(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129894
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/12 20230101AFI20240920BHJP
【FI】
G06Q40/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039267
(22)【出願日】2023-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】518319104
【氏名又は名称】株式会社LayerX
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(72)【発明者】
【氏名】榎本 悠介
(72)【発明者】
【氏名】福島 良典
(72)【発明者】
【氏名】成田 俊介
(72)【発明者】
【氏名】秋田 康男
(72)【発明者】
【氏名】飯沼 広基
【テーマコード(参考)】
5L040
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB63
5L055BB63
(57)【要約】
【課題】決済情報と稟議情報を対応付けることを可能とする。
【解決手段】購買対象の購買のための稟議情報を記憶する稟議情報記憶部と、クレジットカードを用いた決済の内容を示す決済情報を記憶する決済情報記憶部と、前記決済情報に対応する稟議情報を所定の条件ルールに基づいて探索し、探索した稟議情報を前記決済情報に対応付ける処理を行う対応付け処理部と、を備える、情報処理装置。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
購買対象の購買のための稟議情報を記憶する稟議情報記憶部と、
クレジットカードを用いた決済の内容を示す決済情報を記憶する決済情報記憶部と、
前記決済情報に対応する稟議情報を所定の条件ルールに基づいて探索し、探索した稟議情報を前記決済情報に対応付ける処理を行う対応付け処理部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記所定の条件ルールは、前記クレジットカードの利用報告を行う報告者、前記クレジットカードに設定されたカード名、取引内容、および当該利用報告で用いられた稟議情報を示す情報を含む、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記対応付け処理部は、今回の報告者、カード名、および利用報告対象の決済情報に含まれる取引内容が一致する過去の利用報告で用いられた稟議情報を、前記所定の条件ルールから探索し、今回の利用報告対象の前記決済情報に対応付ける、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記所定の条件ルールは、前記利用報告で用いられた稟議情報が現在有効であるか否かを示す情報をさらに含み、
前記対応付け処理部は、前記一致する過去の利用報告で用いられ、かつ、現在有効である稟議情報を、前記所定の条件ルールから探索し、今回の利用報告の対象である前記決済情報に対応付ける、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記対応付け処理部は、利用報告が行われる度に、必要に応じて前記所定の条件ルールの更新または新たな所定の条件ルールの作成を行う、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記所定の条件ルールは、前記クレジットカードに設定されたカード名、取引内容、一致条件、および対応付けられる稟議情報を示す情報を含む、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記一致条件は、前記所定の条件ルールに定められる取引内容と前記決済情報に含まれる取引内容とが一致する否か前記対応付け処理部により判断される際に用いられる条件である、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記取引内容は、前記クレジットカードを用いた決済が行われた店舗の名称である加盟店情報であり、
前記所定の条件ルールに含まれる前記取引内容は、一の加盟店に対して1以上の表記が登録されたマスターデータベースから取得される、請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記対応付け処理部は、利用報告の対象である前記決済情報における決済に用いられた前記クレジットカードに設定されたカード名が一致する前記所定の条件ルールのうち、前記決済情報に含まれる取引内容が当該所定の条件ルールで定められた一致条件で前記所定の条件ルールの取引内容と一致する場合に、当該所定の条件ルールで示される稟議情報を、前記利用報告の対象である前記決済情報に対応付ける、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記対応付け処理部は、ユーザによる前記決済情報への前記稟議情報の手動での対応付け結果に基づいて、新たに条件ルールを生成する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記情報処理装置は、
前記決済情報に対応付けられた前記稟議情報に含まれる購入予定金額の消化率を算出する算出部をさらに備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記情報処理装置は、
前記決済情報と、対応付けられた前記稟議情報を示す情報を表示画面に表示する制御を行う制御部をさらに備える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記稟議情報が自動で対応付けられたことを示す表示を前記表示画面に表示する制御を行う、請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記制御部は、前記決済情報に対応付けられた前記稟議情報に含まれる購入予定金額の消化率を前記表示画面に表示する制御を行う、請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記情報処理装置は、
カード名と、前記決済情報における取引内容と、前記取引内容の一致条件と、の組み合わせに、借方または貸方の取引先、勘定科目、補助科目、部門、品目、セグメント、プロジェクト、メモタグ、部門、および税区分の少なくともいずれかを含む仕訳内容が対応付けられた仕訳ルールを記憶する仕訳ルール記憶部と、
前記決済情報と決済に用いられたクレジットカードのカード名とに基づいて、前記仕訳ルールを用いて、前記決済情報に対する借方および貸方の少なくともいずれかの仕訳情報を出力する仕訳処理部と、
をさらに備える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記仕訳処理部は、前記決済情報の仕訳が切られると、返品処理による決済を除く前記決済情報の仕訳に基づいて前記仕訳ルールを新たに登録する、請求項15に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記クレジットカードには、前記クレジットカードの属性を示すタグ情報がさらに設定される、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項18】
プロセッサが、
購買対象の購買のための稟議情報を稟議情報記憶部に記憶することと、
クレジットカードを用いた決済の内容を示す決済情報を決済情報記憶部に記憶することと、
前記決済情報に対応する稟議情報を所定の条件ルールに基づいて探索し、探索した稟議情報を前記決済情報に対応付ける処理を行うことと、
を含む、情報処理方法。
【請求項19】
コンピューターを、
購買対象の購買のための稟議情報を記憶する稟議情報記憶部と、
クレジットカードを用いた決済の内容を示す決済情報を記憶する決済情報記憶部と、
前記決済情報に対応する稟議情報を所定の条件ルールに基づいて探索し、探索した稟議情報を前記決済情報に対応付ける処理を行う対応付け処理部と、
として機能させるための、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、クラウド上で会計処理を行うサービスが知られている。
【0003】
例えば、下記特許文献1では、出金情報と証憑テキスト情報とを突合して証憑に記載されている品目から適用されている税率を判定する装置が開示されている。
【0004】
また、下記特許文献2では、外部から取得した明細データに課税区分が含まれていない場合に、仕訳処理に必要な税区分を生成する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-9699号公報
【特許文献2】特開2021-163465号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、会計処理を行う際に、監査上、決済された内容と、購買のために予め申請および承認された稟議情報とを突き合せることが求められるが、決済された内容に対応付けるべき稟議情報を人的に探し出すことは煩雑であった。また、上記いずれの特許文献においても、稟議情報との対応付けについては考慮されていない。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、決済情報と稟議情報を対応付けることが可能な、新規かつ改良された情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、購買対象の購買のための稟議情報を記憶する稟議情報記憶部と、クレジットカードを用いた決済の内容を示す決済情報を記憶する決済情報記憶部と、前記決済情報に対応する稟議情報を所定の条件ルールに基づいて探索し、探索した稟議情報を前記決済情報に対応付ける処理を行う対応付け処理部と、を備える、情報処理装置が提供される。
【0009】
また、本開示によれば、プロセッサが、購買対象の購買のための稟議情報を稟議情報記憶部に記憶することと、クレジットカードを用いた決済の内容を示す決済情報を決済情報記憶部に記憶することと、前記決済情報に対応する稟議情報を所定の条件ルールに基づいて探索し、探索した稟議情報を前記決済情報に対応付ける処理を行うことと、を含む、情報処理方法が提供される。
【0010】
また、本開示によれば、コンピューターを、購買対象の購買のための稟議情報を記憶する稟議情報記憶部と、クレジットカードを用いた決済の内容を示す決済情報を記憶する決済情報記憶部と、前記決済情報に対応する稟議情報を所定の条件ルールに基づいて探索し、探索した稟議情報を前記決済情報に対応付ける処理を行う対応付け処理部と、として機能させるための、プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0011】
以上説明した本発明によれば、決済情報と稟議情報を対応付けることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態による会計支援システム100の構成を示す図である。
【
図2】本実施形態によるサーバ20の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】本実施形態による会計支援により実現される業務フローの一例について説明する図である。
【
図4】本実施形態による用途別カードの詳細情報を示す表示画面300の一例を示す図である。
【
図5】本実施形態による確定明細表示画面310および速報明細表示画面320を示す図である。
【
図6】本実施形態による購買申請表示画面330を示す図である。
【
図7】本実施形態によるカード明細情報(決済情報)と稟議情報との対応付け処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】本実施形態によるカード明細表示画面410を示す図である。
【
図9】本実施形態によるカード利用報告設定画面420の一例を示す図である。
【
図10】本実施形態による対応付けルール設定画面500を示す図である。
【
図11】本実施形態によるカード利用報告画面430を示す図である。
【
図12】購買申請の対応付け操作画面440を示す図である。
【
図13】本実施形態による購買申請選択場面における購買申請のサジェスト画面445を示す図である。
【
図14】本実施形態による購買申請のサジェストルールの設定画面520を示す図である。
【
図15】本実施形態によるカード明細の按分画面450を示す図である。
【
図16】本実施形態によるバリデーションありのカード利用報告画面460を示す図である。
【
図17】本実施形態によるカード明細を管理する管理者向けのカード明細表示画面470を示す図である。
【
図18】本実施形態によるカード明細の仕訳処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図19】本実施形態による仕訳ルール設定画面550を示す図である。
【
図20】本実施形態による確定明細表示画面600を示す図である。
【
図21】本実施形態によるカード明細事後報告設定画面610を示す図である。
【
図22】本実施形態による仕訳時の貸方設定画面615を示す図である。
【
図23】本実施形態による仕訳処理画面620を示す図である。
【
図24】本実施形態による仕訳処理の第1の具体例について説明する図である。
【
図25】本実施形態による仕訳処理の第1の具体例について説明する図である。
【
図26】本実施形態による仕訳処理の第2の具体例について説明する図である。
【
図27】本実施形態による仕訳処理の第2の具体例について説明する図である。
【
図28】本実施形態による仕訳処理の第3の具体例について説明する図である。
【
図29】本実施形態による仕訳処理の第3の具体例について説明する図である。
【
図30】本実施形態によるカード明細の仕訳ルール管理画面700を示す図である。
【
図31】本実施形態によるカード明細の仕訳ルールの詳細画面720を示す図である。
【
図32】本実施形態の変形例によるカード明細情報(決済情報)と稟議情報との対応付け処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図33】本実施形態の変形例による対応付けルールの一例を示す図である。
【
図34】本実施形態の変形例によるカード利用報告設定画面422の一例を示す図である。
【
図35】本実施形態によるサーバ20の例としての情報処理装置のハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0014】
また、以下に示す項目順序に従って当該「発明を実施するための形態」を説明する。
1.会計支援システム100の概要
2.サーバ20の構成
3.稟議情報との対応付け
(3-1.動作処理)
(3-2.カード明細表示画面)
(3-3.カードの報告設定画面)
(3-4.対応付けルール)
(3-5.カード利用報告画面)
(3-6.カード明細の按分)
(3-7.その他)
4.仕訳処理
(4-1.動作処理)
(4-2.仕訳ルール)
(4-3.表示画面例)
(4-4.仕訳処理の具体例)
(4-5.その他)
5.変形例
6.ハードウェア構成
7.補足
【0015】
<1.会計支援システム100の概要>
本発明の実施形態は、主に、クレジットカードを用いた決済の内容を示す決済情報と、購買対象の購買のための稟議情報とを対応付ける仕組み関する。
【0016】
会計処理では、監査上、決済された内容と、購買のために予め申請および承認された稟議情報とを突き合せることが求められる。本実施形態では、決済情報と稟議情報の対応付けを自動で行い、会計支援システムの利便性をより高めることを可能とする。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態による会計支援システム100(情報処理システムの一例)の構成を示す図である。
図1に示したように、会計支援システム100は、情報処理端末10とサーバ20を含む。情報処理端末10とサーバ20は、ネットワーク30を介してデータ通信可能に接続され得る。
【0018】
情報処理端末10は、会計支援システム100の利用者に操作される装置である。情報処理端末10は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブルデバイス、ノートPC、デスクトップPC等により実現される。情報処理端末10は、サーバ20とデータ通信を行い、各種会計処理の画面を表示したり、利用者による操作入力情報をサーバ20に送信したりする。会計支援システム100の利用者としては、例えば、稟議申請の担当者、カード所有者、およびコーポレート部門の経理担当者等が想定される。
【0019】
サーバ20は、本実施形態による各種会計支援処理を行い、処理結果を情報処理端末10に送信する機能を有する。例えば、サーバ20は、外部から取得した決済情報と、予め登録された稟議情報との対応付け処理を行い、対応付けの結果を情報処理端末10に送信する機能を有する。決済情報とは、クレジットカードを用いた決済の内容を示す情報であり、本明細書において、カード明細情報とも称する。情報処理端末10では、例えばカード明細情報の表示画面において、各カード明細情報(決済情報)と稟議情報との自動対応付け結果を表示する。これにより、ユーザ(カードの利用者、部門長、所定の担当者等)は、各カード明細情報(決済情報)に対応する稟議情報を目視で確認し、各カード明細情報について、カードの利用報告または監査等を行うことができる。
【0020】
以上、本実施形態に係る会計支援システム100の概要について説明した。続いて、本実施形態に係る会計支援システム100の機能を提供するサーバ20の具体的な構成について説明する。
【0021】
<2.サーバ20の構成>
図2は、本実施形態によるサーバ20の構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、サーバ20は、通信部210、制御部220、稟議情報DB230(稟議情報記憶部の一例)、カード情報DB240(決済情報記憶部の一例)、証憑情報DB250、対応付情報DB260、対応付けルールDB270、および仕訳DB280(仕訳ルール記憶部の一例)を有する。
【0022】
(通信部210)
通信部210は、ネットワーク30を介して、情報処理端末10とデータの送受信を行い得る。ネットワーク30に用いられる通信方式および回線の種類等は特に限定されない。例えば、ネットワーク30は、IP-VPN(Internet Protocol-Virtual Private Network)等の専用回線網で実現されてもよい。また、ネットワーク30は、インターネット、電話回線網、衛星通信網などの公衆回線網や、Ethernet(登録商標)を含む各種のLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等で実現されてもよい。さらに、ネットワーク30は、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の無線通信網で実現されてもよい。
【0023】
(制御部220)
制御部220は、例えば、CPU(Central Processing Unit)およびRAM(Random Access Memory)などのハードウェアを中心に構成されており、サーバ20の動作を全般的に制御する。
【0024】
制御部220は、各種会計支援処理を行う。各種会計支援処理には、例えば、経費精算処理(領収書データの保存、管理等)、請求書処理(請求書データの保存、管理等)、各種稟議の申請および承認を行うワークフローの管理、カード明細情報の管理、仕訳処理、各種会計ソフトとの連携等が含まれ得る。領収書データは、証憑情報の一例である。証憑情報は、領収書データの他、レシートデータ、請求書データ、納品書データ、および各種伝票データ等が含まれる。証憑情報は、利用者により情報処理端末10を用いてサーバ20に送信され、証憑情報DB250に格納され得る。また、稟議とは、物品の購入またはサービスの導入等について上長に申請して承認を得ることである。この際、上長に提出する書類として稟議書(稟議情報)が利用者により作成され得る。本実施形態による会計支援システム100では、利用者が作成した稟議情報が稟議情報DB230に格納され、利用者から上長への申請および上長による承認等が行われ得る。稟議情報の一例として、予め購買の予算枠を申請する購買申請(購買稟議とも称される)が挙げられる。また、仕訳処理とは、各カード明細情報(取引)について、勘定科目の分類および税区分の設定等を行うことである。
【0025】
また、制御部220は、用途別のクレジットカード(以下、用途別カードとも称する。)のWeb上での発行を行い得る(仮想カードの発行)。例えば、制御部220は、法人向け用途別カードとして、役員用、または事業部用等のクレジットカードのWeb上での発行を行う。用途別カードには、カード利用者権限およびカード利用の月間利用上限金額、1回あたりの決済上限金額、および期間指定無しの決済上限金額等が設定され得る。これにより、会社としては社員に対して安心してカードを利用させることができ、また、社員も小口現金を用いることなく、与えられた用途別カードにより備品および交通費等の支払いを行うことができ、経費支払いの利便性が向上する。他にも、毎月一定額の利用料を決済するサブスクリプションサービスへの決済について、対応する用途別カードの1ヶ月あたりの取引金額上限を設定することで、他の不正利用を防止し、社員によるカード利用の統制を取ることができる。なお、用途別カードは、Web上で発行される仮想カードに限られず、物理的に発行される物理カードであってもよい。また、制御部220は、各用途別カードのカード明細情報(決済情報)を管理し得る。各用途別カードのカード明細情報(決済情報)は、カード情報DB240に格納される。
【0026】
ここで、本実施形態による制御部220の会計支援により実現される業務フローについて
図3を参照して説明する。
図3は、本実施形態による会計支援により実現される業務フローの一例について説明する図である。
図3に示す業務フローは、経費による購買業務のフローである。
【0027】
図3に示すように、まず、担当者は購買申請を行い、コーポレート部門(主に経理部門)の人員(以下、経理担当者とも称する。)が購買申請に対して承認を行う。具体的には、担当者が情報処理端末10を用いて購買申請のデータ(稟議情報の一例)をサーバ20に送信し(S1)、経理担当者がコーポレート部門用端末(情報処理端末10の一例)により申請内容を確認して承認する(コーポレート部門用画面に表示される承認ボタンを押す等)(S2)。購買申請のデータ(稟議情報)は、稟議情報DB230に格納される。なお、経理担当者の前に、担当者が所属する部署の上長にも購買申請の承認を得るようにしてもよい。承認ルートは、本システムを導入する会社毎に任意に設計される。
【0028】
次いで、申請された購買に用いられる用途別カードの発行がまだ行われていなかった場合、制御部220により用途別カードの発行が行われる(S3)。用途別カードの発行は、購買申請(S1)の前に行われてもよい。用途別カードの発行権限は、コーポレート部門に与えられていてもよい。経理担当者は、コーポレート部門用端末から、サーバ20に対して用途別カードの発行を指示する。
【0029】
図4は、本実施形態による用途別カードの詳細情報を示す表示画面300の一例を示す図である。
図4の表示画面300では、用途別カードの詳細情報として、用途別カードの名称であるカード名302、カード番号、有効期限、セキュリティーコード、カード名義、ステータス、タグ304、月間利用金額、合計利用金額、利用制限設定(利用期間の設定)、利用状況通知設定、およびカード所有者等が表示されている。
【0030】
カード名302は、用途別カードに付与される名称であって、
図4に示した例では「事務ソフトa用」である。カード名302には、その他、「福利厚生、消耗品費」、「役員用」、「営業部交通費」、「SaaS利用料専用」、「広告費」、「A社サービス用」等、様々な名称が任意に設定され得る。このように、カード名302には、何に利用されるべきカードであるかを明示的に示す名称が設定されることが想定される。
【0031】
タグ304は、用途別カードに対して1以上設定される属性情報である。例えば、用途別カードを利用する部門(プロダクト部、事業部、マーケティング部、システム部等)を示すタグ、または、用途別カードの利用対象に関する情報(A社サービス、事務ソフトa、交通費、福利厚生等)を示すタグ等が設定される。カード名およびタグの設定は、経理担当者により行われてもよいし、カード所有者が行ってもよい。タグの設定は必ずしも行われなくともよい。
【0032】
また、
図4に示す例では、利用金額に関して「上限なし」と表示されているが、月間利用金額または合計利用金額の上限が設定されていてもよい。
【0033】
カード所有者306は、1または複数設定される。
図4に示した例では、カード所有者306に2人が設定されている。これにより、一の用途別カードを複数人が共有することも可能となり、経費支払いの利便性がさらに向上する。
【0034】
以上説明した用途別カードの詳細情報は、カード情報DB240に格納されてもよい。
【0035】
また、表示画面300の確定明細タブ308が選択されると、当該用途別カードの確定明細の一覧が表示され、利用速報タブ309が選択されると、当該用途別カードの速報明細の一覧が表示される。
【0036】
図3に戻り、カード所有者(購買申請の担当者(申請者)と同じであってもよいし異なってもよい)は、用途別カードのカード番号を確認し(S4)、通常のクレジットカードと同様に、決済システム提供会社(例えば、所謂国際ブランド)の加盟店(実店舗またはネットショップ)においてカード決済を行う(S5)。会計支援システム100には、決済が行われた加盟店から、決済システムを介して決済情報(カード明細情報)が通知される。決済情報は、カード情報DB240に格納されてもよい。このように、本実施形態では、カード所有者によるカード利用が想定される。また、このような自身所有のカードを利用したカード所有者を、以下、カード利用者と称する。
【0037】
次いで、カード利用者は、情報処理端末10を用いて、サーバ20から提供されるカード明細情報を確認し、カードの利用状況を確認する(S6)。決済システムを介して会計支援システム100に通知される決済情報には、利用した時点で通知される速報明細と、請求金額が確定してから通知される確定明細がある。
図4に示す確定明細タブ308が選択されると確定明細表示画面が表示され、利用速報タブ409が選択されると速報明細表示画面が表示される。なお、上述した購買申請に対する承認(S2)は、カード決済(S5)の後に行われる場合も想定される。
【0038】
図5は、本実施形態による確定明細表示画面310および速報明細表示画面320を示す図である。
図5に示すように、確定明細表示画面310では、例えば、利用日(すなわち用途別カードが利用された日)、明細作成日(すなわち確定日)、カード名、タグ(設定されている場合)、取引内容(すなわち、カードが利用された店舗の名称を示す加盟店情報)、ステータス(速報か確定か)、および金額(円貨、外貨、外貨種別)、メモ(報告メモ)等が表示される。速報明細表示画面320では、例えば、利用日(すなわち用途別カードを利用した日)、カード名、タグ(設定されている場合)、取引内容(加盟店情報であるが、確定時と文言が異なる場合がある)、ステータス(速報か確定か)、および金額(円貨、外貨、外貨種別)等が表示される。このような画面により、カード利用者は、各明細の内容、および利用されたカード名や属性(タグで示される)等を把握できる。なお、ステータスが速報から確定になる際、外貨決済の場合は為替レートの変動に対応して金額が変更となる場合がある。また、ステータスが速報から確定になる際、クリアリングが2回以上行われて明細が2つに分割される場合がある。
【0039】
図3に戻り、次いでカード利用者は、カード明細情報に対する購買申請の対応付けと、証憑添付を行う(S7)。カード明細情報に対する購買申請の対応付けとは、カード情報DB240に格納されるカード明細情報(決済情報)に対して、上記S1で申請、上記S2で承認され、稟議情報DB230に格納されている購買申請のデータ(稟議情報)を対応付けることである。対応付け結果は、対応付情報DB260に格納される。ここで、
図6に、本実施形態による購買申請表示画面330を示す。
図6に示すように、購買申請表示画面330では、申請内容(申請者、申請日時、申請元のチーム、承認期限)、ステータス(承認済か未承認か)、購買予定金額(予算枠)、および取引先情報等が表示される。なお、さらに当該購買申請の有効期限、または当該購買申請の有効無効情報が含まれていてもよい。また、購買申請には、カード明細情報の他、請求書支払いや立替支払い(経費精算)の情報が対応付けられていてもよい。本実施形態では、クレジットカード決済に対応する決済情報について主に説明するが、請求書支払いまたは社員の立替支払いに基づく経費精算も、広義の決済手段に含まれる。
図6に示すように、購買申請の予算枠(購買予定金額)に対して、現在の購買金額合計と、予算の消化率が明示される。
図6に示す例では、経費精算が対応付けられている。
【0040】
証憑回収では、カード利用者により領収書データ、請求書データ、またはレシートの撮像画像等の証憑情報が情報処理端末10を用いてサーバ20に送信され、証憑情報がカード明細情報に対応付けられる。
【0041】
図3に戻り、カード明細情報に対して経理担当者により仕訳が行われ(S8)、証憑情報が保管される(S9)。経理担当者は、コーポレート部門用端末に表示される仕訳画面上からカード明細情報に対して勘定科目の分類および税区分の設定等を行い得る。仕訳情報は、仕訳DB280に格納される。また、証憑情報は、証憑情報DB250に格納される。
【0042】
以上、制御部220による各種会計支援処理について説明した。ここで、カード明細情報に対する稟議情報の対応付けは、カード利用者等により手動で行われてもよいし、制御部220により、予め登録されたルールに従って自動で行うことも可能である。また、制御部220は、稟議情報の対応付け結果を学習して対応付けのルールを生成してもよい。また、カード明細情報に対する仕訳は、経理担当者等により手動で行われもよいし、制御部220により、予め登録されたルールに従って仕訳をサジェストすることも可能である。また、制御部220は、仕訳結果を学習して仕訳のルールを生成してもよい。以下、このような制御部220の機能について説明する。
【0043】
図2に示すように、本実施形態の制御部220は、対応付け処理部221、予算状態算出部222、および仕訳処理部223としても機能し得る。
【0044】
対応付け処理部221は、カード情報DB240に格納されるカード情報に含まれるカード明細情報と、稟議情報DB230に格納される稟議情報との対応付けを行う機能を有する。対応付け処理部221は、カード明細情報(決済情報)に対応する稟議情報を、対応付けルールDB270に記憶されている対応付けルール(所定の条件ルール)に基づいて、稟議情報DB230から探索し、探索した稟議情報をカード明細情報に対応付ける処理を行う。対応付け処理部221は、カード明細情報に対応付けられた稟議情報を示す情報を、対応付け結果(対応情報)として対応付情報DB260に格納する。カード明細情報に対応付けられた稟議情報を示す情報は、カード情報DB240にカード明細情報に対応付けて格納されてもよい。本実施形態対応付け結果をどのような形式でどこに格納するかは、特に限定しない。対応付け処理部221による対応付け処理の詳細については後述する。
【0045】
予算状態算出部222は、稟議情報(例えば購買申請)に含まれる予算枠(購買予定金額)の状態を算出する機能を有する。予算枠(購買予定金額)の状態とは、例えば、現在の購買金額合計、消化率(購買予定金額に対する現在の購買金額合計の割合)、および残高(購買予定金額から現在の購買金額合計を減算した額。利用可能額とも称される。)である。稟議情報には、1以上のカード明細情報が対応付けられ、予算状態算出部222は、各カード明細情報に含まれる決済額の合計を、現在の購買金額合計として算出してもよい。なお、稟議情報には、カード明細情報の他、請求書または経費精算のデータ(クレジットカード以外の決済手段による立替支払いの情報)が対応付けられてもよい。この場合、予算状態算出部222は、クレジットカード以外の決済手段における購買額も含めて、現在の購買金額合計を算出する。予算状態算出部222による算出結果は、稟議情報DB230に格納されてもよい。
【0046】
仕訳処理部223は、カード情報DB240に格納される各カード明細情報に対して、仕訳処理を行う。仕訳処理部223は、仕訳DB280に格納される仕訳ルールを用いて、自動で仕訳処理を行い得る。仕訳結果は、仕訳DB280に格納され得る。仕訳処理部223による仕訳処理の詳細については後述する。
【0047】
(DB:データベース)
本実施形態による各DB(稟議情報DB230、カード情報DB240、証憑情報DB250、対応付情報DB260、対応付けルールDB270、仕訳DB280)は、サーバ20が備える記憶部(不図示)に記憶され得る。記憶部は、ROM(Read Only Memory)およびRAM等から実現され、サーバ20の動作を制御するための制御プログラム等を格納する。
【0048】
稟議情報DB230には、稟議情報が格納される。カード情報DB240には、用途別カードの詳細情報(以下、カード詳細情報とも称する。)と、決済情報(カード明細情報)が格納される。証憑情報DB250には、証憑情報が格納される。対応付情報DB260には、カード明細情報に対応付けられた稟議情報を示す情報(例えばファイル名、識別情報、保存先のリンク等)が格納される。対応付けルールDB270には、対応付け処理部221でカード明細情報に対する稟議情報の対応付けを行う際に用いられる対応付けルールが格納される。仕訳DB280には、仕訳処理部223でカード明細情報に対する仕訳のサジェストを行う際に用いられる仕訳ルールおよび仕訳処理部223による仕訳結果が格納される。
【0049】
以上、本実施形態によるサーバ20の構成の一例について説明した。なお、本実施形態によるサーバ20の構成は、
図2に示す例に限定されない。例えば、サーバ20は、複数の装置により実現されてもよい。また、各DBは、他のサーバに設けられていてもよい。また、上述した用途別カードの発行処理は、サーバ20により行われてもよいし、会計支援システム100に含まれる他のサーバ(不図示)により行われてもよい。
【0050】
<3.稟議情報との対応付け>
続いて、サーバ20の対応付け処理部221によるカード明細情報(決済情報)と稟議情報との対応付けの詳細について説明する。
【0051】
(3-1.動作処理)
まず、
図7を参照して対応付け処理の流れについて説明する。
図7は、本実施形態によるカード明細情報(決済情報)と稟議情報との対応付け処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0052】
図7に示すように、まず、対応付け処理部221は、カード情報DB240から、用途別カードのカード明細情報およびカード詳細情報を取得する(ステップS103)。ここで、カード明細情報は、確定明細であってもよいし、速報明細であってもよい。
【0053】
次に、対応付け処理部221は、カード明細情報に対応する稟議情報を、対応付けルールDB270に格納される対応付けルール(所定の条件ルール)に基づいて、稟議情報DB230から探索する(ステップS106)。カード明細情報に対応する稟議情報とは、当該カード明細情報で示される購買対象の購買のために予め申請された稟議情報(購買申請)である。
【0054】
次いで、対応する稟議情報がある場合(ステップS109/Yes)、対応付け処理部221は、対応付け結果(対応付けられた稟議情報を示す情報)を対応付情報DB260に記憶する(ステップS112)。
【0055】
次に、対応付け処理部221は、カード明細表示画面において、カード明細情報と、当該カード明細情報に対応付けられた稟議情報を示す情報(例えば、稟議情報のファイル名)を表示する(ステップS115)。
【0056】
対応する稟議情報がない場合(ステップS109/No)、本処理は終了する。
【0057】
(3-2.カード明細表示画面)
続いて、カード明細表示画面におけるカード明細と稟議情報の対応付け表示について、
図8を参照して説明する。ここでは稟議情報の一例として購買申請を用いる。
【0058】
図8は、本実施形態によるカード明細表示画面410を示す図である。カード利用者は、カード明細表示画面410により、用途別カードのカード明細情報を確認できる。なお、一人が1以上の用途別カードのカード利用者(カードの利用権限を有する者)になる場合もあるため、
図8に示すように、複数の用途別カードのカード明細情報を一画面に表示することで、本システムの利便性がさらに向上する。カード明細表示画面410は、サーバ20の制御部220により提供され、情報処理端末10の表示部に表示され得る。また、カード利用者は、カードの利用権限を有する、すなわち所有しているカードによって決済する権限を有する者であるが、役職者等の場合、自身が利用したカードの稟議情報の対応付けや証憑添付を秘書等別の人に依頼することがある。このため、サーバ20は、カード決済の権限は有さないが、カード明細を閲覧する権限を持ち、カードについて証憑添付および稟議情報の対応付けを行える権限を適宜設定してもよい。
【0059】
図8に示すように、カード明細表示画面410には、カード明細情報(利用日時、カード名、タグ、取引内容(加盟店情報)、ステータス、金額)と、カード明細情報に対応付けられた購買申請および証憑情報とが表示される。このような画面により、カード利用者は、各明細の内容、および利用されたカード名や属性(タグで示される)等を把握できる。証憑情報は、カード利用者により手動にて対応付けられる。証憑情報の手動での対応付け、および変更操作は、カード明細表示画面410に表示される利用報告ボタン418が選択されて遷移するコーポレート部門へのカード利用報告を行うカード利用報告画面430(
図11参照)において行われ得る。なお、これに限らず、例えば、カード利用者が証憑情報追加アイコン411をタップすると、対応付ける証憑情報の選択画面またはアップロード画面等が表示されてもよい。また、カード利用者が証憑情報アイコン412をタップすると、対応付けられた証憑情報の表示画面が表示されてもよい。
【0060】
カード明細情報に対応付けられた購買申請の情報415は、例えば、ファイル名、ステータス(申請中か承認済か)、および購買申請の予算枠(購買予定金額)の消化率の表示を含む。消化率は、予算状態算出部222により算出される。
【0061】
購買申請は、カード利用者により手動で対応付けられてもよいし、対応付け処理部221により自動で対応付けられてもよい。自動で対応付けた場合、制御部220は、自動であることを明示する表示を行うことで、カード利用者に、自動対応付けであることを直感的に把握させることができる。
図8に示す例では、自動であることを明示する表示として、「AI(Artificial Intelligence)」と明記する表示416が表示される。カード利用者は、自動で対応付けられた購買申請を手動で変更することも可能である。また、購買申請の対応付けが必要にもかかわらず対応付けられていない場合、制御部220は、警告表示417を表示してもよい。購買申請の手動での対応付け、および変更操作は、利用報告ボタン418が選択されて遷移するコーポレート部門へのカード利用報告を行うカード利用報告画面430(
図11参照)において行われ得る。このようなカード利用報告を行うカード利用者を、以下、報告者とも称する。
【0062】
(3-3.カードの報告設定画面)
カード利用者(報告者)は、カード明細表示画面410でカード明細を確認し、必要に応じて購買申請および証憑情報を対応付けた上で、コーポレート部門にカードの利用報告を行う。カードの利用報告の際に購買申請が必要か否かは、本システムを利用する会社毎に任意に設定することが可能である。
図9は、本実施形態によるカード利用報告設定画面420の一例を示す図である。
図9に示すように、例えばカードの利用報告に購買申請が必要か否かは、購買額に応じて設定することが可能である。また、カードの利用報告に利用できる購買申請のステータスも任意に設定され得る。制御部220は、カードの利用報告設定に関する情報を記憶部に記憶する。なお、
図9では、購買申請の必須、任意、アラートの設定について説明したが、本実施形態はこれに限らず、さらにカード利用報告の際における証憑添付の必須、任意、アラートを設定できるようにしてもよい。
【0063】
(3-4.対応付けルール)
続いて、対応付け処理部221が対応付け処理を行う際に用いる対応付けルールについて、
図10を参照して説明する。
図10は、本実施形態による対応付けルール設定画面500を示す図である。
【0064】
図10の対応付けルール設定画面500に示すように、対応付けルールとして、カード名、取引内容(加盟店情報)、および一致条件が規定され、さらに規定された対応付けルールと一致する場合に対応付けられる購買申請のファイル名が登録されている。また、購買申請の対応付け要否も併せて登録されている。なお、購買申請の対応付け要否は、
図9を参照して説明したカード報告設定画面420でも設定されるが、制御部220は、対応付けルール設定画面500による登録内容を優先してもよい。
【0065】
対応付け処理部221は、カード明細情報の取引内容(加盟店情報)と、利用された用途別カードのカード名が、規定されたルールに一致する場合(具体的には、利用された用途別カードのルールのうち、取引内容の表記が一致する場合)、対応する購買申請を当該カード明細情報に対応付ける。取引内容の表記の一致判断は、一致条件に従って行われ得る。一致条件として、完全一致、部分一致、前方一致、および後方一致が挙げられる。例えば「一致条件:前方一致」の場合、対応付け処理部221は、ルールに規定される取引内容の表記における前方(先頭)の文言がカード明細情報の取引内容の表記と一致すれば一致と判断する。
【0066】
対応付け処理部221は、カード明細情報の取引内容(加盟店情報)が「AA社」で、利用された用途別カードのカード名が「Aa社用カード」の場合、
図10に示す一段目のルールが、カード名:Aa社用カードのルールであり、ルールに規定される取引内容の表記がカード明細情報の取引内容と完全一致するため、対応する購買申請「No.11 AA社購買申請」を、当該カード明細情報に対応付ける。対応付けルールは、例えば購買申請者が購買申請を行った際に、購買申請者が設定してもよい。また、対応付けルールは、例えば購買申請者、カード利用の報告者(カード所有者)、または経理担当者等により任意に編集または削除すること(メンテナンス)が可能である。
【0067】
また、対応付けルールは、報告者による初回の対応付け結果に基づいて対応付け処理部221により生成されてもよい。例えば、新規の購買申請の対応付けが手動で行われた場合、対応付け処理部221は、対応付けられたカード明細の取引内容(加盟店情報)と、当該カード明細が示す決済に用いられた用途別カードのカード名と、所定の一致条件(例えばデフォルトでは完全一致)のルールを、上記新規の購買申請が対応付けられるルールとして生成し、報告者に対して登録可否の判断を要求してもよい。報告者により当該ルールの登録が認められた場合、対応付け処理部221は、当該ルールの新たな対応付けルールとして対応付けルールDB270に格納する。このように、本実施形態では、手動による購買申請の対応付けの結果を学習して対応付けルールを新たに生成し、次に同様のカード明細が発生した際に、自動で購買申請を対応付けることが可能となる。これにより、特にサブスクリプションサービスの決済等、毎月発生する決済に対して報告者が毎回同じ購買申請の対応付けを手動で行う手間が省け、会計支援システムの利便性が向上する。
【0068】
なお、取引内容(加盟店情報)の表記方法が、速報明細の場合と確定明細の場合とで異なる場合がある。また、取引内容(加盟店情報)の表記方法が、速報明細では1種類(例えば英語表記)、確定明細では3種類(例えば英語表記、日本語表記(全角)、カナ表記(半角表記))ある場合がある。全ての表記方法について各々ルールを設定すると、ルールの見直しまたは点検といったメンテナンス作業負担が大きくなる。そこで、本実施形態では、対応付けルールに含まれる取引内容(加盟店情報)を、一の加盟店に対して一以上の表記が登録されたマスターデータベースから取得するよう設定してもよい。マスターデータベースの一例として、本システムを利用する各会社に共通して提供されるマスターデータベース(加盟店マスターと称する。)と、本システムを利用する会社別に提供されるマスターデータベース(費用マスターと称する。)が構築されてもよい。加盟店マスターは、本システムを提供するサービス提供者側が更新管理し、費用マスターは、本システムを利用する会社側が更新管理する。対応付け処理部221は、対応付けルールの取引内容が加盟店マスターまたは費用マスターと規定されている場合、対応するマスターデータベースから、1以上の表記を取得し、一致判断を行う。なお、対応付け処理部221は、カード名と取引内容の組み合わせが同じ対応付けルールがある場合、優先順位が高い方(例えば対応付けルール設定画面500において上段に表示されている方)から優先して対応付けルールを適用するようにしてもよい。
【0069】
(3-5.カード利用報告画面)
次いで、コーポレート部門へのカード利用報告を行うための画面であるカード利用報告画面について、
図11を参照して説明する。
図11は、本実施形態によるカード利用報告画面430(カード利用報告フォーム)を示す図である。上述した
図8に示すカード明細表示画面410において、カード利用者(報告者)が、利用報告するカード明細にチェックを入れた上で、利用報告ボタン418を選択すると、
図11に示すカード利用報告画面430に遷移する。
【0070】
カード利用報告画面430では、カード明細表示画面410でチェックが入れられたカード明細(例えば、第1のカード明細431および第2のカード明細435)が列挙され、各カード明細に対応付けられる購買申請の変更、または購買申請の対応付けの操作が可能となる。例えば、カード利用報告画面430に表示される第1のカード明細431には、対応付け処理部221により既に自動で購買申請が対応付けられており、対応付けられた購買申請のファイル名(No.123広告費の購買申請)が併記されている。かかるファイル名の記載にカーソルをホバーすると、「購買申請が自動で対応付けられました」等のメッセージが表示されてもよい。また、かかる購買申請の対応付けを変更したい場合、報告者は、購買申請の編集ボタン432を選択して変更することが可能である。
【0071】
また、金額欄の近くに表示されるカードアイコン433にカーソルをホバーすると、決済に利用した用途別カードのカード名が表示される。また、カード明細のステータス(速報か確定か)を示すアイコンも表示される。また、証憑情報アイコン434も表示される。また、カード利用報告画面430では、カード明細の内訳情報、内容およびメモ情報を、テキスト入力することが可能である。各種情報の表示方法および配置は一例であって、本実施形態は
図11に示す例に限定されない。
【0072】
また、カード利用報告の際に購買申請が必須または任意の場合、カード利用報告画面430に表示される第2のカード明細435の付近に、購買申請の対応付けアイコン436が表示される。購買申請が不要の場合、購買申請の対応付けアイコン436は表示されない。購買申請の対応付けアイコン436にカーソルをホバーすると、「購買申請の対応付けが必須です」等のメッセージが表示されてもよい。また、第2のカード明細435のステータスが速報であることを示す速報アイコン437にカーソルをホバーすると「金額が確定しておりません。実際の利用額が異なる場合があります。」等のメッセージが表示されてもよい。
【0073】
報告者は、購買申請の対応付けアイコン436を選択して、購買申請の対応付け操作を行い得る。
図12は、購買申請の対応付け操作画面440を示す図である。購買申請の対応付け操作画面440は、購買申請の対応付けアイコン436の選択に応じてカード利用報告画面430上に表示される。購買申請の対応付け操作画面440には、選択可能な購買申請が表示され、報告者は、対応付ける購買申請を選択する。
【0074】
なお、購買申請の選択場面において、本実施形態による制御部220は、対応付ける購買申請をサジェストすることも可能である。
図13は、本実施形態による購買申請選択場面における購買申請のサジェスト画面445を示す図である。購買申請のサジェスト画面445は、購買申請の対応付け操作画面440の一部として表示されてもよい。制御部220は、例えば、報告者が、過去に同じ用途別カードで似たような取引内容の購買(決済)を行っていた場合、その時に対応付けられた購買申請をサジェストする。似たような取引内容とは、少なくとも取引内容の表記の一部が一致している場合を想定する。また、購買申請の有効期限または有効フラグの設定がある場合、制御部220は、無効の購買申請はサジェストしないようにする。
【0075】
制御部220は、サジェストルールに基づいてサジェストする購買申請を決定してもよい。サジェストルールは、報告者が編集することが可能である。
図14は、本実施形態による購買申請のサジェストルールの設定画面520を示す図である。
図14に示すように、サジェストルールの設定画面520では、サジェストルールとして規定されるカード名、取引内容(加盟店情報)、および一致条件と、カード明細情報が当該サジェストルールに一致する際にサジェストする購買申請の決定方法が表示されている。制御部220は、稟議情報DB230に格納されている購買申請のうち、購買申請に含まれる取引先情報(
図6参照)の文言が、
図14に示す一致条件で一致する場合、サジェストする購買申請に決定する。サジェストする購買申請は、1以上であってもよい。
【0076】
例えば、カード明細情報の取引内容(加盟店情報)が「AA社」で、利用された用途別カードのカード名が「Aa社用カード」の場合、
図14に示す一段目のルールが、カード名:Aa社用カードのルールであり、ルールに規定される取引内容の表記がカード明細情報の取引内容と完全一致する。この場合、制御部220は、稟議情報DB230に格納されている購買申請のうち、購買申請に含まれる取引先情報(加盟店情報に対応)の文言の後方(末尾)が「Aa」の購買申請をサジェストする購買申請に決定し、報告者にサジェストする。
【0077】
サジェストルールは、報告者による購買申請の対応付け結果に基づいて制御部220により生成されてもよい。例えば、購買申請の対応付けが手動で行われた場合、制御部220は、対応付けられたカード明細の取引内容(加盟店情報)と、当該カード明細が示す決済に用いられた用途別カードのカード名と、所定の一致条件(例えばデフォルトでは完全一致)のルールを生成する。また、当該ルールを満たす場合にサジェストする購買申請の情報として、上記対応付けられた購買申請の取引先情報に含まれる文言を抽出する。制御部220は、生成したサジェストルールの登録可否の判断を報告者に要求してもよい。
【0078】
図11に戻り、報告者により報告ボタン438が選択されると、カード利用報告が、所定の報告先(例えばコーポレート部門)に対して行われる。具体的には、制御部220により、コーポレート部門の経理担当者が閲覧する画面に各報告者(カード利用者)からのカード利用報告を表示し、経理担当者による明細内容や購買申請の確認、および仕訳処理等が行えるようになる。
【0079】
(3-6.カード明細の按分)
本実施形態では、一のカード明細を按分(複数に分ける)し、それぞれ異なる購買申請を対応付けることも可能である。
図11に示すカード利用報告画面430では、カード明細の利用日付、支払先(加盟店名)、および金額は編集できないが、按分ボタン439が選択されカード明細が按分された場合は、金額の編集が可能となる。按分ボタン439が選択されると、画面上でカード明細が複数に分けられる。具体的には、カード明細の行のコピーが追加される。コピーされた行の金額はデフォルト0円で表示されてもよい。
【0080】
図15は、本実施形態によるカード明細の按分画面450を示す図である。
図15に示す按分画面450では、一のカード明細が、明細451aと明細451bに分けられ、金額が編集可能となっている。金額の編集後、按分された明細の合計金額が、元のカード明細の金額と異なっている場合、アラートが表示される。また、按分画面450に表示される各明細には、通し番号が付与されてもよい(
図15では不図示)。
【0081】
また、
図15に示すように、明細451aと明細451bにはそれぞれ異なる購買申請を対応付けることが可能である。按分前のカード明細に自動で購買申請が対応付けられていた場合、例えば按分後の明細451aに当該対応付けが維持され、明細451bに対しては報告者が手動で新たに他の購買申請を対応付けることが可能である。
【0082】
(3-7.その他)
図16は、本実施形態によるバリデーションありのカード利用報告画面460を示す図である。
図16の最下段に示すように、カード利用報告画面460では、「購買申請は必須です」のように、購買申請の対応付けが必須であること等の警告文が表示される。購買申請の対応付けの要否は、
図9を参照して説明したカード報告設定、または、
図10を参照して説明した購買申請の対応付け要否の設定に基づいて制御部220により検証される。
【0083】
図17は、本実施形態によるカード明細を管理する管理者向けのカード明細表示画面470を示す図である。カード明細表示画面470には、各用途別カードの各カード明細と、催促通知ボタン471、および利用報告ボタン472が表示されている。管理者は、未報告のカード明細にチェックを入れ、カード明細表示画面470に表示される催促通知ボタン471を選択することで、カード利用者に対して報告催促を出すことができる。また、管理者が購買申請または証憑情報等を対応付けて、利用報告ボタン472を選択して利用報告することも可能である。
【0084】
以上、本実施形態による購買申請の対応付けについて説明した。なお、各図に示す画面は一例であって、画面構成は図示した内容に限定されない。
【0085】
<4.仕訳処理>
次に、サーバ20の仕訳処理部223によるカード明細の仕訳処理の詳細について説明する。コーポレート部門の経理担当者は、各報告者(カード利用者)から報告されたカード明細(決済情報)に対して、コーポレート部門用端末(情報処理端末10の一例)を用いて、仕訳業務を行う。具体的には、経理担当者は、報告された各カード明細について、勘定科目の分類および税区分の設定等を行う。この際、本実施形態による仕訳処理部223は、仕訳業務の支援を行い得る。具体的には、仕訳処理部223は、コーポレート部門用端末で表示される仕訳処理画面において、カード明細情報に対して勘定科目の分類および税区分の設定等を自動入力する処理を行う。経理担当者は、自動入力された勘定科目の分類および税区分の設定等を目視で確認し、必要に応じて変更または追加を行い得る。これにより、毎回手動で勘定科目等を入力する場合に比べて、仕訳業務の負担が軽減される。また、仕訳処理画面では、カード情報DB240から読み出されたカード明細情報が表示されるため、経理担当者が別システムのカード管理画面等からコピーペーストする手間も省ける。
【0086】
(4-1.動作処理)
まず、
図18を参照して仕訳処理の流れについて説明する。
図18は、本実施形態によるカード明細の仕訳処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0087】
図18に示すように、まず、仕訳処理部223は、カード情報DB240から、用途別カードのカード明細情報およびカード詳細情報を取得する(ステップS203)。ここで、カード明細情報は、確定明細を想定する。
【0088】
次に、仕訳処理部223は、カード明細情報の仕訳情報として、デフォルトの貸方仕訳を設定する(ステップS206)。
【0089】
次いで、仕訳処理部223は、所定の仕訳ルールを適用し、仕訳処理画面(
図23参照)において表示するカード明細書情報の仕訳情報を取得する(ステップS209)。仕訳ルールは、予め仕訳DB280に格納されている。また、所定の仕訳ルールには、少なくとも借方の情報が含まれる。また、借方の情報には、取引先、勘定科目、補助科目、部門、品目、セグメント、プロジェクト、メモタグ、部門、および税区分の少なくともいずれかが含まれる。これにより、仕訳処理部223は、カード明細書情報の仕訳情報として、借方および貸方の仕訳内容を取得し得る。貸方は、上記デフォルト設定の内容であってもよいし、仕訳ルールから取得されてもよい。
【0090】
次に、仕訳処理部223は、対象のカード明細情報について、カード利用報告が行われている場合(ステップS212/Yes)、カード利用報告の内容で、仕訳情報を上書きする(ステップS215)。例えば、仕訳処理部223は、カード利用報告に含まれるタグで示される部門情報を仕訳情報の「部門」の項目に追加したり、カード利用報告に含まれるメモ情報を仕訳情報の「概要」に追加したりする。一方、対象のカード明細情報について、カード利用報告が行われていない場合(ステップS212/No)、ステップS218の処理に進む。
【0091】
次いで、仕訳処理部223は、仕訳情報を表示する(ステップS218)。具体的には、仕訳処理部223は、カード明細情報と仕訳情報を含む仕訳処理画面を生成し、情報処理端末10の表示部に表示させる。情報処理端末10では、ブラウザまたはアプリケーションの動作により、サーバ20から適宜表示画面情報を受信して表示部に表示する。経理担当者は、情報処理端末10により仕訳処理画面を閲覧し得る。経理担当者は、仕訳処理画面に表示される仕訳情報を目視にて確認し、適宜仕訳情報の追加または変更の操作入力を行い得る。仕訳処理画面の具体例については、
図23を参照して後述する。
【0092】
次に、カード利用報告の反映または経理担当者による操作入力により、仕訳情報の追加または変更があった場合(ステップS221/Yes)、仕訳処理部223は、適用した上記所定の仕訳ルールを適宜更新、または仕訳ルールの新規作成を行う(ステップS224)。このように、本実施形態による仕訳ルールは随時更新され、仕訳処理部223により提供される仕訳情報の精度が高まる。
【0093】
一方、経理担当者により仕訳情報の追加および変更のいずれもない場合(ステップS209/No)、本動作処理は終了する。
【0094】
(4-2.仕訳ルール)
本実施形態による仕訳ルールの具体例について、
図19を参照して説明する。
図19は、本実施形態による仕訳ルール設定画面550を示す図である。
【0095】
本実施形態では、
図19に示すように、カード名、取引内容、および一致条件の組み合わせ条件毎に、仕訳ルール(取引先、勘定科目、補助科目・タグ等、部門、税区分)が登録される。
図19に示すようにカード毎に登録される1以上の仕訳ルールは、カード単体ルールとも言える。また、カード毎に登録される1以上の仕訳ルールには、
図19に示すように、優先順位が付与される。また、仕訳ルールには、借方と貸方の仕訳内容(勘定科目、補助科目、部門、品目、セグメント、プロジェクト、メモタグ、部門、および税区分の少なくともいずれか)が含まれる。
【0096】
また、「一致条件」とは、組み合わせ条件の取引内容と、カード明細の取引内容とが一致するか否かを判断する際に用いられる条件であり、例えば、完全一致、部分一致、前方一致、および後方一致が挙げられる。例えば、一致条件が「部分一致」の場合、カード明細の取引内容(テキスト)の一部に、所定の組み合わせ条件の「取引内容」が含まれている場合、当該一致条件を満たすと判断される。
【0097】
仕訳ルールは、経理担当者等により任意に登録されてもよいし、後述するように、仕訳処理部223により仕訳結果を学習して新たに生成、登録されてもよい。なお、仕訳内容は特に限定しない。任意の会計ソフトとデータ連携することを考慮し、対象の会計ソフトに適した合った項目の仕訳パターンが設定されてもよい。
【0098】
また、一のカードに対して複数の仕訳ルールが登録される場合の各仕訳ルールの優先順位は、経理担当者等により手動で付与されてもよいし、仕訳処理部223が付与してもよい。例えば、経理担当者等は、各仕訳ルールの優先順位を、仕訳ルール設定画面550に表示される各仕訳ルールの列を上下ドラッグ操作により移動させることで直感的に修正し得る。この場合、仕訳ルール設定画面550において、一のカードに対して登録されている1以上の仕訳ルールのうち、列が上方に位置する仕訳ルールの優先度が、下方に位置する仕訳ルールの優先度より高くなる。また、ドラッグ移動に連動して、優先順位の表示も切り替えられる。また、一のカードに対して登録されている1以上の仕訳ルールのうち、特定の仕訳ルールの優先順位が修正されると、他の仕訳ルールの優先順位が自動で繰り下げられるようにしてもよい。
【0099】
なお、仕訳ルールの優先度は、
図19を参照して説明したような優先順位(1、2、3の順に優先度が高い)に関わらず、数値で表記されてもよい。仕訳処理部223は、各仕訳ルールに付与された数値が大きい方が、優先度が高いと認識する。
【0100】
また、「取引内容:Null」の仕訳ルールを、優先順位を下げて登録しておくことで、「取引内容がどのルールにも合致しない場合の用途別カードのデフォルト仕訳ルール」として利用できる。用途別カードに対して仕訳パターンが1つしかない場合は、カードのデフォルト仕訳ルールのみ登録するようにしてもよい。
【0101】
また、「カード名:Null」の仕訳ルール(カード横断ルール)を用意してもよい。例えば、「カード名:Null、取引内容:Gタクシー、一致条件:部分一致、優先順位:1、取引先:株式会社G、勘定科目:旅費交通費、税区分:10%」の仕訳ルールが登録されてもよい。この際、仕訳処理部223は、カード単位ルールをカード横断ルールに必ず優先するようにする。
【0102】
以上説明した仕訳ルールは、仕訳DB280に格納される。
【0103】
(4-3.表示画面例)
図20は、本実施形態による確定明細表示画面600を示す図である。経理担当者は、確定明細表示画面600に表示されるカード明細(確定明細)の編集ボタン602を選択し、カード明細の仕訳処理画面に遷移させることができる。確定明細のステータスには、「未処理」、「処理中」、「処理済」がある。仕訳前の状態が「未処理」であり、仕訳を行った後に「処理中」にカード明細を移すことで、仕訳が切られる。「処理中」に移されたカード明細は、例えば経理担当者の上長により確認され、任意の会計ソフトにデータ連携(カード明細および仕訳情報等の所定のデータ形式での出力)が行われると、ステータスは「処理済」となる。本実施形態では、経理担当者がカード明細を「未処理」から「処理中」に移す場合(すなわち、仕訳を切る場合)、当該カード明細についての事後報告(すなわち、カード利用者からのカードの利用報告)が「報告済」(カード利用者により利用報告済み)であることを条件に設定することも可能である。条件を満たさない場合、アラートが表示される。
図21は、本実施形態によるカード明細事後報告設定画面610を示す図である。
図21に示すように、カード明細事後報告設定の有効無効と、報告済でないカード明細を(仕訳の)処理中に移動できるか否か等が任意に設定され得る。
【0104】
また、経理担当者は、仕訳時の貸方(取引先を含む)のデフォルトを任意に編集することも可能である。
図22は、本実施形態による仕訳時の貸方設定画面615を示す図である。
図22に示すように、貸方設定画面615では、支払申請、経費精算(立替支払いの情報)、およびカードの種類といった決済手段ごとに、貸方の勘定科目、補助科目、部門、税区分、および取引先をデフォルト設定できる。
【0105】
図23は、本実施形態による仕訳処理画面620を示す図である。例えば上述した
図20の確定明細表示画面600に表示されるカード明細(確定明細)の編集ボタン602を選択すると、当該カード明細の仕訳処理画面620に画面遷移する。
図23に示すように、仕訳処理画面620の左側には、上段に「確定明細情報(カード明細情報の一例)」が表示され、中段に「明細に合致した(適用された)仕訳ルール」が表示され、下段に「仕訳」が表示される。また、仕訳処理画面620の右側には、カード利用者によるカードの利用報告(事後報告)の際に対応付けられた証憑情報が表示される。なお、事後報告では、購買申請が対応付けられ、仕訳処理画面620の右側に表示されてもよい。
【0106】
経理担当者は、適用された仕訳ルールを確認する。適用される仕訳ルールは、仕訳処理部223により、カード明細の取引内容およびカード名に基づいて、仕訳DB280から抽出される。また、
図23に示すように、仕訳ルールには、借方と貸方の仕訳内容が含まれる。
【0107】
経理担当者は、必要に応じて、仕訳ルールを再選択したり、仕訳ルールの編集を行ったりすることができる。仕訳ルールの再選択または編集は、再選択ボタン622または編集ボタン624を選択すると、仕訳ルール設定画面550(
図19参照)が表示され、仕訳ルールの再選択または編集が可能となる。また、経理担当者は、仕訳処理画面620の下段に表示される「仕訳」の内容を確認し、仕訳情報の変更または追加を適宜行う。
【0108】
仕訳処理が終了すると、経理担当者は、仕訳処理画面620の「処理中にする」ボタン626を選択し、当該カード明細(確定明細)を「処理中」に移す(所謂、仕訳を切る)ことができる。
【0109】
(4-4.仕訳処理の具体例)
続いて、仕訳処理部223による仕訳処理の具体例について
図24~
図29を参照して説明する。なお、仕訳ルールには、借方および貸方の仕訳内容が含まれ得る。下記で用いる
図24~
図29では、説明の都合上、仕訳ルールに借方のみを示すが、本実施形態はこれに限定されない。
【0110】
(第1の具体例)
図24および
図25は、本実施形態による仕訳処理の第1の具体例について説明する図である。まず、
図24の上段に示すカード明細が取得されると(S10)、仕訳処理部223は、
図24の中段に示す仕訳ルールを適用する(S11)。次いで、仕訳処理部223により、仕訳ルールを適用して仕訳のサジェストが行われる(S12)。仕訳のサジェストとは、
図23の仕訳処理画面620の下段における仕訳情報の表示である。
【0111】
次に、
図25の上段に示すように、仕訳処理部223は、事後報告(すなわちカード利用報告)の内容をサジェストした仕訳情報に反映させる(S13)。例えば、仕訳ルールでは「部門:マーケ部」であったが、事後報告では「A事業部」のタグである場合、仕訳処理部223は、仕訳情報の「部門:マーケ部」を「部門:A事業部」に変更する。また、仕訳処理部223は、事後報告に含まれるメモを、仕訳情報の概要欄の末尾に追加する。なお、これらは、経理担当者により手動で行われてもよい。
【0112】
このように、確定明細のステータスが「未処理」の場合はまだ仕訳が切られていないため、カード明細についての事後報告の内容が仕訳情報に反映される。なお、駐車料金の決済等、決済回数が非常に多くどの決済でも旅費交通費の名目であることが明らかな場合等、カードの利用報告(証憑の添付等)を待たずに先に仕訳を切る場合があるが、確定明細のステータスが「処理中」となった後に事後報告(カードの利用報告)があった場合は、仕訳が既に切られているため、事後報告の内容は仕訳情報に反映されない。
【0113】
次いで、
図25の中段に示すように経理担当者による仕訳情報の確認および登録が行われると(具体的には、確定明細のステータスが「処理中」に移行、すなわち仕訳が切られた場合)(S14)、仕訳処理部223は、
図25の下段に示すように仕訳ルールを更新する(S15)。ここでは、「部門:A事業部」に更新される。
【0114】
(第2の具体例)
図26および
図27は、本実施形態による仕訳処理の第2の具体例について説明する図である。まず、
図26の上段に示すカード明細が取得されると(S20)、仕訳処理部223は、
図26の中段に示す仕訳ルールを適用する(S21)。ここでは、取引内容が一致する仕訳ルールがなく、「取引内容:NULL」の仕訳ルールが適用される場合を想定する。次いで、仕訳処理部223により、仕訳ルールを適用して
図26の下段に示す仕訳のサジェストが行われる(S22)。
【0115】
次に、
図27の上段に示すように、仕訳処理部223は、事後報告の内容をサジェストした仕訳情報に反映させる(S23)。例えば、仕訳処理部223は、事後報告に含まれるメモを、仕訳情報の概要欄の末尾に追加する。
【0116】
次いで、
図27の中段に示すように、経理担当者による仕訳情報の確認および登録が行われる(S24)。この際、経理担当者により手動で「取引先:EE株式会社」が入力されてもよい。
【0117】
次に、仕訳処理部223は、
図27の下段に示す仕訳ルールを新規作成する(S25)。適用したNULLの仕訳ルールは維持したまま、仕訳処理部223は、取引内容有りのカード単位ルールを新規登録する。この際、仕訳処理部223は、ダイアログを表示して、経理担当者の承認を得た場合に登録するようにしてもよい。
【0118】
なお、返品の決済明細(以下、返品明細とも称する。)は通常の決済明細と異なり、マイナスの支出となるため、仕訳の借方と貸方が逆転する。このようなイレギュラーなカード明細(決済情報)に基づく仕訳ルールの自動生成は行わないようにすることで、仕訳ルールの精度を高めることができる。例えば、仕訳処理部223は、マイナスの金額が記録されている、すなわち返品処理による確定明細に基づく仕訳ルールは登録しないようにする。ただし、返品明細であっても意図的に登録することが望まれる場合もあるため、返品明細に基づく仕訳ルールの登録ができるようにしてもよい。
【0119】
例えば、制御部220は、
図23に示すような仕訳処理画面620において、「仕訳の保存時に仕訳ルールを自動登録する」という表記とチェックボックスを画面下端に表示し、プラスの金額の確定明細の場合はデフォルトで当該チェックボックスにチェックを入れ、マイナスの金額の確定明細(返品明細)の場合はデフォルトで当該チェックボックスにチェックを入れないようにする。返品明細の場合でも仕訳ルールを登録したい場合、経理担当者は、当該チェックボックスにチェックを入れることで、意図的に仕訳ルールの登録を行い得る。返品明細に基づいて登録されたルールは、マイナスの支出のため、借方と貸方が逆転した状態であるが、その後、同じカードと同じ取引内容の新たな決済明細(返品明細)に適用され得る。
【0120】
(第3の具体例)
図28および
図29は、本実施形態による仕訳処理の第3の具体例について説明する図である。まず、
図28の上段に示すカード明細が取得されると(S30)、仕訳処理部223は、
図28の中段に示す仕訳ルールを適用する(S31)。ここでは、カード名が一致するカード単位ルールがなく、「カード名:Null」で取引内容が「Gタクシー」で部分一致する仕訳ルールが適用される場合を想定する。「カード名:Null」の仕訳ルールは、カード横断ルールとも言える。次いで、仕訳処理部223により、仕訳ルールを適用して
図28の下段に示す仕訳のサジェストが行われる(S32)。
【0121】
次に、
図29の上段に示すように、仕訳処理部223は、事後報告(カード利用報告)の内容をサジェストした仕訳情報に反映させる(S33)。例えば、仕訳処理部223は、事後報告に含まれるタグで示される部門情報「営業部」を仕訳情報の「部門」に追加し、メモ「A社商談」を仕訳情報の概要欄の末尾に追加する。なお、これらは、経理担当者により手動で行われてもよい。
【0122】
次いで、
図29の中段に示したように経理担当者による仕訳情報の確認および登録が行われると(具体的には、処理中にカード明細を移行した、すなわち仕訳を切った場合)(S34)、仕訳処理部223は、
図29の下段に示すように仕訳ルールの更新または新規作成を行う(S35)。仕訳処理部223は、ダイアログを表示して、仕訳ルールの更新(S35a)または新規作成(S35b)を経理担当者に選択させるようにしてもよい。
【0123】
(4-5.その他)
図30は、本実施形態によるカード明細の仕訳ルール管理画面700を示す図である。
図30に示すような仕訳ルール管理画面700において経理担当者等により仕訳ルールの管理が行えるようにしてもよい。また、仕訳ルール管理画面700では、仕訳ルールをフィルタから選択して一括削除も可能である。また、仕訳ルール管理画面700では、CSVインポートで仕訳ルールを登録することも可能である。
【0124】
図31は、本実施形態によるカード明細の仕訳ルールの詳細画面720を示す図である。
図31に示すような仕訳ルールの詳細画面720において、仕訳ルールの編集ができるようにしてもよい。
【0125】
以上、本実施形態による仕訳処理について説明した。なお、各図に示す画面は一例であって、画面構成は図示した内容に限定されない。
【0126】
<5.変形例>
<<5-1.第1の変形例>>
続いて、本実施形態によるカード明細情報と稟議情報の対応付けの変形例について説明する。カード明細情報(決済情報)と稟議情報との対応付けの処理は
図7に示す例に限定されず、また、対応付けを行う際に用いられる対応付けルールは
図10に示す例に限定されない。本変形例では、過去のカード利用報告に利用された稟議情報を対応付けることで、対応付けの手間を省くことを可能とする。以下、図面を用いて具体的に説明する。
【0127】
まず、
図32を参照して対応付け処理の流れについて説明する。
図32は、本実施形態の変形例によるカード明細情報と稟議情報との対応付け処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0128】
図32に示すように、まず、対応付け処理部221は、カード情報DB240から、用途別カードのカード明細情報およびカード詳細情報を取得する(ステップS303)。カード明細情報は、確定明細であってもよいし、速報明細であってもよい。
【0129】
次に、対応付け処理部221は、対応付けルールDB270に格納される、本変形例による対応付けルール(所定の条件ルール)に基づいて、過去のカード利用報告、例えば前回のカード利用報告で利用された稟議情報(以下、前回利用稟議情報とも称する。)を探索する(ステップS306)。対応付け処理部221は、カード利用報告を行う報告者(カード利用者)、利用されたカードのカード名、およびカード明細情報に含まれる取引内容(加盟店情報)が全て一致する過去(例えば前回)のカード利用報告で利用され、かつ、有効状態の稟議情報を探索する。なお、「過去のカード利用報告」は前回には限られないが、本変形例の説明では、一例として、前回の利用報告、前回利用された稟議情報(前回利用稟議情報)を想定して説明する。
【0130】
ここで、
図33を参照して本変形例による対応付けルール(所定の条件ルールの一例)について説明する。
図33は、本実施形態の変形例による対応付けルールの一例を示す図である。
図33に示すように、本実施形態の変形例による対応付けルールは、カード利用報告の報告者、カード名、取引内容、(当該カード利用報告で)利用された稟議情報、および稟議情報の有効無効状態の情報を含む。有効無効状態とは、稟議情報が、現在、有効または無効のいずれの状態であるかを示す情報である。例えば、会計年度が過ぎていない場合、または稟議情報に設定された有効期限が過ぎていない場合等は、稟議情報の状態は有効となる。
【0131】
また、対応付け処理部221は、上述したように、報告者、カード名、および取引内容の全てが一致する前回のカード利用報告で利用された稟議情報を探索する。例えば、報告者BがAa社用カードを用いてAA社と取引した際の利用報告の場合、
図33の一列目に示すような、カード名と取引内容は一致するが報告者が異なる前回利用報告で利用された稟議情報(No.11 AA社購買申請)は、探索対象に該当しない。社内では異なる事業の費用として各々稟議が出ていることが想定され、Aさんが○○事業の費用としてAA社用の費用を決済した際の利用報告に用いた稟議情報が、Bさんが□□事業の費用としてAA社の費用を決済した際の利用報告に用いられるのは適切ではないためである。
【0132】
次いで、該当する稟議情報がある場合(ステップS309/Yes)、対応付け処理部221は、カード利用報告画面(
図11参照)において、前回利用された稟議情報を自動入力(対応付け)する(ステップS312)。カード利用報告画面では、報告するカード明細が列挙される。また、自動で入力された(対応付けられた)稟議情報のファイル名が併記される。これにより、報告者は、自動入力された稟議情報を目視で確認できる。なお、報告者は、カード利用報告画面において、自動入力された稟議情報を手動で修正することも可能である。対応付け結果は、対応付情報DB260に格納され得る。
【0133】
一方、該当する稟議情報がない場合(ステップS309/No)、稟議情報の自動入力は行われない。報告者は、例えばカード利用報告画面において購買申請の対応付けアイコン436(
図11参照)を選択して手動で稟議情報を入力し得る。
【0134】
次に、対応付け処理部221は、カード利用報告に基づいて、対応付けルールの更新、または新規作成を行う(ステップS315)。例えば、対応付け処理部221は、自動で対応付けた稟議情報が報告者により手動で修正された場合、適用された対応付けルールの稟議情報も修正(更新)する。また、対応付け処理部221は、該当する稟議情報がなかった場合(上記ステップS309で「No」)、報告者により手動で入力された稟議情報に基づいて、新たな対応付けルールを作成する。カード利用報告は、例えば、カード利用報告画面の報告ボタン438(
図11参照)が選択されることで行われる。対応付け処理部221は、カード利用報告が行われる度に、必要に応じて、稟議情報の対応付けルールの更新、または新規作成を行い得る。
【0135】
以上、報告者、カード名、および取引内容が一致する前回利用報告で用いられた稟議情報を、今回の利用報告に対応付ける対応付け処理について具体的に説明した。これにより、例えばサブスクリプションサービスの決済等、毎月発生する決済に対して報告者が毎回同じ購買申請の対応付けを手動で行う手間が省け、会計支援システムの利便性が向上する。
【0136】
なお、変形例による対応付け処理においても、対応付けルールに含まれる取引内容(加盟店情報)を、上述した加盟店マスターまたは費用マスターから取得するよう設定してもよい。
【0137】
<<5-2.第2の変形例>>
次に、カードの報告設定画面の変形例について、
図34を参照して説明する。
図34は、本実施形態の変形例によるカード利用報告設定画面422の一例を示す図である。
【0138】
図34に示すカード利用報告設定画面422において、カードの利用報告における購買申請の必須有無(例えば必須/任意/アラート)と証憑添付の必須有無(例えば必須/任意/アラート)を、対象カード、取引内容との一致条件、取引内容、および決済金額に応じて設定することができる。カードの利用報告における購買申請の有無および証憑添付の有無は、本システムを利用する会社において任意に設定することが可能である。
【0139】
例えば、
図34の1列目では、「事業部_部門経費用カード」を利用した場合、取引内容に関わらず、決済金額が10,000円以上の場合には、カード利用報告において購買申請と証憑添付ファイがいずれも「任意」であると設定されている。また、例えば
図34の5列目では、「○○部_広告費用カード」を利用した場合、取引内容が「KKKK社」と部分一致し、決済金額が10,000円以上の場合には、カード利用報告において購買申請が「必須」で、証憑添付ファイが「任意」であると設定されている。
【0140】
以上、カードの報告設定画面の変形例について説明した。なお、
図34に示す設定画面は一例であって、本実施形態はこれに限定されない。カードの利用報告における購買申請の有無および証憑添付の有無を判断するための条件は様々考えられ、例えば決済金額が必ずしも含まれていなくともよい。
【0141】
<6.ハードウェア構成>
図35は、本実施形態によるサーバ20の例としての情報処理装置900のハードウェア構成を示す図である。なお、情報処理端末10のハードウェア構成も、
図35に示された情報処理装置900のハードウェア構成と同様に実現されてよい。
【0142】
図35に示すように、情報処理装置900は、CPU(Central Processing Unit)901と、ROM(Read Only Memory)902と、RAM(Random Access Memory)903と、ホストバス904と、ブリッジ905と、外部バス906と、インタフェース907と、入力装置908と、出力装置909と、ストレージ装置910と、通信装置911と、を備える。
【0143】
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、各種プログラムに従って情報処理装置900内の動作全般を制御する。また、CPU901は、マイクロプロセッサであってもよい。ROM902は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM903は、CPU901の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。これらはCPUバス等から構成されるホストバス904により相互に接続されている。
【0144】
ホストバス904は、ブリッジ905を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バス等の外部バス906に接続されている。なお、必ずしもホストバス904、ブリッジ905および外部バス906を分離構成する必要はなく、1つのバスにこれらの機能を実装してもよい。
【0145】
入力装置908は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、スイッチおよびレバー等、利用者が情報を入力するための入力手段と、利用者による入力に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路等から構成されている。情報処理装置900を操作する利用者は、この入力装置908を操作することにより、情報処理装置900に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
【0146】
出力装置909は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置、ランプ等の表示装置およびスピーカー等の音声出力装置を含む。
【0147】
ストレージ装置910は、データ格納用の装置である。ストレージ装置910は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置および記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置等を含んでもよい。ストレージ装置910は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)で構成される。このストレージ装置910は、ハードディスクを駆動し、CPU901が実行するプログラムや各種データを格納する。
【0148】
通信装置911は、例えば、ネットワークに接続するための通信デバイス等で構成された通信インタフェースである。また、通信装置911は、無線通信または有線通信のどちらに対応してもよい。
【0149】
以上、本発明の実施形態に係る情報処理装置900のハードウェア構成例について説明した。
【0150】
<7.補足>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0151】
例えば、本明細書のサーバ20の処理における各ステップは、必ずしもシーケンス図またはフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、サーバ20の処理における各ステップは、フローチャートとして記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
【0152】
また、サーバ20または情報処理端末10に内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアに、サーバ20または情報処理端末10の各構成と同等の機能を発揮させるための1以上のコンピュータプログラムも作成可能である。また、該1以上のコンピュータプログラムが記憶された非一時的な記憶媒体も提供される。
【符号の説明】
【0153】
100 会計支援システム
10 情報処理端末
20 サーバ
210 通信部
220 制御部
221 対応付け処理部
222 予算状態算出部
223 仕訳処理部
230 稟議情報DB
240 カード情報DB
250 証憑情報DB
260 対応付情報DB
270 対応付けルールDB
280 仕訳DB