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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024012979
(43)【公開日】2024-01-31
(54)【発明の名称】ターボファン
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/28 20060101AFI20240124BHJP
   F04D 29/62 20060101ALI20240124BHJP
【FI】
F04D29/28 K
F04D29/28 R
F04D29/62 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022114855
(22)【出願日】2022-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】000113791
【氏名又は名称】マブチモーター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092978
【弁理士】
【氏名又は名称】真田 有
(72)【発明者】
【氏名】白木 謙次
(72)【発明者】
【氏名】吉浦 英樹
(72)【発明者】
【氏名】吉川 哲史
(72)【発明者】
【氏名】川上 咲映
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA13
3H130AB26
3H130AB46
3H130AC11
3H130BA22C
3H130BA95C
3H130CB01
3H130CB05
3H130CB09
3H130CB11
3H130CB19
3H130DD02Z
3H130EA02C
3H130EA06C
3H130EA07C
3H130EB01C
3H130EB03C
3H130EC17C
3H130ED01C
3H130ED02C
(57)【要約】
【課題】超音波溶着時に発生するバリを逃がす機能と振動エネルギーの分散を抑制する機能とを実現しつつ、溶着前の二つの部品同士の位置決め精度を高める。
【解決手段】ターボファン1は、平面部2及び平面部2から立設された板状の複数の羽根部4を有する第一部品7と、各羽根部4の端部41が収まる複数の溝部31が凹設された第二部品8と、が互いに超音波溶着により溶着されてなる。各溝部31は、各羽根部4の端部41における板厚よりも幅広の溝幅を持つ。ターボファン1は、溶着前状態で端部41の板厚方向の両側に生じる二つの隙間のそれぞれを部分的に埋める位置決めリブ20を一組有する。一組の位置決めリブ20は、複数の羽根部4のうち少なくとも一つの羽根部4の端部41、又は、複数の溝部31のうち少なくとも一つの溝部31の側面から板厚方向にそれぞれ突出して溝部31の側面、又は、羽根部4の端部41に当接する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転中心に対し直交する方向に沿って延在する平面部、及び、前記平面部から立設されるとともに前記回転中心周りに前記回転中心側から外側に向かって延設された板状の複数の羽根部を有する第一部品と、各々の前記羽根部の延設された端部が収まる複数の溝部が凹設された板状の第二部品と、が互いに超音波溶着により溶着されてなるターボファンにおいて、
各々の前記溝部は、各々の前記羽根部の前記端部における板厚よりも幅広の溝幅を持ち、
前記ターボファンは、前記端部が前記溝部に収まった状態で前記端部の板厚方向の両側に生じる二つの隙間のそれぞれを部分的に埋める位置決めリブを一組有し、
前記一組の位置決めリブは、前記複数の羽根部のうち少なくとも一つの前記羽根部の前記端部から前記板厚方向にそれぞれ突出して前記溝部の側面に当接し、又は、前記複数の溝部のうち少なくとも一つの前記溝部の側面から前記板厚方向にそれぞれ突出して前記羽根部の前記端部に当接する
ことを特徴とする、ターボファン。
【請求項2】
各々の前記羽根部は、前記端部の端面から突設されて前記第一部品と前記第二部品との溶着時に加熱される複数の溶着リブを有し、
前記複数の溶着リブは、前記端部の延設方向に沿って断続的に延在し、
前記位置決めリブは、前記端部の延設方向において前記複数の溶着リブの切れ目に位置し、又は、前記端部が前記溝部に収まった状態で前記溝部の延設方向において前記複数の溶着リブの切れ目に位置する
ことを特徴とする、請求項1に記載のターボファン。
【請求項3】
前記二つの隙間の一方に設けられた前記位置決めリブと他方に設けられた前記位置決めリブとは、前記板厚方向の突出量が互いに等しい
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載のターボファン。
【請求項4】
前記位置決めリブは、前記溝部の側面に対して前記溝部の深さ方向に線状に当接し、又は、前記端部に対して前記羽根部の立設方向に線状に当接する
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載のターボファン。
【請求項5】
前記位置決めリブは、前記回転中心方向から視た形状が円弧状をなす
ことを特徴とする、請求項4に記載のターボファン。
【請求項6】
前記羽根部の前記端部は、前記回転中心方向から視て湾曲形状であり、
前記一組の位置決めリブは、前記溝部に設けられたものであり、
前記二つの隙間の一方に設けられた前記位置決めリブと他方に設けられた前記位置決めリブとは、互いに、各々が前記端部に当接する位置における法線と重なって配置されている
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載のターボファン。
【請求項7】
前記位置決めリブは、前記隙間から前記回転中心方向に突出しない
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載のターボファン。
【請求項8】
前記一組の位置決めリブは、前記複数の羽根部のうち、前記回転中心周りに等間隔で位置する二つ以上の前記羽根部の前記端部又は当該端部が収まる前記溝部に設けられる
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載のターボファン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の羽根部を有する第一部品と第二部品とが互いに超音波溶着により溶着されてなるターボファンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ターボファンには、回転中心の周りに配設された複数の羽根部を、互いに対向する二つの平板部品で挟んだものが知られている。例えば、特許文献1には、複数の羽根部が一体成形された羽根付シュラウドと主板とを備えたターボファンが開示されている。特許文献1において、二つの平板部品(羽根付シュラウドと主板と)を備えたターボファンは、主板に凹設された複数の嵌合部に対して複数の羽根部が嵌め込まれ、超音波溶着により当該嵌合部と羽根部とが溶着されることで形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6899245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1のように、超音波溶着により二つの部品が溶着されてターボファンが形成される場合、二つの部品には、各部品の溶着箇所以外の部分(非溶着部)同士が溶着前に接触しないことが求められる。言い換えれば、二つの部品には、それぞれの非溶着部同士の接触を避けるための隙間が形成されることが要求される。これにより、溶着時に発生するバリを逃がすことができるとともに、超音波溶着の振動エネルギーの分散を防止できる。一方で、二つの部品の間に上述の隙間が形成されることで、二つの部品の間には、ガタが発生する。これにより、溶着前の二つの部品同士の位置が安定しにくくなり、二つの部品を精度よく取り付けることが難しくなる。
【0005】
本件は、このような課題に鑑み案出されたもので、超音波溶着時に発生するバリを逃がす機能と振動エネルギーの分散を抑制する機能とを実現しつつ、溶着前の二つの部品同士の位置決め精度を高めることを目的の一つとする。なお、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示のターボファンは、以下に開示する態様または適用例として実現でき、上記の課題の少なくとも一部を解決する。
(1)ここで開示するターボファンは、回転中心に対し直交する方向に沿って延在する平面部、及び、前記平面部から立設されるとともに前記回転中心周りに前記回転中心側から外側に向かって延設された板状の複数の羽根部を有する第一部品と、各々の前記羽根部の延設された端部が収まる複数の溝部が凹設された板状の第二部品と、が互いに超音波溶着により溶着されてなるターボファンである。各々の前記溝部は、各々の前記羽根部の前記端部における板厚よりも幅広の溝幅を持ち、前記ターボファンは、前記端部が前記溝部に収まった状態で前記端部の板厚方向の両側に生じる二つの隙間のそれぞれを部分的に埋める位置決めリブを一組有し、前記一組の位置決めリブは、前記複数の羽根部のうち少なくとも一つの前記羽根部の前記端部から前記板厚方向にそれぞれ突出して前記溝部の側面に当接し、又は、前記複数の溝部のうち少なくとも一つの前記溝部の側面から前記板厚方向にそれぞれ突出して前記羽根部の前記端部に当接する。
【0007】
(2)上記(1)の場合において、各々の前記羽根部は、前記端部の端面から突設されて前記第一部品と前記第二部品との溶着時に加熱される複数の溶着リブを有することが好ましい。この場合、前記複数の溶着リブは、前記端部の延設方向に沿って断続的に延在することが好ましい。また、この場合、前記位置決めリブは、前記端部の延設方向において前記複数の溶着リブの切れ目に位置し、又は、前記端部が前記溝部に収まった状態で前記溝部の延設方向において前記複数の溶着リブの切れ目に位置することが好ましい。
【0008】
(3)上記(1)又は(2)の場合において、前記二つの隙間の一方に設けられた前記位置決めリブと他方に設けられた前記位置決めリブとは、前記板厚方向の突出量が互いに等しいことが好ましい。
【0009】
(4)上記(1)~(3)のいずれか一つの場合において、前記位置決めリブは、前記溝部の側面に対して前記溝部の深さ方向に線状に当接し、又は、前記端部に対して前記羽根部の立設方向に線状に当接することが好ましい。
(5)上記(4)の場合において、前記位置決めリブは、前記回転中心方向から視た形状が円弧状をなすことが好ましい。
【0010】
(6)上記(1)~(5)のいずれか一つの場合において、前記羽根部の前記端部は、前記回転中心方向から視て湾曲形状であることが好ましい。この場合、前記一組の位置決めリブは、前記溝部に設けられたものであることが好ましい。また、この場合、前記二つの隙間の一方に設けられた前記位置決めリブと他方に設けられた前記位置決めリブとは、互いに、各々が前記端部に当接する位置における法線と重なって配置されていることが好ましい。
【0011】
(7)上記(1)~(6)のいずれか一つの場合において、前記位置決めリブは、前記隙間から前記回転中心方向に突出しないことが好ましい。
(8)上記(1)~(7)のいずれか一つの場合において、前記一組の位置決めリブは、前記複数の羽根部のうち、前記回転中心周りに等間隔で位置する二つ以上の前記羽根部の前記端部又は当該端部が収まる前記溝部に設けられることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
開示のターボファンによれば、超音波溶着時に発生するバリを逃がす機能と振動エネルギーの分散を抑制する機能とを実現しつつ、溶着前の二つの部品同士の位置決め精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態に係るターボファンが適用されたファンモータの軸方向断面図である。
図2図1のターボファンが形成される前の状態を示す分解斜視図である。
図3図1のターボファンの部分断面斜視図である。
図4図3のX部の拡大図である。
図5図1のターボファンが具備する第一部品が第二部品に溶着される前の状態における、第一部品の一部(図4に示す部分)の拡大図である。
図6図2のY部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面を参照して、実施形態としてのターボファンについて説明する。以下に示す実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることができる。
【0015】
[1.構成]
図1は本実施形態に係るターボファン1が適用されたファンモータ10の軸方向断面図であり、図2は本実施形態に係るターボファン1が形成される前の状態を示す斜視図である。図2に示すように、本実施形態のターボファン1は、二つの部品7,8を具備し、二つの部品7,8が超音波溶着により溶着されて一体化されることで形成される。ターボファン1は、回転中心C側から吸気した空気を外方(回転中心Cから離れる方向)に送出するファンであり、遠心ファンともよばれる。
【0016】
以下、ターボファン1の回転中心Cが延びる方向を軸方向(回転中心方向)といい、回転中心Cに直交する方向であって回転中心Cから離れる方向を径方向といい、回転中心Cに直交する方向であって回転中心C回りに周回する方向を周方向という。ファンモータ10は、図1に示すように、ファンモータ10の外郭をなすハウジング11に、ターボファン1と、ターボファン1を回転させる駆動源としてのモータ部12とを内蔵して構成される。
【0017】
モータ部12は、シャフト13と、シャフト13を介してターボファン1と一体回転するロータ14と、ロータ14の内側に配置されたステータ15とを有する。つまり、ファンモータ10は、いわゆるアウターロータ型のブラシレスモータである。シャフト13の回転中心は、ターボファン1の回転中心Cと一致する。ロータ14には、カップ状のロータヨーク16と、ロータヨーク16の内周面に固着されたマグネット17とが設けられる。本実施形態において、ロータヨーク16は、軸方向の一側(図中上側)の外径が軸方向の他側(図中下側)の外径よりも小さい略円錐台形状の外形を持つ。ロータヨーク16の径方向内側には、シャフト13が圧入固定される。これにより、ロータ14は、シャフト13及びターボファン1と一体回転する。
【0018】
ターボファン1は、上述の通り、回転中心C側から吸気した空気を外方に送出するファンであり、軸方向に対向配置された二つの板状の平面部2,3と、二つの平面部2,3の間に配設された複数の羽根部4とを備える。二つの平面部2,3の一方には、ターボファン1の吸込導風路を形成する孔1hが軸方向に貫設される。ここでは、軸方向一側に配置された平面部3(以下、「第二平面部3」とよぶ)に吸込導風路用の孔1hが設けられたターボファン1を例示する。つまり、本実施形態のターボファン1は軸方向一側から吸気した空気を径方向外方に送出するものであり、第二平面部3は径方向内側に孔1hが形成された円環状をなす。なお、ここで例示する第二平板部3は、径方向内側から径方向外側に行くほど軸方向他側に位置するように径方向に対して傾斜しているが、第二平面部3の形状はこれに限られず、径方向に対して傾斜していなくてもよい。
【0019】
軸方向他側に配置された平面部2(以下、「第一平面部2」とよぶ)は、回転中心Cに対し直交する円環状をなす。また、第一平面部2の径方向内側の部分には、ボス部5と嵌合部6とが設けられる。ボス部5は、シャフト13を支持するとともにロータヨーク16を軸方向一側から覆う部分であり、上述のロータヨーク16の外形に対応して略円錐台形状の外形をなす。ボス部5の径方向内側には、シャフト13の軸方向一側の端部が固定(例えば圧入固定)される。嵌合部6は、第一平面部2の径方向内側の部分から軸方向他側に突設された環状の部分である。嵌合部6には、ロータヨーク16が内嵌し、接着される。ターボファン1は、シャフト13の軸方向一側の端部にボス部5が固定されるとともに、ロータヨーク16に嵌合部6が外嵌及び接着することで、シャフト13及びロータ14に対して相対回転不能に固定される。
【0020】
ターボファン1を形成する二つの部品7,8のうち、一方の第一部品7は上述の二つの平面部2,3の一方と複数の羽根部4とを有する。また、他方の第二部品8は上述の二つの平面部2,3の他方を有する。本実施形態のターボファン1は、図2に示すように、第一平面部2及び複数の羽根部4を有する第一部品7と、第二平面部3を有する第二部品8とを具備する。第一部品7には、ボス部5及び嵌合部6も含まれる。第一部品7において、第一平板部2,羽根部4,ボス部5及び嵌合部6は一体で成形される。つまり、第一部品7は、上述したターボファン1が備える部分2~6のうち、第二平面部3以外の部分が一体成形された部品であり、第二部品8は第二平面部3そのものとも換言される。
【0021】
ターボファン1は、図3及び図4に示すように、第一部品7が有する複数の羽根部4の軸方向一側の端部41が、第二部品8が有する第二平面部3の溝部31に嵌まり、端部41と溝部31とが超音波溶着により溶着されることで形成される。より詳細には、端部41の後述する溶着リブ43(図5参照)と溝部31の後述する底面32(図4参照)とが超音波溶着によって接合される。以下、第一部品7と第二部品8とが超音波溶着により溶着される前の状態を「溶着前状態」とよび、第一部品7と第二部品8とが溶着された後の状態(図3及び図4に示す状態)を「溶着後状態」とよぶ。溶着前状態は、溶着前に羽根部4の端部41が溝部31に収まった状態を含む。
【0022】
複数の羽根部4は、図3に示すように、第一平面部2の第二平面部3側を向く第一面2Fから立設される。また、各羽根部4は、回転中心C周りに回転中心C側から外側、すなわち径方向外側に向かって延設された板状をなす。本実施形態において、羽根部4の立設方向は軸方向に一致する。また、本実施形態のターボファン1は、軸方向一側から視て反時計回りに回転するものであり、羽根部4の延設方向は、軸方向一側から視て、羽根部4の径方向外側の部分が径方向内側の部分よりも時計回りにシフトした位置となるように湾曲している。なお、ターボファン1が軸方向一側から視て時計回りに回転する場合には、羽根部4の延設方向は、軸方向一側から視て、羽根部4の径方向外側の部分が径方向内側の部分よりも反時計回りにシフトした位置となるように湾曲していてよい。以下、羽根部4の延設方向(長手方向)及び軸方向(立設方向)の双方に直交する方向を「板厚方向」とよぶ。
【0023】
複数の羽根部4は、いずれも同じ形状をなし、回転中心Cの周りを一周するようにそれぞれ離間して等間隔で配設される。なお、本実施形態では、13枚の羽根部4を例示しているが、羽根部4の数はこれに限らない。また、本実施形態の羽根部4は、延設方向において板厚H1(板厚方向の寸法)が一様ではなく、回転中心C側よりも外側ほど板厚H1が薄肉となっているが、羽根部4の板厚H1は、延設方向で一様であってもよい。
【0024】
板状の羽根部4は、図4に示すように、周方向で互いに反対を向く二つの面4L,4Rを持つ。ターボファン1の回転時において、当該二つの面4L,4Rの一方は風を押し出す正圧面となり、他方は負圧面となる。以下、二つの面4L,4Rのうち、軸方向一側から視て、周方向で時計回りの方向を向く面を第一圧面4Lとよび、反時計回りの方向を向く面を第二圧面4Rとよぶ。また、以下の説明において、「時計回り」,「反時計回り」という場合には、軸方向一側から視た場合の方向を意味する。
【0025】
溶着前状態において、各羽根部4の端部41には、図5に示すように、その端面42から突設された溶着リブ43が複数設けられる。溶着リブ43は、上述の通り、溝部31の底面32と接合される部分であって、第一部品7と第二部品8との溶着時(以下、単に「溶着時」とよぶ)に加熱されて溶融する。なお、端面42は、羽根部4の立設された先端側の面(羽根部4の立設方向に交差して板厚方向及び延設方向に延在する面)であり、溶着リブ43は、この端面42から羽根部4の立設方向と同方向に突設される。複数の溶着リブ43は、端部41の延設方向に沿って断続的に延在する。ここでは、延設方向に互いに離間して設けられた二条の溶着リブ43を例示する。各溶着リブ43の形状は、例えば、端部41の板厚方向の中心線C1(以下、「板厚中心線C1」とよぶ)上に頂辺が位置するように端面42から突設された三角柱状とされる。
【0026】
第二平面部3には、図2に示すように、第二平面部3の第一平面部2側を向く第二面3Fから軸方向一側に向かって凹設された複数の溝部31が設けられる。複数の溝部31のそれぞれには、溶着前に複数の羽根部4の各端部41が収まる。このため、溝部31は羽根部4と同数(本実施形態では13個)設けられる。また、各溝部31の形状は、各羽根部4の軸方向から視た外形状に対応して、各羽根部4の延設方向に沿って設けられる。
【0027】
各溝部31は、図4に示すように、第二面3Fよりも軸方向一側に位置する底面32と、底面32の周方向両縁と第二面3Fとの間を繋ぐ二つの側面33とを持つ断面コ字状となっている。二つの側面33のうち、溶着前状態又は溶着後状態で端部41の第一圧面4Lと対向配置される第一側面33Lは、図4及び図6に示すように、第一圧面4Lよりも周方向で時計回り方向に位置するとともに延設方向に沿って延在する。また、二つの側面33のうち、上記の状態で端部41の第二圧面4Rと対向配置される第二側面33Rは、第二圧面4Rよりも周方向で反時計回り方向に位置するとともに延設方向に沿って延在する。溶着後状態で、溝部31の底面32には、端部41の端面42が接着される。
【0028】
各溝部31の延設方向及び深さ方向の双方に直交する幅方向の寸法である溝幅H2は、図4に示すように、対応する(当該溝部31に収まる)羽根部4の端部41の板厚H1よりも大きく設定される。これにより、羽根部4の板厚方向において、溝部31と端部41との間には隙間SL,SRが形成される。なお、本実施形態では、羽根部4の板厚H1が延設方向において一様ではないため、これに対応する溝幅H2も延設方向において一様ではなく、回転中心C側よりも外側ほど溝幅H2が狭くなっている。
【0029】
ここで、上述のように羽根部4の端部41における板厚H1よりも幅広の溝幅H2を溝部31に持たせることで、羽根部4が溝部31の側面33に接しにくくなる。このため、溶着時の振動エネルギーの分散を抑制できる。よって、第一部品7と第二部品8との溶着をより確実に実施できる。また、溝部31と端部41との間に形成された隙間SL,SRに、溶着時に発生するバリを逃がすことができる。これにより、溶着時に発生するバリが通風路に露出することを抑制できるため、溶着後の仕上がり外観を改善できる。さらに、溶着時に発生するバリの影響による風切り音の抑制にも寄与しうる。一方で、溝部31の溝幅H2を端部41の板厚H1よりも大きくすることで、溝部31と端部41との間には周方向や径方向(ラジアル方向)にガタが生じる。これにより、溶着前状態で二つの部品7,8同士の位置が安定しにくくなり、二つの部品7,8を精度よく取り付けることが難しくなるという課題がある。
【0030】
そこで、本実施形態のターボファン1には、溶着前状態における二つの部品7,8同士の周方向及びラジアル方向のずれを防止する構造が設けられている。具体的には、ターボファン1には、溶着前状態で端部41の板厚方向の両側に生じる二つの隙間SL,SRのそれぞれを部分的に埋める位置決めリブ20(図2又は図6参照)が設けられる。位置決めリブ20は、複数の溝部31又は複数の羽根部4の端部41の、少なくとも一つに対して一組設けられる。言い換えると、本ターボファン1では、一つ以上の溝部31に一組の位置決めリブ20が設けられるか、あるいは、一つ以上の羽根部4の端部41に一組の位置決めリブ20が設けられる。
【0031】
本実施形態のターボファン1では、図2に示すように、複数の溝部31の各々に(すなわち、全ての溝部31に)一組の位置決めリブ20が設けられる。また、一組の位置決めリブ20は、図6に示すように、溝部31の側面33(第一側面33L,第二側面33R)から板厚方向にそれぞれ突出して羽根部4の端部41に当接する。なお、ここでいう「当接」とは、接触する対象物(端部41)に圧接しない程度に当該対象物に触れる状態を意味する。
【0032】
本実施形態において、一組の位置決めリブ20は、溝部31の第一側面33Lから第二側面33R側へ突出した第一位置決めリブ20Lと、溝部31の第二側面33Rから第一側面33L側へ突出した第二位置決めリブ20Rとを一つずつ有する。つまり、一組の位置決めリブ20は、一対の第一位置決めリブ20L及び第二位置決めリブ20Rを有しているとも換言される。なお、図6では、溶着後状態で、溝部31の底面32に端部41の端面42が接着される部分をドット塗で示している。また、図6では、溶着前状態で、羽根部4の溶着リブ43が溝部31の底面32に当接する部分を太い点線で示している。
【0033】
各位置決めリブ20が設けられる位置は、例えば、端部41の延設方向の中央付近に設定される。本実施形態において、各位置決めリブ20が設けられる位置は、端部41の延設方向の中央付近であって複数の溶着リブ43と重ならない位置、言い換えれば、複数の溶着リブ43の切れ目となる位置に設定される。
【0034】
第一位置決めリブ20Lと第二位置決めリブ20Rとは、互いに、各々が端部41に当接する位置における法線NR,NLと重なって配置される。つまり、第一位置決めリブ20Lは、第二位置決めリブ20Rの法線NRと重なるように配置されており、第二位置決めリブ20Rは、第一位置決めリブ20Lの法線NLと重なるように配置される。このように、端部41を挟んで設けられた二つの(一対の)位置決めリブ20は、端部41の延設方向において略同じ位置に配置される。なお、ここでいう法線NL,NRは、軸方向から視て、位置決めリブ20L,20Rが端部41に当接する位置における接線に直交する方向に延びる直線である。位置決めリブ20の突出面が溝部31の深さ方向に傾いている場合には、当接する位置(点,線,面)での接線に直交する方向を法線とする。
【0035】
各位置決めリブ20の形状は、例えば、軸方向から視た形状が円弧状をなす略半円柱状をなす。言い換えれば、各位置決めリブ20は、軸方向に沿う中心線を持つ円柱の一部で構成される。また、位置決めリブ20の突出面(言い換えれば、略半円柱状の位置決めリブ20の周面)は、溝部31の深さ方向及び溶着前状態の端部41の立設方向に平行に延在する。これにより、各位置決めリブ20は、第一側面33L及び第二側面33Rのそれぞれから最も突出した部分が、端部41の第一圧面4L及び第二圧面4Rのそれぞれに対して端部41の立設方向に線状に当接する。
【0036】
各位置決めリブ20が略半円柱状である場合、その曲率半径は、成形可能な範囲で小さい方が好ましい。位置決めリブ20の曲率半径を小さくするほど、位置決めリブ20と端部41との接触面積が小さくなるため、溶着時の振動エネルギーの分散を抑制できる。なお、各位置決めリブ20は、上記の形状に限らず、端部41に対して羽根部4の立設方向に面状に当接する形状であってもよい。端部41に対して各位置決めリブ20が面状に当接することで、端部41の延設方向と溝部31の延設方向とがより一致しやすくなるため、溶着前状態や溶着時の羽根部4の揺動がより抑制される。
【0037】
また、本実施形態において、第一位置決めリブ20Lの板厚方向の突出量P1は、第二位置決めリブ20Rの板厚方向の突出量P2と等しくなるように設定される。言い換えれば、第一位置決めリブ20Lが第一側面33Lから突出する長さ(突出量P1)は、第二位置決めリブ20Rが第二側面33Rから突出する長さ(突出量P2)と等しくなるように設定される。これにより、板厚方向において、溝部31の中央に端部41を配置させられる。言い換えれば、溝部31の幅方向の中央線と端部41の板厚中心線C1とをほぼ一致させた状態で端部41を配置させられる。よって、第一側面33Lと第一圧面4Lとの間の隙間SLを、第二側面33Rと第二圧面4Rとの間の隙間SRと同等に形成できる。また、各位置決めリブ20が持つ軸方向他側の端面は、各隙間SL,SRから回転中心C方向に突出しないように配置される。ここでは、当該端面が第二面3Fと面一となるように形成されている。
【0038】
[2.作用,効果]
(1)上述したターボファン1によれば、溝部31と端部41との間に生じる二つの隙間SL,SRを部分的に埋める位置決めリブ20が一組設けられることで、溝部31と羽根部4とのガタをなくすことができる。このため、第一部品7と第二部品8との位置決め精度を高めることができる。また、第一部品7と第二部品8との位置決めのために治具を用いる必要もないため、組立作業を簡易化できる。加えて、治具による位置決めのための貫通孔を第一部品7や第二部品8に設ける必要もないため、ターボファン1の機能の低下も抑制できる。
【0039】
さらに、一組の位置決めリブ20をなす第一位置決めリブ20L及び第二位置決めリブ20Rのそれぞれは、溝部31の第一側面33L及び第二側面33Rのそれぞれから板厚方向に突出して端部41に当接する。このため、溝部31と端部41との間に二つの隙間SL,SRを確実に形成できることから、溶着時に出るバリの影響による外観不良や、バリのはみだしによるターボファン1の機能の低下を抑制できる。
【0040】
加えて、溶着前状態において第一圧面4L及び第二圧面4Rのそれぞれには、溝部31に設けられた小さな位置決めリブ20のみが当接する。第一圧面4L及び第二圧面4Rは、第一部品7と第二部品8との溶着に関連しない部分(非溶着部)である。つまり、溶着前状態において、第一部品7の非溶着部には、第二部品8に設けられた小さな位置決めリブ20だけが当接する。これにより、溶着時の振動エネルギーが非溶着部へ伝わることを抑制できる。従って、溶着時の振動エネルギーの分散を抑制できる。よって、上述したターボファン1によれば、超音波溶着時に発生するバリを逃がす機能と振動エネルギーの分散を抑制する機能とを実現しつつ、溶着前の二つの部品7,8同士の位置決め精度を高めることができる。
【0041】
(2)上述したターボファン1では、各位置決めリブ20が、端部41の延設方向において複数の溶着リブ43の切れ目に位置する。言い換えれば、各位置決めリブ20は、溝部31と端部41とが溶着される部分である溶着リブ43から離れた場所に設けられる。これにより、位置決めリブ20と端部41とが当接する部分に、溶着時の振動エネルギーが伝わることを抑制できる。よって、溶着時の振動エネルギーの分散をより防止できる。
【0042】
(3)また、上述したターボファン1によれば、第一位置決めリブ20Lの突出量P1と第二位置決めリブ20Rの突出量P2とが、互いに等しく設定されるため、端部41の板厚方向の両側に同等の隙間SL,SRを形成できる。よって、溶着時に発生するバリを端部41の両側(それぞれの隙間SL,SR)に逃がすことができ、バリを逃がす機能をより高められる。
【0043】
(4)上述したターボファン1によれば、各位置決めリブ20が、端部41に対して羽根部4の立設方向に線状に当接するため、位置決めリブ20による羽根部4の位置決め性能(羽根部4の支持力)を高めることができる。また、上述したターボファン1によれば、位置決めリブ20を、溝部31に羽根部4を収めるときのガイドとして利用できることに加えて、溝部31に収まった状態の羽根部4の立設状態を保持でき、羽根部4の揺動を抑制できる。
【0044】
(5)また、各位置決めリブ20を軸方向から視た形状が円弧状をなすようにすることで、端部41に対して線接触する位置決めリブ20を容易に形成できる。例えば、第二部品8を金型により成形する場合、角部の形成が難しいという実情があるが、位置決めリブ20を円弧状とすることで、端部41に対して線接触する位置決めリブ20を容易に形成できる。
【0045】
(6)上述したターボファン1では、第一位置決めリブ20Lと第二位置決めリブ20Rとが、互いに、各々が端部41に当接する位置における法線NR,NLと重なって配置される。これにより、端部41の延設方向における略同じ位置で、端部41を両側から支持できるため、羽根部4の位置決め精度を高められ、羽根部4の姿勢をより安定させることができる。
【0046】
(7)また、上述したターボファン1では、各位置決めリブ20が、隙間SL,SRから回転中心C方向に突出しない。言い換えれば、各位置決めリブ20は、隙間SL,SRから軸方向に飛び出さないので、ターボファン1内の空気が乱されにくくなる。よって、ターボファン1の機能を低下させずに位置決めを行うことができる。
【0047】
[3.その他]
上述の実施形態で説明したターボファン1の構成は一例であって、上述したものに限られない。上述のターボファン1では、第二部品8の全ての溝部31に一組の位置決めリブ20が設けられていたが、位置決めリブ20は少なくとも一つの溝部31に設けられていればよい。
【0048】
また、全ての溝部31ではなく、複数の溝部31に位置決めリブ20を設ける場合には、回転中心C周りに等間隔で位置する二つ以上の溝部31のそれぞれに、一組の位置決めリブ20が設けられることが好ましい。例えば、ターボファン1に二組の位置決めリブ20が適用される場合、二組の位置決めリブ20のそれぞれは、回転中心C周りに180度間隔をあけて配置された二つの溝部31のそれぞれに設けられることが好ましい。回転中心C周りに等間隔で位置する溝部31に位置決めリブ20が設けられることで、羽根部4の位置決め精度をより高められる。
【0049】
上述の実施形態において、各位置決めリブ20が持つ軸方向他側の円弧状の端面は第二面3Fと面一となるように形成されていたが、当該端面は第二面3Fよりも底面32側に位置していてもよい。各位置決めリブ20は、少なくとも隙間SL,SRから回転中心C方向に突出していなければ、上述の効果を得ることができる。また、各位置決めリブ20が、隙間SL,SRからわずかに回転中心C方向(軸方向他側)に突出して形成されていたとしても、ターボファン1の性能上の問題はない。
【0050】
各位置決めリブ20の配置は、上述のものに限らない。例えば、第一位置決めリブ20Lと第二位置決めリブ20Rとは、互いに、各々が端部41に当接する位置における法線NR,NLと重なって配置されていなくてもよい。言い換えると、第一位置決めリブ20Lが端部41に当接する延設方向位置と、第二位置決めリブ20Rが端部41に当接する延設方向位置とが互いに比較的大きくずれていてもよい。例えば、第一位置決めリブ20Lが径方向内側寄りに配置され、第二位置決めリブ20Rが径方向外側寄りに配置されていた場合であっても、一組の位置決めリブ20により端部41の位置がずれないようにすることができる。また、各位置決めリブ20は、端部41の延設方向において溶着リブ43と重なる位置に配置されていてもよい。
【0051】
各位置決めリブ20の形状も、上述のものに限らない。端部41に対して線接触する位置決めリブ20の形状は、例えば、軸方向視で三角形状をなす三角柱状であってもよい。また、第一位置決めリブ20Lの突出量P1及び第二位置決めリブ20Rの突出量P2は、互いに相違していてもよい。例えば、羽根部4の湾曲内側に位置する位置決めリブ20の突出量を、羽根部4の湾曲外側に位置する位置決めリブ20の突出量よりも大きくすることで、隙間SL,SRの容積を同等にしうる。これにより、バリの逃げる機能を上記の実施形態と同等(あるいはそれ以上)に確保しうる。
【0052】
一組の位置決めリブ20は、少なくとも板厚方向の両側からそれぞれ突出した少なくとも二つの位置決めリブ20を有していればよい。例えば、一組の位置決めリブ20は、第一側面33Lから突出した第一位置決めリブ20Lを複数有していてもよく、第二側面33Lから突出した第二位置決めリブ20Rを複数有していてもよい。すなわち、一組の位置決めリブ20が、例えば二つの第一位置決めリブ20Lと一つの第二位置決めリブ20Rとで構成されていてもよい。
【0053】
また、羽根部4の構成も上述のものに限らない。羽根部4は、軸方向から視て湾曲形状でなくてもよい。例えば、羽根部4は、径方向に延設されたものであってもよく、径方向に対して傾斜したものであってもよい。また、羽根部4の立設方向が、軸方向に対しやや傾いていてもよい。溶着リブ43は、二条に限らず、三条以上設けられていてもよい。また、溶着リブ43は、省略されてもよく、羽根部4の端面42に代えて溝部31の底面32に設けられてもよい。
【0054】
上述したターボファン1では、溝部31に(言い換えると、第二部品8に)一組の位置決めリブ20が設けられた場合を説明したが、一組の位置決めリブ20は、羽根部4の端部41に(言い換えると、第一部品7に)設けられてもよい。すなわち、一組の位置決めリブ20が、複数の羽根部4のうち少なくとも一つの羽根部4の端部41に設けられていてもよい。この場合、位置決めリブ20は、羽根部4の第一圧面4L及び第二圧面4Rの各端部41から板厚方向に突出し、溝部31の側面33に当接するよう構成すればよい。
【0055】
なお、羽根部4に一組の位置決めリブ20を設ける場合において、一組の位置決めリブ20は、端部41だけでなく立設方向の全域で、第一圧面4L及び第二圧面4Rから板厚方向に突出するように形成されてもよい。この場合、第一部品7にアンダーカット(そのままの状態では離型できない凸形状や凹形状)が形成されない。よって、第一部品7を容易に成形できるとともに、上記(7)以外の効果と同様の効果を得られるターボファン1を提供できる。また、上述のように羽根部4の立設方向の全域に一組の位置決めリブ20を設けたあとに、各位置決めリブ20が隙間SL,SRから突出しないように各位置決めリブ20を削れば、上記(7)の効果と同様の効果も得られる。羽根部4に一組の位置決めリブ20を設ける場合、第一部品7は、第一平面部2と羽根部4とが個別に形成されたたあとに第一平面部2と羽根部4とが一体化されることで形成されてもよい。その他、羽根部4に一組の位置決めリブ20を設ける場合において、各位置決めリブ20の配置,形状及び個数は、上述の実施形態のものが採用されてもよいし、上述の変形例のものが採用されてもよい。
【0056】
上述したターボファン1では、第一部品7が第一平面部2及び複数の羽根部4を有し、第二部品8が第二平面部3(溝部31)を有している場合を説明したが、ターボファンを形成する第一部品及び第二部品の形状はこれに限らない。第一部品は、吸込導風路用の孔が設けられた環状の平面部(上述の第二平面部3に対応する部分)と複数の羽根部とが一体形成されたものであってもよく、第二部品は当該平面部と軸方向に対向配置された平面部(上述の第一平面部2に対応する部分)を有するものであってもよい。この場合、複数の溝部は第二部品が持つ平面部に設けられていればよい。第一平面部2及び第二平面部3は、少なくとも回転中心Cに対し直交する方向に沿って延在していればよく、当該方向に対してやや傾斜していてもよく、湾曲していてもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 ターボファン
2 第一平面部(平面部)
3 第二平面部(平面部)
4 羽根部
7 第一部品
8 第二部品
20 位置決めリブ
20L 第一位置決めリブ(位置決めリブ)
20R 第二位置決めリブ(位置決めリブ)
31 溝部
32 底面
33 側面
33L 第一側面(側面)
33R 第二側面(側面)
41 端部
42 端面
43 溶着リブ
C 回転中心
NL,NR 法線
H1 板厚
H2 溝幅
P1 第一位置決めリブの突出量(突出量)
P2 第二位置決めリブの突出量(突出量)
SL,SR 隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6