(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129646
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】粉末成形装置および粉末成形体の製造方法
(51)【国際特許分類】
B30B 11/02 20060101AFI20240919BHJP
B30B 11/00 20060101ALI20240919BHJP
【FI】
B30B11/02 F
B30B11/00 F
B30B11/00 G
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038979
(22)【出願日】2023-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】592064394
【氏名又は名称】小林工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】デロイトトーマツ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】清水 健朗
(72)【発明者】
【氏名】藤原 太陽
(72)【発明者】
【氏名】宇津野 雅之
(57)【要約】
【課題】球状成形体(または赤道を含む球台状の部分を有し、当該赤道において外径が最大になる成形体)に付随する環状成形体の除去工程に要するコストの低減を図りうる粉末成形体の製造方法等を提供する。
【解決手段】上パンチ10および下パンチ20のそれぞれの加圧面が、半球面、または赤道からθ
11、θ
21=0.01°~3.0°の緯度範囲が欠落した半球面により構成されている第1加圧面S
11、S
21と、第1加圧面S
11、S
21の外周縁部に連続する環状の第2加圧面S
12、S
22と、により構成されている。上パンチ10および下パンチ20のうち少なくとも一方のパンチの第2加圧面S
12、S
22が、径方向外側にいくにつれて少なくとも途中まで当該半球面の赤道を含む平面から徐々に遠くなるように形成されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上パンチと、下パンチと、前記上パンチおよび前記下パンチのそれぞれが上下のそれぞれから挿入される貫通孔を有する成形ダイと、を備えている粉末成形装置であって、
前記上パンチおよび前記下パンチのそれぞれの加圧面が、
半球面もしくは球帯、または、赤道から0.01°~3.0°の緯度範囲が欠落した半球面もしくは球帯により構成されている第1加圧面と、
前記第1加圧面の外周縁部に連続する環状の第2加圧面と、を有し、
前記上パンチおよび前記下パンチのうち少なくとも一方のパンチの前記第2加圧面が、径方向外側にいくにつれて少なくとも途中まで前記半球面の赤道を含む平面から徐々に遠くなるように形成されている
粉末成形装置。
【請求項2】
請求項1に記載の粉末成形装置において、
前記第2加圧面の内周縁部が、前記半球面の赤道を含む平面に対してなす角度が、20°~85°の角度範囲に含まれている
粉末成形装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の粉末成形装置において、
前記下パンチが、前記第1加圧面の内側部分を加圧面の少なくとも一部とする内側下パンチと、前記第1加圧面の外側部分および前記第2加圧面を加圧面とする前記内側下パンチを取り囲む外側下パンチと、により構成されている。
粉末成形装置。
【請求項4】
請求項3に記載の粉末成形装置において、
前記上パンチが、前記第1加圧面の内側部分を加圧面の少なくとも一部とする内側上パンチと、前記第1加圧面の外側部分および前記第2加圧面を加圧面とする前記内側上パンチを取り囲む外側上パンチと、により構成されている粉末成形装置。
【請求項5】
請求項1または2に記載の粉末成形装置を用いて粉末成形体を製造する方法であって、
前記成形ダイおよび前記成形ダイの前記貫通孔に下から挿入された前記下パンチにより画定された空間に粉末を充填する粉末充填工程と、
前記成形ダイの前記貫通孔に上から挿入された前記上パンチと、前記下パンチとを相対的に接近させることにより前記空間に充填された前記粉末を加圧する加圧工程と、
前記上パンチおよび前記成形ダイを相対的に変位させることにより、前記上パンチを前記成形ダイの前記貫通孔から上方に引き抜き、前記下パンチおよび前記成形ダイを相対的に変位させることにより、前記下パンチを前記成形ダイに対して上昇させる成形体取り出し工程と、を含む
粉末成形体の製造方法。
【請求項6】
請求項3に記載の粉末成形装置を用いて粉末成形体を製造する方法であって、
前記内側下パンチの加圧面を前記外側下パンチの加圧面よりも相対的に下方に位置させ、前記成形ダイの前記貫通孔に下から挿入された前記外側下パンチの内側面および前記内側下パンチの加圧面により画定された空間に粉末を充填する粉末充填工程と、
前記成形ダイの前記貫通孔に上から挿入された前記上パンチと、前記下パンチとを相対的に接近させ、かつ、前記下パンチの前記加圧面が形成されるように、前記内側下パンチの加圧面を前記外側下パンチの加圧面に相対的に接近させることにより前記空間に充填された前記粉末を加圧する加圧工程と、
前記上パンチおよび前記成形ダイを相対的に変位させることにより、前記上パンチを前記成形ダイの前記貫通孔から上方に引き抜き、前記内側下パンチおよび前記外側下パンチを相対的に変位させることにより、前記内側下パンチの加圧面を前記外側下パンチの加圧面よりも相対的に上昇させる成形体取り出し工程と、を含む
粉末成形体の製造方法。
【請求項7】
請求項4に記載の粉末成形装置を用いて粉末成形体を製造する方法であって、
前記内側下パンチの加圧面を前記外側下パンチの加圧面よりも相対的に下方に位置させ、前記成形ダイの前記貫通孔に下から挿入された前記外側下パンチの内側面および前記内側下パンチの加圧面により画定された空間に粉末を充填する粉末充填工程と、
前記成形ダイの前記貫通孔に上から挿入された前記上パンチと、前記下パンチとを相対的に接近させ、前記下パンチの前記加圧面が形成されるように、前記内側下パンチの加圧面を前記外側下パンチの加圧面に相対的に接近させ、かつ、前記上パンチの前記加圧面が形成されるように、前記内側上パンチの加圧面を前記外側上パンチの加圧面に相対的に接近させることにより前記空間に充填された前記粉末を加圧する加圧工程と、
前記上パンチおよび前記成形ダイを相対的に変位させることにより、前記上パンチを前記成形ダイの前記貫通孔から上方に引き抜き、前記内側下パンチおよび前記外側下パンチを相対的に変位させることにより、前記内側下パンチの加圧面を前記外側下パンチの加圧面よりも相対的に上昇させる成形体取り出し工程と、を含む
粉末成形体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金型を用いて粉末成形体を作製する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ボールベアリング用のボールなどとして用いられる球状の焼結体を得るため、下パンチおよび成形ダイによって形成された空間に原料粉末を充填し、当該空間に充填された原料粉末を上パンチおよび下パンチによって加圧して、略球状の粉末成形体を作製する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。球状の粉末成形体の中央部および外周部の密度差を低減するため、下パンチ(および上パンチ)を構成する内側パンチおよびこれを取り囲む外側パンチのそれぞれの加圧面の位置を原料粉末充填時にずらしておき、粉末加圧時に揃える方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6100556号公報
【特許文献2】特開2021-154674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、粉末成形体は、上パンチおよび下パンチのそれぞれの略半球面状の加圧面に由来する球状成形体と、上パンチおよび下パンチのそれぞれの加圧面の外周縁部の間隙に由来する、当該球状成形体と一体となってその赤道付近に沿って環状に延在する環状成形体と、により構成されている。このため、球状の焼結体を得るためには、球状成形体から環状成形体を除去するための工程が必要になり、その工程に要するコストがかさむ可能性がある。
【0005】
そこで、本発明は、球状成形体(または赤道を含む球台状の部分を有し、当該赤道において外径が最大になる成形体)に付随する環状成形体の除去工程に要するコストの低減を図りうる粉末成形体の製造方法等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の粉末成形装置は、
上パンチと、下パンチと、前記上パンチおよび前記下パンチのそれぞれが上下のそれぞれから挿入される貫通孔を有する成形ダイと、を備えている粉末成形装置であって、
前記上パンチおよび前記下パンチのそれぞれの加圧面が、
半球面もしくは球帯、または、赤道から0.01°~3.0°の緯度範囲が欠落した半球面もしくは球帯により構成されている第1加圧面と、
前記第1加圧面の外周縁部に連続する環状の第2加圧面と、を有し、
前記上パンチおよび前記下パンチのうち少なくとも一方のパンチの前記第2加圧面が、径方向外側にいくにつれて少なくとも途中まで前記半球面の赤道を含む平面から徐々に遠くなるように形成されている。
【0007】
本発明の粉末成形体の製造方法は、前記構成の粉末成形装置を用いて粉末成形体を製造する方法であって、
前記成形ダイおよび前記成形ダイの前記貫通孔に下から挿入された前記下パンチにより画定された空間に粉末を充填する粉末充填工程と、
前記成形ダイの前記貫通孔に上から挿入された前記上パンチと、前記下パンチとを相対的に接近させることにより前記空間に充填された前記粉末を加圧する加圧工程と、
前記上パンチおよび前記成形ダイを相対的に変位させることにより、前記上パンチを前記成形ダイの前記貫通孔から上方に引き抜き、前記下パンチおよび前記成形ダイを相対的に変位させることにより、前記下パンチを前記成形ダイに対して上昇させる成形体取り出し工程と、を含む。
【0008】
当該構成の粉末成形装置およびこれを用いた粉末成形体の製造方法によれば、成形ダイの貫通孔に上下から挿入された上パンチおよび下パンチにより粉末が加圧される。これにより、上パンチの加圧面、下パンチの加圧面および成形ダイの貫通孔の側面により画定される空間に、球状成形体(または赤道を含む球台状の部分を有し、当該赤道において外径が最大になる成形体)および環状成形体により一体的に構成されている粉末成形体が存在している状態が実現される。
【0009】
少なくとも一方のパンチの第2加圧面が径方向外側にいくにつれて、第1加圧面に相当する半球面の赤道から遠ざかるように構成されている。このため、当該一体的な成形体において、第1加圧面および第2加圧面の環状の連続部分に相当する箇所、すなわち、球状成形および環状成形体の環状の連続部分に比較的大きな応力が残留している状態になる。
【0010】
成形体取り出し工程において、環状成形体を成形ダイの貫通孔の側面との圧接状態から少なくとも部分的に拘束したままにすることにより、成形ダイが環状成形体を拘束するような力が作用する。その結果、環状成形体が上パンチにより持ち上げられることなく、球状成形体を成形ダイから抜き出すとほぼ同時に環状成形体を球状成形体から離間させることができる。よって、環状成形体を球状成形体から除去する工程に要するコストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態としての粉末成形装置の構成に関する説明図。
【
図2】本発明の一実施形態としての外側上パンチの構成に関する説明図。
【
図3】本発明の一実施形態としての外側下パンチの構成に関する説明図。
【
図4】本発明の粉末成形体の製造方法に関する説明図。
【
図5】本発明の粉末成形体の製造方法に関する説明図(続き)。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(構成)
図1に示されている本発明の一実施形態としての粉末成形装置は、上パンチ10と、下パンチ20と、上パンチ10および下パンチ20のそれぞれが上下のそれぞれから挿入される略円柱状の貫通孔を有する成形ダイ24と、を備えている。上パンチ10が、略円柱状の内側上パンチ11と、内側上パンチ11の径と略同径の内径を有する略円筒状の外側上パンチ12と、により構成されている。下パンチ20が、略円柱状の内側下パンチ21と、内側下パンチ21の径と略同径の内径を有する略円筒状の外側下パンチ22と、により構成されている。
【0013】
粉末成形装置は、内側上パンチ11、外側上パンチ12、内側下パンチ21、外側下パンチ22および成形ダイ24のそれぞれを昇降駆動するための内側上パンチアクチュエータ110、外側上パンチアクチュエータ120、内側下パンチアクチュエータ210、外側下パンチアクチュエータ220および成形ダイアクチュエータ240を備えている。
【0014】
粉末成形装置は、制御装置40を備えている。制御装置40は、コンピュータ、ひいては演算処理装置(CPU、プロセッサ、プロセッサコアなど)、記憶装置(ROM、RAMなどのメモリ、HDD、SSDなど)およびI/O回路等により構成されている。制御装置40は、記憶装置から必要なデータおよびプログラム(ソフトウェア)を読み出し、当該データを対象として当該プログラムにしたがった演算処理を実行することにより、タスクを実行するように構成されている。当該タスクには、内側上パンチアクチュエータ110、外側上パンチアクチュエータ120、内側下パンチアクチュエータ210、外側下パンチアクチュエータ220および成形ダイアクチュエータ240のそれぞれの動作の制御処理のほか、原料粉末供給装置(図示略)等の動作の制御処理が含まれている。
【0015】
図2には、内側上パンチ11の加圧面および外側上パンチ12の加圧面の位置が揃って、上パンチ10の本来の加圧面が形成されている状況が示されている。上パンチ10の当該加圧面は、第1加圧面S
11と、第1加圧面S
11の外周縁部に連続して径方向外側に延在する環状の第2加圧面S
12と、により構成されている。
【0016】
第1加圧面S11は、中心O1を有する半径r(粉末成形体の目標半径)の半球面のうち、赤道からθ11=0.01°~3.0°(好ましくは0.01°~2.0°、より好ましくは0.01°~1.0°)の緯度範囲が欠落した曲面により構成されている。第1加圧面S11は、当該欠落が存在しない半球面により構成されていてもよい。当該半球面の欠落箇所が周方向に沿って王冠のように凹凸構造を有するなど、半球面の経度に応じて当該緯度範囲θ11が断続的または連続的に変化してもよい。
【0017】
第2加圧面S
12は、径方向外側にいくにつれて半球面の赤道を含む平面(赤道平面)から連続的または断続的に遠くなるように構成されている。
図2に示されているように、第2加圧面S
12は赤道平面に対して角度θ
14で傾斜した略円錐台側面状の曲面により構成されている。第2加圧面S
12の内周縁部が、当該赤道平面に対してなす角度θ
14が20°~85°(好ましくは45°~85°、より好ましくは65°~75°)の角度範囲に含まれていることが好ましい。
【0018】
第2加圧面S12は、環状の凸曲面、環状の凹曲面またはこれらの組み合わせにより構成されていてもよい。第1加圧面S11および第2加圧面S12の連続部分S10は、赤道平面に平行な平面または略平坦な凸曲面により構成されていてもよい。第2加圧面S12は、連続部分S10から径方向外側にいくにつれて途中まで、中心O1を含む赤道平面から徐々に遠ざかった後、それ以後は当該赤道平面に等距離を維持してもよく、または、徐々に近づいてもよい。
【0019】
内側上パンチ11の加圧面は、第1加圧面S11の内側部分により構成されている。外側上パンチ12の加圧面は、第1加圧面S11の外側部分(半球面の緯度θ11~θ11+θ12の部分)および第2加圧面S12により構成されている。θ12は、例えば10°~50°の範囲に含まれ、20°~35°の範囲に含まれていることが好ましい。このため、内側上パンチ11の半径rcos(θ11+θ12)と、外側上パンチ12の第1加圧面S11の外側部分の径方向間隔r{cosθ11-cos(θ11+θ12)}と、の比率は、例えば、0.985:0.014~0.602:0.397の範囲に含まれ、0.940:0.059~0.788:0.211の範囲に含まれていることが好ましい。外側上パンチ12の第1加圧面S11の外側部分の径方向間隔r{cosθ11-cos(θ11+θ12)}と、第2加圧面S12の径方向間隔と、の比率は、例えば、32:1~1:8の範囲に含まれ、5:1~1:5の範囲に含まれていてもよく、3:1~1:3の範囲に含まれていることが好ましい。
【0020】
図3には、内側下パンチ21の加圧面および外側下パンチ22の加圧面の位置が揃って、下パンチ20の本来の加圧面が形成されている状況が示されている。下パンチ20の当該加圧面は、第1加圧面S
21と、第1加圧面S
21の外周縁部に連続して径方向外側に延在する環状の第2加圧面S
22と、により構成されている。
【0021】
第1加圧面S21は、中心O1を有する半径r(粉末成形体の目標半径)の半球面のうち、赤道からθ21=0.01°~3.0°(好ましくは0.01°~2.0°、より好ましくは0.01°~1.0°)の緯度範囲が欠落した曲面により構成されている。第2加圧面S21は、当該欠落が存在しない半球面により構成されていてもよい。当該半球面の欠落箇所が周方向に沿って王冠のように凹凸構造を有するなど、半球面の経度に応じて当該緯度範囲θ21が断続的または連続的に変化してもよい。半球面の同じ経度においてθ21=θ11であることが好ましい。
【0022】
第2加圧面S
22は、径方向外側にいくにつれて半球面の赤道を含む平面(赤道平面)から連続的または断続的に遠くなるように構成されている。
図3に示されているように、第2加圧面S
22は赤道平面に対して角度θ
24で傾斜した略円錐台側面状の曲面により構成されている。第2加圧面S
22の内周縁部が、当該赤道平面に対してなす角度θ
24が20°~85°(好ましくは45°~85°、より好ましくは65°~75°)の角度範囲に含まれていることが好ましい。θ
24=θ
14であることが好ましい。
【0023】
第2加圧面S22は、環状の凸曲面、環状の凹曲面またはこれらの組み合わせにより構成されていてもよい。第1加圧面S21および第2加圧面S22の連続部分S20は、赤道平面に平行な平面または略平坦な凸曲面により構成されていてもよい。第2加圧面S22は、連続部分S20から径方向外側にいくにつれて途中まで、中心O2を含む赤道平面から徐々に遠ざかった後、それ以後は当該赤道平面に等距離を維持してもよく、または、徐々に近づいてもよい。
【0024】
内側下パンチ21の加圧面は、第1加圧面S21の内側部分により構成されている。外側下パンチ22の加圧面は、第1加圧面S21の外側部分(半球面の緯度θ21~θ21+θ22(θ22=θ12であることが好ましい。)の部分)および第2加圧面S22により構成されている。θ22は、例えば10°~50°の範囲に含まれ、20°~35°の範囲に含まれていることが好ましい。このため、内側下パンチ21の半径rcos(θ21+θ22)と、外側下パンチ22の第1加圧面S21の外側部分の径方向間隔r{cosθ21-cos(θ21+θ22)}と、の比率は、例えば、0.985:0.014~0.602:0.397の範囲に含まれ、0.940:0.059~0.788:0.211の範囲に含まれていることが好ましい。外側下パンチ22の第1加圧面S21の外側部分の径方向間隔r{cosθ21-cos(θ21+θ22)}と、第2加圧面S22の径方向間隔と、の比率は、例えば、32:1~1:8の範囲に含まれ、5:1~1:5の範囲に含まれていてもよく、3:1~1:3の範囲に含まれていることが好ましい。
【0025】
(機能)
前記構成の粉末成形装置の機能、ひいてはこれを用いて粉末成形体を製造する方法の手順について説明する。
【0026】
(粉末充填工程)
図4(1)に示されているように、粉末充填工程において、内側下パンチ21の加圧面の位置が外側下パンチ22の加圧面の位置より低くなるように制御される。成形ダイ24の貫通孔に挿入された外側下パンチ22の上端部の位置および当該成形ダイ24の上端部の位置が略同一になるように制御される。この状態で、粉末供給装置により、外側下パンチ22の内側面および内側下パンチ21の加圧面により画定されている空間に粉末Pが充填される。粉末Pは、セラミック粉末のほか、金属粉末またはこれらの混合粉末などであってもよい。
図4(1)に示されているように、内側上パンチ11の加圧面および外側上パンチ12の加圧面の位置が揃って、上パンチ10の連続的な加圧面が形成されていてもよい。
【0027】
外側下パンチ22の内側面および内側下パンチ21の加圧面により画定されている空間(第1粉末充填空間)に加えて、外側下パンチ22の加圧面および成形ダイ24の貫通孔の側面により画定された空間(第2粉末充填空間)にも粉末Pが充填されてもよい。この場合、外側下パンチ22の上端部の位置が成形ダイ24の上端部の位置より相対的に低くなるように制御されていてもよい。
【0028】
(第1予備工程)
次に、
図4(2)に示されているように、成形ダイ24が外側下パンチ22に対して相対的に上昇駆動される。さらに、上パンチ10が下降駆動され、成形ダイ24の貫通孔に上から上パンチ10が挿入される。
【0029】
(第2予備工程)
続いて、
図4(3)に示されているように、内側下パンチ21の加圧面が外側下パンチ22の加圧面に接近するように、内側下パンチ21が外側下パンチ22に対して相対的に上昇駆動される。これにより、粉末Pが内側下パンチ21により上方に移送される。内側上パンチ11の加圧面が外側上パンチ12の加圧面から離れるように、内側上パンチ11が外側上パンチ12に対して相対的に上昇駆動される。これらの結果、
図4(3)に示されているように、内側上パンチ11の加圧面、外側上パンチ12の内側面および加圧面、成形ダイ24の貫通孔の側面、内側下パンチ21の加圧面、ならびに、外側下パンチ22の内側面および加圧面により画定された空間に粉末Pが充填された状態が実現される。
【0030】
(加圧工程)
さらに、
図4(4)に示されているように、外側上パンチ12および外側下パンチ22が相対的に接近するように、外側上パンチ12が下降駆動され、かつ/または、外側下パンチ22が上昇駆動される。また、上パンチ10の本来の加圧面を形成するため、内側上パンチ11の加圧面が外側上パンチ12の加圧面に接近させるように、内側上パンチ11が外側上パンチ12に対して相対的に下降駆動される。同様に、下パンチ20の本来の加圧面を形成するため、内側下パンチ21の加圧面が外側下パンチ22の加圧面に接近させるように、内側下パンチ21が外側下パンチ22に対して相対的に上昇駆動される。
【0031】
これらの結果、
図4(4)に示されているように、上パンチ10の略半球面状の第1加圧面S
11(
図2参照)および下パンチ20の略半球状の第1加圧面S
21(
図3参照)により上下を画定されている略球状の空間に球状成形体Qが形成される。同じく
図4(4)に示されているように、上パンチ10の第2加圧面S
12(
図2参照)および下パンチ20の第2加圧面S
22(
図3参照)ならびに成形ダイ24の貫通孔の側面により画定されている環状の空間に環状成形体Rが形成される。この際、環状成形体Rは、球状成形体Qに対してその赤道に沿って全周にわたり一体的に連結した状態になっている。
【0032】
(成形体取り出し工程)
図5(5)に示されているように、成形ダイ24の上端部の位置が上パンチ10の下端部の位置よりも若干高い位置になるまで、当該成形ダイ24が下降駆動される。さらに、
図5(6)に示されているように、内側下パンチ21の上端部の位置が成形ダイ24の上端部の位置と略同一になるように、内側下パンチ21が上昇駆動され、かつ、上パンチ10が上昇駆動される。この際、内側パンチ21の上昇変位量および上パンチ10の上昇変位量は同一である。
【0033】
この結果、
図5(6)に示されているように、球状成形体Qが環状成形体Rから分離された状態で、内側下パンチ21の加圧面および上パンチ10の加圧面により上下方向に挟まれたまたは支持されている。この際、環状成形体Rは、成形ダイ24の貫通孔の側面上端部と外側下パンチ22の加圧面(第2加圧面S
22)に当接した状態で元の位置にとどまっている。
【0034】
そして、
図5(7)に示されているように、内側下パンチ21の上昇駆動が停止され、その一方で上パンチ10がさらに上昇駆動される。この結果、
図5(7)に示されているように、球状成形体Qが、内側下パンチ21の加圧面により支持された状態で取り出される。
【0035】
(作用効果)
前記機能を発揮する粉末成形装置およびこれを用いた粉末成形体の製造方法によれば、成形ダイ24の貫通孔に上下から挿入された上パンチ10および下パンチ20により粉末Pが加圧される(
図4(4)参照)。これにより、上パンチ10の加圧面、下パンチ20の加圧面および成形ダイ24の貫通孔の側面により画定される空間に、球状成形体Qおよび環状成形体Rにより一体的に構成されている粉末成形体が存在している状態が実現される。
【0036】
上パンチ10の第2加圧面S12および下パンチ20の第2加圧面S22のそれぞれが、径方向外側にいくにつれて、第1加圧面S11、S21に相当する半球面の赤道から遠ざかるように構成されている。このため、当該一体的な成形体において、第1加圧面S11、S21および第2加圧面S12、S22の環状の連続部分S10、S20に相当する箇所、すなわち、球状成形体Qおよび環状成形体Rの環状の連続部分に比較的大きな応力が残留している状態になる。
【0037】
成形体取り出し工程において、環状成形体Rを成形ダイ24の貫通孔の側面との圧接状態から少なくとも部分的に拘束したままにすることにより、成形ダイ24が環状成形体Rを拘束するような力が作用する。その結果、環状成形体Rが上パンチ10(外側上パンチ12)により持ち上げられることなく、球状成形体を成形ダイから抜き出すとほぼ同時に環状成形体Rを球状成形体Qから離間させることができる(
図5(5)参照)。
図6には、分離された状態で取り出された球状成形体Qおよび環状成形体Rの様子が示されている。よって、環状成形体Rを球状成形体Qから除去する工程に要するコストの低減を図ることができる。
【0038】
(本発明の他の実施形態)
前記実施形態では、上パンチ10が内側上パンチ11および外側上パンチ12により構成されていたが、他の実施形態として、上パンチ10が内側上パンチ11および外側上パンチ12が一体化されたような単一のパンチとして構成されていてもよい。この場合、内側上パンチアクチュエータ110および外側上パンチアクチュエータ120は単一の上パンチアクチュエータとして構成される。
【0039】
前記実施形態では、下パンチ20が内側下パンチ21および外側下パンチ22により構成されていたが、他の実施形態として、下パンチ20が内側下パンチ21および外側下パンチ22が一体化されたような単一のパンチとして構成されていてもよい。この場合、内側下パンチアクチュエータ210および外側下パンチアクチュエータ220は単一の下パンチアクチュエータとして構成される。
【0040】
内側上パンチ11が、略柱状の中心上パンチと、当該中心上パンチを取り囲むように同軸に配置され一または複数の環状上パンチと、により構成されていてもよい。この場合、第2予備工程(
図4(3)参照)において、中心上パンチの加圧面の位置が最も高く、かつ、環状上パンチの加圧面の位置が外側上パンチ12の加圧面の位置よりも高い(さらには、内側の環状上パンチほど加圧面の位置が外側の環状上パンチの加圧面の位置より高い)状態が実現される。そして、加圧工程(
図4(4)参照)において、中心上パンチの加圧面が、環状上パンチの加圧面に接近するように中心上パンチが環状上パンチに対して相対的に下降駆動されてもよい。さらに、複数の環状上パンチが存在する場合、内側の環状上パンチが外側の環状上パンチに対して相対的に下降駆動されてもよい)。
【0041】
内側下パンチ21が、略柱状の中心下パンチと、当該中心下パンチを取り囲むように同軸に配置され一または複数の環状下パンチと、により構成されていてもよい。この場合、第2予備工程(
図4(3)参照)において、中心下パンチの加圧面の位置が最も低く、かつ、環状下パンチの加圧面の位置が外側下パンチ22の加圧面の位置よりも高い(さらには、内側の環状下パンチほど加圧面の位置が外側の環状下パンチの加圧面の位置より低い)状態が実現される。そして、加圧工程(
図4(4)参照)において、中心下パンチの加圧面が、環状下パンチの加圧面に接近するように中心下パンチが環状下パンチに対して相対的に上昇駆動されてもよい。さらに、複数の環状下パンチが存在する場合、内側の環状下パンチが外側の環状上パンチに対して相対的に上昇駆動されてもよい。
【0042】
前記実施形態では、上パンチ10の第2加圧面S12および下パンチ20の第2加圧面S22のそれぞれが、径方向外側にいくにつれて中心O1を含む赤道平面および中心O2を含む赤道平面のそれぞれから徐々に遠くなるように形成されていたが、他の実施形態として、上パンチ10の第2加圧面S12および下パンチ20の第2加圧面S22のうち一方のみが、径方向外側にいくにつれて中心O1を含む赤道平面または中心O2を含む赤道平面から徐々に遠くなるように形成されていてもよい。この場合、上パンチ10の第2加圧面S12および下パンチ20の第2加圧面S22のうち他方が、中心O1を含む赤道平面または中心O2を含む赤道平面に沿って延在するように、少なくとも部分的に当該赤道平面に近づくように、あるいは、少なくとも当該赤道面を越えて相手方のパンチに接近する方向に突出するように形成されていてもよい。
【0043】
球状成形体Qに代えて、赤道を含む球台状の部分を有し、当該赤道において外径が最大になる成形体から環状成形体Rが分離されてもよい。例えば、半円球状、球冠状、半楕円球状、円錐状、円錐台状または円柱状の上部分と、上部分の下面(平面)と同径の上面(平面)を有し、赤道を含む球台状の中間部分と、中間部分の下面(平面)と同径の上面を有する半円球状、球冠状、半楕円球状、円錐状、円錐台状または円柱状の下部分と、が上から順に同軸に連結されたような形状を有する成形体から、当該中間部分の赤道付近に連結されていた環状成形体Rが分離されてもよい。この場合、上パンチ10の加圧面が、略球帯状の第1加圧面S11および第2加圧面S12に加えて、第1加圧面S11の内周縁に連続する、上部分の形状に相当する形状の加圧面により構成されている。同様に、下パンチ20の加圧面が、略球帯状の第1加圧面S21および第2加圧面S22に加えて、第1加圧面S21の内周縁に連続する、下部分の形状に相当する形状の加圧面により構成されている。
【0044】
粉末成形装置が、横断面形状が上パンチ10(または内側上パンチ11および外側上パンチ12)と同じであって、当該横断面に垂直な方向に延在する略半円柱状の開空間を画定する上パンチ(または内側上パンチおよび外側上パンチ)と、横断面形状が下パンチ20(または内側下パンチ21および外側下パンチ22)と同じ形状であって、当該横断面に垂直な方向に延在する略半円柱状の開空間を画定する下パンチ(または内側下パンチおよび外側下パンチ)と、上下方向に貫通する貫通孔を有する成形ダイと、を備えていてもよい。成形ダイの貫通孔は、上パンチおよび下パンチにより画定される略円柱状の開空間を、当該円柱の端面を画定するように対向している一対の内側面と、当該円柱を径方向から挟むように対向している一対の内側面と、を有している。
【0045】
当該粉末成形装置によれば、略円球状の球状成形体Qに代えて略円柱状の円柱状成形体が形成され、環状成形体Rに代えて、当該円柱状成形体の中心軸線を挟んで対称な位置において当該中心軸線に平行な方向に延在する略直線状(または略台形状または略扇形状の断面を有する柱状)の一対の線状成形体が形成される。円柱状成形体および一対の線状成形体は途中までは一体的であるが(
図4(4)参照)、その後、球状成形体Qおよび環状成形体Rが離間するのと同様の原理によって円柱状成形体および一対の線状成形体が離間する。これにより、円柱状成形体の製造コストの低下が図られる(
図5(5)参照)。
【符号の説明】
【0046】
10‥上パンチ
11‥内側上パンチ
12‥外側上パンチ
20‥下パンチ
21‥内側下パンチ
22‥外側下パンチ
24‥成形ダイ
40‥制御装置
110‥内側上パンチアクチュエータ
120‥外側上パンチアクチュエータ
210‥内側下パンチアクチュエータ
220‥外側下パンチアクチュエータ
240‥成形ダイアクチュエータ
P‥粉末
Q‥球状成形体
R‥環状成形体
S10‥上パンチの第1加圧面および第2加圧面の連続部分
S11‥上パンチの第1加圧面
S12‥上パンチの第2加圧面
S20‥下パンチの第1加圧面および第2加圧面の連続部分
S21‥下パンチの第1加圧面
S22‥下パンチの第2加圧面。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上パンチと、下パンチと、前記上パンチおよび前記下パンチのそれぞれが上下のそれぞれから挿入される貫通孔を有する成形ダイと、を備えている粉末成形装置であって、
前記上パンチおよび前記下パンチのそれぞれの加圧面が、
赤道から0.01°~3.0°の緯度範囲が欠落した半球面または球帯により構成されている第1加圧面と、
前記第1加圧面の外周縁部に連続する環状の第2加圧面と、を有し、
前記上パンチおよび前記下パンチのうち少なくとも一方のパンチの前記第2加圧面が、径方向外側にいくにつれて少なくとも途中まで前記半球面の赤道を含む平面から徐々に遠くなるように形成されている
粉末成形装置。
【請求項2】
請求項1に記載の粉末成形装置において、
前記第2加圧面の内周縁部が、前記半球面の赤道を含む平面に対してなす角度が、20°~85°の角度範囲に含まれている
粉末成形装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の粉末成形装置において、
前記下パンチが、前記第1加圧面の内側部分を加圧面の少なくとも一部とする内側下パンチと、前記第1加圧面の外側部分および前記第2加圧面を加圧面とする前記内側下パンチを取り囲む外側下パンチと、により構成されている。
粉末成形装置。
【請求項4】
請求項3に記載の粉末成形装置において、
前記上パンチが、前記第1加圧面の内側部分を加圧面の少なくとも一部とする内側上パンチと、前記第1加圧面の外側部分および前記第2加圧面を加圧面とする前記内側上パンチを取り囲む外側上パンチと、により構成されている
粉末成形装置。
【請求項5】
請求項1または2に記載の粉末成形装置を用いて粉末成形体を製造する方法であって、
前記成形ダイおよび前記成形ダイの前記貫通孔に下から挿入された前記下パンチにより画定された空間に粉末を充填する粉末充填工程と、
前記成形ダイの前記貫通孔に上から挿入された前記上パンチと、前記下パンチとを相対的に接近させることにより前記空間に充填された前記粉末を加圧する加圧工程と、
前記上パンチおよび前記成形ダイを相対的に変位させることにより、前記上パンチを前記成形ダイの前記貫通孔から上方に引き抜き、前記下パンチおよび前記成形ダイを相対的に変位させることにより、前記下パンチを前記成形ダイに対して上昇させる成形体取り出し工程と、を含む
粉末成形体の製造方法。
【請求項6】
請求項3に記載の粉末成形装置を用いて粉末成形体を製造する方法であって、
前記内側下パンチの加圧面を前記外側下パンチの加圧面よりも相対的に下方に位置させ、前記成形ダイの前記貫通孔に下から挿入された前記外側下パンチの内側面および前記内側下パンチの加圧面により画定された空間に粉末を充填する粉末充填工程と、
前記成形ダイの前記貫通孔に上から挿入された前記上パンチと、前記下パンチとを相対的に接近させ、かつ、前記下パンチの前記加圧面が形成されるように、前記内側下パンチの加圧面を前記外側下パンチの加圧面に相対的に接近させることにより前記空間に充填された前記粉末を加圧する加圧工程と、
前記上パンチおよび前記成形ダイを相対的に変位させることにより、前記上パンチを前記成形ダイの前記貫通孔から上方に引き抜き、前記内側下パンチおよび前記外側下パンチを相対的に変位させることにより、前記内側下パンチの加圧面を前記外側下パンチの加圧面よりも相対的に上昇させる成形体取り出し工程と、を含む
粉末成形体の製造方法。
【請求項7】
請求項4に記載の粉末成形装置を用いて粉末成形体を製造する方法であって、
前記内側下パンチの加圧面を前記外側下パンチの加圧面よりも相対的に下方に位置させ、前記成形ダイの前記貫通孔に下から挿入された前記外側下パンチの内側面および前記内側下パンチの加圧面により画定された空間に粉末を充填する粉末充填工程と、
前記成形ダイの前記貫通孔に上から挿入された前記上パンチと、前記下パンチとを相対的に接近させ、前記下パンチの前記加圧面が形成されるように、前記内側下パンチの加圧面を前記外側下パンチの加圧面に相対的に接近させ、かつ、前記上パンチの前記加圧面が形成されるように、前記内側上パンチの加圧面を前記外側上パンチの加圧面に相対的に接近させることにより前記空間に充填された前記粉末を加圧する加圧工程と、
前記上パンチおよび前記成形ダイを相対的に変位させることにより、前記上パンチを前記成形ダイの前記貫通孔から上方に引き抜き、前記内側下パンチおよび前記外側下パンチを相対的に変位させることにより、前記内側下パンチの加圧面を前記外側下パンチの加圧面よりも相対的に上昇させる成形体取り出し工程と、を含む
粉末成形体の製造方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明の粉末成形装置は、
上パンチと、下パンチと、前記上パンチおよび前記下パンチのそれぞれが上下のそれぞれから挿入される貫通孔を有する成形ダイと、を備えている粉末成形装置であって、
前記上パンチおよび前記下パンチのそれぞれの加圧面が、
赤道から0.01°~3.0°の緯度範囲が欠落した半球面または球帯により構成されている第1加圧面と、
前記第1加圧面の外周縁部に連続する環状の第2加圧面と、を有し、
前記上パンチおよび前記下パンチのうち少なくとも一方のパンチの前記第2加圧面が、径方向外側にいくにつれて少なくとも途中まで前記半球面の赤道を含む平面から徐々に遠くなるように形成されている。