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特開2024-129741設備機器設置台及び設備機器設置台の設置構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129741
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】設備機器設置台及び設備機器設置台の設置構造
(51)【国際特許分類】
   E02D 27/44 20060101AFI20240919BHJP
【FI】
E02D27/44 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039137
(22)【出願日】2023-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】390039505
【氏名又は名称】株式会社SAICON
(74)【代理人】
【識別番号】100111659
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 聡
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 昭一
【テーマコード(参考)】
2D046
【Fターム(参考)】
2D046DA44
2D046DA45
(57)【要約】
【課題】傾斜角度が異なる種々の設置面に対して、設置面にアンカー等の部材を取り付けることなく、コンクリート板のような重量物である設置台を、労力と手間をかけることなく、容易かつ正確に水平に設置できるようにする。
【解決手段】設備機器を保持し傾斜した基礎コンクリート面2に設置される設備機器設置台1であって、コンリート製の平板状のベースブロック4、5からなり前記設備機器を保持する保持面を有する設置台本体3と、設置台本体3の異なる位置に取り付けられ、設置台本体3の底面と基礎コンクリート面2との距離を独立して調整して前記保持面を水平にする調整ボルト11、12、13、14とを備え、前記保持面が水平な状態で設置台本体3の底面と基礎コンクリート面2との間に形成される空間に充填されて設置台本体3を基礎コンクリート面2に固定する充填剤を充填する充填口5Fが設置台本体3に設けられている設備機器設置台1。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設備機器を保持し傾斜した設置面に設置される設備機器設置台であって、
コンリート製の平板状のベースブロックからなり前記設備機器を保持する保持面を有する設置台本体と、
前記設置台本体の異なる位置に取り付けられ、前記設置台本体の底面と前記設置面との距離を独立して調整して前記保持面を水平にする複数の調整部材と
を備え、
前記保持面が水平な状態で前記設置台本体の底面と前記設置面との間に形成される空間に充填されて前記設置台本体を前記設置面に固定する充填剤を充填する充填口が前記設置台本体に設けられていることを特徴とする設備機器設置台。
【請求項2】
前記調整部材は前記設置台本体に螺合するネジ部と前記設置面に当接する台座部を備えた調整ボルトであり、該調整ボルトは前記設置台本体の隅部に取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の設備機器設置台。
【請求項3】
前記設置台本体の底面には、前記設置面に当接し前記空間に充填された前記充填剤を前記空間内に封入する弾性部材からなる封入枠体が設けられていることを特徴とする請求項1記載の設備機器設置台。
【請求項4】
前記充填剤はグラウトモルタルであることを特徴とする請求項1記載の設備機器設置台。
【請求項5】
前記充填剤は前記空間に充填された後硬化して前記設置台本体の底面を支持することを特徴とする請求項1記載の設備機器設置台。
【請求項6】
前記保持面の前側には前記設備機器を載置する前方架台が取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の設備機器設置台。
【請求項7】
前記保持面の前記前方架台の後方には前記設備機器を載置又は支持するための後方架台が取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の設備機器設置台。
【請求項8】
前記設置台本体は複数の前記ベースブロックからなり、該複数のベースブロックは前記前方架台及び前記後方架台により連結されていることを特徴とする請求項6又は請求項7記載の設備機器設置台。
【請求項9】
設備機器を保持し傾斜した設置面に設置される設備機器設置台の設置構造であって、
設備機器設置台は、
コンリート製の平板状のベースブロックからなり前記設備機器を保持する保持面を有する設置台本体と、
前記設置台本体の異なる位置に取り付けられ、前記設置台本体の底面と前記設置面との距離を独立して調整して前記保持面を水平にする複数の調整部材と
を備え、
前記保持面が水平な状態で前記設置台本体の底面と前記設置面との間に形成される空間に充填剤が充填されて前記設置台本体が前記設置面に固定されることを特徴とする設備機器設置台の設置構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭用の充電機器、蓄電池、給湯器、エアコン室外機等の設備機器を設置面に設置する設備機器の設置台及び設備機器の設置台設置構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
家庭用の充電機器、蓄電池、給湯器、エアコン室外機等の設備機器を屋外に設置する場合、コンクリート面や地面等の設置面に設置台を置き、設置台の上に設備機器を載せて固定する。
この場合、設置面が傾斜し、設備機器が傾いて設置されると、安定性が悪くなり、設備機器が転倒しやくなる等の問題が生ずることから、設置面が傾斜していても設備機器を水平設置する必要がある。
このため傾斜した設置面に対して設備機器を水平に設置できるようにする設置台に関し、種々の提案がなされている。
【0003】
例えば、特許文献1(特開平7-4877号公報)には、合成樹脂製ブロック本体の上面にブロック本体の長手方向に沿って上面が傾斜するレベル調整部材をセットし、上面がほぼ水平状態となったレベル調整部材の上にエアコン室外機を載せて据え付けるように構成したエアコン室外機の設置構造が開示されている。
この特許文献1のエアコン室外機の設置構造では、合成樹脂製ブロック本体を置く地面の傾斜角度が異なることに対応するため、傾斜角度が異なる複数種類のレベル調整部材を用意するようになっている(特許文献1の段落[0009])。
しかしながら、地面(設置面)の傾斜角度は、場所によって異なり、特許文献1のエアコン室外機の設置構造では、傾斜角度の異なるすべての地面(設置面)に対して、エアコン室外機(設備機器)を水平に設置することができないのみならず、複数種類のレベル調整部材を用意しておくことから、使用しないレベル調整部材が生じ、材料の無駄となる。
しかも、特許文献1のエアコン室外機の設置構造は、合成樹脂製ブロックを使用することから、コンクリート製のブロックより強度が劣り、重量のある設備機器には適用できない。
【0004】
次に、特許文献2(特開2010-271008号公報)には、設置面(床面3)に接地する接地面13と、設置物(エアコン室外機2)が載置される載置面14とを有し、接地面13と載置面14との間に傾斜角度θを設け、この傾斜角度θを、設置面3に付与される排水勾配としての一般的な角度と同等以上に設定した設置台1であり、この設置台1は積み重ね可能に形成され、積み重ねた時に、下側の設置台1の載置面14の傾斜角度よりも、上側の設置台1の載置面14の傾斜角度の方が急傾斜になるように構成された設置台が開示されている。
しかしながら、設備機器が設置される設置面のすべてに一定の排水勾配が設けられているとは限らず、一般的な排水勾配(0.5度~1.5度)とは異なる傾斜角度の設置面に対しては、特許文献2の設置台では、設備機器を水平に設置することができない。
また、特許文献2の設置台では、設置台1は積み重ね可能となっており、載置面の傾斜角度を大きくすることができるが、積み重ねた載置面の傾斜角度と異なる傾斜角度の設置面に対しては、設備機器を水平に設置することができない。
しかも、特許文献2の設置台は、熱可塑性で硬質な合成樹脂材料を用いて一体成形されたものであり(特許文献2の段落[0031])、特許文献1と同様にコンクリート製のブロックより強度が劣り、重量のある設備機器には適用できない。
【0005】
この点、特許文献3(特開2015-55061号公報)には、設置部材34、第1固定部材としてのアンカーナット48及び第2固定部材としての長ボルト50を備えた付加構造物の設置構造であって、設置部材34には充電装置20が固定され、駐車スペース18の底面18Aにはアンカーナット48が打ち込まれ、長ボルト50が設置部材34の四隅の円筒部38とアンカーナット48に螺合されることにより、設置部材34が底面18Aに対して水平となるように固定され、設置部材34と底面18Aとの間には隙間52が形成され、隙間52にはケーブル54が挿通されるスポンジ材58が挿入され、隙間52の周縁部がコンクリート60によって埋められている付加構造物の設置構造が開示されている。
しかしながら、特許文献3では、設置面にアンカーナット48を打ち込む必要があり、手間がかかるのみならず、アンカーナット48を打ち込む位置がずれると、長ボルト50をアンカーナット48に螺号することができず、設置部材34を底面18Aに設置できないという問題がある。
また、特許文献3では、設置部材34と底面18Aとの間の隙間52にコンクリート60を打設するため、設置部材34を底面18Aから離して取り付ける必要があり、設置部材34がコンクリート板のような重量物の場合、設置部材34の取り付け作業に多大の労力を要するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7-4877号公報
【特許文献2】特開2010-271008号公報
【特許文献3】特開2015-55061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、傾斜角度が異なる種々の設置面に対して、設置面にアンカー等の部材を取り付けることなく、コンクリート板のような重量物である設置台を、労力と手間をかけることなく、容易かつ正確に水平に設置できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、設備機器を保持し傾斜した設置面に設置される設備機器設置台であって、コンリート製の平板状のベースブロックからなり前記設備機器を保持する保持面を有する設置台本体と、前記設置台本体の異なる位置に取り付けられ、前記設置台本体の底面と前記設置面との距離を独立して調整して前記保持面を水平にする複数の調整部材とを備え、前記保持面が水平な状態で前記設置台本体の底面と前記設置面との間に形成される空間に充填されて前記設置台本体を前記設置面に固定する充填剤を充填する充填口が前記設置台本体に設けられている設備機器設置台を提供して、上記課題を解決するものである。
【0009】
請求項2の発明は、前記調整部材は前記設置台本体に螺合するネジ部と前記設置面に当接する台座部を備えた調整ボルトであり、該調整ボルトは前記設置台本体の隅部に取り付けられている設備機器設置台を提供して、上記課題を解決するものである。
【0010】
請求項3の発明は、前記設置台本体の底面には、前記設置面に当接し前記空間に充填された前記充填剤を前記空間内に封入する弾性部材からなる封入枠体が設けられている設備機器設置台を提供して、上記課題を解決するものである。
【0011】
請求項4の発明は、前記充填剤はグラウトモルタルで設備機器設置台を提供して、上記課題を解決するものである。
【0012】
請求項5の発明は、前記充填剤は前記空間に充填された後硬化して前記設置台本体の底面を支持する設備機器設置台を提供して、上記課題を解決するものである。
【0013】
請求項6の発明は、前記保持面の前側には前記設備機器を載置する前方架台が取り付けられている設備機器設置台を提供して、上記課題を解決するものである。
【0014】
請求項7の発明は、前記保持面の前記前方架台の後方には前記設備機器を載置又は支持するための後方架台が取り付けられている設備機器設置台を提供して、上記課題を解決するものである。
【0015】
請求項8の発明は、前記設置台本体は複数の前記ベースブロックからなり、該複数のベースブロックは前記前方架台及び前記後方架台により連結されている設備機器設置台を提供して、上記課題を解決するものである。
【0016】
請求項9の発明は、設備機器を保持し傾斜した設置面に設置される設備機器設置台の設置構造であって、設備機器設置台は、コンリート製の平板状のベースブロックからなり前記設備機器を保持する保持面を有する設置台本体と、前記設置台本体の異なる位置に取り付けられ、前記設置台本体の底面と前記設置面との距離を独立して調整して前記保持面を水平にする複数の調整部材とを備え、前記保持面が水平な状態で前記設置台本体の底面と前記設置面との間に形成される空間に充填剤が充填されて前記設置台本体が前記設置面に固定される設備機器設置台の設置構造を提供して、上記課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の発明の設備機器設置台においては、設置台本体の異なる位置に取り付けられた複数の調整部材が、前記設置台本体の底面と設置面との距離を独立して調整して設備機器の保持面を水平にすることから、傾斜角度が異なる種々の設置面に対して、設置面にアンカー等の部材を取り付けることなく、前記設置台本体を、労力と手間をかけることなく容易かつ正確に水平に設置でき、前記設置台本体に設けられた充填口から、前記設置台本体の底面と前記設置面との間に形成される空間に充填剤が充填されて、前記設置台本体を前記設置面に固定できると共に、前記複数の調整部材が充填剤で覆われて雨水等により腐食したり劣化したりするのが防止されるという効果を奏する。
【0018】
請求項2に記載の発明の設備機器設置台においては、さらに、前記設置台本体の隅部に取り付けられた調整ボルトを回すだけで、前記設置台本体の底面と設置面との距離を独立して調整して設備機器の保持面を容易に水平にできるという効果を奏する。
【0019】
請求項3に記載の発明の設備機器設置台においては、さらに、前記設置台本体の底面と前記設置面との間に形成される空間が封入枠体で囲われ、前記空間に充填剤を容易に充填できるという効果を奏する。
【0020】
請求項4に記載の発明の設備機器設置台においては、さらに、充填剤の接着性、封入性高めることができるという効果を奏する。
【0021】
請求項5に記載の発明の設備機器設置台においては、さらに、硬化した充填剤が前記設置台本体の底面を支持することから、前記複数の調整部材が劣化して前記設置台本体を支持できなくなっても、硬化した充填剤により前記保持面を水平にすることを維持できるという効果を奏する。
【0022】
請求項6に記載の発明の設備機器設置台においては、さらに、前方架台に設備機器を載せることができるという効果を奏する。
【0023】
請求項7に記載の発明の設備機器設置台においては、さらに、後方架台により設備機器を載置又は支持できるという効果を奏する。
【0024】
請求項8に記載の発明の設備機器設置台においては、さらに、設置台本体を複数のベースブロックに分割して、設置台本体の運搬・設置作業の負荷を低減すると共に、複数のベースブロックが専用の連結具を使用することなく、設備機器を載せる前方架台及び後方架台により連結されるという効果を奏する。
【0025】
請求項9に記載の発明の設備機器設置台の設置構造においては、設置台本体の異なる位置に取り付けられた複数の調整部材が、前記設置台本体の底面と設置面との距離を独立して調整して設備機器の保持面を水平にすることから、傾斜角度が異なる種々の設置面に対して、設置面にアンカー等の部材を取り付けることなく、前記設置台本体を、労力と手間をかけることなく容易かつ正確に水平に設置でき、前記設置台本体に設けられた充填口から、前記設置台本体の底面と前記設置面との間に形成される空間に充填剤が充填されて、前記設置台本体を前記設置面に固定できると共に、前記複数の調整部材が充填剤で覆われて雨水等により腐食したり劣化したりするのが防止されるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施形態の設備機器設置台の基本構成を示す斜視図である。
図2図1に示す設備機器設置台の平面図である。
図3図1に示す設備機器設置台の正面図である。
図4図1に示す設備機器設置台の左側面図である。
図5図2のA-A拡大断面図である。
図6図1に示す設備機器設置台の分解斜視図である。
図7】設置台本体3(ベースブロック4、5)を基礎コンクリート面2に設置する手順を説明する説明図である。
図8】設備機器設置台1の前方架台6と後方架台7のそれぞれに積み重ね台を載せた設備機器設置台の斜視図と平面図である。
図9】設備機器設置台1の前方架台6と後方架台7の間に設備機器の背面を支持する支持パネル取り付けた設備機器設置台の斜視図と平面図である。
図10】設備機器設置台1に充電スタンドを取り付けた状態の斜視図である。
図11】設備機器設置台1”に蓄電池を取り付けた状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[設備機器設置台の基本構成]
図1は、本発明の実施形態の設備機器設置台の基本構成を示す斜視図、図2は、図1に示す設備機器設置台の平面図、図3は、図1に示す設備機器設置台の正面図、図4は、図1に示す設備機器設置台の左側面図、図5は、図2のA-A拡大断面図、図6は、図1に示す設備機器設置台の分解斜視図である。
図中、1は設備機器設置台、2は基礎コンクリート面、3は設置台本体、4、5はベースブロック、4a、4b、4h、4j、5a、5b、5i、5k、5nはボルト穴、4F、5Fは充填口、4U、5Uは上面、4B、5Bは底面、6は前方架台、6h、6iは貫通孔、7は後方架台、7j、7kは貫通孔、8は封入枠体、9はコンクリート体、11、12、13、14は調整ボルト、11a、12a、13a、14aは台座部、11b、12b、13b、14bはネジ部、11n、12nはナット、15、16、17、18は高ナット付連結ボルト、21、22はブロック固定金具、21a、21b、22a、22bは穴、23、24は架台固定金具、23a、24aは長穴、23b、24bは穴、31a、31b、32a、32bは固定ボルト、33a、34aはナット、33b、34bは固定ボルト、Fiは充填剤である。
図に示すように、設備機器設置台1は、基礎コンクリート面2に上に置かれ、その基本構成は、設置台本体3、前方架台6及び後方架台7となる。
【0028】
基礎コンクリート面2は、建物の基礎等を形成する地面に埋め込まれたコンクリートの上面であり、設備機器設置台1を設置する設置面となるもので、前後方向や左右方向等の一の方向(図では正面方向)にθ(0.1度~10度程度)傾斜している(図1図2(c)参照)。
設置台本体3は、左右に並べて基礎コンクリート面2の上に置かれたベースブロック4、5からなる。
ベースブロック4、5は、平板状のコンクリートブロックであり、ベースブロック4とベースブロック5は、同じサイズであり、ベースブロック4の上面4U、底面4Bとベースブロック5の上面5U、底面5Bは、平坦なコンクリート面であり、上面4U、5Uは、本発明の設備機器を保持する保持面となる。
ベースブロック4においては、上面4U(底面4B)の左側の手前と奥の隅部にボルト穴4a、4bが設けられ、上面4U(底面4B)の右側の中央寄りにボルト穴4h、4jが設けられ、上面4U(底面4B)のボルト穴4a、4bの間の中央寄りには充填口4Fが設けられ、左側面には固定ボルト31bが螺合するナットが埋め込まれたボルト穴(図示せず)が設けられている。
【0029】
ボルト穴4a、4b、は、上下方向にベースブロック4を貫通する穴であり、上下方向の中央部にはナットが埋め込まれ、ナットの上端(下端)から上方(下方)に行くにつれて広がる円錐台形状の穴となっており、ボルト穴4h、4jはベースブロック4の上面側に設けられた穴であり、穴の底部にはナットが埋め込まれ、ナットの上端から上方に行くにつれて広がる円錐台形状の穴となっている。
充填口4Fは、上下方向にベースブロック4を貫通する円柱形上の穴である。
ベースブロック5においてもベースブロック4と同様の穴が設けられている。
すなわち、上面5U(底面5B)の右側の手前と奥の隅部にボルト穴5a、5bが設けられ、上面5U(底面5B)の左側の中央寄りにボルト穴5i、5kが設けられ、上面5U(底面5B)のボルト穴5a、5bの間の中央寄りには充填口5Fが設けられ、右側面には固定ボルト32bが螺合するナットが埋め込まれたボルト穴5nが設けられている。
ボルト穴5a、5bは、それぞれボルト穴4a、4bと同じで、上下方向にベースブロック5を貫通する穴であり、上下方向の中央部にはナットが埋め込まれ、ナットの上端(下端)から上方(下方)に行くにつれて広がる円錐台形状の穴となっており、ボルト穴5i、5kは、ボルト穴4h、4jと同じで、ベースブロック5の上面側に設けられた穴であり、穴の底部にはナットが埋め込まれ、ナットの上端から上方に行くにつれて広がる円錐台形状の穴となっている。
充填口5Fは、充填口4Fと同じように、上下方向にベースブロック5を貫通する円柱形上の穴である。
【0030】
前方架台6は、設備機器を載置するための台となる側面五角形形状又は直方体形状のコンクリートブロックであり、設置台本体3の上面(ベースブロック4、5の上面4U、5U)の前側に置かれる。
この前方架台6には、上面から下面に貫通する貫通孔6h、6iが設けられている。
後方架台7は、設備機器を載置または支持するための横長直方体形状のコンクリートブロックであり、設置台本体3の上面の前方架台6の後方に置かれる。
この後方架台7にも、前方架台6と同様に上面から下面に貫通する貫通孔7j、7kが設けられている。
また、後方架台7の左側面には、固定ボルト33bが螺合するナットが埋め込まれたボルト穴(図示せず)が設けられ、後方架台7の右側面には、固定ボルト34bが螺合するナットが埋め込まれたボルト穴7nが設けられている。
そして、前方架台6と後方架台7は、高さが同じで左右方向の長さは異なり、ベースブロック4とベースブロック5を連結する連結ブロックとしても機能する(詳細は後述する)。
なお、本実施形態では、後方架台7の左右方向の長さ(横幅)は、前方架台6の左右方向の長さより短いが、前方架台6と後方架台7の左右方向の長さは同じにしてもよく、前方架台6の形状を後方架台7と同じ横長直方体形状にしてもよい。
【0031】
封入枠体8は、ゴム等の弾性部材からなる断面が矩形の枠体であり、設置台本体3の底面(ベースブロック4、5の底面4B、5B)の周縁部に取り付けられ、設置台本体3の底面と基礎コンクリート面2との間に形成される空間に充填される充填剤Fiを封入するものである。
コンクリート体9は、建物の土台を置く基礎等であり、基礎コンクリート面2から上方に数十センチメートル程度突出して、基礎コンクリート面2に対して起立しており、このコンクリート体9の正面(建物基礎立上り面)の所定の位置に、後方架台7が架台固定金具23、24により固定される(詳細は後述する)。
【0032】
調整ボルト11、12、13、14は、図4に示すようにそれぞれ円錐台状(皿状)の台座部11a、12a、13a、14aとネジ部11b、12b、13b、14bからなり、ベースブロック4、5のボルト穴4a、4b、5a、5bに取り付けられる。
具体的には、図4に示すように調整ボルト11においては、台座部11aを下側にして、ネジ部11bがボルト穴4aに挿入されてボルト穴4aに埋め込まれたナット11nに螺合され、調整ボルト12においては、台座部12aを下側にして、ネジ部12bがボルト穴4bに挿入されてボルト穴4bに埋め込まれたナット12nに螺合され、これにより調整ボルト11、12がベースブロック4のボルト穴4a、4bに取り付けられる。
同様に、調整ボルト13、14においては、台座部13a、14a下側にして、ネジ部13b、14bがボルト穴5a、5bに埋め込まれたナット(図示せず)に螺合され、これにより調整ボルト13、14がベースブロック5のボルト穴5a、5bに取り付けられる。
この場合、各ボルト穴4a、4b、5a、5のナットに螺合されたネジ部11b、12b、13b、14bの先端部に工具(ドライバー等)を当てて各調整ボルト11、12、13、14回転させることにより、各台座部11a、12a、13a、14aから設置台本体3の底面(ベースブロック4、5の底面4B、5B)までの距離を調整でき、これにより、傾斜した基礎コンクリート面2に設置台本体3(ベースブロック4、5)を水平に置くことができる。
【0033】
高ナット付連結ボルト15、16、17、18は、それぞれ頭部に高ナット、胴部にネジ部を有し、前方架台6の貫通孔6h、6i、後方架台7の貫通孔7j、7kに挿通されて、ベースブロック4、5のボルト穴4h、4j、5i、5kに埋め込まれたナットに螺合される。
具体的には、高ナット付連結ボルト15は、貫通孔6hに挿通されてボルト穴4hのナットに螺合され、高ナット付連結ボルト16は、貫通孔6iに挿通されてボルト穴5iのナットに螺合され、高ナット付連結ボルト17は、貫通孔7jに挿通されてボルト穴4jのナットに螺合され、高ナット付連結ボルト17は、貫通孔7kに挿通されてボルト穴5kのナットに螺合される。
これにより、前方架台6と後方架台7がベースブロック4、5の上面4U、5Uに固定されると共に、ベースブロック4とベースブロック5が連結される。
この場合、下半分がボルト穴4hに嵌め込まれ上半分が貫通孔6hに嵌め込まれて高ナット付連結ボルト15が挿通する連結ピース、下半分がボルト穴5iに嵌め込まれ上半分が貫通孔6iに嵌め込まれて高ナット付連結ボルト16が挿通する連結ピース、下半分がボルト穴4jに嵌め込まれ上半分が貫通孔7jに嵌め込まれて高ナット付連結ボルト17が挿通する連結ピース、下半分がボルト穴5kに嵌め込まれ上半分が貫通孔7kに嵌め込まれて高ナット付連結ボルト18が挿通する連結ピースを使用して、ベースブロック4とベースブロック5を連結してもよい。
充填剤Fiは、設置台本体3(ベースブロック4、5)の充填口4F、5Fから、設置台本体3の底面と基礎コンクリート面2との間の空間の封止枠体8に囲われる部分に充填されるものである。
充填剤Fiには、隙間や亀裂、空洞や空間を穴埋めするために使用される建築資材であるグラウト材が使用される。
充填剤Fi(グラウト材)としては、セメント系、ガラス系、合成樹脂系、無収縮性モルタルがあるが、本発明の充填剤Fiには、膨張剤や混和剤等を配合したモルタル(セメント、水、細骨材を混ぜた材料)である無収縮性モルタル(グラウトモルタル)が、充填性(狭い空間にも充填できる)、接着性、封入性等の点で望ましい。
【0034】
ブロック固定金具21、22は、ベースブロック4、5を基礎コンクリート面2に固定するための断面がL字状の金具である。
ブロック固定金具21には、固定ボルト31a、31bが挿通する穴21a、21b、6が設けられ、ブロック固定金具22には、固定ボルト32a、32bが挿通する穴22a、22bが設けられている。
架台固定金具23、24は、後方架台7をコンクリート体9の正面に固定するための断面がL字状の金具である。
架台固定金具23には、コンクリート体9の正面に打ち込まれたアンカーボルト(図示せず)が挿通する長穴23a、固定ボルト33bが挿通する穴23bが設けられ、架台固定金具24には、コンクリート体9の正面に打ち込まれたアンカーボルト(図示せず)が挿通する長穴24a、固定ボルト34bが挿通する穴24bが設けられている。
固定ボルト31a、31b、32a、32bは、ブロック固定金具21、22をベースブロック4、5と基礎コンクリート面2に取り付けるためのものであり、固定ボルト31a、32aは、基礎コンクリート面2に設けられた穴に埋め込まれたナット(図示せず)に螺合し、固定ボルト31b、32bは、基礎コンクリート面2に設けられた穴に埋め込まれたナット(図示せず)に螺合し、ベースブロック4の左側面の穴、ベースブロック5の右側面の穴5nに埋め込まれたナット(図示せず)に螺合する。
ナット33a、34a、固定ボルト33b、34bは、架台固定金具23、24を後方架台7とコンクリート体9に取り付けるためのものであり、ナット33a、34aは、コンクリート体9に打ち込まれたアンカーボルトに螺合し、固定ボルト33b、34bは、後方架台7の左側面の穴と右側面の穴7に埋め込まれたナットに螺合する。
【0035】
[設備機器設置台の設置]
次に、設備機器設置台1を組み立てて設置する手順について説明する。
最初に、ベースブロック4の右側面とベースブロック5の左側面を突き合わせ、ベースブロック4、5の背面、底面等の突き合わせた部分の何か所かを連結金具等で仮止めして設置台本体3を形成し、設置台本体3の底面の周縁に封入枠体8を接着剤等で貼り付けておく。
図7は、設置台本体3(ベースブロック4、5)を基礎コンクリート面2に設置する手順を説明する説明図であり、図7(a)は、設置台本体3を基礎コンクリート面2に置いた状態のA-A拡大断面図、図7(b)は、設置台本体3を水平にした状態のA-A拡大断面図、図7(c)は、充填剤Fiを充填した状態のA-A拡大断面図であり、図中、SPは空間である。
まず、図7(a)に示すように、設置台本体3(ベースブロック4、5)の背面をコンクリート体9の正面に近接させて、設置台本体3を基礎コンクリート面2に置く。
このとき、設置台本体3の四隅に取り付けた調整ボルト11、12、13、14の台座部11a、12a、13a、14aと設置台本体3の底面(底面4B、5B)との距離はほぼ同じとなっており、設置台本体3は、基礎コンクリート面2とほぼ平行であり、水平面に対して基礎コンクリート面2とほぼ同じようにθ傾いており、設置台本体3の底面と基礎コンクリート面2の間には扁平な直方体形状の空間SPが形成されている。
【0036】
次いで、図7(b)に示すように、ネジ部11b、12b、13b、14bの先端部に工具(ドライバー等)を当てて各調整ボルト11、12、13、14回転させ、各台座部11a、12a、13a、14aと設置台本体3の底面との距離と調整して、設置台本体3が水平になるようにし、封入枠体8の底面が基礎コンクリート面2に接するようにする。
例えば、基礎コンクリート面2が正面方向にθ(0.1度~10度程度)傾斜している場合は、台座部12a、14aと設置台本体3の底面との距離を、台座部11a、13aと設置台本体3の底面との距離より短くすることにより、設置台本体3を水平にすることができ、基礎コンクリート面2が左右方向等に傾いている場合は、傾いている側(低くなっている側)の調整ボルトの台座部と設置台本体3の底面との距離を長くすることにより設置台本体3を水平にすることができる。
このとき、封入枠体8の背面側の部分が前面側の部分より縮んで、空間SPは、扁平な直方体形状からくさび形状に変化する。
次いで、図7(c)に示すように、充填口4F、5から充填剤Fiを注入し、空間SPに充填剤Fiを充填する。
これにより、空間SPの封止枠体8に囲われた部分が充填剤Fiで満たされ、充填剤Fiが硬化することにより、設置台本体3の底面が充填剤Fiで基礎コンクリート面2に固定されて支持され、また、調整ボルト11、12、13、14の台座部11a、12a、13a、14aと、ネジ部11b、12b、13b、14bの一部(台座部11a、12a、13a、14a側の部分)が充填剤Fiで覆われる。
【0037】
この後、前方架台6を設置台本体3の上面にベースブロック4、5に跨るようにして所定の位置に置き、高ナット付連結ボルト15を貫通孔6hに挿通させてベースブロック4のボルト穴4hに埋め込まれたナットに螺合させ、高ナット付連結ボルト16を貫通孔6iに挿通させてベースブロック5のボルト穴5iに埋め込まれたナットに螺合させる。
また、後方架台7を設置台本体3の上面の前方架台6の後方の位置に置き、高ナット付連結ボルト17を貫通孔7jに挿通させてベースブロック4のボルト穴4jに埋め込まれたナットに螺合させ、高ナット付連結ボルト18を貫通孔7kに挿通させてベースブロック5のボルト穴5kに埋め込まれたナットに螺合させる。
これにより、前方架台6と後方架台7が設置台本体3の上面に固定されると共に、前方架台6と後方架台7によりベースブロック4とベースブロック5が連結される。
なお、前方架台6と後方架台7の設置台本体3の上面への取り付けは、調整ボルト11等により設置台本体3を水平にする前(図7(a)の状態)に行ってもよい。
【0038】
次いで、ベースブロック4の左側面にブロック固定金具21をあてがい、固定ボルト31aを穴21aに挿通させて基礎コンクリート面2の穴に埋め込まれたナットに螺合させ、固定ボルト31bを穴21bに挿通させてベースブロック4の左側面の穴に埋め込まれたナットに螺合させ、ブロック固定金具21を基礎コンクリート面2とベースブロック4の左側面に固定する。
同様に、ベースブロック5の右側面にブロック固定金具33をあてがい、固定ボルト32aを穴22aに挿通させて基礎コンクリート面2の穴に埋め込まれたナットに螺合させ、固定ボルト32bを穴22bに挿通させてベースブロック5の右側面の穴5nに埋め込まれたナットに螺合させ、ブロック固定金具22を基礎コンクリート面2とベースブロック5の右側面に固定する。
このようにしてブロック本体3(ベースブロック4、5)がブロック固定金具21、22よって基礎コンクリート面2に固定される。
最後に、後方架台7の左側面とコンクリート体9の正面に架台固定金具23をあてがい、長穴23aからコンクリート体9の正面に打ち込んだアンカーボルトにナット33aを螺号させ、固定ボルト33bを穴23bに挿通させて後方架台7の左側面の穴に埋め込まれたナットに螺合させ、架台固定金具23をコンクリート体9と後方架台7の左側面に固定する。
同様に、後方架台7の右側面とコンクリート体9の正面に架台固定金具24をあてがい、長穴24aからコンクリート体9の正面に打ち込んだアンカーボルトにナット34aを螺号させ、固定ボルト34bを穴24bに挿通させて後方架台7の右側面の穴7nに埋め込まれたナットに螺合させ、架台固定金具24をコンクリート体9と後方架台7の右側面に固定する。
このようにして後方架台7が架台固定金具23、24よってコンクリート体9に固定される。
以上のようにして、図1図3に示すように、(設置台本体3、前方架台6及び後方架台7等からなる設備機器設置台1が、基礎コンクリート面2上に設置される。
【0039】
[設備機器設置台の他の実施形態]
図8は、設備機器設置台1の前方架台6と後方架台7のそれぞれに積み重ね台を載せた設備機器設置台の斜視図(同図(a))と平面図(同図(b))であり、図中、1’は設備機器設置台、15’、16’、17’、18’は高ナット付連結ボルト、40は前積み重ね台、40h、40iは貫通孔、41は後積み重ね台、41j、41kは貫通孔であり、図1図6に示す設備機器設置台1の構成部材等と同じものには同一の符号を付す。
図8に示すように、設備機器設置台1’は、設備機器設置台1において、前方架台6の上に前積み重ね台40を載せ、後方架台7の上に後積み重ね台41を載せたものである。
前積み重ね台40と後積み重ね台41は、共に同じ高さの横長直方体形状のコンクリートブロックであり、設備機器設置台1’に載せる設備機器の前方架台6、後方架台7からの高さを調整する台となるものであり、前積み重ね台40の左右方向の長さは前方架台6と同じであり、後積み重ね台41の左右方向の長さは後方架台7と同じである。
前積み重ね台40には、上面から下面に貫通する貫通孔40h、40iが、前方架台6の貫通孔6h、6iと重なる位置に設けられ、後積み重ね台41には、上面から下面に貫通する貫通孔41j、41kが、後方架台7の貫通孔7j、7kと重なる位置に設けられている。
また、後積み重ね台41の左右の側面には、固定ボルト33b、34bが螺合するナットが埋め込まれたボルト穴(図示せず)が設けられている。
【0040】
前積み重ね台40の取り付けにあたっては、前積み重ね台40を前方架台6の上面に載せ、高ナット付連結ボルト15’、16’を通孔40h、40iに挿通し、前方架台6の貫通孔6h、6iに挿通された高ナット付連結ボルト15、16の頭部の高ナットに高ナット付連結ボルト15’、16’を螺合することにより、前積み重ね台40が前方架台6の上面に固定される。
後積み重ね台41の取り付けにあったては、後積み重ね台41を後方架台7の上面に載せ、高ナット付連結ボルト17’、18’を通孔41j、41kに挿通し、後方架台7の貫通孔7j、7kに挿通された高ナット付連結ボルト17、18の頭部の高ナットに高ナット付連結ボルト17’、18’を螺合することにより、後積み重ね台41が後方架台7の上面に固定される。
また、後積み重ね台41の左右の側面とコンクリート体9の正面に架台固定金具23、24をあてがい、長穴23a、24aからコンクリート体9の正面に打ち込んだアンカーボルトにナット33a、34aを螺号させ、固定ボルト33b、34bを穴23に挿通させて後積み重ね台41の左右側面の穴に埋め込まれたナットに螺合させ、架台固定金具23、24をコンクリート体9と後積み重ね台41の左右側面に固定する。
これにより、後積み重ね台41が架台固定金具23、24によってコンクリート体9に固定される。
なお、設備機器設置台1’において、前積み重ね台40の上面に同じ前積み重ね台を載せ、後積み重ね台41の上面に同じ後積み重ね台を載せ、設備機器を設置する高さをさらに高くしてもより。
【0041】
図9は、設備機器設置台1の前方架台6と後方架台7の間に設備機器の背面を支持する支持パネル取り付けた設備機器設置台の斜視図(同図(a))と平面図(同図(b))であり、図中、1”は設備機器設置台、50は支持パネル、51は左パネル、52は右パネル、53は上アングルであり、図1図6に示す設備機器設置台1の構成部材等と同じものには同一の符号を付す。
図9に示すように、設備機器設置台1”は、設備機器設置台1において、前方架台6と後方架台7の間に、左パネル51、右パネル52及び上アングル53を備えた支持パネル50を取り付けたものである。
左パネル51、右パネル52は、設備機器設置台1”に設置する蓄電池等の設備機器の背面を支持する横断面がL字状の左右対称の金属性またはプラスチック製のパネルであり、左パネル51と右パネル52の側面の下端近傍にはボルト33b、34bが挿通する穴が設けられている。
上アングル53は、断面がL字状の金属製またはプラスチック製のアングルであって、左パネル51、右パネル52の背面の上部に、溶接、ねじ止め、接着剤等により取り付けられ、左パネル51と右パネル52を連結する。
支持パネル50の取り付けに当たっては、左パネル51と右パネル52が後方架台7の正面と左右の側面に当てがわれ、架台固定金具23、24が左パネル51と右パネル52の側面を挟んで後方架台7の側面に当てがわれ、固定ボルト33b、34bが、架台固定金具23、24の穴23b、24bと左パネル51、右パネル52の側面下端近傍の穴に挿通されて、後方架台7の左右側面の穴に埋め込まれたナットに螺合される。
すなわち、左パネル51と右パネル52の側面が、架台固定金具23、24に挟まれて後方架台7の側面に取り付けられる。
なお、前積み重ね台40と後積み重ね台41を取り付けた設備機器設置台1’においても、支持パネル50を取り付けてもよく、その場合は、左パネル51と右パネル52の側面が、架台固定金具23、24に挟まれて後積み重ね台41の側面に取り付けられる。
【0042】
[設備機器設置台への設備機器の取付]
図10は、設備機器設置台1に充電スタンドを取り付けた状態の斜視図であり、図中、60は充電スタンドである。
充電スタンド60は、電気自動車のバッテリー等に給電するための直方体形状の充電機器であり、本発明の設備機器の一種とである。
図10に示すように、充電スタンド60は、取付台(図示せず)を介して、設備機器設置台1の前方架台6と後方架台7に跨ってその上面に取り付けられる。
また、充電スタンド50を設備機器設置台1’に取り付ける場合は、充電スタンド60が前積み重ね台40と後積み重ね台41に跨ってその上面に取り付けられる。
図11は、設備機器設置台1”に蓄電池を取り付けた状態の斜視図であり、図中、70は蓄電池である。
蓄電池70は、家庭用太陽光発電システム等において使用される直方体形状の家庭用蓄電池であり、本発明の設備機器の一種である。
図11に示すように、蓄電池70は、蓄電池70の底面の脚(図示せず)が設備機器設置台1”の前方架台6の上面に載せられ、蓄電池70の背面が係合板を介して支持パネル50(左パネル51、右パネル52)に取り付けられる。
【0043】
以上のように設備機器設置台1、設備機器設置台1’、設備機器設置台1”は、傾斜した基礎コンクリート面2の上に置かれたベースブロック4、5からなる設置台本体3と、ベースブロック4、5のボルト穴4a、4b、5a、5bに取り付けられた調整ボルト11、12、13、14を備え、ベースブロック4、5には充填口4F、5Fが設けられ、ベースブロック4、5の上面4U、5Uには前方架台6と後方架台7が置かれ、ベースブロック4、5の底面には封入枠体8が取り付けられており、各調整ボルト11、12、13、14を回転させることにより、台座部11a、12a、13a、14aと設置台本体3の底面との距離が独立して調整されて設置台本体3が水平になるようにでき、充填口4F、5Fから充填剤Fiを注入して、設置台本体3の底面と基礎コンクリート面2の間に形成される空間であって封入枠体8で囲われた部分を充填剤Fiで満たすことにより設置台本体3の底面が硬化した填剤Fiで基礎コンクリート面2に固定されて支持されると共に、調整ボルト11、12、13、14の設置台本体3の底面より下の部分が硬化した充填剤Fiで覆われ、調整ボルト11、12、13、14が雨水等により腐食して折れたりするのが防止され、調整ボルト11、12、13、14が腐食して折れたり等しても、硬化した填剤Fiで設置台本体3の底面が基礎コンクリート面2に支持されて設置台本体3の水平が維持され、前方架台6と後方架台7を高ナット付連結ボルト15、16、17、18によりベースブロック4、5に固定することにより、ベースブロック4、5が前方架台6と後方架台7によって連結され、さらに、ベースブロック4、5は、ブロック固定金具21、22と固定ボルト31a、31b、32a、32bによって基礎コンクリート面2に固定され、後方架台7は、架台固定金具23、24とアンカーボルト、ナット33a、34a、固定ボルト33b、34bによってコンクリート体9に固定される。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明の設備機器設置台及び設備機器設置台の設置構造は、傾斜角度が異なる種々に設置面に対して、設置面にアンカー等の部材を取り付けることなく、コンクリート板のような重量物である設置台を、労力と手間をかけることなく、容易かつ正確に水平に設置でき、家庭用の充電機器、蓄電池、給湯器、エアコン室外機等の設備機器を傾斜した建物の基礎等の設置面に設置するのに利用することができる。
【符号の説明】
【0045】
1、1’、1” 設備機器設置台
2 基礎コンクリート面
3 設置台本体
4、5 ベースブロック
4a、4b、4h、4j、5a、5b、5i、5k、5n ボルト穴
4F、5F 充填口
4U、5U 上面
4B、5B 底面
6 前方架台
6h、6i 貫通孔
7 後方架台
7j、7k 貫通孔
8 封入枠体
9 コンクリート体
11、12、13、14 調整ボルト
11a、12a、13a、14a 台座部
11b、12b、13b、14b ネジ部
11n、12n ナット
15、16、17、18 高ナット付連結ボルト
15’、16’、17’、18’ 高ナット付連結ボルト
21、22 ブロック固定金具
21a、21b、22a、22b 穴
23、24 架台固定金具
23a、24a 長穴
23b、24b 穴
31a、31b、32a、32b 固定ボルト
33a、34b ナット
33b、34b 固定ボルト
40 前積み重ね台
40h、40i 貫通孔
41 後積み重ね台
41j、41k 貫通孔
50 支持パネル
51 左パネル
52 右パネル
53 上アングル
60 充電スタンド
70 蓄電池
Fi 充填剤
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11