(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129742
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】滴下ノズル
(51)【国際特許分類】
B65D 47/18 20060101AFI20240919BHJP
A61J 1/05 20060101ALI20240919BHJP
【FI】
B65D47/18
A61J1/05 313C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039138
(22)【出願日】2023-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】000206185
【氏名又は名称】大成化工株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500152142
【氏名又は名称】日東メディック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107593
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 太郎
(72)【発明者】
【氏名】高瀬 祐太
(72)【発明者】
【氏名】川口 砂緒里
(72)【発明者】
【氏名】山田 浩史
(72)【発明者】
【氏名】小川 幸弘
【テーマコード(参考)】
3E084
4C047
【Fターム(参考)】
3E084AA04
3E084AA12
3E084AB05
3E084BA03
3E084CA01
3E084DA01
3E084DB17
3E084EA04
3E084EB02
3E084FA09
3E084HB02
3E084HD04
3E084KB02
3E084LA17
3E084LB02
3E084LB07
3E084LC01
4C047AA40
4C047CC24
4C047DD10
(57)【要約】
【課題】滴下角度毎の滴下量の安定性を向上し得る滴下ノズルを提供する。
【解決手段】容器本体3に取り付けられ、容器本体3に収容された内容液を滴下する滴下ノズル1であって、内容液の吐出口11が開口されたノズル先端面12と、該ノズル先端面12の外周縁に設けられた第1の液切りエッジ部13と、該第1の液切りエッジ部13よりも前記ノズル1の基端側に設けられ且つ前記第1の液切りエッジ部13よりも大径の第2の液切りエッジ部14とを備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体に取り付けられ、容器本体に収容された内容液を滴下する滴下ノズルであって、
内容液の吐出口が開口されたノズル先端面と、該ノズル先端面の外周縁に設けられた第1の液切りエッジ部と、該第1の液切りエッジ部よりも前記ノズルの基端側に設けられ且つ前記第1の液切りエッジ部よりも大径の第2の液切りエッジ部とを備える、滴下ノズル。
【請求項2】
請求項1に記載の滴下ノズルにおいて、
前記ノズル先端面との境界に前記第1の液切りエッジ部を形成する円筒状乃至截頭円錐状のノズル先端外周面をさらに備える、滴下ノズル。
【請求項3】
請求項2に記載の滴下ノズルにおいて、
前記ノズル先端外周面の基端部から径方向外方に延びるフランジ面をさらに備え、該フランジ面の外周縁により前記第2の液切りエッジ部が形成されている、滴下ノズル。
【請求項4】
請求項3に記載の滴下ノズルにおいて、
前記フランジ面は、縦断面において凸状の曲面により形成されている、滴下ノズル。
【請求項5】
請求項4に記載の滴下ノズルにおいて、
前記凸状の曲面からなるフランジ面の径方向内周縁よりも径方向外周縁が前記ノズルの基端側に位置する、滴下ノズル。
【請求項6】
請求項5に記載の滴下ノズルにおいて、
縦断面において前記径方向外周縁を通る前記フランジ面の接線と前記ノズル先端面とのなす角度が35°以上80°以下である、滴下ノズル。
【請求項7】
請求項3~6のいずれか1項に記載の滴下ノズルにおいて、
前記フランジ面との境界に前記第2の液切りエッジ部を形成するノズル中間外周面をさらに備え、該ノズル中間外周面は、縦断面において凹状の曲面により形成されている、滴下ノズル。
【請求項8】
請求項7に記載の滴下ノズルにおいて、
前記ノズル中間外周面の最小径部は、前記第2の液切りエッジ部よりも前記ノズルの基端側に位置する、滴下ノズル。
【請求項9】
請求項2~6のいずれか1項に記載の滴下ノズルにおいて、
前記ノズル先端外周面の軸長Ltは、前記第1の液切りエッジ部の直径D1の0.10~0.30 倍である、滴下ノズル。
【請求項10】
請求項1~6のいずれか1項 に記載の滴下ノズルにおいて、
前記第2の液切りエッジ部の直径D2は、前記第1の液切りエッジ部の直径D1の1.20~1.80倍である、滴下ノズル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、点眼容器などに好適に用いることができる滴下ノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、点眼容器は、滴下ノズルを有する点眼ボトルと、滴下ノズルを覆うように点眼ボトルに着脱自在に取り付けられる保護キャップとを有する。滴下ノズルは、その吐出口を真下に向けた状態で滴下される液滴の滴下量がほぼ一定となるよう設計されている。例えば、本願出願人が開示した下記の特許文献1には、ノズル先端面が半球状である従来の滴下ノズル構造が開示されている。
【0003】
ノズル先端面を半球状に構成した場合、ノズル吐出口を真下に向けて滴下すれば滴下量がほぼ一定となる。しかし、使用者によってはノズル吐出口を真下に向けず、ノズル吐出口が水平に沿う方向に向くように点眼ボトルを横倒しにして滴下する場合がある。このように点眼ボトルを横倒しにして滴下すると、上記従来の滴下ノズル構造の場合には半球状のノズル先端面に薬液が残留することがある。しかも、滴下動作の速度やタイミング等によって薬液残留量が変化し、これにより滴下量が不安定になる。
【0004】
点眼ボトルを横倒しにして滴下した場合の液切れ性を向上させて、ノズル先端面への薬液の残留量を低減させることのできる滴下ノズルが、下記の特許文献2に開示されている。特許文献2に開示された滴下ノズルでは、薬液の流路終端の吐出口を中心として山状に隆起した滴造部と、該流路を囲み棒状に伸びる根元部とが形成されている。前記滴造部と前記根元部との境界には、縦断面がクサビ形状で且つ外周方向に突出する液切部が設けられている。
【0005】
滴造部に関し、特許文献2の段落0012には、「滴造部は、吐出口とその周辺領域に位置し、流路に沿った縦断面から見て、吐出口が最も盛り上がり、そこから離れるに連れて徐々に下降する山状の部位で、具体例として台形断面や半球断面が挙げられる。台形断面の場合、吐出口の外縁には、わずかではあるが水平部分があり、その先で斜め下方に傾斜し、ふもとに向かう。滴造部を山状に隆起させることで、その表面積が増大し、液滴が成長しやすくなる。」と記載されている。すなわち、滴造部は、山状に隆起させたR部によって主構成されるものであり、
図1~
図4には台形断面であって吐出口の外周縁にR部が設けられた実施例構造が開示され、
図5には半球断面の実施例構造が開示されている。
いずれの実施例構造においても、滴造部の全体、すなわち、吐出口から前記液切部までのノズル先端部の表面全体が滴下時に液滴を成長させる部位として機能するものと考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2017-145039号公報
【特許文献2】特開2016-078911号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献2に開示された滴下ノズルによれば、滴下角度を0°~90°まで変化させた場合でも滴下後の残留量が殆ど生じなくなることが、段落0031及び
図3に示されている。しかし、各滴下角度における滴下量の安定性については言及されていない。本願発明者らの知見によれば、特許文献2に開示された滴下ノズルでは、吐出口から前記液切部までのノズル先端部の表面全体が滴下時に液滴を成長させる部位として機能するため、ノズル吐出口が真下に向く状態から若干傾けた場合(例えば滴下角度が70°程度)に、液滴が山状に隆起する滴造部を伝って液切部にまで広がり、液滴が付着するノズル表面積が過度に大きくなって大きな液滴が生成される場合がある。したがって、特許文献2に開示された滴下ノズルでは、滴下角度によっては滴下量が安定しない。
【0008】
本発明は、滴下角度毎の滴下量の安定性を向上し得る滴下ノズルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、容器本体に取り付けられ、容器本体に収容された内容液を滴下する滴下ノズルに関する。なお、滴下ノズルは、容器本体とは別部品として成形して容器本体に組み付けてもよいし、容器本体とともに一体成形することによって容器本体に取り付けられていてもよい。
【0010】
本発明による滴下ノズルは、内容液の吐出口が開口されたノズル先端面と、該ノズル先端面の外周縁に設けられた第1の液切りエッジ部と、該第1の液切りエッジ部よりも前記ノズルの基端側に設けられ且つ前記第1の液切りエッジ部よりも大径の第2の液切りエッジ部とを備えている。このように、径の異なる2つの液切りエッジ部を軸方向に異なる位置に配置することにより、滴下角度毎に滴下量を安定させることが可能になる。
【0011】
すなわち、吐出口が水平方向に沿って真横に向く状態を滴下角度0°、吐出口が鉛直下方に向く状態を滴下角度90°、液滴が第1の液切りエッジを乗り越える滴下角度をαとすると、滴下角度θが90°からαまでは液滴がノズル先端面のみで成長していき(
図2参照)、液滴の自重によって滴下する。このとき、第1の液切りエッジ部によって液切りされるため、ノズル先端面に残液が生じることが防止される。
【0012】
滴下角度がα未満で滴下操作すると、液滴が徐々に成長する過程で液滴が第1の液切りエッジ部を乗り越えるが、液滴が広がる範囲が第2の液切りエッジ部までに制限され、第2の液切りエッジ部で堰き止められた状態で液滴が成長する(
図3参照)。液滴がその自重によって滴下するとき、第2の液切りエッジ部によって液切りされるため、ノズル先端面から第2の液切りエッジ部までのノズル表面に残液が生じることが防止される。
【0013】
内容液の粘度やノズル表面の濡れ性等の種々の要因によって、液滴が第1の液切りエッジを乗り越える滴下角度αは変わってくる。
【0014】
なお、各液切りエッジ部は、縦断面において好ましくは120°以下、より好ましくは100°以下の角度で接続される2つの面の境界部により構成される。前記境界部には、成形加工時に生じる微小R部が存在していてもよいが、微小R部の直径は、実質的に境界部にR面が存在しないものとみなすことができる程度に小さくする。例えば、微小R部の直径は、第1の液切りエッジ部の直径の1/10未満、より好ましくは1/20未満に抑えることが好ましい。
【0015】
好ましくは、前記ノズル先端面との境界に前記第1の液切りエッジ部を形成する円筒状乃至截頭円錐状のノズル先端外周面をさらに備えることができる。これによれば、容器本体を横倒しにして滴下する際、液滴を第2の液切りエッジ部まで円滑に導くことができる。なお、ノズル先端外周面は、軸方向に真っ直ぐに延びる直円筒面であってもよいし、円筒状テーパー面でもよいし、テーパー角が比較的大きな截頭円錐面であってもよい。
【0016】
好ましくは、前記ノズル先端外周面の基端部から径方向外方に延びるフランジ面をさらに備え、該フランジ面の外周縁により前記第2の液切りエッジ部が形成されている。これによれば、容器本体を横倒しにして内容液を滴下する際、第2の液切りエッジに沿って液滴が流れ落ちるため、液切り性を一層向上できる。
【0017】
好ましくは、前記フランジ面は、縦断面において凸状の曲面により形成されている。これによれば、第2の液切りエッジ部から液滴が滴下する際の液切れ性をさらに向上できる。
【0018】
好ましくは、前記凸状の曲面からなるフランジ面の径方向内周縁よりも径方向外周縁が前記ノズルの基端側に位置する。これによれば、第2の液切りエッジ部から液滴が滴下する際の液切れ性をさらに向上できる。
【0019】
好ましくは、縦断面において前記径方向外周縁を通る前記フランジ面の接線と前記ノズル先端面とのなす角度(鋭角側の角度)が35°以上80°以下である。これによれば、滴下角度が0°~45°程度のとき、凸状の曲面からなるフランジ面を液切りに好適な姿勢とすることができ、第2の液切りエッジ部による液切り性をさらに向上できる。
【0020】
好ましくは、前記フランジ面との境界に前記第2の液切りエッジ部を形成するノズル中間外周面をさらに備え、該ノズル中間外周面は、縦断面において凹状の曲面により形成されている。これによれば、第2の液切りエッジ部の角度(縦断面において凹状の曲面の接続端部と前記フランジ面の接続端部とのなす角)をより小さくすることができ、第2の液切りエッジによる液切り性を一層向上できる。
【0021】
好ましくは、前記ノズル中間外周面の最小径部は、前記第2の液切りエッジ部よりも前記ノズルの基端側に位置する。これによれば、ノズル中間外周面が窪んだ形状となり、第2の液切りエッジ部の角度を一層小さくすることができる。
【0022】
好ましくは、前記ノズル先端外周面の軸長Ltは、前記第1の液切りエッジ部の直径D1の0.10~0.30 倍である。
【0023】
好ましくは、前記第2の液切りエッジ部の直径D2は、前記第1の液切りエッジ部の直径D1の1.20~1.80倍である。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、滴下角度毎の滴下量の安定性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】
図1は本発明の一実施形態に係る滴下ノズルを有する点眼容器の全体縦断面図である。
【
図2】同滴下ノズルの吐出口を真下(滴下角度90°)に向けて内容液を滴下する状態を示す縦断面図である。
【
図3】同滴下ノズルの吐出口を斜め下方(滴下角度15°)に向けて内容液を滴下する状態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、本発明の一実施形態に係る滴下ノズル1を有する点眼容器2を示している。点眼容器2は、ボトルの形態の容器本体3と、容器本体3の口部に取り付けられた滴下ノズル1と、滴下ノズル1を覆うように容器本体3の口部に着脱自在に取り付けられる保護キャップ4とを有する。保護キャップ4は、容器本体3に取り付けられたときに滴下ノズル1の吐出口11を密封する栓部41を有する。容器本体3に収容された内容液を滴下する際は、キャップ4を容器本体3から外して、容器本体3を上下反転若しくは横倒しにして、容器本体3の胴部をスクイズする。これにより内容液が滴下ノズル1の吐出口11から吐出されて、液滴として自重によって滴下される。
【0027】
滴下ノズル1は、内容液の吐出口11が開口されたノズル先端面12と、ノズル先端面12の外周縁に設けられた第1の液切りエッジ部13と、第1の液切りエッジ部13よりもノズルの基端側に設けられ且つ第1の液切りエッジ部13よりも大径の第2の液切りエッジ部14と、ノズル先端面12との境界に第1の液切りエッジ部13を形成する円筒状のノズル先端外周面15と、ノズル先端外周面15の基端部から径方向外方に延びるフランジ面16と、フランジ面16との境界に第2の液切りエッジ部14を形成するノズル中間外周面17とを有し、第2の液切りエッジ部14は、フランジ面16の外周縁により形成されている。なお、図示例のノズル先端外周面15は、10°未満のテーパー角を有するテーパー面により構成されている。
【0028】
第1及び第2の液切りエッジ部13,14は、いずれも軸方向から見て円形状であり、滴下する際に液切りエッジ部13,14の周方向のどの位置が最下部となるように容器本体3を傾けても液切りできるようになっている。なお、内容液を滴下する際に容器本体3を傾ける方向を所定の方向に限定するなら、各液切りエッジ部13,14は必ずしも円形でなくともよく、半円状や多角形状等の適宜の形状であってよい。
【0029】
フランジ面16は、縦断面において凸状の曲面により形成され、その径方向内周縁よりも径方向外周縁がノズル1の基端側に位置しているとともに、縦断面において前記径方向外周縁を通るフランジ面16の接線L(
図2参照)とノズル先端面12とのなす角度βが45°以上80°以下とされている。縦断面においてノズル先端外周面15とフランジ面16とのなす角度は、90°以上であることが好ましい。フランジ面16が円弧状の場合、ノズル先端外周面15とフランジ面16とのなす角度は、縦断面においてフランジ面16の径方向内周縁を通るフランジ面16の接線とノズル先端外周面15とのなす角度である。
【0030】
ノズル中間外周面17は、縦断面において凹状の曲面により形成されており、ノズル中間外周面17の最小径部Rminは、第2の液切りエッジ部14よりもノズル1の基端側に位置している。縦断面においてフランジ面16とノズル中間外周面17とのなす角度は120°以下であることが好ましく、より好ましくは110°以下とすることができる。
【0031】
ノズル先端外周面15の軸長Ltは、短すぎると滴下角度が小さいとき(例えば45°以下のとき)に液滴を保持する領域が小さくなりすぎて1滴あたりの滴下量が少なくなりすぎる。一方、大きすぎると第2の液切りエッジ部14が液切りエッジとして機能しなくなったり、滴下量が不安定となる要因となる。好ましくは、軸長Ltは、第1の液切りエッジ部の直径D1の0.10~0.30 倍とすることができる。なお、ノズル先端外周面15は、真っ直ぐな円筒面であってもよいが、テーパー角が20°未満の円筒状のテーパー面であってもよいし、好ましくはテーパー角が20°以上90°未満の截頭円錐状のテーパー面とすることができる。このように比較的大きなテーパー角の截頭円錐状とすることで、ノズル先端部近傍の強度を大きくすることができる。
【0032】
第2の液切りエッジ部14の直径D2は、大きすぎると滴下角度が小さい場合に液滴を保持する範囲が大きくなりすぎて滴下量が必要以上に多くなる。一方、直径D2が小さすぎると滴下量が少なくなりすぎる。好ましくは、D2は、第1の液切りエッジ部13の直径D1の1.20~1.80倍であってよい。
【0033】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、適宜設計変更できる。
【実施例0034】
上記実施形態に係る滴下ノズルを試作し、1滴あたりの滴下量、及び、滴下後にノズルに付着していた残液量の試験を行った。なお、滴下ノズルとしては、第1の液切りエッジ部の直径が2.1mmの小径サイズと2.8mmの大径サイズの2サイズ試作した。また、滴下する内容液として、表面張力の大きいブリモニジン酒石酸塩点眼液0.1%「ニットー」(以下、「点眼液A」という。)と、表面張力の小さいラタノプロスト点眼液0.005%「ニットー」(以下、「点眼液B」という。)を用意し、それぞれについて同様の滴下試験を行った。滴下量については、各滴下角度毎に10回滴下し、10回分の滴下量の平均値μ及び標準偏差σを各滴下角度毎に求め、それら標準偏差σを平均値μで割ることによって各滴下角度毎の1滴あたりの滴下量の変動係数CVを求めた。残液量については、上記の各滴下後にノズルに付着していた残液量を計測し、各滴下角度毎に残液量の平均値を求めた。試験結果を表1に示す。表中の滴下角度は、滴下吐出口が水平方向に沿って真横に向く状態を滴下角度0°、吐出口が鉛直下方に向く状態(
図2参照)を滴下角度90°とした。0~90°の間の滴下角度θは、
図3に示すように、水平線に対するノズル中心軸の角度である。
【0035】
【0036】
これらの試験結果から明らかなように、本実施形態の滴下ノズルによれば、滴下角度が0°から90°のどの角度においても、1滴あたりの滴下量が安定しているとともに、滴下後にノズルに付着する残液が殆ど生じないことが実証された。