(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129729
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】車両用シート
(51)【国際特許分類】
B60N 2/75 20180101AFI20240919BHJP
B60N 3/10 20060101ALI20240919BHJP
B60N 3/00 20060101ALI20240919BHJP
B60N 2/879 20180101ALI20240919BHJP
A47C 7/62 20060101ALI20240919BHJP
【FI】
B60N2/75
B60N3/10 A
B60N3/00 B
B60N2/879
A47C7/62 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039117
(22)【出願日】2023-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】常盤 祐二
(72)【発明者】
【氏名】飯村 一哉
(72)【発明者】
【氏名】武本 一隆
(72)【発明者】
【氏名】福田 修也
(72)【発明者】
【氏名】清水 昇明
(72)【発明者】
【氏名】大槻 慧
(72)【発明者】
【氏名】宮畑 誠
(72)【発明者】
【氏名】村林 智広
(72)【発明者】
【氏名】前島 康典
(72)【発明者】
【氏名】矢崎 達也
(72)【発明者】
【氏名】河岡 瞳子
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 章
(72)【発明者】
【氏名】畠中 一樹
【テーマコード(参考)】
3B084
3B087
3B088
【Fターム(参考)】
3B084JB06
3B087DC02
3B088AA03
3B088LA01
3B088LB02
(57)【要約】
【課題】リヤシートに着座した着座乗員がシートベルトを装着した状態でも容易に物を収容させることが可能な収容部が設けられた車両用シートを得る。
【解決手段】センタシートバック部30は前倒可能とされ、センタシートバック部30が起立した状態でセンタヘッドレスト部36の上面36Aとなる部位に小物が収容可能なポケット部40が設けられている。ポケット部40は、センタシートバック部30を前倒させることによって、シートクッション部20、シートクッション部22に着座した着座乗員が、当該センタシートバック部30をアームレスト68として使用することができると共に、ポケット部40の使用が可能となる。ポケット部40は、リヤシート12に着座した着座乗員にとって、フロントシートの背面側に設けられた収容部よりも近い位置に設けられることになるため、シートベルトを装着した状態でも容易に物を収容させることが可能となる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロントシートよりも車両前後方向の後方側に配置されたリヤシートであって、
前記リヤシートにおけるシート幅方向の中央部に配置され、乗員が着座可能なセンタシートクッションと、
前記センタシートクッションに対して前倒可能に支持され、起立した状態で当該センタシートクッションに着座した着座乗員の上体を支持可能なセンタシートバックと、
前記センタシートバックと共に移動可能に設けられ、前記センタシートバックが起立した状態で前記着座乗員の頭部を支持可能なセンタヘッドレストと、
を備え、
前記センタシートバックが起立した状態で前記センタシートバック及び前記センタヘッドレストにおけるシート前後方向の前面側となる部位を除く部位に小物が収容可能な収容部が設けられている車両用シート。
【請求項2】
前記センタシートバックが起立した状態で前記センタシートバック及び前記センタヘッドレストにおけるシート前後方向の前面側となる部位を除く部位は、前記センタシートバックと前記センタヘッドレストの間とされている請求項1に記載の車両用シート。
【請求項3】
前記収容部は、前記センタシートバックが起立した状態で当該センタシートバックにおけるシート上下方向の上面となる部位に設けられると共に当該センタシートバックにおけるシート前後方向の後方側となる部位を第1開口部とする第1ポケット部とされている請求項1又は請求項2に記載の車両用シート。
【請求項4】
前記収容部は、前記センタシートバックが起立した状態で前記センタヘッドレストにおけるシート上下方向の下面となる部位に設けられると共に当該センタヘッドレストにおけるシート前後方向の後方側となる部位を第2開口部とする第2ポケット部とされている請求項1又は請求項2に記載の車両用シート。
【請求項5】
前記収容部は、前記センタシートバックが起立した状態で前記センタヘッドレストにおけるシート上下方向の上面となる部位に設けられると共に当該センタヘッドレストにおけるシート前後方向の後方側となる部位を第3開口部とする第3ポケット部とされている請求項1に記載の車両用シート。
【請求項6】
前記第1ポケット部は、前記第1開口部以外の周囲が前記センタシートバックの意匠面を構成するシートバック表皮に対して縫製され、前記シートバック表皮との間で小物が収容可能な第1空間部が形成されている請求項3に記載の車両用シート。
【請求項7】
前記第2ポケット部は、前記第2開口部以外の周囲が前記センタヘッドレストの意匠面を構成するヘッドレスト表皮に対して縫製され、前記ヘッドレスト表皮との間で小物が収容可能な第2空間部が形成されている請求項4に記載の車両用シート。
【請求項8】
前記第3ポケット部は、前記第3開口部以外の周囲が前記センタヘッドレストの意匠面を構成するヘッドレスト表皮に対して縫製され、前記ヘッドレスト表皮との間で小物が収容可能な第3空間部が形成されている請求項5に記載の車両用シート。
【請求項9】
前記収容部は、前記センタシートバックが起立した状態で前記センタヘッドレストにおけるシート前後方向の後部となる部位に設けられ当該センタヘッドレストにおけるシート前後方向の前方側へ向かって凹む収容凹部とされている請求項1又は請求項2に記載の車両用シート。
【請求項10】
前記センタシートクッションのシート幅方向の両外側に配置された外側シートクッションに対して第1軸線を中心に前倒可能にそれぞれ支持された外側シートバックに対して、前記センタシートバックは、起立した状態で前記第1軸線よりもシート上下方向の上方側に位置する第2軸線を中心に前倒可能に支持されている請求項1又は請求項2に記載の車両用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、リヤシートにおけるシート幅方向の中央部に設けられたアームレストは、そのフレームをシートバックに対して回転可能に支持する支持ブラケットを介してシートバックに取付けられ、ヘッドレストと共に前倒可能とされた技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、リヤシート側では、収容スペースが少なく、それを補うためフロントシートの背面側には収容部が設けられている。しかしながら、リヤシートに着座しシートベルトを装着した状態でフロントシートの背面側に設けられた収容部に物を入れるということは困難な場合がある。
【0005】
本発明は上記事実を考慮して、リヤシートに着座した着座乗員がシートベルトを装着した状態でも容易に物を収容させることが可能な収容部が設けられた車両用シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様に係る車両用シートは、フロントシートよりも車両前後方向の後方側に配置されたリヤシートであって、前記リヤシートにおけるシート幅方向の中央部に配置され、乗員が着座可能なセンタシートクッションと、前記センタシートクッションに対して前倒可能に支持され、起立した状態で当該センタシートクッションに着座した着座乗員の上体を支持可能なセンタシートバックと、前記センタシートバックと共に移動可能に設けられ、前記センタシートバックが起立した状態で前記着座乗員の頭部を支持可能なセンタヘッドレストと、を備え、前記センタシートバックが起立した状態で前記センタシートバック及び当該センタヘッドレストにおけるシート前後方向の前面側となる部位を除く部位に小物が収容可能な収容部が設けられている。
【0007】
第1の態様に係る車両用シートでは、フロントシートよりも車両前後方向の後方側に配置されたリヤシートは、センタシートクッションと、センタシートバックと、センタヘッドレストと、を備えている。センタシートクッションは、リヤシートにおけるシート幅方向の中央部に配置されており、乗員が着座可能としている。
【0008】
センタシートバックは、センタシートクッションに対して前倒可能に支持されている。そして、センタシートバックは、起立した状態で当該センタシートクッションに着座した着座乗員の上体を支持可能としている。また、センタヘッドレストは、センタシートバックと共に移動可能に設けられており、センタシートバックが起立した状態で着座乗員の頭部を支持可能としている。
【0009】
ここで、本態様では、センタシートバックが起立した状態で当該センタシートバック及びセンタヘッドレストにおけるシート前後方向の前面側となる部位を除く部位に小物が収容可能な収容部が設けられている。前述のように、センタヘッドレストは、センタシートバックと共に移動可能に設けられているため、センタシートバックが起立した状態でセンタシートバック及びセンタヘッドレストにおけるシート前後方向の前面側は、センタシートバックが前倒した状態ではシート上下方向の下方側を向くことになる。
【0010】
一方、センタシートバックが起立した状態でセンタシートバック及びセンタヘッドレストにおける前面となる部位以外の部位、例えば、センタシートバックが起立した状態でセンタシートバック及びセンタヘッドレストにおけるシート上下方向の上面となる部位は、センタシートバックを前倒させた状態ではシート前後方向の前面側を向くことになる。
【0011】
また、センタシートバックが起立した状態でセンタシートバック及びセンタヘッドレストにおけるシート前後方向の後面となる部位は、センタシートバックを前倒させた状態ではシート上下方向の上面側を向くことになる。さらに、センタシートバックが起立した状態でセンタシートバック及びセンタヘッドレストにおける左右の側面となる部位は、センタシートバックを前倒させた状態ではシート幅方向の外側を向く。
【0012】
すなわち、センタシートバックが起立した状態で当該センタシートバック及びセンタヘッドレストにおける前面側となる部位を除く部位は、センタシートバックが前倒した状態で車室内側に露出される。
【0013】
以上のことから、本態様では、センタシートバックが起立した状態で当該センタシートバック及びセンタヘッドレストにおけるシート前後方向の前面側となる部位を除く部位に収容部が設けられる。
【0014】
なお、例えば、センタシートバックが起立した状態でセンタシートバックにおけるシート上下方向の上面となる部位について、センタシートバックを前倒させた状態ではシート前後方向の前方側にセンタヘッドレストが配置されている。このため、車室内側に対して直接露出してはいないが、センタシートバックとセンタヘッドレストの間を利用して当該収納部を設けることが可能となる。
【0015】
ところで、センタシートバックを前倒させることによって、センタシートクッションのシート幅方向の外側に着座した着座乗員は、センタシートバックの背面側を、手や肘を置くためのいわゆるアームレストとしてそれぞれ使用することができる。
【0016】
本態様では、センタシートバック、センタヘッドレストに収容部が設けられることによって、当該収容部に対して物を出し入れする際、アームレストを使用している着座乗員の肘等を退避させる必要は無い。つまり、アームレストの使用の有無に関係なく収容部の使用が可能である。
【0017】
また、本態様では、センタシートバック、センタヘッドレストに収容部が設けられるため、リヤシートに着座した着座乗員にとって、当該収容部はフロントシートの背面側に設けられた収容部よりも近い位置に収容部が設けられることになり、シートベルトを装着した状態でも着座乗員が容易に物を収容させることが可能となる。
【0018】
第2の態様に係る車両用シートは、第1の態様に係る車両用シートにおいて、前記センタシートバックが起立した状態で前記センタシートバック及び前記センタヘッドレストにおけるシート前後方向の前面側となる部位を除く部位は、前記センタシートバックと前記センタヘッドレストの間とされている。
【0019】
第2の態様に係る車両用シートでは、センタシートバックが起立した状態で当該センタシートバック及びセンタヘッドレストにおけるシート前後方向の前面側となる部位を除く部位は、センタシートバックとセンタヘッドレストの間とされており、センタシートバックとセンタヘッドレストの間に小物が収容可能な収容部が設けられている。
【0020】
第3の態様に係る車両用シートは、第1の態様又は第2の態様に係る車両用シートにおいて、前記収容部は、前記センタシートバックが起立した状態で当該センタシートバックにおけるシート上下方向の上面となる部位に設けられると共に当該センタシートバックにおけるシート前後方向の後方側となる部位を第1開口部とする第1ポケット部とされている。
【0021】
第3の態様に係る車両用シートでは、収容部は第1ポケット部であり、第1ポケット部は、センタシートバックが起立した状態で当該センタシートバックにおけるシート上下方向の上面となる部位に設けられると共に当該センタシートバックにおけるシート前後方向の後方側となる部位を第1開口部としている。
【0022】
このように、センタシートバックが起立した状態でセンタシートバックにおけるシート上下方向の上面となる部位に収容部が設けられることによって、センタシートバックを前倒させた状態で、当該収容部(第1ポケット部)は、センタシートバックとセンタヘッドレストの間に配置されることになる。
【0023】
また、当該第1ポケット部において、センタシートバックが起立した状態でセンタシートバックにおけるシート前後方向の後方側となる部位を第1開口部とすることによって、センタシートバックを前倒させた状態で、当該第1ポケット部の第1開口部はシート上下方向の上方側となる部位に配置されることになる。つまり、センタシートバックを前倒させた状態では、センタシートバックとセンタヘッドレストの間に対してシート上下方向の上方側に位置する第1開口部を通じてその上方側から第1ポケット部内へ小物を収容させることができる。
【0024】
第4の態様に係る車両用シートは、第1の態様~第3の態様の何れか1の態様に係る車両用シートにおいて、前記収容部は、前記センタシートバックが起立した状態で前記センタヘッドレストにおけるシート上下方向の下面となる部位に設けられると共に当該センタヘッドレストにおけるシート前後方向の後方側となる部位を第2開口部とする第2ポケット部とされている。
【0025】
第4の態様に係る車両用シートでは、収容部は第2ポケット部であり、第2ポケット部は、センタシートバックが起立した状態でセンタヘッドレストにおけるシート上下方向の下面となる部位に設けられると共に当該センタヘッドレストにおけるシート前後方向の後方側となる部位を第2開口部としている。
【0026】
このように、センタシートバックが起立した状態でセンタヘッドレストにおけるシート上下方向の下面となる部位に収容部が設けられることによって、センタシートバックを前倒させた状態で、当該収容部(第2ポケット部)は、センタシートバックとセンタヘッドレストの間に配置されることになる。
【0027】
また、当該第2ポケット部において、センタシートバックが起立した状態でセンタシートバックにおけるシート前後方向の後方側となる部位を第2開口部とすることによって、センタシートバックを前倒させた状態で、当該第2ポケット部の第2開口部はシート上下方向の上方側となる部位に配置されることになる。つまり、センタシートバックを前倒させた状態では、センタシートバックとセンタヘッドレストの間に対してシート上下方向の上方側に位置する第2開口部を通じてその上方側から第2ポケット部内へ小物を収容させることができる。
【0028】
第5の態様に係る車両用シートは、第1の態様~第4の態様の何れか1の態様に係る車両用シートにおいて、前記収容部は、前記センタシートバックが起立した状態で前記センタヘッドレストにおけるシート上下方向の上面となる部位に設けられると共に当該センタヘッドレストにおけるシート前後方向の後方側となる部位を第3開口部とする第3ポケット部である。
【0029】
第5の態様に係る車両用シートでは、収容部は第3ポケット部であり、当該第3ポケット部は、センタシートバックが起立した状態でセンタヘッドレストにおけるシート上下方向の上面となる部位に設けられると共に当該センタヘッドレストにおけるシート前後方向の後方側となる部位を第3開口部としている。
【0030】
このように、センタシートバックが起立した状態でセンタヘッドレストにおけるシート上下方向の上面となる部位に収容部が設けられることによって、センタシートバックを前倒させた状態で、当該収容部(第3ポケット部)は、センタシートバックとセンタヘッドレストが一体となったアームレストの先端に配置されることになる。
【0031】
また、当該第3ポケット部において、センタシートバックが起立した状態でセンタヘッドレストにおけるシート前後方向の後方側となる部位を第3開口部とすることによって、センタシートバックを前倒させた状態で、当該第3ポケット部の第3開口部はシート上下方向の上方側となる部位に配置されることになる。つまり、センタシートバックを前倒させた状態では、いわゆるアームレストの先端に対してシート上下方向の上方側に位置する第3開口部を通じてその上方側から第3ポケット部内へ小物を収容させることができる。
【0032】
第6の態様に係る車両用シートは、第1の態様~第5の態様の何れか1の態様に係る車両用シートにおいて、前記第1ポケット部は、前記第1開口部以外の周囲が前記センタシートバックの意匠面を構成するシートバック表皮に対して縫製され、前記シートバック表皮との間で小物が収容可能な第1空間部が形成されている。
【0033】
第6の態様に係る車両用シートでは、第1ポケット部は、第1開口部以外の周囲がセンタシートバックの意匠面を構成するシートバック表皮に対して縫製され、当該シートバック表皮との間で小物が収容可能な第1空間部が形成されている。つまり、第1ポケット部内に収容される小物は、第1ポケット部とシートバック表皮との間で形成される第1空間部内に収容されることになる。
【0034】
一般に、シートバック表皮は、布系又はレザー系が用いられるため、第1ポケット部は、シートバック表皮に合わせて布系又はレザー系が用いられる。したがって、例えば、携帯電話の画面等、表面が傷付きやすい部材であっても、携帯電話が接触する部材は布系又はレザー系の部材であるため、携帯電話を第1ポケット部内に収容させても携帯電話の表面に傷が付かないようにすることが可能となる。
【0035】
第7の態様に係る車両用シートは、第1の態様~第6の態様の何れか1の態様に係る車両用シートにおいて、前記第2ポケット部は、前記第2開口部以外の周囲が前記センタヘッドレストの意匠面を構成するヘッドレスト表皮に対して縫製され、前記ヘッドレスト表皮との間で小物が収容可能な第2空間部が形成されている。
【0036】
第7の態様に係る車両用シートでは、第2ポケット部は、第2開口部以外の周囲がセンタヘッドレストの意匠面を構成するヘッドレスト表皮に対して縫製され、当該ヘッドレスト表皮との間で小物が収容可能な第2空間部が形成されている。つまり、第2ポケット部内に収容される小物は、第2ポケット部とヘッドレスト表皮との間で形成される第2空間部内に収容されることになる。
【0037】
このため、第1ポケット部と同様に、例えば、携帯電話を第2ポケット部内に収容させても携帯電話の表面に傷が付かないようにすることが可能となる。
【0038】
第8の態様に係る車両用シートは、第1の態様~第7の態様の何れか1の態様に係る車両用シートにおいて、前記第3ポケット部は、前記第3開口部以外の周囲が前記センタヘッドレストの意匠面を構成するヘッドレスト表皮に対して縫製され、前記ヘッドレスト表皮との間で小物が収容可能な第3空間部が形成されている
【0039】
第8の態様に係る車両用シートでは、第3ポケット部は、第3開口部以外の周囲がヘッドレスト表皮に対して縫製され、当該ヘッドレスト表皮との間で小物が収容可能な第3空間部が形成されている。つまり、第3ポケット部内に収容される小物は、第2ポケット部と同様に、第3ポケット部とヘッドレスト表皮との間で形成される第3空間部内に収容されることになる。
【0040】
このため、第1ポケット部、第2ポケット部と同様に、例えば、携帯電話を第3ポケット部内に収容させても携帯電話の表面に傷が付かないようにすることが可能となる。
【0041】
第9の態様に係る車両用シートは、第1の態様~第8の態様の何れか1の態様に係る車両用シートにおいて、前記収容部は、前記センタシートバックが起立した状態で前記センタヘッドレストにおけるシート前後方向の後部となる部位に設けられ当該センタヘッドレストにおけるシート前後方向の前方側へ向かって凹む収容凹部とされている。
【0042】
第9の態様に係る車両用シートでは、収容部は収容凹部であり、当該収容凹部は、センタシートバックが起立した状態で、センタヘッドレストにおけるシート前後方向の後部となる部位に設けられ当該センタヘッドレストにおけるシート前後方向の前方側へ向かって凹んで形成されている。
【0043】
このように、センタシートバックが起立した状態で、センタヘッドレストにおけるシート前後方向の後部となる部位に収容凹部が設けられることによって、センタシートバックを前倒させた状態で、当該収容凹部は、センタシートバックとセンタヘッドレストが一体となったアームレストの先端部に配置されることになる。
【0044】
つまり、センタシートバックを前倒させた状態では、いわゆるアームレストの先端部におけるシート上下方向の上方側から収容凹部内へ小物を収容させることができる。なお、収容凹部は凹んで形成されるため、例えば、当該収容凹部をカップホルダとして利用することも可能となる。
【0045】
第10の態様に係る車両用シートは、第1の態様~第9の態様の何れか1の態様に係る車両用シートにおいて、前記センタシートクッションのシート幅方向の両外側に配置された外側シートクッションに対して第1軸線を中心に前倒可能にそれぞれ支持された外側シートバックに対して、前記センタシートバックは、起立した状態で前記第1軸線よりもシート上下方向の上方側に位置する第2軸線を中心に前倒可能に支持されている。
【0046】
第10の態様に係る車両用シートでは、センタシートクッションのシート幅方向の両外側に配置された外側シートクッションに対して外側シートバックは、第1軸線を中心に前倒可能にそれぞれ支持されている。この外側シートバックに対して、センタシートバックは、起立した状態で第1軸線よりもシート上下方向の上方側に位置する第2軸線を中心に前倒可能に支持されている。
【0047】
このため、例えば、センタシートバックが第1軸線を中心に前倒された状態と比較して、センタシートバックが第2軸線を中心に前倒された場合、センタシートバックの先端がシート前後方向の後方側に配置されることになる。これにより、センタシートバックの先端の位置と外側シートバックに支持された着座乗員の上体との距離が離れすぎないようにしている。
【発明の効果】
【0048】
本発明に係る車両用シートによると、リヤシートに着座した着座乗員がシートベルトを装着した状態でも容易に物を収容させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】本実施の形態に係る車両用シートにおいて、センタシートバック部が前倒された状態を示す斜視図であり、二点鎖線はセンタシートバック部が起立した状態を示す斜視図である。
【
図2】本実施の形態に係る車両用シートにおいて、センタシートバック部が起立した状態で要部を拡大して断面で示す要部拡大断面図である。
【
図3】(A)は本実施の形態に係る車両用シートにおいて、センタシートバック部が前倒された状態でセンタシートバック部とセンタヘッドレスト部の間に設けられたポケット部を示す模式図であり、(B)は、ポケット部内に携帯電話が収容された状態を示す模式図である。
【
図4】本実施の形態に係る車両用シートの変形例1、2であり、
図1に対応する斜視図である。
【
図5】本実施の形態に係る車両用シートの変形例1、2であり、
図2に対応する要部拡大断面図である。
【
図6】本実施の形態に係る車両用シートの変形例1、2であり、
図3(A)に対応する模式図である。
【
図7】本実施の形態に係る車両用シートの変形例3であり、
図1に対応する斜視図である。
【
図8】(A)は、本実施の形態に係る車両用シートの変形例3において、センタシートバック部が前倒された状態を示す平面図であり、(B)は、(A)で示すA-A線に沿って切断したときの端面図である。
【
図9】本実施の形態に係る車両用シートにおいて、アームレストの前端に設けられた収容凹部を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下、図面を用いて本発明の実施形態に係る車両用シートについて説明する。なお、図中矢印FRはシート前後方向の前方向を示し、矢印UPはシート上下方向の上方向を示し、矢印Wはシート幅方向を示している。以下、単に前後、左右、上下の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、シート前後方向の前後、シート左右方向(シート幅方向)の左右、シート上下方向の上下を示すものとする。
【0051】
(車両用シートの構成)
まず、本実施形態の形態に係る車両用シートの構成について説明する。
【0052】
図1に示されるように、本実施の形態に係る車両用シート10は、フロントシート(図示省略)よりも車両前後方向の後方側に配置されたリヤシート12である。このリヤシート12は、乗員が着座可能なシートクッション14と、当該シートクッション14に着座した着座乗員の上体を支持可能なシートバック16と、当該着座乗員の頭部を支持可能なヘッドレスト18と、に大別されている。シートクッション14、シートバック16及びヘッドレスト18は、図示しないが、骨格部材であるフレームと、クッション材で形成されたパッドと、意匠面を構成する表皮と、をそれぞれ備えている。
【0053】
また、シートクッション14は、例えば、当該シートクッション14の右側を構成するシートクッション部20と、当該シートクッション14の左側を構成するシートクッション部22と、を含んで構成されている。
【0054】
シートクッション部20とシートクッション部22の間には、センタシートクッション部(センタシートクッション)24が設けられている。センタシートクッション部24は、シートクッション部20及びシートクッション部22よりもシート幅方向の寸法が短く形成されているが、センタシートクッション部24には乗員が着座可能としている。
【0055】
シートバック16は、シートクッション部20、シートクッション部22、センタシートクッション部24に対応して、シートバック部26、シートバック部28、センタシートバック部(センタシートバック)30がそれぞれ連結されている。
【0056】
シートバック部26、シートバック部28、センタシートバック部30は、それぞれシートクッション部(外側シートクッション)20、シートクッション部(外側シートクッション)22、センタシートクッション部24との連結部に設けられた図示しないヒンジ部を介して軸線(第1軸線)Pを中心に回動可能とされ、それぞれ前倒可能とされている。
【0057】
なお、シートバック部26及びセンタシートバック部30は、軸線Pを中心に回動する際は、互いに連結された状態で一体となって回動する。また、センタシートバック部30は、起立した状態でシート上下方向の上方側に位置する図示しないヒンジ部を介してシートバック部26及びシートバック部28に対して軸線(第2軸線)Qを中心に回動可能とされ、前倒可能とされている。
【0058】
ヘッドレスト18は、シートバック部(外側シートバック)26、シートバック部(外側シートバック)28、センタシートバック部30に対応して、ヘッドレスト部32、ヘッドレスト部34、センタヘッドレスト部(センタヘッドレスト)36がそれぞれ連結され、それぞれ固定されている。このため、センタシートバック部30が前倒すると、当該センタシートバック部30と一体にセンタヘッドレスト部36がセンタシートクッション部24側へ移動することになる。
【0059】
ここで、
図2には、センタシートバック部30が起立した状態が示されており、センタシートバック部30側が断面で示されている。なお、
図2では、図面の見やすさを考慮してセンタヘッドレスト部36側の断面は省略している。
【0060】
図2に示されるように、本実施形態では、センタシートバック部30とセンタヘッドレスト部36の間には隙間38が設けられている。当該隙間38には、センタシートバック部30が起立した状態でセンタシートバック部30の上面30Bとなる部位に、小物が収容可能なポケット部(第1ポケット部、収容部)40が設けられている。また、当該ポケット部40は、センタシートバック部30が起立した状態で、センタシートバック部30の後方側となる部位を開口部40Aとしている。
【0061】
当該ポケット部40は、例えば、センタシートバック部30の意匠面を構成するシートバック表皮42と同じ生地(布又はレザー)が用いられている。ポケット部40は、開口部40A以外の周囲は、シートバック表皮42に対して縫製(縫製部48)されており、シートバック表皮42との間に携帯電話44(
図3(B)参照)等の小物が収容可能な空間部(第1空間部)46(
図3(A)参照)が形成されている。
【0062】
(車両用シートの作用及び効果)
まず、本実施形態の形態に係る車両用シートの作用及び効果について説明する。
【0063】
図1に示されるように、本実施形態では、センタシートバック部30は、シートバック部26及びシートバック部28に対して軸線Qを中心に回動し前倒可能とされている。また、センタシートバック部30とセンタヘッドレスト部36の間には隙間38が設けられており、センタシートバック部30が起立した状態でセンタシートバック部30の上面30Bとなる部位には、小物が収容可能なポケット部40が設けられている。
【0064】
このように、センタシートバック部30が起立した状態でセンタシートバック部30の上面30Bとなる部位にポケット部40が設けられることによって、センタシートバック部30を前倒させた状態で、当該ポケット部40は、センタシートバック部30とセンタヘッドレスト部36の間に配置されることになる。
【0065】
ここで、センタシートバック部30をシートバック部26及びシートバック部28に対して前倒させることによって、シートクッション部20、シートクッション部22に着座した着座乗員は、前倒されたセンタシートバック部30をアームレスト68としてそれぞれ使用することができる。
【0066】
例えば、比較例として、図示はしないが、アームレスト68の内部に小物入れが設けられている場合、当該小物入れに対して物を出し入れする際、アームレスト68を使用している着座乗員の肘を退避させないと小物入れを開閉させるための蓋体を開閉させることができない。
【0067】
これに対して、本実施形態では、センタシートバック部30とセンタヘッドレスト部36の隙間38にポケット部40が設けられることによって、当該ポケット部40に対して物を出し入れする際、アームレスト68を使用している着座乗員の肘を退避させる必要は無く、アームレスト68の使用の有無に関係なくポケット部40の使用が可能である。
【0068】
しかも、センタシートバック部30とセンタヘッドレスト部36の隙間38にポケット部40が設けられるため、リヤシート12に着座した着座乗員にとって、当該ポケット部40は、図示はしないが、フロントシートの背面側に設けられた収容部よりも近い位置に収容部が設けられることになり、シートベルトを装着した状態でも着座乗員が容易に物を収容させることが可能となる。
【0069】
また、ポケット部40は、センタシートバック部30が起立した状態で、センタシートバック部30の後方側となる部位を開口部40Aとしている。これにより、センタシートバック部30を前倒させた状態で、当該ポケット部40の開口部40Aはアームレスト68の上方側となる部位に配置されることになる。
【0070】
つまり、センタシートバック部30を前倒させた状態では、センタシートバック部30とセンタヘッドレスト部36の間に対して、アームレスト68の上方側から開口部40Aを通じてポケット部40内へ小物を収容させることができる。
【0071】
また、
図3(B)に示されるように、当該ポケット部40内へ携帯電話44を収容させることによって、シートクッション部20、シートクッション部22に着座した着座乗員にとって目に付きやすい位置に携帯電話44を配置することが可能となる。また、当該ポケット部40内へ携帯電話44を収容させることによって、車両の揺れに伴う携帯電話44のアームレスト68からの落下等を抑制することできる。
【0072】
さらに、本実施形態では、
図2に示されるポケット部40は、センタシートバック部30のシートバック表皮42と同じ生地が用いられている。ポケット部40は、開口部40A以外の周囲は、シートバック表皮42に対して縫製部48を介して縫製されており、シートバック表皮42との間に携帯電話44(
図3(B)参照)等の小物が収容可能な空間部46(
図3(A)参照)が形成されている。
【0073】
本実施形態では、ポケット部40内に収容される小物が携帯電話44の画面等、表面が傷付きやすい部材であっても、この部材が接触するのはポケット部40又はシートバック表皮42であり、この部材の表面に傷が付かないようにすることが可能となる。
【0074】
なお、本実施形態では、ポケット部40は、シートバック表皮42と同じ生地が用いられているが、これに限るものではない。例えば、ネット状の素材が用いられてもよい。また、この場合、縫製に限らず、接着、溶着等によりポケット部40がシートバック表皮42に接合されてもよい。
【0075】
一方、
図1に示されるように、本実施形態では、シートバック部26、シートバック部28、センタシートバック部30は、シートクッション部20、シートクッション部22、センタシートクッション部24に対して軸線Pを中心に前倒可能にそれぞれ支持されている。このシートバック部26及びシートバック部28に対して、センタシートバック部30は、起立した状態で軸線Pよりもシート上下方向の上方側に位置する軸線Qを中心に前倒可能に支持されている。
【0076】
このため、例えば、図示はしないが、センタシートバック部30が軸線Pを中心に前倒された状態と比較して、センタシートバック部30が軸線Qを中心に前倒された場合、センタシートバック部30の先端がシート前後方向の後方側に配置されることになる。これにより、センタシートバック部30の先端の位置とシートバック部26、シートバック部28に支持された着座乗員の上体との高さ方向での距離が離れすぎないようにしている。
【0077】
また、軸線Qは、シートクッション部20、シートクッション部22に対してシートバック部26、シートバック部28が回動する軸線Pよりもシート上下方向の上方側に位置するため、センタシートバック部30が軸線Qを中心に前倒された場合、センタシートバック部30とセンタシートクッション部24との間には隙間70が設けられる。
【0078】
ここで、センタヘッドレスト部36の前面36Bは、センタシートバック部30の前面30Aよりもシート前後方向の前方側へ向かって突出しており、センタシートバック部30が軸線Qを中心に前倒された状態でセンタヘッドレスト部36はセンタシートクッション部24に当接する。
【0079】
本実施形態では、センタシートバック部30において、軸線Pよりもシート上下方向の上方側に位置する軸線Qを中心に前倒させることによって、軸線Pを中心にセンタシートバック部30を前倒させた場合と比較して、アームレスト68の上面68Aの高さ方向の位置が高くなる。
【0080】
これにより、アームレスト68の上面68Aの高さをシートバック部26、シートバック部28に支持された着座乗員の肘の高さに近づけることができ、着座乗員がアームレスト68に対して肘を置きやすくすることができる。
【0081】
また、本実施形態においてアームレスト68の先端部を構成するセンタヘッドレスト部36はセンタシートクッション部24に当接するため、図示はしないが、片持ち構造のアームレストと比較すると、アームレスト68自体の強度が増し、安定した状態で着座乗員の肘を支持することができる。
【0082】
(本実施形態の補足事項)
本実施形態では、
図2で示されるように、センタシートバック部30とセンタヘッドレスト部36の隙間38には、センタシートバック部30が起立した状態でセンタシートバック部30の上面30Bとなる部位にポケット部40が設けられている。しかしながら、本発明では、センタシートバック部30が起立した状態でセンタシートバック部30及びセンタヘッドレスト部36におけるシート前後方向の前面側となる部位を除く部位にポケット部40が設けられていればよいため、これに限るものではない。
【0083】
例えば、変形例1として、
図4~
図6に示されるように、センタシートバック部30とセンタヘッドレスト部36の間に設けられた隙間38において、センタシートバック部30が起立した状態でセンタヘッドレスト部36の下面36Eとなる部位に、ポケット部40と同様に、小物が収容可能なポケット部(第2ポケット部、収容部)50が設けられてもよい。
【0084】
このポケット部50は、センタシートバック部30が起立した状態で、センタヘッドレスト部36の後方側となる部位を開口部50Aとする。そして、当該ポケット部50は、センタヘッドレスト部36の意匠面を構成するヘッドレスト表皮52と同じ生地(布又はレザー)が用いられる。また、ポケット部50は、開口部50A以外の周囲は、ヘッドレスト表皮52に対して縫製(縫製部56)されており、ヘッドレスト表皮52との間に小物が収容可能な空間部(第2空間部)54が形成される。
【0085】
また、変形例2として、センタシートバック部30が起立した状態でセンタヘッドレスト部36の上面36Aとなる部位に、ポケット部40、50と同様に、小物が収容可能なポケット部(第3ポケット部、収容部)60が設けられてもよい。
【0086】
このポケット部60は、センタシートバック部30が起立した状態で、センタヘッドレスト部36の後方側となる部位を開口部60Aとする。そして、当該ポケット部60は、ヘッドレスト表皮52と同じ生地が用いられ、開口部60A以外の周囲は、ヘッドレスト表皮52に対して縫製(縫製部64)され、ヘッドレスト表皮52との間に小物が収容可能な空間部(第3空間部)62が形成される。なお、ポケット50、60については必ずしも必要ではない。
【0087】
さらに、変形例3として、
図7に示されるように、センタシートバック部30が起立した状態でセンタシートバック部30の側面30Cとなる部位に小物が収容可能なポケット部(収容部)66が設けられてもよい。
【0088】
当該ポケット部66は、ポケット部40と同様に、センタシートバック部30が起立した状態で、センタヘッドレスト部36の後方側となる部位を開口部66A(
図8(B)参照)とする。また、当該ポケット部66は、ヘッドレスト表皮42と同じ生地が用いられて、
図8(B)に示されるように、開口部66A以外の周囲は、ヘッドレスト表皮42に対して縫製(縫製部67)され、ヘッドレスト表皮42との間に小物が収容可能な空間部69が形成される。なお、
図8(A)は、センタシートバック部30が前倒された状態を示す平面図であり、
図8(B)は、
図8(A)で示すA-A線に沿って切断したときの端面図である。
【0089】
ここで、センタシートバック部30は、当該センタシートバック部30が起立した状態でシートバック部26とシートバック部28の間に配置される。このため、センタシートバック部30の側面30Cには、
図8(A)、(B)に示されるように、予めシート幅方向の内側へ向かって凹む凹部67がそれぞれ形成されており、当該凹部67内にポケット部66が設けられるように設定される。これにより、センタシートバック部30を起立させる際、シートバック部26、シートバック部28との干渉によるポケット部66の破損を防ぐことが可能となる。
【0090】
なお、本実施形態では、例えば、センタシートバック部30に対してシートバック表皮42との間でそれぞれ小物が収容可能な空間部46を形成するポケット部40が設けられた例について説明したが、これに限るものではない。
【0091】
例えば、
図1に示されるように、センタシートバック部30が起立した状態でセンタヘッドレスト部36の後部37となる部位に
図9に示す収容凹部72が設けられてもよい。当該収容凹部72は、センタシートバック部30が起立した状態で、当該センタヘッドレスト部36におけるシート前後方向の前方側へ向かって凹んで形成されている。
【0092】
このように、センタシートバック部30が起立した状態で、センタヘッドレスト部36の後部37となる部位に収容凹部72が設けられることによって、センタシートバック部30を前倒させた状態で、当該収容凹部72は、アームレスト68の先端部に配置されることになる。
【0093】
つまり、センタシートバック部30を前倒させた状態では、いわゆるアームレスト68の先端部の上方側から収容凹部72内へ、例えば、カップ74を収容させることができ、当該収容凹部72をカップホルダとして利用することができる。なお、図示はしないが、センタシートバック部30が起立した状態で、当該センタシートバック部30の上部となる部位に当該収容凹部72が形成されてもよい。
【0094】
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記実施形態に限定されないことは勿論である。
【符号の説明】
【0095】
10 車両用シート
12 リヤシート
20 シートクッション部(外側シートクッション)
22 シートクッション部(外側シートクッション)
24 センタシートクッション部(センタシートクッション)
26 シートバック部(外側シートバック)
28 シートバック部(外側シートバック)
30 センタシートバック部(センタシートバック)
30B 上面(センタシートバックにおけるシート上下方向の上面)
36 センタヘッドレスト部(センタヘッドレスト)
36A 上面(センタヘッドレストにおけるシート上下方向の上面)
36B 前面(センタヘッドレストにおけるシート前後方向の前面)
36E 下面(センタヘッドレストにおけるシート上下方向の下面)
37 後部(センタヘッドレストにおけるシート前後方向の後部)
40 第1ポケット部(収容部)
40A 第1開口部
42 シートバック表皮
44 携帯電話
46 第1空間部
48 縫製部
50 第2ポケット部(収容部)
50A 第2開口部
52 ヘッドレスト表皮
54 第2空間部
56 縫製部
60 第3ポケット部(収容部)
60A 第3開口部
62 第3空間部
64 縫製部
66 ポケット部(収容部)
68 アームレスト
72 収容凹部(収容部)
P 軸線(第1軸線)
Q 軸線(第2軸線)