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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024129907
(43)【公開日】2024-09-30
(54)【発明の名称】調理器および報知システム
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/00 20060101AFI20240920BHJP
【FI】
A47J27/00 109K
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023039287
(22)【出願日】2023-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】000003702
【氏名又は名称】タイガー魔法瓶株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136319
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 宏修
(74)【代理人】
【識別番号】100143498
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 健
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 優司
(72)【発明者】
【氏名】井上 友見
(72)【発明者】
【氏名】前田 雄太
【テーマコード(参考)】
4B055
【Fターム(参考)】
4B055AA02
4B055BA05
4B055BA08
4B055CD33
4B055DB01
4B055GA13
4B055GB43
4B055GC34
(57)【要約】
【課題】本発明の課題は、保温状態が取り消された後において本体内部の保温対象物が放置されることをできるだけ防止することができる調理器を提供することである。
【解決手段】本発明に係る調理器100は、本体110と、前記本体の内部の保温対象物を保温する保温ヒータHT,LHと、前記保温ヒータを制御する制御部MCと、を備え、前記制御部が前記保温ヒータへの通電を停止した後において、前記本体に対する操作が行われたか否かを判断する判断部MCと、前記本体に対する操作が行われなかったと前記判断部が判断した場合に報知を行い、前記本体に対する操作が行われたと前記判断部が判断した場合に報知を行わない報知部AL,DIと、をさらに備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
前記本体の内部の保温対象物を保温する保温ヒータと、
前記保温ヒータを制御する制御部と、を備え、
前記制御部が前記保温ヒータへの通電を停止した後において、前記本体に対する操作が行われたか否かを判断する判断部と、
前記本体に対する操作が行われなかったと前記判断部が判断した場合に報知を行い、前記本体に対する操作が行われたと前記判断部が判断した場合に報知を行わない報知部と、をさらに備える
調理器。
【請求項2】
前記本体は、前記保温対象物を収容する内容器を有し、
前記本体に対する操作は、前記内容器を前記本体から取り出す操作である
請求項1に記載の調理器。
【請求項3】
前記本体は、開口を有し、
前記本体の前記開口を覆う蓋体と、
前記蓋体の開閉を検知する検知部と、をさらに備え、
前記判断部は、前記蓋体の閉状態から開状態への遷移を前記検知部が検知した場合に前記本体に対する操作が行われたと判断し、前記蓋体の閉状態から開状態への遷移を前記検知部が検知しなかった場合に前記本体に対する操作が行われなかったと判断する
請求項1に記載の調理器。
【請求項4】
温度を測定する温度測定部をさらに備え、
前記判断部は、前記温度測定部による測定温度の低下度合いが判定基準を満たした場合に前記内容器を前記本体から取り出す操作が行われたと判断し、前記温度測定部による測定温度の低下度合いが判定基準を満たさなかった場合に前記内容器を前記本体から取り出す操作が行われなかったと判断する
請求項2に記載の調理器。
【請求項5】
端末側報知部を有する情報端末と通信可能であり、
前記本体に対する操作が行われなかったと前記判断部が判断した場合に前記端末側報知部に報知を行わせるための報知命令情報を前記情報端末に送信する送信部をさらに備える
請求項1に記載の調理器。
【請求項6】
端末側報知部を有する情報端末と、
本体と、前記本体の内部の保温対象物を保温する保温ヒータと、前記保温ヒータを制御する制御部とを有し、前記情報端末と通信可能である調理器と、を備え、
前記調理器は、前記制御部が前記保温ヒータへの通電を停止した後において、前記本体に対する操作が行われたか否かを判断する判断部と、前記本体に対する操作が行われなかったと前記判断部が判断した場合に報知を行い、前記本体に対する操作が行われたと前記判断部が判断した場合に報知を行わない報知部と、前記本体に対する操作が行われなかったと前記判断部が判断した場合に報知命令情報を前記情報端末に送信する送信部と、をさらに有し、
前記情報端末は、前記報知命令情報を前記調理器から受信すると、前記端末側報知部に報知を行わせる
報知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理器および報知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
過去に「炊飯器本体の内部に収納され、米飯を収容可能な鍋と、上記鍋の上部開口部を覆う開閉自在な蓋と、上記鍋を加熱する鍋加熱手段と、上記鍋の温度を検知する鍋温度検知センサと、上記鍋加熱手段の鍋加熱動作を制御する加熱制御部と、米の炊飯に関する炊飯情報が入力される炊飯情報入力部とを備え、保温工程は、通常保温温度である第1保温温度と、上記第1保温温度より低温の第2保温温度と、上記第1保温温度より高温の第3保温温度からなり、保温開始後、少なくとも一度は、上記第2保温温度で米飯を保温してから、上記第3保温温度に移行して米飯を保温する第1保温モードを有し、炊飯開始前に上記炊飯情報入力部により入力された上記炊飯情報に応じて第3保温温度を可変させることを特徴とするジャー炊飯器」が提案されている(例えば、特開2010-082302号公報等参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-082302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のようなジャー炊飯器などの調理器では、使用者によっては、保温状態を取り消した後(すなわち、保温ヒータへの通電が停止された後)において本体内部の保温対象物(例えば、ご飯など)を取り出すことを忘れてしまい放置することがある。保温状態が取り消された後で本体内部に保温対象物が放置されると、調理器に菌が繁殖するおそれがあり、衛生的に望ましくない。
【0005】
本発明の課題は、保温状態が取り消された後において本体内部の保温対象物が放置されることをできるだけ防止することができる調理器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る調理器は、
本体と、
前記本体の内部の保温対象物を保温する保温ヒータと、
前記保温ヒータを制御する制御部と、を備え、
前記制御部が前記保温ヒータへの通電を停止した後において、前記本体に対する操作が行われたか否かを判断する判断部と、
前記本体に対する操作が行われなかったと前記判断部が判断した場合に報知を行い、前記本体に対する操作が行われたと前記判断部が判断した場合に報知を行わない報知部と、をさらに備える。
【0007】
上記構成によれば、保温状態が取り消された後において、本体に対する操作が行われなかったと判断部が判断した場合に、使用者に対して報知を行い保温対象物の取り出し忘れを気付かせることができる。このため、この調理器では、保温状態が取り消された後において本体内部の保温対象物が放置されることをできるだけ防止することができる。なお、調理器は、例えば、炊飯器、保温ジャー(炊飯機能を有しておらず保温機能だけを有しているもの)、グリル鍋、蒸し器、フォンデュメーカーなどである。
【0008】
本発明では、
前記本体は、前記保温対象物を収容する内容器を有し、
前記本体に対する操作は、前記内容器を前記本体から取り出す操作であると好適である。
【0009】
上記構成によれば、保温状態が取り消された後において、内容器が本体から取り出された場合には保温対象物の取り出し忘れがないとみなし、内容器が本体から取り出されなかった場合には保温対象物の取り出し忘れがあるとみなすことができる。なお、内容器は、本体の内部に収容されて保温対象物を収容するものであり、本体は、内容器を介して保温対象物を内部に収容することになる。
【0010】
本発明では、
前記本体は、開口を有し、
前記本体の前記開口を覆う蓋体と、
前記蓋体の開閉を検知する検知部と、をさらに備え、
前記判断部は、前記蓋体の閉状態から開状態への遷移を前記検知部が検知した場合に前記本体に対する操作が行われたと判断し、前記蓋体の閉状態から開状態への遷移を前記検知部が検知しなかった場合に前記本体に対する操作が行われなかったと判断すると好適である。
【0011】
上記構成によれば、保温状態が取り消された後において、蓋体が閉状態から開状態へ遷移した場合には保温対象物の取り出し忘れがないとみなし、蓋体が閉状態から開状態へ遷移しなかった場合には保温対象物の取り出し忘れがあるとみなすことができる。なお、検知部は、例えば、フォトセンサ、磁気センサ、傾斜センサ、加速度センサなどである。
【0012】
本発明では、
温度を測定する温度測定部をさらに備え、
前記判断部は、前記温度測定部による測定温度の低下度合いが判定基準を満たした場合に前記内容器を前記本体から取り出す操作が行われたと判断し、前記温度測定部による測定温度の低下度合いが判定基準を満たさなかった場合に前記内容器を前記本体から取り出す操作が行われなかったと判断すると好適である。
【0013】
上記構成によれば、内容器が本体から取り出されたか否かをできるだけ精度よく判断することができる。なお、温度測定部は、例えば、内容器が本体に収容されている時は内容器と接触して内容器の温度を測定し、内容器が本体に収容されていない時は本体内部の温度を測定する温度センサなどである。また、判断部は、例えば、単位時間当たりの温度測定部による測定温度の低下量が閾値以上になった場合に、測定温度の低下度合いの判断基準を満たしたと判断する。
【0014】
本発明では、
端末側報知部を有する情報端末と通信可能であり、
前記本体に対する操作が行われなかったと前記判断部が判断した場合に前記端末側報知部に報知を行わせるための報知命令情報を前記情報端末に送信する送信部をさらに備えると好適である。
【0015】
上記構成によれば、使用者が調理器の置き場とは別の場所に居たとしても、情報端末を介して報知を行うことで、使用者に対して保温対象物の取り出し忘れをできるだけ早く気付かせることができる。
【0016】
本発明に係る報知システムは、
端末側報知部を有する情報端末と、
本体と、前記本体の内部の保温対象物を保温する保温ヒータと、前記保温ヒータを制御する制御部とを有し、前記情報端末と通信可能である調理器と、を備え、
前記調理器は、前記制御部が前記保温ヒータへの通電を停止した後において、前記本体に対する操作が行われたか否かを判断する判断部と、前記本体に対する操作が行われなかったと前記判断部が判断した場合に報知を行い、前記本体に対する操作が行われたと前記判断部が判断した場合に報知を行わない報知部と、前記本体に対する操作が行われなかったと前記判断部が判断した場合に報知命令情報を前記情報端末に送信する送信部と、をさらに有し、
前記情報端末は、前記報知命令情報を前記調理器から受信すると、前記端末側報知部に報知を行わせる。
【0017】
上記構成によれば、保温状態が取り消された後において、本体に対する操作が行われなかったと判断部が判断した場合に、使用者に対して報知を行い保温対象物の取り出し忘れを気付かせることができる。このため、この報知システムでは、保温状態が取り消された後において本体内部の保温対象物が放置されることをできるだけ防止することができる。また、この報知システムでは、使用者が調理器の置き場とは別の場所に居たとしても、情報端末を介して報知を行うことで、使用者に対して保温対象物の取り出し忘れをできるだけ早く気付かせることができる。なお、調理器は、例えば、炊飯器、保温ジャー(炊飯機能を有しておらず保温機能だけを有しているものである)、グリル鍋、蒸し器、フォンデュメーカーなどである。また、情報端末は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン、スマートスピーカーなどである、
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の第1実施形態に係る炊飯器の斜視図である。なお、本図では、蓋体が閉じられた状態が示されている。
図2】本発明の第1実施形態に係る炊飯器を左右方向の中心を通るように切断した縦断面図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る炊飯器の制御ブロック図である。
図4】本発明の第2実施形態に係る炊飯器の制御ブロック図である。
図5】本発明の第3実施形態に係る報知システムの構成を示すイメージ図である。
図6】本発明の第3実施形態に係るサーバの構成を示すブロック図である。
図7】本発明の第3実施形態に係る情報端末の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
-第1実施形態-
<本発明の第1実施形態に係る炊飯器の構成>
本発明の第1実施形態に係る炊飯器100は、図1および図2に示されるように、主に、本体110、内鍋130、蓋体140およびヒンジ機構150等から構成される。以下、これらの構成要素について詳述する。
【0020】
(1)本体
本体110は、図1および図2に示されるように、主に、筐体111、断熱材112、誘導加熱コイル113、保温ヒータHT、センターセンサ114、報知部AL、送風ファン115、ヒートシンク116、操作パネル117、制御基板118、マイコン基板119、自動巻取式電源コードユニット120および被係止部(図示せず)等から構成される。以下、これらの構成要素について詳述する。
【0021】
(1-1)筐体
筐体111は、図1および図2に示されるように、主に、収容体111a、肩部材111c、保護枠111d、フランジ部Db、マイコン基板支持部材111eおよび制御基板支持部材111f等から構成されている。以下、これらの構成要件について詳述する。なお、筐体111は、図2に示されるように、断熱材112、誘導加熱コイル113、センターセンサ114、報知部AL、送風ファン115、ヒートシンク116、制御基板118、マイコン基板119および自動巻取式電源コードユニット120等を収容している。
【0022】
(1-1-1)収容体
収容体111aは、図1および図2に示されるように、側壁Aaおよび底壁Abから形成されている。側壁Aaは、平面視において略方形状を呈する囲い壁であって、図1および図2に示されるように本体110の側面を覆っている。底壁Abは、略方形状の板部材であって、図2に示されるように、側壁Aaの下端から内方に延びており、側壁Aaの下側の開口を覆っている。また、この底壁Abには、筐体111の外部の空気を内部に吸い込むための吸気口Ab1(図2参照)、および、筐体111の内部の空気を外部に排出するための排気口(図示せず)が形成されている。なお、図2に示されるように、吸気口Ab1の直上には、送風ファン115が配設されている。この送風ファン115が駆動されると、吸気口Ab1を通って外部の空気が筐体111の内部に吸い込まれ、それによって生じる空気流れにより内部の加熱空気が排気口から系外に排出される。
【0023】
(1-1-2)肩部材
肩部材111cは、図1および図2に示されるように、収容体111aの上側に配置されている。また、肩部材111cの前部の上側には操作パネル117が配置され(図1および図2参照)、肩部材111cの下面にはフランジ部Dbが取り付けられている(図2参照)。また、肩部材111cには、内鍋130の挿入口となる開口が形成されている(図2参照)。
【0024】
(1-1-3)保護枠
保護枠111dは、内鍋130の外周を覆うための上方に開口する椀状部材である(図2参照)。図2に示されるように、保護枠111dの上側にフランジ部Dbが配置され、保護枠111dおよびフランジ部Dbは互いに連結される。また、保護枠111dは、収容体111aの底壁Abに締結される。また、図2に示されるように、保護枠111dの底壁の中央部には、センターセンサ114を通すための開口が形成されている。
【0025】
(1-1-4)フランジ部
フランジ部Dbは、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等のエンジニアリングプラスチック等から形成されている。また、フランジ部Dbは、肩部材111cの下面に取り付けられ、肩部材111cの形状を保持する役目を担っている。なお、エンジニアリングプラスチックは、汎用樹脂に比べてその剛性が高く、耐熱性に優れるため、汎用樹脂よりも熱変形しにくい性質を有する。また、フランジ部Dbには、内鍋130の挿入口となる開口が形成されている(図2参照)。
【0026】
(1-1-5)マイコン基板支持部材
マイコン基板支持部材111eは、ポリプロピレン(PP)等の汎用樹脂等から形成されており、マイコン基板119を支持する役目を担っている。また、マイコン基板支持部材111eは、肩部材111cの内側且つ操作パネル117の下側に配置され(図2参照)、肩部材111cに固定されている。また、マイコン基板支持部材111eは、収容体111aに対して係止されている。
【0027】
(1-1-6)制御基板支持部材
制御基板支持部材111fは、ポリプロピレン(PP)等の汎用樹脂等から形成されており、制御基板118を支持する役目を担っている。また、制御基板支持部材111fは、収容体111aの内側に配置され(図2参照)、収容体111aの底壁Abに締結される。
【0028】
(1-2)断熱材
断熱材112は、図2に示されるように、保護枠111dの側壁の外側および保温ヒータHTの外側に配設されており、炊飯時において内鍋130から生じる熱が保護枠111dの外側に流出するのを抑制する役割を担っている。
【0029】
(1-3)誘導加熱コイル
誘導加熱コイル113は、内鍋130を誘導加熱する誘導加熱源であって、図2に示されるように保護枠111dの底壁および側壁下端部の外側に配設されている。
【0030】
(1-4)保温ヒータ
保温ヒータHTは、保温運転時に使用される円環状のヒータであって、図2に示されるように、保護枠111dの側壁の上部の外側に配設されている。なお、保温ヒータHTは、保温運転時だけではなく炊飯運転時に使用されてもよい。
【0031】
(1-5)センターセンサ
センターセンサ114は、温度を測定するための温度センサであって、図2に示されるように、保護枠111dの底壁の中央部に形成された開口を通って、上方に向かって突出している。なお、このセンターセンサ114は、コイルバネ等の付勢部材によって上方に付勢されている。すなわち、このセンターセンサ114は、上下方向に沿って出没自在な状態とされている。そして、センターセンサ114は、内鍋130が保護枠111dに収容される状態では内鍋130の底壁部131に接触して内鍋130の温度を測定し、内鍋130が保護枠111dに収容されていない状態(言い換えれば、内鍋130が本体110から取り出された状態)では保護枠111dの内部の温度を測定する。
【0032】
(1-6)報知部
報知部ALは、使用者に対して音で報知するためのもの(例えば、スピーカーなど)であって、マイコン基板119のマイクロコンピュータMCからの指令に基づいて音を出力する。
【0033】
(1-7)送風ファン
送風ファン115は、上述の通り、筐体111の底壁Abの吸気口Ab1の直上に、回転軸が略上下方向に沿うようにして配設されている(図2参照)。すなわち、この送風ファン115が駆動されると、外部の空気が吸気口Ab1から吸い込まれて筐体内に流入し、そのまま上方に向かって送られる。上方に向かって送られた外部の空気は、ヒートシンク116を通って制御基板118およびマイコン基板119などに供給されて、それらの部材等を冷却する。
【0034】
(1-8)ヒートシンク
ヒートシンク116は、外部の空気と効率よく熱交換を行わせるための部品である。
【0035】
(1-9)操作パネル
操作パネル117は、肩部材111cの前部の上側に配設されており、図1および図2に示されるように、主に、パネル本体117a、操作ボタン群BTおよび情報表示パネルDI等から構成されている。パネル本体117aは、操作ボタン群BTおよび情報表示パネルDI等を支持する。操作ボタン群BTは、例えば炊飯方法の選択ボタンや取り消しボタン等であって、炊飯器100の運転方法を使用者に選択させるためのものである。情報表示パネルDIは、マイコン基板119のマイクロコンピュータMCからの指令に基づいて、炊飯メニュー情報や炊飯経過情報等の各種情報を表示する。
【0036】
(1-10)制御基板
制御基板118は、電源回路を構成する基板であって、いくつかの発熱部品を実装している。また、制御基板118は、図2に示されるように筐体111の前側空間に収容され、制御基板支持部材111fに支持されている。
【0037】
(1-11)マイコン基板
マイコン基板119は、図3に示されるように、マイクロコンピュータMC等の電子部品を実装しており、センターセンサ114、蒸気センサSS、誘導加熱コイル113、保温ヒータHT、蓋ヒータLH、報知部AL、情報表示パネルDI等に通信接続されている。なお、マイコン基板119のマイクロコンピュータMCにはメモリが搭載されており、炊飯制御や保温制御などの制御を実行するための各種プログラムやデータ等がメモリに格納されている。そして、マイコン基板119のマイクロコンピュータMCは、センターセンサ114から受け取った測定温度情報を基に内鍋130が本体110から取り出されたか否かを判断したり(後述)、誘導加熱コイル113や保温ヒータHTや蓋ヒータLHの出力を制御したり、時間を計測したりする。なお、マイコン基板119は、図2に示されるように肩部材111cの内側且つ操作パネル117の下側に配設され、マイコン基板支持部材111eに支持されている。
【0038】
(1-12)自動巻取式電源コードユニット
自動巻取式電源コードユニット120は、電源コードPC(図1参照)および自動巻取機構(図示せず)等から構成されており、図2に示されるように筐体111の後側空間に収容されている。電源コードPCは、差込プラグおよび電気線から構成されている(図1参照)。差込プラグは、電気線の先端に配設されている。電気線は、伸展自在に自動巻取機構に巻回されている。
【0039】
(1-13)被係止部
被係止部は、肩部材111cの開口(内鍋130の挿入口)の前側部分の上面に取り付けられる。蓋体140が閉じられている状態において、この被係止部に対して蓋体140のレバー部材146の爪部が係止される。
【0040】
(2)内鍋
内鍋130は、図2に示されるように、肩部材111cの開口、フランジ部Dbの開口および保護枠111dの開口に挿通され、保護枠111dに所定の隙間をもって収容される。なお、内鍋130は、種々のアルミニウム合金およびステンレス合金の多層体(クラッド材)であって、誘導加熱コイル113によって誘導加熱される。また、内鍋130は、図2に示されるように、底壁部131、筒壁部132およびフランジ部133から形成されている。底壁部131は、平面視において略円盤形状を呈している。筒壁部132は、略円筒形状を呈しており、図2に示されるように、底壁部131の外端から上方に延びている。フランジ部133は、図2に示されるように、筒壁部132の上端から外方に延びている。図2に示されるように、内鍋130が保護枠111dに所定の隙間をもって収容された時、フランジ部133は肩部材111cに載置される。
【0041】
(3)蓋体
蓋体140は、図1および図2に示されるように、本体110の上側に配設されて内鍋130の開口、本体110の筐体111の肩部材111cの開口、保護枠111dの開口およびフランジ部Dbの開口を上側から覆うためのものであって、主に、外装体141、操作レバー142、圧力調整機構143、補強部材(図示せず)、流路形成部144、内蓋145、レバー部材146、レバーストッパー(図示せず)、蒸気センサSSおよび蓋ヒータLHなどから構成されており、ヒンジ機構150を介して本体110に回動自在に取り付けられている。以下、これらの構成要素について詳述する。
【0042】
(3-1)外装体
外装体141は、図1および図2に示されるように、上側外装部材141aおよび下側外装部材141bから構成される略直方体状の部材であって、操作レバー142、補強部材、流路形成部144およびレバー部材146等を収容している。
【0043】
上側外装部材141aは、平面視において略方形状の板部材であって(図1参照)、ポリプロピレン(PP)等の汎用樹脂等から形成されている。また、上側外装部材141aは、図2に示されるように、下側外装部材141bを上側から覆っている。また、図1および図2に示されるように、上側外装部材141aの前部には、操作レバー142の一部の上面を露出させるための開口が形成され、上側外装部材141aの後部には、流路形成部144の一部を露出させるための開口BOが形成されている。
【0044】
下側外装部材141bは、平面視において略方形状の板部材であって、ポリプロピレン(PP)等の汎用樹脂等から形成されている。図2に示されるように、下側外装部材141bの下面には、内蓋145が着脱自在に配設される。また、下側外装部材141bの上面には、補強部材が取り付けられる。また、図2に示されるように、下側外装部材141bの後部(より詳細には、圧力調整機構143より後側の部分)には、流路形成部144の一部が形成されている。また、図2に示されるように、下側外装部材141bには蒸気センサSSが取り付けられる。
【0045】
(3-2)操作レバー
操作レバー142は、蓋体140を閉状態から開状態にするためのものであって、図2に示されるようにレバー部材146の上側に配設されている。なお、この操作レバー142は、外装体141の上側外装部材141aに固定される回動軸SF1(図2参照)を中心に回動可能であり、操作レバー側トーションバネ(図示せず)によって右側面視において回動軸SF1を中心とした時計回り方向に向かって付勢されている。
【0046】
(3-3)圧力調整機構
圧力調整機構143は、蓋体140が閉状態とされ圧力炊飯運転されている状態において、内鍋130の内部の圧力を1気圧以上(例えば、1.03~1.3気圧など)に調整する。圧力調整機構143は、図2に示されるように、主に、調圧ボールBL、弁座部BPおよび収容部AP等から構成されている。調圧ボールBLは、略球体形状を呈しており、収容部APの内側に配置されている(図2参照)。この調圧ボールBLが、弁座部BPの開口を閉塞した場合に内鍋130の内部の圧力が調整される。弁座部BPは、内蓋145の流入口VOの縁から上方に延びており、収容部APの内側に配置されている(図2参照)。収容部APは、平面視における内蓋145の流入口VOの周囲に配置されて上方に延びる筒壁部、および、この筒壁部の上端から内方に延びる天壁部から形成されている。この天壁部には、内蓋145の流入口VOから蓋体140の内部に流入した気体を通過させるための流通口が形成されている。なお、気体は、例えば、蓋体140が閉状態から開状態になった時は主に蓋体140の外部の空気等であり、蓋体140が閉状態である時は主に内鍋130内で生じた蒸気等である。
【0047】
(3-4)補強部材
補強部材は、外装体141の下側外装部材141bの剛性を高めるためのものであって、例えば、溶融亜鉛メッキ鋼板(SGCC)等の板金や、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等のエンジニアリングプラスチック等から形成されている。なお、補強部材の前端部には回動軸SF2(図2参照)を通すための軸受け孔が形成され、補強部材の後端部にはヒンジ機構150の回動軸151(図2参照)を通すための軸受け孔が形成されている。
【0048】
(3-5)流路形成部
流路形成部144は、蓋体140内における気体流路の一部を形成するためのものである。なお、図1および図2に示されるように、流路形成部144には排気口144aが形成されている。排気口144aは、流路形成部144の内部に流入した気体を蓋体140の外部に排出するためのものである。
【0049】
(3-6)内蓋
内蓋145は、図2に示されるように、蓋体140が閉状態である時に内鍋130の上部を覆って内鍋130を密閉するための部材である。なお、図2に示されるように、内蓋145には流入口VOが形成されている。この流入口VOにより、気体を蓋体140の内部に流入させることができる。
【0050】
(3-7)レバー部材
レバー部材146は、当接板部(図示せず)、当接板部の前側から下方に延びる左右一対の延設板部(図示せず)、および、各延設板部の下部から後方に向かって延びる爪部(図示せず)から形成される金属板部材であって、補強部材に回動軸SF2(図2参照)によって軸支されていると共に、レバー部材側トーションバネ(図示せず)によって右側面視において回動軸SF2を中心とした反時計回り方向に向かって付勢されている。なお、ここで、使用者によって操作レバー142の部位のうち回動軸SF1の前側の部位(図1において外装体141の上側外装部材141aに露出している部位)が下方に押圧されると、操作レバー142は、回動軸SF1を中心に回動し、レバー部材146の当接板部の部位のうち回動軸SF2の後側の部位に当接する。
【0051】
そして、使用者が蓋体140を閉状態としようとするとき、使用者は操作レバー142を操作する必要がなく、そのまま蓋体140を本体110に向かって倒し込めばよい。このとき、レバー部材146の爪部が、本体110の被係止部に形成される傾斜面(図示せず)に接触しながら下方に移動していく。この間、レバー部材146は、レバー部材側トーションバネの付勢力に逆らって前方(より詳細には、右側面視において回動軸SF2を中心とした時計回り方向)に向かって回動する。そして、レバー部材146の爪部が、本体110の被係止部の下側まで達すると、レバー部材側トーションバネの付勢力により本体110の被係止部に対して係止される。このようにして蓋体140が閉状態となる。一方、蓋体140を開状態とするとき、使用者は、操作レバー142の部位のうち回動軸SF1の前側の部位を下方に押圧する。すると、操作レバー142は、レバー部材146の当接板部の部位のうち回動軸SF2の後側の部位に当接し、レバー部材146がレバー部材側トーションバネの付勢力に逆らって前方に向かって回動する。このとき、レバー部材146の爪部が本体110の被係止部に係止されている状態が解除される。そして、ヒンジ機構150のヒンジ機構側トーションバネの付勢力により蓋体140が上方に持ち上げられ、蓋体140が開状態となる。ただし、圧力炊飯運転中においては、蓋体140が開状態とならないようにレバー部材146の回動は規制される。
【0052】
(3-8)レバーストッパー
レバーストッパーは、操作レバー142の部位のうち回動軸SF1の前側の部位が下方に押圧された時の操作レバー142の回動限界位置を規定するものであって、操作レバー142の下側に配置される。
【0053】
(3-9)蒸気センサ
蒸気センサSSは、蓋体140内部の温度、より詳細には蓋体140内部の気体流路を流れる気体の温度を測定するための温度センサである。蒸気センサSSの検知部は、図2に示されるように、外装体141の下側外装部材141bを貫通して外装体141の下側外装部材141bの下側に突出している。
【0054】
(3-10)蓋ヒータ
蓋ヒータLHは、保温運転時に使用されるヒータであって、内蓋145の上側に配置されている。なお、蓋ヒータLHは、保温運転時だけではなく炊飯運転時に使用されてもよいし、内蓋145の上側以外の箇所に配置されてもよい。
【0055】
(4)ヒンジ機構
ヒンジ機構150は、上述の通り、蓋体140が本体110に対して回動自在となるように蓋体140を本体110に取り付けており、締結板金(図示せず)、回動軸151(図2参照)、ヒンジ機構側トーションバネ(図示せず)およびダンパー(図示せず)等から構成されている。締結板金は、ヒンジ機構150を本体110のフランジ部Dbに取り付けるための部材である。なお、締結板金には、回動軸151が挿通される軸受け孔が形成されている。回動軸151は、蓋体140を軸中心に回動させるためのものである。ヒンジ機構側トーションバネは、蓋体140を開方向に向かって付勢している。なお、ヒンジ機構側トーションバネの一端は締結板金に固定され、ヒンジ機構側トーションバネのもう一端は蓋体140の補強部材に固定される。ダンパーは、回動軸151に取り付けられ、蓋体140の開放速度を減衰させる役目を担う。
【0056】
<本発明の第1実施形態に係る炊飯器における保温工程終了後の処理概要>
本発明の第1実施形態に係る炊飯器100では、マイクロコンピュータMCは、炊飯工程を終了すると、保温ヒータHTおよび蓋ヒータLHへの通電を行って内鍋130内の保温対象物(内容物)を保温するための保温工程を実行する。そして、使用者によって操作パネル117の操作ボタン群BTの取り消しボタンが押されると、マイクロコンピュータMCは、保温ヒータHTおよび蓋ヒータLHへの通電を停止して保温工程を終了する。以下、本発明の第1実施形態に係る炊飯器100における保温工程終了後の処理概要について説明する。
【0057】
マイクロコンピュータMCは、保温工程を終了してから時間計測を行い、一定時間が経過すると本体110に対する操作が行われたか否かを判定する。なお、本発明の第1実施形態に係る炊飯器100では、本体110に対する操作は、内鍋130を本体110から取り出す操作である。内鍋130を本体110から取り出す操作が行われたか否かを判断するために、まず、マイクロコンピュータMCは、一定時間が経過するまでにセンターセンサ114による測定温度の低下度合いが判定基準を満たしたか否かを判断する。なお、マイクロコンピュータMCは、保温工程終了後において、センターセンサ114が測定した測定温度情報をセンターセンサ114から受け取っている。また、測定温度の低下度合いの判定基準は、単位時間当たりの測定温度の低下量が閾値以上になったか否かである。具体的には、マイクロコンピュータMCは、X秒当たりでセンターセンサ114による測定温度がAからAよりも低いBになって(A-B)/Xが閾値C以上になった場合に測定温度の低下度合いが判定基準を満たしたと判断し、(A-B)/Xが閾値C以上になっていない場合に測定温度の低下度合いが判定基準を満たしていないと判断する。そして、マイクロコンピュータMCは、一定時間が経過するまでにセンターセンサ114による測定温度の低下度合いが判定基準を満たしたと判断した場合は内鍋130を本体110から取り出す操作(本体110に対する操作)が行われたと判断し、一定時間が経過するまでにセンターセンサ114による測定温度の低下度合いが判定基準を満たさなかったと判断した場合は内鍋130を本体110から取り出す操作が行われなかったと判断する。そして、マイクロコンピュータMCは、内鍋130を本体110から取り出す操作が行われたと判断した場合は、報知部ALに音を出力させず、保温対象物の取り出しを促すための文字情報を情報表示パネルDIに表示させない。一方、マイクロコンピュータMCは、内鍋130を本体110から取り出す操作が行われなかったと判断した場合は、報知部ALに音を出力させると共に、保温対象物の取り出しを促すための文字情報を情報表示パネルDIに表示させる。
【0058】
<本発明の第1実施形態に係る炊飯器の特徴>
本発明の第1実施形態に係る炊飯器100では、マイクロコンピュータMCは、保温工程終了後において、一定時間が経過するまでにセンターセンサ114が測定した測定温度の低下度合いが判定基準を満たしたか否かを判断する。そして、マイクロコンピュータMCは、一定時間が経過するまでにセンターセンサ114による測定温度の低下度合いが判定基準を満たさなかったと判断した場合は内鍋130を本体110から取り出す操作が行われなかったと判断する。そして、マイクロコンピュータMCは、内鍋130を本体110から取り出す操作が行われなかったと判断した場合は、報知部ALに音を出力させると共に、保温対象物の取り出しを促すための文字情報を情報表示パネルDIに表示させる。このため、この炊飯器100では、保温工程が終了した後において、内鍋130を本体110から取り出す操作が行われなかったとマイクロコンピュータMCが判断した場合は、使用者に対して報知を行い保温対象物の取り出し忘れを気付かせることができる。したがって、この炊飯器100では、保温工程が終了した後において本体110内部に保温対象物が放置されることをできるだけ防止することができる。
【0059】
<変形例>
(A)
先の第1実施形態に係る炊飯器100では、本体110に対する操作は、内鍋130を本体110から取り出す操作であった。しかし、本体110に対する操作は、内鍋130を本体110から取り出す操作以外の操作であってもよい。
【0060】
(B)
先の第1実施形態に係る炊飯器100では、マイクロコンピュータMCは、保温工程が終了した後において、一定時間が経過するまでにセンターセンサ114による測定温度の低下度合いが判定基準を満たしたと判断した場合は内鍋130を本体110から取り出す操作が行われたと判断し、一定時間が経過するまでにセンターセンサ114による測定温度の低下度合いが判定基準を満たさなかったと判断した場合は内鍋130を本体110から取り出す操作が行われなかったと判断していた。しかし、マイクロコンピュータMCは、保温工程が終了した後において、一定時間が経過するまでに他の判定基準を満たしたと判断した場合に内鍋130を本体110から取り出す操作が行われたと判断し、一定時間が経過するまでに他の判定基準を満たさなかったと判断した場合に内鍋130を本体110から取り出す操作が行われなかったと判断してもよい。例えば、保護枠111dに収容される物(内鍋130や保温対象物など)の重量を測定することができる重量測定部が本体110に設けられ、マイクロコンピュータMCは、保温工程が終了した後において、一定時間が経過するまでに重量測定部が所定値(例えば0)を測定した場合に内鍋130を本体110から取り出す操作が行われたと判断し、一定時間が経過するまでに重量測定部が所定値を測定していない場合に内鍋130を本体110から取り出す操作が行われなかったと判断してもよい。また、例えば、センターセンサ114の出没状態(すなわち、センターセンサ114が内鍋130で押し下げられずに上位置に移動している状態、および、センターセンサ114が内鍋130で押し下げられて下位置に移動している状態)を検知する検知センサ(例えば、フォトセンサなど)が本体110に設けられてもよい。そして、マイクロコンピュータMCは、保温工程が終了した後において、一定時間が経過するまでにセンターセンサ114が上位置に移動している状態を検知センサが検知した場合に内鍋130を本体110から取り出す操作が行われたと判断し、一定時間が経過するまでにセンターセンサ114が上位置に移動している状態を検知センサが検知しなかった場合に内鍋130を本体110から取り出す操作が行われなかったと判断してもよい。また、例えば、内鍋130が金属等の導電性材料から形成されている場合、内鍋130が保護枠111dに収容されている際に内鍋130に接触する一対の端子が本体110に設けられもよい。そして、マイクロコンピュータMCは、保温工程が終了した後において、一方の端子への通電を行い、もう一方の端子で電流が検知されなかった場合(すなわち、もう一方の端子に電流が流れない場合)に内鍋130を本体110から取り出す操作が行われたと判断し、もう一方の端子で電流が検知された場合に内鍋130を本体110から取り出す操作が行われなかったと判断してもよい。
【0061】
(C)
先の第1実施形態に係る炊飯器100では、マイクロコンピュータMCは、内鍋130を本体110から取り出す操作が行われなかったと判断した場合は、報知部ALに音を出力させると共に、保温対象物の取り出しを促すための文字情報を情報表示パネルDIに表示させていた。しかし、マイクロコンピュータMCは、内鍋130を本体110から取り出す操作が行われなかったと判断した場合は、報知部ALに音を出力させるだけでもよいし、保温対象物の取り出しを促すための文字情報を情報表示パネルDIに表示させるだけでもよい。また、照明部が炊飯器100に設けられ、マイクロコンピュータMCは、内鍋130を本体110から取り出す操作が行われなかったと判断した場合は、照明部を点灯させてもよい。
【0062】
(D)
先の第1実施形態に係る炊飯器100は、保温ヒータHTおよび蓋ヒータLHを備えていた。しかし、炊飯器100は、保温ヒータHTおよび蓋ヒータLHのいずれか一方のヒータだけを備えてもよい。炊飯器100が保温ヒータHTだけを備える場合、マイクロコンピュータMCは保温工程において保温ヒータHTへの通電を行い、炊飯器100が蓋ヒータLHだけを備える場合、マイクロコンピュータMCは保温工程において蓋ヒータLHへの通電を行う。なお、変形例(E)が適用される場合、炊飯器100は保温ヒータHTだけを備えることになる。
【0063】
(E)
先の第1実施形態では本発明が炊飯器100に適用されたが、本発明は、保温対象物を保温することができる炊飯器以外の調理器(例えば、保温ジャー、グリル鍋、蒸し器、フォンデュメーカーなど)に適用されてもよい。また、本発明は、構成要素として蓋体を含まない調理器に適用されてもよい。
【0064】
なお、上記変形例は各例単独で適用されてもよいし、複数の例が組み合わされて適用されてもよい。
【0065】
-第2実施形態-
本発明の第2実施形態に係る炊飯器は、第1実施形態に係る炊飯器100の構成要素に加えて、蓋体140の開閉を検知するための検知センサDS(図4参照)を備えている。そして、本発明の第2実施形態に係る炊飯器は、保温工程終了後において、検知センサDSの検知結果に基づいて処理を行う。以下、検知センサDSについて説明した後、本発明の第2実施形態に係る炊飯器における保温工程終了後の処理概要について説明する。
【0066】
検知センサDSは、蓋体140の開閉を検知するためのフォトセンサ等であって、図4に示されるように、マイコン基板119に通信接続される。蓋体140の一部が、検知センサDSの発光素子および受光素子の間に位置する時、検知センサDSの受光素子は、検知センサDSの発光素子からの光を受光しない(検知センサDSの発光素子から受光素子への光が蓋体140の一部によって遮られる。)。この時、検知センサDSは、蓋体140が閉状態であることを検知する。一方、蓋体140の一部が、検知センサDSの発光素子および受光素子の間に位置しない時、検知センサDSの受光素子は、検知センサDSの発光素子からの光を受光する。この時、検知センサDSは、蓋体140が開状態であることを検知する。
【0067】
<本発明の第2実施形態に係る炊飯器における保温工程終了後の処理概要>
マイクロコンピュータMCは、保温工程を終了してから時間計測を行い、一定時間が経過すると本体110に対する操作が行われたか否かを判定する。なお、本発明の第2実施形態に係る炊飯器では、マイクロコンピュータMCは、保温工程終了後において、一定時間が経過するまでに蓋体140の閉状態から開状態への遷移を検知センサDSが検知した場合(すなわち、検知センサDSの受光素子が検知センサDSの発光素子からの光を受光しない状態から受光する状態になった場合)は本体110に対する操作が行われたと判断し、一定時間が経過するまでに蓋体140の閉状態から開状態への遷移を検知センサDSが検知しなかった場合は本体110に対する操作が行われなかったと判断する。そして、マイクロコンピュータMCは、本体110に対する操作が行われたと判断した場合は、報知部ALに音を出力させず、保温対象物の取り出しを促すための文字情報を情報表示パネルDIに表示させない。一方、マイクロコンピュータMCは、本体110に対する操作が行われなかったと判断した場合は、報知部ALに音を出力させると共に、保温対象物の取り出しを促すための文字情報を情報表示パネルDIに表示させる。
【0068】
<本発明の第2実施形態に係る炊飯器の特徴>
本発明の第2実施形態に係る炊飯器では、マイクロコンピュータMCは、一定時間が経過するまでに蓋体140の閉状態から開状態への遷移を検知センサDSが検知しなかった場合は本体110に対する操作が行われなかったと判断する。そして、マイクロコンピュータMCは、本体110に対する操作が行われなかったと判断した場合は、報知部ALに音を出力させると共に、保温対象物の取り出しを促すための文字情報を情報表示パネルDIに表示させる。このため、この炊飯器100では、保温工程が終了した後において、本体110に対する操作が行われなかったとマイクロコンピュータMCが判断した場合は、使用者に対して報知を行い保温対象物の取り出し忘れを気付かせることができる。したがって、この炊飯器100では、保温工程が終了した後において本体110内部に保温対象物が放置されることをできるだけ防止することができる。
【0069】
<変形例>
(A)
先の第2実施形態に係る炊飯器では、検知センサDSはフォトセンサであった。しかし、検知センサDSとしてフォトセンサではなく他のセンサ(例えば、磁気センサ、傾斜センサ、加速度センサなど)が用いられて蓋体140の開閉が検知されてもよい。検知センサDSが磁気センサである場合、例えば、検知センサDSが本体110に設けられると共に磁界発生部材(例えば、磁石など)が蓋体140に設けられる。そして、蓋体140の開閉によって磁界発生部材が移動することによる磁界変化を検知センサが検知する。また、検知センサDSが傾斜センサである場合、検知センサDSは蓋体140に設けられる。また、検知センサDSが加速度センサである場合、検知センサDSは蓋体140に設けられる。
【0070】
(B)
先の第2実施形態に係る炊飯器では言及しなかったが、内鍋130は保護枠111dに固定されていてもよい(すなわち、内鍋130を保護枠111dから取り外すことが不可能であってもよい)。
【0071】
(C)
先の第2実施形態に係る炊飯器では、センターセンサ114が構成要素として含まれていた。しかし、センターセンサ114が構成要素として含まれなくてもよい。
【0072】
(D)
先の第2実施形態に係る炊飯器では、保温工程が終了した後において、検知センサDSによって蓋体140の開閉が検知されていた。しかし、保温工程が終了した後において、一定時間が経過するまでに蒸気センサSSによる測定温度の低下度合いが判定基準を満たしたか否かによって蓋体140の開閉が判断されてもよい。かかる場合、マイクロコンピュータMCは、保温工程が終了した後において、一定時間が経過するまでに蒸気センサSSによる測定温度の低下度合いが判定基準を満たしたか否かを判断する。なお、測定温度の低下度合いの判定基準は、例えば、単位時間当たりの測定温度の低下量が閾値以上になったか否かである。そして、マイクロコンピュータMCは、一定時間が経過するまでに蒸気センサSSによる測定温度の低下度合いが判定基準を満たしたと判断した場合は蓋体140の閉状態から開状態への遷移があった判断し、一定時間が経過するまでに蒸気センサSSによる測定温度の低下度合いが判定基準を満たさなかったと判断した場合は蓋体140の閉状態から開状態への遷移がなかったと判断する。
【0073】
(E)
先の第2実施形態では本発明が炊飯器に適用されたが、本発明は、保温対象物を保温することができる炊飯器以外の調理器(例えば、保温ジャー、グリル鍋、蒸し器、フォンデュメーカーなど)に適用されてもよい。また、本発明は、構成要素として蓋体を含むが内鍋を含まない調理器に適用されてもよい。
【0074】
なお、上記変形例は、単独で適用されてもよいし、組み合わせて適用されてもよい。また、矛盾のない範囲で第1実施形態の変形例が適用されてもよい。
【0075】
-第3実施形態-
本発明の第3実施形態に係る炊飯器102は、第1実施形態に係る炊飯器100の構成要素に加えて、通信インターフェイスを備えている。炊飯器102は、通信インターフェイスにより、通信ネットワーク50を介してサーバ200および情報端末300と相互に通信可能に接続される。そして、本発明の第3実施形態に係る炊飯器102は、図5に示されるように、サーバ200と情報端末300と共に報知システム1を構成している。なお、図5では情報端末300は1台しか示されていないが、複数の情報端末300が報知システム1に構成されてもよい。また、通信ネットワーク50は、どのような通信網(例えば、インターネット、キャリア網など)で構成されてもよく、有線であるか無線であるかを問わない。以下、サーバ200の構成および情報端末300の構成について説明してから、炊飯器102、サーバ200および情報端末300における処理概要について説明する。
【0076】
1.サーバ
まず、サーバ200の構成について説明する。サーバ200は、例えば炊飯器100の製造販売業者等によって管理されるものであり、炊飯器102から送信された判断情報を受信したり、報知命令情報を情報端末300に送信したりする。サーバ200は、図6に示されるように、主に、CPU(Central Processing Unit)210、メモリ220、表示部230、操作部240および通信インターフェイス250などから構成される。以下、これらの構成要素について詳述する。
【0077】
(1)CPU
CPU210は、例えば、サーバ200の管理者等からの操作部240を介した入力情報などに従ってメモリ220に記憶されているプログラムを実行することによって、サーバ200の各部を制御したり、メモリ220から必要なデータを取得して演算処理(例えば、算術演算処理や論理演算処理など)を行ったりする。また、CPU210は、例えば、メモリ220に記憶されているプログラムを実行し、各種のデータを参照することによって、後述する処理を実行する。
【0078】
(2)メモリ
メモリ220は、各種のRAM(Random Access Memory)、HDDやSSD等のストレージなどであり、サーバ200に内包されているものであってもよいし、サーバ200の各種インターフェイスに着脱可能なものであってもよいし、サーバ200からアクセス可能な他の装置(例えば、図示しないデータ管理サーバなど)の記憶媒体であってもよい。メモリ220は、CPU210によって実行されるプログラムや、CPU210によるプログラムの実行により生成されたデータ、操作部240を介して入力されたデータ、通信ネットワーク50を介して炊飯器102などから受信したデータなどを記憶する。
【0079】
(3)表示部
表示部230は、CPU210からの信号に基づいて、テキスト、画像、映像などを表示する。なお、表示部230は、タッチパネル機能を有していてもよい。
【0080】
(4)操作部
操作部240は、マウス、キーボード、ボタン、タッチパネルなどであり、サーバ200の管理者等からの入力情報などをCPU210に入力する。
【0081】
(5)通信インターフェイス
通信インターフェイス250は、通信ネットワーク50を介して炊飯器102または情報端末300などにCPU210からのデータを送信する。また、通信インターフェイス250は、通信ネットワーク50を介して炊飯器102または情報端末300などからデータを受信してCPU210に受け渡す。
【0082】
2.情報端末
次に、情報端末300の構成について説明する。情報端末300は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン、スマートスピーカーなどによって実現される。情報端末300は、通信ネットワーク50を介してサーバ200から報知命令情報を受信する。情報端末300は、図7に示されるように、主に、CPU310、メモリ320、表示部330、操作部340、通信インターフェイス350および報知部360などから構成される。以下、これらの構成要素について詳述する。
【0083】
(1)CPU
CPU310は、メモリ320に記憶されているプログラムを実行することによって、情報端末300の各部を制御したり、メモリ320から必要なデータを取得して演算処理(例えば、算術演算処理や論理演算処理など)を行ったりする。また、CPU310は、例えば、メモリ320に格納されているプログラムを実行し、各種のデータを参照することによって、後述する各種の処理を実行する。
【0084】
(2)メモリ
メモリ320は、各種のRAMや、ストレージ(内蔵タイプでもよいし外付けタイプでもよい。)などである。メモリ320は、CPU310によって実行されるプログラムや、CPU310によるプログラムの実行により生成されたデータ、操作部340を介して入力されたデータ、通信ネットワーク50を介して炊飯器102またはサーバ200などから受信したデータなどを記憶する。
【0085】
(3)表示部
表示部330は、CPU310からの信号に基づいて、テキスト、画像、映像などを表示する。なお、表示部330は、タッチパネル機能を有していてもよい。
【0086】
(4)操作部
操作部340は、マウス、キーボード、ボタン、タッチパネルなどであり、情報端末300の使用者等からの入力情報をCPU310に入力する。
【0087】
(5)通信インターフェイス
通信インターフェイス350は、通信ネットワーク50を介して炊飯器102またはサーバ200などにCPU310からのデータを送信する。また、通信インターフェイス350は、通信ネットワーク50を介して炊飯器102またはサーバ200などからデータを受信してCPU310に受け渡す。
【0088】
(6)報知部
報知部360は、使用者に対して音で報知するためのもの(例えば、スピーカーなど)であって、CPU310からの指令に基づいて音を出力する。
【0089】
<本発明の第3実施形態に係る炊飯器における保温工程終了後の処理概要>
以下、本発明の第3実施形態に係る炊飯器102における保温工程終了後の処理概要について説明する。なお、本発明の第3実施形態に係る炊飯器102における保温工程終了後の処理と、本発明の第1実施形態に係る炊飯器100における保温工程終了後の処理との相違点は、内鍋130を本体110から取り出す操作が行われなかったとマイクロコンピュータMCが判断した時の処理だけである。このため、ここでは相違点のみ説明する。本発明の第3実施形態に係る炊飯器102では、マイクロコンピュータMCは、内鍋130を本体110から取り出す操作が行われなかったと判断した場合は、報知部ALに音を出力させると共に、保温対象物の取り出しを促すための文字情報を情報表示パネルDIに表示させる。加えて、マイクロコンピュータMCは、内鍋130を本体110から取り出す操作が行われなかったことを示す判断情報を生成し、通信インターフェイスを介して判断情報をサーバ200に送信する。
【0090】
<本発明の第3実施形態に係るサーバにおける処理概要>
サーバ200のCPU210は、通信インターフェイス250を介して炊飯器102から判断情報を受信すると、情報端末300の報知部360に報知を行わせるための報知命令情報を生成する。そして、サーバ200のCPU210は、通信インターフェイス250を介して報知命令情報を情報端末300に送信する。
【0091】
<本発明の第3実施形態に係る情報端末における処理概要>
情報端末300のCPU310は、通信インターフェイス350を介してサーバ200から報知命令情報を受信すると、報知部360に音を出力させると共に、保温対象物の取り出しを促すための文字情報を表示部330に表示させる。なお、文字情報は、例えば、プッシュ通知として表示部330に表示されたり、炊飯器102の製造販売業者等によって提供されるアプリケーションが実行されると表示部330に表示されたりする。
【0092】
<本発明の第3実施形態に係る炊飯器の特徴>
本発明の第3実施形態に係る炊飯器102では、マイクロコンピュータMCは、保温工程終了後において、内鍋130を本体110から取り出す操作が行われなかったと判断した場合は、内鍋130を本体110から取り出す操作が行われなかったことを示す判断情報を生成し、通信インターフェイスを介して判断情報をサーバ200に送信する。そして、サーバ200のCPU210は、通信インターフェイス250を介して炊飯器102から判断情報を受信すると、情報端末300の報知部360に報知を行わせるための報知命令情報を生成し、通信インターフェイス250を介して報知命令情報を情報端末300に送信する。そして、情報端末300のCPU310は、通信インターフェイス350を介してサーバ200から報知命令情報を受信すると、報知部360に音を出力させると共に、保温対象物の取り出しを促すための文字情報を表示部330に表示させる。このため、この炊飯器102では、使用者が炊飯器102の置き場とは別の場所に居たとしても、情報端末300を介して報知を行うことで、使用者に対して保温対象物の取り出し忘れをできるだけ早く気付かせることができる。
【0093】
<変形例>
(A)
先の第3実施形態に係る炊飯器102は、サーバ200と情報端末300と共に報知システム1を構成していた。しかし、報知システム1にサーバ200は構成されなくてもよい。かかる場合、炊飯器102のマイクロコンピュータMCは、保温工程終了後において、内鍋130を本体110から取り出す操作が行われなかったと判断した場合は、情報端末300の報知部360に報知を行わせるための報知命令情報を生成し、通信インターフェイスを介して報知命令情報を情報端末300に送信することになる。そして、情報端末300のCPU310は、通信インターフェイス350を介して炊飯器102から報知命令情報を受信すると、報知部360に音を出力させると共に、保温対象物の取り出しを促すための文字情報を表示部330に表示させることになる。
【0094】
(B)
先の第3実施形態に係る情報端末300では、情報端末300のCPU310は、通信インターフェイス350を介してサーバ200から報知命令情報を受信すると、報知部360に音を出力させると共に、保温対象物の取り出しを促すための文字情報を表示部330に表示させていた。しかし、情報端末300のCPU310は、サーバ200から報知命令情報を受信した場合、報知部360に音を出力させるだけでもよいし、保温対象物の取り出しを促すための文字情報を表示部330に表示させるだけでもよい。また、照明部が情報端末300に設けられ、情報端末300のCPU310は、サーバ200から報知命令情報を受信した場合は、照明部を点灯させてもよい。
【0095】
(C)
先の第3実施形態に係る炊飯器102では、マイクロコンピュータMCは、内鍋130を本体110から取り出す操作が行われなかったと判断した場合は、報知部ALに音を出力させると共に、保温対象物の取り出しを促すための文字情報を情報表示パネルDIに表示させていた。しかし、炊飯器102のマイクロコンピュータMCは、内鍋130を本体110から取り出す操作が行われなかったと判断した場合でも、報知部ALに音を出力させず、保温対象物の取り出しを促すための文字情報を情報表示パネルDIに表示させないようにしてもよい。すなわち、内鍋130を本体110から取り出す操作が行われなかったと炊飯器102のマイクロコンピュータMCが判断した場合、情報端末300側でのみ報知が行われることになる。
【0096】
(D)
先の第3実施形態に係る炊飯器102は、第1実施形態に係る炊飯器100の構成要素に加えて、通信ネットワーク50を介してサーバ200および情報端末300と相互に通信するための通信インターフェイスを備えていた。しかし、炊飯器102は、第1実施形態に係る炊飯器100の構成要素ではなく、第2実施形態に係る炊飯器の構成要素に加えて、通信インターフェイスを備えてもよい。かかる場合、炊飯器102のマイクロコンピュータMCは、保温工程終了後において、蓋体140の閉状態から開状態への遷移を検知センサDSが検知しなかったことで本体110に対する操作が行われなかったと判断した場合は、報知部ALに音を出力させると共に、保温対象物の取り出しを促すための文字情報を情報表示パネルDIに表示させる。加えて、炊飯器102のマイクロコンピュータMCは、本体110に対する操作が行われなかったことを示す判断情報を生成し、通信インターフェイスを介して判断情報をサーバ200に送信する。
【0097】
なお、上記変形例は各例単独で適用されてもよいし、複数の例が組み合わされて適用されてもよい。また、矛盾のない範囲で第1実施形態の変形例または第2実施形態の変形例が適用されてもよい。
【符号の説明】
【0098】
1 報知システム
100 炊飯器(調理器)
102 炊飯器(調理器)
110 本体
114 センターセンサ(温度測定部)
130 内鍋(内容器)
140 蓋体
300 情報端末
360 報知部(端末側報知部)
AL 報知部
DI 情報表示ディスプレイ(報知部)
DS 検知センサ(検知部)
HT 保温ヒータ
LH 蓋ヒータ(保温ヒータ)
MC マイクロコンピュータ(制御部、判断部、送信部)
SS 蒸気センサ(温度測定部)
図1
図2
図3
図4
図5
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図7