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特開2024-129899入出金装置、入出金方法および入出金プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129899
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】入出金装置、入出金方法および入出金プログラム
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/34 20190101AFI20240920BHJP
   G07D 11/24 20190101ALI20240920BHJP
【FI】
G07D11/34
G07D11/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039275
(22)【出願日】2023-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002918
【氏名又は名称】弁理士法人扶桑国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 翔太
(72)【発明者】
【氏名】須田 広史
【テーマコード(参考)】
3E141
【Fターム(参考)】
3E141AA01
3E141AA08
3E141BA06
3E141CA12
3E141CA16
(57)【要約】
【課題】現金を用いた業務を効率化することができる。
【解決手段】入出金装置10は、出金部11と処理部12とを有する。出金部11は、現金を出金する。処理部12は、ユーザから出金量の入力を受け付けると、ユーザが第1期間に出金した第1出金量が第1閾値以下の場合、出金部に現金を出金させる。処理部12は、ユーザが第2期間に出金した第2出金量に基づいて、第1閾値を更新する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
現金を出金する出金部と、
ユーザから出金量の入力を受け付けると、前記ユーザが第1期間に出金した第1出金量が第1閾値以下の場合、前記出金部に前記現金を出金させ、前記ユーザが第2期間に出金した第2出金量に基づいて、前記第1閾値を更新する処理部と、
を有する入出金装置。
【請求項2】
前記処理部は、前記ユーザから前記出金量と金種との入力を受け付けると、前記ユーザが前記第1期間に前記金種を出金した前記第1出金量が前記第1閾値以下の場合、前記出金部に前記金種の前記現金を出金させ、前記ユーザが前記第2期間に前記金種を出金した前記第2出金量に基づいて、前記第1閾値を更新する、
請求項1記載の入出金装置。
【請求項3】
前記処理部は、前記第1出金量が前記第1閾値以下かつ前記出金量が第2閾値以下の場合、前記出金部に前記現金を出金させる、
請求項1記載の入出金装置。
【請求項4】
前記処理部は、前記第1出金量が前記ユーザの担当の地域に応じた補正値で補正された前記第1閾値以下の場合、前記出金部に前記現金を出金させる、
請求項1記載の入出金装置。
【請求項5】
前記処理部は、前記ユーザが前記地域を担当した第3期間に出金した第3出金量に基づいて、前記補正値を更新する、
請求項4記載の入出金装置。
【請求項6】
前記出金量は、貨幣を出金する量や出金回数で構成されることを特徴とする、
請求項1記載の入出金装置。
【請求項7】
前記処理部は、前記ユーザから前記出金量と前記金種との入力を受け付けると、前記ユーザが前記第1期間に前記金種を出金した前記第1出金量のうち出金回数が前記第1閾値を超える場合、出金回数オーバーを表示することを特徴とする、
請求項2記載の入出金装置。
【請求項8】
前記処理部は、前記ユーザから前記出金量と前記金種との入力を受け付けると、前記ユーザが前記第1期間に前記金種を出金した前記第1出金量のうち貨幣を出金する量が前記第1閾値を超える場合、出金額オーバーを表示することを特徴とする、
請求項2記載の入出金装置。
【請求項9】
入出金装置が、
ユーザから出金量の入力を受け付けると、前記ユーザが第1期間に出金した第1出金量が第1閾値以下の場合、現金を出金する出金部に前記現金を出金させ、
前記ユーザが第2期間に出金した第2出金量に基づいて、前記第1閾値を更新する、
入出金方法。
【請求項10】
入出金装置に、
ユーザから出金量の入力を受け付けると、前記ユーザが第1期間に出金した第1出金量が第1閾値以下の場合、現金を出金する出金部に前記現金を出金させ、
前記ユーザが第2期間に出金した第2出金量に基づいて、前記第1閾値を更新する、
処理を実行させる入出金プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入出金装置、入出金方法および入出金プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
宅配業者等の業務で現金を用いる営業所には入出金装置が設置される。入出金装置は、例えば、金種と、出金額または出金枚数とを入力されると、入力された金種の現金を入力された出金額または出金枚数だけ出金する。
【0003】
入出金装置に関する技術としては、例えば、メニュー画面を見ることで利用者が出金できないことを容易に認識することができるようにし、無駄な操作を行わずに済むようにする現金処理装置が提案されている。また、例えば、貨幣に係る処理を行う第1の装置と、貨幣の入出金を行う第2の装置とを効率良く連携させるとともに、貨幣に係る情報を効率良く管理する貨幣管理システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-084180号公報
【特許文献2】特開2021-9506号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複数の利用者が利用する入出金装置では、先に利用した利用者が過剰に現金を出金すると、当該利用者が出金した金種が入出金装置内に無くなってしまうことがある。すると、後に利用する利用者が出金できなくなり業務に支障が発生してしまう。
【0006】
1つの側面では、本件は、現金を用いた業務を効率化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの案では、出金部と処理部とを有する入出金装置が提供される。出金部は、現金を出金する。処理部は、ユーザから出金量の入力を受け付けると、ユーザが第1期間に出金した第1出金量が第1閾値以下の場合、出金部に現金を出金させ、ユーザが第2期間に出金した第2出金量に基づいて、第1閾値を更新する。
【発明の効果】
【0008】
1態様によれば、現金を用いた業務を効率化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施の形態に係る入出金装置の一例を示す図である。
図2】第2の実施の形態に係る入出金システムの一例を示す図である。
図3】入出金装置のハードウェアの一構成例を示す図である。
図4】入出金装置の機能例を示すブロック図である。
図5】地域テーブルの一例を示す図である。
図6】出金回数に関する閾値テーブルの一例を示す図である。
図7】累計出金額に関する閾値テーブルの一例を示す図である。
図8】1出金当たりの出金額に関する閾値テーブルの一例を示す図である。
図9】従業員ごとの出金回数のログテーブルの一例を示す図である。
図10】地域ごとの出金回数のログテーブルの一例を示す図である。
図11】従業員ごとの出金額のログテーブルの一例を示す図である。
図12】規定テーブルの一例を示す図である。
図13】出金制御処理の手順の一例を示すフローチャート(その1)である。
図14】出金制御処理の手順の一例を示すフローチャート(その2)である。
図15】閾値調整処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施の形態について図面を参照して説明する。なお各実施の形態は、矛盾のない範囲で複数の実施の形態を組み合わせて実施することができる。
〔第1の実施の形態〕
まず、第1の実施の形態について説明する。
【0011】
図1は、第1の実施の形態に係る入出金装置の一例を示す図である。第1の実施の形態は、入出金装置10が現金を出金するものである。
入出金装置10は、現金を保管可能であり、保管した現金の出金をする装置である。入出金装置10は、例えば、現金を用いた業務をする営業所に設置された入出金装置である。入出金装置10は、出金部11と処理部12とを有する。出金部11は、現金を出金する装置である。出金部11は、貨幣を処理する処理ユニットであり、例えば、硬貨を処理する硬貨処理ユニットや紙幣を処理する紙幣処理ユニットである。処理部12は、入出金装置10を制御し、所要の処理を実行可能である。処理部12は、例えば、入出金装置10が有するプロセッサまたは演算回路である。
【0012】
処理部12は、ユーザから出金量と金種との入力を受け付ける。金種は、貨幣の種類であり、例えば、一万円札、五千円札、千円札、五百円硬貨、百円硬貨、五十円硬貨、十円硬貨、五円硬貨、一円硬貨等である。出金量は、金種を出金する量であり、例えば、枚数や金額で指定される。例えば、処理部12は、ユーザを識別する番号の入力を受け付けると、出金量と金種とを入力する画面をディスプレイに表示させる。そして、処理部12は、表示された画面におけるタッチパネルからの出金量と金種との入力を、入力された番号で示されるユーザによる出金量と金種との入力として受け付ける。
【0013】
処理部12は、ユーザから出金量と金種との入力を受け付けると、第1出金量と第1閾値とを比較する。第1出金量は、ユーザが第1期間に入力された金種を出金した量である。例えば、第1出金量は、入力された金種についてユーザが当日に出金済みの累計金額に、入力された金額を加算したものである。また、例えば、第1出金量は、ユーザの当日の出金回数である。第1閾値は、第1期間にユーザが出金できる上限を示す閾値である。
【0014】
処理部12は、第1出金量が第1閾値以下の場合、出金部11に入力された金種の現金を出金させる。例えば、処理部12は、出金部11に、入力された金種の紙幣を、当該紙幣のカセットから入力された金額だけ出金させる。また、例えば、処理部12は、出金部11に、入力された金種の硬貨を、当該硬貨のホルダから入力された金額だけ出金させる。
【0015】
また、処理部12は、ユーザが第2期間に金種を出金した第2出金量に基づいて、第1閾値を更新する。第1閾値の更新は、例えば、入出金装置10が設置された営業所の業務終了時に行われる。例えば、処理部12は、直近所定期間のユーザの1日の金種の出金額を記録したログテーブルを参照する。そして、処理部12は、直近所定期間でユーザが第1閾値だけ出金している日が所定日数以上の場合、第1閾値を所定の増加量だけ増加させる。また、処理部12は、直近所定期間でユーザが第1閾値だけ出金している日が所定日数未満の場合、直近所定期間でユーザが1日に出金した最大値を第1閾値に設定する。
【0016】
第1の実施の形態によれば、入出金装置10の出金部11は、現金を出金する。入出金装置10の処理部12は、ユーザから出金量の入力を受け付けると、ユーザが第1期間に出金した第1出金量が第1閾値以下の場合、出金部11に現金を出金させる。そして、処理部12は、ユーザが第2期間に出金した第2出金量に基づいて、第1閾値を更新する。
【0017】
このように、入出金装置10は、先に利用したユーザが過剰に現金を出金することで入出金装置10内の現金がなくならないよう、ユーザの第1閾値を超える出金を制限する。また、入出金装置10は、各ユーザの使用実績から、各ユーザが使用する分だけ現金を出金できるよう第1閾値を調整する。これにより、入出金装置10は、ユーザが業務に用いる現金を出金できなくなることを防止できる。よって、入出金装置10は、現金を用いた業務を効率化することができる。
【0018】
また、処理部12は、ユーザから出金量と金種との入力を受け付けると、ユーザが第1期間に金種を出金した第1出金量が第1閾値以下の場合、出金部11に金種の現金を出金させ、ユーザが第2期間に金種を出金した第2出金量に基づいて、第1閾値を更新する。これにより、入出金装置10は、ユーザに金種ごとに適切な出金量で現金を出金させることができる。
【0019】
なお、処理部12は、第1出金量が第1閾値以下かつ出金量が第2閾値以下の場合、出金部11に現金を出金させてもよい。これにより、入出金装置10は、ユーザが1回の出金で過剰に現金を出金しないよう制限することができる。
【0020】
また、処理部12は、第1出金量がユーザの担当の地域に応じた補正値で補正された第1閾値以下の場合、出金部11に現金を出金させてもよい。これにより、入出金装置10は、宅配業者等の担当地域によって現金を使用する量に差があるユーザそれぞれに対して、現金を出金できる上限を適切に設定することができる。
【0021】
また、処理部12は、ユーザが地域を担当した第3期間に出金した第3出金量に基づいて、補正値を更新してもよい。これにより、入出金装置10は、各地域を担当したユーザの現金の使用実績から、地域ごとの補正値を適切に設定できる。
【0022】
また、出金量は、貨幣を出金する量や出金回数で構成されてもよい。これにより、入出金装置10は、ユーザによる過剰な量や回数の出金を防止することができる。
また、処理部12は、ユーザから出金量と金種との入力を受け付けると、ユーザが第1期間に金種を出金した第1出金量のうち出金回数が第1閾値を超える場合、出金回数オーバーを表示してもよい。これにより、入出金装置10は、出金回数が過剰であることをユーザに通知できる。
【0023】
また、処理部12は、ユーザから出金量と金種との入力を受け付けると、ユーザが第1期間に金種を出金した第1出金量のうち貨幣を出金する量が第1閾値を超える場合、出金額オーバーを表示してもよい。これにより、入出金装置10は、出金額が過剰であることをユーザに通知できる。
【0024】
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は、配送業者の営業所において入出金装置が現金を管理するものである。
【0025】
図2は、第2の実施の形態に係る入出金システムの一例を示す図である。第2の実施の形態の入出金システムは、入出金装置100、営業PC(Personal Computer)200および業務管理サーバ300を有する。営業PC200および業務管理サーバ300は、ネットワーク40に接続されている。ネットワーク40は、例えば、インターネット等の広域ネットワークである。
【0026】
入出金装置100および営業PC200は、営業所30-1に設置されている。営業所30-1は、宅配業者の営業所である。なお、営業所30-1と同様の営業所30-2,・・・があり、各営業所の営業PCは、ネットワーク40に接続されている。入出金装置100および営業PC200は、例えば、営業所30-1のLAN(Local Area Network)を介して接続される。
【0027】
入出金装置100は、営業所30-1の現金を管理する入出金装置である。入出金装置100は、営業所30-1の従業員が着払いや代引きの配送時に釣銭として用いる各金種(例えば、千円札、五百円硬貨、百円硬貨、五十円硬貨、十円硬貨、五円硬貨および一円硬貨)が格納されている。入出金装置100は、従業員から金種および出金額の入力を受け付ける。入出金装置100は、入力された金種を従業員が1日に出金した出金額が金種ごとに設定された閾値以下である場合、入力された金種を入力された金額だけ出金する。なお、入出金装置100は、出金する金種の金額ではなく出金する金種の枚数の入力を受け付けてもよい。
【0028】
また、入出金装置100は、営業所30-1の営業終了時に、各従業員の1日の出金履歴をログテーブルに記録する。そして、入出金装置100は、ログテーブルに基づいて各従業員の閾値を調整する。
【0029】
営業PC200は、入出金装置100の入出金状況を管理するコンピュータである。営業PC200は、例えば、営業所30-1の営業終了時に、入出金装置100の入出金状況を業務管理サーバ300に送信する。業務管理サーバ300は、営業所30-1,30-2,・・・の各営業所の営業PCから、各営業所の入出金装置の入出金状況を収集する。
【0030】
図3は、入出金装置のハードウェアの一構成例を示す図である。入出金装置100は、プロセッサ101によって装置全体が制御されている。プロセッサ101には、バス111を介してメモリ102と複数の周辺機器が接続されている。プロセッサ101は、マルチプロセッサであってもよい。プロセッサ101は、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、またはDSP(Digital Signal Processor)である。プロセッサ101がプログラムを実行することで実現する機能の少なくとも一部を、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)などの電子回路で実現してもよい。
【0031】
メモリ102は、入出金装置100の主記憶装置として使用される。メモリ102には、プロセッサ101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、メモリ102には、プロセッサ101による処理に利用する各種データが格納される。メモリ102としては、例えばRAM(Random Access Memory)などの揮発性の半導体記憶装置が使用される。
【0032】
バス111に接続されている周辺機器としては、ストレージ装置103、ネットワークインタフェース104、ディスプレイ105およびタッチパネル106がある。またバス111に接続されている周辺機器としては、硬貨処理ユニット107、紙幣処理ユニット108、印刷ユニット109および機器接続インタフェース110がある。
【0033】
ストレージ装置103は、内蔵した記録媒体に対して、電気的または磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。ストレージ装置103は、入出金装置100の補助記憶装置として使用される。ストレージ装置103には、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および取引履歴情報などを含む各種データが格納される。なお、ストレージ装置103としては、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)を使用することができる。
【0034】
ネットワークインタフェース104は、ネットワーク50に接続されている。ネットワークインタフェース104は、ネットワーク50を介して、他のコンピュータとの間でデータの送受信を行う。
【0035】
ディスプレイ105は、プロセッサ101からの命令に従って、各種情報を画面表示する。ディスプレイ105としては、有機EL(Electro Luminescence)を用いた表示装置や液晶表示装置などがある。
【0036】
タッチパネル106は、ディスプレイ105の前面に配置される。タッチパネル106は、ユーザの指が接触あるいは接近した画面上の位置を検出し、プロセッサ101に通知する。
【0037】
硬貨処理ユニット107は、プロセッサ101の指示に従って硬貨の入出金と、硬貨の出入口の扉の開閉とを制御する。紙幣処理ユニット108は、プロセッサ101の指示に従って紙幣の入出金と、紙幣の出入口の扉の開閉とを制御する。紙幣処理ユニット108は、紙幣の種別および記番号を読み取る機能を備える。
【0038】
印刷ユニット109は、プロセッサ101からの命令に従って、紙に文字や図形を印刷する。例えば、印刷ユニット109は、プロセッサ101からの命令に従って締め処理データを示すレシートを印刷する。
【0039】
機器接続インタフェース110は、可搬型記録媒体41からデータを読み込みまたは、可搬型記録媒体41にデータを書き込むことができる。可搬型記録媒体41は、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)やCD(Compact Disc)などの記録媒体である。
【0040】
なお、第1の実施の形態に示した入出金装置10も、図3に示した入出金装置100と同様のハードウェアにより実現することができる。またプロセッサ101は、第1の実施の形態に示した処理部12の一例である。また、硬貨処理ユニット107および紙幣処理ユニット108は、第1の実施の形態に示した出金部11の一例である。
【0041】
入出金装置100は、例えばコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムを実行することにより、第2の実施の形態の処理機能を実現する。入出金装置100に実行させる処理内容を記述したプログラムは、様々な記録媒体に記録しておくことができる。例えば、入出金装置100に実行させるプログラムを、ストレージ装置103に格納しておくことができる。プロセッサ101は、ストレージ装置103内のプログラムの少なくとも一部をメモリ102にロードし、プログラムを実行する。また入出金装置100に実行させるプログラムを、可搬型記録媒体41に記録しておくこともできる。可搬型記録媒体41に格納されたプログラムは、例えばプロセッサ101からの制御により、ストレージ装置103にインストールされた後、実行可能となる。またプロセッサ101が、可搬型記録媒体41から直接プログラムを読み出して実行することもできる。次に、入出金装置100の機能について詳細に説明する。
【0042】
図4は、入出金装置の機能例を示すブロック図である。入出金装置100は、記憶部120、操作受付部130、判定部140および調整部150を有する。記憶部120は、メモリ102またはストレージ装置103の記憶領域を用いて実現される。操作受付部130、判定部140および調整部150は、メモリ102に記憶されたプログラムをプロセッサ101が実行することで実現される。
【0043】
記憶部120は、地域テーブル121、閾値テーブル122,123,124、ログテーブル125,126,127および規定テーブル128を記憶する。地域テーブル121は、営業所30-1の各従業員が配送を担当する担当地域を示すテーブルである。閾値テーブル122は、各従業員の当日の出金回数と、各従業員が1日に出金できる出金回数の閾値とを示すテーブルである。閾値テーブル123は、各従業員の当日の各金種の累計出金額と、各従業員が1日に出金できる各金種の累計出金額の閾値とを示すテーブルである。閾値テーブル124は、各従業員が1回で出金できる各金種の出金額の閾値を示すテーブルである。
【0044】
ログテーブル125は、各従業員の1日の出金回数を記録したテーブルである。ログテーブル126は、各地域を担当した従業員の1日の出金回数を記録したテーブルである。ログテーブル127は、各従業員の1日の金種ごとの出金額を記録したテーブルである。規定テーブル128は、閾値の更新の規定を示すテーブルである。
【0045】
操作受付部130は、入出金装置100を操作する従業員からの操作を受け付ける。操作受付部130は、従業員を識別する従業員番号の入力を受け付ける。例えば、操作受付部130は、従業員番号の入力画面をディスプレイ105に表示させ、表示された画面においてタッチパネル106から従業員番号の入力を受け付ける。
【0046】
操作受付部130は、金種および金額の入力を受け付ける。例えば、操作受付部130は、金種の選択画面をディスプレイ105に表示させ、表示された画面においてタッチパネル106から金種の選択を受け付ける。また、例えば、操作受付部130は、入力された金種を出金する金額の入力画面をディスプレイ105に表示させ、表示された画面においてタッチパネル106から金額の入力を受け付ける。
【0047】
また、操作受付部130は、判定部140が出金をすると判定した場合、入力された金種を入力された金額だけ出金する。例えば、操作受付部130は、硬貨処理ユニット107に、入力された金種の硬貨ホルダから入力された金額だけ出金させる。また、例えば、操作受付部130は、紙幣処理ユニット108に、入力された金種の紙幣カセットから入力された金額だけ出金させる。
【0048】
判定部140は、入出金装置100を操作する従業員の出金回数および出金額が閾値以下であるか否かを判定する。例えば、判定部140は、閾値テーブル122を参照し、操作受付部130が入力を受け付けた従業員番号に対応する出金回数閾値と出金回数とを特定する。そして、判定部140は、特定した出金回数に1を加算した回数が特定した出金回数閾値以下であるか否かを判定する。
【0049】
また、例えば、判定部140は、閾値テーブル123を参照し、操作受付部130が入力を受け付けた従業員番号に対応する、操作受付部130が入力を受け付けた金種の累計出金額閾値と累計出金額とを特定する。判定部140は、地域テーブル121を参照し、操作受付部130が入力を受け付けた従業員番号に対応する担当地域を特定する。判定部140は、特定した担当地域に対応付けられた補正値を、特定した累計出金額閾値にかけて補正する。そして、判定部140は、特定した累計出金額に操作受付部130が入力を受け付けた金額を加算した金額が、補正した累計出金額閾値以下であるか否かを判定する。
【0050】
また、例えば、判定部140は、閾値テーブル124を参照し、操作受付部130が入力を受け付けた従業員番号に対応する、操作受付部130が入力を受け付けた金種の1出金の出金額閾値を特定する。そして、判定部140は、操作受付部130が入力を受け付けた金額が特定した1出金の出金額閾値以下であるか否かを判定する。
【0051】
判定部140は、出金回数、累計出金額および1出金の出金額が全て閾値以下である場合、出金をすると判定する。また、判定部140は、出金回数、累計出金額および1出金の出金額のいずれかが閾値より大きい場合、出金をしないと判定し、出金できないことを示す画面をディスプレイ105に表示させる。
【0052】
調整部150は、各従業員の出金状況を記録し、記録した出金状況に応じて閾値を更新する。調整部150は、操作受付部130が出金をすると、出金した従業員についての出金した金種の累計出金額に出金した金額を加算する。例えば、調整部150は、閾値テーブル123の出金した従業員の従業員番号に対応する、出金した金種の累計出金額に出金した金額を加算する。また、調整部150は、出金した従業員についての出金回数を更新する。例えば、調整部150は、閾値テーブル122の出金した従業員の従業員番号に対応する出金回数に1を加算する。
【0053】
また、調整部150は、営業所30-1の業務が終了すると、ログテーブル125,126,127に当日の出金状況を記録し、閾値を更新する。調整部150は、従業員ごとの出金記録をログテーブル125,127に記録する。例えば、調整部150は、閾値テーブル122に記録した各従業員の出金回数を、ログテーブル125に記録する。また、例えば、調整部150は、地域ごとの出金記録をログテーブル126に記録する。ここで、調整部150は、地域テーブル121を参照し、各従業員の担当地域を特定し、閾値テーブル122に記録した各従業員の出金回数を地域ごとに平均してログテーブル126に記録する。また、例えば、調整部150は、閾値テーブル123に記録した各従業員の金種ごとの出金額を、ログテーブル127に金種ごとに記録する。
【0054】
調整部150は、ログテーブル125,126,127および規定テーブル128に基づいて、閾値を更新する。調整部150は、出金回数が閾値に達した日数が所定期間に規定日数以上である従業員の、出金回数閾値を増加させる。例えば、調整部150は、ログテーブル125の各従業員の直近の所定期間の出金回数として、閾値テーブル122に設定された各従業員に対応する出金回数閾値が設定された数をカウントする。調整部150は、カウントした数が、規定テーブル128に所定期間に対応づけて設定された日数以上の場合、閾値テーブル122の該当する従業員の出金回数閾値に、規定テーブル128に設定された増加量を加算する。
【0055】
また、調整部150は、金種ごとの累計出金額が閾値以上の日数が所定期間に規定日数以上である従業員の該当する金種についての累計出金額閾値を増加させる。例えば、調整部150は、ログテーブル127の各従業員の直近の所定期間の各金種の出金額として、閾値テーブル123に設定された各従業員に対応する金種ごとの累計出金額閾値以上の値が設定された数をカウントする。調整部150は、カウントした数が、規定テーブル128に所定期間に対応づけて設定された日数以上の場合、閾値テーブル123の該当する従業員の該当する金種の累計出金額閾値に、規定テーブル128に設定された増加量を加算する。
【0056】
また、調整部150は、ログテーブル126に基づいて、地域ごとの累計出金額閾値の補正値を更新する。調整部150は、担当した従業員の出金回数の平均値が所定回以上となった日数が所定期間に所定日数以上である地域の補正値を、累計出金額閾値を増加する値に設定する。例えば、調整部150は、ログテーブル126の各地域に対応する直近の所定期間の出金回数として、所定回以上の回数が設定された数をカウントする。調整部150は、カウントした数が所定日数以上の場合、該当する地域の補正値を累計出金額閾値を増加する値に設定する。
【0057】
なお、図4に示した各要素間を接続する線は通信経路の一部を示すものであり、図示した通信経路以外の通信経路も設定可能である。次に、記憶部120に記憶される情報について詳細に説明する。
【0058】
図5は、地域テーブルの一例を示す図である。地域テーブル121は、営業所30-1の各従業員が配送を担当する担当地域を示すテーブルである。地域テーブル121は、従業員番号および担当地域の項目を有する。従業員番号の項目には、従業員を識別する従業員番号が設定される。担当地域の項目には、対応する従業員番号の従業員が配送を担当する担当地域が設定される。例えば、担当地域の項目には、営業所30-1の営業開始時に各従業員が当日配送を担当する担当地域が設定される。
【0059】
図6は、出金回数に関する閾値テーブルの一例を示す図である。閾値テーブル122は、各従業員が1日に出金できる出金回数の閾値を示すテーブルである。閾値テーブル122は、従業員番号、出金回数閾値および出金回数の項目を有する。従業員番号の項目には、従業員番号が設定される。出金回数閾値の項目には、対応する従業員番号の従業員が1日に出金できる出金回数閾値が設定される。出金回数の項目には、対応する従業員番号の従業員が当日に出金した出金回数が設定される。
【0060】
図7は、累計出金額に関する閾値テーブルの一例を示す図である。閾値テーブル123は、各従業員が1日に出金できる各金種の累計出金額の閾値を示すテーブルである。閾値テーブル123は、従業員番号、累計出金額閾値および累計出金額の項目を有する。従業員番号の項目には、従業員番号が設定される。
【0061】
累計出金額閾値の項目は、釣銭として用いられる各金種の項目(千円札、五百円硬貨、百円硬貨、五十円硬貨、十円硬貨、五円硬貨および一円硬貨の項目)を有する。累計出金額閾値の項目の、釣銭として用いられる各金種の項目には、対応する従業員番号の従業員が各金種を1日に出金できる累計出金額閾値が設定される。累計出金額の項目は、釣銭として用いられる各金種の項目を有する。累計出金額の項目の、釣銭として用いられる各金種の項目には、対応する従業員番号の従業員が各金種を当日に出金した出金額が設定される。
【0062】
図8は、1出金当たりの出金額に関する閾値テーブルの一例を示す図である。閾値テーブル124は、各従業員が1回で出金できる各金種の出金額の閾値を示すテーブルである。閾値テーブル124は、従業員番号および1出金の出金額閾値の項目を有する。従業員番号の項目には、従業員番号が設定される。1出金の出金額閾値の項目は、釣銭として用いられる各金種の項目を有する。1出金の出金額閾値の項目の、釣銭として用いられる各金種の項目には、対応する従業員番号の従業員が各金種を1回の出金で出金できる出金額の閾値が設定される。
【0063】
図9は、従業員ごとの出金回数のログテーブルの一例を示す図である。ログテーブル125は、各従業員の1日の出金回数を記録したテーブルである。ログテーブル125は、従業員番号および各月の出金回数の項目(1月の出金回数、・・・、12月の出金回数の項目)を有する。従業員番号の項目には、従業員番号が設定される。各月の出金回数の項目は、それぞれの月に含まれる各日にちの項目を有する。各月の出金回数の項目の各日にちの項目には、対応する従業員番号の従業員が該当する日に出金した出金回数が設定される。
【0064】
図10は、地域ごとの出金回数のログテーブルの一例を示す図である。ログテーブル126は、各地域を担当した従業員の1日の出金回数を記録したテーブルである。ログテーブル126は、地域および各月の出金回数の項目を有する。地域の項目には、従業員が配送を担当する担当地域が設定される。各月の出金回数の項目は、それぞれの月に含まれる各日にちの項目を有する。各月の出金回数の項目の各日にちの項目には、対応する地域を担当した各従業員が該当する日に出金した出金回数の平均値が設定される。なお、各月の出金回数の項目の各日にちの項目には、対応する地域を担当した各従業員が該当する日に出金した出金回数の最大値や最小値等が設定されてもよい。
【0065】
図11は、従業員ごとの出金額のログテーブルの一例を示す図である。ログテーブル127は、各従業員の1日の金種ごとの出金額を記録したテーブルである。ログテーブル127は、従業員番号および各月の出金額の項目(1月の出金額、・・・、12月の出金額の項目)を有する。従業員番号の項目には、従業員番号が設定される。各月の出金額の項目は、それぞれの月に含まれる各日にちの項目を有する。各月の出金回数の項目の各日にちの項目には、釣銭として用いられる各金種の項目(千、五百、百、五十、十、五および一の項目)を有する。累計出金額閾値の項目の、釣銭として用いられる各金種の項目には、対応する従業員番号の従業員が該当する日に出金した各金種の出金額が設定される。
【0066】
図12は、規定テーブルの一例を示す図である。規定テーブル128は、閾値の更新の規定を示すテーブルである。規定テーブル128は、出金回数閾値増加規定、累計出金額閾値増加規定、地域補正および累計出金額閾値に対する1出金の出金額閾値の割合の項目を有する。
【0067】
出金回数閾値増加規定の項目は、規定日数および増加値の項目を有する。規定日数の項目および増加値の項目は、それぞれ各期間の項目(一週間、半月および一月の項目)を有する。規定日数の項目の各期間の項目には、日数が設定される。増加値の項目の各期間の項目には、対応する期間に、規定日数の項目の対応する期間の項目に設定された日数だけ出金回数が閾値に達していた場合の、出金回数閾値の増加値が設定される。
【0068】
累計出金額閾値増加規定の項目は、規定日数および増加値の項目を有する。規定日数の項目および増加値の項目は、それぞれ各期間の項目を有する。規定日数の項目の各期間の項目には、日数が設定される。増加値の項目の各期間の項目には、対応する期間に、規定日数の項目の対応する期間の項目に設定された日数だけ出金額が閾値以上の日があった場合の、累計出金額閾値の増加値が設定される。
【0069】
地域補正の項目は、各地域(地域A、地域Bおよび地域C)の項目を有する。地域補正の項目の各地域の項目には、従業員が各地域を担当する場合の累計出金額閾値の補正値が設定される。累計出金額閾値に対する1出金の出金額閾値の割合の項目には、1出金の出金額閾値を設定するときの累計出金額閾値に対する割合が設定される。以下、入出金装置100が実行する処理について詳細に説明する。
【0070】
図13は、出金制御処理の手順の一例を示すフローチャート(その1)である。以下、図13に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS11]操作受付部130は、従業員番号の入力があったか否かを判定する。例えば、操作受付部130は、従業員番号の入力画面をディスプレイ105に表示させ、表示された画面においてタッチパネル106から従業員番号の入力を受け付けた場合、従業員番号の入力があったと判定する。操作受付部130は、従業員番号の入力があったと判定した場合、処理をステップS17に進める。また、操作受付部130は、従業員番号の入力がなかったと判定した場合、処理をステップS12に進める。
【0071】
[ステップS12]操作受付部130は、業務終了ボタンが押下されたか否かを判定する。操作受付部130は、業務終了ボタンが押下されたと判定した場合、処理をステップS13に進める。また、操作受付部130は、業務終了ボタンが押下されていないと判定した場合、処理をステップS11に進める。
【0072】
[ステップS13]調整部150は、従業員ごとの出金記録をログテーブル125,127に記録する。例えば、調整部150は、閾値テーブル122に記録した各従業員番号の出金回数を、ログテーブル125の対応する従業員番号の処理日の日付に対応する項目に記録する。また、調整部150は、閾値テーブル123に記録した各従業員番号の金種ごとの出金額を、ログテーブル127の対応する従業員番号の処理日の日付に対応する項目に、金種ごとに記録する。
【0073】
[ステップS14]調整部150は、地域ごとの出金記録をログテーブル126に記録する。例えば、調整部150は、地域テーブル121を参照し、各従業員番号に対応する地域を特定する。そして、調整部150は、閾値テーブル122に記録した各従業員番号の出金回数を地域ごとに平均し、ログテーブル126の対応する地域の処理日の日付に対応する項目に記録する。
【0074】
[ステップS15]調整部150は、閾値調整処理を実行する。閾値調整処理の詳細については後述する(図15参照)。
[ステップS16]調整部150は、1日の出金記録をクリアする。例えば、調整部150は、閾値テーブル122の出金回数の項目をクリアする。また、調整部150は、閾値テーブル123の累計出金額の項目をクリアする。そして、処理が終了する。
【0075】
[ステップS17]操作受付部130は、入力された従業員番号が正しいか否かを判定する。例えば、操作受付部130は、ステップS11で入力された従業員番号が地域テーブル121の従業員番号の項目に登録されている場合、入力された従業員番号が正しいと判定する。操作受付部130は、入力された従業員番号が正しいと判定した場合、処理をステップS18に進める。また、操作受付部130は、入力された従業員番号が正しくないと判定した場合、処理をステップS11に進める。
【0076】
[ステップS18]操作受付部130は、釣銭出金ボタンが押下されたか否かを判定する。例えば、操作受付部130は、実行する各処理を選択する画面をディスプレイ105に表示させ、表示された画面において釣銭出金ボタンを押下する操作をタッチパネル106から受け付けた場合、釣銭出金ボタンが押下されたと判定する。また、操作受付部130は、表示された画面において釣銭出金以外の処理のボタンを押下する操作をタッチパネル106から受け付けた場合、釣銭出金ボタンが押下されなかったと判定する。操作受付部130は、釣銭出金ボタンが押下されたと判定した場合、処理をステップS20に進める。また、操作受付部130は、釣銭出金ボタンが押下されなかったと判定した場合、処理をステップS19に進める。
【0077】
[ステップS19]入出金装置100は、売上入金等の処理を実行する。なお、売上入金等の処理の詳細については省略する。そして、処理がステップS11に進む。
[ステップS20]判定部140は、1日の出金回数が閾値以下であるか否かを判定する。例えば、判定部140は、閾値テーブル122を参照し、ステップS11で入力された従業員番号に対応する出金回数閾値と出金回数とを特定する。そして、判定部140は、特定した出金回数に1を加算した回数が特定した出金回数閾値以下である場合、1日の出金回数が閾値以下であると判定する。判定部140は、1日の出金回数が閾値以下であると判定した場合、処理をステップS22に進める。また、判定部140は、1日の出金回数が閾値より大きいと判定した場合、処理をステップS21に進める。
【0078】
[ステップS21]判定部140は、出金回数オーバーを表示する。例えば、判定部140は、出金回数が閾値より大きいため出金できないことを示す画面をディスプレイ105に表示させる。そして、処理がステップS11に進む。
【0079】
[ステップS22]操作受付部130は、金種の選択があったか否かを判定する。例えば、操作受付部130は、金種の選択画面をディスプレイ105に表示させ、表示された画面においてタッチパネル106から金種の選択を受け付けた場合、金種の選択があったと判定する。操作受付部130は、金種の選択があったと判定した場合、処理をステップS23に進める。また、操作受付部130は、金種の選択がなかったと判定した場合、処理をステップS22に進める。
【0080】
[ステップS23]操作受付部130は、金額の入力があったか否かを判定する。例えば、操作受付部130は、ステップS22で選択した金種を出金する金額の入力画面をディスプレイ105に表示させ、表示された画面においてタッチパネル106から金額の入力を受け付けた場合、金額の入力があったと判定する。操作受付部130は、金額の入力があったと判定した場合、処理をステップS24に進める。また、操作受付部130は、金額の入力がなかったと判定した場合、処理をステップS23に進める。
【0081】
[ステップS24]判定部140は、ステップS22で選択された金種(選択金種)についての累計出金額が、累計出金額閾値以下であるか否かを判定する。例えば、判定部140は、閾値テーブル123を参照し、ステップS11で入力された従業員番号に対応する、選択金種の累計出金額閾値と累計出金額とを特定する。判定部140は、地域テーブル121を参照し、ステップS11で入力された従業員番号に対応する担当地域を特定する。判定部140は、規定テーブル128の地域補正の項目の特定した担当地域の項目に設定された補正値を、特定した累計出金額閾値にかけて補正する。そして、判定部140は、特定した累計出金額にステップS23で入力された金額を加算した金額が、補正した累計出金額閾値以下である場合、選択金種についての累計出金額が、累計出金額閾値以下であると判定する。
【0082】
判定部140は、選択金種についての累計出金額が、累計出金額閾値以下であると判定した場合、処理をステップS25に進める。また、判定部140は、選択金種についての累計出金額が、累計出金額閾値より大きいと判定した場合、処理をステップS26に進める。
【0083】
[ステップS25]判定部140は、選択金種についての1出金の出金額が出金額閾値以下であるか否かを判定する。例えば、判定部140は、閾値テーブル124を参照し、ステップS11で入力された従業員番号に対応する、選択金種の1出金の出金額閾値を特定する。そして、判定部140は、ステップS23で入力された金額が特定した1出金の出金額閾値以下である場合、選択金種についての1出金の出金額が出金額閾値以下であると判定する。判定部140は、選択金種についての1出金の出金額が出金額閾値以下であると判定した場合、処理をステップS27に進める。また、判定部140は、選択金種についての1出金の出金額が出金額閾値より大きいと判定した場合、処理をステップS26に進める。
【0084】
[ステップS26]判定部140は、出金額オーバーを表示する。例えば、判定部140は、出金額が閾値より大きいため出金できないことを示す画面をディスプレイ105に表示させる。そして、処理がステップS11に進む。
【0085】
図14は、出金制御処理の手順の一例を示すフローチャート(その2)である。以下、図14に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS27]操作受付部130は、選択金種をステップS23で入力された金額(入力金額)だけ出金する。例えば、操作受付部130は、硬貨処理ユニット107に、選択金種の硬貨ホルダから入力金額だけ出金させる。また、例えば、操作受付部130は、紙幣処理ユニット108に、選択金種の紙幣カセットから入力金額だけ出金させる。
【0086】
[ステップS28]調整部150は、選択金種の累計出金額に入力金額を加算する。例えば、調整部150は、閾値テーブル123のステップS11で入力された従業員番号に対応する、選択金種の累計出金額に入力金額を加算する。
【0087】
[ステップS29]操作受付部130は、出金終了ボタンが押下されたか否かを判定する。操作受付部130は、出金終了ボタンが押下されたと判定した場合、処理をステップS30に進める。また、操作受付部130は、出金終了ボタンが押下されなかったと判定した場合、処理をステップS22に進める。
【0088】
[ステップS30]調整部150は、出金回数を更新する。例えば、調整部150は、閾値テーブル122のステップS11で入力された従業員番号に対応する出金回数に1を加算する。そして、処理がステップS11に進む。
【0089】
このように、入出金装置100は、金種と出金額との入力を受け付けると、従業員が当日に出金した累計出金額、1出金の出金額および出金回数が閾値以下の場合、現金を出金する。これにより、入出金装置100は、先に利用した従業員が過剰に現金を出金することで入出金装置100内の現金がなくならないよう、閾値を超える出金を制限する。また、入出金装置100は、従業員が1回の出金で過剰に現金を出金しないよう制限することができる。よって、入出金装置100は、従業員が業務に用いる現金を出金できなくなることを防止できる。また、入出金装置100は、金種ごとに累計出金額の閾値を設けることで、従業員に金種ごとに適切な金額の現金を出金させることができる。
【0090】
なお、入出金装置100は、出金回数が閾値を超える場合、出金回数オーバーを表示する。これにより、入出金装置100は、出金回数が過剰であることを従業員に通知できる。また、入出金装置100は、累計出金額または1出金の出金額が閾値を超える場合、出金額オーバーを表示する。これにより、入出金装置100は、出金額が過剰であることを従業員に通知できる。
【0091】
ここで、配送業者では、従業員ごとに着払いや代引きの配送をする量に応じて、使用する現金の量が異なる。そこで、入出金装置100は、従業員ごとに累計出金額、1出金の出金額および出金回数の閾値を設定することで各従業員の出金の上限を適切に設定することができる。また、着払いや代引きの配送をする量は、配送先の地域によっても異なる。
【0092】
そこで、入出金装置100は、累計出金額閾値を地域ごとの補正値で補正する。これにより、入出金装置100は、宅配業者の従業員等のように、担当地域によって現金を使用する量に差があるユーザに対して、出金の上限を適切に設定することができる。
【0093】
このようにして、入出金装置100は、現金を用いた業務を効率化することができる。これにより、入出金装置100は、現金の格納量が過剰な入出金装置を導入することなく、各金種を効率よく準備でき、死に金を減らすことができる。
【0094】
図15は、閾値調整処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下、図15に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS41]調整部150は、従業員番号を選択する。
【0095】
[ステップS42]調整部150は、ステップS41で選択した従業員番号(選択従業員番号)の従業員の出金回数が閾値に達した日数が所定期間に規定日数以上であるか否かを判定する。例えば、調整部150は、規定テーブル128の出金回数閾値増加規定の項目の規定日数および増加値の項目に含まれる期間(選択期間)を選択する。調整部150は、ログテーブル125の選択従業員番号に対応する直近の選択期間の出金回数として、閾値テーブル122の選択従業員番号に対応する出金回数閾値が設定された数をカウントする。調整部150は、カウントした数が、規定テーブル128の出金回数閾値増加規定の項目の、規定日数の項目の選択期間の項目に設定された日数以上の場合、従業員の出金回数が閾値に達した日数が所定期間に規定日数以上であると判定する。
【0096】
調整部150は、従業員の出金回数が閾値に達した日数が所定期間に規定日数以上であると判定した場合、処理をステップS43に進める。また、調整部150は、従業員の出金回数が閾値に達した日数が所定期間に規定日数未満であると判定した場合、処理をステップS44に進める。
【0097】
[ステップS43]調整部150は、出金回数閾値に増加値を加算する。例えば、調整部150は、閾値テーブル122の選択従業員番号に対応する出金回数閾値に、規定テーブル128の出金回数閾値増加規定の項目の、増加値の項目の選択期間の項目に設定された増加値を加算する。そして、処理がステップS45に進む。
【0098】
[ステップS44]調整部150は、出金回数閾値を所定期間の出金回数の最大値に更新する。例えば、調整部150は、閾値テーブル122の選択従業員番号に対応する出金回数閾値を、ログテーブル125の選択従業員番号に対応する直近の選択期間の出金回数として設定された回数のうちの最大値に更新する。
【0099】
[ステップS45]調整部150は、金種を選択する。
[ステップS46]調整部150は、選択従業員番号の従業員のステップS45で選択した金種(選択金種)の累計出金額が閾値以上の日数が所定期間に規定日数以上であるか否かを判定する。例えば、調整部150は、規定テーブル128の累計出金額閾値増加規定の項目の規定日数および増加値の項目に含まれる期間(選択期間)を選択する。調整部150は、ログテーブル127の選択従業員番号に対応する直近の選択期間の選択金種の出金額として、閾値テーブル123の選択従業員番号に対応する選択金種の累計出金額閾値以上の値が設定された数をカウントする。調整部150は、カウントした数が、規定テーブル128の累計出金額閾値増加規定の項目の、規定日数の項目の選択期間の項目に設定された日数以上の場合、従業員の選択金種の累計出金額が閾値以上の日数が所定期間に規定日数以上であると判定する。
【0100】
調整部150は、従業員の選択金種の累計出金額が閾値以上の日数が所定期間に規定日数以上であると判定した場合、処理をステップS47に進める。また、調整部150は、従業員の選択金種の累計出金額が閾値以上の日数が所定期間に規定日数未満であると判定した場合、処理をステップS48に進める。
【0101】
[ステップS47]調整部150は、累計出金額閾値に増加値を加算する。例えば、調整部150は、閾値テーブル123の選択従業員番号に対応する選択金種の累計出金額閾値に、規定テーブル128の累計出金額閾値増加規定の項目の、増加値の項目の選択期間の項目に設定された増加値を加算する。そして、処理がステップS49に進む。
【0102】
[ステップS48]調整部150は、累計出金額閾値を所定期間の出金額の最大値に更新する。例えば、調整部150は、閾値テーブル123の選択従業員番号に対応する選択金種の累計出金額閾値を、ログテーブル127の選択従業員番号に対応する直近の選択期間の累計出金額として設定された金額のうちの最大値に更新する。
【0103】
[ステップS49]調整部150は、全ての金種を選択したか否かを判定する。調整部150は、全ての金種を選択したと判定した場合、処理をステップS50に進める。また、調整部150は、全ての金種を選択していないと判定した場合、処理をステップS45に進める。
【0104】
[ステップS50]調整部150は、全ての従業員番号を選択したか否かを判定する。調整部150は、全ての従業員番号を選択したと判定した場合、処理をステップS51に進める。また、調整部150は、全ての従業員番号を選択していないと判定した場合、処理をステップS41に進める。
【0105】
[ステップS51]調整部150は、地域を選択する。
[ステップS52]調整部150は、ステップS51で選択した地域(選択地域)の従業員の出金回数の平均値が所定回以上となった日数が所定期間に所定日数以上であるか否かを判定する。例えば、調整部150は、ログテーブル126の選択地域に対応する直近の所定期間の出金回数として、所定回以上の回数が設定された数をカウントする。調整部150は、カウントした数が所定日数以上の場合、選択地域の従業員の出金回数の平均値が所定回以上となった日数が所定期間に所定日数以上であると判定する。
【0106】
調整部150は、選択地域の従業員の出金回数の平均値が所定回以上となった日数が所定期間に所定日数以上であると判定した場合、処理をステップS53に進める。また、調整部150は、選択地域の従業員の出金回数の平均値が所定回以上となった日数が所定期間に所定日数未満であると判定した場合、処理をステップS54に進める。
【0107】
[ステップS53]調整部150は、選択地域を閾値を増加する地域に設定する。例えば、調整部150は、規定テーブル128の地域補正の項目の特定した担当地域の項目に設定された補正値を累計出金額閾値を増加する値(例えば、110%)に設定する。
【0108】
[ステップS54]調整部150は、全ての地域を選択したか否かを判定する。調整部150は、全ての地域を選択したと判定した場合、処理を終了する。また、調整部150は、全ての地域を選択していないと判定した場合、処理をステップS51に進める。
【0109】
このようにして、入出金装置100は、閾値を更新する。入出金装置100は、出金回数、累計出金額が閾値に達した日数が所定期間に規定日数以上である従業員の閾値を増加させる。また、入出金装置100は、出金回数、累計出金額が閾値に達した日数が所定期間に規定日数未満である従業員の閾値を、所定期間の出金回数、累計出金額の最大値に更新する。なお、入出金装置100は、閾値に達した日数が規定日数以上ではなく規定日数連続したか否かに応じて閾値を更新してもよい。また、入出金装置100は、閾値に達した日数が所定期間に規定日数未満である従業員の閾値を、所定期間の最大値ではなく平均値等に更新してもよい。
【0110】
このように入出金装置100は、ログテーブル125,127に記録された各従業員の出金記録に基づいて、出金回数、累計出金額の閾値を更新する。これにより、入出金装置100は、各従業員の使用実績から、各従業員が使用する分だけ現金を出金できるよう閾値を調整できる。
【0111】
また、入出金装置100は、地域ごとの補正値を更新する。入出金装置100は、担当した従業員の出金回数の平均値が所定回以上となった日数が所定期間に所定日数以上である地域の補正値を、累計出金額閾値を増加する値に設定する。このように、入出金装置100は、ログテーブル126に記録された各地域を担当した従業員の出金記録に基づいて、地域ごとの補正値を更新する。これにより、入出金装置100は、各地域を担当した従業員の現金の使用実績から、地域ごとの補正値を適切に設定できる。
【0112】
以上、実施の形態を例示したが、実施の形態で示した各部の構成は同様の機能を有する他のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。さらに、前述した実施の形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0113】
10 入出金装置
11 出金部
12 処理部
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