(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129837
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】排気ダクト
(51)【国際特許分類】
F02C 7/00 20060101AFI20240920BHJP
F01D 25/30 20060101ALI20240920BHJP
F16L 59/12 20060101ALI20240920BHJP
F16L 59/14 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
F02C7/00 B
F01D25/30 B
F16L59/12
F16L59/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039183
(22)【出願日】2023-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】平岡 賢
(72)【発明者】
【氏名】田邊 悠
(72)【発明者】
【氏名】青田 豊誠
(72)【発明者】
【氏名】津村 善将
(72)【発明者】
【氏名】竹下 直也
【テーマコード(参考)】
3H036
【Fターム(参考)】
3H036AA01
3H036AD03
3H036AE11
(57)【要約】
【課題】排気ダクトの耐久性を向上させる。
【解決手段】本開示の少なくとも一実施形態に係る排気ダクトは、軸方向に沿って内部を流体が流通可能に構成され、複数の分割板を含む筒体を備える。複数の分割板は、四隅の角部における4つの貫通孔の内の流体の流通方向の上流側の2つの貫通孔よりも上流側の領域に形成された、周方向に沿って延在する上流側リブと、4つの貫通孔よりも周方向の内側の領域に形成されていて、周方向に互い離間した、軸方向に延在する2つの側部リブとを有する。2つの側部リブの上流側の端部は、上流側リブに接続される。上流側リブの周方向の一方側の端部は、上流側の2つの貫通孔の内の周方向の一方側の貫通孔よりも周方向の一方側に位置する。上流側リブの周方向の他方側の端部は、上流側の2つの貫通孔の内の周方向の他方側の貫通孔よりも周方向の一方側に位置する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に沿って内部を流体が流通可能に構成された筒体、
を備え、
前記筒体は、それぞれが周方向に沿って湾曲した矩形板形状を有し、端部が互いに重なり合うよう配置された複数の分割板を含み、
前記複数の分割板のそれぞれは、
四隅の角部のそれぞれにおいて板厚方向に貫通する4つの貫通孔と、
前記4つの貫通孔の内の前記流体の流通方向の上流側の2つの貫通孔よりも前記上流側の領域に形成された、前記周方向に沿って延在する上流側リブと、
前記4つの貫通孔よりも前記周方向の内側の領域に形成されていて、前記周方向に互い離間した、前記軸方向に延在する2つの側部リブと、
を有し、
前記2つの側部リブのそれぞれの前記上流側の端部は、前記上流側リブに接続され、
前記上流側リブの前記周方向の一方側の端部は、前記上流側の前記2つの貫通孔の内の前記周方向の前記一方側の貫通孔よりも前記周方向の前記一方側に位置し、
前記上流側リブの前記周方向の他方側の端部は、前記上流側の前記2つの貫通孔の内の前記周方向の前記他方側の貫通孔よりも前記周方向の前記一方側に位置する、
排気ダクト。
【請求項2】
前記2つの側部リブのそれぞれの前記流通方向の下流側の端部は、前記4つの貫通孔の内の前記流通方向の下流側の2つの貫通孔よりも前記上流側に位置する、
請求項1に記載の排気ダクト。
【請求項3】
前記上流側リブ、及び、前記2つの側部リブのそれぞれは、前記分割板の径方向外側の面に形成されている、
請求項1又は2に記載の排気ダクト。
【請求項4】
前記上流側リブの前記上流側の側面は、前記分割板の前記上流側の端部と同じ軸方向位置に位置している、
請求項1又は2に記載の排気ダクト。
【請求項5】
前記上流側リブの前記周方向の前記一方側の端部は、前記分割板の前記周方向の前記一方側の端部と同じ周方向位置に位置している、
請求項1又は2に記載の排気ダクト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ガスタービンで燃焼した排ガスを排出するための排気ダクトに関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンは、圧縮機と燃焼器とタービンにより構成されており、空気取入口から取り込まれた空気が圧縮機によって圧縮されることで高温・高圧の圧縮空気となり、燃焼器にて、この圧縮空気に対して燃料を供給して燃焼させ、高温・高圧の燃焼ガスがタービンを駆動し、このタービンに連結された発電機を駆動する。この場合、タービンは、車室内に複数の静翼及び動翼が交互に配設されて構成されており、燃焼ガスにより動翼を駆動することで発電機が連結される出力軸を回転駆動している。そして、タービンを駆動した燃焼ガスは、排気ガスなって排気ダクトを通って大気に放出される。
【0003】
上述したガスタービンにて、排気ダクトは、排ガスの高温化に対応するため、内面側に保温材が配置されている。すなわち、従来の排気ダクトは、筒形状をなすダクトの内面に所定間隔をあけて複数のスタッドボルトが固定されると共に、保温材が一様に付設され、スタッドボルトの先端部と保温パネルとがナットにより固定されて構成されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来の排気ダクトは、内部に高温の排ガスが高速で流れることから、常時励振力を受けることとなり、保温パネルが振動しやすい構成となっている。この保温パネルは、複数の分割パネルから構成されており、排ガスからの励振力を受け、板厚方向に向けて凹凸状に振幅する。そのため、保温パネルにリブを設けることで保温パネルの剛性を向上させて振動を抑制するようにしている。
しかし、上述した特許文献に記載の排気ダクトでは、保温パネルの周縁部で保温パネル同士を重ねることで内部を排ガスが流通可能な筒体を構成するようにしていることから、保温パネル同士が重なり合う領域にはリブを設けていない。そのため、当該領域に応力が集中するおそれがある。
【0006】
本開示の少なくとも一実施形態は、上述の事情に鑑みて、排気ダクトの耐久性を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の少なくとも一実施形態に係る排気ダクトは、
軸方向に沿って内部を流体が流通可能に構成された筒体、
を備え、
前記筒体は、それぞれが周方向に沿って湾曲した矩形板形状を有し、端部が互いに重なり合うように配置された複数の分割板を含み、
前記複数の分割板のそれぞれは、
四隅の角部のそれぞれにおいて板厚方向に貫通する4つの貫通孔と、
前記4つの貫通孔の内の前記流体の流通方向の上流側の2つの貫通孔よりも前記上流側の領域に形成された、前記周方向に沿って延在する上流側リブと、
前記4つの貫通孔よりも前記周方向の内側の領域に形成されていて、前記周方向に互い離間した、前記軸方向に延在する2つの側部リブと、
を有し、
前記2つの側部リブのそれぞれの前記上流側の端部は、前記上流側リブに接続され、
前記上流側リブの前記周方向の一方側の端部は、前記上流側の前記2つの貫通孔の内の前記周方向の前記一方側の貫通孔よりも前記周方向の前記一方側に位置し、
前記上流側リブの前記周方向の他方側の端部は、前記上流側の前記2つの貫通孔の内の前記周方向の前記他方側の貫通孔よりも前記周方向の前記一方側に位置する。
【発明の効果】
【0008】
本開示の少なくとも一実施形態によれば、排気ダクトの耐久性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態に係るガスタービンの概略構成を示す図である。
【
図2】排気ダクトの軸方向から見た排気ダクトの模式的な断面図である。
【
図4】分割板を排気ダクトの径方向外側から見た図である。
【
図5】
図2のV部拡大図に相当する、分割板の支持構造を示す図である。
【
図6】周方向で隣り合う分割板同士の連結状態を説明するための図である。
【
図7】軸方向で隣り合う分割板同士の連結状態を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本開示の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本開示の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【0011】
最初に、
図1を例示しながら一実施形態に係るガスタービン1の全体構成について説明する。ここで、
図1は、一実施形態に係るガスタービン1の概略構成を示す図である。
【0012】
一実施形態に係るガスタービン1は、圧縮空気を生成するための圧縮機3と、圧縮空気を用いて燃料を燃焼させて燃焼ガスを生成するための燃焼器4と、燃焼ガスによって駆動されるように構成されたタービン5と、を備える。
【0013】
上記ガスタービン1において、圧縮機3に取り込まれた空気は、圧縮機車室内に設けられた複数の静翼及び動翼を通過して圧縮され、これによって高温高圧の空気(圧縮空気)が生成される。
燃焼器4には、燃料と、圧縮機3からの高温高圧の空気とが供給される。この燃焼器4では、燃焼器車室内で燃料および空気を混合して燃焼させることで燃焼ガスを発生させる。ガスタービン1の部分負荷運転時または全負荷運転時、燃焼器4に供給される燃料の流量はガスタービン1の運転状態や負荷などによって決定される。例えば燃料流量は、ガスタービン1の負荷、回転数(回転速度)、あるいは燃焼ガス温度の少なくとも何れかに基づいて決定される。
【0014】
タービン5には燃焼器4からの燃焼ガスが導入される。この燃焼ガスが、タービン車室内に配置された複数の静翼及び動翼を通過することで、タービン車室および圧縮機車室を貫通するように設けられたロータが回転するようになっている。ガスタービン1が発電に用いられる場合には、ロータの回転によって、ロータに連結された発電機(不図示)で発電が行われる。
タービン5の下流側には、タービン車室に連通する排気ダクト6が接続されている。タービン5を駆動した後の排気ガスは、排気ダクト6及び排気ダクト6の下流側に接続された煙突7を通って外部へ排出されるようになっている。なお、ガスタービン1は、排気ダクト6に煙突7が連結されずに、排熱回収ボイラ(HRSG)が連結される構成もある。
【0015】
図2は、排気ダクト6の軸方向から見た排気ダクト6の模式的な断面図である。
図3は、分割板の模式的な斜視図である。
図4は、分割板を排気ダクト6の径方向外側から見た図である。
図5は、
図2のV部拡大図に相当する、分割板の支持構造を示す図であり、保温材22の記載を省略している。
図6は、周方向で隣り合う分割板同士の連結状態を説明するための図であり、保温材22の記載を省略している。
図7は、軸方向で隣り合う分割板同士の連結状態を説明するための図であり、保温材22の記載を省略している。
【0016】
排気ダクト6は、
図2に示すように、円筒形状をなすダクトプレート21の内側に保温材22が所定厚さにわたって配置され、その内側に円筒形状に形成された保温パネル23が配置されて構成されており、内側に排ガス通路Gを形成している。この保温パネル23は、後述するが、複数の分割板から構成されている。複数の連結部材24は、基端部がダクトプレート21の内面に固定され、先端部が保温パネル23(分割板30)を貫通し、固定部材としてのナット25a、25bが螺合している。この連結部材24は、排気ダクト6の周方向及び軸方向(排ガスの流れ方向)に所定間隔で複数配置されており、ダクトプレート21の内側に所定間隔で保温パネル23(分割板30)を支持することで、ダクトプレート21と保温パネル23との間に保温材22を保持している。
説明の便宜上、以下の説明では、排気ダクト6の延在方向に延在する中心軸線AXの延在方向を単に軸方向とも称し、排ガスの流れ方向の上流側を軸方向上流側又は単に上流側と称し、排ガスの流通方向の下流側を軸方向下流側又は単に下流側と称する。中心軸線AXの径方向を単に径方向とも称し、中心軸線AXの周方向を単に周方向とも称する。
【0017】
この連結部材24は、
図5によく示すようにダクトプレート21と保温パネル23とを連結するものであり、一端部がダクトプレート21の内面に直交するように接触し、溶接部W1により接合されている。また、連結部材24は、他端部にねじ部24aが形成されており、保温パネル23を貫通して後述するようにナット25a、25bが螺合することで、保温パネル23に締結されている。
【0018】
保温パネル23は、複数の分割板30(
図3、
図4参照)から構成され、この複数の分割板30の端部領域31a同士が厚さ方向、すなわち径方向に重合して連結されている。即ち、例えば
図5から
図7に示すように保温パネル23は、周方向及び軸方向で隣り合う分割板30の端部領域31a同士が周方向及び軸方向に重なり、各貫通孔32の位置が合わされた状態で、連結部材24の他端部が貫通している。そして、各分割板30の端部領域31aは、保温材22側(径方向外側)から連結部材24に螺合されたナット25aで支持されたワッシャ(支持プレート)26aが接触し、排ガス通路G側(径方向内側)からワッシャ(支持プレート)26bが接触した状態で、連結部材24のねじ部24aにナット25bが螺合することで支持されている。この分割板30は、各貫通孔32の内径が、連結部材24の外径より大きく設定されることで、連結部材24に対して分割板30が移動可能となっている。
【0019】
つまり、複数の分割板30は、重なり合った端部領域31a同士がワッシャ26a、26bによりその厚さ方向から挟持され、連結部材24のねじ部24aへのナット25a、25bの螺合により面接触状態で支持される。この場合、ナット25の螺合度合(締結度合)は、端部領域31aが重なり合った各分割板30が所定の摩擦力を持って摺動できる度合に設定されている。
【0020】
図7に示すように、軸方向で隣り合う2つの分割板30の内、軸方向上流側に位置する分割板30は、軸方向下流側の分割板30に対して径方向内側に位置するように重ね合わされている。
【0021】
(板部31)
複数の分割板30のそれぞれは、矩形状(正方形状)をなす板状の部材である板部31と、板部31に配置されたリブ(補強部材)40とを有する。
板部31は、周方向で隣り合う分割板30同士を連結したときに、筒状の保温パネル23を構成するように、周方向に沿って湾曲している。
複数の分割板30のそれぞれは、端部領域31aの内、矩形の四隅の角部に板厚方向に分割板30を貫通する4つの貫通孔32が形成されている。すなわち、複数の貫通孔32は、上流側に形成された2つの貫通孔32uと、下流側に形成された2つの貫通孔32dとを含む。上流側に形成された2つの貫通孔32uは、周方向の一方側の角部に形成された貫通孔32u1、及び、周方向の他方側の角部に形成された貫通孔32u2である。下流側に形成された2つの貫通孔32dは、周方向の一方側の角部に形成された貫通孔32d1、及び、周方向の他方側の角部に形成された貫通孔32d2である。
なお、複数の分割板30のそれぞれにおいて、貫通孔32は、例えば
図3及び
図4に示すように四隅の4か所以外にも形成されていてもよい。
【0022】
(リブ40)
複数の分割板30のそれぞれでは、リブ40は、上流側の2つの貫通孔32uよりも上流側の領域R1に形成された、周方向に沿って延在する上流側リブ41と、4つの貫通孔32u、34dよりも周方向の内側の領域R2に形成されていて、周方向に互い離間した、軸方向に延在する2つの側部リブ43とを含む。
上流側リブ41は、周方向に延在する溶接部W2により板部31の径方向外側の面に接合されている。
2つの側部リブ43のそれぞれは、軸方向に延在する溶接部W3により板部31の径方向外側の面に接合されている。
2つの側部リブ43のそれぞれの上流側の端部43uは、上流側リブ41に接続されている。すなわち、側部リブ43の上流側の端部43uのそれぞれは、溶接部W4により上流側リブ41に接合されている。
【0023】
上流側リブ41の周方向の一方側の端部41aは、上流側の2つの貫通孔32uの内の周方向の一方側の貫通孔32u1よりも周方向の一方側に位置する。また、上流側リブ41の周方向の他方側の端部41bは、上流側の2つの貫通孔32uの内の周方向の他方側の貫通孔32u2よりも周方向の一方側に位置する。
【0024】
複数の分割板30のそれぞれによれば、例えば
図5及び
図6に示すように上流側リブ41周方向で隣り合う2つの分割板30の内の
図5の右側の一方の分割板30の径方向内側及び外側の面の内、上流側リブ41が設けられている面(径方向外側の面31s)における周方向の他方側の領域の上(図示下方)に
図5の左側の他方の分割板30の周方向の一方側の領域が重なるように配置できる。すなわち、上述したように
図5の右側の一方の分割板30と
図5の左側の他方の分割板30とを重ね合わせても、
図5の右側の一方の分割板30の上流側リブ41と、
図5の左側の他方の分割板30の板部31とが干渉しない。そして、複数の分割板30のそれぞれによれば、
図5の右側の一方の分割板30の上流側の2つの貫通孔32uの内の周方向の他方の貫通孔32u2と、
図5の左側の他方の分割板30の上流側の2つの貫通孔32uの内の周方向の一方の貫通孔32u1とを重ね合わせることができる。
これにより、周方向で隣り合う分割板30同士を上述したように周方向に重ね合わせるとともに、重ね合わさった2つの貫通孔32uに連結部材24を挿通させて2つの分割板30を締結することで円筒形状の保温パネル23を構成できる。
また、複数の分割板30のそれぞれによれば、2つの側部リブ43のそれぞれの上流側の端部43uが上流側リブ41に接続されているので、分割板30の剛性を向上できる。よって、排気ダクト6の耐久性を向上できる。
【0025】
複数の分割板30のそれぞれでは、2つの側部リブ43のそれぞれの下流側の端部43dは、4つの貫通孔32の内の流通方向の下流側の2つの貫通孔32dよりも上流側に位置するとよい。
【0026】
複数の分割板30のそれぞれによれば、例えば
図7に示すように軸方向で隣り合う2つの分割板30の内の一方の分割板30(例えば
図7の左側の分割板30)の径方向内側及び外側の面の内、側部リブ43が設けられている面(径方向外側の面31s)における軸方向の下流側の領域の上(図示下方)に他方の分割板30(例えば
図7の中央の分割板30)の軸方向の上流側の領域が重なるように配置できる。すなわち、上述したように
図7の左側の一方の分割板30と
図7の中央の他方の分割板30とを重ね合わせても、
図7の左側の一方の分割板30の側部リブ43と、
図7の中央の他方の分割板30の板部31とが干渉しない。そして、複数の分割板30のそれぞれによれば、一方の分割板(例えば
図7の左側の分割板30)の下流側の2つの貫通孔32dと、他方の分割板30(例えば
図7の中央の分割板30)の上流側の2つの貫通孔32uとを重ね合わせることができる。
これにより、軸方向で隣り合う分割板30同士を上述したように軸方向に重ね合わせるとともに、重ね合わさった2つの貫通孔32に連結部材24を挿通させて2つの分割板30を締結することで保温パネル23の軸方向の長さを長くできる。
【0027】
複数の分割板30のそれぞれでは、上流側リブ41、及び、2つの側部リブ43のそれぞれは、分割板30(板部31)の径方向外側の面31sに形成されているとよい。
これにより、上流側リブ41、及び、2つの側部リブ43のそれぞれが保温パネル23の径方向外側に位置することとなり、保温パネル23の内部を流通する排ガスの流れに影響を与えることなく上流側リブ41、及び、2つの側部リブ43のそれぞれを配置できる。
【0028】
複数の分割板30のそれぞれでは、上流側リブ41の上流側の側面41uは、分割板30の上流側の端部(板部31の上流側の端部31u)と同じ軸方向位置に位置しているとよい。
これにより、上流側リブ41によって分割板30の剛性を向上させる範囲を上流側に拡大できる。
【0029】
複数の分割板30のそれぞれでは、上流側リブ41の周方向の一方側の端部41aは、分割板30の周方向の一方側の端部(板部31の一方側の端部31e)と同じ周方向位置に位置しているとよい。
これにより、上流側リブ41によって分割板30の剛性を向上させる範囲を周方向の一方側に拡大できる。
【0030】
本開示は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
例えば、上述した一実施形態の排気ダクト6では、ダクトプレート21及び保温パネル23は円筒面を形成するように構成されているが、ダクトプレート21及び保温パネル23は円錐面を形成するように構成されていてもよい。
【0031】
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
(1)本開示の少なくとも一実施形態に係る排気ダクト6は、軸方向に沿って内部を流体(排ガス)が流通可能に構成された筒体(保温パネル23)、を備える。筒体(保温パネル23)は、それぞれが周方向に沿って湾曲した矩形板形状を有し、端部(端部領域31a)が互いに重なり合うように配置された複数の分割板30を含む。複数の分割板30のそれぞれは、四隅の角部のそれぞれにおいて板厚方向に貫通する4つの貫通孔32と、4つの貫通孔32の内の流体(排ガス)の流通方向の上流側の2つの貫通孔32uよりも上流側の領域R1に形成された、周方向に沿って延在する上流側リブ41と、4つの貫通孔32(32u、34d)よりも周方向の内側の領域R2に形成されていて、周方向に互い離間した、軸方向に延在する2つの側部リブ43と、を有する。2つの側部リブ43のそれぞれの上流側の端部43uは、上流側リブ41に接続されている。上流側リブ41の周方向の一方側の端部41aは、上流側の2つの貫通孔32uの内の周方向の一方側の貫通孔32u1よりも周方向の一方側に位置する。上流側リブ41の周方向の他方側の端部41bは、上流側の2つの貫通孔32uの内の周方向の他方側の貫通孔32u2よりも周方向の一方側に位置する。
【0032】
上記(1)の構成によれば、上流側リブ41の周方向の他方側の端部41bが上流側の2つの貫通孔32uの内の周方向の他方側の貫通孔32u2よりも周方向の一方側に位置するので、周方向で隣り合う2つの分割板30の内の一方の分割板30の面の内、上流側リブ41が設けられている面31sにおける周方向の他方側の領域の上に他方の分割板30の周方向の一方側の領域が重なるように配置できる。これにより、周方向で隣り合う分割板30同士を上述したように周方向に重ね合わせることで筒体(保温パネル23)を構成できる。
また、上記(1)の構成によれば、2つの側部リブ43のそれぞれの上流側の端部43uが上流側リブ41に接続されているので、分割板30の剛性を向上できる。よって、排気ダクト6の耐久性を向上できる。
【0033】
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、2つの側部リブ43のそれぞれの下流側の端部43dは、4つの貫通孔32の内の流通方向の下流側の2つの貫通孔32dよりも上流側に位置するとよい。
【0034】
上記(2)の構成によれば、軸方向で隣り合う2つの分割板30の内の一方の分割板30の面の内、側部リブ43が設けられている面31sにおける軸方向の下流側の領域の上に他方の分割板30の軸方向の上流側の領域が重なるように配置できる。これにより、軸方向で隣り合う分割板30同士を上述したように軸方向に重ね合わせることで筒体(保温パネル23)の軸方向の長さを長くできる。
【0035】
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の構成において、上流側リブ41、及び、2つの側部リブ43のそれぞれは、分割板30の径方向外側の面31sに形成されているとよい。
【0036】
上記(3)の構成によれば、上流側リブ41、及び、2つの側部リブ43のそれぞれが筒体(保温パネル23)の径方向外側に位置することとなり、筒体(保温パネル23)の内部を流通する流体(排ガス)の流れに影響を与えることなく上流側リブ41、及び、2つの側部リブ43のそれぞれを配置できる。
【0037】
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れかの構成において、上流側リブ41の上流側の側面41uは、分割板30の上流側の端部31uと同じ軸方向位置に位置しているとよい。
【0038】
上記(4)の構成によれば、上流側リブ41によって分割板30の剛性を向上させる範囲を上流側に拡大できる。
【0039】
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(4)の何れかの構成において、上流側リブ41の周方向の一方側の端部41aは、分割板30の周方向の一方側の端部31eと同じ周方向位置に位置しているとよい。
【0040】
上記(5)の構成によれば、上流側リブ41によって分割板30の剛性を向上させる範囲を周方向の一方側に拡大できる。
【符号の説明】
【0041】
1 ガスタービン
6 排気ダクト
21 ダクトプレート
22 保温材
23 保温パネル
24 連結部材
30 分割板
31 板部
31a 端部領域
31e 端部
31s 面
31u 端部
32、32d、32d1、32d2、32u、32u1、32u2 貫通孔
40 リブ(補強部材)
40 上流側リブ
41a、41b 端部
43 側部リブ
43u、43d 端部