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特開2024-129844押出プレス装置のコンテナ交換位置決め装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129844
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】押出プレス装置のコンテナ交換位置決め装置
(51)【国際特許分類】
   B21C 27/00 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
B21C27/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039194
(22)【出願日】2023-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】300041192
【氏名又は名称】UBEマシナリー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】川合 佑人
(72)【発明者】
【氏名】江本 幸男
【テーマコード(参考)】
4E029
【Fターム(参考)】
4E029RA04
4E029RA06
(57)【要約】
【課題】コンテナホルダへの新しいコンテナの挿入時に、コンテナホルダ及びコンテナの芯出しが可能な、押出プレス装置のコンテナ位置決め装置を提供することを目的とする。
【解決手段】下方の待機位置と上方の挿入位置との間を昇降するコンテナ昇降ベースと、前記コンテナ昇降ベース上の水平方向の摺動が許容され、コンテナを載置させるコンテナ受け台が配置されたコンテナ位置決めベースと、前記コンテナホルダの下面に配置された第1コンテナ位置決め部と、前記コンテナ位置決めベースに配置された第2コンテナ位置決め部と、を備え、前記挿入位置に上昇する際、前記第1コンテナ位置決め部が前記第2コンテナ位置決め部と接触することにより、前記コンテナ受け台に載置されたコンテナの中心が、前記コンテナホルダのコンテナ収納孔の中心に位置決めされるように構成されていることを特徴とする押出プレス装置のコンテナ位置決め装置によって達成される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用済みコンテナを搬出させたコンテナホルダに新しいコンテナを挿入させる際に該新しいコンテナを載置する、押出プレス装置のコンテナ交換位置決め装置であって、
下方の待機位置と上方の挿入位置との間を昇降するための複数の昇降用ガイドと、昇降用アクチュエータと、を備えたコンテナ昇降ベースと、
前記コンテナ昇降ベース上の水平方向の所定量の摺動が許容されるように前記コンテナ昇降ベース上に載置され、前記新しいコンテナを載置させるコンテナ受け台が配置されたコンテナ位置決めベースと、
前記コンテナホルダの前記コンテナ位置決めベース側の下面に配置された第1コンテナ位置決め部と、
前記コンテナ位置決めベースの下方から前記コンテナホルダ側へ突出するように配置された第2コンテナ位置決め部と、を備え
前記昇降用アクチュエータにより、前記コンテナ昇降ベース及び前記コンテナ位置決めベースが前記挿入位置に上昇する際、前記第2コンテナ位置決め部が下方から前記第1コンテナ位置決め部と接触することにより、前記第2コンテナ位置決め部が配置される前記コンテナ位置決めベースの前記コンテナ昇降ベースに対する水平方向の摺動を許容して、前記コンテナ受け台に載置される前記新しいコンテナの中心が、前記コンテナホルダのコンテナ収納孔の中心に位置決めされるように前記第1コンテナ位置決め部及び前記第2コンテナ位置決め部が構成されている
ことを特徴とする押出プレス装置のコンテナ交換位置決め装置。
【請求項2】
前記第1コンテナ位置決め部の前記押出プレス装置の中心線に直交する断面形状が、上方から下方に向かって狭まる凸状テーパー形状であり、
前記第2コンテナ位置決め部の前記押出プレス装置の中心線に直交する断面形状が、前記第1コンテナ位置決め部の前記凸状テーパー形状に対応した、上方から下方に向かって狭まる凹状テーパー形状である、ことを特徴とする、請求項1に記載の押出プレス装置のコンテナ交換位置決め装置。
【請求項3】
前記第1コンテナ位置決め部の前記押出プレス装置の中心線に直交する断面形状が、上方から下方に向かって広がる凹状テーパー形状であり、
前記第2コンテナ位置決め部の前記押出プレス装置の中心線に直交する断面形状が、前記第1コンテナ位置決め部の前記凹状テーパー形状に対応した、上方から下方に向かって広がる凸状テーパー形状である、ことを特徴とする、請求項1に記載の押出プレス装置のコンテナ交換位置決め装置。
【請求項4】
前記コンテナ位置決めベース上に配置された前記コンテナ受け台の、前記押出プレス装置の中心線に直交する方向の位置を調整するコンテナ受け台位置調整機構が前記コンテナ位置決めベースに配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の押出プレス装置のコンテナ交換位置決め装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウム合金等の金属押出成形に用いられる押出プレス装置の、新たなコンテナをコンテナホルダに挿入する際に使用するコンテナ交換位置決め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
金属材料、例えば、アルミニウム又はその合金材料等による押出材(以後:ビレット)を押出成形する一般的な押出プレス装置100を図1に示す。図1は、一部断面を含む押出プレス装置100の概略側面図である。メインシリンダ12Aにその一端側が収納され、油圧で前進駆動されるメインラム12Bの先端部に、メインクロスヘッド22を介して押出ステム24が取り付けられている。
【0003】
押出プレス装置100によりビレット20を押出成形する場合、エンドプラテン10の凹部10Dに埋設された、リング状のプレッシャーリング10Bを介してエンドプラテン10側に配置されたダイス16に、コンテナシリンダ28でコンテナ18(コンテナホルダ19)を押圧させる(コンテナシール)。実際には、押出方向に複数の部材が組み合わされ、ダイスアッセンブリとして構成されるダイス16は、図示しない保持手段(例えばダイカセット)に収納されている。そして、メインラム12Bを前進させて、コンテナ18内に収納されたビレット20を押出ステム24によりダイス16に押圧させる(アプセット工程)。押圧されたビレット20は半径方向に膨張するように塑性変形し、コンテナ18の内周面に密着する。
【0004】
メインラム12Bをさらに前進させることにより、ビレット20を押出ステム24によりダイス16に押圧(押圧作用力)させて、ダイス16から押出用開口部10Aへ、所定の断面形状の押出製品21が連続して押出成形される(押出工程)。なお、図1において、押出工程におけるメインラム12Bの移動を前進とし、図1の押出プレス装置100の左側を前方、右側を後方とする。また、図示された構成の後方への移動を後退とする。
【0005】
一方、メインシリンダ12Aは、エンドプラテン10と対向するように配置されたメインシリンダハウジング12の略中央に配置され、サイドシリンダ26は、メインシリンダハウジング12のメインシリンダ12Aの周囲に複数個配置されている。サイドシリンダ26のシリンダロッドはメインクロスヘッド22の後端面に固定され、後退手段を持たないメインラム12Bの後退時に駆動される。また、サイドシリンダ26は、押出工程において、メインラム12Bと共にメインクロスヘッド22を前進させる。
【0006】
そして、エンドプラテン10は、タイロッドナット13及びタイロッド14によりメインシリンダハウジング12と連結されている。押圧作用力の反力は、押出工程中にダイス16(プレッシャーリング10B)を介してエンドプラテン10に作用すると共に、メインシリンダ12Aを介してメインシリンダハウジング12に作用し、これらを互いに離間させる方向へ作用する。このような押圧作用力の反力に対して、エンドプラテン10の四隅及びメインシリンダハウジング12の対応する四隅を貫通するタイロッド14と、タイロッド14の両端に配置され、タイロッド14の大径部を構成するタイロッドナット13と、によって、これらを互いに離間させる方向への移動を拘束すると共に、タイロッド14の伸長(弾性領域内)により、押圧作用力の反力に抗するよう構成されている。
【0007】
ここで、従来のコンテナ交換方法について図2を参照しながら説明する。まず、図2(a)に示すように、メインクロスヘッド22をコンテナホルダ19から後退させる。メインクロスヘッド22からは押出ステム24が取り外されている。また、コンテナホルダ19からは予め、使用済みコンテナが搬出されている。そして、コンテナホルダ19と後退させたメインクロスヘッド22との間に新しいコンテナ18を天井クレーン等で移動させる。この時、作業員が押出プレス装置内に待機して、新しいコンテナ18を誘導する必要がある。
【0008】
次に、図2(b)に示すように、作業員の誘導により、天井クレーン等を操作してコンテナ18の端部をコンテナホルダ19のコンテナ収納孔に挿入する。続いて、図2(c)に示すように、メインクロスヘッド22を前進させてコンテナ18の端部に接触させる。その状態でメインクロスヘッド22の前進により、新しいコンテナ18をコンテナホルダ19のコンテナ収納孔に押し込む。
【0009】
適当なタイミングで、新しいコンテナ18と天井クレーン等の接続を解除させる。そして、図2(d)に示すように、メインクロスヘッド22の前進により、新しいコンテナ18をコンテナホルダ19のコンテナ収納孔の挿入限位置まで押し込む。その後、図示はしていないが、メインクロスヘッド22を後退させて、押出ステム24が取り付けられる。
【0010】
尚、使用済みコンテナをコンテナホルダ19から搬出する際は、図示はしていないが、押出ステム24を取り外したメインクロスヘッド22を前進させて、使用済みコンテナの一端に接触させる。そして、公知の方法や手段でメインクロスヘッド22と使用済みコンテナとを固定させる。その後、メインクロスヘッド22を後退させて、接続させた使用済みコンテナをコンテナホルダ19から引き出す。そして、適当なタイミングで、使用済みコンテナを天井クレーン等で吊った後、更にメインクロスヘッド22を後退させて、使用済みコンテナをコンテナホルダ19から引き出す。そして、コンテナホルダ19から排出された使用済みコンテナを押出プレス装置100機外へ搬出させる。この、使用済みコンテナをコンテナホルダ19から搬出する作業について、使用済みコンテナをコンテナホルダ19から引き出す際、引き出した使用済みコンテナをビレットローダ用ガイド上に一旦載置した後、天井クレーン等で押出プレス装置機外へ搬出させる特許文献1が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平04-135011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
このように、従来のコンテナ交換方法は、コンテナホルダへの新しいコンテナの挿入時に、作業員が押出プレス装置の機内で、吊られたコンテナの誘導を行う必要があり、また、この時、メインクロスヘッド22を駆動させるため、危険な作業となっていた。
【0013】
本発明は、上記したような問題点に鑑みてなされたもので、コンテナホルダへの新しいコンテナの挿入時に、作業員が押出プレス装置の機内で、吊られたコンテナの誘導を行う必要がなく、コンテナホルダに対するコンテナの芯出し(位置決め)が可能な、押出プレス装置のコンテナ交換位置決め装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の上記目的は、使用済みコンテナを搬出させたコンテナホルダに新しいコンテナを挿入させる際に該新しいコンテナを載置する、押出プレス装置のコンテナ交換位置決め装置であって、
下方の待機位置と上方の挿入位置との間を昇降するための複数の昇降用ガイドと、昇降用アクチュエータと、を備えたコンテナ昇降ベースと、
前記コンテナ昇降ベース上の水平方向の所定量の摺動が許容されるように前記コンテナ昇降ベース上に載置され、前記新しいコンテナを載置させるコンテナ受け台が配置されたコンテナ位置決めベースと、
前記コンテナホルダの前記コンテナ位置決めベース側の下面に配置された第1コンテナ位置決め部と、
前記コンテナ位置決めベースの下方から前記コンテナホルダ側へ突出するように配置された第2コンテナ位置決め部と、を備え
前記昇降用アクチュエータにより、前記コンテナ昇降ベース及び前記コンテナ位置決めベースが前記挿入位置に上昇する際、前記第2コンテナ位置決め部が下方から前記第1コンテナ位置決め部と接触することにより、前記第2コンテナ位置決め部が配置される前記コンテナ位置決めベースの前記コンテナ昇降ベースに対する水平方向の摺動を許容して、前記コンテナ受け台に載置される前記新しいコンテナの中心が、前記コンテナホルダのコンテナ収納孔の中心に位置決めされるように前記第1コンテナ位置決め部及び前記第2コンテナ位置決め部が構成されている
ことを特徴とする押出プレス装置のコンテナ交換位置決め装置によって達成される。
【0015】
また、本発明に係る押出プレス装置のコンテナ交換位置決め装置においては、前記第1コンテナ位置決め部の前記押出プレス装置の中心線に直交する断面形状が、上方から下方に向かって狭まる凸状テーパー形状であり、
前記第2コンテナ位置決め部の前記押出プレス装置の中心線に直交する断面形状が、前記第1コンテナ位置決め部の前記凸状テーパー形状に対応した、上方から下方に向かって狭まる凹状テーパー形状であってもよい。
【0016】
さらに、本発明に係る押出プレス装置のコンテナ交換位置決め装置においては、前記第1コンテナ位置決め部の前記押出プレス装置の中心線に直交する断面形状が、上方から下方に向かって広がる凹状テーパー形状であり、
前記第2コンテナ位置決め部の前記押出プレス装置の中心線に直交する断面形状が、前記第1コンテナ位置決め部の前記凹状テーパー形状に対応した、上方から下方に向かって広がる凸状テーパー形状であってもよい。
【0017】
またさらに、本発明に係る押出プレス装置のコンテナ交換位置決め装置においては、前記コンテナ位置決めベース上に配置された前記コンテナ受け台の、前記押出プレス装置の中心線に直交する方向の位置を調整するコンテナ受け台位置調整機構が前記コンテナ位置決めベースに配置されてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る押出プレス装置のコンテナ交換位置決め装置は、使用済みコンテナを搬出させたコンテナホルダに新しいコンテナを挿入させる際に該新しいコンテナを載置する、押出プレス装置のコンテナ交換位置決め装置であって、
下方の待機位置と上方の挿入位置との間を昇降するための複数の昇降用ガイドと、昇降用アクチュエータと、を備えたコンテナ昇降ベースと、
前記コンテナ昇降ベース上の水平方向の所定量の摺動が許容されるように前記コンテナ昇降ベース上に載置され、前記新しいコンテナを載置させるコンテナ受け台が配置されたコンテナ位置決めベースと、
前記コンテナホルダの前記コンテナ位置決めベース側の下面に配置された第1コンテナ位置決め部と、
前記コンテナ位置決めベースの下方から前記コンテナホルダ側へ突出するように配置された第2コンテナ位置決め部と、を備え
前記昇降用アクチュエータにより、前記コンテナ昇降ベース及び前記コンテナ位置決めベースが前記挿入位置に上昇する際、前記第2コンテナ位置決め部が下方から前記第1コンテナ位置決め部と接触することにより、前記第2コンテナ位置決め部が配置される前記コンテナ位置決めベースの前記コンテナ昇降ベースに対する水平方向の摺動を許容して、前記コンテナ受け台に載置される前記新しいコンテナの中心が、前記コンテナホルダのコンテナ収納孔の中心に位置決めされるように前記第1コンテナ位置決め部及び前記第2コンテナ位置決め部が構成されているため、コンテナホルダへの新しいコンテナの挿入時に、作業員が押出プレス装置の機内で、吊られたコンテナの誘導を行う必要がなく、コンテナホルダ及びコンテナの芯出し(位置決め)が可能な、押出プレス装置のコンテナ交換位置決め装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】一部断面を含む押出プレス装置の概略側面図である。
図2】従来のコンテナ交換方法を説明する説明図である。
図3】本発明に係るコンテナ交換位置決め装置のコンテナ側から見た正面図である。
図4】本発明に係るコンテナ交換位置決め装置の図3のA-A矢視図他である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0021】
[第1実施形態]
まず、第1実施形態に係る、押出プレス装置のコンテナ交換位置決め装置について、図3及び図4を参照しながら説明する。図3は、本発明に係るコンテナ交換位置決め装置のコンテナ側から見た正面図である。図3(a)は、コンテナ交換位置決め装置がコンテナの挿入位置にある状態をコンテナ側から見た正面図である。図3(b)は、図3(a)の要部Xの拡大図である。図4は、本発明に係るコンテナ交換位置決め装置の図3のA-A矢視図他である。図4(a)が本発明に係るコンテナ交換位置決め装置の図3(a)のA-A矢視図であり、図4(b)が図4(a)のB矢視断面図である。
【0022】
まず、コンテナ交換位置決め装置50は、下方の待機位置(図示せず)と上方の挿入位置(図3(a))との間を昇降するための複数の昇降用ガイド61と、昇降用アクチュエータ62と、を備えたコンテナ昇降ベース63を備える。昇降用ガイド61及び昇降用アクチュエータ62は、コンテナ交換位置決め装置50が、コンテナ18(コンテナホルダ19)やメインクロスヘッド22の動作に干渉しないように、下方の待機位置に待機できるようなストロークを有し、通常は基礎に施工されたピット等に配置される。昇降用アクチュエータ62は1台でよいが、昇降用ガイド61は、コンテナ昇降ベース63の四隅にそれぞれ配置されることが好ましい。
【0023】
そして、コンテナ昇降ベース63の上方には、新しいコンテナ18が載置されるコンテナ受け台81が配置されたコンテナ位置決めベース71が、コンテナ昇降ベース63上の水平方向の所定量の移動が許容されるように載置されている。具体的には、コンテナ位置決めベース71は、コンテナ昇降ベース63に対して、図3(a)の要部Xに示すような構成で載置されている。すなわち、図3(b)に示すように、コンテナ位置決めベース71及びコンテナ昇降ベース63を貫通する貫通孔72に、貫通孔72より大径の大径部と小径の小径部とを有する連結部材73が挿入され、貫通孔72下方から突出する小径部に、貫通孔72より大径のナット74が、連結部材73上方から挿入したボルト75で締め付けられている。
【0024】
上記のように、コンテナ昇降ベース63の上方に載置されたコンテナ位置決めベース71は、コンテナ昇降ベース63には固定されておらず、コンテナ昇降ベース63上を、貫通孔72の内径と、連結部材73の小径部の外径との差分、移動することが許容される。このようなコンテナ昇降ベース63及びコンテナ位置決めベース71の構成により、後述する第1コンテナ位置決め部及び第2コンテナ位置決め部の接触により、コンテナ位置決めベース71がコンテナ昇降ベース63上を摺動して、コンテナ受け台81に載置される新しいコンテナ18の中心が、コンテナホルダ19のコンテナ収納孔の中心に位置決めされる。
【0025】
引き続き、図4を参照しながら、第1コンテナ位置決め部76及び第2コンテナ位置決め部77の接触による、コンテナ受け台81に載置された新しいコンテナ18の中心の、コンテナホルダ19のコンテナ収納孔の中心への位置決めについて説明する。
【0026】
図4(a)は、本発明に係るコンテナ交換位置決め装置の図3(a)のA-A矢視図である。図4(a)に示すように、コンテナホルダ19のコンテナ位置決めベース71側の下面に、第1コンテナ位置決め部76が形成されている。また、コンテナ位置決めベース71の下方からコンテナホルダ19側へ突出するように第2コンテナ位置決め部77が形成されている。図4(b)に示すように、第1コンテナ位置決め部76は、押出プレス装置の中心線に直交する断面形状が、上方から下方に向かって狭まる凸状テーパー形状であり、第2コンテナ位置決め部77は、押出プレス装置の中心線に直交する断面形状が、第1コンテナ位置決め部76の凸状テーパー形状に対応した、上方から下方に向かって狭まる凹状テーパー形状である。図4(b)は図4(a)のB矢視断面図である。
【0027】
尚、図示はしていないが、第1コンテナ位置決め部76及び第2コンテナ位置決め部77の断面形状が逆であっても同様の機能を奏する。具体的には、第1コンテナ位置決め部76の押出プレス装置の中心線に直交する断面形状が、上方から下方に向かって広がる凹状テーパー形状であり、第2コンテナ位置決め部77の押出プレス装置の中心線に直交する断面形状が、第1コンテナ位置決め部76の凹状テーパー形状に対応した、上方から下方に向かって広がる凸状テーパー形状となる形態である。
【0028】
そして、昇降用アクチュエータ62により、コンテナ昇降ベース63及びコンテナ位置決めベース71がコンテナ18の挿入位置に上昇する際、コンテナ位置決めベース71に配置される第2コンテナ位置決め部77が下方から第1コンテナ位置決め部76と接触することにより、第2コンテナ位置決め部77の凹状テーパー形状のテーパー面が、第1コンテナ位置決め部76の凸状テーパー形状のテーパー面に案内されることにより、コンテナ位置決めベース71のコンテナ昇降ベース63に対する水平方向の摺動を許容する。そして、コンテナ受け台81に載置される新しいコンテナ18の中心が、コンテナホルダのコンテナ収納孔の中心に一致するように位置決めされる。
【0029】
これまで説明したようなコンテナ交換位置決め装置50により、新しいコンテナ18を使用済みコンテナが搬出されたコンテナホルダ19に挿入する方法を説明する。まず、図4(a)に示すように、昇降用アクチュエータ62により、コンテナ昇降ベース63及びコンテナ位置決めベース71を下方の待機位置から上方の挿入位置まで上昇させる。この時、第1コンテナ位置決め部76及び第2コンテナ位置決め部77が接触して、コンテナ昇降ベース63に対するコンテナ位置決めベース71(コンテナ受け台81)の位置決めが完了するまで、新しいコンテナ18をコンテナ受け台81に載置しない。コンテナ受け台81に新しいコンテナ18が載置されていない状態の方が、コンテナ位置決めベース71に作用する荷重が小さく、第1コンテナ位置決め部76及び第2コンテナ位置決め部77による位置決めが有効に作用するからである。
【0030】
第2コンテナ位置決め部77が下方から第1コンテナ位置決め部76と接触して、コンテナ昇降ベース63に対するコンテナ位置決めベース71(コンテナ受け台81)の位置決めが完了した後、コンテナ受け台81に新しいコンテナ18を載置させる。そして、メインクロスヘッド22を前進させて、コンテナ18の端面に接触させて、コンテナ18をコンテナホルダ19のコンテナ収納孔に挿入させる。この時、コンテナ18とコンテナホルダ19のコンテナ収納孔との芯出し(位置決め)ができているので、作業員が押出プレス装置機内に入ってコンテナ18を誘導する必要はない。コンテナ18端部のコンテナホルダ19のコンテナ収納孔への収納が確認された後、メインクロスヘッド22によるコンテナ18のコンテナホルダ19への押込みを継続すると共に、適当なタイミングで昇降用アクチュエータ62により、コンテナ交換位置決め装置50を待機位置まで下降させる。
【0031】
コンテナ受け台81は、図3(a)に示すように、コンテナ18を載置した際、押出プレス装置の中心線に直交する方向に移動しないように、テーパー形状等を設けることが好ましい。また、図示はしていないが、載置させたコンテナ18をメインクロスヘッド22でコンテナホルダ19のコンテナ収納孔に押し込む際に、コンテナ18を押出プレス装置100の中心線方向に移動させるのに好適なローラー等が配置されることが好ましい。
【0032】
また、コンテナ交換位置決め装置50には、コンテナ受け台81の、押出プレス装置の中心線に直交する方向の位置を調整するコンテナ受け台位置調整機構82を設けてもよい。具体的には、図3(a)に示すように、コンテナ位置決めベース71の側方に、コンテナ受け台81の、押出プレス装置の中心線に直交する方向の位置を調整するボルト等を複数個所に配置させる。コンテナ受け台81の下面には図示しないフランジ部を形成させて、該フランジ部に形成させたボルト孔等にボルト等の締結部材で、コンテナ受け台81をコンテナ位置決めベース71の上面に固定する。該ボルト孔を大きめに形成させて、該ボルト孔より大径のワッシャを介して固定することにより、コンテナ受け台位置調整機構82によりコンテナ位置決めベース71上のコンテナ受け台81の位置を微調整する場合は、該ボルト等の締結部材を緩めて、コンテナ位置決めベース71上のコンテナ受け台81の位置を微調整することができる。
【0033】
ここで、第1実施形態においては、使用済みコンテナが搬出されたコンテナホルダ19に新しいコンテナ18を挿入する場合について説明したが、本発明に係るコンテナ交換位置決め装置50は、使用済みコンテナをコンテナホルダ19から排出する時にも使用できる。
【0034】
具体的には、押出ステム24を取り外したメインクロスヘッド22を前進させて、使用済みコンテナの一端に接触させる。そして、公知の方法や手段でメインクロスヘッド22と使用済みコンテナとを固定させる。その後、メインクロスヘッド22を後退させて、接続させた使用済みコンテナをコンテナホルダ19から引き出す。ここまでは、先に説明した従来の使用済みコンテナのコンテナホルダ19からの搬出方法と同じである。
【0035】
そして、コンテナホルダ19から使用済みコンテナがある程度引き出された適当なタイミングで、昇降用アクチュエータ62により、コンテナ昇降ベース63及びコンテナ位置決めベース71を挿入位置まで上昇させて、第1コンテナ位置決め部76及び第2コンテナ位置決め部77を接触させて、コンテナ18とコンテナホルダ19のコンテナ収納孔との芯出しを行わせる。その後、メインクロスヘッド22の後退を継続させて、使用済みコンテナをコンテナ受け台81に載置させる。コンテナ受け台81に載置された使用済みコンテナにワイヤー等を掛け、天井クレーン等で使用済みコンテナを押出プレス装置機外へ搬出させる。引き続き、位置決めされたコンテナ受け台81に天井クレーン等で、新しいコンテナ18を載置させればよい。
【0036】
本発明に係る押出プレス装置のコンテナ交換位置決め装置は、これまで説明したように構成されるため、コンテナホルダへの新しいコンテナの挿入時に、作業員が押出プレス装置の機内で、吊られたコンテナの誘導を行う必要がなく、コンテナホルダ及びコンテナの芯出し(位置決め)が可能となる。
【0037】
以上、発明を実施するための形態について、第1実施形態を説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された内容を逸脱しない範囲で、色々な形で実施できることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0038】
10 エンドプラテン、10A 押出用開口部、10B プレッシャーリング、10D 凹部、12 メインシリンダハウジング、12A メインシリンダ、12B メインラム、13 タイロッドナット、14 タイロッド、16 ダイス、18 コンテナ、19 コンテナホルダ、20 ビレット、21 押出製品、22 メインクロスヘッド、24 押出ステム、26 サイドシリンダ、28 コンテナシリンダ、
50 コンテナ交換位置決め装置、61 昇降用ガイド、62 昇降用アクチュエータ、63 コンテナ昇降ベース、71 コンテナ位置決めベース、72 貫通孔、73 連結部材、74 ナット、75 ボルト、76 第1コンテナ位置決め部、77 第2コンテナ位置決め部、81 コンテナ受け台、82 コンテナ受け台位置調整機構、
100 押出プレス装置
図1
図2
図3
図4