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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129854
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】情報処理システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
B41J29/38 401
B41J29/38 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039209
(22)【出願日】2023-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】高橋 哲史
【テーマコード(参考)】
2C061
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061HK11
2C061HN08
2C061HN15
2C061HV01
2C061HV45
(57)【要約】
【課題】遠隔操作されている画像処理装置側の再起動によりモバイル端末と画像処理装置との通信が遮断された場合に、モバイル端末のユーザが通信の遮断理由を把握できるようにする。
【解決手段】画像処理装置10の制御部11では、エラー検知部101が、通信が確立されている端末から遠隔操作されている自機に再起動を伴うエラーが生じたことを検知すると、管理部104が、再起動の前にエラーの原因を含むエラー情報を予め定められた記憶領域に保存させ、通知検知部102が、再起動による通信の遮断の後、再び通信が確立したことを検知すると、送信制御部106が、記憶領域に保存されているエラー情報を端末に向けて通知する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または複数のプロセッサを備え、
前記1または複数のプロセッサは、
通信が確立されている端末から遠隔操作されている画像処理装置に再起動を伴うエラーが生じると、当該再起動の前に当該エラーの原因を含むエラー情報を予め定められた記憶領域に保存させ、
前記再起動による前記通信の遮断の後、再び当該通信が確立すると、前記記憶領域に保存されている前記エラー情報を前記端末に向けて通知することを特徴とする、
情報処理システム。
【請求項2】
前記1または複数のプロセッサは、前記端末にて前記通信の遮断が検知され、当該通信の疎通確認が行われた後に当該通信が確立すると、前記記憶領域に保存されている前記エラー情報を前記端末に向けて通知することを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記1または複数のプロセッサは、前記通信の疎通確認が行われている時間が予め定められた時間を超過した場合、当該通信の疎通確認を終了させることを特徴とする、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記1または複数のプロセッサは、前記通信の疎通確認が行われている間、当該通信が確立されるまでの予測時間を前記端末に表示させることを特徴とする、
請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記予測時間は、前記通信が確立されるまでの時間の実績値に基づく時間であることを特徴とする、
請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記1または複数のプロセッサは、前記通信が確立したときに、前記記憶領域に前記エラー情報が保存されていない場合には、前記画像処理装置の電源が強制的に切断された旨を前記端末に向けて通知することを特徴とする、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記1または複数のプロセッサは、前記通信が遮断されている間に複数の前記エラーが生じると、前記再起動の前に当該複数のエラーの各々の前記エラー情報を前記記憶領域に保存させ、
前記再起動による前記通信の遮断の後、再び当該通信が確立すると、前記記憶領域に保存されている複数の前記エラー情報を前記端末に向けて通知することを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記1または複数のプロセッサは、
前記複数のエラー情報の各々に優先度を対応付けて前記記憶領域に保存させ、
前記優先度に応じて、前記端末に向けて通知する前記エラー情報を決定することを特徴とする、
請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記1または複数のプロセッサは、前記記憶領域に保存された前記エラー情報を予め定められたタイミングで当該記憶領域から削除または移動させることを特徴とする、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記1または複数のプロセッサは、前記タイミングとして、前記記憶領域に保存された前記エラー情報が前記端末に向けて通知された後のいずれかのタイミングで、当該エラー情報を当該記憶領域から削除することを特徴とする、
請求項9に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記1または複数のプロセッサは、前記タイミングとして、前記記憶領域に保存された前記エラー情報について、予め定められた保存期間、保存件数、保存容量のうちいずれかを超過した後のいずれかのタイミングで、超過分の当該エラー情報を当該記憶領域から削除することを特徴とする、
請求項9に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記1または複数のプロセッサは、前記タイミングとして、前記記憶領域に複数の前記エラー情報が保存されていることが確認された後のいずれかのタイミングで、当該複数のエラー情報のうち、前記エラーの発生日時が直近のもの以外のエラー情報を、前記記憶領域とは異なる他の記憶領域に移動させることを特徴とする、
請求項9に記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記1または複数のプロセッサは、
前記エラー情報に、前記端末を一意に特定可能な識別情報を対応付けて前記記憶領域に保存させ、
前記再起動による前記通信の遮断の後、再び当該通信が確立すると、前記タイミングとして、前記識別情報に基づいて、当該通信が確立した端末と、前記エラー情報に対応付けられている端末とが異なると判断した後のいずれかのタイミングで、当該エラー情報を前記記憶領域から削除することを特徴とする、
請求項9に記載の情報処理システム。
【請求項14】
前記1または複数のプロセッサは、
前記エラー情報に、前記端末を一意に特定可能な識別情報を対応付けて前記記憶領域に保存させ、
前記再起動による前記通信の遮断の後、再び当該通信が確立すると、前記識別情報から特定される、当該通信が確立した端末と、前記エラー情報に対応付けられている端末とが同じである場合、当該通信が確立した端末に向けて当該エラー情報を通知することを特徴とする、
請求項9に記載の情報処理システム。
【請求項15】
コンピュータに、
通信が確立されている端末から遠隔操作されている画像処理装置に再起動を伴うエラーが生じると、当該再起動の前に当該エラーの原因を含むエラー情報を予め定められた記憶領域に保存させる機能と、
前記再起動による前記通信の遮断の後、再び当該通信が確立すると、前記記憶領域に保存されている前記エラー情報を前記端末に向けて通知する機能と、
を実現させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
文書の印刷や読み取り等を可能にするいわゆる複合機等の画像処理装置をモバイル端末側から遠隔操作できるようにする技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許5983269号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような技術では、遠隔操作されている画像処理装置側に生じたエラーが原因で再起動されると、モバイル端末と画像処理装置との間で確立していた通信が突如遮断されることがある。このような場合、モバイル端末のユーザは何が起きたのかを把握できない。
【0005】
本発明の目的は、遠隔操作されている画像処理装置側の再起動によりモバイル端末と画像処理装置との通信が遮断された場合に、モバイル端末のユーザが通信の遮断理由を把握できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載された発明は、1または複数のプロセッサを備え、前記1または複数のプロセッサは、通信が確立されている端末から遠隔操作されている画像処理装置に再起動を伴うエラーが生じると、当該再起動の前に当該エラーの原因を含むエラー情報を予め定められた記憶領域に保存させ、前記再起動による前記通信の遮断の後、再び当該通信が確立すると、前記記憶領域に保存されている前記エラー情報を前記端末に向けて通知することを特徴とする、情報処理システムである。
請求項2に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記端末にて前記通信の遮断が検知され、当該通信の疎通確認が行われた後に当該通信が確立すると、前記記憶領域に保存されている前記エラー情報を前記端末に向けて通知することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項3に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記通信の疎通確認が行われている時間が予め定められた時間を超過した場合、当該通信の疎通確認を終了させることを特徴とする、請求項2に記載の情報処理システムである。
請求項4に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記通信の疎通確認が行われている間、当該通信が確立されるまでの予測時間を前記端末に表示させることを特徴とする、請求項3に記載の情報処理システムである。
請求項5に記載された発明は、前記予測時間は、前記通信が確立されるまでの時間の実績値に基づく時間であることを特徴とする、請求項4に記載の情報処理システムである。
請求項6に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記通信が確立したときに、前記記憶領域に前記エラー情報が保存されていない場合には、前記画像処理装置の電源が強制的に切断された旨を前記端末に向けて通知することを特徴とする、請求項2に記載の情報処理システムである。
請求項7に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記通信が遮断されている間に複数の前記エラーが生じると、前記再起動の前に当該複数のエラーの各々の前記エラー情報を前記記憶領域に保存させ、前記再起動による前記通信の遮断の後、再び当該通信が確立すると、前記記憶領域に保存されている複数の前記エラー情報を前記端末に向けて通知することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項8に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記複数のエラー情報の各々に優先度を対応付けて前記記憶領域に保存させ、前記優先度に応じて、前記端末に向けて通知する前記エラー情報を決定することを特徴とする、請求項7に記載の情報処理システムである。
請求項9に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記記憶領域に保存された前記エラー情報を予め定められたタイミングで当該記憶領域から削除または移動させることを特徴とする、請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項10に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記タイミングとして、前記記憶領域に保存された前記エラー情報が前記端末に向けて通知された後のいずれかのタイミングで、当該エラー情報を当該記憶領域から削除することを特徴とする、請求項9に記載の情報処理システムである。
請求項11に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記タイミングとして、前記記憶領域に保存された前記エラー情報について、予め定められた保存期間、保存件数、保存容量のうちいずれかを超過した後のいずれかのタイミングで、超過分の当該エラー情報を当該記憶領域から削除することを特徴とする、請求項9に記載の情報処理システムである。
請求項12に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記タイミングとして、前記記憶領域に複数の前記エラー情報が保存されていることが確認された後のいずれかのタイミングで、当該複数のエラー情報のうち、前記エラーの発生日時が直近のもの以外のエラー情報を、前記記憶領域とは異なる他の記憶領域に移動させることを特徴とする、請求項9に記載の情報処理システムである。
請求項13に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記エラー情報に、前記端末を一意に特定可能な識別情報を対応付けて前記記憶領域に保存させ、前記再起動による前記通信の遮断の後、再び当該通信が確立すると、前記タイミングとして、前記識別情報に基づいて、当該通信が確立した端末と、前記エラー情報に対応付けられている端末とが異なると判断した後のいずれかのタイミングで、当該エラー情報を前記記憶領域から削除することを特徴とする、請求項9に記載の情報処理システムである。
請求項14に記載された発明は、前記1または複数のプロセッサは、前記エラー情報に、前記端末を一意に特定可能な識別情報を対応付けて前記記憶領域に保存させ、前記再起動による前記通信の遮断の後、再び当該通信が確立すると、前記識別情報から特定される、当該通信が確立した端末と、前記エラー情報に対応付けられている端末とが同じである場合、当該通信が確立した端末に向けて当該エラー情報を通知することを特徴とする、請求項9に記載の情報処理システムである。
請求項15に記載された発明は、コンピュータに、通信が確立されている端末から遠隔操作されている画像処理装置に再起動を伴うエラーが生じると、当該再起動の前に当該エラーの原因を含むエラー情報を予め定められた記憶領域に保存させる機能と、前記再起動による前記通信の遮断の後、再び当該通信が確立すると、前記記憶領域に保存されている前記エラー情報を前記端末に向けて通知する機能と、を実現させるプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の本発明によれば、通信が確立されている端末から遠隔操作されている画像処理装置に再起動を伴うエラーが生じると、再起動の前にエラー情報が保存される。そして、再起動による通信の遮断の後、再び通信が確立すると、保存されているエラー情報が端末に向けて通知される。これにより、遠隔操作されている画像処理装置が再起動されたために端末と画像処理装置との通信が遮断された場合に、端末のユーザが通信の遮断理由を事後的に把握できる。
請求項2の本発明によれば、端末にて通信の遮断が検知され、通信の疎通確認が行われた後に通信が確立すると、記憶領域に保存されているエラー情報が端末に向けて通知される。これにより、遠隔操作されている画像処理装置が再起動されたために端末と画像処理装置との通信が遮断された場合に、端末のユーザが通信の遮断理由を事後的に把握できる。
請求項3の本発明によれば、通信の疎通確認が行われている時間が予め定められた時間を超過すると自動的にタイムアウトになる。これにより、疎通確認が継続し続けてしまうことを防ぐことができる。
請求項4の本発明によれば、通信の疎通確認が行われている間、通信が確立されるまでの予測時間が端末に表示される。これにより、通信の確立を待てないユーザを支援することができる。
請求項5の本発明によれば、端末に表示される予測時間が、通信が確立されるまでの時間の実績値に基づいているため、実態に合わせた情報が表示される。また、実績を集積させることで予測時間の精度を高めることができる。
請求項6の本発明によれば、通信が確立したときに、記憶領域にエラー情報が保存されていない場合、画像処理装置の電源が強制的に切断された旨が端末に向けて通知される。これにより、例えば、通常の再起動ではなく、電源ケーブルが強制的に抜かれたときのように、電源の強制切断によるエラーを事後的に把握できる。
請求項7の本発明によれば、通信が遮断されている間に複数のエラーが生じると、再起動の前に複数のエラーの各々のエラー情報が記憶領域に保存される。そして、再起動による通信の遮断の後、再び通信が確立すると、記憶領域に保存されている複数のエラー情報が端末に向けて通知される。これにより、遠隔操作されている画像処理装置が再起動されたために端末と画像処理装置との通信が遮断された場合に、端末のユーザが通信の遮断理由を事後的に把握できる。
請求項8の本発明によれば、複数のエラー情報の各々と優先度とが対応付けられて記憶領域に保存されており、優先度に応じて、端末に向けて通知されるエラー情報が決定する。これにより、重要なエラー情報を効率よく把握できる。
請求項9の本発明によれば、記憶領域に保存されたエラー情報が予め定められたタイミングで記憶領域から削除または移動される。これにより、エラー情報が記憶領域にたまり過ぎてしまうことを防ぐことができる。
請求項10の本発明によれば、記憶領域に保存されたエラー情報が端末に向けて通知された後のいずれかのタイミングで、記憶領域からエラー情報が削除される。これにより、エラー情報が記憶領域にたまり過ぎてしまうことを防ぐことができる。
請求項11の本発明によれば、記憶領域に保存されたエラー情報について、予め定められた保存期間、保存件数、保存容量のうちいずれかを超過した後のいずれかのタイミングで、超過分のエラー情報が記憶領域から削除される。これにより、エラー情報が記憶領域にたまり過ぎてしまうことを防ぐことができる。
請求項12の本発明によれば、記憶領域に複数のエラー情報が保存されていることが確認された後のいずれかのタイミングで、複数のエラー情報のうち、エラーの発生日時が直近のもの以外のエラー情報が、記憶領域とは異なる他の記憶領域に移動される。これにより、エラー情報が記憶領域にたまり過ぎてしまうことを防ぐことができる。
請求項13の本発明によれば、エラー情報に、端末を一意に特定可能な識別情報を対応付けて記憶領域に保存させる。そして、再起動による通信の遮断の後、再び通信が確立すると、識別情報に基づいて、通信が確立した端末と、エラー情報に対応付けられている端末とが異なると判断された後のいずれかのタイミングで、記憶領域からエラー情報が削除される。これにより、エラー情報が記憶領域にたまり過ぎてしまうことを防ぐことができる。
請求項14の本発明によれば、エラー情報と、端末を一意に特定可能な識別情報とが対応付けられて記憶領域に保存され、再起動による通信の遮断の後、再び通信が確立すると、通信が確立した端末と、エラー情報に対応付けられている端末とが同じである場合に、通信が確立した端末に向けてエラー情報が通知される。これにより、例えば、エラー情報が意図せぬ端末に通知されることが抑制される。
請求項15の本発明によれば、通信が確立されている端末から遠隔操作されている画像処理装置に再起動を伴うエラーが生じると、再起動の前にエラー情報が保存される。そして、再起動による通信の遮断の後、再び通信が確立すると、保存されているエラー情報が端末に向けて通知される。これにより、遠隔操作されている画像処理装置が再起動されたために端末と画像処理装置との通信が遮断された場合に、端末のユーザが通信の遮断理由を事後的に把握できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施の形態が適用される情報処理システムの全体構成の一例を示す図である。
図2】画像処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】画像処理装置の制御部の機能構成の一例を示す図である。
図4】遠隔端末の制御部の機能構成の一例を示す図である。
図5】画像処理装置の全体的な処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6】遠隔端末の全体的な処理の流れを示すフローチャートである。
図7】遠隔端末の表示部に表示される情報の具体例を示す図である。(A)は、画像処理装置を遠隔操作する際に遠隔端末の表示部に表示される情報の具体例を示す図である。(B)は、画像処理装置との通信が遮断された際、遠隔端末側から通信の疎通確認を行うときに表示部に表示される情報の具体例を示す図である。(C)は、通信が遮断された後、再び通信が確立されたときに画像処理装置から遠隔端末に向けて送信されてきたエラー情報の具体例を示す図である。
図8】画像処理装置の記憶部に格納されているエラーDBに記憶されているエラー情報の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<情報処理システムの構成>
図1は、本実施の形態が適用される情報処理システム1の全体構成の一例を示す図である。
情報処理システム1は、画像処理装置10と、遠隔端末30とがネットワーク90を介して接続されることにより構成されている。ネットワーク90は、例えば、LAN(Local Area Network)、インターネット等である。
【0010】
(画像処理装置)
画像処理装置10は、情報処理システム1を利用するユーザの入力操作に応じて各種の処理を行う情報処理装置である。例えば、画像処理装置10は、用紙等の媒体に画像を形成する処理、画像が形成された記録媒体を出力する処理、用紙等に形成された画像を読み取る処理などを行う。画像処理装置10としては、例えば、トナー像を用紙の印刷面に形成するいわゆる電子写真方式の複合機や、インクを用紙の印刷面に吐出するいわゆるインクジェット方式のプリンタ等が挙げられる。
【0011】
また、画像処理装置10は、遠隔端末30から送信されてくる各種の情報を取得し、各種の処理を行う。また、画像処理装置10は、遠隔端末30に向けて各種の情報を送信する。例えば、画像処理装置10は、通信が確立されている遠隔端末30から遠隔操作されている自機に再起動を伴うエラーが生じたことを検知し、再起動の前にエラーの原因を含むエラー情報をデータベースに格納する。ここで、遠隔端末30との通信が遮断されている間に複数のエラーが生じた場合、画像処理装置10は、それらのエラー情報の各々に優先度を対応付けてデータベースに格納する。なお、「再起動を要するエラー」とは、例えば、画像処理装置10の電源のON/OFFの操作によるエラーなどである。
【0012】
画像処理装置10は、再起動による通信の遮断の後、遠隔端末30にて通信の遮断が検知され、通信の疎通確認が行われた後に再び通信が確立すると、データベースに格納されているエラー情報を遠隔端末30に向けて送信する。ここで、データベースに複数のエラー情報が格納されている場合、画像処理装置10は、エラー情報ごとに対応付けられている優先度に応じて通知対象として決定されたエラー情報を遠隔端末30に向けて送信する。また、データベースにエラー情報が格納されていない場合、画像処理装置10は、自機の電源が強制的に切断されたことを示す情報を遠隔端末30に向けて送信する。
【0013】
また、画像処理装置10は、データベースに格納されたエラー情報を予め定められたタイミングでデータベースから削除または移動させる。例えば、画像処理装置10は、データベースに格納されたエラー情報が遠隔端末30に向けて通知された後のいずれかのタイミングで、エラー情報をデータベースから削除する。
【0014】
また、例えば、画像処理装置10は、データベースに格納されたエラー情報について、予め定められた保存期間、保存件数、保存容量のうちいずれかを超過した後のいずれかのタイミングで、超過分のエラー情報をデータベースから削除する。また、例えば、画像処理装置10は、データベースに複数のエラー情報が保存されていることが確認された後のいずれかのタイミングで、複数のエラー情報のうちエラーの発生日時が直近のもの以外のエラー情報を、データ蓄積用の他のデータベースに移動させる。
【0015】
また、画像処理装置10は、エラー情報に、遠隔端末30を一意に特定可能な識別情報を対応付けてデータベースに格納する。識別情報には、例えば、遠隔端末30のIPアドレス等が用いられる。識別情報として遠隔端末30のIPアドレスを用いた場合、ユーザ間で共有されることがあるユーザIDを用いた場合に比べて、遠隔端末30の同一性の判断の正確性が向上する。
【0016】
画像処理装置10は、自機の再起動による通信の遮断の後、再び遠隔端末30との通信が確立すると、通信が確立した遠隔端末30の識別情報と、エラー情報に対応付けられている遠隔端末30の識別情報とが同じであるかどうかを確認する。そして、両者の識別情報が同じである場合には、通信が確立した遠隔端末30に向けてそのエラー情報を送信する。これに対して、両者の識別情報が同じでない場合、画像処理装置10は、そのエラー情報をデータベースから削除する。なお、画像処理装置10の処理の詳細については後述する。
【0017】
(遠隔端末)
遠隔端末30は、情報処理システム1を利用するユーザが操作するスマートフォン、タブレット端末等のモバイル型の情報処理装置である。遠隔端末30には、画像処理装置10の操作を可能にするアプリケーションソフトウェアがインストールされている。遠隔端末30は、画像処理装置10から送信されてくる各種の情報を取得し、各種の処理を行う。また、遠隔端末30は、画像処理装置10に向けて各種の情報を送信する。
【0018】
例えば、遠隔端末30は、画像処理装置10との通信の遮断を検知すると、画像処理装置10との通信の疎通確認を行う。また、遠隔端末30は、画像処理装置10との通信の疎通確認が行われている間、再び通信が確立されるまでの予測時間を算出し、算出した予測時間を表示する。このとき、遠隔端末30は、例えば、画像処理装置10との通信が確立されるまでの時間の実績値に基づく予測時間を算出する。
【0019】
また、遠隔端末30は、画像処理装置10との通信の疎通確認を行っている時間が予め定められた時間を超過すると、その疎通確認を終了する。また、遠隔端末30は、疎通確認の結果として、再び画像処理装置10との通信が確立されると、通信が確立したことを示す情報を画像処理装置10に向けて送信する。これにより、画像処理装置10は、通信が確立された遠隔端末30を特定する。なお、遠隔端末30の処理の詳細については後述する。
【0020】
上述の情報処理システム1の構成は一例であり、情報処理システム1全体として上述の処理を実現させる機能を備えていればよい。このため、上述の処理を実現させる機能のうち、一部または全部を情報処理システム1内で分担してもよいし協働してもよい。すなわち、遠隔端末30の機能の一部または全部を画像処理装置10の機能としてもよいし、また、画像処理装置10の機能の一部または全部を遠隔端末30の機能としてもよい。さらに、情報処理システム1を構成する遠隔端末30および画像処理装置10の各々の機能の一部または全部を、図示せぬ他のサーバ等に移譲してもよい。これにより、情報処理システム1全体としての処理が促進され、また、処理を補完し合うことも可能となる。
【0021】
(画像処理装置のハードウェア構成)
図2は、画像処理装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。
画像処理装置10は、制御部11と、メモリ12と、記憶部13と、通信部14と、操作部15と、表示部16と、読取部17と、画像形成部18とを有している。これらの各部は、データバス、アドレスバス、PCI(Peripheral Component Interconnect)バス等で接続されている。
【0022】
制御部11は、OS(基本ソフトウェア)やアプリケーションソフトウェア(応用ソフトウェア)等の各種ソフトウェアの実行を通じて画像処理装置10の機能の制御を行うプロセッサである。制御部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)で構成される。メモリ12は、各種ソフトウェアやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、演算に際して作業エリアとして用いられる。メモリ12は、例えばRAM(Random Access Memory)等で構成される。
【0023】
記憶部13は、各種ソフトウェアに対する入力データや各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶する記憶領域である。記憶部13は、例えばプログラムや各種設定データなどの記憶に用いられるHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、半導体メモリ等で構成される。記憶部13には、各種情報を記憶するデータベースとして、例えば、エラー情報が記憶されているエラーDB131、ユーザに関する情報が記憶されているユーザDB132等が格納されている。なお、エラー情報とユーザ情報とは対応付けられて管理されている。
【0024】
通信部14は、ネットワーク90を介して遠隔端末30および外部との間でデータの送受信を行う。操作部15は、例えばソフトウェアキーボード、機械式のボタン、スイッチ等で構成され、入力操作を受け付ける。操作部15には、表示部16と一体的にタッチパネルを構成するタッチセンサも含まれる。表示部16は、例えば情報の表示に用いられる液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイで構成され、画像やテキストのデータなどを表示する。
【0025】
読取部17は、記録媒体としての用紙等の媒体(例えば、紙媒体の文書等)に記録された画像を読み取る。読取部17は、例えば光源から原稿に照射した光に対する反射光をレンズで縮小してCCD(Charge Coupled Devices)で受光するCCD方式のスキャナや、LED光源から原稿に順に照射した光に対する反射光をCIS(Contact Image Sensor)で受光するCIS方式のスキャナ等で構成される。画像形成部18は、例えば、電子写真方式やインクジェット方式等により、記録媒体としての用紙の印刷面に、印刷対象の画像を形成する。そして、これらの各部は、データバス、アドレスバス、PCIバス等で接続されている。
【0026】
(遠隔端末のハードウェア構成)
遠隔端末30のハードウェア構成は、図2に示す画像処理装置10のハードウェア構成のうち、読取部17および画像形成部18以外の構成と同様の構成を備えている。すなわち、遠隔端末30は、図2の制御部11、メモリ12、記憶部13、通信部14、操作部15、および表示部16の各々と同様の機能を有する、制御部、メモリ、記憶部、通信部、操作部、および表示部の各々を備えており、図示および説明を省略する。
【0027】
(画像処理装置の制御部の機能構成)
図3は、画像処理装置10の制御部11の機能構成の一例を示す図である。
画像処理装置10の制御部11では、エラー検知部101と、通信検知部102と、取得部103と、管理部104と、表示制御部105と、送信制御部106とが機能する。
【0028】
エラー検知部101は、自機に再起動を伴うエラーが生じたことを検知する。
通信検知部102は、自機の再起動による遠隔端末30との通信の遮断を検知する。また、通信検知部102は、遠隔端末30との通信が再び確立したことを検知する。
【0029】
取得部103は、各種の情報を取得する。例えば、取得部103は、自機の操作部15(図2参照)により入力が受け付けられた入力情報を取得する。また、例えば、取得部103は、遠隔端末30および外部の各々から送信されてきた各種の情報を取得する。取得部103により取得される情報のうち、遠隔端末30から送信されてくる情報としては、例えば、遠隔端末30に入力された入力情報などが挙げられる。取得部103により取得される入力情報としては、例えば、エラー情報を要求するために入力された情報などである。
【0030】
管理部104は、記憶部13(図2参照)のデータベースに各種の情報を格納して管理する。例えば、管理部104は、エラー検知部101により自機に再起動を伴うエラーが生じたことが検知されると、再起動の前にエラーの原因を含むエラー情報をエラーDB131に格納して管理する。また、管理部104は、遠隔端末30との通信が遮断されている間に複数のエラーが検知された場合、それらのエラー情報の各々に優先度を対応付けてエラーDB131に格納して管理する。
【0031】
また、管理部104は、エラーDB131に格納されたエラー情報を、予め定められたタイミングでエラーDB131から削除または移動させる。例えば、管理部104は、エラーDB131に格納されたエラー情報が遠隔端末30に向けて通知された後のいずれかのタイミングで、エラー情報をエラーDB131から削除する。
【0032】
また、管理部104は、エラーDB131に格納されたエラー情報について、予め定められた保存期間、保存件数、保存容量のうちいずれかを超過した後のいずれかのタイミングで、超過分のエラー情報をエラーDB131から削除する。このうち、予め定められた保存容量を超過した場合には、例えば、リングバッファを用いて古いエラー情報の上書きを行ってもよい。
【0033】
また、管理部104は、エラーDB131に複数のエラー情報が保存されていることが確認された後のいずれかのタイミングで、複数のエラー情報のうちエラーの発生日時が直近のもの以外のエラー情報を、データ蓄積用の他のデータベース(図示せず)に移動させる。管理部104は、データ蓄積用の他のデータベースに格納されているエラー情報をいつでも参照できるように管理する。
【0034】
また、管理部104は、エラー情報と遠隔端末30の識別情報とを対応付けて管理する。そして、管理部104は、自機の再起動による通信の遮断の後、再び遠隔端末30との通信が確立すると、通信が確立した遠隔端末30の識別情報と、エラー情報に対応付けられている遠隔端末30の識別情報とが同じであるかどうかを確認する。そして、両者の識別情報が同じである場合、管理部104は、通信が確立した遠隔端末30に向けてそのエラー情報を送信する。これに対して、両者の識別情報が同じでない場合、管理部104は、そのエラー情報をデータベースから削除する。
【0035】
表示制御部105は、表示部16(図2参照)に各種の情報を表示させる制御を行う。例えば、表示制御部105は、自機の操作画面を表示させる制御を行う。
【0036】
送信制御部106は、通信部14(図2参照)を介して各種の情報を送信する制御を行う。具体的には、送信制御部106は、遠隔端末30および外部の各々に向けて各種の情報を送信する制御を行う。例えば、送信制御部106は、自機の再起動による遠隔端末30との通信の遮断の後、遠隔端末30との通信が再び確立すると、データベースに格納されているエラー情報を遠隔端末30に向けて送信する制御を行う。
【0037】
ここで、送信制御部106は、データベースに複数のエラー情報が格納されている場合には、エラー情報ごとに対応付けられている優先度に応じて通知対象として決定されたエラー情報を遠隔端末30に向けて送信する制御を行う。また、送信制御部106は、エラーDB131にエラー情報が格納されていない場合には、自機の電源が強制的に切断されたことを示す情報を遠隔端末30に向けて送信する制御を行う。ここで、「電源が強制的に切断された」とは、画像処理装置10の電源をON/OFFする操作ではなく、電源プラグが引き抜かれたり、予期せぬ停電が生じたりした場合などである。
【0038】
(遠隔端末の制御部の機能構成)
図4は、遠隔端末30の制御部の機能構成の一例を示す図である。
遠隔端末30の制御部では、通信検知部301と、取得部302と、管理部303と、送信制御部304と、表示制御部305と、算出部306とが機能する。
【0039】
通信検知部301は、画像処理装置10との通信の遮断を検知すると、画像処理装置10との通信の疎通確認を行う。通信の疎通確認は、例えば、いわゆるpingコマンドを使った通信経路の確認などにより行われる。また、通信検知部301は、画像処理装置10との通信の疎通確認を行っている時間が予め定められた時間を超過すると、その疎通確認を終了する。通信検知部301は、疎通確認の結果として、再び画像処理装置10との通信が確立されたことを検知する。
【0040】
取得部302は、各種の情報を取得する。例えば、取得部302は、自機の操作部により入力が受け付けられた入力情報を取得する。また、例えば、取得部302は、画像処理装置10および外部から送信されてきた各種の情報を取得する。取得部302により取得される情報のうち画像処理装置10から送信されてくる情報としては、例えば、エラー情報や、自機の電源が強制的に切断されたことを示す情報などである。
【0041】
管理部303は、記憶部に各種の情報を記憶して管理する。例えば、管理部303は、画像処理装置10から送信されてきたエラー情報を記憶して管理する。また、管理部303は、画像処理装置10との再接続に要した時間の履歴情報を記憶して管理する。
【0042】
送信制御部304は、通信部を介して各種の情報を送信する制御を行う。具体的には、送信制御部304は、画像処理装置10および外部の各々に向けて各種の情報を送信する制御を行う。例えば、送信制御部304は、取得部302により取得された入力情報を画像処理装置10に向けて送信する制御を行う。また、送信制御部304は、通信検知部301により通信が確立したことが検知されると、その旨を示す情報を画像処理装置10に向けて送信する制御を行う。
【0043】
表示制御部305は、各種の情報を表示部に表示させる制御を行う。例えば、表示制御部305は、算出部306により算出された予測時間を表示部に表示させる制御を行う。
算出部306は、通信検知部301による通信の疎通確認が行われている間、再び通信が確立されるまでの予測時間を算出する。例えば、算出部306は、記憶部に記憶されている、再接続に要した時間の履歴情報に基づいて、画像処理装置10との通信が確立されるまでの予測時間を算出する。
【0044】
<処理の流れ>
(画像処理装置の処理の流れ)
図5は、画像処理装置10の全体的な処理の流れを示すフローチャートである。
【0045】
画像処理装置10は、通信が確立されている遠隔端末30から遠隔操作されている自機に再起動を伴うエラーが生じると(ステップ501でYES)、そのエラーの原因を含むエラー情報をデータベースに格納する(ステップ502)。画像処理装置10は、自機に再起動を伴うエラーが生じていない場合には(ステップ501でNO)、自機に再起動を伴うエラーが生じるまでステップ501の判断処理を繰り返す。
【0046】
画像処理装置10は、遠隔端末30との通信を遮断して自機を再起動させる(ステップ503)。画像処理装置10は、再起動後に再び遠隔端末30との通信が確立されると(ステップ504でYES)、ステップ505の判断処理に進む。これに対して、遠隔端末30との通信が確立していない場合(ステップ504でNO)、画像処理装置10は、遠隔端末30との通信が確立するまでステップ504の判断処理を繰り返す。
【0047】
画像処理装置10は、データベースにエラー情報が格納されている場合には(ステップ505でYES)、そのエラー情報を遠隔端末30に向けて送信する(ステップ506)。これに対して、データベースにエラー情報が格納されていない場合(ステップ505でNO)、画像処理装置10は、自機の電源が強制的に切断されたことを示す情報を遠隔端末30に向けて送信する(ステップ507)。
【0048】
図6は、遠隔端末30の全体的な処理の流れを示すフローチャートである。
遠隔端末30は、画像処理装置10との通信の遮断を検知すると(ステップ601でYES)、画像処理装置10との通信の疎通確認を開始する(ステップ602)。これに対して、画像処理装置10との通信の遮断を検知していない場合(ステップ601でNO)、遠隔端末30は、画像処理装置10との通信の遮断を検知するまでステップ601の判断処理を繰り返す。
【0049】
遠隔端末30は、画像処理装置10との通信の疎通確認が行われている間、再び通信が確立されるまでの予測時間を算出し(ステップ603)、算出した予測時間を表示する(ステップ604)。そして、遠隔端末30は、画像処理装置10との通信の疎通確認を行っている時間が予め定められた時間を超過すると(ステップ605でYES)、その疎通確認を終了する(ステップ606)。これに対して、疎通確認を行っている時間が予め定められた時間を超過していない場合(ステップ605でNO)、遠隔端末30は、疎通確認を継続し、ステップ607の判断処理に進む。
【0050】
遠隔端末30は、疎通確認の結果として、再び画像処理装置10との通信が確立されると(ステップ607でYES)、通信が確立したことを示す情報を画像処理装置10に向けて送信する(ステップ608)。これに対して、画像処理装置10との通信が確立されていない場合(ステップ607でNO)、遠隔端末30は、ステップ605の判断処理に戻る。
【0051】
<具体例>
図7は、遠隔端末30の表示部に表示される情報の具体例を示す図である。図7(A)は、画像処理装置10を遠隔操作する際に遠隔端末30の表示部に表示される情報の具体例を示す図である。図7(B)は、画像処理装置10との通信が遮断された際、遠隔端末30側から通信の疎通確認を行うときに表示部に表示される情報の具体例を示す図である。図7(C)は、通信が遮断された後、再び通信が確立されたときに画像処理装置10から遠隔端末30に向けて送信されてきたエラー情報の具体例を示す図である。
【0052】
図7(A)に示すように、画像処理装置10を遠隔操作する遠隔端末30の表示部には、画像処理装置10の操作画面20が共有される。すなわち、遠隔端末30の表示部に表示された、画像処理装置10の操作画面20に対する入力操作が行われると、画像処理装置10の操作画面20に対する直接の入力操作が行われたものとして、画像処理装置10の各種の処理が実行される。
【0053】
その後、遠隔操作中に通信が遮断されると、遠隔端末30側から通信の疎通確認が開始されると、遠隔端末30の表示部には、例えば図7(B)に示すように、再接続中である旨が表記された画面が表示される。そして、画像処理装置10と遠隔端末30との間で再び通信が確立されると、画像処理装置10から遠隔端末30に向けてエラー情報が送信される。そして、そのエラー情報の内容が遠隔端末30の表示部に表示される。図7(C)には、画像処理装置10から送信されてきたエラー情報の内容の具体例が示されている。図7(C)に示す具体例では、エラー情報として、「エラー プリンタ内部不具合のため再起動しました。」というメッセージが示されている。
【0054】
図8は、画像処理装置10の記憶部13に格納されているエラーDB131に記憶されているエラー情報の具体例を示す図である。
エラーDB131には、エラー情報として、エラー原因と、エラーが発生した日時とを対応付けた情報が記憶されている。例えば、図8には、エラー原因が「UI例外発生」であり、その発生日時が「20XX-01-02 13:00」であるエラー情報と、エラー原因が「メモリエラー」であり、その発生日時が「20XX-01-03 10:05」であるエラー情報とが例示されている。なお、図8に示すエラー情報は一部に過ぎず、1つのエラーについて、エラー原因、およびその発生日時以外の情報が対応付けられていてもよい。
【0055】
<他の実施の形態>
以上、本実施の形態について説明したが、本発明は上述した実施の形態に限るものではない。また、本発明による効果も、上述した実施の形態に記載されたものに限定されない。例えば、図1に示す情報処理システム1の構成、図2に示す画像処理装置10のハードウェア構成は、いずれも本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。また、図3に示す画像処理装置10の機能構成、および図4に示す遠隔端末30の機能構成も例示に過ぎず、特に限定されない。上述した処理を全体として実行できる機能が図1の情報処理システム1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能構成を用いるかは図3および図4の例に限定されない。
【0056】
また、図5に示す画像処理装置10の処理のステップ、および図6に示す遠隔端末30の処理のステップの順序も例示に過ぎず、特に限定されない。図示されたステップの順序に沿って時系列的に行われる処理だけではなく、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別的に行われてもよい。また、図7および図8に示す具体例も一例に過ぎず、特に限定されない。
【0057】
(付記)
(((1)))
1または複数のプロセッサを備え、
前記1または複数のプロセッサは、
通信が確立されている端末から遠隔操作されている画像処理装置に再起動を伴うエラーが生じると、当該再起動の前に当該エラーの原因を含むエラー情報を予め定められた記憶領域に保存させ、
前記再起動による前記通信の遮断の後、再び当該通信が確立すると、前記記憶領域に保存されている前記エラー情報を前記端末に向けて通知することを特徴とする、
情報処理システム。
(((2)))
前記1または複数のプロセッサは、前記端末にて前記通信の遮断が検知され、当該通信の疎通確認が行われた後に当該通信が確立すると、前記記憶領域に保存されている前記エラー情報を前記端末に向けて通知することを特徴とする、
(((1)))に記載の情報処理システム。
(((3)))
前記1または複数のプロセッサは、前記通信の疎通確認が行われている時間が予め定められた時間を超過した場合、当該通信の疎通確認を終了させることを特徴とする、
(((2)))に記載の情報処理システム。
(((4)))
前記1または複数のプロセッサは、前記通信の疎通確認が行われている間、当該通信が確立されるまでの予測時間を前記端末に表示させることを特徴とする、
(((3)))に記載の情報処理システム。
(((5)))
前記予測時間は、前記通信が確立されるまでの時間の実績値に基づく時間であることを特徴とする、
(((4)))に記載の情報処理システム。
(((6)))
前記1または複数のプロセッサは、前記通信が確立したときに、前記記憶領域に前記エラー情報が保存されていない場合には、前記画像処理装置の電源が強制的に切断された旨を前記端末に向けて通知することを特徴とする、
(((6)))に記載の情報処理システム。
(((7)))
前記1または複数のプロセッサは、前記通信が遮断されている間に複数の前記エラーが生じると、前記再起動の前に当該複数のエラーの各々の前記エラー情報を前記記憶領域に保存させ、
前記再起動による前記通信の遮断の後、再び当該通信が確立すると、前記記憶領域に保存されている複数の前記エラー情報を前記端末に向けて通知することを特徴とする、
(((1)))乃至(((6)))のうちいずれかに記載の情報処理システム。
(((8)))
前記1または複数のプロセッサは、
前記複数のエラー情報の各々に優先度を対応付けて前記記憶領域に保存させ、
前記優先度に応じて、前記端末に向けて通知する前記エラー情報を決定することを特徴とする、
(((7)))に記載の情報処理システム。
(((9)))
前記1または複数のプロセッサは、前記記憶領域に保存された前記エラー情報を予め定められたタイミングで当該記憶領域から削除または移動させることを特徴とする、
(((1))) 乃至(((8)))のうちいずれかに記載の情報処理システム。
(((10)))
前記1または複数のプロセッサは、前記タイミングとして、前記記憶領域に保存された前記エラー情報が前記端末に向けて通知された後のいずれかのタイミングで、当該エラー情報を当該記憶領域から削除することを特徴とする、
(((9)))に記載の情報処理システム。
(((11)))
前記1または複数のプロセッサは、前記タイミングとして、前記記憶領域に保存された前記エラー情報について、予め定められた保存期間、保存件数、保存容量のうちいずれかを超過した後のいずれかのタイミングで、超過分の当該エラー情報を当該記憶領域から削除することを特徴とする、
(((9)))に記載の情報処理システム。
(((12)))
前記1または複数のプロセッサは、前記タイミングとして、前記記憶領域に複数の前記エラー情報が保存されていることが確認された後のいずれかのタイミングで、当該複数のエラー情報のうち、前記エラーの発生日時が直近のもの以外のエラー情報を、前記記憶領域とは異なる他の記憶領域に移動させることを特徴とする、
(((9)))に記載の情報処理システム。
(((13)))
前記1または複数のプロセッサは、
前記エラー情報に、前記端末を一意に特定可能な識別情報を対応付けて前記記憶領域に保存させ、
前記再起動による前記通信の遮断の後、再び当該通信が確立すると、前記タイミングとして、前記識別情報に基づいて、当該通信が確立した端末と、前記エラー情報に対応付けられている端末とが異なると判断した後のいずれかのタイミングで、当該エラー情報を前記記憶領域から削除することを特徴とする、
(((9)))に記載の情報処理システム。
(((14)))
前記1または複数のプロセッサは、
前記エラー情報に、前記端末を一意に特定可能な識別情報を対応付けて前記記憶領域に保存させ、
前記再起動による前記通信の遮断の後、再び当該通信が確立すると、前記識別情報から特定される、当該通信が確立した端末と、前記エラー情報に対応付けられている端末とが同じである場合、当該通信が確立した端末に向けて当該エラー情報を通知することを特徴とする、
(((9)))に記載の情報処理システム。
(((15)))
コンピュータに、
通信が確立されている端末から遠隔操作されている画像処理装置に再起動を伴うエラーが生じると、当該再起動の前に当該エラーの原因を含むエラー情報を予め定められた記憶領域に保存させる機能と、
前記再起動による前記通信の遮断の後、再び当該通信が確立すると、前記記憶領域に保存されている前記エラー情報を前記端末に向けて通知する機能と、
を実現させるプログラム。
【0058】
(((1)))の本発明によれば、通信が確立されている端末から遠隔操作されている画像処理装置に再起動を伴うエラーが生じると、再起動の前にエラー情報が保存される。そして、再起動による通信の遮断の後、再び通信が確立すると、保存されているエラー情報が端末に向けて通知される。これにより、遠隔操作されている画像処理装置が再起動されたために端末と画像処理装置との通信が遮断された場合に、端末のユーザが通信の遮断理由を事後的に把握できる。
(((2)))の本発明によれば、端末にて通信の遮断が検知され、通信の疎通確認が行われた後に通信が確立すると、記憶領域に保存されているエラー情報が端末に向けて通知される。これにより、遠隔操作されている画像処理装置が再起動されたために端末と画像処理装置との通信が遮断された場合に、端末のユーザが通信の遮断理由を事後的に把握できる。
(((3)))の本発明によれば、通信の疎通確認が行われている時間が予め定められた時間を超過すると自動的にタイムアウトになる。これにより、疎通確認が継続し続けてしまうことを防ぐことができる。
(((4)))の本発明によれば、通信の疎通確認が行われている間、通信が確立されるまでの予測時間が端末に表示される。これにより、通信の確立を待てないユーザを支援することができる。
(((5)))の本発明によれば、端末に表示される予測時間が、通信が確立されるまでの時間の実績値に基づいているため、実態に合わせた情報が表示される。また、実績を集積させることで予測時間の精度を高めることができる。
(((6)))の本発明によれば、通信が確立したときに、記憶領域にエラー情報が保存されていない場合、画像処理装置の電源が強制的に切断された旨が端末に向けて通知される。これにより、例えば、通常の再起動ではなく、電源ケーブルが強制的に抜かれたときのように、電源の強制切断によるエラーを事後的に把握できる。
(((7)))の本発明によれば、通信が遮断されている間に複数のエラーが生じると、再起動の前に複数のエラーの各々のエラー情報が記憶領域に保存される。そして、再起動による通信の遮断の後、再び通信が確立すると、記憶領域に保存されている複数のエラー情報が端末に向けて通知される。これにより、遠隔操作されている画像処理装置が再起動されたために端末と画像処理装置との通信が遮断された場合に、端末のユーザが通信の遮断理由を事後的に把握できる。
(((8)))の本発明によれば、複数のエラー情報の各々と優先度とが対応付けられて記憶領域に保存されており、優先度に応じて、端末に向けて通知されるエラー情報が決定する。これにより、重要なエラー情報を効率よく把握できる。
(((9)))の本発明によれば、記憶領域に保存されたエラー情報が予め定められたタイミングで記憶領域から削除または移動される。これにより、エラー情報が記憶領域にたまり過ぎてしまうことを防ぐことができる。
(((10)))の本発明によれば、記憶領域に保存されたエラー情報が端末に向けて通知された後のいずれかのタイミングで、記憶領域からエラー情報が削除される。これにより、エラー情報が記憶領域にたまり過ぎてしまうことを防ぐことができる。
(((11)))の本発明によれば、記憶領域に保存されたエラー情報について、予め定められた保存期間、保存件数、保存容量のうちいずれかを超過した後のいずれかのタイミングで、超過分のエラー情報が記憶領域から削除される。これにより、エラー情報が記憶領域にたまり過ぎてしまうことを防ぐことができる。
(((12)))の本発明によれば、記憶領域に複数のエラー情報が保存されていることが確認された後のいずれかのタイミングで、複数のエラー情報のうち、エラーの発生日時が直近のもの以外のエラー情報が、記憶領域とは異なる他の記憶領域に移動される。これにより、エラー情報が記憶領域にたまり過ぎてしまうことを防ぐことができる。
(((13)))の本発明によれば、エラー情報に、端末を一意に特定可能な識別情報を対応付けて記憶領域に保存させる。そして、再起動による通信の遮断の後、再び通信が確立すると、識別情報に基づいて、通信が確立した端末と、エラー情報に対応付けられている端末とが異なると判断された後のいずれかのタイミングで、記憶領域からエラー情報が削除される。これにより、エラー情報が記憶領域にたまり過ぎてしまうことを防ぐことができる。
(((14)))の本発明によれば、エラー情報と、端末を一意に特定可能な識別情報とが対応付けられて記憶領域に保存され、再起動による通信の遮断の後、再び通信が確立すると、通信が確立した端末と、エラー情報に対応付けられている端末とが同じである場合に、通信が確立した端末に向けてエラー情報が通知される。これにより、例えば、エラー情報が意図せぬ端末に通知されることが抑制される。
(((15)))の本発明によれば、通信が確立されている端末から遠隔操作されている画像処理装置に再起動を伴うエラーが生じると、再起動の前にエラー情報が保存される。そして、再起動による通信の遮断の後、再び通信が確立すると、保存されているエラー情報が端末に向けて通知される。これにより、遠隔操作されている画像処理装置が再起動されたために端末と画像処理装置との通信が遮断された場合に、端末のユーザが通信の遮断理由を事後的に把握できる。
【符号の説明】
【0059】
1…情報処理システム、10…画像処理装置、11…制御部、30…遠隔端末、90…ネットワーク、101…エラー検知部、102…通信検知部、103…取得部、104…管理部、105…表示制御部、106…送信制御部、301…通信検知部、302…取得部、303…管理部、304…送信制御部、305…表示制御部、306…算出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8