(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129641
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】移動体、パーソナルモビリティ、移動体の制御装置、及び移動体の制御方法
(51)【国際特許分類】
B62K 17/00 20060101AFI20240919BHJP
B62J 45/00 20200101ALI20240919BHJP
B62J 45/41 20200101ALI20240919BHJP
【FI】
B62K17/00
B62J45/00
B62J45/41
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038973
(22)【出願日】2023-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】000006220
【氏名又は名称】ミツミ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】志田 亮
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 知之
【テーマコード(参考)】
3D212
【Fターム(参考)】
3D212BB05
3D212BB06
3D212BB08
3D212BB12
3D212BB13
3D212BB24
3D212BB25
3D212BB27
3D212BB42
3D212BB44
3D212BB74
3D212BB85
(57)【要約】
【課題】構造が簡素化されると共に、旋回時の転倒を防止する。
【解決手段】本発明の一態様に係る移動体は、搭乗者を乗せた基体と、前記搭乗者の体の傾き角に応じて、前記基体に生じたモーメントを検出する力覚センサと、前記力覚センサで検出された前記モーメントに基づき、旋回速度を制御する制御部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搭乗者を乗せた基体と、
前記搭乗者の体の傾き角に応じて、前記基体に生じたモーメントを検出する力覚センサと、
前記力覚センサで検出された前記モーメントに基づき、旋回速度を制御する制御部と、
を備える移動体。
【請求項2】
前記制御部は、前記力覚センサで検出された前記モーメントに基づき、旋回時に生じる遠心力を推定し、推定した遠心力に基づき旋回速度を制御する、請求項1に記載の移動体。
【請求項3】
前記力覚センサは、前記搭乗者の体重によって前記基体に生じた力を検出し、
前記制御部は、前記力覚センサが検出した前記力に基づき、前記旋回時に生じる向心力を推定すると共に、前記遠心力と前記向心力とを比較し、比較結果に基づき旋回速度を制御する、請求項2に記載の移動体。
【請求項4】
前記基体は、前記搭乗者を乗せるステップと、フレームと、を備え、
前記ステップは、前記搭乗者の搭乗位置又は重心位置の移動によって前記フレームに対して傾斜可能に設けられ、
前記力覚センサは、前記ステップと前記フレームとの間に配置される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の移動体。
【請求項5】
前記基体は、前記ステップの両端を支持し、前記ステップの可動範囲を規制する一対の弾性体を備える、請求項4に記載の移動体。
【請求項6】
フレームと、搭乗者の搭乗位置又は重心位置によって前記フレームに対して傾斜可能に設けられたステップと、を備える基体と、
前記フレームに取り付けられて、駆動部によって回転されて前記基体を移動させる車輪と、
前記ステップと前記フレームとの間に配置され、前記搭乗者の体の傾き角に応じて、前記基体に生じたモーメントを検出する力覚センサと、
前記力覚センサで検出された前記モーメントに基づき、旋回速度を制御する制御部と、
を備えるパーソナルモビリティ。
【請求項7】
移動体の基体に乗った搭乗者の体の傾き角に応じて、前記基体に生じたモーメントを力覚センサから取得し、
前記モーメントに基づき、前記移動体の旋回速度を制御する、移動体の制御装置。
【請求項8】
移動体の基体に乗った搭乗者の体の傾き角に応じて、前記基体に生じたモーメントを検出し、
前記モーメントに基づき、前記移動体の旋回速度を制御する、移動体の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体、パーソナルモビリティ、移動体の制御装置、及び移動体の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
個人型移動体として、パーソナルモビリティが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、走行面を移動可能な車輪と、車輪を駆動するモータと、モータが組み付けられた基体と、基体の傾斜角を検出する傾斜センサと、傾斜センサで検出された傾斜角に基づいて、モータを制御する制御部と、を備えるパーソナルモビリティが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示のパーソナルモビリティでは、基体の傾斜角を検出する傾斜センサとして、ジャイロセンサや加速度センサ等の複数種のセンサが設けられる。そのため、内部構造が複雑化する。
【0005】
また、搭乗者は、パーソナルモビリティの旋回操作を行う際、体を旋回方向に傾ける。それに伴い、基体には、搭乗者の体の傾き角に応じたモーメントが生じる。他方、パーソナルモビリティの旋回直前の速度が速い場合、搭乗者の体を旋回方向に大きく傾けても、遠心力に抗しきれず、転倒する場合がある。
【0006】
本発明は、構造が簡素化されると共に、旋回時の転倒を防止する、移動体、パーソナルモビリティ、移動体の制御装置、及び移動体の制御方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る移動体は、搭乗者を乗せた基体と、前記搭乗者の体の傾き角に応じて、前記基体に生じたモーメントを検出する力覚センサと、前記力覚センサで検出された前記モーメントに基づき、旋回速度を制御する制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、構造が簡素化されると共に、旋回時の転倒を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態に係るパーソナルモビリティの正面図である。
【
図2】第1実施形態に係るパーソナルモビリティの基体及び力覚センサを拡大した部分拡大図である。
【
図3】第1実施形態に係る制御部のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】第1実施形態に係るパーソナルモビリティの直進時に、力覚センサが検出する力覚値の例を示す模式図である。
【
図5】第1実施形態に係るパーソナルモビリティの旋回時に、力覚センサが検出する力覚値の例を示す模式図である。
【
図6】第1実施形態に係る制御部の機能構成の一例を説明するためのブロック図である。
【
図7】第1実施形態に係るパーソナルモビリティの旋回によって生じる遠心力等を示す模式図である。
【
図8】搭乗者の体の傾きに由来する力を説明する模式図である。
【
図9】第1実施形態に係るパーソナルモビリティの動作を示すフローチャートである。
【
図10】第2実施形態に係る制御部の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図11】第2実施形態に係るパーソナルモビリティの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して発明の実施形態について説明する。各図面において、同一の部材には同一の符号を付す場合がある。また、各図面の説明において、既に説明した部材と同一の構成部についての説明は省略する場合がある。
【0011】
[第1実施形態]
<移動体の全体構成例>
図1~
図3を参照して、本発明の実施形態に係る移動体の全体構成の一例を説明する。以下、移動体として、パーソナルモビリティ1を例に説明する。
図1は、第1実施形態に係るパーソナルモビリティ1の正面図である。
図2は、第1実施形態に係るパーソナルモビリティ1の基体10及び力覚センサ20を拡大した部分拡大図である。
図3は、第1実施形態に係るパーソナルモビリティ1が備える制御部のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0012】
図1及び
図2に示すX軸方向は、力覚センサ20の幅方向に対応する。Y軸方向は、力覚センサ20の奥行方向に対応する。Z軸方向は、力覚センサ20の高さ方向に対応する。X軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向は、相互に直交する。各方向において、矢印が向く側を「+側」とし、その反対側を「-側」とする。パーソナルモビリティ1が直進する場合、パーソナルモビリティ1の走行方向は、Y軸方向に対応する。
【0013】
ここで、「パーソナルモビリティ」は、倒立振子型移動体、電動キックボード、電動車椅子等の、搭乗者1名を搭乗させて走行する個人型移動体である。パーソナルモビリティには、例えば、搭乗者によるステップの傾斜操作を介して走行制御されるものや、搭乗者の操作を介さず、所定のプログラムに応じて独立走行するものが含まれる。また、パーソナルモビリティには、一輪、二輪、三輪、又は四輪を備えるものが含まれる。
【0014】
第1実施形態に係るパーソナルモビリティ1は、ツーホイールの倒立振子型移動体であるが、本実施形態は、二輪、三輪、又は四輪で駆動する車両等、他の移動体にも適用可能である。また、本実施形態を適用可能な移動体の駆動方式は、電動によるものであってもよいし、エンジン等の内燃機関によるものであってもよい。
【0015】
パーソナルモビリティ1は、
図1に示すように、基体10と、力覚センサ20と、制御部30と、ハンドル40と、車輪50L,50Rと、駆動部60L,60Rと、バッテリ70と、を備える。
【0016】
基体10は、搭乗者2Pを乗せるステップ110と、フレーム120と、を備える。ステップ110は、矩形の平面形状を有する平板状の部材である。また、ステップ110は、搭乗者2Pの搭乗位置や重心位置の移動によって、フレーム120に対して傾斜可能に設けられる。
【0017】
フレーム120は、ステップ110に対してZ軸方向-側に配置され、パーソナルモビリティ1の走行に必要な各種機器を収める。また、ステップ110とフレーム120のとの間には、力覚センサ20が配置される。
【0018】
基体10は、ステップ110の両端を支持する一対のバネ130L,130Rをさらに備えていてもよい。バネ130L,130Rは、ステップ110の両端をそれぞれ付勢する。
【0019】
ステップ110の両端を支持するバネ130L,130Rを設けることで、ステップ110の可動範囲を規制することができる。これにより、力覚センサ20に瞬間的に大きな外力が印加させることを抑制でき、力覚センサ20の破損を防止できる。なお、ステップ110の両端を支持する部材は、バネ130L,130R以外の弾性体であってよい。
【0020】
力覚センサ20は、起歪体210と、複数のピエゾ抵抗素子等の歪検知素子を備えるセンサチップ220と、を含む。起歪体210は、外力の作用で変形する。起歪体210の変形に伴い、複数の歪検知素子のそれぞれが伸縮する。センサチップ220は、複数の歪検知素子の伸縮に基づく抵抗変化から、起歪体210に生じた力のX軸方向の力Fx、Y軸方向の力Fy、Z軸方向の力Fzをそれぞれ検出する。また、センサチップ220は、起歪体210に生じたX軸まわりのモーメントMx、Y軸まわりのモーメントMy、Z軸まわりのモーメントMzをそれぞれ検出する。センサチップ220で検出されたFx,Fy,Fz,Mx,My,Mzは、「力覚値」の一例である。
【0021】
力覚センサ20は、基体10の略中央に配置されることが好ましい。一般に、搭乗者2Pは、基体10の略中央に位置する。すなわち、平面視において、力覚センサ20の原点位置を、搭乗者2Pの位置に対応させることができる。その結果、例えば、搭乗者2Pの姿勢が変化した後の力覚値の検出にかかる処理負荷や検出誤差を低減することができる。ただし、力覚センサ20の位置は、これに限られない。
【0022】
制御部30は、力覚センサ20から出力された力覚値を含む情報に基づき、パーソナルモビリティ1の動作を制御するコンピュータである。具体的には、制御部30は、
図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)311と、ROM(Read Only Memory)312と、RAM(Random Access Memory)313と、HDD(Hard Disk Drive)314と、入出力I/F(Interface)315と、を有する。これらのハードウェアは、バスを介して相互に接続される。
【0023】
CPU311は、ROM312やHDD314等に格納されたプログラム、および、プログラムの実行に必要なデータを適宜RAM313上に読み出す。CPU111は、読みだしたプログラムを実行することで、制御部30としての種々の機能を実現する。なお、ROM312やHDD314等を、以下、「記憶部」という場合がある。
【0024】
ハンドル40は、パーソナルモビリティ1を操舵するための部材である。具体的には、ハンドル40は、グリップ410と、シャフト420と、舵角センサ430と、を備える。搭乗者2Pは、パーソナルモビリティ1を旋回操作する際、グリップ410を操舵する。これにより、パーソナルモビリティ1の旋回方向が制御される。シャフト420は、グリップ410と連結し、グリップ410の操舵に応じて回転する。
【0025】
舵角センサ430は、例えば、シャフト420に取り付けられ、搭乗者2Pによるグリップ410の操舵に伴い回転したシャフト420の操舵角を検出する。また、舵角センサ430は、検出した操舵角の情報を制御部30に出力する。制御部30は、舵角センサ430から出力された操舵角の情報に基づき、パーソナルモビリティ1の旋回動作を制御する。ただし、ハンドル40の操舵角を検出するセンサは、舵角センサ430に限られず、トルクセンサ等の他の検出装置であってもよい。
【0026】
ハンドル40は、さらに、ブレーキレバーを備えることが好ましい。ブレーキレバーは、例えば、圧力センサを備えていてもよい。圧力センサは、搭乗者2Pによるブレーキレバーの圧力を検出し、検出した圧力の情報を制御部30に出力する。制御部30は、圧力センサから出力されたブレーキレバーへの圧力の情報に基づき、駆動部60L,60Rを制御して、パーソナルモビリティ1を減速又は停止させる。
【0027】
車輪50L,50Rは、フレーム120の両端にそれぞれ取り付けられ、路面3Gと接触する。第1実施形態に係るパーソナルモビリティ1は、2つの車輪50L,50Rの回動によって走行するが、車輪の数は、これに限られない。すなわち、パーソナルモビリティ1において、車輪は、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
【0028】
車輪50L,50Rは、角度センサ520をさらに備える。角度センサ520は、車輪50L,50Rそれぞれの回転角及び回転角速度を検出する。角度センサ520の例として、ロータリーエンコーダ等の光学式、磁気式、及び電磁誘導式の角度センサが挙げられる。
【0029】
角度センサ520は、検出した回転角及び角速度の情報を、制御部30に出力する。制御部30は、角度センサ520によって検出された回転角速度の情報から、パーソナルモビリティ1の旋回速度を推定してもよい。
【0030】
駆動部60L,60Rは、車輪50L,50Rとそれぞれ連結して、車輪50L,50Rを回動させる。駆動部60L,60Rの一例として、モータ等の電動アクチュエータが挙げられる。
【0031】
駆動部60L,60Rは、減速機等の他の機構を介して車輪50L,50Rと連結されていてもよい。第1実施形態の駆動部60L,60Rは、基体10のフレーム120内に収容されているが、それ以外の位置に配置されていてもよい。
【0032】
バッテリ70は、少なくとも駆動部60L,60R等と電気的に接続される。バッテリ70は、パーソナルモビリティ1を走行させるための電気エネルギーを、駆動部60L,60Rに供給する。バッテリ70の種類は、特に限定されない。
【0033】
<力覚センサが検出する力覚値の例>
次に、
図4及び
図5を参照して、パーソナルモビリティ1の直進又は旋回動作の際に、力覚センサ20が検出する力覚値の例を説明する。
図4は、パーソナルモビリティ1の直進時に、力覚センサ20が検出する力覚値の例を示す模式図である。
図5は、パーソナルモビリティ1の旋回時に、力覚センサ20が検出する力覚値の例を示す模式図である。
【0034】
まず、パーソナルモビリティ1の直進時において、力覚センサ20が検出する力覚値の例を説明する。
図4(a)に、パーソナルモビリティ1の直進前の状態を示す。このとき、力覚センサ20は、Z軸方向の力Fzとして、搭乗者2Pの体重mgを検出する。ここで、「m」は、搭乗者2Pの質量である。また、「g」は、重力加速度である。また、
図4(a)に示すように、搭乗者2Pは、体を傾けていないため、基体10にモーメントは生じていない。よって、力覚センサ20は、モーメントを検出しない。なお、
図4(a)に示すように、搭乗者2Pがステップ110上で体を傾けていないときの姿勢を「基準姿勢2S」という。具体的には、「基準姿勢2S」は、搭乗者2PがZ軸方向に沿って直立したときの姿勢である。
【0035】
これに対して、
図4(b)に示すように、搭乗者2Pが体を前方(Y軸方向+側)に傾けることで、パーソナルモビリティ1が直進する。
【0036】
図4(b)において、基準姿勢2Sに対する搭乗者2Pの体の傾き角をφとする。このとき、力覚センサ20は、Z軸方向の力Fzとして、搭乗者2Pの体重「mg」を検出すると共に、X軸まわりのモーメントMxとして、「mg・sinφ・L」を検出する。ここで、「L」は、力覚センサ20の原点から搭乗者2Pの重心Gまでの距離である。
【0037】
次に、パーソナルモビリティ1の旋回時において、力覚センサ20が検出する力覚値の例を説明する。
図5(a)に、パーソナルモビリティ1の旋回前の状態を示す。すなわち、搭乗者2Pは、基準姿勢2Sで直立している。このとき、力覚センサ20は、Z軸方向の力Fzとして、搭乗者2Pの体重mgを検出する。また、
図5(a)に示すように、搭乗者2Pは、体を傾けていないため、基体10にモーメントは生じていない。よって、力覚センサ20は、モーメントを検出しない。
【0038】
これに対して、搭乗者2Pがハンドル40を操舵することで、パーソナルモビリティ1が旋回する。また、搭乗者2Pは、
図5(b)に示すように、旋回によって生じる遠心力Fcに抗するため、例えば、体を左方(X軸方向+側)に傾ける。
【0039】
図5(b)において、基準姿勢2Sに対する搭乗者2Pの体の傾き角をθとする。このとき、力覚センサ20は、Z軸方向の力Fzとして、搭乗者2Pの体重「mg」を検出すると共に、Y軸まわりのモーメントMyとして、「mg・sinθ・L」を検出する。
【0040】
<制御部の機能構成>
次に、
図6~
図8を参照して、制御部30の機能構成の一例を説明する。
図6は、制御部30の機能構成の一例を説明するためのブロック図である。
図7は、パーソナルモビリティ1の旋回によって生じる遠心力等を示す模式図である。
図8は、搭乗者2Pの体の傾きに由来する力Fiを説明する模式図である。
【0041】
制御部30は、
図6に示すように、体重推定部321と、傾き角推定部322と、旋回速度制御部323と、記憶部324と、を備える。
【0042】
体重推定部321は、ステップ110に乗った搭乗者2Pの体重mgを推定する。具体的には、力覚センサ20から出力される、Z軸方向の力Fzの値から、搭乗者2Pの体重mgを推定する。体重推定部321は、推定した搭乗者2Pの体重mgの情報を、傾き角推定部322及び旋回速度制御部323にそれぞれ出力する。なお、体重推定部321は、例えば、制御部30のCPU311及び入出力I/F315によって実現される。
【0043】
傾き角推定部322は、パーソナルモビリティ1が旋回する際の、基準姿勢2Sに対する搭乗者2Pの体の傾き角θを推定する。
図5(b)に示すように、搭乗者2Pは、パーソナルモビリティ1の旋回時、旋回方向(例えば、X軸方向)に体を傾ける。このとき、力覚センサ20は、搭乗者2Pの体の傾き角θに応じた、Y軸まわりのモーメントMyを検出する。傾き角推定部322は、力覚センサ20で検出された、Y軸まわりのモーメントMyから、式(1)及び式(2)を用いて、搭乗者2Pの体の傾き角θを推定する。
【0044】
My=mg・sinθ・L ・・・ (1)
⇔θ=sin-1{My/(mg・L)} ・・・ (2)
【0045】
傾き角θが微小な場合、式(1)において、「sinθ=θ」と近似してもよい。このとき、式(2)は、「θ=My/(mg・L)」となる。
【0046】
傾き角推定部322は、式(2)の計算にあたり、体重推定部321から出力された搭乗者2Pの体重mgの情報を用いる。また、傾き角推定部322は、式(2)の計算にあたり、例えば、搭乗者2Pの入力を介して記憶部324に予め記憶された搭乗者2Pの身長の情報から推定される「L」を用いる。
【0047】
便宜上、パーソナルモビリティ1の旋回時、搭乗者2Pは、X軸方向に傾くものとして説明した。しかしながら、搭乗者2Pの傾き方向によっては、Y軸まわりのモーメントMyの他に、X軸まわりのモーメントMxが生じる場合がある。この場合、傾き角推定部322は、X軸まわりのモーメントMxとY軸まわりのモーメントMyとの情報を合わせて、傾き角θを推定することが好ましい。
【0048】
傾き角推定部322は、推定した傾き角θの情報を、旋回速度制御部323に出力する。なお、傾き角推定部322は、例えば、制御部30のCPU311及び入出力I/F315によって実現される。
【0049】
旋回速度制御部323は、パーソナルモビリティ1の旋回速度vを制御する。ここで、「旋回速度v」とは、
図7に示される旋回軌道円1Cの接線方向に沿うパーソナルモビリティ1の速度である。
【0050】
ところで、パーソナルモビリティ1の旋回操作を行おうとする搭乗者2Pは、パーソナルモビリティ1が旋回を開始するタイミングで、体を旋回方向に傾ける。また、搭乗者2Pは、転倒を防ぐため、遠心力Fcとのバランスをとりながら、パーソナルモビリティ1の旋回を維持する。すなわち、
図8に示すように、搭乗者2Pは、体の傾き由来の力Fiと遠心力Fcとを釣り合わせながら、パーソナルモビリティ1を旋回させる。ここで、体の傾き由来の力Fiは、「mg・tanθ」に等しい。
【0051】
旋回速度制御部323は、式(3)から遠心力Fcを推定する。
【0052】
Fc=Fi=mg・tanθ ・・・ (3)
【0053】
旋回速度制御部323は、式(3)の計算にあたり、体重推定部321から出力された搭乗者2Pの体重mgの情報、及び傾き角推定部322から出力された搭乗者2Pの傾き角θの情報を用いる。なお、旋回速度制御部323は、舵角センサ430で検出されたハンドル40の操舵角の情報や、角度センサ520で検出された車輪50L,50Rの角速度の情報を用いて、推定した遠心力Fcを補正してもよい。これらの情報を適宜組み合わせることで、パーソナルモビリティ1の旋回時に生じる遠心力Fcの推定精度を高めることができる。
【0054】
旋回速度制御部323は、推定した遠心力Fcが閾値Th1より大きいか否かを判定する。遠心力Fcが閾値Th1と、現時点の旋回速度vで旋回を続けると、転倒の可能性が高い。そのため、判定の結果、遠心力Fcが閾値Th1より大きい場合、旋回速度制御部323は、パーソナルモビリティ1の旋回速度vを下げるよう制御する。
【0055】
具体的には、旋回速度制御部323は、パーソナルモビリティ1の旋回速度vを下げるため、駆動部60L,60Rのロータの回転角速度を下げる制御信号を駆動部60L,60Rに出力する。それに応じて、車輪50L,50Rの回転角速度が下がり、パーソナルモビリティ1の旋回速度vが減速する。これにより、パーソナルモビリティ1の転倒を防ぐ。
【0056】
これに対して、旋回速度制御部323は、遠心力Fcが所定の閾値より小さい場合、パーソナルモビリティ1の旋回速度vを維持するよう制御する。この場合、旋回速度制御部323からの制御信号は、駆動部60L,60Rに出力されない。なお、旋回速度制御部323は、例えば、制御部30のCPU311及び入出力I/F315によって実現される。
【0057】
<動作>
次に、
図9を参照して、第1実施形態に係るパーソナルモビリティ1の動作を説明する。
図9は、第1実施形態に係るパーソナルモビリティ1の動作を示すフローチャートである。
【0058】
搭乗者2Pによるハンドル40の操舵を契機として、パーソナルモビリティ1は、以下の動作を行う。
【0059】
ステップS11において、力覚センサ20は、ステップ110に生じたZ軸方向の力Fzを検出する。力覚センサ20は、検出したZ軸方向の力Fzの値を、制御部30の体重推定部321に出力する。
【0060】
続いて、ステップS12において、力覚センサ20は、パーソナルモビリティ1の旋回時に、ステップ110に生じるY軸まわりのモーメントMyを検出する。力覚センサ20は、検出したY軸まわりのモーメントMyの値を、制御部30の傾き角推定部322に出力する。
【0061】
続いて、ステップS13において、体重推定部321は、力覚センサ20から出力されたZ軸方向の力Fzから、搭乗者2Pの体重mgを推定する。体重推定部321は、推定した搭乗者2Pの体重mgの情報を、傾き角推定部322及び旋回速度制御部323にそれぞれ出力する。
【0062】
続いて、ステップS14において、傾き角推定部322は、力覚センサ20から出力されたY軸まわりのモーメントMyと、体重推定部321から出力された搭乗者2Pの体重mgから、式(2)を用いて、搭乗者2Pの傾き角θを推定する。傾き角推定部322は、推定した傾き角θの情報を、旋回速度制御部323に出力する。
【0063】
続いて、ステップS15において、旋回速度制御部323は、体重推定部321から出力された搭乗者2Pの体重mgと、傾き角推定部322から出力された搭乗者2Pの傾き角θから、式(3)を用いて、パーソナルモビリティ1の旋回時に生じる遠心力Fcを推定する。
【0064】
続いて、ステップS16において、旋回速度制御部323は、推定した遠心力Fcが閾値Th1より大きいか否かを判定する。判定の結果、遠心力Fcが閾値Th1より大きい場合、旋回速度制御部323は、駆動部60L,60Rのロータの回転角速度を下げる制御信号を、駆動部60L,60Rに出力する。
【0065】
続いて、ステップS17において、制御信号を取得した駆動部60L,60Rは、ロータの回転角速度を下げる。これに伴い、車輪50L,50Rの回転角速度が下がる。その結果、パーソナルモビリティ1の旋回速度vが減速する。
【0066】
他方、ステップS16における判定の結果、遠心力Fcが閾値Th1より小さい場合、旋回速度制御部323は、駆動部60L,60Rに制御信号を出力しない。これにより、パーソナルモビリティ1は、旋回速度vを維持しながら旋回を継続する。
【0067】
<作用効果>
第1実施形態に係るパーソナルモビリティ1によれば、力覚センサ20で検出された力覚値に基づく、搭乗者2Pの体重mgや、搭乗者2Pの傾き角θの情報から、パーソナルモビリティ1の旋回時に生じる遠心力Fcを推定する。特に、パーソナルモビリティ1の旋回時、遠心力Fcとのバランスを保つために、搭乗者2Pの傾き角θが変化する。そのため、搭乗者2Pの傾き角θの情報を用いることで、遠心力Fcを精度よく推定することができる。その結果、旋回時のパーソナルモビリティ1の転倒を防止できる。
【0068】
また、第1実施形態に係るパーソナルモビリティ1は、力覚センサ20から出力される力覚値のみによって、遠心力Fcを推定することができる。すなわち、第1実施形態に係るパーソナルモビリティ1によれば、単一種のセンサからの検出情報に基づき、旋回時の遠心力Fcを推定することができる。これにより、ジャイロセンサや加速度センサ等の複数種のセンサを用いるものより、内部構造を簡素化し、コスト低減を図ることができる。
【0069】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係るパーソナルモビリティ1Aを説明する。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同一の構成部についての説明を省略する。
【0070】
図10を参照して、第2実施形態に係るパーソナルモビリティ1Aの制御部30Aにおける機能構成の一例を説明する。
図10は、制御部30Aの機能構成の一例を示すブロック図である。
【0071】
制御部30Aは、第1実施形態の制御部30と同様、体重推定部321と、傾き角推定部322と、記憶部324と、を備える。また、制御部30Aは、旋回速度制御部323Aと、向心力推定部325をさらに備える。
【0072】
パーソナルモビリティ1Aは、カメラ等の画像センサ80を備える。画像センサ80は、路面3Gの画像情報を取得する。画像センサ80で取得された路面3Gの画像情報は、向心力推定部325に出力される。
【0073】
向心力推定部325は、式(4)を用いて、パーソナルモビリティ1Aの旋回時に生じる向心力Frを推定する。
【0074】
Fr=μ・(W+m) ・・・ (4)
【0075】
ここで、「Fr」は、パーソナルモビリティ1Aから、旋回軌道円1Cの内側に向く力(向心力)である。また、「μ」は、路面3Gの摩擦係数である。さらに、「W」は、パーソナルモビリティ1Aの質量である。さらに、「m」は、搭乗者2Pの質量である。
【0076】
向心力推定部325は、式(4)の計算にあたり、体重推定部321から出力された搭乗者2Pの体重mgのうち、搭乗者2Pの質量に相当する「m」の情報を用いる。向心力推定部325は、式(4)の計算にあたり、記憶部324に予め記憶されたパーソナルモビリティ1Aの質量「W」を用いる。
【0077】
ここで、記憶部324には、種々の路面における摩擦係数が記憶されている。例えば、路面3Gがアスファルトである場合、摩擦係数はμ1であり、路面3Gがコンクリートである場合、摩擦係数はμ2であり、路面3Gが樹脂系材料である場合、摩擦係数はμ3であり、路面3Gが木質系材料である場合、摩擦係数はμ4である、等の情報が、記憶部324に記憶されている。
【0078】
向心力推定部325は、画像センサ80から取得した路面3Gの画像情報から、路面3Gの舗装材料を特定する。また、向心力推定部325は、記憶部324を参照して、特定した舗装材料に係る摩擦係数μの情報を取得する。これにより、向心力推定部325は、路面3Gの摩擦係数μを推定し、式(4)を用いて、向心力Frを推定する。
【0079】
ただし、向心力Frの推定方法は、これに限られない。他の方法として、例えば以下が挙げられる。パーソナルモビリティ1Aにおいて、直進開始時に前方側(Y軸方向+側)に加わる駆動力Fpが、搭乗者2Pの前方への傾き角φに比例すると仮定する。すなわち、駆動力Fpが、X軸まわりのモーメント「Mx=mg・sinφ・L」に比例すると仮定する。ここで、パーソナルモビリティ1Aが直進を開始する瞬間、駆動力Fpは、パーソナルモビリティ1Aの車輪50L,50Rにかかる摩擦力に等しい。そのため、式(5)が成り立つ。
【0080】
Fp=μ・(W+m) ・・・ (5)
【0081】
他方、式(4)より、向心力「Fr=μ・(W+m)」であるため、駆動力Fpは向心力Frに等しいと推定される。すなわち、式(6)が成り立つ。
【0082】
Fp=Fr ・・・ (6)
【0083】
これに対して、向心力推定部325は、例えば、記憶部324に予め記憶された、力覚センサ20が検出するX軸まわりのモーメントMxと、駆動力Fpとの対応関係情報を参照することで、駆動力Fpを推定する。向心力推定部325は、推定した駆動力Fpから向心力Frを推定する。すなわち、向心力推定部325は、力覚センサ20が検出した力覚値から、向心力Frを推定できる。
【0084】
向心力推定部325は、推定した向心力Frの情報を、旋回速度制御部323Aに出力する。なお、向心力推定部325は、例えば、制御部30のCPU311及び入出力I/F315によって実現される。
【0085】
旋回速度制御部323Aは、例えば、式(3)を用いて推定した遠心力Fcと、向心力推定部325から出力された向心力Frとを比較する。比較の結果、遠心力Fcが向心力Frより大きい場合、パーソナルモビリティ1の転倒の可能性が高いため、旋回速度制御部323Aは、パーソナルモビリティ1Aの旋回速度vを下げるよう制御する。旋回速度制御部323Aの旋回速度の制御は、第1実施形態と同様であってよい。これにより、パーソナルモビリティ1Aの転倒を防ぐ。
【0086】
これに対して、比較の結果、遠心力Fcが向心力Frより小さい場合、旋回速度制御部323Aは、パーソナルモビリティ1Aの旋回速度vを維持するよう制御する。この場合に関しても、第1実施形態と同様、旋回速度制御部323Aからの制御信号は、駆動部60L,60Rに出力されない。
【0087】
<動作>
次に、
図11を参照して、第2実施形態に係るパーソナルモビリティ1Aの動作を説明する。
図11は、第2実施形態に係るパーソナルモビリティ1Aの動作を示すフローチャートである。
【0088】
搭乗者2Pによるハンドル40の操舵を契機として、パーソナルモビリティ1Aは、以下の動作を行う。
【0089】
ステップS21~ステップS24に関しては、第1実施形態の動作におけるステップS11~ステップS14と同様であるため、説明を省略する。力覚センサ20は、ステップ110に生じたZ軸方向の力Fzを検出する。力覚センサ20は、検出したZ軸方向の力Fzの値を、制御部30の体重推定部321に出力する。
【0090】
続いて、ステップS25において、向心力推定部325は、体重推定部321から出力された搭乗者2Pの体重mgの情報や、記憶部324に記憶された、パーソナルモビリティ1Aの質量「W」等の情報を参照して、向心力Frを推定する。向心力推定部325は、推定した向心力Frの情報を旋回速度制御部323Aに出力する。
【0091】
続いて、ステップS26において、旋回速度制御部323Aは、式(3)を用いて、パーソナルモビリティ1の旋回時に生じる遠心力Fcを推定する。
【0092】
続いて、ステップS27において、旋回速度制御部323Aは、遠心力Fcと向心力Frとを比較する。
【0093】
比較の結果、遠心力Fcが向心力Frより大きい場合、ステップS28において、旋回速度制御部323Aは、駆動部60L,60Rのロータの回転角速度を下げる制御信号を、駆動部60L,60Rに出力する。これに対して、遠心力Fcが向心力Frより小さい場合、旋回速度制御部323Aは、駆動部60L,60Rに制御信号を出力しない。
【0094】
<作用効果>
第2実施形態に係るパーソナルモビリティ1Aによれば、旋回時に、互いに逆向きに生じる遠心力Fc及び向心力Frをそれぞれ推定することができる。すなわち、互いに逆向きに生じる遠心力Fcと向心力Frとの大小関係を推定できる結果、旋回時のパーソナルモビリティ1の転倒をより正確に予測することができる。
【0095】
また、力覚センサ20から出力された力覚値によって、向心力Frを推定する場合、力覚センサ20における力覚値のみによって、遠心力Fcと向心力Frの双方を推定することができる。すなわち、第2実施形態に係るパーソナルモビリティ1Aによれば、単一種のセンサからの検出情報に基づき、旋回時の遠心力Fc及び向心力Frを推定することができる。これにより、ジャイロセンサや加速度センサ等の複数種のセンサを用いるものより、内部構造を簡素化し、コスト低減を図ることができる。
【0096】
以上、好ましい実施形態等について詳説した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態に限定されない。例えば、上述した実施形態について、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、種々の変形及び置換を加えることができる。
【0097】
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 搭乗者を乗せた基体と、
前記搭乗者の体の傾き角に応じて、前記基体に生じたモーメントを検出する力覚センサと、
前記力覚センサで検出された前記モーメントに基づき、旋回速度を制御する制御部と、
を備える移動体。
<2> 前記制御部は、前記力覚センサで検出された前記モーメントに基づき、旋回時に生じる遠心力を推定し、推定した遠心力に基づき旋回速度を制御する、前記<1>に記載の移動体。
<3> 前記力覚センサは、前記搭乗者の体重によって前記基体に生じた力を検出し、
前記制御部は、前記力覚センサが検出した前記力に基づき、前記旋回時に生じる向心力を推定すると共に、前記遠心力と前記向心力とを比較し、比較結果に基づき旋回速度を制御する、前記<2>に記載の移動体。
<4> 前記基体は、前記搭乗者を乗せるステップと、フレームと、を備え、
前記ステップは、前記搭乗者の搭乗位置又は重心位置の移動によって前記フレームに対して傾斜可能に設けられ、
前記力覚センサは、前記ステップと前記フレームとの間に配置される、前記<1>乃至前記<3>のいずれか1つに記載の移動体。
<5> 前記基体は、前記ステップの両端を支持し、前記ステップの可動範囲を規制する一対の弾性体を備える、前記<4>に記載の移動体。
<6> フレームと、搭乗者の搭乗位置又は重心位置によって前記フレームに対して傾斜可能の設けられたステップと、を備える基体と、
前記フレームに取り付けられて、駆動部によって回転されて前記基体を移動させる車輪と、
前記ステップと前記フレームとの間に配置され、前記搭乗者の体の傾き角に応じて、前記基体に生じたモーメントを検出する力覚センサと、
前記力覚センサで検出された前記モーメントに基づき、旋回速度を制御する制御部と、
を備えるパーソナルモビリティ。
<7> 移動体の基体に乗った搭乗者の体の傾き角に応じて、前記基体に生じたモーメントを力覚センサから取得し、
前記モーメントに基づき、前記移動体の旋回速度を制御する、移動体の制御装置。
<8> 移動体の基体に乗った搭乗者の体の傾き角に応じて、前記基体に生じたモーメントを検出し、
前記モーメントに基づき、前記移動体の旋回速度を制御する、移動体の制御方法。
【符号の説明】
【0098】
1,1A パーソナルモビリティ、 10 基体、 110 ステップ、 120 フレーム、 20 力覚センサ、 210 起歪体、 220 センサチップ、 30,30A 制御部、321 体重推定部、322 傾き角推定部、323 旋回速度制御部、324 記憶部、325 向心力推定部、40 ハンドル、410 グリップ、420 シャフト、430 舵角センサ、50L,50R 車輪、520 角度センサ、60L,60R 駆動部、70 バッテリ、80 画像センサ