(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129780
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
B60K 35/22 20240101AFI20240919BHJP
G02B 27/01 20060101ALI20240919BHJP
H04N 5/64 20060101ALI20240919BHJP
B60R 16/02 20060101ALN20240919BHJP
【FI】
B60K35/22
G02B27/01
H04N5/64 521F
B60R16/02 640K
【審査請求】未請求
【請求項の数】42
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023186783
(22)【出願日】2023-10-31
(31)【優先権主張番号】P 2023039053
(32)【優先日】2023-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2023039059
(32)【優先日】2023-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2023039065
(32)【優先日】2023-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】永冨 謙司
(72)【発明者】
【氏名】今村 典広
(72)【発明者】
【氏名】星田 裕文
【テーマコード(参考)】
2H199
3D344
【Fターム(参考)】
2H199DA13
2H199DA14
2H199DA15
2H199DA17
2H199DA22
2H199DA23
2H199DA30
2H199DA34
2H199DA36
3D344AA19
3D344AA20
3D344AA21
3D344AA22
3D344AD01
(57)【要約】
【課題】高性能な表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置の第一構成は、第一映像光及び第二映像光を出射する第一表示ユニットと、一方の映像光を透過して他方の映像光を反射する第一偏光ハーフミラーと、第一偏光ハーフミラーの透過光路及び反射光路の一方に配置された第一反射鏡と、第一反射鏡及び第一偏光ハーフミラーの間に配置された第一λ/4板とを備える。表示装置の第二構成は、第三映像光及び第四映像光を出射する第二表示ユニットと、一端が第三領域及び第四領域の境界に配置されたハーフミラーと、ハーフミラーで反射された第三映像光を、さらにハーフミラーに向けて反射する第三反射鏡とを備える。表示装置の第三構成は、第二表示素子と、第二表示素子から出射された第五映像光を反射する第一反射部とを有し、第一反射部は、第五映像光を分割して、視距離の異なる複数の表示像を形成するための複数の反射面を有し、その1つが曲面である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一構成、第二構成及び第三構成の少なくとも1つを備える表示装置であって、
前記第一構成は、
第一領域から第一映像光を出射し、第二領域から前記第一映像光とは半位相ずれた第二映像光を出射する第一表示ユニットと、
前記第一映像光及び前記第二映像光の一方の映像光を透過するとともに、他方の映像光を反射する第一偏光ハーフミラーと、
前記一方の映像光が前記第一偏光ハーフミラーを透過した透過光路及び前記他方の映像光が前記第一偏光ハーフミラーを反射した反射光路の一方の光路上に配置された第一反射鏡と、
前記一方の光路上であって前記第一反射鏡及び前記第一偏光ハーフミラーの間に配置された第一λ/4板と、を備え、
前記第二構成は、
第三領域から第三映像光を出射し、第四領域から第四映像光を出射する第二表示ユニットと、
一端部が前記第三領域及び前記第四領域の境界に配置されたハーフミラーと、
前記第三領域から出射され、前記ハーフミラーで反射された前記第三映像光を、さらに前記ハーフミラーに向けて反射する第三反射鏡と、を備え、
前記ハーフミラーは、前記第三反射鏡からの前記第三映像光を透過するとともに、前記第四領域から出射された前記第四映像光を反射する際に、前記第三映像光及び前記第四映像光を同方向に向かわせる姿勢で配置されており、
前記第三構成は、
表示像をなす第五映像光を出射する第二表示素子と、
前記第五映像光を反射する第一反射部とを有し、
前記第一反射部は、前記第二表示素子が出射した前記第五映像光を分割して、視距離の異なる複数の前記表示像を形成するための複数の反射面を有し、
複数の前記反射面のうち、少なくとも1つは曲面である、
表示装置。
【請求項2】
前記第一構成を備え、
前記透過光路及び前記反射光路の他方の光路上に配置された第二反射鏡を備える、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第一反射鏡及び前記第二反射鏡の少なくとも1つは凹面鏡または凸面鏡である、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第一偏光ハーフミラー、前記第一反射鏡及び前記第二反射鏡の少なくとも1つを動作させる駆動部を有する、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第一構成を備え、
前記第一表示ユニットは、
表示面を有する表示素子と、
前記表示面の一部のみに積層された第一λ/2板とを有する、
請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項6】
前記他方の光路上に配置された第二λ/4板を備える、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第一構成を備え、
前記第一表示ユニットから出射された前記第一映像光及び前記第二映像光は、互いに半位相ずれた状態の円偏光であり、
前記第一λ/4板は、前記第一偏光ハーフミラーにおける前記第一表示ユニット側の第一面に積層されている、
請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第一偏光ハーフミラーにおける前記第一面とは反対側の第二面に積層された第三λ/4板を有する、
請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第一構成を備え、
前記第一表示ユニットは、前記第一領域と前記第二領域との境界からは前記第一映像光及び前記第二映像光を出射させない、
請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第一構成を備え、
ユーザから見て、前記第一映像光と前記第二映像光とは水平方向に並んで配置されている、
請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第一構成を備え、
ユーザから見て、前記第一映像光と前記第二映像光とは垂直方向に並んで配置されている、
請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項12】
前記第一構成を備え、
前記第一領域と前記第二領域とは、それぞれ1画素以上5画素以下の幅を有し、交互に並んでいる、
請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項13】
前記第一構成を備え、
ユーザから見て、前記第一映像光及び前記第二映像光の一方は他方を囲むように配置されている、
請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項14】
前記第一構成と、
側面視で前記第一偏光ハーフミラーに交差する角度で、前記第一表示ユニット及び前記第一反射鏡と対向するように配置された第二偏光ハーフミラーとを備え、
前記第一表示ユニットは、前記第一領域と前記第二領域とは異なる第五領域からも前記第一映像光を出射し、
前記第五領域から出射された前記第一映像光は、前記第二偏光ハーフミラーを透過した後、前記第一反射鏡で反射され、さらに前記第二偏光ハーフミラーで反射される、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項15】
前記第一領域から出射された前記第一映像光は、前記第一偏光ハーフミラーを透過した後、前記第一反射鏡及び前記第一偏光ハーフミラーで反射され、さらに、前記第一偏光ハーフミラーを透過することで、ユーザから見て最奥部に表示され、
前記第二領域から出射された前記第二映像光は、前記第一偏光ハーフミラーで反射されることで、ユーザから見て最手前部に表示され、
前記第五領域から出射された前記第一映像光は、前記第二偏光ハーフミラーを透過した後、前記第一反射鏡で反射され、さらに前記第二偏光ハーフミラーで反射されることで、ユーザから見て前記最奥部と前記最手前部の間の中間部に表示される、
請求項14に記載の表示装置。
【請求項16】
前記最手前部には警告表示がなされ、前記中間部には計器表示がなされ、前記最奥部には注意喚起表示がなされる第一表示形態と、
前記最手前部には道路情報表示がなされ、前記中間部には計器表示がなされ、前記最奥部にはナビゲーション表示がなされる第二表示形態との少なくとも一方が表示される、
請求項15に記載の表示装置。
【請求項17】
前記第一表示形態と前記第二表示形態とが所定の条件に基づき切り替わる、
請求項16に記載の表示装置。
【請求項18】
前記第二構成を備え、
前記ハーフミラーは、偏光ハーフミラーであり、
前記第三反射鏡と前記偏光ハーフミラーとの間には第四λ/4板が配置されている、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項19】
前記第三領域から出射された前記第三映像光を前記偏光ハーフミラーに向けて反射させる第四反射鏡を備える、
請求項18に記載の表示装置。
【請求項20】
前記第三領域に積層された第五λ/4板を有し、
前記第三反射鏡は凹面鏡または凸面鏡であり、
前記第四λ/4板は、前記偏光ハーフミラーにおける前記第三反射鏡に対向する面に積層されている、
請求項19に記載の表示装置。
【請求項21】
前記第四映像光が前記偏光ハーフミラーで反射されるまでに、当該第四映像光を反射させる第五反射鏡を有する、
請求項18に記載の表示装置。
【請求項22】
前記第二構成を備え、
前記ハーフミラー及び前記第三反射鏡の少なくとも1つを動作させる駆動部を有する、
請求項1または18に記載の表示装置。
【請求項23】
前記第二構成を備え、
前記第二表示ユニットは、前記第三領域と前記第四領域との境界からは前記第三映像光及び前記第四映像光を出射させない、
請求項1または18に記載の表示装置。
【請求項24】
前記第三構成を備え、
前記第一反射部は、複数の前記反射面を支持する複数の支持体を有し、
複数の前記支持体のうち、1つの支持体は、少なくとも2つの前記反射面を支持する、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項25】
前記第三構成を備え、
前記第一反射部は、複数の前記反射面の全てを一括して支持する支持体を有する、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項26】
前記曲面である反射面を支持する前記支持体は、前記第二表示素子に対向する第一主面とは反対側の第二主面が、前記曲面である反射面である、
請求項24または25に記載の表示装置。
【請求項27】
前記第三構成を備え、
前記第五映像光を反射する、前記第一反射部とは別体の第二反射部を有する、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項28】
前記第三構成を備え、
前記第二表示素子は、単一偏光からなる前記第五映像光を出射し、
前記表示装置は、
前記第二表示素子及び前記第一反射部に対向する位置に配置され、前記第五映像光を反射する第三偏光ハーフミラーと、
前記第三偏光ハーフミラー及び前記第一反射部との間に配置された第六λ/4板とを備える、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項29】
前記第三構成を備え、
前記第二表示素子は、単一偏光からなる前記第五映像光を出射し、
前記表示装置は、
前記第二表示素子及び前記第一反射部の間に配置され、前記第五映像光を透過する第三偏光ハーフミラーと、
前記第三偏光ハーフミラー及び前記第一反射部との間に配置された第六λ/4板とを備える、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項30】
前記第三偏光ハーフミラーは、互いに異なる偏光特性を有する複数の領域を有する、
請求項28または29に記載の表示装置。
【請求項31】
前記第二表示素子の表示面の一部のみに積層された第二λ/2板を有する、
請求項28または29に記載の表示装置。
【請求項32】
前記第三構成を備え、
複数の前記反射面のうち、少なくとも1つは平面である、
請求項1、24、25のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項33】
前記第三構成を備え、
前記反射面は、3つ以上であり、
3つ以上の前記反射面のそれぞれは、曲率が異なる、
請求項1、24、25のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項34】
前記第三構成を備え、
前記反射面は、3つ以上であり、
3つ以上の前記反射面のそれぞれは、前記第二表示素子からの距離が異なる、
請求項1、24、25のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項35】
前記第三構成を備え、
ユーザから見て、複数の前記表示像は水平方向に並んで配置されている、
請求項1または24に記載の表示装置。
【請求項36】
前記第三構成を備え、
ユーザから見て、複数の前記表示像は垂直方向に並んで配置されている、
請求項1または24に記載の表示装置。
【請求項37】
前記第三構成を備え、
前記第二表示素子は、複数の前記表示像のうち、隣り合う表示像同士の間隔を所定範囲以上となるように、前記第五映像光を出射する、
請求項1または24に記載の表示装置。
【請求項38】
前記第三構成を備え、
ユーザの視点を検出する視点検出部と、
前記第二表示素子を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記視点検出部の検出結果に基づいて前記第二表示素子の表示内容を制御する、
請求項1または24に記載の表示装置。
【請求項39】
前記第三構成を備え、
前記第二表示素子を制御する制御部を備え、
前記制御部は、複数の前記表示像の視距離に基づいて、前記表示像ごとの輝度を制御する、
請求項1または24に記載の表示装置。
【請求項40】
前記第三構成と、
前記第二表示素子を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、複数の前記表示像のそれぞれをなす前記第五映像光の反射回数に応じて、前記第二表示素子での表示内容を反転させるか否かを決定する、
請求項1または24に記載の表示装置。
【請求項41】
前記第三構成を備え、
前記第一反射部及び前記第二表示素子の少なくとも一方を動作させる第三駆動部を有する、
請求項1または24に記載の表示装置。
【請求項42】
前記第三構成を備え、
ユーザから見て、複数の前記表示像のうち、1つの表示像は他の表示像を囲むように配置されている、
請求項1または24に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像を立体的に表示するための表示装置が知られている。例えば、表示装置の一例として、特許文献1には、表示面部を上下方向のいずれか一方に向けて、車体側に形成された収納部内に収納されるパネルディスプレイ装置側に設けられ、該表示面部に表示される車両情報を反射させて、車室内方向から、視認可能とする複数個の反射ミラー部材となるハーフミラー及びフルミラーを表示面部に沿わせて有し、奥行きのある立体的な表示を行う表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的は、高性能な表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る表示装置は、第一構成、第二構成及び第三構成の少なくとも1つを備える表示装置であって、前記第一構成は、第一領域から第一映像光を出射し、第二領域から前記第一映像光とは半位相ずれた第二映像光を出射する第一表示ユニットと、前記第一映像光及び前記第二映像光の一方の映像光を透過するとともに、他方の映像光を反射する第一偏光ハーフミラーと、前記一方の映像光が前記第一偏光ハーフミラーを透過した透過光路及び前記他方の映像光が前記第一偏光ハーフミラーを反射した反射光路の一方の光路上に配置された第一反射鏡と、前記一方の光路上であって前記第一反射鏡及び前記第一偏光ハーフミラーの間に配置された第一λ/4板と、を備え、前記第二構成は、第三領域から第三映像光を出射し、第四領域から第四映像光を出射する第二表示ユニットと、一端部が前記第三領域及び前記第四領域の境界に配置されたハーフミラーと、前記第三領域から出射され、前記ハーフミラーで反射された前記第三映像光を、さらに前記ハーフミラーに向けて反射する第三反射鏡と、を備え、前記ハーフミラーは、前記第三反射鏡からの前記第三映像光を透過するとともに、前記第四領域から出射された前記第四映像光を反射する際に、前記第三映像光及び前記第四映像光を同方向に向かわせる姿勢で配置されており、前記第三構成は、表示像をなす第五映像光を出射する第二表示素子と、前記第五映像光を反射する第一反射部とを有し、前記第一反射部は、前記第二表示素子が出射した前記第五映像光を分割して、視距離の異なる複数の前記表示像を形成するための複数の反射面を有し、複数の前記反射面のうち、少なくとも1つは曲面である。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、高性能な表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施の形態1に係る表示装置が車両に設置された状態を示す模式図である。
【
図2】
図2は、実施の形態1に係る表示装置の概略構成を示す模式図である。
【
図3】
図3は、実施の形態1に係る第一表示ユニットを示す平面図である。
【
図4】
図4は、実施の形態1に係る表示装置で表示された表示画像を示す平面図である。
【
図5】
図5は、実施の形態2に係る表示装置の概略構成を示す模式図である。
【
図6】
図6は、実施の形態3に係る表示装置の概略構成を示す模式図である。
【
図7】
図7は、実施の形態3に係る表示装置で表示された表示画像を示す平面図である。
【
図8】
図8は、実施の形態4に係る表示装置の概略構成を示す模式図である。
【
図9】
図9は、実施の形態5に係る表示装置の概略構成を示す模式図である。
【
図10】
図10は、実施の形態5に係る表示装置で表示された表示画像を示す平面図である。
【
図11】
図11は、実施の形態6に係る表示装置の概略構成を示す模式図である。
【
図12】
図12は、実施の形態6に係る表示装置で表示された表示画像を示す平面図である。
【
図13】
図13は、実施の形態7に係る表示画像を示す平面図である。
【
図14】
図14は、実施の形態8に係る表示装置の概略構成を示す模式図である。
【
図15】
図15は、実施の形態9に係る表示装置の概略構成を示す模式図である。
【
図16】
図16は、実施の形態10に係る表示装置の概略構成を示す模式図である。
【
図17】
図17は、実施の形態11に係る表示装置の概略構成を示す模式図である。
【
図18】
図18は、実施の形態12に係る表示装置の概略構成を示す模式図である。
【
図19】
図19は、実施の形態13に係る表示装置の概略構成を示す模式図である。
【
図20】
図20は、実施の形態14に係る表示画像を示す平面図である。
【
図21】
図21は、実施の形態15に係る表示装置の概略構成を示す模式図である。
【
図22】
図22は、実施の形態15に係る表示装置の概略構成を示す斜視図である。
【
図23】
図23は、実施の形態15に係る第一表示形態を示す平面図である。
【
図24】
図24は、実施の形態15に係る第二表示形態を示す平面図である。
【
図25】
図25は、実施の形態16に係る表示装置が車両に設置された状態を示す模式図である。
【
図26】
図26は、実施の形態16に係る表示装置の概略構成を示す模式図である。
【
図27】
図27は、実施の形態16に係る第二表示ユニットを示す平面図である。
【
図28】
図28は、実施の形態16に係る表示装置で表示された表示画像を示す平面図である。
【
図29】
図29は、実施の形態17に係る表示装置の概略構成を示す模式図である。
【
図30】
図30は、実施の形態18に係る表示装置の概略構成を示す模式図である。
【
図31】
図31は、実施の形態18に係る表示装置で表示された表示画像を示す平面図である。
【
図32】
図32は、実施の形態19に係る表示装置の概略構成を示す模式図である。
【
図33】
図33は、実施の形態20に係る表示装置の概略構成を示す模式図である。
【
図34】
図34は、実施の形態21に係る表示装置が車両に設置された状態を示す模式図である。
【
図35】
図35は、実施の形態21に係る表示装置の概略構成を示す模式図である。
【
図36】
図36は、実施の形態21に係る第一反射部を示す斜視図である。
【
図37】
図37は、実施の形態21に係る表示装置の表示例を示す説明図である。
【
図38】
図38は、実施の形態21に係る表示装置の表示例であって、ユーザの頭部位置が横ずれした状態を示す説明図である。
【
図39】
図39は、実施の形態22に係る第一反射部を示す斜視図である。
【
図40】
図40は、実施の形態23に係る第一反射部を示す斜視図である。
【
図41】
図41は、実施の形態24の第一例に係る第一反射部を示す斜視図である。
【
図42】
図42は、実施の形態24の第二例に係る第一反射部を示す斜視図である。
【
図43】
図43は、実施の形態24の第二例に係る第一反射部の断面図である。
【
図44】
図44は、実施の形態24の第三例に係る第一反射部を示す斜視図である。
【
図45】
図45は、実施の形態25に係る第一反射部を示す斜視図である。
【
図46】
図46は、実施の形態26に係る表示装置を示す断面図である。
【
図47】
図47は、実施の形態27に係る表示装置を示す断面図である。
【
図48】
図48は、実施の形態28に係る表示装置を示す断面図である。
【
図49】
図49は、実施の形態29に係る表示装置を示す断面図である。
【
図50】
図50は、実施の形態30に係る表示装置を示す断面図である。
【
図51】
図51は、実施の形態31に係る表示装置を示す断面図である。
【
図52】
図52は、実施の形態32に係る表示装置を示す断面図である。
【
図53】
図53は、実施の形態33に係る表示装置を示す断面図である。
【
図54】
図54は、実施の形態34に係る表示装置を示す断面図である。
【
図55】
図55は、実施の形態34に係る表示装置に備わる第一反射部を示す斜視図である。
【
図56】
図56は、実施の形態35に係る表示装置の概略構成を示す模式図である。
【
図57】
図57は、実施の形態36に係る表示装置の概略構成を示す模式図である。
【
図58】
図58は、実施の形態37に係る表示装置の表示例を示す説明図である。
【
図59】
図59は、実施の形態38に係る表示装置の概略構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の一態様に係る表示装置は、第一構成、第二構成及び第三構成の少なくとも1つを備える表示装置であって、前記第一構成は、第一領域から第一映像光を出射し、第二領域から前記第一映像光とは半位相ずれた第二映像光を出射する第一表示ユニットと、前記第一映像光及び前記第二映像光の一方の映像光を透過するとともに、他方の映像光を反射する第一偏光ハーフミラーと、前記一方の映像光が前記第一偏光ハーフミラーを透過した透過光路及び前記他方の映像光が前記第一偏光ハーフミラーを反射した反射光路の一方の光路上に配置された第一反射鏡と、前記一方の光路上であって前記第一反射鏡及び前記第一偏光ハーフミラーの間に配置された第一λ/4板と、を備え、前記第二構成は、第三領域から第三映像光を出射し、第四領域から第四映像光を出射する第二表示ユニットと、一端部が前記第三領域及び前記第四領域の境界に配置されたハーフミラーと、前記第三領域から出射され、前記ハーフミラーで反射された前記第三映像光を、さらに前記ハーフミラーに向けて反射する第三反射鏡と、を備え、前記ハーフミラーは、前記第三反射鏡からの前記第三映像光を透過するとともに、前記第四領域から出射された前記第四映像光を反射する際に、前記第三映像光及び前記第四映像光を同方向に向かわせる姿勢で配置されており、前記第三構成は、表示像をなす第五映像光を出射する第二表示素子と、前記第五映像光を反射する第一反射部とを有し、前記第一反射部は、前記第二表示素子が出射した前記第五映像光を分割して、視距離の異なる複数の前記表示像を形成するための複数の反射面を有し、複数の前記反射面のうち、少なくとも1つは曲面である。
【0009】
まず、第一構成を備える表示装置について説明する。例えば、一方の映像光を第二映像光とし、他方の映像光を第一映像光とした場合、第一偏光ハーフミラーでは、第二映像光が透過され、第一映像光が反射される。ここで一方の光路として第一映像光の反射光路を例示すると、この反射光路上に第一反射鏡が配置されるので、第一映像光は第一反射鏡で反射される。このとき、反射光路上であって、第一反射鏡と第一偏光ハーフミラーとの間には、第一λ/4板が配置されているので、第一映像光は、反射前に第一λ/4板を透過するとともに、反射後においても第一λ/4板を透過する。つまり、第一映像光は、第一λ/4板を二回透過することで半位相ずれる。半位相ずれた第一映像光は、第二映像光と同じ位相となり、第一偏光ハーフミラーを透過する。このように、第一映像光及び第二映像光とのそれぞれが、第一偏光ハーフミラーを透過可能な位相で当該第一偏光ハーフミラーを透過する。したがって、第一偏光ハーフミラーを起因とした光量低下を抑制できる。
【0010】
第二構成を備える表示装置の場合には、ハーフミラーを透過した第三映像光と、ハーフミラーを反射した第四映像光とを同方向に向かわせることができる。ここで、第三映像光は、ハーフミラーで一度反射されてから、さらに第三反射鏡で反射されることで、ハーフミラーを透過する。一方、第四映像光は、第三反射鏡で反射されることなくハーフミラーで反射される。このように、第三映像光の光路長は、第四映像光の光路長よりも長くなるので、第三映像光からなる画像と、第四映像光からなる画像とを奥行方向で大きく離して表示することができる。したがって、奥行き感の大きい立体表示が可能である。
【0011】
第三構成を備える表示装置の場合には、第一反射部には、第二表示素子が出射した第五映像光を分割して、視距離の異なる複数の表示像を形成するための複数の反射面が設けられているので、各表示像の視距離(奥行き)を異ならせた映像表現が可能である。特に、複数の前記反射面のうち少なくとも1つが曲面であるので、この曲面の反射面により、別の映像表現も可能である。これらが複合されることによって、演出効果を向上させることが可能である。
【0012】
本開示の一態様に係る表示装置は、前記第一構成を備え、前記透過光路及び前記反射光路の他方の光路上に配置された第二反射鏡を備えてもよい。
【0013】
例えば、他方の光路として第二映像光の透過光路を例示すると、この透過光路上には第二反射鏡が配置されているので、第二反射鏡の姿勢を調整することで、第二映像光の反射先(表示位置)を容易に調整できる。
【0014】
本開示の一態様に係る表示装置は、前記第一反射鏡及び前記第二反射鏡の少なくとも1つを凹面鏡または凸面鏡としてもよい。
【0015】
これによれば、前記第一反射鏡及び前記第二反射鏡の少なくとも1つが凹面鏡または凸面鏡であるので、第一映像光及び第二映像光がなす映像範囲を拡大または縮小することができる。これにより、多様な映像表現が可能となる。
【0016】
本開示の一態様に係る表示装置は、前記第一偏光ハーフミラー、前記第一反射鏡及び前記第二反射鏡の少なくとも1つを動作させる駆動部を有してもよい。
【0017】
これによれば、第一偏光ハーフミラー、第一反射鏡及び第二反射鏡の少なくとも1つを駆動部で動作(スライド移動、回転移動等)させることができる。したがって、第一偏光ハーフミラーを反射した映像光の表示位置や視距離を、第一偏光ハーフミラーの動作で調整することができる。同様に、第一反射鏡を反射した映像光の表示位置や視距離を、第一反射鏡の動作で調整することができる。さらに、第二反射鏡を反射した映像光の表示位置や視距離を、第二反射鏡の動作で調整することができる。これにより、ユーザの体格差や嗜好に応じた映像表示が可能となる。
【0018】
本開示の一態様に係る表示装置では、前記第一構成を備え、前記第一表示ユニットは、表示面を有する表示素子と、前記表示面の一部のみに積層された第一λ/2板とを有してもよい。
【0019】
これによれば、表示面のうち、第一λ/2板が積層されていない領域は第一領域であり、第一λ/2板が積層された領域は第二領域である。つまり、表示面から出射された光のうち、第一λ/2板を透過しない光が第一映像光となり、第一λ/2板を透過する光が第二映像光となる。このように、第一表示ユニットでは、表示素子と、第一λ/2板とが一体化されているので、取り扱いが容易である。
【0020】
本開示の一態様に係る表示装置は、前記他方の光路上に配置された第二λ/4板を備えてもよい。
【0021】
これによれば、他方の光路上に第二λ/4板が配置されているので、当該他方の光路を伝わる映像光が第二λ/4板を二回透過すれば、半位相ずれる。第二λ/4板を二回透過する前の状態で第一偏光ハーフミラーを透過する映像光は、当該二回透過による半位相ずれで第一偏光ハーフミラーで反射される。このため、第二λ/4板を透過しない映像光(例えば第一映像光)と、第二λ/4板を透過した映像光(例えば第二映像光)とを重ねることができる。
【0022】
本開示の一態様に係る表示装置では、前記第一構成を備え、前記第一表示ユニットから出射された前記第一映像光及び前記第二映像光は、互いに半位相ずれた状態の円偏光であり、前記第一λ/4板は、前記第一偏光ハーフミラーにおける前記第一表示ユニット側の第一面に積層されていてもよい。
【0023】
これによれば、第一λ/4板が第一偏光ハーフミラーの第一面に積層されているので、第一偏光ハーフミラーと第一λ/4板とを一体化でき、装置全体として小型にすることができる。
【0024】
本開示の一態様に係る表示装置は、前記第一偏光ハーフミラーにおける前記第一面とは反対側の第二面に積層された第三λ/4板を有してもよい。
【0025】
これによれば、第一λ/4板が第一偏光ハーフミラーの第一面に積層され、第三λ/4板が第一偏光ハーフミラーの第二面に積層されているので、第一偏光ハーフミラーと第一λ/4板及び第三λ/4板とを一体化でき、装置全体として小型にすることができる。
【0026】
本開示の一態様に係る表示装置では、前記第一構成を備え、前記第一表示ユニットは、前記第一領域と前記第二領域との境界からは前記第一映像光及び前記第二映像光を出射させなくてもよい。
【0027】
ここで、第一領域と第二領域との境界では、偏光が整っておらず映像品質が低下するおそれがある。本態様では、第一領域と第二領域との境界からは第一映像光及び第二映像光が出射されないので、映像品質の低下を抑制できる。
【0028】
本開示の一態様に係る表示装置は、前記第一構成を備え、ユーザから見て第一映像光と第二映像光とが水平方向に並んで配置されていてもよい。
【0029】
これによれば、ユーザから見て第一映像光と第二映像光とが水平方向に並んでいるので、ユーザの目線の高さが変動したとしても、映像の重なりを変動しにくくできる。
【0030】
本開示の一態様に係る表示装置は、前記第一構成を備え、ユーザから見て第一映像光と第二映像光とは垂直方向に並んで配置されていてもよい。
【0031】
これによれば、ユーザから見て第一映像光と第二映像光とが垂直方向に並んでいるので、ユーザの目線が左右に変動したとしても、映像の重なりを変動しにくくできる。
【0032】
本開示の一態様に係る表示装置は、前記第一領域と前記第二領域とが、それぞれ1画素以上5画素以下の幅を有し、交互に並んでいてもよい。
【0033】
これによれば、交互に並ぶ第一領域と第二領域とが、それぞれ1画素以上5画素以下の幅を有しているので、全画面を二層化することができる。これにより、多様な映像表現が可能となる。
【0034】
本開示の一態様に係る表示装置は、前記第一構成を備え、ユーザから見て、前記第一映像光及び前記第二映像光の一方は他方を囲むように配置されていてもよい。
【0035】
これによれば、ユーザから見て、第一映像光及び前記第二映像光の一方は他方を囲むように配置されているので、より多様な表現が可能となる。
【0036】
本開示の一態様に係る表示装置は、前記第一構成と、側面視で前記第一偏光ハーフミラーに交差する角度で、前記第一表示ユニット及び前記第一反射鏡と対向するように配置された第二偏光ハーフミラーとを備え、前記第一表示ユニットは、前記第一領域と前記第二領域とは異なる第五領域からも前記第一映像光を出射し、前記第五領域から出射された前記第一映像光は、前記第二偏光ハーフミラーを透過した後、前記第一反射鏡で反射され、さらに前記第二偏光ハーフミラーで反射されてもよい。
【0037】
これによれば、第五領域から出射された第一映像光は、第二偏光ハーフミラーを透過した後、第一反射鏡で反射され、さらに第二偏光ハーフミラーで反射されるので、第一領域から出射された第一映像光と、第二領域から出射された第二映像光とも異なる光路長となる。したがってより多様な立体表示が可能となる。
【0038】
本開示の一態様に係る表示装置は、前記第一領域から出射された前記第一映像光は、前記第一偏光ハーフミラーを透過した後、前記第一反射鏡及び前記第一偏光ハーフミラーで反射され、さらに、前記第一偏光ハーフミラーを透過することで、ユーザから見て最奥部に表示され、前記第二領域から出射された前記第二映像光は、前記第一偏光ハーフミラーで反射されることで、ユーザから見て最手前部に表示され、前記第五領域から出射された前記第一映像光は、前記第二偏光ハーフミラーを透過した後、前記第一反射鏡で反射され、さらに前記第二偏光ハーフミラーで反射されることで、ユーザから見て前記最奥部と前記最手前部の間の中間部に表示されてもよい。
【0039】
これによれば、第一領域から出射された第一映像光を最奥部に、第二領域から出射された第二映像光を最手前部に、第五領域から出射された第一映像光を中間部に表示することが可能である。
【0040】
本開示の一態様に係る表示装置は、前記最手前部には警告表示がなされ、前記中間部には計器表示がなされ、前記最奥部には注意喚起表示がなされる第一表示形態と、前記最手前部には道路情報表示がなされ、前記中間部には計器表示がなされ、前記最奥部にはナビゲーション表示がなされる第二表示形態との少なくとも一方が表示されてもよい。
【0041】
これによれば、第一表示形態と第二表示形態との少なくとも一方を表示装置で表示できるので、より多様な表現が可能である。
【0042】
本開示の一態様に係る表示装置は、前記第一表示形態と前記第二表示形態とが所定の条件に基づき切り替わってもよい。
【0043】
これによれば、第一表示形態と第二表示形態とが所定の条件に基づいて切り替わるので、各条件に応じた表示形態とすることができる。
【0044】
本開示の一態様に係る表示装置は、前記第二構成を備え、前記ハーフミラーは、偏光ハーフミラーであり、前記第三反射鏡と前記偏光ハーフミラーとの間には第四λ/4板が配置されていてもよい。
【0045】
これによれば、第三反射鏡と偏光ハーフミラーとの間には、第四λ/4板が配置されているので、偏光ハーフミラーを反射した第三映像光は、第三反射鏡で反射される前に第四λ/4板を透過するとともに、第三反射鏡で反射された後にも第四λ/4板を透過する。つまり、第三映像光は、第四λ/4板を二回透過することで半位相ずれる。ここで、半位相ずれる前の第三映像光を反射し、半位相ずれた後の第三映像光を透過する偏光ハーフミラーを用いれば、第三映像光が偏光ハーフミラーを反射する際に抜けてしまうことを抑制できる。したがって、ハーフミラーを起因とした光量低下を抑制できる。
【0046】
本開示の一態様に係る表示装置は、前記第三領域から出射された前記第三映像光を前記偏光ハーフミラーに向けて反射させる第四反射鏡を備えてもよい。
【0047】
これによれば、第三映像光が偏光ハーフミラーに至るまでに第四反射鏡で反射されるので、第三映像光の光路長をさらに長くすることができる。これにより、第三映像光からなる画像と、第四映像光からなる画像とを奥行方向でより大きく離して表示することができる。
【0048】
本開示の一態様に係る表示装置は、前記第三領域に積層された第五λ/4板を有し、前記第三反射鏡は凹面鏡または凸面鏡であり、前記第四λ/4板は、前記偏光ハーフミラーにおける前記第三反射鏡に対向する面に積層されていてもよい。
【0049】
これによれば、第三反射鏡が凹面鏡または凸面鏡であるので、第三映像光がなす映像範囲を拡大または縮小することができる。これにより、多様な映像表現が可能となる。凹面鏡または凸面鏡の表面には位相差板を積層しにくいために、偏光ハーフミラーにおける第三反射鏡に対向する面に第四λ/4板を積層することで、容易に製造することが可能である。
【0050】
本開示の一態様に係る表示装置は、前記第四映像光が前記偏光ハーフミラーで反射されるまでに、当該第四映像光を反射させる第五反射鏡を有してもよい。
【0051】
これによれば、第四映像光は、偏光ハーフミラーで反射されるまでに第五反射鏡で反射されるので、第四映像光の光路長を長くすることができる。これにより、第四映像光においても焦点を遠くにすることができ、第四映像光がなす映像を見えやすくできる。
【0052】
本開示の一態様に係る表示装置は、前記第二構成を備え、前記ハーフミラー及び前記第三反射鏡の少なくとも1つを動作させる駆動部を有してもよい。
【0053】
これによれば、ハーフミラー及び第三反射鏡の少なくとも1つを駆動部で動作(スライド移動、回転移動等)させることができる。したがって、偏光ハーフミラーを反射した映像光の表示位置や視距離を、偏光ハーフミラーの動作で調整することができる。同様に、第三反射鏡を反射した映像光の表示位置や視距離を、第三反射鏡の動作で調整することができる。これにより、ユーザの体格差や嗜好に応じた映像表示が可能となる。
【0054】
本開示の一態様に係る表示装置では、前記第二構成を備え、前記第二表示ユニットは、前記第三領域と前記第四領域との境界からは前記第三映像光及び前記第四映像光を出射させなくてもよい。
【0055】
ここで、第三領域と第四領域との境界では、偏光が整っておらず映像品質が低下するおそれがある。本態様では、第三領域と第四領域との境界からは第三映像光及び第四映像光が出射されないので、映像品質の低下を抑制できる。
【0056】
本開示の一態様に係る表示装置において、前記第三構成を備え、前記第一反射部は、複数の前記反射面を支持する複数の支持体を有し、複数の前記支持体のうち、1つの支持体は、少なくとも2つの前記反射面を支持してもよい。
【0057】
これによれば、少なくとも2つの反射面が1つの支持体で支持されているので、これらの反射面が支持体で一体化される。したがって、これらの反射面の位置合わせを容易化できる。
【0058】
本開示の一態様に係る表示装置において、前記第三構成を備え、前記第一反射部は、複数の前記反射面の全てを一括して支持する支持体を有してもよい。
【0059】
これによれば、支持体が複数の反射面を一括しているので、第一反射部に備わる複数の反射面の全てが支持体で一体化される。したがって、全ての反射面の位置合わせを容易化できるだけでなく、部品点数も削減でき、小型化も可能である。
【0060】
本開示の一態様に係る表示装置において、前記曲面である反射面を支持する前記支持体は、前記第二表示素子に対向する第一主面とは反対側の第二主面が、前記曲面である反射面であってもよい。
【0061】
これによれば、曲面である反射面が支持体の第二主面であるので、第二表示素子が出射した映像光は、支持体の第一主面に入射した後に第二主面(反射面)で反射され、第一主面から出射する。このように、収差補正可能なタイミングを三回確保できるので、当該経路をたどった映像光からなる表示像をクリアにすることができる。
【0062】
本開示の一態様に係る表示装置において、前記第三構成を備え、前記第五映像光を反射する、前記第一反射部とは別体の第二反射部を有してもよい。
【0063】
これによれば、第二反射部が第五映像光を反射するので、当該反射によって映像光の光路長を大きくすることができる。これにより、表示像の奥行き感をより高めることができる。
【0064】
本開示の一態様に係る表示装置において、前記第三構成を備え、前記第二表示素子は、単一偏光からなる第五映像光を出射し、前記表示装置は、前記第二表示素子及び前記第一反射部に対向する位置に配置され、前記第五映像光を反射する第三偏光ハーフミラーと、前記第三偏光ハーフミラー及び前記第一反射部との間に配置された第六λ/4板とを備えてもよい。
【0065】
これによれば、第二表示素子から出射された第五映像光を反射する第三偏光ハーフミラーと、第一反射部との間に第六λ/4板が配置されている。このようなレイアウトであるので、単一偏光からなる第五映像光は、第三偏光ハーフミラーを透過する前に、第六λ/4板を複数回透過することで偏光状態が変換されて、第三偏光ハーフミラーを透過可能な状態となる。また、第五映像光は、第三偏光ハーフミラーを透過する前に、一旦第三偏光ハーフミラーで反射されて、さらに第一反射部でも反射されているので、第五映像光の光路長を大きくすることができる。
【0066】
本開示の一態様に係る表示装置において、前記第三構成を備え、前記第二表示素子は、単一偏光からなる第五映像光を出射し、前記表示装置は、前記第二表示素子及び前記第一反射部の間に配置され、前記第五映像光を透過する第三偏光ハーフミラーと、前記第三偏光ハーフミラー及び前記第一反射部との間に配置された第六λ/4板とを備えてもよい。
【0067】
これによれば、第二表示素子から出射された第五映像光を透過する第三偏光ハーフミラーと、第一反射部との間に第六λ/4板が配置されている。このようなレイアウトであるので、単一偏光からなる第五映像光は、第三偏光ハーフミラーを一回透過した後、第一反射部で反射されて第三偏光ハーフミラーに至るまでの間に、第六λ/4板を複数回透過する。これにより第五映像光は、第三偏光ハーフミラーを反射可能な状態となる。次いで、第五映像光は、第三偏光ハーフミラーで反射された後、第一反射部で反射されて第三偏光ハーフミラーに至るまでの間に、第六λ/4板を複数回透過する。これにより第五映像光は、第三偏光ハーフミラーを透過可能な状態となるので、第三偏光ハーフミラーを透過する。したがって第五、映像光の光路長を大きくすることができる。
【0068】
本開示の一態様に係る表示装置において、前記第三偏光ハーフミラーは、互いに異なる偏光特性を有する複数の領域を有してもよい。
【0069】
これによれば、第三偏光ハーフミラーが、互いに異なる偏光特性を有する複数の領域を有しているので、各領域を透過する映像光の光路長(視距離)を異ならせることができる。これにより、より多様な映像表現が可能となる。
【0070】
本開示の一態様に係る表示装置において、前記第二表示素子の一部のみに積層された第二λ/2板を有してもよい。
【0071】
これによれば、第二表示素子の一部のみに第二λ/2板が積層されているので、第二λ/2板を透過した映像光は半位相ずれて第三偏光ハーフミラーに向かうことになる。例えば、第二表示素子で出射された映像光を第三偏光ハーフミラーが透過する場合には、第二λ/2板で半位相ずれた映像光が第三偏光ハーフミラーで反射される。一方、第二表示素子で出射された映像光を第三偏光ハーフミラーが反射する場合には、第二λ/2板で半位相ずれた映像光が第三偏光ハーフミラーを透過する。このように、第二表示素子から出射された映像光のうち、第二λ/2板を透過した映像光と、透過していない映像光とで異なる光路に分岐させることができる。したがって、各映像光の光路長を異ならせることができ、より多様なる映像表現が可能となる。
【0072】
本開示の一態様に係る表示装置において、前記第三構成を備え、複数の前記反射面のうち、少なくとも1つは平面であってもよい。
【0073】
これによれば、複数の反射面のうち、少なくとも1つが平面であるので、曲面である反射面を介した表示像は、平面である反射面を介した表示像とは異なる映像表現が可能である。したがって、演出効果をより向上させることが可能である。
【0074】
本開示の一態様に係る表示装置において、前記第三構成を備え、前記反射面は、3つ以上であり、3つ以上の前記反射面のそれぞれは、曲率が異なっていてもよい。
【0075】
これによれば、3つ以上の反射面のそれぞれの曲率が異なっているので、各反射面を介した表示像で異なる映像表現が可能となる。したがって、より多様な映像表現が可能となり、演出効果をより向上させることが可能である。
【0076】
本開示の一態様に係る表示装置において、前記第三構成を備え、前記反射面は、3つ以上であり、3つ以上の前記反射面のそれぞれは、前記第二表示素子からの距離が異なっていてもよい。
【0077】
これによれば、3つ以上の反射面のそれぞれは、第二表示素子からの距離が異なっているので、各反射面を介した表示像の視距離を異ならせることができる。したがって、より多様な映像表現が可能となり、演出効果をより向上させることが可能である。
【0078】
本開示の一態様に係る表示装置において、前記第三構成を備え、ユーザから見て、複数の前記表示像は水平方向に並んで配置されていてもよい。
【0079】
これによれば、ユーザから見て複数の表示像が水平方向に並んでいるので、ユーザの目線の高さが変動したとしても、表示像の重なりを変動しにくくできる。
【0080】
本開示の一態様に係る表示装置において、前記第三構成を備え、ユーザから見て、複数の前記表示像は垂直方向に並んで配置されていてもよい。
【0081】
これによれば、ユーザから見て複数の表示像が垂直方向に並んでいるので、ユーザの目線が左右に変動したとしても、映像の重なりを変動しにくくできる。
【0082】
本開示の一態様に係る表示装置において、前記第三構成を備え、前記第二表示素子は、複数の前記表示像のうち、隣り合う表示像同士の間隔を所定範囲以上となるように、前記第五映像光を出射する、としてもよい。
【0083】
これによれば、隣り合う表示像同士の間隔が所定範囲以上であるので、ユーザの目線が変動することで、隣り合う表示像同士が重なってしまうことを抑制できる。
【0084】
本開示の一態様に係る表示装置において、前記第三構成を備え、ユーザの視点を検出する視点検出部と、前記第二表示素子を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記視点検出部の検出結果に基づいて前記第二表示素子の表示内容を制御する、としてもよい。
【0085】
これによれば、制御部が、視点検出部の検出結果に基づいて第二表示素子の表示内容を制御するので、ユーザの視点に応じた表示像を形成することができる。したがって、視点が変動したとしても、ユーザから見て欠けの少ない表示像を形成できる。
【0086】
本開示の一態様に係る表示装置において、前記第三構成を備え、前記第二表示素子を制御する制御部を備え、前記制御部は、複数の前記表示像の視距離に基づいて、前記表示像ごとの輝度を制御する、としてもよい。
【0087】
これによれば、制御部は、複数の表示像の視距離に基づいて、表示像ごとの輝度を制御するので、表示像ごとに適切な輝度とすることができる。特に、反射面で拡大される表示像は、輝度が低下しうるが、その輝度低下分を制御部の制御によって第二表示素子側で補完できる。
【0088】
本開示の一態様に係る表示装置において、前記第三構成を備え、前記第二表示素子を制御する制御部を備え、前記制御部は、複数の前記表示像のそれぞれをなす前記第五映像光の反射回数に応じて、前記第二表示素子での表示内容を反転させるか否かを決定する、としてもよい。
【0089】
これによれば、制御部が、複数の前記表示像のそれぞれをなす映像光の反射回数に応じて、第二表示素子での表示内容を反転させるか否かを決定するので、反射回数が如何様でもユーザから見て適切な表示像とすることができる。
【0090】
本開示の一態様に係る表示装置において、前記第三構成を備え、前記第一反射部及び前記第二表示素子の少なくとも一方を動作させる第三駆動部を有する、としてもよい。
【0091】
これによれば、第一反射部及び第二表示素子の少なくとも一方を第三駆動部で動作(スライド移動、回転移動等)させることができる。したがって、第二表示素子が出射した映像光及び第一反射部を反射した表示光からなる各表示像の少なくとも一方の表示位置や視距離を、第一反射部及び第二表示素子の少なくとも一方の動作で調整することができる。これにより、ユーザの体格差や嗜好に応じた映像表示が可能となる。
【0092】
本開示の一態様に係る表示装置において、前記第三構成を備え、ユーザから見て、複数の前記表示像のうち、1つの表示像は他の表示像を囲むように配置されていてもよい。
【0093】
これによれば、ユーザから見て、複数の表示像のうち、1つの表示像は他の表示像を囲むように配置されているので、より多様な表現が可能となる。
【0094】
(実施の形態)
以下で説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0095】
以下の実施の形態において、平行および直交等の、2つの方向の相対的な姿勢を示す表現が用いられる場合があるが、これらの表現は、厳密にはその姿勢ではない場合も含む。例えば、2つの方向が平行である、という場合、特に断りのない限り、当該2つの方向が完全に平行であることを意味するだけでなく、実質的に平行であること、すなわち、例えば数%程度の差異を含むことも意味する。
【0096】
以下の実施の形態における各図で例示する光路は、原理的な考え方を示すものであるため、必ずしも実際の光路を反映しているものではない。
【0097】
以下の説明及び図面中において、光学素子の幅方向、左右方向をX軸方向と定義し、光学素子の高さ方向、鉛直方向をY軸方向と定義し、X軸方向とY軸方向との双方に直交する方向をZ軸方向と定義する。以下の説明において、X軸プラス方向とは、X軸の矢印方向を示し、X軸マイナス方向とは、X軸プラス方向とは反対方向を示す。単にX軸方向という場合は、X軸プラス方向及びX軸マイナス方向の双方向またはいずれか一方の方向を示す。Y軸方向及びZ軸方向についても同様である。
【0098】
[実施の形態1]
上記従来の表示装置では、車両情報を含む映像光がハーフミラーを通過する際に、その光量が失われてしまうのが実状である。表示装置の高性能化には、この光量の損失を抑制することも含まれる。実施の形態1から実施の形態17では、光量の損失抑制を目的とした表示装置について説明する。
【0099】
図1は、実施の形態1に係る表示装置10が車両1に設置された状態を示す模式図である。
図1では、車両1および筐体20を断面で示している。
【0100】
図1に示すように、表示装置10は、画像を表示するための装置である。本実施の形態では、表示装置10は、車両1の車室内に設置されている。例えば、表示装置10は、車両1に関する車両情報を表示する。車両1の運転手であるユーザ2は、表示装置10を見ることによって(
図1の破線矢印を参照)、車両情報を視認できる。車両情報としては、例えば、車両1の車速、エンジンの回転数、車両1に近接する物体の検知結果、または車両1の現在地から目的地までのナビゲーション情報、車両1の後方を撮像するカメラによって撮像された画像情報などが挙げられる。なお、
図1では表示装置10を車両1のフロントウインドウ上端近傍に配置した例を示しているが、表示装置10は、この位置に限らず、例えばダッシュボードのメータが配置される部分やセンターコンソール等に配置されてもよい。
【0101】
図2は、実施の形態1に係る表示装置10の概略構成を示す模式図である。
図2では、筐体20を断面で示している。
図2に示すように、表示装置10は、筐体20と、第一表示ユニット12と、第一偏光ハーフミラー13と、第一反射鏡14と、第二反射鏡15と、第一λ/4板41とを備えている。
【0102】
筐体20は、第一表示ユニット12と、第一偏光ハーフミラー13と、第一反射鏡14と、第二反射鏡15と、第一λ/4板41とを収容している。本実施の形態では、筐体20は、車両1の天井から吊り下げられている。筐体20は、第一表示ユニット12から発せられた光を筐体20の外部に出射させるための出射部22を有している。出射部22は、筐体20におけるZ軸プラス方向の壁部に設けられている。出射部22は、筐体20の内部の空間と外部の空間とを連通させる貫通孔である。出射部22には防塵のために透明板が配置されていてもよい。筐体20内において、Y軸プラス方向の内側面(内天面)の近傍には、第一表示ユニット12が配置されている。筐体20内において、Z軸マイナス方向の内側面の近傍には第一反射鏡14及び第一λ/4板41が配置されている。筐体20内において、Y軸マイナス方向の内側面(内底面)の近傍には第二反射鏡15が配置されている。筐体20内において中央部には第一偏光ハーフミラー13が配置されている。第二反射鏡15と、第一偏光ハーフミラー13と、第一表示ユニット12とは、Y軸マイナス方向からY軸プラス方向に向かってこの順で並んで配置されている。第一反射鏡14と、第一λ/4板41と、第一偏光ハーフミラー13と、出射部22とは、Z軸マイナス方向からZ軸プラス方向に向かってこの順で並んで配置されている。
【0103】
図3は、実施の形態1に係る第一表示ユニット12を示す平面図である。
図2及び
図3に示すように、第一表示ユニット12は、XZ面に沿う姿勢で配置されている。第一表示ユニット12は、表示面31を有する表示素子30と、表示面31の一部のみに積層された一対の第一λ/2板32とを有している。表示素子30は、表示面31から画像を表す光を発する。例えば、表示素子30は、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、またはマイクロLED(Light Emitting Diode)ディスプレイ等を含んで実現される。表示素子30は、表示面31が全体として平坦状となるように形成されている。
【0104】
第一λ/2板32は、当該第一λ/2板32に入射した光に、波長λの1/2の位相差を生じさせるλ/2位相差板である。例えば、表示面31から出射された光がS偏光の直線偏光であった場合には、第一λ/2板32を透過することでP偏光の直線偏光に変換される。以降の説明において、S偏光の直線偏光を単に「S偏光」と称し、P偏光の直線偏光を単に「P偏光」と表現する場合がある。一対の第一λ/2板32は、表示面31のうち、Z軸方向の両端部に帯状に配置されている。このため、表示面31は、Z軸方向の中央部が露出された状態となっている。ここで、第一表示ユニット12において、表示面31が露出された領域を第一領域R1とし、各第一λ/2板32で覆われた領域を第二領域R2とする。第一領域R1と、一対の第二領域R2とは、Y軸マイナス方向から見てZ軸方向に並んで配置されており、第一領域R1が一対の第二領域R2に挟まれている。
【0105】
第一領域R1からはS偏光からなる第一映像光L1が出射され、第二領域R2からはP偏光からなる第二映像光L2が出射される。
図2では、第一映像光L1の光路を破線の矢印で示し、第二映像光L2の光路を太線の矢印で示している。また、
図2において各映像光がS偏光である場合には「S」と示し、P偏光である場合には「P」と示している。これらは他の図においても同様である。
【0106】
第一偏光ハーフミラー13は、第一映像光L1及び第二映像光L2の一方の映像光を透過するとともに、他方の映像光を反射する光学部材である。本実施の形態では、第一偏光ハーフミラー13は、S偏光を反射し、P偏光を透過するようになっている。具体的には、第一偏光ハーフミラー13は、平板状のガラス基材に反射型偏光板を配置した構成(この場合、ガラス基材における第一表示ユニット12側に反射型偏光板を配置する。)としている。第一偏光ハーフミラー13は、第一表示ユニット12から出射された第一映像光L1を、第一反射鏡14及び第一λ/4板41に向けて反射する姿勢で配置されている。
【0107】
第一反射鏡14は、平面鏡である。第一反射鏡14は、第一偏光ハーフミラー13のZ軸マイナス方向で当該第一偏光ハーフミラー13に対向する位置に配置されている。第一反射鏡14は、第一偏光ハーフミラー13からの第一映像光L1を反射し、当該反射光が第一偏光ハーフミラー13を透過して出射部22に向かう姿勢で配置されている。つまり、第一反射鏡14は、第一偏光ハーフミラー13を反射した第一映像光L1の反射光路上に配置されている。
【0108】
第一反射鏡14の全面には、第一λ/4板41が積層されている。第一λ/4板41は、当該第一λ/4板41に入射した直線偏光を円偏光に変換し、かつ、当該第一λ/4板41に入射した円偏光を直線偏光に変換するためのλ/4位相差板である。つまり、第一偏光ハーフミラー13で反射された第一映像光L1は、第一λ/4板41に入射して円偏光に変換された後に、第一反射鏡14で反射され、再度、第一λ/4板41に入射して直線偏光に変換される。このように、第一映像光L1は、第一λ/4板41を二回透過することで、1/2の位相差を生じる。具体的には、第一偏光ハーフミラー13で反射されたS偏光の第一映像光L1は、第一λ/4板41を二回透過することでP偏光に変換される。第一映像光L1は、P偏光に偏光されたため、第一偏光ハーフミラー13を透過することができる。第一偏光ハーフミラー13を透過した第一映像光L1は、出射部22から出射される。
【0109】
第二反射鏡15は、平面鏡である。第二反射鏡15は、第一偏光ハーフミラー13のY軸マイナス方向で当該第一偏光ハーフミラー13に対向する位置に配置されている。第二反射鏡15は、第一偏光ハーフミラー13からの第二映像光L2を反射し、当該反射光が出射部22に向かう姿勢で配置されている。より具体的には、第二反射鏡15は、反射した一対の第二映像光L2を第一映像光L1よりも下方(Y軸マイナス方向)とする姿勢で配置されている。
【0110】
図4は、実施の形態1に係る表示装置10で表示された表示画像G1を示す平面図である。
図4は、ユーザ2から見た状態を示している。
図4に示すように、表示装置10からの表示画像G1では、第一映像光L1がなす画像G11が最も上部となるように、当該画像G11と、一対の第二映像光L2がなす画像G12とがY軸方向(垂直方向)に並んで配置されている。このとき、第一映像光L1の光路長と、各第二映像光L2との光路長とが異なるために、画像G11と、各画像G12とは、ユーザ2から見て異なる奥行きの位置(Z軸方向での位置)に表示されている。例えば、第一偏光ハーフミラー13から第一反射鏡14までの距離を調整することで、第一映像光L1の光路長を調整でき、第一偏光ハーフミラー13から第二反射鏡15までの距離を調整することで、各第二映像光L2の光路長を調整できる。
【0111】
以上のように、本実施の形態に係る表示装置10によれば、第一偏光ハーフミラー13では、第一映像光L1が反射され、第二映像光L2が透過される。ここで第一映像光L1の反射光路上には第一反射鏡14が配置されるので、第一映像光L1は第一反射鏡14で反射される。このとき、反射光路上であって、第一反射鏡14と第一偏光ハーフミラー13との間には、第一λ/4板41が配置されているので、第一映像光L1は、反射前に第一λ/4板41を透過するとともに、反射後においても第一λ/4板41を透過する。つまり、第一映像光L1は、第一λ/4板41を二回透過することで半位相ずれる。半位相ずれた第一映像光L1は、第二映像光L2と同じ位相となり、第一偏光ハーフミラー13を透過する。このように、第一映像光L1及び第二映像光L2とのそれぞれが、第一偏光ハーフミラー13を透過可能な位相で当該第一偏光ハーフミラー13を透過する。したがって、第一偏光ハーフミラー13を起因とした光量低下を抑制できる。
【0112】
このように、光量の低下を抑制するために、表示装置10には、第一表示ユニット12と、第一偏光ハーフミラー13と、第一反射鏡14と、第一λ/4板41とを含む第一構成が備えられている。
【0113】
例えば、他方の光路である第二映像光L2の透過光路上には第二反射鏡15が配置されているので、第二反射鏡15の姿勢を調整することで、第二映像光L2の反射先(表示位置)を容易に調整できる。
【0114】
表示面31のうち、第一λ/2板32が積層されていない領域は第一領域R1であり、第一λ/2板32が積層された領域は第二領域R2である。つまり、表示面31から出射された光のうち、第一λ/2板32を透過しない光が第一映像光L1となり、第一λ/2板32を透過する光が第二映像光L2となる。このように、第一表示ユニット12では、表示素子30と、第一λ/2板32とが一体化されているので、取り扱いが容易である。
【0115】
ユーザ2から見て第一映像光L1と第二映像光L2とが垂直方向に並んでいるので、ユーザ2の目線が左右に変動したとしても、映像の重なりを変動しにくくできる。
【0116】
[実施の形態2]
実施の形態2に係る表示装置10Aについて説明する。なお、以降の説明において実施の形態1と同一の部分については同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0117】
図5は、実施の形態2に係る表示装置10Aの概略構成を示す模式図である。
図5は
図2に対応する図である。
図5に示すように、表示装置10Aは、筐体20と、第一表示ユニット12と、第一偏光ハーフミラー13と、第一反射鏡14と、第二反射鏡15と、第一λ/4板41とを備えており、これらのレイアウトが実施の形態1に係る表示装置10と異なっている。
【0118】
具体的に説明すると、筐体20内において、Z軸マイナス方向の内側面の近傍には、第一表示ユニット12が配置されている。筐体20内において、Y軸マイナス方向の内側面(内底面)の近傍には第一反射鏡14及び第一λ/4板41が配置されている。筐体20内において、Y軸プラス方向の内側面(内天面)の近傍には第二反射鏡15が配置されている。筐体20内において中央部には第一偏光ハーフミラー13が配置されている。第一表示ユニット12と、第一偏光ハーフミラー13と、出射部22とは、Z軸マイナス方向からZ軸プラス方向に向かってこの順で並んで配置されている。第一反射鏡14と、第一λ/4板41と、第一偏光ハーフミラー13と、第二反射鏡15とは、Y軸マイナス方向からY軸プラス方向に向かってこの順で並んで配置されている。
【0119】
第一表示ユニット12は、XY面に沿う姿勢で配置されている。第一偏光ハーフミラー13は、第一表示ユニット12から出射された第一映像光L1を、第一反射鏡14及び第一λ/4板41に向けて反射する姿勢で配置されている。このため、第一表示ユニット12から出射された第二映像光L2は第一偏光ハーフミラー13を透過し、出射部22へと至る。第一反射鏡14は、第一偏光ハーフミラー13からの第一映像光L1を反射し、当該反射光が第一偏光ハーフミラー13を透過して第二反射鏡15に向かう姿勢で配置されている。第二反射鏡15は、第一偏光ハーフミラー13を透過した第一映像光L1を反射し、当該反射光が出射部22に向かう姿勢で配置されている。
【0120】
この実施の形態2においても、第一偏光ハーフミラー13では、S偏光を反射し、P偏光を透過する。ここで第一映像光L1の反射光路上には第一反射鏡14が配置されるので、第一映像光L1は第一反射鏡14で反射される。このとき、反射光路上であって、第一反射鏡14と第一偏光ハーフミラー13との間には、第一λ/4板41が配置されているので、第一映像光L1は、反射前に第一λ/4板41を透過するとともに、反射後においても第一λ/4板41を透過する。つまり、第一映像光L1は、第一λ/4板41を二回透過することで半位相ずれる。半位相ずれた第一映像光L1は、第二映像光L2と同じ位相となり、第一偏光ハーフミラー13を透過する。このように、第一映像光L1及び第二映像光L2とのそれぞれが、第一偏光ハーフミラー13を透過可能な位相で当該第一偏光ハーフミラー13を透過する。したがって、第一偏光ハーフミラー13を起因とした光量低下を抑制できる。
【0121】
[実施の形態3]
実施の形態3に係る表示装置10Bについて説明する。なお、以降の説明において実施の形態1と同一の部分については同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0122】
図6は、実施の形態3に係る表示装置10Bの概略構成を示す模式図である。
図6は
図2に対応する図である。
図6に示すように、表示装置10Bでは、第二反射鏡15の表面に、第二λ/4板42bが積層されている。つまり、第一偏光ハーフミラー13を透過した第二映像光L2の透過光路上に第二λ/4板42bが配置されている。
【0123】
第二λ/4板42bは、当該第二λ/4板42bに入射した直線偏光を円偏光に変換し、かつ、当該第二λ/4板42bに入射した円偏光を直線偏光に変換するためのλ/4位相差板である。つまり、第一偏光ハーフミラー13を透過した第二映像光L2は、第二λ/4板42bに入射して円偏光に変換された後に、第二反射鏡15で反射され、再度、第二λ/4板42bに入射して直線偏光に変換される。このように、第二映像光L2は、第二λ/4板42bを二回透過することで、1/2の位相差を生じる。具体的には、第一偏光ハーフミラー13を透過したP偏光の第二映像光L2は、第二λ/4板42bを二回透過することでS偏光に変換される。第二映像光L2は、S偏光に偏光されたため、第一偏光ハーフミラー13で反射される。第一偏光ハーフミラー13で反射された第二映像光L2は、出射部22から出射される。
【0124】
ここで、第二反射鏡15は、反射した一対の第二映像光L2で第一映像光L1をY軸方向で挟む姿勢で配置されている。
図7は、実施の形態3に係る表示装置10Bで表示された表示画像G1bを示す平面図である。
図7は
図4に対応する図である。
図7に示すように、表示装置10Bからの表示画像G1bでは、第一映像光L1がなす画像G11bがY軸方向で中央となるように、当該画像G11bと、一対の第二映像光L2がなす画像G12bとがY軸方向(垂直方向)に並んで配置されている。このとき、第一反射鏡14と第一偏光ハーフミラー13との距離と、第二反射鏡15と第一偏光ハーフミラー13との距離との違いにより、第一映像光L1の光路長と、一対の第二映像光L2との光路長とが異なるために、画像G11と、各画像G12とは、ユーザ2から見て異なる奥行きの位置(Z軸方向での位置)に表示されている。
【0125】
このように、第一偏光ハーフミラー13を透過した第二映像光L2の透過光路上に第二λ/4板42bが配置されているので、当該透過光路を伝わる第二映像光L2が第二λ/4板42bを二回透過すれば、半位相ずれる。第二λ/4板42bを二回透過する前の状態で第一偏光ハーフミラー13を透過する第二映像光L2は、当該二回透過による半位相ずれで第一偏光ハーフミラー13で反射される。このため、第二λ/4板42bを透過しない第一映像光L1と、第二λ/4板42bを透過した第二映像光L2とを重ねることができる。さらに、第二映像光L2においては、第一偏光ハーフミラー13を反射することになるので、それだけ光路長を大きくすることができる。これにより、第一映像光L1がなす画像G11bと、第二映像光L2がなす画像G12bとが奥行き感を持ちつつ、光路長の違いにより奥行きの差をつけることができ、より多様な映像表現が可能となる。
【0126】
[実施の形態4]
実施の形態4に係る表示装置10Cについて説明する。なお、以降の説明において実施の形態1と同一の部分については同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0127】
図8は、実施の形態4に係る表示装置10Cの概略構成を示す模式図である。
図8は
図2に対応する図である。
図8に示すように、表示装置10Cでは、第一偏光ハーフミラー13の両面に第一λ/4板41cと、第三λ/4板43cとが積層されている。具体的には、第一λ/4板41cは、第一偏光ハーフミラー13における第一表示ユニット12cを向く第一面に積層されている。第三λ/4板43cは、第一偏光ハーフミラー13における第一λ/4板41cとは反対側の第二面に積層されている。第一λ/4板41cと、第三λ/4板43cとは、自身に入射した直線偏光を円偏光に変換し、かつ、自身に入射した円偏光を直線偏光に変換するためのλ/4位相差板である。
【0128】
本実施の形態に係る第一反射鏡14及び第二反射鏡15には、位相差板が積層されていない。つまり、第一反射鏡14及び第二反射鏡15は、それぞれ全面が露出している。
【0129】
本実施の形態に係る第一表示ユニット12cは、当該第一表示ユニット12cから出射された第一映像光L1及び第二映像光L2は、互いに半位相ずれた状態の円偏光となっている。第一表示ユニット12cに備わる表示素子30の表示面31には、第一領域R1となる部分にλ/4板44cが積層されており、第二領域R2となる部分にλ/4板45cが積層されている。λ/4板44c及びλ/4板45cは、表示面31から離れ、表示素子30と別体であってもよい。
【0130】
λ/4板44c及びλ/4板45cは、自身に入射した直線偏光を円偏光に変換し、かつ、自身に入射した円偏光を直線偏光に変換するためのλ/4位相差板である。ここで、第一λ/4板41c、第三λ/4板43c及びλ/4板45cと、λ/4板44cとは、円偏光の向きが異なっている。例えば、第一λ/4板41c、第三λ/4板43c及びλ/4板45cとは、円偏光の向きが時計回りであり、λ/4板44cは円偏光の向きが反時計回りである。以降、S偏光が時計回りの円偏光に変換された場合にはS+偏光と称し、S偏光が反時計回りの円偏光に変換された場合にはS-偏光と称す。同様に、P偏光が時計回りの円偏光に変換された場合にはP+偏光と称し、P偏光が反時計回りの円偏光に変換された場合にはP-偏光と称す。なお、S+偏光とP-偏光とは同じであり、S-偏光とP+偏光とは同じである。
【0131】
このような第一表示ユニット12cにおいて、例えば表示素子30の表示面31からS偏光が出射される場合には、第一領域R1では、S偏光がλ/4板44cにより変換されてS-偏光からなる第一映像光L1が出射される。第二領域R2では、S偏光がλ/4板45cにより変換されて、S+偏光からなる第二映像光L2が出射される。
【0132】
まず、第一映像光L1の遷移について説明する。S-偏光である第一映像光L1は、第一λ/4板41cを透過することで、S偏光に変換される。S偏光となった第一映像光L1は、第一偏光ハーフミラー13で反射されて、再度、第一λ/4板41cを透過する。これにより、第一映像光L1は、S+偏光(P-偏光)に変換される。その後、第一映像光L1は、第一反射鏡14で反射されて、もう一度、第一λ/4板41cを透過する。これにより、第一映像光L1はP偏光に変換されるので、第一偏光ハーフミラー13を透過し、第三λ/4板43cを透過する。この透過により、第一映像光L1は、P+偏光に変換された状態で出射部22に向かう。
【0133】
次に第二映像光L2の遷移について説明する。S+偏光である第二映像光L2は、第一λ/4板41cを透過することで、P偏光に変換される。P偏光となった第二映像光L2は、第一偏光ハーフミラー13を透過してから、第三λ/4板43cを透過する。これにより、第二映像光L2は、P+偏光(S-偏光)に変換される。その後、第二映像光L2は、第二反射鏡15で反射されて、もう一度、第三λ/4板43cを透過する。これにより、第二映像光L2はS偏光に変換されるので、第一偏光ハーフミラー13で反射され、再度第三λ/4板43cを透過する。このため、第二映像光L2は、S偏光からS+偏光(P-偏光)に変換された状態で出射部22に向かう。
【0134】
このように、第一λ/4板41cが第一偏光ハーフミラー13の第一面に積層されているので、第一偏光ハーフミラー13と第一λ/4板41cとを一体化でき、装置全体として小型にすることができる。
【0135】
さらに、第三λ/4板43cが第一偏光ハーフミラー13の第二面に積層されているので、第一偏光ハーフミラー13と第一λ/4板41c及び第三λ/443cとを一体化でき、装置全体として小型にすることができる。
【0136】
[実施の形態5]
実施の形態5に係る表示装置10Dについて説明する。なお、以降の説明において実施の形態3と同一の部分については同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0137】
図9は、実施の形態5に係る表示装置10Dの概略構成を示す模式図である。
図9は
図6に対応する図である。
図9に示すように、表示装置10Dは、第一反射鏡14dが凹面鏡である点で、実施の形態3に係る表示装置10Bと異なる。第一λ/4板41dは、ガラスなどの透明部材に積層された状態で、第一反射鏡14dから離れて配置されている。これは第一反射鏡14dの凹曲面に、λ/4位相差板を積層するのが製造上困難なためである。つまり、第一反射鏡14dと第一λ/4板41dとが別体であれば製造面で好適である。なお、第一反射鏡14dと第一λ/4板41dとが一体であってもよい。
【0138】
図10は、実施の形態5に係る表示装置10Dで表示された表示画像G1dを示す平面図である。
図10は
図7に対応する図である。上述したように、第一反射鏡14dが凹面鏡であるので、第一映像光L1は第一反射鏡14dを反射することでその映像範囲が拡大される。つまり、
図10に示すように、表示装置10Dからの表示画像G1dでは、第一映像光L1がなす画像G11dが拡大され、一対の第二映像光L2がなす画像G12dが画像G11d内に含まれることとなる。
【0139】
このように、第一反射鏡14dが凹面鏡であるので、第一映像光L1がなす映像範囲を拡大することができる。これにより、多様な映像表現が可能となる。
【0140】
[実施の形態6]
実施の形態6に係る表示装置10Eについて説明する。なお、以降の説明において実施の形態5と同一の部分については同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0141】
図11は、実施の形態6に係る表示装置10Eの概略構成を示す模式図である。
図11は
図9に対応する図である。
図11に示すように、表示装置10Eは、第二反射鏡15eが凸面鏡である点で、実施の形態5に係る表示装置10Dと異なる。第二反射鏡15eと、第二λ/4板42eとは離れている。これは第二反射鏡15eの凸曲面に、λ/4位相差板を積層するのが製造上困難なためである。つまり、第二反射鏡15eと第二λ/4板42eとが別体であれば製造面で好適である。なお、第二反射鏡15eと第二λ/4板42eとが一体であってもよい。
【0142】
図12は、実施の形態6に係る表示装置10Eで表示された表示画像G1eを示す平面図である。
図12は
図10に対応する図である。上述したように、第二反射鏡15eが凸面鏡であるので、第二映像光L2は第二反射鏡15eを反射することでその映像範囲が縮小される。つまり、
図12に示すように、表示装置10Eからの表示画像G1eでは、第一映像光L1がなす画像G11eが拡大され、一対の第二映像光L2がなす画像G12eが画像G11e内で縮小されることとなる。
【0143】
このように、第二反射鏡15eが凸面鏡であるので、第二映像光L2がなす映像範囲を縮小することができる。これにより、多様な映像表現が可能となる。なお、第一反射鏡が平面鏡であってもよい。また、第一反射鏡が凸面鏡であってもよいし、第二反射鏡が凹面鏡であってもよい。また、凸面鏡及び凹面鏡は、球面であっても自由曲面であってもよい。
【0144】
[実施の形態7]
実施の形態7に係る表示画像について説明する。
図13は、実施の形態7に係る表示画像G1fを示す平面図である。
図13は
図4に対応する図である。
図13に示す表示画像G1fは、第一映像光L1がなす画像G11fが、表示画像G1fの中央部に矩形状に設けられている。画像G11fには警告情報等が表示される。第二映像光L2がなす画像G12fは、X軸方向の両端部がY軸プラス方向に突出した形状となっており、そのX軸方向の中央部の窪み部分に、画像G11fが配置されている。
図13では、画像G12fのX軸方向の両端部に速度計Gs及び回転数計Grが表示されていて、画像G12fのY軸マイナス方向の端部に、種々の情報が表示される表示欄Gtが設けられている。画像G11f、G12fの表示内容は如何様でもよく、その他の例としては、車両の後方画像及び側方画像、ナビゲーション画像などが挙げられる。
【0145】
表示画像G1fにおいて、Y軸マイナス方向の端部では全体的に画像G12fが設けられているが、それよりもY軸プラス方向の部分では、X軸方向に画像G12fと、画像G11fとがX軸方向(水平方向)に並んで配置されている。つまり、第一映像光L1と、第二映像光L2とが水平方向に並んで配置されている。このように、ユーザから見て第一映像光L1と第二映像光L2とが水平方向に並んでいるので、ユーザの目線の高さが変動したとしても、映像の重なりを変動しにくくできる。なお、画像G12fの全体が、第一映像光L1と、第二映像光L2とが水平方向に並んで配置されていてもよい。
【0146】
[実施の形態8]
実施の形態8に係る表示装置10Gについて説明する。なお、以降の説明において実施の形態1と同一の部分については同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0147】
図14は、実施の形態8に係る表示装置10Gの概略構成を示す模式図である。
図14は
図2に対応する図である。
図14に示すように、表示装置10Gでは、第一偏光ハーフミラー13gは、Z軸マイナス方向の端部が第一表示ユニット12gに近く配置され、Z軸プラス方向の端部が第一表示ユニット12gから離れて配置されている。第一偏光ハーフミラー13gは、第二面にのみ第一λ/4板41gが積層されている。本実施の形態では、第一表示ユニット12gの第一領域R1からはP偏光からなる第一映像光L1が出射され、第二領域R2からはS偏光からなる第二映像光L2が出射される。本実施の形態では、平面鏡である第一反射鏡14gが第一偏光ハーフミラー13gのY軸マイナス方向に配置されており、凹面鏡である第二反射鏡15gが第一偏光ハーフミラー13gのZ軸マイナス方向に配置されている。第一反射鏡14g及び第二反射鏡15gには、位相差板が積層されていない。
【0148】
第一表示ユニット12gの第一領域R1から出射されたP偏光からなる第一映像光L1は、第一偏光ハーフミラー13gを透過した後に、第一λ/4板41gを透過する。このように、第一λ/4板41gは、第一偏光ハーフミラー13gを透過した第一映像光L1の透過光路上に配置されている。第一映像光L1は、第一λ/4板41gを透過することによりP+偏光に変換される。P+偏光となった第一映像光L1は、第一反射鏡14gで反射される。このように第一反射鏡14gは、第一偏光ハーフミラー13gを透過した第一映像光L1の透過光路上に配置されている。第一反射鏡14gで反射された第一映像光L1は、再度、第一λ/4板41gを透過する。これにより、第一映像光L1は、S偏光に変換されるため、第一偏光ハーフミラー13gで反射される。第一偏光ハーフミラー13gで反射された第一映像光L1は、さらに第一λ/4板41gを透過することで、S+偏光に変換されて、第二反射鏡15gで反射される。第二反射鏡15gで反射された第一映像光L1は、もう一度第一λ/4板41gを透過することで、P偏光に変換されて、第一偏光ハーフミラー13gを透過して、出射部22に向かう。
【0149】
一方、第一表示ユニット12gの第二領域R2から出射されたS偏光からなる第二映像光L2は、第一偏光ハーフミラー13gで反射されて、出射部22に向かう。このように、第一映像光L1は三回反射されるのに対し、第二映像光L2は一回反射されている。つまり、第一映像光L1の方が第二映像光L2よりも光路長を長くすることが可能である。光路長を長くできるのであれば、第二反射鏡15gの曲率を小さくすることも可能である。
【0150】
[実施の形態9]
実施の形態9に係る表示装置10Hについて説明する。なお、以降の説明において実施の形態1と同一の部分については同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0151】
図15は、実施の形態9に係る表示装置10Hの概略構成を示す模式図である。
図15は
図2に対応する図である。
図15に示すように、表示装置10Hでは、第一偏光ハーフミラー13hは、Z軸マイナス方向の端部が第一表示ユニット12から離れて配置され、Z軸プラス方向の端部が第一表示ユニット12に近く配置されている。第一偏光ハーフミラー13hは、第二面にのみ第二λ/4板42hが積層されている。本実施の形態では、第一表示ユニット12の第一領域R1からはS偏光からなる第一映像光L1が出射され、第二領域R2からはP偏光からなる第二映像光L2が出射される。本実施の形態では、平面鏡である第一反射鏡14hが第一偏光ハーフミラー13hのZ軸マイナス方向に配置されており、凹面鏡である第二反射鏡15hが第一偏光ハーフミラー13hのY軸マイナス方向に配置されている。第一反射鏡14hには、第一λ/4板41hが積層されているが、第二反射鏡15hには位相差板が積層されていない。
【0152】
第一表示ユニット12の第一領域R1から出射されたS偏光からなる第一映像光L1は、第一偏光ハーフミラー13hで反射された後に、第一λ/4板41hを透過する。このように、第一λ/4板41hは、第一偏光ハーフミラー13hを反射した第一映像光L1の反射光路上に配置されている。第一映像光L1は、第一λ/4板41hを透過することによりS+偏光に変換される。S+偏光となった第一映像光L1は、第一反射鏡14hで反射される。このように第一反射鏡14hは、第一偏光ハーフミラー13hで反射された第一映像光L1の反射光路上に配置されている。第一反射鏡14hで反射された第一映像光L1は、再度、第一λ/4板41hを透過する。これにより、第一映像光L1は、P偏光に変換されるため、第一偏光ハーフミラー13hを透過する。第一偏光ハーフミラー13hを透過した第一映像光L1は、第二λ/4板42hを透過することでP+偏光に変換されて、第二反射鏡15hで反射される。第二反射鏡15hで反射された第一映像光L1は、第二λ/4板42hを透過することでS偏光に変換されて、第一偏光ハーフミラー13hで反射される。第一偏光ハーフミラー13hで反射された第一映像光L1は、さらに第二λ/4板42hを透過することで、S+偏光に変換されて、出射部22に向かう。このように、第一映像光L1は、第一表示ユニット12を出射して出射部22に至るまでに計4回反射する。これは、実施の形態8の
図14の第一映像光L1の反射回数(計3回)に比べ多いので、光路長を長くすることができる。その結果、本実施の形態9の第一映像光L1により表示される画像は、実施の形態8の第一映像光L1により表示される画像に比べ、より一層、奥行き感を持たせることができる。
【0153】
[実施の形態10]
実施の形態10に係る表示装置10Iについて説明する。なお、以降の説明において実施の形態1と同一の部分については同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0154】
図16は、実施の形態10に係る表示装置10Iの概略構成を示す模式図である。
図16は
図2に対応する図である。
図16に示すように、表示装置10Iでは、第一表示ユニット12iが第一偏光ハーフミラー13iのZ軸マイナス方向に配置されている。第一表示ユニット12iに備わる表示素子30iは、表示面31iからP偏光の映像光が出射される。表示面31iの第一領域R1には、第一λ/2板32iが積層されている。この第一λ/2板32iによって、第一領域R1からはS偏光の第一映像光L1が出射される。第二領域R2には、位相差板が積層されていないために、P偏光の第二映像光L2が出射される。
【0155】
第一偏光ハーフミラー13iは、Z軸マイナス方向の端部が第一表示ユニット12iに近く配置され、Z軸プラス方向の端部が第一表示ユニット12iから離れて配置されている。第一偏光ハーフミラー13iは、第二面にのみ第二λ/4板42iが積層されている。本実施の形態では、平面鏡である第一反射鏡14iが第一偏光ハーフミラー13iのY軸マイナス方向に配置されており、凹面鏡である第二反射鏡15iが第一偏光ハーフミラー13iのY軸プラス方向に配置されている。第一反射鏡14iには、第一λ/4板41iが積層されているが、第二反射鏡15iには位相差板が積層されていない。
【0156】
第一表示ユニット12iの第一領域R1から出射されたS偏光からなる第一映像光L1は、第一偏光ハーフミラー13iで反射された後に、第一λ/4板41iを透過する。このように、第一λ/4板41iは、第一偏光ハーフミラー13iで反射された第一映像光L1の反射光路上に配置されている。第一映像光L1は、第一λ/4板41iを透過することによりS+偏光に変換される。S+偏光となった第一映像光L1は、第一反射鏡14iで反射される。このように第一反射鏡14iは、第一偏光ハーフミラー13iで反射された第一映像光L1の反射光路上に配置されている。第一反射鏡14iで反射された第一映像光L1は、再度、第一λ/4板41iを透過する。これにより、第一映像光L1は、P偏光に変換されるため、第一偏光ハーフミラー13iを透過する。第一偏光ハーフミラー13iを透過した第一映像光L1は、第二λ/4板42iを透過することで、P+偏光に変換されて、第二反射鏡15iで反射される。第二反射鏡15iで反射された第一映像光L1は、第二λ/4板42iを透過することでS偏光に変換されて、第一偏光ハーフミラー13iで反射される。第一偏光ハーフミラー13iで反射された第一映像光L1は、もう一度、第二λ/4板42iを透過することでS+偏光に変換されて出射部22に向かう。
【0157】
一方、第一表示ユニット12iの第二領域R2から出射されたP偏光からなる第二映像光L2は、第一偏光ハーフミラー13iを透過した後に、第二λ/4板42iを透過する。これにより、第二映像光L2は、P+偏光に変換されて出射部22に向かう。このように、第二映像光L2は、一度も反射されないので、第二映像光L2からなる画像をクリアにすることができる。また、第一映像光L1は四回反射されるので、第一映像光L1の光路長を第二映像光L2の光路長よりも長くすることが可能である。
【0158】
[実施の形態11]
実施の形態11に係る表示装置10Jについて説明する。なお、以降の説明において実施の形態1と同一の部分については同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0159】
図17は、実施の形態11に係る表示装置10Jの概略構成を示す模式図である。
図17は
図2に対応する図である。
図17に示すように、表示装置10Jでは、反射鏡が一枚(第一反射鏡14j)のみ備えられている。
【0160】
第一偏光ハーフミラー13jは、Z軸マイナス方向の端部が第一表示ユニット12jに近く配置され、Z軸プラス方向の端部が第一表示ユニット12jから離れて配置されている。第一偏光ハーフミラー13jは、第二面にのみ第一λ/4板41jが積層されている。本実施の形態では、第一表示ユニット12jの第一領域R1からはP偏光からなる第一映像光L1が出射され、第二領域R2からはS偏光からなる第二映像光L2が出射される。本実施の形態では、凹面鏡である第一反射鏡14jが第一偏光ハーフミラー13jのY軸マイナス方向に配置されている。第一反射鏡14jには、位相差板が積層されていない。
【0161】
第一表示ユニット12jの第一領域R1から出射されたP偏光からなる第一映像光L1は、第一偏光ハーフミラー13jを透過した後、第一λ/4板41jを透過する。このように、第一λ/4板41jは、第一偏光ハーフミラー13iを透過した第一映像光L1の透過光路上に配置されている。第一映像光L1は、第一λ/4板41jを透過することによりP+偏光に変換される。P+偏光となった第一映像光L1は、第一反射鏡14jで反射される。このように第一反射鏡14jは、第一偏光ハーフミラー13jを透過した第一映像光L1の透過光路上に配置されている。第一反射鏡14jで反射された第一映像光L1は、第一λ/4板41jを透過する。これにより、第一映像光L1は、S偏光に変換されるため、第一偏光ハーフミラー13jで反射される。この反射により、第一映像光L1は、第一λ/4板41jを透過することで、S+偏光に変換されてから、第一反射鏡14jで反射される。第一反射鏡14jで反射された第一映像光L1は、第一λ/4板41jを透過することでP偏光に変換されるので、第一偏光ハーフミラー13jを透過して、出射部22に向かう。
【0162】
一方、第一表示ユニット12jの第二領域R2から出射されたS偏光からなる第二映像光L2は、第一偏光ハーフミラー13jで反射されて出射部22に向かう。このように、第一映像光L1は三回反射されるのに対し、第二映像光L2は一回反射されている。つまり、第一映像光L1の方が第二映像光L2よりも光路長を長くすることが可能である。また、反射鏡が1枚のみであるので装置自体の小型化も可能である。
【0163】
[実施の形態12]
実施の形態12に係る表示装置10Kについて説明する。なお、以降の説明において実施の形態3と同一の部分については同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0164】
図18は、実施の形態12に係る表示装置10Kの概略構成を示す模式図である。
図18は
図6に対応する図である。
図18に示すように、表示装置10Kには、第一駆動部81k、第一駆動部82k及び第一駆動部83kが備えられている。
【0165】
第一駆動部81kは、第一偏光ハーフミラー13を動作させる第一駆動部の一例である。第一駆動部81kは、例えばモータなどの駆動源と、駆動源からの動力により第一偏光ハーフミラー13を動作させる動力伝達機構とを有している。第一駆動部81kは、駆動源の動力に基づいて、第一偏光ハーフミラー13を移動(Y軸方向のスライド動作、Z軸方向のスライド動作)させたり、第一偏光ハーフミラー13の姿勢を変動(例えば回転動作)させる。これにより、第一偏光ハーフミラー13で反射される第一映像光L1及び第二映像光L2の光路の向きを調整することが可能である。
【0166】
第一駆動部82kは、第一反射鏡14を動作させる第一駆動部の一例である。第一駆動部81kは、例えばモータなどの駆動源と、駆動源からの動力により第一反射鏡14を動作させる動力伝達機構とを有している。第一駆動部82kは、駆動源の動力に基づいて、第一反射鏡14を移動(例えばZ軸方向のスライド動作)させたり、第一反射鏡14の姿勢を変動(例えば回転動作)させたりする。これにより、第一反射鏡14で反射される第一映像光L1の光路の向きや光路長を調整することが可能である。
【0167】
第一駆動部83kは、第二反射鏡15を動作させる第一駆動部の一例である。第一駆動部83kは、例えばモータなどの駆動源と、駆動源からの動力により第二反射鏡15を動作させる動力伝達機構とを有している。第一駆動部83kは、駆動源の動力に基づいて、第二反射鏡15を移動(例えばY軸方向のスライド動作)させたり、第二反射鏡15の姿勢を変動(例えば回転動作)させたりする。これにより、第二反射鏡15で反射される第二映像光L2の光路の向きや光路長を調整することが可能である。
【0168】
これによれば、第一駆動部81k、第一駆動部82k及び第一駆動部83kで、第一偏光ハーフミラー13、第一反射鏡14及び第二反射鏡15を動作させることができる。したがって、第一偏光ハーフミラー13を反射した映像光の表示位置や視距離を、第一偏光ハーフミラー13の動作で調整することができる。同様に、第一反射鏡14を反射した映像光の表示位置や視距離を、第一反射鏡14の動作で調整することができる。さらに、第二反射鏡15を反射した映像光の表示位置や視距離を、第二反射鏡15の動作で調整することができる。これにより、ユーザの体格差や嗜好に応じた映像表示が可能となる。なお、第一駆動部81k、第一駆動部82k及び第一駆動部83kは少なくとも1つ設けられていればよい。
【0169】
[実施の形態13]
実施の形態13に係る表示装置10Mについて説明する。なお、以降の説明において実施の形態3と同一の部分については同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0170】
図19は、実施の形態13に係る表示装置10Mの概略構成を示す模式図である。
図19は
図6に対応する図である。ここで、表示素子30において、第一領域R1と第二領域R2との境界では、偏光が整っておらず映像品質が低下するおそれがある。この映像品質の低下を抑制すべく、表示装置10Mに備わる第一表示ユニット12mには、第一領域R1と第二領域R2との境界上に一対の遮光板50mが配置されている。各遮光板50mは、第一領域R1と第二領域R2との境界を含む所定画素数(例えば数画素~十数画素程度)の幅を有している。各遮光板50mによって、当該境界を含む領域から出射された第一映像光L1及び第二映像光L2を遮光することができ、映像品質の低下を抑制できる。その他の手法としては、第一領域R1と第二領域R2との境界から映像光を出射させないように、表示素子30を制御する手法も挙げられる。
【0171】
[実施の形態14]
実施の形態14に係る表示画像について説明する。
図20は、実施の形態14に係る表示画像G1nを示す平面図である。
図20に示す表示画像G1nでは、第一映像光L1がなす画像G11nは、表示画像G1nの中央部に矩形状に設けられている。第二映像光L2がなす画像G12nは、矩形状に設けられており、画像G11nを囲むように配置されている。
【0172】
このように、ユーザから見て、第二映像光がなす画像G12nが、第一映像光がなす画像G11nを囲むように配置されているので、より多様な表現が可能となる。なお、第一映像光がなす画像が、第二映像光がなす画像を囲むように配置されていてもよい。
【0173】
[実施の形態15]
実施の形態15に係る表示装置について説明する。
図21は、実施の形態15に係る表示装置10Pの概略構成を示す模式図である。
図22は、実施の形態15に係る表示装置10Pの概略構成を示す斜視図である。
【0174】
図21及び
図22に示すように、表示装置10Pは、筐体20と、第一表示ユニット12pと、第一偏光ハーフミラー13pと、一対の第二偏光ハーフミラー16pと、第一反射鏡14pと、第二反射鏡15pと、第一λ/4板41pとを備えている。
【0175】
第一偏光ハーフミラー13pは、Z軸マイナス方向の端部が第一表示ユニット12pに近く配置され、Z軸プラス方向の端部が第一表示ユニット12pから離れて配置されている。第一偏光ハーフミラー13pは、第二面にのみ第一λ/4板41p(
図22では不図示)が積層されている。
【0176】
一対の第二偏光ハーフミラー16pは、X軸方向で第一偏光ハーフミラー13pを挟む位置に配置されている。各第二偏光ハーフミラー16pは側面視(X軸方向視)で、第一偏光ハーフミラー13pに交差する角度(本実施の形態では90度)で、第一表示ユニット12p及び第一反射鏡14pに対向するように配置されている。各第二偏光ハーフミラー16pは、第一偏光ハーフミラー13pと同様の光学特性を有する。つまり、各第二偏光ハーフミラー16pは、S偏光を反射し、P偏光を透過するようになっている。各第二偏光ハーフミラー16pは、第二面にのみλ/4板46p(
図22では不図示)が積層されている。
【0177】
第一表示ユニット12pは、第一偏光ハーフミラー13pと各第二偏光ハーフミラー16pとのY軸プラス方向に配置されている。第一表示ユニット12pは、X軸方向に長尺な形状であり、Y軸方向視で第一偏光ハーフミラー13pと各第二偏光ハーフミラー16pとのX軸方向全体を覆う大きさを有する。第一表示ユニット12pのX軸方向の中間部は、第一偏光ハーフミラー13pに対応する部分である。第一表示ユニット12pのX軸方向の両端部は、各第二偏光ハーフミラー16pに対応する部分である。
【0178】
第一表示ユニット12pの中間部では、表示面31pにおけるZ軸方向の中央が露出されており、当該中央をZ軸方向で挟む部分は第一λ/2板32pが積層されている。中間部における表示面31pが露出された領域は第一領域R1pであり、第一λ/2板32pが積層された領域は第二領域R2pであり、第一表示ユニット12pの両端部では、表示面31pが全体的に露出されており、この露出された領域が第五領域R5pである。
【0179】
第一反射鏡14pは、平面鏡であり、第一偏光ハーフミラー13pと各第二偏光ハーフミラー16pとのY軸マイナス方向に配置されている。第一反射鏡14pの反射面はY軸プラス方向を向いている。第一反射鏡14pは、X軸方向に長尺な形状であり、Y軸方向視で第一偏光ハーフミラー13pと各第二偏光ハーフミラー16pとのX軸方向全体を覆う大きさを有する。
【0180】
第二反射鏡15pは、平面鏡であり、第一偏光ハーフミラー13pと各第二偏光ハーフミラー16pとのZ軸マイナス方向に配置されている。第二反射鏡15pの反射面はZ軸プラス方向を向いている。第二反射鏡15pは、X軸方向に長尺な形状であり、Z軸方向視で第一偏光ハーフミラー13pと各第二偏光ハーフミラー16pとのX軸方向全体を覆う大きさを有する。
【0181】
第一表示ユニット12pの第一領域R1pから出射されたP偏光からなる第一映像光L1は、第一偏光ハーフミラー13pを透過した後に、第一λ/4板41pを透過する。第一映像光L1は、第一λ/4板41pを透過することによりP+偏光に変換される。P+偏光となった第一映像光L1は、第一反射鏡14pで反射される。第一反射鏡14pで反射された第一映像光L1は、再度、第一λ/4板41pを透過する。これにより、第一映像光L1は、S偏光に変換されるため、第一偏光ハーフミラー13pで反射される。第一偏光ハーフミラー13pで反射された第一映像光L1は、さらに第一λ/4板41pを透過することで、S+偏光に変換されて、第二反射鏡15pで反射される。第二反射鏡15pで反射された第一映像光L1は、もう一度第一λ/4板41pを透過することで、P偏光に変換されて、第一偏光ハーフミラー13pを透過して、出射部22に向かう。
【0182】
第一表示ユニット12pの第二領域R2pから出射されたS偏光からなる第二映像光L2は、第一偏光ハーフミラー13pで反射されて、出射部22に向かう。
【0183】
第一表示ユニット12pの第五領域R5pで出射されたP偏光からなる第一映像光L1(
図21、
図22の二点鎖線)は、第二偏光ハーフミラー16pを透過した後に、λ/4板46pを透過する。第一映像光L1は、λ/4板46pを透過することによりP+偏光に変換される。P+偏光となった第一映像光L1は、第一反射鏡14pで反射される。第一反射鏡14pで反射された第一映像光L1は、再度、λ/4板46pを透過する。これにより、第一映像光L1は、S偏光に変換されるため、第二偏光ハーフミラー16pで反射される。第二偏光ハーフミラー16pで反射された第一映像光L1は、さらにλ/4板46pを透過することで、S+偏光に変換されて、出射部22に向かう。
【0184】
このように、第一領域R1pから出射された第一映像光L1は三回反射され、第二領域R2pから出射された第二映像光L2は一回反射され、第五領域R5pから出射された第一映像光L1は、二回反射される。つまり、第一領域R1pから出射された第一映像光L1は、その光路長が最も長くなるため、当該第一映像光L1からなる画像G1p(
図23等参照)はユーザから見て最奥部に表示される。第二領域R2pから出射された第二映像光L2は、その光路長が最も短くなるため、第二映像光L2からなる画像G2p(
図23等参照)はユーザから見て最手前部に表示される。第五領域R5pから出射された第一映像光L1からなる画像G5p(
図23等参照)は、ユーザから見て最奥部と最手前部との間の中間部に表示される。
【0185】
表示装置10Pでは、第一表示形態と第二表示形態とを切り替え自在に表示できるようになっている。
図23は、実施の形態15に係る第一表示形態G10pを示す平面図である。
図24は、実施の形態15に係る第二表示形態G20pを示す平面図である。第一表示形態G10pと第二表示形態G20pとのいずれにおいても、画像G1p及び画像G2pが幅方向の中央に配置され、画像G5pが幅方向の両端部に配置されている。画像G2pは、画像G1pを上下で挟むように配置されている。画像G1pは、ユーザから見て最奥部に配置され、画像G2pは、ユーザから見て最手前部に配置され、画像G5pは、ユーザから見て中間部に配置されている。
【0186】
図23に示すように、第一表示形態G10pでは、画像G1pは、主に警告表示がなされる。警告表示とは、ユーザに対する警告を含む表示である。画像G2pは、主に注意喚起表示がなされる。注意喚起表示とは、ユーザに対する注意喚起を含む表示である。画像G5pは、主に計器表示がなされる。計器表示とは、速度計、回転数計などの計器を含む表示である。
【0187】
図24に示すように、第二表示形態G20pでは、画像G1pは、主にナビゲーション表示がなされる。ナビゲーション表示とは、地図情報、目的地までの案内情報などを含む表示である。画像G2pは、主に道路情報表示がなされる。道路情報表示とは、道路状況(信号、標識等を含む)、渋滞状況等を含む表示である。画像G5pは、主に計器表示がなされる。
【0188】
ここで、第一表示形態G10pと第二表示形態G20pとは、所定の条件に基づいて切り替えられる。具体的には、第一表示ユニット12pの表示素子30を制御する制御部が所定の条件が満たされたか否かに基づいて、第一表示形態G10pと第二表示形態G20pとを切り替える。例えば、ユーザが表示切替用のスイッチを操作した場合に、制御部は第一表示形態G10pと第二表示形態G20pとを切り替えてもよい。また、車両1に備わる各種センサからの出力信号に基づいて、制御部が警告を必要と判断した場合に、制御部は、第二表示形態G20pを第一表示形態G10pに切り替えてもよい。第一表示形態G10pに切り替えた後に、警告が不要と判断した場合には、制御部は第一表示形態G10pを第二表示形態G20pに切り替えてもよい。
【0189】
以上のように、第五領域R5pから出射された第一映像光L1は、第二偏光ハーフミラー16pを透過した後、第一反射鏡14pで反射され、さらに第二偏光ハーフミラー16pで反射されるので、第一領域R1pから出射された第一映像光L1と、第二領域R2pから出射された第二映像光L2とも異なる光路長となる。したがってより多様な立体表示が可能となる。
【0190】
また、第一領域R1pから出射された第一映像光L1を最奥部に、第二領域R2pから出射された第二映像光L2を最手前部に、第五領域R5pから出射された第一映像光L1を中間部に表示することが可能である。
【0191】
また、第一表示形態G10pと第二表示形態G20pとの少なくとも一方を表示装置10Pで表示できるので、より多様な表現が可能である。
【0192】
また、第一表示形態G10pと第二表示形態G20pとが所定の条件に基づいて切り替わるので、各条件に応じた表示形態とすることができる。
【0193】
[第一構成における変形例]
実施の形態1-実施の形態15は、本開示に係る第一構成のみを備えた表示装置の具体的態様であるが、本開示に係る第一構成の趣旨を逸脱しないのであれば各種変形を施してもよい。
【0194】
例えば、表示素子30の表示面31内において、複数の第一領域R1と、複数の第二領域R2とが微細に交互に配列されていてもよい。具体的には、各第一領域R1が1画素以上5画素以下の幅を有し、各第二領域R2が1画素以上5画素以下の幅を有しているとよい。このように、交互に並ぶ第一領域R1と第二領域R2とが、それぞれ1画素以上5画素以下の幅を有しているので、表示画像の全体を二層化することができる。これにより、多様な映像表現が可能となる。
【0195】
また、上記実施の形態では、表示素子30の表示面31に位相差板を積層することで、第一映像光L1を出射する第一領域R1と、第二映像光L2を出射する第二領域R2を実現する場合を例示した。しかしながら、表示面に位相差板を積層しなくとも、表示素子自体が、第一映像光を出射する第一領域と第二映像光を出射する第二領域とを有していてもよい。
【0196】
[実施の形態16]
近年では、より奥行き感の大きい立体表示が求められている。表示装置の高性能化には、奥行き感の大きい立体表示を可能とすることも含まれる。実施の形態16から実施の形態20では、奥行き感の大きい立体表示を目的とした表示装置について説明する。
【0197】
図25は、実施の形態16に係る表示装置110が車両101に設置された状態を示す模式図である。
図25では、車両101および筐体120を断面で示している。
【0198】
図25に示すように、表示装置110は、画像を表示するための装置である。本実施の形態では、表示装置110は、車両101の車室内に設置されている。例えば、表示装置110は、車両101に関する車両情報を表示する。車両101の運転手であるユーザ102は、表示装置110を見ることによって(
図25の破線矢印を参照)、車両情報を視認できる。車両情報としては、例えば、車両101の車速、エンジンの回転数、車両101に近接する物体の検知結果、または車両101の現在地から目的地までのナビゲーション情報、車両101の後方を撮像するカメラによって撮像された画像情報などが挙げられる。なお、
図25では表示装置110を車両101のフロントウインドウ上端近傍に配置した例を示しているが、表示装置110は、この位置に限らず、例えばダッシュボードのメータが配置される部分やセンターコンソール等に配置されてもよい。
【0199】
図26は、実施の形態16に係る表示装置110の概略構成を示す模式図である。
図26では、筐体120を断面で示している。
図26に示すように、表示装置110は、筐体120と、第二表示ユニット112と、ハーフミラー113と、第三反射鏡114と、第四反射鏡115とを備えている。
【0200】
筐体120は、第二表示ユニット112と、ハーフミラー113と、第三反射鏡114と、第四反射鏡115とを収容している。本実施の形態では、筐体120は、車両101の天井から吊り下げられている。筐体120は、第二表示ユニット112から発せられた光を筐体120の外部に出射させるための出射部122を有している。出射部122は、筐体120におけるZ軸プラス方向の壁部に設けられている。出射部122は、筐体120の内部の空間と外部の空間とを連通させる貫通孔である。出射部122には防塵のために透明板が配置されていてもよい。筐体120内において、Y軸プラス方向の内側面(内天面)の近傍には、第二表示ユニット112が配置されている。筐体120内において、Z軸マイナス方向の内側面の近傍には第三反射鏡114が配置されている。筐体120内において、Y軸マイナス方向の内側面(内底面)の近傍には第四反射鏡115が配置されている。筐体120内において中央部にはハーフミラー113が配置されている。第四反射鏡115と、ハーフミラー113と、第二表示ユニット112とは、Y軸マイナス方向からY軸プラス方向に向かってこの順で並んで配置されている。第三反射鏡114と、ハーフミラー113と、出射部122とは、Z軸マイナス方向からZ軸プラス方向に向かってこの順で並んで配置されている。
【0201】
図27は、実施の形態16に係る第二表示ユニット112を示す平面図である。
図26及び
図27に示すように、第二表示ユニット112は、XZ面に沿う姿勢で配置されている。第二表示ユニット112は、表示面131を備えた表示素子130を有している。表示素子130は、表示面131から画像を表す光を発する。例えば、表示素子130は、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、またはマイクロLED(Light Emitting Diode)ディスプレイ等を含んで実現される。表示素子130は、表示面131が全体として平坦状となるように形成されている。
【0202】
表示面131においてZ軸方向の中央部には、遮光板132が配置されている。遮光板132は、表示面131におけるX軸方向の全長にわたって連続的に設けられている。表示面131において遮光板132よりもZ軸マイナス方向の領域は第三領域R101であり、遮光板132よりもZ軸プラス方向の領域は第四領域R102である。第三領域R101からは第三映像光L101が出射され、第四領域R102からは第四映像光L102が出射される。
図26では、第三映像光L101の光路を破線の矢印で示し、第四映像光L102の光路を太線の矢印で示している。
【0203】
遮光板132は、第三領域R101と第四領域R102との境界を含む所定画素数(例えば数画素~十数画素程度)の幅を有している。遮光板132によって、当該境界を含む領域から出射された第三映像光L101及び第四映像光L102を遮光することができ、境界での映像品質の低下を抑制できる。その他の手法としては、第三領域R101と第四領域R102との境界から映像光を出射させないように、表示素子130を制御する手法も挙げられる。
【0204】
ハーフミラー113は、例えばガラス基材に金属膜を蒸着した光学部材である。ハーフミラー113は、出射部122を向く面では光を反射し、その反対側の面では光を反射及び透過する。ハーフミラー113の一端部は、遮光板132上に配置されている。つまり、ハーフミラー113の一端部は、第三領域R101及び第四領域R102の境界に配置されている。ハーフミラー113は、第二表示ユニット112から出射された第四映像光L102を、出射部122に向けて反射する姿勢で配置されている。このため、ハーフミラー113の他端部は、一端部よりもZ軸プラス方向に配置されている。
【0205】
第三反射鏡114は、平面鏡である。第三反射鏡114は、ハーフミラー113のZ軸マイナス方向で当該ハーフミラー113に対向する位置に配置されている。第三反射鏡114は、ハーフミラー113が反射した第三映像光L101を反射し、当該反射光がハーフミラー113を透過して出射部122に向かう姿勢で配置されている。つまり、第三反射鏡114は、ハーフミラー113を反射した第三映像光L101の反射光路上に配置されている。
【0206】
第四反射鏡115は、平面鏡である。第四反射鏡115は、ハーフミラー113のY軸マイナス方向で当該ハーフミラー113に対向する位置に配置されている。第四反射鏡115は、第二表示ユニット112からの第三映像光L101を反射し、当該反射光がハーフミラー113に向かう姿勢で配置されている。
【0207】
このようにハーフミラー113、第三反射鏡114及び第四反射鏡115が配置されているので、第三映像光L101及び第四映像光L102は以下の光路で出射部122まで向かう。第二表示ユニット112から出射された第三映像光L101は、第四反射鏡115で反射されてからハーフミラー113で反射され、その後、第三反射鏡114で反射され、ハーフミラー113を透過し、出射部122に向かう。一方、第二表示ユニット112から出射された第四映像光L102は、ハーフミラー113で反射され、出射部122に向かう。このように、ハーフミラー113は、第三反射鏡114からの第三映像光L101を透過するとともに、第四映像光L102を反射する際に、第三映像光L101及び第四映像光L102を同方向に向かわせる姿勢で配置されている。ここで、第三映像光L101及び第四映像光L102は、出射部122を透過する際に、第三映像光L101の方が第四映像光L102よりも下方(Y軸マイナス方向)となる。
【0208】
図28は、実施の形態16に係る表示装置110で表示された表示画像G101を示す平面図である。
図28は、ユーザ102から見た状態を示している。
図28に示すように、表示装置110からの表示画像G101では、第三映像光L101がなす画像G111が下方となるように、当該画像G111と、第四映像光L102がなす画像G112とがY軸方向(垂直方向)に並んで配置されている。このとき、第四映像光L102の光路長は、第三映像光L101の光路長よりも長いために、ユーザ102から見て、画像G111は画像G112よりも奥(Z軸マイナス方向)に表示されている。
【0209】
以上のように、本実施の形態に係る表示装置110によれば、ハーフミラー113を透過した第三映像光L101と、ハーフミラー113を反射した第四映像光L102とを同方向に向かわせることができる。ここで、第三映像光L101は、ハーフミラー113で一度反射されてから、さらに第三反射鏡114で反射されることで、ハーフミラー113を透過する。一方、第四映像光L102は、第三反射鏡114で反射されることなくハーフミラー113で反射される。このように、第三映像光L101の光路長は、第四映像光L102の光路長よりも長くなるので、第三映像光L101からなる画像G111と、第四映像光L102からなる画像G112とを奥行方向で大きく離して表示することができる。したがって、奥行き感の大きい立体表示が可能である。
【0210】
このように、奥行き感の大きい立体表示を可能とするために、表示装置110には、第二表示ユニット112と、ハーフミラー113と、第三反射鏡114と、を含む第二構成が備えられている。
【0211】
第三映像光L101がハーフミラー113に至るまでに第四反射鏡115で反射されるので、第三映像光L101の光路長をさらに長くすることができる。これにより、第三映像光L101からなる画像G111と、第四映像光L102からなる画像G112とを奥行方向でより大きく離して表示することができる。
【0212】
また、第三映像光L101が第二表示ユニット112から出射して出射部122に至るまでに3回反射することで光路が折りたたまれるので、筐体120の奥行(Z軸方向の幅)を大きくすることなく有効に立体表示が可能となり、筐体120の小型化を実現することができる。
【0213】
ここで、第三領域R101と第四領域R102との境界では、偏光が整っておらず映像品質が低下するおそれがある。本態様では、第三領域R101と第四領域R102との境界からは第三映像光L101及び第四映像光L102が出射されないので、映像品質の低下を抑制できる。
【0214】
[実施の形態17]
実施の形態17に係る表示装置110Aについて説明する。なお、以降の説明において実施の形態16と同一の部分については同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0215】
図29は、実施の形態17に係る表示装置110Aの概略構成を示す模式図である。
図29は
図26に対応する図である。実施の形態17に備わる第二表示ユニット112aでは、表示素子130の表示面131からS偏光の直線偏光が出射される場合を例示するが、表示面131からはP偏光の直線偏光が出射されてもよい。以降の説明において、S偏光の直線偏光を単に「S偏光」と称し、P偏光の直線偏光を単に「P偏光」と表現する場合がある。
図29において各映像光がS偏光である場合には「S」と示し、P偏光である場合には「P」と示している。これらは他の図においても同様である。
【0216】
実施の形態17に備わるハーフミラー113aは、S偏光を反射し、P偏光を透過する偏光ハーフミラーである。具体的には、ハーフミラー113aは、平板状のガラス基材に反射型偏光板を積層した構成としている。第二表示ユニット112aから出射したS偏光の第四映像光L102は、ハーフミラー113aで反射されて出射部122に向かう。第二表示ユニット112aから出射したS偏光の第三映像光L101は、第四反射鏡115で反射された後に、ハーフミラー113aで反射されて、第三反射鏡114に向かう。
【0217】
図29に示すように、第三反射鏡114の全面には、第四λ/4板141aが積層されている。第四λ/4板141aは、当該第四λ/4板141aに入射した直線偏光を円偏光に変換し、かつ、当該第四λ/4板141aに入射した円偏光を直線偏光に変換するためのλ/4位相差板である。つまり、ハーフミラー113aで反射された第三映像光L101は、第四λ/4板141aに入射して円偏光に変換された後に、第三反射鏡114で反射され、再度、第四λ/4板141aに入射して直線偏光に変換される。このように、第三映像光L101は、第四λ/4板141aを二回透過することで、1/2の位相差を生じる。具体的には、ハーフミラー113aで反射されたS偏光の第三映像光L101は、第四λ/4板141aを二回透過することでP偏光に変換される。第三映像光L101は、P偏光に偏光されたため、ハーフミラー113aを透過することができる。ハーフミラー113aを透過した第三映像光L101は、出射部122から出射される。
【0218】
このように、第三反射鏡114とハーフミラー113a(偏光ハーフミラー)との間には、第四λ/4板141aが配置されているので、ハーフミラー113aを反射した第三映像光L101は、第三反射鏡114で反射される前に第四λ/4板141aを透過するとともに、第三反射鏡114で反射された後にも第四λ/4板141aを透過する。つまり、第三映像光L101は、第四λ/4板141aを二回透過することで半位相ずれる。ここで、半位相ずれる前の第三映像光L101を反射し、半位相ずれた後の第三映像光を透過する偏光ハーフミラーをハーフミラー113aとして用いれば、第三映像光L101がハーフミラー113aを反射する際に抜けてしまうことを抑制できる。したがって、ハーフミラー113aを起因とした光量低下を抑制できる。なお、本実施の形態では、第四λ/4板141aが第三反射鏡114上に積層されている場合を例示したが、第四λ/4板は第三反射鏡から離れていてもよい。この場合、第四λ/4板は第三反射鏡とハーフミラーとの間に配置されていればよい。
【0219】
第三映像光L101がハーフミラー113aに至るまでに第四反射鏡115で反射されるので、第三映像光L101の光路長をさらに長くすることができる。これにより、第三映像光L101からなる画像G111と、第四映像光L102からなる画像G112とを奥行方向でより大きく離して表示することができる。
【0220】
[実施の形態18]
実施の形態18に係る表示装置110Bについて説明する。なお、以降の説明において実施の形態17と同一の部分については同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0221】
図30は、実施の形態18に係る表示装置110Bの概略構成を示す模式図である。
図30は
図29に対応する図である。
図30に示すように、表示装置110Bでは、表示面131における第四領域R102は露出しているものの、第三領域R101は第五λ/4板142bが積層されている。第五λ/4板142bは、当該第五λ/4板142bに入射した直線偏光を円偏光に変換し、かつ、当該第五λ/4板142bに入射した円偏光を直線偏光に変換するためのλ/4位相差板である。
【0222】
第三反射鏡114bは、凹面鏡である。なお、第三反射鏡は凸面鏡であってもよい。凸面鏡及び凹面鏡は、球面であっても自由曲面であってもよい。
【0223】
ハーフミラー113bにおける出射部122に対向する面には、位相差板が積層されておらず、当該面が露出している。一方、ハーフミラー113bにおける第三反射鏡114bに対向する面には、第四λ/4板141bが積層されている。このように、第四λ/4板141bは、第三反射鏡114bとハーフミラー113bとの間に配置されている。
【0224】
ここで、第四λ/4板141b、第五λ/4板142bとは、円偏光の向きが異なっている。例えば、第四λ/4板141bは、円偏光の向きが反時計回りであり、第五λ/4板142bは円偏光の向きが時計回りである。したがって、第四λ/4板141bは+λ/4板であり、第五λ/4板142bは-λ/4板である。以降、S偏光が時計回りの円偏光に変換された場合にはS+偏光と称し、S偏光が反時計回りの円偏光に変換された場合にはS-偏光と称す。同様に、P偏光が時計回りの円偏光に変換された場合にはP+偏光と称し、P偏光が反時計回りの円偏光に変換された場合にはP-偏光と称す。なお、S+偏光とP-偏光とは同じであり、S-偏光とP+偏光とは同じである。
【0225】
第二表示ユニット112aの第三領域R101から出射されたS偏光からなる第三映像光L101は、第五λ/4板142bを透過してS-偏光に変換される。S-偏光となった第三映像光L101は、第四反射鏡115で反射される。第四反射鏡115で反射された第三映像光L101は、第四λ/4板141bを透過する。これにより、第四λ/4板141bは+λ/4板であるので、入射したS-偏光の第三映像光L101は、S偏光に変換される。その結果、第三映像光L101はハーフミラー113bで反射される。ハーフミラー113bで反射された第三映像光L101は、再度、第四λ/4板141bを透過することで、S+偏光に変換されて、第三反射鏡114bで反射される。第三反射鏡114bで反射された第三映像光L101は、もう一度第四λ/4板141bを透過することで、P偏光に変換されて、ハーフミラー113bを透過して、出射部122に向かう。
【0226】
図31は、実施の形態18に係る表示装置110Bで表示された表示画像G101bを示す平面図である。
図31は
図28に対応する図である。上述したように、第三反射鏡114bが凹面鏡であるので、第三映像光L101は第三反射鏡114bを反射することでその映像範囲が拡大される。つまり、
図31に示すように、表示装置110Bからの表示画像G101bでは、第三映像光L101がなす画像G111bが拡大され、第四映像光L102がなす画像G112bが画像G111b内に含まれることとなる。
【0227】
このように、第三反射鏡114bが凹面鏡であるので、第三映像光L101がなす映像範囲を拡大することができる。これにより、多様な映像表現が可能となる。凹面鏡または凸面鏡の表面には位相差板を積層しにくいために、ハーフミラー113bにおける第三反射鏡114bに対向する面に第四λ/4板141bを積層することで、容易に製造することが可能である。
【0228】
[実施の形態19]
実施の形態19に係る表示装置110Cについて説明する。なお、以降の説明において実施の形態18と同一の部分については同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0229】
図32は、実施の形態19に係る表示装置110Cの概略構成を示す模式図である。
図32は
図30に対応する図である。
図32に示すように、表示装置110Cでは、第四映像光L102がハーフミラー113bで反射されるまでに、当該第四映像光L102を反射させる第五反射鏡116cが設けられている。
【0230】
具体的に説明すると、ハーフミラー113bの他端部は、当該ハーフミラー113bの一端部よりもZ軸マイナス方向に配置されている。第五反射鏡116cは平面鏡であり、第四領域R102に対してY軸方向で対向する位置に配置されている。また、
図30と対比して、第四反射鏡115が省かれている。
【0231】
第二表示ユニット112aの第三領域R101から出射されたS偏光からなる第三映像光L101は、第五λ/4板142bを透過してS-偏光に変換される。S-偏光となった第三映像光L101は、第四λ/4板141bを透過する。これにより、第三映像光L101は、S偏光に変換されるため、ハーフミラー113bで反射される。ハーフミラー113bで反射された第三映像光L101は、再度、第四λ/4板141bを透過することで、S+偏光に変換されて、第三反射鏡114bで反射される。第三反射鏡114bで反射された第三映像光L101は、もう一度第四λ/4板141bを透過することで、P偏光に変換されて、ハーフミラー113bを透過して、出射部122に向かう。
【0232】
一方、第二表示ユニット112aの第四領域R102から出射されたS偏光からなる第四映像光L102は、第五反射鏡116cで反射されてからハーフミラー113bで反射されて、出射部122に向かう。
【0233】
このように、第四映像光L102は、ハーフミラー113bで反射されるまでに第五反射鏡116cで反射されるので、第四映像光L102の光路長を長くすることができる。これにより、第四映像光L102においても焦点を遠くにすることができ、第四映像光L102がなす映像を見えやすくできる。
【0234】
[実施の形態20]
実施の形態20に係る表示装置110Dについて説明する。なお、以降の説明において実施の形態17と同一の部分については同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0235】
図33は、実施の形態20に係る表示装置110Dの概略構成を示す模式図である。
図33は
図29に対応する図である。
図33に示すように、表示装置110Dには、第二駆動部181d、第二駆動部182dが備えられている。
【0236】
第二駆動部181dは、ハーフミラー113aを動作させる第二駆動部の一例である。第二駆動部181dは、例えばモータなどの駆動源と、駆動源からの動力によりハーフミラー113aを動作させる動力伝達機構とを有している。第二駆動部181dは、駆動源の動力に基づいて、ハーフミラー113aを移動させる。このとき、ハーフミラー113aの一端部は、第三領域R101及び第四領域R102の境界に配置された状態が維持される。つまり、ハーフミラー113aは、一端部を中心に回転動作する。これにより、ハーフミラー113aで反射される第三映像光L101及び第四映像光L102の光路の向きを調整することが可能である。
【0237】
第二駆動部182dは、第三反射鏡114を動作させる第二駆動部の一例である。第二駆動部182dは、例えばモータなどの駆動源と、駆動源からの動力により第三反射鏡114を動作させる動力伝達機構とを有している。第二駆動部182dは、駆動源の動力に基づいて、第三反射鏡114を移動(例えばZ軸方向のスライド動作)させたり、第三反射鏡114の姿勢を変動(例えばYZ面内で回転動作)させたりする。これにより、第三反射鏡114で反射される第三映像光L101の光路の向きや光路長を調整することが可能である。なお、第四λ/4板141aは、第三反射鏡114に追従して動作する。
【0238】
これによれば、第二駆動部181d及び第二駆動部182dで、ハーフミラー113a、第三反射鏡114を動作させることができる。したがって、ハーフミラー113aを反射した映像光の表示位置や視距離を、ハーフミラー113aの動作で調整することができる。同様に、第三反射鏡114を反射した映像光の表示位置や視距離を、第三反射鏡114の動作で調整することができる。これにより、ユーザの体格差や嗜好に応じた映像表示が可能となる。なお、第二駆動部181d及び第二駆動部182dは少なくとも1つ設けられていればよい。第四反射鏡及び第五反射鏡を動作させる駆動源が設けられていてもよい。
【0239】
[実施の形態21]
近年では、より高い演出効果の実現が求められている。表示装置の高性能化には、より高い演出効果を可能とすることも含まれる。実施の形態21から実施の形態38では、より高い演出効果の可能とすることを目的とした表示装置について説明する。
【0240】
図34は、実施の形態21に係る表示装置210が車両201に設置された状態を示す模式図である。
図34では、車両201及び筐体220を断面で示している。
【0241】
図34に示すように、表示装置210は、画像を表示するための装置である。本実施の形態では、表示装置210は、車両201の車室内に設置されている。例えば、表示装置210は、車両201に関する車両情報を表示する。車両201の運転手であるユーザ202は、表示装置210を見ることによって(
図34の破線矢印を参照)、車両情報を視認できる。車両情報としては、例えば、車両201の車速、エンジンの回転数、車両201に近接する物体の検知結果、または車両201の現在地から目的地までのナビゲーション情報、車両201の後方を撮像するカメラによって撮像された画像情報などが挙げられる。なお、
図34では表示装置210を車両201のフロントウインドウ上端近傍に配置した例を示しているが、表示装置210は、この位置に限らず、例えばダッシュボードのメータが配置される部分やセンターコンソール等に配置されてもよい。
【0242】
図35は、実施の形態21に係る表示装置210の概略構成を示す模式図である。
図35では、筐体220を断面で示している。
図35に示すように、表示装置210は、筐体220と、表示ユニット230と、第一反射部240、制御部250とを備えている。
【0243】
筐体220は、表示ユニット230、第一反射部240及び制御部250を収容している。本実施の形態では、筐体220は、車両201の天井から吊り下げられている。筐体220は、表示ユニット230から発せられた光を筐体220の外部に出射させるための出射部222を有している。出射部222は、筐体220におけるZ軸プラス方向の壁部に設けられている。出射部222は、筐体220の内部の空間と外部の空間とを連通させる貫通孔である。出射部222には防塵のために透明板が配置されていてもよい。筐体220内において、Y軸プラス方向の内側面(内天面)の近傍には、表示ユニット230が配置されている。筐体220内において、Z軸マイナス方向の内側面の近傍には第一反射部240が配置されている。
【0244】
表示ユニット230は、表示面232を有する第二表示素子231を有している。第二表示素子231は、表示面232から表示像をなす映像光(第五映像光)を発する。例えば、第二表示素子231は、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、またはマイクロLED(Light Emitting Diode)ディスプレイ等を含んで実現される。第二表示素子231は、表示面232が全体として平坦状となっている。第二表示素子231は、平面視長方形状に形成されており、長辺がX軸方向に沿うように配置されている。第二表示素子231は、一方の短辺が他方の短辺よりもZ軸プラス方向かつY軸マイナス方向となる姿勢で配置されている。
【0245】
第一反射部240は、第二表示素子231から出射された映像光を出射部222に向けて反射する光学部材である。第一反射部240は、例えば透光性の材料(透光性樹脂またはガラス)などから形成されている。第一反射部240は、X軸方向に長尺かつ扁平な直方体状に形成されている。第一反射部240は、その厚み方向がXZ面に対して傾く姿勢で配置されている。第一反射部240において第二表示素子231を向く第一主面241は、上辺(Y軸プラス方向の長辺)が、下辺(Y軸マイナス方向の長辺)よりもZ軸マイナス方向に配置されている。
【0246】
図36は、実施の形態21に係る第一反射部240を示す斜視図である。なお、
図35では、
図36におけるII-II線を含む切断面を見た第一反射部240の断面図が示されている。
図36に示すように、第一反射部240の第一主面241は、平面と凹曲面とが形成されており、第一主面241とは反対の第二主面242は、全体が平面に形成されている。
【0247】
具体的には、第一反射部240の第一主面241は、X軸方向に三分割されており、X軸マイナス方向からX軸プラス方向にかけて第一反射面411、第二反射面412及び第三反射面413となっている。第一反射面411、第二反射面412及び第三反射面413には、光を反射するための反射膜が積層されている。このように、第一反射部240は、複数の反射面の全てを一括して支持する支持体であると言える。なお、以下に説明する斜視図において、光を反射する面は、
図36に示すように網掛けをして示す。
【0248】
第一反射面411及び第三反射面413は平面であり、面一に配置されている。第二反射面412は内方に向けて窪んだ凹曲面となっている。第二反射面412は、球面または自由曲面である。第二反射面412を反射した映像光(第七映像光L202と称す(
図35参照)。)からなる表示像は、例えば第一反射面411を反射した映像光(第六映像光L201と称す(
図35参照)。)からなる表示像よりも拡大されることになる。
図35に示すように、第二反射面412は、凹曲面であるので第一反射面411または第三反射面413と比べて表示面232から離れた位置に配置される。つまり、第七映像光L202からなる表示像は、第六映像光L201からなる表示像よりも視距離が長くなる。
【0249】
制御部250は、第二表示素子231に電気的に接続されていて、当該第二表示素子231を制御する。具体的には、制御部250は、CPU、RAM、ROM等を備えており、CPUがROM中のプログラムをRAMに展開して実行することで各処理を実行する。
【0250】
図37は、実施の形態21に係る表示装置210の表示例を示す説明図である。
図37の(a)は、表示面232上の表示内容を示している。
図37の(b)は、ユーザ202と、当該ユーザ202から見た表示像G201、G202、G203とを示している。
図37の(a)に示すように、制御部250は、表示面232を長尺方向(X軸方向)に予め三等分しておき、領域321、322、323ごとに異なる制御を実行する。ここで、領域321は第一反射面411に対応し、領域322は第二反射面412に対応し、領域323は第三反射面413に対応している。このため、領域322で表示された表示内容は、その映像光が第二反射面412で反射されることで、拡大された表示像G202を形成する。
【0251】
制御部250は、映像光の反射回数に応じて、第二表示素子231での表示内容を反転させるか否かを決定している。本実施の形態では、映像光は第一反射部240によって一度反射されるだけであるので、制御部250は、表示内容を正規な状態から反転させて表示させることを決定する。第一反射部240で映像光が一度反射されることで表示像は正規な状態となる。つまり、制御部250は、反射回数が奇数であれば表示内容を反転させることに決定し、反射回数が偶数であれば表示内容を反転させないことに決定する。
【0252】
各領域321、322、323では、制御部250の制御に基づく表示が行われ、当該表示に基づいた映像光が各領域321、322、323から出射される。各領域321、322、323から出射された映像光は、各反射面(第一反射面411、第二反射面412、第三反射面413)で反射されて、
図37の(b)に示すように、3つの表示像G201、G202、G203となる。このように、複数の表示像G201、G202、G203は、ユーザ202から見て水平方向に並んで配置されている。ユーザ202から見て複数の表示像G201、G2、G3が水平方向に並んでいるので、ユーザ202の目線の高さが変動したとしても、表示像G201、G202、G203の重なりを変動しにくくできる。
【0253】
ところで、制御部250は、各領域321、322、323の境界では、一定範囲R201だけ表示を行わないような表示内容としている。これにより、隣り合う表示像G201、G2(または表示像G202、G203)同士の間隔が所定範囲R202以上となる。
【0254】
図38は、実施の形態21に係る表示装置210の表示例であって、ユーザ202の頭部位置が横ずれした状態を示す説明図である。
図38の(a)は、表示面232上の表示内容を示している。
図38の(b)は、ユーザ202と、当該ユーザ202から見た表示像G201、G202、G203とを示している。隣り合う表示像G201、G202(または表示像G202、G203)が所定範囲R202以上離れているので、ユーザ202の頭部位置が横ずれしたとしても、隣り合う表示像G201、G202同士が重なり合わず、欠損しない。所定範囲R202としては、着座時のユーザ202の姿勢変動、首振りで測定できる頭部の移動範囲を採用すればよい。具体的には、所定範囲R202は5cm以上20cm以下である。
【0255】
以上のように、本実施の形態によれば、第一反射部240には、第二表示素子231が出射した映像光を分割して、視距離の異なる複数の表示像G201、G202、G203を形成するための複数の反射面(第一反射面411、第二反射面412、第三反射面413)が設けられているので、各表示像G201、G202、G203の視距離(奥行き)を異ならせた映像表現が可能である。特に、第二反射面412が曲面であるので、この第二反射面412により、別の映像表現(拡大表現)も可能である。これらが複合されることによって、演出効果を向上させることが可能である。
【0256】
このように、より高い演出効果を可能とするために、表示装置210には、第二表示素子231と、第一反射部240とを含む第三構成が備えられている。
【0257】
また、支持体である第一反射部240が複数の反射面(第一反射面411、第二反射面412、第三反射面413)を一括しているので、複数の反射面の全てが支持体で一体化される。したがって、全ての反射面の位置合わせを容易化できるだけでなく、部品点数も削減でき、小型化も可能である。
【0258】
第一反射面411及び第三反射面413が平面であるので、曲面である第二反射面412を介した表示像G202は、平面である第一反射面411及び第三反射面413を介した表示像G201、G3とは異なる映像表現が可能である。したがって、演出効果をより向上させることが可能である。
【0259】
ユーザ202から見て複数の表示像G201、G2、G3が水平方向に並んでいるので、ユーザの目線の高さが変動したとしても、表示像G201、G2、G3の重なりを変動しにくくできる。
【0260】
隣り合う表示像G201、G2(または表示像G202、G3)同士の間隔が所定範囲R202以上であるので、ユーザの目線が変動することで、隣り合う表示像同士が重なってしまうことを抑制できる。
【0261】
制御部250が、複数の表示像G201、G2、G3のそれぞれをなす映像光の反射回数に応じて、第二表示素子231での表示内容を反転させるか否かを決定するので、反射回数が如何様でもユーザ202から見て適切な表示像G201、G2、G3とすることができる。
【0262】
[実施の形態22]
実施の形態22について説明する。なお、以降の説明において実施の形態21と同一の部分については同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0263】
図39は、実施の形態22に係る第一反射部240aを示す斜視図である。実施の形態21に係る第一反射部240は、第二主面242が全体的に平面である場合を例示した。この実施の形態22に係る第一反射部240aは、
図39に示すように、第二主面242aにおける第二反射面412に対応する領域421aが外方に向かって凸となる凸曲面となっている。領域421aは球面または自由曲面である。このように、第一反射部240aを
図39の形状とすることで、第二反射面412の凹面の深さが第一反射部240aの厚みより大きくなった場合でも第二反射面412を形成できる。なお、第一反射部240aでは、第一主面側に各反射面が配置されているので、第二主面242aの形状は如何様でもよい。
【0264】
[実施の形態23]
実施の形態23について説明する。実施の形態21では、第一反射面411及び第三反射面413が面一である場合を例示した。つまり、実施の形態21の場合、第一反射面411及び第三反射面413は、第二表示素子231から同じ距離である。しかしながら、第一反射部に備わる各反射面は、第二表示素子からの距離が異なっていてもよい。
【0265】
図40は、実施の形態23に係る第一反射部240bを示す斜視図である。
図40に示すように、第一反射部240bでは、第三反射面413bに相当する部分の肉厚が、他の部分よりも薄く形成されている。つまり、第三反射面413bは、第一反射面411及び第二反射面412よりも第二表示素子231から離れた位置に配置されている。
【0266】
このように、第一反射面411、第二反射面412及び第三反射面413bのそれぞれは、第二表示素子231からの距離が異なっているので、各反射面を介した表示像G201、G2、G3の視距離を異ならせることができる。したがって、より多様な映像表現が可能となり、演出効果をより向上させることが可能である。
【0267】
[実施の形態24]
実施の形態24について説明する。上記実施の形態21では、第一反射面411、第二反射面412及び第三反射面413が一体化されている第一反射部240を例示した。この実施の形態24では、反射面同士が別体である第一反射部について説明する。
【0268】
図41は、実施の形態24の第一例に係る第一反射部240cを示す斜視図である。
図41に示すように、第一反射部240cは、X軸方向に並んだ3つの個片410c、420c、430cを有している。両端の個片410c、430cは平板状に形成されており、第二表示素子231を向く主面が第一反射面411c、第三反射面413cとなっている。個片410cは第一反射面411cを支持する支持体の一例であり、個片430cは第三反射面413cを支持する支持体の一例である。中間の個片420cは、ブロック状に形成されており、第二表示素子231を向く主面が、凹曲面である第二反射面412cとなっている。個片420cは第二反射面412cを支持する支持体の一例である。
【0269】
図42は、実施の形態24の第二例に係る第一反射部240dを示す斜視図である。
図42に示すように、第一反射部240dは、Z軸方向に並んだ2つの個片410d、420dを有している。Z軸プラス方向の個片410dは、X軸方向に長尺な板体である。個片410dでは、X軸方向の両端部が第一反射面411d、第三反射面413dとなっており、中間部414dが透光部となっている。個片410dは、第一反射面411d、第三反射面413dを支持する支持体の一例である。
【0270】
Z軸マイナス方向の個片420dは、個片410dの中間部414dに対向する位置に配置されている。個片420dは、ブロック状に形成されており、中間部414dを介して第二表示素子231を向く主面が、凹曲面である第二反射面412dとなっている。個片420dは第二反射面412dを支持する支持体の一例である。このように、第一反射部240dでは、第一反射面411d、第三反射面413dが一体化されて、第二反射面412dが別体となっている。
【0271】
図43は、実施の形態24の第二例に係る第一反射部240dの断面図である。
図43では、第二反射面412dをYZ面で切断した断面図である。
図43に示すように、第二表示素子231から出射して第二反射面412dに向かう映像光L203は、個片410dの中間部414dを透過した後に、第二反射面412dで反射される。その後、映像光L203は、中間部414dを再度透過して、出射部222に向かう。
【0272】
図44は、実施の形態24の第三例に係る第一反射部240eを示す斜視図である。
図44に示すように、第一反射部240eは、X軸方向に並んだ2つの個片410e、420eを有している。X軸プラス方向の個片410eは、X軸方向に長尺な板体である。個片410eのX軸プラス方向の部位は平板状に形成されており、その第二表示素子231を向く面が第一反射面411eである。個片420eのX軸マイナス方向の部位は曲板状に形成されており、その第二表示素子231を向く面が凹曲面の第二反射面412eである。個片420eは、矩形板であり、その第二表示素子231を向く面が第三反射面413eである。個片410eは第一反射面411eを支持する支持体の一例である。個片420eは第二反射面412e及び第三反射面413eを支持する支持体の一例である。
【0273】
このように、第一反射部240c、240d、240eを複数の個片に分けたので、個片ごとに位置合わせがやりやすくなる。また、第二例、第三例においては、1つの支持体(個片410d、個片420e)が少なくとも2つの反射面を支持しているので、これらの反射面が支持体で一体化される。したがって、これらの反射面の位置合わせを容易化できる。
【0274】
[実施の形態25]
実施の形態25について説明する。上記実施の形態21では、第一反射面411、第二反射面412及び第三反射面413がX軸方向に配列されている第一反射部240を例示した。この実施の形態25では、各反射面が上下方向に並ぶ第一反射部について説明する。
【0275】
図45は、実施の形態25に係る第一反射部240fを示す斜視図である。
図45に示すように、第一反射部240fは、上下方向に並んだ複数の個片410f、420fを有している。下方の個片410fは、平板状であり、第二表示素子231を向く主面が第一反射面411fである。上方の個片420fは、ブロック状であり、第二表示素子231を向く主面が、凹曲面である第二反射面412fとなっている。この場合、第二表示素子231においても、第一反射面411f及び第二反射面412fに対応した表示内容が上下方向に並んで形成される。第二表示素子231から出射された映像光は、第一反射面411f及び第二反射面412fで反射されて、垂直方向に並んで配置された複数の表示像となる。
【0276】
これにより、ユーザ202から見て複数の表示像が垂直方向に並ぶので、ユーザ202の目線が左右に変動したとしても、映像の重なりを変動しにくくできる。
【0277】
[実施の形態26]
実施の形態26について説明する。上記実施の形態21では、映像光を反射する部材として第一反射部240のみが備えられた表示装置210を例示した。しかしながら、表示装置は、反射部を2つ以上備えていてもよい。
【0278】
図46は、実施の形態26に係る表示装置210Gを示す断面図である。
図46に示すように、表示装置210Gは、第一反射部240とは別体の第二反射部260gをさらに備えている。具体的には、表示装置210Gでは、第二表示素子231は、筐体220内のY軸マイナス方向の端部に配置されており、表示面232をY軸プラス方向に向けている。第二反射部260gは平面鏡であり、筐体220内のY軸プラス方向の端部に配置されている。第二反射部260gの反射面は、第二表示素子231及び第一反射部240を向いている。このため、第二表示素子231から発せられた映像光は、第二反射部260gを反射して、第一反射部240に向かうことになる。
【0279】
このように、第二反射部260gが映像光を反射するので、当該反射によって映像光の光路長を大きくすることができる。これにより、表示像の奥行き感をより高めることができる。
【0280】
[実施の形態27]
実施の形態27について説明する。なお、以降の説明では、曲面からなる反射面を映像光が反射する場合を例示するが、他の反射面においても同様である。
【0281】
図47は、実施の形態27に係る表示装置210Hを示す断面図である。
図47に示すように、表示装置210Hは、表示ユニット230hと、第一反射部240と、第三偏光ハーフミラー270hと、第六λ/4板275hとを備えている。
【0282】
表示ユニット230hは、第二表示素子231と、第二表示素子231の表示面232に積層されたλ/4板233hとが備えられている。第二表示素子231は、表示面232がXZ面に沿ってY軸マイナス方向を向く姿勢で、筐体220のY軸プラス方向の端部に配置されている。
【0283】
λ/4板233hは、当該λ/4板233hに入射した直線偏光を円偏光に変換し、かつ、当該λ/4板233hに入射した円偏光を直線偏光に変換するためのλ/4位相差板である。つまり、第二表示素子231から出射された映像光は、λ/4板233hに入射して円偏光に変換される。例えば、第二表示素子231から映像光としてS偏光の直線偏光が出射される場合には、当該映像光は、λ/4板233hを透過することで、S+偏光に偏光される。以降の説明において、S偏光の直線偏光を単に「S偏光」と称し、P偏光の直線偏光を単に「P偏光」と表現する場合がある。また、S偏光が時計回りの円偏光に変換された場合にはS+偏光と称し、S偏光が反時計回りの円偏光に変換された場合にはS-偏光と称す。同様に、P偏光が時計回りの円偏光に変換された場合にはP+偏光と称し、P偏光が反時計回りの円偏光に変換された場合にはP-偏光と称す。なお、S+偏光とP-偏光とは同じであり、S-偏光とP+偏光とは同じである。
【0284】
第一反射部240は、第一主面241がZ軸プラス方向を向く姿勢で、筐体220内のZ軸マイナス方向の端部に配置されている。
【0285】
第三偏光ハーフミラー270hは、P偏光の映像光を反射し、それ以外の偏光の映像光を透過する光学部材である。具体的には、第三偏光ハーフミラー270hは、表示ユニット230hに対しY軸マイナス方向で対向し、第一反射部240に対しZ軸プラス方向で対向する位置に配置されている。第三偏光ハーフミラー270hは、Z軸プラス方向の端部がZ軸マイナス方向の端部よりもY軸プラス方向となる姿勢で配置されている。第三偏光ハーフミラー270hは、平板状のガラス基材に反射型偏光板を配置した構成(この場合、ガラス基材における表示ユニット230h側に反射型偏光板を配置する。)としている。
【0286】
第六λ/4板275hは、当該第六λ/4板275hに入射した直線偏光を円偏光に変換し、かつ、当該第六λ/4板275hに入射した円偏光を直線偏光に変換するためのλ/4位相差板である。第六λ/4板275hは、第三偏光ハーフミラー270h及び第一反射部240の間に配置されている。具体的には、第六λ/4板275hは、第三偏光ハーフミラー270hにおける第一反射部240を向く面に積層されている。第六λ/4板275hは、λ/4板233hと同じ円偏光の向きである。
【0287】
第二表示素子231から出射されたS偏光の映像光は、λ/4板233hを透過することでS+偏光に変換される。このS+偏光の映像光は、第六λ/4板275hを透過してP偏光に変換される。P偏光の映像光は、第三偏光ハーフミラー270hで反射される。このように、第三偏光ハーフミラー270hは、第二表示素子231から出射された映像光を反射する。
【0288】
P偏光の映像光は、第三偏光ハーフミラー270hで反射されることで、再度第六λ/4板275hを透過しP+偏光に変換される。その後、P+偏光の映像光は、第一反射部240で反射されて、もう一度第六λ/4板275hを透過してS偏光に変換される。S偏光となった映像光は、第三偏光ハーフミラー270hを透過して、出射部222に向かう。
【0289】
このように、第二表示素子231から出射された映像光は、第三偏光ハーフミラー270hを透過する前に、複数回λ/4板を透過することで偏光状態が変換されて、第三偏光ハーフミラー270hで透過可能な状態となる。また、映像光は、第三偏光ハーフミラー270hを透過する前に、一旦第三偏光ハーフミラー270hで反射されて、さらに第一反射部240でも反射されているので、映像光の光路長を大きくすることができる。
【0290】
[実施の形態28]
実施の形態28について説明する。
図48は、実施の形態28に係る表示装置210Iを示す断面図である。
図48に示すように、表示装置210Iは、表示ユニット230と、第一反射部240と、第三偏光ハーフミラー270iと、第六λ/4板275iとを備えている。
【0291】
表示ユニット230の第二表示素子231は、表示面232がXZ面に沿ってY軸マイナス方向を向く姿勢で、筐体220のY軸プラス方向の端部に配置されている。第一反射部240は、第一主面241がZ軸プラス方向を向く姿勢で、筐体220内のZ軸マイナス方向の端部に配置されている。
【0292】
第三偏光ハーフミラー270iは、S偏光の映像光を反射し、それ以外の偏光の映像光を透過する光学部材である。具体的には、第三偏光ハーフミラー270iは、第二表示素子231に対しY軸マイナス方向で対向し、第一反射部240に対しZ軸プラス方向で対向する位置に配置されている。第三偏光ハーフミラー270iは、Z軸プラス方向の端部がZ軸マイナス方向の端部よりもY軸プラス方向となる姿勢で配置されている。第三偏光ハーフミラー270iは、平板状のガラス基材に反射型偏光板を配置した構成(この場合、ガラス基材における表示ユニット230側に反射型偏光板を配置する。)としている。
【0293】
第六λ/4板275iは、当該第六λ/4板275iに入射した直線偏光を円偏光に変換し、かつ、当該第六λ/4板275iに入射した円偏光を直線偏光に変換するためのλ/4位相差板である。第六λ/4板275iは、第三偏光ハーフミラー270i及び第一反射部240の間に配置されている。具体的には、第六λ/4板275iは、第三偏光ハーフミラー270i及び第一反射部240の双方から離れた位置でXY面に沿う姿勢で配置されている。
【0294】
第二表示素子231から出射されたS偏光の映像光は、第三偏光ハーフミラー270iで反射されて、第六λ/4板275iを透過し、S+偏光に変換される。このS+偏光の映像光は、第一反射部240で反射した後、再び第六λ/4板275iを透過してP偏光に変換される。P偏光の映像光は、第三偏光ハーフミラー270iを透過して、出射部222に向かう。
【0295】
このように、第二表示素子231から出射された映像光は、第三偏光ハーフミラー270iを透過する前に、複数回λ/4板を透過することで変換されて、第三偏光ハーフミラー270iで透過可能な状態となる。また、映像光は、第三偏光ハーフミラー270iを透過する前に、一旦第三偏光ハーフミラー270iで反射されて、さらに第一反射部240でも反射されているので、映像光の光路長を大きくすることができる。
【0296】
[実施の形態29]
実施の形態29について説明する。
図49は、実施の形態29に係る表示装置210Jを示す断面図である。
図49に示すように、表示装置210Jは、表示ユニット230と、第一反射部240と、第三偏光ハーフミラー270jと、第六λ/4板275jとを備えている。
【0297】
表示ユニット230の第二表示素子231は、表示面232がXZ面に沿ってY軸マイナス方向を向く姿勢で、筐体220のY軸プラス方向の端部に配置されている。第一反射部240は、実施の形態21と同様の姿勢、位置で配置されている。
【0298】
第三偏光ハーフミラー270jは、S偏光の映像光を透過し、それ以外の偏光の映像光を反射する光学部材である。具体的には、第三偏光ハーフミラー270jは、第二表示素子231に対しY軸マイナス方向で対向し、第一反射部240に対しZ軸プラス方向で対向する位置に配置されている。第三偏光ハーフミラー270jは、Z軸プラス方向の端部がZ軸マイナス方向の端部よりもY軸マイナス方向となる姿勢で配置されている。
【0299】
第六λ/4板275jは、当該第六λ/4板275jに入射した直線偏光を円偏光に変換し、かつ、当該第六λ/4板275jに入射した円偏光を直線偏光に変換するためのλ/4位相差板である。第六λ/4板275jは、第三偏光ハーフミラー270j及び第一反射部240の間に配置されている。具体的には、第六λ/4板275jは、第三偏光ハーフミラー270jにおける第一反射部240を向く面に積層されている。
【0300】
第二表示素子231から出射されたS偏光の映像光は、第三偏光ハーフミラー270jを透過してから、第六λ/4板275jを透過し、S+偏光に変換される。このS+偏光の映像光は、第一反射部240で反射されて、再度第六λ/4板275jを透過しP偏光に変換される。P偏光となった映像光は、第三偏光ハーフミラー270jで反射され、もう一度第六λ/4板275jを透過し、P+偏光に変換される。このP+偏光の映像光は、第一反射部240で反射されて、再度第六λ/4板275jを透過しS偏光に変換される。S偏光の映像光は、第三偏光ハーフミラー270jを透過して、出射部222に向かう。
【0301】
このように、第二表示素子231から出射された映像光を透過する第三偏光ハーフミラー270jと、第一反射部240との間に第六λ/4板275jが配置されている。このようなレイアウトであるので、単一偏光からなる映像光は、第三偏光ハーフミラー270jを一回透過した後、第一反射部240で反射されて第三偏光ハーフミラー270jに至るまでの間に、第六λ/4板275jを複数回透過する。これにより映像光は、第三偏光ハーフミラー270jを反射可能な状態となる。次いで、映像光は、第三偏光ハーフミラー270jで反射された後、第一反射部240で反射されて第三偏光ハーフミラー270jに至るまでの間に、λ/4板を複数回透過する。これにより映像光は、第三偏光ハーフミラー270jを透過可能な状態となるので、第三偏光ハーフミラー270jを透過する。したがって、映像光の光路長を大きくすることができる。
【0302】
[実施の形態30]
実施の形態30について説明する。
図50は、実施の形態30に係る表示装置210Kを示す断面図である。
図50に示すように、表示装置210Kは、表示ユニット230と、第一反射部240と、第二反射部260kと、第三偏光ハーフミラー270kと、第六λ/4板275kとを備えている。
【0303】
表示ユニット230の第二表示素子231は、表示面232がXZ面に沿ってY軸マイナス方向を向く姿勢で、筐体220のY軸プラス方向の端部に配置されている。第一反射部240は、第一主面241がZ軸プラス方向を向く姿勢で、筐体220内のZ軸マイナス方向の端部に配置されている。
【0304】
第二反射部260kは平面鏡であり、筐体220内のY軸マイナス方向の端部に配置されている。第二反射部260kは、反射面がY軸プラス方向を向く姿勢で、第三偏光ハーフミラー270k及び第六λ/4板275kを介して第二表示素子231に対向している。
【0305】
第三偏光ハーフミラー270kは、S偏光の映像光を透過し、それ以外の偏光の映像光を反射する光学部材である。具体的には、第三偏光ハーフミラー270kは、Y軸方向で第二表示素子231及び第二反射部260kに挟まれ、かつ第一反射部240に対しZ軸プラス方向で対向する位置に配置されている。第三偏光ハーフミラー270kは、Z軸プラス方向の端部がZ軸マイナス方向の端部よりもY軸マイナス方向となる姿勢で配置されている。
【0306】
第六λ/4板275kは、当該第六λ/4板275kに入射した直線偏光を円偏光に変換し、かつ、当該第六λ/4板275kに入射した円偏光を直線偏光に変換するためのλ/4位相差板である。第六λ/4板275kは、第三偏光ハーフミラー270k及び第一反射部240の間に配置されている。具体的には、第六λ/4板275kは、第三偏光ハーフミラー270kにおける第一反射部240を向く面に積層されている。
【0307】
第二表示素子231から出射されたS偏光の映像光は、第三偏光ハーフミラー270kを透過してから、第六λ/4板275kを透過し、S+偏光に変換される。このS+偏光の映像光は、第二反射部260kで反射されて、再度第六λ/4板275kを透過しP偏光に変換される。P偏光となった映像光は、第三偏光ハーフミラー270kで反射され、もう一度第六λ/4板275kを透過し、P+偏光に変換される。このP+偏光の映像光は、第一反射部240で反射されて、再度第六λ/4板275kを透過しS偏光に変換される。S偏光の映像光は、第三偏光ハーフミラー270kを透過して、出射部222に向かう。
【0308】
このように、第二反射部260kが映像光を反射するので、当該反射によって映像光の光路長を大きくすることができる。これにより、表示像の奥行き感をより高めることができる。
【0309】
[実施の形態31]
実施の形態31について説明する。
図51は、実施の形態31に係る表示装置210Mを示す断面図である。
図51に示すように、表示装置210Mは、表示ユニット230と、第一反射部240と、第二反射部260mと、第三偏光ハーフミラー270mと、第六λ/4板275mとを備えている。
【0310】
表示ユニット230の第二表示素子231は、表示面232がXZ面に沿ってY軸マイナス方向を向く姿勢で、筐体220のY軸プラス方向の端部に配置されている。第一反射部240は、第一主面241がZ軸プラス方向を向く姿勢で、筐体220内のZ軸マイナス方向の端部に配置されている。
【0311】
第二反射部260mは平面鏡であり、筐体220内のY軸マイナス方向の端部に配置されている。第二反射部260mは、反射面がY軸プラス方向を向く姿勢で、第三偏光ハーフミラー270m及び第六λ/4板275mを介して第二表示素子231に対向している。
【0312】
第三偏光ハーフミラー270mは、Y軸方向で第二表示素子231及び第二反射部260mに挟まれ、かつ第一反射部240に対しZ軸プラス方向で対向する位置に配置されている。第三偏光ハーフミラー270mは、Z軸プラス方向の端部がZ軸マイナス方向の端部よりもY軸マイナス方向となる姿勢で配置されている。第三偏光ハーフミラー270mは、Y軸方向における両端部271mと、中間部272mとで異なる偏光特性を有している。具体的には、両端部271mは、S偏光の映像光を反射し、それ以外の偏光の映像光を透過する偏光特性を有する。中間部272mは、S偏光の映像光を透過し、それ以外の偏光の映像光を反射する偏光特性を有する。
【0313】
第六λ/4板275mは、当該第六λ/4板275mに入射した直線偏光を円偏光に変換し、かつ、当該第六λ/4板275mに入射した円偏光を直線偏光に変換するためのλ/4位相差板である。第六λ/4板275mは、第三偏光ハーフミラー270m及び第一反射部240の間に配置されている。具体的には、第六λ/4板275mは、第三偏光ハーフミラー270mにおける第一反射部240を向く面に積層されている。
【0314】
第二表示素子231から出射されたS偏光の映像光のうち、第三偏光ハーフミラー270mの両端部271mに対応する映像光(
図51において実線矢印で図示。)は、当該両端部271mで反射されて、出射部222に向かう。
【0315】
一方、第二表示素子231から出射されたS偏光の映像光のうち、第三偏光ハーフミラー270mの中間部272mに対応する映像光(
図51において破線矢印で図示。)は、中間部272mを透過してから、第六λ/4板275mを透過し、S+偏光に変換される。このS+偏光の映像光は、第二反射部260mで反射されて、再度第六λ/4板275mを透過しP偏光に変換される。P偏光となった映像光は、中間部272mで反射され、もう一度第六λ/4板275mを透過し、P+偏光に変換される。このP+偏光の映像光は、第一反射部240で反射されて、再度第六λ/4板275mを透過しS偏光に変換される。S偏光の映像光は、中間部272mを透過して、出射部222に向かう。
【0316】
このように、第三偏光ハーフミラー270mが、互いに異なる偏光特性を有する複数の領域(両端部271m、中間部272m)を有しているので、各領域を透過する映像光の光路長(視距離)を異ならせることができる。これにより、奥行き感が異なって視認されるため、より多様な映像表現が可能となる。
【0317】
[実施の形態32]
実施の形態32について説明する。
図52は、実施の形態32に係る表示装置210Nを示す断面図である。
図52に示すように、表示装置210Nは、表示ユニット230と、第一反射部240と、第二反射部260nと、第三偏光ハーフミラー270nと、第六λ/4板275nと、第六λ/4板276nとを備えている。
【0318】
表示ユニット230の第二表示素子231は、表示面232がZ軸プラス方向を向く姿勢で、筐体220のZ軸マイナス方向の端部に配置されている。第一反射部240は、第一主面241がY軸マイナス方向を向く姿勢で、筐体220内のY軸プラス方向の端部に配置されている。
【0319】
第二反射部260nは平面鏡であり、反射面がY軸プラス方向を向く姿勢で、筐体220内のY軸マイナス方向の端部に配置されている。第二反射部260n上には、第六λ/4板276nが積層されている。第六λ/4板276nは、当該第六λ/4板276nに入射した直線偏光を円偏光に変換し、かつ、当該第六λ/4板276nに入射した円偏光を直線偏光に変換するためのλ/4位相差板である。第二反射部260nは、反射面がY軸プラス方向を向く姿勢で、第三偏光ハーフミラー270n及び第六λ/4板275nを介して第二表示素子231に対向している。
【0320】
第三偏光ハーフミラー270nは、Y軸方向で第一反射部240及び第二反射部260nに挟まれ、かつ第二表示素子231に対しZ軸プラス方向で対向する位置に配置されている。第三偏光ハーフミラー270nは、Z軸プラス方向の端部がZ軸マイナス方向の端部よりもY軸マイナス方向となる姿勢で配置されている。第三偏光ハーフミラー270nは、Y軸方向における両端部271nと、中間部272nとで異なる偏光特性を有している。具体的には、両端部271nは、S偏光の映像光を透過し、それ以外の偏光の映像光を反射する偏光特性を有する。中間部272nは、S偏光の映像光を反射し、それ以外の偏光の映像光を透過する偏光特性を有する。
【0321】
第六λ/4板275nは、当該第六λ/4板275nに入射した直線偏光を円偏光に変換し、かつ、当該第六λ/4板275nに入射した円偏光を直線偏光に変換するためのλ/4位相差板である。第六λ/4板275nは、第三偏光ハーフミラー270n及び第一反射部240の間に配置されている。具体的には、第六λ/4板275nは、第三偏光ハーフミラー270nにおける第一反射部240を向く面に積層されている。
【0322】
第二表示素子231から出射されたS偏光の映像光のうち、第三偏光ハーフミラー270nの両端部271nに対応する映像光(
図52において実線矢印で図示。)は、当該両端部271nを透過して、出射部222に向かう。
【0323】
一方、第二表示素子231から出射されたS偏光の映像光のうち、第三偏光ハーフミラー270nの中間部272nに対応する映像光(
図52において破線矢印で図示。)は、中間部272nで反射されて、第六λ/4板276nを透過し、S+偏光に変換される。このS+偏光の映像光は、第二反射部260nで反射されて、再度第六λ/4板276nを透過しP偏光に変換される。P偏光となった映像光は、中間部272nを透過してから、第六λ/4板275nを透過し、P+偏光に変換される。このP+偏光の映像光は、第一反射部240で反射されて、再度第六λ/4板275nを透過しS偏光に変換される。S偏光の映像光は、中間部272nで反射された後に、第六λ/4板275nを透過してS+偏光に偏光されて、出射部222に向かう。
【0324】
このように、第三偏光ハーフミラー270nが、互いに異なる偏光特性を有する複数の領域(両端部271n、中間部272n)を有しているので、各領域を透過する映像光の光路長(視距離)を異ならせることができる。これにより、奥行き感が異なって視認されるため、より多様な映像表現が可能となる。
【0325】
[実施の形態33]
実施の形態33について説明する。
図53は、実施の形態33に係る表示装置210Pを示す断面図である。
図53に示すように、表示装置210Pは、表示ユニット230pと、第一反射部240と、第二反射部260pと、第三偏光ハーフミラー270pと、第六λ/4板275pとを備えている。
【0326】
表示ユニット230pは、第二表示素子231と、第二表示素子231の表示面232の一部のみに積層された一対の第二λ/2板235pとを有している。第二表示素子231は、表示面232がXZ面に沿ってY軸マイナス方向を向く姿勢で、筐体220のY軸プラス方向の端部に配置されている。表示面232のうち、Z軸方向の両端部には第二λ/2板235pが積層されており、中間部は表示面232が露出している。
【0327】
第二λ/2板235pは、当該第二λ/2板235pに入射した光に、波長λの1/2の位相差を生じさせるλ/2位相差板である。例えば、第二表示素子231がS偏光の映像光を出射する場合には、Z軸方向の両端部からの映像光は第二λ/2板235pを透過してP偏光に偏光され、中間部からの映像光はS偏光のままとなる。第一反射部240は、第一主面241がZ軸プラス方向を向く姿勢で、筐体220内のZ軸マイナス方向の端部に配置されている。
【0328】
第二反射部260pは平面鏡であり、反射面がY軸プラス方向を向く姿勢で、筐体220内のY軸マイナス方向の端部に配置されている。第二反射部260pは、XZ面に沿う姿勢で、第三偏光ハーフミラー270p及び第六λ/4板275pを介して第二表示素子231に対向している。
【0329】
第三偏光ハーフミラー270pは、Y軸方向で第二表示素子231及び第二反射部260pに挟まれ、かつ第一反射部240に対しZ軸プラス方向で対向する位置に配置されている。第三偏光ハーフミラー270pは、Z軸プラス方向の端部がZ軸マイナス方向の端部よりもY軸マイナス方向となる姿勢で配置されている。
【0330】
第六λ/4板275pは、当該第六λ/4板275pに入射した直線偏光を円偏光に変換し、かつ、当該第六λ/4板275pに入射した円偏光を直線偏光に変換するためのλ/4位相差板である。第六λ/4板275pは、第三偏光ハーフミラー270p及び第一反射部240の間に配置されている。具体的には、第六λ/4板275pは、第三偏光ハーフミラー270pにおける第一反射部240を向く面に積層されている。
【0331】
第二表示素子231から出射されたS偏光の映像光のうち、第二λ/2板235pを透過した映像光(
図53において実線矢印で図示。)は、この透過によりP偏光に変換される。このP偏光の映像光は、第三偏光ハーフミラー270pで反射されて出射部222に向かう。
【0332】
一方、第二表示素子231から出射されたS偏光の映像光のうち、第二λ/2板235pを透過しない映像光(
図53において破線矢印で図示。)は、第三偏光ハーフミラー270pを透過してから、第六λ/4板275pを透過し、S+偏光に変換される。このS+偏光の映像光は、第二反射部260pで反射されて、再度第六λ/4板275pを透過しP偏光に変換される。P偏光となった映像光は、第三偏光ハーフミラー270pで反射され、もう一度第六λ/4板275pを透過し、P+偏光に変換される。このP+偏光の映像光は、第一反射部240で反射されて、再度第六λ/4板275pを透過しS偏光に変換される。S偏光の映像光は、第三偏光ハーフミラー270pを透過して、出射部222に向かう。
【0333】
このように、第二表示素子231の一部のみに第二λ/2板235pが積層されているので、第二λ/2板235pを透過した映像光は半位相ずれて第三偏光ハーフミラー270pに向かうことになる。例えば、第二表示素子231で出射された映像光を第三偏光ハーフミラー270pが透過する場合には、第二λ/2板235pで半位相ずれた映像光が第三偏光ハーフミラー270pで反射される。このように、第二表示素子231から出射された映像光のうち、第二λ/2板235pを透過した映像光と、透過していない映像光とで異なる光路に分岐させることができる。したがって、各映像光の光路長を異ならせることができ、奥行き感が異なって視認されるため、より多様なる映像表現が可能となる。
【0334】
[実施の形態34]
実施の形態34について説明する。
図54は、実施の形態34に係る表示装置210Qを示す断面図である。
図55は、実施の形態34に係る表示装置210Qに備わる第一反射部240qを示す斜視図である。
【0335】
図54に示すように、表示装置210Qは、表示ユニット230と、第一反射部240qとを備えている。第一反射部240qは、実施の形態22に示す第一反射部240aと同じ外形である。第一反射面411q及び第三反射面413qは、第一主面241qに設けられているが、第二反射面412qは、第二主面242qに設けられている。このように、曲面である第二反射面412qが第二主面242qに設けられているので、
図54に示すように、第二表示素子231が出射した映像光は、第一反射部240qの第一主面241qに入射した後に第二主面242qで反射され、第一主面241qから出射する。このように、収差補正可能なタイミングを三回確保できるので、当該経路をたどった映像光からなる表示像をクリアにすることができる。
【0336】
[実施の形態35]
実施の形態35に係る表示装置210Rについて説明する。
図56は、実施の形態35に係る表示装置210Rの概略構成を示す模式図である。
図56に示すように、表示装置210Rは、制御部250により制御される第三駆動部280rを有している。
【0337】
第三駆動部280rは、第一反射部240を動作させる第三駆動部の一例である。第三駆動部280rは、例えばモータなどの駆動源と、駆動源からの動力により第一反射部240を動作させる動力伝達機構とを有している。第三駆動部280rは、駆動源の動力に基づいて、第一反射部240を移動(Y軸方向のスライド動作、Z軸方向のスライド動作)させたり、第一反射部240の姿勢を変動(例えば回転動作)させたりする。これにより、第一反射部240で反射される映像光の向きを調整することが可能である。
【0338】
これによれば、第一反射部240を第三駆動部280rで動作(スライド移動、回転移動等)させることができる。したがって、第一反射部240を反射した映像光からなる各表示像の表示位置や視距離を、第一反射部240の動作で調整することができる。これにより、ユーザの体格差や嗜好に応じた映像表示が可能となる。
【0339】
また、第三駆動部280rで動作させる対象は第二表示素子231であってもよい。この構成によっても、第一反射部240を動作させた場合と同じ効果を得ることができる。さらに、第二表示素子231と第一反射部240の両方を独立して動作させる構成としてもよい。これにより、表示位置や視距離の調整を、より細かく調整することができる。
【0340】
以上より、本実施の形態35によれば、第一反射部240及び第二表示素子231の少なくとも一方を第三駆動部280rで動作(スライド移動、回転移動等)させることができる。したがって、第二表示素子231が出射した映像光及び第一反射部240を反射した表示光からなる各表示像の少なくとも一方の表示位置や視距離を、第一反射部240及び第二表示素子231の少なくとも一方の動作で調整することができる。これにより、ユーザの体格差や嗜好に応じた映像表示が可能となる。
【0341】
なお、第二反射部、第三偏光ハーフミラーを有する表示装置の場合には、第二反射部、第三偏光ハーフミラーを動作させる駆動部を設けてもよい。
【0342】
[実施の形態36]
実施の形態36に係る表示装置210Sについて説明する。
図57は、実施の形態36に係る表示装置210Sの概略構成を示す模式図である。
図57に示すように、表示装置210Sは、制御部250により制御される視点検出部285sを有している。
【0343】
視点検出部285sは、カメラを備えており、そのカメラの視野内にユーザ202の頭部が含まれる姿勢で、出射部222の近傍に配置されている。視点検出部285sは、カメラで撮影されたユーザ202の視線を検出し、その検出結果を制御部250に出力する。制御部250は、視点検出部285sの検出結果に基づいて第二表示素子231の表示内容を制御する。
【0344】
このように、制御部250が、視点検出部285sの検出結果に基づいて第二表示素子231の表示内容を制御するので、ユーザ202の視点に応じた表示像を形成することができる。したがって、視点が変動したとしても、ユーザ202から見て欠けの少ない表示像を形成できる。
【0345】
[実施の形態37]
実施の形態37に係る表示像について説明する。
図58は、実施の形態37に係る複数の表示像G201t、G202tを示す平面図である。
図58に示すように、ユーザから見て表示像G202tは、表示像G201tを囲むように配置されている。表示装置では、複数の表示像G201t、G202tに対応するように、第二表示素子の表示内容が制御されるとともに、第一反射部の各反射面が形成されている。
【0346】
このように、ユーザから見て、複数の表示像G201t、G202tのうち、1つの表示像G202tは他の表示像G201tを囲むように配置されているので、より多様な表現が可能となる。
【0347】
[実施の形態38]
実施の形態に係る表示装置10Uについて説明する。
図59は、実施の形態38に係る表示装置10Uの概略構成を示す斜視図である。実施の形態38に係る表示装置10Uは、実施の形態15の表示装置10Pの第二反射鏡15pを、実施の形態21の第一反射部240に変更している。このため、第一反射部240の第二反射面412が第一偏光ハーフミラー13pに対向し、第一反射面411及び第三反射面413が各第二偏光ハーフミラー16pに対向している。
【0348】
このように、第二反射面412が
図22の構成に比べ凹面鏡としたので、第一領域R1pから出射された第一映像光L1は、ユーザにとって、さらに遠視点化されて視認される。したがって、より多様な表現が可能となる。
【0349】
[第三構成における変形例]
例えば、上記実施の形態21等では、第二反射面412が凹曲面である場合を例示した。しかしながら、第二反射面は凸曲面であってもよい。また第一反射面及び第三反射面においても、平面でなく、凹曲面または凸曲面であってもよい。
【0350】
また、第一反射部は、3つ以上の反射面を有していて、3つ以上の反射面のそれぞれは、曲率が異なっていてもよい。3つ以上の反射面のそれぞれの曲率が異なっていれば、各反射面を介した表示像で異なる映像表現が可能となる。したがって、より多様な映像表現が可能となり、演出効果をより向上させることが可能である。
【0351】
また、制御部は、複数の表示像の視距離に基づいて、表示像ごとの輝度を制御してもよい。複数の表示像の視距離については、実験、シミュレーション、実測値等により、事前に取得可能である。取得した各表示像の視距離を制御部に登録しておくことで、制御部は、各表示像を作成する第二表示素子の各画素の輝度を制御する。具体的には、視距離が大きいと表示像が暗くなりうるので、視距離が大きくなるほど画素の輝度を大きくする。これにより、表示像ごとに適切な輝度とすることができる。特に、反射面で拡大される表示像は、輝度が低下しうるが、その輝度低下分を制御部の制御によって第二表示素子側で補完できる。
【0352】
[その他]
以上、本開示の一つまたは複数の態様に係る表示装置について、各実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、各実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
【0353】
上記実施の形態では、第一構成のみを備えた表示装置と、第二構成のみを備えた表示装置と、第三構成のみを備えた表示装置とを個別に説明した。しかしながら、表示装置は、第一構成、第二構成及び第三構成から選択された2つの構成のみを有していてもよいし、3つの構成を備えていてもよい。このように、表示装置は、第一構成、第二構成及び第三構成の少なくとも1つを備えることにより、小型化も可能となる。
【0354】
[付記]
以上の実施の形態等の記載により、下記の技術が開示される。
【0355】
(技術1)
第一構成、第二構成及び第三構成の少なくとも1つを備える表示装置であって、
前記第一構成は、
第一領域から第一映像光を出射し、第二領域から前記第一映像光とは半位相ずれた第二映像光を出射する第一表示ユニットと、
前記第一映像光及び前記第二映像光の一方の映像光を透過するとともに、他方の映像光を反射する第一偏光ハーフミラーと、
前記一方の映像光が前記第一偏光ハーフミラーを透過した透過光路及び前記他方の映像光が前記第一偏光ハーフミラーを反射した反射光路の一方の光路上に配置された第一反射鏡と、
前記一方の光路上であって前記第一反射鏡及び前記第一偏光ハーフミラーの間に配置された第一λ/4板と、を備え、
前記第二構成は、
第三領域から第三映像光を出射し、第四領域から第四映像光を出射する第二表示ユニットと、
一端部が前記第三領域及び前記第四領域の境界に配置されたハーフミラーと、
前記第三領域から出射され、前記ハーフミラーで反射された前記第三映像光を、さらに前記ハーフミラーに向けて反射する第三反射鏡と、を備え、
前記ハーフミラーは、前記第三反射鏡からの前記第三映像光を透過するとともに、前記第四領域から出射された前記第四映像光を反射する際に、前記第三映像光及び前記第四映像光を同方向に向かわせる姿勢で配置されており、
前記第三構成は、
表示像をなす第五映像光を出射する第二表示素子と、
前記第五映像光を反射する第一反射部とを有し、
前記第一反射部は、前記第二表示素子が出射した前記第五映像光を分割して、視距離の異なる複数の前記表示像を形成するための複数の反射面を有し、
複数の前記反射面のうち、少なくとも1つは曲面である、
表示装置。
【0356】
(技術2)
前記第一構成を備え、
前記透過光路及び前記反射光路の他方の光路上に配置された第二反射鏡を備える、
技術1に記載の表示装置。
【0357】
(技術3)
前記第一反射鏡及び前記第二反射鏡の少なくとも1つは凹面鏡または凸面鏡である、
技術2に記載の表示装置。
【0358】
(技術4)
前記第一偏光ハーフミラー、前記第一反射鏡及び前記第二反射鏡の少なくとも1つを動作させる駆動部を有する、
技術2に記載の表示装置。
【0359】
(技術5)
前記第一構成を備え、
前記第一表示ユニットは、
表示面を有する表示素子と、
前記表示面の一部のみに積層された第一λ/2板とを有する、
技術1~4のいずれかひとつに記載の表示装置。
【0360】
(技術6)
前記他方の光路上に配置された第二λ/4板を備える、
技術2~4のいずれかひとつに記載の表示装置。
【0361】
(技術7)
前記第一構成を備え、
前記第一表示ユニットから出射された前記第一映像光及び前記第二映像光は、互いに半位相ずれた状態の円偏光であり、
前記第一λ/4板は、前記第一偏光ハーフミラーにおける前記第一表示ユニット側の第一面に積層されている、
技術1~6のいずれかひとつに記載の表示装置。
【0362】
(技術8)
前記第一偏光ハーフミラーにおける前記第一面とは反対側の第二面に積層された第三λ/4板を有する、
技術7に記載の表示装置。
【0363】
(技術9)
前記第一構成を備え、
前記第一表示ユニットは、前記第一領域と前記第二領域との境界からは前記第一映像光及び前記第二映像光を出射させない、
技術1~8のいずれかひとつに記載の表示装置。
【0364】
(技術10)
前記第一構成を備え、
ユーザから見て、前記第一映像光と前記第二映像光とは水平方向に並んで配置されている、
技術1~9のいずれかひとつに記載の表示装置。
【0365】
(技術11)
前記第一構成を備え、
ユーザから見て、前記第一映像光と前記第二映像光とは垂直方向に並んで配置されている、
技術1~10のいずれかひとつに記載の表示装置。
【0366】
(技術12)
前記第一構成を備え、
前記第一領域と前記第二領域とは、それぞれ1画素以上5画素以下の幅を有し、交互に並んでいる、
技術1~10のいずれかひとつに記載の表示装置。
【0367】
(技術13)
前記第一構成を備え、
ユーザから見て、前記第一映像光及び前記第二映像光の一方は他方を囲むように配置されている、
技術1~10のいずれかひとつに記載の表示装置。
【0368】
(技術14)
前記第一構成と、
側面視で前記第一偏光ハーフミラーに交差する角度で、前記第一表示ユニット及び前記第一反射鏡と対向するように配置された第二偏光ハーフミラーとを備え、
前記第一表示ユニットは、前記第一領域と前記第二領域とは異なる第五領域からも前記第一映像光を出射し、
前記第五領域から出射された前記第一映像光は、前記第二偏光ハーフミラーを透過した後、前記第一反射鏡で反射され、さらに前記第二偏光ハーフミラーで反射される、
技術2、3、4、6のいずれかひとつに記載の表示装置。
【0369】
(技術15)
前記第一領域から出射された前記第一映像光は、前記第一偏光ハーフミラーを透過した後、前記第一反射鏡及び前記第一偏光ハーフミラーで反射され、さらに、前記第一偏光ハーフミラーを透過することで、ユーザから見て最奥部に表示され、
前記第二領域から出射された前記第二映像光は、前記第一偏光ハーフミラーで反射されることで、ユーザから見て最手前部に表示され、
前記第五領域から出射された前記第一映像光は、前記第二偏光ハーフミラーを透過した後、前記第一反射鏡で反射され、さらに前記第二偏光ハーフミラーで反射されることで、ユーザから見て前記最奥部と前記最手前部の間の中間部に表示される、
技術14に記載の表示装置。
【0370】
(技術16)
前記最手前部には警告表示がなされ、前記中間部には計器表示がなされ、前記最奥部には注意喚起表示がなされる第一表示形態と、
前記最手前部には道路情報表示がなされ、前記中間部には計器表示がなされ、前記最奥部にはナビゲーション表示がなされる第二表示形態との少なくとも一方が表示される、
技術15に記載の表示装置。
【0371】
(技術17)
前記第一表示形態と前記第二表示形態とが所定の条件に基づき切り替わる、
技術16に記載の表示装置。
【0372】
(技術18)
前記第二構成を備え、
前記ハーフミラーは、偏光ハーフミラーであり、
前記第三反射鏡と前記偏光ハーフミラーとの間には第四λ/4板が配置されている、
技術1に記載の表示装置。
【0373】
(技術19)
前記第三領域から出射された前記第三映像光を前記偏光ハーフミラーに向けて反射させる第四反射鏡を備える、
技術18に記載の表示装置。
【0374】
(技術20)
前記第三領域に積層された第五λ/4板を有し、
前記第三反射鏡は凹面鏡または凸面鏡であり、
前記第四λ/4板は、前記偏光ハーフミラーにおける前記第三反射鏡に対向する面に積層されている、
技術19に記載の表示装置。
【0375】
(技術21)
前記第四映像光が前記偏光ハーフミラーで反射されるまでに、当該第四映像光を反射させる第五反射鏡を有する、
技術18~20のいずれかひとつに記載の表示装置。
【0376】
(技術22)
前記第二構成を備え、
前記ハーフミラー及び前記第三反射鏡の少なくとも1つを動作させる駆動部を有する、
技術1、18~21のいずれかひとつに記載の表示装置。
【0377】
(技術23)
前記第二構成を備え、
前記第二表示ユニットは、前記第三領域と前記第四領域との境界からは前記第三映像光及び前記第四映像光を出射させない、
技術1、18~22のいずれかひとつに記載の表示装置。
【0378】
(技術24)
前記第三構成を備え、
前記第一反射部は、複数の前記反射面を支持する複数の支持体を有し、
複数の前記支持体のうち、1つの支持体は、少なくとも2つの前記反射面を支持する、
技術1に記載の表示装置。
【0379】
(技術25)
前記第三構成を備え、
前記第一反射部は、複数の前記反射面の全てを一括して支持する支持体を有する、
技術1または24に記載の表示装置。
【0380】
(技術26)
前記曲面である反射面を支持する前記支持体は、前記第二表示素子に対向する第一主面とは反対側の第二主面が、前記曲面である反射面である、
技術24または25に記載の表示装置。
【0381】
(技術27)
前記第三構成を備え、
前記第五映像光を反射する、前記第一反射部とは別体の第二反射部を有する、
技術1、24~26のいずれかひとつに記載の表示装置。
【0382】
(技術28)
前記第三構成を備え、
前記第二表示素子は、単一偏光からなる前記第五映像光を出射し、
前記表示装置は、
前記第二表示素子及び前記第一反射部に対向する位置に配置され、前記第五映像光を反射する第三偏光ハーフミラーと、
前記第三偏光ハーフミラー及び前記第一反射部との間に配置された第六λ/4板とを備える、
技術1、24~27のいずれかひとつに記載の表示装置。
【0383】
(技術29)
前記第三構成を備え、
前記第二表示素子は、単一偏光からなる前記第五映像光を出射し、
前記表示装置は、
前記第二表示素子及び前記第一反射部の間に配置され、前記第五映像光を透過する第三偏光ハーフミラーと、
前記第三偏光ハーフミラー及び前記第一反射部との間に配置された第六λ/4板とを備える、
技術1、24~27のいずれかひとつに記載の表示装置。
【0384】
(技術30)
前記第三偏光ハーフミラーは、互いに異なる偏光特性を有する複数の領域を有する、
技術28または29に記載の表示装置。
【0385】
(技術31)
前記第二表示素子の表示面の一部のみに積層された第二λ/2板を有する、
技術28または29に記載の表示装置。
【0386】
(技術32)
前記第三構成を備え、
複数の前記反射面のうち、少なくとも1つは平面である、
技術1、24~31のいずれかひとつに記載の表示装置。
【0387】
(技術33)
前記第三構成を備え、
前記反射面は、3つ以上であり、
3つ以上の前記反射面のそれぞれは、曲率が異なる、
技術1、24~32のいずれかひとつに記載の表示装置。
【0388】
(技術34)
前記第三構成を備え、
前記反射面は、3つ以上であり、
3つ以上の前記反射面のそれぞれは、前記第二表示素子からの距離が異なる、
技術1、24~33のいずれかひとつに記載の表示装置。
【0389】
(技術35)
前記第三構成を備え、
ユーザから見て、複数の前記表示像は水平方向に並んで配置されている、
技術1、24~34のいずれかひとつに記載の表示装置。
【0390】
(技術36)
前記第三構成を備え、
ユーザから見て、複数の前記表示像は垂直方向に並んで配置されている、
技術1、24~34のいずれかひとつに記載の表示装置。
【0391】
(技術37)
前記第三構成を備え、
前記第二表示素子は、複数の前記表示像のうち、隣り合う表示像同士の間隔を所定範囲以上となるように、前記第五映像光を出射する、
技術1、24~36のいずれかひとつに記載の表示装置。
【0392】
(技術38)
前記第三構成を備え、
ユーザの視点を検出する視点検出部と、
前記第二表示素子を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記視点検出部の検出結果に基づいて前記第二表示素子の表示内容を制御する、
技術1または24~37のいずれかひとつに記載の表示装置。
【0393】
(技術39)
前記第三構成を備え、
前記第二表示素子を制御する制御部を備え、
前記制御部は、複数の前記表示像の視距離に基づいて、前記表示像ごとの輝度を制御する、
技術1、24~38のいずれかひとつに記載の表示装置。
【0394】
(技術40)
前記第三構成と、
前記第二表示素子を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、複数の前記表示像のそれぞれをなす前記第五映像光の反射回数に応じて、前記第二表示素子での表示内容を反転させるか否かを決定する、
技術1または24~39のいずれかひとつに記載の表示装置。
【0395】
(技術41)
前記第三構成を備え、
前記第一反射部及び前記第二表示素子の少なくとも一方を動作させる第三駆動部を有する、
技術1または24~39のいずれかひとつに記載の表示装置。
【0396】
(技術42)
前記第三構成を備え、
ユーザから見て、複数の前記表示像のうち、1つの表示像は他の表示像を囲むように配置されている、
技術1または24~34のいずれかひとつに記載の表示装置。
【産業上の利用可能性】
【0397】
本開示は、画像を表示するための表示装置等に利用できる。
【符号の説明】
【0398】
1 車両
2 ユーザ
10、10A、10B、10C、10D、10E、10G、10H、10I、10J、10K、10M、10U、10P 表示装置
12、12c、12g、12i、12j、12m、12p 第一表示ユニット
13、13g、13h、13i、13j、13p 第一偏光ハーフミラー
14、14d、14g、14h、14i、14j、14p 第一反射鏡
15、15e、15g、15h、15i、15p 第二反射鏡
16p 第二偏光ハーフミラー
20 筐体
22 出射部
30、30i 表示素子
31、31p、31i 表示面
32、32p、32i 第一λ/2板
41、41c、41d、41g、41h、41i、41j、41p 第一λ/4板
42b、42e、42h、42i 第二λ/4板
43c 第三λ/4板
44c、45c、46p λ/4板
50m 遮光板
81k、82k、83k 第一駆動部
101 車両
102 ユーザ
110、110A、110B、110C、110D 表示装置
112、112a 第二表示ユニット
113 ハーフミラー
113a、113b ハーフミラー(偏光ハーフミラー)
114、114b 第三反射鏡
115 第四反射鏡
116c 第五反射鏡
120 筐体
122 出射部
130 表示素子
131 表示面
132 遮光板
141a、141b 第四λ/4板
142b 第五λ/4板
181d 第二駆動部
182d 第二駆動部
201 車両
202 ユーザ
210、210G、210H、210I、210J、210K、210M、210N、210P、210Q、210R、210S 表示装置
220 筐体
222 出射部
230、230h、230p 表示ユニット
231 第二表示素子
232 表示面
233h λ/4板
275h、275i、275j、275k、275m、275n、275p、276n 第六λ/4板
235p 第二λ/2板
240、240a、240b、240c、240d、240e、240f、240q 第一反射部
241、241q 第一主面
242、242a、242q 第二主面
250 制御部
260g、260k、260m、260n、260p 第二反射部
270h、270i、270j、270k、270m、270n、270p 第三偏光ハーフミラー
271m、271n 両端部
272m、272n、414d 中間部
280r 第三駆動部
285s 視点検出部
321、322、323、421a 領域
410c、410d、410e、410f、420c、420d、420e、420f、430c 個片
411、411c、411d、411e、411f、411q 第一反射面
412、412c、412d、412e、412f、412q 第二反射面
413、413b、413c、413d、413e、413q 第三反射面
G1、G1b、G1d、G1e、G1f、G1n 表示画像
G11、G11d、G12、G12d、G11b、G12b、G11e、G12e、G11f、G12f、G11n、G12n、G1p、G2p、G5p 画像
G10p 第一表示形態
G20p 第二表示形態
G101、G101b 表示画像
G111、G111b、G112、G112b 画像
G201、G202、G203、G201t、G202t 表示像
Gr 回転数計
Gs 速度計
Gt 表示欄
L1 第一映像光
L2 第二映像光
L101 第三映像光
L102 第四映像光
L201 第六映像光
L202 第七映像光
L203 映像光
R1、R1p 第一領域
R2、R2p 第二領域
R5p 第五領域
R101 第三領域
R102 第四領域
R201 一定範囲
R202 所定範囲