(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129880
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】車両制御装置、車両制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
B60W 30/10 20060101AFI20240920BHJP
B60W 30/095 20120101ALI20240920BHJP
B60W 40/04 20060101ALI20240920BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20240920BHJP
【FI】
B60W30/10
B60W30/095
B60W40/04
G08G1/16 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039250
(22)【出願日】2023-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】戸部 拓也
(72)【発明者】
【氏名】加藤 大智
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA11
3D241BA32
3D241BB16
3D241DC25Z
5H181AA01
5H181AA05
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF04
5H181FF05
5H181FF07
5H181FF25
5H181FF32
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL07
5H181LL08
5H181LL09
(57)【要約】
【課題】車線変更指示に関する操作性を向上させること。
【解決手段】車両制御装置において、自車両の周辺状況を認識する認識部と、前記自車両の運転者による操作子への所定の操作によって車線変更の意図を検出する意図検出部と、前記車線変更の意図が検出された場合に、前記周辺状況に基づいて、前記自車両の走行車線から隣接車線への車線変更の可否を判定する判定部と、前記判定部により判定された結果に基づいて、前記自車両の操舵と速度とのうち少なくとも操舵を制御して、前記自車両の走行車線から隣接車線への車線変更を実行させる走行制御部と、を備え、前記判定部は、前記走行車線から前記隣接車線への車線変更が可能ではないと判定した後に前記操作子への所定の操作が継続している場合に、前記車線変更に関する処理を中止しないと判定する、車両制御装置である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の周辺状況を認識する認識部と、
前記自車両の運転者による操作子への所定の操作によって車線変更の意図を検出する意図検出部と、
前記車線変更の意図が検出された場合に、前記周辺状況に基づいて、前記自車両の走行車線から隣接車線への車線変更の可否を判定する判定部と、
前記判定部により判定された結果に基づいて、前記自車両の操舵と速度とのうち少なくとも操舵を制御して、前記自車両の走行車線から隣接車線への車線変更を実行させる走行制御部と、を備え、
前記判定部は、前記走行車線から前記隣接車線への車線変更が可能ではないと判定した後に前記操作子への所定の操作が継続している場合に、前記車線変更に関する処理を中止しないと判定する、
車両制御装置。
【請求項2】
前記判定部は、
前記隣接車線に前記自車両の車線変更先の候補である第1のターゲット位置を設定し、設定した第1のターゲット位置に対する車線変更の可否を判定し、
前記車線変更が可能ではないと判定した後に前記操作子への所定の操作が継続し、前記車線変更に関する処理を中止しないと判定した場合に、前記隣接車線に第1のターゲット位置とは異なる第2のターゲット位置を設定し、設定した第2のターゲット位置に対する車線変更の可否を判定する、
請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項3】
前記走行制御部は、前記判定部により前記隣接車線への車線変更が可能であると判定された場合に、前記隣接車線への車線変更を実行する、
請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項4】
前記走行制御部は、前記隣接車線への車線変更を実行させる場合に、継続中の前記操作子への所定の操作を解除する、
請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項5】
前記第2のターゲット位置は、前記走行車線から前記隣接車線への車線変更が可能ではないと判定された場合に前記第1のターゲット位置の前後の他車両よりも前方または後方の領域に設定される、
請求項2に記載の車両制御装置。
【請求項6】
前記隣接車線への車線変更が可能になるまでの残時間を推定する推定部と、
前記車線変更を実行するための前記自車両の速度制御に関する情報と前記残時間を示す情報とを出力部に出力させる出力制御部と、を更に備える、
請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項7】
前記走行制御部は、前記判定部により前記車線変更が可能ではないと判定された回数が所定回数以上である場合に、前記操作子への所定の操作が継続している場合であっても、前記車線変更に関する処理を中止する、
請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項8】
コンピュータが、
自車両の周辺状況を認識し、
前記自車両の運転者による操作子への所定の操作によって車線変更の意図を検出し、
前記車線変更の意図が検出された場合に、前記周辺状況に基づいて、前記自車両の走行車線から隣接車線への車線変更の可否を判定し、
判定した結果に基づいて、前記自車両の操舵と速度とのうち少なくとも操舵を制御して、前記自車両の走行車線から隣接車線への車線変更を実行させ、
前記走行車線から前記隣接車線への車線変更が可能ではないと判定した後に前記操作子への所定の操作が継続している場合に、前記車線変更に関する処理を中止しないと判定する、
車両制御方法。
【請求項9】
コンピュータに、
自車両の周辺状況を認識させ、
前記自車両の運転者による操作子への所定の操作によって車線変更の意図を検出させ、
前記車線変更の意図が検出された場合に、前記周辺状況に基づいて、前記自車両の走行車線から隣接車線への車線変更の可否を判定させ、
判定された結果に基づいて、前記自車両の操舵と速度とのうち少なくとも操舵を制御して、前記自車両の走行車線から隣接車線への車線変更を実行させ、
前記走行車線から前記隣接車線への車線変更が可能ではないと判定した後に前記操作子への所定の操作が継続している場合に、前記車線変更に関する処理を中止しないと判定させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両制御装置、車両制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、交通参加者の中でも脆弱な立場にある人々にも配慮した持続可能な輸送システムへのアクセスを提供する取り組みが活発化している。この実現に向けて自動運転技術に関する研究開発を通して交通の安全性や利便性をより一層改善する研究開発に注力している。これに関連して、従来では、ウインカーレバーが第1操作位置に保持されている継続時間が支援要求確定時間以上となる場合に車線変更支援制御を開始したり、車線変更の意図が検出されてから、所定時間が経過したか否か、または車両が所定距離を走行したか否かに基づいて車線変更の開始タイミングを決定する技術が知られている(例えば、特許文献1および2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-103767号公報
【特許文献2】特開2019-036086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、自動運転技術においては、車両の乗員から車線変更指示を受け付けた場合であっても、車線変更先の状況によって車線変更が実行できないと判定された場合には車線変更に関する制御がキャンセルされていた。そのため、乗員は車線変更指示を再度行う必要が生じるため、操作負担がかかってしまう可能性があることが課題であった。
【0005】
本願は上記課題の解決のため、車線変更指示に関する操作性を向上させることができる車両制御装置、車両制御方法、およびプログラムを提供することを目的の一つとする。そして、延いては持続可能な輸送システムの発展に寄与するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る車両制御装置、車両制御方法、およびプログラムは、以下の構成を採用した。
(1):この発明の一態様に係る車両制御装置は、自車両の周辺状況を認識する認識部と、前記自車両の運転者による操作子への所定の操作によって車線変更の意図を検出する意図検出部と、前記車線変更の意図が検出された場合に、前記周辺状況に基づいて、前記自車両の走行車線から隣接車線への車線変更の可否を判定する判定部と、前記判定部により判定された結果に基づいて、前記自車両の操舵と速度とのうち少なくとも操舵を制御して、前記自車両の走行車線から隣接車線への車線変更を実行させる走行制御部と、を備え、前記判定部は、前記走行車線から前記隣接車線への車線変更が可能ではないと判定した後に前記操作子への所定の操作が継続している場合に、前記車線変更に関する処理を中止しないと判定する、車両制御装置である。
【0007】
(2):上記(1)の態様において、前記判定部は、前記隣接車線に前記自車両の車線変更先の候補である第1のターゲット位置を設定し、設定した第1のターゲット位置に対する車線変更の可否を判定し、前記車線変更が可能ではないと判定した後に前記操作子への所定の操作が継続し、前記車線変更に関する処理を中止しないと判定した場合に、前記隣接車線に第1のターゲット位置とは異なる第2のターゲット位置を設定し、設定した第2のターゲット位置に対する車線変更の可否を判定するものである。
【0008】
(3):上記(1)の態様において、前記走行制御部は、前記判定部により前記隣接車線への車線変更が可能であると判定された場合に、前記隣接車線への車線変更を実行するものである。
【0009】
(4):上記(1)の態様において、前記走行制御部は、前記隣接車線への車線変更を実行させる場合に、継続中の前記操作子への所定の操作を解除するものである。
【0010】
(5):上記(2)の態様において、前記第2のターゲット位置は、前記走行車線から前記隣接車線への車線変更が可能ではないと判定された場合に前記第1のターゲット位置の前後の他車両よりも前方または後方の領域に設定されるものである。
【0011】
(6):上記(1)の態様において、前記隣接車線への車線変更が可能になるまでの残時間を推定する推定部と、前記車線変更を実行するための前記自車両の速度制御に関する情報と前記残時間を示す情報とを出力部に出力させる出力制御部と、を更に備えるものである。
【0012】
(7):上記(1)の態様において、前記走行制御部は、前記判定部により前記車線変更が可能ではないと判定された回数が所定回数以上である場合に、前記操作子への所定の操作が継続している場合であっても、前記車線変更に関する処理を中止するものである。
【0013】
(8):本発明の他の態様に係る車両制御方法は、コンピュータが、自車両の周辺状況を認識し、前記自車両の運転者による操作子への所定の操作によって車線変更の意図を検出し、前記車線変更の意図が検出された場合に、前記周辺状況に基づいて、前記自車両の走行車線から隣接車線への車線変更の可否を判定し、判定した結果に基づいて、前記自車両の操舵と速度とのうち少なくとも操舵を制御して、前記自車両の走行車線から隣接車線への車線変更を実行させ、前記走行車線から前記隣接車線への車線変更が可能ではないと判定した後に前記操作子への所定の操作が継続している場合に、前記車線変更に関する処理を中止しないと判定する、車両制御方法である。
【0014】
(9):本発明の他の態様に係るプログラムは、コンピュータに、自車両の周辺状況を認識させ、前記自車両の運転者による操作子への所定の操作によって車線変更の意図を検出させ、前記車線変更の意図が検出された場合に、前記周辺状況に基づいて、前記自車両の走行車線から隣接車線への車線変更の可否を判定させ、判定された結果に基づいて、前記自車両の操舵と速度とのうち少なくとも操舵を制御して、前記自車両の走行車線から隣接車線への車線変更を実行させ、前記走行車線から前記隣接車線への車線変更が可能ではないと判定した後に前記操作子への所定の操作が継続している場合に、前記車線変更に関する処理を中止しないと判定させる、プログラムである。
【発明の効果】
【0015】
上記(1)~(9)の態様によれば、車線変更指示に関する操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】実施形態の車両制御装置100を中心とした構成図である。
【
図2】ウインカーレバー84の位置について説明するための図である。
【
図3】実施形態に係る走行制御の内容について説明するための図である。
【
図4】車線変更が実行できない場合に表示部32に表示される画像IM10の一例を示す図である。
【
図5】新たな車線変更ターゲット位置が設定された様子を説明するための図である。
【
図6】車線変更が実行可能となるまでの残時間を示す画像IM20の一例を示す図である。
【
図7】車線変更に関する処理が中止されたことを示す画像IM30の一例を示す図である。
【
図8】実施形態の車両制御装置100により実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照し、本発明の車両制御装置、車両制御方法、およびプログラムの実施形態について説明する。
【0018】
[全体構成]
図1は、実施形態の車両制御装置100を中心とした構成図である。車両制御装置100は、例えば車両に搭載される。車両は、例えば、二輪や三輪、四輪等の車両であり、その駆動源は、ディーゼルエンジンやガソリンエンジン等の内燃機関、電動機、或いはこれらの組み合わせである。電動機は、内燃機関に連結された発電機による発電電力、或いは二次電池や燃料電池の放電電力を使用して動作する。この車両(以下、自車両Mと称する)には、車両制御装置100の他に、例えば、物体検知装置10、車両センサ20、HMI30、ウインカー装置(方向指示器)40、運転操作子80、走行駆動力出力装置200、ブレーキ装置210、ステアリング装置220等の構成が搭載される。なお、
図1に示す構成はあくまで一例であり、構成の一部が省略されてもよいし、更に別の構成が追加されてもよい。HMI30は、「出力部」の一例である。
【0019】
物体検知装置10は、例えば、カメラ、レーダ装置、LIDAR(Light Detection and Ranging)、センサフュージョン装置などのうち一部または全部を含む。物体検知装置10は、少なくとも自車両Mの周辺の物体を検知するための装置である。カメラは、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子を利用したデジタルカメラである。カメラは、自車両Mの任意の箇所に取り付けられる。例えば、自車両Mの前方を撮像する場合、カメラは、フロントウインドシールド上部やルームミラー裏面等に取り付けられる。また、自車両Mの後方を撮像する場合、カメラは、リアウインドシールド上部やバックドア等に取り付けられる。また、自車両の側方および後側方を撮像する場合、カメラは、ドアミラー等に取り付けられる。カメラは、例えば、周期的に繰り返し自車両Mの周辺を撮像する。カメラは、ステレオカメラや測距センサであってもよい。
【0020】
レーダ装置は、自車両Mの周辺にミリ波などの電波を放射すると共に、物体によって反射された電波(反射波)を検出して少なくとも物体の位置(距離および方位)を検出する。レーダ装置は、FM-CW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式によって物体の位置および速度を検出してもよい。
【0021】
LIDARは、自車両Mの周辺に光(或いは光に近い波長の電磁波)を照射し、散乱光を測定する。LIDARは、発光から受光までの時間に基づいて、対象までの距離を検出する。照射される光は、例えば、パルス状のレーザー光である。
【0022】
センサフュージョン装置は、カメラ、レーダ装置、およびLIDARのうち一部または全部による検出結果に対してセンサフュージョン処理を行って、物体の位置、種類、速度などを認識する。物体検知装置10は、センサフュージョン装置に代えて、専らカメラの画像解析を行う画像解析装置を備えてもよい。この画像解析装置は、車両制御装置100の一機能であってもよい。物体検知装置10は、検知結果を車両制御装置100に出力する。
【0023】
車両センサ20は、例えば、自車両Mの速度を検出する車速センサ、加速度を検出する加速度センサ、鉛直軸回りの角速度を検出するヨーレートセンサ、自車両Mの向きを検出する方位センサ等を含む。また、車両センサ20には、自車両Mの操舵角(操舵輪の角度でもよいし、ステアリングホイールの操作角度でもよい)を検出する操舵角センサが含まれてよい。また、車両センサ20には、自車両Mの位置を取得する位置センサが含まれてよい。位置センサは、例えば、GPS(Global Positioning System)装置から位置情報(経度・緯度情報)を取得するセンサである。また、位置センサは、例えばGNSS(Global Navigation Satellite System)受信機を用いて位置情報を取得するセンサであってもよい。GNSS受信機は、GNSS衛星から受信した信号に基づいて、自車両Mの位置を特定する。自車両の位置は、車両センサ20の出力を利用したINS(Inertial Navigation System)によって特定または補完されてもよい。車両センサ20に含まれる各センサは、検出結果を車両制御装置100に出力する。
【0024】
HMI30は、自車両Mの乗員に対して各種情報を提示すると共に、乗員による入力操作を受け付ける。HMI30は、例えば、表示部32と、スピーカ34とを備える。表示部32は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)表示装置等である。表示部32は、例えば、インストルメントパネルにおける運転席(ステアリングホイールに最も近い座席)の正面付近に設けられ、乗員がステアリングホイールの間隙から、或いはステアリングホイール越しに視認可能な位置に設置される。また、表示部32は、インストルメントパネルの中央に設置されてもよく、HUD(Head Up Display)であってもよい。表示部32は、後述するHMI制御部160によって生成される画像を表示する。また、表示部32は、タッチパネル装置として乗員の入力操作を受け付けてもよい。スピーカ34は、HMI制御部160によって生成される音声を出力する。HMI30には、マイク、ブザー、スイッチ、キー等が含まれてもよい
【0025】
ウインカー装置40は、例えばウインカーECU(Electronic Control Unit)42とウインカー44とを含む。ウインカーECU42は、車両制御装置100から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従ってウインカー44の作動を制御する。ウインカー44は、右左折の方向や進路変更の方向を点滅によって周囲に示すランプである。ウインカーECU42は、乗員が後述するウインカーレバー84を操作すると、レバー位置検出部84aによって検出されたレバー位置に対応するウインカー44を作動させる。さらに、ウインカーECU42は、ウインカー44が作動している間、ウインカー44が作動していることを示す情報を車両制御装置100に出力する。
【0026】
運転操作子80は、例えば、ステアリングホイール82と、ウインカーレバー84とを備える。ウインカーレバー84は、「操作子」の一例である。また、運転操作子80は、アクセルペダル、ブレーキペダル、シフトレバー、その他の操作子を含む。運転操作子80には、操作量あるいは操作の有無を検出するセンサが取り付けられている。
【0027】
ステアリングホイール82は、「運転者による操舵操作を受け付ける操作子」の一例である。操作子は、必ずしも環状である必要は無く、異形ステアリングやジョイスティック、ボタン等の形態であってもよい。ステアリングホイール82には、ステアリング把持センサ(不図示)が取り付けられている。ステアリング把持センサは、静電容量センサ等により実現され、乗員(運転者)がステアリングホイール82を把持している(力を加えられる状態で接していることをいう)か否かを検知可能な信号を車両制御装置100に出力する。ウインカーレバー84には、レバー位置検出部84aが設けられる。レバー位置検出部84aは、ウインカーレバー84の位置を検出する。また、アクセルペダルやブレーキペダルに設けられた検出部は、ペダルの踏込量を検出し、ステアリングホイールに設けられた検出部は、ステアリングホイール82の操舵角や操舵トルクなどを検出する。そして、各検出部(レバー位置検出部84aも含む)は、検出結果を示す検出信号を車両制御装置100、もしくは、走行駆動力出力装置200、ブレーキ装置210、およびステアリング装置220のうち一方または双方に出力する。
【0028】
図2は、ウインカーレバー84の位置について説明するための図である。図中X軸は、自車両Mの進退方向(前後)を示し、Y軸は自車両Mの車幅方向(横)を示し、Z軸は自車両Mの上下方向(鉛直方向)を示しているものとする。例えば、ウインカーレバー84の一端は、所定の箇所(例えば、ステアリングコラム)に支持される。ウインカーレバー84は、乗員の操作を受けると、その一端の支持箇所を起点として上下方向(Z方向)に回動する。
【0029】
図示の例のように、ウインカーレバー84がニュートラルポジション(中立位置)P0を基準に上方向に回動して、半押しポジション(左第1操作位置)P1または全押しポジション(左第2操作位置)P2に移動した場合、自車両Mの左側方のウインカー44が作動する。「作動」とは、ウインカー44として機能するランプ(ターンランプ)を点灯または点滅させる動作をいう。
【0030】
ニュートラルポジションP0は、ウインカー44を作動させない位置であり、ウインカーレバー84が操作されない場合には、その位置が維持される。
【0031】
半押しポジションP1は、自車両Mの左側方のウインカー44を作動させる位置であり、ウインカーレバー84が操作されている間、その位置が維持され、ウインカーレバー84が操作されなくなったタイミングで、ウインカーレバー84の位置がニュートラルポジションP0へと移動する。なお、乗員がウインカーレバー84を半押しポジションP1まで手で押し上げた場合に、左側方のウインカー44が作動し、所定回数(例えば、3回)または所定期間(例えば、数秒)点灯または点滅してもよい。この状態で乗員が手を離すと、ウインカーレバー84が自らニュートラルポジションP0まで移動して、作動した左側方のウインカー44が停止する。半押しポジションP1は、例えば、自車両Mを走行車線から左隣接車線に車線変更させる場合等に位置付けられるものである。
【0032】
全押しポジションP2は、自車両Mの左側方のウインカー44を作動させる位置であり、ウインカーレバー84が操作されない場合、その位置が維持される。すなわち、乗員が一度ウインカーレバー84を全押しポジションP2に押し上げた場合、乗員がウインカーレバー84を押し下げるまで、左側方のウインカー44が継続的に作動し続ける。全押しポジションP2は、例えば、自車両Mを左折させる場合等に位置付けられるものである。
【0033】
また、図示の例のように、ウインカーレバー84がニュートラルポジションP0を基準に下方向に回動して、半押しポジションP1#または全押しポジションP2#に移動した場合、自車両Mの右側方のウインカー44が作動する。
【0034】
半押しポジション(右第1操作位置)P1#は、自車両Mの右側方のウインカー44を作動させる位置であり、ウインカーレバー84が操作されている間、その位置が維持され、ウインカーレバー84が操作されなくなったタイミングで、ウインカーレバー84の位置がニュートラルポジションP0へと移動する。例えば、乗員がウインカーレバー84を半押しポジションP1#まで手で押し下げた場合に、右側方のウインカー44が作動し、所定回数(例えば、3回)または所定期間(例えば、数秒)点灯または点滅してもよい。この状態で乗員が手を離すと、ウインカーレバー84が自らニュートラルポジションP0まで移動して、作動した右側方のウインカー44が停止する。半押しポジションP1#は、例えば、自車両Mを走行車線から右隣接車線に車線変更させる場合等に位置付けられるものである。
【0035】
全押しポジション(右第2操作位置)P2#は、自車両Mの右側方のウインカー44を作動させる位置であり、ウインカーレバー84が操作されない場合、その位置が維持される。すなわち、乗員が一度ウインカーレバー84を全押しポジションP2#に押し下げた場合、乗員がウインカーレバー84を押し上げるまで、右側方のウインカー44が継続的に作動し続ける。全押しポジションP2#は、例えば、自車両Mを右折させる場合等に位置付けられるものである。
【0036】
レバー位置検出部84aは、例えば、ニュートラルポジションP0、半押しポジションP1、全押しポジションP2、半押しポジションP1#、および、全押しポジションP2#のどの位置にウインカーレバー84が存在するのかを検出する。
【0037】
なお、ウインカーレバー84は、全押しポジションP2またはP2#に移動した後、ステアリングホイールのシャフト(回転軸)の回転を利用することで、ステアリングホイールが中立の位置に戻る際に、自らニュートラルポジションP0に戻ってもよい。すなわち、ウインカーレバー84は、オートキャンセラー機能を有していてもよい。
【0038】
図1に戻り、車両制御装置100は、例えば、認識部110と、意図検出部120と、判定部130と、推定部140と、走行制御部150と、HMI制御部160と、記憶部180とを備える。認識部110と、意図検出部120と、判定部130と、推定部140と、走行制御部150と、HMI制御部160とは、それぞれ、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)等のハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予め車両制御装置100のHDDやフラッシュメモリ等の記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROM等の着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体(非一過性の記憶媒体)がドライブ装置に装着されることで車両制御装置100のHDDやフラッシュメモリ等にインストールされてもよい。HMI制御部160は、「出力制御部」の一例である。
【0039】
記憶部180は、上記の各種記憶装置、或いはSSD(Solid State Drive)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、ROM(Read Only Memory)、またはRAM(Random Access Memory)等により実現されてもよい。記憶部180は、例えば、プログラム、その他の各種情報等が格納される。また、記憶部180には、緯度経度等の位置情報に、道路形状(道路または区画線の線種、曲率、曲率半径、車線数、幅員、勾配等)、道路構造物、POI(Point Of Interest)情報等が対応付けられた地図情報が格納されてもよい。地図情報は、例えば、自車両Mに搭載された通信装置(不図示)が外部装置と通信することにより、随時、アップデートされてよい。
【0040】
認識部110は、物体検知装置10の出力に基づいて、自車両Mの周辺状況を認識する。例えば、認識部110は、例えば、自車両Mが走行する車線(走行車線)や走行車線(または走行車線を含む道路)の曲率(または曲率半径)、他車両(周辺車両)等を認識する。例えば、認識部110は、カメラによって撮像された画像(以下、カメラ画像)から自車両Mを基準とした(自車両Mから見た)左右の道路区画線を認識し、認識した道路区画線の位置に基づいて走行車線を認識する。また、認識部110は、認識した道路区画線に基づいて走行車線に隣接する隣接車線を認識してもよい。また、認識部110は、道路区画線に限らず、カメラ画像の解析結果から、路肩、縁石、中央分離帯、ガードレール、フェンス、壁等を含む車線位置を特定可能な物標(走路境界、道路境界)を認識することで、走行車線を認識してもよい。
【0041】
また、認識部110は、物体検知装置10の出力に基づいて、自車両Mの周辺(自車両Mから所定距離以内)に存在する物体(例えば、他車両、歩行者等)の位置(自車両Mに対する相対位置)、および速度(自車両Mに対する相対速度)、加速度等の状態を認識する。物体の位置は、例えば、自車両Mの代表点(重心や駆動軸中心等)を原点とした絶対座標上の位置として認識され、制御に使用される。物体の位置は、その物体の重心やコーナー等の代表点で表されてもよいし、領域で表されてもよい。物体の「状態」とは、物体の加速度やジャーク、あるいは「行動状態」(例えば、他車両が車線変更をしている、またはしようとしているか否か)を含んでもよい。また、認識部110は、一時停止線、障害物、赤信号、料金所、その他の道路事象を認識してもよい。
【0042】
また、認識部110は、自車両Mの周辺に存在する他車両のうち、隣接車線を走行する他車両を認識してもよい。
【0043】
また、認識部110は、例えば、車両センサ20により検出された自車両Mの位置に基づいて記憶部180に記憶された地図情報を参照し、自車両Mが走行する走行車線を含む自車両Mの周辺の車線を認識する。また、認識部110は、走行車線を区画する道路区画線を認識してもよく、走行車線に隣接する隣接車線や隣接車線を区画する道路区画線を認識してもよい。また、認識部110は、物体検知装置10の出力情報に基づく認識結果と、地図情報に基づく認識結果とを統合または照合して自車両Mの周辺状況を認識してもよい。
【0044】
意図検出部120は、運転者による運転操作子80の所定操作に基づいて、運転者の意図を検出する。例えば、意図検出部120は、運転者によるウインカーレバー84の操作を検出した場合に、車線変更や右左折の意図があることを検出する。意図検出部120は、例えば、レバー位置検出部84aによりウインカーレバー84の位置が半押しポジションP1またはP1#に位置付けられたことを検出した場合に、検出した位置に対応する方向に車線変更したいという運転者の意図を検出する。また、意図検出部120は、例えば、レバー位置検出部84aによりウインカーレバー84の位置が全押しポジションP2またはP2#に位置付けられたことを検出した場合に、検出した位置に対応する方向に左折または右折したいという運転者の意図を検出する。
【0045】
また、意図検出部120は、運転者によるウインカーレバー84が操作された後に、ウインカーレバー84の状態を元に戻す操作(オートキャンセラー機能ではなく手動で元に戻す操作)を検出した場合に、車線変更や右左折を中止する意図を検出する。
【0046】
判定部130は、認識部110による認識結果と、意図検出部120による検出結果とに基づいて、走行制御部150による走行制御を実行させるか否かを判定する。例えは、例えば、意図検出部120により運転者による車線変更の意図を検出した場合に、認識部110による認識結果に基づいて、運転者が指示した隣接車線先へ車線変更できるか否かを判定する。
【0047】
推定部140は、判定部130により自車両Mが車線変更できないと判定された場合に、認識部110により認識される車線変更先の隣接車線の状況に基づいて、自車両Mが走行制御部150による車線変更が実行可能となるまでの残り時間を推定する。
【0048】
走行制御部150は、認識部110の認識結果や意図検出部120による検出結果、判定部130による判定結果等に基づいて、自車両Mの操舵または速度のうち、一方または双方を制御する運転制御を行って自車両Mを走行させる。例えば、走行制御部150は、周辺状況に基づいて、自車両Mの走行車線の中央に自車両Mの基準点(例えば、重心や中心)が位置付けられるように自車両Mの車線維持制御(LKAS:Lane Keeping Assist System)を行う。この制御では、例えば、乗員がステアリングホイール82に与えた操舵トルクが、自車両Mが車線中央から逸脱する方向である場合、当該方向への操舵操作に反力を加えて逸脱を抑制する。なお、走行制御部150は、ウインカーレバー84が全押しポジションP2、P2#または半押しポジションP1、P1#に移動されてウインカー44が点灯または点滅している間、車線維持制御を停止させてもよく、半押しポジションP1、P1#に移動されても車線変更による所定の動作が実行されない場合は、車線維持制御を維持してもよい。
【0049】
また、走行制御部150は、認識部110によって認識された周辺状況に基づいて、自車両Mを走行車線から隣接車線への車線変更を支援する自動車線変更支援制御(ALCA:Auto Lane Change Assist)を行う。例えば、走行制御部150は、ウインカーレバー84が半押しポジションP1またはP1#に第1所定時間以上位置する場合に、自車両Mの右側と左側の隣接車線のうち、ウインカーレバー84が位置するポジションに応じて作動するウインカー側の隣接車線(例えば右側のウインカー44が作動すれば右隣接車線)への車線変更が可能であるか否かを判定する。例えば、走行制御部150は、所定の判定条件を満たす場合に車線変更が可能であると判定し、所定の判定条件を満たさない場合に車線変更が可能ではないと判定する。
【0050】
走行制御部150は、所定条件を満たすと判定した場合、運転者のステアリングホイール82の操作(操舵操作)に依らずに、走行駆動力出力装置200およびブレーキ装置210と、ステアリング装置220とを制御して、車線変更が可能であると判定された隣接車線に対して自車両Mを車線変更させる。この際、走行制御部150は、車線変更先の方向に対応するウインカー44を作動させる。
【0051】
HMI制御部160は、HMI30により、乗員(運転者を含む)に所定の情報を通知する。所定の情報には、例えば、自車両Mの状態に関する情報や運転制御に関する情報等の自車両Mの走行に関連のある情報が含まれる。自車両Mの状態に関する情報には、例えば、自車両Mの速度、エンジン回転数、シフト位置等が含まれる。また、運転制御に関する情報には、例えば、運転制御の状況や、車線変更を行うか否かの問い合わせ、車線変更が実行できない状態であることや中止理由、車線変更に関する処理を継続させるための条件等が含まれる。また、所定の情報には、テレビ番組、DVD等の記憶媒体に記憶されたコンテンツ(例えば、映画)等の自車両Mの走行制御に関連しない情報が含まれてもよい。また、所定の情報には、例えば、自車両Mの現在位置や目的地、燃料の残量に関する情報等が含まれてよい。
【0052】
例えば、HMI制御部160は、上述した所定の情報を含む画像を生成し、生成した画像をHMI30の表示部32に表示させてもよく、所定の情報を示す音声を生成し、生成した音声をHMI30のスピーカ34から出力させてもよい。また、HMI制御部160は、HMI30により受け付けられた情報を意図検出部120等に出力してもよい。
【0053】
走行駆動力出力装置200は、自車両Mが走行するための走行駆動力(トルク)を駆動輪に出力する。走行駆動力出力装置200は、例えば、内燃機関、電動機、および変速機などの組み合わせと、これらを制御するパワーECUとを備える。パワーECUは、車両制御装置100から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従って、上記の構成を制御する。
【0054】
ブレーキ装置210は、例えば、ブレーキキャリパーと、ブレーキキャリパーに油圧を伝達するシリンダと、シリンダに油圧を発生させる電動モータと、ブレーキECUとを備える。ブレーキECUは、車両制御装置100から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従って電動モータを制御し、制動操作に応じたブレーキトルクが各車輪に出力されるようにする。ブレーキ装置210は、運転操作子80に含まれるブレーキペダルの操作によって発生させた油圧を、マスターシリンダを介してシリンダに伝達する機構をバックアップとして備えてよい。なお、ブレーキ装置210は、上記説明した構成に限らず、車両制御装置100から入力される情報に従ってアクチュエータを制御して、マスターシリンダの油圧をシリンダに伝達する電子制御式油圧ブレーキ装置であってもよい。
【0055】
ステアリング装置220は、例えば、ステアリングECUと、電動モータとを備える。
電動モータは、例えば、ラックアンドピニオン機構に力を作用させて転舵輪の向きを変更する。ステアリングECUは、車両制御装置100から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従って、電動モータを駆動し、転舵輪の向きを変更させる。
【0056】
[走行制御]
以下、実施形態に係る走行制御の内容について具体的に説明する。
図3は、実施形態に係る走行制御の内容について説明するための図である。
図3の例では、同一方向(図中X軸方向)に進行可能な車線L1、L2のうち、車線L1を速度VMで走行する自車両Mと、車線L2を速度Vm1で走行する他車両m1および速度Vm2で走行する他車両m2とを示している。車線L1は、区画線LLおよびCLによって区画され、車線L2は、区画線CLおよびRLによって区画されている。区画線CLは、車線L1とL2との間で車線変更が可能な区画線である。
図3の例において、車線L1は、自車両Mが走行する走行車線であり、車線L2は、走行車線に隣接する隣接車線である。また、以降の説明において、時刻t1は、時刻t2よりも早い時刻であるものとする。また、時刻t*における自車両M、他車両m1、m2の位置を、それぞれM(t*)、m1(t*)、m2(t*)と表し、自車両M、他車両m1、m2の速度を、それぞれVM(t*)、Vm1(t*)、Vm2(t*)と表すものとする。また、時刻t1よりも前の時刻において、走行制御部150は、自車両Mが車線L1上を走行するように車線維持制御を実行しているものとする。
【0057】
時刻t1において、自車両Mの運転者は、車線L1から車線L2に車線変更を行うため、ウインカーレバー84を半押しポジションP1#に移動させる操作(所定の操作の一例)を行う。意図検出部120は、レバー位置検出部84aにより検出されたウインカーレバー84のポジション位置から、運転者による車線変更の意図を検出する。次に、判定部130は、ウインカーレバー84の操作方向の隣接車線(図中車線L2)の交通状況により車線変更が実行可能か否かを判定する。なお、この時点において、走行制御部150は、実行中の車線維持制御を継続しつつ、判定部130によって車線変更の実行可否判定(車線変更に関する処理の一例)が行われる。なお、以下の判定処理では、上述した所定の判定条件のうち、第1の判定条件を用いて説明するが、他の条件を含む判定が行われてもよい。
【0058】
例えば、判定部130は、認識部110による認識結果に基づいて、車線L2を走行する複数の他車両の中から2台の他車両を選択し、選択した2台の他車両の間に車線変更先の候補であるターゲット位置(第1のターゲット位置)TA1を設定する。ターゲット位置TA1とは、目標とする車線変更先の自車両Mの位置であり、自車両Mと、他車両m1およびm2との相対的な位置である。
図3の例では、他車両m1およびm2が隣接車線上を走行しているため、判定部130は、他車両m1およびm2の間にターゲット位置TA1を設定する。なお、車線L2に他車両が1台のみ存在する場合、判定部130は、その他車両の前方または後方の任意の位置にターゲット位置TA1を設定してよい。また、車線L2に他車両が1台も存在しない場合、判定部130は、車線L2上の任意の位置にターゲット位置TA1を設定してよい。
【0059】
判定部130は、ターゲット位置TA1を設定すると、自車両Mを車線変更させるための目標軌道を生成する。
図3の例では、前方基準車両である他車両m1および後方基準車両である他車両m2のそれぞれが所定の速度モデルで走行するものと仮定し、他車両m1、m2の速度モデルと自車両Mの速度とに基づいて、将来のある時刻においてターゲット位置TA1に存在するように目標軌道を生成する。そして、判定部130は、生成した目標軌道に基づくターゲット位置TA1への車線変更が可能か否かを判定する。
【0060】
例えば、判定部130は、車線L2に他車両が存在することを禁止する禁止領域RA1を設定し、その禁止領域RA1に他車両m1および他車両m2が部分的にも存在せず、且つ、自車両Mと、他車両m1および他車両m2とのそれぞれの接触余裕時間TTC(Time To Collision)が閾値よりも大きい場合、車線変更が可能であると判定する。禁止領域RA1は、ターゲット位置TA1を含む領域であり、ターゲット位置TA1よりも前後、左右に広い領域である。接触余裕時間TTCは、自車両Mと他車両m1、m2のそれぞれとの関係において、相対距離を相対速度で除算することで導出される時間である。相対距離の基準となる自車両Mの位置は、例えば、設定したターゲット位置TA1に自車両Mが存在すると仮定した場合の自車両Mの位置である。
【0061】
判定部130は、禁止領域RA1内に他車両m1、m2の両方が存在せず、且つ、他車両m1、m2のそれぞれに対する接触余裕時間TTCが閾値よりも大きい場合に車線変更が可能であると判定する。また、禁止領域RA1内に他車両m1、m2の少なくとも一方が存在する場合、または、他車両m1、m2のそれぞれに対する接触余裕時間TTCの少なくとも一方が閾値以下である場合、判定部130は、車線変更が可能ではない(不可能である)と判定する。
【0062】
なお、判定部130は、上記の判定条件に加えて、車線変更先の車線と自車線との間を区画する区画線が、車線変更の禁止(はみ出しの禁止)を表す道路標示でないこと」、「車線変更先の車線が認識されていること(実在していること)」、「車両センサ20により検出されたヨーレートが閾値未満であること」、「走行中の道路の曲率半径が所定値以上であること」、「自車両Mの速度が所定速度範囲内であること」、「車線変更のための操舵支援制御よりも優先順位の高い他の運転支援制御が行われていないこと」などの条件のうちの一部又は全てが含まれていてもよい。
【0063】
判定部130により車線変更が可能であると判定された場合、走行制御部150は、ウインカー装置40に対して運転者がウインカーレバー84の操作方向に対応したウインカー44を点滅させる。また、走行制御部150は、実行中の車線維持制御を終了し、車線L2上のターゲット位置TA1に自車両Mが位置付けられるように、操舵または速度のうち少なくとも操舵を制御して、目標軌道に沿って自車両Mを走行させる車線変更制御を実行する。車線変更後は、オートキャンセラー機能によってウインカー44の点滅が終了する。
【0064】
また、判定部130により車線変更が可能ではないと判定された場合、HMI制御部160は、車線変更が実行できないことを示す情報を生成し、生成した情報をHMI30に出力させる。また、HMI制御部160は、車線変更が実行できないことを示す情報に加えて、車線変更に関する処理(例えば、車線変更の実行可否判定)を継続させるための条件に関する情報を示す情報を生成してHMI30に出力させてもよい。
【0065】
図4は、車線変更が実行できない場合に表示部32に表示される画像IM10の一例を示す図である。なお、画像IM10に示す表示内容、レイアウトやデザイン等の表示態様については、
図4の例に限定されない。以降に示す他の画像IM20、IM30についても同様とする。
図4に示す画像IM10には、車線変更が実行できないこと、および、車線変更に関する処理を継続させるための条件として、ウインカーレバー84の操作(ウインカーレバー84を半押しポジションP1#に移動させる操作)を継続させることを示す文字情報が含まれている。
【0066】
また、HMI制御部160は、上述した画像IM10を表示部32に表示させることに代えて(または加えて)、画像IM10に示される情報に対応する音声を生成して、スピーカ34から出力させてもよい。以降に示す他の画像IM20、IM30の場合も同様である。
【0067】
上述したような情報(画像や音声)によって運転者に通知することで、運転者に対して、自車両Mに対する制御状況と、車線変更を継続させるための条件とを、より正確に把握させることができる。したがって、運転者の誤った運転操作が行われることを抑制することができる。また、車両制御装置100は、運転者の意図に応じた適切な車両制御を実現できる。
【0068】
上述した画像IM10が表示された後も運転者によりウインカーレバー84を半押しポジションP1#に位置付けられた状態(以下、「ハーフホールド状態」を称する場合がある)が継続されている場合(言い換えると、運転者による車線変更の意図の検出が継続している場合)に、判定部130は、車線変更に関する処理(車線変更の実行可否判定)を中止しないと判定し、車線変更に関する処理が継続される。この場合、判定部130は、認識部110による認識結果に基づいて、他の新たなターゲット位置を設定し、設定したターゲット位置への車線変更が可能か否かを判定する。また、HMI制御部160は、車線変更に関する処理が継続されていることを示す情報をHMI30に出力させてもよい。
【0069】
走行制御部150は、例えば、減速または加速などの速度制御を実行し、新たなターゲット位置付近(所定距離以内)に自車両Mを移動させる。例えば、走行制御部150は、周辺状況に基づき、新たなターゲット位置が他車両m1よりも前方に設定された場合には加速制御を行い、他車両m2よりも後方に設定された場合に減速制御を行う。例えば、走行制御部150は、自車両Mの前に前走車両が存在し、自車両Mの後ろに後続車両が存在しない場合には減速制御を行い、前走車両が存在せず後続車両が存在する場合には加速制御を行う。また、走行制御部150は、他車両m1、m2との相対距離や相対速度等に基づいて、他車両m1の前方に移動するよりも早く他車両m2の後方に移動できる場合には減速制御を行い、他車両m2の後方に移動するよりも早く他車両m1の前方に移動できる場合には加速制御を行ってもよい。また、走行制御部150は、他車両m1の前方の領域と他車両の後方の領域とを比較し、より広い領域がある方へ移動するための加速制御や減速制御を行ってもよい。
【0070】
図5は、新たな車線変更ターゲット位置が設定された様子を説明するための図である。
図5の例では、時刻t1より所定時間が経過した時刻t2における様子が示されている。時刻t2は、判定部130により車線L2への車線変更が実行できると判定された時刻である。
図5の例において、自車両M(t2)は、周辺状況に基づく走行制御部150の減速制御によって他車両m2(t2)よりも後方に位置付けられている。
【0071】
図5に示す状態になるまでウインカーレバー84のハーフホールド状態が継続している場合、判定部130は、ターゲット位置(第2のターゲット位置)TA2および禁止領域RA2に基づき、上述した車線変更の実行可否判定を行う。なお、ターゲット位置TA2および禁止領域RA2は、ターゲット位置TA1および禁止領域RA1とは異なる位置であり、ターゲット位置TA1の前後に存在する他車両m1、m2よりも前方または後方の領域に設定される。
図5の例では、他車両m1、m2よりも後方にターゲット位置TA2および禁止領域RA2が設定されている。そして、車線変更が可能であると判定された場合に、走行制御部150は、ターゲット位置TA2への車線変更を実行する。なお、走行制御部150は、車線L2への車線変更を実行させる場合に、継続中のハーフホールド状態を解除する。
【0072】
このように、運転者によりウインカーレバー84のハーフホールド状態が継続されることで、時刻t1から時刻t2までの車線変更に関する処理を途切れることなく継続して行うことができる。また、車線変更ができない場合に、再度ウインカー操作を受け付けて運転者の意図を検出してから改めて車線変更の実行可否判定が開始されるよりも、スムーズな制御が実現できる。
【0073】
ここで、推定部140は、判定部130によりターゲット位置TA1への車線変更が実行できないと判定された場合に、次のターゲットTA2に車線変更ができると判定されると予測される時刻t2までの残時間△Tを推定してもよい。例えば、推定部140は、道路形状や、車線L1において自車両Mの前後を走行する他車両(前走車両、後続車両)の位置や速度、車線L2を走行する他車両m1、m2やそれ以外の他車両の位置や速度、自車両Mの将来の速度制御の予測状況等に基づいて残時間△Tを推定する。推定部140は、残時間△Tを所定周期で繰り返し推定してもよい。
【0074】
HMI制御部160は、推定部140により推定された残時間△Tを示す情報を生成し、生成した情報をHMI30に出力させてよい。
図6は、車線変更が実行可能となるまでの残時間を示す画像IM20の一例を示す図である。画像IM20は、例えば、画像IM10が表示された後も運転者によってウインカーレバー84のハーフホールド状態が継続している場合に表示部32に表示される画像である。
【0075】
画像IM20には、車線変更に関する処理が継続していることを示す情報(例えば、車線変更を実行するために実行中の制御の内容を示す情報)や、残時間△Tを示す情報が含まれる。
図6の例では、画像IM20に、車線変更を実行するため(より具体的には、次の車線変更ターゲット位置付近に移動するため)の減速制御が実行中であること、および、車線変更が可能になるまであと5秒であることが表示されている。なお、残時間△Tについては、「あと5秒(推定)」等のように、あくまでもシステム側で推定した値であること示す情報を表示させてもよい。これにより、自車両Mが車線変更に関する処理を継続していること、および車線変更が可能になるまでの残時間を、運転者に認識させ易くすることができる。また、残時間△Tを通知することで、ウインカーレバー84のハーフホールド状態を継続する時間を運転者に把握させ易くすることができるため、運転者の誤った操作を抑制することができる。
【0076】
ここで、判定部130により車線変更が可能であると判定され、車線変更に伴う自車両Mが所定の動作が実行されるまでの間にウインカーレバー84のハーフホールド状態が解除された場合(運転者がウインカー操作の継続を止めた場合)、判定部130や走行制御部150は、上述した車線変更に関する処理を中止する。所定の動作とは、例えば、自車両Mの操舵制御が開始される動作でもよく、自車両Mの操舵角が所定角以上になる動作でもよく、自車両Mの少なくとも一部が車線L2上に移動する動作でもよく、自車両Mの横移動量(車線幅方向の移動量)が所定量以上になる動作でもよい。この場合、HMI制御部160は、車線変更に関する処理が中止されたこと示す情報を生成し、HMI30に出力させる。また、走行制御部150は、車線変更に関する処理が中止された場合に走行中の車線(元の車線)L1に対する車線維持制御を実行(または継続)する。
【0077】
図7は、車線変更に関する処理が中止されたことを示す画像IM30の一例を示す図である。
図7に示す画像IM30には、車線変更に関する処理が中止したことを示す情報と中止理由を示す情報とが含まれる。
図7の例において、画像IM30には、車線変更が可能になる前にウインカーレバー操作が解除されたため、車線変更に関する処理を中止したことが示されている。これにより、乗員に車線変更が終了したことを把握させ易くすることができる。
【0078】
[変形例]
実施形態において、判定部130は、運転者による車線変更の意図を継続して検出している状態(ウインカーレバー84のハーフホールド状態が継続している状態)であっても、車線変更の実行可否判定において車線変更が可能ではないと判定された回数が連続して所定回数以上となる場合には、車線変更に関する処理を中止する。所定回数は、固定回数(例えば、2回)でもよく、道路状況(例えば、周辺の他車両の状態、道路形状)等に応じて可変の回数でもよい。また、実施形態において、判定部130は、推定部140による残時間△Tが閾値以上である場合に、ハーフホールド状態が継続されるか否かにかかわらず車線変更に関する処理を中止してもよい。これにより、車線変更が実行できない状態で車線変更の実行可否判定が繰り返し実行されることを抑制するこができ、車両制御の負担を軽減させることができる。この場合、HMI制御部は、車線変更に関する処理が中止したこと、および中止理由を示す情報をHMI30に出力させることで、運転者によるウインカー操作を解除させることができる。
【0079】
また、意図検出部120は、推定部140により残時間△Tが推定された場合であって、車線変更の意図が残時間△Tに応じて設定された時間以上、継続して検出された場合に、その後も運転者による車線変更の意図が継続されていると判定してもよい。例えば、残時間△Tが10秒である場合に、ウインカーレバー84のハーフホールド状態が3秒以上継続された場合には、その後にハーフホールド状態が解除されても、所定時間(例えば、残りの7秒+α)の間は車線変更の意図は継続して検出されているものとみなす。これにより、ウインカー操作をし続けることによる運転者の負担を軽減することができる。
【0080】
また、実施形態において、意図検出部120は、ウインカーレバー84を半押しポジションP1、P1#の位置に位置付ける運転者のレバー操作に代えて、例えば、HMI30やステアリングホイール82に設けられている所定のスイッチ(例えば、車線変更を実行するためのスイッチ)への操作を受け付けることで、運転者による車線変更の意図を検出してもよい。この場合、所定のスイッチが「操作子」の一例となり、スイッチを操作し続けることが「所定の操作」の一例となる。また、意図検出部120は、自車両Mの室内を撮像する室内カメラ(不図示)が設けられている場合に、室内カメラにより撮像された画像の解析結果に基づき、運転者による車線変更要求に対応するジェスチャを検出した場合に、運転者による車線変更の意図を検出してもよい。この場合、ジェスチャが「所定の操作」の一例となり操作子を用いた操作は実行されない。
【0081】
[処理フロー]
以下、実施形態の車両制御装置100により実行される処理について説明する。以下では、車両制御装置100により実行される処理のうち、主に運転者による車線変更の意図に基づく車線変更に関する処理に関する処理を中心として説明する。以下に示す処理は、所定タイミングまたは所定周期で繰り返し実行されてよい。また、車線変更の実行前において、自車両Mは、車線維持制御が実行されていてもよい。
【0082】
図8は、実施形態の車両制御装置100により実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図8の例において、認識部110は、自車両Mの周辺状況を認識する(ステップS100)。次に、判定部130は、意図検出部120により、運転者の所定の操作による車線変更の意図を検出されたか否か判定する(ステップS102)。車線変更の意図が検出されたと判定した場合、判定部130は、終了状況に基づいて指示された隣接車線への車線変更が可能か否かを判定する(ステップS104)。車線変更が可能であると判定された場合、走行制御部150は、自車両Mの操舵または速度のうち少なくとも操舵を制御して、隣接車線への車線変更制御を実行する(ステップS106)。
【0083】
また、ステップS104の処理において、車線変更が可能ではないと判定された場合、推定部140は、車線変更が可能になるまでの残時間△Tを推定する(ステップS108)。次に、HMI制御部160は、推定時間を含む情報をHMI30に出力して乗員に通知する(ステップS110)。
【0084】
次に、判定部130は、残時間が経過するまで車線変更の意図が継続されているか否かを判定する(ステップS112)。車線変更の意図(乗員の操作子への所定の操作)が継続されていると判定した場合、走行制御部150は、車線変更が可能になるまで現状を維持(待機)して車線変更に関する処理を中止しない(ステップS114)。そして、走行制御部150は、車線変更が可能となった状態で、車線変更制御を実行する(ステップS116)。また、ステップS112の処理において、残時間△Tが経過するまで車線変更の意図が継続されていないと判定された場合、判定部130および走行制御部150は、車線変更に関する処理を中止する(ステップS118)。これにより、フローチャートの処理は、終了する。
【0085】
また、ステップS102の処理において車線変更の意図を検出していない判定された場合、本フローチャートの処理は、終了する。ステップS106、S116において車線変更が実行された後は、車線変更先の車線に対する車線維持制御が実行されてよい。
【0086】
以上の通り説明した実施形態によれば、車両制御装置において、自車両の周辺状況を認識する認識部110と、自車両の運転者による操作子(ウインカーレバー84)への所定の操作によって車線変更の意図を検出する意図検出部120と、車線変更の意図が検出された場合に、周辺状況に基づいて、自車両の走行車線から隣接車線への車線変更の可否を判定する判定部130と、判定部130により判定された結果に基づいて、自車両の操舵と速度とのうち少なくとも操舵を制御して、自車両の走行車線から隣接車線への車線変更を実行させる走行制御部150とを備え、判定部130は、走行車線から隣接車線への車線変更が可能ではないと判定した後に操作子への所定の操作が継続している場合に、車線変更に関する処理を中止しないと判定することにより、車線変更指示に関する操作性を向上させることができる。したがって、車線変更を継続したい運転者に、より適切な運転支援を提供することができる。
【0087】
例えば、従来では車線変更が実行できないと判定された場合には、運転者は、再度車線変更の意図を検出させるための操作をし直す必要があったが、本実施形態では運転者による所定の操作が継続している場合は、車線変更が実行できないと判定されても車線変更に関する処理を中止せずに車線変更が可能となるまで待機(言い換えると仮予約)する。したがって、実施形態によれば、車線変更に関する処理を最初から繰り返し行うよりも処理負担を軽減することができると共に、車線変更に関してよりスムーズな制御が実現できる。また、実施形態によれば、一度、自動車線変更支援制御(ALCA)がキャンセルされた後でもリトライが容易となる。また、実施形態によれば、他のターゲット位置に向けて減速や加速を行っていることを運転者に通知するため、自車両Mが隣接車両の前後のどちらに入ろうとしているか等の状況を、より正確に運転者に把握させることができる。
【0088】
上記説明した実施形態は、以下のように表現することができる。
コンピュータによって読み込み可能な命令(computer-readable instructions)を格納する記憶媒体(storage medium)と、
前記記憶媒体に接続されたプロセッサと、を備え、
前記プロセッサは、前記コンピュータによって読み込み可能な命令を実行することにより(the processor executing the computer-readable instructions to:)、
自車両の周辺状況を認識し、
前記自車両の運転者による操作子への所定の操作によって車線変更の意図を検出し、
前記車線変更の意図が検出された場合に、前記周辺状況に基づいて、前記自車両の走行車線から隣接車線への車線変更の可否を判定し、
判定した結果に基づいて、前記自車両の操舵と速度とのうち少なくとも操舵を制御して、前記自車両の走行車線から隣接車線への車線変更を実行させ、
前記走行車線から前記隣接車線への車線変更が可能ではないと判定した後に前記操作子への所定の操作が継続している場合に、前記車線変更に関する処理を中止しないと判定する、
車両制御装置。
【0089】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0090】
10…物体検知装置、20…車両センサ、30…HMI、32…表示部、34…スピーカ、40…ウインカー装置、42…ウインカーECU、44…ウインカー、80…運転操作子、82…ステアリングホイール、84…ウインカーレバー、100…車両制御装置、110…認識部、120…意図検出部、130…判定部、140…推定部、150…走行制御部、160…HMI制御部、180…記憶部、200…走行駆動力出力装置、210…ブレーキ装置、220…ステアリング装置