(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129783
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】積層型キャパシタおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01G 4/30 20060101AFI20240919BHJP
H01G 4/33 20060101ALI20240919BHJP
【FI】
H01G4/30 201C
H01G4/30 513
H01G4/30 512
H01G4/30 201K
H01G4/30 311D
H01G4/30 517
H01G4/33 102
H01G4/30 541
H01G4/30 547
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023200731
(22)【出願日】2023-11-28
(31)【優先権主張番号】10-2023-0032771
(32)【優先日】2023-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】朴 世訓
(72)【発明者】
【氏名】安 永圭
(72)【発明者】
【氏名】趙 成▲ミン▼
(72)【発明者】
【氏名】朴 泰俊
(72)【発明者】
【氏名】金 彙大
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AC01
5E001AC09
5E001AF06
5E001AH03
5E001AJ01
5E082AA01
5E082AB03
5E082BC39
5E082EE05
5E082EE12
5E082EE23
5E082EE37
5E082FF05
5E082FG03
5E082FG42
5E082GG11
5E082JJ03
5E082JJ12
(57)【要約】
【課題】厚さを薄くし、かつ、複数層の第1内部電極および第2内部電極が積層できる積層型キャパシタおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】一実施例による積層型キャパシタは、誘電体層と、前記誘電体層を挟んで離隔して厚さ方向に積層される第1内部電極および第2内部電極とを含む本体と、前記第1内部電極に接続される第1外部電極と、前記厚さ方向に垂直な長手方向に前記第1外部電極と離隔し、前記第2内部電極に接続される第2外部電極とを含み、前記第1内部電極および前記第2内部電極それぞれは、前記厚さ方向に垂直な水平面と、少なくとも一部の領域で前記水平面に対して傾斜した傾斜面とを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体層と、前記誘電体層を挟んで互いに離隔して、厚さ方向に積層される第1内部電極および第2内部電極とを含む本体と、
前記第1内部電極に接続される第1外部電極と、
前記厚さ方向に垂直な長手方向において前記第1外部電極と離隔し、前記第2内部電極に接続される第2外部電極とを含み、
前記第1内部電極および前記第2内部電極のそれぞれは、前記厚さ方向に垂直な水平面と、少なくとも一部の領域で前記水平面に対して傾斜した傾斜面とを有する、積層型キャパシタ。
【請求項2】
前記第1内部電極の上面は、前記第1外部電極から前記第2外部電極に近づくほど前記長手方向に対して下向きに傾斜する、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項3】
前記第2内部電極の下面は、前記第2外部電極から前記第1外部電極に近づくほど前記長手方向に対して上向きに傾斜する、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項4】
前記厚さ方向および前記長手方向に沿った横断面を基準として、前記第1内部電極と前記第2内部電極は、点対称である、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項5】
前記第1内部電極の上面は、
前記厚さ方向に沿って前記第2内部電極に対向する領域に位置する第1傾斜部と、
前記厚さ方向に沿って前記第2内部電極に対向する領域の外側に位置する第1水平部とを含む、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項6】
前記第2内部電極の下面は、
前記厚さ方向に沿って前記第1内部電極に対向する領域に位置する第2傾斜部と、
前記厚さ方向に沿って前記第1内部電極に対向する領域の外側に位置する第2水平部とを含む、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項7】
前記誘電体層は、
前記厚さ方向において互いに対向する前記第1内部電極の上面と前記第2内部電極の下面との間に位置し、前記長手方向に対して傾斜する第1誘電体層と、
前記厚さ方向において互いに対向する前記第1内部電極の下面と前記第2内部電極の上面との間に位置し、前記長手方向に並んだ第2誘電体層とを含む、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項8】
前記第1誘電体層および前記第2誘電体層は、前記長手方向に沿って前記第1内部電極と第2内部電極との間の厚さが均一である、請求項7に記載の積層型キャパシタ。
【請求項9】
前記本体は、互いに隣接してそれぞれ前記第2外部電極に接続される第1本体および第2本体を含み、
前記第1外部電極は、一対が前記第1本体および前記第2本体を挟んで前記第2外部電極に対向して両側に配置される、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項10】
前記本体は、互いに隣接してそれぞれ前記第1外部電極に接続される第1本体および第2本体を含み、
前記第2外部電極は、一対が前記第1本体および前記第2本体を挟んで前記第1外部電極に対向して両側に配置される、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項11】
前後方向に沿って配列される遮蔽領域および開放領域を有するシャドウマスクを基板の上側に上下に整列されるように配置した後、前記基板に対して前記前後方向に沿って相対的に移動させながら、蒸着工程を行って、少なくとも一部の領域が傾斜した構造の第1内部電極を形成すること、
前記第1内部電極上に誘電体層を形成すること、
前記シャドウマスクを前記基板の上側に上下に整列されるように配置した後、前記基板に対して前記前後方向に沿って相対的に移動させながら、蒸着工程を行って、少なくとも一部の領域が傾斜した構造の第2内部電極を形成すること、および
前記第2内部電極上に誘電体層を形成することを含む、積層型キャパシタの製造方法。
【請求項12】
前記遮蔽領域および前記開放領域の前記前後方向に沿った長さは、
前記第1内部電極および前記第2内部電極が積層されて形成される本体が1つ製造される区間である、単位工程区間の長さに対応する、請求項11に記載の積層型キャパシタの製造方法。
【請求項13】
前記シャドウマスクは、前記第1内部電極および前記第2内部電極の形成のための蒸着工程が行われる過程で、前記単位工程区間の長さだけ相対的に移動する、請求項12に記載の積層型キャパシタの製造方法。
【請求項14】
前記第1内部電極および前記第2内部電極を形成するために前記シャドウマスクが前記基板に上下に整列される位置は、前記遮蔽領域と前記開放領域との境界が、前記単位工程区間の境界から前記基板に対する前記シャドウマスクの相対的な移動方向にオフセット距離だけ移動した位置である、請求項12に記載の積層型キャパシタの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、積層型キャパシタおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器に用いられる電子部品として、キャパシタ、インダクタ、圧電素子、バリスタまたはサーミスタなどがある。このようなセラミック電子部品のうち、積層型キャパシタは、小型でかつ高容量が保証され、実装が容易であるというメリットによって多様な電子装置に用いられる。
【0003】
例えば、積層型キャパシタは、液晶ディスプレイ(liquid crystal display、LCD)、プラズマディスプレイパネル(plasma display panel、PDP)、有機発光ダイオード(organic light-emitting diode、OLED)などの映像機器、コンピュータ、個人携帯用端末およびスマートフォンのような様々な電子製品の基板に装着され、電気を充電したり放電したりする役割を果たすチップ形態のコンデンサに用いられる。
【0004】
最近、電子製品の小型化および薄膜化の傾向に伴い、既存の積層型キャパシタより厚さの薄い積層型キャパシタに対する需要が増加している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
実施例のうち少なくとも一つの実施例は、厚さを薄くし、かつ、複数層の第1内部電極および第2内部電極が積層できる積層型キャパシタおよびその製造方法を提供する。
【0006】
また、実施例のうち少なくとも一つの実施例は、第1内部電極および第2内部積極がそれぞれ第1外部電極および第2外部電極に接続され、かつ、第2外部電極および第1内部電極に効果的に短絡される構造を有する積層型キャパシタおよびその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一側面による積層型キャパシタは、誘電体層と、前記誘電体層を挟んで互いに離隔して、厚さ方向に積層される第1内部電極および第2内部電極とを含む本体と、前記第1内部電極に接続される第1外部電極と、前記厚さ方向に垂直な長手方向において前記第1外部電極と離隔し、前記第2内部電極に接続される第2外部電極とを含むことができ、前記第1内部電極および前記第2内部電極のそれぞれは、前記厚さ方向に垂直な水平面と、少なくとも一部の領域で前記水平面に対して傾斜した傾斜面とを有することができる。
【0008】
また、前記第1内部電極の上面は、前記第1外部電極から前記第2外部電極に近づくほど前記長手方向に対して下向きに傾斜できる。
【0009】
また、前記第2内部電極は、下面は前記第2外部電極から前記第1外部電極に近づくほど前記長手方向に対して上向きに傾斜できる。
【0010】
また、前記厚さ方向および前記長手方向に沿った横断面を基準として、前記第1内部電極と前記第2内部電極は、点対称であってもよい。
【0011】
また、前記第1内部電極の上面は、前記厚さ方向に沿って前記第2内部電極に対向する領域に位置する第1傾斜部と、前記厚さ方向に沿って前記第2内部電極に対向する領域の外側に位置する第1水平部とを含むことができる。
【0012】
また、前記第2内部電極の下面は、前記厚さ方向に沿って前記第1内部電極に対向する領域に位置する第2傾斜部と、前記厚さ方向に沿って前記第1内部電極に対向する領域の外側に位置する第2水平部とを含むことができる。
【0013】
また、前記誘電体層は、前記厚さ方向において互いに対向する前記第1内部電極の上面と前記第2内部電極の下面との間に位置し、前記長手方向に対して傾斜する第1誘電体層と、前記厚さ方向において互いに対向する前記第1内部電極の下面と前記第2内部電極の上面との間に位置し、前記長手方向に並んだ第2誘電体層とを含むことができる。
【0014】
また、前記第1誘電体層および前記第2誘電体層は、前記長手方向に沿って前記第1内部電極と第2内部電極との間の厚さが均一である。
【0015】
また、前記本体は、互いに隣接してそれぞれ前記第2外部電極に接続される第1本体および第2本体を含み、前記第1外部電極は、一対が前記第1本体および前記第2本体を挟んで前記第2外部電極に対向して両側に配置される。
【0016】
また、前記本体は、互いに隣接してそれぞれ前記第1外部電極に接続される第1本体および第2本体を含み、前記第2外部電極は、一対が前記第1本体および前記第2本体を挟んで前記第1外部電極に対向して両側に配置される。
【0017】
他の側面による積層型キャパシタの製造方法は、前後方向に沿って配列される遮蔽領域および開放領域を有するシャドウマスクを基板の上側に上下に整列されるように配置した後、前記基板に対して前記前後方向に沿って相対的に移動させながら、蒸着工程を行って、少なくとも一部の領域が傾斜した構造の第1内部電極を形成すること、前記第1内部電極上に誘電体層を形成すること、前記シャドウマスクを前記基板の上側に上下に整列されるように配置した後、前記基板に対して前記前後方向に沿って相対的に移動させながら、蒸着工程を行って、少なくとも一部の領域が傾斜した構造の第2内部電極を形成すること、および前記第2内部電極上に誘電体層を形成することを含むことができる。
【0018】
また、前記遮蔽領域および前記開放領域の前記前後方向に沿った長さは、前記第1内部電極および前記第2内部電極が積層されて形成される本体が1つ製造される区間である、単位工程区間の長さに対応できる。
【0019】
また、前記シャドウマスクは、前記第1内部電極および前記第2内部電極の形成のための蒸着工程が行われる過程で、前記単位工程区間の長さだけ相対的に移動できる。
【0020】
また、前記第1内部電極および前記第2内部電極を形成するために前記シャドウマスクが前記基板に上下に整列される位置は、前記遮蔽領域と前記開放領域との境界が、前記単位工程区間の境界から前記基板に対する前記シャドウマスクの相対的な移動方向にオフセット距離だけ移動した位置であってもよい。
【発明の効果】
【0021】
実施例のうち少なくとも一つの実施例によれば、厚さを薄くし、かつ、複数層の第1内部電極および第2内部電極が積層可能な積層型キャパシタおよびその製造方法が提供される。
【0022】
また、実施例のうち少なくとも一つの実施例によれば、第1内部電極および第2内部積極がそれぞれ第1外部電極および第2外部電極に接続され、かつ、第2外部電極および第1内部電極に効果的に短絡される構造を有する積層型キャパシタおよびその製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】第1実施例による積層型キャパシタを示す図である。
【
図2】
図1の積層型キャパシタのI-I’に沿った縦断面図である。
【
図3】第2実施例による積層型キャパシタの切開斜視図である。
【
図4】第3実施例による積層型キャパシタの切開斜視図である。
【
図5】第4実施例による積層型キャパシタの切開斜視図である。
【
図6】第5実施例による積層型キャパシタの切開斜視図である。
【
図7】第6実施例による積層型キャパシタの切開斜視図である。
【
図9】第1実施例による積層型キャパシタの製造方法を示す図である。
【
図10】第1実施例による積層型キャパシタの製造方法を示す図である。
【
図11】第1実施例による積層型キャパシタの製造方法を示す図である。
【
図12】第1実施例による積層型キャパシタの製造方法を示す図である。
【
図13】第1実施例による積層型キャパシタの製造方法を示す図である。
【
図14】第1実施例による積層型キャパシタの製造方法を示す図である。
【
図15】第2実施例による積層型キャパシタの製造方法を示す図である。
【
図16】第2実施例による積層型キャパシタの製造方法を示す図である。
【
図17】第3実施例による積層型キャパシタの製造方法を示す図である。
【
図18】第3実施例による積層型キャパシタの製造方法を示す図である。
【
図19】第3実施例による積層型キャパシタの製造方法を示す図である。
【
図20】第3実施例による積層型キャパシタの製造方法を示す図である。
【
図21】第3実施例による積層型キャパシタの製造方法を示す図である。
【
図22】第3実施例による積層型キャパシタの製造方法を示す図である。
【
図23】第4実施例による積層型キャパシタの製造方法を示す図である。
【
図24】第4実施例による積層型キャパシタの製造方法を示す図である。
【
図25】第4実施例による積層型キャパシタの製造方法を示す図である。
【
図26】第5実施例による積層型キャパシタの製造方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付した図面を参照して、この技術分野に属する通常の知識を有する者が容易に実施できるように、本発明の実施例を詳細に説明する。図面において、本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付した。また、添付図面において一部の構成要素は誇張もしくは省略され、または概略的に示され、各構成要素の大きさは実際の大きさを完全に反映するものではない。
【0025】
添付した図面は本明細書に開示された実施例を容易に理解できるようにするためのものに過ぎず、添付した図面によって本明細書に開示された技術的思想が制限されず、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変更、均等物乃至代替物を含むことが理解されなければならない。
【0026】
第1、第2などのような序数を含む用語は多様な構成要素を説明するのに使用できるが、前記構成要素は前記用語によって限定されない。前記用語は1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使用される。
【0027】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上に」あるとする時、これは他の部分の「直上に」ある場合のみならず、その中間にさらに他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分の「直上に」あるとする時には、中間に他の部分がないことを意味する。なお、基準となる部分の「上に」あるというのは、基準となる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力の反対方向に「上に」位置することを意味するのではない。
【0028】
明細書全体において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、1つまたはそれ以上の他の特徴や、数字、段階、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものの存在または付加の可能性を予め排除しないことが理解されなければならない。したがって、ある部分がある構成要素を「含む」とする時、これは特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに包含できることを意味する。
【0029】
また、明細書全体において、「平面上」とする時、これは対象部分を上から見た時を意味し、「断面上」とする時、これは対象部分を垂直に切断した断面を横から見た時を意味する。
【0030】
さらに、明細書全体において、「連結される」とする時、これは2以上の構成要素が直接的に連結されることだけを意味するのではなく、2以上の構成要素が他の構成要素を介して間接的に連結されること、物理的に連結されることだけでなく、電気的に連結されること、または位置や機能により異なる名称で称されたものの一切を意味することができる。
【0031】
以下、積層型キャパシタ1、1a、1b、1c、1d、1eの構成要素が積層されている方向を厚さ方向Tとする。そして、厚さ方向Tに垂直な平面上に位置し、互いに直交する方向をそれぞれ長手方向Lおよび幅方向Wとする。この時、第1外部電極21と第2外部電極22とが離隔して位置する方向を長手方向Lとする。
【0032】
また、積層型キャパシタ1、1a、1b、1c、1d、1eの本体10、10aの外面において、長手方向Lに離隔して互いに対向する面を第1端部面101、第2端部面102とする。そして、第1端部面101および第2端部面102と垂直に交差して幅方向Wに互いに対向する面は、第1側面103および第2側面104とする。そして、厚さ方向Tに互いに離隔して対向する面を上端面105、下端面106とする。
【0033】
図1は、第1実施例による積層型キャパシタを示す図であり、
図2は、
図1の積層型キャパシタのI-I’に沿った縦断面図である。
【0034】
図1および
図2を参照すれば、一実施例による積層型キャパシタ1は、本体10と、第1外部電極21および第2外部電極22とを含む。
【0035】
本体10は、予め設定された体積を有する。本体10は、第1内部電極110と、第2内部電極120と、誘電体層130とを含む。
【0036】
第1外部電極21は、第1内部電極110に接続される。第1外部電極21は、第1内部電極110の第1端部面101方向の端部に接続される。一例として、第1外部電極21は、本体10の第1端部面101において第1内部電極110に接続される。第1外部電極21は、導電性素材で提供される。例えば、第1外部電極21は、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、スズ(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)、およびこれらの合金などであってもよい。
【0037】
第2外部電極22は、第2内部電極120に接続される。第2外部電極22は、第2外部電極22の第2端部面102方向の端部に接続される。一例として、第2外部電極22は、本体10の第2端部面102において第2内部電極120に接続される。第2外部電極22は、導電性素材で提供される。例えば、第2外部電極22は、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、スズ(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)、およびこれらの合金などであってもよい。
【0038】
第1内部電極110および第2内部電極120は、厚さ方向Tに積層される。第1内部電極110と第2内部電極120は、誘電体層130を挟んで離隔して交互に積層される。第1内部電極110および第2内部電極120は、導電性素材で提供される。第1内部電極110および第2内部電極120は、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、スズ(Sn)、タングステン(W)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、およびこれらの合金などであってもよい。第1内部電極110および第2内部電極120の上述した素材は例示であり、その他の導電性素材が使用されてもよい。第1内部電極110の素材および第2内部電極120の素材は、同一であるか、異なっていてもよい。
【0039】
第1内部電極110は、第2端部面102方向の端部が第1端部面101方向の端部より厚さが薄い。第1内部電極110は、傾斜面を有し、第1外部電極21へ近づくほど厚くなる部分を有する。第1内部電極110は、第1端部面101方向から第2端部面102方向へいくほど厚さが薄くなる。第1内部電極110の上面111は、第1端部面101から第2端部面102方向へいくほど長手方向Lに対して下向傾斜できる。これによって、第1内部電極110の厚さ方向Tおよび長手方向Lを通る横断面の形状は、三角形であってもよい。
【0040】
厚さ方向Tに互いに対向する第1内部電極110の上面111と下面112は、互いに異なる形状を有することができる。第1内部電極110の下面112は、厚さ方向Tに対して垂直な水平面であってもよい。これによって、第1内部電極110の厚さ方向Tおよび長手方向Lを通る横断面の形状は、直角三角形であってもよい。
【0041】
第2内部電極120は、第1端部面101方向の端部が、第2端部面102方向の端部より厚さが薄い。第2内部電極120は、傾斜面を有し、第2外部電極22へ近づくほど厚くなる部分を有する。第2内部電極120は、第2端部面102方向から第1端部面101方向へいくほど厚さが薄くなる。第2内部電極120の第2端部面102方向の端部の厚さは、第1内部電極110の第1端部面101方向の端部の厚さに対応できる。第2内部電極120の下面122は、第2端部面102から第1端部面101方向へいくほど長手方向Lに対して上向傾斜できる。これによって、第2内部電極120の厚さ方向Tおよび長手方向Lを通る横断面の形状は、三角形であってもよい。第2内部電極120の下面122の傾斜度は、第1内部電極110の上面111の傾斜度に対応できる。
【0042】
厚さ方向Tに互いに対向する第2内部電極120の上面121と下面122は、互いに異なる形状を有することができる。第2内部電極120の上面121は、厚さ方向Tに対して垂直な水平面であってもよい。これによって、第2内部電極120の厚さ方向Tおよび長手方向Lを通る横断面の形状は、直角三角形であってもよい。厚さ方向Tおよび長手方向Lを通る横断面を基準として、第2内部電極120の横断面の形状は、第1内部電極110の横断面の形状に対して点(point)対称であってもよい。
【0043】
誘電体層130は、第1内部電極110と第2内部電極120との間に位置する。誘電体層130は、第1誘電体層131および第2誘電体層132を含む。
【0044】
第1誘電体層131は、厚さ方向Tに互いに対向する第1内部電極110の上面111と第2内部電極120の下面122との間に位置する。第1誘電体層131は、第1端部面101から第2端部面102へいくほど長手方向Lに対して下向傾斜する。第1誘電体層131の上面は、第2内部電極120の下面122に対応して第2端部面102へいくほど下向傾斜する。第1誘電体層131の下面は、第1内部電極110の上面111に対応して第2端部面102へいくほど下向傾斜する。第1誘電体層131は、長手方向Lに沿って厚さが均一である。
【0045】
第2誘電体層132は、厚さ方向Tに互いに対向する第1内部電極110の下面112と第2内部電極120の上面121との間に位置する。第2誘電体層132は、長手方向Lに並んで水平である。第2誘電体層132の上面は、第1内部電極110の下面112に対応して水平面であってもよい。第2誘電体層132の下面は、第2内部電極120の上面121に対応して水平面であってもよい。第2誘電体層132は、長手方向Lに沿って厚さが均一である。
【0046】
一実施例による積層型キャパシタ1は、第1内部電極110が本体10の第2端部面102方向へいくほど厚さが薄くなって、第2端部面102方向の一端が尖っていながら極めて薄い構造を有する。これによって、第2外部電極22が第2内部電極120に接続される時、第1内部電極110の第2端部面102方向の一端は、本体10の第2端部面102に隣接して位置した場合にも、第2外部電極22と電気的に短絡された状態を維持する。
【0047】
また、一実施例による積層型キャパシタ1は、第2内部電極120が本体10の第1端部面101方向へいくほど厚さが薄くなって、第1端部面101方向の一端が尖っていながら極めて薄い構造を有する。これによって、第1外部電極21が第1内部電極110に連結される時、第2内部電極120の第1端部面101方向の一端は、本体10の第1端部面101に隣接して位置した場合にも、第1外部電極21と電気的に短絡された状態を維持する。
【0048】
また、一実施例による積層型キャパシタ1の本体10は、積層される第1内部電極110および第2内部電極120の個数に比べて厚さが薄い。具体的には、厚さ方向Tに1つの第1内部電極110、第2内部電極120、第1誘電体層131および第2誘電体層132を1単位区間とする時、1単位区間の厚さは、第1内部電極110の第1端部面101方向の一端の厚さ、第2内部電極120の第2端部面102方向の一端の厚さ、第1誘電体層131の厚さおよび第2誘電体層132の厚さの合計より小さい。
【0049】
図3は、第2実施例による積層型キャパシタの切開斜視図である。
【0050】
図3を参照すれば、第2実施例による積層型キャパシタ1aは、基板9と、本体10と、第1外部電極21および第2外部電極22とを含む。
【0051】
基板9は、予め設定された面積を有する。基板9は、絶縁性素材で提供される。基板9は、金属材質、セラミック材質、ガラス材質などであってもよい。基板9は、シリコンウエハなどであってもよい。
【0052】
本体10は、基板9の上面に位置する。本体10は、第1内部電極110と、第2内部電極120と、誘電体層130とを含む。第1内部電極110、第2内部電極120および誘電体層130は、上述した第1実施例による積層型キャパシタ1に対応する構造を有するので、繰り返しの説明は省略する。
【0053】
第1外部電極21は、第1内部電極110に接続される。第2外部電極22は、第2内部電極120に接続される。第1外部電極21および第2外部電極22は、上述した第1実施例による積層型キャパシタ1に対応する構造を有するので、繰り返しの説明は省略する。
【0054】
図4は、第3実施例による積層型キャパシタの切開斜視図である。
【0055】
図4を参照すれば、第3実施例による積層型キャパシタ1bは、本体10と、第1外部電極21および第2外部電極22とを含む。
【0056】
本体10は、第1本体11および第2本体12を含む。第1本体11および第2本体12は、それぞれ
図1および
図2で上述した本体10に対応する構造を有するので、繰り返しの説明は省略する。第1本体11および第2本体12は、互いに隣接して位置する。第1本体11の第2内部電極120、第2本体12の第2内部電極120は、第2外部電極22に接続される。第1外部電極21は、一対が提供される。それぞれの第1外部電極21は、第1本体11および第2本体12を挟んで第2外部電極22に対向して長手方向Lの両側に配置される。一対の第1外部電極21それぞれは、第1本体11の第1内部電極110、第2本体12の第1内部電極110に接続される。
【0057】
図5は、第4実施例による積層型キャパシタの切開斜視図である。
【0058】
図5を参照すれば、第4実施例による積層型キャパシタ1cは、基板9と、本体10と、第1外部電極21および第2外部電極22とを含む。
【0059】
基板9は、予め設定された面積を有する。基板9は、絶縁性素材で提供される。基板9は、金属材質、セラミック材質、ガラス材質などであってもよい。基板9は、シリコンウエハなどであってもよい。
【0060】
本体10は、基板9の上面に位置する。本体10は、第1本体11および第2本体12を含む。第1本体11および第2本体12は、それぞれ
図1および
図2で上述した本体10に対応する構造を有するので、繰り返しの説明は省略する。
【0061】
第1本体11および第2本体12は、互いに隣接して位置する。第1本体11の第2内部電極120、第2本体12の第2内部電極120は、第2外部電極22に接続される。第1外部電極21は、一対が提供される。それぞれの第1外部電極21は、第1本体11および第2本体12を挟んで第2外部電極22に対向して長手方向Lの両側に配置される。一対の第1外部電極21それぞれは、第1本体11の第1内部電極110、第2本体12の第1内部電極110に接続される。
【0062】
図6は、第5実施例による積層型キャパシタの切開斜視図である。
【0063】
図6を参照すれば、第5実施例による積層型キャパシタ1dは、本体10と、第1外部電極21および第2外部電極22とを含む。
【0064】
本体10は、第1本体11および第2本体12を含む。第1本体11および第2本体12は、それぞれ
図1および
図2で上述した本体10に対応する構造を有するので、繰り返しの説明は省略する。第1本体11および第2本体12は、互いに隣接して位置する。第1本体11の第1内部電極110、第2本体12の第1内部電極110は、第1外部電極21に接続される。第2外部電極22は、一対が提供される。それぞれの第2外部電極22は、第1本体11および第2本体12を挟んで第1外部電極21に対向して長手方向Lの両側に配置される。一対の第2外部電極22それぞれは、第1本体11の第2内部電極120、第2本体12の第2内部電極120に接続される。
【0065】
図7は、第6実施例による積層型キャパシタの切開斜視図である。
【0066】
図7を参照すれば、第6実施例による積層型キャパシタ1eは、基板9と、本体10と、第1外部電極21および第2外部電極22とを含む。
【0067】
基板9は、予め設定された面積を有する。基板9は、絶縁性素材で提供される。基板9は、金属材質、セラミック材質、ガラス材質などであってもよい。基板9は、シリコンウエハなどであってもよい。
【0068】
本体10は、基板9の上面に位置する。本体10は、第1本体11および第2本体12を含む。第1本体11および第2本体12は、それぞれ
図1および
図2で上述した本体10に対応する構造を有するので、繰り返しの説明は省略する。
【0069】
第1本体11および第2本体12は、互いに隣接して位置する。第1本体11の第1内部電極110、第2本体12の第1内部電極110は、第1外部電極21に接続される。第2外部電極22は、一対が提供される。それぞれの第2外部電極22は、第1本体11および第2本体12を挟んで第1外部電極21に対向して長手方向Lの両側に配置される。一対の第2外部電極22それぞれは、第1本体11の第2内部電極120、第2本体12の第2内部電極120に接続される。
【0070】
【0071】
図8を参照すれば、第2実施例による本体10aは、第1内部電極110と、第2内部電極120と、誘電体層130とを含む。
【0072】
第1内部電極110と第2内部電極120は、誘電体層130を挟んで離隔して交互に積層される。第1内部電極110および第2内部電極120は、導電性素材で提供される。
【0073】
第1内部電極110は、第2端部面102方向の端部が、第1端部面101方向の端部より厚さが薄い。第1内部電極110は、少なくとも一部の領域で傾斜面を有し、第1端部面101へ近づくほど厚くなる部分を有する。第1内部電極110の厚さ方向Tに互いに対向する上面111と下面112は、互いに異なる形状を有することができる。第1内部電極110の第2端部面102方向の一端は、第2端部面102から第1端部面101方向に予め設定された距離離隔して位置できる。第1内部電極110の上面111は、第1傾斜部111aおよび第1水平部111bを含む。第1傾斜部111aは、第1内部電極110の第2端部面102方向の領域に位置する。第1傾斜部111aは、第2端部面102方向へいくほど下向傾斜する。これによって、第1内部電極110の第2端部面102方向の領域は、第2端部面102方向へいくほど厚さが薄くなる。第1傾斜部111aは、厚さ方向Tに沿って第2内部電極120に対向する領域OLに位置できる。第1内部電極110の第2端部面102方向の領域の厚さ方向Tおよび長手方向Lに沿った横断面は、三角形であってもよい。第1水平部111bは、第1内部電極110の第1端部面101方向の領域に位置する。第1水平部111bは、厚さ方向Tに沿って第2内部電極120に対向する領域OLの外側に位置できる。第1水平部111bは、厚さ方向Tに垂直な水平面であってもよい。
【0074】
第1内部電極110の下面112は、厚さ方向Tに対して垂直な水平面であってもよい。これによって、第1内部電極110の第2端部面102方向の領域は、厚さ方向Tおよび長手方向Lに沿った横断面の形状が直角三角形であってもよい。第1内部電極110の第1端部面101方向の領域は、長手方向Lに沿った上下の厚さが均一である。
【0075】
第2内部電極120は、第1端部面101方向の端部が、第2端部面102方向の端部より厚さが薄い。第2内部電極120は、少なくとも一部の領域で傾斜面を有し、第2端部面102へ近づくほど厚くなる部分を有する。第2内部電極120の厚さ方向Tに互いに対向する上面121と下面122は、互いに異なる形状を有することができる。
【0076】
第2内部電極120の第1端部面101方向の一端は、第1端部面101から第2端部面102方向に予め設定された距離離隔して位置できる。
【0077】
第2内部電極120の下面122は、第2傾斜部122aおよび第2水平部122bを含む。第2傾斜部122aは、第2内部電極120の第1端部面101方向の領域に位置する。第2傾斜部122aは、第1端部面101方向へいくほど上向傾斜する。これによって、第2内部電極120の第1端部面101方向の領域は、第1端部面101方向へいくほど厚さが薄くなる。第2内部電極120の第1端部面101方向の領域の厚さ方向Tおよび長手方向Lに沿った横断面は、三角形であってもよい。第2傾斜部122aは、厚さ方向Tに沿って第1内部電極110に対向する領域OLに位置できる。
【0078】
第2傾斜部122aは、第1傾斜部111aと厚さ方向Tに整列されるように位置できる。第2傾斜部122aの傾きは、第1傾斜部111aの傾きに対応できる。
【0079】
第2水平部122bは、第2内部電極120の第2端部面102方向の領域に位置する。第2水平部122bは、厚さ方向Tに沿って第1内部電極110に対向する領域OLの外側に位置できる。第2水平部122bは、厚さ方向Tに垂直な水平面であってもよい。
【0080】
第2内部電極120の上面121は、厚さ方向Tに対して垂直な水平面であってもよい。これによって、第2内部電極120の第1端部面101方向の領域は、厚さ方向Tおよび長手方向Lに沿った横断面の形状が直角三角形であってもよい。第2内部電極120の第2端部面102方向の領域は、長手方向Lに沿った厚さが均一である。
【0081】
誘電体層130は、第1内部電極110と第2内部電極120との間に位置する。誘電体層130は、第1誘電体層131および第2誘電体層132を含む。
【0082】
第1誘電体層131は、厚さ方向Tに互いに対向する第1内部電極110の上面111と第2内部電極120の下面122との間に位置する。第1誘電体層131は、第1内部電極110の第1傾斜部111aと第2内部電極120の第2傾斜部122aとの間に位置できる。第1誘電体層131は、第2端部面102方向へいくほど長手方向Lに対して下向傾斜する。第1誘電体層131の上面は、第2傾斜部122aに対応して第2端部面102方向へいくほど下向傾斜する。第1誘電体層131の下面は、第1傾斜部111aに対応して第2端部面102方向へいくほど下向傾斜する。第1誘電体層131は、長手方向Lに沿って厚さ方向Tの厚さが均一である。
【0083】
第2誘電体層132は、厚さ方向Tに互いに対向する第1内部電極110の下面112と第2内部電極120の上面121との間に位置する。第2誘電体層132は、長手方向Lに並んで水平である。第2誘電体層132の上面は、第1内部電極110の下面112に対応して水平面であってもよい。第2誘電体層132の下面は、第2内部電極120の上面121に対応して水平面であってもよい。第2誘電体層132は、長手方向Lに沿って厚さ方向Tの厚さが均一である。
【0084】
第1外部電極21は、第1内部電極110の第1端部面101方向の領域に接続される。一例として、第1外部電極21は、本体10の第1端部面101において第1内部電極110に接続される。第1外部電極21は、導電性素材で提供される。
【0085】
第2外部電極22は、第2外部電極22の第2端部面102方向の領域に接続される。一例として、第2外部電極22は、本体10の第2端部面102において第2内部電極120に接続される。第1外部電極21は、導電性素材で提供される。
【0086】
第2実施例による本体10aは、第1内部電極110の第2端部面102方向の一端が尖っていながら極めて薄い構造を有する。これによって、第1内部電極110は、第2外部電極22と効果的に電気的に短絡された状態を維持する。
【0087】
また、第2実施例による本体10aは、第2内部電極120の第1端部面101方向の一端が尖っていながら極めて薄い構造を有する。これによって、第2内部電極120は、第1外部電極21と効果的に電気的に短絡された状態を維持する。
【0088】
さらに、第2実施例による本体10aは、積層される第1内部電極110および第2内部電極120の個数に比べて厚さが薄い。
【0089】
第2実施例による本体10aは、
図1~
図7で上述した第1実施例~第6実施例による積層型キャパシタ1に適用可能である。また、第3実施例~第6実施例による積層型キャパシタ1b、1c、1d、1eは、
図2で上述した本体10と第2実施例による本体10aがそれぞれ1つずつ用いられてもよい。
【0090】
以下、
図9~
図28において、図面の左側を後方とし、図面の右側を前方とする。そして、長手方向Lに沿って、第1内部電極110および第2内部電極120が積層されて1つの本体10、10aが製造される区間を単位工程区間U.P.とする。
【0091】
図9~
図14は、第1実施例による積層型キャパシタの製造方法を示す図である。
【0092】
以下、
図9~
図14を参照して、第1実施例による積層型キャパシタの製造方法を説明する。
【0093】
図9を参照すれば、第1内部電極110蒸着のためのシャドウマスクS.Mが基板Sの上側に整列されて位置する。基板Sは、その上面に誘電体層130が形成された状態であるか、誘電体層130なしにその上面が上側に露出した状態であってもよい。シャドウマスクS.Mは、長手方向Lに沿って配列される少なくとも1つ以上の遮蔽領域S.A.および少なくとも1つ以上の開放領域O.A.を含む。遮蔽領域S.A.および開放領域O.A.は、交互に位置できる。遮蔽領域S.A.の長手方向Lの長さ、開放領域O.A.の長手方向Lの長さは、単位工程区間U.P.の長さに対応できる。遮蔽領域S.A.の後端、開放領域O.A.の後端は、単位工程区間U.P.の後端と上下に整列されるように位置する。
【0094】
図10を参照すれば、シャドウマスクS.Mが基板Sに対して前方に相対的に移動しながら、第1内部電極110の蒸着が行われる。相対的に移動することは、シャドウマスクS.Mが前方に移動する場合、基板Sが後方に移動する場合、シャドウマスクS.Mが前方に移動し基板Sが後方に移動する場合を意味する。シャドウマスクS.Mが単位工程区間U.P.の長さだけ移動しながら、第1内部電極110の蒸着が行われる。第1内部電極110は、上面が傾斜した構造を有するように蒸着される。第1内部電極110は、単位工程区間U.P.ごとに1つが形成される。
【0095】
図11を参照すれば、誘電体層130が形成される。誘電体層は、蒸着工程により均一な厚さに形成される。これによって、第1内部電極110の上側に第1誘電体層131が形成される。
【0096】
図12を参照すれば、第2内部電極120蒸着のためのシャドウマスクS.Mが基板Sの上側に整列されて位置する。遮蔽領域S.A.は、第1内部電極110の蒸着段階で開放領域O.A.が位置した領域に位置し、開放領域O.A.は、第1内部電極110の蒸着段階で遮蔽領域S.A.が位置した領域に位置する。
【0097】
図13を参照すれば、シャドウマスクS.Mが基板Sに対して前方に相対的に移動しながら、第2内部電極120の蒸着が行われる。シャドウマスクS.Mが単位工程区間U.P.の長さだけ相対的に移動しながら、第2内部電極120の蒸着が行われる。第2内部電極120は、下面122が傾斜した構造を有するように蒸着される。第2内部電極120の上面121は、水平面形態であってもよい。第2内部電極120は、単位工程区間U.P.ごとに1つが形成される。
【0098】
図14を参照すれば、誘電体層130が形成される。誘電体層130は、蒸着工程により均一な厚さに形成される。これによって、第2内部電極120の上側に第2誘電体層132が形成される。
【0099】
上述した第1内部電極110の蒸着、誘電体層130の形成、第2内部電極120の蒸着、誘電体層130の形成が2回以上繰り返されると、それぞれの単位工程区間U.P.に第1内部電極110、第2内部電極120が上下に積層された本体10が製造される。以後、第1内部電極110、第2内部電極120にそれぞれ第1外部電極21、第2外部電極22が接続されると、積層型キャパシタ1の製造が完了する。
【0100】
第1実施例による積層型キャパシタの製造方法によれば、本体10の製造が蒸着工程により行われる。これによって、より微細な構造の第1内部電極110、第2内部電極120が高密度に積層された構造の積層型キャパシタ1a、1b、1c、1d、1eを製造することができる。
【0101】
図15および
図16は、第2実施例による積層型キャパシタの製造方法を示す図である。
【0102】
第1内部電極110蒸着のためのシャドウマスクS.Mが基板Sの上側に整列されて位置した後、シャドウマスクS.Mが基板Sに対して前方に相対的に移動しながら、第1内部電極110の蒸着が行われる。この後、誘電体層130が形成される。具体的な過程は、
図9~
図11と同一であるので、繰り返しの説明は省略する。
【0103】
以下、
図15および
図16を参照して、第2実施例による積層型キャパシタの製造方法を説明する。
【0104】
図15を参照すれば、第2内部電極120蒸着のためのシャドウマスクS.Mが基板Sの上側に整列されて位置する。遮蔽領域S.A.および開放領域O.A.は、第1内部電極110の蒸着が開始される時の位置と同一に位置できる。
【0105】
図16を参照すれば、シャドウマスクS.Mが基板Sに対して後方に相対的に移動しながら、第2内部電極120の蒸着が行われる。シャドウマスクS.Mが単位工程区間U.P.の長さだけ移動しながら、第2内部電極120の蒸着が行われる。第2内部電極120は、単位工程区間U.P.ごとに1つが形成される。
【0106】
以後、誘電体層130が形成される。誘電体層130の形成方法は、
図14と同一であるので、繰り返しの説明は省略する。
【0107】
上述した第1内部電極110の蒸着、誘電体層130の形成、第2内部電極120の蒸着、誘電体層130の形成が2回以上繰り返されると、それぞれの単位工程区間U.P.に第1内部電極110、第2内部電極120が上下に積層された本体10が製造される。以後、第1内部電極110、第2内部電極120にそれぞれ第1外部電極21、第2外部電極22が連結されると、積層型キャパシタ1a、1b、1c、1d、1eの製造が完了する。
【0108】
第2実施例による積層型キャパシタの製造方法によれば、積層型キャパシタ1の本体10の製造が蒸着工程により行われる。これによって、より微細な構造の第1内部電極110、第2内部電極120が高密度に積層された構造の積層型キャパシタ1a、1b、1c、1d、1eを製造することができる。
【0109】
図17~
図22は、第3実施例による積層型キャパシタの製造方法を示す図である。
【0110】
以下、
図17~
図22を参照して、第3実施例による積層型キャパシタの製造方法を説明する。
【0111】
図17を参照すれば、第1内部電極110蒸着のためのシャドウマスクS.Mが基板Sの上側に整列されて位置する。基板Sは、その上面に誘電体層130が形成された状態であるか、誘電体層130なしにその上面が上側に露出した状態であってもよい。シャドウマスクS.Mは、長手方向Lに沿って配列される少なくとも1つ以上の遮蔽領域S.A.および少なくとも1つ以上の開放領域O.A.を含む。遮蔽領域S.A.および開放領域O.A.は、交互に位置できる。遮蔽領域S.A.の長手方向Lの長さ、開放領域O.A.の長手方向Lの長さは、単位工程区間U.P.の長さと同一であってもよい。遮蔽領域S.A.と開放領域O.A.との境界は、単位工程区間U.P.の境界からシャドウマスクS.Mの相対的な移動方向である前方にオフセット距離O.Sだけ移動した状態で位置する。オフセット距離O.Sは、単位工程区間U.P.の長さの1/2より小さい。
【0112】
図18を参照すれば、シャドウマスクS.Mが基板Sに対して前方に相対的に移動しながら、第1内部電極110の蒸着が行われる。相対的に移動することは、シャドウマスクS.Mが前方に移動する場合、基板Sが後方に移動する場合、シャドウマスクS.Mが前方に移動し基板Sが後方に移動する場合を意味する。シャドウマスクS.Mが単位工程区間U.P.の長さより短い距離を移動しながら、第1内部電極110の蒸着が行われる。第1内部電極110の蒸着およびシャドウマスクS.Mの移動が終了した時、遮蔽領域S.A.と開放領域O.A.との境界は、単位工程区間U.P.の境界から後方に予め設定された距離離隔した地点に位置できる。シャドウマスクS.Mの移動距離は、単位工程区間U.P.の長さからオフセット距離O.Sの2倍を引いた値であってもよい。第1内部電極110の上面111は、第1傾斜部111aおよび第1水平部111bを有し、一部の領域が傾斜した構造で蒸着される。第1傾斜部111aが互いに対向する区間には第1内部電極110が蒸着されない。第1内部電極110は、単位工程区間U.P.ごとに1つが形成される。
【0113】
図19を参照すれば、誘電体層130が形成される。誘電体層は、蒸着工程により均一な厚さに形成される。これによって、第1内部電極110の上側に第1誘電体層131が形成される。
【0114】
図20を参照すれば、第2内部電極120蒸着のためのシャドウマスクS.Mが基板Sの上側に整列されて位置する。遮蔽領域S.A.は、第1内部電極110の蒸着段階で開放領域O.A.が位置した領域に位置し、開放領域O.A.は、第1内部電極110の蒸着段階で遮蔽領域S.A.が位置した領域に位置する。遮蔽領域S.A.の前端、開放領域O.A.の前端は、単位工程区間U.P.の境界から前方にオフセット距離O.Sだけ移動した状態で位置する。
【0115】
図21を参照すれば、シャドウマスクS.Mが基板Sに対して前方に相対的に移動しながら、第2内部電極120の蒸着が行われる。シャドウマスクS.Mが単位工程区間U.P.の長さより短い距離を相対的に移動しながら、第2内部電極120の蒸着が行われる。第2内部電極120の蒸着およびシャドウマスクS.Mの移動が終了した時、遮蔽領域S.A.と開放領域O.A.との境界は、単位工程区間U.P.の境界から後方に予め設定された距離離隔した地点に位置できる。シャドウマスクS.Mの移動距離は、単位工程区間U.P.の長さからオフセット距離O.Sの2倍を引いた値であってもよい。第2内部電極120の下面122は、第2傾斜部122aおよび第2水平部122bを有し、一部の領域が傾斜した構造で蒸着される。第2内部電極120は、単位工程区間U.P.ごとに1つが形成される。第2傾斜部122aが互いに対向する区間には第2内部電極120が蒸着されない。
【0116】
図22を参照すれば、誘電体層130が形成される。誘電体層130は、蒸着工程により均一な厚さに形成される。これによって、第2内部電極120の上側に第2誘電体層132が形成される。
【0117】
また、第2実施例による積層型キャパシタの製造方法と同様に、第2内部電極120蒸着のためのシャドウマスクS.Mは、第1内部電極110の蒸着が開始される時の位置と同一に位置できる。この後、シャドウマスクS.Mが基板Sに対して後方に相対的に移動しながら、第2内部電極120の蒸着が行われる。
【0118】
上述した第1内部電極110の蒸着、誘電体層130の形成、第2内部電極120の蒸着、誘電体層130の形成が2回以上繰り返されると、それぞれの単位工程区間U.P.に第1内部電極110、第2内部電極120が上下に積層された本体10、10aが製造される。以後、第1内部電極110、第2内部電極120にそれぞれ第1外部電極21、第2外部電極22が連結されると、積層型キャパシタ1a、1b、1c、1d、1eの製造が完了する。
【0119】
第2実施例による積層型キャパシタの製造方法によれば、積層型キャパシタ1a、1b、1c、1d、1eの本体10、10aの製造が蒸着工程により行われる。これによって、より微細な構造の第1内部電極110、第2内部電極120が高密度に積層された構造の積層型キャパシタ1a、1b、1c、1d、1eを製造することができる。
【0120】
第2実施例による積層型キャパシタの製造方法によれば、第2実施例による本体10aが蒸着工程により製造される。また、第1水平部111b、第2水平部122bが形成された領域を除去して、第1実施例による積層型キャパシタ1で上述された本体10を製造することができる。
【0121】
図23~
図25は、第4実施例による積層型キャパシタの製造方法を示す図である。
【0122】
以下、
図23~
図25を参照して、第4実施例による積層型キャパシタの製造方法を説明する。
【0123】
図23を参照すれば、複数の本体10、10aが提供される。複数の本体10、10aは、互いに連結された状態であってもよい。複数の本体10、10aの基板Sの上面に位置した状態であってもよい。本体10、10aは、第3実施例による積層型キャパシタの製造方法により製造されて、単位工程区間U.P.それぞれに位置できる。
【0124】
図24を参照すれば、溝Gが形成される。溝Gは、本体10、10aが互いに連結された領域に形成されて、本体10、10aを互いに分離する。溝Gは、単位工程区間U.P.の境界が位置する領域を含んで形成される。溝Gの深さは、本体10、10aの厚さに対応できる。溝Gは、レーザまたは機械的カッターによるカッティング加工により形成される。また、溝Gは、エッチング工程により形成されてもよい。
【0125】
図25を参照すれば、それぞれの本体10、10aに第1外部電極21および第2外部電極22が形成される。第1外部電極21は、本体10、10aの第1内部電極110に接続され、第2外部電極22は、本体10、10aの第2内部電極120に接続される。第1外部電極21および第2外部電極22は、蒸着工程により形成される。第1外部電極21および第2外部電極22の蒸着にはマスクが用いられる。
【0126】
図26は、第5実施例による積層型キャパシタの製造方法を示す図である。
【0127】
複数の本体10、10aに対して溝Gが形成される。複数の本体10、10aおよび溝Gの形成は、第4実施例による積層型キャパシタの製造方法と同一であるので、繰り返しの説明は省略する。
【0128】
図26を参照すれば、第1外部電極21および第2外部電極22が形成される。第2外部電極22は、互いに隣接した本体10、10aの間に形成されて、両側がそれぞれ互いに隣接した本体10、10aの第2内部電極120に連結される。第1外部電極21は、本体10、10aを基準として第2外部電極22の反対方向に形成される。第1外部電極21は、本体10、10aの第1内部電極110に連結される。
【0129】
他の例として、第1外部電極21は、互いに隣接した本体10、10aの間に形成されて、両側がそれぞれ互いに隣接した本体10、10aの第2内部電極120に連結される。第1外部電極21は、本体10、10aを基準として第2外部電極22の反対方向に形成される。第1外部電極21は、本体10、10aの第1内部電極110に連結される。
【0130】
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、これに限定されるものではなく、特許請求の範囲と発明の説明および添付した図面の範囲内で多様に変形して実施することが可能であり、これも本発明の範囲に属することは当然である。
【符号の説明】
【0131】
10:本体
21:第1外部電極
22:第2外部電極
110:第1内部電極
120:第2内部電極
130:誘電体層
131:第1誘電体層
132:第2誘電体層