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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129747
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】弁装置
(51)【国際特許分類】
   F16K 27/00 20060101AFI20240919BHJP
   F16K 11/22 20060101ALI20240919BHJP
   F16K 27/02 20060101ALN20240919BHJP
【FI】
F16K27/00 C
F16K27/00 D
F16K11/22 Z
F16K27/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039145
(22)【出願日】2023-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】391002166
【氏名又は名称】株式会社不二工機
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】保坂 優太
(72)【発明者】
【氏名】近藤 大介
(72)【発明者】
【氏名】安藤 優
(72)【発明者】
【氏名】冨永 裕太
【テーマコード(参考)】
3H051
3H067
【Fターム(参考)】
3H051AA01
3H051AA08
3H051BB10
3H051CC01
3H067AA31
3H067BB08
3H067EC01
(57)【要約】
【課題】小型化を図った弁装置を提供する。
【解決手段】弁装置10は、流体の流入口18が形成された第1面16Lと、流入口18から流入した流体が流出する流出口20が形成され第1面16Lとは異なる側に設けられた第2面16Rとを各々備えた複数のブロック16と、少なくとも一つのブロック16に設けられ、流入口18と流出口20との間に設けられて、流体の流れを制御する制御部と、流入口18と制御部とを連通する流入側通路32、及び流出口20と制御部とを連通する流出側通路33と、を備え、ブロック16の下面から流入口18までの寸法と、下面から流出口20までの寸法とが同一寸法に設定されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の流入口が形成された第1面と、前記流入口から流入した前記流体が流出する流出口が形成され前記第1面とは異なる側に設けられた第2面とを各々備えた複数のブロックと、
少なくとも一つの前記ブロックに設けられ、前記流入口と前記流出口との間で流体の流れを制御する制御部と、前記流入口と前記制御部とを連通する流入側通路、及び前記流出口と前記制御部とを連通する流出側通路と、
を備え、
複数の前記ブロックにおいて、前記第1面、及び前記第2面に対して直交する基準部としての第3面から前記流入口までの寸法と、前記第3面から前記流出口までの寸法とが同一寸法に設定された、
弁装置。
【請求項2】
前記ブロックの流入口側に設けられた第1ピン孔と、
前記ブロックの流出口側に設けられた第2ピン孔と、
一の前記ブロックの前記第2面、及び他の前記ブロックの前記第1面の何れか一方に設けられ、他の前記ブロックの前記第1面、及び一の前記ブロックの前記第2面の何れか一方に密着可能とする弾性シールリングを装着したシールリング装着部と、
を備え、
一の前記ブロックの前記第2ピン孔と他の前記ブロックの前記第1ピン孔とに連結ピンを挿入することで一の前記ブロックと他の前記ブロックとが連結されると共に、一の前記ブロックの前記流出口と他の前記ブロックの前記流入口とが連通し、前記弾性シールリングが前記シールリング装着部と対向する面との間で圧縮される、
請求項1に記載の弁装置。
【請求項3】
前記流入側通路、及び前記流出側通路は、前記第3面に対して同一方向に傾斜している、
請求項1または請求項2に記載の弁装置。
【請求項4】
少なくとも一つの前記ブロックには、前記第1面、及び前記第2面とは異なる第4面に、前記流出口とは異なる第2流出口が設けられ、
前記第3面から前記第2流出口までの寸法が、前記第3面から前記流出口までの寸法と同一寸法に設定され、
前記流入口から流入した流体が、前記第2流出口からも流出可能とされている、
請求項1に記載の弁装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、弁装置に関する。
【背景技術】
【0002】
流体の流れを制御する流量調整装置として、開閉弁や流量調整弁等がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-110409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
開閉弁や流量調整弁として、電磁弁や電動弁が用いられており、流体の流れを制御するために、複数個の電磁弁や電動弁を連結して弁装置を構成することがある。
電磁弁や電動弁では、流入口と流出口の高さが異なる構造となっている。例えば、電磁弁と電動弁とを横方向に揃えて連結する場合には、電磁弁の流出口と電動弁の流入口とを配管で連結する必要が生じる。
しかしながら、電磁弁と電動弁とを配管を介して連結すると、配管を配置するスペースを必要とし、弁装置のサイズが大型化し、改善の余地がある。
【0005】
本開示は上記事実を考慮し、小型化を図った弁装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様に係る弁装置は、流体の流入口が形成された第1面と、前記流入口から流入した前記流体が流出する流出口が形成され前記第1面とは異なる側に設けられた第2面とを各々備えた複数のブロックと、少なくとも一つの前記ブロックに設けられ、前記流入口と前記流出口との間で流体の流れを制御する制御部と、前記流入口と前記制御部とを連通する流入側通路、及び前記流出口と前記制御部とを連通する流出側通路と、を備え、複数の前記ブロックにおいて、前記第1面、及び前記第2面に対して直交する基準部としての第3面から前記流入口までの寸法と、前記第3面から前記流出口までの寸法とが同一寸法に設定されている。
【0007】
第1の態様に係る弁装置では、一方のブロックの第3面から流出口までの寸法と、他方のブロックの第3面から流入口までの寸法が同一寸法であるため、一方のブロックの第3面と他方のブロックの第3面との位置を合わせて一方のブロックの第1面と他方ブロックの第2面を向い合せることで、一方のブロックの流出口と他方のブロックの流入口とを向い合せに連結することが可能となる。これにより、一方のブロックの流入口から流入させた流体を、他方のブロックの流出口から流出させることが可能となる。
【0008】
なお、一方のブロックにおける第3面から流出口までの寸法と、他方のブロックにおける第3面から流入口までの寸法が異なる場合、一方のブロックの第3面と他方のブロックの第3面の位置を合わせて一方のブロックの第1面と他方ブロックの第2面を向い合せると、一方のブロックの流出口と他方のブロックの流入口とを向い合せることができず、流出口と流入口とを連結するには、流出口と流入口とを配管等を用いて連結する必要が生じ、配管を配置するスペースをとる。
【0009】
また、少なくとも一つのブロックには、流入口と流出口との間に流体の流れを制御する制御部が設けられている。このため、制御部で流体の流れを制御することで、一方のブロックの流入口から流入させた流体を他方のブロックの流出口から流出させる際に、流出口から流出させる流体の流量を調整することが可能となる。
【0010】
第2の態様に係る弁装置は、第1の態様に係る弁装置において、前記ブロックの流入口側に設けられた第1ピン孔と、前記ブロックの流出口側に設けられた第2ピン孔と、一の前記ブロックの前記第2面、及び他の前記ブロックの前記第1面の何れか一方に設けられ、他の前記ブロックの前記第1面、及び一の前記ブロックの前記第2面の何れか一方に密着可能とする弾性シールリングを装着したシールリング装着部と、を備え、一の前記ブロックの前記第2ピン孔と他の前記ブロックの前記第1ピン孔とに連結ピンを挿入することで一の前記ブロックと他の前記ブロックとが連結されると共に、一の前記ブロックの前記流出口と他の前記ブロックの前記流入口とが連通し、前記弾性シールリングが前記シールリング装着部と対向する面との間で圧縮される。
【0011】
第2の態様に係る弁装置では、一のブロックの第2ピン孔と他のブロックの第1ピン孔とに連結ピンを挿入すると、一のブロックと他のブロックとが連結されると共に、一のブロックの流出口と他のブロックの前記流入口とが連通し、弾性シールリングがシールリング装着部と対向する面との間で圧縮される。
【0012】
これにより、弾性シールリングは、シールリング装着部と、シールリングと向かい合うブロックとに密着し、流入口と流出口とを連結した部分のシールが行われ、該部分からの流体の漏れが抑制される。
【0013】
さらに、圧縮された弾性シールリングの反発力(圧縮前の元の形状に戻ろうとする力)により、連結ピンの外周面が第1ピン孔の内周面、及び第2ピン孔の内周面に押圧されることで、連結ピンの外周面と第1ピン孔の内周面との間、及び連結ピンの外周面と第2ピン孔の内周面との間に摩擦力が発生し、該摩擦力により連結ピンの第1ピン孔、及び第2ピン孔からの抜けが抑制される。
【0014】
第3の態様に係る弁装置は、第1の態様または第2の態様に係る弁装置において、前記流入側通路、及び前記流出側通路は、前記第3面に対して同一方向に傾斜している。
【0015】
第3の態様に係る弁装置では、流入側通路、流出側通路を第3面に対して同一方向に傾斜することで、流体の通路途中に制御部がある構成において、流入口と流出口の第3面からの寸法を同一寸法に揃えることができる。
【0016】
第4の態様に係る弁装置は、第1の態様に係る弁装置において、少なくとも一つの前記ブロックには、前記第1面、及び前記第2面とは異なる第4面に、前記流出口とは異なる第2流出口が設けられ、前記第3面から前記第2流出口までの寸法が、前記第3面から前記流出口までの寸法と同一寸法に設定され、前記流入口から流入した流体が、前記第2流出口からも流出可能とされている。
【0017】
第4の態様に係る弁装置の少なくとも一つのブロックには、第1面、及び第2面とは異なる第4面に、流出口とは異なる第2流出口が設けられ、第3面から第2流出口までの寸法が、第3面から流出口までの寸法と同一寸法に設定され、流入部から流入した流体が、第2流出口からも流出可能とされている。このため、第4面に、他のブロックの流入口の形成されている第1面を向い合せることで、第4面に設けられた第2流出部と他のブロックの第1面に設けられた流入口とを向い合せに連結することができる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように本開示の弁装置によれば、小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第1の実施形態に係る弁装置を示す縦断面図である。
図2】第1の実施形態に係る弁装置のブロックを示す一部を断面にした斜視図である。
図3】第2の実施形態に係る開閉弁のブロックを示す斜視図である。
図4】第2の実施形態に係る開閉弁のブロックを示す平面図である。
図5】第3の実施形態に係る弁装置のブロックを示す斜視図である。
図6】第4の実施形態に係る開閉弁のブロックを示す斜視図である。
図7】第4の実施形態に係る開閉弁のブロックを示す平面図である。
図8】他の実施形態に係るブロックを示す平面図である。
図9】他の実施形態に係るブロックを示す縦断面図(図8の9-9線断面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[第1の実施形態]
図1、及び図2を用いて、本開示の第1の実施形態に係る弁装置10について説明する。
本実施形態の弁装置10は、1つの開閉弁12と、1つの流量調整弁14とを含んで構成されている。
なお、本明細書において、上下、左右等の位置、方向を表わす記述は、説明が煩瑣になるのを避けるために図面に従って便宜上付けたものであり、実際の使用状態での位置、方向を指すとは限らない。本明細書では、後述する駆動部44が配置された側を上側、ブロック16が配置された側を下側としている。
【0021】
(開閉弁)
図1に示すように、本実施形態の開閉弁12は所謂電磁弁であり、弁本体としてのブロック16を備えている。
【0022】
ブロック16には、図面矢印L向側の第1面16Lに流体が流入する流入口18が開口し、図面矢印R向側(第1面16Lとは反対側)の第2面16Rに流出口20が開口している。なお、第1面16Lと第2面16Rとは、各々平滑な平面であり、互いに平行の関係にある。
【0023】
ブロック16の下面16Dは、各々平滑な平面であり、第1面16L、及び第2面16Rとは直角な関係にあり、本開示の第3面(基準部)の一例である。
【0024】
下面16Dから流入口18までの高さ方向(鉛直方向)の寸法Laと、下面16Dから流出口20までの高さ方向の寸法Lbとは同一寸法である。即ち、流入口18、及び流出口20は、直径が同じで、下面16Dからの高さ位置が同じである。
【0025】
ブロック16の中央には、上面16Tから下面16Dに向けて段付孔22が形成されている。
【0026】
段付孔22は、上側部分に弁軸24をガイドする環状のガイド部材26が取り付けられ、ガイド部材26の段付孔22のうち、下側が弁室28とされ、弁室28の下側に弁孔29Aが形成された弁孔部材29が取り付けられ、弁孔部材29の下側が鉛直通路30とされている。
なお、弁軸24、弁室28、及び弁孔部材29は、本開示の制御部の一例である。
【0027】
流入口18と弁室28とは、下面16Dと平行な方向(水平方向)に対して角度θaで傾斜した流入側通路32で連結されており、流出口20と鉛直通路30とは下面16Dと平行な方向に対して角度θbで傾斜した流出側通路33で連結されている。本実施形態では、角度θaと角度θbとが同一角度に設定されている。
なお、流入側通路32、及び流出側通路33は、金属材料等からなるブロック16に機械加工(切削加工)することで、各々が一直線状に形成されている。流入側通路32、及び流出側通路33を各々一直線状にすることで、一直線状にしない場合(折れ曲がり形状、曲線形状など)に比較して、これらを容易に形成することができる。
【0028】
第2面16Rには、流出口20を取り囲むように、円環状の溝であるシールリング装着部34が形成されており、このシールリング装着部34には、弾性シールリングの一例としてOリング36が装着されている。なお、このOリング36は、シールリング装着部34に装着された状態で、一部分が第2面16Rから突出している。
【0029】
ブロック16には、第1面16L側に上下に離隔した一対の第1ピン孔38が形成されており、第2面16R側には上下に離間した一対の第2ピン孔40が形成されている。
【0030】
下面16Dから下側の第1ピン孔38までの鉛直方向に沿って計測する寸法をLc、下側の第1ピン孔38と上側の第1ピン孔38との鉛直方向に沿って計測する間隔寸法をLd、下面16Dから下側の第2ピン孔40までの鉛直方向に沿って計測する寸法をLe、下側の第2ピン孔40と上側の第2ピン孔40との鉛直方向に沿って計測する間隔寸法をLfとしたときに、Lc=Le、Ld=Lfに設定されている。
【0031】
また、第1面16Lから第1ピン孔38までの水平方向に沿って計測する寸法をLg、第2面16Rから第2ピン孔40までの水平方向に沿って計測する寸法をLhとしたときに、寸法Lg=寸法Lhに設定されている。
【0032】
なお、ピン孔38、及びピン孔40は、全て同一径であり、かつ互いに平行に設けられている。図2に示すように、ピン孔38、及びピン孔40には、一定径の連結ピン42が挿入(嵌合)可能とされている。図2には、開閉弁12のブロック16、及び流量調整弁14のブロック16のみを図示しており、その他の構成は図示を省略している。
【0033】
図1に示すように、ブロック16の上部には、弁軸24を駆動する駆動部44が設けられている。開閉弁12の駆動部44は、弁軸24を段付孔22の軸線方向に沿って移動する。言い換えれば、開閉弁12の駆動部44は、弁軸24を直線的に往復運動させる。弁軸24の下端側はテーパー形状に加工された弁部24Aであり、図1に示すように弁部24Aを弁孔29Aから所定寸法離間させる第1状態(開弁状態)と、弁軸24の弁部24Aを弁孔29Aに挿入して密着させる第2状態(閉弁状態。図示せず。)との間を移動させる。
【0034】
開閉弁12の駆動部44は、通常の電磁弁の駆動部と同様の構造であり、弁軸24を移動させるためのソレノイドコイル、プランジャ―、バネ等(何れも図示省略)を備えている。
【0035】
(流量調整弁)
本実施形態の流量調整弁14は流量を調整可能な所謂電動弁であり、図1、及び図2に示すように、開閉弁12と同一構成のブロック16を備えている。
【0036】
流量調整弁14では、ブロック16の上部に、モータ、ネジ機構などを含んで構成された駆動部46が設けられており、該駆動部46は、弁軸24を段付孔22の軸線方向に沿って移動し、弁軸24の弁部24Aと弁孔29Aとの間の距離を調整し、弁孔29Aを通過する流体の流量を調整することができる。
【0037】
(開閉弁12と流量調整弁14との接続方法)
次に、開閉弁12と流量調整弁14との接続方法について説明する。
本実施形態では、1つの開閉弁12と1つの流量調整弁14とで弁装置10を構成している。
本実施形態の弁装置10では、図2に示すように、開閉弁12の流出口20と流量調整弁14の流入口18とが連結するように、開閉弁12と流量調整弁14とを以下のようにして一体化させている。
【0038】
先ず、開閉弁12のブロック16の第2面16Rと、流量調整弁14のブロック16の第1面16Lとを互いに向い合せ(一例として、平滑な平面の上に開閉弁12のブロック16と流量調整弁14のブロック16とを載置し、各ブロック16の下面を平面に密着させた状態で行う。)、シールリング装着部34に装着され、第2面16Rから一部が突出したOリング36を圧縮するように、開閉弁12のブロック16の第2面16Rと流量調整弁14のブロック16の第1面16Lとを接触させ、開閉弁12のブロック16の第2ピン孔40と、流量調整弁14のブロック16の第1ピン孔38とを一致させる。
【0039】
その後、第1ピン孔38と第2ピン孔40とを貫通するように一定径の連結ピン42を挿入すると、Oリング36は圧縮された状態に保持される。これにより、Oリング36はシールリング装着部34の溝底と流量調整弁14のブロック16の第1面16Lとに密着し、流入口18と流出口20とを連結した部分のシールが行われ、該部分からの流体の漏れが抑制される。
【0040】
なお、圧縮されたOリング36の反発力(圧縮前の元の形状に戻ろうとする力)により、連結ピン42の外周面が第1ピン孔38の内周面、及び第2ピン孔40の内周面に押圧されるので、連結ピン42の外周面と第1ピン孔38の内周面との間、及び連結ピン42の外周面と第2ピン孔40の内周面との間に摩擦力が生じ、該摩擦力により連結ピン42の第1ピン孔38、及び第2ピン孔40からの抜けが抑制される。
【0041】
なお、連結ピン42は、スプリングピンであってもよい。また、連結ピン42の両端部に雄螺子(図示省略)を形成し、該雄螺子にナット(図示省略)を締め付けることで、連結ピン42が抜けないように連結ピン42をブロック16に固定してもよい。
【0042】
このようにして開閉弁12のブロック16と流量調整弁14のブロック16とを連結すると、開閉弁12のブロック16の流出側通路33と、流量調整弁14のブロック16の流入側通路32とが一直線状に連結されるので、流出側通路33と流入側通路32とが角度を持って接続される場合に比較して、開閉弁12から排出される流体が流量調整弁14へ流れ込む際の抵抗を小さくすることができる。
【0043】
本実施形態の弁装置10では、開閉弁12の流出口20と流量調整弁14の流入口18とを配管を用いて接続しておらず、また、ブロック16の下面16Dを水平に揃えているので、配管を用いた場合、及びブロック16の下面16Dを水平に揃えていない場合に比較して弁装置10を小型化することができる。
なお、一方のブロック16における下面16Dから流出口20までの寸法と、他方のブロック16における下面16Dから流入口18までの寸法が異なる場合、該流入口18と該流出口20とを互いに向い合せに連結しようとすると、一方のブロック16の下面16Dと他方のブロック16の下面16Dとが一致しなくなり、一方のブロック16と他方のブロック16とを段差無く連結することが出来ず、弁装置10を設ける占有スぺ―スが大きくなる。
【0044】
本実施形態の弁装置10では、開閉弁12のブロック16と流量調整弁14のブロック16とを連結ピン42を用いて連結しているので、連結ピン42を抜くだけで、開閉弁12と流量調整弁14とを簡単に分離することができる。
【0045】
[第2の実施形態]
次に、図3図5にしたがって、第2の実施形態に係る開閉弁12のブロック48を説明する。なお、第1の実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0046】
ブロック48は平面視で略T字形状に形成されており、図4に示すように、鉛直通路30には、互いに直交する流出側通路33と第2流出側通路35が連結されており、流出側通路33は第1の実施形態と同様に矢印R方向側に延び、第2流出側通路35は矢印B方向に延びている。
【0047】
本実施形態のブロック48は、流入口18から流入させた流体を2方向に分配し、流出口20と第2流出口21とから流出させることができる。
【0048】
なお、ブロック48の矢印B方向の流出口20が、本開示の第2流出口の一例であり、第2流出口21が開口しているブロック48の側面が、本開示の第4面の一例である第4面16Bである。
【0049】
なお、図示を省略するが、矢印R方向側の流出口20、及び矢印B方向の第2流出口21のブロック48の下面からの高さ寸法は、流入口18の高さ寸法と同一寸法であり、矢印B方向側の流出側通路35も、矢印R方向側の流出側通路33と同様に傾斜している。
【0050】
本実施形態の開閉弁12のブロック48の流出口20側、及び第2流出口21側には、第1の実施形態と同様に、連結ピン42を用いて流量調整弁14のブロック16を連結することができる。
これにより、本実施形態では、1つの開閉弁12と2つの流量調整弁14とで弁装置10が構成されている。
【0051】
[第3の実施形態]
次に、図6、及び図7にしたがって、第3の実施形態に係る弁装置10を説明する。なお、前述した実施形態と同一構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0052】
本実施形態の弁装置10には、図6、及び図7に示すブロック50を有する開閉弁12を備えている。
ブロック50は平面視で略L字形状に形成されており、第2の実施形態で説明した平面視でT字形状とされたブロック48から、矢印R方向に突出した部分を取り除いた形状とされている。
本実施形態の開閉弁12のブロック50も、第2の実施形態と同様に、流量調整弁14のブロック16と連結することができる。
【0053】
[その他の実施形態]
以上、本開示の弁装置一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【0054】
上記実施形態で説明した弁装置10は、電磁弁である開閉弁12と電動弁である流量調整弁14とを組み合わせたものであったが、本開示はこれに限らず、弁装置10は、電磁弁である開閉弁12と電動弁である流量調整弁14の少なくとも一方を備えていればよい。例えば、図8、及び図9に示す弁装置10のように、分岐の機能を有するブロック52と、2つの流量調整弁14とを組み合わせて構成したものであってもよい。ブロック52は、流入側通路32と一直線状に連結される流出側通路33と、流入側通路32と直交する流出側通路33とを備えたものである。
【0055】
上記実施形態では、弁装置10の姿勢が、駆動部44、及び駆動部46を上側とした姿勢で図示していたが、弁装置10は駆動部44を上側以外の方向に向けて使用してもよい。
【0056】
上記実施形態では、1つの開閉弁12に対して1つの流量調整弁14を連結した弁装置10、及び1つの開閉弁12に対して2つの流量調整弁14を連結した弁装置10を説明したが、開閉弁12、及び流量調整弁14の連結数は、上記実施形態のものに限らず、開閉弁2、及び流量調整弁14を4つ以上連結してもよい。
【0057】
上記実施形態では、傾斜した流入側通路32の角度θaと、傾斜した流出側通路33の角度θbとが同一角度に設定されていたが、角度θaと角度θbとは同一角度でなくてもよい。また。上記実施形態では、流入側通路32と流出側通路33とが同一方向の傾斜していたが、流入側通路32と流出側通路33とは異なる方向に傾斜していてもよい。
【0058】
上記実施形態では、平面視で一直線状のブロック16、T字形状のブロック48、及びL字形状のブロック50等について説明したが、ブロックの平面視形状は十字形状等、他の形状であってもよい。
【0059】
上記実施形態では、ブロック16の下面(第3面)16Dを基準部としたが、本開示はこれに限らず、第1ピン孔38、及び第2ピン孔40を基準部としてもよく、上面16Tを基準部としてもよい。
【符号の説明】
【0060】
10 弁装置
12 開閉弁
14 流量調整弁
16 ブロック
16D 下面(第3面(基準部))
16L 第1面
16R 第2面
16B 第4面
18 流入口
20 流出口
21 第2流出口
24 弁軸(制御部)
28 弁室(制御部)
29 弁孔部材(制御部)
32 流入側通路
33 流出側通路
34 シールリング装着部
35 第2流出側通路
36 Oリング(弾性シールリング)
38 第1ピン孔
40 第2ピン孔
42 連結ピン
48 ブロック
50 ブロック
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9