IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社JVCケンウッドの特許一覧

<>
  • 特開-再生装置及び再生方法 図1
  • 特開-再生装置及び再生方法 図2
  • 特開-再生装置及び再生方法 図3
  • 特開-再生装置及び再生方法 図4
  • 特開-再生装置及び再生方法 図5
  • 特開-再生装置及び再生方法 図6
  • 特開-再生装置及び再生方法 図7
  • 特開-再生装置及び再生方法 図8
  • 特開-再生装置及び再生方法 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129794
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】再生装置及び再生方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04815 20220101AFI20240919BHJP
   G06T 19/00 20110101ALI20240919BHJP
   H04N 21/433 20110101ALI20240919BHJP
   H04N 21/442 20110101ALI20240919BHJP
   H04N 21/431 20110101ALI20240919BHJP
【FI】
G06F3/04815
G06T19/00 A
H04N21/433
H04N21/442
H04N21/431
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024012695
(22)【出願日】2024-01-31
(31)【優先権主張番号】P 2023038568
(32)【優先日】2023-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】宍戸 智之
【テーマコード(参考)】
5B050
5C164
5E555
【Fターム(参考)】
5B050BA12
5B050BA13
5B050CA07
5B050DA10
5B050EA07
5B050EA12
5B050EA18
5B050EA19
5B050FA02
5B050FA09
5B050GA08
5C164GA05
5C164MA03S
5C164UB36P
5C164UB41P
5C164UB90P
5C164YA12
5C164YA27
5E555AA27
5E555AA76
5E555BA01
5E555BB01
5E555BC04
5E555BD05
5E555BD09
5E555BE17
5E555CA01
5E555CA47
5E555CB64
5E555CB69
5E555CC26
5E555DA01
5E555DB32
5E555DB37
5E555DB56
5E555DC09
5E555DC13
5E555DC84
5E555DC85
5E555DD07
5E555EA03
5E555EA05
5E555EA07
5E555EA08
5E555EA11
5E555EA19
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】仮想空間でのユーザのイベント体験の満足度の低下を防ぐこと。
【解決手段】本発明の再生装置20は、仮想空間において、IDの付された所定のエリアにアバターが移動した時、IDと関連付けて、所定のエリアの状態を示す状態情報及び所定のエリアでのアバターの動作ログを記録部23に記録する記録制御部21と、所定のエリアにおいてアバターの動作を再生する際に、記録部23にIDと関連付けて記録された状態情報が示す状態と、再生時の所定のエリアの状態と、が一致した場合に、動作ログに基づいて、アバターの動作を再生する再生部22と、を備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想空間において、IDの付された所定のエリアにアバターが移動した時、前記IDと関連付けて、前記所定のエリアの状態を示す状態情報及び前記所定のエリアでのアバターの動作ログを記録部に記録する記録制御部と、
前記所定のエリアにおいてアバターの動作を再生する際に、前記記録部に前記IDと関連付けて記録された前記状態情報が示す状態と、再生時の前記所定のエリアの状態と、が一致した場合に、前記動作ログに基づいて、アバターの動作を再生する再生部と、を備える、
再生装置。
【請求項2】
前記状態情報は、前記所定のエリアに配置された所定のオブジェクトの情報を含み、
前記再生部は、再生時の前記所定のエリアに前記所定のオブジェクトが配置されている場合、前記所定のエリアの状態が一致したと判断する、
請求項1に記載の再生装置。
【請求項3】
前記再生部は、前記所定のエリアにおいてアバターの動作を再生する際に、前記仮想空間に存在するアバターの数または前記所定のエリアの混雑度が所定の閾値未満である場合に、アバターの動作を再生する、
請求項1又は2に記載の再生装置。
【請求項4】
前記記録制御部は、前記所定のエリアにアバターが移動した時、前記IDと関連付けて、前記所定のエリアにアバターが滞在していた時間を示す時間情報を前記記録部にさらに記録し、
前記再生部は、前記所定のエリアにおいてアバターの動作を再生する際に、前記記録部に前記IDと関連付けて記録された前記時間情報が示す時間が、所定の時間よりも短い場合に、前記動作ログに基づいて、アバターの動作を再生する、
請求項1又は2に記載の再生装置。
【請求項5】
前記記録制御部は、前記所定のエリアにアバターが移動した時、アバターを操作するユーザの属性をクラスに分類し、前記IDと関連付けて、分類されたクラスを示すクラス情報を前記記録部にさらに記録し、
前記再生部は、前記所定のエリアにおいてアバターの動作を再生する際に、ユーザの属性が分類されるクラスと、前記記録部に前記IDと関連付けて記録された前記クラス情報が示すクラスと、が一致した場合に、前記動作ログに基づいて、アバターの動作を再生する、
請求項1又は2に記載の再生装置。
【請求項6】
前記記録制御部は、前記所定のエリアにアバターが移動した時、アバターによる会話内容又はアバターを操作するユーザの生体情報に基づいて、アバターを操作するユーザの感情をクラスに分類し、前記IDと関連付けて、分類されたクラスを示すクラス情報を前記記録部にさらに記録し、
前記再生部は、前記所定のエリアにおいてアバターの動作を再生する際に、前記記録部に前記IDと関連付けて記録された前記クラス情報が示すクラスに基づいて、前記動作ログに基づいて再生するアバターの動作量を変更する、
請求項1又は2に記載の再生装置。
【請求項7】
前記記録制御部は、前記再生部が、前記所定のエリアにおいてアバターの動作を再生する際に、ユーザが集中しているか否かを判断し、前記ユーザが集中していない場合に、前記動作ログのデータを間引き、間引かれた前記動作ログのデータを前記再生部に転送する、
請求項1又は2に記載の再生装置。
【請求項8】
再生装置により実行される再生方法であって、
仮想空間において、IDの付された所定のエリアにアバターが移動した時、前記IDと関連付けて、前記所定のエリアの状態を示す状態情報及び前記所定のエリアでのアバターの動作ログを記録部に記録する記録制御ステップと、
前記所定のエリアにおいてアバターの動作を再生する際に、前記記録部に前記IDと関連付けて記録された前記状態情報が示す状態と、再生時の前記所定のエリアの状態と、が一致した場合に、前記動作ログに基づいて、アバターの動作を再生する再生ステップと、を含む、
再生方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再生装置及び再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、仮想空間、特に、メタバース空間と呼ばれるような、不特定多数のユーザがログインすることができ、かつ、互いに交流することができるサービスが進化を遂げ、注目を集めている。メタバース空間で開催されるイベントは、これまでのイベントとは異なり、世界中からログイン可能である。しかし、メタバース空間でのイベントは、ユーザのログイン時間に自由度があることなどが影響し、ごく少数のユーザしかログインしていない時間帯が発生し得る。そのような時間帯にイベントに参加したユーザは、そのイベントを寂れたイベントに感じて、イベント体験の満足度が低下する。
【0003】
そのため、最近は、ユーザのイベント体験の満足度の低下を防ぐための技術も提案されている。例えば、特許文献1には、コンテンツの視聴といった受け身型のイベントの体験時に、イベント体験の満足度の低下を防ぐための技術が記載されている。
【0004】
具体的には、特許文献1に記載された技術によれば、第1ユーザがコンテンツを視聴している間に操作した第1アバターの動作ログを生成し、第1ユーザがコンテンツを視聴した後に第2ユーザがコンテンツを視聴する際に、コンテンツを再生すると共に、動作ログに基づいて第1アバターの動作を再生する。これにより、第2ユーザが第1ユーザと一緒にイベントを体験している状態を演出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2022-184724号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、メタバース空間などの広大な仮想空間で開催されるイベントにおいて、特許文献1に記載された技術を適用し、過去のアバターを再生する場合には、あるエリアにおいて期間限定で開催され、現在は終了しているイベントを体験したユーザのアバターの動作を再生することもある。この場合、メタバース空間内の現在は何もないエリアで不自然な行動を取っているアバターの姿が再生されてしまい、かえって、ユーザのイベント体験の満足度を損なう課題がある。
【0007】
本発明の目的は、上述した課題に鑑みてなされたものであって、仮想空間でのユーザのイベント体験の満足度の低下を防ぐことが可能な再生装置及び再生方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様による再生装置は、
仮想空間において、IDの付された所定のエリアにアバターが移動した時、前記IDと関連付けて、前記所定のエリアの状態を示す状態情報及び前記所定のエリアでのアバターの動作ログを記録部に記録する記録制御部と、
前記所定のエリアにおいてアバターの動作を再生する際に、前記記録部に前記IDと関連付けて記録された前記状態情報が示す状態と、再生時の前記所定のエリアの状態と、が一致した場合に、前記動作ログに基づいて、アバターの動作を再生する再生部と、を備える。
【0009】
一態様による再生方法は、
再生装置により実行される再生方法であって、
仮想空間において、IDの付された所定のエリアにアバターが移動した時、前記IDと関連付けて、前記所定のエリアの状態を示す状態情報及び前記所定のエリアでのアバターの動作ログを記録部に記録する記録制御ステップと、
前記所定のエリアにおいてアバターの動作を再生する際に、前記記録部に前記IDと関連付けて記録された前記状態情報が示す状態と、再生時の前記所定のエリアの状態と、が一致した場合に、前記動作ログに基づいて、アバターの動作を再生する再生ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0010】
上述の態様によれば、仮想空間でのユーザのイベント体験の満足度の低下を防ぐことが可能な再生装置及び再生方法を提供できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】ログインしているユーザ数が多い時のメタバース空間のイメージ例を示す図である。
図2】ログインしているユーザ数が極端に少ない時のメタバース空間のイメージ例を示す図である。
図3】実施の形態1に係る再生装置の構成例を示すブロック図である。
図4】実施の形態1に係るイベント管理部が管理するイベント開催状況の例を示す図である。
図5】実施の形態1に係る記録部に、アバターの動作ログを、メタバース空間内の各エリアのイベント開催状況と共に記録した例を示す図である。
図6】実施の形態1に係る再生装置において、アバターの動作を再生する際の概略的な動作の流れの例を説明するフロー図である。
図7】実施の形態2に係る再生装置の構成例を示すブロック図である。
図8】実施の形態2に係る再生装置において、アバターの動作を再生する際の概略的な動作の流れの例を説明するフロー図である。
図9】実施の形態1,2に係る再生装置の全部又は一部の機能を実現するコンピュータのハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の記載及び図面は、説明の明確化のため、適宜、省略及び簡略化がなされている。また、以下の各図面において、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略されている。
【0013】
<実施の形態1>
まず、本実施形態1に係る再生装置10の説明をする前に、ログインしているユーザ数に応じたメタバース空間の印象の違いについて説明する。
【0014】
図1は、ログインしているユーザ数が多い時のメタバース空間のイメージ例を示す図である。図1のメタバース空間では、ユーザのアバター以外のアバターが数多く存在する。そのため、ユーザには、メタバース空間は、活気があり、賑わっている空間という印象を与えることができる。
【0015】
一方、図2は、ログインしているユーザ数が極端に少ない時のメタバース空間のイメージ例を示す図である。図2のメタバース空間では、ユーザのアバター以外には、1人しかアバターが見当たらない。そのため、ユーザには、メタバース空間は、活気がなくつまらなそうな空間という印象を与えてしまう。その結果、メタバース空間で開催されるイベントをユーザが体験したとしても、ユーザのイベント体験の満足度が大きく低下してしまう。
【0016】
本実施形態1に係る再生装置10は、図2のような状況のメタバース空間を作り出さないようにするために、以下のように構成されるものである。
【0017】
図3は、本実施の形態1に係る再生装置10の構成例を示すブロック図である。
図3に示されるように、本実施の形態1に係る再生装置10は、アバター動作入力部11、アバター動作制御部12、イベント管理部13、記録部14、選択部15、アバター描画部16、及び表示部17を備えている。ただし、記録部14及び表示部17は、再生装置10に必須の構成要素ではなく、再生装置10の外部に設けられていても良い。
【0018】
アバター動作入力部11は、メタバース空間にログインしたユーザにより、そのユーザが操作するアバターの動作に関する指示が入力される。
アバター動作制御部12は、アバター動作入力部11に入力された指示に基づいて、メタバース空間でアバターの動作を制御するためのデータであるアバターの動作制御データを生成する。アバターの動作制御データとは、アバターの関節の動き、表情、移動経路、会話内容などを示す。
【0019】
イベント管理部13は、メタバース空間を任意のエリアに区切り、メタバース空間内の各エリアのイベント開催状況を管理する。
図4は、イベント管理部13が管理するイベント開催状況の例を示す図である。図4では、メタバース空間は等間隔のエリアに区切られている。
図4に示されるように、イベント管理部13は、メタバース空間を区切った各エリアにエリアID(identification)を付し、エリアIDに関連付けて、そのエリアIDが付されたエリアのイベント開催状況を管理する。もし任意のエリアで任意のイベントが開催されていれば、イベント管理部13は、その任意のエリアのエリアIDに、その任意のイベントのイベントIDを関連付けて管理する。図4の例では、エリアID「A1」のエリアでイベントID「event01」のイベントが開催されていると共に、エリアID「C3」のエリアでイベントID「event02」のイベントが開催されている。そのため、イベント管理部13は、エリアID「A1」にイベントID「event01」を関連付けて管理すると共に、エリアID「C3」にイベントID「event02」を関連付けて管理する。なお、その他のエリアでは、イベントが開催されていないため、イベント管理部13は、その他のエリアのエリアIDには、イベントIDの関連付けを行わない。
【0020】
アバター動作制御部12は、アバターの動作制御データに応じた動作ログ(例えば、アバターの関節の動き、表情、移動経路、会話内容など)を、そのアバターのユーザがログインした当時のメタバース空間内の各エリアのイベント開催状況と共に記録部14に記録する。
【0021】
図5は、アバターの移動経路である動作ログを、メタバース空間内の各エリアのイベント開催状況と共に、記録部14に記録した例を示す図である。
図5に示されるように、記録部14には、アバターの動作ログが、図4に示されるような各エリアのイベント開催状況と共に記録される。図5の例では、アバターの動作ログとして、アバターの移動経路が記録される。ここでは、ユーザがメタバース空間にログインし、アバターがメタバース空間を矢印に示す経路で移動し、矢印の終点でログアウトしたものとする。アバターは、イベントID「event01」のイベントが開催されているエリアID「A1」のエリア及びイベントID「event02」のイベントが開催されているエリアID「C3」のエリアを順次移動している。また、各エリアのイベント開催状況としては、エリアID「A1」と関連付けて、イベントID「event01」が記録されると共に、エリアID「C3」と関連付けて、イベントID「event02」が記録される。その他のエリアのエリアIDには、関連付けたイベントIDが記録されない。
【0022】
選択部15は、メタバース空間にユーザがログインしてくると、アバター動作制御部12により生成された、そのユーザのアバターの動作制御データを選択し、選択された動作制御データをアバター描画部16に渡す。アバター描画部16は、選択部15から渡された動作制御データに基づいて、アバターの動作を表示部17に描画する。
【0023】
また、選択部15は、メタバース空間にユーザがログインしてくると、上述した動作と並行して、又は、上述した動作を行う前に、現時点でメタバース空間に存在しているアバター数(すなわち、メタバース空間にログインしているユーザ数)を、所定の閾値と比較する。選択部15は、ユーザがログインした位置を含む所定のエリアに存在しているアバター数を、所定の閾値と比較してもよい。ここで、所定のエリアから所定数だけ隣のエリアを近隣エリアと定義する。選択部15は、所定のエリアと近隣エリアとに存在しているアバター数の合計を、所定の閾値と比較してもよい。
【0024】
その結果、メタバース空間に存在するアバター数が閾値以上である場合には、アバターの動作を再生しない。つまり、選択部15は、過去にメタバース空間にログインしていたユーザのアバターの動作が記録されている記録部14から動作ログを選択しない。
【0025】
一方、メタバース空間に存在するアバター数が閾値未満である場合には、アバターの動作を再生する。つまり、選択部15は、過去にメタバース空間にログインしていたユーザのアバターの動作が記録されている記録部14から動作ログを選択する。
選択部15は、再生時の各エリアのイベント開催状況を、記録部14にアバターの動作ログと共に記録されている各エリアのイベント開催状況と照合する。これにより、選択部15は、再生時と動作ログの記録時とで、エリアID毎の、そのエリアIDに関連付けられているイベントID(以下、単に「エリアID毎のイベントID」と称す)が、相違するか否かを判断することができる。選択部15は、ユーザ自身の動作ログを除外する、すなわちユーザ自身以外の動作ログを選択してもよい。選択部15は、動作ログを複数選択してもよいし、選択する動作ログの数が閾値以上となるまで複数の動作ログを選択してもよい。選択部15は、選択する動作ログの数を所定数に制限してもよい。選択部15は、複数の動作ログから所定数の動作ログを選択する場合に、動作ログの日時と再生時の日時を比較して、日時が近いものから順に動作ログを選択してもよい。
【0026】
その結果、記録部14の中に、再生時のエリアID毎のイベントIDと完全に一致する状況で記録された動作ログが存在する場合には、選択部15は、その動作ログを選択する。すなわち、選択部15は、再生時の各エリアのイベント開催状況と同じイベント開催状況で記録された動作ログを選択する。そして、選択部15は、選択された動作制御データをアバター描画部16に渡す。アバター描画部16は、選択部15から渡された動作制御データに基づいて、アバターの動作を表示部17に描画(再生)する。
【0027】
一方、記録部14の中に、再生時のエリアID毎のイベントIDと完全に一致する状況で記録された動作ログが存在しない場合には、選択部15は、いずれの動作ログも選択せず、アバター描画部16はアバターの動作を再生しない、という対応をとっても良い。
【0028】
又は、再生時と記録時とでイベントIDの不一致が生じているエリアIDが発生している場合でも、選択部15は、動作ログに基づいて、イベントIDの不一致が生じているエリアIDのエリアにアバターが進入したか否かを判断できる。そのため、選択部15は、イベントIDの不一致が生じているエリアIDのエリアにアバターが進入していない場合には、そのアバターの動作ログを選択し、そのアバターの動作を再生する、という対応をとっても良い。
【0029】
又は、再生時と記録時とでイベントIDの不一致が生じているエリアIDのエリアにアバターが進入している場合でも、アバターの滞在時間が一定時間未満であれば、アバターは、イベントに干渉していないと考えられる。ここで、滞在時間とは、アバターがエリアIDの付されたエリアへ進入した時刻と、そのエリアから退出した時刻との差である。そのため、選択部15は、再生時と記録時とでイベントIDの不一致が生じているエリアIDのエリアにアバターが進入していても、滞在時間が一定時間未満である場合には、そのアバターの動作ログを選択し、そのアバターの動作を再生する、という対応をとっても良い。
【0030】
なお、アバター動作入力部11は、例えば、アバターを動かすコントローラ、HMD(Head Mounted Display)に付いたセンサなどによって実現されても良い。また、記録部14は、例えば、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成されるメモリなどによって実現されても良い。また、アバター動作制御部12、イベント管理部13、選択部15、及びアバター描画部16は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU(Micro Processing Unit)、又はCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサによって実現されても良い。また、アバター動作制御部12、イベント管理部13、選択部15、及びアバター描画部16は、例えば、記録部14を実現するメモリに記憶されたプログラムをプロセッサが読み込んで実行することにより実現されても良い。また、表示部17は、例えば、ディスプレイ装置などによって実現されても良い。
【0031】
図6は、本実施の形態1に係る再生装置10において、アバターの動作を再生する際の概略的な動作の流れの例を説明するフロー図である。なお、図6では、メタバース空間に過去にログインしたユーザのアバターの動作ログが、当時のメタバース空間内の各エリアのイベント開催状況と共に、記録部14に既に記録されているものとする。
【0032】
図6に示されるように、選択部15は、メタバース空間にユーザがログインしてきたか否かを判断する(ステップS11)。ユーザがログインしていない場合は(ステップS11のNo)、ステップS11の処理に戻る。
【0033】
ステップS11において、メタバース空間にユーザがログインしてくると(ステップS11のYes)、選択部15は、現時点でメタバース空間に存在しているアバター数を、所定の閾値と比較する(ステップS12)。
【0034】
ステップS12において、アバター数が閾値未満である場合には(ステップS12のYes)、選択部15は、記録部14の中から、再生時の各エリアのイベント開催状況と同じイベント開催状況で記録されたアバターの動作ログを選択する(ステップS13)。
【0035】
その後、アバター描画部16は、選択部15により選択されたアバターの動作ログに応じた動作制御データに基づいて、表示部17において、アバターの動作を描画(再生)する(ステップS14)。
【0036】
一方、ステップS12において、アバター数が閾値以上である場合には(ステップS12のNo)、選択部15は、過去のアバターの動作ログを選択しないこととし、処理を終了する。
【0037】
なお、図6の例では、ステップS13において、再生時の各エリアのイベント開催状況と同じイベント開催状況で記録された動作ログのみを選択したが、これには限定されない。上述したように、選択部15は、再生時と記録時とでイベントIDの不一致が生じているエリアIDのエリアにアバターが進入していない場合には、そのアバターの動作ログを選択しても良い。また、選択部15は、再生時と記録時とでイベントIDの不一致が生じているエリアIDのエリアにアバターが進入していても、滞在時間が一定時間未満である場合には、そのアバターの動作ログを選択しても良い。
【0038】
上述したように本実施の形態1によれば、アバター動作制御部12は、メタバース空間に過去にログインしたユーザのアバターの動作ログを、当時のメタバース空間内の各エリアのイベント開催状況と共に記録部14に記録しておく。以降に、メタバース空間にユーザがログインしてくると、選択部15は、現時点でメタバース空間に存在しているアバター数が閾値未満である場合には、記録部14の中から、再生時の各エリアのイベント開催状況と同じイベント開催状況で記録されたアバターの動作ログを選択する。アバター描画部16は、アバターの動作ログに基づいて、アバターの動作を再生する。
【0039】
これにより、ログインしているユーザ数が少ない時間帯でも活気のあるメタバース空間を演出することができる。そのため、動作ログに応じて動作しているアバターを見たユーザは、あたかもリアルタイムでアバターを操作している自分以外のユーザがいるように感じられる。そのため、ユーザは、メタバース空間で開催されるイベントを体験した場合に、高い満足度を得ることができる。その結果、メタバース空間でのユーザのイベント体験の満足度の低下を防ぐことができる。
【0040】
なお、本実施の形態1においては、過去のアバターの動作を再生する場合、選択部15は、メタバース空間内でのアバターの全ての動作の動作ログを選択し、アバター描画部16は、メタバース空間内でのアバターの全ての動作を再生していたが、これには限定されない。例えば、選択部15は、イベントが開催されているエリア内でのアバターの動作の動作ログのみを選択し、アバター描画部16は、イベントが開催されているエリア内でのアバターの動作のみを再生しても良い。また、この場合には、アバター動作制御部12は、メタバース空間内でのアバターの全ての動作を動作ログとして記録する必要は無く、イベントが開催されているエリア内でのアバターの動作のみを動作ログとして記録しても良い。
【0041】
また、本実施の形態1においては、選択部15は、記録時と再生時とで同じイベントであるか否かについてイベントIDを用いて判断していたが、これには限定されない。例えば、同じイベントが複数回開催されるエリアは、イベントごとにエリアの状態が同じ状態になっていると考えられる。そのため、選択部15は、イベントが開催されるエリアが同じ状態であるか否かに応じて、同じイベントであるか否かを判断しても良い。また、同じイベントが開催されるエリアには、同じオブジェクトが配置されていると考えられる。そのため、選択部15は、エリアに配置されたオブジェクトが同じであるか否かに応じて、エリアが同じ状態であるか否かを判断しても良い。例えば、エリアが屋外である場合には、エリアに配置されるオブジェクトは、建物、道路、車両などである。また、エリアが屋内である場合には、エリアに配置されるオブジェクトは、壁、床、天井、家具などである。選択部15は、記録時と再生時とでエリアが同じ状態か否かを判定する際に、一部または全てのオブジェクトが一致するか否かを判定してもよい。
【0042】
また、本実施の形態1においては、過去から現在にわたって、継続して開催されているイベントを想定していた。しかし、過去に開催されていたイベントを復活開催する場合もあり得る。このような場合、イベント管理部13は、復活開催するイベントのイベントIDは、過去に開催されていたイベントと同じイベントIDで管理するのが良い。これにより、復活開催するイベントにおいて、過去に開催されていたイベントを体験したアバターの動作を再生することができる。
【0043】
また、本実施の形態1においては、メタバース空間をエリアに区切り、そのエリア内でイベントが開催されることを想定していた。しかし、イベントの中には、メタバース空間の広域のエリアに渡って開催されるイベント(例えば、花火鑑賞など)もある。このようなイベントにおいて区切られるエリアが狭い場合は、メタバース空間を単一のエリアで区切ることは難しい。そのため、イベント管理部13は、このようなイベントが開催される場合には、複数のエリアIDに対し、同じイベントIDを関連付けて管理すれば良い。
【0044】
<実施の形態2>
図7は、本実施の形態2に係る再生装置20の構成例を示すブロック図である。本実施の形態2は、上述した実施の形態1を上位概念化した実施の形態に相当する。
図7に示されるように、本実施の形態2に係る再生装置20は、記録制御部21及び再生部22を備えている。
【0045】
なお、記録制御部21は、上述した実施の形態1のアバター動作制御部12及びイベント管理部13に相当する。また、再生部22は、上述した実施の形態1の選択部15及びアバター描画部16に相当する。
【0046】
記録制御部21は、仮想空間において、IDの付された所定のエリアにアバターが移動した時、IDと関連付けて、所定のエリアの状態を示す状態情報及び所定のエリアでのアバターの動作ログを、再生装置20の外部の記録部23に記録する。記録部23は、上述した実施の形態1に係る記録部14に相当するが、再生装置20の外部に設けられることに限らず、再生装置20の内部に設けられるものであっても良い。ここで、所定のエリアとは、仮想空間を所定の範囲で区切ったエリアであって、等間隔でなくてもよい。
【0047】
記録制御部21は、所定のエリアの状態情報として、所定のエリアのイベントに関する情報、アバターが所定のエリアに進入した時刻、所定のエリアから退出した時刻、所定のエリアに位置した時間や時間帯、そのときの他のアバターの人数、エリアの単位広さ当たりのアバターの人数(混雑度)、近隣エリアの状態情報を含めてもよい。
【0048】
再生部22は、記録部23にIDと関連付けて記録された状態情報及び動作ログに基づいて、再生装置20の外部の表示部24において、アバターの動作を再生する。表示部24は、上述した実施の形態1に係る表示部17に相当するが、再生装置20の外部に設けられることに限らず、再生装置20の内部に設けられるものであっても良い。
【0049】
ここで、再生部22は、所定のエリアにおいてアバターの動作を再生する際に、記録部23にIDと関連付けて記録された状態情報が示す状態と、再生時の所定のエリアの状態と、が一致した場合に、アバターの動作ログに基づいて、アバターの動作を再生する。
【0050】
再生部22は、状態情報が示す状態と再生時の状態とが一致する否かを所定の閾値を用いて判定してもよい。再生部22は、状態情報が示す時間が所定の閾値以内であれば、再生時の時間と一致すると判定してもよい。たとえば、閾値が1時間であって、状態情報として時間が12時であることを示す場合、再生部22は、再生時の時間が11時から13時の間であれば、記録時と再生時との状態が一致すると判定してもよい。
【0051】
再生部22は、所定のエリアに存在しているアバター数を第1の閾値と比較して、第1の閾値未満であれば、アバターの動作を再生してもよい。再生部22は、所定のエリアに存在しているアバター数が第1の閾値以上であれば、アバターの動作を再生しないようにしてもよい。
【0052】
再生部22は、所定のエリアが広い場合には第1の閾値を大きくしてもよいし、エリアが狭い場合には第1の閾値を小さくしてもよい。
再生部22は、所定のエリアの混雑度を第2の閾値と比較して、第2の閾値未満であれば、アバターの動作を再生してもよい。再生部22は、所定のエリアの混雑度が第2の閾値以上であれば、アバターの動作を再生しないようにしてもよい。
【0053】
図8は、本実施の形態2に係る再生装置20において、アバターの動作を再生する際の概略的な動作の流れの例を説明するフロー図である。なお、図8では、仮想空間において、IDの付された所定のエリアにアバターが移動した時、IDと関連付けて、所定のエリアの状態を示す状態情報及び所定のエリアでのアバターの動作ログが、記録部23に既に記録されているものとする。
【0054】
図8に示されるように、再生部22は、所定のエリアにおいてアバターの動作を再生する際に、記録部23にIDと関連付けて記録された状態情報が示す状態と、再生時の所定のエリアの状態と、を比較する(ステップS21)。
【0055】
ステップS21において、所定のエリアの状態が一致した場合には(ステップS21のYes)、再生部22は、アバターの動作ログに基づいて、アバターの動作を再生する(ステップS22)。
一方、ステップS22において、所定のエリアの状態が一致しない場合には(ステップS21のNo)、再生部22は、アバターの動作を再生せず、処理を終了する。
【0056】
上述したように本実施の形態2によれば、記録制御部21は、仮想空間において、IDの付された所定のエリアにアバターが移動した時、IDと関連付けて、所定のエリアの状態を示す状態情報及び所定のエリアでのアバターの動作ログを記録部23に記録しておく。再生部22は、所定のエリアにおいてアバターの動作を再生する際に、記録部23にIDと関連付けて記録された状態情報が示す状態と、再生時の所定のエリアの状態と、が一致した場合に、アバターの動作ログに基づいて、アバターの動作を再生する。
【0057】
これにより、ログインしているユーザ数が少ない時間帯でも活気のある仮想空間を演出することができる。そのため、ユーザが、仮想空間で開催されるイベントを体験した場合に、イベント体験の満足度が低下することを防ぐことができる。
【0058】
なお、記録制御部21は、IDの付された所定のエリアにアバターが移動した時、IDと関連付けて、所定のエリアにアバターが滞在していた時間を示す時間情報を記録部23にさらに記録しても良い。また、再生部22は、所定のエリアにおいてアバターの動作を再生する際に、記録部23にIDと関連付けて記録された時間情報が示す時間が、所定の時間よりも短い場合に、アバターの動作ログに基づいて、アバターの動作を再生しても良い。
【0059】
また、状態情報は、所定のエリアに配置された所定のオブジェクトの情報を含んでいても良い。また、再生部22は、再生時の所定のエリアに所定のオブジェクトが配置されている場合、所定のエリアの状態が一致したと判断しても良い。なお、オブジェクトの例は、上述した実施の形態1で説明したものと同様で良い。
【0060】
また、再生部22は、所定のエリアにおいてアバターの動作を再生する際に、仮想空間に存在するアバターの数が所定の閾値以上である場合には、アバターの動作を再生しない、こととしても良い。
【0061】
また、記録制御部21は、IDの付された所定のエリアにアバターが移動した時、アバターを操作するユーザの属性をクラスに分類し、IDと関連付けて、分類されたクラスを示すクラス情報を記録部23にさらに記録しても良い。なお、ユーザの属性は、例えば、年齢、性別、住所・居住地、家族構成、職業などで良い。また、クラスは、例えば、ユーザの属性が年齢である場合は、年齢層で良い。つまり、クラスは、ユーザの属性を分類したものである。このとき、例えば、記録制御部21は、所定のエリアに移動するまでのアバターの動作に基づいて、アバターを操作するユーザの属性を判断しても良い。又は、記録部23にユーザの属性が記録されているなど、ユーザの属性を含むユーザ情報が事前に得られている場合には、記録制御部21は、ユーザ情報からユーザの属性を判断しても良い。
【0062】
ここで、アバターを操作するユーザのアバターを第1アバターと呼ぶ。第1アバターという語は、第1アバターとそれ以外のアバターとを区別する必要がある場合に用いる。再生部22は、第1アバターを描画している。
【0063】
この場合、再生部22は、所定のエリアにおいてアバターの動作を再生する際に、第1アバターを操作するユーザの属性と、記録部23にIDと関連付けて記録されたクラス情報が示すクラスと、が一致した場合に、アバターの動作ログに基づいて、アバターの動作を再生しても良い。なお、ユーザの属性や、ユーザの属性を判断する方法は、上述したものと同様で良い。
【0064】
また、再生部22は、所定のエリアにおいて、動作ログに基づいてアバターの動作を再生する際に、所定のエリアの状態が一致し、かつ、第1アバターを操作するユーザの属性と記録部23にIDと関連付けて記録されたクラス情報が示すクラスとが一致した場合に、アバターの動作ログに基づいて、アバターの動作を再生しても良い。
【0065】
また、再生部22は、第1アバターを操作するユーザの属性に基づいて、ユーザの属性を所定のクラスに分類してもよい。
この場合、再生部22は、所定のエリアにおいてアバターの動作を再生する際に、第1アバターを操作するユーザの属性が分類されるクラスと、記録部23にIDと関連付けて記録されたクラス情報が示すクラスと、が一致した場合に、アバターの動作ログに基づいて、アバターの動作を再生しても良い。
【0066】
また、記録部23には、ユーザの属性を示す属性情報を記録しておき、アバターの動作の再生時に、再生部22が、ユーザの属性をクラスに分類しても良い。
【0067】
また、再生装置20は、記録制御部21に接続された操作部25(図示せず)をさらに備え、操作部25は、タッチパネルにより表示面を介してユーザからの各種操作を受け付けてもよいし、各種のボタンや、キーボード、マウスによってユーザから各種操作を受け付けてもよい。操作部25は、タッチパネルの表示面に表示する代わりに、再生部22を介し表示部24に表示してもよい。ユーザは、操作部25を介してユーザの属性を入力し、再生装置20は、入力されたユーザの属性を記録部23に記録してもよい。
【0068】
又は、記録制御部21は、所定のエリアにアバターが移動した時、IDと関連付けて、アバターを操作するユーザの属性を示す属性情報を記録部23にさらに記録しても良い。この場合、再生部22は、所定のエリアにおいて、第1アバターの動作の描画中に、アバターの動作を再生する際に、所定のエリアの状態が一致し、かつ、第1アバターを操作するユーザの属性と、記録部23にIDと関連付けて記録された属性情報が示す属性と、の差分が所定の範囲内である場合に、アバターの動作ログに基づいて、アバターの動作を再生しても良い。なお、ユーザの属性や、ユーザの属性を判断する方法は、上述したものと同様で良い。
【0069】
また、再生部22は、ユーザの属性情報と、記録部23にIDと関連付けて記録された属性情報と、が数値など定量的に表される情報である場合には、両者の属性情報の差分が所定の閾値よりも小さければ、アバターの動作ログを再生してもよい。
【0070】
また、再生部22は、ユーザの属性情報と、記録部23にIDと関連付けて記録された属性情報と、が単語など定性的に表される情報である場合には、両者の単語をそれぞれベクトル表現に変換しても良い。ここで、単語のベクトル表現への変換には、例えば、word2vecなどのベクトル表現を生成する技術を用いることができる。再生部22は、ベクトル表現に変換された両者のベクトルの差分が所定の閾値よりも小さければ、アバターの動作ログを再生してもよい。
【0071】
また、再生部22は、ユーザの属性と所定のクラスとをそれぞれベクトル表現に変換し、両者のベクトルの差分が所定の閾値よりも小さければ、両者は同じクラスであると判定してもよい。
【0072】
また、記録制御部21は、所定のエリアにアバターが移動した時、アバターによる会話内容又はアバターを操作するユーザの生体情報に基づいて、アバターを操作するユーザの感情をクラスに分類し、IDと関連付けて、分類されたクラスを示すクラス情報を記録部23にさらに記録しても良い。
【0073】
また、再生装置20は、記録制御部21に接続された操作部25(図示せず)をさらに備え、操作部25はマイクによりユーザからの会話を受け付けてもよい。記録制御部21は、会話内容の感情を解析し、ユーザの感情をあらかじめ定められたクラス(例えば、ポジティブ/ニュートラル/ネガティブのいずれか)に分類しても良い。
【0074】
また、記録制御部21は、会話内容の音声を音声認識技術によりテキスト化して、自然言語処理によりテキストを分析し、テキストと感情との関係を学習した機械学習モデルを用いて、テキストから感情を分類してもよい。
【0075】
また、記録制御部21は、会話内容から音声の特徴(音声の周波数、声量や会話の速度など)を抽出し、音声の特徴と感情との関係を学習した機械学習モデルを用いて、音声の特徴から感情を分類してもよい。
【0076】
なお、ユーザの生体情報は、例えば、心拍計やスマートフォンのアプリケーションを用いて取得した心拍数、サーモグラフィカメラや体温計を用いて取得した体温で良い。また、感情のクラスは、例えば、ポジティブ/ニュートラル/ネガティブのいずれかに分類しても良い。このとき、例えば、記録制御部21は、ユーザの心拍数、体温などから、ユーザが興奮しているか否かを判断し、その判断結果に基づいて、ユーザの感情を判断しても良い。
【0077】
この場合、再生部22は、所定のエリアにおいて、動作ログに基づいて、アバターの動作を再生する際に、記録部23にIDと関連付けて記録されたクラス情報が示すクラスに基づいて、動作ログに基づいて再生するアバターの動作量を変更しても良い。このとき、例えば、再生部22は、アバターの動作ログとして記録していた関節の動きの動作量を変更しても良い。また、再生部22は、例えば、ポジティブ状態であったユーザが操作していたアバターの動作量を大きく(例えば、1.1倍)し、ネガティブ状態であったユーザが操作していたアバターの動作量を小さく(例えば、0.9倍)しても良い。
【0078】
又は、再生部22は、ネガティブ状態であったユーザが操作していたアバターの動作ログは選択しない、という対応を取っても良い。すなわち、再生部22は、所定のエリアにおいてアバターの動作を再生する際に、所定のエリアの状態が一致した場合、ポジティブ状態又はニュートラル状態であったユーザが操作していたアバターの動作ログを選択し、選択された動作ログに基づいて、アバターの動作を再生しても良い。
【0079】
なお、アバターを操作するユーザは、常に感情が一定ではなく、感情の起伏がある場合もあると考えられる。そのため、記録制御部21は、IDと関連付けて、ユーザの感情に関連するクラス情報を1種類だけ記録するのではなく、時間毎のクラス情報を記録しても良い。これにより、再生部22は、時間毎に、その時間における感情に関連するクラスに応じた動作量でアバターを再生することができる。
【0080】
また、記録制御部21は、再生部22が、所定のエリアにおいて、第1アバターの動作の描画中に、動作ログに基づいて、アバターの動作を再生する際に、第1アバターを操作するユーザが集中しているか否かを判断し、第1アバターを操作するユーザが集中していない場合に、記録部23に記録された動作ログのデータを間引き、データが間引かれた動作ログを再生部22に転送しても良い。このとき、例えば、記録制御部21は、カメラなどを用いて、第1アバターを操作するユーザの視線を検出し、視線が泳いでいるか否かに基づいて、ユーザが集中しているか否かを判断しても良い。また、記録制御部21は、第1アバターを操作するユーザの単位時間当たりの視線の移動量又は移動回数が閾値以上である場合に、ユーザの視線が泳いでいると判断しても良い。このように、記録部23に記録された動作ログのデータを間引いて転送することにより、動作ログの転送量を削減することが可能となる。
【0081】
また、記録制御部21は、記録部23に記録された動作ログの量が所定の閾値よりも多い場合に、動作ログのデータを間引いてもよい。
この場合、記録制御部21は、記録部23に記録された動作ログのデータを、所定の時間間隔ごとに間引いてもよい。例えば、記録制御部21は、記録部23に記録された動作ログのデータを間引かない場合は、動作ログのデータを、1秒に30回の間隔で再生部22へ転送していると仮定する。この仮定の下で、記録部23に記録された動作ログのデータを間引く場合は、記録制御部21は、動作ログのデータを、1秒に10回の間隔で再生部22へ転送するようにしてもよい。
【0082】
<実施の形態に係る再生装置を実現するコンピュータ>
図9は、上述した実施の形態1,2に係る再生装置10,20の全部又は一部の機能を実現するコンピュータ30のハードウェア構成例を示す図である。
図9に示されるように、コンピュータ30は、プロセッサ31及びメモリ32を備えている。
【0083】
プロセッサ31は、例えば、マイクロプロセッサ、MPU、又はCPUであっても良い。プロセッサ31は、複数のプロセッサを含んでも良い。
【0084】
メモリ32は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリ32は、プロセッサ31から離れて配置されたストレージを含んでも良い。この場合、プロセッサ31は、図示されていないI(Input)/O(Output)インタフェースを介してメモリ32にアクセスしても良い。
【0085】
メモリ32には、プログラムが記憶される。このプログラムは、コンピュータ30に読み込まれた場合に、上述した実施の形態1,2に係る再生装置10,20の全部又は一部の機能をコンピュータ30に行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。上述した再生装置10,20における構成要素は、プロセッサ31がメモリ32に記憶されたプログラムを読み込んで実行することにより実現されても良い。また、上述した再生装置10,20における記憶機能は、メモリ32により実現されても良い。
【0086】
また、上述したプログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されても良い。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されても良い。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、又はその他の形式の伝搬信号を含む。
【0087】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0088】
10 再生装置
11 アバター動作入力部
12 アバター動作制御部
13 イベント管理部
14 記録部
15 選択部
16 アバター描画部
17 表示部
20 再生装置
21 記録制御部
22 再生部
23 記録部
24 表示部
30 コンピュータ
31 プロセッサ
32 メモリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9