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  • 特開-光源モジュール、航空機用灯具 図1
  • 特開-光源モジュール、航空機用灯具 図2
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  • 特開-光源モジュール、航空機用灯具 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129650
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】光源モジュール、航空機用灯具
(51)【国際特許分類】
   B64D 47/02 20060101AFI20240919BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20240919BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240919BHJP
【FI】
B64D47/02
F21V19/00 510
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038986
(22)【出願日】2023-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100136630
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 祐啓
(74)【代理人】
【識別番号】100201514
【弁理士】
【氏名又は名称】玉井 悦
(72)【発明者】
【氏名】依田 孝
【テーマコード(参考)】
3K013
【Fターム(参考)】
3K013AA03
3K013BA01
3K013EA01
(57)【要約】
【課題】取り付け及び交換が容易な光源モジュール及び該光源モジュールを搭載した航空機用灯具を提供する。
【解決手段】本開示の光源モジュール2は、光源としてのLED23と、LED23を搭載した基板24と、LED23及び基板24を収容する光源ハウジング21とを備える。また、本開示の航空機用灯具1は、光源モジュール2と、光源モジュール2を収容する灯具ハウジング3とを備え、灯具ハウジング3が、該灯具ハウジング3の対向辺同士を架け渡す架橋部31を有し、架橋部31が、光源モジュール2を取り付ける取付部32を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機用灯具の灯室内に収容される光源モジュールであって、
光源と、前記光源を搭載した基板と、前記光源及び前記基板を収容する光源ハウジングと、を備え、
前記光源ハウジングが、前記光源の光を透過させるインナーレンズを含むことを特徴とする光源モジュール。
【請求項2】
請求項1の光源モジュールと、前記光源モジュールを収容する灯具ハウジングと、前記光源の光を灯具外部に透過させるアウターレンズと、を備えた、航空機用灯具。
【請求項3】
前記灯具ハウジングが、該灯具ハウジングの対向辺同士を架け渡す架橋部を含み、
前記架橋部が、前記光源モジュールを取り付ける取付部を含む、請求項2に記載の航空機用灯具。
【請求項4】
前記光源モジュールは、前記灯具ハウジングの架橋部に、前記取付部を介して前記航空機用灯具の正面側から取り付けられる、請求項3に記載の航空機用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、取付及び交換が容易な光源モジュール及び該光源モジュールを搭載した航空機用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電球式光源をLED光源に移行し、灯具の耐久性を向上させた航空機用灯具が知られている。例えば、引用文献1には、発光色の異なる複数のLEDを混色発光させ、白色電球に近似した光を出射する表示灯の発明が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-351427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、電球式の場合には、ソケットが基板に半田付けされているため、断線等の故障が生じた場合に、ソケットから電球を取り外し、容易に機上でも交換が可能であったところ、LEDの場合には、LED本体が基盤に半田付けされているため、機上での交換が難しいという問題があった。
【0005】
そこで、本開示の目的は、取り付け及び交換が容易な光源モジュール及び該光源モジュールを搭載した航空機用灯具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示の光源モジュールは、以下の特徴を備える。
(1)航空機用灯具の灯室内に収容される光源モジュールであって、光源と、光源を搭載した基板と、光源及び基板を収容する光源ハウジングと、を備え、光源ハウジングが、光源の光を透過させるインナーレンズを含むこと。
【0007】
上記課題を解決するために、本開示の航空機用灯具は、以下の特徴を備える。
(2)(1)の光源モジュールと、光源モジュールを収容する灯具ハウジングと、光源の光を灯具外部に透過させるアウターレンズと、を備えたこと。
【0008】
(3)(2)において、灯具ハウジングが、該灯具ハウジングの対向辺同士を架け渡す架橋部を含み、架橋部が、光源モジュールを取り付ける取付部を含むこと。
【0009】
(4)(2)又は(3)において、光源モジュールは、灯具ハウジングの架橋部に、取付部を介して航空機用灯具の正面側から取り付けられること。
【発明の効果】
【0010】
本開示の光源モジュール及び該光源モジュールを搭載した航空機用灯具によれば、光源をモジュール化したため、機上で断線等の故障が生じた場合であっても手軽に交換できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の一実施形態を示す航空機用灯具の外観を示す斜視図である。
図2図1の航空機用灯具の分解斜視図である。
図3】光源モジュールの分解斜視図である。
図4】(a)灯具ハウジングに光源モジュールを取り付けた様子を示す正面図、(b)灯具ハウジングの正面図である。
図5】灯具ハウジングを合体させる様子を示す模式図である。
図6】挟持部材の配置を示すA-A線拡大端面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示を航空機用灯具に具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。以下の説明では、アウターレンズ4-1側を航空機用灯具の正面側、アウターレンズ4-2側を航空機用灯具の背面側として説明する。
【0013】
図1,2に示す航空機用灯具1は、乗客を出入口等へ誘導する誘導灯等に使用可能な灯具である。航空機用灯具1は、光源モジュール2と、光源モジュール2を収容する灯具ハウジング3と、光源(LED23)の光を灯具外部に透過させるアウターレンズ4とを備える。アウターレンズ4は、アクリルやポリカーボネート等の透明樹脂材料から設けられている。
【0014】
灯具ハウジング3は、正面側の灯具ハウジング3-1と背面側の灯具ハウジング3-22とから構成される。灯具ハウジング3-1,2は、各々、灯具ハウジング3の対向する長辺同士を架け渡す架橋部31-1,2を有する。また、各々の架橋部31-1,2には、光源モジュール2を取り付ける小孔状の取付部32-1,2が設けられている。灯具ハウジング3-1,2の間には、光源モジュール2に電力を供給する配線ボード6が介装され、配線ボード6は、図示しない外部電力と接続されている。
【0015】
図3に示すように、光源モジュール2は、光源であるLED23と、LED23を搭載した基板24と、LED23及び基板24を収容する光源ハウジング21とを備える。光源ハウジング21は、アクリルやポリカーボネート等の透明樹脂材料から構成されている。
【0016】
LED23は、航空機用灯具1の正面方向を向くLED23-1と、背面方向を向くLED23-2とを含む。LED23-1は、基板24-1に搭載され、LED23-2は、基板24-2に搭載されている。
【0017】
光源ハウジング21は、正面側の光源ハウジング21-1と背面側の光源ハウジング21-2とから構成される。光源ハウジング21-1は、LED23-1の光を透過させるインナーレンズ22-1を含み、背面側の光源ハウジング21-2は、LED23-2の光を透過させるインナーレンズ22-2を含む。
【0018】
図4に示すように、光源モジュール2は、灯具ハウジング3の架橋部31に、取付部32を介して航空機用灯具1の正面側から取り付けられる。架橋部31は、LED23-1,2を回避する位置に架け渡され、LED23-1,2から出射する光を妨げない。
【0019】
図5に示すように、灯具ハウジング3-1,2は、架橋部31-1,2を相互に固定することにより合体される。例えば、スピードナット(登録商標)のような挟持部材7により架橋部31-1,2を挟持し、取付部32に挿通したボルト51を挟持部材7に締結することが好ましい。
【0020】
従来は、取付部32にヘリサートを装着してヘリサートタップ加工を施し、ヘリサートタップにリベットを挿通することによって架橋部31-1,2を締結し、灯具ハウジング3-1,2を合体させていた。ところが、機内のように振動の強い環境では、ヘリサートタップ加工の溝を起点としたクラックが発生しやすいという問題があった。このため、本開示の構成では、ヘリサートの代わりに挟持部材7を用いることによって、振動によるクラックの発生リスクを低減させている。
【0021】
図6に示すように、本開示では、光源ハウジング21のボルト孔28と、挟持部材7により挟持した取付部32-1,2とを連通させ、ボルト51で一気に締結することにより、灯具ハウジング3の合体と光源ハウジング21の取り付けとを一度に行うように構成している。このため、多数のリベットを不要とし、かつ、手間を削減することが可能となる。
【0022】
したがって、この実施形態の航空機用灯具1によれば、LED23と、基板24と、LED23及び基板24を収容する光源ハウジング21とを光源モジュール2としてモジュール化したため、機上で断線等の故障が生じた場合であっても、灯具ハウジング3から光源モジュール2を取り外し、新たな光源モジュール2を取り付けることによって、容易にLED23を交換することができる。また、光源モジュール2は絶縁体である樹脂部材の光源ハウジング21に収容されているため、基板24等の電子部品を静電気から保護することができる。また、灯具ハウジング3の対向する長辺同士を架け渡すように架橋部31を設けたため、灯具ハウジング3の形状の歪みを防止することも可能である。
【0023】
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で各部の形状や構成を適宜に変更して実施することも可能である。
【符号の説明】
【0024】
1 航空機用灯具
2 光源モジュール
3 灯具ハウジング
4 アウターレンズ
6 配線ボード
7 挟持部材
21 光源ハウジング
22 インナーレンズ
23 LED
24 基板
27 開口部
28 ボルト孔
31 架橋部
32 取付部
51 ボルト
図1
図2
図3
図4
図5
図6