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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129808
(43)【公開日】2024-09-27
(54)【発明の名称】除湿装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/26 20060101AFI20240919BHJP
   F25B 45/00 20060101ALI20240919BHJP
   F24F 3/14 20060101ALI20240919BHJP
【FI】
B01D53/26 100
F25B45/00 Z
F24F3/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024033358
(22)【出願日】2024-03-05
(31)【優先権主張番号】P 2023159408
(32)【優先日】2023-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2023038319
(32)【優先日】2023-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100151378
【弁理士】
【氏名又は名称】宮村 憲浩
(74)【代理人】
【識別番号】100157484
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 智之
(72)【発明者】
【氏名】堀 達也
【テーマコード(参考)】
3L053
4D052
【Fターム(参考)】
3L053BC10
4D052AA08
4D052AA10
4D052BA04
4D052BB02
4D052BB04
4D052BB06
4D052BB09
4D052FA01
(57)【要約】
【課題】本発明は、除湿装置に関するものであり、容易に廃棄できることを目的とするものである。
【解決手段】吸込口2と吹出口3を有する本体ケース1内に、少なくとも圧縮機10と凝縮器11と膨張器12と蒸発器13とを順次環状に連結した冷凍サイクル6と、冷凍サイクル6を作用させる送風部7と、冷凍サイクル6と送風部7とを制御する制御部9と、を備えた除湿装置において、冷凍サイクル6は温暖化係数10以下の冷媒を用い、本体ケース1には、本体ケース1内と本体ケース1外とを連通する第1開口部21を有し、第1開口部21を介して膨張器に孔を開けることができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸込口と吹出口を有する本体ケース内に、少なくとも圧縮機と凝縮器と膨張器と蒸発器とを順次環状に連結した冷凍サイクルと、前記冷凍サイクルを作用させる送風部と、前記冷凍サイクルと前記送風部とを制御する制御部と、を備えた除湿装置において、
前記冷凍サイクルは温暖化係数10以下の冷媒を用い、前記本体ケースには、前記本体ケース内と前記本体ケース外とを連通する第1開口部を有し、前記第1開口部を介して前記冷凍サイクルに孔を開けることができることを特徴とする除湿装置。
【請求項2】
前記第1開口部を介して前記膨張器に孔を開けることができることを特徴とする請求項1に記載の除湿装置。
【請求項3】
前記第1開口部は、前記膨張器に対向して設けられたことを特徴とする請求項2に記載の除湿装置。
【請求項4】
前記吸込口には、着脱自在に設けられた埃を捕集するフィルター部を有し、前記フィルター部は、前記第1開口部を覆うことを特徴とする請求項3に記載の除湿装置。
【請求項5】
前記膨張器は、キャピラリーチューブであり、前記第1開口部は、縦長形状であり、前記第1開口部から前記膨張器を見ると、前記膨張器の一部は横方向に延びていることを特徴とする請求項3に記載の除湿装置。
【請求項6】
前記第1開口部には前記冷媒を大気放出できる廃棄機構部を有し、前記廃棄機構部を操作すると、前記廃棄機構部は前記膨張器に孔を開けることを特徴とする請求項2に記載の除湿装置。
【請求項7】
前記本体ケースは、略箱形状を成し、浴室の天井裏に設置可能であり、前記天井に設けた開口を介して前記吸込口と前記吹出口とが前記浴室と連通し、
前記本体ケースを前記浴室の前記天井裏に設置した状態において、前記本体ケースにおける側面の一つ、または天面である第1面に設けた前記第1開口部と、前記第1開口部を覆い前記第1面に着脱可能な第1蓋部と、を有する請求項1に記載の除湿装置。
【請求項8】
前記本体ケースにおける前記第1面とは異なる側面または天面である第2面に設けた第2開口部と、
前記第2開口部を覆い前記第2面に着脱可能な第2蓋部と、を有する、請求項7に記載の除湿装置。
【請求項9】
前記第2開口部の開口面積は、前記第1開口部の開口面積より大きい請求項8に記載の除湿装置。
【請求項10】
前記第1蓋部と前記第2蓋部とは一体に形成されている請求項9に記載の除湿装置。
【請求項11】
前記第1面は、前記本体ケースにおける側面の一つであり、
前記第1開口部は、前記第1面の下部に設けられ、
前記第2開口部は、前記第1面に隣接した側面である前記第2面の下部に設けられ、
前記本体ケースにおける前記天面には、前記冷凍サイクルの冷媒配管に孔を開ける方法を表示した表示部を有する請求項10に記載の除湿装置。
【請求項12】
前記第1開口部は縦長形状であり、
前記第2開口部は横長形状であり、
前記第1開口部から見える前記冷凍サイクルの前記冷媒配管は、前記第1面に沿うように横方向に延びている請求項11に記載の除湿装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば衣類乾燥用として用いられる家庭用の除湿装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の除湿装置は、圧縮機、凝縮器、膨張器および蒸発器を直列閉回路で構成し、その回路内にハイドロカーボン冷媒及び冷凍機油を封入した冷凍サイクルに於いて、該圧縮機の下部に冷媒回収部を設け、冷凍サイクル内の冷媒及び冷凍機油をその冷媒回収部より、抜きとるようにした構成が知られている(なお、これに関連する先行文献としては下記特許文献1がある)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-146370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような従来の除湿装置においては、冷媒を回収する構成となっていたので、有資格者による冷媒回収が必要となることにより、容易に廃棄できないという課題を有していた。
【0005】
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、容易に廃棄できるようにした除湿装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そして、この目的を達成するために、本発明は、吸込口と吹出口を有する本体ケース内に、少なくとも圧縮機と凝縮器と膨張器と蒸発器とを順次環状に連結した冷凍サイクルと、前記冷凍サイクルを作用させる送風部と、前記冷凍サイクルと前記送風部とを制御する制御部と、を備えた除湿装置において、前記冷凍サイクルは温暖化係数10以下の冷媒を用い、前記本体ケースには、前記本体ケース内と前記本体ケース外とを連通する第1開口部を有し、前記第1開口部を介して前記冷凍サイクルに孔を開けることができることを特徴とするものであり、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、冷凍サイクルは温暖化係数10以下の冷媒を用い、本体ケースの外部から冷凍サイクルに孔を開けることができるので、除湿装置の使用者や廃棄物収集業者が環境負荷の点で大気放出して問題ない冷媒を容易に大気放出でき、除湿装置を容易に廃棄処理できるという効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態1の除湿装置の外観斜視図
図2】同除湿装置の概略断面図
図3】同除湿装置の蒸発器の外観斜視図
図4】同除湿装置の凝縮器の外観斜視図
図5】同除湿装置の概略断面斜視図
図6】本発明の実施の形態2の除湿装置の前面を示す図((A)同除湿装置の前面の吸込口に設けられたフィルター部を示す図、(B)同除湿装置の前面の吸込口に設けられたフィルター部を外した図、(C)は、同除湿装置の本体ケースの前面の蓋部を外した図)
図7】同除湿装置の本体ケースの前面の第1開口部と廃棄機構部とを示す斜視図
図8】同除湿装置の廃棄機構部の概略断面図((A)穴開けピン部分が本体ケースにおける前面側に位置した状態を示す概略断面図、(B)穴開けピン部分が本体ケースにおける後面側に移動した状態を示す概略断面図)
図9】同除湿装置の本体ケースの前面の第1開口部と廃棄機構部とを示す概略断面斜視図
図10】本発明の実施の形態3の除湿装置の外観断面図
図11】同除湿装置の外観斜視図
図12】同除湿装置の外観斜視図
図13】同除湿装置の外観斜視図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【0010】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1の除湿装置の外観斜視図である。図2は、本発明の実施の形態1の除湿装置の概略断面図である。なお、図2図1のA-A線概略断面図である。
【0011】
図1図2に示すように、本体ケース1は、縦長の略箱形状である。具体的には、本体ケース1は、本体ケース1の前面(本体ケース1の奥行き方向における一方側の側面)には、吸込口2が配置されている。本体ケース1における上部には、吹出口3が配置されている。吹出口3は、横長四角形状で本体ケース1における上方と後面とに開口している。本体ケース1の天面における後面側(本体ケース1の奥行き方向における他方側の側面側)には、吹出口3からの風向を変化させるルーバー4を有し、本体ケース1の天面における前面側(本体ケースの奥行き方向における一方側)には操作部5を設けている。操作部5は、電源の入り切り、運転モードの変更等を行う複数のスイッチを有している。
【0012】
本体ケース1内には、冷凍サイクル6と、送風部7と、貯水タンク部8と、制御部9と、を有している。
【0013】
冷凍サイクル6は、圧縮機10と、凝縮器11と、膨張器12と、蒸発器13と、を順次環状に連結し冷媒を循環する構成である。なお、冷媒は温暖化係数10以下を用いている。
【0014】
蒸発器13は、本体ケース1における前面側(本体ケースの奥行き方向における一方側の側面側)に配置されている。蒸発器13は、後述する蒸発器13における隣り合う放熱フィンと放熱フィンとの隙間が、本体ケース1の吸込口2に対向するように、本体ケース1内に配置されている。
【0015】
図3は、本発明の実施の形態1の除湿装置の蒸発器の外観斜視図である。なお、図3は、除湿装置の蒸発器を本体ケースにおける前面側から見た図である。
【0016】
図3に示すように、蒸発器13は、多数の放熱フィン13aと、多数の放熱フィン13aを連結する連結管13bとを有している。
【0017】
放熱フィン13aは、縦長四角板形状であり、材質がアルミニウムである。多数の放熱フィン13aは、隣り合う放熱フィン13aの面と面とが対向するように配置されている。隣り合う放熱フィン13aと放熱フィン13aとの隙間が、風路となる。
【0018】
連結管13bは、円筒形状であり、材質が銅である。円筒である連結管13bは、放熱フィン13aにおける長手方向に複数段設けられ、かつ複数回蛇行状に曲げられている。連結管13bの直管部分には、多数の放熱フィン13aが固定されている。多数の放熱フィン13aは、連結管13bの直管部分の中心軸方向に、所定の間隔を有して積層されている。
【0019】
図4は、本発明の実施の形態1の除湿装置の凝縮器の外観斜視図である。なお、図4は、除湿装置の凝縮器を本体ケースにおける前面側から見た図である。
【0020】
図2図4に示すように、凝縮器11は、蒸発器より本体ケース1における後面側(本体ケースの奥行き方向における他方側の側面側)に配置されている。凝縮器11は、後述する凝縮器11における隣り合う放熱フィン11aと放熱フィン11aとの隙間が、蒸発器13に対向するように、本体ケース1に配置されている。
【0021】
凝縮器11は、多数の放熱フィン11aと、多数の放熱フィン13aを連結する連結管11bとを有している。
【0022】
放熱フィン11aは、縦長四角板形状であり、材質がアルミニウムである。多数の放熱フィン11aは、隣り合う放熱フィン11aの面と面とが対向するように配置されている。隣り合う放熱フィン11aと放熱フィン11aとの隙間が、風路となる。
【0023】
連結管11bは、円筒形状であり、材質が銅である。円筒である連結管11bは、放熱フィン11aにおける長手方向に複数段設けられ、かつ複数回蛇行状に曲げられている。連結管11bの直管部分には、多数の放熱フィン11aが固定されている。多数の放熱フィン11aは、連結管11bの直管部分の中心軸方向に、所定の間隔を有して積層されている。
【0024】
図2に示すように、膨張器12の一例は、キャピラリーチューブである。キャピラリーチューブは、細長い管であり、キャピラリーチューブの一部は、中空円形状に巻かれている。キャピラリーチューブは、キャピラリーチューブに接続される配管より細いので、管内を流れる冷媒の速度が速くなり、冷媒の圧力が下がる。
【0025】
送風部7は、風路を構成しスクロール形状のケーシング7aと、ケーシング内で回転することにより昇圧し送風する羽根車(図示せず)と、羽根車を回転駆動するモータ(図示せず)とから構成され、所謂、シロッコファンとして構成されている。
【0026】
ケーシング7aは、空気が流入する流入口7bと、空気が流出する吐出口7cとを有し、昇圧した空気を吐出口7cに向かわせる舌部(図示せず)を有している。そして吐出口7cが本体ケース1の吹出口3に連通するように構成されている。
【0027】
図1図2に示すように、貯水タンク部8は、本体ケース1の下部の空間部(図示せず)に配置され、本体ケース1の前面(本体ケースの奥行き方向における一方側の側面)から着脱自在な構成である。貯水タンク部8の着脱方向は、本体ケース1における前後方向(本体ケースの奥行き方向)である。貯水タンク部8の上方には、送風部7と、蒸発器13とが配置されている。貯水タンク部8は、天面が開口した偏平な箱形状のタンク8aと、漏斗状の集水カバー(図示せず)とを有している。集水カバーは、タンク8aの上部に着脱可能に設けられている。つまり、蒸発器13で結露をさせ、その結露水を漏斗状の集水カバーで集めてタンク8aに流入させる構成である。
【0028】
制御部9は、本体ケース1の前面側から見ると本体ケース1における上部に配置されている。制御部9は、送風部7のモータと、圧縮機10と、使用者によって押された操作部5のスイッチに基づいて制御する。
【0029】
本体ケース1内には、送風路14を備えている。送風路14は、送風部7によって吸込口2から空気を吸引し、蒸発器13と、凝縮器11と、送風部7と、を順次介して吹出口3に排出する風路である。送風路14においては、吸込口2から吸い込まれた室内空気が、蒸発器13に供給され、この時、空気中の水分が蒸発器13に結露し、乾燥した空気となる。さらに、凝縮器11に供給されるので、室内空気は湿度が低減し、温度が上昇した状態で、送風部7に吸引され、吹出口3から室内へ送風されることになる。
【0030】
図5は、本発明の実施の形態1の除湿装置を前面側から見た概略断面斜視図である。
【0031】
図1図2図5に示すように、本実施形態の特徴は、本体ケース1には、本体ケース1内と本体ケース1外とを連通する第1開口部21を有し、第1開口部21を介して、本体ケース61の外部から冷凍サイクル6に孔(図示せず)を開けることができる点である。
【0032】
これにより、除湿装置の使用者や廃棄物収集業者が環境負荷の点で大気放出して問題ない冷媒を容易に大気放出できるので、除湿装置を容易に廃棄処理できるという効果を有する。
【0033】
具体的には、本体ケース1には、本体ケース1内と本体ケース1外とを連通する第1開口部21を有し、第1開口部21を介して冷凍サイクル6である膨張器12に孔(図示せず)を開けることができる。つまり、本体ケース1外と膨張器12とを連通する第1開口部21から工具25を入れ、膨張器12に孔を開けることができる。膨張器12は、冷凍サイクル6において圧力が低い箇所であるので、膨張器12から冷媒が吹き出す勢いを抑制できるので、安全性が向上する。
【0034】
また、第1開口部21は、膨張器12に対向して設けられている。具体的には、第1開口部21は、細い縦長形状であり、第1開口部21から膨張器12を見ると、膨張器12の一部は横方向に延びている。このように、第1開口部21が、縦長形状なので、作業者の目の高さが上下しても、横長形状の第1開口部21から横方向に延びている膨張器12の一部を見る場合と比べると、縦長形状の第1開口部21から膨張器12を見やすい。また、挟んで切断できる工具25を第1開口部21に差し込み、横方向に延びている膨張器12の一部を上下方向から挟んで、切断し、孔を開けることが容易になる。また、膨張器12は、冷凍サイクル6において、最も細い流路なので、工具25による切断が容易となる。また、膨張器12の一部を切断した瞬間に、膨張器12から吹き出す冷媒は、第1開口部21から膨張器12を見ると、横方向に吹き出すので、第1開口部21から冷媒が吹き出すことを抑制できる。
【0035】
また、本体ケース1における吸込口2と第1開口部21を有する面には、膨張器12の切断方法を表示した表示部23を有する。これにより、除湿装置の使用者や廃棄物収集業者が環境負荷の点で大気放出して問題ない高圧冷媒を容易に大気放出できるので、除湿装置を容易に廃棄処理できるという効果を有する。
【0036】
また、吸込口2には、着脱自在に設けられた埃を捕集するフィルター部24を有している。フィルター部24は、吸込口2と第1開口部21を覆う。これにより、第1開口部21から異物が入ることを抑制できる。吸込口2からフィルター部24を取り外すと、吸込口2と第1開口部41とが現れるので、使用者は、表示部23を見ながら作業を進めるこ
とができる。
【0037】
(実施の形態2)
図6(A)は、本発明の実施の形態2の除湿装置の前面の吸込口に設けられたフィルター部を示す図である。図6(B)は、本発明の実施の形態2の除湿装置の前面の吸込口に設けられたフィルター部を外した図である。図6(C)は、本発明の実施の形態2の除湿装置の本体ケースの前面の蓋部を外した図である。図7は、本発明の実施の形態2の除湿装置の本体ケースの前面の第1開口部を示す図である。実施の形態1と同様の構成要素については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0038】
図6(A)、図6(B)、図6(C)、図7に示すように、実施の形態1と相違する点は、第1開口部41には冷媒を大気放出できる廃棄機構部44を有し、第1開口部41から蓋部42を外すと、廃棄機構部44を操作できる。廃棄機構部44を操作すると、廃棄機構部44は膨張器12に後述する孔53を開ける点である。
【0039】
蓋部42は、四角形状の略平板であり、本体ケース1における前面の一部である。蓋部42における一方側の面は廃棄機構部44と対向し、蓋部42における他方側の面は本体ケース1における外面の一部となっている。蓋部42は、本体ケース1における前面に設けられた四角形状の第1開口部41より小さく、蓋部42と第1開口部41との間には環状の隙間を有する。蓋部42の周縁部から複数の棒形状の接続部43が第1開口部41の開口縁に延びている。
【0040】
図8(A)は、本発明の実施の形態2の除湿装置の廃棄機構部の概略断面図であり、穴開けピン部分が本体ケースにおける前面側に位置した状態を示す概略断面図である。図8(B)は、本発明の実施の形態2の除湿装置の廃棄機構部の概略断面図であり、穴開けピン部分が本体ケースにおける後面側に移動した状態を示す概略断面図である。図9は、本発明の実施の形態2の除湿装置の本体ケースの前面の第1開口部と廃棄機構部とを示す概略断面斜視図である。
【0041】
図7図8(A)、図8(B)、図9に示すように、廃棄機構部44は、穴開けピン部分45と、ガイド部分46と、ストッパー部分47と、チューブ受け部48と、を有している。
【0042】
穴開けピン部分45は、押し板49と、穴開けピン50と、チューブ固定ピン51と、を有する。
【0043】
押し板49は、平板形状であり、押し板49における他方側の面は、蓋部42における一方側の面(本体ケースにおける内面側)に対向している。押し板49における一方側の面から本体ケース1内方に向かって、穴開けピン50と、チューブ固定ピン51とが延びている。
【0044】
穴開けピン50は、押し板49における一方側の面から本体ケース1内方(本体ケースにおける前面側から後面側)に向かって突出し、先端が尖った突起である。穴開けピン50は、押し板49における一方側の面に対して垂直に設けられている。
【0045】
チューブ固定ピン51は、押し板49における一方側の面から本体ケース内方(本体ケースにおける前面側から後面側)に向かって突出した突起である。チューブ固定ピン51は、穴開けピン50より上方に配置されている。
【0046】
ガイド部分46は、本体ケース1における前面側から後面側に中心軸が延びた筒形状を
有し、本体ケース1の前面に設けられている。ガイド部分46は、蓋部42と、膨張器12であるキャピラリーチューブと、の間に配置されている。ガイド部分46内には、穴開けピン部分45が設けられている。ガイド部分46の内面と、穴開けピン部分45の押し板49の周縁部との間には僅かに隙間を有し、穴開けピン部分45がガイド部分46の中心軸方向(本体ケースにおける前後方向)に移動自在に設けられている。ガイド部分46は、ガイド部分46の周面に、本体ケースにおける左右方向(ガイド部分の中心軸に対して垂直であり水平方向)に中心軸が延びた孔52を有している。ガイド部分の孔52には、ストッパー部分47が移動自在に設けられている。
【0047】
ストッパー部分47は、横長の棒形状であり、穴開けピン部分45の移動を規制するものである。通常は、ガイド部分46の孔52を介して、ガイド部分46内に突出している状態では、穴開けピン部分45の押し板49における一方側の面側に突出しているので、穴開けピン部分45を本体ケース1内方に押し込もうとすると、押し板49がストッパー部分47に当たり、穴開けピン部分45を本体ケース1内方に押し込むことができない。ストッパー部分47を、ガイド部分46の孔52を介してガイド部分46の外方へ移動し、ガイド部分46内に突出していない状態にすると、穴開けピン部分45を本体ケース1内方に押し込んでも、押し板49がストッパー部分47に当たらず、穴開けピン部分45を本体ケース1内方に押し込むことができる。
【0048】
チューブ受け部48は、膨張器12であるキャピラリーチューブの中心軸方向から見ると、上方が開口した略U字形状であり、穴開けピン部分45の穴開けピン50に対向し配置され、膨張器12であるキャピラリーチューブの下面側と、膨張器12であるキャピラリーチューブの本体ケース1における後面側とを、支持する。
【0049】
また、本体ケース1における吸込口2と第1開口部41を有する面には、廃棄機構部の操作方法を表示した表示部23を有する。これにより、意図せずに廃棄機構部44を操作してしまって、除湿装置の使用者が冷媒を大気放出しまい、除湿装置を使用できなくすることを防止することと、除湿装置の使用者や廃棄物収集業者が環境負荷の点で大気放出して問題ない高圧冷媒を容易に大気放出できるので、除湿装置を容易に廃棄処理できるという効果を有する。
【0050】
また、吸込口2には、着脱自在に設けられた埃を捕集するフィルター部24を有している。フィルター部24は、吸込口2と第1開口部41を覆う。これにより、意図せずに廃棄機構部44を操作してしまって、除湿装置の使用者が冷媒を大気放出してしまい、除湿装置を使用できなくすることを防止する効果を有する。
【0051】
除湿装置の冷凍サイクル内の冷媒を大気中に放出する方法について説明する。
【0052】
図6(A)、図6(B)、図6(C)、図7に示すように、使用者が、除湿装置の冷凍サイクル内の冷媒を大気中に放出してから除湿装置を廃棄する場合には、最初に、吸込口2からフィルター部24を取り外す。吸込口2からフィルター部24を取り外すと、吸込口2と第1開口部41と蓋部42と、が現れるので、使用者は、表示部23を見ながら作業を進めることができる。次に、使用者は、屋外で、蓋部42と第1開口部41との間の隙間に工具を差し込み、複数の接続部43を切断するか、蓋部42を工具で叩き、複数の接続部43を切断し、第1開口部41から蓋部42を外す。次に、ストッパー部分47を、ガイド部分46の外方へ移動させる。
【0053】
図8(A)、図8(B)、図9に示すように、次に、使用者は、工具によって、穴開けピン部分45を、本体ケース1内方に押し込むと、チューブ固定ピン51の下端が、膨張器12であるキャピラリーチューブの上面に接触し、膨張器12であるキャピラリーチュ
ーブが上方向への移動が抑制される。また、膨張器12であるキャピラリーチューブの下面と、膨張器12であるキャピラリーチューブの本体ケース1における後面側は、チューブ受け部48によって支持されているので、膨張器12であるキャピラリーチューブが下方向、および本体ケース1における後面側に移動することを抑制される。次に、使用者が、工具によって、更に穴開けピン部分45を、本体ケース1内方に押し込むと、穴開けピン50の先端が、膨張器12であるキャピラリーチューブの本体ケース1における前面側に突き刺さり、膨張器12であるキャピラリーチューブに孔53が開く。この孔53から。冷凍サイクル内の温暖化係数10以下の冷媒が、大気中に放出される。
【0054】
(実施の形態3)
図10は、本発明の実施の形態3の除湿装置の概略断面図である。図11は、本発明の実施の形態3の除湿装置の外観斜視図である。図12は、本発明の実施の形態3の除湿装置の外観斜視図であり、第1蓋部と第2蓋部とを本体ケースから外した状態である。図13は、本発明の実施の形態3の除湿装置の外観斜視図であり、第1蓋部と第2蓋部とを本体ケースから外し、冷媒配管に孔を開けた状態である。実施の形態1と同様の構成要素については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0055】
図10図11図12図13に示すように、本体ケース61は、略箱形状であり、浴室56の天井裏57に設置可能である。具体的には、本体ケース61は、本体ケース61の底面には、開口である吸込口62と吹出口63とが配置されている。本体ケース61は、浴室56の天井裏57に設置される。浴室56の天井58には、開口が開けられ、その開口を介して、吸込口62および吹出口63が、浴室内と連通している。
【0056】
本体ケース1内には、冷凍サイクル6と、送風部7と、制御部9と、送風路64と、を有している。
【0057】
冷凍サイクル6は、圧縮機10と、凝縮器11と、膨張器12と、蒸発器13と、を順次環状に連結し冷媒を循環する構成である。なお、冷媒は温暖化係数10以下を用いている。圧縮機10と凝縮器11と膨張器12と蒸発器13とは冷媒配管69によって連結され、冷媒が循環する構成である。
【0058】
制御部9は、本体ケース61における下部に配置されている。制御部9は、送風部7のモータと圧縮機10とを、使用者によって押された操作部(図示せず)のスイッチに基づいて制御する。
【0059】
本体ケース1内には、送風路64を備えている。送風路64は、送風部7によって吸込口62から浴室56内の空気を吸引し、蒸発器13と、送風部7と、凝縮器11と、を順次介して吹出口63に排出する風路である。送風路64においては、吸込口62から吸い込まれた浴室56内の空気が、蒸発器13に供給され、この時、空気中の水分が蒸発器13に結露し、乾燥した空気となる。さらに、凝縮器11に供給されるので、空気は湿度が低減し、温度が上昇した状態で、送風部7によって、吹出口63から浴室56内へ送風されることになる。これにより、浴室56内に干されている洗濯された衣類等が乾燥する。
【0060】
なお、本体ケース1内には、ドレンパン65と、ドレン排水パイプ66と、ドレンポンプ67と、を備えている。ドレンパン65は、蒸発器13の下方に配置され、蒸発器13から滴下する結露水を貯水する。ドレン排水パイプ66は、ドレンパン65から本体ケース61外に延びる。ドレンポンプ67は、ドレンパン65内に配置されドレン排水パイプ66に接続されている。蒸発器13で結露した水は、蒸発器13からドレンパン65に滴下し、ドレンパン65に溜まった結露水はドレンポンプ67によってドレン排水パイプ66を介してドレンパン65から本体ケース61外へ排水される。
【0061】
また、本体ケース61は、浴室56の天井裏57に設置可能であり、本体ケース61は略箱形状であり、本体ケース61を浴室56の天井裏57に設置する状態において、本体ケース61における下面には、天井58に設けた開口を介して浴室56と連通する吸込口62と吹出口63とを有し、本体ケース61における側面の一つである第1面61aには、第1開口部71aと、第1開口部71aを覆い第1面61aに着脱可能な第1蓋部72aと、を有する。なお、本体ケース61を天井裏57に本体ケース61を設置する状態で、第1面61aは、本体ケース61における天面でも良い。
【0062】
第1蓋部72aは、横長四角形状の略平板であり、本体ケース61における第1開口部71aが設けられた第1面61aにねじ73aによって固定され、着脱可能な構成である。第1蓋部72aにおける一方側の面は冷凍サイクル6の一部(冷媒配管69の一部)に対向し、第1蓋部72aにおける他方側の面は本体ケース61における外面の一部となっている。本体ケース61からねじ73aを外し、本体ケース61から第1蓋部72aを取り外すと、工具によって、第1開口部71aを介して冷凍サイクル6である冷媒配管69に孔74を開けることができる。冷媒配管69に孔74を開けると、冷凍サイクル6内の温暖化係数10以下の冷媒が、大気中に放出される。
【0063】
浴室56の天井裏57に本体ケース61を設置した状態で、冷凍サイクル6に孔を開けることができる第1開口部71aは、本体ケース61における側面の一つ、または天面である第1面61aに設けられている。浴室56の天井裏57に本体ケース61を設置した状態では、浴室56内から第1開口部71aの第1蓋部72aを外すことはできない。結果として、浴室56の天井裏57に本体ケース61を設置した状態で、浴室56内から誤って第1開口部71aを介して冷凍サイクル6に孔を開けることを抑制できる。
【0064】
また、本体ケース61は、本体ケース61における第1面61aとは異なる側面である第2面61bに設けた第2開口部71b部と、第2開口部71bを覆い第2面61bに着脱可能な第2蓋部72bと、を有する。なお、本体ケース61を天井裏57に本体ケース61を設置する状態で、第1面61aが本体ケース61における側面の一つである場合は、第2面61bは本体ケース61における天面でも良い。
【0065】
第2蓋部72bは、横長四角形状の略平板であり、本体ケース61における第2開口部71bが設けられた第2面61bにねじ73bによって固定され、着脱可能な構成である。第2開口部71bは、冷凍サイクル6の冷媒配管69が配置された空間68と連通している。第2蓋部72bにおける一方側の面は冷凍サイクル6の冷媒配管69が配置された空間68の内面の一部となり、第2蓋部72bにおける他方側の面は本体ケース61における外面の一部となっている。
【0066】
これにより、本体ケース61からねじ73aを外し、本体ケース61から第1蓋部72aを取り外し、本体ケース61からねじ73bを外し、本体ケース61から第1蓋部72aを取り外し、工具によって、第1開口部71aを介して冷凍サイクル6である冷媒配管69に孔74を開けると、孔74から冷媒が吹き出す。吹き出した冷媒は、第1開口部71aと第2開口部71bとを介して、本体ケース61外に放出される。本体ケース61内から、本体ケース61における第1開口部71a有する面と、第2開口部71bを有する異なる面とから冷媒が放出されるので、より確実に本体ケース61内から、冷媒が本体ケース61外へ放出さるので、安全性が向上する。
【0067】
また、第2開口部71bの開口面積は、第1開口部71aの開口面積より大きい。
【0068】
これにより、工具によって、第1開口部71aを介して冷凍サイクル6である冷媒配管
69に孔74を開けると、孔74から冷媒が本体ケース61内に吹き出す。本体ケース61内に吹き出した冷媒の一部は第1開口部71aを介して本体ケース61外へ放出され、その他の冷媒は第2開口部71bを介して本体ケース61外へ放出される。第2開口部71bの開口面積は、第1開口部71aの開口面積より大きいので、第1開口部71aを介して放出される冷媒量は、第2開口部71bを介して放出される冷媒量より少なくなる。結果として、工具によって冷媒配管69に孔74を開けた使用者側に放出される冷媒量を低減でき、安全性が向上する。
【0069】
また、第1蓋部72aと第2蓋部72bとは一体に形成されている。
【0070】
これにより、本体ケース61からねじ73aとねじ73bとを外し、一体に形成された第1蓋部72aおよび第2蓋部72bを、本体ケース61の第1開口部71aおよび第2開口部71bから外さないと、工具によって第1開口部71aから冷凍サイクル6に孔を開けることができない。結果として、冷凍サイクル6に孔を開けるときに、第2開口部71bから第2蓋部72bを外すことを忘れないので、冷凍サイクル6内の冷媒配管69の孔74から吹き出た冷媒は第2開口部71bからも、本体ケース61外に放出できる。
【0071】
また、第1開口部71aは、本体ケース61における側面の一つである第1面61aの下部に設けられ、第2開口部71bは、第1面61aに隣接した本体ケース61における側面である第2面61bの下部に設けられている。本体ケース61における天面61cには、冷凍サイクル6の冷媒配管69に孔を開ける方法を表示した表示部32を有する。
【0072】
これにより、除湿装置の使用者や廃棄物収集業者が除湿装置を浴室から外し廃棄処理する場合に、本体ケース61における天面を上にした状態で、屋外で表示部32を読みながら第1開口部71aから冷凍サイクル6に孔を開けるので、冷凍サイクル6の孔74から吹き出た冷媒が側面下部の第1開口部71aと第2開口部71bから放出され、冷凍サイクル6に孔を開けた人の下方に放出され易いので、安全性が向上する。
【0073】
また、第1開口部71aは縦長形状であり、第2開口部71bは横長形状であり、第1開口部71aから見える冷凍サイクル6の冷媒配管69は、第1面61aに沿うように横方向に延びている。
【0074】
このように、第1開口部71aが、縦長形状なので、作業者の目の高さが上下しても、横長形状の第1開口部71aから横方向に延びている冷媒配管69の一部を見る場合と比べると、縦長形状の第1開口部71aから冷媒配管69を見やすい。また、挟んで切断できる工具を第1開口部71aに差し込み、横方向に延びている冷媒配管69の一部を上下方向から挟んで、切断し、孔を開けることが容易になる。また、冷媒配管69の一部を切断した瞬間に、冷媒配管69から吹き出す冷媒は、第1開口部71aから冷媒配管69を見ると、横方向に吹き出すので、第1開口部71aから冷媒が吹き出すことを抑制できる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明にかかる除湿装置は、衣類乾燥用に使用される除湿装置等として有用である。
【符号の説明】
【0076】
1 本体ケース
2 吸込口
3 吹出口
4 ルーバー
5 操作部
6 冷凍サイクル
7 送風部
7a ケーシング
7b 流入口
7c 吐出口
8 貯水タンク部
8a タンク
9 制御部
10 圧縮機
11 凝縮器
11a 放熱フィン
11b 連結管
12 膨張器
13 蒸発器
13a 放熱フィン
13b 連結管
14 送風路
21 第1開口部
23 表示部
24 フィルター部
25 工具
41 第1開口部
42 蓋部
43 接続部
44 廃棄機構部
45 穴開けピン部分
46 ガイド部分
47 ストッパー部分
48 チューブ受け部
49 押し板
50 穴開けピン
51 チューブ固定ピン
52 孔
53 孔
56 浴室
57 天井裏
58 天井
61 本体ケース
61a 第1面
61b 第2面
61c 天面
62 吸込口
63 吹出口
64 送風路
65 ドレンパン
66 ドレン排水パイプ
67 ドレンポンプ
68 空間
69 冷媒配管
71a 第1開口部
71b 第2開口部
72a 第1蓋部
72b 第2蓋部
73a ねじ
73b ねじ
74 孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13