエンジン回転数、作業車両10の旋回中の車速及びエンジン回転数等の情報について、オペレータが操作端末20において登録する操作を行うことにより当該情報を設定する。
【0056】
また、設定処理部211は、圃場の位置及び形状、作業を開始する作業開始位置(走行開始位置)及び作業を終了する作業終了位置(走行終了位置)、作業方向等の情報について、操作端末20において登録する操作を行うことにより当該情報を設定する。
【0057】
圃場の位置及び形状の情報は、例えばオペレータが作業車両10に搭乗して圃場の外周に沿って一回り周回するように運転し、そのときの測位用アンテナ164の位置情報の推移を記録することで、自動的に取得することができる。また、圃場の位置及び形状は、操作端末20に地図を表示させた状態でオペレータが操作端末20を操作して当該地図上の複数の点を指定することで得られた多角形に基づいて取得することもできる。取得された圃場の位置及び形状により特定される領域は、作業車両10を走行させることが可能な領域(走行領域)である。
【0058】
例えば、設定処理部211は、図4Aに示す圃場F1の圃場情報と、図4Bに示す圃場F2の圃場情報とを登録する。
【0059】
また、設定処理部211は、作業情報として、作業車両10(無人トラクタ)と有人の作業車両10の協調作業の有無、作業車両10が枕地において旋回する場合にスキップする作業経路の数であるスキップ数、枕地の幅、及び非耕作地の幅等を設定可能に構成されている。
【0060】
また、設定処理部211は、前記各設定情報に基づいて、圃場において作業車両10を自動走行させる目標経路を生成する。具体的には、設定処理部211は、圃場設定で登録した走行開始位置及び走行終了位置に基づいて圃場内の目標経路を生成する。例えば図4Aに示すように、設定処理部211は、オペレータの設定操作に基づいて、走行開始位置S1、走行終了位置G1、直進経路r1(図4Aの実線部分)、旋回経路r2(図4Aの点線部分)を含む目標経路R1を生成する。また例えば図4Bに示すように、設定処理部211は、オペレータの設定操作に基づいて、走行開始位置S2、走行終了位置G2、直進経路r1(図4Bの実線部分)、旋回経路r2(図4Bの点線部分)を含む目標経路R2を生成する。設定処理部211は、生成した目標経路R1を圃場F1に関連付けて登録し、生成した目標経路R2を圃場F2に関連付けて登録する。
【0061】
ここで、操作制御部21は、以下に示すように、オペレータによる操作(ティーチング操作)に基づいて、複数の圃場間を接続する道路R0の圃場間経路を生成する。
【0062】
具体的には、受付処理部212は、オペレータの走行操作を受け付ける。例えば、受付処理部212は、圃場F1から圃場F2まで作業車両10を手動走行させる走行操作(手動操舵)を受け付ける。取得処理部213は、オペレータによる前記走行操作に基づいて圃場F1と圃場F2とを接続する道路R0を走行する作業車両10の位置情報を測位装置16から取得する。生成処理部214は、オペレータによる前記走行操作に基づいて取得される前記位置情報に基づいて、作業車両10を圃場F1と圃場F2との間を自動走行させる圃場間経路R12を生成する。
【0063】
例えば、受付処理部212は、図5Bに示すティーチング操作画面D2を表示させて、オペレータから圃場を選択する操作を受け付ける。ティーチング操作画面D2には、設定処理部211により登録された複数の圃場の圃場情報が一覧表示される。オペレータは、ティーチング操作画面D2において、圃場間経路の対象となる複数の圃場を選択する。
【0064】
先ず、オペレータは、ティーチング操作を開始する圃場(ここでは圃場F1)を選択する(図5B参照)。オペレータが圃場F1を選択すると、受付処理部212は、ティーチング操作画面D2(図5B参照)の地図上に、選択された圃場F1を識別可能に表示(点線枠画像を表示)させる。
【0065】
次に、オペレータは、ティーチング操作を終了する圃場(ここでは圃場F2)を選択する(図5C参照)。オペレータが圃場F2を選択すると、受付処理部212は、ティーチング操作画面D2(図5C参照)の地図上に、選択された圃場F2を識別可能に表示(点線枠画像を表示)させる。
【0066】
受付処理部212は、オペレータから圃場間経路の対象となる複数の圃場の選択操作を受け付けると、ティーチング走行の開始操作を受け付ける。例えば図6Aに示すティーチング操作画面D2において、オペレータがスタートボタンを押下すると、受付処理部212は、ティーチング走行の開始操作を受け付ける。受付処理部212は、前記開始操作を受け付けると、圃場F1に経路開始位置Ts1を設定する。例えば受付処理部212は、前記開始操作を受け付けた時点の作業車両10の現在位置を経路開始位置Ts1として設定する。
【0067】
他の実施形態として、受付処理部212は、作業車両10が圃場F1内の所定領域に位置した状態でオペレータから前記開始操作を受け付けた場合に、圃場F1に経路開始位置Ts1を設定してもよい。例えば、作業車両10が圃場F1内の出入口H1(図4A参照)の領域内に位置していることを条件として、受付処理部212は、オペレータの前記開始操作を受け付けて圃場F1に経路開始位置Ts1を設定する。これに対して、作業車両10が圃場F1内の出入口H1の領域外に位置している場合には、受付処理部212は、オペレータの前記開始操作を受け付けた場合でも圃場F1に経路開始位置Ts1を設定しない。この場合、受付処理部212は、経路開始位置Ts1を設定できないことを示すメッセージ、作業車両10を出入口H1の領域内に移動するように促すメッセージなどを通知してもよい。この構成によれば、圃場間を移動するための圃場間経路の開始位置を、特定の領域(例えば出入口H1)に設定することができるため、圃場内から圃場外に出る位置を限定することができる。
【0068】
受付処理部212は、オペレータから前記開始操作を受け付けると、ティーチング操作画面D2(図6A参照)の地図上に、圃場F1の出入口H1に経路開始位置Ts1を示す経路開始位置画像Msを表示させる。また、受付処理部212は、図6Aに示すように、ティーチング走行の走行操作を支援するための情報として、圃場F1と圃場F2とを接続する案内経路Mr(点線)を表示させる。これにより、オペレータは、案内経路Mrに従って手動走行操作(運転)することができるため、ティーチング走行の操作を容易に行うことができる。
【0069】
オペレータは、例えば操作端末20を作業車両10に持ち込んで、操作端末20に表示された案内経路Mrを確認しながら、圃場F1から圃場F2まで道路R0(図3参照)を手動走行させる。受付処理部212は、オペレータの走行操作(手動操舵)を受け付ける。受付処理部212は、ティーチング操作画面D2において、作業車両10の現在位置に対応する案内経路Mr上の位置に現在位置画像Mpを表示させる。
【0070】
取得処理部213は、オペレータが道路R0において作業車両10をティーチング走行させている間、作業車両10の位置情報を取得する。また、取得処理部213は、ティーチング走行中の作業車両10の走行速度の情報を取得する。なお、取得処理部213は、ティーチング走行中の道路R0に関する情報(例えば障害物、路面状態、道路幅、一時停止線、制限速度、信号機などの情報)を取得してもよい。
【0071】
オペレータが作業車両10を圃場F2まで運転し、作業車両10が圃場F2に到着すると、オペレータはティーチング操作画面D2(図6B参照)において、終了ボタンを押下する。オペレータが終了ボタンを押下すると、受付処理部212は、ティーチング走行の終了操作を受け付ける。受付処理部212は、前記終了操作を受け付けると、圃場F2に経路終了位置Te2を設定する。例えば受付処理部212は、前記終了操作を受け付けた時点の作業車両10の現在位置を経路終了位置Te2として設定する。
【0072】
他の実施形態として、受付処理部212は、作業車両10が圃場F2内の所定領域に位置した状態でオペレータから前記終了操作を受け付けた場合に、圃場F2に経路終了位置Te2を設定してもよい。例えば、作業車両10が圃場F2内の出入口H2(図4B参照)の領域内に位置していることを条件として、受付処理部212は、オペレータの前記終了操作を受け付けて圃場F2に経路終了位置Te2を設定する。これに対して、作業車両10が圃場F2外又は圃場F2内の出入口H2の領域外に位置している場合には、受付処理部212は、オペレータの前記終了操作を受け付けた場合でも圃場F2に経路終了位置Te2を設定しない。この場合、受付処理部212は、経路終了位置Te2を設定できないことを示すメッセージ、作業車両10を出入口H2の領域内に移動するように促すメッセージなどを通知してもよい。この構成によれば、圃場間を移動するための圃場間経路の終了位置を、特定の領域(例えば出入口H2)に設定することができるため、圃場外から圃場内に入る位置を限定することができる。
【0073】
受付処理部212は、オペレータから前記終了操作を受け付けると、図6Cに示すティーチング操作画面D2の地図上に、圃場F2の出入口H2に経路終了位置Te2を示す経路終了位置画像Meを表示させる。
【0074】
また受付処理部212がオペレータから前記終了操作を受け付けると、生成処理部214は、取得処理部213が取得した作業車両10の位置情報に基づいて、作業車両10を圃場F1と圃場F2との間を自動走行させる圃場間経路R12を生成する。具体的には、生成処理部214は、図7に示すように、圃場F1の出入口H1の経路開始位置Ts1と圃場F2の出入口H2の経路終了位置Te2とを接続し、道路R0上を通る圃場間経路R12を生成する。生成処理部214は、図6Cに示すティーチング操作画面D2の地図上に、生成した圃場間経路R12の経路画像Mt(実線)を表示させる。
【0075】
生成処理部214は、図6Cに示すティーチング操作画面D2において、生成した圃場間経路R12を登録するか否かをオペレータに通知する。オペレータがティーチング操作画面D2において圃場間経路R12を確認して登録ボタンを押下すると、生成処理部214は、圃場間経路R12を登録する指示を取得する。生成処理部214は、登録指示を取得すると、圃場間経路R12を圃場F1及び圃場F2に関連付けて登録する。
【0076】
具体的には、生成処理部214は、圃場間経路情報テーブルE1に圃場間経路R12を登録する。図8には、圃場間経路情報テーブルE1の一例を示している。圃場間経路情報テーブルE1には、経路ID、開始圃場、終了圃場、位置情報、速度情報などが含まれる。前記経路IDは、圃場間経路の識別情報である。経路ID「R001」は圃場間経路R12を示している。前記開始圃場は、圃場間経路の経路開始位置に対応する圃場を示す情報であり、前記終了圃場は、圃場間経路の経路終了位置に対応する圃場を示す情報である。前記位置情報は、圃場間経路の位置を示す情報であり、所定の周期(サンプリング間隔)で取得された座標位置の情報である。前記速度情報は、圃場間経路をティーチング走行させたときの作業車両10の走行速度であり、前記座標位置ごとの走行速度の情報である。生成処理部214は、オペレータが複数の圃場を選択してティーチング操作を行うごとに、生成した圃場間経路を圃場に関連付けて圃場間経路情報テーブルE1に登録する。
【0077】
オペレータは、作業車両10に自動走行を開始させる際に、複数の圃場を選択するとともに、圃場間を自動走行させるための圃場間経路を圃場間経路情報テーブルE1に登録された圃場間経路の中から選択する。例えば図9に示す経路生成画面D3において、オペレータが圃場F1及び圃場F2を選択すると、操作制御部21は、圃場間経路情報テーブルE1に登録された圃場間経路の一覧を表示させて、オペレータから圃場間経路の選択操作を受け付ける。なお、図示は省略しているが、操作制御部21は、経路生成画面D3において、圃場F1の目標経路R1(図4A参照)と圃場F2の目標経路R2(図4B参照)とを選択する操作を受け付ける。
【0078】
また、操作制御部21は、圃場F1及び圃場F2を接続する圃場間経路が圃場間経路情報テーブルE1に登録されているか否かを判定し、当該圃場間経路が圃場間経路情報テーブルE1に登録されている場合に、当該圃場間経路を経路生成画面D3に表示させる。
【0079】
オペレータが、圃場F1及び圃場F2の選択操作、圃場F1内の目標経路R1及び圃場F2内の目標経路R2の選択操作、圃場F1及び圃場F2間を移動する圃場間経路R12の選択操作を行って、スタートボタン(図9参照)を押下すると、出力処理部215は、前記目標経路及び前記圃場間経路の経路データを作業車両10に出力する。なお、操作制御部21は、オペレータが圃場F1及び圃場F2を選択した場合に、圃場間経路情報テーブルE1に登録された圃場間経路の中から圃場F1及び圃場F2を接続する圃場間経路R12を抽出して設定してもよい。この場合、オペレータによる前記圃場間経路の選択操作を省略することができる。
【0080】
ここでは、出力処理部215は、圃場F1内の作業経路である目標経路R1(図4A参照)と、圃場F2内の作業経路である目標経路R2(図4B参照)と、圃場F1及び圃場F2間を接続する圃場間経路である圃場間経路R12(図7参照)とを含む経路データを作業車両10に出力する。
【0081】
作業車両10は、操作端末20において生成された経路データが作業車両10に転送されると、記憶部12に記憶する。作業車両10は、測位用アンテナ164により作業車両10の現在位置を検出しつつ前記経路データに基づいて自動走行処理を実行する。なお、作業車両10の現在位置は、通常は測位用アンテナ164の位置と一致している。
【0082】
また、作業車両10は、現在位置が圃場F1内の走行開始位置S1(図4A参照)に一致している場合に、圃場F1内を自動走行できるように構成されており、現在位置が圃場F2内の走行開始位置S2(図4B参照)に一致している場合に、圃場F2内を自動走行できるように構成されている。また、作業車両10は、現在位置が圃場F1の出入口H1の経路開始位置Ts1(図7参照)に一致している場合に、圃場間経路R12を自動走行できるように構成されている。
【0083】
例えば、作業車両10は、現在位置が圃場F1の走行開始位置S1と一致している場合に、オペレータにより操作画面(不図示)においてスタートボタンが押下されて走行開始指示が与えられると、作業車両10の走行処理部111によって、目標経路R1の自動走行を開始する。
【0084】
走行処理部111は、圃場F1において、目標経路R1に従って作業車両10を走行開始位置S1から走行終了位置G1まで自動走行させる(図4A参照)。作業車両10が走行終了位置G1に到達すると、オペレータは作業車両10を走行終了位置G1から経路開始位置Ts1まで移動させる。なお、後述の実施形態(図12A参照)に示すように、操作制御部21は、作業車両10を走行終了位置G1から経路開始位置Ts1まで自動走行させる経路(補間経路r31)を生成してもよい。この場合、作業車両10は、走行終了位置G1に到達すると、補間経路r31に従って走行終了位置G1から経路開始位置Ts1まで自動走行する。
【0085】
作業車両10の現在位置が経路開始位置Ts1に一致すると、走行処理部111は、圃場間経路R12に従って、作業車両10を経路開始位置Ts1から圃場F2の経路終了位置Te2まで自動走行させる(図7参照)。なお、車両制御装置11は、作業車両10が圃場F1から道路R0に出る際に作業車両10を一時停止させて、オペレータによる安全確認を要求する(後述の報知処理)。
【0086】
走行処理部111は、圃場間経路R12に関連付けられた位置情報、速度情報など(図8参照)に基づいて作業車両10を自動走行させる。例えば、走行処理部111は、前記速度情報に対応する走行速度(ティーチング走行時の走行速度)を上限速度に設定して、作業車両10の走行速度を制御しながら自動走行させる。なお、走行処理部111は、作業車両10が道路R0を自動走行中に障害物を検出した場合には、障害物を回避しながら圃場間経路R12に従って自動走行させる。
【0087】
また、走行処理部111は、作業車両10が道路R0から圃場F2に入る際に作業車両10を一時停止させる。作業車両10が経路終了位置Te2に到達すると、オペレータは作業車両10を経路終了位置Te2から圃場F2の走行開始位置S2まで移動させる。なお、後述の実施形態(図12B参照)に示すように、操作制御部21は、作業車両10を経路終了位置Te2から走行開始位置S2まで自動走行させる経路(補間経路r32)を生成してもよい。この場合、作業車両10は、経路終了位置Te2に到達すると、補間経路r32に従って経路終了位置Te2から走行開始位置S2まで自動走行する。
【0088】
作業車両10の現在位置が走行開始位置S2に一致すると、走行処理部111は、目標経路R2に従って、作業車両10を走行開始位置S2から走行終了位置G2まで自動走行させる(図4B参照)。作業車両10が走行終了位置G2に到達すると、走行処理部111は自動走行を終了させる。このように、走行処理部111は、作業車両10を、圃場F1内を自動走行させ、その後に圃場F1から圃場F2まで圃場間経路R12を自動走行させ、その後に圃場F2内を自動走行させる。
【0089】
オペレータは、作業車両10が自動走行している間、操作端末20において、圃場F1内における走行状態、圃場F1と圃場F2とを接続する道路R0における走行状態、圃場F2内における走行状態を把握することが可能である。
【0090】
なお、操作端末20は、サーバー(不図示)が提供する農業支援サービスのウェブサイト(農業支援サイト)に通信網N1を介してアクセス可能であってもよい。この場合、操作端末20は、操作制御部21によってブラウザプログラムが実行されることにより、前記サーバーの操作用端末として機能することが可能である。そして、前記サーバーは、上述の各処理部を備え、各処理を実行する。
【0091】
[自動走行処理]
以下、図10及び図11を参照しつつ、自動走行システム1が実行する前記自動走行処理の一例について説明する。
【0092】
なお、本発明は、前記自動走行処理に含まれる一又は複数のステップを実行する自動走行方法の発明として捉えることができる。また、ここで説明する前記自動走行処理に含まれる一又は複数のステップは適宜省略されてもよい。なお、前記自動走行処理における各ステップは同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。さらに、ここでは操作制御部21が前記自動走行処理における各ステップを実行する場合を例に挙げて説明するが、一又は複数のプロセッサーが当該自動走行処理における各ステップを分散して実行する自動走行方法も他の実施形態として考えられる。
【0093】
また、本発明の経路生成方法は、前記自動走行方法に含まれる。例えば図11に示すティーチング処理は、経路生成処理の一例であり、前記ティーチング処理における各ステップを実行するティーチング方法は、本発明は経路生成方法の一例である。
【0094】
ステップS1において、操作端末20の操作制御部21は、オペレータから圃場の選択操作を受け付けたか否かを判定する。操作制御部21は、圃場の選択操作を受け付けると(S1:Yes)、処理をステップS2に移行させる。操作制御部21は、圃場の選択操作を受け付けるまで待機する(S1:No)。ここでは、オペレータは圃場F1を選択する。
【0095】
ステップS2において、操作制御部21は、オペレータから作業経路の選択操作を受け付けたか否かを判定する。操作制御部21は、作業経路の選択操作を受け付けると(S2:Yes)、処理をステップS3に移行させる。操作制御部21は、作業経路の選択操作を受け付けない場合(S2:No)、処理をステップS1に移行させる。ここでは、オペレータは圃場F1に対応する作業経路として目標経路R1(図4A参照)を選択する。
【0096】
ステップS3において、操作制御部21は、圃場の選択操作が完了したか否かを判定する。例えばオペレータが圃場F1及び目標経路R1を選択して完了操作を行うと(S3:Yes)、操作制御部21は、処理をステップS4に移行させる。操作制御部21は、圃場の選択操作が完了していない場合(S3:No)、処理をステップS1に移行させる。
【0097】
ステップS1に戻ると、操作制御部21は、オペレータから圃場の選択操作を受け付けたか否かを判定する。ここでは、操作制御部21は、オペレータから圃場F2を選択する操作を受け付ける。また、続くステップS2において、操作制御部21は、オペレータから圃場F2に対応する作業経路として目標経路R2(図4B参照)を選択する操作を受け付ける。
【0098】
ステップS4において、操作制御部21は、オペレータが選択した圃場が複数であるか否かを判定する。操作制御部21は、オペレータが選択した圃場が複数の場合(S4:Yes)、処理をステップS5に移行させる。一方、操作制御部21は、オペレータが選択した圃場が1つの場合(S4:No)、処理をステップS7に移行させる。
【0099】
ステップS5において、操作制御部21は、オペレータが選択した複数の圃場間を接続する圃場間経路が、圃場間経路情報テーブルE1(図8参照)に登録済みであるか否かを判定する。操作制御部21は、前記圃場間経路が登録済みである場合(S5:Yes)、処理をステップS6に移行させる。一方、操作制御部21は、前記圃場間経路が登録済みでない場合(S5:No)、処理をステップS51(後述のティーチング処理)に移行させる。ステップS51に移行すると、操作制御部21は、前記圃場間経路を生成する処理を実行し(S51)、生成した前記圃場間経路を、オペレータが選択した複数の圃場間を接続する圃場間経路に設定する(S52)。ここでは、操作制御部21は、前記ティーチング処理により生成した圃場間経路R12を、圃場F1と圃場F2とを接続する圃場間経路に設定する(S52)。ステップS52の後、操作制御部21は、処理をステップS7に移行させる。
【0100】
ステップS6では、操作制御部21は、圃場間経路情報テーブルE1(図8参照)に登録済みの圃場間経路のうち、オペレータが選択した圃場間経路又は自動的に抽出した圃場間経路を、オペレータが選択した複数の圃場間を接続する圃場間経路に設定する。その後、操作制御部21は、処理をステップS7に移行させる。
【0101】
ステップS7において、操作制御部21は、オペレータから走行開始指示の操作を受け付けたか否かを判定する。操作制御部21は、オペレータから走行開始指示の操作を受け付けると(S7:Yes)、処理をステップS8に移行させる。操作制御部21は、オペレータから走行開始指示の操作を受け付けるまで待機する(S7:No)。
【0102】
ステップS8において、操作制御部21は、経路データを作業車両10に出力する。ここでは、操作制御部21は、圃場F1内の作業経路である目標経路R1(図4A参照)と、圃場F2内の作業経路である目標経路R2(図4B参照)と、圃場F1及び圃場F2間を接続する圃場間経路である圃場間経路R12(図7参照)とを含む経路データを作業車両10に出力する。
【0103】
作業車両10は、前記経路データを取得するとオペレータの操作に応じて自動走行を開始させる。これにより、作業車両10は、圃場F1(図4A参照)において走行開始位置S1から走行終了位置G1まで目標経路R1に従って自動走行して圃場F1の作業を終了すると、圃場F1内の経路開始位置Ts1から圃場F2内の経路終了位置Te2まで道路R0(図7参照)を自動走行する。また、作業車両10は、経路終了位置Te2に到達すると、圃場F2(図4B参照)において走行開始位置S2から走行終了位置G2まで自動走行して圃場F2の作業を終了する。
【0104】
ステップS9において、操作制御部21は、作業車両10が走行終了位置に到達したか否かを判定する。ここでは、前記走行終了位置は、圃場F2の走行終了位置G2(図4B参照)となる。操作制御部21は、作業車両10が走行終了位置に到達すると(S9:Yes)、処理を終了する。操作制御部21は、作業車両10が走行終了位置に到達するまで待機する(S9:No)。
【0105】
[ティーチング処理]
図11は、前記ティーチング処理(図10のステップS51)の手順の一例を示すフローチャートである。ここでは、オペレータが、圃場間経路の対象となる圃場として、圃場F1及び圃場F2を選択しているものとする。
【0106】
前記ティーチング処理では、先ずステップS21において、操作制御部21は、オペレータからティーチング操作の開始指示を取得したか否かを判定する。操作制御部21は、オペレータからティーチング操作の開始指示を取得すると(S21:Yes)、処理をステップS22に移行させる。操作制御部21は、オペレータからティーチング操作の開始指示を取得するまで待機する(S21:No)。
【0107】
ステップS22において、操作制御部21は、作業車両10の現在位置が圃場の出入口に位置するか否かを判定する。ここでは、操作制御部21は、作業車両10が圃場F1の出入口H1(図4A参照)に位置するか否かを判定する。操作制御部21は、作業車両10の現在位置が圃場の出入口に位置する場合(S22:Yes)、処理をステップS23に移行させる。操作制御部21は、作業車両10の現在位置が圃場の出入口に位置するまで待機する(S22:No)。
【0108】
ステップS23において、操作制御部21は、ティーチング走行の開始操作を受け付ける。例えば図6Aに示すティーチング操作画面D2において、オペレータがスタートボタンを押下すると、操作制御部21は、ティーチング走行の開始操作を受け付ける。
【0109】
次にステップS24において、操作制御部21は、圃場間経路の開始位置(経路開始位置)を設定する。ここでは、操作制御部21は、前記開始操作を受け付けると、圃場F1の出入口H1に位置する作業車両10の現在位置を経路開始位置Ts1として設定する(図6A参照)。これにより、オペレータは、ティーチング走行の操作が可能となる。
【0110】
オペレータは、例えば操作端末20を作業車両10に持ち込んで、操作端末20に表示された案内経路Mr(図6A参照)を確認しながら、圃場F1から圃場F2まで道路R0(図3参照)を手動走行させる。
【0111】
次にステップS25において、操作制御部21は、オペレータが作業車両10をティーチング走行させている間、作業車両10の走行情報(位置情報、走行速度情報、道路情報など)を取得する。
【0112】
次にステップS26において、操作制御部21は、オペレータからティーチング走行の終了操作を受け付けたか否かを判定する。操作制御部21は、オペレータからティーチング走行の終了操作を受け付けると(S26:Yes)、処理をステップS27に移行させる。操作制御部21は、オペレータからティーチング走行の終了操作を受け付けるまで、オペレータによるティーチング走行に応じて前記走行情報を取得する処理を継続する(S26:No)。例えば、オペレータは、作業車両10が圃場F2の出入口H2に到達するとティーチング操作の終了操作を行う(図6B参照)。
【0113】
ステップS27において、操作制御部21は、圃場間経路の終了位置(経路終了位置)を設定する。ここでは、操作制御部21は、前記終了操作を受け付けると、圃場F2の出入口H2に位置する作業車両10の現在位置を経路終了位置Te2として設定する(図6C参照)。
【0114】
次にステップS28において、操作制御部21は、圃場間経路を生成する。具体的には、操作制御部21は、作業車両10の位置情報に基づいて、作業車両10を圃場F1と圃場F2との間を自動走行させる圃場間経路R12を生成する。例えば、操作制御部21は、図7に示すように、圃場F1の出入口H1の経路開始位置Ts1と圃場F2の出入口H2の経路終了位置Te2とを接続し、道路R0上を通る圃場間経路R12を生成する。
【0115】
操作制御部21は、図6Cに示すティーチング操作画面D2において、生成した圃場間経路R12を登録するか否かをオペレータに通知する。オペレータがティーチング操作画面D2において圃場間経路R12を確認して登録ボタンを押下すると、操作制御部21は、圃場間経路R12を登録する指示を取得し、圃場間経路R12を圃場F1及び圃場F2に関連付けて登録する(図8参照)。
【0116】
操作制御部21は、以上のようにしてティーチング処理を実行し、ティーチング処理において生成した圃場間経路R12を、ステップS52(図10参照)において圃場F1及び圃場F2間の圃場間経路に設定する。
【0117】
以上のようにして、操作制御部21は、前記自動走行処理を実行する。作業車両10は、操作制御部21から転送される経路データに基づいて、複数の圃場のそれぞれにおいて自動走行しながら所定の作業を行い、圃場間を自動走行する。なお、図11に示したティーチング処理は、作業車両10に作業を開始させる際に実行させてもよいし、作業車両10に作業を行わせないときに実行させてもよい。
【0118】
以上説明したように、本実施形態に係る自動走行システム1は、オペレータの走行操作を受け付け、前記走行操作に基づいて圃場F1と圃場F2とを接続する道路R0(本発明の接続路の一例)を走行する作業車両10の位置情報を取得し、前記位置情報に基づいて、作業車両10を圃場F1と圃場F2との間を自動走行させる圃場間経路R12(本発明の圃場間経路の一例)を生成する。
【0119】
上記構成によれば、複数の圃場間を自動走行させる経路をオペレータの走行操作(手動走行操作)に応じて生成することができる。これにより、作業車両10を、複数の圃場間を確実に自動走行させることができる。また、一度手動走行によって圃場間を走行させた圃場間経路を記憶させることによって次回の作業では複数の圃場間を自動走行可能とすることで作業効率を向上させることができる。このため、複数の圃場を連続して作業車両10に自動的に作業させることができる。
【0120】
本発明は上述の実施形態に限定されず、以下の実施形態であってもよい。
【0121】
例えば図12Aに示すように、操作制御部21は、作業車両10を走行終了位置G1から経路開始位置Ts1まで自動走行させる経路(補間経路r31)を生成してもよい。具体的には、操作制御部21は、圃場F1内に経路開始位置Ts1を設定した場合に(図6A参照)、圃場F1内の目標経路R1の走行終了位置G1と経路開始位置Ts1とを接続する補間経路r31を生成する。
【0122】
また図12Bに示すように、操作制御部21は、作業車両10を経路終了位置Te2から走行開始位置S2まで自動走行させる経路(補間経路r32)を生成してもよい。具体的には、操作制御部21は、圃場F2内に経路終了位置Te2を設定した場合に(図6C参照)、経路終了位置Te2と圃場F2内の目標経路R1の走行開始位置S2とを接続する補間経路r32を生成する。
【0123】
操作制御部21は、生成した補間経路r31,r32を、圃場F1及び圃場F2の圃場間経路R12に関連付けて登録する。これにより、作業車両10は、圃場F1の走行開始位置S1から圃場F2の走行終了位置G2までの全経路を自動走行することが可能になる。
【0124】
なお、作業車両10が圃場F2を作業した後に圃場F1に移動して作業を行う場合には、操作制御部21は、圃場F2において目標経路R2の走行終了位置G2と経路開始位置(経路終了位置Te2と同じ位置)とを接続する補間経路を生成し、圃場F1において経路終了位置(経路開始位置Ts1と同じ位置)と目標経路R1の走行開始位置S1とを接続する補間経路を生成する。すなわち、本発明において、第1圃場に作業車両10を自動走行させる第1目標経路が設定されており、第2圃場に作業車両10を自動走行させる第2目標経路が設定されている場合に、操作制御部21は、前記第1目標経路の開始位置又は終了位置と第1端部位置(経路開始位置又は経路終了位置)とを接続する第1補間経路と、前記第2目標経路の開始位置又は終了位置と第2端部位置(経路開始位置又は経路終了位置)とを接続する第2補間経路とを生成する。
【0125】
本発明の他の実施形態として、操作制御部21は、既に登録されている圃場間経路の少なくとも一部を利用して、他の複数の圃場間を接続する圃場間経路を生成してもよい。例えば、圃場F1及び圃場F2間を接続する圃場間経路R12(図7参照)と、圃場F3及び圃場F4間を接続する圃場間経路R34(図13参照)とが登録されている場合に(図8参照)、操作制御部21は、圃場間経路R12及び圃場間経路R34の少なくとも一部を利用して、他の圃場間の圃場間経路を生成する。具体的には、図14に示すように、操作制御部21は、圃場間経路R12の一部の部分経路R12aと、圃場間経路R34の一部の部分経路R34aとを利用して、圃場F1及び圃場F3間の圃場間経路R13を生成する。
【0126】
図14に示す例では、操作制御部21は、登録済の圃場間経路R12,R34を利用して、圃場F1~F4において各圃場間を相互に接続する複数の圃場間経路を生成することができる。
【0127】
上述の実施形態では、本発明の第1領域の一例として圃場F1を挙げ、第2領域の一例として圃場F2を挙げたが、本発明の第1領域及び第2領域は圃場に限定されない。例えば図15に示すように、前記第1領域が圃場F1であり、前記第2領域が作業車両10に補給物(燃料、苗、肥料、散布物など)を補給する補給領域AR1であってもよい。操作制御部21は、オペレータによる前記ティーチング操作に応じて、圃場F1と補給領域AR1とを接続する経路R11(本発明の領域間経路の一例)を生成する。
【0128】
例えば、作業車両10は、圃場F1内において作業途中に経路開始位置Ts1から経路R11を自動走行し、経路終了位置Terに到達すると、補給領域AR1において補給処理を実行する。作業車両10は、補給処理が終了すると、経路R11を自動走行して圃場F1に戻り作業を再開する。上記構成によれば、作業車両10を作業途中に補給領域AR1まで自動走行させ、補給領域AR1から圃場F1まで自動走行させることができるため、作業効率を向上させることができる。
【0129】
また、上記構成において、作業車両10は、圃場F1から補給領域AR1まで自動走行し、補給領域AR1から圃場F2まで自動走行してもよい。この場合、操作制御部21は、圃場F1と補給領域AR1とを接続する経路R11と、補給領域AR1と圃場F2とを接続する経路とを生成する。このように、操作制御部21は、作業車両10が一の圃場から中継地点を経由して他の圃場に移動する場合に、一の圃場と中継地点とを接続する経路と、中継地点と他の圃場とを接続する経路とを、オペレータによる前記ティーチング操作に応じて生成してもよい。なお、本発明の第1領域及び第2領域は、作業車両10から排出物(収穫物など)を排出する排出領域であってもよいし、作業車両10の保管領域(納屋など)であってもよい。すなわち、本発明の第1領域及び第2領域は、圃場、作業車両10に補給物を補給する補給領域、作業車両10から排出物を排出する排出領域、又は、作業車両10の保管領域である。
【0130】
また、本発明の他の実施形態として、例えば圃場F1から圃場F2にティーチング走行して生成した圃場間経路R12は、作業車両10が圃場F1から圃場F2に移動する経路として利用されてもよいし、作業車両10が圃場F2から圃場F1に移動する経路として利用されてもよい。
【0131】
上述した実施形態では、操作制御部21は、オペレータによるティーチング操作に基づいて、複数の圃場間を接続する道路R0の圃場間経路を生成しているが、本発明はこれに限定されない。他の実施形態として、操作制御部21は、作業車両10が過去に走行した走行軌跡に基づいて前記圃場間経路を生成してもよい。例えば、作業車両10により圃場F1及び圃場F2で作業を行う場合に、オペレータは、圃場F1の作業が終了すると作業車両10を圃場F1から圃場F2まで手動走行させて圃場F2の作業を行う。操作制御部21は、前記作業時に作業車両10が走行した軌跡に基づいて圃場F1及び圃場F2間の経路を生成する。このように、操作制御部21は、通常の作業時にオペレータが作業車両10を手動走行させた軌跡により前記圃場間経路を生成してもよい。
【0132】
[走行情報の報知処理]
ここで、作業車両10に一の圃場と他の圃場とを接続する圃場間経路(領域間経路)を自動走行させる場合、作業車両10が他の車両などに接触することを回避するために圃場間経路の安全性に注意を払う必要がある。本実施形態に係る自動走行システム1は、以下に示すように、作業車両10に複数の領域間を安全かつ効率良く自動走行させることが可能な構成を備えている。
【0133】
具体的には、走行処理部111は、圃場間経路の端点において作業車両10を停止(一時停止)させる。また、報知処理部112は、圃場間経路の走行に関する走行情報を圃場において報知させる。
【0134】
図16には、作業車両10が圃場F1の作業を終了した後に、圃場間経路R12を走行して圃場F2に移動する例を示している。走行処理部111は、図12Aに示すように、作業車両10が圃場F1において目標経路R1に従って作業を終了すると、作業車両10を走行終了位置G1から圃場間経路R12の経路開始位置Ts1まで補間経路r31を自動走行させる。経路開始位置Ts1は、例えば図16に示すように圃場F1の出入口H1に設定される。走行処理部111は、作業車両10が圃場間経路R12の経路開始位置Ts1に到達すると、経路開始位置Ts1において作業車両10を一時停止させる。
【0135】
走行処理部111が作業車両10を経路開始位置Ts1に停止させた後、報知処理部112は、作業車両10と操作端末20とにおいて前記走行情報を報知させる。前記走行情報は、作業車両10が停止したことを示す停止情報と、作業車両10の走行を再開させるか否かを問い合わせる問い合わせ情報との少なくともいずれかを含む。なお、報知対象の操作端末20は、作業車両10のオペレータが操作する操作端末であってもよいし、作業車両10を監視する監視者が操作する操作端末であってもよい。すなわち、本発明のユーザーには、オペレータ、監視者、作業者などが含まれる。
【0136】
例えば図16に示すように、報知処理部112は、作業車両10から前記停止情報(「一時停止中です」のメッセージ)を音声出力させる。このように、報知処理部112は、作業車両10の周囲に注意喚起するために、前記停止情報に関するメッセージを音声出力させる。なお、報知処理部112は、作業車両10に搭載される表示灯を点灯又は点滅させてもよい。
【0137】
また、報知処理部112は、操作端末20に前記停止情報及び前記問い合わせ情報を表示させる。例えば図16及び図17に示すように、報知処理部112は、圃場F1内に位置する作業車両10(トラクターX)のオペレータAの操作端末20aの走行画面D4に、前記停止情報(「トラクターXが停止中です。周囲の安全を確認して走行を再開させて下さい。」のメッセージ)と、前記問い合わせ情報(「走行再開」ボタン、「保留」ボタン)を表示させる。これにより、オペレータAは、作業車両10が圃場F1の出入口H1で一時停止したことを把握することができる。
【0138】
オペレータAは、走行画面D4(図17参照)において、作業車両10の一時停止状態を解除して自動走行を再開させる指示を行うことが可能である。例えば、オペレータAは、作業車両10の停止位置に移動して作業車両10の周囲、道路R0の安全を目視で確認すると、図17に示す走行画面D4において「走行再開」ボタンを押下する。オペレータAが「走行再開」ボタンを押下すると、操作端末20の操作制御部21はオペレータAの操作を受け付けて走行再開指示を作業車両10に出力する。
【0139】
走行処理部111は、操作端末20から前記走行再開指示を取得すると、経路開始位置Ts1において一時停止状態を解除して作業車両10に自動走行を再開させる。すなわち、走行処理部111は、作業車両10に、経路開始位置Ts1から圃場間経路R12に従って自動走行を開始させる。
【0140】
また、報知処理部112は、走行処理部111が作業車両10に自動走行を再開させる際に、作業車両10が走行を再開することを示す再開情報を報知させる。例えば図18に示すように、報知処理部112は、作業車両10から前記再開情報(「走行を再開します」のメッセージ)を音声出力させる。このように、報知処理部112は、作業車両10の周囲に注意喚起するために、前記再開情報に関するメッセージを音声出力させる。また、報知処理部112は、操作端末20に前記再開情報を表示させてもよい。
【0141】
また、報知処理部112は、走行画面D4において、作業車両10に搭載されたカメラが撮影した画像P1を表示させてもよい(図17参照)。また、操作端末20が作業車両10から所定距離以内に位置する場合には、操作端末20のオペレータは作業車両10の近くに移動して目視により確認することが可能である。このため、報知処理部112は、操作端末20が作業車両10から所定距離を超える場所に位置する場合に画像P1を表示させ、操作端末20が作業車両10から所定距離以内に位置する場合には画像P1を表示させない構成としてもよい。なお、画像P1には、作業車両10の前方、左右、後方の撮影画像が含まれてもよい。
【0142】
ここで、車両制御装置11は、オペレータが目視により安全を確認したことを条件として、作業車両10の一時停止状態を解除して自動走行を再開させてもよい。具体的には、報知処理部112は、作業車両10が経路開始位置Ts1に停止したときに操作端末20に前記停止情報を表示させ、操作端末20が作業車両10から所定距離以内になった場合に前記問い合わせ情報を表示させる。例えば、走行処理部111が作業車両10を経路開始位置Ts1に停止させると、報知処理部112は、操作端末20の走行画面D4に、作業車両10が停止中であることを表示させ、「走行再開」ボタンを表示させない。オペレータAが作業車両10の自動走行を再開させるために作業車両10に近付いて所定距離以内の位置に来ると、報知処理部112は、走行画面D4に「走行再開」ボタンを表示させる。これにより、オペレータAは、作業車両10の周囲を目視により確認できる位置まで近付いた場合に「走行再開」ボタンを押下することが可能となる。すなわち、オペレータAは、作業車両10から所定距離を超える位置にいる場合には、作業車両10の自動走行を再開させることができない。この構成によれば、作業車両10に道路R0を自動走行させる前に、作業車両10の周囲をオペレータAに確実に確認させることができる。
【0143】
他の実施形態として、車両制御装置11は、複数の操作端末20に前記走行情報を報知させてもよい。例えば図19には、作業車両10(トラクターX)が作業を行う圃場F1及び圃場F2と、他の作業車両が作業を行う圃場F3とを示している。作業車両10は圃場間経路R12を自動走行して圃場F1から圃場F2に移動する。オペレータAは圃場F1及び圃場F2の作業を管理し、オペレータBは圃場F3の作業を管理する。
【0144】
この場合に、報知処理部112は、圃場F1にいるオペレータAの操作端末20aに前記走行情報として、前記停止情報及び前記問い合わせ情報を表示させ、圃場間経路R12に接続しない圃場F3にいるオペレータBの操作端末20bには前記走行情報として、前記停止情報のみを表示させる。このように、報知処理部112は、複数の操作端末20のそれぞれにおいて、作業車両10が一時停止したことを示す情報を表示させるとともに、圃場間経路R12を自動走行する作業車両10を管理するオペレータAの操作端末20aにおいて、さらに自動走行を再開させるか否かを問い合わせる問い合わせ情報を表示させる。
【0145】
すなわち、車両制御装置11は、作業車両10が道路R0を走行しようとしていることを作業車両10の周囲のオペレータに通知するとともに、作業車両10に道路R0を走行させる指示(許可)をする権限(走行再開権限)を、当該作業車両10を管理するオペレータAのみに付与する。これにより、例えば図19に示す例では、圃場F3にいるオペレータBも、圃場F1の作業車両10が道路R0を走行しようとしていることを認識することができるため、道路R0の安全を目視で確認することができる。
【0146】
他の実施形態として、車両制御装置11は、オペレータAが一時停止した作業車両10の自動走行を再開させる指示(走行再開指示)をしない場合に、他のオペレータに前記問い合わせ情報を通知してもよい。例えば図19に示す例において、報知処理部112が操作端末20aに前記問い合わせ情報として「走行再開」ボタンを表示させた場合に、オペレータAが当該通知に気が付かず、「走行再開」ボタンが押下されない場合がある。この場合、報知処理部112は、オペレータBの操作端末20bに前記問い合わせ情報(「走行再開」ボタン)を表示させる。また、報知処理部112は、図20に示すように、操作端末20aにおいて、オペレータBに前記問い合わせ情報を通知(走行再開権限を付与)したことを表示させてもよい。
【0147】
図21には、操作端末20bの走行画面D4の一例を示している。圃場F3にいるオペレータBは、前記問い合わせ情報を確認すると、圃場F1の作業車両10の停止位置に移動して作業車両10の周囲、道路R0の安全を目視で確認して、走行画面D4において「走行再開」ボタンを押下する。オペレータBが「走行再開」ボタンを押下すると(図21参照)、操作端末20bの操作制御部21はオペレータBの操作を受け付けて走行再開指示を作業車両10に出力する。
【0148】
なお、報知処理部112は、操作端末20aにおいて前記走行情報(前記問い合わせ情報)を報知させてから所定時間が経過するまでの間に前記走行再開指示を取得しなかった場合に、操作端末20bにおいて前記走行情報(前記問い合わせ情報)を報知させてもよい。具体的には、報知処理部112は、オペレータAに通知してから所定時間以内に操作端末20aから前記走行再開指示を取得しない場合に、操作端末20bに前記問い合わせ情報を表示させてもよい。すなわち、車両制御装置11は、作業車両10のオペレータが前記所定時間以内に前記走行再開指示をしなかった場合に、他のオペレータに前記走行再開指示の権限を付与(委譲)する。
【0149】
また、報知処理部112は、操作端末20aにおいて前記走行情報(前記問い合わせ情報)を報知させた後に、オペレータAが他のオペレータ(例えばオペレータB)に前記走行再開指示の権限を委任する操作を行ってもよい。例えばオペレータAが作業中で手を離せない状況で作業車両10の位置に移動できない場合に、オペレータAは、図22に示すように操作端末20aにおいて、オペレータBに前記走行再開指示の権限を委任する操作(例えば、「他のオペレータに委任」のボタンを押下する操作)を行う。報知処理部112は、オペレータAの当該操作に応じて、操作端末20bに前記問い合わせ情報を表示させる。
【0150】
この構成によれば、圃場F1のオペレータAが前記走行再開指示を行うことができない場合であっても、他のオペレータBが作業車両10の停止位置に移動して作業車両10の周囲、道路R0の安全を目視で確認して、自動走行を再開させることが可能となる。
【0151】
他の実施形態として、車両制御装置11は、オペレータAが一時停止した作業車両10の自動走行を再開させる指示(走行再開指示)をしない場合に、他の複数のオペレータに前記問い合わせ情報を通知してもよい。例えば図23に示す例では、作業車両10(トラクターX)が作業を行う圃場F1及び圃場F2と、他の作業車両10が作業を行う圃場F3~F5とを示している。作業車両10は圃場間経路R12を自動走行して圃場F1から圃場F2に移動する。オペレータAは圃場F1及び圃場F2の作業を管理し、オペレータBは圃場F3の作業を管理し、オペレータCは圃場F4の作業を管理し、オペレータDは圃場F5の作業を管理する。
【0152】
この場合に、報知処理部112は、圃場F1にいるオペレータAの操作端末20aに前記走行情報として、前記停止情報及び前記問い合わせ情報を表示させ、圃場間経路R12に接続しない圃場F3~F5にいるオペレータB~Dの操作端末20b~20dに前記走行情報として、前記停止情報を表示させる。さらに、報知処理部112は、複数の操作端末20b~20dのうち優先順位に基づいて決定される操作端末20に、前記問い合わせ情報を表示させる。例えば図23に示す例では、報知処理部112は、操作端末20b~20dのうち作業車両10に最も近い操作端末20dに、前記問い合わせ情報(「「走行再開」ボタン」)を表示させる。このように、作業車両10に最も近い操作端末20dのオペレータDに前記走行再開指示の権限を付与することにより、作業車両10が道路R0を走行する際の安全確認を迅速に行うことができる。このように、報知処理部112は、オペレータAが前記所定時間以内に前記走行再開指示をしなかった場合、又は、オペレータAが他のオペレータに前記走行再開指示の権限を委任する操作を行った場合に、優先順位に応じたオペレータに前記走行再開指示の権限を付与(委譲)する。
【0153】
なお、車両制御装置11は、作業車両10に近い順に優先順位を設定してもよい。この場合、例えば、報知処理部112は、作業車両10に最も近い優先順位第1位の操作端末20dのオペレータDから前記走行開始指示を取得しない場合に、作業車両10に次に近い優先順位第2位の操作端末20bに前記問い合わせ情報を表示させる。具体的には、報知処理部112は、オペレータDが前記所定時間以内に前記走行再開指示をしなかった場合、又は、オペレータDが他のオペレータに前記走行再開指示の権限を委任する操作を行った場合に、オペレータBに前記走行再開指示の権限を付与(委譲)する。
【0154】
また、車両制御装置11は、複数の操作端末20b~20dのうち、管理対象の作業車両が作業中ではないオペレータの操作端末20に、前記問い合わせ情報を表示させてもよい。例えば、圃場F3の作業車両及び圃場F5の作業車両が作業中であり、圃場F4の作業車両が作業中でない場合、圃場F4のオペレータCは作業負担が軽い状況にある。この場合、報知処理部112は、オペレータCの操作端末20cに前記問い合わせ情報を表示させてもよい。このように、報知処理部112は、作業状況に応じた優先順位に基づいて前記走行再開指示の権限を委譲してもよい。
【0155】
また他の実施形態として、報知処理部112は、圃場間経路R12の経路開始位置Ts1に到達する前に、前記走行情報を報知させてもよい。具体的には、報知処理部112は、作業車両10が走行終了位置G1から圃場間経路R12の経路開始位置Ts1まで補間経路r31を自動走行中(図12A参照)に、作業車両10及び操作端末20において前記走行情報を報知させてもよい。
【0156】
また他の実施形態として、車両制御装置11は、オペレータが走行画面D4において「保留」ボタンを押下した場合に、作業車両10の停止状態を維持してもよい。例えば、作業車両10が一時停止した際にオペレータAが作業中で手を離せない場合に走行画面D4の「保留」ボタン(図17等参照)を押下する。この場合、報知処理部112は、前記走行開始指示の権限を他のオペレータに委譲することなく、オペレータAからの指示を待機する。その後、オペレータAが作業車両10の近くに移動して安全確認後に「走行再開」ボタンを押下すると(図17参照)、走行処理部111は、作業車両10の自動走行を再開させる。このように、オペレータAが作業車両10の自動走行を再開させる操作を行う意思がある場合は、「保留」ボタンを押下することにより作業車両10の停止状態を維持させることができる。
【0157】
また他の実施形態として、車両制御装置11は、圃場間経路R12の経路終了位置Te2において作業車両10を一時停止させて前記走行情報を報知させてもよい。具体的には、車両制御装置11は、経路終了位置Te2において作業車両10を停止させた後に、作業車両10と、作業車両10と通信可能な圃場内に位置する操作端末20とにおいて、前記走行情報を報知させる。
【0158】
以上のように、車両制御装置11は、圃場間経路R12の端点(経路開始位置Ts1又は経路終了位置Te2)において作業車両10を停止させ、圃場間経路R12の走行に関する前記走行情報を報知させる。また他の実施形態として、車両制御装置11は、圃場間経路R12を自動走行する作業車両10を道路R0の交差点で一時停止させて前記走行情報を報知させてもよい。
【0159】
また他の実施形態として、車両制御装置11は、圃場間経路R12の端点において作業車両10を停止させた場合に、遠隔地にいるオペレータに前記走行情報を報知してもよい。例えば、報知処理部112は、圃場F1において作業車両10が一時停止した場合に、遠隔地にいるオペレータの操作端末20において前記停止情報と前記問い合わせ情報とを表示させる。また、この場合、報知処理部112は、走行画面D4において、作業車両10に搭載されたカメラが撮影した画像P1を表示させて、作業車両10の周囲、道路R0の状況をオペレータに通知する。なお、車両制御装置11は、遠隔地のオペレータによる、作業車両10の自動走行の再開指示を禁止してもよい。また、車両制御装置11は、遠隔地のオペレータから作業車両10の自動走行の再開指示を受け付けた場合には、作業車両10の近くに他のオペレータがいることを条件として、作業車両10の自動走行の再開を許可する構成としてもよい。
【0160】
[自動走行処理]
図24には、車両制御装置11において実行される自動走行処理(走行情報の報知処理)の一例を示している。ここでは、作業車両10が圃場F1、圃場間経路R12、及び圃場F2(図23参照)を順に自動走行するものとする。
【0161】
先ずステップS31において、車両制御装置11は、圃場F1内において、作業車両10を目標経路R1(図4A参照)に従って自動走行させながら作業機14による作業を実行させる。
【0162】
次にステップS32において、車両制御装置11は、作業車両10が圃場間経路R12の経路開始位置Ts1に到達したか否かを判定する。車両制御装置11は、作業車両10が圃場間経路R12の経路開始位置Ts1に到達したと判定すると(S32:Yes)、処理をステップS33に移行させる。一方、車両制御装置11は、作業車両10が圃場間経路R12の経路開始位置Ts1に到達していないと判定すると(S32:No)、処理をステップS31に移行させる。
【0163】
ステップS33において、車両制御装置11は、作業車両10を一時停止させる。例えば、車両制御装置11は、作業車両10を出入口H1の経路開始位置Ts1で一時停止させる(図23参照)。
【0164】
次にステップS34において、車両制御装置11は、圃場F1にいるオペレータAに作業車両10が一時停止したことを報知する。具体的には、車両制御装置11は、作業車両10から前記停止情報(「一時停止中です」のメッセージ)を音声出力させ(図16参照)、オペレータAの操作端末20aに前記停止情報及び前記問い合わせ情報(「走行再開」ボタン、「保留」ボタン)を表示させる(図17参照)。
【0165】
次にステップS35において、車両制御装置11は、操作端末20から前記走行開始指示を取得したか否かを判定する。車両制御装置11は、オペレータAの操作端末20aから前記走行開始指示を取得した場合に(S35:Yes)、処理をステップS36に移行させる。一方、車両制御装置11は、オペレータAの操作端末20aから前記走行開始指示を取得しない場合に(S35:No)、処理をステップS351に移行させる。
【0166】
ステップS351では、車両制御装置11は、所定時間が経過したか否かを判定する。具体的には、車両制御装置11は、作業車両10が一時停止したことを作業車両10及び操作端末20から報知させた時点(又は作業車両10が停止した時点)から所定時間(例えば5分)が経過したか否かを判定する。車両制御装置11は、所定時間が経過したと判定すると(S351:Yes)、処理をステップS352に移行させる。一方、車両制御装置11は、所定時間が経過していないと判定すると(S351:No)、処理をステップS35に移行させる。
【0167】
すなわち、車両制御装置11は、作業車両10が一時停止したことを作業車両10及び操作端末20から報知させた時点から所定時間が経過するまでの間に操作端末20a(オペレータA)から前記走行開始指示を取得した場合に、処理をステップS35に移行させ、当該所定時間が経過するまでの間に操作端末20a(オペレータA)から前記走行開始指示を取得しなかった場合に、処理をステップS352に移行させる。
【0168】
ステップS352では、車両制御装置11は、他のオペレータに作業車両10が一時停止したことを報知する。例えば図23に示す例では、車両制御装置11は、作業車両10に最も近いオペレータDの操作端末20dに前記問い合わせ情報(「走行再開」ボタン、「保留」ボタン)を表示させる。
【0169】
次にステップS353において、車両制御装置11は、操作端末20dから前記走行開始指示を取得したか否かを判定する。車両制御装置11は、オペレータDの操作端末20dから前記走行開始指示を取得した場合に(S353:Yes)、処理をステップS36に移行させる。一方、車両制御装置11は、オペレータDの操作端末20dから前記走行開始指示を取得しない場合に(S352:No)、処理をステップS352に移行させる。ここで、オペレータDが前記走行開始指示を行わなかった場合(S352:No)、車両制御装置11は、ステップS352において、オペレータDの次に作業車両10に近いオペレータBに作業車両10が一時停止したことを報知する。
【0170】
このように、車両制御装置11は、作業車両10に近いいずれかのオペレータから前記走行開始指示を取得するまでステップS352の処理を繰り返す。
【0171】
ステップS36において、車両制御装置11は、作業車両10に圃場間経路R12の自動走行を再開させる。すなわち、車両制御装置11は、経路開始位置Ts1において一時停止状態を解除して、作業車両10に、経路開始位置Ts1から圃場間経路R12に従って自動走行を開始させる。
【0172】
次にステップS37において、車両制御装置11は、作業車両10が圃場間経路R12の経路終了位置Te2に到達したか否かを判定する。車両制御装置11は、作業車両10が圃場間経路R12の経路終了位置T2eに到達したと判定すると(S37:Yes)、処理をステップS38に移行させる。一方、車両制御装置11は、作業車両10が圃場間経路R12の経路終了位置Te2に到達するまで圃場間経路R12の自動走行を継続させる(S37:No)。
【0173】
ステップS38において、車両制御装置11は、車両制御装置11は、圃場F2内において、作業車両10を目標経路R2(図4B参照)に従って自動走行させながら作業機14による作業を実行させる。車両制御装置11は、作業車両10が圃場F2内の作業を終了すると走行制御処理を終了する。以上のようにして、車両制御装置11は、前記自動走行処理(走行情報の報知処理)を実行する。
【0174】
以上説明したように、本実施形態に係る自動走行システム1は、複数の領域(圃場)を接続する接続路(道路)に対して予め設定された領域間経路(圃場間経路)に従って作業車両10を自動走行させる。また、自動走行システム1は、前記領域間経路の端点(開始点又は終了点)において作業車両10を停止させ、前記領域間経路の走行に関する走行情報を前記領域において報知させる。具体的には、自動走行システム1は、圃場間経路R12の経路開始位置Ts1において作業車両10を停止させた後に、作業車両10と、作業車両10と通信可能な圃場内に位置する操作端末20とにおいて、作業車両10が停止したことを示す停止情報と、作業車両10の走行を再開させるか否かを問い合わせる問い合わせ情報とを報知させる。
【0175】
これにより、オペレータは、作業車両10の停止位置に移動して作業車両10の周囲、道路R0の安全を目視で確認することができる。また、オペレータは、安全を確認した後に作業車両10の道路R0の自動走行を再開させることができる。よって、作業車両10に複数の圃場間を安全かつ効率良く自動走行させることが可能となる。
【0176】
[駆動源の駆動処理]
ところで、作業車両10を一時停止させた状態でいずれのオペレータも前記走行開始指示を行わない場合、作業車両10が停止したままとなり道路R0の自動走行が開始されなくなる問題が生じる。本実施形態に係る自動走行システム1は、以下に示すように、作業車両10に複数の領域間を効率良く自動走行させることが可能な構成を備えている。
【0177】
例えば、自動走行システム1は、作業車両10を一時停止させた後に所定の条件を満たす場合に、作業車両10に道路R0(圃場間経路R12)の自動走行を開始させる。
【0178】
具体的には、走行処理部111は、作業車両10の停止位置に対応する圃場F1において作業車両10から所定距離以内にオペレータがいる場合に、作業車両10に圃場間経路R12の自動走行を開始させる。
【0179】
例えば、車両制御装置11が、オペレータが作業車両10に搭乗したことを検知した場合に、走行処理部111は、作業車両10に圃場間経路R12の自動走行を開始させる。車両制御装置11は、作業車両10の運転席に設けられたセンサーによってオペレータが作業車両10に搭乗したか否かを判断してもよい。また、車両制御装置11は、操作端末20の位置情報を取得して、当該位置情報に基づいて操作端末20を所持するオペレータが作業車両10に搭乗したか否かを判断してもよい。
【0180】
このように、作業車両10が圃場F1の経路開始位置Ts1で一時停止して、オペレータから走行再開指示がされない場合であっても、走行処理部111は、オペレータが作業車両10に搭乗したことを検知した場合には作業車両10の自動走行を再開させる。これにより、オペレータが作業車両10に搭乗することにより迅速に自動走行を再開させることができる。なお、車両制御装置11は、オペレータが作業車両10に搭乗した場合に、手動走行モードに切り替え可能であってもよい。前記手動走行モードでは、オペレータが手動操舵可能であってもよいし、車速の変速操作のみ可能であってもよい。
【0181】
また、走行処理部111は、車両制御装置11が作業車両10から所定距離以内にオペレータを検知してから所定時間経過後に作業車両10に圃場間経路R12の自動走行を開始させてもよい。例えば、走行処理部111は、車両制御装置11が前記オペレータを検知してから30秒後に作業車両10に自動走行を開始させる。また図25に示すように、報知処理部112は、車両制御装置11が前記オペレータを検知したこと、所定時間(例えば30秒)経過後に作業車両10に自動走行を開始させることを、オペレータAの操作端末20に報知してもよい。なお、作業車両10から所定距離以内の前記オペレータ及び作業車両10に搭乗するオペレータは、圃場F1のオペレータAであってもよいし、他のオペレータ、監視者、作業者などであってもよい。
【0182】
また、図25に示す走行画面D4において、オペレータAが「保留」ボタンを押下した場合には、走行処理部111は、作業車両10に自動走行を開始させることなく、一時停止状態を継続させる。例えば、オペレータA自身が作業車両10の安全を確認することを希望する場合には、オペレータAは、図25に示す走行画面D4において「保留」ボタンを押下する。この場合、走行処理部111は、作業車両10に搭乗したオペレータを検知したとしても自動走行を再開させず停止状態を維持する。
【0183】
他の実施形態として、走行処理部111は、操作端末20が作業車両10から所定距離以内に位置する場合に、作業車両10に圃場間経路R12の自動走行を開始させてもよい。例えば、操作端末20が作業車両10から数メートル以内(例えば3メートル)に位置する場合にはオペレータが道路R0の安全を目視により確認することが可能であるため、走行処理部111は、作業車両10の一時停止状態を解除して、作業車両10に、経路開始位置Ts1から圃場間経路R12に従って自動走行を再開させる。すなわち、本発明では、走行処理部111は、オペレータが作業車両10に搭乗した場合、又は、オペレータが作業車両10から所定距離以内にいる場合に、自動走行の再開を許可する。
【0184】
また、他の実施形態として、車両制御装置11が、作業車両10が停止してから所定時間が経過するまでの間に、作業車両10から所定距離以内のオペレータを検知した場合に、走行処理部111は、作業車両10に圃場間経路R12の自動走行を開始させてもよい。また、車両制御装置11が、作業車両10が停止してから所定時間が経過するまでの間に、作業車両10から所定距離以内のオペレータを検知しなかった場合には、駆動処理部113は、作業車両10の駆動源を停止させてもよい。
【0185】
例えば、作業車両10を一時停止させた状態でいずれのオペレータも前記走行開始指示を行わず、さらに、作業車両10の近くにオペレータがいない場合(又は作業車両10にオペレータが搭乗しない場合)、エンジン131が稼働したままとなり燃料が無駄に消費されてしまう。そこで、駆動処理部113は、作業車両10の一時停止状態が所定時間(例えば10分)継続した場合に、エンジン131を停止させる。これにより、燃料の無駄な消費を抑えることができる。
【0186】
なお、作業車両10が出入口H1で一時停止している状態でエンジン131を停止させると、他の車両の出入りを邪魔してしまう。また、出入口H1が傾斜している場合には、作業車両10が傾斜した姿勢で停止してしまう。そこで、駆動処理部113は、作業車両10を出入口H1の経路開始位置Ts1(停止位置)から圃場F1内の所定位置に移動させた後にエンジン131を停止させてもよい。例えば、駆動処理部113は、作業車両10を出入口H1に近い圃場F1内の平坦地に移動させた後にエンジン131を停止させる。
【0187】
報知処理部112は、作業車両10のエンジン131を停止させる場合、図26に示すように、走行画面D4において、エンジン131を停止させる旨のメッセージを表示させる。なお、図26に示す走行画面D4において、オペレータAが「保留」ボタンを押下した場合には、駆動処理部113は、エンジン131を停止させることなく、稼働状態を継続させる。例えば、オペレータAは、作業車両10の停止位置に向かうことできる場合に、図26に示す走行画面D4において「保留」ボタンを押下する。
【0188】
また、駆動処理部113がエンジン131を停止させた場合に、報知処理部112は、図27に示すように、走行画面D4において、エンジン131が停止したこと、及び、エンジン131を始動させる「始動」ボタンを表示させる。これにより、オペレータは、エンジン131が停止したことを把握することができる。また、オペレータは、操作端末20においてエンジン131を再始動させることができる。駆動処理部113は、作業車両10のエンジン131を停止させた後に、作業車両10と通信可能な操作端末20からエンジン131の動作を再開させる操作を受け付けた場合に、エンジン131の動作を再開させる。
【0189】
なお、報知処理部112は、操作端末20が作業車両10から所定距離以内に位置する場合に、走行画面D4に「始動」ボタンを表示させてもよい。これにより、オペレータが目視により作業車両10の安全を確認できることを条件として、エンジン131の動作の再開を許可することができる。また、報知処理部112は、エンジン131を始動させる際に作業車両10からエンジン131を始動させる旨のメッセージ(例えば「エンジンを始動します」)を音声出力させてもよい。
【0190】
ここで、作業機14が薬剤を散布するスプレイヤーなど駆動源(エンジン131)により継続して稼働させる必要のある作業機である場合には、駆動処理部113は、作業車両10が停止している間も駆動源を継続して駆動させる。これにより、例えば、作業車両10が圃場F1から圃場F2に移動した後すぐに作業(散布作業)を行うことができる。このように、駆動処理部113は、作業内容に応じて、作業車両10の一時停止後にエンジン131を停止させるか否かを決定してもよい。
【0191】
他の実施形態として、車両制御装置11は、圃場間経路R12の経路終了位置Te2において作業車両10を一時停止させた後に作業車両10から所定距離以内に位置するオペレータを検知した場合に、作業車両10に圃場F2内への自動走行を再開させてもよい。
【0192】
なお、本発明の駆動源は、エンジン131に限定されず、作業機14を駆動させる駆動モーターなどであってもよい。
【0193】
[自動走行処理]
図28には、車両制御装置11において実行される自動走行処理(駆動源の駆動処理)の一例を示している。ここでは、作業車両10が圃場F1、圃場間経路R12、及び圃場F2(図23参照)を順に自動走行するものとする。
【0194】
先ずステップS41において、車両制御装置11は、圃場F1内において、作業車両10を目標経路R1(図4A参照)に従って自動走行させながら作業機14による作業を実行させる。
【0195】
次にステップS42において、車両制御装置11は、作業車両10が圃場間経路R12の経路開始位置Ts1に到達したか否かを判定する。車両制御装置11は、作業車両10が圃場間経路R12の経路開始位置Ts1に到達したと判定すると(S42:Yes)、処理をステップS43に移行させる。一方、車両制御装置11は、作業車両10が圃場間経路R12の経路開始位置Ts1に到達していないと判定すると(S42:No)、処理をステップS41に移行させる。
【0196】
ステップS43において、車両制御装置11は、作業車両10を一時停止させる。例えば、車両制御装置11は、作業車両10を出入口H1の経路開始位置Ts1で一時停止させる(図23参照)。
【0197】
次にステップS44において、車両制御装置11は、圃場F1にいるオペレータAに作業車両10が一時停止したことを報知する。具体的には、車両制御装置11は、作業車両10から前記停止情報(「一時停止中です」のメッセージ)を音声出力させ(図16参照)、オペレータAの操作端末20aに前記停止情報及び前記問い合わせ情報(「走行再開」ボタン、「保留」ボタン)を表示させる(図17参照)。
【0198】
次にステップS45において、車両制御装置11は、操作端末20から前記走行開始指示を取得したか否かを判定する。車両制御装置11は、オペレータAの操作端末20aから前記走行開始指示を取得した場合に(S45:Yes)、処理をステップS46に移行させる。一方、車両制御装置11は、オペレータAの操作端末20aから前記走行開始指示を取得しない場合に(S45:No)、処理をステップS451に移行させる。
【0199】
ステップS451では、車両制御装置11は、所定時間が経過したか否かを判定する。具体的には、車両制御装置11は、作業車両10が一時停止したことを作業車両10及び操作端末20から報知させた時点(又は作業車両10が停止した時点)から所定時間(例えば10分)が経過したか否かを判定する。車両制御装置11は、所定時間が経過したと判定すると(S451:Yes)、処理をステップS452に移行させる。一方、車両制御装置11は、所定時間が経過していないと判定すると(S451:No)、処理をステップS461に移行させる。
【0200】
ステップS461では、車両制御装置11は、オペレータが作業車両10に搭乗したか否かを判定する。車両制御装置11は、オペレータが一時停止中の作業車両10に搭乗したことを検知すると(S461:Yes)、処理をステップS462に移行させる。一方、車両制御装置11は、オペレータが一時停止中の作業車両10に搭乗したことを検知しない場合(S461:No)、処理をステップS451に移行させる。
【0201】
すなわち、車両制御装置11は、作業車両10が一時停止したことを作業車両10及び操作端末20から報知させた時点から所定時間が経過するまでの間にオペレータが作業車両10に搭乗したことを検知した場合に処理をステップS462に移行させ、当該所定時間が経過するまでの間にオペレータが作業車両10に搭乗したことを検知しなかった場合に、処理をステップS452に移行させる。
【0202】
ステップS462では、車両制御装置11は、所定時間が経過したか否かを判定する。具体的には、車両制御装置11は、オペレータが作業車両10に搭乗したことを検知した時点から所定時間(例えば30秒)が経過したか否かを判定する。車両制御装置11は、所定時間が経過したと判定すると(S462:Yes)、処理をステップS46に移行させる。車両制御装置11は、所定時間が経過するまで待機する(S462:No)。
【0203】
なお、車両制御装置11は、オペレータが作業車両10に搭乗したことを検知した場合に、走行画面D4において、オペレータの搭乗を検知したこと、所定時間(例えば30秒)経過後に作業車両10に自動走行を開始させることを表示させる(図25参照)。
【0204】
これに対して、ステップS452では、車両制御装置11は、作業車両10のエンジン131を停止させる。車両制御装置11は、作業車両10を一時停止させた経路開始位置Ts1でエンジン131を停止させてもよいし、出入口H1に近い圃場F1内の平坦地に移動させた後にエンジン131を停止させてもよい。なお、車両制御装置11は、走行画面D4において、エンジン131を停止させることを表示させる(図26参照)。
【0205】
次にステップS453では、車両制御装置11は、エンジン131が停止したことをオペレータに通知する。例えば図27に示すように、車両制御装置11は、走行画面D4において、エンジン131が停止したこと、及び、エンジン131を始動させる「始動」ボタンを表示させる。
【0206】
次にステップS454では、車両制御装置11は、操作端末20からエンジン131を始動させる指示を取得したか否かを判定する。オペレータが走行画面D4の「始動」ボタンを押下すると、車両制御装置11は、エンジン131の始動指示を取得する。車両制御装置11は、エンジン131の始動指示を取得すると(S454:Yes)、処理をステップS455に移行させる。車両制御装置11は、エンジン131の始動指示を取得するまで待機する(S454:No)。なお、オペレータは、走行画面D4においてエンジン131を始動させてもよいし、作業車両10に搭乗してエンジンキーを操作してエンジン131を始動させてもよい。
【0207】
ステップS455において、車両制御装置11は、エンジン131を始動させると、処理をステップS44に移行させる。ステップS44において、車両制御装置11は、オペレータに作業車両10が一時停止中であることを再度報知し、オペレータから走行再開指示を取得すると(S45:Yes)、処理をステップS46に移行させる。
【0208】
このように、車両制御装置11は、オペレータから前記走行再開指示を取得するまで上述の処理を繰り返す。
【0209】
ステップS46において、車両制御装置11は、作業車両10に圃場間経路R12の自動走行を再開させる。すなわち、車両制御装置11は、経路開始位置Ts1において一時停止状態を解除して、作業車両10に、経路開始位置Ts1から圃場間経路R12に従って自動走行を再開させる。
【0210】
次にステップS47において、車両制御装置11は、作業車両10が圃場間経路R12の経路終了位置Te2に到達したか否かを判定する。車両制御装置11は、作業車両10が圃場間経路R12の経路終了位置T2eに到達したと判定すると(S47:Yes)、処理をステップS48に移行させる。一方、車両制御装置11は、作業車両10が圃場間経路R12の経路終了位置Te2に到達するまで圃場間経路R12の自動走行を継続させる(S47:No)。
【0211】
ステップS48において、車両制御装置11は、車両制御装置11は、圃場F2内において、作業車両10を目標経路R2(図4B参照)に従って自動走行させながら作業機14による作業を実行させる。車両制御装置11は、作業車両10が圃場F2内の作業を終了すると走行制御処理を終了する。以上のようにして、車両制御装置11は、前記自動走行処理(駆動源の駆動処理)を実行する。
【0212】
以上説明したように、本実施形態に係る自動走行システム1は、複数の領域(圃場)を接続する接続路(道路)に対して予め設定された領域間経路(圃場間経路)に従って作業車両10を自動走行させる。また、自動走行システム1は、前記領域間経路の端点(開始点又は終了点)において作業車両10を停止させ、作業車両10の停止位置に対応する前記領域において作業車両10から所定距離以内にユーザーがいる場合に、作業車両10に自動走行を再開させる。具体的には、自動走行システム1は、圃場間経路R12の経路開始位置Ts1において作業車両10を停止させた後に、オペレータが作業車両10に搭乗したことを検知した場合に、圃場間経路R12の自動走行を開始させる。
【0213】
これにより、例えば作業車両10が圃場間経路R12に従って道路R0を自動走行しようとする際に、作業車両10が圃場F1の出入口H1で停止したまま自動走行が開始されない事態を回避することができる。また、オペレータが搭乗したことを条件として自動走行を再開させる構成によれば、作業車両10及び道路R0の安全を確実に確認することができる。よって、作業車両10に複数の圃場間を効率良く自動走行させることが可能となる。
【0214】
なお、車両制御装置11は、作業車両10が圃場内で作業を行っている場合には作業車両10が停止した場合であってもエンジン131を停止させる処理は行わず、作業車両10が圃場内の作業を終了して経路開始位置Ts1で停止した場合にエンジン131を停止させる処理を許可する。
【0215】
本実施形態に係る自動走行システム1は、上述した前記走行情報の報知処理と、前記駆動源の駆動処理との両方を備えてもよいし、いずれか一方のみを備えてもよい。
【0216】
上述の実施形態では、一の作業車両10が複数の操作端末20と通信可能に構成され、当該作業車両10が、所定の操作端末20に、作業車両10の停止情報(前記走行情報)及びオペレータの検知情報を報知する構成である。本発明は上記構成に限定されず、例えば図29に示すように、サーバー30(例えばクラウドサーバー)が、複数の作業車両10と、各作業車両10と通信可能な複数の操作端末20とを統括制御してもよい。例えば、サーバー30は、圃場間経路R12の経路開始位置Ts1に停止した作業車両10を特定すると、当該作業車両10を管理する操作端末20と、当該作業車両10の近くに位置する一又は複数の操作端末20とを特定して、前記走行情報を報知させる(図20図22)。また、サーバー30は、圃場間経路R12の経路開始位置Ts1に停止した作業車両10を特定し、当該作業車両10にオペレータが搭乗したことを検知したり、当該作業車両10のエンジン131が停止したことを検知したりすると、当該作業車両10を管理する操作端末20に検知情報を報知させる(図25図27)。
【0217】
以上のように、上述の実施形態では、作業車両10が本発明に係る自動走行システムに相当するが、本発明に係る自動走行システムは、サーバー30単体で構成されてもよい。また、本発明に係る自動走行システムは、作業車両10及び操作端末20を含んで構成されてもよいし、作業車両10、操作端末20、及びサーバー30を含んで構成されてもよい。
[第1の発明の付記]
以下、上述の報知処理に係る各実施形態から抽出される発明の概要について付記する。なお、以下の付記で説明する各構成及び各処理機能は取捨選択して任意に組み合わせることが可能である。
【0218】
<付記1>
複数の領域を接続する接続路に対して予め設定された領域間経路に従って作業車両を自動走行させる自動走行方法であって、
前記領域間経路の端点において前記作業車両を停止させることと、
前記領域間経路の走行に関する走行情報を前記領域において報知させることと、
を実行する自動走行方法。
【0219】
<付記2>
前記領域間経路の開始点において前記作業車両を停止させた後に、前記作業車両と、前記作業車両と通信可能な前記領域内に位置する操作端末とにおいて、前記走行情報を報知させる、
付記1に記載の自動走行方法。
【0220】
<付記3>
前記走行情報は、前記作業車両が停止したことを示す停止情報と、前記作業車両の走行を再開させるか否かを問い合わせる問い合わせ情報との少なくともいずれかを含み、
前記作業車両から前記停止情報を音声出力させ、
前記操作端末に前記停止情報及び前記問い合わせ情報を表示させる、
付記1又は2に記載の自動走行方法。
【0221】
<付記4>
前記作業車両が停止したときに前記操作端末に前記停止情報を表示させ、
前記操作端末が前記作業車両から所定距離以内になった場合に前記問い合わせ情報を表示させる、
付記3に記載の自動走行方法。
【0222】
<付記5>
前記操作端末から前記問い合わせ情報に対して走行再開指示を取得した場合に、前記作業車両に前記領域間経路の自動走行を開始させる、
付記3又は4に記載の自動走行方法。
【0223】
<付記6>
前記領域間経路に接続する領域に位置する第1操作端末に前記停止情報及び前記問い合わせ情報を表示させ、
前記領域間経路に接続しない領域に位置する第2操作端末に前記停止情報を表示させる、
付記3~5のいずれかに記載の自動走行方法。
【0224】
<付記7>
前記第1操作端末から前記走行再開指示を取得しない場合に、前記第2操作端末にさらに前記問い合わせ情報を表示させる、
付記6に記載の自動走行方法。
【0225】
<付記8>
複数の前記第2操作端末のうち優先順位に基づいて決定される前記第2操作端末に、前記問い合わせ情報を表示させる、
付記6又は7に記載の自動走行方法。
【0226】
<付記9>
複数の前記第2操作端末のうち前記作業車両に最も近い前記第2操作端末に、前記問い合わせ情報を表示させる、
付記6~8のいずれかに記載の自動走行方法。
【0227】
[第2の発明の付記]
以下、上述の駆動処理に係る各実施形態から抽出される発明の概要について付記する。なお、以下の付記で説明する各構成及び各処理機能は取捨選択して任意に組み合わせることが可能である。
【0228】
<付記1>
複数の領域を接続する接続路に対して予め設定された領域間経路に従って作業車両を自動走行させる自動走行方法であって、
前記領域間経路の端点において前記作業車両を停止させることと、
前記作業車両の停止位置に対応する前記領域において前記作業車両から所定距離以内にユーザーがいる場合に、前記作業車両に自動走行を再開させることと、
を実行する自動走行方法。
【0229】
<付記2>
前記ユーザーが前記作業車両に搭乗したことを検知した場合に、前記作業車両に前記領域間経路の自動走行を開始させる、
付記1に記載の自動走行方法。
【0230】
<付記3>
前記作業車両が停止してから所定時間が経過するまでの間に、前記作業車両から前記所定距離以内のユーザーを検知した場合に、前記作業車両に自動走行を再開させる、
付記1又は2に記載の自動走行方法。
【0231】
<付記4>
前記作業車両が停止してから所定時間が経過するまでの間に、前記作業車両から前記所定距離以内のユーザーを検知しなかった場合に、前記作業車両の駆動源を停止させる、
付記1~3のいずれかに記載の自動走行方法。
【0232】
<付記5>
前記作業車両が停止してから所定時間が経過するまでの間に、前記作業車両から前記所定距離以内のユーザーを検知しなかった場合に、前記作業車両を前記停止位置から前記領域内の所定位置に移動させた後に前記作業車両の駆動源を停止させる、
付記1~4のいずれかに記載の自動走行方法。
【0233】
<付記6>
前記所定位置は、前記領域の出入口付近の平坦地である、
付記5に記載の自動走行方法。
【0234】
<付記7>
前記作業車両に設けられる作業機が前記駆動源により継続して稼働させる必要のある作業機である場合に、前記作業車両を停止させている間、前記駆動源を継続して駆動させる、
付記4~6のいずれかに記載の自動走行方法。
【0235】
<付記8>
前記作業車両の前記駆動源を停止させた後に、前記作業車両と通信可能な操作端末から前記駆動源の動作を再開させる操作を受け付けた場合に、前記駆動源の動作を再開させる、
付記4~7のいずれかに記載の自動走行方法。
【符号の説明】
【0236】
1 :自動走行システム
10 :作業車両
11 :車両制御装置
14 :作業機
20 :操作端末
30 :サーバー
111 :走行処理部
112 :報知処理部
113 :駆動処理部
211 :設定処理部
212 :受付処理部
213 :取得処理部
214 :生成処理部
215 :出力処理部
F1 :圃場
F2 :圃場
G1 :走行終了位置
G2 :走行終了位置
H1 :出入口
H2 :出入口
R0 :道路(接続路)
R1 :目標経路
R2 :目標経路
R12 :圃場間経路(領域間経路)
S1 :走行開始位置
S2 :走行開始位置
Ts1 :経路開始位置(開始点)
Te2 :経路終了位置(終了点)
r31 :補間経路
r32 :補間経路
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29