(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129791
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】コンソール装置、X線診断装置、及び照射野の操作方法
(51)【国際特許分類】
A61B 6/06 20060101AFI20240919BHJP
A61B 6/46 20240101ALI20240919BHJP
【FI】
A61B6/06 533
A61B6/46 502
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024006314
(22)【出願日】2024-01-18
(31)【優先権主張番号】P 2023038730
(32)【優先日】2023-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100196047
【弁理士】
【氏名又は名称】柳本 陽征
(74)【代理人】
【識別番号】100202429
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 信人
(74)【代理人】
【識別番号】100120385
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 健之
(72)【発明者】
【氏名】山田 尚樹
(72)【発明者】
【氏名】大橋 利多
(72)【発明者】
【氏名】高橋 大輔
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 考宏
(72)【発明者】
【氏名】奥村 勇介
(72)【発明者】
【氏名】諸見里 塁
(72)【発明者】
【氏名】西塚 誠一
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA01
4C093CA16
4C093EA02
4C093EA14
4C093FA16
4C093FB20
4C093FG04
(57)【要約】
【課題】X線絞りの操作性を向上させること。
【解決手段】実施形態に係るコンソール装置は、操作アセンブリと、表示部と、制御部とを備える。操作アセンブリは、X線管から被検体に対し照射されるX線の照射範囲を制限する、X線絞りに含まれる4枚のX線絞り羽根のそれぞれの位置を指定する複数の操作部を有する。表示部は、X線絞りによって形成される第1の照射範囲を示す。制御部は、操作アセンブリに対する操作に応じて、対応するX線絞り羽根の位置を制御し、X線絞りに第2の照射範囲を形成させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線管から被検体に対し照射されるX線の照射範囲を制限する、X線絞りに含まれる4枚のX線絞り羽根のそれぞれの位置を指定する複数の操作部を有する、操作アセンブリと、
前記X線絞りによって形成される第1の照射範囲を示す表示部と、
前記操作アセンブリに対する操作に応じて、対応する前記X線絞り羽根の位置を制御し、前記X線絞りに第2の照射範囲を形成させる制御部と、
を備える、コンソール装置。
【請求項2】
前記複数の操作部のうちの2つの操作部は、前記コンソール装置の操作者から見て前記表示部の奥及び手前の少なくとも一方に配置され、且つ、前記複数の操作部のうちの他の2つの操作部は、前記操作者から見て前記表示部の左及び右の少なくとも一方に配置されている、請求項1に記載のコンソール装置。
【請求項3】
前記表示部の奥及び手前の少なくとも一方に配置された2つの操作部は、X線診断装置で表示されるX線画像の左側のX線絞り羽根と右側のX線絞り羽根とにそれぞれ対応し、
前記表示部の左及び右の少なくとも一方に配置された2つの操作部は、前記X線診断装置で表示される前記X線画像の上側のX線絞り羽根と下側のX線絞り羽根とにそれぞれ対応する、請求項2に記載のコンソール装置。
【請求項4】
前記第1の照射範囲のサイズは、前記第2の照射範囲のサイズ以上である、請求項1に記載のコンソール装置。
【請求項5】
前記第1の照射範囲のサイズは、前記X線絞りが全開のときのサイズである、請求項4に記載のコンソール装置。
【請求項6】
前記表示部の奥及び手前の少なくとも一方に配置された2つの操作部は、前記操作者から見て左及び右に移動可能であり、
前記表示部の左及び右の少なくとも一方に配置された2つの操作部は、前記操作者から見て奥及び手前に移動可能である、請求項2に記載のコンソール装置。
【請求項7】
前記操作部は、スライダである、請求項6に記載のコンソール装置。
【請求項8】
前記操作部は、前記表示部により示される前記第1の照射範囲の一辺と平行に配置されたレール上に配置されている、請求項6に記載のコンソール装置。
【請求項9】
前記操作部は、前記表示部により示される前記第1の照射範囲の一辺と、当該一辺と対向しない他の辺とにそれぞれ平行に配置されたレール上に、2つずつ配置されている、請求項8に記載のコンソール装置。
【請求項10】
照射野のサイズが予め決められたサイズになったときに、前記操作アセンブリを通じて操作者にクリック感を付与する付与部を更に備える、請求項1に記載のコンソール装置。
【請求項11】
前記付与部は、前記照射野のサイズが前記予め決められたサイズになったときに前記操作アセンブリと接触する接触部材を有する、請求項10に記載のコンソール装置。
【請求項12】
前記予め決められたサイズは、複数のサイズを含む、請求項10に記載のコンソール装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記操作部に対する操作に応じて、前記第2の照射範囲の中心が前記第1の照射範囲の中心と異なるように前記X線絞りの位置を制御可能である、請求項1乃至12のいずれか1項に記載のコンソール装置。
【請求項14】
予め決められた照射野のサイズを指定する指定部と、
前記指定部による前記照射野のサイズの指定に応じて前記X線絞りの位置を制御し、前記X線絞りに前記指定部で指定されたサイズの前記照射野に対応する前記第2の照射範囲を形成させる第2の制御部と、
前記第2の制御部による前記第2の照射範囲の形成に連動して、前記第2の照射範囲に対応する位置まで前記操作アセンブリを移動させる移動部と、
を更に備える、請求項1に記載のコンソール装置。
【請求項15】
前記表示部は、物理的なフレームによって前記第1の照射範囲を示す、請求項1に記載のコンソール装置。
【請求項16】
前記表示部は、画像によって前記第1の照射範囲を示す、請求項1に記載のコンソール装置。
【請求項17】
前記X線絞りによって形成される前記第2の照射範囲を示す第2の表示部を更に備える、請求項1に記載のコンソール装置。
【請求項18】
前記操作部は、スライダであり、
前記一辺及び前記他の辺の少なくとも一方に配置された2つの前記操作部は、当該2つの操作部の移動方向に直線状に並んだ位置関係を有する摘み部を有する、請求項9に記載のコンソール装置。
【請求項19】
被検体に対しX線を照射するX線管と、
前記被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、
前記X線管から前記被検体に対し照射されるX線の照射範囲を制限する、4枚のX線絞り羽根を含むX線絞りと、
コンソール装置と、を備え、
前記コンソール装置は、
前記4枚のX線絞りのそれぞれの位置を指定する複数の操作部を有する操作アセンブリと、
前記X線絞りによって形成される第1の照射範囲を示す表示部と、
前記操作アセンブリに対する操作に応じて、対応する前記X線絞り羽根の位置を制御し、前記X線絞りに第2の照射範囲を形成させる制御部と、を備える、X線診断装置。
【請求項20】
操作アセンブリに含まれる複数の操作部により、X線管から被検体に対し照射されるX線の照射範囲を制限する、X線絞りに含まれる4枚のX線絞り羽根のそれぞれの位置を指定し、
表示部により、前記X線絞りによって形成される第1の照射範囲を示し、
前記操作アセンブリに対する操作に応じて、対応する前記X線絞り羽根の位置を制御し、前記X線絞りに第2の照射範囲を形成させる、照射野の操作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書及び図面に開示の実施形態は、コンソール装置、X線診断装置、及び照射野の操作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、X線診断装置には、X線による被検体の被ばくを最小限に抑えるために、X線の照射野を関心領域に絞り込むことが可能なX線絞りが備えられている。操作者は、コンソール装置を介してX線絞りの4枚のX線絞り羽根の配置を調整することで、照射野のサイズ及び位置を関心領域に対応するように調整することができる。X線絞りは、4枚のX線絞り羽根で形成される開口のサイズを、開口の中心位置が固定された状態で、左右方向及び上下方向に変更することができる。そのため、X線絞りの操作は、左右方向及び上下方向に開口のサイズを変更する調整レバーで行われていた。また、ボタンにより、ワンタッチで予め決められたサイズに開口のサイズを切り替えることも可能であった。また、近年では、開口の中心位置が固定された状態で開口のサイズを変更するだけでなく、左右及び上下独立に4枚のX線絞り羽根を動かすことで、開口の中心位置を移動させながら開口のサイズを変更することができるようになった。そのため、X線絞りの操作器は、開口のサイズを変更するレバーだけでなく、開口の中心位置すなわち照射野の位置を変更するレバーも備えるようになった。
【0003】
しかしながら、従来のX線診断装置は、視野を関心領域に合わせる場合、複数の別々の操作器を使い分けなければならず、操作が煩雑になっていた。また、従来のX線診断装置は、X線検出器全体に対する現在の照射野のサイズ及び位置を直感的に把握することが困難であった。特に、視野を拡大してモニタに撮影画像を表示する場合、X線検出器全体に対する現在の照射野のサイズ及び位置を直感的に把握することがより困難となっていた。加えて、従来のX線診断装置は、X線絞り羽根を所望の配置に調整するためにどのような操作を行うべきかを操作者が直感的に把握することが困難であった。
【0004】
したがって、従来のX線診断装置は、X線絞りの操作性を向上させることが困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、X線絞りの操作性を向上させることである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記の課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係るコンソール装置は、操作アセンブリと、表示部と、制御部とを備える。操作アセンブリは、X線管から被検体に対し照射されるX線の照射範囲を制限する、X線絞りに含まれる4枚のX線絞り羽根のそれぞれの位置を指定する複数の操作部を有する。表示部は、X線絞りによって形成される第1の照射範囲を示す。制御部は、操作アセンブリに対する操作に応じて、対応するX線絞り羽根の位置を制御し、X線絞りに第2の照射範囲を形成させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係るX線診断装置の構成の一例を示す図。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係るX線診断装置の構成の一例を示すブロック図。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係るX線診断装置におけるX線絞りを示す平面図。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係るX線診断装置におけるX線管、X線絞り及びX線検出器を示す斜視図。
【
図5】
図5は、第1の実施形態に係る遠隔操作卓における操作部及び表示部を示す平面図。
【
図6】
図6は、第1の実施形態に係るX線診断装置の動作例を示すフローチャート。
【
図7】
図7は、第1の実施形態の第1の変形例に係る遠隔操作卓における操作部及び表示部を示す平面図。
【
図8】
図8は、第1の実施形態の第2の変形例に係る遠隔操作卓における操作部及び表示部を示す平面図。
【
図9】
図9は、第2の実施形態に係るX線診断装置の構成の一例を示すブロック図。
【
図10】
図10は、第2の実施形態に係る遠隔操作卓における視野サイズ切替スイッチを示す平面図。
【
図11】
図11は、第2の実施形態に係る遠隔操作卓における操作部、表示部及び操作部移動機構を示す平面図。
【
図12】
図12は、第2の実施形態に係るX線診断装置の動作例を示すフローチャート。
【
図13】
図13は、第2の実施形態に係るX線診断装置の動作例を示す平面図。
【
図14】
図14は、第3の実施形態に係る遠隔操作卓における操作部、表示部、及び付与部を示す平面図。
【
図15】
図15は、第3の実施形態に係る遠隔操作卓の第1の動作例を示す平面図。
【
図16】
図16は、第3の実施形態に係る遠隔操作卓の第2の動作例を示す平面図。
【
図17】
図17は、第4の実施形態に係る遠隔操作卓における操作部を示す斜視図。
【
図18】
図18は、第4の実施形態に係る遠隔操作卓における操作部を、操作部の移動方向から見た図。
【
図19】
図19は、第4の実施形態の第1の変形例に係る遠隔操作卓における操作部を、操作部の移動方向から見た図。
【
図20】
図20は、第4の実施形態の第2の変形例に係る遠隔操作卓における操作部を示す斜視図。
【
図21】
図21は、第5の実施形態に係るX線診断装置におけるX線絞り及び操作部を示す平面図。
【
図22】
図22は、第5の実施形態の変形例に係るX線診断装置におけるX線絞り及び操作部を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、X線診断装置の実施形態について説明する。なお、以下においては、X線診断装置の一例として被検体の上方にX線管が位置するオーバーチューブ型の構成を有するX線診断装置について説明するが、X線診断装置は、被検体の下方にX線管が位置するアンダーチューブ型に構成されてもよい。また、X線診断装置は、1本のCアームを有するシングルプレーンのX線診断装置、2本のCアームを有するバイプレーンのX線診断装置、X線テレビ装置及びX線CT装置などに適用してもよい。また、以下の説明において、実質的に同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行うこととする。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るX線診断装置1の構成の一例を示す図である。
図1及び
図2に示すように、第1の実施形態に係るX線診断装置1は、撮像装置10と、遠隔操作卓20と、近接操作卓30とを備える。遠隔操作卓20、および、近接操作卓30は、コンソール装置の一例である。撮像装置10は、X線を用いて被検体を撮像する装置である。遠隔操作卓20は、例えば、撮像装置10が配置された検査室と別室の操作室内において、操作者が撮像装置10の動作を制御するための装置である。近接操作卓30は、例えば、検査室内において操作者が撮像装置10の動作を制御するための装置である。撮像装置10と、遠隔操作卓20と、近接操作卓30とは、通信可能に接続されている。
【0011】
図2は、第1の実施形態に係るX線診断装置1の構成の一例を示すブロック図である。なお、
図2においては、近接操作卓30の図示が省略されている。
図1及び
図2に示すように、撮像装置10は、高電圧発生器11と、X線管13と、X線絞り15と、保持装置16と、寝台17と、X線検出器19と、X線制御回路111と、絞り制御回路113と、寝台移動機構115と、寝台機構制御回路117とを備える。遠隔操作卓20は、入力インタフェース21と、ディスプレイ23と、記憶回路25と、処理回路27とを備える。理解を容易にするため、以下の説明では、寝台17の長手方向に沿った方向をY軸方向、横手方向に沿った方向をX軸方向、X軸方向及びY軸方向に直交する方向をZ軸方向と定義する。
【0012】
高電圧発生器11は、X線管13に高電圧及びフィラメント電流を供給する装置である。高電圧発生器11は、変圧器(トランス)及び整流器等の電気回路と、高電圧発生装置とを有する。高電圧発生装置は、X線管13に印加する高電圧及びX線管13に供給するフィラメント電流を発生する機能を有する。X線制御回路111は、高電圧発生装置による高電圧及びフィラメント電流の供給を制御する。高電圧発生装置は、変圧器方式であってもよいし、インバータ方式であっても構わない。なお、高電圧発生器11は、保持装置16に設けられてもよい。
【0013】
X線管13は、被検体Pに対しX線を照射する。X線管13は、高電圧発生器11からの高電圧の印加及びフィラメント電流の供給により、陰極(フィラメント)から陽極(ターゲット)に向けて熱電子を照射することでX線を発生する真空管である。X線管13では、熱電子がターゲットに衝突することによりX線が発生される。X線管13には、例えば、回転する陽極に熱電子を照射することでX線を発生させる回転陽極型のX線管がある。回転陽極型に限定されず、X線管13の型式は、任意の型式を適用可能である。
【0014】
X線絞り15は、X線管13から照射されたX線を絞り込む。X線絞り15は、X線管13におけるX線放射窓の前面に設けられる。
図3は、第1の実施形態に係るX線診断装置1におけるX線絞り15を示す平面図である。
図3に示すように、X線絞り15は、第1X線絞り羽根151、第2X線絞り羽根152、第3X線絞り羽根153、及び第4X線絞り羽根154からなる4枚のX線絞り羽根151,152,153,154を有する。
【0015】
第1X線絞り羽根151は、例えば、X線診断装置1で表示されるX線画像の上側に対応するX線絞り羽根である。すなわち、第1X線絞り羽根151は、ディスプレイ23で表示されるX線画像の上端を定義するX線絞り羽根である。第2X線絞り羽根152は、例えば、X線画像の下側に対応するX線絞り羽根である。すなわち、第2X線絞り羽根152は、ディスプレイ23で表示されるX線画像の下端を定義するX線絞り羽根である。第3X線絞り羽根153は、例えば、X線画像の左側に対応するX線絞り羽根である。すなわち、第3X線絞り羽根153は、ディスプレイ23で表示されるX線画像の左端を定義するX線絞り羽根である。第4X線絞り羽根154は、例えば、X線画像の右側に対応するX線絞り羽根である。すなわち、第4X線絞り羽根154は、ディスプレイ23で表示されるX線画像の右端を定義するX線絞り羽根である。X線絞り羽根151,152,153,154は、例えば、鉛などの金属板で構成されている。
【0016】
上記のディスプレイ23で表示されるX線画像とX線絞り羽根との関係は一例であり、ディスプレイで表示されるX線画像が上下・左右反転されている場合には、X線絞り羽根との対応は変わってくる。
【0017】
X線絞り羽根151,152,153,154は、入力インタフェース21を介して操作者により入力された
図4に示される被検体Pの関心領域Rに応じて、絞り制御回路113により駆動される。また、X線絞り羽根151,152,153,154は、入力インタフェース21に含まれる後述する複数の操作部211,212,213,214を有する操作アセンブリの操作に応じて、絞り制御回路113により駆動される。X線絞り羽根151,152,153,154は、絞り制御回路113により駆動されてスライドすることで、X線管13から被検体Pに対し照射されるX線の照射範囲15Rを制限する。
【0018】
図3に示される例において、第1X線絞り羽根151及び第2X線絞り羽根152は、Y軸に沿ったD1方向と、D1方向と反対のD2方向に独立してスライド可能である。また、第3X線絞り羽根153及び第4X線絞り羽根154は、X軸に沿ってD1方向に直交するD3方向と、D3方向と反対のD4方向に独立してスライド可能である。X線絞り羽根151,152,153,154が独立してスライド可能であることで、X線絞り羽根151,152,153,154で囲まれた開口で形成される照射範囲15Rのサイズ及び位置を任意に調整することができる。言い換えれば、X線絞り羽根151,152,153,154によって、X線が遮蔽される領域のサイズ及び範囲を任意に調節することができる。これにより、X線絞り15は、X線管13が発生させたX線を、被検体Pの関心領域Rに照射されるように絞り込む。
【0019】
X線検出器19は、X線管13により発生されて被検体Pを透過したX線を検出する。X線検出器19は、例えば、X線平面検出器(Flat Panel Detector:以下、FPDと呼ぶ)である。FPDは、例えば、複数の半導体検出素子を有する。半導体検出素子にはX線を直接的に電気信号に変換する直接変換形と、X線を蛍光体で光に変換し、その光を電気信号に変換する間接変換形とがある。FPDには、いずれの形式が用いられてもよい。X線の入射に伴って複数の半導体検出素子で発生された電気信号は、図示していないアナログディジタル変換器(Analog to Digital converter:以下、A/D変換器と呼ぶ)に出力される。A/D変換器は、電気信号をディジタルデータに変換する。A/D変換器は、ディジタルデータを、処理回路27に出力する。なお、X線検出器19として、イメージインテンシファイア(Image Intensifier)が用いられてもよい。
【0020】
保持装置16は、X線管13及びX線絞り15を保持する。保持装置16は、図示しない保持装置16の移動機構によって移動可能にスタンド18に支持されている。保持装置16の移動機構は、処理回路27による制御の下で、例えば、X軸に沿った回転軸を中心に保持装置16を回転させる。また、保持装置16の移動機構は、処理回路27による制御の下で、例えば、寝台17の上面に沿って保持装置16を移動させる。保持装置16の移動機構は、例えば、スタンド18に設けられたモータ等の駆動源と、駆動源の駆動力を保持装置16に伝達させる駆動力伝達部材とを有する。
【0021】
寝台17は、被検体Pを載置するための装置である。寝台17は、寝台機構制御回路117による制御の下で、寝台移動機構115によって移動される。寝台移動機構115は例えば、X軸方向に沿った回転軸を中心に寝台17を回転することで、寝台17の起倒を調整する。寝台移動機構115は、例えば、スタンド18に設けられたモータ等の駆動源と、駆動源の駆動力を寝台17に伝達させる駆動力伝達部材とを有する。
【0022】
入力インタフェース21は、操作者から各種の指示及び情報の入力操作を受け付ける。具体的には、入力インタフェース21は、操作者から受け付けた入力操作を電気信号へ変換して処理回路27に出力する。例えば、入力インタフェース21は、トラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力回路、及び音声入力回路等によって実現される。なお、入力インタフェース21は、マウス、キーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を制御回路へ出力する電気信号の処理回路も入力インタフェース21の例に含まれる。
【0023】
図5は、第1の実施形態に係る遠隔操作卓20における操作部211,212,213,214及び表示部215を示す平面図である。
図5に示すように、入力インタフェース21は、第1操作部211、第2操作部212、第3操作部213、及び第4操作部214からなる4つの操作部211,212,213,214を有する操作アセンブリと、表示部215とを有する。操作部211,212,213,214は、例えば、直線運動によって入力操作を示す電気信号を出力するスライダで構成される。操作部211,212,213,214は、スライダの摘み部分であってもよい。スライダで構成される操作部211,212,213,214を用いた入力操作の位置は、エンコーダ等のセンサを用いて処理回路27で算出されてもよい。
【0024】
操作部211,212,213,214は、X線絞り15の4枚のX線絞り羽根151,152,153,154のそれぞれの位置を指定する。4つの操作部211,212,213,214のうちの2つの操作部213,214は、遠隔操作卓20の操作者から見て表示部215の奥及び手前の少なくとも一方に配置されている。また、4つの操作部211,212,213,214のうちの他の2つの操作部211,212は、操作者から見て表示部215の左及び右の少なくとも一方に合計して2つ配置されている。
図1には、遠隔操作卓20の操作者から見た表示部215の手前、奥、左及び右のそれぞれに相当する方向が、矢印で例示されている。
図5に示される例において、操作部211,212,213,214は、操作者から見て表示部215の奥に2つ配置され、且つ、操作者から見て表示部215の左に2つ配置されている。より詳しくは、
図5に示される例において、第1操作部211及び第2操作部212は、操作者から見て表示部215の左に配置されている。第2操作部212は、操作者から見て第1操作部211の手前に配置されている。また、第3操作部213および第4操作部214は、操作者から見て表示部215の奥に配置されている。第4操作部214は、操作者から見て第3操作部213の右に配置されている。
【0025】
操作者から見て表示部215の左に配置された第1操作部211は、X線診断装置1で表示されるX線画像の上側の第1X線絞り羽根151に対応する。操作者から見て表示部215の左であって第1操作部211の手前に配置された第2操作部212は、X線画像の下側の第2X線絞り羽根152に対応する。操作者から見て表示部215の奥に配置された第3操作部213は、X線画像の左側の第3X線絞り羽根153に対応する。操作者から見て表示部215の奥であって第3操作部213の右に配置された第4操作部214は、X線画像の右側の第4X線絞り羽根154に対応する。
【0026】
第1操作部211及び第2操作部212は、操作者から見て奥及び手前に移動可能である。第3操作部213及び第4操作部214は、操作者から見て左及び右に移動可能である。操作部211,212,213,214は、それぞれの移動方向に独立して移動可能である。
【0027】
表示部215は、X線絞り15によって形成される第1の照射範囲を示す。第1の照射範囲は、例えば、X線絞り15が全開のときに形成される照射範囲15Rである。
図5に示される例において、表示部215は、矩形状の外形線を有し、外形線で囲まれる領域R1によって第1の照射範囲を示す。表示部215は、例えば、物理的なフレームを有し、フレームの外形によって第1の照射範囲を示す。物理的なフレームを有することに限定されず、表示部215は、例えば、ディスプレイ又はパネルに電子的に第1の照射範囲を示す領域を表示してもよい。すなわち、表示部215は、第1の照射範囲を画像として示してもよい。以下、表示部215における第1の照射範囲を示す領域R1のことを、第1指示領域R1とも呼ぶ。なお、表示部215は、後述する透視モニタ232のような透視画像(すなわち、X線撮影画像)を表示する表示部とは別体の構成である。すなわち、表示部215は、透視画像は表示せずに第1の照射範囲(すなわち、第1指示領域R1)を示す構成である。
【0028】
操作部211,212,213,214は、表示部215により示される第1の照射範囲(すなわち、第1指示領域R1)の一辺と平行に配置されたレール2110,2120,2130,2140上に配置されている。操作部211,212,213,214は、レール2110,2120,2130,2140に沿って摺動可能に配置されている。
【0029】
具体的には、操作部211,212,213,214は、第1指示領域R1の一辺と平行に配置されたレール2110,2120上と、当該一辺と対向しない他の辺と平行に配置されたレール2130,2140上に、それぞれ2つずつ配置されている。
【0030】
より具体的には、第1操作部211は、第1指示領域R1における操作者から見て左側及び右側の辺と平行に配置された第1レール2110上に配置されている。
図5に示される例において、第1レール2110は、操作者から見て表示部215の左側方に配置されている。第1操作部211は、第1レール2110に沿って、操作者から見て奥(すなわち、
図5のd1方向)及び手前(すなわち、
図5のd2方向)に移動可能である。第2操作部212は、第1指示領域R1における操作者から見て左側及び右側の辺に平行に配置された第2レール2120上に配置されている。
図5に示される例において、第2レール2120は、操作者から見て表示部215の左側方に第1レール2110に沿って配置されている。第2操作部212は、第2レール2120に沿って、操作者から見て奥(
図5のd1方向)及び手前(
図5のd2方向)に移動可能である。第3操作部213は、第1指示領域R1における操作者から見て奥側および手前側の辺に平行に配置された第3レール2130上に配置されている。第3操作部213は、第3レール2130に沿って、操作者から見て左(すなわち、
図5のd3方向)及び右(すなわち、
図5のd4方向)に移動可能である。第4操作部214は、第1指示領域R1における操作者から見て奥側および手前側の辺に平行に配置された第4レール2140上に配置されている。第4操作部214は、第4レール2140に沿って、操作者から見て左(
図5のd3方向)及び右(
図5のd4方向)に移動可能である。
【0031】
第1操作部211は、d2方向から第2操作部212に突き当たることで、操作者から見て第2操作部212よりも手前に移動しないように移動範囲が規制されていてもよい。すなわち、第2操作部212は、d1方向から第1操作部211に突き当たることで、操作者から見て第1操作部211よりも奥に移動しないように移動範囲が規制されていてもよい。また、第1操作部211及び第2操作部212は、表示部215よりも奥及び手前に移動しないように、第1レール2110及び第2レール2120の長さによって移動範囲が規制されていてもよい。
【0032】
第3操作部213は、d4方向から第4操作部214に突き当たることで、操作者から見て第4操作部214よりも右に移動しないように移動範囲が規制されていてもよい。すなわち、第4操作部214は、d3方向から第3操作部213に突き当たることで、操作者から見て第3操作部213よりも左に移動しないように移動範囲が規制されていてもよい。また、第3操作部213及び第4操作部214は、表示部215よりもd3方向及びd4方向に移動しないように、第3レール2130及び第4レール2140の長さによって移動範囲が規制されていてもよい。
【0033】
図2に示されるディスプレイ23は、種々の情報を表示する装置である。例えば、ディスプレイ23は、処理回路27から送られる画像のデータを表示用の電気信号に変換して出力する。ディスプレイ23は、液晶モニタ、CRT(Cathode Ray Tube)モニタ、及び、タッチパネル等によって実現される。
図1に示される例において、ディスプレイ23は、システムモニタ231と透視モニタ232とを有する。システムモニタ231は、例えば、X線画像として、撮影画像(静止画像)及び透視画像(動画像)等を表示する。透視モニタ232は、例えば、透視画像を表示する。
【0034】
記憶回路25は、種々の情報を記憶する非一過性の記憶装置であり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、光ディスク、SSD(Solid State Drive)、及び集積回路記憶装置等である。記憶回路25は、例えば、X線診断装置1を制御する制御プログラムと、この制御プログラムの実行に用いられる各種のデータとを記憶する。記憶回路25は、HDD及びSSD等以外にも、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)及びフラッシュメモリ等の可搬性記憶媒体、或いはRAM(Random Access Memory)等の半導体メモリ素子等との間で種々の情報を読み書きする駆動装置であってもよい。
【0035】
処理回路27は、入力インタフェース21から入力される入力操作の電気信号に応じて、X線診断装置1全体の動作を制御する回路である。例えば、処理回路27は、撮像制御機能271と、絞り制御機能272と、画像生成機能273とを備える。絞り制御機能272は、制御部の一例である。
【0036】
ここで、例えば、
図2に示す処理回路27の構成要素である撮像制御機能271、絞り制御機能272、及び画像生成機能273が実行する各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路25に記録されている。処理回路27は、例えば、プロセッサである。処理回路27を構成するプロセッサは、記憶回路25から各プログラムを読み出し、実行することで読み出した各プログラムに対応する機能を実現する。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路27は、
図2の処理回路27内に示された各機能を有することとなる。
【0037】
なお、
図2においては、撮像制御機能271、絞り制御機能272、及び画像生成機能273の各処理機能が単一の処理回路27によって実現される場合を示したが、実施形態はこれに限られるものではない。例えば、処理回路27は、複数の独立したプロセッサを組み合わせて構成され、各プロセッサが各プログラムを実行することにより各処理機能を実現するものとしても構わない。また、処理回路27が有する各処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。
【0038】
撮像制御機能271は、例えば、入力インタフェース21を介して操作者から受け付けた入力操作に基づいて、撮像装置10による被検体Pの撮像動作を制御する。撮像制御機能271は、X線制御回路111、絞り制御回路113、寝台機構制御回路117、保持装置16の移動機構等を制御することで、被検体Pの撮像動作を制御する。より具体的には、撮像制御機能271は、記憶回路25に記憶されている制御プログラムを読み出して処理回路27内のメモリ上に展開し、展開された制御プログラムに従ってX線診断装置1の各部を制御する。
【0039】
絞り制御機能272は、操作アセンブリ211,212,213,214に対する操作に応じて、対応するX線絞り羽根151,152,153,154の位置を制御し、X線絞り15に第2の照射範囲を形成させる。第2の照射範囲のサイズは、第1の照射範囲のサイズ以下である。絞り制御機能272は、操作部211,212,213,214に対する操作に応じて、第2の照射範囲の中心が第1の照射範囲の中心と異なるようにX線絞り15の位置を制御可能である。
【0040】
画像生成機能273は、X線検出器19からの出力に基づいて画像データを生成する。画像データは、被検体Pに関する透視画像及び撮影画像を含む医用画像のデータである。撮像制御機能271は、生成された画像データをディスプレイ23に表示させる。
【0041】
次に、以上のように構成された第1の実施形態に係るX線診断装置1の動作例について説明する。
図6は、第1の実施形態に係るX線診断装置1の動作例を示すフローチャートである。なお、
図6のフローチャートは、必要に応じて繰り返される。先ず、
図6に示すように、絞り制御機能272は、操作者によって操作部211,212,213,214が操作されたか否かを判定する(ステップS1)。
【0042】
操作部211,212,213,214が操作された場合(ステップS1:Yes)、絞り制御機能272は、操作部211,212,213,214の操作に応じたX線絞り15の移動制御を行う(ステップS2)。
【0043】
具体的には、絞り制御機能272は、第1操作部211が操作者から見て奥(
図5のd1方向)に操作された場合、第1操作部211の操作量に応じた移動量で
図3のD1方向に第1X線絞り羽根151を移動するように、絞り制御回路113を制御する。また、絞り制御機能272は、第1操作部211が操作者から見て手前(
図5のd2方向)に操作された場合、第1操作部211の操作量に応じた移動量で
図3のD2方向に第1X線絞り羽根151を移動するように、絞り制御回路113を制御する。
【0044】
また、絞り制御機能272は、第2操作部212が操作者から見て奥(d1方向)に操作された場合、第2操作部212の操作量に応じた移動量で
図3のD1方向に第2X線絞り羽根152を移動するように、絞り制御回路113を制御する。また、絞り制御機能272は、第2操作部212が操作者から見て手前(d2方向)に操作された場合、第2操作部212の操作量に応じた移動量で
図3のD2方向に第2X線絞り羽根152を移動するように、絞り制御回路113を制御する。
【0045】
また、絞り制御機能272は、第3操作部213が操作者から見て左(
図5のd3方向)に操作された場合、第3操作部213の操作量に応じた移動量で
図3のD3方向に第3X線絞り羽根153を移動するように、絞り制御回路113を制御する。また、絞り制御機能272は、第3操作部213が操作者から見て右(
図5のd4方向)に操作された場合、第3操作部213の操作量に応じた移動量で
図3のD4方向に第3X線絞り羽根153を移動するように、絞り制御回路113を制御する。
【0046】
また、絞り制御機能272は、第4操作部214が操作者から見て左(d3方向)に操作された場合、第4操作部214の操作量に応じた移動量で
図3のD3方向に第4X線絞り羽根154を移動するように、絞り制御回路113を制御する。また、絞り制御機能272は、第4操作部214が操作者から見て右(d4方向)に操作された場合、第4操作部214の操作量に応じた移動量で
図3のD4方向に第4X線絞り羽根154を移動するように、絞り制御回路113を制御する。
【0047】
なお、操作部211,212,213,214の操作量は、例えば、エンコーダ等のセンサを用いて検出される。具体的には、絞り制御機能272は、センサから出力された操作部211,212,213,214の操作量に応じた電気信号に基づいて、操作部211,212,213,214の操作量を算出し、算出された操作量に基づいてX線絞り羽根151,152,153,154の移動を制御する。また、絞り制御機能272は、例えば、記憶回路25に記憶された操作部211,212,213,214の操作量とX線絞り羽根151,152,153,154の移動量との対応関係に基づいて、操作部211,212,213,214の操作量に応じたX線絞り羽根151,152,153,154の移動量を決定してもよい。
【0048】
操作部211,212,213,214を操作するときに、操作者は、
図5に示すように、表示部215の第1指示領域R1内に、操作部211,212,213,214の位置に応じた矩形状の領域R2を把握することができる。領域R2は、操作部211,212,213,214のそれぞれからスライド方向に直交する方向に延びた仮想線(
図5における破線)で囲まれた領域である。領域R2は、X線絞り15によって形成される第2の照射範囲を示す領域である。以下、領域R2のことを第2指示領域R2とも呼ぶ。操作者は、第2指示領域R2を把握しながら操作部211,212,213,214を操作することができるので、対応する第2の照射範囲のサイズ及び位置を直感的に把握することができる。
【0049】
なお、近接操作卓30の構成は、遠隔操作卓20と同様に、操作部211,212,213,214を含む入力インタフェース21と、ディスプレイ23と、記憶回路25と、絞り制御機能272を含む処理回路277とを備えていてもよい。
【0050】
以上述べたように、第1の実施形態に係るX線診断装置1では、複数の操作部211,212,213,214(すなわち、操作アセンブリ211,212,213,214)が、X線管13から被検体Pに対し照射されるX線の照射範囲を制限するX線絞り15の4枚のX線絞り羽根151,152,153,154のそれぞれの位置を指定する。表示部215の第1指示領域R1は、X線絞り15によって形成される第1の照射範囲を示す。絞り制御機能272は、複数の操作部211,212,213,214(すなわち、操作アセンブリ211,212,213,214)に対する操作に応じて、対応するX線絞り羽根151,152,153,154の位置を制御し、X線絞り15に第2の照射範囲を形成させる。
【0051】
これにより、視野を関心領域Rに合わせるために複数の別種の操作器を使い分けることを要しないため、X線絞り15の操作が簡便となる。X線絞り15の操作が簡便となることで、IVR(Interventional Radiology)等の緊急性の高い手技を迅速かつ適切に行うことが可能となる。また、X線検出器19全体に対する現在のX線照射野Fのサイズ及び位置を直感的に把握することができる。加えて、X線絞り羽根151,152,153,154を所望の配置に調整するためにどのような操作を行うべきかを操作者が直感的に把握することができる。したがって、X線絞り15の操作性を向上させることが可能となる。
【0052】
また、第1の実施形態では、複数の操作部211,212,213,214のうちの2つの操作部は、遠隔操作卓20の操作者から見て表示部215の奥及び手前の少なくとも一方に配置されている。また、複数の操作部211,212,213,214のうちの他の2つの操作部は、操作者から見て表示部215の左及び右の少なくとも一方に配置されている。
【0053】
これにより、X線絞り羽根151,152,153,154の位置関係に整合するように操作部211,212,213,214を配置することができるので、X線絞り15の操作の直感性を向上させることができる。
【0054】
また、第1の実施形態では、操作者から見て表示部215の奥及び手前の少なくとも一方に配置された2つの操作部213,214が、X線診断装置1で表示されるX線画像の左側のX線絞り羽根153と右側のX線絞り羽根154とにそれぞれ対応する。また、操作者から見て表示部215の左及び右の少なくとも一方に配置された2つの操作部211,212は、X線診断装置1で表示されるX線画像の上側のX線絞り羽根151と下側のX線絞り羽根152とにそれぞれ対応する。
【0055】
これにより、X線絞り羽根151,152,153,154の位置関係に更に整合するように操作部211,212,213,214を配置することができるので、X線絞り15の操作の直感性を更に向上させることができる。
【0056】
また、第1の実施形態では、第1の照射範囲のサイズが、第2の照射範囲のサイズ以上である。
【0057】
これにより、表示部215が、X線絞り15が全開のときの照射範囲を示すことができるので、操作部211,212,213,214によるX線絞り15の操作をより直感的に行うことができる。
【0058】
また、第1の実施形態では、操作者から見て表示部215の奥及び手前の少なくとも一方に配置された2つの操作部213,214が、操作者から見て左及び右に移動可能である。また、操作者から見て表示部215の左及び右の少なくとも一方に配置された2つの操作部211,212は、操作者から見て奥及び手前に移動可能である。
【0059】
これにより、X線絞り羽根151,152,153,154の移動方向に操作部211,212,213,214の移動方向を整合させることができるので、X線絞り15の操作の直感性を更に向上させることができる。
【0060】
また、第1の実施形態では、操作部211,212,213,214が、スライダである。
【0061】
これにより、ブラインドタッチによって簡便にX線絞り15を操作することも可能となる。
【0062】
また、第1の実施形態では、操作部211,212,213,214が、表示部215により示される第1の照射範囲(すなわち、第1指示領域R1)の一辺と平行に配置されたレール2110,2120,2130,2140上に配置されている。
【0063】
これにより、簡易な構成により、X線絞り羽根151,152,153,154の移動方向に整合するように操作部211,212,213,214を移動させることができる。
【0064】
また、第1の実施形態では、操作部211,212,213,214が、表示部215により示される第1の照射範囲(第1指示領域R1)の一辺と平行に配置されたレール2110,2120上と、当該一辺と対向しない他の辺と平行に配置されたレール2130,2140上に、それぞれ2つずつ配置されている。
【0065】
これにより、レール2110,2120,2130,2140上の操作部211,212,213,214の位置に応じて表示部215内に定義される第2指示領域R2に基づいて、操作者がX線絞り15で形成される第2の照射領域のサイズ及び位置を感覚的に把握することができるので、X線絞り15の操作の直感性を更に向上させることができる。
【0066】
また、第1の実施形態では、絞り制御機能272が、操作部211,212,213,214に対する操作に応じて、第2の照射範囲の中心が第1の照射範囲の中心と異なるようにX線絞り15の位置を制御可能である。
【0067】
これにより、照射範囲のサイズだけでなく中心位置も変更することができるので、照射野の選択の自由度を向上させることができる。
【0068】
なお、第1の実施形態には、以下に示される種々の変形例を適用することができる。
【0069】
(第1の変形例)
次に、操作部211,212,213,214の位置に応じて表示部215内に定義される第2指示領域R2を可視化する第1の変形例について説明する。
図7は、第1の実施形態の第1の変形例に係る遠隔操作卓20における操作部211,212,213,214及び表示部215を示す平面図である。
【0070】
これまでは、操作部211,212,213,214の位置に応じて、操作者が表示部215内にX線絞り15の第2の照射範囲を示す第2指示領域R2を把握できる例について説明した。これに対して、第1の変形例において、操作部211,212,213,214は、第2指示領域R2を可視化できるように構成されている。
【0071】
具体的には、
図7に示すように、第1の変形例において、操作部211,212,213,214は、表示部215上にX線絞り15によって形成される第2の照射範囲を示す第2の表示部2152を有する。第2の表示部2152は、操作部211,212,213,214の移動方向に直交する方向に沿って操作部211,212,213,214から表示部215に向かって延びる4本の棒状体211a,212a,213a,214aを有する。具体的には、第2の表示部2152は、第1操作部211からd4方向に延びる第1棒状体211aと、第2操作部212からd4方向に延びる第2棒状体212aと、第3操作部213からd2方向に延びる第3棒状体213aと、第4操作部214からd2方向に延びる第4棒状体214aとを有する。第1操作部211の棒状体211aは、第3操作部213の棒状体213a及び第4操作部214の棒状体214aと交差する。第2操作部212の棒状体212aは、第3操作部213の棒状体213a及び第4操作部214の棒状体214aと交差する。第2の表示部2152は、4本の棒状体211a,212a,213a,214aにより囲まれた矩形状の領域(すなわち、第2指示領域R2)によって第2の照射範囲を示すことができる。
【0072】
なお、表示部215がディスプレイ又はパネルによって第1の照射範囲を示す第1指示領域R1を画像表示する構成である場合、第2の表示部2152は、第1指示領域R1上に、第2の照射範囲を示す第2指示領域R2を画像表示してもよい。この場合、第2の表示部2152は、第1指示領域R1に対して第2指示領域R2の表示態様(例えば、表示色及び輝度等)を異ならせてもよい。
【0073】
第1の変形例によれば、第2指示領域R2を可視化することができるので、X線絞り15の操作の直感性を更に向上させることができる。
【0074】
(第2の変形例)
次に、操作部211,212,213,214の配置が変更された第2の変形例について説明する。
図8は、第1の実施形態の第2の変形例に係る遠隔操作卓20における操作部211,212,213,214及び表示部215を示す平面図である。
【0075】
これまでは、第3操作部213及び第4操作部214の双方が、操作者から見て表示部215の奥に配置された例について説明した。これに対して、
図8に示すように、第4操作部214が操作者から見て表示部215の手前に配置されていてもよい。あるいは、第3操作部213も、操作者から見て表示部215の手前に配置されていてもよい。もしくは、第3操作部213が、操作者から見て表示部215の手前に配置され、且つ、第4操作部214が、操作者から見て表示部215の奥に配置されていてもよい。また、第1操作部211及び第2操作部212の少なくとも一方が、操作者から見て表示部215の右に配置されていてもよい。
【0076】
第2の変形例によれば、操作部211,212,213,214の配置を変更することで、設計の自由度を向上させることができる。
【0077】
(第2の実施形態)
次に、設定された視野サイズに合わせて操作部211,212,213,214を移動する第2の実施形態について、第1の実施形態との差異を中心に説明する。
図9は、第2の実施形態に係るX線診断装置1の構成の一例を示すブロック図である。
図10は、第2の実施形態に係る遠隔操作卓20における視野サイズ切替スイッチ218を示す平面図である。
【0078】
図9に示すように、第2の実施形態において、遠隔操作卓20の処理回路27は、第1の実施形態の構成に加えて、更に、操作部移動機能274を備える。操作部移動機能274は、移動部の一例である。また、
図10に示すように、第2の実施形態において、遠隔操作卓20の入力インタフェース21は、第1の実施形態の構成に加えて、更に、視野サイズ切替スイッチ218を備える。視野サイズ切替スイッチ218は、指定部の一例である。
【0079】
視野サイズ切替スイッチ218は、予め決められた照射野のサイズを指定するスイッチである。
図10に示される例において、視野サイズ切替スイッチ218は、第1スイッチ218aと、第2スイッチ218bと、第3スイッチ218cと、第4スイッチ218dとを有する。第1スイッチ218aは、最大の照射野のサイズを指定するスイッチである。第2スイッチ218bは、2番目に大きい照射野のサイズを指定するスイッチである。第3スイッチ218cは、3番目に大きい照射野のサイズを指定するスイッチである。第4スイッチ218dは、最小の照射野のサイズを指定するスイッチである。第1スイッチ218aで指定される照射野のサイズは、例えば、固定されたサイズであってもよい。第2スイッチ218b、第3スイッチ218c、及び第4スイッチ218dで指定される照射野のサイズは、初期設定の際に複数の選択肢の中から選択可能であってもよい。
【0080】
第2の制御部の一例である絞り制御機能272は、視野サイズ切替スイッチ218による照射野のサイズの指定に応じてX線絞り15のX線絞り羽根151,152,153,154の位置を制御し、X線絞り15に視野サイズ切替スイッチ218で指定されたサイズの照射野に対応する第2の照射範囲を形成させる。例えば、操作者がいずれかのスイッチ218a,218b,218c,218dを押圧すると、押圧されたスイッチ218a,218b,218c,218dに対応する照射野のサイズを指定する電気信号が絞り制御機能272に出力される。絞り制御機能272は、電気信号に応じて、指定されたサイズの照射野に対応する第2の照射範囲をX線絞り15に形成させるように、絞り制御回路113を制御する。絞り制御機能272は、操作部211,212,213,214に対する操作の後に視野サイズ切替スイッチ218が操作された場合には、操作部211,212,213,214に対する操作によって形成された第2の照射範囲の中心位置を変化させることなく視野サイズ切替スイッチ218で指定されたサイズの照射野に対応する第2の照射範囲が形成されるようにX線絞り15を移動する制御を行ってもよい。
【0081】
操作部移動機能274は、絞り制御機能272による第2の照射範囲の形成に連動して、第2の照射範囲に対応する位置まで操作部211,212,213,214を移動させる。例えば、操作部移動機能274は、
図11に示される操作部移動機構2100を電気的に制御することで、絞り制御機能272による第2の照射範囲の形成に連動して第2の照射範囲に対応する位置まで操作部211,212,213,214を移動させる。操作部移動機構2100は、操作部移動機能274による制御によって操作部211,212,213,214を移動させる機構である。操作部移動機構2100は、例えば、操作部211,212,213,214のそれぞれに対応するモータ等の駆動源と、各駆動源の駆動力を対応する操作部211,212,213,214に伝達させるギア等の駆動力伝達部材とで構成することができる。なお、駆動源が停止しているときに操作部211,212,213,214の手動による操作が妨げられないように、操作部移動機構2100は、視野サイズ切替スイッチ218が操作されたとき以外は、駆動源と操作部211,212,213,214との間の駆動力の伝達経路を遮断してもよい。
【0082】
図12は、第2の実施形態に係るX線診断装置1の動作例を示すフローチャートである。
図13は、第2の実施形態に係るX線診断装置1の動作例を示す平面図である。
【0083】
図12に示すように、第2の実施形態において、絞り制御機能272は、操作部211,212,213,214の操作に応じたX線絞り15の移動制御(ステップS2)が行われた後に、視野サイズ切替スイッチ218が操作されたか否かを判定する(ステップS3)。また、視野サイズ切替スイッチ218のみを操作する場合にも対応するため、第2の実施形態において、絞り制御機能272は、操作部211,212,213,214の操作に応じたX線絞り15の移動制御(ステップS2)が行われなかった場合(ステップS1:No)にも、視野サイズ切替スイッチ218が操作されたか否かを判定する(ステップS3)。
【0084】
視野サイズ切替スイッチ218が操作された場合(ステップS3:Yes)、絞り制御機能272は、視野サイズ切替スイッチ218の操作に応じたX線絞り15の移動制御を行う。例えば、絞り制御機能272は、操作部211,212,213,214に対する操作によって形成された第2の照射範囲の中心位置を変化させることなく視野サイズ切替スイッチ218で指定されたサイズの照射野に対応する第2の照射範囲が形成されるようにX線絞り15を移動させる制御を行う。
【0085】
視野サイズ切替スイッチ218の操作に応じたX線絞り15の移動制御が行われた後、操作部移動機能274は、X線絞り15の移動に連動した操作部211,212,213,214の移動制御を行う(ステップS5)。
【0086】
例えば、
図13に示すように、操作部211,212,213,214の操作によって形成された照射野よりも大きなサイズの照射野が視野サイズ切替スイッチ218によって指定された場合は、現在の第2の照射範囲よりも大きなサイズの第2の照射範囲が形成されるようにX線絞り羽根151,152,153,154が移動される。これにともなって、
図13に示すように、第1操作部211はd1方向に移動される。また、第2操作部212はd2方向に移動される。また、第3操作部213はd3方向に移動される。また、第4操作部214はd4方向に移動される。
【0087】
以上述べたように、第2の実施形態に係るX線診断装置1では、視野サイズ切替スイッチ218が、予め決められた照射野のサイズを指定する。絞り制御機能272は、視野サイズ切替スイッチ218による照射野のサイズの指定に応じてX線絞り15の位置を制御し、X線絞り15に視野サイズ切替スイッチ218で指定されたサイズの照射野に対応する第2の照射範囲を形成させる。操作部移動機能274は、絞り制御機能272による第2の照射範囲の形成に連動して、第2の照射範囲に対応する位置まで複数の操作部211,212,213,214(すなわち、操作アセンブリ211,212,213,214)を移動させる。
【0088】
これにより、視野サイズ切替スイッチ218の操作によって照射野のサイズが変更された場合には、操作部211,212,213,214の位置関係を変更された照射野に整合させることができるので、X線絞り15の操作の直感性を更に向上させることができる。
【0089】
(第3の実施形態)
次に、照射野のサイズが予め決められたサイズになったときに、操作部211,212,213,214を通じて操作者にクリック感を付与する第3の実施形態について、第1の実施形態との差異を中心に説明する。
【0090】
図14は、第3の実施形態に係る遠隔操作卓20における操作部211,212,213,214及び表示部215を示す平面図である。
図14に示すように、第3の実施形態に係る遠隔操作卓20は、第1の実施形態の構成に加えて、更に、照射野のサイズが予め決められたサイズになったときに、操作アセンブリ211,212,213,214を通じて操作者にクリック感を付与する付与部219を更に備える。予め決められた照射野のサイズは、複数のサイズを含む。
【0091】
より具体的には、
図14に示される例において、付与部219は、第1操作部211に設けられた第1接触部材2111と、第2操作部212に設けられた第1接触部材群2121,2122,2123と、第4操作部214に設けられた第2接触部材2141と、第3操作部213に設けられた第2接触部材群2131,2132,2133とを有する。
【0092】
第1接触部材2111は、第1操作部211から表示部215と反対のd3方向に突出するように第1操作部211に設けられた突起状の部材である。第1接触部材群2121,2122,2123は、照射野のサイズが予め決められた複数のサイズになったときに、第1接触部材2111を介して操作アセンブリ211,212,213,214における第1操作部211に接触する部材群である。第1接触部材群2121,2122,2123は、第1接触部材2111に対してd3方向に位置するように第2操作部212に設けられている。第1接触部材群2121,2122,2123は、第1レール2110及び第2レール2120に沿った方向の第1操作部211と第2操作部212との距離が予め決められた照射野の複数のサイズのそれぞれに対応する距離になったときに、第1接触部材2111に接触する。第1接触部材群2121,2122,2123は、第1レール2110及び第2レール2120に沿った方向に間隔を空けて配置された第1群第1接触部材2121と、第1群第2接触部材2122と、第1群第3接触部材2123とを有する。第1群第1接触部材2121は、第1接触部材群2121,2122,2123のうちで第2操作部212から最も離れた位置に配置されている。第1群第3接触部材2123は、第1接触部材群2121,2122,2123のうちで第2操作部212から最も近い位置に配置されている。
【0093】
第1群第1接触部材2121は、第1操作部211と第2操作部212との距離が予め決められた照射野の第1サイズに対応する距離になったときに、第1接触部材2111に接触し、接触によって生じた衝撃力によって第1操作部211を通じて操作者にクリック感を付与する。第1群第2接触部材2122は、第1操作部211と第2操作部212との距離が予め決められた照射野の第2サイズに対応する距離になったときに、第1接触部材2111に接触し、接触によって生じた衝撃力によって第1操作部211を通じて操作者にクリック感を付与する。第2サイズは、第1サイズよりも小さいサイズである。第1群第3接触部材2123は、第1操作部211と第2操作部212との距離が予め決められた照射野の第3サイズに対応する距離になったときに、第1接触部材2111に接触し、接触によって生じた衝撃力によって第1操作部211を通じて操作者にクリック感を付与する。第3サイズは、第2サイズよりも小さいサイズである。第1接触部材2111に接触したときに第1操作部211の移動を妨げないように、第1接触部材群2121,2122,2123は、第1接触部材2111との接触によって弾性変形可能に構成されている。第1接触部材群2121,2122,2123は、例えば、少なくとも部分的にばね等の弾性体によって構成されている。
【0094】
第2接触部材2141は、第4操作部214から表示部215と反対のd1方向に突出するように第4操作部214に設けられた突起状の部材である。第2接触部材群2131,2132,2133は、照射野のサイズが予め決められた複数のサイズになったときに、第2接触部材2141を介して操作アセンブリ211,212,213,214における第4操作部214に接触する部材群である。第2接触部材群2131,2132,2133は、第2接触部材2141に対してd1方向に位置するように第3操作部213に設けられている。第2接触部材群2131,2132,2133は、第3レール2130及び第4レール2140に沿った方向の第3操作部213と第4操作部214との距離が予め決められた照射野の複数のサイズのそれぞれに対応する距離になったときに、第2接触部材2141に接触する。第2接触部材群2131,2132,2133は、第3レール2130及び第4レール2140に沿った方向に間隔を空けて配置された第2群第1接触部材2131と、第2群第2接触部材2132と、第2群第3接触部材2133とを有する。第2群第1接触部材2131は、第2接触部材群2131,2132,2133のうちで第3操作部213から最も離れた位置に配置されている。第2群第3接触部材2133は、第2接触部材群2131,2132,2133のうちで第3操作部213から最も近い位置に配置されている。
【0095】
第2群第1接触部材2131は、第3操作部213と第4操作部214との距離が照射野の第1サイズに対応する距離になったときに、第2接触部材2141に接触し、接触によって生じた衝撃力によって第4操作部214を通じて操作者にクリック感を付与する。第2群第2接触部材2132は、第3操作部213と第4操作部214との距離が照射野の第2サイズに対応する距離になったときに、第2接触部材2141に接触し、接触によって生じた衝撃力によって第4操作部214を通じて操作者にクリック感を付与する。第2群第3接触部材2133は、第3操作部213と第4操作部214との距離が照射野の第3サイズに対応する距離になったときに、第2接触部材2141に接触し、接触によって生じた衝撃力によって第4操作部214を通じて操作者にクリック感を付与する。第2接触部材2141に接触したときに第4操作部214の移動を妨げないように、第2接触部材群2131,2132,2133は、第2接触部材2141との接触によって弾性変形可能に構成されている。第2接触部材群2131,2132,2133は、例えば、少なくとも部分的にばね等の弾性体によって構成されている。
【0096】
図15は、第3の実施形態に係る遠隔操作卓20の第1の動作例を示す平面図である。例えば、
図14に示すように照射野のサイズが第2サイズである状態から、操作者が第1操作部211をd1方向に操作するとともに、第4操作部214をd4方向に操作したとする。このような第1操作部211及び第4操作部214の操作によって、照射野のサイズは第2サイズから拡大する。そして、
図15に示すように、照射野のサイズが第1サイズになったときに、第1接触部材2111に第1群第1接触部材2121が接触し、接触によって生じた衝撃力によって第1操作部211を通じて操作者にクリック感が付与される。また、照射野のサイズが第1サイズになったときに、第2接触部材2141に第2群第1接触部材2131が接触し、接触によって生じた衝撃力によって第4操作部214を通じて操作者にクリック感が付与される。第1操作部211及び第4操作部214を通じてクリック感が付与されることで、操作者は、照射野が第1サイズになったことを容易に把握することができる。
【0097】
図16は、第3の実施形態に係る遠隔操作卓20の第2の動作例を示す平面図である。また、例えば、
図14に示すように照射野のサイズが第2サイズである状態から、操作者が第1操作部211をd2方向に操作するとともに、第4操作部214をd3方向に操作したとする。このような第1操作部211及び第4操作部214の操作によって、照射野のサイズは第2サイズから縮小する。そして、
図16に示すように、照射野のサイズが第3サイズになったときに、第1接触部材2111に第1群第3接触部材2123が接触し、接触によって生じた衝撃力によって第1操作部211を通じて操作者にクリック感が付与される。また、照射野のサイズが第3サイズになったときに、第2接触部材2141に第2群第3接触部材2133が接触し、接触によって生じた衝撃力によって第4操作部214を通じて操作者にクリック感が付与される。第1操作部211及び第4操作部214を通じてクリック感が付与されることで、操作者は、照射野が第3サイズになったことを容易に把握することができる。
【0098】
これまでは、付与部219が第1接触部材2111と第1接触部材群2121,2122,2123との接触で生じた衝撃力及び第2接触部材2141と第2接触部材群2131,2132,2133との接触で生じた衝撃力によって操作者にクリック感を付与する例について説明した。衝撃力によって操作者にクリック感を付与することに限定されず、例えば、付与部219は、第1接触部材2111と第1接触部材群2121,2122,2123との電気的接触及び第2接触部材2141と第2接触部材群2131,2132,2133との電気的接触に応じて振動を発生させ、振動によるクリック感を操作者に付与してもよい。
【0099】
例えば、第1接触部材2111及び第2接触部材2141の少なくとも一方は、圧電素子で構成されていてもよい。また、付与部219は、第1接触部材2111が第1群第1接触部材2121に接触し、且つ、第2接触部材2141が第2群第1接触部材2131に接触したときに、第1接触部材2111と、第1群第1接触部材2121と、第2接触部材2141と、第2群第1接触部材2131と、電源とを導通させる第1の電気回路を備えていてもよい。また、付与部219は、第1接触部材2111が第1群第2接触部材2122に接触し、且つ、第2接触部材2141が第2群第2接触部材2132に接触したときに、第1接触部材2111と、第1群第2接触部材2122と、第2接触部材2141と、第2群第2接触部材2132と、電源とを導通させる第2の電気回路を備えていてもよい。また、付与部219は、第1接触部材2111が第1群第3接触部材2123に接触し、且つ、第2接触部材2141が第2群第3接触部材2133に接触したときに、第1接触部材2111と、第1群第3接触部材2123と、第2接触部材2141と、第2群第3接触部材2133と、電源とを導通させる第3の電気回路を備えていてもよい。このような構成によれば、照射野のサイズが第1サイズ、第2サイズ、及び第3サイズのそれぞれになったときに、圧電素子で発生した振動によって操作者にクリック感を付与することができる。
【0100】
以上述べたように、第3の実施形態に係るX線診断装置1では、照射野のサイズが予め決められたサイズになったときに、付与部219が、操作アセンブリ211,212,213,214における操作部211,214を通じて操作者にクリック感を付与する。
【0101】
これにより、操作者は、照射野のサイズが予め決められたサイズになったことを容易に把握することができるので、X線絞り15の操作の直感性を更に向上させることができる。
【0102】
(第4の実施形態)
次に、隣り合う2つのレールのそれぞれに配置された操作部の摘まみ部が、操作部の移動方向に直線状に並んだ位置関係を有する第4の実施形態について、上述した実施形態との差異を中心に説明する。
図17は、第4の実施形態に係る遠隔操作卓20における操作部211,212を示す斜視図である。
図18は、第4の実施形態に係る遠隔操作卓20における操作部211,212を、操作部211,212の移動方向から見た図である。
【0103】
図17及び
図18に示される例において、操作者から見て表示部215の左側方(すなわち、d3方向)に配置された第1操作部211及び第2操作部212は、第1操作部211及び第2操作部212の移動方向d1,d2に直線状に並んだ位置関係を有する摘み部216,216を有する。第1操作部211の摘まみ部216と、第2操作部212の摘まみ部216とは、第1操作部211及び第2操作部212の移動方向d1,d2において互いに重なり合った位置関係を有していてもよい。すなわち、
図18に示すように、第1操作部211の摘まみ部216と、第2操作部212の摘まみ部216とは、操作者から見て左(d3)から右(d4)に向かう方向及び上下方向(すなわち、Z軸方向)の位置及び範囲が互いに揃っていてもよい。
【0104】
操作部211,212の摘まみ部216は、接続部217を介して対応するレール2110,2120に接続されている。
図17及び
図18に示される例において、第1操作部211の接続部217は、第1レール2110から第1操作部211の摘まみ部216まで上方(すなわち、Z軸方向)に向かって直線状に延びている。また、第2操作部212の接続部217は、第2レール2120から第2操作部212の摘まみ部216まで上方に向かって直線状に延びている。なお、第1~第3の実施形態の各図に示された操作部211,212,213,214は、第4の実施形態と同様の摘まみ部216であってもよく、当該摘まみ部216は、接続部217を介してレール2110,2120,2130,2140に接続されていてもよい。
【0105】
第4の実施形態によれば、第1操作部211の摘まみ部216と、第2操作部212の摘まみ部216とが、第1操作部211及び第2操作部212の移動方向d1,d2に直線状に並んだ位置関係を有する。
【0106】
これにより、第1操作部211及び第2操作部212の審美性及び操作性を向上させることができる。
【0107】
(第1の変形例)
図19は、第4の実施形態の第1の変形例に係る遠隔操作卓20における操作部211,212を、操作部211,212の移動方向d1,d2から見た図である。
図17及び
図18では、レール2110,2120から上方に向かって直線状に延びる接続部217を介して摘まみ部216がレール2110,2120に接続された例について説明した。これに対して、
図19に示される例において、第1操作部211の接続部217は、操作者から見て左側d3に屈曲しながら第1レール2110から摘まみ部216まで上方に向かって延びている。また、第2操作部212の接続部217は、操作者から見て右側d4に屈曲しながら第2レール2120から摘まみ部216まで上方に向かって延びている。
【0108】
図19に示される例によれば、接続部217を屈曲させることで、操作部211,212の摘まみ部216の寸法を移動方向d1,d2に直交する方向d3,d4に大きく形成することを要さずに、操作部211,212の摘まみ部216を移動方向d1,d2に直線状に並べることができる。
【0109】
(第2の変形例)
図20は、第4の実施形態の第2の変形例に係る遠隔操作卓20における操作部213,214を示す斜視図である。
図17及び
図18において説明した第1操作部211の摘まみ部216と第2操作部212の摘まみ部216との位置関係は、第3操作部213及び第4操作部214にも適用することができる。具体的には、
図20に示すように、操作者から見て表示部215の奥側に配置された第3操作部213及び第4操作部214は、第3操作部213及び第4操作部214の移動方向d3,d4に直線状に並んだ位置関係を有する摘み部216,216を有する。第3操作部213の摘まみ部216と、第4操作部214の摘まみ部216とは、第3操作部213及び第4操作部214の移動方向d3,d4において互いに重なり合った位置関係を有していてもよい。すなわち、第3操作部213の摘まみ部216と、第4操作部214の摘まみ部216とは、操作者から見て奥(d1)から手前(d2)に向かう方向及び上下方向の位置及び範囲が互いに揃っていてもよい。
【0110】
図20に示される例においては、レール2130,2140から上方に向かって直線状に延びる接続部217を介して摘まみ部216がレール2130,2140に接続されている。
【0111】
図20に示される例によれば、第3操作部213の摘まみ部216と、第4操作部214の摘まみ部216とが、第3操作部213及び第4操作部214の移動方向d3,d4に直線状に並んだ位置関係を有する。これにより、第3操作部213及び第4操作部214の審美性及び操作性を向上させることができる。なお、
図20に示される操作部213,214の構成を、
図17及び
図18に示される操作部211,212の構成と組み合わせてもよい。また、
図19に示される屈曲した接続部217を、
図20に示される操作部213,214に適用してもよい。
【0112】
(第5の実施形態)
次に、X線絞り15の移動方向が寝台17の長手方向及び横手方向に対して傾斜している第5の実施形態について、上述した実施形態との差異を中心に説明する。
図21は、第5の実施形態に係るX線診断装置1におけるX線絞り15及び操作部211,212,213,214を示す平面図である。
【0113】
図3では、第1X線絞り羽根151及び第2X線絞り羽根152の移動方向D1,D2が寝台17の長手方向(すなわち、Y軸方向)に平行であり、第3X線絞り羽根153及び第4X線絞り羽根154の移動方向が寝台17の横手方向(すなわち、X軸方向)に平行である例について説明した。これに対して、
図21に示される例において、X線絞り羽根151,152,153,154の移動方向D1,D2,D3,D4は、寝台17の長手方向及び横手方向に対して傾斜している。より具体的には、
図21に示される例においては、入力インタフェース21の操作に応じた絞り制御回路113によるX線絞り15の駆動により、矢印D5に示すようにX線絞り15全体がZ軸周りに回転する。X線絞り15全体が回転することで、X線絞り羽根151,152,153,154の移動方向D1,D2,D3,D4が、寝台17の長手方向及び横手方向に対して傾斜するように変化する。
【0114】
なお、
図21においては、X線絞り15全体が回転される前のX線絞り羽根151,152,153,154が二点鎖線で示されている。X線絞り15全体を回転させるための入力インタフェース21の具体的な態様は特に限定されない。例えば、X線絞り15全体を回転させるための操作部は、操作部211,212,213,214の近傍に配置されていてもよい。或いは、表示部215全体が手動で回転可能に構成されており、表示部215の回転量に応じた回転量でX線絞り15全体が回転するように構成されてもよい。若しくは、X線絞り15全体を回転させるための操作部は、表示部215から離れて配置されていてもよい。
【0115】
第5の実施形態によれば、視野を関心領域Rに合わせるために複数の別種の操作器を使い分ける作業を低減できるため、X線絞り15の操作性を向上させることができる。また、X線絞り15を回転させることで、視野の選択の自由度を向上させることができる。
【0116】
(変形例)
図22は、第5の実施形態の変形例に係るX線診断装置におけるX線絞り及び操作部を示す平面図である。
図21では、X線絞り15全体が回転することで、X線絞り羽根151,152,153,154の移動方向D1,D2,D3,D4が、寝台17の長手方向及び横手方向に対して傾斜するように変化する例について説明した。これに対して、
図22に示される例においては、X線絞り15全体は回転せず、X線絞り羽根151,152,153,154の移動方向D1,D2,D3,D4は、寝台17の長手方向及び横手方向に対して傾斜した状態に固定されている。また、表示部215により示される第1の照射範囲R1の各辺は、操作者から見て表示部215の奥から手前に向かう方向及び左から右に向かう方向に対して傾斜している。
【0117】
図22に示される例によれば、X線絞り羽根151,152,153,154の移動方向D1,D2,D3,D4の傾斜に合わせて第1の照射範囲R1及び操作部211,212,213,214の移動方向を傾斜させることができるので、X線絞り15をより直感的に操作することができる。
【0118】
なお、上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及び、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは、記憶回路に保存されたプログラムを読み出して実行することにより機能を実現する。なお、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成して構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、プロセッサは、プロセッサ単一の回路として構成されている場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて、1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、
図2における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合して、その機能を実現するようにしてもよい。
【0119】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、X線絞りの操作性を向上させることができる。
【0120】
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例としてのみ提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図したものではない。本明細書で説明した新規な装置及び方法は、その他の様々な形態で実施することができる。また、本明細書で説明した装置及び方法の形態に対し、発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。添付の特許請求の範囲及びこれに均等な範囲は、発明の範囲や要旨に含まれるこのような形態や変形例を含むように意図されている。
【0121】
以上の実施形態に関し、発明の一側面および選択的な特徴として以下の付記を開示する。
【0122】
(付記1)
X線管から被検体に対し照射されるX線の照射範囲を制限する、X線絞りに含まれる4枚のX線絞り羽根のそれぞれの位置を指定する複数の操作部を有する、操作アセンブリと、
前記X線絞りによって形成される第1の照射範囲を示す表示部と、
前記操作アセンブリに対する操作に応じて、対応する前記X線絞り羽根の位置を制御し、前記X線絞りに第2の照射範囲を形成させる制御部と、
を備える、コンソール装置。
【0123】
(付記2)
前記複数の操作部のうちの2つの操作部は、前記コンソール装置の操作者から見て前記表示部の奥及び手前の少なくとも一方に配置され、且つ、前記複数の操作部のうちの他の2つの操作部は、前記操作者から見て前記表示部の左及び右の少なくとも一方に配置されていてもよい。
【0124】
(付記3)
前記表示部の奥及び手前の少なくとも一方に配置された2つの操作部は、X線診断装置で表示されるX線画像の左側のX線絞り羽根と右側のX線絞り羽根とにそれぞれ対応し、
前記表示部の左及び右の少なくとも一方に配置された2つの操作部は、前記X線診断装置で表示される前記X線画像の上側のX線絞り羽根と下側のX線絞り羽根とにそれぞれ対応してもよい。
【0125】
(付記4)
前記第1の照射範囲のサイズは、前記第2の照射範囲のサイズ以上であってもよい。
【0126】
(付記5)
前記第1の照射範囲のサイズは、前記X線絞りが全開のときのサイズであってもよい。
【0127】
(付記6)
前記表示部の奥及び手前の少なくとも一方に配置された2つの操作部は、前記操作者から見て左及び右に移動可能であり、
前記表示部の左及び右の少なくとも一方に配置された2つの操作部は、前記操作者から見て奥及び手前に移動可能であってもよい。
【0128】
(付記7)
前記操作部は、スライダであってもよい。
【0129】
(付記8)
前記操作部は、前記表示部により示される前記第1の照射範囲の一辺と平行に配置されたレール上に配置されていてもよい。
【0130】
(付記9)
前記操作部は、前記表示部により示される前記第1の照射範囲の一辺と、当該一辺と対向しない他の辺とにそれぞれ平行に配置されたレール上に、2つずつ配置されていてもよい。
【0131】
(付記10)
照射野のサイズが予め決められたサイズになったときに、前記操作アセンブリを通じて前記操作者にクリック感を付与する付与部を更に備えてもよい。
【0132】
(付記11)
前記付与部は、前記照射野のサイズが前記予め決められたサイズになったときに前記操作アセンブリと接触する接触部材を有してもよい。
【0133】
(付記12)
前記予め決められたサイズは、複数のサイズを含んでもよい。
【0134】
(付記13)
前記制御部は、前記操作部に対する操作に応じて、前記第2の照射範囲の中心が前記第1の照射範囲の中心と異なるように前記X線絞りの位置を制御可能であってもよい。
【0135】
(付記14)
予め決められた照射野のサイズを指定する指定部と、
前記指定部による前記照射野のサイズの指定に応じて前記X線絞りの位置を制御し、前記X線絞りに前記指定部で指定されたサイズの前記照射野に対応する前記第2の照射範囲を形成させる第2の制御部と、
前記第2の制御部による前記第2の照射範囲の形成に連動して、前記第2の照射範囲に対応する位置まで前記操作アセンブリを移動させる移動部と、
を更に備えてもよい。
【0136】
(付記15)
前記表示部は、物理的なフレームによって前記第1の照射範囲を示してもよい。
【0137】
(付記16)
前記表示部は、画像によって前記第1の照射範囲を示してもよい。
【0138】
(付記17)
前記X線絞りによって形成される第2の照射範囲を示す第2の表示部を更に備えてもよい。
【0139】
(付記18)
前記第2の表示部は、前記表示部の奥及び手前の少なくとも一方に配置された2つの操作部及び前記表示部の左及び右の少なくとも一方に配置された2つの操作部のそれぞれから前記表示部に向かって延びる棒状体を有し、棒状体で囲まれた領域によって前記第2の照射範囲を示してもよい。
【0140】
(付記19)
前記表示部は、画像によって前記第2の照射範囲を示してもよい。
【0141】
(付記20)
前記操作部は、スライダであり、
前記一辺及び前記他の辺の少なくとも一方に配置された2つの前記操作部は、当該2つの操作部の移動方向に直線状に並んだ位置関係を有する摘み部を有していてもよい。
【0142】
(付記21)
前記表示部は、前記X線画像を表示する表示部と別体の構成であってもよい。
【0143】
(付記22)
前記X線絞りの移動方向は、前記被検体を載置するための寝台の長手方向及び横手方向に対して傾斜していてもよい。
【0144】
(付記23)
前記X線絞りの移動方向は、前記被検体を載置するための寝台の長手方向及び横手方向に対して傾斜し、
前記表示部により示される前記第1の照射範囲の各辺は、前記操作者から見て前記表示部の奥から手前に向かう方向及び左から右に向かう方向に対して傾斜していてもよい。
【0145】
(付記24)
被検体に対しX線を照射するX線管と、
前記被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、
前記X線管から前記被検体に対し照射されるX線の照射範囲を制限する、4枚のX線絞り羽根を含むX線絞りと、
コンソール装置と、を備え、
前記コンソール装置は、
X線管から被検体に対し照射されるX線の照射範囲を制限する、4枚のX線絞りのそれぞれの位置を指定する複数の操作部を有する操作アセンブリと、
前記X線絞りによって形成される第1の照射範囲を示す表示部と、
前記操作アセンブリに対する操作に応じて、対応する前記X線絞り羽根の位置を制御し、第2の照射範囲を形成させる制御部と、を備える、X線診断装置。
【0146】
(付記25)
操作アセンブリに含まれる複数の操作部により、X線管から被検体に対し照射されるX線の照射範囲を制限する、X線絞りに含まれる4枚のX線絞り羽根のそれぞれの位置を指定し、
表示部により、前記X線絞りによって形成される第1の照射範囲を示し、
前記操作アセンブリに対する操作に応じて、対応する前記X線絞り羽根の位置を制御し、第2の照射範囲を形成させる、照射野の操作方法。
【符号の説明】
【0147】
1 X線診断装置
13 X線管
15 X線絞り
151 第1X線絞り羽根
152 第2X線絞り羽根
153 第3X線絞り羽根
154 第4X線絞り羽根
20 遠隔操作卓
211 第1操作部
212 第2操作部
213 第3操作部
214 第4操作部
215 表示部
272 絞り制御機能
2110 第1レール
2120 第2レール
2130 第3レール
2140 第4レール
218 視野サイズ切替スイッチ
219 付与部
2121 第1群第1接触部材
2122 第1群第2接触部材
2123 第1群第3接触部材
2131 第2群第1接触部材
2132 第2群第2接触部材
2133 第2群第3接触部材