(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129656
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】遊技機の球移送装置
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240919BHJP
【FI】
A63F7/02 301C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038996
(22)【出願日】2023-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】500077959
【氏名又は名称】株式会社MRD
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】弁理士法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小竹 善幸
(72)【発明者】
【氏名】小野 賢太
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BA51
2C088BA65
(57)【要約】
【課題】安定した遊技球の排出と流下を図ることができる、遊技機の球移送装置を提供する。
【解決手段】遊技機6の球移送装置1は、球入口203から流入した遊技球B(B0)を待機位置に移送するとともに該待機位置に移送された遊技球Bを所定タイミングで球出口204から排出する。そして、球移送装置1は、遊技球を移送する球移送機構11と、遊技球Bが球出口204から排出されるときに球出口204を開放して、遊技球Bが球出口204から排出された後に球出口204を閉塞することにより、球出口204から排出された遊技球Bが球出口204に向けて逆戻りすることを防止する球逆流防止機構12とを備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
球入口から流入した遊技球を待機位置に移送するとともに該待機位置に移送された前記遊技球を所定タイミングで球出口から排出する遊技機の球移送装置であって、
前記遊技球を移送する球移送機構と、
前記遊技球が前記球出口から排出されるときに前記球出口を開放して前記遊技球が前記球出口から排出された後に前記球出口を閉塞することにより、前記球出口から排出された前記遊技球が前記球出口に向けて逆戻りすることを防止する球逆流防止機構と、を備える、遊技機の球移送装置。
【請求項2】
前記球移送機構は、
駆動源と、
略上下方向に延在する軸部、及び前記軸部の外周に螺旋状に突出して設けられた突起部を有し、前記駆動源によって回転駆動されるときに前記突起部に係止される遊技球を揚送するスクリュー部材と、を備え、
前記球逆流防止機構は、
前記スクリュー部材の上部に設けられて前記スクリュー部材と同期回転し、下面が略上下方向において所定位置に位置する第1下面部と、前記第1下面部よりも下方に位置する第2下面部とを含む円盤状のカム部材と、
第1の端部と、該第1の端部と反対側の第2の端部との間に設けられた枢支部と、前記第1の端部に設けられて自重により下方に付勢されたシャッタ部と、前記第2の端部に設けられて上記カム部材の下面に摺接する摺接部とを含むシャッタ部材と、を備え、
前記遊技球が前記球出口から排出されるタイミングにおいて前記摺接部が前記第2下面部に接して前記シャッタ部が前記球出口を開放する開放状態と、前記遊技球が前記球出口から排出された後のタイミングにおいて前記摺接部が前記第1下面部に接することにより前記シャッタ部が前記球出口を閉塞する閉塞状態とが、前記スクリュー部材の回転に伴って切り替わる、請求項1に記載の遊技機の球移送装置。
【請求項3】
前記遊技球が前記球出口から排出されたことを検知する球検知部を備え、
前記球逆流防止機構は前記球検知部の下流側に位置する、請求項1又は2に記載の遊技機の球移送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機の球移送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技機等の遊技機においては、規定数の遊技球を遊技機内に封入し、規定数の遊技球を繰り返し循環して使用するようにした封入式遊技機がある。封入式遊技機においては、遊技機の外部から遊技機内に遊技球を供給するシステムが不要になり、遊技ホールの省スペース化、遊技球の管理の容易化等が図られる。
【0003】
封入式遊技機内では、遊技機内の遊技球は球移送装置により遊技機内の球発射装置に向けて移送されるように構成されている。このような球移送装置として、例えば、特許文献1に開示された構成では、螺旋体のスクリュー部材からなる移送ローラを備え、当該螺旋体を軸回転させることにより遊技球を軸方向へ移送する構成が開示されている。そして、当該構成では、移送ローラと平行に円筒状のクリーニングローラが設けられており、移送ローラは遊技球をクリーニングローラに押し付けることで、遊技球の移送とともに遊技球表面の汚れ除去を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示の構成では、遊技球は球移送装置から球発射装置に向けて排出されるように想定されているが、球移送装置から排出された遊技球が球移送装置の球出口へ向けて逆戻りする恐れがある。しかしながら、特許文献1に開示の構成では、球移送装置の球出口の近傍には遊技球の戻りを防止する工夫は何ら施されていない。そして、このような、遊技球の逆戻りが生じると、球移送装置から遊技球を安定して排出することができず、下流の球発射装置に向けて遊技球を安定して供給することができないため、改善の余地がある。
【0006】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたもので、安定した遊技球の排出と流下を図ることができる、遊技機の球移送装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、球入口から流入した遊技球を待機位置に移送するとともに該待機位置に移送された前記遊技球を所定タイミングで球出口から排出する遊技機の球移送装置であって、
前記遊技球を移送する球移送機構と、
前記遊技球が前記球出口から排出されるときに前記球出口を開放して前記遊技球が前記球出口から排出された後に前記球出口を閉塞することにより、前記球出口から排出された前記遊技球が前記球出口に向けて逆戻りすることを防止する球逆流防止機構とを備える、遊技機の球移送装置にある。
【発明の効果】
【0008】
前記一態様の遊技機の球移送装置においては、球逆流防止機構により、球出口から排出された遊技球が球出口に向けて逆戻りすることが防止されるため、球移送装置から遊技球を安定して排出することができ、遊技球が案内される通路の下流に遊技球を安定して供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態1にかかる、本体枠に対して前扉が開けられた状態の遊技機における、球移送装置、球回収通路、球発射装置等を、遊技機の正面側から見た状態で示す説明図である。
【
図2】
図2は、実施形態1にかかる、遊技球が待機位置に位置している球移送装置を遊技機の裏面側から見た状態で示す説明図である。
【
図3】
図3は、
図1におけるIII-III線位置矢視断面を示す説明図である。
【
図4】
図4は、実施形態1にかかる、球移送装置におけるスクリュー部材の下端周辺を、スクリュー部材の軸方向に平行な断面で示す説明図である。
【
図5】
図5は、実施形態1にかかる、球移送装置におけるカム部材を斜め下方から見た状態を示す説明図である。
【
図6】
図6は、実施形態1にかかる、球移送装置におけるシャッタ部材を斜め上方から見た状態で示す説明図である。
【
図7】
図7(a)及び(b)は、
図1のIII-III線位置矢視断面における球出口周辺を拡大して閉塞状態を示す説明図である。
【
図8】
図8(a)~(c)は、
図1のIII-III線位置矢視断面における球出口周辺を拡大して閉塞状態から開放状態への切り替え態様及び開放状態から閉塞状態への切り替え態様を示す説明図である。
【
図9】
図9は、実施形態1にかかる、遊技機の下方領域を右側方から見た状態で示す説明図である。
【
図10】
図10は、実施形態1にかかる、遊技球が待機位置に位置していない球移送装置を遊技機の裏面側から見た状態で示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
前述した遊技機の球移送装置にかかる好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
<実施形態1>
本実施形態の球移送装置1は、
図1及び
図2に示すように、遊技機6に用いられ、球入口203から流入した遊技球Bを待機位置に移送するとともに該待機位置に移送された遊技球Bを所定タイミングで球出口204から排出する。そして、球移送装置1は、遊技球を移送する球移送機構11と、遊技球Bが球出口204から排出されるときに球出口204を開放して、遊技球Bが球出口204から排出された後に球出口204を閉塞することにより、球出口204から排出された遊技球Bが球出口204に向けて逆戻りすることを防止する球逆流防止機構12とを備える。
【0011】
図1~
図10において、遊技機6の上下方向(鉛直方向)を符号Hによって示し、遊技機の左右方向を符号Wによって示し、遊技機6の奥行方向を符号Dによって示す。また、奥行方向Dの背面側を符号D1によって示す。
【0012】
以下に、本実施形態の遊技機6の球移送装置1について詳説する。
図1に示すように、本実施形態の球移送装置1が備えられる遊技機6は、パチンコ遊技を行うパチンコ遊技機である。遊技機6は、遊技機6内に規定数の遊技球Bを封入し、この規定数の遊技球Bを繰り返し循環して使用する封入式のものである。そして、球移送装置1は、矢印P2で示すように略上下方向Hの上方に遊技球Bを所定の距離だけ移送して遊技球Bを1球ずつ整流して下流に流通させる。また、本実施形態では、球移送装置1は、移送に伴って遊技球Bの表面の汚れを除去するために遊技球Bを磨く機能も有する。
【0013】
遊技機6は、パチンコ遊技を行うための遊技盤612と、遊技盤612が配置される開口穴611が形成された本体枠61と、本体枠61に配置された球移送装置1と、球移送装置1の背後に配置されて遊技盤612における遊技領域に向けて矢印P3で示すように遊技球Bを発射させる球発射装置62と、及び発射された遊技球Bを遊技領域へ案内する案内レール63と、本体枠61に対して開閉可能な状態で本体枠61の正面に配置された前扉とを備える。なお、遊技機6の下方に(前扉の下側位置に)、前扉とは別に前面パネルを設け、その前面パネルが本体枠61に対して開閉可能に配置されていてもよい。なお、
図1は、本体枠61に対して前扉(又は前面パネル)が開けられた遊技機6を正面側から見た状態で示す。
【0014】
図1に示すように、本体枠61の下部には、遊技盤612における遊技を終えて遊技盤612のアウト口から回収される遊技球Bであるアウト球、及び球発射装置62から遊技盤612に到達せずに回収される遊技球Bであるファール球が集まる球回収通路613が形成されている。球回収通路613は、球移送装置1に設けられた球受入流路25に接続されており、矢印P1で示すように遊技球Bを球受入流路25に流下させる。球受入流路25は遊技球Bを球移送装置1の球入口203に導く。球移送装置1は遊技球Bを印P2で示すように揚送しつつ磨き、後述するように所定タイミングで一球ずつ球発射装置62へ供給する。
【0015】
遊技盤612には、遊技球Bが入賞する入賞装置等が配置された遊技領域が形成されている。入賞装置等に入った遊技球Bである入賞球は、入賞球センサによって検出される。遊技機6の制御装置は、入賞球センサによる入賞球の検出を受けて入賞の処理を行う。入賞装置等に入った入賞球は、アウト球及びファール球と同様に球回収通路613に回収される。
【0016】
(球移送装置1)
図1、
図2及び
図3に示すように、本実施形態の球移送装置1は、駆動源4により駆動されたスクリュー部材3によって略上下方向Hに遊技球Bを移送するよう構成されている。すなわち、駆動源4とスクリュー部材3とは、遊技球Bを移送する球移送機構11を構成している。球移送機構11としての駆動源4とスクリュー部材3は、遊技機6の遊技盤612における遊技を終えて、遊技機6の下方位置に回収される遊技球Bを揚送して、球発射装置62へ1球ずつ送り出す。また、本実施形態では、球移送装置1は、遊技球Bを移送しながら、後述する球磨き装置5を介して遊技球Bの表面に付着する汚れを除去する。なお、
図2は球移送装置1を遊技機6の背面から見たときのケース部材2を透過した図を示し、
図3は球移送装置1を遊技機6の右側面から見た断面を示す。
【0017】
図1、3に示すように、球移送装置1は、遊技機6の本体枠61に対して着脱可能に取り付けられている。球移送装置1は、本体枠61に対して前扉を開けた状態において、本体枠61に対して着脱可能である。球移送装置1は、スクリュー部材3、駆動源4及び球磨き装置5が配置されたケース部材2を備える。スクリュー部材3は、ケース部材2内に回転可能に支持されている。ケース部材2の下部には、スクリュー部材3の下端部分に遊技球Bを導入するための球流入部位201が形成されている。ケース部材2の背面の上部には、スクリュー部材3の上端部分から遊技球Bが導出される球出口204が形成されている。
【0018】
ケース部材2は樹脂製とすることができる。本実施形態では、
図3に示すように、ケース部材2の内側面のうち、遊技球Bが流通する球流路における案内壁部21となる部位は、摺動性能を有するPOM(ポリオキシメチレン)樹脂製となっている。また、案内壁部21のうち、スクリュー部材3の軸部31に対向する部位214の背面側の壁面216には、更に摺動性を上げることを目的として、別途フッ素樹脂製のシート217が貼付されている。案内壁部21のうち、ケース部材2の底部に位置する底部位211は下方に傾斜して後述の球流入部位201に繋がっている。
【0019】
ケース部材2の前側面には、球受入流路25が設けられている。球受入流路25には、球回収通路613から流下してきた遊技球Bを球入口203に導く球導入流路251が形成されている。
図3に示すように、球受入流路25の球流入口には、球移送装置1を本体枠61から取り外したときに、球導入流路251内に存在する遊技球Bが、球受入流路25の球流入口から外部へ零れ落ちることを阻止するシャッタ部材252が配置されている。このシャッタ部材252は、球移送装置1が本体枠61から取り外されたときに、バネの付勢力を受けて球受入流路25の球流入口の少なくとも一部を塞ぐよう構成されている。なお、球導入流路251の下端位置には、球導入流路251内に存在する球を遊技機6外部に排出するための球抜き弁253が設けられている。球抜き弁253は通常状態では閉塞しているが、図示しない操作レバーを操作することにより開放可能に構成されている。そして、本体枠61に対して前扉を開けた状態において、図示しない操作レバーを操作して球抜き弁253を開放することで、球導入流路251及び球導入流路251よりも上流側に位置する遊技球Bを、球抜き弁253から外部へ抜き出すことができる。
【0020】
また、遊技球Bを球抜き弁253から遊技機6の外部に抜き出したとしても、球移送装置1内の球入口203より下流側には遊技球Bが残留していることとなる。この残留する遊技球Bを外部へ抜き出すために、本体枠61には図示しない球回収部材が配置されている。球回収部材は、前扉が本体枠61に閉じられた状態においては、発射経路から退避している。そして、球回収部材は、本体枠61に対して前扉が開けられたときに、バネ等による力を受けて遊技球Bの発射経路内に進入し、球発射装置62から発射される遊技球Bを意図的にファール球にするよう構成されている。球発射装置62から発射された遊技球Bは、球回収部材に衝突してファール球となり、球受入流路25へ流下される。
【0021】
このとき、操作レバーによって球抜き弁253を開放状態にすることにより、遊技球Bは球抜き弁253から遊技機6の外部へ排出される。球移送装置1内の遊技球Bを球発射装置62へ供給し、球発射装置62からすべての遊技球Bを発射させることにより、遊技機6内のすべての遊技球Bを球抜き弁253から遊技機6の外部へ排出することができる。
【0022】
また、球回収通路613の球出口にも、球移送装置1を本体枠61から取り外したときに、球回収通路613の球出口の周辺に残留する遊技球Bが、球回収通路613から外部へ零れ落ちることを阻止するシャッタ部材(図示せず)が配置されている。このシャッタ部材は、球移送装置1が本体枠61から取り外されたときに、バネの付勢力を受けて球回収通路613の球出口の少なくとも一部を塞ぐよう構成されている。
【0023】
(駆動源4)
図2に示すように、駆動源4は、中心軸線40が上下方向Hに向けられたモータによって構成されている。駆動源4は、スクリュー部材3の下側部分に、スクリュー部材3の径方向Rから対向する位置に配置されている。駆動源4を構成するモータの中心軸線40は、スクリュー部材3の中心軸線30に平行に配置されている。
【0024】
駆動源4を構成するモータの出力軸は下側に向けられており、駆動源4からスクリュー部材3への動力(回転力)の伝達は、ケース部材2の下部において行われる。詳細には、スクリュー部材3及び駆動源4の下方には、駆動源4の回転力をスクリュー部材3に伝達する動力伝達部材45が配置されている。動力伝達部材45は、駆動源4を構成するモータの出力軸に設けられた出力ギヤ46、スクリュー部材3の下端部に設けられたスクリュー側ギヤ47と、後述する球磨き装置側ギヤ48とからなる。駆動源4の回転力は、互いに歯合する出力ギヤ46及びスクリュー側ギヤ47を介してスクリュー部材3に伝達される。
【0025】
(スクリュー部材3)
図2に示すように、スクリュー部材3は、中心軸線30が略上下方向Hに向けられていることによって、スクリュー部材3の下部に位置する球流入部位201に到達した遊技球Bを突起部(羽根)32により係止して揚送するよう構成されている。スクリュー部材3は、ケース部材2に対して回転可能に配置されている。スクリュー部材3の突起部32は、軸方向Lに並ぶ突起部32の部分同士の間に遊技球Bが1球だけ入るピッチで、軸部31の外周に1条の状態で形成されている。スクリュー部材3の軸方向Lの長さは、遊技球Bを上方へ移動させる距離に応じて決定される。スクリュー部材3は、樹脂の成形品によって形成されている。
【0026】
図2に示すように、スクリュー部材3の軸部31は、半径が外側に向けて徐々に増加するとともに外周面が軸方向Lに対して平行となるように構成されている。すなわち、
図4に示すように、軸部31において最下端の軸部311が最も径が小さく、一つ上側に位置する軸部312は軸部311よりも径が大きくなっており、さらに一つ上側に位置する軸部313は軸部312よりも径が大きくなっている。軸部31の当該形状により、遊技球Bがスクリュー部材3の径方向Rの外方に向けて円滑に移動する。あわせて、後述するS1の領域を大きく形成することができるので、遊技球Bが球流入部位201へと流入するときに、球詰まりすることなく円滑に流入させることができる。そして、遊技球Bをスクリュー部材3の径方向Rの外方に向けて円滑に移動させることができるので、遊技球Bを後述する回転ローラ式の球磨き装置5の球磨き部材52に向けて、適切に当接させることができる。
【0027】
図4に示すように、スクリュー部材3の軸部31の最下端に位置する軸部311は、ケース部材2内の球流入部位201に対向する位置に配置されている。球流入部位201は、ケース部材2の案内壁部21における底部位211と、角部位212と、最下端に位置する軸部311の外周面と、最下端に位置する突起部32とに囲まれて形成される。球流入部位201における空間S1は、遊技球Bよりも大きい大きさに形成されている。
【0028】
図3に示すように、スクリュー部材3の突起部32によって、遊技球Bは待機位置まで上昇した後、所定タイミングで球出口204から排出される。待機位置は、遊技球Bが後述の段差部215に当接する位置であって、
図3において、遊技球B0の位置である。なお、遊技球Bが球出口204から排出されるタイミングは、所定周期とすることができ、本実施形態では、1分間に100球としている。1分間に100球の排出を行うには、スクリュー部材3の一回転により1球の排出が可能であることから、スクリュー部材3の回転速度は少なくとも0.6秒/1回転となる。なお、スクリュー部材3の回転位置は、スクリュー部材3の下部に設けられた回転位置検知板33のスリット331を、フォトセンサ34により検出することで検知することができる。
【0029】
(球磨き装置5)
図2に示すように、球磨き装置5は、ケース部材2内において、スクリュー部材3の軸部31に対して駆動源4の反対側の位置に設けられている。球磨き装置5における略上下方向Hの大きさは、スクリュー部材3における略上下方向H(軸方向L)の大きさの3分の1以下となっている。球磨き装置5は回転ローラ式の球磨き装置であって、スクリュー部材3の中心軸線30と平行な中心軸線50を中心に回転可能に構成された円筒状のローラ部材51を備える。ローラ部材51の周面は揚送される遊技球Bが押し付けられる位置に位置している。ローラ部材51の周面にはシート状の球磨き部材52が設けられている。球磨き部材52は、微細なブラシ状の突起が設けられた面を有するシートや、シート状に成形された繊維によるフェルト(不織布)等によって構成することができる。本実施形態では、球磨き部材52はナイロン製のブラシ面を有するシートで構成される。
【0030】
ローラ部材51の下端部には、スクリュー側ギヤ47と歯合する球磨き装置側ギヤ48が設けられている。駆動源4の回転力は、出力ギヤ46、スクリュー側ギヤ47及び球磨き装置側ギヤ48を介してローラ部材51に伝達され、ローラ部材51はスクリュー部材3と逆方向に回転する。これにより、遊技球Bはスクリュー部材3とローラ部材51とで挟み込まれた状態でスクリュー部材3で揚送されつつ、球磨き部材52により遊技球Bの表面が磨かれる。当該構成により、球磨き部材52において遊技球Bに接する球磨き面を広くできるとともに広い球磨き面を無駄なく利用することができる。そして、動力伝達部材45のギヤ46~48の歯数はそれぞれ素数とすることが好ましい。これにより、各ギヤの最小公倍数を大きくして球磨き部材52における球当接ラインを多く形成することができる。なお、ローラ部材51の直径はスクリュー部材3の軸部31の直径よりも大きくすることができる。
【0031】
ケース部材2の前面には、球磨き装置5の近傍位置に図示しない開閉可能なカバーが設けられており、当該カバーを介して球磨き装置5のローラ部材51を球移送装置1に着脱交換可能としている。また、当該カバーは、球移送装置1を遊技領域に装着した状態で開閉可能となっている。
【0032】
(球逆流防止機構12)
図3に示すように、スクリュー部材3の上部には円盤状のカム部材8が設けられる。また、球出口204の近傍にはシャッタ部材9が設けられる。カム部材8及びシャッタ部材9は後述するように球逆流防止機構12を構成する。
【0033】
(カム部材8)
カム部材8はスクリュー部材3と同期回転するように構成されている。本実施形態では、カム部材8は、スクリュー部材3の上部において、カム部材8の中心軸線がスクリュー部材3の中心軸線30と一致するように、スクリュー部材3の上部に直接接合されている。
【0034】
図5(a)及び
図5(b)に示すように、カム部材8はスクリュー部材3の軸部31の径よりも大きい径を有する円盤状をなしている。本実施形態では、カム部材8は周方向に厚さが異なっている。カム部材8の下面80は、第1下面部81と第2下面部82を含む。第1下面部81は、略上下方向H(軸方向L)において所定位置に位置し、第2下面部82は第1下面部よりも下方に位置する。一方、カム部材8の上面83は、全域において同一平面上に位置している。
【0035】
本実施形態では、カム部材8の下面80は、
図5(a)及び
図5(b)に示すように、第1下面部81と第2下面部82との間に傾斜面部84、85を備える。すなわち、第1下面部81と第2下面部82は傾斜面部84、85を介して連続している。そして、
図5(b)に示すスクリュー部材3の回転方向Qの前方に位置する第2下面部82から回転方向Qの後方に位置する第1下面部81に連なる第2傾斜面部85は、
図5(a)に示すスクリュー部材3の回転方向Qの前方に位置する第1下面部81からスクリュー部材3の回転方向Qの後方に位置する第2下面部82に連なる第1傾斜面部84よりも傾斜が急峻となっている。
【0036】
(シャッタ部材9)
図6に示すように、シャッタ部材9は、シャッタ部材9の長手方向L9における第1の端部9aと、第1の端部9aと反対側の第2の端部9bとの間に位置する枢支部91により回転可能に支持されている。シャッタ部材9の第1の端部9aには、シャッタ部92が設けられている。枢支部91は長手方向L9において、第1の端部9aと第2の端部9bの中央位置よりも第2の端部9b寄りに位置しているため、シャッタ部92は自重により下方に付勢されている。シャッタ部92は下端が幅広となっており、逆T字状をなしている。シャッタ部材9の第2の端部9bには、カム部材8の下面80に摺接する摺接部93が設けられている。摺接部93は上方に突出する半球状をなしている。
図3に示すように、シャッタ部92が自重で下方に付勢されることに伴って、摺接部93は上方に付勢されてカム部材8の下面80と常時接触している。シャッタ部92は自重により下方に付勢されていることにより、当該付勢のためにバネなどを用いる必要がないため、部品点数の削減と球移送装置1の搭載スペースの低減に寄与することができる。なお、本実施形態では、シャッタ部92は自重により下方に付勢されていることとしたが、これに替えて、シャッタ部92はバネ等で下方に付勢されていてもよい。
【0037】
(カム部材8及びシャッタ部材9による開閉動作)
カム部材8及びシャッタ部材9による球出口204の開閉動作について、
図7及び
図8を用いて説明する。
まず、
図7(a)に示すように、遊技球Bが待機位置に到達する前の状態では、シャッタ部材9の摺接部93は、カム部材8の下面80の第1下面部81に当接しているため、シャッタ部92は下方に位置している。これにより、シャッタ部92は球出口204を閉塞した閉塞状態となり、球出口204から排出された遊技球Bが球出口204に向けて逆戻りすることが規制される。なお、本明細書において、「球出口204を閉塞する」とは、シャッタ部92が、遊技球Bが球出口204を通過する際の経路上に存在することにより、球出口204から排出された遊技球Bが球出口204に向けて逆戻りする(通過する)ことを規制することを示す。このとき、遊技球Bは、スクリュー部材3側から球発射装置62側に球出口204を通過することも規制される構成であってもよい。
【0038】
次に、スクリュー部材3が回転して遊技球Bが揚送されると、
図7(b)に示すように、遊技球Bが待機位置に到達し、スクリュー部材3の回転は一旦停止する。スクリュー部材3と同期してカム部材8も回転することで、シャッタ部材9の摺接部93は、スクリュー部材3と同期回転したカム部材8の第1下面部81のうち第1傾斜面部84に切り替わる少し手前の位置に当接する。この状態では、シャッタ部92は下方に位置して球出口204を閉塞した閉塞状態のままである。
【0039】
待機位置ではシャッタ部92は閉塞状態であるため、球出口204から排出された遊技球Bが球出口204に向けて逆戻りすることが規制されている。また、ケース部材2において、球出口204近傍の下縁は遊技球Bが乗り越えることが困難な高さとなる段差部215を形成しており、これによって意図しないタイミングで遊技球Bが球出口204から排出されることが防止される。また、当該段差部215は、スクリュー部材3の上部から排出された遊技球Bがスクリュー部材3側へ向けて逆戻りすることも防止している。
【0040】
そして、遊技球Bを排出するタイミングが到来すると、スクリュー部材3の回転を再開してさらに遊技球Bを揚送するとともに、スクリュー部材3と同期してカム部材8も回転する。これにより、
図8(a)に示すように、シャッタ部材9の摺接部93は第1傾斜面部84を乗り越えて第2下面部82に当接することにより、摺接部93は下方の位置に変位することとなる。そして、これに伴って、てこの原理により、シャッタ部材9は枢支部91を支点として回転してシャッタ部92は上方の位置に変位し、球出口204が開放された開放状態に切り替わる。遊技球Bの排出タイミングにおいて、回転駆動するスクリュー部材3の回転角は適宜設定できるが、本実施形態では、30~40°の範囲内となっている。
【0041】
そして、待機位置から揚送された遊技球Bは、
図8(a)に示すように、突起部32において上方に位置する部分である上方傾斜部321を介して段差部215を乗り越えて、開放状態の球出口204を通過して排出される。なお、突起部32における上方傾斜部321は、上方傾斜部321よりも下方に位置する下方傾斜部322よりも立ち上がっており、傾斜がきつくなっている。すなわち、水平面に対する上方傾斜部321の傾斜角度θ1は、水平面に対する下方傾斜部322の傾斜角度θ2よりも大きくなっている。これにより、排出タイミングにおいて、待機位置から揚送された遊技球Bがより球発射装置62側に転動しやすくなって、球出口204からの排出が促される。
【0042】
球出口204からの遊技球Bの排出は、球出口204近傍の球発射装置62側に設けられた、球検知部としての減算センサ621により検出される。減算センサ621はフォトセンサにより構成される。これにより、減算センサ621を設ける部分の球流路の寸法設定の自由度が高まる。そのため、球検出通過領域を比較的広く形成することができ、球詰まりを軽減しつつ、安定的に球検知をすることができる。
【0043】
さらに、本実施形態では、球検知部としての減算センサ621は球移送装置1に対して一体的に設けられている。これにより、遊技機6内に球移送装置1の設置スペースの他に減算センサ621の設置スペースを設ける必要がないため、遊技機6内の機構全体の省スペース化を図ることができる。さらに、減算センサ621を球移送装置1と一体的に設けることにより、減算センサ621を球移送装置1と別体とした場合に比べて、球移送装置1に対する減算センサ621の設置位置の精度が高くなり、減算センサ621による球検知の精度を向上することができる。
【0044】
球出口204から排出された遊技球Bは、
図8(b)に示すように、減算センサ621を通過して、球発射装置62の流入口622から球発射装置62の着座位置623に向けて転動する。減算センサ621により遊技球Bが検知されるごとに、遊技者の遊技球の保有数を一つ削減する。
図8(c)に示すように、球発射装置62の着座位置623に到達した遊技球Bは、
図3に示す打球槌624により打ち出されて、
図1に示すように矢印P3で示すように案内レール63を介して遊技盤612の遊技領域に向けて発射される。
【0045】
そして、
図8(c)に示すように、球出口204から遊技球Bが排出された後、引き続き回転するスクリュー部材3とともにカム部材8も回転することにより、シャッタ部材9の摺接部93は第2傾斜面部85を乗り越えて第1下面部81に当接する。これにより、摺接部93は上方の位置に変位することとなる。そして、これに伴って、てこの原理によってシャッタ部材9は枢支部91を支点として回転することにより、シャッタ部92は下方の位置に変位して球出口204は閉塞状態に切り替わる。なお、これに伴って、次の遊技球Bが待機位置に向けてスクリュー部材3により揚送されてくる。そして、再度、
図7(a)に示す状態となる。
【0046】
なお、
図7(b)及び
図8(a)に示すように、シャッタ部92が閉塞状態から開放状態に切り替わるときは、摺接部93は比較的緩やかな傾斜を有する第1傾斜面部84を乗り越える。これにより、摺接部93に生じる摩擦力が過度に大きくならないようにしている。一方、
図8(b)及び
図8(c)に示すように、シャッタ部92が開放状態から閉塞状態に切り替わるときは、摺接部93は比較的急峻な傾斜を有する第2傾斜面部85を乗り越える。これにより、開放状態から閉塞状態に早期に切り替えることができるため、球出口204から排出された遊技球Bが意図せずに球出口204に向けて逆戻りすることをより一層防止することができる。その結果、球出口204から排出されて減算センサ621により一度検出された遊技球Bが再度減算センサ621により検出されること(誤検知)を確実に防止して、誤検知による誤減算処理を確実に防止することができる。さらに、本実施形態1では、閉塞状態においてシャッタ部92が減算センサ621の球流路下流側に位置することで、上記誤検出をより確実に防止して誤減算処理をより確実に防止している。
【0047】
(待機位置の球検出)
図2、
図9、及び
図10に示すように、スクリュー部材3の上方位置には、遊技球Bが待機位置に位置することを検出する球検知部35を備える。
図2に示すように、球検知部35は、待機位置に位置する遊技球Bに先端が当接する当接片351、当接片351の基端を回転可能に支持する支持部352、当接片351の上面に突出して設けられた略扇形の突片353、遊技球Bの検出時に突片353により光路355が遮断されるとともに遊技球Bの非検出時に光路355が維持されるフォトセンサ354からなる。
【0048】
図2、
図9に示すように、遊技球Bが待機位置に位置するときは、当接片351の先端が遊技球Bに当接して当接状態となって当接片351が支持部352を中心に上方に回動することにより、突片353がフォトセンサ354の光路355を遮断する。これにより、待機位置に遊技球Bが位置することを検知する。一方、
図10に示すように、遊技球Bが排出されて当接片351と遊技球Bとの当接状態が解除されたときは、当接片351の先端は支持部352を中心に下方に回動することにより、突片353がフォトセンサ354の光路355を遮断せず、光路355が維持される。待機位置に遊技球Bが位置していない状態では、遊技球Bを球出口204から即座に排出できず、発射装置への遊技球Bの供給が間に合わない恐れがあるため、待機位置に遊技球Bが位置していない状態を不適切な状態であると判断し、即座に駆動源4を作動させてスクリュー部材3を回転して遊技球Bを待機位置に揚送して、待機位置に遊技球Bが位置する適切な状態となるように制御する。
【0049】
(他の構成)
図4に示すように、ケース部材2における、スクリュー部材3によって移送される遊技球Bが接触する案内壁部21は、スクリュー部材3の下端部付近までの底部位211、曲面状の角部位212、及びスクリュー部材3に沿った側部位213へと連続して形成されている。案内壁部21の底部位211は、ケース部材2の球入口203付近からスクリュー部材3の下端部付近に向けて下降傾斜する状態で形成されている。曲面状の角部位212は、側部位213の下端部に形成されている。
図4においては、遊技機6の奥行方向をDによって示し、遊技機6の背面側をD1によって示す。
【0050】
スクリュー部材3が駆動源4によって回転して、スクリュー部材3における突起部32の下端部位によって、空間S1の形成位置としての最下端位置にある第1遊技球B1が持ち上げられるときには、この第1遊技球B1が案内壁部21の曲面状の角部位212に沿って、第1遊技球B1に後続する第2遊技球B2から離れる方向に移動する。これにより、第2遊技球B2から第1遊技球B1へ球圧が作用しにくくなる。換言すれば、第1遊技球B1が第2遊技球B2を上流側へと押し戻そうとする力が作用しにくくなる。このような構成によっても、スクリュー部材3における最下部の軸部31の周辺に球詰まりが生じにくくなる。
【0051】
遊技球Bは、磁石によって吸着される磁性を有する鉄球とする以外にも、磁石によって吸着されない非磁性のステンレス球としてもよい。この場合には、鉄球に対して磁石等の磁力を用いて行う不正行為を低減させることができる。また、この場合には、
図1に示すように、球回収通路613等の、遊技機6内における遊技球Bの通路には、不正行為による鉄球を取り除くための球除き部材64を配置することができる。球除き部材64は、磁石又は電磁石によって発生させる磁力によって、通路を流れる鉄球を吸着する構成とし、さらに通路に対して回動することによって、吸着した遊技球Bを取り除く構成とすることができる。
【0052】
(球貯留部7)
図1に示すように、本体枠61の球回収通路613における球移送装置1の上流側位置には、入賞球、アウト球又はファール球としての遊技球Bが貯留される球貯留部7が配置されている。なお、球貯留部7の上部が開口可能になっていることにより、球貯留部7へ外部から遊技球Bを補充することができる。また、球貯留部7は、本体枠61に対して着脱可能にしてもよい。この場合には、本体枠61から球貯留部7を取り外した状態において、球貯留部7内の遊技球Bの取り出し、及び球貯留部7内への遊技球Bの補充を行ってもよい。
【0053】
図示しないが、球貯留部7には、所定範囲内の数の遊技球Bが貯留されていることを検出するための球過少スイッチ及び球過多スイッチが設けられている。球過少スイッチ及び球過多スイッチは、遊技球Bが載置されたことを検出するよう構成されている。球過少スイッチは、球貯留部7内の遊技球Bの貯留数が、所定範囲の下限数よりも少ないときにオフになり、この貯留数が所定範囲の下限数以上になると、遊技球Bによって押されてオンになる。球過多スイッチは、球貯留部7内の遊技球Bの貯留数が所定範囲の上限数よりも少ないときにオフになり、この貯留数が所定範囲の上限数以上になると、遊技球Bによって押されてオンになる。球過少スイッチ及び球過多スイッチのオン/オフ情報は、遊技機6に設けられた出力端子により、遊技機6の状態を管理する外部管理装置へと供給される。
【0054】
本実施形態の遊技機6においては、球過少スイッチがオンになるとともに球過多スイッチがオフになる状態が正常な球数状態である。球過少スイッチ及び球過多スイッチにより、遊技機6内の球数状態が正常でない状態が検知された場合は、遊技機6の管理者により、遊技機6に封入される球数が適宜調節される。球過少スイッチ及び球過多スイッチの2つのスイッチを用いることにより、遊技機6内の遊技球Bの貯留数を、所定範囲内の数に管理することが容易になる。
【0055】
(球移送装置1の動作)
図1に示すように、遊技者の操作ハンドルの操作によって、遊技盤612の遊技領域に向けて発射された遊技球Bは、入賞球、アウト球又はファール球となって球回収通路613に回収される。遊技機6の制御装置は、
図10に示すように、球検知部35が待機位置に遊技球Bを検出していないときには、球移送装置1の駆動源4を動作させて、スクリュー部材3を回転駆動して遊技球Bを揚送し、
図2において符号Bで示すように、また、
図3で符号B0で示すように、遊技球B(B0)を待機位置に配置させる。そして、球検知部35により、待機位置に遊技球B(B0)を検知すると、球移送装置1の駆動源4の動作を停止させて、スクリュー部材3の回転駆動を停止させる。なお、球移送装置1を連続駆動させても、球検知部35が遊技球Bの検知をしない場合は、遊技機6の球流路内のどこかで球詰まり(球流下の不良)が発生していると判定され、その旨の情報が、遊技機6の外部管理装置に対して発信される。
【0056】
(作用効果)
本実施形態の遊技機6の球移送装置1においては、球逆流防止機構12により、球出口204から排出された遊技球Bが球出口204に向けて逆戻りすることが防止されるため、球移送装置1から遊技球Bを安定して排出することができ、遊技球Bが案内される通路の下流に遊技球Bを安定して供給することができる。
【0057】
さらに、本実施形態では、球移送機構11は、駆動源4と、略上下方向Hに延在する軸部31、軸部31の外周に螺旋状に突出して設けられた突起部32を有し、駆動源4によって回転駆動されるときに突起部32に係止される遊技球Bを揚送するスクリュー部材3と、を備える。また、球逆流防止機構12は、スクリュー部材3の上部に設けられてスクリュー部材3と同期回転し、下面80が略上下方向Hにおいて所定位置に位置する第1下面部81と、第1下面部81よりも下方に位置する第2下面部82とを含む円盤状のカム部材8と、第1の端部9aと、第1の端部9aと反対側の第2の端部9bとの間に設けられた枢支部91と、第1の端部9aに設けられて自重により下方に付勢されたシャッタ部92と、第2の端部9bに設けられてカム部材8の下面80に摺接する摺接部93とを含むシャッタ部材9と、を備える。そして、遊技球Bが球出口204から排出されるタイミングにおいて摺接部93が第2下面部82に接してシャッタ部92が球出口204を開放する開放状態と、遊技球Bが球出口204から排出された後のタイミングにおいて摺接部93が第1下面部81に接することによりシャッタ部92が球出口204を閉塞する閉塞状態とが、スクリュー部材3の回転に伴って切り替わる。当該構成を有することにより、スクリュー部材3の回転機構を利用して、簡易的な構成により、遊技球Bが球出口204から排出された後に、シャッタ部92により球出口204が閉塞されるため、排出された遊技球Bが意図せず球出口204に逆戻りすることが防止される。
【0058】
また、本実施形態では、遊技球Bが球出口204から排出されたことを検知する球検知部としての減算センサ621を備え、球逆流防止機構12を構成するシャッタ部92は減算センサ621の下流側に位置している。これにより、球出口204から排出されて減算センサ621により一度検出された遊技球Bが再度減算センサ621により検出されること(誤検知)を確実に防止して、誤検知による誤減算処理を確実に防止することができる。
【0059】
本発明は、各実施形態のみに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲においてさらに異なる実施形態を構成することが可能である。例えば、球移送装置1は、遊技球Bを上方へ移送する以外にも、遊技球Bを斜め上方に移送する構成としてもよい。また、動力伝達部材45は、ギヤ以外の部材を用いて構成してもよい。また、球移送装置1は、遊技機6のような封入式のパチンコ遊技機に替えて、球皿を有するとともに球皿の遊技球Bを球発射装置に向けて供給する一般的なパチンコ遊技機に用いてもよい。また、本発明は、様々な変形例、均等範囲内の変形例等を含む。
【符号の説明】
【0060】
1 球移送装置
2 ケース部材
21 案内壁部
203 球入口
204 球出口
3 スクリュー部材
31、311、312、313 軸部
32 突起部(羽根)
35 球検知部
4 駆動源
5 球磨き装置
52 球磨き部材
6 遊技機
62 球発射装置
7 球貯留部
8 カム部材
81 第1下面部
82 第2下面部
9 シャッタ部材
91 枢支部
92 シャッタ部
93 摺接部
9a 第1の端部
9b 第2の端部
11 球移送機構
12 球逆流防止機構