(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129893
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】ユーザ装置、基地局、およびそれらの制御方法
(51)【国際特許分類】
H04W 28/04 20090101AFI20240920BHJP
H04W 4/06 20090101ALI20240920BHJP
【FI】
H04W28/04 110
H04W4/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039266
(22)【出願日】2023-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藁谷 浩亮
(72)【発明者】
【氏名】堀口 桃子
(72)【発明者】
【氏名】宮内 勇介
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA23
5K067BB21
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE22
(57)【要約】 (修正有)
【課題】マルチキャスト通信におけるフィードバック情報の送信を円滑に行うUE、BS及びその制御方法を提供する。
【解決手段】無線通信システムにおいて、ユーザ装置(UE)は、基地局(BS)からマルチキャスト送信されるデータを受信する受信手段と、受信手段によりデータが受信されたか否かを示すフィードバック情報を所定の無線通信リソース領域を使用して送信する送信手段と、を有する。受信手段は、BSから、所定の無線通信リソース領域の決定に利用可能でありかつマルチキャスト送信に参加する複数のUEに共通の情報である共通情報と、所定の無線通信リソース領域の決定に利用可能でありかつ複数のUEそれぞれに一意な情報である個別情報と、をさらに受信する。所定の無線通信リソース領域は、共通情報と個別情報との両方に基づいて決定される。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおけるユーザ装置(UE)であって、
基地局(BS)からマルチキャスト送信されるデータを受信する受信手段と、
前記受信手段により前記データが受信されたか否かを示すフィードバック情報を所定の無線通信リソース領域を使用して送信する送信手段と、
を有し、
前記受信手段は、前記BSから、前記所定の無線通信リソース領域の決定に利用可能でありかつ前記マルチキャスト送信に参加する複数のUEに共通の情報である共通情報と、前記所定の無線通信リソース領域の決定に利用可能でありかつ前記複数のUEそれぞれに一意な情報である個別情報と、をさらに受信し、
前記所定の無線通信リソース領域は、前記共通情報と前記個別情報との両方に基づいて決定される
ことを特徴とするUE。
【請求項2】
前記無線通信システムは、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)の無線通信規格に準拠したシステムであり、
前記マルチキャスト送信されるデータは物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)を介して受信され、
前記個別情報は、前記BSによる前記データの送信に先立って実行されるセットアップ処理において受信され、
前記共通情報は、前記BSによる前記データの送信と対応して、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を介して受信される
ことを特徴とする請求項1に記載のUE。
【請求項3】
前記個別情報は、前記UEが前記BSに送信したMBMS_Interest_Indicationメッセージに対して、前記BSから前記UEへ送信される応答メッセージ内で受信され、
前記共通情報は、PDCCHを介して送信されるダウンリンク制御情報(DCI)内で受信される
ことを特徴とする請求項2に記載のUE。
【請求項4】
前記共通情報は、PUCCH_resource_indicatorの値およびPDSCH-to-HARQ_feedback_timing_indicatorの値を含む
ことを特徴とする請求項3に記載のUE。
【請求項5】
前記個別情報は、ユニキャストにより前記BSから前記UEへ送信され、
前記共通情報は、マルチキャストにより前記BSから前記UEへ送信される
ことを特徴とする請求項1に記載のUE。
【請求項6】
前記データは、前記BSにより複数のデータ部分として送信され、
前記共通情報は、前記BSにより前記複数のデータ部分の各々に対して送信される
ことを特徴とする請求項1に記載のUE。
【請求項7】
無線通信システムにおける基地局(BS)であって、
複数のユーザ装置(UE)に対してデータをマルチキャスト送信する送信手段と、
前記データが前記複数のUEにより受信されたか否かを示すフィードバック情報を前記複数のUEの各々からそれぞれの無線通信リソース領域を使用して受信する受信手段と、
前記複数のUEの各々から受信されたフィードバック情報に基づいて前記データを再送するよう制御する再送制御手段と、
を有し、
前記送信手段は、前記複数のUEの各々が前記フィードバック情報の送信に利用する個別の無線通信リソース領域の決定に利用可能でありかつ前記複数のUEに共通の情報である共通情報と、前記複数のUEの各々が前記フィードバック情報の送信に利用する個別の無線通信リソース領域の決定に利用可能でありかつ前記複数のUEそれぞれに一意な情報である個別情報と、をさらに送信し、
前記複数のUEの各々が利用する無線通信リソース領域は、前記共通情報と前記個別情報との両方に基づいて決定される
ことを特徴とするBS。
【請求項8】
前記無線通信システムは、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)の無線通信規格に準拠したシステムであり、
前記マルチキャスト送信されるデータは物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)を介して送信され、
前記個別情報は、前記データの送信に先立って実行されるセットアップ処理において送信され、
前記共通情報は、前記データの送信と対応して、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を介して送信される
ことを特徴とする請求項7に記載のBS。
【請求項9】
前記個別情報は、前記複数のUEの各々が送信したMBMS_Interest_Indicationメッセージに対して前記BSが送信する応答メッセージ内で送信され、
前記共通情報は、PDCCHを介して送信されるダウンリンク制御情報(DCI)内で送信される
ことを特徴とする請求項8に記載のBS。
【請求項10】
前記共通情報は、PUCCH_resource_indicatorの値およびPDSCH-to-HARQ_feedback_timing_indicatorの値を含む
ことを特徴とする請求項9に記載のBS。
【請求項11】
前記個別情報は、ユニキャストにより前記BSから前記UEへ送信され、
前記共通情報は、マルチキャストにより前記BSから前記UEへ送信される
ことを特徴とする請求項7に記載のBS。
【請求項12】
前記データは、複数のデータ部分として送信され、
前記共通情報は、前記複数のデータ部分の各々に対して送信される
ことを特徴とする請求項7に記載のBS。
【請求項13】
無線通信システムにおけるユーザ装置(UE)の制御方法であって、
基地局(BS)からマルチキャスト送信されるデータを受信する受信工程と、
前記受信工程により前記データが受信されたか否かを示すフィードバック情報を所定の無線通信リソース領域を使用して送信する送信工程と、
を含み、
前記受信工程では、前記BSから、前記所定の無線通信リソース領域の決定に利用可能でありかつ前記マルチキャスト送信に参加する複数のUEに共通の情報である共通情報と、前記所定の無線通信リソース領域の決定に利用可能でありかつ前記複数のUEそれぞれに一意な情報である個別情報と、をさらに受信し、
前記所定の無線通信リソース領域は、前記共通情報と前記個別情報との両方に基づいて決定される
ことを特徴とする制御方法。
【請求項14】
無線通信システムにおける基地局(BS)の制御方法であって、
複数のユーザ装置(UE)に対してデータをマルチキャスト送信する送信工程と、
前記データが前記複数のUEにより受信されたか否かを示すフィードバック情報を前記複数のUEの各々からそれぞれの無線通信リソース領域を使用して受信する受信工程と、
前記複数のUEの各々から受信されたフィードバック情報に基づいて前記データを再送するよう制御する再送制御工程と、
を含み、
前記送信工程では、前記複数のUEの各々が前記フィードバック情報の送信に利用する個別の無線通信リソース領域の決定に利用可能でありかつ前記複数のUEに共通の情報である共通情報と、前記複数のUEの各々が前記フィードバック情報の送信に利用する個別の無線通信リソース領域の決定に利用可能でありかつ前記複数のUEそれぞれに一意な情報である個別情報と、をさらに送信し、
前記複数のUEの各々が利用する無線通信リソース領域は、前記共通情報と前記個別情報との両方に基づいて決定される
ことを特徴とする制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムにおけるマルチキャスト送信技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標))の無線通信規格(4G、5Gなど)において、基地局(BS)から送信される同一の物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)を複数のユーザ装置(UE)が並行して受信するマルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス(MBMS)が規格化されている。以降ではPDSCHを用いたデータ送信を単にマルチキャストと呼ぶ。
【0003】
一般にユニキャスト通信においては、円滑なデータ送受信を実現するために受信装置は送信装置に対してフィードバック情報を提供する。そのため、BSは、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)を介してダウンリンク制御情報(DCI)として物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)の空き領域情報を送信している。そして、UEは、PUCCHの空き領域情報に基づいて、フィードバック情報をPUCCHを介してBSに送信している。現状のマルチキャスト仕様においては再送手法が明確に規定されていないが、マルチキャスト通信においても受信装置が送信装置に対してフィードバック情報を提供することが望ましい。特許文献1では、無線通信において、ポイントツーマルチポイント(PTM)送信におけるUEのフィードバックに関する手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のユニキャストにおける制御をマルチキャストに適用した場合、BSは、複数のUEに対して同一の空き領域(時間/周波数)情報を送信することになる。そのため、複数のUEは、フィードバック情報を同一の領域で送信し得る(すなわち衝突し得る)ことになる。特許文献1においても、グループ無線ネットワーク一時識別子(G-RNTI)に関連付けられたPDCCHでフィードバック情報を送信する記載はあるものの、複数のUEのそれぞれが異なる空き領域でフィードバック情報を送信することに関しては記載されていない。このように、マルチキャストにおいて、各UEがPUCCHの異なる空き領域に割り当てる手法については十分に検討がされていない。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、マルチキャスト通信におけるフィードバック情報の送信を円滑に行う技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の問題点を解決するため、本発明に係る無線通信システムのユーザ装置(UE)は以下の構成を備える。すなわち、UEは、
基地局(BS)からマルチキャスト送信されるデータを受信する受信手段と、
前記受信手段により前記データが受信されたか否かを示すフィードバック情報を所定の無線通信リソース領域を使用して送信する送信手段と、
を有し、
前記受信手段は、前記BSから、前記所定の無線通信リソース領域の決定に利用可能でありかつ前記マルチキャスト送信に参加する複数のUEに共通の情報である共通情報と、前記所定の無線通信リソース領域の決定に利用可能でありかつ前記複数のUEそれぞれに一意な情報である個別情報と、をさらに受信し、
前記所定の無線通信リソース領域は、前記共通情報と前記個別情報との両方に基づいて決定される。
【0008】
また、本発明に係る無線通信システムの基地局(BS)は以下の構成を備える。すなわち、BSは、
複数のユーザ装置(UE)に対してデータをマルチキャスト送信する送信手段と、
前記データが前記複数のUEにより受信されたか否かを示すフィードバック情報を前記複数のUEの各々からそれぞれの無線通信リソース領域を使用して受信する受信手段と、
前記複数のUEの各々から受信されたフィードバック情報に基づいて前記データを再送するよう制御する再送制御手段と、
を有し、
前記送信手段は、前記複数のUEの各々が前記フィードバック情報の送信に利用する個別の無線通信リソース領域の決定に利用可能でありかつ前記複数のUEに共通の情報である共通情報と、前記複数のUEの各々が前記フィードバック情報の送信に利用する個別の無線通信リソース領域の決定に利用可能でありかつ前記複数のUEそれぞれに一意な情報である個別情報と、をさらに送信し、
前記複数のUEの各々が利用する無線通信リソース領域は、前記共通情報と前記個別情報との両方に基づいて決定される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、マルチキャスト通信におけるフィードバック情報の送信を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】無線通信システムの概略構成を示す図である。
【
図6】マルチキャスト通信の開始時におけるシグナリング図である。
【
図7】マルチキャスト通信中におけるシグナリング図である。
【
図8】マルチキャスト通信中のフィードバック送信に係る詳細シグナリング図である。
【
図9】BSで保持される情報テーブルの例を示す図である。
【
図10】ACK/NACKが配置されるPUCCH領域を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0012】
(第1実施形態)
本発明に係る無線通信システムの第1実施形態として、3GPP(登録商標)4G/5G規格に基づいて動作するシステムを例に挙げて以下に説明する。
【0013】
<概要>
基地局(BS)は、マルチキャスト送信(映像データ送信)に先立って、当該マルチキャスト送信に参加する各ユーザ装置(UE)に対してユニキャストで事前情報を送信する。事前情報には、各UEに一意のキー情報(KeyX,KeyY)が含まれている。マルチキャスト送信中は、所定の時間期間(例えばフィードバック情報を送信する時間期間)ごとに、BSは各UEに対してマルチキャストでダウンリンク制御情報(DCI)を送信する。DCIには、各UEに共通の物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)の空き領域情報(時間/周波数リソース)が含まれている。
【0014】
各UEは、BSから受信した「各UEに共通の空き領域情報」と「各UEに一意のキー情報」とを組み合わせることで、各UEで異なるPUCCH割当て領域を生成し、BSにフィードバック情報(映像受信に関する情報)を送信する。BSは、「各UEに共通の空き領域情報」と「各UEに一意のキー情報」とを組み合わせることで、各UEがPUCCHのどの領域でフィードバック情報を送信したかを把握することができる。
【0015】
このような手法により、マルチキャスト送信においても、各UEはフィードバック情報を異なるPUCCH上の領域に割り当てて送信することが可能となる。
【0016】
<システムの全体構成>
図1は、無線通信システムの概略構成を示す図である。無線通信システムは、基地局(BS)101、ユーザ装置(UE)111、コアネットワーク(CN)121を含んでいる。説明を簡単にするために、
図1では1つのBS101と2つのUE111(UE111a、UE111b)を示している。また、BS101とUE111の間は無線接続(破線で示す)され、BS101とコアネットワーク121の間は有線接続(実線で示す)されている場合を示している。ただし、BS101およびUE111はそれぞれ無線通信システム内に複数台存在してもよい。また、BS101とコアネットワーク121の間の一部は無線接続であってもよい(例えば無線バックホール回線など)。
【0017】
<BSおよびUEのハードウェア構成>
図2は、BS101のハードウェア構成を示す図である。上述したように、BS101は、4G/5G規格に基づく基地局である。
【0018】
BS101は、一例において、プロセッサ201、ROM202、RAM203、記憶装置204、第1通信回路205、第2通信回路206を含んで構成される。プロセッサ201は、汎用のCPU(中央演算装置)や、ASIC(特定用途向け集積回路)等の、1つ以上の処理回路を含んで構成されるコンピュータであり、ROM202や記憶装置204に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、装置の全体の処理や、後述の各処理を実行する。
【0019】
ROM202は、BS101が実行する処理に関するプログラムや各種パラメータ等の情報を記憶する読み出し専用メモリである。RAM203は、プロセッサ201がプログラムを実行する際のワークスペースとして機能し、また、一時的な情報を記憶するランダムアクセスメモリである。記憶装置204は、例えば着脱可能な外部記憶装置等によって構成される。
【0020】
第1通信回路205は、UEとの間で通信を行うための通信回路である。BSとUEとの間の通信は制御プレーンおよびユーザプレーンの通信を含み、制御プレーンの通信には、非アクセス層(NAS)プロトコルおよび無線リソース制御(RRC)プロトコルの通信が含まれる。一方、第2通信回路206は、CNとの間で通信を行うための通信回路である。BSとCNとの間の通信は制御プレーンおよびユーザプレーンの通信を含み、制御プレーンの通信には、NASプロトコルの通信が含まれる。
【0021】
図3は、UE111のハードウェア構成を示す図である。なお、ここでは、UE111としてスマートフォンを想定するが、他の形態のデバイス(例えばIoTデバイス)であってもよい。
【0022】
UE111は、一例において、プロセッサ301、ROM302、RAM303、記憶装置304、通信回路305、タッチスクリーン306を含んで構成される。プロセッサ301は、汎用のCPU(中央演算装置)や、ASIC(特定用途向け集積回路)等の、1つ以上の処理回路を含んで構成されるコンピュータであり、ROM302や記憶装置304に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、装置の全体の処理や、後述の各処理を実行する。
【0023】
ROM302は、UE111が実行する処理に関するプログラムや各種パラメータ等の情報を記憶する読み出し専用メモリである。RAM303は、プロセッサ301がプログラムを実行する際のワークスペースとして機能し、また、一時的な情報を記憶するランダムアクセスメモリである。記憶装置304は、例えば着脱可能な外部記憶装置等によって構成される。
【0024】
通信回路305は、所定の通信規格に準拠した無線通信用の回路によって構成される。以下の説明では所定の通信規格として、4G/5G規格を例に挙げて説明するが、
図1に示すようなシステム構成に利用される任意の通信規格を適用することが可能である。
【0025】
タッチスクリーン306は、例えばタッチパネルディスプレイであり、ユーザに情報を提供するための表示部と、ユーザからのタッチ操作による指示を受け付ける受付部と、を併せ持つ構成要素である。
【0026】
<BSおよびUEの機能構成>
図4は、BS101の機能構成を示す図である。BS101は、その機能として、例えば、第1通信制御部401、第2通信制御部402、制御部403、記憶部404を有する。なお、
図4では、本実施形態に特に関係する機能のみを示しており、BS101が有しうる他の各種機能については図示を省略している。
【0027】
また、
図4の機能ブロックは概略的に示したものであり、それぞれの機能ブロックが一体化されて実現されてもよいし、さらに細分化されてもよい。また、
図4の各機能は、例えば、プロセッサ201がROM202や記憶装置204に記憶されているプログラムを実行することにより実現されてもよい。また、例えば第1通信回路205や第2通信回路206の内部に存在するプロセッサが所定のソフトウェアを実行することによって実現されてもよい。
【0028】
第1通信制御部401は、第1通信回路205を介した無線通信を制御する。すなわち、UEとの間の制御プレーンおよびユーザプレーンの通信の実行を制御する。詳細は後述するが、第1通信制御部401は、各UEに対して個別にデータを送信するユニキャスト送信と、複数のUEに対して共通のデータを送信するマルチキャスト送信と、の両方の通信が可能に構成されている。第2通信制御部402は、第2通信回路206を介した無線通信を制御する。すなわち、CNとの間の制御プレーンおよびユーザプレーンの通信を実行する。
【0029】
制御部403は、BS101全体の動作を統括して制御する。記憶部404は、第1通信制御部401、第2通信制御部402、制御部403が動作を行う際に利用される各種情報を記憶する。
【0030】
図5は、UE111の機能構成を示す図である。UE111は、その機能として、例えば、通信制御部501、情報処理部502、制御部503、記憶部504を有する。なお、
図5では、本実施形態に特に関係する機能のみを示しており、UE111が有しうる他の各種機能については図示を省略している。例えばUE111がスマートフォンである場合、各種入力機能(タッチパネル、GPS受信機、カメラ、マイク)や各種出力機能(ディスプレイ、バイブレーション、スピーカーなど)など他の機能を当然に有する。
【0031】
また、
図5の機能ブロックは概略的に示したものであり、それぞれの機能ブロックが一体化されて実現されてもよいし、さらに細分化されてもよい。また、
図5の各機能は、例えば、プロセッサ301がROM302や記憶装置304に記憶されているプログラムを実行することにより実現されてもよい。また、例えば通信回路305の内部に存在するプロセッサが所定のソフトウェアを実行することによって実現されてもよい。
【0032】
通信制御部501は、通信回路305を介した無線通信を制御する。具体的には、所定の通信規格に準拠した無線通信を実行する。特に、相手装置(ここではBS)との間で通信が確立されていない場合は、初期アクセスを実行し、BSに接続(アタッチ)する。また、現在接続しているBSとの間の無線接続の品質が低下した場合、規格に従って他のBSへのハンドオーバーを実行する。また、詳細は後述するが、マルチキャスト通信時には、BSから受信した(受信に成功した/受信に失敗した)データに対するフィードバック情報を送信する。フィードバック情報は、映像データの所定の部分に対する肯定応答(ACK)や否定応答(NACK)などである。また、フィードバック情報を送信するためのPUCCH割当て領域を算出する。
【0033】
情報処理部502は、マルチキャスト通信時には、BSからマルチキャスト送信されたデータの受信処理を行う。例えば、映像データを受信した場合は、タッチスクリーン306の表示部に映像を表示するための復号処理などを行う。また、情報処理部502は、生成したフィードバック情報を送信するためのPUCCH割当て領域を算出する。
【0034】
制御部503は、UE111全体の動作を統括して制御する。記憶部504は、通信制御部501、情報処理部502、制御部503が動作を行う際に利用される各種情報を記憶する。また、情報処理部502で生成されたチップセット情報を記憶する。
【0035】
<システムの動作>
図6~
図9を参照して、1つのBSから2つのUEへのマルチキャスト送信(映像送信)を行う場合の、各UEからBSにフィードバック情報を送信する手法について説明する。なお、
図6~
図8においては、2つのUEのみを示しているが、より多くのUEに対してマルチキャスト送信する場合にも適用可能である。なお、
図6~
図8においては、無線リソース制御(RRC)レイヤでの説明を行っているため、UEとBSとの間のシグナリングを示しているが、実際の映像データを送信する装置(配信サーバ)は、他の場所に存在し得る。例えば、CNを介して接続されたインターネット上の配信サーバであってもよいし、BSの近隣(ネットワークエッジ)に配置された配信サーバであってもよい。
【0036】
<マルチキャスト通信の開始時の処理>
図6は、マルチキャスト通信の開始時におけるシグナリング図である。すなわち、マルチキャスト通信(映像送信)のセットアップ処理から実際の映像送信が開始されるまでの期間のシグナリングを抜粋して図示している。ここでは、単一セルのポイントツーマルチポイント(SC-PTM)方式を例に記載している。なお、マルチキャスト送信前に、BSは、HARQ-ACKフィードバックを実施してマルチキャスト時の再送を可能とするかを判定する処理を行ってもよい。また、フィードバックを実施する場合に、ACK/NACKベースのフィードバックか、NACKのみによるフィードバックかをさらに選択しても良い。以下では、ACK/NACKベースのフィードバックを行うと判定した場合の処理について説明する。
【0037】
フィードバックを実施する場合には、BSは、マルチキャスト送信前に、各UEに対して、ユニキャストによりキー情報を送信する。キー情報は、フィードバック情報(ACK/NACK)を送信する際のPUCCHの割当先を決めるための、各UEに一意の情報である。
図6の例では、「MBMS_Interest_Indication_Response」メッセージ(既存のMBMS仕様には規定されていないメッセージであり他のメッセージ名であり得る)によりキー情報を送信する。
【0038】
シグナリング601では、BS101が、SC-MCCH_Information_AcquisitionメッセージをUE111(ここでは、UE111aとUE111b)に送信する。当該メッセージは、所与のマルチキャストグループに属する複数のUEに対してマルチキャストで送信される。これにより、各UEは、マルチキャストの受信に必要な制御情報を取得する。
【0039】
シグナリング602では、UE111が、MBMS_Interest_IndicationメッセージをBS101に送信する。なお、このメッセージは各UEから個別に送信されるため、
図6においては、UE111aから送信されるものをシグナリング602aと表記し、UE111bから送信されるものをシグナリング602bと表記している。これにより、各UEは、マルチキャストサービス(ここでは映像データの配信サービス)を受信したいことをBS101に通知する。このメッセージに含まれるのは、システム情報ブロック(SIB)に含まれる情報に対応した、受信したいマルチキャストサービスの周波数リストや帯域幅、サブキャリア間隔、受信したいサービスの優先度等である。
【0040】
シグナリング603では、BS101が、シグナリング602で受信したメッセージに対する応答メッセージをユニキャストで各UEに送信する。
図6においては、UE111aに送信するものをシグナリング603aと表記し、UE111bに送信するものをシグナリング603bと表記している。上述したように、ここでは、この応答メッセージをMBMS_Interest_Indication_Responseメッセージと呼んでいるが、他のメッセージ名であり得る。この応答メッセージには、各UEで互いに異なる「各UEに一意のキー情報」が含まれている。詳細は
図8を参照して後述するが、キー情報は、PUCCH領域の割当てで必要となるリソースID情報、送信タイミング情報等と関連している。1つのUEが複数のマルチキャストグループに属している場合にはグループごとに異なるキー情報を所有することも想定して、このキー情報はマルチキャストグループの識別情報(一時移動体グループ識別子(TMGI)あるいはG-RNTI)と対応付けるとよい。
【0041】
以上のシグナリングによりマルチキャスト通信(映像送信)のセットアップ処理が完了すると、実際の映像送信が開始される。シグナリング604では、BS101は、PDSCH(すなわちマルチキャスト送信)を介して1つ目(例えば最初の1パケット)の映像データを各UEに送信する。なお、
図8を参照して後述するように、各映像データの送信に関連して、BS101は、PDCCHを介してDCI(「各UEに共通の空き領域情報」)を各UEに送信する。シグナリング605では、UE111は、PUCCHを介してシグナリング604に対応するフィードバック情報(ACK/NACK)を送信する。すなわち、各UEは、映像データの受信・復号に成功したらACKを送信し、映像データの受信・復号に失敗したらNACKを送信する。
図6においては、UE111aから送信されるものをシグナリング605aと表記し、UE111bから送信されるものをシグナリング605bと表記している。
【0042】
<マルチキャスト通信中の処理>
図7は、マルチキャスト通信中におけるシグナリング図である。すなわち、実際の映像送信が開始された後の期間のシグナリングを抜粋して図示している。なお、シグナリング701および702は、
図6のシグナリング604および605に対応している。ただし、
図7では、各UEにおいて、映像データの受信・復号に成功したか失敗したかを例として明示している点が異なる。
【0043】
マルチキャスト送信中に一部のUEが映像データを受信できなかった場合、BSは、HARQ-ACKフィードバックを実施している場合は、ACK/NACKの情報を基に、NACKを送信したUEへの映像データの再送を行う。この時、映像データの再送はユニキャスト送信で個別に行ってもよいし、マルチキャスト送信で行ってもよい。全UEからACKが届いた場合、あるいは一部のUEからNACKが繰り返し受信された場合であっても一定回数の再送を送信した場合は、次の映像データを送信する。
【0044】
図7では、連続する3つの映像データをマルチキャストで送信する時のBSと各UEとの間のシグナリングを例示的に示している。
【0045】
シグナリング701では、BS101は、PDSCH(すなわちマルチキャスト送信)を介して1つ目(例えば最初の1パケット)の映像データを各UEに送信する。なお、上述したように、1つ目の映像データの送信に関連して、BS101は、PDCCHを介してDCIを各UEに送信する。
【0046】
シグナリング702では、UE111は、PUCCHを介してシグナリング701に対応するフィードバック情報(ACK/NACK)を送信する。ここでは、UE111aおよびUE111bの両方で映像データの受信・復号が成功しているため、UE111aはシグナリング702aでACKを含めたフィードバック情報を送信し、UE111bはシグナリング702bでACKを含めたフィードバック情報を送信している。なお、NACKのみによるフィードバックを適用している場合は、UE111aおよびUE111bは何れもフィードバック情報を送信しない
【0047】
シグナリング703では、BS101は、マルチキャストグループに属するUEからNACKを受信しなかったことを確認し、PDSCHを介して2つ目の映像データを各UEに送信する。なお、上述したように、2つ目の映像データの送信に関連して、BS101は、PDCCHを介してDCIを各UEに送信する。
【0048】
シグナリング704では、UE111は、PUCCHを介してシグナリング703に対応するフィードバック情報(ACK/NACK)を送信する。ここでは、UE111aは映像データの受信・復号に成功しているが、UE111bは映像データの受信・復号に失敗している。そのため、UE111aはシグナリング704aでACKを含めたフィードバック情報を送信し、UE111bはシグナリング704bでNACKを含めたフィードバック情報を送信している。なお、NACKのみによるフィードバックを適用している場合は、UE111bのみNACKを含めたフィードバック情報を送信する。
【0049】
シグナリング705では、BS101は、マルチキャストグループに属するUE111bからNACKを受信したことを確認し、2つ目の映像データの再送を行うことを決定する。そして、BS101は、PDSCHを介して2つ目の映像データを送信する。この時、再送手法がユニキャストの場合は、フィードバック情報よりNACKを返したUE111bに対してユニキャスト送信を行って良い。再送手法がマルチキャストの場合は、マルチキャストグループに属する全てのUEにマルチキャストを行って良い。ここでは、UE111aは、再送された2つ目の映像データを受信・復号しないことを想定するが、受信・復号するか否かは任意である。
【0050】
シグナリング706bでは、UE111bは、PUCCHを介してシグナリング705に対応するフィードバック情報(ACK/NACK)を送信する。ここでは、UE111bは映像データの受信・復号が成功しているため、UE111bはシグナリング706bでACKを含めたフィードバック情報を送信する。なお、NACKのみによるフィードバックを適用している場合は、UE111aおよびUE111bは何れもフィードバック情報を送信しない
【0051】
シグナリング707では、BS101は、マルチキャストグループに属するUEからNACKを受信しなかったことを確認し、PDSCHを介して3つ目の映像データを各UEに送信する。なお、シグナリング705~706bに関して指定の再送回数の上限に達した場合も、PDSCHを介して3つ目の映像データを各UEに送信する。なお、上述したように、3つ目の映像データの送信に関連して、BS101は、PDCCHを介してDCIを各UEに送信する。
【0052】
<フィードバック送信の具体例>
図6及び
図7では、マルチキャスト通信(映像送信)におけるシグナリングの概要について説明したが、
図8では、特に、UE111がフィードバック情報(ACK/NACK)を送信する際(すなわち、シグナリング702、704、706)の、当該フィードバック情報を送信するPUCCHの領域(時間/周波数リソース)の決定手法の詳細について説明する。
【0053】
図8は、マルチキャスト通信中のフィードバック送信に係る詳細シグナリング図である。なお、シグナリング801は
図6のシグナリング603に対応し、シグナリング802および803は
図7のシグナリング701に対応し、シグナリング804は
図7のシグナリング702に対応する。また、シグナリング805および806は
図7のシグナリング703に対応し、シグナリング807は
図7のシグナリング704に対応する。
【0054】
上述の通り、シグナリング801は、BS101が送信するMBMS_Interest_Indication_Responseメッセージであり、ユニキャストで各UEに個別に送信される。具体的には、MBMS_Interest_Indicationメッセージ(シグナリング602)を送信した各UEに対して、「各UEに一意のキー情報」(KeyX、KeyY)をユニキャストで送信する。
図8では、UE111aに対しては、KeyXを「xa」、KeyYを「ya」として送信している。また、UE111bに対しては、KeyXを「xb」、KeyYを「yb」として送信している。
【0055】
シグナリング802は、BS101がPDSCHを介してマルチキャストデータ(1つ目の映像データ)を送信する前に、BS101が当該マルチキャストデータに関連して送信するDCIである。ここでは、DCIをマルチキャストで各UEに送信することを想定するが、ユニキャストで各UEに送信する構成であってもよい。DCIには、PDSCHを介して送信するマルチキャストデータ(1つ目の映像データ)に対応するアップリンク制御情報(UCI)のPUCCHの割当先領域の情報が含まれる。この割当先領域は、「各UEに共通の空き領域情報」であり、「PUCCH_resource_indicator」および「PDSCH-to-HARQ_feedback_timing_indicator」の値は、各UEに対して共通(同一)となっている。
【0056】
図10は、ACK/NACKが配置されるPUCCH領域(以下では単にPUCCH領域と呼ぶ)を説明する図である。上述のPUCCH_Resource_Indicatorは、PUCCH領域内における空き領域の割当て位置を示す「Resource_set_ID」の値を指示するためのメッセージである。Resource_set_IDは、PUCCH領域内においてどの周波数位置に情報(ACK/NACK)を載せるかを示す「Starting_PRB」、PUCCH領域内においてどの時間位置(シンボル)に情報を載せるかを示す「Starting_Symbol」と紐づいている。すなわち、「Starting_PRB」および「Starting_Symbol」は、
図10における「(ACK/NACKが配置される)PUCCH領域」として示される領域内における位置(オフセット位置)を規定する。なお、Resource_set_IDに格納されている割当て情報はこの限りではない。
【0057】
一方、上述のPDSCH-to-HARQ_Feedback_timing_indicatorは、マルチキャストデータ(1つ目の映像データ)が配置されるPDSCH領域を含むスロットと、フィードバック情報が配置されるPUCCH領域を含むスロットと、の間の時間差を表す後述の「K1」の値が指定され得る(
図10)。
【0058】
シグナリング803は、BS101がPDSCHを介して各UEに送信する1つ目の映像データである。上述のように映像データはマルチキャストにより送信される。
【0059】
シグナリング804は、UE111がPUCCHを介して送信するフィードバック情報を含むUCIである。各UEは、PUCCHでUCIを送信する場合、シグナリング801で取得した「各UEに一意のキー情報」と、シグナリング802で取得した「各UEに共通の空き領域情報」と、を組み合わせることで、各UEで一意のPUCCH空き領域を決定する。
【0060】
例えば、UE111aは、シグナリング802で受信したPUCCH_resource_indicatrorの値「x」にシグナリング801aで受信したKeyXの値「xa」を足し合わせることで、Resource_set_IDを「x+xa」と決定する。また、シグナリング802で受信したPDSCH-to-HARQ_feedback_timing_indicatorの値「y」にシグナリング801aで受信したKeyYの値「ya」を足し合わせることで、PUCCHの送信タイミングを示すK1の値を「y+ya」と決定する。
【0061】
一方で、UE111bは、シグナリング802で受信したPUCCH_resource_indicatrorの値「x」にシグナリング801bで受信したKeyXの値「xb」を足し合わせることで、Resource_set_IDを「x+xb」と決定する。また、シグナリング802で受信したPDSCH-to-HARQ_feedback_timing_indicatorの値「y」にシグナリング801bで受信したKeyYの値「yb」を足し合わせることで、PUCCHの送信タイミングを示すK1の値を「y+yb」と決定する。
【0062】
このようにして、UE111aおよび111bは、シグナリング802において同一のDCIの情報(「各UEに共通の空き領域情報」)を受信する構成であっても、各UEにおいて異なるPUCCH領域(フィードバック情報を送信する領域)を決定することができる。
【0063】
なお、PUCCH領域(フィードバック情報を送信する領域)の決定の用いる上述のパラメータの値(「x」、「y」、「xa」、「xb」、「ya」、「yb」)は全てBS101に既知の値である。そのため、BS101は、各UEからPUCCH(フィードバック情報)を受信した場合、上述のパラメータの値に基づいて、それぞれのPUCCHがどのUEから送信されたものであるかを識別することが出来る。
【0064】
図9は、BSで保持される情報テーブル900の例を示す図である。ここでは、UE111aおよび111bの両方が、識別子「#1」で示されるマルチキャストグループに属していることを想定しており、各UEのKeyXおよびKeyYの値をテーブル形式で格納していることを示している。なお、識別子とは、TMGIあるいはG-RNTIなどである。
【0065】
BS101は、情報テーブル900と各映像データに対応するDCIの情報(「x」、「y」)を参照することで、それぞれのPUCCHがどのUEから送信されたものであるかを特定することが出来る。そのため、どのUEが、ACKまたはNACKを送信したかを特定することが出来る。そのため、データの再送にあたっては、BS101は、NACKを送信した各UEごとにチャネル品質(例えばMCS)を調整したユニキャスト送信を行うよう構成してもよい。
【0066】
<効果>
以上説明したように、第1実施形態によれば、BSは、マルチキャスト送信(映像データ送信)に先立って、当該マルチキャスト送信に参加する各UEに対してユニキャストで「各UEに一意のキー情報」を送信する。マルチキャスト送信中は、所定の時間期間ごとに、BSは各UEに対してマルチキャストで「各UEに共通の空き領域情報」を送信する。この構成により、マルチキャスト通信において、各UEから送信されるフィードバック情報の衝突を防止/低減可能となり、マルチキャストによるデータ伝送を円滑に行うことが可能となる。
【0067】
なお、現状の3GPP仕様では、PUCCH_resource_indicatorは3bit長、PDSCH-to-HARQ_feedback_timing_indicatorは3bit長である。そのため、マルチキャストグループに属するUE台数が数百台規模となり得ることも想定し、上述のパラメータのデータ長を4bit以上に拡張しても良い。
【0068】
また、PUCCHの全体の時間/周波数領域はPDSCHの時間/周波数領域はと比較すると小さい。そのため、マルチキャストに対応するPUCCHを各UEから送信した時に、UEの数が多いとPUCCH上に各UEのUCIを割当てきれない場合が想定される。この場合は、割当てきれないUCIをPUSCHの領域に割り当てても良い。
【0069】
なお、本発明により、例えば、より効率的な通信制御が可能になることから、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0070】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0071】
101 基地局(BS); 111 ユーザ装置(UE); 121 コアネットワーク(CN); 401 第1通信制御部; 402 第2通信制御部; 501 通信制御部; 502 情報処理部