(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129670
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】半導体装置およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H10B 43/27 20230101AFI20240919BHJP
H10B 41/50 20230101ALI20240919BHJP
H10B 41/70 20230101ALI20240919BHJP
H10B 41/27 20230101ALI20240919BHJP
H10B 43/50 20230101ALI20240919BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20240919BHJP
H01L 27/00 20060101ALI20240919BHJP
【FI】
H10B43/27
H10B41/50
H10B41/70
H10B41/27
H10B43/50
H01L29/78 371
H01L27/00 301C
H01L27/00 301B
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039019
(22)【出願日】2023-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100124372
【弁理士】
【氏名又は名称】山ノ井 傑
(72)【発明者】
【氏名】原 和志
(72)【発明者】
【氏名】韓 業飛
(72)【発明者】
【氏名】中塚 圭祐
(72)【発明者】
【氏名】坂田 晃一
【テーマコード(参考)】
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F083EP02
5F083EP18
5F083EP22
5F083EP32
5F083EP76
5F083ER21
5F083GA10
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5F083JA04
5F083JA05
5F083JA19
5F083JA37
5F083JA39
5F083JA40
5F083MA06
5F083MA16
5F083MA19
5F083PR03
5F083PR05
5F083PR40
5F083ZA01
5F101BA01
5F101BA46
5F101BB02
5F101BD16
5F101BD22
5F101BD30
5F101BD34
5F101BE07
5F101BH14
5F101BH15
(57)【要約】
【課題】半導体層上に好適な配線層を形成する。
【解決手段】一の実施形態によれば、半導体装置は、複数の電極層および複数の第1絶縁膜を第1方向に交互に含み、最上層が前記複数の第1絶縁膜のうちの1つである第2絶縁膜である積層膜を備える。前記装置はさらに、前記積層膜の側面に設けられた第3絶縁膜と、前記第3絶縁膜の側面に設けられた電荷蓄積層と、前記電荷蓄積層の側面に設けられた第4絶縁膜と、前記第4絶縁膜の側面に設けられた第1半導体層とを含み、前記積層膜内に設けられた柱状部を備える。前記装置はさらに、前記積層膜および前記柱状部上に設けられ、前記第1半導体層に電気的に接続され、1つ以上の層を含む金属層を備える。前記柱状部の上端は、前記第2絶縁膜の上面と下面との間の高さに設けられている。前記1つ以上の層のうちの最上位の層の下端は、前記第2絶縁膜の上面より低い位置に設けられている。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電極層および複数の第1絶縁膜を第1方向に交互に含み、最上層が前記複数の第1絶縁膜のうちの1つである第2絶縁膜である積層膜と、
前記積層膜の側面に設けられた第3絶縁膜と、前記第3絶縁膜の側面に設けられた電荷蓄積層と、前記電荷蓄積層の側面に設けられた第4絶縁膜と、前記第4絶縁膜の側面に設けられた第1半導体層とを含み、前記積層膜内に設けられた柱状部と、
前記積層膜および前記柱状部上に設けられ、前記第1半導体層に電気的に接続され、1つ以上の層を含む金属層とを備え、
前記柱状部の上端は、前記第2絶縁膜の上面と下面との間の高さに設けられており、
前記1つ以上の層のうちの最上位の層の下端は、前記第2絶縁膜の上面より低い位置に設けられている、
半導体装置。
【請求項2】
前記最上位の層の下端は、前記第2絶縁膜の下面より高い位置に設けられている、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記最上位の層は、前記金属層を含む配線層内の配線材層である、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記1つ以上の層はさらに、前記配線材層下に設けられたバリアメタル層を含む、請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1半導体層と前記金属層との間に設けられた第2半導体層をさらに備える、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記柱状部の上面は、前記第1方向に垂直な平面に対し傾斜している、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記金属層は、ソース線に含まれ、前記複数の電極層のうちの最上位の電極層は、ソース側選択線に含まれる、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記柱状部はさらに、前記第1半導体層の側面に設けられた第5絶縁膜を含む、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第1半導体層の上端は、前記第1半導体層、前記第5絶縁膜、および前記金属層が互いに接する三重点より高い位置に設けられている、請求項8に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記三重点より高い位置における前記第1半導体層の厚さは、前記三重点より低い位置における前記第1半導体層の厚さより薄い、請求項9に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記三重点より高い位置における前記第1半導体層の厚さは、前記三重点からの高さに応じて減少する、請求項10に記載の半導体装置。
【請求項12】
複数の第1層および複数の第1絶縁膜をZ方向に交互に含む積層膜を形成し、
前記積層膜の側面に設けられた第3絶縁膜と、前記第3絶縁膜の側面に設けられた電荷蓄積層と、前記電荷蓄積層の側面に設けられた第4絶縁膜と、前記第4絶縁膜の側面に設けられた第1半導体層とを含む柱状部を、前記積層膜内に形成し、
前記複数の第1層を複数の電極層に置換し、
前記積層膜および前記柱状部上に、前記第1半導体層に電気的に接続され、1つ以上の層を含む金属層を形成する、
ことを含み、
前記金属層を形成する際に、前記積層膜の最上層は、前記複数の第1絶縁膜のうちの1つである第2絶縁膜であり、
前記柱状部の上端は、前記第2絶縁膜の上面と下面との間の高さに設けられ、
前記1つ以上の層のうちの最上位の層の下端は、前記第2絶縁膜の上面より低い位置に設けられる、
半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記最上位の層の下端は、前記第2絶縁膜の下面より高い位置に設けられる、請求項12に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記積層膜は、第1基板上に形成され、
前記柱状部は、前記第1基板上の前記積層膜内に形成され、
前記第1基板は、前記積層膜および前記柱状部を挟むように第2基板と貼り合わされ、前記第2基板と貼り合わされた後に除去され、
前記金属層は、前記第1基板が除去された後に、前記積層膜および前記柱状部上に形成される、
請求項12に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項15】
前記第1基板上の前記積層膜内に第1開口部を形成することをさらに含み、
前記柱状部は、前記第1開口部内に形成される、請求項14に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項16】
前記第1開口部内の前記第1基板上に第2層を形成することをさらに含み、
前記柱状部は、前記第1開口部内で前記第2層上に形成される、請求項15に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項17】
前記第2層は、前記第1基板からのエピタキシャル成長により形成される、請求項16に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項18】
前記第2層は、前記第1基板が前記第2基板と貼り合わされた後に除去され、
前記配線層は、前記第1基板および前記第2層が除去された後に、前記積層膜および前記柱状部上に形成される、請求項16に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項19】
前記第2層は、前記積層膜内の前記柱状部上に第2開口部が形成されるように除去される、請求項18に記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
3次元半導体メモリのチャネル半導体層上に、ソース層などの配線層を形成する場合、配線層の形状が好適でない形状になる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2023-001592号公報
【特許文献2】特開2020-155485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体層上に好適な配線層を形成することが可能な半導体装置およびその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一の実施形態によれば、半導体装置は、複数の電極層および複数の第1絶縁膜を第1方向に交互に含み、最上層が前記複数の第1絶縁膜のうちの1つである第2絶縁膜である積層膜を備える。前記装置はさらに、前記積層膜の側面に設けられた第3絶縁膜と、前記第3絶縁膜の側面に設けられた電荷蓄積層と、前記電荷蓄積層の側面に設けられた第4絶縁膜と、前記第4絶縁膜の側面に設けられた第1半導体層とを含み、前記積層膜内に設けられた柱状部を備える。前記装置はさらに、前記積層膜および前記柱状部上に設けられ、前記第1半導体層に電気的に接続され、1つ以上の層を含む金属層を備える。前記柱状部の上端は、前記第2絶縁膜の上面と下面との間の高さに設けられている。前記1つ以上の層のうちの最上位の層の下端は、前記第2絶縁膜の上面より低い位置に設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態の半導体装置の構造を示す断面図である。
【
図2】第1実施形態の半導体装置の構造を示す拡大断面図である。
【
図3】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(1/4)である。
【
図4】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(2/4)である。
【
図5】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(3/4)である。
【
図6】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(4/4)である。
【
図7】第1実施形態の半導体装置の構造を示す断面図である。
【
図8】第1実施形態の比較例の半導体装置の構造を示す断面図である。
【
図9】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(1/4)である。
【
図10】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(2/4)である。
【
図11】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(3/4)である。
【
図12】第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(4/4)である。
【
図13】第1実施形態の比較例の半導体装置の製造方法を示す断面図(1/4)である。
【
図14】第1実施形態の比較例の半導体装置の製造方法を示す断面図(2/4)である。
【
図15】第1実施形態の比較例の半導体装置の製造方法を示す断面図(3/4)である。
【
図16】第1実施形態の比較例の半導体装置の製造方法を示す断面図(4/4)である。
【
図17】第1実施形態の半導体装置の構造を示す断面図である。
【
図18】第1実施形態の変形例の半導体装置の構造を示す断面図である。
【
図19】第2実施形態の半導体装置の構造を示す断面図である。
【
図20】第2実施形態の比較例の半導体装置の構造を示す断面図である。
【
図21】第2実施形態の比較例の半導体装置の製造方法を示す断面図(1/2)である。
【
図22】第2実施形態の比較例の半導体装置の製造方法を示す断面図(2/2)である。
【
図23】第2実施形態の比較例の半導体装置の製造方法を示す断面図(1/2)である。
【
図24】第2実施形態の比較例の半導体装置の製造方法を示す断面図(2/2)である。
【
図25】第2実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(1/2)である。
【
図26】第2実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図(2/2)である。
【
図27】第2実施形態の半導体装置の製造方法の詳細を示す断面図(1/3)である。
【
図28】第2実施形態の半導体装置の製造方法の詳細を示す断面図(2/3)である。
【
図29】第2実施形態の半導体装置の製造方法の詳細を示す断面図(3/3)である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
図1~
図29において、同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0008】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の半導体装置の構造を示す断面図である。
【0009】
本実施形態の半導体装置は、例えば3次元半導体メモリを備える。本実施形態の半導体装置は、後述するように、アレイチップ1を含むアレイウェハと、回路チップ2を含む回路ウェハとを貼り合わせることで製造される。
【0010】
アレイチップ1は、複数のメモリセルを含むメモリセルアレイ11と、メモリセルアレイ11下の層間絶縁膜12とを備える。層間絶縁膜12は例えば、SiO2膜(シリコン酸化膜)とその他の絶縁膜とを含む積層膜である。
【0011】
回路チップ2は、アレイチップ1下に設けられている。
図1は、アレイチップ1と回路チップ2との貼合面Sを示している。回路チップ2は、層間絶縁膜12下の層間絶縁膜13と、層間絶縁膜13下の基板14とを備える。層間絶縁膜13は例えば、SiO
2膜とその他の絶縁膜とを含む積層膜である。基板14は例えば、Si(シリコン)基板などの半導体基板である。基板14は、第2基板の例である。
【0012】
図1は、基板14の表面に平行でかつ互いに垂直なX方向およびY方向と、基板14の表面に垂直なZ方向とを示している。X方向、Y方向、およびZ方向は、互いに交差している。本明細書においては、+Z方向を上方向として取り扱い、-Z方向を下方向として取り扱う。-Z方向は、重力方向と一致していてもよいし、重力方向とは一致していなくてもよい。Z方向は、第1方向の例である。
【0013】
アレイチップ1は、メモリセルアレイ11内の複数の電極層として、複数のワード線WLと、ソース側選択線SGSと、ドレイン側選択線SGDとを備える。ソース側選択線SGSは、これらのワード線WLの上方に配置されており、ドレイン側選択線SGDは、これらのワード線WLの下方に配置されている。
図1は、メモリセルアレイ11内の階段構造部21と、階段構造部21内に設けられた複数の梁部22とを示している。各ワード線WLは、コンタクトプラグ23を介してワード配線層24と電気的に接続されている。上記の複数のワード線WL、ソース側選択線SGS、およびドレイン側選択線SGDを貫通する各柱状部CLは、ビアプラグ25を介してビット線BLと電気的に接続されており、かつ、ソース線SLと電気的に接続されている。ソース線SLは、ソース側選択線SGSの上方に設けられており、ビット線BLは、ドレイン側選択線SGDの下方に設けられている。ソース線SLのさらなる詳細については、後述する。
【0014】
なお、
図1では、最上位の電極層である1つの電極層のみが、ソース側選択線SGSとなっているが、最上位側にある複数の電極層が、ソース側選択線SGSとなっていてもよい。例えば、最上位側にある3つまたは4つの電極層が、ソース側選択線SGSとなっていてもよい。ソース側選択線SGSとなる電極層の数は、いくつでもよい。同様に、
図1では、最下位の電極層である1つの電極層のみが、ドレイン側選択線SGDとなっているが、最下位側にある複数の電極層が、ドレイン側選択線SGDとなっていてもよい。
【0015】
回路チップ2はさらに、複数のトランジスタ31と、複数のコンタクトプラグ32と、配線層33と、配線層34と、配線層35と、複数のビアプラグ36と、複数の金属パッド37とを備える。
【0016】
各トランジスタ31は、基板14上に順に設けられたゲート絶縁膜31aおよびゲート電極31bと、基板14内に設けられたソース領域およびドレイン領域(不図示)とを含む。各コンタクトプラグ32は、対応するトランジスタ31のゲート電極31b、ソース領域、またはドレイン領域上に設けられている。配線層33は、コンタクトプラグ32上に設けられており、複数の配線を含む。配線層34は、配線層33上に設けられており、複数の配線を含む。配線層35は、配線層34上に設けられており、複数の配線を含む。ビアプラグ36は、配線層35上に設けられている。金属パッド37は、ビアプラグ36上に設けられている。金属パッド37は例えば、Cu(銅)層を含む金属層である。回路チップ2は、アレイチップ1の動作を制御する回路として機能する。この回路は、トランジスタ31などにより構成されており、金属パッド37に電気的に接続されている。
【0017】
アレイチップ1はさらに、複数の金属パッド41と、複数のビアプラグ42と、配線層43と、配線層44と、複数のビアプラグ45と、複数のビアプラグ46と、金属パッド47と、パッシベーション絶縁膜48とを備える。
【0018】
金属パッド41は、金属パッド37上に設けられている。金属パッド41は例えば、Cu層を含む金属層である。上記の回路は、金属パッド41、37などを介してメモリセルアレイ11に電気的に接続されており、金属パッド41、37などを介してメモリセルアレイ11の動作を制御する。ビアプラグ42は、金属パッド41上に設けられている。配線層43は、ビアプラグ42上に設けられており、複数の配線を含む。配線層44は、配線層43上に設けられており、複数の配線を含む。上記のビット線BLは、配線層44に含まれている。ビアプラグ45は、配線層44上に設けられている。ビアプラグ46は、ビアプラグ45上に設けられている。
【0019】
金属パッド47は、ビアプラグ46および層間絶縁膜12上に設けられている。金属パッド47は例えば、Cu層を含む金属層であり、本実施形態の半導体装置の外部接続パッド(ボンディングパッド)として機能する。パッシベーション絶縁膜48は、金属パッド47および層間絶縁膜12上に設けられている。パッシベーション絶縁膜48は例えば、SiO2膜およびSiN膜(シリコン窒化膜)を含む積層膜であり、金属パッド46の上面を露出させる開口部Pを有している。金属パッド46は、開口部Pを介してボンディングワイヤ、はんだボール、金属バンプなどにより実装基板や他の装置に接続可能である。
【0020】
図2は、第1実施形態の半導体装置の構造を示す拡大断面図である。
【0021】
図2は、
図1に示すメモリセルアレイ11を示している。メモリセルアレイ11は、Z方向に交互に積層された複数の電極層51aおよび複数の絶縁膜51bを含む積層膜51を備える。各電極層51aは例えば、ワード線WL、ソース側選択線SGS、またはドレイン側選択線SGDとして機能する。
図2では、最上位の電極層51aがソース側選択線SGSとなっており、最下位の電極層51aがドレイン側選択線SGDとなっており、その他の電極層51aがワード線WLとなっている。各電極層51aは例えば、W(タングステン)層を含む金属層である。各絶縁膜51bは、例えばSiO
2膜である。各絶縁膜51bは、第1絶縁膜の例である。
【0022】
図2はさらに、
図1に示す複数の柱状部CLのうちの1つを示している。各柱状部CLは、積層膜51内に設けられ、Z方向に延びる柱状の形状を有する。各柱状部CLは、積層膜51の側面に設けられたブロック絶縁膜52と、ブロック絶縁膜52の側面に設けられた電荷蓄積層53と、電荷蓄積層53の側面に設けられたトンネル絶縁膜54と、トンネル絶縁膜54の側面に設けられたチャネル半導体層55と、チャネル半導体層55の側面に設けられたコア絶縁膜56とを含む。各柱状部CLは、ワード線WLと共にセルトランジスタ(メモリセル)を構成しており、ソース側選択線SGSと共にソース側選択トランジスタを構成しており、ドレイン側選択線SGDと共にドレイン側選択トランジスタを構成している。
【0023】
ブロック絶縁膜52は例えば、SiO2膜である。電荷蓄積層53は、3次元半導体メモリの信号電荷を蓄積することが可能である。電荷蓄積層53は例えば、SiN膜などの絶縁膜である。電荷蓄積層53は、ポリシリコン層などの半導体層でもよい。トンネル絶縁膜54は例えば、SiO2膜またはSiON膜(シリコン酸窒化膜)である。チャネル半導体層55は、3次元半導体メモリのチャネルとして機能する。チャネル半導体層55は例えば、ポリシリコン層である。コア絶縁膜56は例えば、SiO2膜である。ブロック絶縁膜52、トンネル絶縁膜54、およびコア絶縁膜56はそれぞれ、第3、第4、および第5絶縁膜の例である。チャネル半導体層55は、第1半導体層の例である。
【0024】
図3~
図6は、第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【0025】
図3は、複数のアレイチップ1を含むアレイウェハW1と、複数の回路チップ2を含む回路ウェハW2とを示している。
図3のアレイウェハW1の向きは、
図1のアレイチップ1の向きとは逆になっている。本実施形態では、アレイウェハW1と回路ウェハW2とを貼り合わせることで半導体装置を製造する。
図3は、貼合のために向きを反転される前のアレイウェハW1を示しており、
図1は、貼合のために向きを反転されて貼合およびダイシングされた後のアレイチップ1を示している。
【0026】
図3はさらに、アレイウェハW1の上面S1と、回路ウェハW2の上面S2とを示している。アレイウェハW1は、メモリセルアレイ11の下方に基板15を備える。基板15は例えば、Si基板などの半導体基板である。基板15は、第1基板の例である。
【0027】
本実施形態ではまず、
図3に示すように、アレイウェハW1の基板15上にメモリセルアレイ11、層間絶縁膜12a(=層間絶縁膜12の一部)、階段構造部21、金属パッド41、ビアプラグ45などを形成し、回路ウェハW2の基板14上に層間絶縁膜13、トランジスタ31、金属パッド37などを形成する。次に、
図4に示すように、上面S1と上面S2とが対向するように、アレイウェハW1と回路ウェハW2とを機械的圧力により貼り合わせる。これにより、層間絶縁膜12aと層間絶縁膜13とが接着される。次に、アレイウェハW1および回路ウェハW2をアニールする。これにより、金属パッド41と金属パッド37とが接合される。このようにして、基板15と基板14とが、層間絶縁膜12a、13を挟むように貼り合わされる。
【0028】
次に、基板15をCMP(Chemical Mechanical Polishing)またはウェットエッチングにより除去し、基板14をCMPまたはウェットエッチングにより薄化する(
図5)。これにより、層間絶縁膜12a、柱状部CL、梁部22、ビアプラグ45などが露出する。
【0029】
次に、層間絶縁膜12a、柱状部CL、および梁部22上にソース線SLを形成し、層間絶縁膜12a上にソース線SLを介して層間絶縁膜12b(=層間絶縁膜12の残部)を形成する(
図6)。次に、層間絶縁膜12b内のビアプラグ45上にビアプラグ46を形成し、層間絶縁膜12bおよびビアプラグ46上に金属パッド47を形成する(
図6)。次に、層間絶縁膜12bおよび金属パッド47上にパッシベーション絶縁膜48を形成し、パッシベーション絶縁膜48内に開口部Pを形成する(
図6)。
【0030】
その後、アレイウェハW1および回路ウェハW2を複数のチップに切断する。このようにして、
図1に示す半導体装置が製造される。
【0031】
なお、
図1は、層間絶縁膜12と層間絶縁膜13との境界面や、金属パッド41と金属パッド37との境界面を示しているが、上記のアニール後はこれらの境界面が観察されなくなることが一般的である。しかしながら、これらの境界面のあった位置は、例えば金属パッド41の側面や金属パッド37の側面の傾きや、金属パッド41の側面と金属パッド37の側面との位置ずれを検出することで推定することができる。
【0032】
図7は、第1実施形態の半導体装置の構造を示す断面図である。
【0033】
図7は、
図2と同様に、積層膜51内の柱状部CLを示している。柱状部CLは、積層膜51内に形成されたメモリホールMH内に形成されている。
図7はさらに、配線層61を示している。
【0034】
配線層61は、積層膜51および柱状部CL上に形成されている。配線層61は、チャネル半導体層55に接しており、チャネル半導体層55と電気的に接続されている。配線層61は、複数の配線を含む。
図7は、これらの配線のうちの1つであるソース線SLを示している。配線層61は、ソース層とも呼ばれる。配線層61は、下部バリアメタル層61aと、上部バリアメタル層61bと、配線材層61cとを含む。下部バリアメタル層61a、上部バリアメタル層61b、および配線材層61cは、金属層内の1つ以上の層の例である。
【0035】
下部バリアメタル層61aは、積層膜51および柱状部CL上に形成されている。上部バリアメタル層61bは、下部バリアメタル層61a上に形成されている。配線材層61cは、上部バリアメタル層61b上に形成されている。下部バリアメタル層61aは例えば、Ti(チタン)層である。上部バリアメタル層61bは例えば、TiN膜(チタン窒化膜)である。配線材層61cは例えば、W層などの金属層である。本実施形態の配線材層61cは、配線層61内の主たる層であり、配線層61内の最大体積を占めている。本実施形態では、配線層61が、下部バリアメタル層61a、上部バリアメタル層61b、および配線材層61cという3つの層を含み、配線材層61cが、これら3つの層のうちの最上位の層となっている。
【0036】
図7では、積層膜51内の複数の電極層51aのうちの最上位の電極層51aが、ソース側選択線SGSとなっている。また、
図7では、積層膜51内の複数の絶縁膜51bのうちの最上位の絶縁膜51bの膜厚が、他の絶縁膜51bの膜厚より厚くなっている。最上位の絶縁膜51bは、SGS絶縁膜とも呼ばれる。最上位の絶縁膜51bは、第2絶縁膜の例である。最上位の絶縁膜51bは、積層膜51の最上層となっている。
【0037】
図7はさらに、柱状部CLの上面Fと、柱状部CLの上端E1と、配線材層61cの下端E2とを示している。
【0038】
図7では、柱状部CLの上面Fが、ブロック絶縁膜52の上面と、電荷蓄積層53の上面と、トンネル絶縁膜54の上面と、チャネル半導体層55の上面とを含む。本実施形態の柱状部CLの上面Fは、XY平面に平行ではなく、XY平面に対し傾斜している。
【0039】
柱状部CLの上端E1は、最上位の絶縁膜51bの上面と下面との間の高さに設けられている。すなわち、柱状部CLの上端E1は、最上位の絶縁膜51bの上面より低い位置に設けられ、かつ、最上位の絶縁膜51bの下面より高い位置に設けられており、その結果、最上位の絶縁膜51b内に設けられている。
図7は、柱状部CLの上端E1と最上位の絶縁膜51bの上面との距離D1を示している。
図7では、柱状部CLの上端E1が、柱状部CLの上面Fの上端となっており、ブロック絶縁膜52で形成されている。
図7では、柱状部CLの上面F全体が、最上位の絶縁膜51b内に設けられている。
【0040】
配線材層61cの下端E2は、最上位の絶縁膜51bの上面より低い位置に設けられている。また、配線材層61cの下端E2は、最上位の絶縁膜51bの下面より高い位置に設けられている。配線材層61cの下端E2は、
図7では柱状部CLの上端E1より低い位置に設けられているが、代わりに柱状部CLの上端E1より高い位置に設けられていてもよい。
【0041】
図8は、第1実施形態の比較例の半導体装置の構造を示す断面図である。
【0042】
本比較例の半導体装置(
図8)は、第1実施形態の半導体装置(
図7)と同様の構造を有する。ただし、本比較例の柱状部CLの上端E1は、最上位の絶縁膜51bの上面より高い位置に設けられており、その結果、積層膜51の上面から+Z方向に突出している。
図8は、本比較例の柱状部CLの上端E1と最上位の絶縁膜51bの上面との距離D2を示している。
図8はさらに、柱状部CLと配線層61との界面付近で配線層61内に形成されたボイドVを示している。
【0043】
本比較例の配線層61は、
図6に示す工程で、積層膜51および柱状部CL上に形成される。この際、配線層61の一部は、積層膜51および柱状部CLにより形成された凹部内に埋め込まれる。本比較例では、柱状部CLの上端E1が積層膜51の上面から+Z方向に突出しているため、この凹部のアスペクト比が高くなる。その結果、この凹部内に配線層61が入り込みにくくなり、ボイドVが発生してしまう。ボイドVは、柱状部CLと配線層61との接続不良の原因となり得る。
【0044】
第1実施形態の配線層61も、
図6に示す工程で、積層膜51および柱状部CL上に形成される。この際、配線層61の一部は、積層膜51および柱状部CLにより形成された凹部内に埋め込まれる。本実施形態では、柱状部CLの上端E1が積層膜51の上面から+Z方向に突出していないため、この凹部のアスペクト比が低くなる。よって、本実施形態によれば、この凹部内に配線層61が入り込みやすくなり、ボイドVの発生を抑制することが可能となる。
図8では、下部バリアメタル層61a、上部バリアメタル層61b、および配線材層61cが、この凹部内に十分に入り込んでいる。
【0045】
図9~
図12は、第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
図9~
図12は、
図3~
図6に示す半導体装置の製造方法の一例を示している。
【0046】
まず、アレイウェハW1の基板15の上方に、複数の犠牲層51cと複数の絶縁膜51bとをZ方向に交互に含む積層膜51を形成する(
図9(a))。積層膜51は、基板15上に、複数の犠牲層51cと複数の絶縁膜51bとを交互に積層することで形成される。各犠牲層51cは、例えばSiN膜である。各犠牲層51cは、第1層の例である。
【0047】
次に、リソグラフィおよびRIE(Reactive Ion Etching)により、積層膜51および基板15内に、複数のメモリホールMHを形成する(
図9(a))。
図9(a)は、これらのメモリホールMHのうちの1つを示している。これらのメモリホールMHは、Z方向に延びる柱状の形状を有するように形成され、かつ、積層膜51をZ方向に貫通するように形成される。これらのメモリホールMHは、第1開口部の例である。
【0048】
次に、各メモリホールMH内の基板51上に、犠牲層62を形成する(
図9(a))。犠牲層62は例えば、Si層などの半導体層である。本実施形態の犠牲層62は、基板51からのエピタキシャル成長により形成される。犠牲層62の上面は、例えば、
図9(a)における最下位の絶縁膜51bの上面と下面との間の高さに形成される。
図9(a)における最下位の絶縁膜51bは、前述したSGS絶縁膜に相当する。犠牲層62は、第2層の例である。
【0049】
次に、各メモリホールMH内に、ブロック絶縁膜52、電荷蓄積層53、トンネル絶縁膜54、チャネル半導体層55、およびコア絶縁膜56を順に形成する(
図9(a))。その結果、積層膜51の側面および犠牲層62の上面に、ブロック絶縁膜52、電荷蓄積層53、トンネル絶縁膜54、チャネル半導体層55、およびコア絶縁膜56が順に形成される。このようにして、各メモリホールMH内の犠牲層62上に柱状部CLが形成される。
【0050】
次に、積層膜51および基板15内に複数のスリット(不図示)を形成し、これらのスリットからのウェットエッチングにより、積層膜51から犠牲層51cを除去する(
図9(b))。その結果、積層膜51内に複数の凹部Cが形成される。
【0051】
次に、これらのスリットから各凹部C内に電極層51aに形成する(
図10(a))。このようにして、積層膜51内の複数の犠牲層51cが複数の電極層51aに置換される(リプレイス工程)。
図10(a)における最下位の電極層51aは、ソース側選択線SGSに相当する。
【0052】
図10(a)は、回路ウェハW2と貼り合わされる前のアレイウェハW1を示しているのに対し、
図10(b)は、回路ウェハW2と貼り合わされた後のアレイウェハW1を示している。
【0053】
次に、ウェットエッチングにより、基板15を除去する(
図11(a))。基板15および犠牲層62がそれぞれ半導体基板および半導体層の場合には、このウェットエッチングにより犠牲層62も除去される。その結果、犠牲層62が除去された領域に凹部H1が形成され、各柱状部CLのブロック絶縁膜52が凹部H1内に露出する。凹部H1は、積層膜51内の各柱状部CL上に形成される。凹部H1は例えば、
図11(a)における最上位の絶縁膜51b内に形成される。
図11(a)における最上位の絶縁膜51bは、前述したSGS絶縁膜に相当する。凹部H1は、第2開口部の例である。
【0054】
次に、凹部H1からのエッチバックにより、各柱状部CLのブロック絶縁膜52、電荷蓄積層53、トンネル絶縁膜54、チャネル半導体層55、およびコア絶縁膜56の一部を除去する(
図11(b))。その結果、各柱状部CL内に凹部H2が形成され、各柱状部CLが
図11(b)に示す形状に加工され、各柱状部CLのブロック絶縁膜52、電荷蓄積層53、トンネル絶縁膜54、チャネル半導体層55、およびコア絶縁膜56が凹部H1、H2内に露出する。
【0055】
図11(b)に示す柱状部CLの形状は、
図7に示す柱状部CLの形状と同じである。そのため、
図11(b)に示す柱状部CLの上端は、最上位の絶縁膜51bの上面と下面との間の高さに位置している。
図11(b)は、
図7と同様に、柱状部CLの上端と最上位の絶縁膜51bの上面との距離D1を示している。
【0056】
次に、積層膜51および各柱状部CL上に下部バリアメタル層61aを形成し、下部バリアメタル層61a上に上部バリアメタル層61bを形成する(
図12(a))。その結果、下部バリアメタル層61aおよび上部バリアメタル層61bが、ブロック絶縁膜52、電荷蓄積層53、トンネル絶縁膜54、チャネル半導体層55、およびコア絶縁膜56上に順に形成される。
【0057】
次に、上部バリアメタル層61b上に配線材層61cを形成する(
図12(b))。その結果、各柱状部CL上に配線層61が形成され、各柱状部CLのチャネル半導体層55に配線層61が電気的に接続される。配線層61は例えば、積層膜51上に下部バリアメタル層61a、上部バリアメタル層61b、および配線材層61cを順に形成し、下部バリアメタル層61a、上部バリアメタル層61b、および配線材層61cをエッチング加工することで形成される。
図12(b)では、配線層61(ソース線SL)が、チャネル半導体層55に接している。また、
図12(b)では、配線材層61cの下端が、最上位の絶縁膜51bの上面より低い位置に位置している。
【0058】
本実施形態では、柱状部CLの上端が積層膜51の上面から+Z方向に突出していないため、凹部H1、H2のアスペクト比が低くなる。よって、本実施形態によれば、凹部H1、H2内に配線層61が入り込みやすくなり、ボイドVの発生を抑制することが可能となる。
図12(a)および
図12(b)では、下部バリアメタル層61a、上部バリアメタル層61b、および配線材層61cが、凹部H1、H2内に十分に入り込んでいる。
【0059】
図13~
図16は、第1実施形態の比較例の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【0060】
まず、アレイウェハW1の基板15の上方に、複数の犠牲層51cと複数の絶縁膜51bとをZ方向に交互に含む積層膜51を形成する(
図13(a))。次に、積層膜51および基板15内に、複数のメモリホールMHを形成する(
図13(a))。
図13(a)は、これらのメモリホールMHのうちの1つを示している。次に、各メモリホールMH内に、ブロック絶縁膜52、電荷蓄積層53、トンネル絶縁膜54、チャネル半導体層55、およびコア絶縁膜56を順に形成する(
図13(a))。その結果、各メモリホールMH内に柱状部CLが形成される。なお、
図13(a)の工程では、犠牲層62は形成されない。
【0061】
次に、積層膜51から犠牲層51cを除去する(
図13(b))。その結果、積層膜51内に複数の凹部Cが形成される。
【0062】
次に、各凹部C内に電極層51aに形成する(
図14(a))。このようにして、積層膜51内の複数の犠牲層51cが複数の電極層51aに置換される。
【0063】
図14(a)は、回路ウェハW2と貼り合わされる前のアレイウェハW1を示しているのに対し、
図14(b)は、回路ウェハW2と貼り合わされた後のアレイウェハW1を示している。
【0064】
次に、基板15を除去する(
図15(a))。その結果、各柱状部CLのブロック絶縁膜52が露出する。
【0065】
次に、エッチバックにより、各柱状部CLのブロック絶縁膜52、電荷蓄積層53、トンネル絶縁膜54、チャネル半導体層55、およびコア絶縁膜56の一部を除去する(
図15(b))。その結果、各柱状部CL内に凹部H3が形成され、各柱状部CLが
図15(b)に示す形状に加工され、各柱状部CLのブロック絶縁膜52、電荷蓄積層53、トンネル絶縁膜54、チャネル半導体層55、およびコア絶縁膜56が凹部H3内に露出する。
【0066】
図15(b)に示す柱状部CLの形状は、
図8に示す柱状部CLの形状と同じである。そのため、
図15(b)に示す柱状部CLの上端は、最上位の絶縁膜51bの上面より高い位置に位置している。
図15(b)は、
図8と同様に、柱状部CLの上端と最上位の絶縁膜51bの上面との距離D2を示している。
【0067】
次に、積層膜51および各柱状部CL上に下部バリアメタル層61aを形成し、下部バリアメタル層61a上に上部バリアメタル層61bを形成する(
図16(a))。
【0068】
次に、上部バリアメタル層61b上に配線材層61cを形成する(
図16(b))。その結果、各柱状部CL上に配線層61が形成される。
【0069】
本比較例では、柱状部CLの上端が積層膜51の上面から+Z方向に突出しているため、凹部H3のアスペクト比が高くなる。その結果、凹部H3内に配線層61が入り込みにくくなり、ボイドVが発生してしまう。ボイドVは、柱状部CLと配線層61との接続不良の原因となり得る。
【0070】
図17は、第1実施形態の半導体装置の構造を示す断面図である。
図17は、本実施形態の半導体装置のYZ断面を示している。
【0071】
本実施形態の半導体装置は、積層膜51内に形成された複数のスリットSTを備える。
図17は、これらのスリットSTのうちの1つを示している。これらのスリットSTは、Z方向およびX方向に延びる板状の形状を有するように形成され、かつ、積層膜51をZ方向に貫通するように形成される。これらのスリットSTは、上述のように、
図9(b)および
図10(a)に示す工程で使用される。
【0072】
本実施形態の半導体装置はさらに、各スリットST内に順に形成された絶縁膜63および配線層64を備える。絶縁膜63は、例えばSiO
2膜である。配線層64は、例えばポリシリコン層または金属層である。絶縁膜63および配線層64は、例えばリプレイス工程後に形成される。
図17では、配線層61が、柱状部CLおよび配線層64上に形成されている。
【0073】
図18は、第1実施形態の変形例の半導体装置の構造を示す断面図である。
図18は、本変形例の半導体装置のYZ断面を示している。
【0074】
本変形例の半導体装置(
図18)は、第1実施形態の半導体装置(
図17)と同様の構造を有する。ただし、本変形例の配線層61は、下部バリアメタル層61a下に半導体層61dを含む。半導体層61dは、例えばポリシリコン層である。半導体層61dは、第2半導体層の例である。本変形例の配線層61は、
図12(a)および
図12(b)に示す工程で、積層膜51および各柱状部CL上に、半導体層61d、下部バリアメタル層61a、上部バリアメタル層61b、および配線材層61cを順に形成することで形成される。このように、配線層61は、半導体層(61d)および金属層(61a~61c)の両方を含んでいてもよい。
【0075】
以上のように、本実施形態の柱状部CLの上端E1は、最上位の絶縁膜51bの上面と下面との間の高さに設けられている(
図7)。さらに、本実施形態の配線材層61cの下端E2は、最上位の絶縁膜51bの上面より低い位置に設けられている(
図7)。よって、本実施形態によれば、チャネル半導体層55上に好適な配線層61を形成することが可能となる。例えば、本実施形態によれば、凹部H1、H2内に配線層61が入り込みやすくなり、ボイドVの発生を抑制することが可能となる。
【0076】
(第2実施形態)
図19は、第2実施形態の半導体装置の構造を示す断面図である。
【0077】
図19(a)は、
図7や
図8と同様に、積層膜51内の柱状部CLを示している。
図7に示す柱状部CLの上端は、最上位の絶縁膜51bの上面より低い位置に設けられており、
図8に示す柱状部CLの上端は、最上位の絶縁膜51bの上面より高い位置に設けられているのに対し、
図19(a)に示す本実施形態の柱状部CLの上端は、最上位の絶縁膜51bの上面と同じ高さに設けられている。ただし、本実施形態の柱状部CLの上端は、
図7に示すように最上位の絶縁膜51bの上面より低い位置に設けられていてもよいし、
図8に示すように最上位の絶縁膜51bの上面より高い位置に設けられていてもよい。
【0078】
図19(b)は、
図19(a)に示す領域Rを拡大して示している。本実施形態の柱状部CLの上端は、ブロック絶縁膜52、電荷蓄積層53、およびトンネル絶縁膜54の上面となっている。
図19(b)は、チャネル半導体層55、コア絶縁膜56、および配線層61が互いに接する三重点αを示している。本実施形態の柱状部CLの上端は、三重点αより高い位置に設けられている。例えば、本実施形態の柱状部CLの上端は、三重点αより10nm以上高い位置に設けられている。
【0079】
図19(b)では、三重点αより高い位置におけるチャネル半導体層55の厚さが、三重点αより低い位置におけるチャネル半導体層αの厚さより薄くなっている。
図19(b)は、三重点αより高い位置におけるチャネル半導体層55の外周面に沿った直線F1と、三重点αより高い位置におけるチャネル半導体層55の内周面に沿った直線F2とを示している。
図19(b)はさらに、三重点αより高い位置におけるチャネル半導体層55の厚さTを示している。厚さTは、直線F1と直線F2との距離に相当する。
【0080】
図19(b)では、三重点αより低い位置におけるチャネル半導体層αの厚さが、一定となっており、三重点αより高い位置におけるチャネル半導体層55の厚さTが、三重点αからの高さに応じて減少している。例えば、三重点αより5nmだけ高い位置における厚さTは、三重点αにおける厚さTより薄くなっている。また、三重点αより10nmだけ高い位置における厚さTは、三重点αより5nmだけ高い位置における厚さTより薄くなっている。これを一般化すると、三重点αよりX’nmだけ高い位置における厚さTは、三重点αよりXnmだけ高い位置における厚さTより薄くなっている(X’>X)。そのため、
図19(b)では、直線F1と直線F2とが、三重点αより高い位置で交差している。
図19(b)はさらに、直線F1と直線F2との間の角度θを示している。本実施形態の三重点αより高い位置では、チャネル半導体層55の内周面が、チャネル半導体層55の外周面に対してテーパー形状を有している。
【0081】
図20は、第2実施形態の比較例の半導体装置の構造を示す断面図である。
【0082】
図20(a)は、
図19(a)と同様に、積層膜51内の柱状部CLを示している。
図20(b)は、
図20(a)に示す領域Rを拡大して示している。
図20(b)では三重点αより低い位置におけるチャネル半導体層αの厚さが、一定となっており、三重点αより高い位置におけるチャネル半導体層55の厚さTも、一定となっている。
【0083】
以下、第2実施形態の比較例の問題点について説明する。
【0084】
図21および
図22は、第2実施形態の比較例の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
図21および
図22は、チャネル半導体層55の厚さが厚い場合を示している。
【0085】
図21(a)は、
図11(b)に示す凹部H1、H2や、
図15(b)に示す凹部H3と同様に、積層膜51および柱状部CL内に形成された凹部Haを示している。
図21(a)に示す工程では、凹部Haがエッチバックにより形成される。
【0086】
次に、凹部Ha内のコア絶縁膜56を、エッチバックにより加工する(
図21(b))。その結果、コア絶縁膜56内に凹部Hbが形成される。次に、凹部Ha、Hb内のチャネル半導体層55等を、エッチング加工によりリセスさせる(
図22(a))。次に、積層膜51および柱状部CL上に、配線層61を形成する(
図22(b))。
【0087】
図22(b)では、コア絶縁膜56の上面より高い位置に、チャネル半導体層55が残存している。コア絶縁膜56の上面より高い位置に残存したチャネル半導体層55の厚さが厚いと、チャネル半導体層55と配線層61との間の界面抵抗が高くなるおそれがある。
図22(a)でのチャネル半導体層55のエッチング量が少なすぎると、このような問題が生じるおそれがある。
【0088】
図23および
図24は、第2実施形態の比較例の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
図23および
図24は、チャネル半導体層55の厚さが薄い場合を示している。
【0089】
図23(a)も、積層膜51および柱状部CL内に形成された凹部Haを示している。
図23(a)に示す工程では、凹部Haがエッチバックにより形成される。
【0090】
次に、凹部Ha内のコア絶縁膜56を、エッチバックにより加工する(
図23(b))。その結果、コア絶縁膜56内に凹部Hbが形成される。次に、凹部Ha、Hb内のチャネル半導体層55等を、エッチング加工によりリセスさせる(
図24(a))。次に、積層膜51および柱状部CL上に、配線層61を形成する(
図24(b))。
【0091】
図24(b)では、コア絶縁膜56の上面より高い位置に、チャネル半導体層55が残存していない。この場合にも、チャネル半導体層55と配線層61との間の界面抵抗が高くなるおそれがある。
図24(a)でのチャネル半導体層55のエッチング量が多すぎると、このような問題が生じるおそれがある。
【0092】
図25および
図26は、第2実施形態の半導体装置の製造方法を示す断面図である。
図25および
図26では、チャネル半導体層55の厚さは、薄くても厚くてもよい。
【0093】
図25(a)も、積層膜51および柱状部CL内に形成された凹部Haを示している。
図25(a)に示す工程では、凹部Haがエッチバックにより形成される。
【0094】
次に、凹部Ha内のコア絶縁膜56を、エッチバックにより加工する(
図25(b))。その結果、コア絶縁膜56内に凹部Hbが形成される。次に、凹部Ha、Hb内のチャネル半導体層55等を、エッチング加工によりリセスさせる(
図26(a))。次に、積層膜51および柱状部CL上に、配線層61を形成する(
図26(b))。
【0095】
図26(b)では、コア絶縁膜56の上面より高い位置に、チャネル半導体層55が残存している。ただし、コア絶縁膜56の上面より高い位置に残存したチャネル半導体層55の厚さは、上述の三重点α(
図19(b)参照)からの高さに応じて減少している。これにより、
図22(b)に示す場合の界面抵抗も、
図24(b)に示す場合の界面抵抗も低減することが可能となる。
【0096】
図27~
図29は、第2実施形態の半導体装置の製造方法の詳細を示す断面図である。
【0097】
図27(a)は、
図10(b)と同様に、アレイウェハW1と回路ウェハW2とが貼り合わされた直後の積層膜51を示している。
【0098】
次に、ウェットエッチングにより、基板15を除去する(
図27(b))。基板15および犠牲層62がそれぞれ半導体基板および半導体層の場合には、このウェットエッチングにより犠牲層62も除去される。その結果、犠牲層62が除去された領域に凹部H1が形成され、各柱状部CLのブロック絶縁膜52が凹部H1内に露出する。
【0099】
次に、積層膜51および柱状部CL上に、スペーサ層71を形成する(
図27(c))。その結果、スペーサ層71が、凹部H1内の積層膜51の側面および柱状部CLの上面に形成される。スペーサ層71は、例えばSiO
2膜である。
【0100】
次に、凹部H1からのエッチバックにより、スペーサ層71、ブロック絶縁膜52、電荷蓄積層53、トンネル絶縁膜54、チャネル半導体層55、およびコア絶縁膜56を加工する(
図28(a)および
図28(b))。その結果、スペーサ層71が除去され、柱状部CL内に凹部H2が形成される。柱状部CLの形状は、
図27(c)から
図28(a)へと変化し、さらには
図28(a)から
図28(b)へと変化する。上記のエッチバックは例えば、SiO
2無選択ドライエッチングなどの異方性エッチングにより行われる。
【0101】
次に、凹部H1、H2からのエッチング加工により、ブロック絶縁膜52、電荷蓄積層53、トンネル絶縁膜54、チャネル半導体層55、およびコア絶縁膜56をリセスさせる(
図28(c)、
図29(a)、および
図29(b))。その結果、柱状部CLの形状は、
図28(b)から
図28(c)、
図29(a)、および
図29(b)へと順に変化する。上記のエッチング加工は例えば、SiO
2選択ウェットエッチングなどの等方性エッチングにより行われる。この際、SiO
2、SiN、およびSiの選択比は、例えば10:10:1.5に設定される。上記のエッチング加工によれば、三重点αより高い位置におけるチャネル半導体層55の厚さTを、三重点αからの高さに応じて減少させることが可能となる。
【0102】
次に、積層膜51および各柱状部CL上に、下部バリアメタル層61a、上部バリアメタル層61b、および配線材層61cを順に形成する(
図29(c))。その結果、柱状部CL上に配線層61が形成され、柱状部CL内のチャネル半導体層55に配線層61が電気的に接続される。
【0103】
以上のように、本実施形態では、三重点αより高い位置におけるチャネル半導体層55の厚さTが、三重点αからの高さに応じて減少している。よって、本実施形態によれば、チャネル半導体層55と配線層61との間の界面抵抗を低減することが可能となる。
【0104】
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例としてのみ提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図したものではない。本明細書で説明した新規な装置および方法は、その他の様々な形態で実施することができる。また、本明細書で説明した装置および方法の形態に対し、発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。添付の特許請求の範囲およびこれに均等な範囲は、発明の範囲や要旨に含まれるこのような形態や変形例を含むように意図されている。
【符号の説明】
【0105】
1:アレイチップ、2:回路チップ、
11:メモリセルアレイ、12:層間絶縁膜、12a:層間絶縁膜、
12b:層間絶縁膜、13:層間絶縁膜、14:基板、15:基板、
21:階段構造部、22:梁部、23:コンタクトプラグ、
24:ワード配線層、25:ビアプラグ、
31:トランジスタ、31a:ゲート絶縁膜、31b:ゲート電極、
32:コンタクトプラグ、33:配線層、34:配線層、
35:配線層、36:ビアプラグ、37:金属パッド、
41:金属パッド、42:ビアプラグ、43:配線層、
44:配線層、45:ビアプラグ、46:ビアプラグ、
47:金属パッド、48:パッシベーション絶縁膜、
51:積層膜、51a:電極層、51b:絶縁膜、51c:犠牲層、
52:ブロック絶縁膜、53:電荷蓄積層、54:トンネル絶縁膜、
55:チャネル半導体層、56:コア絶縁膜、
61:配線層、61a:下部バリアメタル層、61b:上部バリアメタル層、
61c:配線材層、61d:半導体層、62:犠牲層、
63:絶縁膜、64:配線層、71:スペーサ層