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  • 特開-組立体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129712
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】組立体
(51)【国際特許分類】
   B60J 5/10 20060101AFI20240919BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20240919BHJP
【FI】
B60J5/10 D
B60R11/02 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039080
(22)【出願日】2023-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【弁理士】
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【識別番号】100173794
【弁理士】
【氏名又は名称】色部 暁義
(72)【発明者】
【氏名】沖田 宗史
(72)【発明者】
【氏名】山本 亮輔
【テーマコード(参考)】
3D020
【Fターム(参考)】
3D020BA10
3D020BB01
3D020BC06
3D020BD03
3D020BD05
(57)【要約】
【課題】サブウーファの動作によるバックドアの振動を低減する。
【解決手段】組立体100は、内部空間100sを有する車両のバックドア10と、バックドア10に取り付けられ、前面がバックドア10の外側を向き、背面がバックドア10の内部空間側を向いているサブウーファ20と、バックドア10に取り付けられており、設置箇所のサブウーファ20による振動を打ち消す出力を発生させる30エキサイタと、
を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空間を有する車両のバックドアと、
前記バックドアに取り付けられ、前面が前記バックドアの外側を向き、背面が前記バックドアの内部空間側を向いているサブウーファと、
前記バックドアに取り付けられており、設置箇所の前記サブウーファによる振動を打ち消す出力を発生させるエキサイタと、
を備える、組立体。
【請求項2】
前記エキサイタは、前記バックドアと、前記サブウーファの動作により振動し得る部材との間に設けられる、請求項1に記載の組立体。
【請求項3】
前記振動し得る部材は、テールランプ、ナンバープレート又はECUである、請求項2に記載の組立体。
【請求項4】
前記サブウーファの出力に基づいて前記エキサイタの出力を決定する、請求項1~3のいずれか一項に記載の組立体。
【請求項5】
前記部材の振動を検出するセンサを設け、前記センサの測定結果に基づいて前記エキサイタの出力を決定する、請求項2又は3に記載の組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載されるように、車両のバックドアにスピーカを設ける技術が開示されている。ここで、低音を再生する技術として、バックドアにサブウーファを搭載することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-202653号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
サブウーファの動作により、バックドアが振動することがあった。当該振動により、音声出力の音圧又は音質が低下することがあった。また当該振動により、乗客にとって不快な音であるビビリ音が発生することもあった。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、サブウーファの動作によるバックドアの振動が低減された組立体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る組立体は、
内部空間を有する車両のバックドアと、
前記バックドアに取り付けられ、前面が前記バックドアの外側を向き、背面が前記バックドアの内部空間側を向いているサブウーファと、
前記バックドアに取り付けられており、設置箇所の前記サブウーファによる振動を打ち消す出力を発生させるエキサイタと、
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一実施形態に係る組立体によれば、サブウーファの動作によるバックドアの振動が低減され得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の一実施形態に係る組立体の概略構成を示す水平断面図である。
図2】本開示の一実施形態に係る組立体を備える車両を示す図である。
【0009】
(実施形態の概要)
図1を参照して、本開示の実施形態に係る組立体100の概要について説明する。図2を参照して、組立体100は、車両1000の例えば後側に含まれる。
【0010】
車両1000は、例えば自動車であるが、これに限られず任意の車両であってもよい。自動車は、例えばガソリン車、ディーゼル車、BEV(Battery Electric Vehicle)、HEV(Hybrid Electric Vehicle)、PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)、又はFCEV(Fuel Cell Electric Vehicle)等であるが、これらに限られない。
【0011】
車両1000は、後述するサブウーファ20の動作により振動し得る部材200を備えてよい。部材200は、テールランプ、ナンバープレート、ECU(Electronic Control Unit)等であってよい。
【0012】
まず、本実施形態の概要について説明し、詳細については後述する。図1を参照して組立体100は、内部空間10sを有するバックドア10を備える。組立体100は、サブウーファ20を更に備える。サブウーファ20は、バックドア10に取り付けられ、前面がバックドア10の外側(車内側)を向き、背面がバックドア10の内部空間10s側(車外側)を向いている。組立体100は、バックドア10に取り付けられているエキサイタ30を更に備える。エキサイタ30は、設置箇所のサブウーファ20による振動を打ち消す出力を発生させる。
【0013】
本実施形態によれば、バックドア10に取り付けられているエキサイタ30が、設置箇所のサブウーファ20による振動を打ち消す出力を発生させる。このため、サブウーファ20の動作によるバックドア10の振動が低減される。
【0014】
(サブウーファの動作により振動し得る部材の構成)
サブウーファ20の動作によるバックドア10の振動が、車両1000が有する部材200において固有振動モードで増幅されることがある。増幅された振動により、部材200はビビリ音を発生させることもあった。部材200の例として、バックドア10の内部空間10s等に配置されるECU、バックドア10の車外側に取り付けられるテールランプ及びナンバープレート、並びにバックドアガラスに装着されるワイパーが挙げられる。
【0015】
(組立体の構成)
組立体100は、バックドア10と、サブウーファ20と、エキサイタ30と、を備える。組立体100は、センサ40と、制御部50と、を備えてもよい。
【0016】
バックドア10は、跳ね上げ式であってよい。より具体的に、バックドア10は、車両1000の後側上縁1000b(図2参照)を中心に回動して開閉してよい。バックドア10が開くことで、車両1000の後側が開口する。
【0017】
バックドア10は、インナーパネル11と、アウターパネル12と、を備える。
【0018】
インナーパネル11は、車両1000の車内側に配置される。インナーパネル11の車室側の面には内装パネルが取り付けられる。インナーパネル11及び内装パネルには、後述するサブウーファ20のスピーカを車内側に露出させる開口部11aが形成されてよい。インナーパネル11は、鋼板、樹脂板等から形成されてよい。
【0019】
アウターパネル12は、車両1000の車外側に配置される。アウターパネル12の幅方向両端部は、車内側に向けて屈曲してよい。アウターパネル12は、部材200の近傍で、車内側にくぼんでいてよい。アウターパネル12は、鋼板、樹脂板等から形成されてよい。
【0020】
インナーパネル11と、アウターパネル12とは、内部空間10sを画定する。インナーパネル11と、アウターパネル12とは、接着剤、溶接等で接合されてよい。
【0021】
インナーパネル11と、アウターパネル12との間に開口部が存在してもよい。当該開口部が存在する場合、本実施形態における「内部空間」は、開口部を介して車室内空間と連通している。内部空間10sは、バックドア10の下半部に配置されてよい。
【0022】
バックドア10の上半部に、バックドアガラスが嵌め込まれてよい。
【0023】
サブウーファ20は、メインのスピーカより低い帯域の低音を再生する。サブウーファ20は、バックドア10に取り付けられ、前面がバックドア10の外側(車内側)を向き、背面がバックドア10の内部空間10s側(車外側)を向いている。サブウーファ20は、例えばインナーパネル11の車外側に取り付けられてよい。
【0024】
エキサイタ30は、サブウーファ20による振動を打ち消す出力を発生させる。より具体的に、エキサイタ30に電流が流れることで、エキサイタ30が有するコイルが振動してよい。
【0025】
エキサイタ30は、バックドア10に取り付けられてよい。複数のエキサイタ30が設けられてもよい。エキサイタ30は、サブウーファ20の動作により振動し得る部材200に対応して設けられる。部材200の数とエキサイタ30の数は等しくてよい。
【0026】
詳細には、エキサイタ30は、バックドア10と、部材200との間に設けられてよい。エキサイタ30がバックドア10と部材200との間に取り付けられることで、エキサイタ30は、サブウーファ20が生成する振動を、当該振動が部材200に到達する前に打ち消し得る。或いはサブウーファ20が生成し部材200に到達する振動が低減され得る。
【0027】
センサ40は、部材200の振動を検出してよい。センサ40は、加速度センサであってよい。センサ40は、振動の大きさ及び周波数を測定してよい。センサ40は、部材200の近傍に設けられてよい。センサ40は、アウターパネル12の内部空間10s側に設けられてよい。センサ40は、車両1000内のトリムに取り付けられてもよい。センサ40は、サブウーファ20の動作時のみに動作してもよい。
【0028】
制御部50は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)若しくはGPU(Graphics Processing Unit)等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサであるがこれらに限られない。プログラマブル回路は、例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)であるがこれに限られない。専用回路は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)であるがこれに限られない。制御部50は、エキサイタ30及びセンサ40に有線又は無線で接続されてよい。制御部50は、バックドア10の内部空間10sに設けられてよい。
【0029】
制御部50は、エキサイタ30の出力を決定してよい。
【0030】
制御部50は、サブウーファ20の出力に基づいてエキサイタ30の出力を決定するフィードフォワード制御をしてもよい。より具体的に、制御部50は、サブウーファ20の音量が大きいほど、エキサイタ30が発生させる振動が大きくてよい。当該制御を実現するために、制御部50はサブウーファ20に有線又は無線で接続されてよい。制御部50がサブウーファ20の出力に基づいてエキサイタ30の出力を決定することによって、サブウーファ20によるバックドア10の振動がより迅速に打ち消され得る。また、当該出力の決定は、事前にバックドア10、車両1000等に対して行う試験の結果に基づいてよい。これにより、制御部50が簡素化され得る。
【0031】
あるいは、制御部50は、センサ(加速度センサ)40の検出値に基づいてエキサイタ30の出力を決定するフィードバック制御をしてもよい。この構成によって、制御部50は、バックドア10の振動を効果的に打ち消し得る。制御部50は、センサ40の検出値がゼロ又は許容範囲内になるようフィードバック制御してよい。当該許容範囲は、部材200等のベンチテストにより決定されてよい。センサ40は、部材200の近傍に設けられてよい。この構成によって、バックドア10の振動がより有効に打ち消され得る。
【0032】
以上述べたように、本実施形態に係る組立体100は、内部空間10sを有するバックドア10を備える。組立体100は、バックドア10に取り付けられ、前面がバックドア10の外側(車内側)を向き、背面がバックドア10の内部空間10s側(車外側)を向いているサブウーファ20を更に備える。組立体100は、バックドア10に取り付けられており、設置箇所のサブウーファ20による振動を打ち消す出力を発生させるエキサイタ30を更に備える。
【0033】
かかる構成によれば、バックドア10に取り付けられているエキサイタ30が、設置箇所のサブウーファ20による振動を打ち消す出力を発生させる。このため、サブウーファ20の動作によるバックドア10の振動が低減される。
【0034】
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行ってもよいことに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0035】
例えば、上述した実施形態において、制御部50の構成及び動作を、互いに通信可能な複数のコンピュータに分散させた実施形態も可能である。また例えば、制御部50の一部又は全部の構成要素を車両1000に設けた実施形態も可能である。
【符号の説明】
【0036】
100 組立体
10 バックドア
10s 内部空間
11 インナーパネル
11a 開口部
12 アウターパネル
20 サブウーファ
30 エキサイタ
40 センサ
50 制御部
200 部材
1000 車両
1000b 車両の後側上縁
図1
図2