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  • 特開-吸入用容器 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129661
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】吸入用容器
(51)【国際特許分類】
   A61M 15/00 20060101AFI20240919BHJP
   B65D 3/02 20060101ALI20240919BHJP
【FI】
A61M15/00 Z
B65D3/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039002
(22)【出願日】2023-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】521011271
【氏名又は名称】アルテサーノ・デザイン合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001391
【氏名又は名称】弁理士法人レガート知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 晃永
(57)【要約】
【課題】この発明は、携帯可能で、かつ簡易な構造で、場所を選ばずに水素その他の気体を吸入することのできる、吸入用容器を得ようとするものである。
【解決手段】この発明の吸入用容器は、一端が開口し、内面は耐水性を備えた縦長の掌で握ることのできる大きさの、紙又はプラスチック製の容器であって、上端に縦長の開口部13を有し、その正面側において開口縁の左右にそれぞれ外側に屈曲される独立した第一の突片10を備え、背面側において開口縁の上方に延びる第二の突片11を備えたものとして構成する。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端が開口し、内面は耐水性を備えた縦長の掌で握ることのできる大きさの、紙又はプラスチック製の容器であって、上端に縦長の開口部を有し、その正面側において開口縁の左右にそれぞれ外側に屈曲される独立した第一の突片を備え、背面側において開口縁の上方に延びる第二の突片を備えた、吸入用容器。
【請求項2】
開口部は、正面側から背面側に向けて上向き傾斜とした、請求項1に記載の吸入用容器。
【請求項3】
開口部は、正面側において平面視V字状とした、請求項1又は2に記載の吸入用容器。
【請求項4】
容器は、略逆台形のシートを左右幅の中央線で山折りして第一面と第二面とし、第一面と第二面の側縁部及び下方縁部を接合し、前記第一面と第二面それぞれを各左右幅の中央に山折り線を設けて山折りして、各面の前記シートの左右幅の中央線に接する面を正面側面、側縁側の面を背面側面とし、前記正面側面の上縁部に各別に第一の突片を設け、前記背面側面に第二の突片が設けられた、請求項3に記載の吸入用容器。
【請求項5】
容器の正面側面には、正面側面と背面側面との山折り線上端から左右中央線に向けて山折り線を設けて山折りされ、前記山折り線の上方に谷折り線を設けて谷折りされた、請求項4に記載の吸入用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯可能で、場所を選ばずに水素その他の気体を吸入することのできる、吸入用容器に関するものである。以下においては水素の吸入に使用する場面を中心に説明するが、水素以外の気体(例えばアロマ、CBD(カンナビジオール)、吸入薬)の吸入にも使用できるものである。
【背景技術】
【0002】
水素吸入には、抗がん剤・放射線治療による副作用の軽減効果、エイジングケア効果、体内の臓器の老化、肌の老化を防止効果、疲労回復効果、集中力や判断力の向上にも効果があるとされている。
しかしながら、水素吸入を行うためには大がかりな装置が必要であり、一般的には、医療施設などで行なわれている。
【0003】
携帯可能な装置としては、特開2013-146373号の発明が提案されている。この発明は、密閉容器に外気導入部を形成して逆流防止弁を設け、その逆流防止弁の下部に外気導入管と、その外気導入管の先端に気泡生成ノズルを設けると共に、密閉容器の空間部に水素ガス排出孔を形成し、その排出孔の上部に吸入開閉弁を設け排出経路として、その吸入開閉弁より先端部に吸入具を具備した構成としたものである。
この装置は、密閉容器としてガラス容器などが想定されており、容易に携帯できるものではない。
【特許文献1】特開2013-146373号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は、携帯可能で、かつ簡易な構造で、場所を選ばずに水素その他の気体を吸入することのできる、吸入用容器を得ようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明の吸入用容器は、一端が開口し、内面は耐水性を備えた縦長の掌で握ることのできる大きさの、紙又はプラスチック製の容器であって、上端に縦長の開口部を有し、その正面側において開口縁の左右にそれぞれ外側に屈曲される独立した第一の突片を備え、背面側において開口縁の上方に延びる第二の突片を備えたものとして構成する。
【0006】
この吸入用容器は、水素発生剤を収納して水を注入することによって水素を発生し、開口部を鼻にあてがって水素を吸入するものである。請求項並びに以下の説明において、使用時に使用者側に位置する部分を正面側と表現する。
この容器は、掌で握って使用するものであり、素材は紙又はプラスチックとし、紙の場合は内面にPPなどで耐水処理を施す。
前記第一の突片は、外側に屈曲されるものであるから、二つの面に独立して形成される必要があるが、第二の突片は屈曲の必要はないので、一つの突片とすることができるが、第二の突片も二つの突片を独立して設けて屈曲できるようにしてもよい。
容器は正面側及び背面側において、平面視V字状をなす二つの面を備えるものとして、扁平に折りたためる構成とすることが好ましいが、折りたたむことのできない態様であってもよい。
【0007】
開口部は、正面側から背面側に向けて上向き傾斜とすることが好ましい(請求項2)。この態様により、使用時に容器を垂直に近い状態で保持することができる。
【0008】
請求項4及び5は、この発明の具体的な態様に関するものである。 請求項4の吸入用容器の構成は次の通りである。
略逆台形のシートを左右幅の中央線で山折りして第一面と第二面とし、第一面と第二面の側縁部及び下方縁部を接合する。前記第一面と第二面それぞれを各左右幅の中央に山折り線を設けて山折りして、各面の前記シートの左右幅の中央線に接する面を正面側面、側縁側の面を背面側面とする。前記正面側面の上縁部に各別に第一の突片を設け、前記背面側面に第二の突片が設けて吸入用容器を構成する。
シートの素材は紙又はプラスチックであり、紙の場合は裏面に耐水処理を施す。
【0009】
請求項5の吸入容器は、請求項4の構成に、容器の正面側面に、正面側面と背面側面との山折り線上端から左右中央線に向けて山折り線を設けて山折りし、前記山折り線の上方に谷折り線を設けて谷折りした構成を追加したものである。
【発明の効果】
【0010】
この吸入用容器は、水素を吸入する場合には、水素発生剤を収納して水を注入することによって水素を発生し、開口部を鼻にあてがって水素を吸入するものである。前記水素発生剤は、クエン酸、セルロース、マグネシウムを成分とした顆粒状のものを1回使用分を小袋に収納し、水も3ml程度を小袋に収納し、この発明の吸入用容器とセットにして保管する。
使用時には、吸入用容器に水素発生剤を入れ、水を注入して水素を発生させる。水素が発生したならば、吸入用容器を手に持ち、開口部を鼻にあてがって水素を吸入する。
この発明の吸入用容器は、シート製であるから軽量であり、吸入時に管などを使用する必要もないので、いつでも何処でも必要に応じて水素を吸入することができる。
【0011】
この発明の吸入用容器は、開口部の正面側に外側に屈曲される第一の突片を備え、背面側に第二の突片を備えている。そこで、使用時には第一の突片を鼻孔の下方にあてがい、第二の突片を鼻背部にあてがうことによって、水素等の気体の漏れを防止することができる。そして、開口部は、正面側から背面側に向けて上向き傾斜とすることによって、使用時に容器を垂直に近い状態で保持することができ、容器の保持が容易である。
【0012】
請求項3の発明においては、略逆台形のシートを左右幅の中央線で山折りして第一面と第二面とし、第一面と第二面の側縁部及び下方縁部を接合する構成であるから、保管時には容器を平面状に折りたたむことができ、保管、携帯に場所を要しない。
そして、前記第一面と第二面それぞれを各左右幅の中央に山折り線を設けてあるので、折りたたんだ状態において2本の山折り線を外側に開くことによって、使用時の状態に移行することができる。
【0013】
請求項4の発明においては、容器の正面側面と背面側面との山折り線上端から左右中央線に向けて山折り線を設け、この山折り線の上方に谷折り線を設け、それぞれの折り線に沿って山折り又は谷折りした構成により、正面側面の上部が内側にせり出すので、水素等の気体の流路を絞ることができ、水素その他の気体の漏れを防止することができる。また、この構成によって、開口部の傾斜角度を大きくすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】この発明実施例のシートの表面図
図2】同じく容器を折り畳んだ状態の斜視図
図3】同じく容器の斜視図
図4】同じく容器の使用状態の説明図
図5】異なる実施例の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1に示す紙製のシート1は、裏面にPP加工によって耐水処理が施してある。
シート1は略逆台形状であり、左右両側部に接着部2,2が、下部に接着部3,3が設けてある。
左右幅の中央線4は山折り線であり、中央線4の左方を第一面5、右方を第二面6とし、第一面5と第二面6とを中央線4で山折りし、前記接着部2,2,接着部3,3をそれぞれ接着して容器とする。
【0016】
前記第一面5と第二面6それぞれを各左右幅(前記接着部2を除いた幅)の中央に山折り線7を設けて山折りして、第一面5及び第二面6のシート1の中央線4に接する面5aと6aを正面側面8とし、第一面5及び第二面6のシート1の側縁側の面5bと6bを背面側面9とする。
前記正面側面8をなす第一面5aと第二面6aの上縁部に、各別に第一の突片10を設け、前記背面側面9をなす第一面5bと第二面6bの上縁部に第二の突片11が設けてある。前記第一の突片10の基端縁には谷折り線12が設けてある。この谷折り線12は、各突片10の第二の突片11との隣接部から前記中央線4に向けて下降傾斜しており、開口部13が正面側から背面側に向けて上向き傾斜となるようにしてある。
なお、二つの背面側面9に設けられた第二の突片11には前記接着部2が含まれているので、二つの背面側面に設けられた第二の突片11は一体化される。
【0017】
正面側面8には、正面側面8と背面側面9との間に設けられた左右の山折り線7の上端からシート1の中央線4の上下中央より若干上の位置に向けて山折り線14を設けて山折りし、前記山折り線14の上方に谷折り線15を設けて谷折りしてある。
【0018】
このように構成された吸引用容器は、扁平に折りたたまれた状態で、小袋に収納された水素発生剤及び水とセットにして保管される。
使用時には、折りたたまれた状態から第一面5及び第二面6の山折り線7を外側に開いて立体的にし、開口部13が得られる。次ぎに山折り線14,谷折り線15によって山折り、谷折りを行い、第一の突片10を谷折り線12によって外側に屈曲させる。
このように組み上げた状態で、水素発生剤を収納して水を注入する。
【0019】
水の注入により水素が発生するので、開口部13を鼻にあてがう。このとき、第一の突片10を鼻孔の下方にあてがい、第二の突片11を鼻背部にあてがうことによって、水素の漏れを防止することができる。
【0020】
図5は異なる実施例を示すものである。
開口部13を平面視縦長楕円状とし、底部は扁平としたプラスチック製容器16であって、開口部13は正面側から背面側に向けて上向き傾斜としてある。正面側には左右2枚の第一の突片10が、外側に屈曲可能に連設してあり、背面側には1枚の第二の突片11が連設してある。
【0021】
この実施例においても、底部を扁平としてあるので、プラスチックを軟質素材とすれば、扁平に押しつぶすことができる。
なお、容器を底部を含めて断面楕円形状として、硬質素材を用いて押しつぶすことのできないものとしても、この発明の範囲に含まれるものである。
【産業上の利用可能性】
【0022】
この発明の吸入用容器は、携帯可能で、かつ簡易な構造で、場所を選ばずに水素その他の気体を吸入することのできるものであって、産業上の利用可能性を有するものである。
【符号の説明】
【0023】
1 シート
2 接着部
3 接着部
4 中央線
5 第一面
6 第二面
7 山折り線
8 正面側面
9 背面側面
10 第一の突片
11 第二の突片
12 谷折り線
13 開口部
14 山折り線
15 谷折り線
16 プラスチック製容器
図1
図2
図3
図4
図5