(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129659
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】詰め替え用ウェットティシュー包装体
(51)【国際特許分類】
A47K 7/00 20060101AFI20240919BHJP
B65D 77/30 20060101ALI20240919BHJP
【FI】
A47K7/00 H
B65D77/30 C
A47K7/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038999
(22)【出願日】2023-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】000183462
【氏名又は名称】日本製紙クレシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 光
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067AB77
3E067AC01
3E067BA12A
3E067BB15A
3E067BB16A
3E067BB25A
3E067CA04
3E067EA06
3E067FA01
3E067FB07
3E067FC01
(57)【要約】
【課題】シートが厚手で拭き取り性に優れ、中身のロール体をボトルタイプの収納容器に詰め替えたとき、使い初めから使い終わりまでシートの取り出し性に優れる、詰め替え用ウェットティシュー包装体を提供する。
【解決手段】不織布のシートを巻き取って薬液を含浸させた、ウェットティシューのロール体と、ロール体をフィルム包装する包装袋とを含む、詰め替え用ウェットティシュー包装体であって、シートの絶乾状態における坪量は40g/m
2以上65g/m
2以下であり、包装袋の内周長に対する、ロール体の周長の比率が70%以上95%以下であり、包装袋のフィルムのピッチに対する、ロール体の高さと理論直径の和の比率が85%以上115%以下であり、シートにおける、薬液の含浸の均一性(1枚ごとの前記薬液の含浸倍率の相対標準偏差)は、20%以下である、詰め替え用ウェットティシュー包装体を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不織布のシートを巻き取って薬液を含浸させた、ウェットティシューのロール体と、前記ロール体をフィルム包装する包装袋とを含む、詰め替え用ウェットティシュー包装体であって、
前記シートは、流れ方向における略等間隔において、幅方向にミシン目を施されており、
前記シートの絶乾状態における坪量は40g/m2以上65g/m2以下であり、
前記包装袋の内周長に対する、前記ロール体の周長の比率が70%以上95%以下であり、
前記包装袋のフィルムのピッチに対する、前記ロール体の高さと理論直径の和の比率が85%以上115%以下であり、
前記シートにおける、前記薬液の含浸の均一性(1枚ごとの前記薬液の含浸倍率の相対標準偏差)は、20%以下であることを特徴とする、詰め替え用ウェットティシュー包装体。
【請求項2】
前記シートに、KES圧縮試験機によって50gf/cm2の荷重をかけた際の前記シートの厚みTmが、280μm以上550μm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の詰め替え用ウェットティシュー包装体。
【請求項3】
前記シートのタブ強度が200gf/シート幅以上700gf/シート幅以下であることを特徴とする、請求項1に記載の詰め替え用ウェットティシュー包装体。
【請求項4】
前記シートにおける、1枚ごとの前記薬液の含浸倍率の、平均値に対する最小値の比率は、70%以上であることを特徴とする、請求項1に記載の詰め替え用ウェットティシュー包装体。
【請求項5】
前記シートにおける、前記薬液の含浸倍率が200%以上350%以下であることを特徴とする、請求項1に記載の詰め替え用ウェットティシュー包装体。
【請求項6】
前記ロール体を前記包装袋から取り出し、容器本体と、容器本体の開口部を閉塞するように着脱自在に取り付けられる蓋体とを備えた収納容器に前記ロール体を収納したとき、
前記蓋体に備えられる取り出し口から前記シートを引き出すときの取り出し抵抗が、1.5N以上6.0N以下であることを特徴とする、請求項1に記載の詰め替え用ウェットティシュー包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不織布のシートに薬液を含浸させた詰め替え用ウェットティシュー包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェットティシューは、手指の清拭や机などの清掃に用いられ、手指を拭くためには程よい柔らかさが、物を拭くためには程よい強度が求められる。
【0003】
ウェットティシューには様々な形状があり、不織布や紙にミシン目を挿入しながらロール状に巻き取ったシートを、プラスティックのボトルとキャップ(場合によりエラストマーなどの取り出し中栓を有する)に封入した、所謂ボトルタイプのウェットティシューがよく知られている。
【0004】
上記のようなボトルタイプのウェットティシューは、容器に設けられた取り出し口にロールの巻きはじめ(中心)部からシートを通し、シートと取り出し口との摩擦抵抗とシートに挿入されたミシン目の強度とのバランスによって、シートが1枚ずつ切り離されている仕組みとなっており、取り出し口形状に工夫が施される。
【0005】
また、プラスティックの使用量を削減するために、ボトル本体よりもプラスティック使用量の少ないフィルムに包装された詰め替えタイプが使用される。
【0006】
ウェットティシューの収納容器の文献として、例えば特許文献1には、シート体の長手方向に所定の間隔でミシン目が形成されたウェットティシューのロール体を収納する容器本体と、該容器本体の上面に取り付けられ該容器本体に嵌着される蓋体とを備えたウェットティシュー収納容器であって、上記蓋体は、上記蓋体の上面に位置される取出部と、上記蓋体の上面にヒンジを介して上記取出部を開閉可能に設けられる小蓋と、上記取出部の下面に設けられる貫通孔と、上記貫通孔に取り付けられ、上記ウェットティシューと係合するために設けられる係合孔を有するゴム状弾性体からなる口栓とを備え、上記取出部は、上記蓋体の上面に対して傾斜していることを特徴とするウェットティシュー収納容器が開示されている。
【0007】
また、特許文献2には、内側に衛生用薄葉紙を収納する容器本体と、容器本体に着脱自在に取り付けられ、容器本体に収納された衛生用薄葉紙を取り出すための取出部を有する蓋体と、を備えた衛生用薄葉紙収納容器において、取出部は、衛生用薄葉紙が挿通され、取出部の上面から突出した衛生用薄葉紙の端部を保持する取出孔を備え、取出孔は、略円形の小孔と、小孔を中心に放射状に形成された複数のスリットとを有しており、スリットには、そのスリットの孔壁と取出部の下面により形成される角を面取りした第1面取り部が設けられていることを特徴とする衛生用薄葉紙収納容器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2016-216116号公報
【特許文献2】特開2021-031138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、近年は新型コロナウイルス流行の影響で消費者の衛生意識が高まっており、手を拭くだけでなく、対象物をしっかり拭き取ることができ、掃除にも使用できるような厚手のウェットティシューの需要が高まっている。
しかしながら、厚手のウェットティシューをボトルタイプに使用する場合、ミシン目の強度が高くなり、シートが1枚ずつ切れないという問題があった。
【0010】
シートをミシン目で確実にカットするために、取り出し口の抵抗を高める目的で、取り出し口の形状を小さくしたり、エラストマーの硬度を高くしたりすると、シートを取り出す際に大きな力が必要となり、取り出しづらくなってしまう。
【0011】
一方で、シートのミシン目の強度を低くすることで、取り出し口の形状を小さくしたり、硬度を高くしたりすることなく、シートを1枚ずつ取り出すことができるが、フィルム包装される際にロールが外側から潰される詰め替え製品においては、1枚目のシートを取り出し口にセットする際に、意図せずミシン目から切れてしまい、次のシートが取り出し口に正しく残らない問題が発生してしまう。
【0012】
このように、ロールタイプのウェットティシューをフィルム包装したボトル詰め替えタイプの製品において、シートを厚手にする場合、最初から最後までシートの取り出し性を適切にすることが困難であった。
【0013】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、シートが厚手で拭き取り性に優れ、中身のロール体をボトルタイプの収納容器に詰め替えたとき、使い初めから使い終わりまでシートの取り出し性に優れる、詰め替え用ウェットティシュー包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
発明者は鋭意検討を行い、不織布のシートを巻き取って薬液を含浸させた、ウェットティシューのロール体と、ロール体をフィルム包装する包装袋とを含む、詰め替え用ウェットティシュー包装体において、シートの流れ方向における略等間隔において、幅方向にミシン目を施し、かつ、シートの絶乾状態における坪量、包装袋の内周長に対する、ロール体の周長の比率、包装袋のフィルムのピッチに対するロール体の高さと理論直径の和の比率、及びシートにおける薬液の含浸の均一性(1枚ごとの前記薬液の含浸倍率の相対標準偏差)を、いずれも所定の数値範囲内に規定することで、シートが厚手で拭き取り性に優れ、中身のロール体をボトルタイプの収納容器に詰め替えたとき、使い初めから使い終わりまでシートの取り出し性に優れる、詰め替え用ウェットティシュー包装体とすることができ、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下のものを提供する。
【0015】
(1)本発明の第1の態様は、不織布のシートを巻き取って薬液を含浸させた、ウェットティシューのロール体と、前記ロール体をフィルム包装する包装袋とを含む、詰め替え用ウェットティシュー包装体であって、前記シートは、流れ方向における略等間隔において、幅方向にミシン目を施されており、前記シートの絶乾状態における坪量は40g/m2以上65g/m2以下であり、前記包装袋の内周長に対する、前記ロール体の周長の比率が70%以上95%以下であり、前記包装袋のフィルムのピッチに対する、前記ロール体の高さと理論直径の和の比率が85%以上115%以下であり、前記シートにおける、前記薬液の含浸の均一性(1枚ごとの前記薬液の含浸倍率の相対標準偏差)は、20%以下であることを特徴とする、詰め替え用ウェットティシュー包装体である。
【0016】
(2)本発明の第2の態様は、(1)に記載の詰め替え用ウェットティシュー包装体であって、前記シートに、KES圧縮試験機によって50gf/cm2の荷重をかけた際の前記シートの厚みTmが、280μm以上550μm以下であることを特徴とするものである。
【0017】
(3)本発明の第3の態様は、(1)に記載の詰め替え用ウェットティシュー包装体であって、前記シートのタブ強度が200gf/シート幅以上700gf/シート幅以下であることを特徴とするものである。
【0018】
(4)本発明の第4の態様は、(1)に記載の詰め替え用ウェットティシュー包装体であって、前記シートにおける、1枚ごとの前記薬液の含浸倍率の、平均値に対する最小値の比率は、70%以上であることを特徴とするものである。
【0019】
(5)本発明の第5の態様は、(1)に記載の詰め替え用ウェットティシュー包装体であって、前記シートにおける、前記薬液の含浸倍率が200%以上350%以下であることを特徴とするものである。
【0020】
(6)本発明の第6の態様は、(1)に記載の詰め替え用ウェットティシュー包装体であって、前記ロール体を前記包装袋から取り出し、容器本体と、容器本体の開口部を閉塞するように着脱自在に取り付けられる蓋体とを備えた収納容器に前記ロール体を収納したとき、前記蓋体に備えられる取り出し口から前記シートを引き出すときの取り出し抵抗が、1.5N以上6.0N以下であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、シートが厚手で拭き取り性に優れ、中身のロール体をボトルタイプの収納容器に詰め替えたとき、使い初めから使い終わりまでシートの取り出し性に優れる、詰め替え用ウェットティシュー包装体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施形態に係る詰め替え用ウェットティシュー包装体の全体を示す斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るウェットティシューロール体の全体を示す斜視図である。
【
図3】ウェットティシューロール体の圧縮されていない状態と圧縮された状態のそれぞれの撮影画像を示す図である。
【
図4】包装袋のフィルムのピッチの測定方法を説明する図である。
【
図5】ロール体を詰め替えたウェットティシューの収納容器の全体を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
【0024】
<詰め替え用ウェットティシュー包装体>
本発明の一実施形態に係る詰め替え用ウェットティシュー包装体1(以下、単に包装体1とも称する)は、
図1及び
図2に示すように、不織布のシート10x(以下、ウェットティシュー10xとも称する)を巻き取って薬液を含浸させた、ウェットティシューロール体10(以下、単にロール体10とも称する)と、ロール体10をフィルム21で包装する包装袋20とを含むものである。
【0025】
(ロール体)
本発明の一実施形態に係るウェットティシューロール体10は、
図2に示すように、不織布のシート10xを巻き取って薬液を含浸させたものである。
なお、
図2に示すように、シート10xの表面のうち、ロール外側に指向した表面を表面10a(シート10xの表面)と称し、ロール中心部に指向した表面を裏面10b(シート10xの裏面)と称する。また、シート10xの端部をロール体10の最外周の端縁10eと称する。
【0026】
シート10xは、流れ方向における略等間隔において、幅方向にミシン目10cを施されており、ミシン目10cの間を1枚のシート10xとする。なお、シート10xは1プライ又は2プライであることが好ましく、1プライであることがより好ましい。
1枚のシート10xにおけるシート長は、下限値は好ましくは150mm以上であり、より好ましくは180mm以上であり、更に好ましくは200mm以上である。また、上限値は好ましくは300mm以下であり、より好ましくは280mm以下であり、更に好ましくは260mm以下である。
また、1枚のシート10xにおけるシート幅は特に限定されないが、下限値は好ましくは100mm以上であり、より好ましくは120mm以上であり、更に好ましくは130mm以上である。また、上限値は好ましくは180mm以下であり、より好ましくは160mm以下であり、更に好ましくは150mm以下である。シート幅が上記の数値範囲内であることにより、ミシン目10cの強度を調整しやすい。
【0027】
さらに、ウェットティシューロール体10の周長は、下限値は好ましくは110mm以上であり、より好ましくは150mm以上であり、更に好ましくは200mm以上である。また、上限値は好ましくは375mm以下であり、より好ましくは340mm以下であり、更に好ましくは300mm以下である。
【0028】
ロール体10の周長は、ムラテックKDS株式会社製ダイヤメータールールを用いて測定する。測定は、10個のロール体10を測定し、測定結果を平均して算出する。
シート10xのシート長は、JIS規格の30cm定規(例えば、シンワ測定株式会社製の直尺シルバー、材質ステンレス)を用い、1個のロール体10の巻き終わりから5枚分を測定する。そして、10個のロール体10について測定し、測定結果を平均して算出する。
【0029】
そして、ロール体10の高さHは、下限値は好ましくは100mm以上であり、より好ましくは120mm以上であり、更に好ましくは130mm以上である。また、上限値は好ましくは180mm以下であり、より好ましくは160mm以下であり、更に好ましくは150mm以下である。
加えて、ロール体10の理論直径DRは、下限値は好ましくは35mm以上であり、より好ましくは48mm以上であり、更に好ましくは64mm以上である。また、上限値は好ましくは119mm以下であり、より好ましくは108mm以下であり、更に好ましくは96mm以下である。理論直径DRが上記の数値範囲内であることにより、後述するシート10xにおける薬液の含浸の均一性が適正になりやすい。
【0030】
ロール体10の高さHは、ロール体10の天面部にJIS規格の30cmの定規(例えば、シンワ測定株式会社製の直尺シルバー、材質ステンレス)を置いて、地面からの距離を周長方向で4点測定して平均する。ロール体10の天面が水平でない場合は、最も高い部分を計測する。そして、10個のロール体10について測定し、測定結果を平均して算出する。
また、ロール体10の理論直径DRは、ロール体10は薬液の含浸等により変形しているため、直径の実測はできないので、上述したロール体10の周長を3.14で除した値を理論直径とする。
【0031】
なお、ミシン目10cはカット部と非カット部から形成され、カット部の長さは、下限値は好ましくは8mm以上であり、より好ましくは10mm以上であり、更に好ましくは15mm以上である。また、上限値は好ましくは25mm以下であり、より好ましくは22mm以下であり、更に好ましくは20mm以下である。非カット部の長さは、下限値は好ましくは0.1mm以上であり、より好ましくは0.2mm以上であり、更に好ましくは0.3mm以上である。また、上限値は好ましくは0.8mm以下であり、より好ましくは0.6mm以下であり、更に好ましくは0.4mm以下である。
また、ミシン目10cにおいて、ボンド率(非カット部の長さ÷(カット部の長さ+非カット部の長さ))は、下限値は好ましくは1%以上であり、より好ましくは1.3%以上であり、更に好ましくは1.5%以上である。また、上限値は好ましくは3%以下であり、より好ましくは2.5%以下であり、更に好ましくは2.3%以下である。
また、1枚のシート10x(1つのミシン目10c)当たりの非カット部の数は、下限値は好ましくは5箇所以上であり、より好ましくは6箇所以上であり、更に好ましくは7箇所以上である。また、上限値は好ましくは15箇所以下であり、より好ましくは13箇所以下であり、更に好ましくは11箇所以下である。
【0032】
(包装袋)
包装袋20は
図1に示すように、ロール体10をフィルム21でフィルム包装したものであり、詰め替えまでにロール体10に含浸した薬液が乾燥しないようにするためのものである。包装形態は特に限定されないが、フィルム21を筒状に加工した後、内部にロール体10を収容し、両端をシールしてシール部22を形成するものであることが好ましい(一方のシール部22は、包装体1の底面側にあるため図示しない)。具体的な包装形態としては、例えば、ピロー包装(縦型ピロー包装、横型ピロー包装、スティックピロー包装、平袋ピロー包装等)、ガゼット包装等が挙げられる。これらの中でも、ガゼット包装が好ましい。
フィルム21の構成や材質は特に限定されないが、フィルム21の構成としては、例えば、バリア性を有する基材フィルムと、シール性を有するシールフィルムとを含む積層フィルムを用いることができる。バリア性を有する基材フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、2軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム、アルミ蒸着フィルム、透明蒸着フィルム等が挙げられる。そして、シールフィルムとしては、例えば、リニア低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、無延伸ポリプロピレン(CPP)等が挙げられる。
さらに、耐傷性及び美粧性の観点から、最外層にコーティングフィルム(PETフィルム、OPPフィルム等)が更に積層された積層フィルムとしてもよい。
【0033】
包装袋20の内周長は、下限値は好ましくは150mm以上であり、より好ましくは210mm以上であり、更に好ましくは280mm以上である。また、上限値は好ましくは400mm以下であり、より好ましくは360mm以下であり、更に好ましくは300mm以下である。
包装袋20の内周長は、JIS規格の60cm定規(例えば、シンワ測定株式会社製の直尺シルバー、材質ステンレス)を用い、包装袋20のフィルム21を切り出した状態で測定する。そして、10個の包装袋20の内周長を測定し、測定結果を平均して算出する。
【0034】
また、包装袋20の内周長に対する、ロール体10の周長の比率は70%以上95%以下である。比率が70%未満であると、ロール体10が包装袋20の内部で動いてしまい、ロール体10が変形しやすくなって、取り出し性に劣る。比率が95%を超えると、ロール体10が圧縮されて中心部でシート10x同士が貼り付き、貼り付きにより摩擦抵抗が高くなってシート10xを引き出している最中にミシン目10cが意図せずに切れてしまい、取り出し口に次のシート10xが保持できずに、後述する収納容器30の中へ落ちてしまう。
【0035】
ロール体10が圧縮されることの不具合を、
図3を参照してより詳細に説明する。
図3(a)に示すように、ロール体10が圧縮されていない状態では、芯が潰れておらず中心部に空洞があり、中心部からシート10xを引き上げる際、ミシン目10cが切れることなく引き出すことができる。そのため、取り出し口に挿入されて生じた摩擦抵抗とミシン目10cの強度のバランスが保たれ、シート10xがミシン目10cで切れたときには、次のシート10xが正しく取り出し口に保持される。
一方で、
図3(b)に示すように、ロール体10が圧縮された状態では、芯が潰れているため中心部に空洞がなく、中心部からシート10xを引き上げる際に周囲のシート10xとの摩擦抵抗が生じ、シート10xを引き上げている途中で意図せずにミシン目10cで切れてしまう。そして、次のシート10xが取り出し口に挿入される前にミシン目10cが切れてしまうと、次のシート10xが取り出し口にセットされない。
なお、包装袋20の内周長に対する、ロール体10の周長の比率は74%以上91%以下であることが好ましく、79%以上87%以下であることがより好ましい。
【0036】
さらに、包装袋20のフィルム21のピッチFPは、下限値は好ましくは140mm以上であり、より好ましくは160mm以上であり、更に好ましくは180mm以上である。また、上限値は好ましくは250mm以下であり、より好ましくは240mm以下であり、更に好ましくは230mm以下である。
フィルム21のピッチFPとは、
図4に示すシール部22の間のフィルム21の長さである。具体的には、
図4(a)に示す包装体1の断面図において、ロール体10を包装袋20がフィルム21によって覆っており、ロール体10の上下にシール部22が存在する。そして、
図4(b)に示すように、ロール体10を除いて包装袋20を畳んだときに、上下のシール部22の間のフィルム21の長さを、フィルム21のピッチFPとする。フィルム21のピッチFPは10個の包装袋20においてフィルム21のピッチを測定し、測定結果を平均して算出する。
【0037】
そして、包装袋20のフィルム21のピッチFPに対する、ロール体10の高さHと理論直径DRの和の比率(H+DR/FP)が85%以上115%以下である。比率が85%未満であると、ロール体10が包装袋20の内部で動いてしまい、ロール体10が変形しやすくなって、取り出し性に劣る。比率115%を超えると、ロール体10が圧縮されて中心部でシート10x同士が貼り付き、貼り付きにより摩擦抵抗が高くなってシート10xを引き出している最中にミシン目10cが意図せずに切れてしまい、取り出し口に次のシート10xが保持できずに、後述する収納容器30の中へ落ちてしまう。
なお、包装袋20のフィルム21のピッチFPに対する、ロール体10の高さHと理論直径DRの和の比率(H+DR/FP)は90%以上112%以下であることが好ましく、95%以上108%以下であることがより好ましい。
【0038】
(シートの材質)
シート10xに用いる不織布は、一般的な合成繊維及びパルプ繊維ウェブを混載したものでもよいし、合成繊維の上にパルプ繊維ウェブを積層した上で、水流交絡して一体化したものでもよい。
合成繊維としては、例えばナイロン、ビニロン、ポリエステル、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリスチレンからなる群から選択された1種類以上の合成繊維を含むことが好ましい。
【0039】
パルプ繊維は、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)等、一般的なパルプ繊維(木材パルプ)を用いることができる。その中でも、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)及び広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)を含むことが好ましい。また、パルプ繊維におけるNBKPとLBKPの含有割合は50:50以上100:0以下が好ましく、70:30以上100:0以下がより好ましく、90:10以上100:0以下が更に好ましく、100:0が最も好ましい。
NBKPとしては、例えばラジアータパイン、スラッシュパイン、サザンパイン、ロッジポールパイン、スプルース及びダグラスファーからなる繊維が好ましい。なお、NBKPの代わりにNUKP、LBKPの代わりにLUKPを用いることもできる。
また、その他レーヨン、リヨセル、コットン等、紙製品に用いられる繊維を特に制限なく用いることができる。
【0040】
(シートの物性)
シート10xの絶乾状態における坪量は40g/m2以上65g/m2以下である。坪量が40g/m2未満であるとシート10xが薄すぎて拭き取りにくい。坪量が65g/m2を超えるとシート10xが厚すぎて、後述する取り出し抵抗が大きくなって取り出し性に劣る。
なお、シート10xの絶乾状態における坪量は45g/m2以上60g/m2以下であることが好ましく、50g/m2以上55g/m2以下であることがより好ましい。
シート10xの絶乾状態における坪量は、JIS P 8124に準拠して測定する。
【0041】
そして、シート10xに、KES圧縮試験機によって50gf/cm2の荷重をかけた際のシート10xの厚みTmが280μm以上550μm以下であることが好ましい。Tmが280μm未満であるとシート10xが薄すぎて拭き取りにくい。Tmが550μmを超えるとシート10xが厚すぎて、後述する取り出し抵抗が大きくなって取り出し性に劣る。
なお、Tmは300μm以上500μm以下であることがより好ましく、350μm以上450μm以下であることが更に好ましい。
【0042】
シートの10xの厚みTmは、KES-G5圧縮試験機(カトーテック株式会社製)を用いて測定する。
2cm2の加圧板と受圧板の間に、薬液を含浸させたシート10xを140mm×200mmの大きさにカットしたサンプルを設置し、0.0020cm/secの速さで加圧板を下降させ、その際に変化する圧力と、その時のサンプルの厚みを測定する。なお、シート10xのシート長及び/又はシート幅が140mm×200mmの大きさに満たないときは、該当するシート長及び/又はシート幅をカットせずにそのままサンプルとして用いる。厚みTmは圧力が50gf/cm2におけるサンプルの厚み(μm)であり、厚みTmの値は、10回の測定を行った平均値として算出した値である。
シート10xにおける厚みTmは後述する不織布の製造時における水流交絡の圧力、ワイヤーパターン、組成等、既知の方法で調整することができる。
【0043】
(薬液)
シート10xに含浸させる薬液は、通常ウェットティシューに用いられるアルコール、保湿剤、防腐剤、抗菌剤、安定化剤等を配合すればよいが、ロール体10におけるシート10x同士の貼り付きを抑制するため、アルコールを含有することが好ましい。
なお、シート10xから含浸した薬液を圧搾したとき、搾り液のアルコール濃度が5重量%以上であることが好ましい。搾り液のアルコール濃度が5重量%未満であると、ロール体10においてシート10x同士が貼り付き、後述する収納容器30に詰め替えて最初の数枚を取り出すときに、シート10xが取り出し口から落ちてしまう。
搾り液のアルコール濃度は10重量%以上であることがより好ましく、15重量%以上であることが更に好ましい。搾り液のアルコール濃度の測定は、薬液を含浸したシート10x(ウェットティシュー10x)を圧搾した搾り液を用いて実施する。アルコール濃度は既知の方法(例えば、日本薬局方のアルコール数測定法:第2法ガスクロマトグラフ法など)で測定することができる。
【0044】
このとき、シート10xへの薬液の含浸倍率は200%以上350%以下であることが好ましい。含浸倍率が200%未満であると、薬液がシート10x全体に均一に拡散せず、結果として薬液が薄い部分のミシン目10cの強度が高くなって、シート10xが連続して出てきてしまう。含浸倍率が350%を超えるとロール体10においてシート10x同士が貼りつき、最初の数枚を取り出すときにシート10xが取り出し口から落ちてしまう。
【0045】
なお、含浸倍率は220%以上330%以下であることが好ましく、250%以上310%以下であることがより好ましい。
含浸倍率の測定方法は、まずシート10xの面積及び重量を測定し、その後、シート10xをアルコール溶液で洗浄し、絶乾させる。絶乾後、23℃、50%RH環境下で調湿し、シート10xの重量を測定する。そして、シート10x1gに対して含浸された薬液の重量を百分率で求め、含浸倍率とする。
【0046】
また、シート10xにおける、薬液の含浸の均一性(1枚ごとの含浸倍率の相対標準偏差)は、20%以下である。均一性が20%を超えると、特定のシート10xで含浸倍率が高すぎることにより、取り出し口との摩擦抵抗が小さくなってシート10xが連続して出てしまう。また、逆に含浸倍率が低すぎるシート10xでは、不織布であるシート10xは紙と同様に水が繊維間に介在することで、繊維間結合が弱まってミシン目10cの強度が低下するが、ミシン目10cのつなぎの部分が十分濡れていないとミシン目10cの強度が高くなって、シート10xが連続して出てしまう。
なお、薬液の含浸の均一性は18%以下であることが好ましく、15%以下であることがより好ましい。
【0047】
シート10xにおける薬液の含浸の均一性は、シート10xの1枚ごとの含浸倍率の相対標準偏差を算出することにより求められる。
なお、シート10xにおける薬液の含浸の均一性は、ロール体10と包装袋20の寸法を適正化することや、含浸液の充填方法(回数、流量、ノズルの形状、含浸倍率等)で調整することができる。薬液の含浸の均一性は、1つのロール体10における全てのシート10xの含浸倍率を上述した方法で測定後、それらの値の相対標準偏差を算出する。
【0048】
上記の含浸の均一性に関連して、シート10xにおける、1枚ごとの薬液の含浸倍率の、平均値に対する最小値の比率は、70%以上であることが好ましい。比率が70%未満であると、薬液が全てのシート10xに均一に拡散せず、結果として薬液の含浸量が少ないシート10xのミシン目10cの強度が高くなって、シート10xが連続して出てきてしまう。
なお、平均値に対する最小値の比率は75%以上であることがより好ましく、80%以上であることが更に好ましい。平均値に対する最小値の比率は、1つのロール体10における全てのシート10xの含浸倍率を上述した方法で測定後、最小の含浸倍率を平均の含浸倍率で除することで求められる。
【0049】
さらに、シート10xのタブ強度は200gf/シート幅以上700gf/シート幅以下であることが好ましい。タブ強度が200gf/シート幅未満であると、取り出し口に最初のシート10xが保持できずに、後述する収納容器30の中へ落ちてしまう。タブ強度が700gf/シート幅を超えると、強度が強すぎてミシン目10cで切れずにシート10xが連続して出てきてしまう。
なお、タブ強度は350gf/シート幅以上650gf/シート幅以下がより好ましく、400gf/シート幅以上600gf/シート幅以下が更に好ましい。このとき、タブ強度とはミシン目10cを含むシート10xの強度である。
【0050】
タブ強度の測定方法としては、まずミシン目10cが引張試験機のチャック間に位置するようにしてシート10xをセットし、JIS P 8113に基づく湿潤時におけるMD方向の引張強度WMDT(Wet Machine Direction Tensile Strength)を測定する。このとき、つかみ幅:100mm、伸張速度:300±5mm/minの条件で測定し、10回の平均値を最終的なタブ強度とする。シート幅がつかみ具に対して大きい場合、つかみ具の幅に合わせて数回折りこんで測定する。
なお、シート10xにおけるMD方向とは、シート10xの製造時におけるロール体10の巻き出し方向(Machine Direction)であり、CD方向はMD方向に直交する方向(Cross Direction)である。タブ強度はミシン刃のパターン、不織布の強度によって調整することができる。
【0051】
<ウェットティシュー収納容器>
本発明の一実施形態に係る包装体1において、包装袋20から取り出したロール体10は、
図5に示す、上端部に開口部を有し、ロール体10を収納する容器本体31と、容器本体31の開口部を閉塞するように着脱自在に取り付けられる蓋体32とを備えたウェットティシュー収納容器30(以下、単に収納容器30とも称する)に収納する(詰め替える)ことで使用することができる。
【0052】
(容器本体)
ウェットティシュー収納容器30の容器本体31は、ロール体10を収納できる大きさであれば、形状は特に限定されないが、持ち運びのしやすさの観点から、
図5に示すように、高さ方向の中央部に、上端部及び下端部のそれぞれから連続的に直径が小さくなるくびれ部が形成されている(いわゆるウェストシェイプ形状である)ことが好ましい。
【0053】
(蓋体)
収納容器30の蓋体32において、取り出し口の材質や形状は限定されないが、例えば
図5に示すように、貫通孔322と、貫通孔322を開閉自在に覆う小蓋321と、を備えていてもよい。
また、蓋体32は、貫通孔322を閉塞するように取り付けられ、シート10xを引き出す取り出し口であり、大きさの異なる3つの丸孔323と、丸孔323同士を連通するスリット孔324とを含む引き出し孔325を有した、エラストマーからなる中栓326を備えることが好ましい。中栓326を備えることで、取り出し時にシート10xのミシン目10cを切り取りやすくなり、取り出し性が適正化しやすい。なお、中心の丸孔323の直径φは3mm程度であることが好ましい。
【0054】
このとき、蓋体32に備えられる取り出し口(引き出し孔325)からシート10xを引き出すときの取り出し抵抗は1.5N以上6.0N以下であることが好ましい。取り出し抵抗が1.5N未満であると、抵抗が弱すぎてミシン目10cで切れずにシート10xが連続して出てきてしまう。取り出し抵抗が6.0Nを超えると、抵抗が強すぎてシート10xが取り出しにくい(取り出し性に劣る)。
なお、シート10xを引き出すときの取り出し抵抗は1.7N以上5.5N以下であることがより好ましく、2.0N以上5.0N以下であることが更に好ましい。
取り出し抵抗は、JIS P 8113の引張試験方法に準じて、引張試験機(STB-1225S、株式会社エー・アンド・デイ製)を使用して測定することができ、JISP 8111に規定された標準条件下で行う。まず、シート10xを取り出し口(引き出し孔325)から10mm程度飛び出るようにセットし、手で引き抜く。その後、次のシート10xが20mm程度飛び出る等に手でセットする(引き出す)。
【0055】
次に、シート10xをつかみ具(幅75mm)に流れ方向で20mm挟んで固定し、収納容器30が動かないように手で押さえる。そして、引張速度を100mm/minの条件で引張り、測定データを採取する。データは16.7μmおきに取得し、測定開始後の距離40mmから150mmまで(測定長110mm)のデータを平均して、これを取り出し抵抗(N)とする。ただし、測定開始後の距離40mmから150mmまでにミシン目10cを含んでしまう場合は、測定開始後の距離を40mmから例えば90mm(測定長50mm)のように、ミシン目10cを含まない範囲で短くすることができる。
測定は各サンプルに対し、5回実施し、平均値を取り出し抵抗値とする。なお、シート10xが途中で切れたり、収納容器30の内部でのシート10xの捻じれ等で引き抜けなかったりした場合は、測定データから除去する。
【0056】
(詰め替え用ウェットティシュー包装体の製造方法)
本実施形態に係る詰め替え用ウェットティシュー包装体1の製造方法としては、通常のウェットティシュー包装体等と同様の工程で製造することができる。具体的には、まずウェットティシューロール体10の製造方法として、(1)不織布の製造、(2)スリット及びミシン目加工、(3)ロール巻き取り加工及び薬液含浸、といった工程によって、ウェットティシューロール体10を得ることができる。このとき、薬液含浸のタイミングはロール巻き取り加工の後であることが好ましい。
【0057】
なお、シート10xを上述した水流交絡によって一体化する場合は、従来知られている合成繊維とパルプ繊維ウェブの水流交絡技術を用いてよく、そのような技術は、例えば特許第6758116号公報に詳細に記載されている。
その後、ウェットティシューロール体10をフィルム21で包装し、シール部22を形成することで、包装袋20に包装されたロール体10である、詰め替え用ウェットティシュー包装体1となる。なお、包装形態はガセット包装であることが好ましく、シール部22はヒートシールによって形成することが好ましい。
また、ロール体10に含まれるシート10xの枚数は特に限定されないが、50枚以上130枚以下であることが好ましく、55枚以上120枚以下であることが好ましく、60枚以上100枚以下であることがより好ましい。
【0058】
以上説明したとおり、本実施形態によれば、シートが厚手で拭き取り性に優れ、中身のロール体をボトルタイプの収納容器に詰め替えたとき、使い初めから使い終わりまでシートの取り出し性に優れる、詰め替え用ウェットティシュー包装体を提供することができる。
【実施例0059】
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。
【0060】
表1~表3に示す各条件において、実施例1~27及び比較例1~13のそれぞれの、詰め替え用ウェットティシュー包装体を作製し、以下の評価を行った。なお、詰め替えるための収納容器はいずれも同じものを用いた。
【0061】
1.シートの拭き取り性
モニター30名により、詰め替え用ウェットティシュー包装体から収納容器に詰め替えたウェットティシュー(シート)を1枚取り出して使用したときの、シートの拭き取り性を4段階で評価した。評価は、シートが厚く、拭き取り性に優れるものを◎、厚さが一般的なウェットティシューと同程度であり、拭き取り性が実用上問題ないものを○、少し薄くて拭き取り時に破れることがあり、拭き取り性に少し劣るものを△、薄くて拭き取り時に破れやすく、実用に耐えないものを×とし、一番人数が多かったものを最終的な評価とした。
【0062】
2.シートの取り出しやすさ
モニター30名により、ウェットティシューの収納容器から1枚ウェットティシュー(シート)を取り出したときにおける、シートの取り出しやすさ(引き抜く際に要する力が適切であるか)を4段階で評価した。評価は、あまり力をかけなくても取り出すことができ、取り出しやすいものを◎、適度な力で取り出すことができ、実用上問題ないものを○、取り出すのにやや強い力をかけないといけないものを△、取り出すのに強い力をかけないといけず、実用に耐えないものを×とし、一番人数が多かったものを最終的な評価とした。
【0063】
3.シート1枚ずつの取り出し性
モニター30名により、ウェットティシューの収納容器から1枚ウェットティシュー(シート)を取り出したときにおける、シートの1枚ずつの取り出し性(1枚だけを意図して取り出すことができるか)を4段階で評価した。評価は、確実に1枚ずつシートを取り出すことができ、1枚ずつの取り出し性に優れるものを◎、概ねシートを1枚ずつ取り出すことができ、実用上問題ないものを○、シートがミシン目で切れずに続けて引き出されることが稀にあり、やや取り出しにくいものを△、シートがミシン目で切れずに続けて引き出されることが多く、実用に耐えないものを×とし、一番人数が多かったものを最終的な評価とした。
【0064】
4.取り出し口への次のシートの保持性
モニター30名により、ウェットティシューの収納容器から1枚ウェットティシュー(シート)を取り出したときにおける、取り出し口への次のシートの保持性(次のシートが取り出し口に留まっているか)を4段階で評価した。評価は、次のシートが確実に取り出し口に留まっており、保持性に優れるものを◎、次のシートが概ね取り出し口に留まっており、実用上問題ないものを○、次のシートが取り出し口に留まらず容器内に落ちることが稀にあり、保持性にやや劣るものを△、次のシートが取り出し口に留まらず容器内に落ちることが多く、実用に耐えないものを×とし、一番人数が多かったものを最終的な評価とした。
【0065】
表1及び2に、各実施例の条件及び評価結果を示し、表3に、各比較例の条件及び評価結果を示す。
【表1】
【0066】
【0067】
【0068】
以上より、本実施例によればシートが厚手で拭き取り性に優れ、中身のロール体をボトルタイプの収納容器に詰め替えたとき、使い初めから使い終わりまでシートの取り出し性に優れる、詰め替え用ウェットティシュー包装体が得られることが確認された。