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特開2024-129653画像生成システム、画像生成方法、分析システム及び分析方法
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  • 特開-画像生成システム、画像生成方法、分析システム及び分析方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129653
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】画像生成システム、画像生成方法、分析システム及び分析方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/27 20060101AFI20240919BHJP
【FI】
G01N21/27 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038990
(22)【出願日】2023-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋本谷 磨志
(72)【発明者】
【氏名】串田 祐輝
(72)【発明者】
【氏名】北川 雄介
【テーマコード(参考)】
2G059
【Fターム(参考)】
2G059AA01
2G059BB01
2G059BB04
2G059BB08
2G059EE02
2G059EE11
2G059GG01
2G059GG02
2G059GG03
2G059HH02
2G059JJ07
2G059KK04
2G059MM01
(57)【要約】
【課題】対象物に入射する光の強度分布をイメージセンサで検出することなく画像を生成し得る画像生成システム、画像生成方法、分析システム及び分析方法を提供する。
【解決手段】画像生成システム1は、第1の光源11と第2の光源12と光散乱部20とイメージセンサ30と光検出器60と逆演算部40と順演算部50と画像生成部70とを備える。光散乱部20には光散乱体21が分散して存在する。イメージセンサ30は強度分布Ibを含む画像データGdを生成する。光検出器60は強度Baを検出する。逆演算部40は光散乱部20における光散乱体21の分布Daを算出する。順演算部50は第2の光121の強度分布Iaを算出する。画像生成部70は強度Baと強度分布Iaとから、対象物3の画像Gaを生成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物の画像を生成する画像生成システムであり、
第1の光源と、第2の光源と、光散乱部と、イメージセンサと、光検出器と、逆演算部と、順演算部と、画像生成部とを備え、
前記第1の光源から出射する第1の光の光路上に、前記光散乱部及び前記イメージセンサが、前記第1の光源の側から、前記光散乱部及び前記イメージセンサの順に配置されており、
前記第2の光源から出射する第2の光の光路上に、前記光散乱部及び前記光検出器が順に配置されており、前記光散乱部と前記光検出器との間の光路上に前記対象物が配置され、
前記第1の光の波長と、前記第2の光の波長とは互いに異なり、
前記第1の光は、可視光であり、
前記光散乱部には前記第1の光及び前記第2の光の各々を散乱する光散乱体が分散して存在し、
前記イメージセンサは、可視光を検出可能であり、前記第1の光の強度分布を含む画像データを生成し、
前記光検出器は、前記第2の光の強度を検出し、
前記逆演算部は、前記画像データに含まれる前記第1の光の強度分布から前記光散乱部における前記光散乱体の分布を算出し、
前記順演算部は、前記光散乱体の分布から前記第2の光が前記光散乱部で散乱された場合の前記第2の光の強度分布を算出し、
前記画像生成部は、前記光検出器で検出された前記第2の光の強度と前記順演算部で算出された前記第2の光の強度分布とから、前記対象物の画像を生成する、
画像生成システム。
【請求項2】
光路切替ミラーを更に備え、
前記光路切替ミラーは、前記第1の光及び前記第2の光のいずれか一方のみを前記光散乱部に入射させる、
請求項1に記載の画像生成システム。
【請求項3】
前記光散乱部から出射した前記第1の光を前記イメージセンサへ向かわせ、かつ前記光散乱部から出射した前記第2の光を前記対象物へ向かわせる2色ミラーを更に備え、
前記2色ミラーは、前記光散乱部と前記イメージセンサとの間に配置され、かつ前記光散乱部と前記対象物との間に配置されている、
請求項1に記載の画像生成システム。
【請求項4】
前記第1の光の波長は380nm以上780nm以下である、
請求項1に記載の画像生成システム。
【請求項5】
前記第2の光の光路上にあり、かつ前記対象物と前記光検出器との間に配置されている集光光学系を更に備え、
前記集光光学系は前記対象物から出射した前記第2の光を集光する、
請求項1に記載の画像生成システム。
【請求項6】
対象物の画像を生成する画像生成方法であり、
第1の光の光路上に、光散乱部及びイメージセンサを配置した状態で、前記イメージセンサで前記第1の光の強度分布を含む画像データを生成するステップと、
前記第1の光とは波長が異なる第2の光の光路上に、前記光散乱部及び光検出器を順に配置した状態で、かつ前記光散乱部と前記光検出器との間の光路上に前記対象物を配置し、前記光検出器で前記第2の光の強度を検出するステップと、
前記画像データと、前記第2の光の強度とから、前記対象物の画像を生成するステップと、を含み、
前記光散乱部には前記第1の光及び前記第2の光の各々を散乱する光散乱体が分散して存在し、
前記対象物の画像を生成するステップは、
前記画像データに含まれる前記第1の光の強度分布から前記光散乱部における前記光散乱体の分布を算出するステップ、
前記光散乱体の分布から前記第2の光が前記光散乱部を透過した場合の前記第2の光の強度分布を算出するステップ、及び
前記第2の光の強度と前記第2の光の強度分布とから、前記対象物の画像を生成するステップを含む、
画像生成方法。
【請求項7】
請求項1に記載の画像生成システムと、
前記画像生成システムで生成された前記画像から前記対象物における物質の分布の情報と前記物質のスペクトルの情報とを生成する分析部を備える、
分析システム。
【請求項8】
請求項6に記載の画像生成方法で前記対象物の前記画像を生成し、前記画像から前記対象物における物質の分布の情報と前記物質のスペクトルの情報とを生成する、
分析方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像生成システム、画像生成方法、分析システム及び分析方法に関し、より詳しくは、イメージセンサを備えた画像生成システム、画像生成方法、分析システム及び分析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、光源と回転すりガラスとイメージセンサと検出器とを備えるイメージングシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】中国特許106646512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の課題は、対象物の画像を生成するにあたり、対象物に入射する光の強度分布をイメージセンサで検出することなく画像を生成し得る画像生成システム、画像生成方法、分析システム及び分析方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る画像生成システムは、対象物の画像を生成する画像生成システムであり、第1の光源と、第2の光源と、光散乱部と、イメージセンサと、光検出器と、逆演算部と、順演算部と、画像生成部とを備える。前記第1の光源から出射する第1の光の光路上に、前記光散乱部及び前記イメージセンサが、前記第1の光源の側から、前記光散乱部及び前記イメージセンサの順に配置されている。前記第2の光源から出射する第2の光の光路上に、前記光散乱部及び前記光検出器が順に配置されており、前記光散乱部と前記光検出器との間の光路上に前記対象物が配置される。前記第1の光の波長と、前記第2の光の波長とは互いに異なる。前記第1の光は、可視光である。前記光散乱部には、前記第1の光及び前記第2の光の各々を散乱する光散乱体が分散して存在する。前記イメージセンサは、可視光を検出可能であり、前記第1の光の強度分布を含む画像データを生成する。前記光検出器は前記第2の光の強度を検出する。前記逆演算部は前記画像データに含まれる前記第1の光の強度分布から前記光散乱部における前記光散乱体の分布を算出する。前記順演算部は前記光散乱体の分布から前記第2の光が前記光散乱部で散乱された場合の前記第2の光の強度分布を算出する。前記画像生成部は前記光検出器で検出された前記第2の光の強度と前記順演算部で算出された前記第2の光の強度分布とから、前記対象物の画像を生成する。
【0006】
本開示の一態様に係る画像生成方法は、対象物の画像を生成する画像生成方法であり、第1の光の光路上に、光散乱部及びイメージセンサを配置した状態で、前記イメージセンサで前記第1の光の強度分布を含む画像データを生成するステップと、前記第1の光とは波長が異なる第2の光の光路上に、前記光散乱部及び光検出器を順に配置した状態で、かつ前記光散乱部と前記光検出器との間の光路上に前記対象物を配置し、前記光検出器で前記第2の光の強度を検出するステップと、前記画像データと、前記第2の光の強度とから、前記対象物の画像を生成するステップと、を含む。前記光散乱部には、前記第1の光及び前記第2の光の各々を散乱する光散乱体が分散して存在する。前記対象物の画像を生成するステップは、前記画像データに含まれる前記第1の光の強度分布から前記光散乱部における前記光散乱体の分布を算出するステップ、前記光散乱体の分布から前記第2の光が前記光散乱部を透過した場合の前記第2の光の強度分布を算出するステップ、及び前記第2の光の強度と前記第2の光の強度分布とから、前記対象物の画像を生成するステップを含む。
【0007】
本開示の一態様に係る分析システムは、前記画像生成システムと、前記画像生成システムで生成された前記画像から前記対象物における物質の分布の情報と前記物質のスペクトルの情報とを生成する分析部を備える。
【0008】
本開示の一態様に係る分析方法は、前記画像生成方法で前記対象物の前記画像を生成し、前記画像から前記対象物における物質の分布の情報と前記物質のスペクトルの情報とを生成する。
【発明の効果】
【0009】
本開示の画像生成システム、画像生成方法、分析システム及び分析方法によれば、対象物の画像を生成するにあたり、対象物に入射する光の強度分布をイメージセンサで検出することなく画像を生成し得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本開示の一実施形態に係る画像生成システムの概略図である。
図2図2は、同上の画像生成システムのブロック図である。
図3図3は、同上の画像生成システムにおけるフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
1.概要
光源と回転すりガラスとイメージセンサと検出器とを備えるイメージングシステムが知られている。イメージングシステムは、光源から出射した光に明暗のパターン(強度分布)を付与し、この明暗のパターンが付与された光をビームスプリッタで分割することにより、分割した光の一方をイメージセンサで検出することで明暗パターンを数値データ化できる。また、分割した光の他方を対象物に照射し、その対象物から反射した光を検出器で受光することによって反射した光の強度を検出することができる。そして、イメージングシステムは、回転すりガラスを回転させることで光に付与する明暗のパターンを変更することができる。このような原理により、イメージングシステムは、複数の明暗のパターンと、明暗のパターンの各々に対応する光の強度とを検出し、光の明暗のパターンと光の強度との相関関係を複数取得する。そして、イメージングシステムは、複数の相関関係に基づき、対象物の画像を生成する。
【0012】
ここで、光源を1つしか備えず、イメージセンサと対象物との両方に入射する光が同じであるイメージングシステムにおいては、光源から出射する光の波長に対して感度を有するイメージセンサが必要とされる。しかし、イメージセンサが感度を有する波長の範囲が、特定の範囲に限られている場合が多い。このため、光源を1つしか備えないイメージングシステムでは、イメージセンサが感度を有しない波長の範囲を有する光に基づき、対象物の画像を生成することが難しい問題がある。
【0013】
そこで、発明者は、対象物の画像を生成するにあたり、対象物に入射する光の強度分布をイメージセンサで検出することなく画像を生成し得る画像生成システム1を提供することができるようにするべく、鋭意研究を行った結果、本開示に至った。
【0014】
2.実施形態
実施形態及び変形例について、図面を参照して説明するが、下記の実施形態及び変形例は、本開示の様々な実施形態の一部に過ぎない。また、下記の実施形態及び変形例は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。更に、変形例の構成を適宜組み合わせることも可能である。各図面に示される同一の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとするものとし、適宜重複した説明は省略する。なお、以下において参照する図は、いずれも模式的な図であり、図中の構成要素の寸法比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。また、実施形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0015】
本実施形態に係る画像生成システム1は対象物3の画像Gaを生成するシステムである。画像生成システム1はゴーストイメージングの原理を応用して対象物3の画像Gaを生成する。具体的には、画像生成システム1は光を対象物3に入射し、対象物3から出射した光の強度分布(パターン)Iaと光との検出強度Ba(以下、単に強度Baともいう)との相関関係に基づき、対象物3の画像Gaを生成する。また、画像生成システム1が、対象物3の画像Gaを生成するにあたり、対象物3に入射する光に対して、複数の光の強度分布Iaを付与する。これによって、画像生成システム1は、対象物3に入射する光の強度分布Iaとそれに対応した光の検出強度Baとの相関関係を複数生成することができる。そして、画像生成システム1は、複数の相関関係に基づき、対象物3の画像Gaを生成する。
【0016】
画像生成システム1は、第1の光源11と、第2の光源12と、光散乱部20と、イメージセンサ30と、光検出器60と、逆演算部40と、順演算部50と、画像生成部70とを備える。第1の光源11から出射する第1の光111の光路上に、光散乱部20及びイメージセンサ30が、第1の光源11の側から、光散乱部20及びイメージセンサ30の順に配置されている。第2の光源12から出射する第2の光121の光路上に、光散乱部20及び光検出器60が順に配置されており、光散乱部20と光検出器60との間の光路上に対象物3が配置される。第1の光111の波長と、第2の光121の波長とは互いに異なる。第1の光111は、可視光である。光散乱部20には第1の光111及び第2の光121の各々を散乱する光散乱体21が分散して存在する。イメージセンサ30は、可視光を検出可能であり、第1の光111の強度分布Ibを含む画像データGbを生成する。光検出器60は第2の光121の強度Baを検出する。逆演算部40は画像データGbに含まれる第1の光111の強度分布Ibから光散乱部20における光散乱体21の分布Daを算出する。順演算部50は光散乱体21の分布Daから第2の光121が光散乱部20で散乱された場合の第2の光121の強度分布Iaを算出する。画像生成部70は光検出器60で検出された第2の光121の強度Baと順演算部50で算出された第2の光121の強度分布Iaとから、対象物3の画像Gaを生成する。これによって、画像生成システム1は、対象物3の画像Gaを生成するにあたり、対象物3に入射する光(第2の光121)の強度分布Iaをイメージセンサ30で検出することなく画像Gaを生成し得る。ここで、光の波長とは、純粋な単色光が有する単一の波長であってもよく、中心波長の周囲に一定の波長幅を持っていてもよい。
【0017】
上記に関し詳しく説明すると、画像生成システム1は、光散乱部20で散乱した第1の光111をイメージセンサ30で受光し、第1の光111の散乱のパターンに基づく明暗のパターン(強度分布Ib)を検出する。次いで、イメージセンサ30は、検出した明暗のパターン(強度分布Ib)を含む画像データGbを生成する。続いて、画像生成システム1は、第1の光111から生成された画像データGbに含まれる強度分布Ibから光散乱部20における光散乱体21の分布Daを算出する。そして、画像生成システム1は、光散乱部20における光散乱体21の分布Daから第2の光121が光散乱部20で散乱された場合の第2の光121の強度分布Iaを算出する。つまり、画像生成システム1は、対象物3に入射する第2の光121を直接イメージセンサ30で検出することなく、第2の光121の強度分布Iaを算出することができる。これによって、画像生成システム1は、対象物3に入射する光(第2の光121)の波長の範囲が、イメージセンサ30により検出できない光の波長の範囲であったとしても、画像Gaの生成が可能となる。
【0018】
また、画像生成システム1は、第1の光111から生成された画像データGbを利用して、第2の光121の強度分布Iaを算出するにあたり、複数の算出を行う。具体的には、逆演算部40が画像データGbに含まれる第1の光111の強度分布Ibから光散乱部20における光散乱体21の分布Daを算出する。そして、順演算部50が光散乱体21の分布Daから第2の光121が光散乱部20で散乱された場合の第2の光121の強度分布Iaを算出する。このように、上記2回の算出を行うことによって、画像生成システム1は、第1の光111から生成された画像データGbに基づいて、第2の光121の強度分布Iaを算出することができる。なお、光散乱部20における光散乱体21とは、第1の光111及び第2の光121の各々に明暗のパターンを付与し得る要素であり、その分布Daとは、光散乱体21のランダムなパターンである。
【0019】
そして、画像生成部70が光検出器60で検出された第2の光121の強度Baと順演算部50で算出された第2の光121の強度分布Iaとから、対象物3の画像Gaを生成する。このようにして、画像生成システム1では、対象物3の、光(第2の光121)による画像Gaを生成するにあたり、対象物3に入射する光(第2の光121)の強度分布Iをイメージセンサ30で検出することなく画像Gaを生成し得る。
【0020】
また、本実施形態では、生成した画像Gaから対象物3の分析が行われる。より具体的には、対象物3の画像Gaから対象物3に含まれる物質の分布の情報及び物質のスペクトルの情報が生成される。対象物3の分析は分析システム100によって実行される。つまり、分析システム100は、画像生成システム1を含む。
【0021】
分析システム100は対象物3の形状、性状によらず適用することができる。例えば、分析システム100は対象物3が粉体状等の固体状であっても、或いは液体状であっても適用することができる。更に、分析システム100は対象物3が無機粒子等の無機物であっても、医薬品原薬・中間体、細胞等の有機物であっても適用することができる。
【0022】
本実施形態に係る画像生成システム1について図1から図3を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
(構成要素)
本実施形態に係る画像生成システム1が備える構成要素と各構成要素が有する機能とを図1及び図2を参照しながら説明する。
【0024】
画像生成システム1は、上記の通り、第1の光源11及び第2の光源12を備える。第1の光源11は第1の光111を出射し、第2の光源12は第2の光121を出射する。図1では、第1の光111の光路が破線矢印で示されており、第2の光121の光路が点線矢印で示されている。図1に示されている光路に基づけば、第1の光111は光散乱部20を経由してイメージセンサ30に入射し、第2の光121は光散乱部20を経由して対象物3に入射する。
【0025】
上記の通り、画像生成システム1は、イメージセンサ30に入射する光(第1の光111)と対象物3に入射する光(第2の光121)との二つの光を用いている。第1の光源11及び第2の光源12の各々は、例えばレーザー光源又は発光ダイオード等である。また、第1の光源11と第2の光源12の各々は、レーザー光源又は発光ダイオードに限らず、適宜の機器を使用し得る。
【0026】
本実施形態では、第1の光111の波長の範囲は可視光の範囲である。この場合、イメージセンサ30が第1の光111を検出することができる。また、第1の光111の波長の範囲は、380nm以上780nm以下の範囲であることが好ましい。この場合、イメージセンサ30が特に第1の光111を検出しやすくなる。なお、第1の光111の波長の範囲が、上記の可視光の範囲内にある場合、単色光であってもよく、白色光であっても構わないが、逆演算部40及び順演算部50における演算のしやすさの観点から、第1の光111は単色光であることが好ましい。
【0027】
上記の通り、第1の光111の波長と、第2の光121の波長とは互いに異なる。これによって、画像生成システム1は、イメージセンサ30が検出する第1の光111の波長の範囲とは異なる波長の範囲に基づく、画像Gaを生成することができる。なお、第2の光121の波長の範囲は、特に限定されているわけではないが、可視光外の範囲である。可視光外の光の具体的な例としては、赤外光が挙げられる。つまり、第2の光121は、赤外光であってもよい。
【0028】
本実施形態では、画像生成システム1は、光路切替ミラー13を更に備える。光路切替ミラー13は、光散乱部20と第1の光源11との間に配置され、かつ光散乱部20と第2の光源12との間に配置される。光路切替ミラー13は、第1の光111及び第2の光121のいずれか一方のみを光散乱部20に入射させる。言い換えれば、光路切替ミラー13は、第1の光111及び第2の光121のうちの一方を選択的に遮断し、かつ他方を光散乱部20に選択的に入射させる。これによって、第1の光111及び第2の光121の各々が、光散乱部20で別個に散乱される。その結果、画像生成システム1が、対象物3の画像Gaを生成しやすくなる。
【0029】
また、光路切替ミラー13は、可動式であっても構わない。具体的に説明すると、光路切替ミラー13は、角度を変更することができ、かつ光路切替ミラー13に入射した第1の光111及び第2の光121を反射又は通過させる。光路切替ミラー13は、第1の光111及び第2の光121のうちの一方の光を反射することによって光散乱部20に入射しないように遮断する。そして、光路切替ミラー13は、第1の光111及び第2の光121のうちの他方の光を通過させることによって、光散乱部20に入射させる。
【0030】
上記の通り、画像生成システム1は光散乱部20を備える。第1の光源11から出射した第1の光111は光散乱部20に入射し、光散乱部20で散乱されて光散乱部20から出射する。また、第2の光源12から出射した第2の光121は光散乱部20に入射し、光散乱部20で散乱されて光散乱部20から出射する。
【0031】
本実施形態では、光散乱部20は、ガラス製のディフューザである。光散乱部20がガラス製のディフューザである場合、ディフューザを回転軸A11を中心にして回転させることによって分布Daを変更することができる(図1参照)。
【0032】
上記の通り、光散乱部20には、光散乱体21が分散して存在する。例えば、光散乱部20がガラス製のディフューザである場合、光散乱体21はディフューザの表面の凹凸である。第1の光111と第2の光121の各々はディフューザを透過することによって散乱し得る。
【0033】
特に、画像生成システム1の光散乱部20にディフューザが用いられた場合、光散乱部20にMEMSアレイミラー等のDMD(デジタル・ミラー・デバイス)やSLM(空間光変調器)が用いられた場合と比較すると、画像生成システム1における空間分解能が高められる。なお、MEMSアレイミラー等のDMDとは、可動式の微小な鏡を有するデバイスである。光散乱部20がDMDであった場合、光散乱体21は可動式の微小な鏡である。また、光散乱部20がSLMであった場合、光散乱体21は液晶等の素子である。また、画像生成システム1が、DMDやSLMの機器を備えない場合、これらの機器を駆動させるためのドライバーを設置する必要もなくなるため、画像生成システム1を小型化できる利点が生じる。
【0034】
本実施形態では、画像生成システム1は、2色ミラー80を更に備える。2色ミラー80は、光散乱部20とイメージセンサ30との間に配置され、かつ光散乱部20と対象物3との間に配置される。2色ミラー80は第1の光111をイメージセンサ30に向かわせ、かつ第2の光121を対象物3に向かわせる。具体的には、2色ミラー80は第1の光111を反射することによって、第1の光111をイメージセンサ30に向かわせ、かつ第2の光121を透過することによって、第2の光121を対象物3に向かわせる。
【0035】
画像生成システム1は、撮像装置を備える。撮像装置はイメージセンサ30(例えば、CMOSイメージセンサ)を含む。
【0036】
上記の通り、イメージセンサ30は、可視光を検出可能である。これによって、イメージセンサ30は光散乱部20を通過し、かつ可視光である第1の光111を受光し、第1の光111の強度分布Ibを検出する。そして、イメージセンサ30は、検出した強度分布Ibを含む画像データGbを生成する。また、イメージセンサ30は、CMOSイメージセンサに限らず、CCDイメージセンサであってもよい。
【0037】
上記の通り、画像生成システム1は、光検出器60を備える。第2の光121が赤外光である場合、光検出器60は赤外検出器である。光検出器60は対象物3に入射し、対象物3を透過した第2の光121を受光する。これによって、光検出器60は、第2の光121の強度Baを検出することができる。なお、強度Baは光検出器60に入射した第2の光121のエネルギーの空間的な積分値である。また、光検出器60は1画素の光検出器であっても構わない。
【0038】
本実施形態では、対象物3と光検出器60との間には集光光学系90が配置されている。集光光学系90は、対象物3から出射した第2の光121を集光する。これによって、対象物3から出射した第2の光121が効率良く光検出器60に入射し得る。
【0039】
このように本実施形態における画像生成システム1は、第1の光源11と、第2の光源12と、光路切替ミラー13と、光散乱部20と、イメージセンサ30と、2色ミラー80と、集光光学系90と、光検出器60とを備える。第2の光源12の光軸に平行な第一方向において、第2の光源12、光路切替ミラー13、2色ミラー80、集光光学系90及び光検出器60が、第2の光源12の光軸に平行な第一方向において、第2の光源12、光路切替ミラー13、2色ミラー80、集光光学系90及び光検出器60の順に並んでいる。また、第1の光源11の光軸が第1方向に直交する第2方向に平行であり、かつ第2方向において光路切替ミラー13と第1の光源11とが並んでいる。更に、第1方向に直交する第2方向において2色ミラー80とイメージセンサ30とが並んでいる。
【0040】
上記の通り、画像生成システム1は、逆演算部40を備える(図2参照)。逆演算部40は、画像データGbに含まれる第1の光111の強度分布Ibから光散乱部20における光散乱体21の分布Daを算出する。より詳しくは、逆演算部40は、画像データGbに含まれる第1の光111の強度分布Ibから逆問題を解くこと(逆問題解法)によって光散乱部20における光散乱体21の分布Daを算出する。逆問題解法に適用される方法は、特に限定されておらず、適宜の方法を採用することができる。具体的には、逆問題解法に適用される方法としては、例えば、非線形輸送方程式に基づく方法、Tikhonov法等の正則化法、KdV方程式に基づく方法、又は解析解法等が適用され得る。
【0041】
上記の通り、画像生成システム1は、順演算部50を備える(図2参照)。順演算部50は光散乱体21の分布Daから第2の光121が光散乱部20を通過した場合の第2の光121の強度分布Iaを算出する。つまり、逆演算部40で算出した光散乱体21の分布Daに基づき、第2の光121が光散乱部20を透過した場合における第2の光121の強度分布Iaを順演算部50によって予測することができる。更に言い換えれば、対象物3に入射した光の強度分布Iaをイメージセンサ30によって直接検出することなく、対象物3の画像Gaを生成することができるようになる。第2の光121の強度分布Iaを算出するに当たり適用される方法は、特に限定されておらず、適宜の方法を採用することができる。具体的には、モンテカルロ法やdiscrete ordinate法等の数値解法が、第2の光121の強度分布Iaを算出するに当たり適用され得る。
【0042】
上記の通り、画像生成システム1は、画像生成部70を備える(図2参照)。画像生成部70は光検出器60で検出された第2の光121の強度Baと順演算部50で算出された第2の光121の強度分布Iaとから対象物3の画像Gaを生成する。なお、この対象物3の画像Gaは第2の光121と同じ波長の光の透過率の分布を示す像でもある。
【0043】
画像生成部70は、光検出器60で検出された第2の光121の強度Baと順演算部50で算出された第2の光121の強度分布Iaとに基づく相関演算を行うことによって、対象物3の画像Gaを生成することができる。つまり、画像生成部70は強度Baと強度分布Iaとの相関関係に基づき対象物3の画像Gaを生成することができる。
【0044】
画像生成部70は、下記式(1)に基づき相関演算を行うことによって、対象物の画像Ga(Ga(x,y))を生成する。
【0045】
【数1】
【0046】
上記式(1)において、Ia(x,y)は、r番目の光散乱体21の分布Da(x,y)での強度分布である。bはr番目の強度分布Ia(x,y)を有する第2の光121を光検出器60に入射したときに得られる強度Baの値である。上記式(1)中の(x,y)は光散乱体21の分布Daを二次元で表現したものである。上記式(1)中の<Ba>は、1番目からn目までの相関演算には光散乱体21の分布DaからDaに対して得られるn個の検出強度BaからBaまでの平均値である。
【0047】
なお、画像生成部70が対象物3の画像Gaを生成するに当たり、相関演算を用いた手法のみに限定されない。例えば、画像生成部70が、相関演算に代えて、フーリエ変換、アダマール逆変換を使用した解析的手法又は機械学習を利用したアルゴリズムによって、対象物3の画像Gaを生成してもよい。
【0048】
(画像生成の原理)
本実施形態の画像生成システム1の画像生成の原理について説明する。上記の通り、イメージセンサ30は、光散乱部20を通過することによって散乱した第1の光111から強度分布Ibを含む画像データGbを生成する。次いで、逆演算部40では、この強度分布Ibを含む画像データGbから光散乱体21の分布Daを算出する。更に、順演算部50で、光散乱体21の分布Daから第2の光121の強度分布Iaを算出する。そして、第2の光121の強度分布Iaと第2の光121の強度Baとの相関関係に基づき、画像生成部70で対象物3の画像Gaを生成する。
【0049】
本実施形態では、第1の光111及び第2の光121が光散乱部20を通過した後に光散乱体21の分布Daが変更される。これによって、第1の光111及び第2の光121の散乱のパターンを変更することができる。その結果、異なった光散乱体21の分布Daに基づき、第1の光111に強度分布Ibを付与することができ、第2の光121から強度Baが検出できるようになる。つまり、本実施形態に係る画像生成システム1は、光散乱体21の分布Daを変更することによって、第2の光121の強度分布Iaと第2の光121強度Baとの相関関係を複数生成することができる。複数の相関関係に基づいて対象物3の画像Gaが生成される場合、対象物3の画像Gaがより鮮明になり得る。これによって、分析システム100における対象物3の分析の精度も高まり得る。
【0050】
光散乱体21の分布Daが変更されることに関し更に説明すると、例えば、r番目のある光散乱体21の分布Da(r=1,2,・・・n)がその次のr+1番目のDar+1に変更されることをいう。本実施形態では、このように光散乱体21の分布Daを規定の回数、例えばn回変更することによって、分布Daから分布Daまでの各々に対して、第2の光121の強度分布Ia(Ia~Ia)と第2の光121強度Ba(Ba~Ba)との相関関係をそれぞれ生成し、その生成した複数の相関関係に基づき画像Gaを生成する。詳しく説明すると、イメージセンサ30は強度分布IbからIbまでの各々を含む画像データGbからGbまでのそれぞれを生成する。次いで、逆演算部40が、画像データGbからGbまでの各々から光散乱体21の分布DaからDaまでのそれぞれを算出する。続いて、順演算部50が、分布DaからDaまでの各々から強度分布IaからIaまでのそれぞれを算出する。そして、強度分布IaからIaまでの各々と、第2の光121の強度BaからBaまでのそれぞれとの相関関係に基づいて、画像生成部70で画像Gaを生成する。
【0051】
なお、nの値は特に限定されないが、より鮮明な対象物3の画像Gaを生成する観点から、1000以上であることが好ましい。これによって、分析システム100における対象物3の分析の精度も高まり得る。
【0052】
また、上記の方法で画像Gaが生成されるためには、第1の光111と第2の光121とが同様の光散乱体21の分布Daに基づいて散乱されていることを必要とするが、例えば、光散乱部20における第1の光111の入射する位置と、第2の光121の入射する位置とを合わせることによって、第1の光111と第2の光121とが同様の光散乱体21の分布Daに基づいて散乱される。
【0053】
(分析部)
画像生成システム1(分析システム100)は、分析部110を備える(図2参照)。分析部110は対象物3の画像Gaから対象物3における物質の分布の情報と物質のスペクトルの情報とを生成する。言い換えれば、分析部110は画像生成部70から画像Gaを受け取り、その画像Gaに基づいて対象物3に含まれる物質の分布の情報及び物質のスペクトルの情報を生成することができる。
【0054】
より具体的に説明すると、分析部110は、画像生成部70から画像Gaに含まれる強度分布Iaに基づき、対象物3に含まれる複数の物質の分布の情報を生成する。これによって、画像生成システム1(分析システム100)は、対象物3に含まれている複数の物質の位置を特定することができる。また、分析部110は、画像Gaに含まれる強度Baから対象物3に含まれる物質の分布ごとにおけるスペクトルの情報を生成する。これによって、画像生成システム1(分析システム100)は、対象物3に含まれている物質の種類を特定することができる。
【0055】
また、画像生成システム1(分析システム100)では、対象物3のスペクトルの情報を生成する上で、第2の光121の波長を変更し、波長ごとに画像Gaを生成する。これによって、画像生成システム1(分析システム100)は、波長ごとに生成した複数の画像Gaに基づき、分析を行うことができる。その結果、画像生成システム1(分析システム100)は、複数の画像Gaを生成するのに選択した第2の光121の波長の範囲に応じた波長領域を有する分光スペクトルの情報を、対象物3に含まれる物質の分布ごとに生成することができる。分光スペクトルの情報が生成されれば、対象物3に特定の物質が含まれているか又は含まれていないかの判別のしやすさが高まり得る。また、対象物3に特定の物質が含まれている場合、対象物3に対する物質の割合を把握することもできる。更に、対象物3に含まれている物質の化学構造を特定することもできる。分光スペクトルの種類は特に制限されていない。分光スペクトルは、例えば反射スペクトル、透過スペクトル及び吸収スペクトル等よりなる群から選択される少なくとも1種を含む。なお、本実施形態では、一定の波長の幅を有する第2の光121を光学フィルタを通過させ、任意の波長帯の光を取り出すことによって、第2の光121の波長の変更を行う。
【0056】
上記のようにして、分析部110において画像Gaから対象物3の分析を行うことができるが、画像Gaから対象物3を分析する方法は上記のみに限られない。例えば、第2の光121の偏光状態又は位相を変更し、対象物3に含まれる物質の光学特性の違いによって現れる第2の光121の反射率、透過率、或いは吸収率の違いを画像Gaを通して検出することによっても、対象物3の分析を行うことができる。
【0057】
更に、分析システム100は、画像Gaから生成した物質の分布の情報及び物質のスペクトルの情報を表示する機能を備えていてもよい。つまり、分析システム100は、対象物3に含まれている物質の分布の情報及び物質のスペクトルの情報のうち少なくとも1つを、人間が認識できる方法で外部へ表示する機能を有していてもよい。分析システム100が表示する機能を有する場合、例えば、分析システム100は、物質の分布の情報及び物質のスペクトルの情報の結果を可視的に表示する装置を備えていてもよく、そのような装置としては、例えば液晶ディスプレイ等のディスプレイ装置が挙げられる。
【0058】
(実行主体)
画像生成システム1(分析システム100)の実行主体はコンピュータシステム2を含んでいる。コンピュータシステム2は、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを有する。コンピュータシステム2のメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示のおける画像生成システム1の実行主体としての機能が実現される。つまり、コンピュータシステム2は、逆演算部40で行われる画像データGbから光散乱部20における光散乱体21の分布Daの算出を実行する。コンピュータシステム2は、順演算部50における光散乱体21の分布Daに基づく第2の光121の強度分布Iaの算出を実行する。コンピュータシステム2は、画像生成部70における強度分布Iaと強度Baとの相関関係に基づく画像Gaの生成を実行する。コンピュータシステム2は、分析部110における対象物3の分析を実行する。
【0059】
また、プログラムはコンピュータシステム2のメモリに予め記録されていてもよいが、電気通信回線を通じて提供されてもよい。また、プログラムはコンピュータシステム2で読み取り可能なメモリーカード、光学ディスク、ハードドライブ等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステム2のプロセッサは半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1乃至複数の電子回路で構成される。LSIの製造後にプログラムされるフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FGPA)、ASIC(Aplication Specific InteGaated Circuit)又はLSI内部の接合関係の再構築又はLSI内部の回路区画のセットアップができる再構成可能な論理デバイスも同じ目的で使うことができる。複数の電子回路は1つのチップに集約されてもよいし、複数のチップに分散して配置されていてもよい。複数のチップは1つの装置に集約されていてもよく、複数の装置に分散して配置されていてもよい。
【0060】
(動作説明)
画像生成システム1(分析システム100)が対象物3の画像Gaを生成し、更に対象物3の分析を行う際の動作の一例について図3を参照しながら説明する。下記の説明は、光散乱体21の分布Daをr番目の光散乱体21の分布Da(r=1,2,・・・n)と仮定して行われている。
【0061】
まず、コンピュータシステム2が、第1の光源11の動作を制御する。これによって、第1の光源11が、第1の光111を光散乱部20に向けて出射する(S11)。そして、第1の光111が、光散乱部20が含む光散乱体21の分布Daに基づき、散乱する。
【0062】
次に、コンピュータシステム2が、イメージセンサ30の動作を制御する。これによって、イメージセンサ30が第1の光111を受光し、強度分布Ibを検出する。そして、強度分布Ibを含む画像データGbを生成した結果を、コンピュータシステム2が取得する(S12)。
【0063】
続いて、コンピュータシステム2が、イメージセンサ30で検出された画像データGbに含まれる強度分布Ibに基づき、逆演算部40で光散乱体21の分布Daを算出する(S13)。
【0064】
そして、コンピュータシステム2は、逆演算部40で算出された光散乱体21の分布Daに基づき、順演算部50で第2の光121の強度分布Iaを算出する(S14)。
【0065】
コンピュータシステム2は、順演算部50で第2の光121の強度分布Iaを算出した後に、第2の光源12の動作を制御する。これによって、第2の光源12が第2の光121を光散乱部20に向けて出射する(S15)。第2の光121は光散乱部20を通過した後、対象物3に入射する。
【0066】
続いて、コンピュータシステム2は、対象物3から透過した第2の光121を光検出器60が受光して検出された第2の光121の検出強度Baを取得する(S16)。
【0067】
上記のS11~S16までの動作では、r番目の光散乱体21の分布Daに基づく第2の光121の強度分布Iaと第2の光121の検出強度Baとの相関関係が生成されたが、1番目からr番目まで上記動作が繰り返し行われた場合、強度分布Ia(Ia~Ia)と強度Ba(Ba~Ba)との相関関係がr個生成されることになる。
【0068】
続いて、コンピュータシステム2は、画像生成部70で、このr個の相関関係に基づき、対象物3の画像Gaを生成するが、このとき、画像Gaを生成するために光の強度Baと強度分布Iaとの相関関係の個数が規定回数に達しているか否かを判断する(S17)。コンピュータシステム2は、上記の相関関係の個数が規定回数に達していないと判断した場合は、光散乱体21の分布Daを分布Dar+1に変更する(S18)。分布Daから分布Dar+1への変更後に、コンピュータシステム2は、S11~S16までの動作を再度実行する。このとき、r+1番目の光散乱体21の分布Dar+1に基づく第2の光121の強度分布Iar+1と第2の光121の検出強度Bar+1との相関関係が生成される。
【0069】
そして、コンピュータシステム2は、相関関係の個数が規定回数を超えたことを確認した後に画像Gaの生成に移行する(S19)。
【0070】
次に、コンピュータシステム2は、画像生成部70で生成した画像Gaに基づき、分析部110で対象物3の分析を実行する。ここで、コンピュータシステム2は、第2の光121が有する波長の範囲が異なる場合における画像Gaを生成するか否かを判断する(S20)。例えば、対象物3に含まれる物質の分布ごとにある程度の波長範囲における分光スペクトルの情報を生成する場合、波長ごとに画像Gaを生成することが必要とされる。この場合、コンピュータシステム2は、第2の光源12の動作を制御し、これによって、コンピュータシステム2は、第2の光121の波長の範囲を変更する(S21)。そして、コンピュータシステム2は、S11からS19までの動作を再度実行する。
【0071】
そして、コンピュータシステム2が、物質の分布ごとに分光スペクトルの情報を生成するために、十分な個数の画像Gaを生成することができたことを確認できれば、1つ又は複数の画像Gaに基づいて対象物3の分析を実行する(S22)。
【0072】
このような動作に従って、画像生成システム1(分析システム100)は、対象物3の画像Gaを生成し、その画像Gaに基づき対象物3の分析を行う。なお、上記の動作説明は一例に過ぎず、使用の態様に合わせて、動作の順番が適宜入れ替えられてもよく、図3には示されていない動作が追加されても構わない。
【0073】
(まとめ)
以上述べた画像生成システム1は、対象物3の画像Gaを生成する画像生成システム1であり、第1の光源11と、第2の光源12と、光散乱部20と、イメージセンサ30と、光検出器60と、逆演算部40と、順演算部50と、画像生成部70とを備える。第1の光源11から出射する第1の光111の光路上に、光散乱部20及びイメージセンサ30が、第1の光源11の側から、光散乱部20及びイメージセンサ30の順に配置されている。第2の光源12から出射する第2の光121の光路上に、光散乱部20及び光検出器60が順に配置されている。光散乱部20と光検出器60との間の光路上に対象物3が配置され、第1の光111の波長と、第2の光121の波長とは互いに異なる。第1の光111は、可視光である。光散乱部20には、第1の光111及び第2の光121の各々を散乱する光散乱体21が分散して存在する。イメージセンサ30は、可視光を検出可能であり、第1の光111の強度分布Ibを含む画像データGbを生成する。逆演算部40は、画像データGbに含まれる第1の光111の強度分布Ibから光散乱部20における光散乱体21の分布Daを算出する。順演算部50は、光散乱体21の分布Daから第2の光121が光散乱部20で散乱された場合の第2の光121の強度分布Iaを算出する。光検出器60は、第2の光121の強度Baを検出する。画像生成部70は、光検出器60で検出された第2の光121の強度Baと順演算部50で算出された第2の光121の強度分布Iaとから、対象物3の画像Gaを生成する。これによって、画像生成システム1は、対象物3の画像Gaを生成するにあたり、対象物3に入射する光(第2の光121)の強度分布Iaをイメージセンサ30で検出することなく画像Gaを生成し得る。
【0074】
換言すれば、画像生成システム1は、下記の方法(画像生成方法)を実行していると言える。画像生成方法は、対象物3の画像Gaを生成する画像生成方法であり、第1の光111の光路上に、光散乱部20及びイメージセンサ30を配置した状態で、イメージセンサ30で第1の光111の強度分布Ibを含む画像データGbを生成するステップと、第1の光111とは波長が異なる第2の光121の光路上に、光散乱部20及び光検出器60を順に配置した状態で、かつ光散乱部20と光検出器60との間の光路上に対象物3を配置し、光検出器60で第2の光121の強度Baを検出するステップと、画像データGbと、第2の光121の強度Baとから、対象物3の画像Gaを生成するステップと、を含む。光散乱部20には第1の光111及び第2の光121の各々を散乱する光散乱体21が分散して存在する。前記の対象物3の画像Gaを生成するステップは、画像データGbに含まれる第1の光111の強度分布Ibから光散乱部20における光散乱体21の分布Daを算出するステップ、光散乱体21の分布Daから第2の光121が光散乱部20を透過した場合の第2の光121の強度分布Iaを算出するステップ、及び第2の光121の強度Baと第2の光121の強度分布Iaとから、対象物3の画像Gaを生成するステップを含む。
【0075】
また、分析システム100は、画像生成システム1と画像生成システム1で生成された画像Gaから対象物3における物質の分布の情報と物質のスペクトルの情報とを生成する分析部110を備える。これにより、対象物3の分析を行うことができる。
【0076】
換言すれば、分析システム100は、下記の方法(分析方法)を実行していると言える。分析方法は、前記の画像生成方法で対象物3の画像Gaを生成し、画像Gaから対象物3における物質の分布の情報と物質のスペクトルの情報とを生成する。
【0077】
上記のような、分析システム100は、例えば化学・医薬品の製造工程における品質管理、並びに農畜産物やそれらの加工品、発酵、醸造、合成食品の品質管理等よりなる群から選択される少なくとも1種に適用され得る。
【0078】
3.変形例
本開示の実施形態は、上記実施形態に限定されない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計などに応じて種々の変更が可能である。以下に、上記実施形態の変形例を列挙する。
【0079】
(第1変形例)
上記実施形態では、第2の光121の波長を変更するにあたり、第2の光121に対して光学フィルタを使用し、任意の波長帯の光を取り出す方法を採用していたが、これに限定されない。例えば、第2の光源12として、波長を可変できる光源を採用すれば、第2の光121の波長を直接変更することができる。
【0080】
また、画像生成システム1は、対象物3の種類又は取得したい対象物3の情報に応じて、第2の光121の波長の範囲を変更してもよい。つまり、第2の光121は、赤外線に限らず、遠赤外線又はX線であってもよい。
【0081】
(第2変形例)
上記実施形態では、画像生成システム1が、第1の光源11から出射した第1の光111及び第2の光源12から出射した第2の光121のいずれか一方のみを光散乱部20に入射させる光路切替ミラー13を備えている。これに対し、第1の光111及び第2の光121の出射を調整する方法は光路切替ミラー13を備えることのみに限定されない。
【0082】
例えば、第1の光源11自体が、第1の光111を出射するか又は出射しないかを制御する機能を有し、かつ第2の光源12自体が第2の光121を出射するか又は出射しないかを制御する機能を有していれば、画像生成システム1は光路切替ミラー13を備えていなくても構わない。
【0083】
(第3変形例)
上記実施形態では、第1の光111及び第2の光121の各々が、光散乱部20を透過していたが、変形例では、これらの光は透過することに限られない。例えば、光散乱部20に入射し、光散乱部20から反射した第1の光111をイメージセンサ30が受光してもよい。また、光散乱部20に入射し、光散乱部20から反射した第2の光121を光検出器60が受光してもよい。
【0084】
(第4変形例)
画像生成システム1は、1画素の光検出器60を複数個備えていてもよい。複数の光検出器60の各々が、それぞれ異なる波長帯に感度を有していれば、第2の光121の波長を変更することなく、同時に異なる波長ごとに、対象物3の画像Gaを複数生成することができる。この場合、画像生成システム1(分析システム100)における分析時間を短くすることができる。
【0085】
また、光検出器60は、複数の光検出面(画素)を持ち、かつそれぞれの光検出面が異なる波長に対して感度を持つようにしてもよい。この場合、複数の光検出面の各々が、第2の光121のうち、それぞれに対応する波長帯の光を受光することができる。このため、第2の光121の波長を変更することなく、同時に異なる波長ごとに、対象物3の画像Gaを複数生成することができる。なお、光検出面の数は、イメージセンサ30の画素数又は生成される対象物3の画像Gaの解像度に比べて少なくても構わない。
【0086】
(第5変形例)
上記実施形態では、画像生成システム1は、光散乱体21の分布Daを適宜変更することによって、第1の光111に異なる強度分布Ibを付与し、第2の光121から異なる強度Baを検出できるようにしていた。これに対し、光散乱体21の分布Daを変更することなく、第1の光111及び第2の光121自体の散乱のパターンを変更することによって、画像生成システム1が、イメージセンサ30で異なる強度分布Ibを検出するようにし、光検出器60で異なる強度Baを検出できるようにしても構わない。この場合、画像生成システム1は、ディフューザを回転させなくてもよい。
【0087】
また、画像生成システム1は、光散乱部20における第1の光111と第2の光121との入射する位置を変更することによって、イメージセンサ30で異なる強度分布Ibを検出するようにし、光検出器60で異なる強度Baを検出できるようにしても構わない。この場合も、画像生成システム1は、ディフューザを回転させなくてもよい。
【0088】
(第6変形例)
上記実施形態では、光散乱部20は、ガラス製のディフューザであったが、これに限定されない。例えば、光散乱部20は、マイクロビーズを含有する懸濁液であっても構わない。この場合、懸濁液に含有されるマイクロビーズが光散乱体21である。
【0089】
(第7変形例)
上記実施形態では、対象物3を透過した第2の光121を光検出器60が受光していたが、変形例では、光検出器60は、対象物3を透過した第2の光121を受光することに限られない。例えば、光検出器60は、対象物3から反射した第2の光121を受光しても構わない。この場合、画像生成部70が生成する対象物3の画像Gaは、第2の光121と同じ波長の光の反射率の分布を示す像であってもよい。
【0090】
(第8変形例)
実施形態では対象物3の分析を行うために、画像生成システム1が適用されていたが、画像生成システム1は対象物3の分析をすることのみの使用に限定されない。言い換えれば、画像生成システム1は分析システム100に含まれることのみに限定されず、適宜のシステムに含まれてもよい。なお、画像生成システム1が、分析システム100以外のシステムに組み込まれる場合は、分析部110が存在してもよく、存在していなくても構わない。
【0091】
4.態様
上記の実施形態から明らかなように、本開示では、下記の態様を含む。以下では、実施形態との対応関係を明示するためだけに、符号を括弧書き付きで付している。
【0092】
第1の態様は、画像生成システム(1)は、対象物(3)の画像(Ga)を生成する画像生成システム(1)であり、第1の光源(11)と、第2の光源(12)と、光散乱部(20)と、イメージセンサ(30)と、逆演算部(40)と、順演算部(50)と、光検出器(60)と、画像生成部(70)とを備える。第1の光源(11)から出射する第1の光(111)の光路上に、光散乱部(20)及びイメージセンサ(30)が、第1の光源(11)の側から、光散乱部(20)及びイメージセンサ(30)の順に配置されている。第2の光源(12)から出射する第2の光(121)の光路上に、光散乱部(20)及び光検出器(60)が順に配置されており、光散乱部(20)と光検出器(60)との間の光路上に対象物(3)が配置される。第1の光(111)の波長と、第2の光(121)の波長とは互いに異なる。第1の光(111)は、可視光である。光散乱部(20)には第1の光(111)及び第2の光(121)の各々を散乱する光散乱体(21)が分散して存在する。イメージセンサ(30)は、可視光を検出可能であり、第1の光(111)の強度分布(Ib)を含む画像データ(Gb)を生成する。光検出器(60)は第2の光(121)の強度(Ia)を検出する。逆演算部(40)は、画像データ(Gb)に含まれる第1の光(111)の強度分布(Ib)から光散乱部(20)における光散乱体(21)の分布(Da)を算出する。順演算部(50)は、光散乱体(21)の分布(Da)から第2の光(121)が光散乱部(20)で散乱された場合の第2の光(121)の強度分布(Ia)を算出する。画像生成部(70)は光検出器(60)で検出された第2の光(121)の強度(Ba)と順演算部(50)で算出された第2の光(121)の強度分布(Ia)とから、対象物(3)の画像(Ga)を生成する。
【0093】
この態様によれば、対象物(3)の画像(Ga)を生成するにあたり、対象物(3)に入射する光の強度分布(Ia)をイメージセンサ(30)で検出することなく画像(Ga)を生成し得る画像生成システム(1)が提供される。
【0094】
第2の態様は、第1の態様の画像生成システム(1)に基づく。第2の態様では、光路切替ミラー(13)を更に備える。光路切替ミラー(13)は、第1の光(111)及び第2の光(121)のいずれか一方のみを光散乱部(20)に出射させる。
【0095】
この態様によれば、第1の光(111)及び第2の光(121)の各々が、光散乱部(20)で別個に散乱される。その結果、画像生成システム(1)が、対象物(3)の画像(Ga)を生成しやすくなる。
【0096】
第3の態様は、第1又は第2の態様の画像生成システム(1)に基づく。第3の態様では、光散乱部(20)から出射した第1の光(111)をイメージセンサ(30)へ向かわせ、かつ光散乱部(20)から出射した第2の光(121)を対象物(3)へ向かわせる2色ミラー(80)を更に備える。2色ミラー(80)は、光散乱部(20)とイメージセンサ(30)との間に配置され、かつ光散乱部(20)と対象物(3)との間に配置されている。
【0097】
この態様によれば、イメージセンサ(30)が第1の光(111)を検出しやすくなり、かつ第2の光(121)が対象物(3)に入射しやすくなる。その結果、画像生成システム(1)が、対象物(3)の画像(Ga)を生成しやすくなる。
【0098】
第4の態様は、第1から第3のいずれか一の態様の画像生成システム(1)に基づく。第4の態様では、第1の光の波長は380nm以上780nm以下である。
【0099】
この態様によれば、イメージセンサ(30)が第1の光(111)を特に検出しやすくなる。
【0100】
第5の態様は、第1から第4のいずれか一の態様の画像生成システム(1)に基づく。第5の態様では、第2の光(121)の光路上にあり、かつ対象物(3)と光検出器(60)との間に配置されている集光光学系(90)を更に備える。集光光学系(90)は対象物(3)から出射した第2の光(121)を集光する。
【0101】
この態様によれば、対象物(3)を透過又は反射した第2の光(121)が効率良く光検出器(60)に出射し得る。その結果、対象物(3)の画像(Ga)の鮮明さが高まり得る。
【0102】
第6の態様は、画像生成方法であって、対象物(3)の画像(Ga)を生成する。第1の光(111)の光路上に、光散乱部(20)及びイメージセンサ(30)を配置した状態で、イメージセンサ(30)で第1の光(111)の強度分布(Ib)を含む画像データ(Gb)を生成するステップ、第1の光(111)とは波長が異なる第2の光(121)の光路上に、光散乱部(20)及び光検出器(60)を順に配置した状態で、かつ光散乱部(20)と光検出器(60)との間の光路上に対象物(3)を配置し、光検出器(60)で第2の光(121)の強度(Ba)を検出するステップ、及び画像データ(Gb)と、第2の光(121)の強度(Ba)とから、対象物(3)の画像(Ga)を生成するステップを含む。光散乱部(20)は第1の光(111)及び第2の光(121)の各々を散乱する光散乱体(21)を分散して含む。対象物(3)の画像(Ga)を生成するステップは、画像データ(Gb)に含まれる第1の光(111)の強度分布(Ib)から光散乱部(20)における光散乱体(21)の分布(Da)を算出するステップ、光散乱体(21)の分布(Da)から第2の光(121)が光散乱部(20)を透過した場合の第2の光(121)の強度分布(Ia)を算出するステップ、及び第2の光(121)の強度(Ba)と第2の光(121)の強度分布(Ia)とから、対象物(3)の画像(Ga)を生成するステップを含む。
【0103】
この態様によれば、対象物(3)に入射する光の強度分布(Ia)をイメージセンサ(30)で検出することなく画像(Ga)を生成し得る画像生成方法が提供される。
【0104】
第7の態様は、分析システム(100)であって、第1から第5のいずれか一の態様の画像生成システム(1)と、画像生成システム(1)で生成された画像(Ga)から対象物(3)における物質の分布の情報と物質のスペクトルの情報とを生成する分析部(110)を備える。
【0105】
この態様によれば、対象物(3)に基づき取得した画像(Ga)を通して、対象物(3)の分析を行うことができる分析システム(100)が提供される。
【0106】
第8の態様は、分析方法であって、第6の態様の画像生成方法で対象物(3)の画像(Ga)を生成し、画像(Ga)から対象物(3)における物質の分布の情報と物質のスペクトルの情報とを生成する。
【0107】
この態様では、対象物(3)に基づき取得した画像(Ga)を通して、対象物(3)の分析を行うことができる分析方法が提供される。
【符号の説明】
【0108】
1 画像生成システム
2 コンピュータシステム
3 対象物
11 第1の光源
12 第2の光源
13 光路切替ミラー
20 光散乱部
21 光散乱体
30 イメージセンサ
40 逆演算部
50 順演算部
60 光検出器
70 画像生成部
80 2色ミラー
90 集光光学系
100 分析システム
110 分析部
111 第1の光
121 第2の光
Ba 強度
Da 分布
Ga 画像
Gb 画像データ
Ia、Ib 強度分布
図1
図2
図3