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  • 特開-イカ釣りの仕掛け 図1
  • 特開-イカ釣りの仕掛け 図2
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  • 特開-イカ釣りの仕掛け 図4
  • 特開-イカ釣りの仕掛け 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129839
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】イカ釣りの仕掛け
(51)【国際特許分類】
   A01K 85/00 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
A01K85/00 301B
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039186
(22)【出願日】2023-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】520037566
【氏名又は名称】杉内 博之
(72)【発明者】
【氏名】杉内 博之
【テーマコード(参考)】
2B307
【Fターム(参考)】
2B307BA12
2B307BA14
2B307BA20
2B307BA55
(57)【要約】
【課題】 イカは魚から仕掛けが離れていると警戒して魚を捉えないことが多い。またイカが魚を捉えた後に頭頂部の脳を噛んだり鰓の下端を噛んだりするために、捉えた魚の体勢(上下)を変えるので、掛け針がイカの方に向かうとは限らず大きく合わせるだけでは掛かりが悪い。以上のことより、警戒して魚を捉えない問題と掛かりが悪い問題を解決しなければならない課題がある。
【解決手段】 本発明の仕掛け101は、連動部材4が魚の体表に沿う形状なので、仕掛け101の殆どが魚のシルエットに隠れることが出来イカに警戒されない。さらに、装着針1と掛け針2が固定されているので連動して動き、魚の体勢が上下入れ替わっても掛け針がイカの方に移動する構造である。さらには掛け針2の針先12が魚の体表とは逆を向くので魚には掛からず、掛け針2自体の移動を妨げない。以上のことにより課題を解決できている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イカ釣りの仕掛けであって、エサである魚に前記仕掛けを装着する装着針と、イカを掛ける掛け針と、前記装着針に固着され且つ前記掛け針を前記装着針から2~15cm離して固定する連動部材と、を有し、
(a)前記連動部材は前記装着針と前記掛け針との間において前記魚の体表に沿う形状であることと、
(b)前記掛け針は前記魚の体表の近傍に位置することと、
(c)前記掛け針の針先の向きは前記魚を掛けないように前記魚の体表側とは逆の向きであることと、
を特徴とするイカ釣りの仕掛け
【請求項2】
前記連動部材はステンレスの線材であることを特徴とする請求項1のイカ釣りの仕掛け
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
餌である魚に仕掛けを装着して泳がせる釣法のイカを釣る仕掛けに関するものである。
【背景技術】
【0002】
魚に仕掛けを装着して泳がせ、イカがその魚を捉えたのを釣り人が検知し竿で大きく合わせてイカを釣るのが一般的であり、イカに仕掛けを警戒させないことと、確実にイカを掛けることが重要な釣りである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平09-154455
実登3156619
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
主に夜間に捕食するイカは色の識別ではなく魚のシルエットで安全かどうかを見極めて魚を捉えるが、魚から仕掛けが離れていると仕掛けが目立つので警戒して魚を捉えないことが多い。またイカが魚を捉えた後に絶命させるために頭頂部の脳を噛んだり鰓の下端を噛んだりする際に、魚の体勢を上下入れ替えるので、掛け針がイカの方に向かうとは限らず大きく合わせるだけでは掛かりが悪い。以上のことより、警戒して魚を捉えない問題と掛かりが悪い問題を解決しなければならない課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
イカ釣りの仕掛けであって、エサである魚に前記仕掛けを装着する装着針と、イカを掛ける掛け針と、前記装着針に固着され且つ前記掛け針を前記装着針から2~15cm離して固定する連動部材と、を有し、
(a)前記連動部材は前記装着針と前記掛け針との間において前記魚の体表に沿う形状であることと、
(b)前記掛け針は前記魚の体表の近傍に位置することと、
(c)前記掛け針の針先の向きは前記魚を掛けないように前記魚の体表側とは逆の向きであることと、
を特徴とするイカ釣りの仕掛けである。
【0006】
前記連動部材はステンレスの線材であることを特徴とする請求項1のイカ釣りの仕掛けである。
【発明の効果】
【0007】
イカ釣りの仕掛けであって、エサである魚に前記仕掛けを装着する装着針と、イカを掛ける掛け針と、前記装着針に固着され且つ前記掛け針を前記装着針から2~15cm離して固定する連動部材と、を有し、
(a)前記連動部材は前記装着針と前記掛け針との間において前記魚の体表に沿う形状であることと、
(b)前記掛け針は前記魚の体表の近傍に位置することと、
(c)前記掛け針の針先の向きは前記魚を掛けないように前記魚の体表側とは逆の向きであることと、
を特徴とするイカ釣りの仕掛けなので、明暗だけを認識するイカには掛け針と連動部材が魚のシルエットに隠れて見えず警戒されない。さらにイカは魚を捉えて逃げるのでラインが装着針を引くことになり、装着針の魚に対する刺し込まれ度合いが変化し、それと連動して動く掛け針がイカ側に移動して掛けるので、魚の体勢を上下入れ替えられてもイカの動きだけで掛かる画期的な仕掛けである。(図4図5で魚の体勢の上下の事例について示す)。さらには、掛け針の針先は魚の体表とは逆向きなので魚に掛からず、掛け針の移動を妨げないので移動がスムーズであり僅かな力でも移動できる仕掛けである。
【0008】
前記連動部材はステンレスの線材であることを特徴とする請求項1のイカ釣りの仕掛けなので、連動部材の形状が維持されやすく変形した場合の形状修正も容易であり仕掛けの性能が保てる。さらに海水による腐食も少ないうえに仕掛けの製造が簡単になるので、この連動部材にステンレスの線材が最適である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は本発明の実施例1を横から見た図である。
図2図2は本発明の実施例1を上から見た図である。
図3図3は本発明の実施例1を魚に装着した図である。
図4図4はイカが魚の頭頂部を捉え逃げるイメージ図である。
図5図5はイカが魚の鰓の下端を捉え逃げるイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
下記の実施例をもって発明を実施するための形態を説明する。
【実施例0011】
図1は、本発明の仕掛け101を横から見た図である。装着針1はラインの結束部5を持ち魚に刺し込まれるものである。掛け針2を装着針1と連動して動かすための連動部材4は装着針1に固着した状態である。さらにラインと仕掛けが絡まないように連動部材4と掛け針2は固定された状態としている。装着針1と掛け針2の間隔はイカの大きさに合わせて2~15cmにするのが適切であるが、装着針1を魚の鼻付近に刺し込むのであればその間隔は2~10cmが良い。連動部材4の役割詳細は装着針1の魚に対する差し込まれ度合いの変化で掛け針2をイカの方向に移動させて掛けることにあり、柔らかい材質ではなくステンレスなどの線材が適している。その構造とするので、イカが逃げるとラインに装着針が引かれ装着針1の魚に対する刺し込まれ度合いが変化し、それに連動して掛け針2が移動する(移動後の状況は図4図5で説明)。さらに、連動部材4は魚の体表に沿う形状であり、掛け針2は体表の近傍に配置され仕掛け自体が魚のシルエットに隠れるのでイカに警戒されない。また、装着針1は一本でも機能を果たすが二本針にして装着安定性を増すことも可能である。
【0012】
図2は、本発明の仕掛け101を上から見た図で、掛け針2は二系統なので魚を跨ぐ構造である。跨ぐことはシルエットに隠れつつ仕掛けの左右へのブレを減らすことにもなる。また、針先12は魚の体表とは逆向きなので魚に掛からず、掛け針2の移動を妨げない。
【0013】
図3は、本発明の仕掛け101を魚に装着した図である。仕掛け101の殆どが魚の横のシルエットに隠れることになっている。装着針は魚6の鼻付近に刺しこまれているが、ラインの結束部がラインに引かれれば、装着針の魚に対する刺し込まれ度合い(深さ)は変化するものであり、それに連動して掛け針が動く。仕掛け101は魚を跨ぐように掛け針を二系統有するが、その針先は魚の体表とは逆向きであるので魚には掛からない。仕掛け101の掛け針は二系統であるが、昼の明るい時間帯で釣るのであれば一系統にすればさらに警戒されない。なお、この仕掛けにおいて連動部材は魚の頭頂部を避ける形状にしておけばイカが頭頂部を噛み易くなるので釣果が向上する。
【0014】
図4は、イカが魚の頭頂部を捉え釣り人から遠ざかる際のイメージ図である。魚は腹を概ね上を向いた状態にされイカが頭頂部を噛む。同時にイカは釣り人から遠ざかる方向に逃げるので、ラインに引かれる装着針は魚に浅く刺さることになり、掛け針がイカの足の方向に移動してイカが掛かる。結果的にイカの動きだけでイカが掛け針に掛かるので、効率よくイカが釣れる。
【0015】
図5は、イカが魚の鰓の下端を捉え釣り人から遠ざかる際のイメージ図である。魚は背中を概ね上を向いた状態にされイカが鰓の下端を噛む。同時にイカは釣り人から遠ざかる方向に逃げるので、ラインに引かれる装着針は魚に深く刺さることになり、イカの足の方向に掛け針が移動することは図4と同じである。つまり、魚の体勢が上下逆の場合でもイカの足方向へ掛け針を移動できる仕掛けである。
【符号の説明】
【0016】
1 装着針
2 掛け針
3 装着針と連動部材の固着部
4 連動部材
5 ラインの結束部
6 魚及び魚の体表
7 頭頂部
8 鰓の下端
9 ライン
10 イカ
11 イカの逃げる方向
12 掛け針の針先
101 実施例1の仕掛け101
図1
図2
図3
図4
図5